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秘密のアッコちゃん lOmWp4LMg0GDYoNSgr@C4YLx コメント履歴 No: 100027
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[政治・選挙・NHK295] 萩生田光一氏がひろゆき氏に激オコも国民冷ややか…“再就職先”に「加計学園」浮上も居場所なし?(日刊ゲンダイ) 赤かぶ
24. 秘密のアッコちゃん[693] lOmWp4LMg0GDYoNSgr@C4YLx 2024年10月08日 16:25:45 : fjTz2F981w : QTJUazdpaUhyT1U=[258]
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百田尚樹代表、有本香事務総長ら比例26人 選挙区は4人 日本保守党が候補者名簿を発表
2024/10/8 16:05
https://www.sankei.com/article/20241008-5K2ZQKCTWNC5XGHR2OFQDWYNL4/
日本保守党は8日、衆院選(15日公示、27日投開票予定)に向け、選挙区4人と比例代表26人の候補予定者名簿を発表した。
選挙区の愛知1区には河村たかし・名古屋市長、比例代表には百田尚樹代表、有本香事務総長、国際政治学者で福井県立大名誉教授の島田洋一氏らを擁立する。
名簿は以下の通り。
【選挙区】
河村たかし(愛知1区)、大橋とおる(愛知3区)、麻生ちさ(愛知4区)、田中克和(愛知5区)
【比例代表】
北海道ブロック=小野寺まさる、堀田真作
北関東ブロック=伊藤純子、野寺直美、芦沢進、宮入良明
東京ブロック=有本香、梅原克彦、阿部力也、小柳岳志
南関東ブロック=小坂英二、大河内元喜、森健太郎、渡辺紀明、服部徹
東海ブロック=竹上ゆうこ、中川健一、織田敏之、中村憲一、青木崇佳
近畿ブロック=島田洋一、佐々木みのり、百田尚樹、豆谷和男、竹内唯裕、残る1人は通称調整中のため非公表

日本保守党が衆院選で会見 百田、有本両氏ら30人擁立 「『移民』政策見直しを」
2024/10/8 14:45
https://www.sankei.com/article/20241008-KS5HD7W5MVHK7NWTBBK5GRBWEI/
政治団体
「日本保守党」
は8日、衆院選(15日告示、27日投開票予定)について、東京都内で記者会見した。
愛知1区に出馬する共同代表の河村たかし名古屋市長ら4人を選挙区に、比例代表には国際政治学者で福井県立大名誉教授の島田洋一氏ら26人、計30人を擁立する方針を明らかにした。
2023年10月に結党して以降、2024年4月の衆院東京15区補欠選挙に続く国政選挙への挑戦となる。
百田尚樹代表は比例近畿ブロック、有本香事務総長は比例東京ブロックにそれぞれ擁立する。
公約については、
「スパイ防止法の制定」
「消費税減税」
「共同親権制度の導入」
など結党時に発表した重点政策項目を踏襲。
表現などは練り上げるという。
有本氏は会見で、衆院選について
「願わくば国政政党になりたい」
「国政に行くぞというお披露目でもある」
と述べ、政党要件を満たす5人以上の当選に強い意欲を滲ませた。
その上で、再生可能エネルギー普及のため電気料金に上乗せされている
「再エネ賦課金」
の廃止などを例に挙げて
「国会の中にない政策を掲げていく」
と強調した。
百田氏は
「日本を守り、日本の良さをそのまま残したい」
「『日本を豊かに、強く。』を合言葉に戦いたい」
と語った。
特に重視する政策については、
「移民」
政策の見直しを挙げて
「『移民』が増えている」
「地域住民とトラブルを抱え、日本の本来守るべきルールを守らない一部の外国人もいる」
「町によっては治安が脅かされている」
「『移民』問題をもう1度考え直すべきではないか」
と述べた。

河村たかし氏、衆院選「台風の目」可能性「75歳まで来ると有権者の心を信じるに尽きる」
2024/10/1 23:20
https://www.sankei.com/article/20241001-6WLNPES2ZBNRPGZWSGU44D6AI4/
選挙巧者で
「総理を狙う男」
を自称する名古屋市の河村たかし市長が1日、衆院選愛知1区への出馬を表明した。
出馬記者会見で勝算を問われた河村氏は
「75歳まで来ると、有権者の心を信じてやるに尽きる」
「皆さんのためにやってきた」
「必ず分かってくれる」。
国政復帰への意欲を示し続けてきたが、年齢のために今回がラストチャンスとの声も出ている。
河村氏の存在は、衆院選で
「台風の目」
となる可能性を秘める。
2023年4月の市議選では、減税日本の党勢低迷が指摘されながら、自らが前面に出た選挙戦を展開した結果、改選前より議席を増やした。
2023年10月から
「日本保守党」
の共同代表に就任。
名古屋市などの選挙区で候補を擁立すれば、保守層から一定の支持を得られる可能性がある。
地元市議は、自民党総裁選で石破茂新首相が、保守層に人気の高市早苗氏を破ったことで
「自民候補から保守票が逃げる可能性がある」
「自身の年齢も考えれば、最後のチャンスだったのだろう」
と推察する。

名古屋市の河村たかし市長、愛知1区から衆院選出馬へ「総理を狙う男、アゲインという感じ」
2024/10/1 9:27
https://www.sankei.com/article/20241001-3OISJHHS3RLWXM7WY6B2I3OMOA/
名古屋市の河村たかし市長は1日、27日投開票の衆院選に愛知1区から出馬する意向を明らかにした。
記者団の取材に答えた。
河村市長は4期目で市長を退く考えを示していたことを踏まえ、
「4年前、これで最後と言ったので公約を守る」
「総理を狙う男、アゲインという感じだ」
と述べた。

http://www.asyura2.com/24/senkyo295/msg/657.html#c24

[政治・選挙・NHK295] やることなすことすべて裏切り 支持率はもっと下がる 自公過半数割れに現実味(日刊ゲンダイ) 赤かぶ
24. 秘密のアッコちゃん[694] lOmWp4LMg0GDYoNSgr@C4YLx 2024年10月08日 19:08:31 : fjTz2F981w : QTJUazdpaUhyT1U=[259]
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日本保守党、百田尚樹氏が比例代表の近畿ブロック 有本香氏が東京ブロックから出馬へ 次期衆院選
2024.10/8 13:54
https://www.zakzak.co.jp/article/20241008-PLSYAED6NJO5XDXPNETUCI6HIY/
政治団体
「日本保守党」
は8日、記者会見を開き、次期衆院選(15日公示、27日投開票)で、党代表で作家の百田尚樹氏(68)が比例代表の近畿ブロックから、事務総長でジャーナリストの有本香氏(62)が東京ブロックから出馬すると明らかにした。
百田氏は
「日本を守りたい、日本の良さを残したいという思いだ」
「『日本を豊かに、強く』という理念に賛同した候補者とともに衆院選を戦っていきたい」
と意気込みを述べた。
北海道ブロックでは元北海道議の小野寺まさる氏(61)、東京ブロックでは元仙台市長の梅原克彦氏(70)、南関東ブロックでは荒川区議の小坂英二氏(51)、近畿ブロックでは福井県立大学名誉教授の島田洋一氏(66)が名を連ねている。

百田尚樹代表、有本香事務総長ら比例26人 選挙区は4人 日本保守党が候補者名簿を発表
2024/10/8 16:05
https://www.sankei.com/article/20241008-5K2ZQKCTWNC5XGHR2OFQDWYNL4/
日本保守党は8日、衆院選(15日公示、27日投開票予定)に向け、選挙区4人と比例代表26人の候補予定者名簿を発表した。
選挙区の愛知1区には河村たかし・名古屋市長、比例代表には百田尚樹代表、有本香事務総長、国際政治学者で福井県立大名誉教授の島田洋一氏らを擁立する。
名簿は以下の通り。
【選挙区】
河村たかし(愛知1区)、大橋とおる(愛知3区)、麻生ちさ(愛知4区)、田中克和(愛知5区)
【比例代表】
北海道ブロック=小野寺まさる、堀田真作
北関東ブロック=伊藤純子、野寺直美、芦沢進、宮入良明
東京ブロック=有本香、梅原克彦、阿部力也、小柳岳志
南関東ブロック=小坂英二、大河内元喜、森健太郎、渡辺紀明、服部徹
東海ブロック=竹上ゆうこ、中川健一、織田敏之、中村憲一、青木崇佳
近畿ブロック=島田洋一、佐々木みのり、百田尚樹、豆谷和男、竹内唯裕、残る1人は通称調整中のため非公表

日本保守党が衆院選で会見 百田、有本両氏ら30人擁立 「『移民』政策見直しを」
2024/10/8 14:45
https://www.sankei.com/article/20241008-KS5HD7W5MVHK7NWTBBK5GRBWEI/
政治団体
「日本保守党」
は8日、衆院選(15日告示、27日投開票予定)について、東京都内で記者会見した。
愛知1区に出馬する共同代表の河村たかし名古屋市長ら4人を選挙区に、比例代表には国際政治学者で福井県立大名誉教授の島田洋一氏ら26人、計30人を擁立する方針を明らかにした。
2023年10月に結党して以降、2024年4月の衆院東京15区補欠選挙に続く国政選挙への挑戦となる。
百田尚樹代表は比例近畿ブロック、有本香事務総長は比例東京ブロックにそれぞれ擁立する。
公約については、
「スパイ防止法の制定」
「消費税減税」
「共同親権制度の導入」
など結党時に発表した重点政策項目を踏襲。
表現などは練り上げるという。
有本氏は会見で、衆院選について
「願わくば国政政党になりたい」
「国政に行くぞというお披露目でもある」
と述べ、政党要件を満たす5人以上の当選に強い意欲を滲ませた。
その上で、再生可能エネルギー普及のため電気料金に上乗せされている
「再エネ賦課金」
の廃止などを例に挙げて
「国会の中にない政策を掲げていく」
と強調した。
百田氏は
「日本を守り、日本の良さをそのまま残したい」
「『日本を豊かに、強く。』を合言葉に戦いたい」
と語った。
特に重視する政策については、
「移民」
政策の見直しを挙げて
「『移民』が増えている」
「地域住民とトラブルを抱え、日本の本来守るべきルールを守らない一部の外国人もいる」
「町によっては治安が脅かされている」
「『移民』問題をもう1度考え直すべきではないか」
と述べた。

河村たかし氏、衆院選「台風の目」可能性「75歳まで来ると有権者の心を信じるに尽きる」
2024/10/1 23:20
https://www.sankei.com/article/20241001-6WLNPES2ZBNRPGZWSGU44D6AI4/
選挙巧者で
「総理を狙う男」
を自称する名古屋市の河村たかし市長が1日、衆院選愛知1区への出馬を表明した。
出馬記者会見で勝算を問われた河村氏は
「75歳まで来ると、有権者の心を信じてやるに尽きる」
「皆さんのためにやってきた」
「必ず分かってくれる」。
国政復帰への意欲を示し続けてきたが、年齢のために今回がラストチャンスとの声も出ている。
河村氏の存在は、衆院選で
「台風の目」
となる可能性を秘める。
2023年4月の市議選では、減税日本の党勢低迷が指摘されながら、自らが前面に出た選挙戦を展開した結果、改選前より議席を増やした。
2023年10月から
「日本保守党」
の共同代表に就任。
名古屋市などの選挙区で候補を擁立すれば、保守層から一定の支持を得られる可能性がある。
地元市議は、自民党総裁選で石破茂新首相が、保守層に人気の高市早苗氏を破ったことで
「自民候補から保守票が逃げる可能性がある」
「自身の年齢も考えれば、最後のチャンスだったのだろう」
と推察する。

名古屋市の河村たかし市長、愛知1区から衆院選出馬へ「総理を狙う男、アゲインという感じ」
2024/10/1 9:27
https://www.sankei.com/article/20241001-3OISJHHS3RLWXM7WY6B2I3OMOA/
名古屋市の河村たかし市長は1日、27日投開票の衆院選に愛知1区から出馬する意向を明らかにした。
記者団の取材に答えた。
河村市長は4期目で市長を退く考えを示していたことを踏まえ、
「4年前、これで最後と言ったので公約を守る」
「総理を狙う男、アゲインという感じだ」
と述べた。

http://www.asyura2.com/24/senkyo295/msg/658.html#c24

[政治・選挙・NHK295] これが裏金議員50人の選挙区だ! 焦る石破自民「非公認」「比例重複なし」に方針転換も戦況悪化は加速<一覧表あり>(日刊ゲン… 赤かぶ
38. 秘密のアッコちゃん[695] lOmWp4LMg0GDYoNSgr@C4YLx 2024年10月09日 07:13:33 : fjTz2F981w : QTJUazdpaUhyT1U=[260]
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「防衛シフト」の石破政権 安全保障に精通した議員を要職起用 現実路線で対中抑止を
2024/10/9 6:00
https://www.sankei.com/article/20241009-RYPOGACQBRNERI5WD7MFPFJZQY/
石破茂新政権が1日に発足した。
日本は今、戦後最も複雑で厳しい安全保障環境に置かれている。
特に中国は、自民党総裁選最中の
「政治空白」
に合わせて日本周辺での軍事活動をあからさまに活発化させている。
中国と軍事的連携を強めるロシア、弾道ミサイル発射を繰り返す北朝鮮の動向も予断を許さない。
日本自らの防衛力に加え日米同盟、同志国との連携を強化し、如何に抑止力・対処力を高めるか。
首相の指導力が問われる。
■党要職に防衛相経験者
「これだけ安保政策が前面に出て、注目される新内閣は珍しい」。
石破政権発足後、防衛省幹部はこう漏らした。
防衛庁長官、防衛相をそれぞれ経験し、安保政策通を自任する首相をトップに、外相には岩屋毅氏、防衛相には中谷元氏、自民党政調会長には小野寺五典氏と政府、党の要職にいずれも防衛相経験者を充てた。
加えて首相の側近となる政務担当の首相秘書官2人のうち1人には槌道明宏元防衛審議官を就けた。
槌道氏は昭和60年に防衛庁(当時)に入庁し、石破氏の防衛相時代の秘書官を務めた経験がある。
防衛政策に明るい人材で脇を固める石破政権の布陣は、日本が置かれる厳しい安保環境に対する危機感の表れとも見て取れる。
首相は自民党総裁選で、
「アジア版NATO(北大西洋条約機構)」
の創設や日米地位協定の改定、米国内の自衛隊訓練基地設置など独自の安保政策を掲げたが、その実現性については懐疑的な指摘が相次いだ。
首相は7日の衆院代表質問で、アジア版NATOについて
「私自身の一国会議員としての考えを述べてきたが、一朝一夕で実現するとは当然思っていない」
と語った。
4日の所信表明演説でも、アジア版NATOの他、地位協定の改定や米国内の自衛隊訓練基地設置には触れなかった。
7日の衆院代表質問では
「一国の首相としてまずは喫緊の安全保障上の課題に取り組んでいく」
とも強調し、現実路線にシフトしつつあるようだ。
■台湾有事は「重要影響事態」
石破政権にとって中国の軍事的脅威にどう対抗するかは重要課題の1つとなる。
日本は自民党総裁選と衆院解散・総選挙、米国は大統領選の最中にあって、日米でそれぞれ
「政治的空白」
が生じる隙を突いて、中国は軍機による初の領空侵犯や領海侵入、空母による初の接続水域侵入など挑発行動を繰り返した。
日本政府は対抗措置として9月、海上自衛隊の護衛艦による初の台湾海峡通過に踏み切った。
中国は猛反発し、軍事的挑発を更に強める恐れがある。
昭和29年の自衛隊創設以来、初となる海自艦艇による台湾海峡の通過は、日本としても中国大陸と台湾を隔てる台湾海峡の安定重視を打ち出すため、政府内で検討されてきたが、尖閣諸島(沖縄県石垣市)などで中国の挑発活動がエスカレートする事態を懸念し、見送ってきた経緯がある。
日本にとって海自艦艇の台湾海峡通過は
「切り得る最大のカードのうちの1つ」(自衛隊幹部)
であり、今後中国に対し毅然とした態度を示しつつも、軍事的緊張を激化させないためにどう対応するかは大きな課題となる。
中国の習近平国家主席は、2027(令和9)年までに台湾侵攻の準備を完了させるよう指示したとされ、この期間は首相の自民党総裁任期(9年9月末まで)と重なる。
首相は総裁選期間中のテレビ番組で、台湾有事について
「少なくとも(安全保障関連法で定められた日本の平和と安全に重要な影響を与える)重要影響事態だ」
との認識を示した。
■実効的な対応が求められる
約3年に及んだ前の岸田文雄政権は、国家安全保障戦略など安保3文書を策定し、防衛費の大幅増額や反撃能力(敵基地攻撃能力)の保有を決定した。
防衛装備移転に関する規制も緩和し、地対空誘導弾パトリオットを米国に輸出するなど日米同盟の強化に努めた。
オーストラリアや英国など同志国との防衛協力も積極的に進めた。
念頭にあったのは対中包囲網の構築だ。
「自由で開かれたインド太平洋」
を唱えた安倍晋三元首相以降、岸田氏にまで引き継がれた外交安保政策を継承、発展させ、台湾の武力統一も見据えて軍事活動を活発化させる中国をどう抑止するか、実効的な対応が求められる。

<主張>代表質問 安全保障の論議不十分だ
社説
2024/10/9 5:00
https://www.sankei.com/article/20241009-N3ZCWLPEKJIFNBCCPHJ3MP7ZMA/
石破茂首相の所信表明演説への国会の代表質問が終わった。
政権選択選挙である衆院選を前にした国会である。
「政治とカネ」
を巡る問題が盛んに議論された。
その一方で、日本の独立と繁栄の基盤となる安全保障の論議が深まらなかったのは残念だ。
自民党議員は中国軍の領空侵犯や領海侵入、空母「遼寧」の接続水域航行、ロシア軍の領空侵犯を取り上げ、小野寺五典政調会長は
「国民の命と暮らし、領土・領海・領空を守り抜く」
ことを求めた。
日本維新の会の馬場伸幸代表は台湾有事について質した。
首相が最近の著書で
「『台湾有事、即日本有事』となる可能性は相当低い」
と指摘しているからだ。
馬場氏は
「対中抑止力や国民の国防意識を削ぐことになる」
と懸念を示した。
首相は
「仮定の質問に答えるのは差し控える」
とした上で
「台湾海峡の平和と安定は国際社会の安定にとっても重要だ」
と指摘した。
国防の決意と具体策をもっと語る必要がある。
物足りなかったのは野党第一党の立憲民主党である。
野田佳彦代表が首相のアジア版NATO(北大西洋条約機構)構想に関し
「日米同盟の抑止力に疑念があると思われかねない」
「非現実的ではないか」
と疑問を呈したのは妥当である。
だが、立民として日本をどう守るつもりかを語らなかった。
対中認識を含む現下の国際情勢に対する見方も示さなかった。
田名部匡代参院幹事長はロシアに侵略されたウクライナで、なぜ抑止力が効かなかったのかを質した。
ウクライナ問題を論ずるのではなく、アジア版NATOを巡る首相の言行不一致を引き出したかっただけのようだ。
安保政策を十分語らずに政権交代を迫っても、説得力は感じられない。
憲法改正については自民、立民、維新などが質問した。
首相は緊急事態条項の創設や自衛隊明記について、自民内の議論を
「後戻りさせることなく、前に進めていく決意だ」
と語った。
同時に、任期中に国会への発議を実現したいとし、憲法審査会で議論を深めるよう求めた。
ただ、それだけでは足りない。
首相や憲法改正に前向きな政党は、どの項目をいつまでに条文化したいのかを明らかにすることも重要である。

首相、世論と党内融和で板挟み 「聞く力」発揮は 衆院選結果次第では「石破降ろしも」
2024/10/8 6:00
https://www.sankei.com/article/20241008-ZVRGPKMP4FIUHGX35IF7KBFX7U/
石破茂首相(自民党総裁)は就任後初の視察先として、1月に地震、9月には記録的な豪雨に見舞われた石川県に赴き、被災者の声を聞いて回った。
先の党総裁選の討論会やテレビ番組では得意な論戦で
「語る力」
が目立っていたが、視察現場では
「聞く力」
を重視した。
次期衆院選に向け派閥パーティー収入不記載事件の関係議員への厳しい対応を迫られる中、
「聞く力」
を発揮し、党勢を立て直すことができるのか注目される。
■正座で被災者に寄り添い
「国も、ちゃんと分かってくれとるね、と実感してもらわんといけんと思っとるんですよ」。
首相は5日、同県輪島市内の避難所を訪れ、高齢の被災者らに、こう語りかけた。
防災庁創設を掲げ、避難所の環境改善を訴えてきた首相は、被災者に食事の内容やコンテナ型トイレの使用感などを熱心に聞き取った。
その間、正座で被災者と向き合い、
「困ってる、なんとかならんか、ということがあったらおっしゃってください」
と柔和な表情で繰り返し声をかけた。
首相はこの日、午前9時ごろに能登空港(同県輪島市)に到着すると、政府専用車両ではなく、大型バスに随行の首相秘書官らと乗り、被災現場や避難所を回った。午後4時半ごろに同空港を発つまでに7カ所回った。
震災の被害が甚大だった同県珠洲市内の避難所でも、
「(今も)飲み水はペットボトルですか」
「携帯電話はすぐに通じるようになったのですか」
などと質問し、被災者に寄り添った。
■「自己満足にひたっていてはいけない」
視察先で
「聞く力」
をアピールした首相だが、ライフワークとする安全保障分野や憲法改正の議論ではこれまで持論を展開してきた。
党や政権に物言う姿勢を貫き、世論調査での人気は高いが、党内では
「後ろ足で砂をかける」
「後ろから鉄砲を撃つ」
との評価が付きまとってきた。
平成21年の麻生太郎内閣末期に急先鋒で
「麻生降ろし」
を始めたのは首相だった。
先の党総裁選で麻生氏が石破氏ではなく高市早苗前経済安全保障担当相を支援したのは、この時に出来た溝が原因だ。
首相自身も
「後ろから鉄砲を撃つ」
という評価については自覚があり、5度目の挑戦となった先の党総裁選期間中の産経新聞の単独インタビューでは、
「『俺は正しいことを言っている』という自己満足に浸っていてはいけない」
と言及。
「原理原則論」
を前面に押し出す言動を控えた。
実際、首相就任後は自身が提唱してきた
「アジア版NATO(北大西洋条約機構)」
創設や日米地位協定の改定に関し、党内や関係各所との合意を得る努力を進めていくとの考えを示した。
また、総裁選では賛意を示した選択的夫婦別姓制度についても党内に根強い反対意見に配慮し、今は慎重姿勢を取る。
■不記載議員の公認問題で安倍派は不満
「石破カラーを出すと党内から怒られる」
就任当初、こう漏らした首相は、野党からの
「これまでの発言からブレた」
との批判も甘んじて受け、党内融和に腐心してきた。
しかし、次期衆院選に向けた派閥パーティー収入不記載事件の関係議員の公認を巡っては、厳しい判断を迫られた。
「政治とカネ」
を巡り世論の逆風が止まない中、首相は7日、政治資金収支報告書に不記載が確認された議員を次期衆院選で公認した場合でも、比例代表との重複立候補を認めない方針を決め、非公認の対象も広げた。
党内には世論の声を聞いた首相の決断を評価する声がある一方、不記載事件に関与した議員が多い旧安倍派からは恨み節が漏れる。
旧安倍派の中堅議員は
「首相との間にしこりは残るに決まっている」
「もう修復は出来ないよ」
と吐き捨てる。
総裁選で首相と争い、首相とは異なる保守的な政治信条を持つ高市氏や小林鷹之元経済安保担当相も首相の提示したポストを固辞するなど距離を置く。
報道各社の世論調査で総裁に相応しい候補として上位を維持してきた首相だが、首相就任後の各社の調査では内閣支持率は50%前後にとどまった。
次期衆院選の結果次第では党内で
「石破降ろし」
が始まりかねない。
首相は世論の期待と党内融和の狭間で難しい政権運営を強いられそうだ。

石破首相は「2代目検討使」「岸破%煌t」 国民・玉木雄一郎代表が皮肉
2024/10/7 21:35
https://www.sankei.com/article/20241007-DU4WL3DGINJ7VB2YMMNEFVTHRU/
国民民主党の玉木雄一郎代表は7日、衆院本会議の代表質問で
「検討する」
との答弁を連発した石破茂首相を皮肉った。
岸田文雄前首相が
「検討使」
と揶揄されたのを引き合いに
「第2次検討使が派遣され、2代目を襲名したようだ」
と国会内で記者団に語った。
両氏の名前をもじり
「『岸破内閣』という感じだ。中身が全く一緒だ」
とも述べた。
更にに、ガソリン税を一部軽減する
「トリガー条項」
の凍結解除などの答弁が岸田氏と同じだったと指摘。
「石破カラーを感じられない官僚答弁だった」
「石破氏の着ぐるみを着た岸田氏かと思った」
と語った。

