56. 秘密のアッコちゃん[1170] lOmWp4LMg0GDYoNSgr@C4YLx 2024年12月14日 17:34:37 : n4vXmS4Gso : WUN2WklXQ0Fya0k=[608]
「正論」1月号
2024/12/14 12:00
https://www.sankei.com/article/20241214-W7UHONVFTBECFBSQKGFTDMYESI/?outputType=theme_monthly-seiron
「ないちゃー」(本土出身者)
が
「うちなー」(沖縄)
を語るのは難しい。
千言万語を費やしたとしても誤解や反発を招く恐れは否定できないからだ。
2024年10月、講談社の漫画誌「モーニング」の2024年46号(2024年10月17日発売)に掲載された
「社外取締役 島耕作」
が沖縄の地元2紙の紙面を連日賑わせた。
辺野古移設の抗議活動をしている人が
「日当」
で雇われているかのような描写があったためだ。
同誌編集部によると、作者の弘兼憲史氏と担当編集者が沖縄へ赴き、
「『新基地』建設反対派のアルバイトがある」
という話を複数の県民から聞いたが、
「当事者からは確認の取れていない伝聞だった」
という。
沖縄タイムス(2024年10月22日付)によれば、市民約80人が講談社(東京都文京区)の前に集まり、
「デマを撤回しろ」
「沖縄の人たちに謝罪して」
などと声を上げたという。
弘兼氏は編集部と連名で
「ご心痛を与えた皆さまにおわび申し上げる」
と謝罪。
これは共同通信と時事通信が全国に配信し、全国紙やテレビ各局も報じた。
この件については、玉城デニー知事を支持する
「オール沖縄会議」
の幹部は
「労働組合の専従職員が交通費の実費は受け取り、辺野古に応援に行くことはあるだろうが、日当を受けている人はいない」
「なぜ根も葉もない話が出てきたのか」
と疑問視。
沖縄平和運動センターの関係者も
「フェイクだ」
と憤っていた。
米軍基地に関わる問題で
「うちなーんちゅ」(沖縄の人)
の反応は、沖縄が歩んできた歴史と密接に関係しており、
「ないちゃー」
である筆者としては軽々な論評は避けたい。
だが、この
「日当」
に関する1件ではなく、移設工事に関連して発生した交通死亡事故を巡る問題については、
「明らかにおかしい」
と指摘しなければなるまい。
具体的には米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の辺野古移設反対を訴え、抗議活動をしていた女性を制止した男性警備員が、ダンプカーに巻き込まれ死亡した事故を巡る一連の出来事である。
事故後も抗議活動を続ける
「市民団体」(呼称について異論があるのは承知している)
の主張や玉城デニー県政の対応、そして革新寄りの論調が目立つ地元メディアの報道姿勢には率直に言って憤りを覚える。
それは恐らく筆者のみではない。
SNSの発達などでこれまでは県外には伝わりづらかったことも全国に広まり、
「不都合な真実」
も白日の下に晒され、批判を受けやすくなった。
産経新聞は先の事故を巡って、事故直前の防犯カメラ映像を入手し、2024年10月10日に特報した。
報道の反響は大きく、記事を紹介するX(旧ツイッター)のインプレッション(閲覧数)は1000万を優に超え、
「辺野古抗議活動制止警備員死亡」
というワードがトレンド入りした。
「市民団体」
や玉城氏、そしてメディアなどに、様々な意見、感想が投稿されている。
その多くは否定的なものだ。
この1件は、退潮傾向の続く
「オール沖縄」
勢力にとって、歴史的なターニングポイント(転換点)になり、終焉に向かう序章となるのではないか、と思っている。
■「報道しない自由」
「報道しない自由」
というネットスラングがある。
「報道の自由」
を掲げるマスコミが、報道内容を恣意的に選別し、国民に知らせないことも自由になってしまうことの危険性を示していると解されている。
ネットメディアやユーザーにとっては人口に膾炙している言葉だ。新聞やテレビが
「マスゴミ」
と揶揄され、批判や嘲笑の対象になるようになった一因には、この
「報道しない自由」
が存在しているという印象の流通、定着があるだろう。
そして、SNS上などでは、この
「自由」
が、辺野古移設工事を巡るダンプ事故でも行使≠ウれていたと語られている。
改めて経緯を振り返りたい。
事故は2024年6月月28日、辺野古移設工事に使う土砂を搬出する名護市安和の桟橋前の路上で発生した。
辺野古「新基地」反対運動に参加していた70代の女性が、抗議活動中に警備員と共にダンプカーに巻き込まれ、警備員は死亡、女性も重傷を負った。
事故後、
「牛歩戦術」
による抗議活動をしてきた市民団体側は、女性は道路に飛び出したわけではないとの姿勢を崩さなかった。
「オール沖縄会議」
も、事故原因は防衛省沖縄防衛局が辺野古
「新基地」
建設工事を急がせるために業者に無理を強いたことにある、と断じた。
地元メディアのカメラの前で、伊藤晋哉・沖縄防衛局長に向かって
「あなたは沖縄県民を1人殺してしまった責任者だ」
となじる幹部までいた。
もちろん、事故発生の一報は全メディアが報じている。
しかし、事故原因を沖縄県警が捜査する中、2報以降の展開は異なる。
産経新聞は断続的に
「牛歩による妨害≠ヘなぜ取り締まれないのか」
「『市民』側の抗議手法に問題はなかったのか」
などと報じた。
一方で、真逆の立場の報道もある。
例えば地元2紙は、抗議者が出入口の片道で牛歩をしたら、ダンプカーが一台出入りするという
「暗黙のルール」
があったが、2台続けての危険な
「2台出し」
が行われていたと指摘。
危険な誘導が頻発し、ダンプカーの運転手からも
「いつかは事故が起きる」
と懸念の声が上がっているなどと報じた。
琉球新報には、重傷を負った女性が
「フェニックス(不死鳥)さん」
と呼ばれていると紹介した上で、
「女性が手術前に残した『骨は折れても心は折れない』の言葉に奮い立った市民が目立つ」
との記事も掲載された。
関係者によると、亡くなった警備員には高校生の娘がいたという。
記事には警備員を悼む言葉はなく、遺族の気持ちは察するに余りある。
実際、警備員の妻は
「今迄で一番憤りを感じる記事だった」
とし、
「(女性の)妨害行為が問題ないことにされ、家族の死がなかったことのように扱われた」
「本当に本当に許せないし、とても辛い」
と心を痛めたとされる。
産経新聞の報道は他のメディアと一線を画するわけだが、あくまで、例えば政府関係者から入手した
「映像」
をはじめ、ファクトに基づいている。
映像には、別の抗議者に対応していた警備員の後方から足早に近付いて来た女性が、国道に向かって徐行するダンプカーの前に出る様子が映っていた。
警備員は女性を制止しようと、ダンプカーと女性の間に割って入る形となり、そのままダンプカーの左前面に衝突した。
関係者は
「明らかに女性は警備員の制止を無視して飛び出している」
と証言した。
産経新聞が報じた内容と同様のものとみられる映像は2024年10月11日、現場の安全対策を検討している沖縄県議会の土木環境委員会でも視聴された。
しかし、12人の委員のうち玉城知事を支持するオール沖縄勢力の県政与党会派の委員5人は閲覧を拒否して退席した。
重傷を負った女性の代理人からあった閲覧中止を求める申し入れについて十分協議しておらず、
「委員会で確認する妥当性や人権感覚、倫理観、責任問題にも関わる」
というのが主な理由であった。
「事実関係を調査するための映像をなぜ見ないのか」(保守系県議)
との声もあったが、まさか映像という動かぬ証拠に背を向けるとは思わなかった。
事故現場で牛歩による抗議活動をしてきた市民団体のメンバーによると、重傷を負った女性は
「敢えて飛び出したわけではない」
と説明。
この市民団体と連携する
「オール沖縄会議」
は2024年7月、2人がダンプカーに巻き込まれたのは
「車両乗入部」
と呼ばれる歩道部分で、
「あくまでも歩行者の通行が優先される場所」
だったと主張する資料を公表していた。
閲覧を拒否した5人は、委員長への不信任動議まで提出。
議会事務局によると、県議会で常任委員長に対する不信任案が提出された記録は過去になく、県政史上でも異例の出来事だった。
オール沖縄側の
「主張」
が揺らぎかねない
「不都合な真実」
が露見することを恐れているかのようでもある。
「沖縄における報道の潮目を変える記事だ」
ある地元メディアの記者からはメールでこんな感想もいただいたが、その後も事故映像の内容を詳しく報じるメディアはない。
「背景まで探る報道姿勢」
産経新聞の報道によって多くの人が目にしたであろう映像を、
「私は見ていない」
と言って憚らない人がいる。
玉城知事だ。
それだけではない。
2024年10月31日の定例記者会見では産経新聞を念頭に
