最近のおすすめ映画 |
作品中盤で展開する不当逮捕事件。この映像が撮影 出来たことの意味をお考え戴きたい。
白昼堂々、回り続けるカメラをはっきり認識しなが ら警察官は犯行に及んだ。メディアであれば、確実に 握りつぶせることを熟知していたからではないのか?
◆荒木浩広報副部長を中心にオウム真理教の信者達に密 着取材。のべ150時間に及ぶビデオ映像には、オウム信 者たちの生々しい姿と共に、彼らと対峙するマスコミや 警察、一般市民の撫樅克明に収められ、その映像の中 に日本人の心の中で着実に進行する「歪み」が浮かび上 がってくる。
迷路からの脱出! |
映画「A」が記録した警察とマスコミ勇み足
映画「A」が記録した警察とマスコミの勇み足
監督はフリーのテレビディレクター・森達也監督。「ゆきゆきて、神軍」で ユニークなのは、森監督がこの作品を撮るにあたって、オウム真理教広報部 森氏も安岡氏もフリーランスである。自分たちが何者で、なぜオウム真理教 ここで映画内容について、ここでクドクド書くことは避けよう。ただ2点だ ひとつは、映画中盤で、オウム真理教の若い男性幹部が、公務執行妨害で逮 荒木広報副部長と別の幹部が歩道を歩いているところへ、数人の私服警官が 私服の1人でチンピラのようないでたちの男が、幹部に名前と所属を執拗に 胸を突き出して通行を妨害し、威圧する。決して通そうとしない。それを他 やがて、若い幹部は私服の威圧から逃れるように駆け出してしまう。私服は 私服の圧勝である。幹部はアスファルトに後頭部を痛打し、意識が混濁して だがその直後、若い幹部は「公務執行妨害の現行犯」で逮捕される。 森監督らはオウム教団から、不当逮捕の一部始終を収めたビデオカメラを提 だが、起訴を免れたことを、喜んでいていいのだろうか。教団広報部長の上 この事件、ヤラセ映像でないのなら、私には特別公務員陵虐事件(刑法195 もう一点強調したいのは、オウム真理教を取材する報道記者やディレク 取材を申し込む前から無断でカメラを回すテレビクルー、取材を願い出る立 この2種類の映像は、大手メディアがいくら頑張っても撮れるものではない |
●歯切れの悪い新聞の映画評
さて、大手メディアにとって映画「A」はどう映ったのか。マスコミ側にし 実際に新聞の映画評をみてみよう。可能ならば全文を掲載したいところだ 朝日新聞夕刊98年4月20日 「確かに、さまざまな『行き過ぎ』があったかもしれない。ただ、教団が『被 朝日新聞大阪版98年7月24日 「高圧的ともいえるマスコミの取材や、信者を強引に逮捕に持ち込む警察官の 毎日新聞夕刊98年6月2日 「このような宗教団体を生み出してしまったのは、実は私たちの社会のゆがみ もちろん上記の引用はかなり乱暴なキリトリなので、論旨を正確に伝えてい これが逆に、「正義の警察官」や「炎のジャーナリスト」と呼ばれる人たち |
●オウムを語るという困難 ここで、こうした断りをしなければならないのが、(オウム事件を語るとき オウム真理教事件が連日連夜報道されていたころ、あらゆる人は「反オウ 事件で被害にあった人がいるのは知っている。刑事事件で起訴されたのはオ にもかかわらず、かなり多くの人が、まるで自分が被害を受けたかのような オウム真理教の信者であれば事件に関与していなくても、すべての国民に対 だが、国家から刑罰によって責められるべき存在は、オウム教団の中で有罪 従軍慰安婦問題では、すべての日本国民が悪になってしまい、天安門事件で もう一点、つけ加えておかなければならないのは、宗教者たちの声である。 だが、宗教の歴史は殺戮の歴史でもある。少数民族問題として片付けられて イスラム教シーア派の故ホメイニ師は作家のサルマン・ラシディ氏に対して あらゆる宗教は、発生時においてはカルトである。「人の魂を救う」などと 宗教者も無神論も、保守派もリベラル派も、知識人も非常識人もも、みんな 畑仲哲雄 |
映画館BOX:作品データベース「A」
http://www.mmjp.or.jp/BOX/database/a.html
映画館BOX:場所
http://www.mmjp.or.jp/BOX/whatsbox.html
オウムドキュメンタリー映画『A』を観ての感想記
http://www.geocities.co.jp/WallStreet/1733/a1.html
オウム真理教をホーリスティックにとらえる
http://www.tcup4.com/405/holism.html?
映画瓦版
http://www.hi-ho.ne.jp/hattori-k/98/98031202.html