<主張>不記載議員対応 またもや「言行不一致」か
社説
2024/10/8 5:00
https://www.sankei.com/article/20241008-VVITD4HYDZJN3DGCSNBHI6GB44/
石破茂首相(自民党総裁)と党執行部が、派閥パーティー収入不記載に関係した同党衆院議員らへの衆院選対応を決めた。
不記載議員を選挙区で原則公認する一方、比例代表への重複立候補は認めない。
旧安倍派幹部3人に加え、国会の政治倫理審査会(政倫審)に出席していない旧安倍派、旧二階派の議員3人も公認を見送る。
首相は
「国民の不信や怒りにきちんと対応することが必要だ」
と語った。
今回の措置は、議員の政治生命に関わる方針転換である。
衆院選で苦戦を強いることを見越した選挙目当ての策と言える。
党執行部は当初、重複立候補を認める構えだった。
首相は言行不一致と指摘されても仕方のない行動にまたもや走ったことになる。
首相は総裁選時に、今回のような措置を講ずると語っていなかった。
出馬表明時こそ
「公認するに相応しいかどうかの議論は徹底的に行われるべきだ」
と非公認の可能性に言及したが批判を浴びて軌道修正していた。
総裁選時に何も語らずに議員に支持を求め、当選したら掌返しをするのは総裁選という選挙を軽んじている。
騙し討ちのような手法は感心しない。
総裁選の公約で
「不記載議員1人1人と向き合い厳しく反省を求める」
と明記したが、当選後にそれを行っている形跡もない。
首相は議員への聞き取りについて
「厳しい時間の制約はある」
と述べて消極的だ。
だが、前言を翻して予算委員会を開かず衆院解散を急いでいるのは首相ではないか。
石破内閣への世論の視線は厳しい。
早期解散に走ったり、総裁選で掲げた主要政策を次々に軌道修正したりした言行不一致や、挙党体制を取らない組閣などが響いている。
いずれも首相自身が招いた事態である。
強引な衆院選対応を決めても党の団結を損なう。
また、有権者の心にどこまで響くかは不透明だ。
公認基準を巡っても解せない点がある。
「党役職停止」
処分中の議員のうち、政倫審で説明した議員は非公認の対象から除いた。
政倫審で弁明はあったが、それで事件が解明されたとは到底言えない。
石破首相と自民に求められるのは、なぜ事件が起きてしまったかを説明することだ。

無役の自民・高市早苗氏にSP 衆院選期間中、加害予告の投稿受け異例の対応
2024/10/7 18:59
https://www.sankei.com/article/20241007-6TNQSVIATJKIRCGC6OC5HHMJBM/
衆院選(15日公示、27日投開票予定)の選挙運動期間中、自民党の高市早苗前経済安全保障担当相が警護対象者となり、SP(警護官)がつくことが7日、わかった。
インターネット上に高市氏に対する加害予告の投稿が発見されたためで、政府や党の要職についていない
「無役」
の議員が警護対象になるのは異例となる。
高市氏周辺によると、総裁選の1回目の投票で首位だった高市氏には党所属議員から衆院選の応援要請が殺到しており、全国各地で応援演説を行う予定だ。
だが、関係者によると、警察当局によるサイバーパトロールで、高市氏に危害を加えるとの趣旨の投稿が複数確認された。
国内外で要人襲撃事件が相次いでいることもあり、SPがつく異例の対応が決まった。

まさかの低支持率「石破政権」いきなりヤバい理由
国民人気は高いと思われていたのに何が?
安積 明子 : ジャーナリスト
2024/10/7 11:50
https://toyokeizai.net/articles/-/832155#:~:text=%E3%81%BE%E3%81%95%E3%81%8B%E3%81%AE%E4%BD%8E%E6%94%AF%E6%8C%81%E7%8E%87%EF%BD%A2%E7%9F%B3
10月1日に発足した石破政権だが、滑り出しがよくない。
各社が行った世論調査でも、第1次安倍政権以降の10の政権の中で石破政権はおしなべて9位を占めた。
なお支持率最下位の麻生政権のときに、自民党は下野している。
■「国民人気はある」と認知されていたが…
まさかの数字に驚愕したのは、石破茂首相だけではないだろう。
自民党内で石破首相は、
「党内では人気がいまいちだが、国民には人気がある」
と認知され、長らく本人もそれを自負していたに違いない。
石破首相は2012年の総裁選の1回目の投票で165票という大量の党員票を獲得し、故・安倍晋三元首相らを押さえて1位に躍り出たからだ。
だから9月27日の総裁選で、高市早苗前経済安全保障担当相が109票の党員票を獲得し、たとえ1票差とはいえ石破首相を上回った時、大きなショックが広がった。
決選投票前の演説で、うなだれる石破首相とは対照的に高市氏がはしゃいでいるように見えたのも、それが一因だったかもしれない。
しかし、決選投票で石破氏は議員票を143票伸ばし、都道府県連票を含めた全体では高市氏を21票差で下して勝利した。
「差はそれほど大きくない」
「10人ほどがひっくり返れば、結果は逆になったはずだ」。
ある自民党議員がそう言った。
確かに1回目の投票で投じられた46票の議員票は別として、決選投票で石破首相に追加に投じられた143票の議員票すべてが
「石破氏でなくては絶対にダメ」
というわけではなかっただろう。
だからこそ石破首相は
「党内の和」
を第一とし、森山裕幹事長を任命した。
次期衆院選での裏金議員の処遇についても、一時は
「原則公認」
との姿勢を示したのも、それ故だろう。
しかし国民は忘れてはいない。
石破首相は8月24日に総裁選への出馬を表明した際、確かにこう言ったのだ。
「自由民主党公認候補として、公認するに相応しいかどうか」
「そういう議論は選挙対策委員会で徹底的に行われるべきだと思っています」
場所は鳥取県八頭町の和多理神社で、石破首相の生家に近く、幼い頃の遊び場でもあった。
社を背に話す石破首相の表情は、今回の総裁選を最後とする決意が滲み出ていた。
■「早期解散」の動きには抗えなかった
しかし、徹底的な検証には時間がかかる。
既に自民党では、小泉進次郎選対委員長が総裁選で勝利した場合の
「衆議院の早期解散」
が決まっていた。
「人気のあるうちに衆院選を行ってしまおう」
という魂胆だが、実はこの後に続きがある。
「次期参院選までは(人気が)持たないので、それまでにもう1度、総裁選が行われる」
というものだ。
実際には石破首相が勝利したものの、党内基盤が弱い石破首相は
「早期解散」
の動きに抗することができなかった。
また裏金議員の処遇についても総裁選で宣言したような措置は取れず、
「原則公認」
と後退した。
しかし世論はそれでは納得できない。
5日夜に自民党本部で森山氏や小泉氏が集まり、能登の被災地視察から戻ってきた石破首相も合流した。
そして翌6日午後、石破首相は党員資格停止処分を受けた議員、および役職停止中で、政倫審で説明していない議員を非公認とすると共に、説明責任を果たさず地元の理解が得られていない議員についても公認しないことを発表した。
同時に処分を受けなかった議員など40人については選挙区での公認を認めるが、比例重複は認めないことも決定。
選挙基盤が弱い議員にとっては厳しい措置となった。
風を変えたのは選対委員長の小泉氏だと言われる。
小泉氏は同日午後、東京・江東区で行われた街頭演説会で
「自民党が自らに鋭いメスを入れ、失った信頼を再び築き上げる覚悟を持って国民と向き合う選挙にしなければならない」
と訴えた。
■「絵に描いた餅」状態になっていないか
それでも怒りに震える国民にとっては、物足りない処分だろう。
第1、石破首相の行動に覚悟が見えないのだ。
その1つが10月4日に発表された内閣の布陣で、加藤勝信財務相や平将明デジタル相にはそれなりの方向性が見えるものの、全体的には何をアピールしているのかが不明だ。
大体
「若者・女性の機会を守る」
を含む5つの
「守る」
を石破首相が宣言していながら、女性閣僚がたった2人では”有言不実行”と言えまいか。
また、総裁選投票日にアメリカの保守系シンクタンク、ハドソン研究所のホームページに掲載された
「日本の外交政策の将来」
と題した寄稿では、
「アジア版NATO(北大西洋条約機構)」
の設立や、日米安保条約、日米地位協定の改定が提唱されたが、多くの専門家に一笑に付されている。
そしてこれらは
「軍事オタク」
として知られる石破首相の目玉政策とされるべきものだったにもかかわらず、所信表明では一切触れられていない。
要するに総裁選初出馬から16年を経て、念願の総理総裁になったものの、石破首相は政策についても、仲間作りについても、ほとんど準備をしていなかったということになる。
そもそも総裁就任と同時に、株価が大暴落。
これが弱気の始まりだと思われるが、石破首相が目指す国民の
「納得と共感」
を得るためには数々の試練を潜り抜けなくてはいけない。
■注目される財政政策
石破氏自身は財政再建派だが、まずはデフレ脱却のために増税路線を封印すべきではないだろうか。
それには国が金を吸収するのではなく、むしろ民から民へ金をまわす施策を考える必要がある。
石破首相は総裁選の最中に、金融所得課税増税や法人税増税を口にしたが、もしそうした直接税を増税するのなら、消費税など間接税引き下げの議論があってもいい。
実際に消費税の税収は2004年度予算で23.8兆円にものぼり、過去最高額となっている。
減税により消費が喚起されれば、大きく減じる危険もない。
既に
「短命政権」
との声も出ている石破政権だが、たとえ党内基盤は弱くても、国民の支持があれば存続できる。
そのためには各界からの優秀なブレーンとともに、石破首相が
「聞く耳」
を広く持つことも必要だろう。

石破内閣支持率53・3% 不記載議員「公認すべきでない」47・4%
産経・FNN合同世論調査
世論調査
2024/10/7 11:54
https://www.sankei.com/article/20241007-44ZLILCISZOCBIC6AHZR3OL7ZQ/
産経新聞社とFNN(フジニュースネットワーク)が5、6両日に実施した合同世論調査で、1日に発足した石破茂内閣の支持率は53・3%、不支持率は35・8%だった。
支持率は岸田文雄内閣の最後となった前回調査(9月14、15両日)から27・6ポイント上昇して5割に乗せた。
一方で、令和3年10月の岸田内閣発足時(63・2%)と比べると9・9ポイント低かった。
石破内閣を「支持する」と回答した人を対象に理由を聞いたところ、「他によい人がいないから」が32・2%で最多。13人が初入閣となった石破内閣には「期待しない」(49・3%)との回答が「期待する」(43・1%)を上回った。
取り組んでほしい政策に関する質問(2つ選択)では「物価高・賃上げ対策」が39・5%でトップ。「経済対策・景気対策」(35・0%)▽「年金・医療・介護」(27・3%)▽「子供・子育て支援」(24・9%)−などと続いた。
また、首相が今月27日に投開票を行うと表明した衆院選のタイミングについては「国会論戦を行った後、年内にやるべきだった」が39・8%に上った一方、「適切だ」は24・0%にとどまった。自民が派閥のパーティー収入不記載事件で不記載が指摘された議員らを公認してよいかについて尋ねたところ、「公認するべきではない」が47・4%(前回比4・2ポイント減)で最も多く、次いで「説明責任を果たせば公認してよい」が42・5%(同2・6ポイント増)。
「公認してよい」は6・9%(同0・6ポイント増)にとどまった。
一方、先月23日の立憲民主党代表選で勝利した野田佳彦代表に「期待する」との回答は49・6%だったのに対し「期待しない」は44・0%。次期衆院選で与党に対抗するために野党は候補者を一本化すべきか尋ねたところ、「一本化すべき」が51・7%(同3・5ポイント増)となった。
ただ、次期衆院選後の政権については「自民、公明中心の政権の継続」が53・1%(同5・2ポイント増)で、「今の野党を中心とした政権交代」の35・3%(同5・9ポイント減)を上回った。次期衆院選の比例代表の投票先では、自民34・1%(同1・1ポイント増)▽立民13・0%(同0・7ポイント増)▽日本維新の会5・3%(同0・7ポイント減)▽公明党3・9%(同0・2ポイント増)▽共産党2・2%(同0・7ポイント減)▽国民民主党2・0%(同0・4ポイント増)−などの順となった。
調査では内閣支持率に関し、答えが不明確な場合は「どちらかと言えば」と再度、質問して回答を得た。

石破茂氏、新首相に就任 米紙、日米の緊張を予測 韓国紙、首相の歴史認識を総じて歓迎
世界の論点
2024/10/7 10:00
https://www.sankei.com/article/20241007-3FUSPZIZPFJIDMVN6QIJPB5WJ4/
自民党の石破茂氏が1日、新首相に就任した。
石破氏はかねて、
「アジア版NATO(北大西洋条約機構)」
創設などを主張してきたことから、米メディアは日米間に緊張が走ると予測している。
韓国メディアは、石破氏の歴史認識を総じて歓迎。
ただ、アジア版NATO構想には、保革双方から懸念の声が出ている。

■同盟に緊張 中国と衝突危惧(米国)
複数の米メディアは
「アジア版NATO」
創設や日米地位協定の見直しなどを主張する石破茂新首相の外交安全保障政策により、日米間に緊張、日中間では衝突が起きる懸念を指摘した。
石破氏が故安倍晋三元首相に批判的で、党内で異端視されてきた経緯を紹介するメディアもあった。
米紙ウォールストリート・ジャーナル(電子版)は9月27日、防衛相も務めた石破氏が日米同盟を不平等な関係と考え、同盟関係の再構築を望んでいるとして、
「ワシントン(米政府)との間で緊張が起きる予感がする」
と伝えた。
日米安保条約では、日本が攻撃された場合、米国に日本支援のため駆け付ける義務があるが、日本には同様のことが求められていない。
一方、日本が約5万5千人の米軍を国内に受け入れ、在日米軍駐留経費の日本側負担(思いやり予算)は経費全体の75%に上る。
同紙は、石破氏が
「同盟の非対称的な側面に苛立っている」
と指摘。
同盟の
「基本的な構造」
を変えることなく、防衛費の増額に取り組み、米国との関係深化を図ってきた安倍氏や岸田文雄前首相と
「異なる立場」
を示すのが石破氏だと評した。
自民党総裁選の期間中、石破氏が
「米軍機が日本で墜落した場合など、日本の米軍基地への立ち入りや装備品への接触を制限する条約上の制限に異議を唱えている」
と、懸念も滲ませせた。
米誌タイム(電子版)は9月27日、石破氏について、日本による韓国併合の「過ちを認める」数少ない政治家の一人で、「独特で異端な一面がある」とし、韓国との関係強化を重視している政治家だと論じた。一方、アジア版NATO創設を推進するなら、「北京(中国政府)との衝突は避けられない」と予測した。
AP通信は9月27日、石破氏が安倍氏による「タカ派政治」を声高に非難し、党内の一部から長年、「面倒な部外者」扱いをされてきたと紹介。石破氏が米国内に自衛隊の訓練基地を置く構想など、「より平等で双務的な」日米同盟の構築を目指していると指摘した。また、アジア版NATOの創設を提唱する石破氏について、「米国が日本に求める範囲を超える安全保障に関する考えを持つ」とする日本人有識者のコメントを紹介。「実現可能性」に疑問を呈した形だ。一方、「日米の外交安保関係に変化が生じるとは思わない」との同有識者の見方も伝えた。(岡田美月)

■歴史認識で歓迎 安保は懸念(韓国)
石破茂氏の首相就任に関し、韓国では
「右翼勢力と違う歴史認識を持つ政治家」
として保守・革新両陣営から歓迎の声が相次いだ。
一方、中国への牽制を念頭に「アジア版NATO」を創設し日韓の防衛協力強化を図る石破氏の安全保障構想に対しては、保革双方で懸念の声が相次いでいる。
石破氏は2017年、韓国紙のインタビューで日韓間の歴史認識問題について問われ、
「(韓国側の)納得を得られるまで謝罪し続けるしかない」
と発言。
韓国では
「周辺国との関係を重視する穏健派」(革新系の京郷新聞)
と評価されてきた。
石破氏について今回、保守系の中央日報は社説で
「韓日関係をこじらせてきた歴史認識で前向きな態度を見せてきた」
と評し、2023年以降の両国関係改善がさらに進展することへの期待を示した。
革新系のハンギョレ紙も社説で
「安保問題に専門的見識を持つ保守政治家として知られ、歴史問題でも合理的な見解を明らかにしてきた」
と好意的に紹介した。
キリスト教徒の多い韓国では、石破氏が日本では少数派のクリスチャンであることに着目する報道も目立った。
夕刊紙、文化日報は、歴史認識で石破氏が「反省」の意を繰り返し示してきたことについて
「日本のキリスト教会の考えが影響を及ぼした」
と分析。
靖国神社参拝に否定的な態度を示す理由の1つに、石破氏の信仰を挙げる専門家の談話も紹介した。
一方、アジア版NATOの創設や米国との核兵器共有に前向きな石破氏の安保政策には、各紙の評価が分かれた。
中央日報社説が日米韓の安保協力強化を課題に挙げ、石破氏と尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領による
「ウィンウィン」
の協力加速に期待を示したのに対し、同じ保守系の朝鮮日報は
「アジア版NATOに参加する国はほとんどなく、米国が日本と核共有に直ちに乗り出す可能性もない」
と断じた。
ハンギョレは、韓国に対する
「謝罪と反省」
に進展がなければ
「中国を排除して韓国と事実上の軍事同盟を結ぼうという意見に同意する韓国人はほとんどいない」
とし、アジア版NATOの議論が進めば
「韓日の摩擦は避けられない」
との見通しを示した。
保守系・東亜日報の東京特派員は、石破新政権が歴史認識問題で歩み寄りつつ共同防衛への参加を韓国に提案すれば、韓国はより複雑な判断を迫られると指摘。
親日的で
「眉をひそめるほど純真」
な尹政権与党と、親中に振れる野党以外の選択肢がない状況に
「韓国国民は冷や汗をかいている」
と訴えた。

自民に激震「比例重複認めず」 非公認対象広がる 党勢後退すれば首相の責任問題も
2024/10/6 20:15
https://www.sankei.com/article/20241006-DWEKPHC3DFPW7OQQ3KTHK2NZI4/
石破茂首相(自民党総裁)が政治資金収支報告書に不記載が確認された自民党議員を次期衆院選で公認した場合でも、比例代表との重複立候補を認めない方針を固めた。
重複立候補できない非公認の対象も従来より広がる。
衆院選を前に有権者の不満を抑える狙いがある。
ただ、当選の確率が下がるだけに自民議員の動揺は激しい。
]深刻な党勢後退を懸念する声も強まっている。
「(世論調査などで)地元から説明責任が評価されていないと判断された議員は非公認となる」
「厳しい判断だ」。
自民幹部は首相の決断についてこう語った。
自民の森山裕幹事長は4日、派閥パーティー収入不記載事件で処分した衆院議員をめぐり、原則として公認する意向を示していた。
既に不記載事件への党の処分が下された中、非公認が
「2重処分」
に当たるとの指摘もあった。
非公認となればテレビの政見放送でアピールできず、配布ビラの枚数も減るなど厳しい選挙戦は避けられない。
自民重鎮は
「公認問題は決着済みだと聞いていたので総裁選で首相を応援した」
「話が違う」
と語気を強めた。
不記載事件に関与した議員が多い旧安倍派を狙い撃ちした動きとの見方も広がっている。
首相は生前の安倍晋三元首相と距離があったためだ。
重複立候補の道を断たれた旧安倍派中堅は
「しこりは残る」
「政権を支えようと思っていたが無理だ」
と吐き捨てた。
「内閣支持率が期待したほど上がらなかった中で『政治とカネ』の問題に焦点を当てられてしまった」
「衆院選を見据えた苦肉の策だ」
自民関係者は首相の狙いをこう解説した。
ただ、衆院選で落選する自民議員が続出すれば、首相自らが責任問題に直面することになる。
自民の閣僚経験者は
「郵政解散で党内が割れたときは『刺客』を立てたので、減った議員数を補充できた」
「(刺客を出さない)今回はかなりの議席を減らすのではないか」
と呟いた。

石破首相 党員資格停止議員など非公認の方針 強い反発も
2024年10月7日 5時54分
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20241007/k10014602761000.html
次の衆議院選挙に向けて、石破総理大臣は、自民党の政治とカネをめぐる問題で収支報告書に収入を記載していなかった議員の一部を公認しない方針を示しました。
党内からは理解を示す意見がある一方、非公認となる議員がいる旧安倍派を中心に強い反発が出ています。
石破総理大臣は6日、次の衆議院選挙に向けて、自民党の政治とカネをめぐる問題で政治資金収支報告書に収入を記載せず
「党員資格停止」
の処分を受けた議員などを公認しない方針を明らかにしました。
これにより、党から
「党員資格停止」
の処分を受けた下村元文部科学大臣、西村元経済産業大臣、高木元国会対策委員長と、1年間の
「党の役職停止」
の処分が継続していて、政治倫理審査会での説明を行っていない萩生田元政務調査会長、平沢元復興大臣、三ツ林裕己・衆議院議員の6人が非公認となる見通しです。
この他かの処分を受けた議員についても地元の都道府県連の公認申請や選挙区の情勢を踏まえて最終的に判断する方針で、公認されない議員が増える可能性があります。
また、処分の有無にかかわらず収支報告書に記載していなかった議員は小選挙区と比例代表との重複立候補を認めないとしていて、少なくとも30人を超える見通しです。
石破総理大臣は
「有権者1人1人に真摯に向き合い、国民の納得と共感を求める」
「国民の信頼を得る観点から公認権者として責任を持って最終的に判断していく」
と述べました。
今回の方針について党内からは
「これくらいの対応をしないと世論は納得しない」
など理解を示す意見がある一方、非公認や比例代表との重複立候補が認められない議員が多い旧安倍派を中心に
「既に処分が終わっているにもかかわらずゴールポストを動かすようなもので『旧安倍派潰し』だ」
など強い反発が出ています。
これに対し、野党側は7日と8日に行われる代表質問で、収入を記載していなかった議員への対応を含め、自民党の政治とカネの問題を厳しく追及する方針です。
立憲民主党の野田代表は
「このスキームでは、大半が公認される仕組みではないかと思っており、国民の理解を得ることは全然できない」
と批判しました。
石破総理大臣は、9日衆議院を解散する意向で今月27日に行われる見通しの衆議院選挙に向けて、与野党の対決姿勢が強まっています。

「不記載議員の重複立候補は認めない」衆院選公認で自民執行部が方針 石破首相の全発言
2024/10/6 17:22
https://www.sankei.com/article/20241006-ALWDRKNLWFBYBC2HYPUX6MMUMY/
石破茂首相(自民党総裁)は6日、次期衆院選(15日公示、27日投開票予定)を巡り、党本部で森山裕幹事長、小泉進次郎選対委員長と協議し、派閥パーティー収入不記載事件を受けた関係議員の公認の是非に関する方針を決めた。
「選挙における非公認」
より重い処分を受けた議員を公認しないほか、政治資金収支報告書に不記載が確認された議員については比例代表との重複立候補は認めないこととした。
非公認の対象には、党員資格停止処分だった下村博文、西村康稔、高木毅氏らが含まれる。
記者団に対する首相の発言は以下の通り。
■「相当程度の非公認生じる」
私はこれまで一貫して
「政治資金を巡る問題に対する国民の不信、怒りに対して、自民党としてきちんと対応することが必要だ」
と言ってきた。
本日、来る総選挙における、党としての対応について、方針を確認をした。
まず、小選挙区の公認について、党則で定める8段階の処分のうち、
「選挙における非公認」
より重い処分を受けた者については、非公認とする。
二、選挙の非公認より軽い処分でも現時点で引き続き処分が継続している者については、政倫審で説明責任を果たしている者を除き非公認とする。
三、処分を受けた、その他の議員のうち、説明責任が十分に果たされず、地元での理解が十分に進んでいないと判断される者についても非公認とする。
結果として、相当程度の非公認が生じることとなるが、国民の信頼を得る観点から、公認権者として責任を持って最終的に判断をしていくものとする。
■「総裁も党四役も重複立候補せず」
その上で、派閥の政治資金パーティーを巡る不記載があった、その他の議員についても、比例名簿への搭載はしないこととし、候補者が選挙区において説明責任を果たし、退路を断って、有権者の審判に当落を委ねることとする。
地元の有権者一人一人と真摯に向き合い、何としても小選挙区を勝ち抜いてくることを求めたい。
なお、党所属議員にこうした対応を取る以上、私並びに党四役についても重複立候補はしないこととする。ともに責任を果たしていく所存だ。
以上が総選挙に向けた対応の方向性だ。選挙は民主主義の根幹そのものであり、わが党所属の議員には、いかなる立場となっても有権者一人一人に真摯に向き合い、説明を尽くし、理解を得て、一票一票を積み重ねる努力を行っていくことを求めることで、党として国民の皆さんの納得と共感を求めたい。