「捜査中の証拠になり得るものは、報道を差し控えるべきではないか」
と述べたのだ。
テレビのニュースなどでよく見かける交通事故のドライブレコーダー映像や、防犯カメラ映像も
「捜査中の証拠になり得るもの」
なのだが、玉城氏によれば
「報道を差し控えるべき」
らしい。
加えて、
「映像が(報道機関に)提供されたことは由々しき問題だ」
という看過し難い発言もあった。
この発言は、映像提供者にとっては
「圧力」
以外の何ものでもなく、民主主義の根幹を成す
「報道の自由」
をも侵害しかねない。
ウェブサイト
「産経ニュース」
で知事の発言を速報したところ、SNSでは
「報道の自由に対する権力側からの圧力」
「言論統制」
といった反応が相次いだ。
だが、玉城知事の
「由々しき」
発言を報じたメディアは結局、産経以外にはなかった。
一方で、2024年11月になって強制わいせつ容疑で書類送検された沖縄県南城市の古謝景春市長が記者会見で琉球新報記者の質問に
「あの人には答えない」
と回答を拒否し、6分で会見を打ち切った際には、沖縄県マスコミ労働組合協議会や新聞労連沖縄地連、民放労連沖縄地連などが連名で市長に抗議文を出している。
もとより、報道各社のニュースバリュー(報道価値)判断基準はまちまちであると理解しているものの、彼此の対応の差を前に、さすがに
「報道しない自由」
という言葉が頭をよぎった。
とはいえ、必ずしも黙殺≠ウれているわけではない。
沖縄タイムスのコラム
「記者の眼」(2024年11月11日付5面)
では産経新聞が報じた映像についての言及があった。
「全国紙1紙が2024年10月、事故直前を捉えた防犯カメラ映像をウェブ記事で配信した」
とした上で、こう続く。
「(筆者注・産経の)記事が、攻撃や誹謗中傷の材料に使われている」
「僅か6秒の映像だけでは、分からない」
「県民は30年近く、国の強権に晒されてきた」
「権力監視の視点こそ、ジャーナリズムが決して失ってはならないもののはずだ」
ちなみに、記事は産経新聞の紙面にも掲載されているが、それはひとまず置いておこう。
このコラムを執筆した記者に言わせれば筆者は
「権力監視の視点に欠ける」
のかもしれないが、沖縄県政や、その長である玉城氏という
「権力」
にも、厳しい視点を持っていると自負している。
実際、今回の事故では、明らかな行政の不作為があったと考えざるを得ないし、筆者はその追及を続けている。
事故現場の国道では以前から牛歩による抗議活動が行われてきた。
港湾を利用する事業者側は令和4年12月以降、県に対して
「抗議者が事故に巻き込まれないようガードレールを設置してほしい」
と何度も要請。
ガードパイプの費用負担まで申し出たが、県はいずれも
「歩行者の横断を制限することになる」
として認めてこなかった。
ガードレールなりパイプなりが設置されていれば、事故は防げた可能性もある。
しかし、現実に2人が死傷する事故が発生しても尚、対策は手つかずだ。
一方、事故現場からほど近い本部港塩川地区に設置されていた工事車両の往来を妨害する行為への警告を記した看板は、抗議活動を行う数十人が県庁に押しかけて要請し、設置から約2カ月半で撤去されており、本来優先すべき安全を蔑ろにした沖縄県の責任は問われなければなるまい。
先に引いた琉球新報のコラムは
「表面だけではなく背景まで探る報道姿勢で、この問題に向き合っていきたい」
と結んでいる。
けだしその通りだと思う。
地元紙として盤石な態勢を築かれている琉球新報から見れば、那覇支局の所属記者が筆者1人しかいない産経新聞は
「表面だけ」
の取材に映るかもしれない。
しかし、1次情報を発信する報道機関の末席に名を連ねる身として
「背景まで探る報道姿勢」
は持ち続けていることを、ご理解頂きたいものだ。
また、今回の事故に関する取材を重ねる中で、辺野古移設反対を唱える
「市民団体」
が世論喚起を目的に自己の活動を正当化する余り沖縄の抱える問題に共感する人の心を離れさせはしないか、という筆者の懸念も共有させて頂きたい。
実際、
「市民団体」
の振る舞いには疑問を感じることが多々ある。
■どちらが「でっち上げ」?
「産経新聞はでっち上げ!」
2024年7月22日、筆者が事故現場を訪れると、サングラスをした女性が拡声器でこう叫んでいた。
何がでっち上げなのかと問うと
「産経新聞は『車道に飛び出した市民』(と書いた)」
「ここが間違い」
「でたらめ」
という。
だが、この時点で産経新聞は女性が
「飛び出した」
とは書いていない。
この時点でそこまで踏み込めるファクトは持ち合わせていないからだ。
過去記事を検索し、検証して頂いても構わない。
産経新聞が
「抗議者の女性がダンプカーの前に飛び出した可能性が高まった」
と報じたのは、カメラ映像の内容が明らかになった2024年10月10日からである。
「産経新聞は『飛び出した』と書いていましたか」
と尋ねた筆者に、この女性は
「と、思います」
と答えた。
思わず、
「『思う』で、でっち上げといわれたら困ります」
と色を作してしまった。
「でっち上げ」
と言えば、事故現場では2024年10月22日朝、特定の防衛省沖縄防衛局職員のイニシャルと顔写真を載せ
「罪をねつ造、でっち上げた防衛局職員」
などと批判する横断幕も掲げられていた。
この場所では2024年9月26日、沖縄防衛局職員が抗議活動中の70代男性=暴行容疑で現行犯逮捕後、処分保留で釈放=から胸を両手で押され転倒させられる事件が起きていた。
顔写真とイニシャルを横断幕で晒された防衛局職員は事件の被害者だった。
この職員の顔写真には矢印が付けられ、
「この男、行く末が見えている」
と批判。
「許されない!」
といった文言も記載されていた。
県警は横断幕を設置した県内の男性から任意提出を受け、名誉毀損容疑で捜査しているが、この1件も、産経新聞以外はどこも報じていない。
たとえ仮に冤罪だとしても、顔写真を載せて批判するのは単なる個人攻撃だろう。
2024年11月14日には市民団体
「沖縄平和市民連絡会」
のメンバーが県庁を訪れ、
「特定の事業者・警備員が公道を封鎖し、歩行者の通行を阻止することなど許されるはずはない」
として土木建築部長と面談し、事故現場にガードレールや車止めポールを設置しないよう求めた。
繰り返し指摘するが、現場では人命が失われているのだ。
こうした
「市民団体」
は
「命どぅ宝(命こそ宝)」
をスローガンに活動しているが、空虚に響く。
これを報じた産経ニュース記事を転載したヤフーニュースには約770件のコメントが寄せられた。
「他人の命よりも自分の主張が優先されるのか」
「再発防止のための設備の設置を要求するのが『市民団体』のあるべき姿だと思う」
といった声だ。
今回の事故に関して言えば、少なくとも、オール沖縄に理解を示す革新寄りの既存メディアの論調と
「ネット世論」
は乖離がある。
ネットユーザーの多くが
「市民団体」
の主張や左派メディアの報道に否定的と言える。
事故映像を見ようとしない玉城知事や県政与党会派議員も含め、その底意は見透かされていると言わざるを得ない。
事故後の一連の出来事が、退潮傾向の続く
「オール沖縄」
勢力にとって、大きなターニングポイントになると考えるのは、こうした事情からだ。
■世間との乖離を自覚せよ
「イデオロギーよりアイデンティティー」
をスローガンに辺野古移設を訴え、今に続く
「オール沖縄」
勢力の土台を築いたのは保守派の重鎮だった翁長雄志氏だった。
10年前の平成26年の県知事選に出馬する際、辺野古問題以外は
「腹八分、腹六分」
(で折り合う)と提唱し、保革を超えて結集させた。
しかし近年は共産主導の革新色が強まっている。
有力メンバーだった保守系議員や財界人が離脱するなど求心力が低下したオール沖縄勢力は今年2024年6月の県議選で大敗し、県議会過半数を失った。
2024年9月の宜野湾市長選でも、米軍普天間飛行場(同市)の辺野古移設に反対したオール沖縄勢力側の候補が落選した。
昭和47年の本土復帰後、沖縄では革新勢力が教育界や言論界で強い影響力を及ぼしてきた。
本土復帰の象徴だった日の丸すら、戦争のエンブレムであるが如くタブー視され、自衛隊にも
「戦場にするな」
「軍拡やめろ」
との批判が渦巻く。
繰り返すが、沖縄の歴史と結び付くそうした声について、
「うちなー」
でない筆者は軽々には論評しない。
しかし、今回の事故に関しては別だ。
亡くなった警備員を悼み、死角の多いダンプカーの真ん前を横断する危険な抗議手法は改めるべきだ。
衷心からこう提言したい。
世間との乖離を自覚して頂きたい、と。
さもなくば、オール沖縄勢力は歴史的な役割を終え、それこそ単なる
「選挙互助会」(れいわ新選組、山本太郎代表)
に落ちぶれてしまうだろう。
沖縄では
「ほどほどに、いい加減に」
といった意味で、
「大概」
と言う。
