でっちあげに抗して小沢一郎が目指す真の政治 信念なき民主党、菅政権の負の遺産に苦しむ野田政権〜松木けんこう氏
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/33839
2011.12.23 JBpress
マット安川 民主党を離れ、無所属となっても信念を貫く松木けんこうさんを迎え、民主党や野田政権が抱える問題や、公判中の小沢一郎さんのことについてお聞きしました。
■民主党は言ったことに責任を持て。このままではウソつきだ
松木 今朝(12月16日)の読売新聞1面の小沢(一郎・民主党元代表)さんの記事で、検事が、石川(知裕・衆院議員)さんが言っていないことを書いていたことが白日の下にさらされました。たまたま石川君がテープを持って録っていたから分かったことで、テープがなかったら検察の話が全部信用されるという大問題です。
だから我々は、政権交代前の参議院で多数を占めた時に、可視化法案を出したんです。要するにあまりにも冤罪が多いので、捜査段階など取り調べのどこかの時点でしっかり録音、録画などの証拠を取っておくべきだという法案です。
参議院では2回も可決されたんですが、当時は衆議院が民主党が多数ではなかったので、最後には否決されました。それでいよいよ政権を取ったら可視化法案はやらないという。それが民主党です。もう私は意味が分からないですね。
政治家にとって大切なことは、信念を持ってやるということです。2年数カ月前に、民主党は何と言ったか。子育て支援でもっと子どもを持ってもらおう、農業者への戸別所得補償で40%しかない食料自給率をもっと高めよう、高速道路の無償化で流通コストを安くして経済を活性化させよう。いろんなことを掲げました。
それが100%正しいかどうかは神様しか分かりません。というのは、すぐに結果が出るものとそうじゃないものがありますから。だから微調整はあっても仕方ないと思うけれども、右45度の話をしたのに、急に左45度になっちゃったというのでは、これはウソつきです。
どうしても実情が違ってきたという時には、国民にちゃんと説明すればいいし、新しい考えを出して衆議院を解散するとか、そういうことを考えればいいんです。言ったことはしっかり信念を持ってやるということが大切なんです。
■菅前総理の負の遺産を引き継いでしまった野田政権
野田(佳彦)政権はどんどん状況が厳しくなってきています。前政権の負の遺産にやられているとしか思えません。
例えば与野党3党合意ですが、特例公債法案を通してもらったということでしょうがないのかもしれないけれども、それとて菅直人(前首相)さんが居座るからああいうことになったとも言える。3党合意なんていうのは、我々のマニフェストをすべて捨てるというのと同じことです。
3党合意は、岡田(克也)さんが幹事長の時に決めたわけです。あの人は原理原則を守ると自分で言っていますが、そうであれば自分たちが決めた原理原則を守ればいいんだけど、本当は一番優柔不断な人なんです。
TPP(環太平洋戦略的経済連携協定)や消費税の問題も、菅さんが初めに言い出したことです。もともと訳の分からない人ですからしょうがないですけどね。それをまた野田さんが引き継ぐことはなくて、1回チャラにすればいいんです。
TPP参加というのは食の自給率が下がる方向です。消費税に関しても、ムダの削減や特別会計、公務員の総人件費の2割削減など、全部はできないにしてもやることはまだいっぱいあるわけですよ。
しかし何もできておらず、それをすっとばして増税というのでは、国民は怒るに決まってますよ。今の話は、子どもがお金ないからお小遣いをちょうだいと言うようなものです。何の工夫もしない子どもに、大人は小遣いをあげませんよね。
■小沢氏は本当の政治をやろうといろんな布石を打っている
小沢さんはいろんなことを言われていますが、本当の意味で政治をやろうとして、いろんな布石を打っています。
例えばアメリカや中国などとの関係では、ジョン万次郎記念財団(ジョン万次郎ホイットフィールド記念 国際草の根交流センター)でアメリカの若い人たちを留学で受け入れたり、中国については民間交流の「長城計画」を行っている。
私は以前、小沢事務所に外国人の秘書がいるので大丈夫かなと思ったことがあったんですけど、やはり違うんだなと、そこまで中国やアメリカ、外交のことも考えて、将来のための布石をどんどん打っていたんだと分かりました。
そういうことをやっている政治家なんかほかにいませんよ。私を含めてとてもそこまではできなかった。政治に対しての情熱が半端ではないというか、あれだけ叩かれながら小沢一郎というのはやってるんですよ、私だったらイヤになるでしょうね。
ひどかったのは、衆議院選挙の時に、4億何千万円のカネを小沢一郎はバラまいたという話がありました。これは正式に政治資金としてそれぞれの人に渡したものです。俺の子分だからカネをやるとか、そういうことはひと言も言っていない。
それであれだけ叩かれて、菅前総理にはおカネで私兵をつくるとは何ごとかと文句まで言われた。それでも、去年の参議院選挙でまたおカネ出して「がんばれ」と言ってやっている。参議院選挙で負けたらたいへんだということでおカネを出したんだと私は思います。でも悪く取られるんですよ。
小沢さんの国会への参考人招致ですが、裁判をやっている時の参考人招致というのは今までに例がないんです。やっぱり小沢さんも裁判の有利・不利などがあるわけで、人権もあります。
それに今、参考人だの証人喚問だのになったら、結局それは真実を明らかにするということではなく、国会の中のかけ引きに使われるだけなんですよ。与野党でやる時はどうしても政争の具になるんです。
だからそこは、裁判は公の場でやるわけですから、裁判でやるのが筋だと思います。裁判は全面公開でやっていますから、傍聴しに行けばいい。今ならたぶん並ばなくても入れますよ。
小沢さんはけっこう記者会見でも話をしてるんですけど、うまく伝わっていないのかなという感じがしますね。裁判がすべて終わった後に、まとめとして小沢さんが記者会見をするというのはあってもいいと思います。
「マット安川のずばり勝負」12月16日放送
http://www.jorf.co.jp/PROGRAM/mickey.php
松木 けんこう(まつき・けんこう)氏
衆議院議員。大学入学と同時に衆議院秘書となる。北海道通信社取締役副社長、苗穂保育園理事などを経て、2003年の衆議院選挙で初当選。現在3期目。2011年6月、菅内閣不信任決議案に賛成票を投じたことにより民主党から除籍。(撮影:前田せいめい、以下同)
マット安川(本名:安川昌之)
(株)オフィスヤスカワ代表取締役。1973年1月10日生、神奈川県出身。O型。大学在学中から30種以上の仕事に携わり、のちに渡米。語学を学び、インターンシップ、のち現地法律事務所へ勤務、3年間マネジメントを担当する。帰国後、各界著名人のトレーナー兼マネジメントなどを手がけ、企業コンサルティング、事業マッチングのほか、TV・ラジオの番組DJ・企画制作など多方面に活躍中。