安倍元首相存命なら困難だった石破新首相誕生 暗殺事件から2年、変質した自民党主流派
2024/10/6 10:00
https://www.sankei.com/article/20241006-YEI453KQUZD5PNTL6WB5OTHQZY/
10月1日召集の臨時国会で自民党の石破茂総裁が第102代首相に指名され、石破内閣がスタートを切った。
石破首相はこれに先立つ9月27日の自民党総裁選で第28代総裁に選出された。
総裁選では1回目の投票で過半数に達した候補者はなく、上位2人による決選投票で高市早苗前経済安全保障担当相を破った。
1回目の投票結果は高市氏が181票(議員票72、党員票109)で1位。
首相は154票(議員票46、党員票108)で、議員票、党員票ともに高市氏を下回った。
▼自民党総裁選、第1回投票結果一覧 高市氏181票、石破氏154票、小泉氏136票
ところが決選投票では首相が215票(議員票189、都道府県連票26)で、194票(議員票173、都道府県連票21)だった高市氏を下した。
この結果に交流サイト(SNS)では、
「てっきり高市氏で決まりと思っていただけに驚いた」
「1回目の国会議員の投票では高市氏が石破氏を上回っていた」
「なぜこのような結果になってしまったのか全く分からない」
といった驚きの声が多く見られた。
▼自民党総裁選決選投票の結果 石破氏215票、高市氏194票
■自民党総裁選の開票結果
しかし、舞台裏を探ると、カラクリは至極分かりやすいものだった。
1回目の投票で小泉進次郎元環境相を支持した菅義偉元首相のグループと、派内の2候補に票を分散させていた岸田文雄前首相率いる旧岸田派が、決選投票で石破首相支持に回ったことが大逆転劇を生んでいたのだ。
▼総裁選決選投票で逆転の石破氏、旧岸田派の「高市敬遠」勝因「レガシーひっくり返される」
菅氏は約7年8カ月続いた第2次安倍政権を通して官房長官を務め、安倍氏退陣後に政権を継承。
岸田氏も第2次安倍政権で外相を約4年8カ月務め、菅氏の後に政権を引き継いで安倍路線を継承してきた。
両氏が
「安倍路線の継承」
を掲げた高市氏ではなく、石破首相を支持したことは、令和4年7月の安倍氏暗殺事件から2年が経過し、自民主流派の政策が大きく変質したことを意味する。
石破首相の政策は、安倍氏に代表される自民党保守派とは大きな距離感があった。
総裁選期間中、首相は選択的夫婦別姓の導入について
「夫婦が別姓になると家族が崩壊するとか、よく分からない理屈があるが、やらない理由がよく分からない」
と賛成の意向を表明。
エネルギー政策では出馬会見で
「原発をゼロに近づける努力を最大限する」
と訴えた。
外国人材の受け入れに関しても、総裁選の9候補を対象に共同通信が9月20日に集計した政策アンケートで
「国内の雇用・労働環境への影響に配慮して進める」
と回答している。
▼新総裁の石破氏 政治とカネに厳しく、選択的夫婦別姓賛成、外国人材受け入れ「進める」
さらに安定的な皇位継承を巡り、令和2年には前例のない
「女系天皇」
を選択肢から排除しない考えを示している。
▼自民総裁選候補共同会見 9氏は男系継承重視 石破氏は「女系天皇」含み
安倍氏は第2次政権発足時こそ石破首相を幹事長に起用したものの、その後はこうした考え方の違いもあって政権の中枢から遠ざけてきた。
その流れは安倍氏と蜜月≠セった菅、岸田両氏の政権でも長く続いてきたが、今回はその菅、岸田両氏が石破首相支持へ舵を切ったことになる。
岸田前政権で非主流派だった菅氏は石破政権で副総裁に就き、主流派入りを果たした。
岸田氏は自身の経済政策の継承を石破首相に約束させ、内閣の要の官房長官ポストに旧岸田派ナンバー2の林氏を残留させることに成功した。
いずれも石破首相を誕生させることで十分な
「政治的見返り」
を得た形だ。
▼【動画】石破茂新内閣が正式発足 林官房長官が閣僚名簿 皇居で首相任命式、閣僚認証式
ただ、こうした政局的な背景は国会の外にいる一般国民には見えにくい。
それが総裁選での石破首相勝利を巡る前述の驚き、違和感に繋がっているのだと思う。
首相は自民党の勝利を狙って9日に衆院を解散する。
ただ、総裁選結果を巡る国民の違和感がいつまでも解消されないようだと、支持拡大への足枷となりかねない。
もちろん、首相勝利の背景が明確になることによって、逆に支持離れが広がる可能性もある。

田村秀男「お金は知っている」
石破首相「成長派」への変身は本物か 岸田前政権の戦略継承、財政出動へ官僚の圧力はね返せるか 長年、反アベノミクスの言動も
2024.10/4 06:30
https://www.zakzak.co.jp/article/20241004-GTJ6LR5MEFICFFM6I75DABYO5A/2/
石破茂政権がスタートした。
経済政策では脱デフレ完遂を掲げ、岸田文雄前政権の成長戦略を継承するという。
長年、反アベノミクスの言動を繰り返してきた石破さんの成長派への変身は本物なのだろうか。
まずは、筆者と石破さんの間の秘話を紹介しよう。
2012年9月の自民党総裁選の数カ月前、筆者は東京都内で石破さんに会い、脱デフレ策を進言したが、石破さんは一蹴した。
有権者は物価の下落を歓迎し、上昇にはノーだから、まずいというのだ。
そこで、拙論は日本型デフレとは物価下落以上の幅で賃金が下がる、つまり実質賃金が下がるので、有権者のためにはならないと説明したが無駄だった。総裁選では脱デフレを掲げた安倍晋三元首相に敗れた。
そして2014年1月、ある勉強会で石破さんと同席した。
石破さんは聴衆の前で
「あの時、田村さんの提言を受け入れればよかった」
とスピーチしたのには、少なからず感心させられた。
ところが石破さんはその後、いつの間にかアベノミクスの批判に終始するようになった。
財政出動に否定的で、日銀の異次元金融緩和を厳しく批判するのだ。
そして、2014年8月下旬。
石破さんのブレーンから突如、経済問題で助言を依頼された。
石破さんは産経新聞や本欄など拙論に目を通しているとも聞かされた。
ならば、とA4判で1枚程度のメモを送付した。
要点は、脱デフレ、財政出動、実質可処分所得の引き上げ、家計消費の拡大、税収増の民間への全面還元、日銀利上げの凍結などの提言である。
ブレーンからは
「石破さんはしっかりと読んでいます」
との返事。
他の識者などからも提案があるだろうから、拙メモがどの程度役立ったかは知る由もないが、9月に入ると、石破さんの発言が変わってきた。
「財政出動なければ経済が持たない」
「税増収分の防衛費や少子化対策への充当」
「最低賃金の引き上げ」
と言い出した。
9月27日の総裁選勝利後の会見では
「デフレからの脱却を完全なものにする」、
「物価上昇を上回る賃金上昇」
「海外の生産拠点の国内回帰」
を強調した。
そして、石破政権の経済財政・再生相に就任した赤沢亮正さんが日銀利上げに慎重さを求めたのは、まさに正解だ。
だが、石破政権の本気度が試されるのは、財政にある。
緊縮財政至上主義の財務官僚の執念は凄まじい。
某財務省大物OBは岸田前政権について、
「史上最悪のバラマキを行った」
「安倍政権のほうがまだましだった」
と憤懣やる方ない。
電気・ガス料金補助、定額減税などをやり玉に挙げるのだが、メディアなどから
「増税メガネ」
と揶揄された岸田さんにとってみれば、心外もいいところだろう。
岸田前政権のもと基礎的財政収支(プライマリーバランス)が大幅に改善し、来年度は黒字化が確実になっている。
財務省はそんなことには満足せず、さらなる緊縮財政と増税を石破政権に仕込む魂胆だろう。
石破さんは、財務官僚の圧力をはね返せるだろうか。
 (産経新聞特別記者・田村秀男)

NHK「放送テロ」を慰安婦問題にすりかえ 「自分党」議員に見抜けぬ中韓の歴史認識捏造
2024/10/6 6:00
https://www.sankei.com/article/20241006-MQ2TRVYGS5KLFLBGQJHFHHTG4U/
自民党はしばしば
「自分党」
と揶揄されてきた。
それが今日ほど露骨な時はない。
内閣支持率20%台を迷走した岸田文雄首相が次期総裁選不出馬を表明すると、自薦他薦の総裁候補者たちが雨後の筍の如く出現した。
そのいずれもがパーティー券問題から始まった裏金(政治資金)問題や派閥問題を語るが、派閥と政治資金は自民党政治の宿痾である。
■機能しない内閣
党勢を伸ばすには所属議員の数を増やさねばならず、それには資金が欠かせない。
その中で選出された自民党総裁が、日本国の首相になっている。
この政治システムは自分党の政権維持には都合よく機能しても、民意を国政に反映させることには向いていない。
昨今の政治不信は、日本国のリーダーを直接選べないことに起因している。
憲法第68条では国務大臣の過半数を国会議員から選ぶよう規定しているとはいえ、民間から抜擢するケースは稀れで、現内閣などは全員が国会議員である。組閣後の常套句は「適材適所」だが、実際は総裁選に協力した派閥に対する論功行賞で、多くは派閥の古参議員やかつての盟友と関係のある世襲議員である。
尖閣諸島や竹島の問題と関連して領土担当相(現領土問題担当相)が誕生したのは2013年。
だが現在まで、当該大臣が外交の表舞台で活躍したと聞いたことがない。
2024年8月19日、NHKで中国籍の人物による
「放送テロ」
が発生。
26日には中国軍の情報収集機が長崎県・男女群島南東沖の日本領空を侵犯。
31日、中国軍の測量艦が鹿児島県の口永良部島沖で日本領海に侵入。
いずれの事案でも閑職の出番はなかった。
総裁候補者たちは、この一連の妄動に非難の声を上げたというが、その
「遺憾砲」
にどれだけの意味があるのだろうか。
国家主権が侵され続ける責任の一端は自民党にある。
前回のコラムでも触れたが、中国が暴走する端緒を作ったのは小泉純一郎政権である。
2005年3月、島根県議会が
「竹島の日」
条例を制定して、竹島問題解決の糸口を掴もうとしたが、それを小泉政権が牽制し、中露政府に誤ったシグナルを送ってしまったからだ。
■安倍・岸田政権も
これは安倍晋三政権も同じである。
竹島問題では
「静かな外交」
を謳ってきた韓国が竹島問題や慰安婦問題などで対日攻勢をかけると、
「領土・主権対策企画調整室」
を開設して内外に対する情報発信に方針転換し、歴史戦の最前線から離脱してしまったからだ。
その間、韓国では政策提言機関である
「東北アジア歴史財団」
を軸に、竹島や慰安婦、いわゆる徴用工の問題などへの対応、軍艦島と佐渡金山の世界遺産登録に対する妨害などを通じて左傾化が進んでいた。
その韓国に尹錫悦(ユン・ソンニョル)政権が誕生し、左傾化した韓国社会の軌道修正に乗り出したが、岸田政権はその機を生かすこともできなかった。中国海警局の艦艇が尖閣諸島周辺の接続水域への侵入を繰り返す最中、
「自分党」
がしたことは裏金問題の弁明と派閥解消という弥縫策だった。
国民目線で見てもこの日本では危うい。
沖縄タイムスによると、石垣市議会の9月定例会ではNHKの
「放送テロ」
と関連して抗議決議案などを審議したという。
それを同紙では、中国国籍者の尖閣に関する発言よりも
「慰安婦を忘れるな」
とした慰安婦問題を主に報じ、
「民間の慰安婦はいた」
「従軍慰安婦はいなかった」
「性奴隷ではなく、しっかりお金を頂いた方たちはいた」
と発言した市議を批判的に扱っていた。
そこに
「『慰安婦か娼婦か』を問う差別的な言説だ」
「政治家としての基礎的な見識を欠いている」
とする識者を登場させ、
「河野談話」
を引き合いに出して、河野洋平官房長官(当時)は談話の中で旧日本軍の関与や強制性を認めて
「謝罪している」
と伝えた。
だがこの談話が出される前の韓国では、
「日本兵を相手にしていたのは、自尊心が許さない」
「無理やりさせられたことにしてほしい」
との声が出ていた。
河野談話は実態を調査することなく、発表されていたのである。
■負の歴史への視点
慰安婦問題が表面化した1990年代、金泳三(キム・ヨンサム)大統領が
「歴史の立て直し」
を唱え、韓国では歴史の
「修正主義」
が流行った。
それが日本の
「村山談話」
につながり、
「植民統治」
とすべき語句が
「植民地支配」
と表記され、村山富市首相(当時)も
「現在取り組んでいる戦後処理問題」

「誠実に対応」
すると誓ったのである。
だが、戦後処理問題の淵源は、戦後の日韓の国交正常化交渉にあった。
それは当時の李承晩(イ・スンマン)大統領が公海上に
「李ライン」
を設定してライン内側水域にある竹島の領有を一方的に宣言し、拿捕・抑留した日本人漁船員を盾に取った人質外交から始まった。
村山談話には、竹島侵奪を正当化する韓国側の誤った歴史認識と日本人漁船員を拿捕・抑留した負の歴史に対する視点がない。
国会議員の浅知恵では、中韓の歴史学者による歴史認識の捏造は見抜けない。

<主張>対露協力相の廃止 首相の判断を評価したい
社説
2024/10/6 5:00
https://www.sankei.com/article/20241006-WW4RIW63GVIWLARRTYIBZEWKXY/
石破茂内閣で、これまで経済産業相が兼務してきた
「ロシア経済分野協力担当相」
のポストが廃止された。
林芳正官房長官は会見で、同担当相廃止について
「石破首相が判断した」
と明らかにした。
首相の政治判断をまずは評価したい。
ロシアはウクライナ侵略を続けている。
日本はプーチン露政権に対して経済制裁を科してきた。
それと並行して、経済協力担当の閣僚ポストを存続させてきたこと自体が矛盾だった。
このポストは平成28年9月、安倍晋三首相(当時)が世耕弘成経産相(同)に兼務させる形で新設した。
この4カ月前、訪露した安倍氏がプーチン大統領に石油、天然ガスの開発協力や極東の産業振興など8項目の
「日露協力プラン」
を提示し、日本企業に投資を呼びかけていた。
このプランを推進するのが対露経済協力相だった。
ロシアによる不法占拠が続く北方領土の返還問題と平和条約締結交渉を前進させたい安倍政権の思惑があった。
だが、一昨年2月のウクライナ侵略開始で、日本側は対露経済協力を凍結し、担当相は無用の存在になった。
その時点で廃止すべきだったが、岸田文雄内閣(当時)は
「日本企業の円滑な撤退支援」
を理由に閣僚ポストを存続させてきた。
撤退支援なら閣僚ポストを維持する必要はないのが道理だ。
侵略者ロシアに圧力をかけねばならない時に経済協力相を残すのは、プーチン政権に誤ったシグナルを送る悪手だった。
そもそも、プーチン氏の念頭には領土抜きの平和条約締結しかない。
日本の経済協力が北方領土返還につながる可能性はほぼないと言っていい。
プーチン氏はウクライナ侵略後、北方領土を経済特区化して内外の進出企業を税制優遇する法案に署名した。
許しがたい日本の主権侵害だ。
対日平和条約交渉も一方的に中断を宣言した。
ロシア軍は北方領土を舞台に演習を繰り返したり、中国の海空軍と
「合同パトロール」
と称する対日威嚇を重ねたりしている。
石破首相が所信表明演説で
「対露制裁、対ウクライナ支援は今後とも強力に推し進める」
と語ったのは妥当だ。
首相はロシアに領土を奪われている国の首脳同士として、ウクライナのゼレンスキー大統領と連携を図るべきである。

林官房長官、ロシア経済分野協力担当見送りは「首相が判断」
2024/10/2 0:14
https://www.sankei.com/article/20241002-YKSJUAOH2RM7VHJDAEO3QVKYNE/
林芳正官房長官は1日の記者会見で、石破茂首相が設置を見送った
「ロシア経済分野協力担当」
について
「ロシアがウクライナ侵攻を続けている現状を踏まえ、首相が判断した」
と理由を説明した。
「政府として在ロシア日本大使館などを通じ、ロシアで活動する日本企業の活動支援などは行っており、今後とも企業支援は継続していく」
と説明した。
ロシア経済分野協力担当は平成28年に当時の安倍晋三首相が北方領土返還を巡る対ロシア経済協力を具体化するために新設した。
ウクライナ侵攻後も歴代政権は担当相を置いていた。

ロシア外務省が領空侵犯の抗議拒否 日本が「政治問題化」「非生産的」と反発
2024/10/3 16:22
https://www.sankei.com/article/20241003-CMDFUWH7QFPCDIOEUDQ3DGL5ZQ/
ロシア外務省のザハロワ報道官は2日の記者会見で、露軍哨戒機による日本の領空侵犯を巡り、
「日本は外交ルートを通じて抗議しようとしたが、我々(露外務省)は拒否した」
「我々は抗議の根拠となる如何なる情報も持っていない」
と述べた。
ザハロワ氏はまた、日本がこの件を
「政治問題化」
しているとし、
「非生産的だ」
と反発した。
領空侵犯についてロシア側が公式にコメントしたのは初めて。
ザハロワ氏は
「適切な所管ルートを通じて協議すべきだ」
と述べ、日本の防衛省と露国防省の間で対処すべき問題だとした。
領空侵犯問題は9月23日、北海道礼文島北方で発生。
防衛省によると、露軍のIL38哨戒機は航空自衛隊のF15戦闘機による警告などにもかかわらず、3回に渡って日本の領空に侵入した。
同時期には露極東ウラジオストク沖の日本海で露太平洋艦隊と中国艦隊による合同軍事演習が行われており、哨戒機は潜水艦の探索訓練などを行っていた可能性がある。
一方、ザハロワ氏は日本の経済産業相が従来兼任してきた
「ロシア経済分野協力担当相」
の設置を石破茂内閣が見送ったことにも言及。
「日本がロシアとの経済関係を発展させる気がないことを示している」
と述べた。
日本は対露制裁により自身が経済的打撃を受けているとも主張した。

<産経抄>衆院選、首相が変節漢で「信」は得られるのか
2024/10/5 5:00
https://www.sankei.com/article/20241005-VDAJHFXQ6RODHIAJE73ZVZLOTE/
石破茂首相の今年6月14日のブログが野党議員の間で話題である。
首相は衆院解散について記している。
「天皇の国事行為を定めたに過ぎない(憲法)第7条を根拠として『今解散すれば勝てる』とばかりに衆議院を解散することは、国会を『国権の最高機関』とする憲法第41条の趣旨にも反する」
▼同時にこうも指摘していた。
「内閣不信任案の可決や信任案の否決など、内閣と衆議院の立場の相違が明確となった場合に限り、内閣が主権者である国民の意思を問うために行われるべき」。
自民党総裁選でも
「国民が判断する材料を提供するのは首相の責任だ。すぐ解散するという言い方はしない」
と明言している。
▼それがいざ総裁に当選すると、首相就任前の時点で10月9日に解散して27日に投開票とする考えを表明したのである。
「過ちては改むるにはばかることなかれ」とも「君子は豹変(ひょうへん)す」ともいうが、そんな立派なものではない。
信念を捨てて党利党略に走ったと言われても仕方がないだろう。
▼かと思うと4日の所信表明演説では、年来の主張だったアジア版NATOにも、日米地位協定の改定にも触れなかった。
現実路線に修正したといえば聞こえがいいが、できもしないことを国民に訴えてきたのか。
それでは、政権公約(マニフェスト)詐欺と怒りを買った民主党の政権奪取と選ぶところがない。
▼「flip―flopping(変節)の名手」。
国民民主党の玉木雄一郎代表は3日、自身のX(旧ツイッター)で首相を皮肉った。
これまた首相が従来の主張をたがえて、追加利上げに慎重姿勢を示した件である。
▼衆院選は政権が国民の信を問う場だが、ころころと意見が変わるリーダーが信用されるだろうか。

自民党新総裁への期待と直言
石破茂新総裁は愚かな「脱炭素」止め万全なインフラ投資を 台湾有事、中国は日本のエネルギーを狙う…現状では3カ月と持たない
2024.10/2 11:00
https://www.zakzak.co.jp/article/20241002-KI57HQ3MB5JRRHUZ5RYOSOAGTE/
キヤノングローバル戦略研究所研究主幹杉山大志氏
元防衛相の石破茂新総裁に申し上げる。
日本のエネルギーインフラは破壊され続けている。
菅義偉政権が
「2050年CO2実質排出量ゼロ」
を宣言し、岸田文雄政権がその法制化を進めた結果だ。
「台湾有事」
となれば日本は巻き込まれるのは必定で、中国は必ずや日本のエネルギーを狙う。
このままでは、日本は3カ月も持たずに屈服してしまうだろう。
緊急に対策が必要で、愚かな
「脱炭素」
は止めるべきだ。
ロシアはウクライナの発電所をミサイルやドローンで攻撃し、7割を破壊した。
ウクライナもロシアのディーゼル燃料精製工場の2割を破壊した。
中国が日本各地のエネルギーインフラを攻撃したら、日本は防げるのか。
イエメンの親イラン武装組織フーシ派は紅海を航行する欧州諸国の船を攻撃し、パナマ運河の入り口にある紅海を事実上封鎖している。
中国によって日本近海の船や港湾が攻撃されると、日本への輸入も途絶える。
ウクライナがそれでも2年間も持ちこたえているのは、資源が豊富で隣国と地続きの大陸国家だからだ。
だが、日本は島国で国産のエネルギーも乏しい。
エネルギー供給の8割以上を占める化石燃料は、ほぼ全量が輸入である。
これが止まったらどうするのか。
石油の備蓄は200日分あるが攻撃されるだろう。
石炭と天然ガスは1カ月分もない。
ただちにエネルギー備蓄を積み増し、
「エネルギーインフラの防衛策」
を講じなければならない。
原発は稼働していれば、いざという時には在庫の燃料だけで3年は持つ。
いまテロ対策を理由に稼働を止めている原発があるが、これはかえって国を脆弱にしている。
太陽・風力発電は不安定で、有事の頼りにならない。
菅政権以来、日本は
「脱炭素」
をエネルギー政策における最優先の課題として、化石燃料インフラは破壊されてきた。
化石燃料を敵視する政策のせいで、火力発電所は採算が合わず、維持費は削られ、故障しても修理されず、次々と閉鎖されている。
揚げ句、節電要請が恒例行事になってしまった。
戦争になれば軍事目標へのミサイル攻撃と同時に、エネルギーインフラへのドローン攻撃があるだろう。
エネルギーは日本のアキレス腱であり、真っ先に狙われる。
ところがいま、日本政府は、敵に破壊される以前に、愚かな
「脱炭素」
政策で自ら破壊している。
政府は化石燃料を敵視するのを止め、日本の生命線であると認識を改め、平時から万全なインフラ投資をすべきだ。
容易には負けない備え、それこそが有事に対する抑止になる。