物事を突き詰めて考えない大らかな県民性は
「てーげー気質」
とも形容されるが、いよいよこのままでは足下から
「大概にしろ」
との声が上がってこよう。
(産経新聞那覇支局長)
沖縄の「報道しない自由」 悲惨な事故はなぜ起きたか
風を読む 論説副委員長・川瀬弘至
2024/12/7 10:00
https://www.sankei.com/article/20241207-SAFOMN4Z2ZMO5PRBXA7IXGL7XU/
米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古への移設工事で、悲惨な死傷事故により半年近くも中断していた同県本部港からの土砂搬出作業が、2024年12月2日にようやく再開した。
同港近くの路上では数年前から、反対派の活動家らが土砂運搬のダンプカーの前をゆっくり歩いて妨害する抗議活動が行われていた。
しかし2024年6月28日、抗議活動の女性と警備員がダンプカーに巻き込まれ、警備員が死亡、女性も重傷を負った。
この事故については、一般の沖縄県民よりも本紙読者の方がよく知っているのではないか。
事故原因に繋がる肝心な情報を、沖縄のメディアがほとんど報じないからだ。
一連の問題を巡る地元紙などの報道姿勢と、玉城デニー知事や「オール沖縄」勢力の奇妙な対応については、現在発売中の月刊『正論』2025年1月号で産経新聞の大竹直樹那覇支局長が詳細にリポートしているのでぜひ読んでほしい。
リポートによると、地元紙も事故については報じたが、女性が道路に飛び出したわけではないと主張する反基地団体や、防衛省が工事を急がせたからだと批判するオール沖縄勢力に寄った論調が多く、女性を英雄視するかのような報道もあった。
こうした中、本紙が2024年10月10日に報じた防犯カメラ映像が、大きな反響を呼んだ。
そこには、警備員の後方から足早に近付いて来た女性がダンプカーの前に出て、制止しようとした警備員が女性とダンプカーの間に割って入る形となり、そのままひかれてしまう様子が映っていた。
事故を防衛省の責任にしたい勢力には、
「不都合な映像」
と言えよう。
映像は、安全対策などを審議する県議会土木環境委員会でも視聴されたが、オール沖縄勢力の委員は閲覧を拒否した。
玉城氏も見ようとしなかった。
それどころか会見で
「映像が(報道機関に)提供されたことは由々しき問題だ」
と批判した。
事故原因に関わる映像を調べずに、どうやって安全対策を講じるつもりなのか。
だが、本紙以外のメディアが報じないため、多くの県民は映像も、玉城氏の
「由々しき」
発言も知らない。
土砂搬出作業が再開した本部港の現場近くでは、牛歩による危険な抗議活動が続いている。
沖縄の
「報道しない自由」
が、再び悲惨な事故を招かぬことを、祈るしかない。
「無謀な『2台出し』やめるべき」 辺野古警備員死亡で沖縄・玉城知事が防衛局に不快感
2024/11/28 14:07
https://www.sankei.com/article/20241128-67XTBT2YQNIMHDTANYOCJE3GO4/
米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古移設に抗議していた女性を制止した警備員が2024年6月、ダンプカーに巻き込まれて死亡した事故で、玉城デニー知事は2024年11月28日の定例記者会見で
「現場で(ダンプカーが連続して出る)『2台出し』のような無謀なことはやめるべきだ」
と述べた。
玉城知事を支持する
「オール沖縄会議」
は2024年7月、事故の背景について、
「2台出し」
や抗議者が渡り終えていないうちに見切り発車でダンプカーを出す危険な状態があったと指摘していた。
事故を巡っては、防衛省沖縄防衛局が県に対する要請文で
「事故は民間事業者の作業を妨害する者による行動に起因したもの」
と断じ、事故から約5カ月経過した今も、県は何ら安全対策が講じられていないとして
「不誠実な対応に終始している」
と批判していた。
防衛局によると、2024年9月以降、現場の安全対策について県の担当者と打ち合わせをしてきたが、県側から具体的な提案は全くなく、
「形式的に場を設けているだけで、安全対策のための実質的な協議になっていない」(防衛局)
という。
これに対し、玉城知事は協議中に防衛局が要請文を出したことに、
「防衛局(の方)が協議にしっかりと対応していないのではないか」
「そう言わざるを得ない」
と不快感を露わにした。
事故現場では、事業者側が以前からガードレールの設置を何度も要請していたが、県は
「歩行者の横断を制限することになる」
と認めなかった。
一方、市民団体は
「特定の事業者・警備員が公道を封鎖し、歩行者の通行を阻止することなど許されるはずはない」
として、ガードレールや車止めポールなどの設置を認めないよう求めていた。
玉城知事は会見で
「歩行者の通行を妨げるガードパイプの設置ではなく、車止め(ポールなど)の設置は検討可能」
との認識を示し、調整を進めているとした。
事故現場では現在、警備員がオレンジ色のネットを広げて抗議者がダンプカーの前に出ないようにしているが、ガードレール設置などの安全対策は講じられていない。
悲劇を繰り返さないために、少なくとも、死角の多いダンプカーの真ん前を横断する危険な抗議手法は改める必要がある。
「私たちは正当な抗議」座り込みでダンプの進路阻む 沖縄・宮城島、土砂搬出開始1週間
2024/11/27 17:15
https://www.sankei.com/article/20241127-YN5HBZIUZ5J37JPMOQE3J33WJM/
米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古移設工事で使う土砂を搬出する宮城島(同県うるま市)で2024年11月27日、反対派がダンプカーの前で座り込み、進路を阻んで抗議活動を行った。
県警の機動隊員らが座り込みを続ける人を持ち上げ、歩道の安全な場所まで移動させる一幕もあった。
宮城島では2024年11月20日から土砂の搬出が始まり、2024年11月27日で1週間が経過。
土砂を運ぶダンプカーが出入りするゲート前には
「宮城島の土で基地、造らせない!」
と書かれた横断幕が掲げられ、拡声器で
「ダンプによって宮城島の農道、生活道路が破壊される」
などと訴える声が繰り返し響いていた。
警戒に当たる機動隊員らは
「座り込んだり、立ち塞がったりする行為は道路交通法違反となる」
「低速での歩行や繰り返しの横断については業務妨害(罪)に該当することがある」
と再三に渡り警告。
これに対し、土砂搬出に抗議する人らは
「私たちは正当な抗議です」
と反論し、
「土砂搬入反対」
とシュプレヒコールを上げた。
この日は、牛歩による抗議をしていた女性を制止した警備員が2024年6月、ダンプカーに巻き込まれて死亡した名護市安和の事故現場で普段抗議活動をしている人の姿も見られた。
辺野古移設工事で使う土砂搬出を巡り、宮城島でも抗議活動が本格化していることが窺える。
ガードレールは抗議者が事故に巻き込まれないよう安全のために設置するものだ。
市民団体と称する反日左翼活動家が事故が起きやすい無茶で危険な抗議活動を行うから事故が起きるのだ。
車道を歩いていけないのは常識中の常識だ。
市民団体と称する反日左翼活動家がいくら屁理屈を言っても心ある人には通じない。
市民団体と称する反日左翼活動家が100%悪い。
警備員死亡の事故現場に「ガードレール設置しないで」 市民団体が沖縄・玉城知事に要請
2024/11/14 17:28
https://www.sankei.com/article/20241114-TVQKJASA5BLJRK73BQYNABNA7U/
米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古移設に抗議していた女性を制止した警備員が2024年6月、ダンプカーに巻き込まれて死亡した事故を巡り、市民団体
「沖縄平和市民連絡会」
のメンバー9人が2024年11月14日、県庁で県の幹部職員と面談した。
市民団体が玉城デニー知事宛てに提出した要請書は
「ガードレールを設置して抗議する市民を排除しても、ダンプトラックの走行が増えれば、交通事故は更に増加する」
と指摘。
「特定の事業者・警備員が公道を封鎖し、歩行者の通行を阻止することなど許されるはずはない」
として、ガードレールや車止めポールなどの設置を認めないよう県に求めている。
事故現場となった名護市安和桟橋付近の国道では以前から牛歩による抗議活動が行われてきた。
港湾を利用する事業者側は令和4年12月以降、県に対して
「抗議者が事故に巻き込まれないようガードレールを設置してほしい」
と何度も要請。
