ネットメデイアの監視と弾圧を目的とする「コンピュータ監視法」が6月17日の参議院本会議で民主、自民、公明の賛成多数で可決・成立しました。
この間この治安立法を阻止するため精力的に活動していた一人の市民活動家が6月15日の深夜帰宅途中の電車内で「東京都迷惑防止条例違反」容疑で逮捕されました。
市民活動家のY氏は男3名、女2名の公安警察・謀略部隊に電車内で「痴漢事件」をでっちあげられ逮捕されたのです。
しかし彼らの謀略工作が余りにもずさんだったため、東京地裁の裁判官は検察官が出した10日間の検察拘留請求を却下し釈放を決定しました。検察官は「抗告」もできなかったのです。
Y氏は昨夜9時半3泊4日の警察拘留だけで無事釈放されました。ご本人は「植草さんの事件もあり車内では吊革を両手で掴むなど十分注意していたのだが不覚にも嵌められてしまった」と反省していましたがいたって元気です。
▼ 昨夜Y氏に直接聞いた「事件」の経緯
1)自営業で市民活動家のY氏は6月15日午後6時から渋谷で開催された緊急座談会「コンピュータ監視法の実態と危険性を暴く」に参加しその後の打ち上げ会で酒を飲み少し酩酊状態で午後11時頃井の頭線渋谷駅から明大前駅で京王線に乗り換え帰宅しようとした。
2)Y氏は京王線千歳船橋駅に向かっていた車内で「貴方痴漢したでしょう」と25、6歳の女性に突然声を上げられ腕を掴かまれた。ドアから2.3列くらい中側でした。Y氏は「女の腕の掴み方は普通では考えられない位に強く今から考えれば訓練されてたような気もする」と言っています。
3)車内は混雑していてドアーから2−3列目に立っていたY氏は吊革につかまらず右手はショルダーバッグのベルトを抑え、左手はフリーで下におろしていました。
4)多少酩酊状態であったY氏は右横から女性が突然声を上げたので最初何が起こったのか理解できず「何言っているのだ」と反論するのが精いっぱいでした。
5)電車が千歳船橋駅に到着し多くの乗客と一緒に押し出される形で駅に降りた。
6)「痴漢したでしょう」と叫んだ女性とは別の女性1名と男性3名がどこからともなく近づきY氏をとり囲んだ。
7)2名の駅員が来て「痴漢したでしょう」と叫んだ女性に「警察を呼びますか?」と聞き女性が「呼んでください」と答えたので駅員は警察に連絡し た。
8)5−6名の警官が2台のパトカーで到着しY氏は成城署に任意同行された。警察官は任意同行と言い駅で現行犯逮捕とは言わずに連行した。刑事は取調室で「お前は逮捕されてるんだ」と怒鳴った。
9)警察では取り調べが朝の5時ごろまで続いた。供述調書には間違いを訂正させ事実経過を正確に書かせてから署名した。
10)最後まで「逮捕令状」は見せられなかった。現場で現行犯逮捕せず「任意同行」で警察に連行してから「逮捕拘束」したのは「不当逮捕」ではな いのか?
憲法第33条の「何人も、現行犯として逮捕される場合を除いては、権限を有する司法官憲が発し、且つ理由となつてゐる犯罪を明示する令状によらな ければ、逮捕されない」に違反している。
11)翌日(6月16日)午前と午後警察の取り調べがあった。
12)6月17日(金)に検察官の取り調べがあり検事調書に事実経過を正確に書かせてから署名した。
13)若い検事は「被害者からの告発があり10日の拘留を出さざるを得ないが却下され釈放された場合は任意の出頭は可能か」と聞いてきので「可能 です」と答えた。
14)6月18日(土)に東京地裁の若い女性裁判官が検察の10日間拘留請求を却下し釈放を決定した。その際裁判官は「検察から「抗告」が出さ れると他の裁判官が10日間の拘留を認めてしまうかもしれない」と言ったが結局検察からの「抗告」は出されなかった。
15)昨日(6月18日)午後9時半成城署から釈放された。
▼ 3泊4日で釈放されたの理由
救援連絡センターの担当者が「検察拘留が却下され釈放されたのは非常にまれなケース」と驚いた3泊4日で釈放されたおもな理由は以下の3つが考えられます。
一つは、公安警察の謀略部隊のでっち上げがあまりにもずさんでお粗末だったため警察と検察は逮捕したものの証拠も証言もなく「事件」化できなかっ たこと。
二つ目はY氏が憲法の保障する「基本的人権」を盾に警察と検察の圧力に一歩も引かず「痴漢行為は一切やっていない」と一貫して主張したこと。
三つ目は、救援連絡センター(03−3591−1301)や弁護士さんや支援する仲間の「支援体制」が迅速に機能して警察・検察の権力乱用に歯止 めをかけたこと。
▼ 今回の事件は経済学者植草一秀氏への「痴漢謀略事件」とそっくり!