石破政権の課題 変われぬまま選挙に臨む自民
論争を撃つ 石井聡
2024/10/5 11:00
https://www.sankei.com/article/20241005-DRPULNNOU5JUZP5ZGSBNYJ3OWY/
5度目の挑戦、決選投票での逆転勝利でその座をつかんだ石破茂首相はいったい何がしたいのだろう。
自民党総裁選で当選した後、NHKの「日曜討論」で
「岸田政権を基本的に引き継ぐ」
とサラリと語ったのを聞いて、その印象はさらに強まった。
もとより、地方創生、災害被災者への支援拡充といった政策の柱を掲げてはいた。
だが、選挙期間中にどれだけ具体的なイメージを伴いながら国民に伝わったかといえば疑問である。
「防災庁」
構想には被災地、被災者などから関心と期待が向けられているが、
「簡単なことではない」
とトーンダウンする場面もあった。
政策通と目されてきた分だけ、それらを実現する力量を伴うかどうかが厳しく問われる。
■早期解散は同じ
出馬表明当初は最有力とみられた小泉進次郎元環境相は、途中失速で決選投票にも残れず敗退した。
掲げた主張は説明力の不足もあり、多くの反論、批判を浴びたが、総裁選の論戦の軸となった側面もある。
総裁選が終わって政策論争に明確な決着がついたわけでもない。
とくに解雇規制緩和や夫婦別姓の導入などについて候補者間の対立があったことは、政権与党の自民党が一貫性を持って政策を遂行できるのか、疑問を生じさせたともいえる。
小泉氏は当選した場合、首相就任後ただちに衆院解散に踏み切る考えを際立たせた。
他候補からは臨時国会で一定の審議を行い国民の判断材料を示すべきだとの反論が相次いだ。
石破氏もその一人だったが、総裁就任後は
「できるだけ早く国民の審判を仰ぎたい」
と軌道修正し、立憲民主党の野田佳彦代表から
「裏金解散」
だと牽制されている。
結局、首相もその小泉氏を党選挙対策委員長に起用して10月中の総選挙実施に踏み切った。
この選挙を乗り切ることが当面の最大課題となることから、新内閣のご祝儀ムードが続く間に事に臨もうとするのはわかる。
だが、今度の選挙は
「自民党は変わったのか」
という点がこれまで以上に厳しく問われている。
「政治とカネ」
の問題をめぐり、総裁選が自民党の転換点になるという結論には至らなかった。
総裁選は世代交代を図るものでもなかった。
不信感が払拭できたのかといえば、否定的に受け取らざるを得ない。
■政策の刷新は…
その分、政策面での刷新感がより求められるが、それを国会で吟味する時間も乏しいとすれば、国民に判断材料を提示するのは難しい。
それにしても組閣人事には「論功」の臭いが強く漂い、重要課題を推進できる布陣なのか疑わしい。
党内の政権基盤が脆弱な石破内閣で、閣僚の失態などが相次ぐ事態になれば、首相が早期に求心力を失う展開も考えられる。
総裁就任直後、米保守系シンクタンクのハドソン研究所のサイトに
「日本の外交政策の将来」
と題する石破氏の論文が掲載された。
中国、ロシアや北朝鮮に対する抑止力を確保するため北大西洋条約機構(NATO)のアジア版を創設し、この枠組みの中で米国の核兵器の共有、持ち込みを検討すべきだ、という主張などが盛り込まれている。
新総裁に当選する前に提供してあった論文とみられるが、当選後はほどなく首相となる微妙な時期だ。
実現可能性のメドが立たない持論を多く盛り込んだ論考を公表することは、極めて不見識だと指摘しておきたい。
まさか、自分が当選することはないと思って書いたのでもあるまい。
■不用意な寄稿も
石破氏が考えるアジア版NATO構想や同盟国、有志国との連携による集団防衛に、現行憲法の下で日本が参加することはできないと考えられている。
日米同盟でもその片務性は解消されておらず、集団的自衛権の限定行使では不十分であるという問題を提起すること自体には意味がある。
しかし、一議員として将来への期待を語るのはともかく、首相就任後は直ちに現行法制や現存する対外関係の枠組みに基づいて外交・安全保障を担わなければならない。
不用意な論考の公表はもっとも重要な同盟国に誤解を与えかねず、アジア太平洋地域の諸国からも不安を招きかねない。
こうしたことが繰り返されれば、普天間飛行場の移設をめぐり
「県外移設」
を掲げて日米関係を悪化させた旧民主党の鳩山由紀夫政権の二の舞いとなりかねない。
■適切なルールか
緊迫する国際情勢に対応するため、総裁選を機に政治とカネをめぐる議論からの脱却が図られるのを期待していたが、そうなりそうもないのは残念である。
論戦の中でも「裏金」問題への対処の議論はしだいに後退した。
違和感があったのは
「いったん処分が下されたものを見直すことは、党のガバナンスとして問題がある」
ということが、あたかも正論のように語られていた点だ。
党執行部の統治能力が欠如していたことこそが問題を長期化、肥大化させ、的確な対処もできずに国民の不信を招いた。
それを忘れてはなるまい。
石破首相は
「ルールを守る自民党」
ということを盛んに言い出した。
守らないより守った方がよいが、肝心なのはそのルールが適切なものかどうかである。
NHKの番組で物価高について問われ、
「高いねえ。おかわり自由というのがいつの間にかなくなっちゃった」
と答えた。
麻生太郎党最高顧問の口からはとても聞けなさそうな言葉だが、そうした国民目線は悪くない。
政策の立案や遂行に役立てられるだろうか。

「石破カラー」薄く…アジア版NATO、日米地位協定見直しに言及なし 所信表明
2024/10/4 20:30
https://www.sankei.com/article/20241004-UCKMZA6KXFJB3LSKTURLHEO2DE/
石破茂首相の4日の所信表明演説は、首相が自民党総裁選で訴えた
「アジア版NATO(北大西洋条約機構)」
構想などへの言及はなく、
「石破カラー」
を抑えた。
衆院解散・総選挙を間近に控え、安全運転に徹する狙いがあるとみられる。
だが一方で
「総花的で、首相らしさが出ていない」(自民ベテラン議員)
と物足りなさを指摘する声もあった。
■不記載事件対応、抽象的
「首相として全身全霊を捧げ、日本と日本の未来を守り抜く」。
首相は演説の冒頭、こう切り出した。
続けて派閥のパーティー収入不記載事件にも言及し、岸田文雄前首相の退任に
「政治改革を前に進めるとの思いを持って決断された」
と敬意を表した。
ただ、不記載事件への対応については
「問題を指摘された議員1人1人と改めて向き合い、反省を求め、ルールを守る倫理観の確立に全力を挙げる」
と抽象的な表現にとどめた。
首相は総裁選で衆院選での非公認の可能性に言及したが、徐々にトーンダウン。
党内基盤が弱く、問題が指摘された旧安倍派や旧二階派の議員らの反発を避けたい思惑も透ける。
首相が得意とする外交・安全保障でも、持論のアジア版NATO構想や日米地位協定の見直しには言及しなかった。
いずれも党内の議論は不十分な上、アジア版NATO構想には閣内でも
「直ちに設立するのは難しい」(岩屋毅外相)
との意見があるためだ。
演説では憲法改正や安定的な皇位継承には言及したが、持論である憲法9条2項の削除や、選択肢として排除しない考えを示していた
「女系天皇」
には触れなかった。
■「災害関連死ゼロ」掲げる
一方、災害対策では被災者の避難所での厳しい生活に思いを寄せ、災害関連死ゼロを掲げたのは
「首相の強い思いからだ」(首相側近)
という。
政権の目玉である防災庁設置準備も
「事前防災の徹底に向けて予算・人員の両面において抜本的に強化し、不断に万全の備えを行う」
と改めて強調した。
思い入れの強い地方創生では
「交付金を当初予算ベースで倍増を目指す」
と明言した。
「総裁選では票を集めるために多少は大きいことをいうものだ」
「現実路線だ」。
自民の閣僚経験者は演説の内容に一定の理解を示す。
ただ、首相は演説以外でも、慎重だった早期衆院解散の方針を表明。
利上げに慎重な考えを表明するなど
「変節」
を繰り返している。
自身の過去の発言との齟齬が大きければ国民の支持を失う可能性がある。
自民党若手議員は、首相がかつて時の首相や党執行部に正論≠ぶつけ
「後ろから鉄砲を撃つ」
と揶揄されていたことを念頭に、こう呟いた。
「自身が首相になった今となっては、過去の自分に後ろから鉄砲を撃たれる状況が続くのではないか」

「勇気と真心で真実を語る」石破首相の所信表明、故渡辺美智雄元副総理の言葉引用
2024/10/4 16:31
https://www.sankei.com/article/20241004-JNF22JLBVJNUXIWWE53KDMMRTI/
石破茂首相は所信表明演説で、故渡辺美智雄元副総理の言葉
「政治家の仕事は勇気と真心を持って、真実を語ることだ」
を引用し、自民党派閥裏金事件で失われた国民の信頼回復を目指すと訴えた。
かつて同じ派閥に所属した渡辺氏は
「政治の師」
と仰ぐ存在だ。
演説全体は約9500字で、2012年の自民政権復帰以降、最多となった。
地元・鳥取に隣り合う島根選出の故竹下登元首相を登場させた。
ふるさと創生を掲げた竹下氏の
「地域が自主性と責任を持って、各々の知恵と情熱を生かし、地域づくりを自ら考え実践していく」
とのフレーズを用いて、地方創生に取り組む姿勢を示した。
演説分量は約13%を地方創生に割いた。
持論の防災庁設置など災害対応関連にも約10%を充て、自身の政策をアピールした形だ。

「勇気と真心で真実を語る」石破首相の所信表明、故渡辺美智雄元副総理の言葉引用
2024/10/4 16:31
https://www.sankei.com/article/20241004-JNF22JLBVJNUXIWWE53KDMMRTI/
石破茂首相は所信表明演説で、故渡辺美智雄元副総理の言葉
「政治家の仕事は勇気と真心を持って、真実を語ることだ」
を引用し、自民党派閥裏金事件で失われた国民の信頼回復を目指すと訴えた。
かつて同じ派閥に所属した渡辺氏は
「政治の師」
と仰ぐ存在だ。
演説全体は約9500字で、2012年の自民政権復帰以降、最多となった。
地元・鳥取に隣り合う島根選出の故竹下登元首相を登場させた。
ふるさと創生を掲げた竹下氏の
「地域が自主性と責任を持って、各々の知恵と情熱を生かし、地域づくりを自ら考え実践していく」
とのフレーズを用いて、地方創生に取り組む姿勢を示した。
演説分量は約13%を地方創生に割いた。
持論の防災庁設置など災害対応関連にも約10%を充て、自身の政策をアピールした形だ。

自民、地元申請あれば不記載議員も原則公認 森山裕幹事長「党の決まりに基づき対応」
2024/10/4 16:55
https://www.sankei.com/article/20241004-DP7LPPQ2FVLCNCDBYRW3GFF2LA/
自民党の森山裕幹事長は4日、党本部で記者団に、派閥パーティー収入不記載事件で処分した衆院議員に関し、次期衆院選(15日公示、27日投開票)で一律に非公認とはしない考えを表明した。
選挙区では、都道府県連など地元組織から公認候補予定者としての申請があり、党の情勢分析で当選可能と判断すれば原則として公認する方向だ。
森山氏は
「党の決まりに基づいて対応することが大事だ」
と強調し、地元組織の公認申請が条件になると語った。
さらに
「当選第一というのが選挙で一番大事だ」
「当選可能なのかどうかも1つの判断の基準」
と語った。
世論は不記載議員への厳しい対応を求める声が根強いが、森山氏は
「党として調査し、(4月に)処分を下した」
「その現実をしっかり捉えることは大事だ」
と述べ、不記載議員の非公認が
「二重処分」
に当たるとの認識を示唆した。
一方、石破茂首相は4日、官邸で記者団に、不記載議員の公認問題に関して
「何にも決まっていない」
と述べた。
首相は党総裁選出馬を表明した8月下旬、
「公認するに相応しいかどうかの議論は徹底的に行われるべきだ」
と述べ、非公認とする可能性に言及していた。

石破政権短命危機=u早く解散しないとボロが…」 現実を無視した理想論吹聴→困難とわかると「豹変」 党内には早くも反乱の気配
2024.10/4 15:30
https://www.zakzak.co.jp/article/20241004-GXJZSACMKNMY7JQIUQHCUBM4AY/
石破茂首相は4日、衆参両院本会議で初の所信表明演説に臨み、
「経済対策の策定」
など、当面の政治課題への政府方針を表明する。
9日解散、27日投開票の衆院選を間近に控え、経済回復の道筋を示す狙いのようだ。
報道各社の世論調査では、石破内閣の支持率は50%前後と伸び悩んでいる。
「論功行賞」
「リベラル重用・保守派外し」
という色彩が強いうえ、安倍晋三元首相を
「国賊」
と罵倒した村上誠一郎氏を総務相に抜擢した影響なのか。
ジャーナリストの長谷川幸洋氏は、現実を無視した理想論を吹聴して困難と分かると豹変する
「石破首相の本質」
を喝破し、
「短命内閣の危険性」
を指摘した。

石破政権が誕生した。石破首相は9日の衆院解散を表明したが、早くも自民党総裁選での発言をひっくり返した形だ。
新内閣は挙党一致のドリーム・チームにもならなかった。
野党はもちろん、自民党内の反・石破勢力は倒閣に動くだろう。
発足当初から、これほど不人気な政権も珍しい。
石破総裁誕生が伝えられると、株式市場は暴落で反応した。
それも当然だ。
石破氏は
「金融所得課税の強化」
をはじめ、
「法人税や所得税の増税」
を滲ませ、岸田文雄政権がぶち上げた防衛増税1兆円の構想も引き継ぐ考えを示した。
日銀の利上げにも肯定的だ。
これで株価が上がるわけがない。
いずれ実体経済に波及し、下手をすれば、デフレに逆戻りする可能性もある。
解散表明にも驚かされた。
総裁選では
「国民に判断材料を与えないまま、解散はしない」
と言っていたのに、突如、豹変した。
しかも、国会で内閣総理大臣の指名を受け、皇居での首相任命式を終える前の解散表明である。
「選挙準備のためだ」
などと理由を語ったが、
「憲政の核心」
に関わる話なのに、言い訳にもなっていない。
これは
「石破首相の本質」
を物語っている。
彼はいつも一見もっともらしい建前論を語るが、実現可能かどうか、しっかり検討した上での話ではない。
単に理想を語っただけだ。
現実の壁に直面して、困難と分かると、たちまち豹変するのである。
解散は森山裕幹事長の進言を受けたからだった。
「早く解散しないとボロが出て、支持率が落ちるぞ」
と諭されたに違いない。
そこで初めて
「現実の厳しさ」
に気が付いたのだ。
他の重要課題はどうか。
例えば、
「アジア版NATO(北大西洋条約機構)の創設」
である。
NATOは加盟国に集団的自衛権に基づく相互防衛義務を課している。
だが、専守防衛を旨とする日本は、他国防衛のために軍事力を行使できない。
したがって、憲法改正が不可欠になる。
■党内には早くも反乱の気配
「日米地位協定の改定」
も同じだ。
米国には日本防衛義務があるが、日本には米国防衛義務がない。
だからこそ、かつてドナルド・トランプ前大統領は
「日本は米国が攻撃されても、ソニーのテレビを見ていられる」
と不満を漏らした。
米国は
「地位協定を改定したいなら、まず片務的な条約を改めたらどうだ」
と反論するのではないか。
途中のハードルをどう越えるか、を考えずに、いきなり理想論に走る。
これが石破氏の発想である。
一言で言えば
「書生論」
だ。
だから、誰かから現実の壁を指摘されると、途端に腰砕けになってしまう。
このパターンは今度も繰り返されるに違いない。
石破首相は、いわゆる
「裏金議員」
の公認問題について、
「公認権者である自分が説明責任を果たす」
と言明した。
甘い対応をするようなら、批判を招く。
逆に、裏金議員を公認しないようなら、反・石破陣営は黙っていないだろう。
最高顧問に就任した麻生太郎元首相は、記念撮影への同席を拒否した。
党内には、早くも反乱の気配が漂っている。
石破政権は短命に終わるのではないか。

スパイ防止法に反対した村上誠一郎氏 昭和61年初当選当時「現行法の手直しで十分」
2024/10/4 10:59
https://www.sankei.com/article/20241004-OROBZLT4CFDYLBBW7LV4RHDNEU/
石破茂内閣で再入閣した村上誠一郎総務相は、衆院議員に初当選した昭和61年当時、自民党が制定を目指していたスパイ防止法について
「現時点においては不必要」
と党内で反対していた。
スパイ防止法を巡る動きを振り返ってみた。
■「スパイ天国」返上目指した自民
戦後、日本はソ連や北朝鮮によるスパイ活動を厳しく取り締まる法律がなく、
「スパイ天国」
と呼ばれてきた。
昭和53年10月の参院予算委員会で福田赳夫首相は
「スパイ天国と言われる状態を放置しておいていいのかどうか」
と述べ、将来はスパイ防止法が必要との認識を示した。
翌54年には保守系の学者や文化人が発起人となって
「スパイ防止法制定促進国民会議」
が発足した。
昭和55年に陸上自衛隊の陸将補がソ連に情報を流したとして逮捕されたが、自衛隊法の守秘義務違反で懲役1年に問われただけだったことから、制定の機運が高まり、地方議会での推進意見書可決が相次いだ。
昭和57年に就任した中曽根康弘首相も積極的な姿勢を見せ、昭和59年には
「スパイ防止のための法律制定促進議員・有識者懇談会」
が発足し、政界を引退した岸信介元首相が会長に就任した。
現在文化庁長官を務める作曲家、都倉俊一氏も発起人に名を連ねた。
■谷垣、鳩山氏らと意見書提出
自民党は昭和60年、
「国家秘密に係るスパイ行為等の防止に関する法律案」
を議員立法で提出した。
外交・防衛上の国家秘密を外国に漏らした場合、最高刑を死刑とした。
この動きに対し、社会党や共産党などは
「国民の権利を制限する」
などと反対した。
スパイ防止法制定促進国民会議の事務局が旧統一教会(世界平和統一家庭連合)系の政治団体
「国際勝共連合」
だったこともあり、社共を中心とした勢力の反対運動は激しく、実質審議に入らないまま廃案となった。
昭和61年、中曽根首相は法案の再提出に意欲を示し、党内の特別委員会が最高刑を無期懲役に引き下げるなどした修正案をまとめた。
村上氏はこの年昭和61年の7月、衆院旧愛媛2区で初当選。
昭和61年11月に、法案に反対する自民党の中堅・若手議員12人の意見書に名を連ねた。
他の11人は次の通り(敬称略、カッコ内は後の役職)。
大島理森(衆院議長)、太田誠一(農林水産相)、熊谷弘(通商産業相)、熊川次男、白川勝彦(自治相)、杉浦正健(法相)、谷垣禎一(自民総裁)、鳩山由紀夫(首相)、谷津義男(農水相)、石井一二、佐藤栄佐久(福島県知事)
村上氏は「中央公論」昭和62年4月号の
「われら自民党議員『スパイ防止法案』に反対する」
と題した特集で、
「自衛隊法、国家公務員法、刑法等の手直しで十分対処することができよう」
などと論じた。
その後、法案は再提出されず、岸氏の死去や中曽根内閣の退陣で制定の機運はしぼんだ。
共産などにとっては、村上氏ら自民内の反対論は心強かったに違いない。(渡辺浩、肩書は当時)

<主張>中国の海外闇警察 「スパイ天国」でいいのか
社説
2024/3/16 5:00
https://www.sankei.com/article/20240316-H4BDHEZJSJMAJPA4WOC6PFTEAA/
左右の過激派や外国勢力を捜査対象として治安を守る警視庁公安部が、なぜ詐欺事件を摘発したのか。
それは日本に、直接スパイ活動を摘発する法律がないからである。
公安部は2024年2月、風俗店を整体院と称して新型コロナウイルス対策の持続化給付金100万円を詐取した疑いで、中国籍の女を書類送検した。
2023年5月には、女が一時幹部を務めた東京・秋葉原の一般社団法人を、同容疑で家宅捜索していた。
一般社団法人が入居するビルは、スペインのNGO「セーフガード・ディフェンダーズ」が2022年、中国の非公然警察署の拠点であると指摘していた。
当時の林芳正外相は
「(日本の主権を侵害しているなら)断じて認められない旨の申し入れを行っている」
と述べた。
同NGOによれば、海外闇警察とも言われる中国の非公然警察署は世界50カ国、100カ所以上にあり、
「国外の中国人の政治活動の監視」

「帰国の説得」
などを任務としている。
2023年4月には米ニューヨークで、非公然警察署の開設や運営に関与したとして中国系米国人2人が逮捕された。
警視庁による摘発は、非公然警察署の実態把握の過程で犯罪容疑が浮かんだとみられる。
平成24年にはスパイ活動を行った疑惑のある在日中国大使館の元1等書記官を、外国人登録法違反容疑で送検した。
2023年は研究データを中国企業に漏洩したとして、不正競争防止法違反容疑で国立研究開発法人
「産業技術総合研究所」
の中国籍の研究員を逮捕した。
その容疑名に捜査当局の苦心が窺える。
日本が
「スパイ天国」
と称されるのは、諸外国にはあるスパイ活動を防止する法律がなく、同法を根拠とする本格的な防諜機関もないためである。
加えて給付金詐欺容疑で送検された女は、自民党の松下新平参院議員の事務所に一時期
「外交顧問兼外交秘書」
として出入りしていた。
外国工作員はあの手この手で政権中枢への接触を図る。
受け入れる側の無自覚ぶりには目を覆いたくなる。
「スパイ防止法案」
は昭和60年に議員立法で提出されたが、昭和60年に廃案となった。
その後、特定秘密保護法などが成立したが、まだ不完全だ。
スパイ天国を解消すべく、防止法と防諜機関の創設を急ぐべきである。

スパイ防止法 諜報活動野放し、摘発へ法整備を 立命館大教授・上久保誠人
明解説
2024/3/2 10:00
https://www.sankei.com/article/20240302-B2AHWG5YAVPIBCAUVHT7EUPR6E/
日本では諸外国のスパイが暗躍しているとされる。
法整備を進める政府は2024年2月27日、経済安全保障上の機密情報へのアクセスを官民の有資格者に限る
「セキュリティー・クリアランス(SC、適格性評価)」
制度を創設する
「重要経済安保情報保護・活用法案」
を閣議決定し、衆院に提出した。
それで機密情報の漏洩を防げるのか。
中国人留学生を指導する立命館大の上久保誠人教授は、スパイ防止法の制定を訴えている。

■日本だけ制度なく
SC制度は、日本の企業、役所、またそのスタッフ、職員について、漏洩すると国の安全保障に支障を与える恐れがある情報を扱うに足る組織や人物、身分かを確認し、海外に情報を流す違反をした場合に罰則を設けるということだが、現行法を含め肝心の外国からのスパイ自体をきちんと取り締まる部分がない。
それは、先進7カ国(G7)の中で日本だけで、まるでスパイ天国だとされる。
諜報活動をする外国人は基本的には犯罪行為を起こさないよう注意を払っており、法の網にかかりにくい。
公安関連組織がスパイらしい人物を捕まえる時は、スパイ摘発と直接関係のない現行法を何とか運用しているのが現実だ。
例えば、東京・池袋のパスポートセンターで中国人職員が個人情報を入手して逮捕された事件が2023年あったが、窃盗罪が適用された。
私が勤務するような学校は、最前線の1つかもしれない。
学校に映画に出てくるようなスパイがいるわけではない。
しかし、留学生が本国にスパイ活動をさせられていると言われており、緊張感があることは否めないからだ。
■中国人は協力義務
中国には国家情報法があり、国家安全部(省)の指示で海外の留学生や在住者は中国共産党の情報活動に協力しなければならない。
同法は、最先端技術などの情報を政府や企業、大学から取り、政府に渡すことを義務付けている。
拒めば、実家が脅されかねない。
大学教育は、そんな中で行われている。
理系はもちろん最前線だが、私のような文系でも民主主義や民主政治を語っていると、それ自体が中国人を教育している行為に当たる。
普通に日本に政治を学びにきた留学生でも、中国当局からの指示で教官がどんな思想信条で家族構成はどうなっているか、朝から夜までどんな日常生活を送っているかといった情報を取っているとの不安は拭えない。
外国から情報を盗みに来る、あるいはそれに加担させられる人を摘発することができる法律として、スパイ防止法が必要である。
それは、逆説的に感じる人もいるだろうが、言論や思想信条、学問の自由を守ることにもなる。
大学で、私は目の前の留学生に民主主義を説く。
それを不安なくやるには、スパイを摘発する制度がきっちりと整っていなければならない。
そのため、ある日突然、私の学生が拘束されて消えることがあっても構わない。
安心して活動できるために法律を整備してほしい。
■留学生や人材守る
日本は少子高齢化で若者が少ない。
政府は対策を取っているとはいえ、政策効果が出るのは30年後だ。
だから、ある意味で移民と言える優秀な人材を受け入れざるを得ない。
外国人を受け入れつつ国家の安全を守るために、厳しいチェックと管理ができる法律が必要なのはG7の国であれば常識ではないか。
そう思う理由の1つに、私の英国での留学経験がある。
空港でもロンドン市内でも自動小銃を持っているような人はおらず、オープンな雰囲気に見えたが実は英国は強力な監視国家で、私を含む留学生が完全に情報機関に生活を把握されていた。
当時、当局の要注意リストに外国人3000人が掲載され300人が監視下にあったと聞いていた。
ある大学で、留学生が集会をしようとした瞬間に当局が全員検挙したという事例があった。
それほど普段から留学生や外国人の動向を把握しているということだ。
テロやスパイ活動を防止するため、事前に全てを把握する体制があり、スパイ防止の法律が存在していた。
一方で、市民は当局の監視の息苦しさを日常的に感じることはなかった。
いわゆるリベラル、左翼の考え方とは真逆の考え方だろうが、同様の制度が日本にほしい。
それが、良い留学生や優秀な人材を守ることにも繋がるはずだ。

【用語解説】スパイ防止法
昭和55年1月の宮永幸久元陸将補らによる防衛庁スパイ事件をきっかけに昭和60年6月、通常国会に自民党から議員提案された。
野党側が
▽「国家の秘密」の範囲が曖昧
▷国民の知る権利、言論と報道の自由など基本的人権を侵害する
▷最高刑を死刑とするなど重罰化が目立つ
などと反対。
1度も審議に入らないまま、昭和60年末の臨時国会で廃案となった。