費用を負担するのでガードパイプを設置させてほしいと訴えたが、県はいずれも
「歩行者の横断を制限することになる」
として認めてこなかった。
この日、県庁で応対した県土木建築部の前川智宏部長はガードレールについて
「道路管理者として設置は適切ではないと考えている」
と述べた。
事故現場では現在、警備員がオレンジ色のネットを広げて抗議者がダンプカーの前に出ないようにしている。
市民団体のメンバーからは
「車道を歩くしかない」
「警察官には『車道を歩くな』と言われる」
「おかしいではないか」
「独裁国家だ」
「歩道を完全に止めて封鎖するようなことが許されるのか」
などといった声が上がった。
安和桟橋付近で平成30年以降に発生した交通事故の件数を尋ねられた前川部長が答えに窮していると、市民団体のメンバーから
「何でそんな大事なこと、答えられないの」
と詰め寄られる場面もあった。
市民団体によると、交通事故は30件以上発生しているという。
面談は約45分にも及んだ。
玉城知事の「由々しき」発言でよみがえる尖閣中国漁船衝突事件 辺野古抗議制止警備員死亡
【沖縄考】(50) 那覇支局長・大竹直樹
2024/11/13 9:00
https://www.sankei.com/article/20241113-5TZS3QJ6YJORRGKKEFJSMCVR54/
誤解を恐れずに言えば、沖縄県知事を務める玉城デニーさんは誠実な人だと思っている。
記者会見では質問の論点をはぐらかし、回答になっていないことも多々あるが、批判的な質問をぶつける筆者にも丁寧に答える。
インタビュー取材で撮影した知事の写真をプリントして差し上げたら、わざわざ駆け寄ってきて笑顔でお礼を伝えてくるような人だ。
これはあくまで、玉城デニーさんの人柄の話である。
知事として誠実かといえば、どうであろう。
とりわけ、米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古移設工事現場前で今年2024年6月、工事車両を誘導していた男性警備員が、移設の抗議活動を行っていた女性を制止して現場から出てきたダンプカーに巻き込まれて死亡、女性も骨を折る重傷を負った事故。
この件の対応では誠実さが感じられないのだ。
産経新聞は2024年10月10日、事故当時の状況を伝えるカメラ映像を入手し、徐行するダンプカーに足早に近づく女性と、女性をかばうように制止しようとする警備員の姿が映っていたと報じた。
記事を紹介するX(旧ツイッター)の閲覧数(インプレッション)は1000万を超え、交流サイト(SNS)でも話題になった。
だが、玉城知事は2024年10月31日の定例記者会見で
「捜査中の証拠になり得るものは、報道を差し控えるべきではないか」
と批判。
「映像が(報道機関に)提供されたことは由々しき問題だ」
と発言した。
この報道に問題があるなら、テレビのニュースでよく流れる事故当時のドライブレコーダー映像や犯行をとらえた防犯カメラ映像も報じることができなくなるのだが、はて…。
発言の真意は測りかねるが、ともすれば報道の自由を侵害しかねず、正直言って驚いた。
■客観的証拠に背を向ける知事派県議
玉城知事の
「由々しき問題」
発言で、忌々しい記憶が蘇った。
尖閣諸島(沖縄県石垣市)沖で平成22年9月に発生した中国漁船衝突事件である。
検察担当だった筆者は当時、日夜、取材に明け暮れた。
当時の民主党政権は刑事訴訟法上の証拠に当たることを理由に海上保安庁が撮影した衝突映像の公開を拒み、映像をひた隠しにした。
義憤に駆られた海上保安官(当時)が匿名で映像を動画サイトに流出させたが、この時、当時の仙谷由人官房長官はこれを
「由々しき事案」
と指弾した。
流出した映像によって中国漁船の無法ぶりが世間の知るところとなり、日本側に全く非がないことが証明された。
この事件は中国側が強硬姿勢を示し、邦人4人がスパイ容疑で拘束されたことで民主党政権(当時)は狼狽えた。
「あらゆる外交ルートも遮断」(検察首脳)
され、検察当局は、一旦は逮捕した船長を公務執行妨害罪で起訴する方針を固めながら、
「日中関係を考慮」(那覇地検)
して釈放した。
検察が法以外の判断で処分を変えた。
これこそ
「由々しき事案」
と思うが、為政者にとっては映像の流出の方が問題だったらしい。
閑話休題。
玉城知事が
「由々しき問題」
と指摘した事故当時の映像は2024年10月11日、現場の安全対策を検討する沖縄県議会の土木環境委員会でも閲覧された。
しかし、玉城知事を支持する県政与党会派の議員は閲覧を拒否して退席した。
映像を見た県の前川智宏土木建築部長も
「事故の状況を客観的に捉えたもの」
と評価しているのに、客観的証拠に背を向けたのだ。
玉城知事も同様だ。
産経の報道で多くが目にした映像を、
「私は見ていない」
と言って憚らない。
■安全対策にイデオロギーは関係ない
見ていないのではない。
見ようとしていないのだ。
それは、玉城知事を支持する
「オール沖縄」
などの主張と異なる
「事実」
がそこにあるからなのか。
敢えて言えば、
「不都合な真実」
と置き換えてもいい。
そう勘繰りたくもなる誠意を欠く対応ではないか。
亡くなった警備員の妻は
「妨害行為が問題ないことにされ、家族の死がなかったことのように扱われた」
と心を痛めている。
「妨害行為」
とは、抗議活動中にダンプカーに巻き込まれ、重傷を負った女性の行動を指したものとみられる。
映像では、動き出したダンプカーの前にこの女性が飛び出しているように見える。
事故現場では
「産経新聞はでっち上げ!」
などと拡声器で訴える人もいたが、是非映像という動かぬ証拠を直視してほしい。
事故現場では以前から抗議活動の危険性が指摘されていた。
港湾を利用する事業者側は、現場の国道を管理する沖縄県に
「抗議者が事故に巻き込まれないようガードレールを設置してほしい」
と何度も要請。
自ら費用を負担するとも申し出ていたが、県は
「歩行者の横断を制限することになる」
として認めなかった。
一方で、本部港塩川地区(本部町)に設置されていた工事車両の往来を妨害する行為への警告を記した看板は、抗議活動を行う数十人が県庁に押しかけて要請し、設置から約2カ月半で撤去された。
本来優先すべき安全を蔑ろにした行政の不作為は明らかだ。
地元メディアは、抗議者が道路を横断し終わると、警備員が1台ずつ安全を確認しながらダンプカーを誘導して工事現場から出していく
「暗黙のルール」
が破られ、2台続けての危険な
「2台出し」
が行われたと指摘しているが、事故原因は捜査中だ。
原因究明や現場の安全対策にイデオロギーは関係ない。
誠実な人柄が窺える玉城知事には、人命が失われた、この事故についても誠実な対応を望む。
<独自>「でっち上げ」辺野古抗議活動制止警備員死亡 事故現場で防衛局職員批判の横断幕
2024/11/11 12:24
https://www.sankei.com/article/20241111-QRF7XRECDFIBBCHHQPVKLLNFR4/
米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古移設に抗議していた女性を制止した警備員が2024年6月、ダンプカーに巻き込まれて死亡した事故現場で、特定の防衛省沖縄防衛局職員のイニシャルと顔写真を載せ
「罪をねつ造、でっち上げた」
などと批判する横断幕が掲げられていたことが2024年11月11日、捜査関係者への取材で分かった。
沖縄県警は名誉棄損容疑に当たる可能性もあるとみて捜査している。
捜査関係者らによると、横断幕は2024年10月22日午前7時頃に張り出された。
現場にいた警察官が横断幕に特定の個人の顔写真が載っていることを現認。
間もなく横断幕を設置した県内の男性から任意提出を受けた。
事故現場では2024年9月26日、沖縄防衛局の職員が抗議活動中の70代の男性=暴行容疑で逮捕後、処分保留で釈放=から胸を両手で押され転倒させられる事件が起きており、横断幕に顔写真とイニシャルが載っていた防衛局職員は、この暴行事件の被害者だったという。
横断幕には防衛局職員の顔写真に矢印が付けられ、
「罪をねつ造、でっち上げた防衛局職員」
「この男、行く末が見えている」
と批判。
「許されない!」
といった文言も記載されていた。
沖縄防衛局は産経新聞の取材に
「他人を誹謗中傷したり、職務遂行を妨害したりするような行為は、許されないものと考えている」
「そのような行為が職員に対して確認された場合には適切に対応していく」
としている。
<独自>辺野古抗議活動制止の警備員死亡 沖縄県警、事故現場で実況見分
2024/11/4 10:55
https://www.sankei.com/article/20241104-BOZB62JUIJKADMSH25GRFZ4EXI/
