18. 秘密のアッコちゃん[1067] lOmWp4LMg0GDYoNSgr@C4YLx 2024年11月21日 12:13:42 : fjTz2F981w : QTJUazdpaUhyT1U=[632]
石平のChina Watch
2024/11/21 9:00
https://www.sankei.com/article/20241121-77HWXVH725OS5CLYVKHKYG4ABY/
今月2024年11月19日、中国湖南省の小学校前の群衆に車が突っ込み、大人と子供たちに負傷者が出た、と中国国営メディアが伝えた。
中国では2024年11月11日にも広東省珠海市で車が暴走し多数の人をはねる事件が起きている。
35人が死亡し43人が負傷したと地元警察が発表。
翌2024年11月12日、習近平国家主席が
「重要指示」
を出し下手人の厳罰≠ニいう趣旨の言及をしたことから、事故が故意による犯罪であったことが分かる。
同じ2024年11月11日、浙江省杭州市内でも男の運転する車が信号待ちの人の群れに突っ込む事件が起き1人が死亡4人が負傷した。
同じ日に同じような事件が別々の所で起きたのは単なる偶然だと思われるかもしれないが、実はその前日の2024年11月10日にも広東省開平市で、車が人の集まる自由市場に突入し、7人を負傷、1人を死亡させる事件があった。
更に調べていけば、類似事件が中国で頻発していることが分かる。
2024年7月27日には湖南省長沙市で、自動車の暴走によって8人が死亡、5人が負傷する大事故が起きた。
「死者8人」
は、珠海の事件に次ぐ大惨事である。
2024年3月1日、山東省徳州市でも、小学校の校門前に集まった人々の群れに乗用車が突入し、2人が死亡、6人が重傷を負う事件があった。
被害者の中には小学生も含まれていたという。
一連の
「車突っ込み事件」
は、全て故意による犯罪行為であることが警察の発表から判明しているが、どうやら今の中国では、
「車を凶器にした大量殺人」
が相次いでいるようだ。
一方で、車の突っ込みとは別の手段による大量殺傷事件も多発している。
例えば2024年5月7日、雲南省昭通市で、男が病院の中で刃物を使って人々を襲い、2人を死亡させ、21人を負傷させた。
あるいは2024年9月30日、上海市松江区内のスーパーマーケットで、刃物を持った男が刺傷事件を起こし、3人が死亡し、15人が負傷した。
そして2024年10月28日、今度は首都北京の海淀区で、未成年者3人を含む5人が刃物で襲われて負傷する事件も起きた。
このように中国全土で、凶悪な無差別殺人が驚くべき頻度で起きている。
にもかかわらず、警察が犯人の犯行動機をきちんと発表しないから、個々がどのような理由で犯行に及んだのかがよく分からない。
ただし、類似事件の多発の背景には当然、何らかの共通した社会問題が原因として潜んでいることは考えられる。
例えば、経済状況が悪化し、失業や債務による個人破産が広がる中で、多くの人々が絶望的な状況に陥り、やり場のない憤懣と怨念を抱えるようになっている。
その事が凶悪殺人事件が多発する深層的な原因ではないかとも推測できよう。
更に、司法の腐敗や各級地方政府の不作為が常態化している中で、不当な扱いを受けた人々や生活を失って絶望的な境地に立たされた人々に救済の手を差し伸べるものは何もない。
彼らの一部が社会への報復として、あるいは己の怨念のはけ口として極端な犯罪行為に走ったとも考えられよう。
本来ならば経済崩壊や社会的不正の
「被害者」
でもあるはずの彼らが犯罪行為によってまた、多くの人々の尊い命を奪い、社会に大きな危害を与えたのだ。
中国では近年、
「互害社会」
という言葉が脚光を浴びている。
文字通り、
「人々が互いに害を及ぼす社会」
という意味合いである。
本来、人々は互いに助け合うために社会を作ったはずだが、現在の中国社会は、それとは正反対の
「互害社会」
になりつつあるようだ。
経済の崩壊に続くのは社会そのものの崩壊である。
■石平(せき・へい)
1962年、中国四川省生まれ。
北京大学哲学部卒。
1988年来日し、神戸大学大学院文化学研究科博士課程修了。
民間研究機関を経て、評論活動に入る。
『謀略家たちの中国』など著書多数。
平成19年、日本国籍を取得。
http://www.asyura2.com/24/senkyo296/msg/155.html#c18