<主張>気象と防災の日 首相に制定を提案したい
社説
2024/10/4 5:00
https://www.sankei.com/article/20241004-REJPIIGFFFOFHIQ3QHRD7JXMME/
石破茂首相は「防災庁」の創設を政策の柱の一つに掲げている。ただ、実現には一定の時間がかかる。
そうであるなら、手間をかけずに防災に資する方策も考えたい。「気象と防災の日」を制定してはどうか。
地球温暖化の影響とされる気象の激甚化で、多くの国民の命と暮らしを脅かす大規模水害が毎年起きている。豪雨や台風が多発する時季の前に、国民、地域、自治体、国が連携して大規模水害に備える機会が、必要であり不可欠だ。
国民的な防災の日である9月1日は、大規模地震を想定した訓練や啓発活動に重点が置かれてきた。豪雨や台風に備えるには9月では遅い。8月26日は「火山防災の日」、11月5日は「津波防災の日」(世界津波の日)であるが、最も発生頻度が高く、かつ全ての国民に関わる気象災害については、これに相当する日がない。
地震を想定した訓練を実施している地域や自治体は多いが、水害を想定した訓練はあまり行われていないのが現状だ。
「自然災害が多発する日本に、専門の省庁がない方が異常だ」と考えるのであれば、大規模水害を重点に気象災害に備える「防災の日」の必要性は明白だろう。
産経新聞は社説(主張)で、気象記念日である6月1日を「気象と防災の日」とすることを提唱してきた。大規模水害を想定した訓練を多くの自治体に普及、定着させるとともに、地球規模の気候変動について多くの国民が学ぶ契機とする、というのが提唱の趣旨である。
日付と名称にはこだわらないが、この趣旨には賛同が得られるはずだ。
東日本大震災、西日本豪雨などで、日頃の訓練が住民避難や安全確保に繫(つな)がった事例は多い。訓練の実施で直ちに救える命があり、訓練の定着で将来の命も救える。
「気象と防災の日」制定に多額の費用はかかるまい。考えられる施策としては、最も費用対効果が高いのではないか。
防災庁の創設を掲げている首相が、政府の災害対応力を大幅に向上させる必要があると認識していることに異論はない。ただし、役人と役所仕事を増やしても、それが必ずしも国民の命を守ることに直結しないことは銘記する必要がある。

地震の地割れから大量の土砂「人災」と批判も 能登水害、家も車も埋まった
2024/10/4 6:30
https://www.sankei.com/article/20241004-6CXKCYFYA5NPBF5JU2HBCR4RUM/
9月21日に能登半島で発生した記録的豪雨で、石川県輪島市の市立輪島中グラウンドに元日の地震で生じた地割れから大量の土砂が流出し、周囲の家や車を埋め尽くした。地震後、地割れから水が染み出すなどの予兆もあり、市側は土囊(どのう)を置くといった対策を講じてきたが、豪雨には効果がなかった。市に繰り返し対策の強化を求めてきた住民からは「危険性は明らか」「人災だ」といった批判の声も上がる。
輪島市中心部の高台にある輪島中では、元日の地震で約1万6千平方メートルあるグラウンドに地割れが発生した。グラウンドを管理する輪島市教育委員会によると、地割れは最大で長さ約130メートルに及び、グラウンドの約半分が崩れ落ちた。
地震後、高台の下で暮らす住民は、雨が降るたびに恐怖を感じた。息子宅の前が土砂に埋まった服部陽子さん(65)は「大きく崩れた斜面から雨が降るたびに水が染み出したり、小石が落ちてきたりした」と振り返る。住民から対策を求める声もあり、市は斜面にブルーシートを張ったり、大型土囊を置いたりしたほか、雨水が斜面に流れないよう仮設の排水管も設置した。
しかし、今回の豪雨では対策の効果もなく地割れから大量の土砂が流出。高台から約300メートルにわたる坂道には、グラウンドの土砂を含む濁流が川のように流れた。仮設の排水管は十分に機能しないまま壊れ、最大で高さ1メートルほどの土砂が民家や道路、駐車中の車を覆った。服部さんは「しっかり補強していれば被害はもう少し抑えられたのでは」とため息を漏らす。
■市教委「被害受けられた方におわび」
高台の土砂崩れの危険性を市に何度も訴えた住民もいる。輪島中が立つ高台のすぐ下に自宅がある女性(55)によると、地震後、雨が降るたびにグラウンドの砂が自宅前を流れたという。
土砂流出の危険性は目に見えていたため、女性は輪島中の周辺を土砂災害特別警戒区域(レッドゾーン)に指定するよう市側に要望したが、「教育委員会との兼ね合いがある」などとして取り合ってもらえなかったと憤る。実際、輪島市が公開するハザードマップは令和元年度末から更新されておらず、土砂が流出した範囲は土砂災害警戒区域(イエローゾーン)からも外れたままだ。
女性宅は今回の土砂流出で床下まで泥水につかり、前の道路も地中の水道管やマンホールがむき出しになるなどした。複数の予兆があったにもかかわらず土砂流出を防げなかったことに、女性は「市の対応はあくまで応急処置に過ぎない。その後の対応はなく、人災と言っても過言ではない」と訴える。
これに対し、輪島中のグラウンドを管理する市教委は、地震後に一定の対策をとってきたとした上で、「被害を受けられた方におわびする。さらに被害が拡大しないように対策を講じる」と述べるにとどめた。

<主張>中東の戦火拡大 なぜNSCを開かぬのか
社説
2024/10/3 5:00
https://www.sankei.com/article/20241003-4YRNMLACHBI6FNK2GDIOJIQ5N4/
石破茂首相に問いたい。
なぜ国家安全保障会議(NSC)を開催しないのか。
中東の戦火が拡大しているからである。
イスラエルがレバノンの首都ベイルートにある親イラン民兵組織ヒズボラの本部を空爆し指導者ナスララ師を殺害した。
ヒズボラの脅威を除こうとイスラエル軍はレバノン南部へ侵攻した。
ヒズボラの後ろ盾であるイランは報復と称しイスラエルに向けて大規模な弾道ミサイル攻撃を行った。
米英両軍などが協力して迎撃したが一部が着弾し、被害が出た。
イランの対イスラエル直接攻撃は4月以来だ。
どちらも中東有数の軍事大国だ。
双方に自制を求めたい。
ただし事態がエスカレートすれば
「第5次中東戦争」
になりかねない。
日本や世界のエネルギー供給にとっても、経済情勢にとっても、何より中東地域の邦人の安全にとっても、看過できない緊迫した状況である。
日本は一連の事態を遠い地域の出来事と見做すのではなく、自らの問題と捉え、対応しなければならない。
石破首相は2日、イランの弾道ミサイル攻撃を非難し
「全面戦争に拡大しないように(米国などと)連携を取りたい」
と述べた。
そうであるならば、石破首相は、NSCの4大臣会合などを開き、邦人保護や万一の際のエネルギー需給、イスラエル、イラン双方への働きかけについて協議すべきである。
国家安全保障局や外務省の幹部と面会したが、それだけでは足りない。
NSCを開催すれば、日本企業や現地の邦人に対応を促すシグナルにもなる。
石破首相が自民党総裁に当選した9月27日に、岸田文雄内閣の木原稔防衛相はレバノンからの邦人退避に備え、航空自衛隊のC2輸送機を近隣のヨルダンとギリシャへ派遣する命令を発した。
レバノンには約50人の邦人が滞在している。
政権末期でも邦人保護へ動いた岸田政権の対応は妥当だ。
退避では韓国との相互協力も進めたい。
ただし、レバノンからの邦人退避の備えは日本が為すべき対応の一部に過ぎない。
戦火が一気に拡大しかねない時代だ。
危機は政権交代の事情など勘案しない。
石破首相には内閣発足直後であろうと国民を守り抜いてほしい。

石破政権は北朝鮮に近く優しい? 拉致議連会長からの変節
阿比留瑠比の極言御免
2024/10/3 1:00
https://www.sankei.com/article/20241003-KRI3XHTSOZIS7BSKYCT3ZS5YKA/
9月28日の本紙社会面記事で、拉致被害者の横田めぐみさんの母、早紀江さんが石破茂新首相と過去に会話をした経験について、こう述べていた。
「ほとんどない」
一読、何とも言えない寂しさを感じた。
なぜなら首相は平成14年4月から、9月に小泉純一郎内閣の防衛庁長官に抜擢されるまで、北朝鮮に毅然とした姿勢で対峙する
「北朝鮮に拉致された日本人を早期に救出するために行動する議員連盟」(拉致議連)
の会長を務めていたからである。
■被害者家族と距離
にもかかわらず以後、首相は早紀江さんの言葉にあるように、拉致被害者家族との間に距離を置いたのだった。
家族らにすれば、見捨てられたに等しい。
この年平成14年4月、自民党政調副会長だった首相が拉致議連会長に内定した際に中川昭一元財務相から筆者に、嬉しそうな様子で掛かってきた電話が鮮明に記憶に残っている。
「(北に比較的融和的というイメージがある自民党の)橋本派の石破さんが受けてくれたのは大きいよ。インパクトがある」
筆者も早速、首相(石破氏)にインタビュー(平成14年4月24日朝刊掲載)すると、首相はこう語った。
「とにかく行動すること、北朝鮮に毅然たる姿勢で臨むことの2点に議連の意味がある」
「日本はこれまで、コメ支援や朝鮮半島エネルギー開発機構(KEDO)への援助など、太陽政策的な措置をとってきた」
「それなのに北朝鮮は『行方不明者(拉致被害者)は捜索したがいなかった』と非常に不誠実な答えを繰り返し、ミサイルを撃ち、工作船を航行させるという行動に出ている」
「拉致容疑は人権問題でもあるが、それ以前に国家主権の侵害だ」
至極もっともな発言である。
ところが、その首相による現在の主張や今回の党役員と閣僚人事を見ると、過去との余りの差異に愕然とする。
首相は拉致議連から手を引く代わりに、北朝鮮に余りに融和的だと拉致被害者家族会が警戒する日朝国交正常化推進議員連盟の一員となった。
総裁選で首相が掲げた東京と平壌に連絡事務所を置いて拉致被害者について調査するという考えは、かねて日朝議連が主張してきたことである。
だが、北朝鮮当局は拉致被害者を厳しい監視下に置いており、どこにいるかは当然、把握している。
連絡事務所の設置とは、北朝鮮に都合のいい情報を受け取り、その意のままに動くことである。
首相はまた、拉致被害者家族会が絶対に譲れないと訴える
「全拉致被害者の即時一括帰国」
という方針にも疑問を示している。
■なぜ変節したのか
党役員を見ても、要の森山裕幹事長と坂本哲志国対委員長は日朝議連に入っているとされる。
それどころか、石破内閣で安全保障問題を担う首相をはじめ岩屋毅外相も中谷元防衛相も日朝議連メンバーという極端な配置となっている。
まだ石破政権が発足したばかりだから今後どうなるか分からないが、人事から受ける印象は
「北朝鮮に近く優しい政権」
となろう。
政治家であろうと、歳月の中で考え方が変わっていくことはあるだろう。
とはいえ、かつては北朝鮮に対する太陽政策の無意味さを説き、毅然とした姿勢を強調していた者が、なぜここまで変節したのか。
自ら拉致被害者奪還運動に取り組みつつも、最後の場面では首相や政治家に頼らざるを得ない家族らの心境を思うと、やるせない思いが募るばかりである。

石破首相の原発ゼロ方針「今は訂正されていると承知」 武藤経産相、総裁選の発言巡り
2024/10/2 16:24
https://www.sankei.com/article/20241002-CV7OIQS64VLMXAWUKIN4VH2RGM/
武藤容治経済産業相は2日、就任後初の記者会見を開き、石破茂首相が自民党総裁選で
「原発をゼロに近づける」
とした発言について、
「今は訂正されていると承知している」
との考えを示した。
原発については
「安全という前提で最大利用を進める」
と語った。
首相は総裁選への立候補を表明した8月の記者会見で原発をゼロに近づける考えを示した。
総裁選中は電力需要の増加を踏まえ
「必要な原発の稼働は進めていかねばならない」
とも語っていた。
武藤氏は総裁選の政策集で
「安全を大前提とした原発の利活用」
に言及されていると指摘。
原発利用などの方針について、
「首相と認識は共有している」
とも話した。
また武藤氏は、東京電力柏崎刈羽原発(新潟県)について
「地元の不安の声や地域振興を含めた要望を踏まえ、再稼働の理解が進むよう政府を挙げて取り組む」
との意向を示した。
柏崎刈羽原発の再稼働に向けては、地元同意を得ることが焦点となっている。
武藤氏は
「福島第一原発の事故を起こした東電への不安の声があり、(柏崎刈羽原発の)安全安心の取り組みも十分には浸透していない」
と指摘し、理解を得るよう努めるとした。
武藤氏はこの他、次世代半導体の量産を目指すラピダスの支援に関する法案に関し、
「出融資の活用拡大を含む必要な支援を行うための法案を早期に国会に提出すべく検討を進めないといけない」
と述べた。

2024.10.01
「あの男だけは、誰もが嫌っている」…石破茂新政権は長続きできるのか
「北京のランダム・ウォーカー」第749回・後編
https://gendai.media/articles/-/138394?imp=0
■石破氏は還暦を過ぎて変わることができるのか
さて後半は、石破新首相の
「政治家としての資質」
に立ち入ってみたい。
「前編」
の冒頭で述べた
「還暦を超えて人は変われるのか」
という命題である。
2024年9月27日の午後に行われた自民党総裁選挙の議事進行は、概ね前例を踏襲したが、いくつか細かい変更が行われた。
その1つが、決戦投票の前に、勝ち残った2人の候補者に、それぞれ5分間ずつ
「最終スピーチ」
の時間を設けるというものだった。
それは、1回目の投票で2位の候補者、1位の候補者の順で行われた。
つまり、1回目154票だった石破候補が、181票だった高市候補よりも、先に壇上に上がった。
石破候補にとっては、1回目の投票で敗退した7人の候補、及び7人の候補の支持者たちに
「直訴する」
最後のチャンスだった。
私も、石破候補が何を話すのかと、固唾を呑んで見守っていた。
すると、壇上の選挙管理委員会の面々に向かって、3度も丁寧にお辞儀した後、訥々と、こう切り出したのだった。
「私は、至らぬ者であります」
「議員生活38年になります」
「多くの足らざる所があり、多くの方々の気持ちを傷付けたり、色んな嫌な思いをされたりした方が多かったと思います」
「自らの至らぬ点を、心からお詫びを申し上げます……」
何とあのプライドの塊のような石破氏が、
「過去のお詫び」
から入ったのである。
NHKの生中継を見ていた人は、
「何のこっちゃ?」
と思われたかもしれない。
■自民党議員の根強い「石破アレルギー」
だが実際に、自民党議員たちの
「石破アレルギー」
は相当なものがある。
私も少なからぬ議員たちから、様々なエピソードを聞いたものだ。
今回の自民党総裁選の間も、永田町界隈では、
「石破茂の裏切りの歴史」
なる文書が拡散されていたほどだ。
コロナ禍の前のことになるが、ある自民党本部の幹部職員が定年退職し、数名の記者で退職祝いをやった。
その中で、
「自民党職員たちから見て、総理総裁になってほしい政治家は誰ですか?」
と、記者の1人が質問した。
すると元幹部職員は、赤ら顔を和ませ、たちまち10人近くの名前を挙げて、
「我が党は人材の宝庫だ」
と胸を張った。
そこで私が、
「では逆に、自民党職員から見て、総理総裁になってほしくない政治家は?」
と水を向けた。
すると即座に、こう答えたのだ。
「石破茂! あの男だけは、党職員の誰もが嫌っている」
その後は、酔いも回ってか、呆れるようなエピソードを次々に披歴した。
重ねて言うが、酒席の話で裏を取ったわけではないので、事実かどうかは不明だ。
■渡した名刺を投げ、せせら笑う石破氏
だが、実は私にも、苦い経験が1つある。
2012年9の自民党総裁選で、
「安倍vs石破」
の自民党史に残る対決となった時のことだ。
当時所属していた『週刊現代』で、
「強の誌面対決」
のページを作るべく、両者にインタビューを申し込んだ。
すると、両候補とも
「30分だけなら」
と快諾してくれ、同日に時間差でのインタビューとなった。
まずはカメラマンと2人で、国会議員会館の石破事務所を訪ねた。
少し早く着いて、応接間で待たされたが、書棚には重厚な本がぎっしり並んでいた。
失敬して何冊か取り出してみたら、どの本にも要所に赤鉛筆で波線が引かれ、文字の上の隙間には、本人の所感が書かれていた。
さすが政界一の勉強家と、尊敬の念を深くして待っていると、間もなく本人が現れた。
私とカメラマンは、立ち上がって名刺を差し出し、
「本日はよろしくお願いします」
と頭を下げた。
すると石破氏、
「言っとくけど、きっかり30分だよ」
と言って、我々の名刺を見もせずに、ポイと机上に投げ捨てた。
そのうち1枚が床に落ち、慌ててカメラマンが拾って机上に置いた。
「君たちが聞きたいのは、キャンディーズのことかい? でもそんなこと聞いてると、時間が経っちゃうよ」
そう言って、ヘラヘラ笑い出した。
そのうち、我々の名刺を、まるでルービックキューブでも遊ぶように、両手でクルクルと回し始めた。
そして5分経つごとに、
「ハイ、あと20分!」
などと言って、せせら笑う。
こちらは、当時問題になっていた中国との尖閣諸島の問題などを聞きたかったのだが、常に
「上から目線」
で、まるで初心者相手のように説くので、噛み合わなかった。
1度だけ、石破氏の回答が事実関係と異っていて突き詰めたら、キッとなった。
そして書棚に駆け寄り、関連関書を開いて
「そうだな、アンタの言う通りかもな」
と呟いた。
最後は、
「ほらほら、ラスト5分だよっ、キッキッ」
と冷笑した。
そしてほどなく、おもむろに立ち上がると、無言のまま離席してしまった。
27分が経ったところだった。
私はトイレにでも行ったのかと思い、しばし待ったが、ついぞ戻ってこなかった。
カメラマンが三脚を片付けて、事務所を出た。
石破氏の名刺は、受け取らずじまいだった。
■出口まで見送りにきた安倍氏
続いてインタビューした安倍氏は、仏様のように映った。
「週刊現代には過去に、色んな事を書かれたけど、よく勉強させてもらっていますよ」
「今日は短い時間しか取れなくて、すみませんね」。
そう言って安倍氏は私とカメラマンに会釈しながら、自分の名刺を差し出した。
安倍事務所の応接室の書棚には、本が1冊もなく、代わりに世界の著名人と撮った写真ばかり飾り立ててあった。
それでも、熱意と誠意が感じられる30分のインタビューだった。
「これからの日中関係は、きっと厳しいものになると思いますよ」
などと、率直に語った。
終わると、わざわざ事務所の出口まで送りに来てくれて、
「下へ降りるエレベーターはあっちの方ですから」
と笑顔で言い添えた。
帰路、私とカメラマンの意見は一致した。
「どちらが賢いかと言えば、石破さんだろうが、もし自分が自民党議員で、どちらに投票するかとなれば、絶対に安倍さんだな」
かくして、1回目の投票では石破候補が首位だったが、議員票がものを言う決選投票で、安倍候補が逆転。
2012年12月に発足した第2期安倍政権は、7年9ヵ月続いて歴代最長政権となった。
反面、石破氏には
「長い冬の時代」
が続いたのである。
■石破政権は「割りばし政権」?
それで、
「還暦を超えて人は変われるのか」
という命題である。
「高市候補に投じた」
というある自民党議員に聞くと、石破新政権について、決して楽観視はしていなかった。
「どうせ来たる総選挙用の『割りばし政権』だろう」
「総選挙が終われば、また石破は例によって独りよがりになり、『裸の王様』と化し、周囲が離反していく」
「挙げ句、内閣支持率が低迷して、総辞職ではないか」
「割りばし」
とは、
「1回きりの使い捨て」
という意味だそうだ。
2024年9月27日の夕刻、自民党総裁選は、9人の候補者全員が壇上に上がり、連なって握手して万歳するシーンでお開きとなった。
互いの手を離すと、8人の敗者たちは、そのまま壇上を去ったが、石破氏だけは、向かって右奥の選挙管理委員会席に歩み寄っていった。
そして、逢沢一郎選挙管理委員長を始め、選挙管理委員を務めた議員たち1人1人と握手し、頭を下げて労を労ったのだった。
こうした行動は、
「人格が丸くなった」
ことを示す証左と言える。
だが週明けの2024年9月30日には、
「前編」
の冒頭で述べたように、
「天に唾する自民党総裁による解散宣言」
をやってのけ、国民を唖然とさせた。
1つ言えるのは、石破新首相は間違いなく、今世紀に入ってから首相を経験した12人の中で、最も頭脳明晰な首相であるということだ。
人間関係まで含めて、その
「賢明さ」
が前面に出たなら、長期政権の可能性もないとは言えない。
何と言っても、
「時の流れ」
を掴んでいるのだから。
だが同時に、
「時の流れ」
は移ろいやすいのも事実だ。
「平成の明智光秀」
は、果たして
「令和の徳川家康」
になれるのか。
新政権発足早々に総選挙を迎えて、日本の政治が、一段と面白くなってきたことは確かだ。(連載第749回)

2024.10.01
# 政治
石破新総理、総選挙後にありかも電撃訪中…中国ウォッチャーの風変わりな「石破茂論」
https://gendai.media/articles/-/138393?imp=0
「北京のランダム・ウォーカー」第749回・前編
近藤 大介『現代ビジネス』編集次長
■石破茂氏が新総裁に
「新政権はできる限り早期に国民の審判を受けることが重要であると考えており、諸条件が整えば、10月27日に解散総選挙を行いたい」
「いま内閣総理大臣でないものがこのようなことを行うのは、かなり異例のことであると承知しております」
「これが不適切なものだと考えているわけではございません」
石破自民党新総裁が、9月30日15時から党本部で行った記者会見で、いきなりの
「解散爆弾」
をブチ上げた。
憲法第7条には、
「天皇は、内閣の助言と承認により、国民のために、左の国事に関する行為を行ふ」
として、
「国事行為」
の3番目に
「衆議院を解散すること」
と記されている。
だが石破自民党総裁は、9月30日時点で、
「助言と承認をする内閣」
を築いていない。
そのため、これは
「異例」
であると同時に、
「不適切」
であるのは言うまでもない。
こんなことが許されるなら、自民党は中国共産党と同じになってしまう。
解散したければ、翌10月1日に、正式に総理に就任し、内閣を築いてから宣言すればよいだけのことだ。
たかが1日の違いだが、
「総理でない自民党総裁が解散を宣言する」
というのは、
「天に唾する行為」
である。
この
「石破流ゴーマニズム宣言」
によって、せっかく掴んだと思われていた
「時の流れ」
を、自ら早々に手放してしまうかもしれない−−。
時の流れを先週末に戻そう。
9月27日に東京・永田町にある狭苦しい自民党本部8階ホールで実施された、事実上の日本の最高権力者を決める総裁選挙は、劇的な結末を迎えた。
実に5回目の挑戦で、
「最後の戦い」
と背水の陣を張った石破茂候補(67歳)が、一発転劇によって他の8候補を打ち負かしたのだ。
この石破新総裁誕生については、既に多くの政治の専門家たちが多くのことを話し、書いているので、重複はしない。
私の心に湧き上がるのは、前にもこのコラムで綴った
「時の流れ」
ということと、
「還暦を超えて人は変われるのか」
という2点だ。
以下、中国ウォッチャーによる、やや風変わりな
「石破茂論」
を申し述べたい。
普段、
「中南海」(北京の最高幹部の職住地)
の権力闘争を追っていると、ふと見えてくる
「永田町の風景」
もあるのだ。
まず、
「時の流れ」
に関しては、約1ヵ月前(9月3日)にアップした本コラム
「中国は『待ちハリ』…カマラ・ハリスは『反中でなく弱くて予測可能』な理想のリーダー」(連載第745回)
で、私はこう述べた。
政治の世界には、
「時の流れ」
というものがある。
「時流」
を得た政治家は、まるで舟に乗って川下りをするが如く、スルスルと遊泳し、
「勝機」
を掴んでいく。
まさに
「勝ち将棋鬼の如し」
だ。
逆に、
「時流」
に乗れない政治家は、
「鮭(さけ)の川上り」
のような状態になる。
すなわち、いくら七転八倒しながら這い進んでも、結果が伴わない。
逆境に斃れてしまう。
こうしたことは、個々の政治家の実績や資質というよりは、
「時流」
が自分に来ているかどうかの問題である。
広い意味で
「運」
と呼んでもいい。
現在、周知のように、日本とアメリカで同時に、国の最高権力者を決める
「大一番」
が展開中である。
この自民党総裁選と米大統領選を見る時、私はどうしても
「どの候補に時流が来ているか」
という視点に立ってしまう。
日米に共通している今の
「時流」
を一言で言い表すなら、
「刷新感」
である。
日本は、2012年末から7年9ヵ月続いた安倍晋三政権と、その後の菅義偉政権、岸田文雄政権の残滓のような、自民党の裏金問題が勃発した。
そこからの脱却を図ろうと、総裁選史上最多の9人が、政策を競っている。
そのキーワードが、
「刷新感」
である。
この
「時流」
に一番うまく乗った候補が、最終的な勝者となる。(以下略)
■「刷新感」にうまく乗った石破氏
私の見立てでは、この
「刷新感」
という時流に、自民党総裁選で一番うまく乗ったのが、石破氏だったと言える。
当選12回の石破氏に、何が
「刷新感」
かと思われるかもしれないが、ここで言う
「刷新感」
とは、年齢や当選回数ではない。
「派閥」「裏金」(統一教会などとの)「癒着」といった、いわば
「平成的政治手法」
からの脱却という意味での
「刷新感」
である。
自民党安倍派の裏金問題が俎上に上る以前から、
「孤高の人」
石破氏に派閥はなかった。
かつて
「水月会」(石破派)
という小派閥を擁していたが、令和3(2021)年の年末に、それまでの6年あまりの活動に終止符を打って解消してしまった。
当時の朝日新聞(2021年12月13日付)は、
「これが冷や飯を食らい続けた首相候補の末路なのか」
と、にべもない。
私も、
「水月会」
の政治資金パーティに顔を出したことがあるが、それは
「斜陽の中小企業の株主総会」
を見るかのようだった。
見栄を張って有名ホテルの大広間で催すのだが、参加者が少ないため、何とも寒々しい。
おまけに、会長の石破氏が、例の渋面で長広舌をぶつものだから、さらに場がしらけていく。
熱心に石破演説を聴いているのは、われわれ記者の一部くらいだ。
当時は首相派閥である
「清和会」(安倍派)
の全盛期で、安倍晋三首相が
「太陽」
なら、石破氏は
「月」
だった。
野球で言うなら、安倍氏が
「長嶋茂雄」
で、石破氏は
「野村克也」。
誠に明暗甚だしかった。
だが、
「令和の政治」