抗議活動中の女性を制止した警備員が死亡した事故現場で実況見分を行う捜査員=4日午前9時45分、沖縄県名護市(大竹直樹撮影)
https://www.sankei.com/article/20241104-BOZB62JUIJKADMSH25GRFZ4EXI/photo/VP4S5DQM3VOAJM5PRVO2PFNJHI/
事故現場で実況見分を行う捜査員=4日午前9時39分、沖縄県名護市(大竹直樹撮影)
https://www.sankei.com/article/20241104-BOZB62JUIJKADMSH25GRFZ4EXI/photo/GNZRGTZ6C5NMVE62BXTXK3WA7U/
米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古移設に抗議していた女性を制止した警備員が2024年6月、ダンプカーに巻き込まれて死亡した事故で、沖縄県警は2024年11月4日、事故現場の名護市安和(あわ)の桟橋前の路上で実況見分を行った。
午前9時半頃から始まり、捜査員らがダンプカーの位置や桟橋と国道を繋ぐ
「車両乗り入れ部」
の長さなどを入念に確認した。
事故は2024年6月28日、移設工事に使う土砂を搬出する桟橋前の路上で発生。
桟橋から左折して国道に出ようとしたダンプカーが、同市の男性警備員=当時(47)=と抗議活動中の70代の女性に衝突。
警備員は死亡し、女性は重傷を負った。
その後の調べで、現場付近に設置されたカメラに事故に至る状況が写っていたことが判明。
産経新聞は政府関係者からこの映像を入手した。
映像や関係者らによると、死亡した警備員は当初、重傷を負った女性とは別の抗議者に路上で対応。
警備員はこの抗議者を歩道に誘導したが、歩道後方から足早に近づいてきた女性が警備員と抗議者の間をすり抜け、徐行しながら国道に向かうダンプカーの前に出た。
警備員は女性を制止しようと、ダンプカーと女性の間に割って入る形となり、そのままダンプカーの左前面に衝突する様子が映像に残されていた。
沖縄県警はカメラ映像の解析を進め、事故に至る原因を調べている。
沖縄県が見解「現場は歩道とも車道とも言い切れない」辺野古抗議活動制止の警備員死亡事故
2024/11/1 18:02
https://www.sankei.com/article/20241101-J7MHVNVV3VMXJBUBPSBYSN3IXI/
警備員の足元に見える白線が国道の車道外側線にほぼつながっている=9月、沖縄県名護市(大竹直樹撮影)
https://www.sankei.com/article/20241101-J7MHVNVV3VMXJBUBPSBYSN3IXI/photo/HHSICWXH3BKJ3P7J3DJCEFTFDI/
米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古移設に抗議していた女性を制止した警備員が2024年6月、ダンプカーに巻き込まれて死亡した事故で、沖縄県は2024年11月1日、産経新聞の取材に対し、名護市安和の事故現場は
「歩道とも車道とも言い切れない」
との見解を明らかにした。
路側帯と車道を区画する
「車道外側線」
のように見える白線が6年前、事故現場付近に引かれていたことも新たに分かった。
現場は辺野古移設工事に使う土砂を搬出する安和港近くの桟橋と国道を繋ぐ車両乗り入れ部。
地元では
「乗り入れ部は歩行者を優先する『歩道』というのが県の認識だ」
との報道もあったが、県は
「道路管理者として、歩道とも車道とも言い切れない」
とした。
車両乗り入れ部は、縁石の一部を下げて段差を小さくした
「切り下げ」
と、車道の路面が連続している
「切り開き」
の2種類があり、現場は後者に該当するという。
男性警備員=当時(47)=と抗議活動中の70代の女性がダンプカーに巻き込まれた場所は、国道の車道外側線にほぼ繋がるように引かれた白線の内側だった。
県北部土木事務所によると、車道外側線は元々国道に沿って直線に引かれていたが、平成30年に車両乗り入れ部に向かって引き直された。
白線は国道の車道外側線とほぼ繋がっており、2人がダンプカーに巻き込まれた場所は一見すると車道のようにも見える。
ただ、車両乗り入れ部に引かれた白線が車道外側線を示すものかどうかは分かっていない。
県北部土木事務所は
「車両乗り入れ部を分かりやすくするため、平成30年に外側線を変更したものと考えている」
と説明した。
白線が引き直された経緯を調べているという。
沖縄県幹部「映像は事故状況を客観的にとらえたもの」 辺野古抗議活動での警備員死亡事故
2024/10/31 18:49
https://www.sankei.com/article/20241031-325WRUALFBMBDDWNBMSWBFBWBY/
米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古移設に抗議していた女性を制止した警備員が2024年6月、ダンプカーに巻き込まれて死亡した事故で、発生時の状況が映ったカメラ映像を視聴した沖縄県の前川智宏土木建築部長が2024年10月31日、
「映像は事故の状況を客観的に捉えたもの」
との認識を示した。
地元の名護市議会からガードレール設置などを求める意見書を受け取った際、市議らに明らかにした。
事故現場の名護市安和(あわ)の土砂搬出港付近では、市民団体のメンバーらがプラカードを持ってダンプカーの前をゆっくりと横断し、牛歩戦術で土砂の搬入を遅らせようとする抗議活動を展開。
港湾を利用する事業者側が
「抗議者が事故に巻き込まれないようガードレールを設置してほしい」
と何度も要請していたのに、県は
「歩行者の横断を制限することになる」
として認めなかった。
この日は名護市議会の金城(きんじょう)隆議長らが県庁を訪れ、玉城デニー沖縄県知事宛ての意見書を提出した。
意見書では
「度重なる要請を受けているのにもかかわらず、沖縄県は何の対策もしていない」
として
「県の対応は不十分」
と批判。
ガードレールの設置や、車両通行を妨げる行為をやめるように指導することなどを求めている。
これに対し、前川土木建築部長は
「歩行者の自由な通行を妨げるような構造物の設置は芳しくない」
との考えを強調。
「ちょっと言い訳がましくなるが、道路法ではゆっくり歩く人を規制する根拠がない」
と指摘し、
「道路は車いすの方など不特定多数の人が利用する」
「歩き方が遅いからといって規制や取り締まりはできない」
とした。
ガードレールの設置には否定的な見解を示す一方、ポールについては
「設置する可能性の余地はある」
と述べた。
沖縄・玉城知事「報道差し控えるべきだ」辺野古抗議活動で警備員死亡事故の映像報道を批判
2024/10/31 16:34
https://www.sankei.com/article/20241031-NXOQSGKJMVOYHB6UDCJ3HSJRZY/
米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古移設に抗議していた女性を制止した警備員が2024年6月、ダンプカーに巻き込まれて死亡した事故を巡り、沖縄県の玉城デニー知事は2024年10月31日、事故当時の状況を伝えるカメラ映像を伝えた産経新聞の報道に対し、
「捜査中の証拠になり得るものは、報道を差し控えるべきではないか」
と批判した。
産経新聞が今月2024年10月10日までに政府関係者から入手したカメラ映像には、徐行するダンプカーに足早に近づく抗議活動中の女性と、女性を庇うように制止しようとする警備員の姿が映っていた。
玉城氏は
「映像が(報道機関に)提供されたことは由々しき問題だ」
との認識を示し、報道で判明した事故当時の映像について
「私は見ていない」
と強調した。
記者から見ない理由を尋ねられた玉城氏は
「事故の詳細については現在、警察で捜査中であり、事故映像の報道に係る内容について見解を述べることは今の段階では差し控える」
と述べた。
事故当時の映像を巡っては、現場の安全対策を検討している沖縄県議会の土木環境委員会で、玉城氏を支持する県政与党会派の議員が
「映像の出所や内容も曖昧だ」
などと猛反発し、閲覧を拒否したことも明らかになっている。
「安和事故」映像は不都合な真実か 元朝日記者が沖縄で書いた記事を読んでみた
大手町の片隅から 乾正人
2024/10/18 10:00
https://www.sankei.com/article/20241018-AYHXQT6EEZJOBKYTFOHNJ4JMZQ/
事故のカメラ映像。走行するダンプカーの前に飛び出した女性を警備員が止めようとする姿が見える
大抵の作家は、初期作品に佳品が多い。
昭和の文豪・松本清張もそうで、彼が昭和32年に発表した
