日本が米国の従属国家であることがはばからずに公言できる今、そのルーツについて考察してみた。
<従属国家の定義>
ウィキペディア には、
「狭義における従属国は、主権の行使の一部を他国に委ねることで、結合体の中で従属的な地位にある国家を指す。付庸国、被保護国の類型が知られている。主権を不完全にしか持たないため、半主権国とも呼ばれる。」とある。
従属国を支配するのは宗主国と呼ばれる。
<従属国家への転落>
日本が従属国家へ転落していった時期は、1945年8月15日の太平洋戦争敗戦の時と考えられる。そして太平洋戦争とは、日本と連合国軍(中華民国、ソ連、イギリス、米国など)の間になされた戦争で、その終結はポツダム宣言の受諾という形で迎えられたというのが一般の理解だ。
しかし、戦争の経過を見ると、実体として米国と日本の2国間戦争であったと見るのが妥当だろう。
<日本の領土の分割>
終戦時日本の分割統治計画(にほんのぶんかつとうちけいかく)が存在していた。第二次世界大戦において、ドイツが降伏後米・英・ソ・仏4カ国に分割統治されたように、本土決戦後の日本も北海道・本州・九州・四国を連合国それぞれが統治しようとしていた。
しかし実際には、日本固有の本土の分割は為されず、戦前に日本が勝ち取った領土のみが連合国により分割された。
<日本の宗主国、米国>
戦争の上で事実上日本を打ち負かした米国は、当然の権利として優先的な日本の占領支配を主張し、連合国軍最高司令官総司令部(通称GHQ)を米国主導で常駐させ、1952年まで実質支配した。そしてこの間、
終戦時に囁かれていた日本本土の分割はなさなかった。それというのも、米国は、先の戦争で多くの犠牲を出した見返りに、独占的に日本の国富を独占したいと考えたからだろう。
米国は1952年までの実質的な支配の後に、法的な根拠に基づく継続的な支配を行う必要に迫られていた。
<日本独占占領プラン>
継続的に日本を実質支配して行くためには障害があった。
その障害は、日本の占領権限が米国だけでなく連合国側という中華民国、ソ連イギリスにも存在したことだ。早い話、日本の占領権限を独り占めしたい米国は、他の国を出し抜く必要があった。
このために、日本独占占領プランが立てられた。
その要点は平和に貢献する、敗戦国を援助する振りをして既成事実を積み重ね、他の戦勝国が分け前をよこせと文句が言えない状況に追いやることだ。
善良なる管理者の善良なる処置により他の連合国を日本という獲物から追い払い、自分だけで敗戦国から富を搾取しようとするものである。
<日本搾取独り占め作戦。>
この作戦は日本国が自立できず、他国に依存しなくては存続できない憲法を押し付けることから始まる。
そして分け前を要求する他の連合国を日本から引き離し、それと同時に日本が米国にのみ依存する2国間条約を結ぶのだ。
そして、このことを他国がとやかく言えない状況の中で進めていくという、極めて巧妙で高度な騙しが必要となる。
しかし、彼らはそれを完璧になし終えたのだ。具体的には、1〜3のステップを踏んだ。
<第1ステップ>
まず戦争放棄を高らかに謳った日本国憲法(憲法9条の戦争・交戦権の放棄)を1946年11月3日に交付させ、日本が二度と戦争をしないという平和のアピールをさせる。これには誰も文句が言えない。しかし米国の最終目的は、富の搾取であり、米国のこの段階での目的は日本の武力を無能化させ、自立できない無力国家に変貌させることである。
こうすることで、表向きは世界で初めての平和国家の誕生と大々的にアピールできる、ので他の連合国は文句のつけようがない。更に、国民が自分たちが去勢されているという事実に気づかず、むしろ世界に誇れる平和憲法を手にしたと誇らかに吹聴するまでになる。こうして後々米国の搾取に対して違和感を覚えても、守ってもらえるから仕方が無いと無抵抗にさせることができる。
うまいな!
<第2ステップ>
その後に、連合国軍側との和解(サンフランシスコ講和条約)を行って日本の主権を回復させる。一定の見返りを日本に約束させ、代わりに敗戦国日本ををまた一人前の国として扱ってやろうじゃないかというのがこの条約だ。
一見すると人類愛・世界平和につながる大人の提案だ。しかしよく見てみると、他の連合国は日本に対する請求権を放棄させられることになるのだ。
実際、この条約に対しソ連、チェコスロバキア、ポーランドは署名しなかった。
うまい手だ。
<第3ステップ>
そして次が仕上げだ。日米安保条約(旧)を結ぶ。敗戦国であり酷く世界を騒がせた事を深く反省し、世界平和の捨石となる覚悟で、平和憲法(戦争放棄・武力放棄)を宣言した日本。そういった世界平和に貢献することを自ら選択したがために、武力をなくして無力となった日本、その日本を米国が守ってやりましょうという条約が、日米安保条約だ。すなわち、世界平和の為に健気に邁進する日本、その日本を独占的にかつ自己犠牲的に守ることを宣言した条約が日米安保条約の位置づけだ。
日本を独占して搾取するための手段である、日米安全保障条約は、かくしてその本質を隠し、世界平和の為に貢献する条約になりすますこととなった。
タイミングとしては、サンフランシスコ講和条約と、日米安保条約が同日付で調印されている点は、他の連合国側につけ入れる隙を与えないためと思われる。
<悲しい事実>
2011年の日本を見渡したとき、悲しい思いに襲われる。
太平洋戦争は日本だけが悪かったのだ、特に陸軍が暴走して日本国民を苦しめたのだという洗脳に、今も浸る多くの国民。
米国はその日本陸軍を柱とする軍部の圧政から、日本国民を救出した英雄だという根も葉もない洗脳に相変わらず釘付けの世論。
今こうして日本の首相の交代を目前にして、米国の属国支配の現実に気づき始めた人は多い。
自民党は言わずもがな、民主党も所謂小沢グループを除けば全て米国の御用聞きに堕し、
目を政界から転ずれば、あらゆる官庁が米国の出張所に様変わりしており、
その属国支配を気づかせまいとして必死に洗脳報道を繰り返すマスゴミ。
警察と検察・裁判所は米国の番犬として、日本の独立を目指す政治家を逮捕、裁判にかけ政治生命を断つ片棒を担ぐ現実がある。
しかしながら、それでも
そのルーツを知ることは意義深い。
自国を知らずして自国を変えることはできない。
属国でいることを嘆く前に、どのようにして属国になったのかを知る価値は高い。
多くの議論でこれが深まることを希望します。
http://www.asyura2.com/11/senkyo118/msg/485.html