「平成の政治」
とは大きく異なる。
日本の社会環境は、少子高齢化と地方の過疎化が進み、日本のGDPは2位からまもなく5位まで落ち、スマホ・ネイティブ世代が成人を迎えた。
平成の後半に栄華を極めた安倍氏は、周知のように2年前にテロに斃れた。
同時に安倍氏の
「盟友」
だった麻生太郎元首相(84歳)や二階俊博元幹事長(85歳)も、
「引き際」
を迎えている(麻生氏は9月30日に「自民党最高顧問」なる新奇な役職を与えられたが、党幹部一同の記念撮影にも応じず退出してしまった)。
反面、
「平成元禄に背を向けていた」
石破氏に、
「時の流れ」
が巡ってきたのである。
鳥取という日本の過疎化を象徴するような日本海側の地からやって来て、金銭欲もなく飾りもせず、正論を訥々と吐く変わり種が脚光を浴びる時代の到来である。
廃れていく地方は、そんな石破氏に一抹の希望を見出した。
同時に、1年1ヵ月以内に確実に選挙を迎える自民党の衆議院議員も、また2025年7月に半数が選挙を迎える参議院議員も、自民党に吹き荒れる逆風の中で、
「石破人気」
に縋(すが)るしかなかったのである。
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党員票で躍進の高市氏背景には地方行脚とネット選挙 捲土重来へのカギは議員からの支持拡大
2024/10/2 6:00
https://www.sankei.com/article/20241002-6W56DR5QNNNY5NBDNIADQBL3NQ/
過去最多となる9人が立候補した先の自民党総裁選では、高市早苗前経済安全保障担当相と石破茂首相が激しく競り合った。
高市氏は決選投票で敗れはしたが、1回目の投票では国会議員票と地方票のいずれも首相を上回る健闘を見せた。
令和3年の前回総裁選で高市氏を支えた安倍晋三元首相は死去した。
党内基盤が脆弱で、20人の推薦人の確保にも難儀した高市氏はなぜ躍進できたのか。
■回った地域「数えようがないくらい」
「私自身の力不足だ」
「多くの方に助けていただきながら申し訳ない」
総裁選終了後の9月27日午後、党本部で記者団の取材に応じた高市氏はこう敗戦の弁を述べた。
目は赤く、表情には悔しさが滲んでいた。
1回目の投票で獲得した議員票は首相の46票を上回る72票。
また、地方票でも109票を獲得し、108票の首相を1票上回った。
決選投票では議員票で首相の後塵を拝したが、47都道府県の地方票のうち都市部を中心に21票を獲得した。
「予想以上だよ、想定外」。
高市氏を支援したベテラン議員は、地方票で首相を上回ったことに驚きを隠さなかった。
総裁選では安倍氏の支援を受け、4候補のうち2番目に多い議員票を獲得しながら、地方票が伸びず、決選投票に進めなかった。
その後、高市氏は政調会長に再任された。
直後の衆院選では他の議員の応援演説で全国を駆け回り、自身の選挙区に入ったのは
「数時間」(高市氏)
だった。
「次」
を見据えた高市氏は地方行脚を続け、昨年10月のBS番組では
「また戦わせていただく」
と表明。
2024年8月に地元・奈良県で行った講演では、会場を埋め尽くした聴衆を前に
「(3年間で)回った地域は数えようがないくらい」
と振り返った。
今回の総裁選の結果について関係者は
「地方を回り続けてきたことが大きい」
と語る。
■ネット上での話題「圧倒」
高市氏の地方票の獲得数を見ると、東京や大阪をはじめ都市部での強さが際立っている。
陣営幹部は
「ネット戦略がうまくいった」
と解説する。
高市氏の陣営には、7月の東京都知事選で2位に食い込んだ前広島県安芸高田市長の石丸伸二氏の選対事務局長を務めた藤川晋之助氏も加わった。
石丸氏躍進の要因となったインターネットを活用した選挙活動を高市陣営でも展開。
総裁選期間中はSNS上に人柄を紹介する短い動画などを頻繁に投稿し、ネット上で話題に上る回数は他候補を圧倒した。
選挙戦が進むにつれ、大本命と言われた小泉進次郎選対委員長の
「討論力」
の低さが露呈し、報道各社の世論調査で高市氏が急浮上した。
中露軍機による相次ぐ領空侵犯や、中国広東省深圳で日本人男児が刺殺された事件を受け、中国に厳しい姿勢を示す高市氏が保守層を中心に期待を集めたとみられる。
高市氏が追い風を受ける中、伸び悩んでいた河野太郎前デジタル相を支援していた麻生派会長の麻生太郎最高顧問も動いた。
党内で唯一、派閥を維持する麻生氏は、小泉氏を支援した菅義偉副総裁、かつて自身に退陣を迫った首相のいずれとも関係が良好ではない。
麻生氏側は高市陣営との水面下での交渉を本格化。
選挙戦終盤になると高市陣営は
「麻生氏は高市を支援する」
と自信を見せ始めた。
■リーフレット問題で包囲網
麻生氏の支援を取り付けたものの、高市氏は結果的に首相に勝つことはできなかった。
総裁選挙管理委員会が文書郵送の禁止を通知した後に、全国の党員らに高市氏の政策リーフレットが届いた問題が発覚したことも尾を引いた。
リーフレットが党員票の拡大に繋がるとの見方もあり、他陣営から
「不公平だ」
と批判を受けた。
陣営幹部は
「高市包囲網が出来てしまった」
と悔やむ。
「私を支援した入閣適齢期の議員の処遇を優先してほしい」。
総裁選後、高市氏は石破氏から総務会長就任の要請を受けたが、辞退した。
「党執行部に入れば自由に発言ができなくなる」
「全国行脚で地方固めを進めた方がいい」。
高市氏の関係者は
「無役」
でいることのメリットも説く。
高市氏が次の総裁選でリベンジを目指すならば、先の総裁選に省みる点もある。
首相が決選投票直前の演説で
「ルールを守る自民党…」
と繰り返したのは高市氏への当てこすりとの見方もあるが、一定の共感を呼んだのは間違いない。
高市氏の捲土重来へのカギは
「ルールを守らなかった」
という党内の誤解を解きつつ、苦手とされる仲間作りを克服して党内基盤を固めることだろう。

<主張>石破新内閣 危機感持ち日本守り抜け 挙党体制築かぬままの船出か
社説
2024/10/2 5:00
https://www.sankei.com/article/20241002-EUMWOOOJIFNPPNZIZVO6JOJL7M/
衆参両院で自民党の石破茂総裁が第102代首相に指名され、宮中での親任式などを経て、内閣を発足させた。
石破首相は9日に衆院を解散し、衆院選を
「15日公示、27日投開票」
の日程で行う方針だ。臨時国会では所信表明演説と代表質問は行うが、予算委員会での十分な審議は行われない見通しである。
国民に信を問う上で判断材料を提供するのは首相の責務である。
論戦が不十分でよいのだろうか。
「国民に正面から向き合い誠心誠意語っていく」
「逃げずに実行する内閣にする」
と述べた。
にもかかわらず、実際には丁寧な質疑を避けようとしているのは残念である。
◆改憲案作成へ動く時だ
首相には保守の矜持をしっかり持ってもらいたい。
党綱領は
「日本らしい日本の確立」
を謳い、自らを
「保守政党」
と位置付けている。
この理念を踏まえ国家国民を守り抜かねばならない。
岸田文雄前首相が語った
「ウクライナは明日の東アジアかもしれない」
という危機感を共有し、安倍晋三元首相以降の外交安全保障政策を継承、発展させる必要がある。
アジア版NATO(北大西洋条約機構)の具体化には憲法問題があり、各国との交渉に大きなエネルギーも要する。
この構想は取り下げた方がよい。
今求められるのは、中国やロシア、北朝鮮といった現実の脅威に対処することだ。
日米同盟を盤石なものとし、抑止力と対処力の向上へ防衛力の抜本的強化を加速させることである。
日本に対する主権侵害などには、毅然とした対応を取ってもらいたい。
憲法改正は自民の党是である。
党は既に憲法に
「第9条の2」
の条文を新設して自衛隊を明記することや、緊急政令の根拠規定創設を盛り込んだ論点整理をまとめている。
これを前提に他党を説得し、改憲原案の条文を早期に完成させるべきだ。
目標とする憲法改正の時期も明らかにしてほしい。
安定的な皇位継承を巡っては男系(父系)継承を確実にしなければならない。
岸田内閣時の報告書の実現を求める。
国の根幹をなす課題であり、保守の真価が問われる。
北朝鮮による日本人拉致問題について首相は
「東京と平壌に連絡事務所を開設して交渉の足掛かりとする」
と唱えてきたが、家族会は時間稼ぎに利用されるだけだと反対している。
被害者と家族は高齢化している。
全員の早期救出に力を尽くさねばならない。
◆経済の道筋を具体的に
経済は国力の基盤である。
物価高を上回る持続的な賃上げを確実にし、デフレからの完全脱却を果たすことは重要だ。
東京株式市場では一時、日経平均株価が大幅下落した。
石破首相の経済・財政政策に対する警戒感が広がったとの見方がある。
政策の方向性や道筋を具体的に示し、丁寧な政策運営をすることが肝要である。
「政治とカネ」
の問題では政治資金の透明性確保やパーティー収入不記載事件の再発防止策を着実に進め、政治への信頼を取り戻すことが求められる。
理解に苦しむのは石破政権が挙党体制になっていない点だ。
弱い党内基盤の強化が本来取るべき対応だった。
決選投票で僅差で敗れた高市早苗前経済安全保障担当相には党ナンバー2の幹事長への就任を求めず、総務会長を打診し固辞された。
決選投票で高市氏に投票したとされる茂木敏充前幹事長には重要ポストを提示した形跡はない。
総裁選の勝利に貢献した菅義偉副総裁や、菅氏の盟友である森山裕幹事長、そして首相自身に近い議員の登用が目立つ。
総務相に村上誠一郎元行政改革担当相を起用したのには驚いた。
村上氏は、安倍氏が暗殺された後、安倍氏を
「国賊」
と呼び、1年間の党役職停止処分を受けた人物だ。
党内対立を煽る人事と言わざるを得ない。
岩屋毅外相は総裁選で石破陣営の選対本部長だった。
防衛相当時、韓国軍による海上自衛隊機へのレーダー照射があった。岩屋氏は抗議をしつつも、韓国の国防相と笑顔で握手した人物である。
国益を踏まえた外交を展開してほしい。
必ずしも適材適所と言えない陣容で衆院選を乗り切り、政策を遂行するのは困難を伴う。
首相は日本を守り抜く政治を心掛けてほしい。

<産経抄>地図と現実の誤差、石破新政権を待つ難題
2024/10/2 5:00
https://www.sankei.com/article/20241002-BPWWXSQX3FPSVAC7G73M2WY4OY/
「眠狂四郎」などの剣豪小説で知られる柴田錬三郎の元を、作家の吉行淳之介が訪ねてきた。
男女の性を通し人間の生を描き続ける吉行が、次は
「鼠小僧」
を書くという。
ついては時代物の急所について講義を願いたい、と。
▼江戸を舞台にするのなら、江戸の町を頭の中で歩けるようにならなければ―。
「柴錬」
先生はそう助言した。
吉行は勧めに従って、鼠小僧のいた時代の古地図を買い求めたそうである。
作中で描いた街並みは、地図を忠実に再現したものだという。
▼日本の針路を正しく示すべきこの人は、どんな地図をお持ちか。
第102代首相に選ばれ、新政権を発足させた石破茂氏である。
自民党では長く
「党内野党」
の立場にあり、時の内閣への直言も辞さなかった。
トップに立ち、眺める地図と現実の間には誤差≠烽るだろう。
▼総裁選では、国民に判断材料を提供するのが首相の責任だと語っていた。
そこから一転し、
「27日投開票」
の衆院選を明言したのには驚かされた。
臨時国会は9日までと短く、十分な論戦は出来ないと言われている。
公約の反故になりはしないか。
▼政治とカネを巡る国民の不信感を拭うのは容易なことではない。
デフレ克服を目指す経済政策はどうなる。
安全保障政策にしても、石破氏の掲げる
「アジア版NATO」
と実際のアジア情勢の間には、隔たりがある。
現実との誤差が余りに大きい地図では、使い物になるまい。
▼古地図といえば立川談志さんも江戸の街並みを詳細に記憶し、落語の語りに生かした。
「そういう部分がなければ『江戸の風』は吹かない」と。
さて石破首相である。
新政権は追い風を受けるというのが政界の常識だが、世論の風が期待通りに吹くとは限らない。

安倍氏「国賊」発言「遺族に謝罪」と村上誠一郎新総務相 記者に「少しは考えて」とも注文
2024/10/1 17:50
https://www.sankei.com/article/20241001-PCBZXCZGRRMVDEHMYRMJNTY7KI/
村上誠一郎新総務相は1日、安倍晋三元首相の死去後、安倍氏を
「国賊」
と呼んだことについて
「遺族に謝罪した」
「役職停止になった」
「もう終わりで」
と釈明した。
質問した記者に対しては
「少しは考えてください」
とも注文を付けた。
官邸で記者団の質問に答えた。
村上氏は安倍氏を
「国賊」
と呼んだ発言が問題視され、1年間の党役職停止処分を受けた。
先の自民党総裁選では石破茂首相の推薦人を務めた。

首相指名選挙、参院で高市早苗氏と茂木敏充氏に予想外の1票 N国2議員が投票予告
2024/10/1 16:26
https://www.sankei.com/article/20241001-3Z6G3Y5ZS5IX3A2UMTP4HFHYQA/
参院で1日に行われた首相指名選挙で、自民党の高市早苗前経済安全保障担当相と、茂木敏充前幹事長が予想外の1票を得た。
浜田聡参院議員が同日、自身のX(旧ツイッター)で
「今回の首班指名は茂木敏充と書いて投票予定です」
と投稿していた他、齊藤健一郎参院議員が同日、自身のYouTubeチャンネルで高市氏に投票すると明かしていた。
浜田、齊藤両氏は参院の会派
「NHKから国民を守る党」
に所属している。
首相指名では自身の所属する政党や会派のトップに票を投じるのが一般的だ。
浜田氏は9月17日、自身のXに
「増税ゼロを推進する茂木さんを世間が後押しすることに期待しています」
と投稿。
斎藤氏はYouTubeチャンネルで
「高市氏は素晴らしい政策を掲げられている」
「決選投票で敗れたが、応援する声を届けることに意味はある」
と理由を述べた。

石破首相は「円安」を受け入れるのか
田村秀男
2024/10/1 12:00
https://www.sankei.com/article/20241001-YTW6L37I2JIXZJ6C4HJN66ZQWE/?147052
本日中には、石破茂新政権が発足する。
さっそく打ち出される
「イシバノミクス」
はいくら綺麗事を並べても30年間も続いた慢性デフレから脱出させられるわけではない」
「鍵は円安基調の維持にある」
生真面目な石破さんは円安を受け入れるだろうか。
2012年9月の自民党総裁選の数カ月前、筆者は石破さんに会い、脱デフレ策を提案したことがある。
ところが石破さんは、有権者は物価の下落を歓迎し、上昇にはノーだと、真剣だ。
デフレとは物価下落以上の幅で賃金が下がる、つまり実質賃金が下がるので、国民が困窮化するのだと説得を試みたが、石破さんは最後まで納得しなかった。
以来、石破さんは
「反アベノミクス」
を貫いてきた。
そして、2024年8月下旬。
筆者知り合いの石破さんのブレーンから突如、経済問題で助言を依頼された。
石破さんは本欄など拙論に目を通しているとも聞かされた。
ならば、とA4判で1枚程度のメモを送付した。
要は脱デフレ、財政出動、実質可処分所得の引き上げ、家計消費の拡大、税収増の民間への全面還元、日銀利上げの凍結である。
ブレーンからは
「石破さんはしっかりと読んでいます」
との返事があったが、当方は半信半疑だ。
すると石破さんは9月に入ると、
「財政出動なければ経済が持たない」
「税増収分の防衛費や少子化対策への充当」
「最低賃金の引き上げ」
と言い出した。
9月27日の総裁選勝利後の会見では
「デフレからの脱却を完全なものにする」
「物価上昇を上回る賃金上昇」
「海外の生産拠点の国内回帰」
を強調した。
8月7日出版の「保守政治家 わが政策、わが天命」(講談社)での反アベノミクス色は薄れた。
「君子豹変」、
大いに結構だ。
ただ、1点だけ引っかかる。
超低金利、円安への批判こそ口にしないが、
「日銀は政府の子会社だとは思っていない」
と出演したテレビ東京の番組で語った。
日銀の政府からの独立性という建前を尊重するというニュアンスだ。
ルール尊重の石破さんらしいが、日銀は国家経済の成長と安定を目指す政府の目的に沿うのが日銀法の本義だ。
植田和男総裁の日銀は追加利上げによる円高誘導に前のめりだ。
7月末の追加利上げは投機筋による急激な円買いと株売りを招き、日経平均株価の大暴落を引き起こした。
日銀は9月には更なる利上げを見送ったが、依然として
「デフレ」
にはほとんど言及せず、ひたすら円安に伴う物価上昇を警戒し、利上げ姿勢を崩さない。
そもそも、政権が脱デフレを完遂させようというのに、円安の是正を急ぐ必要があるのだろうか。
グラフは国内総生産(GDP)の名目および実質額と円ドル相場について、アベノミクスが本格化した2013年度以降の推移である。
一目瞭然、2020年度以降、円安と名目GDPは寄り添うように動いている。
「円安」
というと
「悪者」
のイメージは強い。
コスト上昇に苦しむ個別の事業者にとっては確かに円安は気がかりだ。
しかし、経済、産業全体としては円安と共に名目GDPが拡大基調に転じて以来、脱デフレのチャンスが到来しているもう1つの現実がある。
先の春闘では賃上げ率が連合ベースで5%台に乗り、今夏はボーナスを含め、勤労者収入上昇率が物価の値上がり率を上回った。
瞬間風速とはいえ、実質賃金が上昇に転じた。
2022年以降の急速な円安は輸出企業の収益を大きく増やすばかりではない。
円安分を含めた輸入コストの急激な上昇は業種も、大企業も、中小零細企業も問わず、産業界全体のデフレ心理を劇的に転換させ、コスト上昇分を販売価格に転嫁する機運を普及させた。
すると企業の売上高が増え、収益もかさ上げされる。
もとより、人手不足は深刻だが、産業界を覆うデフレ心理が賃上げを抑えてきた。
名目収入増の見通しが立つと、経営者は賃上げ要求に応じるようになったのだ。
それでも脱デフレが確実とは言い難い。
内閣府の試算でも、この4〜6月期でも需要が供給能力を下回る
「需給ギャップ」
がマイナス、つまり需要不足の状況にある。
従ってデフレ圧力は依然として根強いと見るべきだ。
需給ギャップを埋めるためには家計消費を促す大幅賃上げの継続が必要で、円高はそれに水を差す。
円安でもその分以上に売り上げ、名目所得が上がれば全く問題はない。
利上げによって円高、株安を招けば、全てぶち壊しになるだろう。
(編集委員)

石破茂氏のアジア版NATO構想は反米か媚中か? 島田洋一、月刊「正論」で批判
正論11月号 連載「アメリカの深層」
2024/10/1 7:00
https://www.sankei.com/article/20241001-VGN2D4JFRNAWBMZAG4IAQCOWKE/?outputType=theme_monthly-seiron
過去に防衛大臣などを歴任した石破茂氏が、自民党総裁選出馬にあたり発表した基本政策の中に、
「アジア版NATO」
創設があった。
候補者討論会で、他候補から
「集団的自衛権の全面行使と憲法の関係はどうなるのか」
「また具体的にどの国が入るのか」
と当然の質問が出ている。
これに対し、石破氏は次のように答えた。
「まさしくそれらの点を、これから議論を詰めたい」
「中国を最初から排除するということを念頭に置いているわけではない」
呆れた回答という他ない。
当然ながら同盟国アメリカからは不信の声が出た。
筆者の所にもいくつか届いている。
代表的なものは、民主党政権で鳩山由紀夫首相が唱えた
「東アジア共同体」
構想の焼き直しではないのか、という疑問である。
まず改めて鳩山プランを振り返っておこう。
鳩山氏は月刊誌『Voice』(2009年9月号)で、同構想について
「東アジア地域を、我が国が生きていく基本的な生活空間と捉え、この地域に安定した経済協力と恒久的な安全保障の枠組みを創出する」
と概要を説明している。
さらに2009年10月、北京で開かれた日中韓首脳会議の冒頭、
「今までややもすると米国に依存し過ぎていた」
「アジアの一員としてアジアをもっと重視する政策を作り上げていきたい」
と述べている。
岡田克也外相は会議を前に
「日本、中国、韓国、ASEAN、インド、オーストラリア、ニュージーランドの範囲で(東アジア共同体を)考えたい」
と具体的なメンバーを挙げていた。
アメリカは明示的に外されている。
物理的距離は理由にならない。
ニュージーランドとアメリカ本土は、日本からほぼ等距離である。
米領で軍事拠点でもあるハワイ、グアム、アラスカなどは、ニュージーランドより遥かに近い。
尚、朝鮮半島北部即ち北朝鮮もこの共同体から除かれているが、
「恒久的な安全保障の枠組み」
という以上、無視してよいはずがない。
北朝鮮は体制崩壊させて統一韓国に含める趣旨というなら分かるが、単に深く考えていなかっただけだろう。
拉致問題で協力的な友好国、モンゴルを外した理由も分からない。
少し考えても穴だらけの
「構想」
であり、絵に描いたような軽挙妄動であった。
当時、米オバマ政権の国家安全保障会議(NSC)アジア上級部長だったジェフリー・ベイダー氏によれば、
「中国の対抗力たるアメリカを外し、中国を中心に東アジア機構を作るというこの危険な発想」
に対し、ベトナムが特に強い懸念を抱き、国家主席自ら積極的に潰しに掛かったという。
「他ならぬ(共産党一党独裁の)ベトナムがこうした提案の戦略的愚かさを理解する一方、アジアにおける最大の同盟国が理解していなかった事実はオバマ政権に衝撃を与えた」
とベイダー氏は皮肉まじりに総括している。
やはり当時のオバマ政権のブレーンだったハーバード大名誉教授のジョセフ・ナイ氏も
「米国は『外されている』と感じたなら報復に打って出る」
と露骨に不快感を示していた。
民主党穏健派の2人にしてこの反応。
後は推して知るべしだろう。
慌てた鳩山首相は、
「アメリカとアジアの架け橋になるのが、自分の意図」
と釈明したが、米側からは、
「架け橋など不要」
「アメリカは自らアジアとの関係をコントロールできる」
と一蹴された。
鳩山氏に限らず、自民党幹部からも過去に危ない言動が出ている。
2019年4月、習近平国家主席を表敬訪問した二階俊博幹事長(当時)は、会談後
「協力し合って一帯一路構想を進めていく」
「米国の顔色を窺って日中の問題を考えていくものではない」
と啖呵を切った。
戦略性皆無の媚中発言であった。
石破氏の
「アジア版NATO」
だが、米国ではこうした鳩山、二階路線と同類だと見られよう。
(福井県立大学名誉教授 島田洋一)
(月刊「正論」11月号から)