「地方紙を買う女」
は、繰り返しテレビや映画で映像化されてきた。
都内に住む心中を装った殺人事件の犯人が、地方紙を短期間購読したのを不審に思った作家が謎を解明していくという筋立てだ。
■「地方紙を買う男」の目
私も犯人ではないが、
「地方紙を買う男」
の1人である。
仕事柄、各地を旅することが多いが、駅に降り立つと必ず地方紙を買う。
小学校の運動会やコメの出来具合などご当地新聞しか報じない情報満載で重宝する。
最近は、有料のデジタル版で読める地方紙も増えており、いくつかは期間を決めて購読している。
沖縄の琉球新報もそのうちの1つだ。
視点が弊紙とは180度違うので、勉強になる。
2024年9月25日付の1面を飾った
「『心は折れない』言葉から勇気 新基地抗議の市民思い新た 安和事故 被害女性に寄せ書き」
という記事もそうだ。
琉球新報と沖縄タイムスの地元2紙が
「安和事故」
と名付けた事故は、2024年6月28日に米軍普天間飛行場の移設予定地である名護市辺野古に近い同市の安和桟橋前の道路で起きた。
辺野古
「新基地」
反対運動に参加していた72歳の女性が、抗議活動中に警備員と共にダンプカーに巻き込まれ、警備員は死亡、女性も重傷を負った。
同記事は、彼女が
「フェニックス(不死鳥)さん」
と呼ばれていると紹介。
「女性が手術前に残した『骨は折れても心は折れない』の言葉に奮い立った市民が目立つ」
と断定し、
「新基地断念まで小さな力を結集させたい」
「再び戦場にさせない」
といった彼女への寄せ書きをいくつも書き連ねている。
明治の昔、自由民権運動の先頭に立っていた板垣退助が暴漢に刺され、
「板垣死すとも自由は死せず」
と語った逸話を思い起こす。
何よりビックリしたのは、1面の記事の中に亡くなった警備員を悼む言葉が一言もなかったことだ。
記事を書いた南彰記者は、新聞労連委員長を務めた元朝日新聞の記者で、琉球新報に移籍した有名人である。
■映像の中身報じぬ沖縄2紙
思い切った記事だと感心していたら、小紙の記者が、現場付近に設置されていたカメラ映像を入手し、2024年10月10日に報じた。
映像では、制止を無視して飛び出した女性を警備員が庇ってダンプカーに巻き込まれたように見える。
この映像は、翌日開かれた県議会土木環境委員会で閲覧されたが、玉城デニー知事を支える
「オール沖縄」
系議員は、
「映像の出所や内容も曖昧だ」
などと猛反発。
閲覧を拒否した上に委員長への不信任動議まで提出した(結果は否決)。
議会事務局によると、県議会で常任委員長に対する不信任案が提出された記録は過去にないというから、与党のお怒りは相当なものだ。
しかも沖縄2紙やNHKは揃って映像の中身を詳しく報じていない。
これでは、なぜ県議会が大騒ぎしているのか読者にはさっぱり分からない。
やはり映像は、基地反対派にとって
「不都合な真実」
だったのか。
沖縄2紙もNHKも知る権利や人権擁護に熱心なはずだが、はて。
警備員には人権はないのだろうか。(コラムニスト)
辺野古抗議事故 動かぬ「証拠」露見懸念か 与党会派、異例の委員長不信任案動議
2024/10/17 21:13
https://www.sankei.com/article/20241017-BFW2WGBYWBPJVDO7WH7M2APSWY/
※産経新聞が入手した事故現場の映像。プライバシー保護のため一部加工しています
米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古移設に抗議していた女性を制止した警備員が2024年6月、ダンプカーに巻き込まれて死亡した事故を巡り、沖縄県議会の土木環境委員会で、玉城デニー知事を支持する県政与党会派が事故当時の状況を捉えたカメラ映像の閲覧を拒否していることが明らかになった。
映像は、真相究明と現場の安全対策を講じる上で重要な資料となるはずで、閲覧を拒否したことは、極めて疑問だと言わざるを得ない。
■「証拠」映像、玉城知事支持派が閲覧拒否
与党会派は2024年10月11日の沖縄県議会土木環境委員会で閲覧を拒否したが、その理由について、重傷を負った女性の代理人からあった閲覧中止を求める申し立てについて十分協議していない点を挙げた。
更に
「出所や内容も曖昧」
「委員会で確認する妥当性や人権感覚、倫理観、責任問題にも関わる」
などとし、閲覧は多数決で強行されたとも訴え、常任委員会では過去に例のない委員長への不信任案動議まで提出した。
事故を巡っては、抗議活動をする市民団体が、牛歩で抗議者が道路を横断し終わると、警備員がダンプカーに合図を送って1台出す
「暗黙のルール」
があったのに、2台続けてダンプカーを出すこともあったと主張。
辺野古移設を進める防衛省側を批判した。
市民団体と連携するオール沖縄会議の幹部が2024年8月、同省沖縄防衛局長に
「あなたは沖縄県民を1人殺してしまった責任者だ」
と罵る場面も見られた。
しかし、事故前の映像を見る限り、制止を無視して飛び出した女性を警備員がかばってダンプカーに巻き込まれたと見られる様子が確認できる。
あるいは、映像という動かぬ
「証拠」
によって、オール沖縄側の
「主張」
が揺らぎかねない不都合な事実が露見することを懸念したのか。
県政与党の閲覧拒否は、そう疑いたくもなる異例の対応だ。
事故現場の「証拠」映像、沖縄県議会で玉城知事支持派が閲覧拒否 辺野古抗議事故
動画
2024/10/17 18:00
https://www.sankei.com/article/20241017-HVMQQ74AJRLYFOPVQKDO356KQU/
※産経新聞が入手した事故現場の映像。プライバシー保護のため一部加工しています
米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古移設に抗議していた女性を制止した警備員が2024年6月、ダンプカーに巻き込まれて死亡した事故を巡り、現場の安全対策を検討している沖縄県議会の土木環境委員会で、玉城デニー知事を支持する県政与党会派が事故当時の状況を捉えたカメラ映像の閲覧を拒否したことが明らかになった。
保守系の県議からは
「県民の不信を招きかねない」
との声が上がっている。
事故は2024年6月28日、辺野古移設工事に使う土砂を搬出する名護市安和(あわ)の桟橋前の路上で発生。
桟橋から左折して国道に出ようとしたダンプカーが、同市の男性警備員=当時(47)=と抗議活動中の70代の女性に衝突。
警備員は死亡し、女性は重傷を負った。
産経新聞が政府関係者から入手した映像には、別の抗議者に対応していた警備員の後方から足早に近づいてきた女性が、国道に向かって徐行するダンプカーの前に出る様子が映っていた。
議会事務局によると、カメラ映像は2024年10月11日午後、土木環境委員会で非公開で閲覧された。
閲覧した委員によると、産経新聞が入手した映像と同様とみられる。
ただ12人の委員のうち玉城知事を支持する県政与党会派の委員が閲覧を拒否して退席。
残る7人で閲覧した。
閲覧した県議は2024年10月17日、産経新聞の取材に応じ
「誰がどう見ても動いているダンプカーの前に女性が行っており、危険な行為に感じた」
「今後はこうした抗議の在り方も見直すべきだ」
と話し、
「事実関係を調査するための映像をなぜ見ないのか」
などと疑問視した。
<独自>辺野古抗議活動制止警備員死亡 事故映像を入手 11日に県議会で映像確認へ
2024/10/10 18:56
https://www.sankei.com/article/20241010-OGYWEUDQPZOIXPYAULZWOOPFDY/
米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古移設に抗議していた女性を制止した警備員が6月、ダンプカーに巻き込まれて死亡した事故で、現場付近に設置されたカメラに事故に至る状況が映っていることが10日、明らかになった。
産経新聞が関係者からカメラ映像を入手し、確認した。
県議会は11日、土木環境委員会で委員がこの映像を閲覧する方針。
事故は6月28日、辺野古移設工事に使う土砂を搬出する名護市安和(あわ)の桟橋前の路上で起きた。
桟橋から左折して国道に出ようとしたダンプカーが、同市の男性警備員=当時(47)=と抗議活動中の70代の女性に衝突。
警備員は死亡し、女性は重傷を負った。
映像や関係者らによると、死亡した警備員は当初、重傷を負った女性とは別の抗議者に対し、路上で対応していた。
警備員は、この抗議者を歩道に誘導したが、歩道後方から足早に近づいてきた女性が警備員と抗議者の間をすり抜け、徐行しながら国道に向かうダンプカーの前に出る様子が映像に残されていた。
警備員は女性を制止しようと、ダンプカーと女性の間に割って入る形となり、そのままダンプカーの左前面に衝突。