経済学者の植草一秀氏は2001年―2006年の「小泉・竹中構造改革」は米国流の「新自由主義」を日本に導入し用としている、と激しく批判して いました。
特に2003年5月に小泉政権がりそな銀行を一時国有化した際に「破綻合併」の方針を一転して「国有化」方針に転換したのは、竹中金融担当大臣(当時)による「国家によるインサイダー取引」と鋭く糾弾したのです。
植草一秀氏は2006年9月13日午後10時頃京急本線の品川駅-京急蒲田駅間の下り快特電車内で女子高生に痴漢行為をしたとして東京都迷惑防止 条例違反の現行犯で警視庁により逮捕されたのです。
警視庁公安部は取引先の宴会で酒を飲みかなりの酩酊状態で反対方向の電車に誤って乗り込んだ植草氏を「痴漢事件」をでっち上げて逮捕したのです。
植草氏を尾行していた謀略部隊は女子生徒に「痴漢行為」をして声を上げさせ、乗客を装った私服刑事が植草氏を「犯人」として取り押さえ蒲田駅の駅員につきだし警察に逮捕させたのです。
小泉純一郎政権は2006年9月26日で終了し次の安倍晋三内閣に交代しましたが、2006年9月13日に起こした公安警察による植草氏への「痴 漢事件」は小泉・竹中 政権が仕掛けた最後の「謀略」だったのでしょう。
今回Y氏にかけられた「痴漢事件」は経済学者植草一秀氏にかけられた「痴漢事件」とそっくりなのです。
▼ もしも警察に不当逮捕されたら
もしも警察に不当逮捕されたら、警察と検察に対して毅然とした態度をとり、憲法が保障する下記の「基本的人権」を主張し、救援連絡センターへの連絡を強く主張すべきです。
1)警察や検察に対し「不当逮捕であること」「逮捕容疑は認めないこと」を毅然として主張すること
2) 直ち救援連絡センター(03−3591−1301)に連絡して弁護士を派遣するように強く主張すること
3)警察や検察に対し憲法が保障する以下の「基本的人権」を強く主張すること
@ 憲法第31条:法定手続きの保障
A 憲法第32条:裁判を受ける権利
B 憲法第33条:逮捕の要件
C 憲法第34条:拘留・拘禁に対する保障、拘禁理由の開示
D 憲法第35条:住居の侵入・捜索・押収に対する保障
E 憲法第36条:拷問の禁止及び残虐刑の禁止
F 憲法第37条:刑事被告人の権利
G 憲法第38条:不利益な供述の供用禁止、自白の証拠能力
H 憲法第39条:遡及処罰の禁止・一事不再理
I 憲法第40条:刑事補償
4) 警察や検察は「微罪だから容疑を早く認めて釈放されたほうが良い」と嘘を言って供述調書に署名を強要しますが決して騙されないこと。
▼ 次は「共謀罪」が上程される
犯罪が実行されなくても二人以上が「謀議」するだけで逮捕・起訴出来る米国流「共謀罪」は小泉自公政権が日本に導入すべく3回も国会上程しまし た。
マスコミや国民世論の強い反対と当時野党の中心であった小沢一朗代表率いる民主党が反対したため「共謀罪」は3回ともギリギリのところで廃案にさ れたのです
今回成立した「コンピュータ監視法」は「共謀罪」の中に書かれていた「サイバー犯罪」「児童ポルノ規制」「強制執行妨害」を別個に取り出して法案 化したもので、
「共謀罪」に強硬に反対した民主党は菅執行部(江田五月法相)になった途端、法務官僚の言うままに政府提案として計6回の委員会審議だけで民主、 自民、公明「大連立」体制でどさくさに紛れて法案を成立させたのです。
私はこれを以て「日本は戦前の治安維持法下の「弾圧と失業と戦争の時代に突入した」と判断しました。
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http://blog.goo.ne.jp/yampr7/e/77f04d90bc7ff62cae758ed3fa1c3d7d
我々は戦前には存在していなかったネットメデイアを駆使して大手マスコミの垂れ流す「大本営発表」報道の嘘を暴露し「真実」を発信する必要があり ます。
我々は権力による国民への「弾圧」や「謀略」を許さず正面から戦い戦前の暗黒の時代を再び繰り返さないようにすべきなのです。