岸田文雄が放送禁止用語で高市早苗を「猛口撃」!感情むき出しの敵意が「石破茂新総裁」を生んだ
https://article.auone.jp/detail/1/1/1/42_1_r_20241001_1727729993907897
自民党・石破茂新総裁誕生の立役者となったのは、岸田文雄前総裁だった。
自ら派閥を解散しておきながら、会長だった旧宏池会票を石破氏支持でまとめたからだ。
岸田氏が石破氏を支持した要因はいくつかあるが、個人的に高市氏を毛嫌いしていたこともある。
高市氏が総裁になった場合、靖国神社参拝を公言しているため、自身が積み重ねてきた日米、日韓関係に亀裂が生じる。
それを懸念したというのが、高市氏を支持できない表向きの理由とされる。
ところが宏池会関係者によると、岸田氏は高市氏について、放送禁止用語を使って
「あの××××女」
と感情を剝き出しにしていたという。
岸田氏は当初、旧宏池会議員に対して
「党員票が多い候補に入れる」
との指示を出していた。
石破氏が党員票でトップになることを見越しての発言だった。
ところが高市氏が党員票で石破氏を逆転しそうな情勢になると
「高市氏以外で」
と変更した。
岸田氏がなりふり構わず高市氏を追い落とそうとする行動に出たのはなぜか。
「両者は抜き差しならない関係になっていた」
と宏池会関係者は証言する。
直接のきっかけは、能登半島地震だ。
高市氏は1月16日、復興を最優先にすべく、来年開催の大阪・関西万博を延期するよう、岸田氏に進言した。
万博は所管外だったが、高市氏の行動は
「政権に反旗を翻したか」
と党内外に波紋を広げた。
対応を迫られた岸田氏は、予定通り実施することを決めた。
ところが高市氏が岸田氏とのやり取りを動画投稿サイトで暴露したため、岸田氏は激怒。
高市氏は会見で
「首相を信頼してお任せしたい」
と発言を後退させた。
高市氏は2022年12月にも、岸田氏が防衛費を増額するための財源の一部を増税で賄う方針を示すと、SNSで
「賃上げマインドを冷やす発言を、このタイミングで発信された総理の真意が理解出来ません」
と批判した。
これを野党から追及されると、
「間違ったことを申し上げた、との考えはない」
「罷免されるなら仕方がないとの思いで申し上げた」
と言って開き直った。
こうしたことが積もり積もって、岸田氏とすれば高市氏にリベンジしたのだろうが、ある閣僚経験者は、
「個人的な感情を剝き出しに女性を攻撃するやり方は『ミスター・ジェントルマン』のすることではない」
と岸田氏を皮肉るのだった。
(田中紘二/政治ジャーナリスト)

「10・27投開票」石破新総裁の総選挙“前倒し”背景に「靖国神社に行かせない」驚きの“高市早苗つぶし”戦略
社会・政治FLASH編集部
記事投稿日:2024.09.30 18:11 最終更新日:2024.09.30 18:37
https://smart-flash.jp/sociopolitics/308911/1/1/
永田町の秋は、あわただしいことになりそうだーー。
自民党の石破茂新総裁は10月1日に新内閣を発足、4日に衆参両院で所信表明演説を行った後、7日から各党の代表質問を行い、9日にも衆院を解散する方針を決めた。政治担当記者が解説する。
「当初は、10月29日公示、11月10日投開票という予定が有力でした」
「しかし、石破さんは“手のひら返し”で10月15日に公示、10月27日投開票という日程を選びました」
「一応表向きの理由としては、11月に投開票となると2024年度補正予算の成立が遅れ、2025年度の予算編成に日数的な影響が出る、という理由です」
「しかし実際は、参院岩手県選出議員の補選に合わせたようです」
「公設秘書の給与を騙し取った詐欺容疑で関係先を家宅捜索され辞任した、広瀬めぐみ元参院議員の補選が、同じ10月27日に投開票の予定です」
「岩手県の補選が、前哨戦的な扱いになっては困るというわけです」
元々、総裁選の“御祝儀相場”のうちに解散総選挙を打つ、というのが与党の方針だ。
その意味では既定路線とも言えるが、今回の“手のひら返し”にはもう1つの大きな理由があるのだという。
「総裁選で、ポスト石破の最右翼になった高市早苗さんの存在です」
と明かすのは、旧岸田派の中堅議員だ。
「総裁選で一瞬、全員が息を飲んだのが、第1回の投票結果が発表された瞬間です」
「高市さんが党員党友票で1位となり、石破さんですら顔が一瞬、真っ青になりました」
「結果的に、岸田文雄首相や菅義偉(よしひで)前首相の支持で勝つことができましたが、麻生太郎副総裁を後ろ盾とする“高市一派”は、今回の結果にブチギレ状態で、石破さんにとって自民党を分裂させかねない危険な存在です」
「総務会長のポストを拒否したところからも、党内の融和路線とはほど遠いことが分かります」
そのために、“高市一派”が目論んでいた、ある計画を潰す必要が出てきたのだ。
「実は10月17日から3日間、靖国神社の秋季例大祭が行われます」
「終戦記念日の公式参拝を総裁選の“公約”にしていた高市さんですが、この例大祭では、100人規模の超党派議員による参拝を計画していました」
「いわゆる旧安倍派を中心に、保守派の議員が集結するのは間違いありません」
「外交上の配慮はもちろんですが、石破さんとしては、これ以上、高市さんに目立ってほしくないところです」
「そこで、総選挙期間をぶつけたというわけです」
「さすがに選挙期間中となれば、参拝する議員は少ないはずですからね」
「いわば、危険なライバルとなった高石さんを『靖国神社に行かせない』という意味合いもあるというわけです」
(同前)
5度めのチャンスを掴んだ男は、やはりただ者ではない。
( SmartFLASH )

<主張>石破氏の解散表明 掌返しで信を得られるか
社説
2024/10/1 5:00
https://www.sankei.com/article/20241001-ZTNJ4X45WVOOTCNYF2SENFZN4M/
自民党の石破茂総裁が記者会見で、首相に就任後、衆院選を
「10月27日投開票」
の日程で行うと表明した。
衆院選は政権選択の選挙だ。
首相交代に合わせて実施すること自体は問題ないが、余りにも急ぎ過ぎてはいないか。
石破氏は党総裁選時には、国会で野党側と論戦を交わしてから衆院選を実施するのが望ましいという姿勢だった。
総裁になって言い出した
「10月27日投開票」
では、国会日程が極めて窮屈で、十分な論戦が出来るとは思われない。
これではまるで掌返しである。
石破氏は僅か半月前の日本記者クラブ主催の討論会で
「国民が判断する材料を提供するのは首相の責任だ」
「本当のやり取りは(国会の)予算委員会だ」
「すぐ解散するという言い方はしない」
と語っていた。
早期解散を唱えていた小泉進次郎候補と石破氏の考えは違う、と受け取った国民は多かったはずだ。
自民は1日召集の臨時国会の会期について
「9日まで」
とする日程を野党に提案した。
4日に首相の所信表明演説を行い、週明けの7日から衆参両院で代表質問を行う方向だ。
予算委や党首討論の開催が取り沙汰されているものの、9日までの日程では極めて短時間の開催しか望めまい。
立憲民主党からは早速反発の声が出ている。
石破氏は総裁就任時の会見で
「(自民は)謙虚な政党でなければならない」
と語った。
そうであるなら、予算委で野党側と堂々と論戦を交わすのが筋ではないだろうか。
政権発足の勢いに乗って衆院選を有利に進めたいのかもしれないが、言行が一致していないと見られれば期待感はしぼみかねない。
一方、石破氏を支える自民党4役が決まり、閣僚人事もほぼ固まったが、挙党態勢からは程遠い陣容となった。
決選投票で僅差だった高市早苗経済安全保障担当相に幹事長を打診しなかったのは理解に苦しむ。
平成24年の総裁選を制した安倍晋三元首相が、決選投票で敗れた石破氏を幹事長に起用したのとは対照的だ。
高市氏を支持した国会議員や党員・党友も包摂しなければ、党が結束して衆院選に臨むことは難しいだろう。
衆院選で各政党と全ての候補者は、日本の独立と繁栄を守る政策を有権者に提示し、競い合う必要がある。

http://www.asyura2.com/24/senkyo295/msg/660.html#c38

[政治・選挙・NHK295] 心に刺さらぬ野田新代表の言葉(植草一秀の『知られざる真実』) 赤かぶ
39. 秘密のアッコちゃん[696] lOmWp4LMg0GDYoNSgr@C4YLx 2024年10月09日 07:35:38 : fjTz2F981w : QTJUazdpaUhyT1U=[261]
<■53行くらい→右の▽クリックで次のコメントにジャンプ可>
仲新城誠「沖縄が危ない!」
八重山周辺で中国軍の動き活発化 米大統領選の体たらくにほくそ笑む習近平氏 米依存は限界「自国は自国で守る」原点回帰を
2024.10/9 06:30
https://www.zakzak.co.jp/article/20241009-Y2XVVX7PYZJPZKOY4HRG64IDCA/
沖縄県周辺で中国軍の動きが活発化している。
中国海軍の空母「遼寧」は9月、尖閣諸島(石垣市)北西の海域から南進し、日本最西端の与那国島(与那国町)と西表島(竹富町)間の接続水域を初めて航行した。
空母は戦闘機を搭載して他国を攻撃する艦船であり、周辺海域の航行は沖縄県民、とりわけ台湾に近い八重山諸島の住民に対する露骨な威嚇だ。
8月には、中国軍の情報収集機が長崎県の男女群島沖で中国軍機として初めて領空侵犯した。
同じタイプの情報収集機は直前に、沖縄本島と宮古島間でも飛行が確認されている。
尖閣諸島周辺では中国艦船が常駐し、領海侵入を常態化させており、日本漁船の操業に対する妨害行為も続いている。
一連の行動を見ると、中国には将来的な
「台湾侵攻」
を睨み、日本を牽制する意図があるのは間違いない。
そして、中国軍の活動範囲は台湾にとどまらず、現時点で既に、尖閣諸島をはじめとする八重山を明らかに含んでいる。
八重山では今、
「有事」
を見据えた住民の避難計画策定やシェルター整備の動きが本格化しており、地元の不安は高まる一方だ。
中国がこのタイミングで挑発行為を激化させているのはなぜか。
同時期の自民党総裁選もさることながら、海の向こうの米大統領選も無関係ではないだろう。
同盟国のピンチに際し、民主党候補のカマラ・ハリス副大統領、共和党候補のドナルド・トランプ前大統領がどう反応するか、出方を窺っていたのではないか。
だが、両候補の討論会での発言や、日米の報道を見る限り、中国の対日圧力に対し、2人が何らかの対中発信をした形跡は全くない。
そもそも、選挙戦が低レベルな罵倒合戦の様相だ。
双方とも中国にはたまに言及する程度で、それも経済や貿易の競争に関する文脈に限られる。
2人が台湾、南シナ海、さらには沖縄周辺で進む深刻な事態を重大視しているようには見えない。
次期大統領がトランプ氏なら、沖縄や台湾を犠牲にして、中国と予想外の
「ディール(取引)」
に出る恐れなしとは言えない。
急ごしらえの候補であるハリス氏は明らかに能力不足で、ジョー・バイデン政権を分析すれば行動パターンは楽に読める。
中国の習近平国家主席や、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領といった百戦錬磨の独裁者なら、手玉に取るのにさして苦労はしないだろう。
大統領候補たちの体たらくを見て習氏は
「台湾や尖閣で、ひと騒ぎ起こすチャンスが来た」
と、ほくそ笑んだのではないか。
誰が次期リーダーになっても、米国の混乱や沖縄の危機が深まるのは必至だ。
米国に全面依存する安全保障は、もう限界になりつつある。
日本は
「自国は自国で守る」
という原点に立ち返り、米大統領がどんな人物であれ、沖縄に指1つ触れさせない強固な防衛体制を築くべきだ。
■仲新城誠(なかしんじょう・まこと)
1973年、沖縄県石垣市生まれ。
琉球大学卒業後、1999年に地方紙「八重山日報社」に入社。
2010年、同社編集長に就任。現在、同社編集主幹。
同県のメディアが、イデオロギー色の強い報道を続ける中、現場主義の中立的な取材・報道を心がけている。
著書に『「軍神」を忘れた沖縄』(閣文社)、『翁長知事と沖縄メディア 「反日・親中」タッグの暴走』(産経新聞出版)、『偏向の沖縄で「第三の新聞」を発行する』(同)など。

http://www.asyura2.com/24/senkyo295/msg/656.html#c39
[政治・選挙・NHK295] 自民ベテラン“ドサクサ駆け込み世襲”に批判続出!桜田義孝元五輪相は長男内定まさかの失敗(日刊ゲンダイ) 赤かぶ
11. 秘密のアッコちゃん[697] lOmWp4LMg0GDYoNSgr@C4YLx 2024年10月09日 09:25:20 : fjTz2F981w : QTJUazdpaUhyT1U=[262]
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<正論>新政権、経済安保の軸ぶらすな 
明星大学教授・細川昌彦
2024/10/9 8:00
https://www.sankei.com/article/20241009-SUUGHYHLKZP37OETSW2IPKHWXM/
1日、石破茂新政権が発足して、政策の行方に注目が集まる。
しかし残念ながら不安な船出だ。
安全保障では石破首相が提唱する
「アジア版NATO構想」
や日米地位協定の改定には、非現実的との内外からの批判が上がる。
さすがに所信表明演説では封印した。
早期に軌道修正しなければ、日米同盟を揺るがしかねず、喜ぶのは中国、ロシアだ。
また外交面でも
「中国を刺激しない」
との対中姿勢など、
「軸のある」
政策が期待できるか危ぶむ声も上がる。
国内の経済政策でも増税路線や金融政策での石破首相自身の発言のブレも懸念される。
こうした軸をぶらすことが許されない政策が経済安全保障だ。
■岸田政権の評価と宿題
所信表明演説では経済安保への言及は数行に過ぎない。
能動的サイバー防御といった前政権の仕掛かりの引き継ぎ≠セけだ。
3年前の岸田政権発足時にはどうだったか。
経済成長戦略の柱の1つとして経済安保を位置付け、新設の担当大臣や法案策定まで言及した。
単なる
「文章上の差」
であればいいが、
「意気込みの差」
であってはならない。
取り巻く国際情勢はますます厳しくなっている。
まず岸田政権での経済安保政策を総括しよう。
結論から言えば、中国リスクを念頭に着実に進展した。
「戦略的自立性」

「戦略的不可欠性」
を2大目標に掲げ、世界に先駆け
「経済安保推進法」
を制定し、懸案の
「セキュリティ・クリアランス制度」
も実現した。
半導体など戦略物資の産業基盤への大胆な支援にも踏み切った。
経済安保の国際連携も進んだ。
米欧など2国間だけでなく、先進7カ国(G7)、日米豪印4カ国(クアッド)、インド太平洋経済枠組み(IPEF)でも重要テーマで、いずれも日本が貢献し、
「重層的な国際連携」
を担う。
ただし積み残した課題は多い。
国内の課題は前述の能動的サイバー防御の導入だけではない。
データの漏洩防止や信頼性の担保など
「データ・セキュリティ」
も重要だ。
また本稿でも累時取り上げてきたが、歴史的な転換期を迎えた輸出管理の再設計、綻びが露呈した投資審査の補強も重要課題だ。
さらに官民の経済インテリジェンスの強化も急務だ。
決定的に不足する専門人材の育成や、シンクタンクやリスク分析など関連産業も含めた
「コミュニティの形成」
も必要だ。
取り巻く国際環境はどうか。
中国を巡る経済安保リスクは
「モノの依存」
「技術の流出」
だが、この3年でより深刻になっている。
■ミドルパワーとしての役割
中国は戦略産業の自前化戦略を加速している。
そのボトルネックになっている技術の入手に手法も巧妙化する。
国産化できると巨額の補助金で過剰生産し、安価な製品で海外市場を席巻する。
他国産業に致命的なダメージを与え中国依存状況を戦略的に作り出す。
太陽光や蓄電池、汎用半導体でも同様だ。
これは
「経済の武器化」
につながり、各国共通の懸念だ。
2023年はガリウム、黒鉛など重要鉱物の輸出を規制し、今後さらに拡大する懸念がある。
戦略産業では米中両大国による
「産業政策の大競争」
も起こっている。
それに伴い保護主義のリスクも顕在化した。
米国のインフレ抑制法(IRA)のように、巨額の補助金や税制による自国への産業囲い込みの動きだ。
こうして大国が巨大市場を背景にパワーゲームを繰り広げる中で、日本はミドルパワーの国として、ルールによる国際秩序を志向する。
その際、途上国(グローバルサウス)も含めた仲間づくりがカギになる。
これらの国々は中国による過剰供給の被害者でもある。
対米不信の国も少なからずあり、日本が米欧との橋渡し役として果たす役割は重要だ。
■「公正」のルール主導を
こうしたルールによる国際秩序の焦点は
「公正な貿易」
のルール作りだ。
単なる自由貿易だけを掲げて済んでいた時代ではもはやない。
しかも中国は言行不一致の
「エセ自由主義」
だ。
中国による市場を歪曲する不公正な政策・慣行が、過剰生産と中国への過剰依存を招いている。
それを解消する
「デリスキング(リスク軽減)」
が重要だが、そのために国内の戦略産業の基盤を強化する。
そうした供給面と同時に、需要面でも価格だけでなく
「公正さ」
も考慮した製品市場を作ることが肝要だ。
具体的には人権や環境、さらには供給遮断、情報漏洩のリスクなどへの信頼性だ。
しかも巨大市場の米欧を巻き込んで国際ルールを作ることが重要となる。
本年のG7首脳宣言ではこうしたルール作りで合意した。
石破新政権が取り組むべきはその具体化だ。
重要鉱物、汎用半導体、医薬品など戦略分野ごとに、日本がルール作りを主導する重責を担う。
こうした内外の課題は多面的で多くの省庁に関わる。
経済安保担当大臣任せではいけない。
石破首相自身のやる気と覚悟が問われている。

「防衛シフト」の石破政権 安全保障に精通した議員を要職起用 現実路線で対中抑止を
2024/10/9 6:00
https://www.sankei.com/article/20241009-RYPOGACQBRNERI5WD7MFPFJZQY/
石破茂新政権が1日に発足した。
日本は今、戦後最も複雑で厳しい安全保障環境に置かれている。
特に中国は、自民党総裁選最中の
「政治空白」
に合わせて日本周辺での軍事活動をあからさまに活発化させている。
中国と軍事的連携を強めるロシア、弾道ミサイル発射を繰り返す北朝鮮の動向も予断を許さない。
日本自らの防衛力に加え日米同盟、同志国との連携を強化し、如何に抑止力・対処力を高めるか。
首相の指導力が問われる。
■党要職に防衛相経験者
「これだけ安保政策が前面に出て、注目される新内閣は珍しい」。
石破政権発足後、防衛省幹部はこう漏らした。
防衛庁長官、防衛相をそれぞれ経験し、安保政策通を自任する首相をトップに、外相には岩屋毅氏、防衛相には中谷元氏、自民党政調会長には小野寺五典氏と政府、党の要職にいずれも防衛相経験者を充てた。
加えて首相の側近となる政務担当の首相秘書官2人のうち1人には槌道明宏元防衛審議官を就けた。
槌道氏は昭和60年に防衛庁(当時)に入庁し、石破氏の防衛相時代の秘書官を務めた経験がある。
防衛政策に明るい人材で脇を固める石破政権の布陣は、日本が置かれる厳しい安保環境に対する危機感の表れとも見て取れる。
首相は自民党総裁選で、
「アジア版NATO(北大西洋条約機構)」
の創設や日米地位協定の改定、米国内の自衛隊訓練基地設置など独自の安保政策を掲げたが、その実現性については懐疑的な指摘が相次いだ。
首相は7日の衆院代表質問で、アジア版NATOについて
「私自身の一国会議員としての考えを述べてきたが、一朝一夕で実現するとは当然思っていない」
と語った。
4日の所信表明演説でも、アジア版NATOの他、地位協定の改定や米国内の自衛隊訓練基地設置には触れなかった。
7日の衆院代表質問では
「一国の首相としてまずは喫緊の安全保障上の課題に取り組んでいく」
とも強調し、現実路線にシフトしつつあるようだ。
■台湾有事は「重要影響事態」
石破政権にとって中国の軍事的脅威にどう対抗するかは重要課題の1つとなる。
日本は自民党総裁選と衆院解散・総選挙、米国は大統領選の最中にあって、日米でそれぞれ
「政治的空白」
が生じる隙を突いて、中国は軍機による初の領空侵犯や領海侵入、空母による初の接続水域侵入など挑発行動を繰り返した。
日本政府は対抗措置として9月、海上自衛隊の護衛艦による初の台湾海峡通過に踏み切った。
中国は猛反発し、軍事的挑発を更に強める恐れがある。
昭和29年の自衛隊創設以来、初となる海自艦艇による台湾海峡の通過は、日本としても中国大陸と台湾を隔てる台湾海峡の安定重視を打ち出すため、政府内で検討されてきたが、尖閣諸島(沖縄県石垣市)などで中国の挑発活動がエスカレートする事態を懸念し、見送ってきた経緯がある。
日本にとって海自艦艇の台湾海峡通過は
「切り得る最大のカードのうちの1つ」(自衛隊幹部)
であり、今後中国に対し毅然とした態度を示しつつも、軍事的緊張を激化させないためにどう対応するかは大きな課題となる。
中国の習近平国家主席は、2027(令和9)年までに台湾侵攻の準備を完了させるよう指示したとされ、この期間は首相の自民党総裁任期(9年9月末まで)と重なる。
首相は総裁選期間中のテレビ番組で、台湾有事について
「少なくとも(安全保障関連法で定められた日本の平和と安全に重要な影響を与える)重要影響事態だ」
との認識を示した。
■実効的な対応が求められる
約3年に及んだ前の岸田文雄政権は、国家安全保障戦略など安保3文書を策定し、防衛費の大幅増額や反撃能力(敵基地攻撃能力)の保有を決定した。
防衛装備移転に関する規制も緩和し、地対空誘導弾パトリオットを米国に輸出するなど日米同盟の強化に努めた。
オーストラリアや英国など同志国との防衛協力も積極的に進めた。
念頭にあったのは対中包囲網の構築だ。
「自由で開かれたインド太平洋」
を唱えた安倍晋三元首相以降、岸田氏にまで引き継がれた外交安保政策を継承、発展させ、台湾の武力統一も見据えて軍事活動を活発化させる中国をどう抑止するか、実効的な対応が求められる。

<主張>代表質問 安全保障の論議不十分だ
社説
2024/10/9 5:00
https://www.sankei.com/article/20241009-N3ZCWLPEKJIFNBCCPHJ3MP7ZMA/
石破茂首相の所信表明演説への国会の代表質問が終わった。
政権選択選挙である衆院選を前にした国会である。
「政治とカネ」
を巡る問題が盛んに議論された。
その一方で、日本の独立と繁栄の基盤となる安全保障の論議が深まらなかったのは残念だ。
自民党議員は中国軍の領空侵犯や領海侵入、空母「遼寧」の接続水域航行、ロシア軍の領空侵犯を取り上げ、小野寺五典政調会長は
「国民の命と暮らし、領土・領海・領空を守り抜く」
ことを求めた。
日本維新の会の馬場伸幸代表は台湾有事について質した。
首相が最近の著書で
「『台湾有事、即日本有事』となる可能性は相当低い」
と指摘しているからだ。
馬場氏は
「対中抑止力や国民の国防意識を削ぐことになる」
と懸念を示した。
首相は
「仮定の質問に答えるのは差し控える」
とした上で
「台湾海峡の平和と安定は国際社会の安定にとっても重要だ」
と指摘した。
国防の決意と具体策をもっと語る必要がある。
物足りなかったのは野党第一党の立憲民主党である。
野田佳彦代表が首相のアジア版NATO(北大西洋条約機構)構想に関し
「日米同盟の抑止力に疑念があると思われかねない」
「非現実的ではないか」
と疑問を呈したのは妥当である。
だが、立民として日本をどう守るつもりかを語らなかった。
対中認識を含む現下の国際情勢に対する見方も示さなかった。
田名部匡代参院幹事長はロシアに侵略されたウクライナで、なぜ抑止力が効かなかったのかを質した。
ウクライナ問題を論ずるのではなく、アジア版NATOを巡る首相の言行不一致を引き出したかっただけのようだ。
安保政策を十分語らずに政権交代を迫っても、説得力は感じられない。
憲法改正については自民、立民、維新などが質問した。
首相は緊急事態条項の創設や自衛隊明記について、自民内の議論を
「後戻りさせることなく、前に進めていく決意だ」
と語った。
同時に、任期中に国会への発議を実現したいとし、憲法審査会で議論を深めるよう求めた。
ただ、それだけでは足りない。
首相や憲法改正に前向きな政党は、どの項目をいつまでに条文化したいのかを明らかにすることも重要である。