10秒ほどの出来事だった。
関係者は
「明らかに女性は警備員の制止を無視して飛び出している」
「警備員は女性を庇うような形でダンプカーに巻き込まれた」
と証言した。
県警はカメラ映像の解析を進め、詳しい事故原因を調べている。
一方、事故現場で牛歩による抗議活動をしてきた市民団体のメンバーによると、重傷を負った女性は
「敢えて飛び出したわけではない」
と説明。
この市民団体と連携する「オール沖縄会議」は7月、2人がダンプカーに巻き込まれたのは
「車両乗入部」
と呼ばれる歩道部分で、
「あくまでも歩行者の通行が優先される場所」
だったと主張する資料を公表していた。
◇
■遺族「精神的に辛い」
事故現場となった辺野古移設工事に使う土砂の搬出港周辺では、移設に反対する市民団体のメンバーらがダンプカーの前をゆっくりと横断して抗議する
「牛歩戦術」
が続けられてきた。
今回明らかになった映像によって、抗議者の女性がダンプカーの前に飛び出した可能性が高まった。
これまで抗議者側は、女性は飛び出したわけではないとの姿勢を崩さず、
「安全に配慮した抗議運動」
を尊重すべきだとも主張していた。
また、骨を折る重傷を負った女性が
「骨は折れても心は折れない」
との言葉を残し、
「市民」
らが勇気づけられたとする地元報道もある。
こうした状況に、警備員の遺族は
「今までで一番憤りを感じる記事だった」
「本当に本当に許せないし、とても辛い」
と心を痛めていたとされる。
今月4日の県議会の一般質問で、遺族の
「思い」
を読み上げた自民党の島袋大県議によると、警備員の妻は
「報道や交流サイト(SNS)では被害者(の女性)に非はなく、非があるのは強引な警備などではないかとの誹謗中傷がほとんど」
と振り返り、
「妨害行為が問題ないことにされ、家族の死がなかったことのように扱われた」
「精神的に辛く、心を痛めていた」
と伝えてきたという。
映像には、徐行するダンプカーに近づく女性と、女性を庇うように制止しようとする警備員の姿が映っており、抗議者側の
「主張」
は崩れつつある。
辺野古ダンプ事故現場の路上で防衛局職員に暴行、抗議活動の76歳男を逮捕 沖縄県警
2024/9/27 17:22
https://www.sankei.com/article/20240927-2MAP7Z24HRODTKPGQUDQCDMDSE/
米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古移設に抗議していた女性を制止した警備員が死亡する事故のあった現場付近で26日、防衛省沖縄防衛局の職員が抗議活動中の男から暴行を受ける事件があったことが分かった。
県警名護署は同日、暴行容疑で抗議活動をしていた無職の男(76)=同県北中城(きたなかぐすく)村=を現行犯逮捕した。
男の逮捕容疑は26日正午ごろ、名護市安和(あわ)の土砂搬出港「安和桟橋」の出口ゲート付近の路上で、沖縄防衛局の男性職員(54)の胸を両手で押して転倒させたとしている。
現場にいた警察官が暴行を現認し、約1時間後に逮捕した。
捜査関係者によると、逮捕された男は当時、辺野古移設に向けた土砂の搬出に抗議していたという。
現場付近では今年6月28日、抗議活動をしていた女性を制止した名護市の男性警備員=当時(47)=が左折したダンプカーに巻き込まれ、死亡する事故が起きていた。
辺野古ダンプ事故「原因が市民活動にあるかのような印象与えた」 オール沖縄が県警に指摘
2024/9/19 15:52
https://www.sankei.com/article/20240919-PFAF6YA4MJKJXHWIO7JO3CVPZU/
米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古移設に抗議していた女性を制止した警備員が死亡し、女性が重傷を負った事故を巡り、玉城デニー知事を支持する「オール沖縄会議」と県選出の国政野党国会議員でつくる「うりずんの会」は19日、県公安委員会に対し、苦情申立書を提出したと明らかにした。申し立ては5日付。
苦情申立書によると、県警本部で8月30日、抗議活動の排除や妨害を行わないよう求める要請書を提出しようとした際、椅子やテーブルのない
「倉庫内」
で受け取ると指示され、提出を断念せざるを得なかったという。
県警の対応について、
「県民を愚弄する行為だ」
と抗議している。
要請書では
「県警は『違法行為がなかったかも含め慎重に調べを進める方針』などといった一方的な情報を報道機関に流布した」
と指摘しており、
「事故の原因が(重傷を負った)女性ら市民活動にあるかのような印象を与え、SNSその他のウェブサイトで威圧的な発信が繰り返されている」
と訴えていた。
名護市の安和(あわ)桟橋では8月22日から土砂の運搬作業が再開された。
事故現場には多数の警備員が配置され、オレンジ色のネットを広げて抗議者がダンプカーの前に出ないようにしている。
辺野古ダンプ事故で中止の土砂運搬作業が再開 「対策講じた」と防衛局
2024/8/22 9:58
https://www.sankei.com/article/20240822-TH5U33E4VRMH5IZV6ZNJ5P5BKE/
沖縄県名護市安和(あわ)の国道で6月、米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古移設に対する抗議活動をしていた女性が怪我をし、警備中の男性が死亡した事故を受け、政府が中止した埋め立て用土砂の運搬作業が22日、名護市で再開された。
県によると、防衛省沖縄防衛局から21日に
「対策を講じた上で再開する」
と連絡があった。
県側は、事故の原因究明や再発防止が済むまで作業を再開しないよう求めており、玉城デニー知事は21日午後、
「作業再開は誠に遺憾」
と批判していた。
事故は6月28日に名護市安和の国道で発生。
土砂の搬出に抗議するため車道に出た女性と、制止しようとした男性警備員がダンプに巻き込まれた。
警備員が死亡し、女性は重傷を負った。
辺野古ダンプ事故 沖縄・玉城知事宛に防衛局が異例の要請「妨害行為で警備員にも危険」
2024/8/15 17:42
https://www.sankei.com/article/20240815-J6JMDGWK6ZN4NAHKM2YC6OVI5M/
米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古移設に抗議していた女性を制止した警備員が死亡した事故で、防衛省沖縄防衛局は15日、ガードレール設置などの安全対策や
「妨害者」
への注意・警告の実施を求める玉城デニー知事宛の要請文書を提出した。
防衛局によるこうした要請は極めて異例とみられる。
土砂の搬出港付近では市民団体のメンバーがプラカードを持ってダンプカーの前をゆっくりと横断し、牛歩戦術で土砂の搬入を遅らせようとする抗議活動を続けてきた。
事故について要請文書は
「警備員の制止を聞かず、左折して出ようとする進行中のトラックの前方車道上に(抗議者が)出たことから、制止し続けた警備員がお亡くなりになる事態になった」
とし、
「妨害行為により警備員にも危険が及ぶ事態は重大だ」
と指摘した。
港湾を利用する事業者側が県に
「抗議者が事故に巻き込まれないようガードレールを設置してほしい」
と何度も要請し、玉城知事も把握していたが、県が
「歩行者の横断を制限することになる」
として認めてこなかったことも判明している。
要請文書は
「県の対応が不十分であることは妨害行為が継続していることからも明らかだ」
と強調し、道路や港湾施設の管理者として県が可能な措置を速やかに講じるよう求めている。
辺野古ダンプ事故 「産経新聞はでっち上げ!」への反駁
【沖縄考】(47) 那覇支局長・大竹直樹
2024/8/14 9:00
https://www.sankei.com/article/20240814-MVQJ6M5JPJJ2LOMMJEZ6TZX6SI/
《即、工事断念! もうこれ以上、犠牲者を出すな!》。
米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古移設に抗議していた女性を制止した警備員が死亡する事故が起きた同市安和(あわ)の現場。
供花の前には7月22日、こう大書きされた横断幕が揺れ、プラカードを持った人が集まっていた。
「産経新聞はでっち上げ!」。
サングラスをした女性が拡声器で叫んだ。
女性が事故に関する本紙報道を批判していることは容易に見当がついた。
とすれば、記事を書いたのは筆者だが、事実と異なることを書いた覚えはない。
女性に近づき、何がでっち上げなのか問うと
「産経新聞は『車道に飛び出した市民』(と書いた)。ここが間違え。でたらめ」
という。
「産経新聞は『飛び出した』と書いていましたか」
「と、思います」
「『思う』で、でっち上げといわれたら困ります」
女性の一言に、思わず色をなしてしまった。
念のため所属を尋ねると、
「普通の市民」
と名乗った。
普通の市民の方といえど、誤ったことをこのまま喧伝されてはかなわない。
1つずつ反駁させていただいた。
■さすがにアンフェアでは
この場を借りて、読者の皆さんにも説明させて頂きたい。
まず本紙は
「土砂搬入のダンプカーに抗議するため車道に出た女性を警備員(記事では実名)が止めに入り、その際、左折したダンプカーに2人とも巻き込まれたとみられている」
と報じた。
一方、地元メディアでは
「死亡した警備員が重傷を負った女性とは別の抗議者を制止したところ、重傷を負った女性がすり抜け、ダンプカーの前に飛び出そうとしたため急いで制止に入り巻き込まれた」
との報道もあった。
だが、少なくとも産経新聞は
「飛び出した」
とも
「すり抜けた」
とも報じていない。
そう指摘すると、女性は
「車道」
の記述も違うと、畳み掛けてきた。
「車道ではない」
とする主張の根拠は、玉城デニー知事を支持する
「オール沖縄会議」
が7月18日に公表した資料に詳しい。
弁護士立ち会いによる現地調査や被害者、目撃者らへの聞き取りの結果、重傷を負った女性と死亡した警備員が倒れていた場所は国道449号の車道部分だったが、2人がダンプカーに巻き込まれたのは、7.3メートル手前の
「車両乗入部」
と呼ばれる歩道部分だった、というのが
「オール沖縄」
側の主張だ。
2人が巻き込まれたのは
「あくまでも歩行者の通行が優先される場所」
で、
「警備員らはまずダンプを止めるべきだったのであり、市民らの歩行を制止したことは法的にも許されない」
と訴えている。
ただ、これまでの沖縄県警への取材で、2人が
「車両乗入部」
で巻き込まれたとの情報は得られていない。
「車両乗入部」
との説明を曲げて
「車道」
と表記したわけではない。
まして、本紙以外の複数の主要メディアも
「車道」
と報じている。
にもかかわらず、産経だけがやり玉に挙げられ、でっち上げとの誹りを受けるのは、さすがにアンフェアではないか。
■「あなたは沖縄県民を殺してしまった責任者」
事故の続報が産経以外のメディアで取り上げられる機会は少ないが、沖縄県議会では俎上に載っている。
自民党会派は、港湾を利用する事業者側が道路を管理する県に
「抗議者が事故に巻き込まれないようガードレールを設置してほしい」
と何度も要請していた事実を問題視。
玉城知事もこうした要請を把握していたとして議会で追及した。
事業者側は自ら費用負担するので設置させてほしいと申し出ていたのに、県は
「歩行者の横断を制限することになる」
と、頑として認めなかったというのだから、玉城県政の不作為と言われても仕方ないだろう。
「オール沖縄会議」
は今月2日、防衛省沖縄防衛局に対し、原因究明と安全対策が整うまで全工事の中止を求める要請書を提出し、
「抗議運動に参加している市民には非難されるべき事情は全くない」
と訴えた。
オール沖縄の幹部は防衛局長に
「あなたは沖縄県民を1人殺してしまった責任者だ」
と罵った。
この様子を報じた産経ニュース転載のヤフーニュース記事には500件以上のコメントが寄せられたが、事故を招いた抗議活動に対する批判が多かった。
捏造は慣用読みで、本来は
「でつぞう」
と読む。
でっち上げは漢字で書けば
「捏ち上げ」。
捏(こ)ねるという意味の
「捏(で)つ」
に由来するという。
死角の多い大きなダンプカーの前をわざとゆっくり歩く。
その抗議手法を省みることなく理屈を捏ね、自らの活動の正当性を主張しているように感じた。
抗議運動に携わる方は是非、世間がどのように受け止めているのか。
ヤフーニュースのコメントやSNSなどの反応を見てほしい。
辺野古移設反対派の理不尽な抗議に屈するな。
辺野古移設反対派の理不尽な抗議に屈しているようでは、屈している側も信用できない。
そんなことでは保守派から見限られる。
<主張>辺野古ダンプ事故 危険な抗議活動をやめよ
社説
2024/7/11 5:00
https://www.sankei.com/article/20240711-VUIXRIOQYVOAHN4XDGTBXO6Y4U/
沖縄県や県警が適切に対応していたら、防げた事故だったのではないか。
同県名護市安和(あわ)の国道で2024年6月、米軍普天間飛行場(同県宜野湾市)の名護市辺野古移設に抗議する女性と警備員の男性がダンプカーにひかれ、男性が死亡する事故が起きた。
女性は足を骨折した。
現場では数年前から、辺野古移設工事に使う土砂を運搬するダンプカーの前を反対派がゆっくりと歩いて妨害する抗議活動が行われていた。
車道に出た女性を警備員の男性が制止しようとして、左折中のダンプカーに巻き込まれたとみられる。
何に抗議するのも自由だが、危険な行為は許されない。
事故を招くような抗議活動は即刻やめるべきだ。
玉城デニー知事は事故について、
「県民の安全に責任を持つ者として極めて遺憾だ」
と述べた。
その上で沖縄防衛局に対し、安全対策が十分講じられるまで土砂の運搬作業を中止すべきとの考えを示した。
作業は2024年7月10日現在、中断している。
これはおかしい。
ダンプカーの前をわざとゆっくり歩くという、極めて危険な行為を道路上で繰り返しているのは反対派の方だ。
抗議はほぼ連日行われ、ダンプカーの渋滞も起きていた。
危険な行為を放置せず、交通の安全と秩序を取り戻すのは行政と警察の責任だろう。
県は2023年2月、同様の抗議活動が行われている辺野古移設の土砂搬入の港湾施設に、注意喚起の看板を設置した。
大型車両の往来を妨害する行為は県港湾管理条例の禁止行為に当たるとし、
「警告」
する内容だ。
ところが、反対派の猛烈な反発を受けて2023年5月に撤去してしまった。
理不尽な抗議に屈し、危険を黙認したことに他ならない。
県警も、十分な取り締まりを行ってこなかった。
県内では、自衛隊駐屯地に武器などを搬入する際に一部の活動家らが道路にしゃがんだり寝転んだりして妨害する行為が繰り返されてきた。
県警が道路交通法の禁止行為に当たるとして排除することもあるが、県内の一部メディアは
「強制排除」
と批判的に報じていた。
今回の事故で警備員は、反対派の危険な行為を制止しようとして犠牲になった。
悲劇を繰り返してはならない。
事故現場、再三のガードレール設置要請も沖縄県認めず 玉城知事も把握 辺野古ダンプ事故
2024/7/10 16:25
https://www.sankei.com/article/20240710-KE7OGDNCAJJDVJLVRFMFKJJZWI/
米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古移設に抗議していた女性を制止した警備員が死亡した事故で、港湾を利用する事業者側が県に対し、
「抗議者が事故に巻き込まれないようガードレールを設置してほしい」
と何度も要請していたことが2024年7月10日、分かった。
玉城デニー知事もこうした要請を把握していた。
事業者側は自ら費用を負担するので設置させてほしいとも申し出たが、県は
「歩行者の横断を制限することになる」
として認めなかった。
一方、牛歩による抗議活動が行われてきた本部港塩川地区(本部町)に設置されていた
「大型車両の往来を妨害する行為」
が県条例の禁止行為に該当すると明記した警告看板は市民の要請を受け、設置から約2カ月半後に撤去していたことも明らかになった。
いずれも同日の県議会本会議で、自民党の島袋大議員の代表質問に、県土木建築部の前川智宏部長が答えた。
県北部土木事務所などによると、牛歩による抗議活動が行われてきた名護市安和(あわ)の国道では令和4年12月以降、事業者側から何度もガードレールの設置を求める要請があった。
事業者側からは費用を負担するのでガードパイプを設置させてほしいという要請もあった。
だが、県は
「歩道であることからガードレールを設置する予定はない」
「事業者によるガードパイプの設置は歩行者の横断を制限することになる」
として認めなかった。
県は2023年2月17日、隣接する本部町の本部港塩川地区に
「大型車両の往来を妨害する行為」
などについて、県港湾管理条例で定める禁止行為に該当する旨を明記した警告看板を2枚設置。
禁止行為を行った場合は
「条例に基づき過料を処することがある」
と警告した。
しかし、市民から
「なんで過料を科すのか」
などと
「厳しい意見」
が寄せられたといい、県は現場を確認した上で
「状況は危なくない」
と判断。
2023年5月2日に撤去したという。
http://www.asyura2.com/24/senkyo296/msg/302.html#c56