首相、世論と党内融和で板挟み 「聞く力」発揮は 衆院選結果次第では「石破降ろしも」
2024/10/8 6:00
https://www.sankei.com/article/20241008-ZVRGPKMP4FIUHGX35IF7KBFX7U/
石破茂首相(自民党総裁)は就任後初の視察先として、1月に地震、9月には記録的な豪雨に見舞われた石川県に赴き、被災者の声を聞いて回った。
先の党総裁選の討論会やテレビ番組では得意な論戦で
「語る力」
が目立っていたが、視察現場では
「聞く力」
を重視した。
次期衆院選に向け派閥パーティー収入不記載事件の関係議員への厳しい対応を迫られる中、
「聞く力」
を発揮し、党勢を立て直すことができるのか注目される。
■正座で被災者に寄り添い
「国も、ちゃんと分かってくれとるね、と実感してもらわんといけんと思っとるんですよ」。
首相は5日、同県輪島市内の避難所を訪れ、高齢の被災者らに、こう語りかけた。
防災庁創設を掲げ、避難所の環境改善を訴えてきた首相は、被災者に食事の内容やコンテナ型トイレの使用感などを熱心に聞き取った。
その間、正座で被災者と向き合い、
「困ってる、なんとかならんか、ということがあったらおっしゃってください」
と柔和な表情で繰り返し声をかけた。
首相はこの日、午前9時ごろに能登空港(同県輪島市)に到着すると、政府専用車両ではなく、大型バスに随行の首相秘書官らと乗り、被災現場や避難所を回った。午後4時半ごろに同空港を発つまでに7カ所回った。
震災の被害が甚大だった同県珠洲市内の避難所でも、
「(今も)飲み水はペットボトルですか」
「携帯電話はすぐに通じるようになったのですか」
などと質問し、被災者に寄り添った。
■「自己満足にひたっていてはいけない」
視察先で
「聞く力」
をアピールした首相だが、ライフワークとする安全保障分野や憲法改正の議論ではこれまで持論を展開してきた。
党や政権に物言う姿勢を貫き、世論調査での人気は高いが、党内では
「後ろ足で砂をかける」
「後ろから鉄砲を撃つ」
との評価が付きまとってきた。
平成21年の麻生太郎内閣末期に急先鋒で
「麻生降ろし」
を始めたのは首相だった。
先の党総裁選で麻生氏が石破氏ではなく高市早苗前経済安全保障担当相を支援したのは、この時に出来た溝が原因だ。
首相自身も
「後ろから鉄砲を撃つ」
という評価については自覚があり、5度目の挑戦となった先の党総裁選期間中の産経新聞の単独インタビューでは、
「『俺は正しいことを言っている』という自己満足に浸っていてはいけない」
と言及。
「原理原則論」
を前面に押し出す言動を控えた。
実際、首相就任後は自身が提唱してきた
「アジア版NATO(北大西洋条約機構)」
創設や日米地位協定の改定に関し、党内や関係各所との合意を得る努力を進めていくとの考えを示した。
また、総裁選では賛意を示した選択的夫婦別姓制度についても党内に根強い反対意見に配慮し、今は慎重姿勢を取る。
■不記載議員の公認問題で安倍派は不満
「石破カラーを出すと党内から怒られる」
就任当初、こう漏らした首相は、野党からの
「これまでの発言からブレた」
との批判も甘んじて受け、党内融和に腐心してきた。
しかし、次期衆院選に向けた派閥パーティー収入不記載事件の関係議員の公認を巡っては、厳しい判断を迫られた。
「政治とカネ」
を巡り世論の逆風が止まない中、首相は7日、政治資金収支報告書に不記載が確認された議員を次期衆院選で公認した場合でも、比例代表との重複立候補を認めない方針を決め、非公認の対象も広げた。
党内には世論の声を聞いた首相の決断を評価する声がある一方、不記載事件に関与した議員が多い旧安倍派からは恨み節が漏れる。
旧安倍派の中堅議員は
「首相との間にしこりは残るに決まっている」
「もう修復は出来ないよ」
と吐き捨てる。
総裁選で首相と争い、首相とは異なる保守的な政治信条を持つ高市氏や小林鷹之元経済安保担当相も首相の提示したポストを固辞するなど距離を置く。
報道各社の世論調査で総裁に相応しい候補として上位を維持してきた首相だが、首相就任後の各社の調査では内閣支持率は50%前後にとどまった。
次期衆院選の結果次第では党内で
「石破降ろし」
が始まりかねない。
首相は世論の期待と党内融和の狭間で難しい政権運営を強いられそうだ。

石破首相は「2代目検討使」「岸破%煌t」 国民・玉木雄一郎代表が皮肉
2024/10/7 21:35
https://www.sankei.com/article/20241007-DU4WL3DGINJ7VB2YMMNEFVTHRU/
国民民主党の玉木雄一郎代表は7日、衆院本会議の代表質問で
「検討する」
との答弁を連発した石破茂首相を皮肉った。
岸田文雄前首相が
「検討使」
と揶揄されたのを引き合いに
「第2次検討使が派遣され、2代目を襲名したようだ」
と国会内で記者団に語った。
両氏の名前をもじり
「『岸破内閣』という感じだ。中身が全く一緒だ」
とも述べた。
更にに、ガソリン税を一部軽減する
「トリガー条項」
の凍結解除などの答弁が岸田氏と同じだったと指摘。
「石破カラーを感じられない官僚答弁だった」
「石破氏の着ぐるみを着た岸田氏かと思った」
と語った。

<主張>不記載議員対応 またもや「言行不一致」か
社説
2024/10/8 5:00
https://www.sankei.com/article/20241008-VVITD4HYDZJN3DGCSNBHI6GB44/
石破茂首相(自民党総裁)と党執行部が、派閥パーティー収入不記載に関係した同党衆院議員らへの衆院選対応を決めた。
不記載議員を選挙区で原則公認する一方、比例代表への重複立候補は認めない。
旧安倍派幹部3人に加え、国会の政治倫理審査会(政倫審)に出席していない旧安倍派、旧二階派の議員3人も公認を見送る。
首相は
「国民の不信や怒りにきちんと対応することが必要だ」
と語った。
今回の措置は、議員の政治生命に関わる方針転換である。
衆院選で苦戦を強いることを見越した選挙目当ての策と言える。
党執行部は当初、重複立候補を認める構えだった。
首相は言行不一致と指摘されても仕方のない行動にまたもや走ったことになる。
首相は総裁選時に、今回のような措置を講ずると語っていなかった。
出馬表明時こそ
「公認するに相応しいかどうかの議論は徹底的に行われるべきだ」
と非公認の可能性に言及したが批判を浴びて軌道修正していた。
総裁選時に何も語らずに議員に支持を求め、当選したら掌返しをするのは総裁選という選挙を軽んじている。
騙し討ちのような手法は感心しない。
総裁選の公約で
「不記載議員1人1人と向き合い厳しく反省を求める」
と明記したが、当選後にそれを行っている形跡もない。
首相は議員への聞き取りについて
「厳しい時間の制約はある」
と述べて消極的だ。
だが、前言を翻して予算委員会を開かず衆院解散を急いでいるのは首相ではないか。
石破内閣への世論の視線は厳しい。
早期解散に走ったり、総裁選で掲げた主要政策を次々に軌道修正したりした言行不一致や、挙党体制を取らない組閣などが響いている。
いずれも首相自身が招いた事態である。
強引な衆院選対応を決めても党の団結を損なう。
また、有権者の心にどこまで響くかは不透明だ。
公認基準を巡っても解せない点がある。
「党役職停止」
処分中の議員のうち、政倫審で説明した議員は非公認の対象から除いた。
政倫審で弁明はあったが、それで事件が解明されたとは到底言えない。
石破首相と自民に求められるのは、なぜ事件が起きてしまったかを説明することだ。

無役の自民・高市早苗氏にSP 衆院選期間中、加害予告の投稿受け異例の対応
2024/10/7 18:59
https://www.sankei.com/article/20241007-6TNQSVIATJKIRCGC6OC5HHMJBM/
衆院選(15日公示、27日投開票予定)の選挙運動期間中、自民党の高市早苗前経済安全保障担当相が警護対象者となり、SP(警護官)がつくことが7日、わかった。
インターネット上に高市氏に対する加害予告の投稿が発見されたためで、政府や党の要職についていない
「無役」
の議員が警護対象になるのは異例となる。
高市氏周辺によると、総裁選の1回目の投票で首位だった高市氏には党所属議員から衆院選の応援要請が殺到しており、全国各地で応援演説を行う予定だ。
だが、関係者によると、警察当局によるサイバーパトロールで、高市氏に危害を加えるとの趣旨の投稿が複数確認された。
国内外で要人襲撃事件が相次いでいることもあり、SPがつく異例の対応が決まった。

まさかの低支持率「石破政権」いきなりヤバい理由
国民人気は高いと思われていたのに何が?
安積 明子 : ジャーナリスト
2024/10/7 11:50
https://toyokeizai.net/articles/-/832155#:~:text=%E3%81%BE%E3%81%95%E3%81%8B%E3%81%AE%E4%BD%8E%E6%94%AF%E6%8C%81%E7%8E%87%EF%BD%A2%E7%9F%B3
10月1日に発足した石破政権だが、滑り出しがよくない。
各社が行った世論調査でも、第1次安倍政権以降の10の政権の中で石破政権はおしなべて9位を占めた。
なお支持率最下位の麻生政権のときに、自民党は下野している。
■「国民人気はある」と認知されていたが…
まさかの数字に驚愕したのは、石破茂首相だけではないだろう。
自民党内で石破首相は、
「党内では人気がいまいちだが、国民には人気がある」
と認知され、長らく本人もそれを自負していたに違いない。
石破首相は2012年の総裁選の1回目の投票で165票という大量の党員票を獲得し、故・安倍晋三元首相らを押さえて1位に躍り出たからだ。
だから9月27日の総裁選で、高市早苗前経済安全保障担当相が109票の党員票を獲得し、たとえ1票差とはいえ石破首相を上回った時、大きなショックが広がった。
決選投票前の演説で、うなだれる石破首相とは対照的に高市氏がはしゃいでいるように見えたのも、それが一因だったかもしれない。
しかし、決選投票で石破氏は議員票を143票伸ばし、都道府県連票を含めた全体では高市氏を21票差で下して勝利した。
「差はそれほど大きくない」
「10人ほどがひっくり返れば、結果は逆になったはずだ」。
ある自民党議員がそう言った。
確かに1回目の投票で投じられた46票の議員票は別として、決選投票で石破首相に追加に投じられた143票の議員票すべてが
「石破氏でなくては絶対にダメ」
というわけではなかっただろう。
だからこそ石破首相は
「党内の和」
を第一とし、森山裕幹事長を任命した。
次期衆院選での裏金議員の処遇についても、一時は
「原則公認」
との姿勢を示したのも、それ故だろう。
しかし国民は忘れてはいない。
石破首相は8月24日に総裁選への出馬を表明した際、確かにこう言ったのだ。
「自由民主党公認候補として、公認するに相応しいかどうか」
「そういう議論は選挙対策委員会で徹底的に行われるべきだと思っています」
場所は鳥取県八頭町の和多理神社で、石破首相の生家に近く、幼い頃の遊び場でもあった。
社を背に話す石破首相の表情は、今回の総裁選を最後とする決意が滲み出ていた。
■「早期解散」の動きには抗えなかった
しかし、徹底的な検証には時間がかかる。
既に自民党では、小泉進次郎選対委員長が総裁選で勝利した場合の
「衆議院の早期解散」
が決まっていた。
「人気のあるうちに衆院選を行ってしまおう」
という魂胆だが、実はこの後に続きがある。
「次期参院選までは(人気が)持たないので、それまでにもう1度、総裁選が行われる」
というものだ。
実際には石破首相が勝利したものの、党内基盤が弱い石破首相は
「早期解散」
の動きに抗することができなかった。
また裏金議員の処遇についても総裁選で宣言したような措置は取れず、
「原則公認」
と後退した。
しかし世論はそれでは納得できない。
5日夜に自民党本部で森山氏や小泉氏が集まり、能登の被災地視察から戻ってきた石破首相も合流した。
そして翌6日午後、石破首相は党員資格停止処分を受けた議員、および役職停止中で、政倫審で説明していない議員を非公認とすると共に、説明責任を果たさず地元の理解が得られていない議員についても公認しないことを発表した。
同時に処分を受けなかった議員など40人については選挙区での公認を認めるが、比例重複は認めないことも決定。
選挙基盤が弱い議員にとっては厳しい措置となった。
風を変えたのは選対委員長の小泉氏だと言われる。
小泉氏は同日午後、東京・江東区で行われた街頭演説会で
「自民党が自らに鋭いメスを入れ、失った信頼を再び築き上げる覚悟を持って国民と向き合う選挙にしなければならない」
と訴えた。
■「絵に描いた餅」状態になっていないか
それでも怒りに震える国民にとっては、物足りない処分だろう。
第1、石破首相の行動に覚悟が見えないのだ。
その1つが10月4日に発表された内閣の布陣で、加藤勝信財務相や平将明デジタル相にはそれなりの方向性が見えるものの、全体的には何をアピールしているのかが不明だ。
大体
「若者・女性の機会を守る」
を含む5つの
「守る」
を石破首相が宣言していながら、女性閣僚がたった2人では”有言不実行”と言えまいか。
また、総裁選投票日にアメリカの保守系シンクタンク、ハドソン研究所のホームページに掲載された
「日本の外交政策の将来」
と題した寄稿では、
「アジア版NATO(北大西洋条約機構)」
の設立や、日米安保条約、日米地位協定の改定が提唱されたが、多くの専門家に一笑に付されている。
そしてこれらは
「軍事オタク」
として知られる石破首相の目玉政策とされるべきものだったにもかかわらず、所信表明では一切触れられていない。
要するに総裁選初出馬から16年を経て、念願の総理総裁になったものの、石破首相は政策についても、仲間作りについても、ほとんど準備をしていなかったということになる。
そもそも総裁就任と同時に、株価が大暴落。
これが弱気の始まりだと思われるが、石破首相が目指す国民の
「納得と共感」
を得るためには数々の試練を潜り抜けなくてはいけない。
■注目される財政政策
石破氏自身は財政再建派だが、まずはデフレ脱却のために増税路線を封印すべきではないだろうか。
それには国が金を吸収するのではなく、むしろ民から民へ金をまわす施策を考える必要がある。
石破首相は総裁選の最中に、金融所得課税増税や法人税増税を口にしたが、もしそうした直接税を増税するのなら、消費税など間接税引き下げの議論があってもいい。
実際に消費税の税収は2004年度予算で23.8兆円にものぼり、過去最高額となっている。
減税により消費が喚起されれば、大きく減じる危険もない。
既に
「短命政権」
との声も出ている石破政権だが、たとえ党内基盤は弱くても、国民の支持があれば存続できる。
そのためには各界からの優秀なブレーンとともに、石破首相が
「聞く耳」
を広く持つことも必要だろう。

石破内閣支持率53・3% 不記載議員「公認すべきでない」47・4%
産経・FNN合同世論調査
世論調査
2024/10/7 11:54
https://www.sankei.com/article/20241007-44ZLILCISZOCBIC6AHZR3OL7ZQ/
産経新聞社とFNN(フジニュースネットワーク)が5、6両日に実施した合同世論調査で、1日に発足した石破茂内閣の支持率は53・3%、不支持率は35・8%だった。
支持率は岸田文雄内閣の最後となった前回調査(9月14、15両日)から27・6ポイント上昇して5割に乗せた。
一方で、令和3年10月の岸田内閣発足時(63・2%)と比べると9・9ポイント低かった。
石破内閣を「支持する」と回答した人を対象に理由を聞いたところ、「他によい人がいないから」が32・2%で最多。13人が初入閣となった石破内閣には「期待しない」(49・3%)との回答が「期待する」(43・1%)を上回った。
取り組んでほしい政策に関する質問(2つ選択)では「物価高・賃上げ対策」が39・5%でトップ。「経済対策・景気対策」(35・0%)▽「年金・医療・介護」(27・3%)▽「子供・子育て支援」(24・9%)−などと続いた。
また、首相が今月27日に投開票を行うと表明した衆院選のタイミングについては「国会論戦を行った後、年内にやるべきだった」が39・8%に上った一方、「適切だ」は24・0%にとどまった。自民が派閥のパーティー収入不記載事件で不記載が指摘された議員らを公認してよいかについて尋ねたところ、「公認するべきではない」が47・4%(前回比4・2ポイント減)で最も多く、次いで「説明責任を果たせば公認してよい」が42・5%(同2・6ポイント増)。
「公認してよい」は6・9%(同0・6ポイント増)にとどまった。
一方、先月23日の立憲民主党代表選で勝利した野田佳彦代表に「期待する」との回答は49・6%だったのに対し「期待しない」は44・0%。次期衆院選で与党に対抗するために野党は候補者を一本化すべきか尋ねたところ、「一本化すべき」が51・7%(同3・5ポイント増)となった。
ただ、次期衆院選後の政権については「自民、公明中心の政権の継続」が53・1%(同5・2ポイント増)で、「今の野党を中心とした政権交代」の35・3%(同5・9ポイント減)を上回った。次期衆院選の比例代表の投票先では、自民34・1%(同1・1ポイント増)▽立民13・0%(同0・7ポイント増)▽日本維新の会5・3%(同0・7ポイント減)▽公明党3・9%(同0・2ポイント増)▽共産党2・2%(同0・7ポイント減)▽国民民主党2・0%(同0・4ポイント増)−などの順となった。
調査では内閣支持率に関し、答えが不明確な場合は「どちらかと言えば」と再度、質問して回答を得た。

石破茂氏、新首相に就任 米紙、日米の緊張を予測 韓国紙、首相の歴史認識を総じて歓迎
世界の論点
2024/10/7 10:00
https://www.sankei.com/article/20241007-3FUSPZIZPFJIDMVN6QIJPB5WJ4/
自民党の石破茂氏が1日、新首相に就任した。
石破氏はかねて、
「アジア版NATO(北大西洋条約機構)」
創設などを主張してきたことから、米メディアは日米間に緊張が走ると予測している。
韓国メディアは、石破氏の歴史認識を総じて歓迎。
ただ、アジア版NATO構想には、保革双方から懸念の声が出ている。

■同盟に緊張 中国と衝突危惧(米国)
複数の米メディアは
「アジア版NATO」
創設や日米地位協定の見直しなどを主張する石破茂新首相の外交安全保障政策により、日米間に緊張、日中間では衝突が起きる懸念を指摘した。
石破氏が故安倍晋三元首相に批判的で、党内で異端視されてきた経緯を紹介するメディアもあった。
米紙ウォールストリート・ジャーナル(電子版)は9月27日、防衛相も務めた石破氏が日米同盟を不平等な関係と考え、同盟関係の再構築を望んでいるとして、
「ワシントン(米政府)との間で緊張が起きる予感がする」
と伝えた。
日米安保条約では、日本が攻撃された場合、米国に日本支援のため駆け付ける義務があるが、日本には同様のことが求められていない。
一方、日本が約5万5千人の米軍を国内に受け入れ、在日米軍駐留経費の日本側負担(思いやり予算)は経費全体の75%に上る。
同紙は、石破氏が
「同盟の非対称的な側面に苛立っている」
と指摘。
同盟の
「基本的な構造」
を変えることなく、防衛費の増額に取り組み、米国との関係深化を図ってきた安倍氏や岸田文雄前首相と
「異なる立場」
を示すのが石破氏だと評した。
自民党総裁選の期間中、石破氏が
「米軍機が日本で墜落した場合など、日本の米軍基地への立ち入りや装備品への接触を制限する条約上の制限に異議を唱えている」
と、懸念も滲ませせた。
米誌タイム(電子版)は9月27日、石破氏について、日本による韓国併合の「過ちを認める」数少ない政治家の一人で、「独特で異端な一面がある」とし、韓国との関係強化を重視している政治家だと論じた。一方、アジア版NATO創設を推進するなら、「北京(中国政府)との衝突は避けられない」と予測した。
AP通信は9月27日、石破氏が安倍氏による「タカ派政治」を声高に非難し、党内の一部から長年、「面倒な部外者」扱いをされてきたと紹介。石破氏が米国内に自衛隊の訓練基地を置く構想など、「より平等で双務的な」日米同盟の構築を目指していると指摘した。また、アジア版NATOの創設を提唱する石破氏について、「米国が日本に求める範囲を超える安全保障に関する考えを持つ」とする日本人有識者のコメントを紹介。「実現可能性」に疑問を呈した形だ。一方、「日米の外交安保関係に変化が生じるとは思わない」との同有識者の見方も伝えた。(岡田美月)

■歴史認識で歓迎 安保は懸念(韓国)
石破茂氏の首相就任に関し、韓国では
「右翼勢力と違う歴史認識を持つ政治家」
として保守・革新両陣営から歓迎の声が相次いだ。
一方、中国への牽制を念頭に「アジア版NATO」を創設し日韓の防衛協力強化を図る石破氏の安全保障構想に対しては、保革双方で懸念の声が相次いでいる。
石破氏は2017年、韓国紙のインタビューで日韓間の歴史認識問題について問われ、
「(韓国側の)納得を得られるまで謝罪し続けるしかない」
と発言。
韓国では
「周辺国との関係を重視する穏健派」(革新系の京郷新聞)
と評価されてきた。
石破氏について今回、保守系の中央日報は社説で
「韓日関係をこじらせてきた歴史認識で前向きな態度を見せてきた」
と評し、2023年以降の両国関係改善がさらに進展することへの期待を示した。
革新系のハンギョレ紙も社説で
「安保問題に専門的見識を持つ保守政治家として知られ、歴史問題でも合理的な見解を明らかにしてきた」
と好意的に紹介した。
キリスト教徒の多い韓国では、石破氏が日本では少数派のクリスチャンであることに着目する報道も目立った。
夕刊紙、文化日報は、歴史認識で石破氏が「反省」の意を繰り返し示してきたことについて
「日本のキリスト教会の考えが影響を及ぼした」
と分析。
靖国神社参拝に否定的な態度を示す理由の1つに、石破氏の信仰を挙げる専門家の談話も紹介した。
一方、アジア版NATOの創設や米国との核兵器共有に前向きな石破氏の安保政策には、各紙の評価が分かれた。
中央日報社説が日米韓の安保協力強化を課題に挙げ、石破氏と尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領による
「ウィンウィン」
の協力加速に期待を示したのに対し、同じ保守系の朝鮮日報は
「アジア版NATOに参加する国はほとんどなく、米国が日本と核共有に直ちに乗り出す可能性もない」
と断じた。
ハンギョレは、韓国に対する
「謝罪と反省」
に進展がなければ
「中国を排除して韓国と事実上の軍事同盟を結ぼうという意見に同意する韓国人はほとんどいない」
とし、アジア版NATOの議論が進めば
「韓日の摩擦は避けられない」
との見通しを示した。
保守系・東亜日報の東京特派員は、石破新政権が歴史認識問題で歩み寄りつつ共同防衛への参加を韓国に提案すれば、韓国はより複雑な判断を迫られると指摘。
親日的で
「眉をひそめるほど純真」
な尹政権与党と、親中に振れる野党以外の選択肢がない状況に
「韓国国民は冷や汗をかいている」
と訴えた。

自民に激震「比例重複認めず」 非公認対象広がる 党勢後退すれば首相の責任問題も
2024/10/6 20:15
https://www.sankei.com/article/20241006-DWEKPHC3DFPW7OQQ3KTHK2NZI4/
石破茂首相(自民党総裁)が政治資金収支報告書に不記載が確認された自民党議員を次期衆院選で公認した場合でも、比例代表との重複立候補を認めない方針を固めた。
重複立候補できない非公認の対象も従来より広がる。
衆院選を前に有権者の不満を抑える狙いがある。
ただ、当選の確率が下がるだけに自民議員の動揺は激しい。
]深刻な党勢後退を懸念する声も強まっている。
「(世論調査などで)地元から説明責任が評価されていないと判断された議員は非公認となる」
「厳しい判断だ」。
自民幹部は首相の決断についてこう語った。
自民の森山裕幹事長は4日、派閥パーティー収入不記載事件で処分した衆院議員をめぐり、原則として公認する意向を示していた。
既に不記載事件への党の処分が下された中、非公認が
「2重処分」
に当たるとの指摘もあった。
非公認となればテレビの政見放送でアピールできず、配布ビラの枚数も減るなど厳しい選挙戦は避けられない。
自民重鎮は
「公認問題は決着済みだと聞いていたので総裁選で首相を応援した」
「話が違う」
と語気を強めた。
不記載事件に関与した議員が多い旧安倍派を狙い撃ちした動きとの見方も広がっている。
首相は生前の安倍晋三元首相と距離があったためだ。
重複立候補の道を断たれた旧安倍派中堅は
「しこりは残る」
「政権を支えようと思っていたが無理だ」
と吐き捨てた。
「内閣支持率が期待したほど上がらなかった中で『政治とカネ』の問題に焦点を当てられてしまった」
「衆院選を見据えた苦肉の策だ」
自民関係者は首相の狙いをこう解説した。
ただ、衆院選で落選する自民議員が続出すれば、首相自らが責任問題に直面することになる。
自民の閣僚経験者は
「郵政解散で党内が割れたときは『刺客』を立てたので、減った議員数を補充できた」
「(刺客を出さない)今回はかなりの議席を減らすのではないか」
と呟いた。

石破首相 党員資格停止議員など非公認の方針 強い反発も
2024年10月7日 5時54分
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20241007/k10014602761000.html
次の衆議院選挙に向けて、石破総理大臣は、自民党の政治とカネをめぐる問題で収支報告書に収入を記載していなかった議員の一部を公認しない方針を示しました。
党内からは理解を示す意見がある一方、非公認となる議員がいる旧安倍派を中心に強い反発が出ています。
石破総理大臣は6日、次の衆議院選挙に向けて、自民党の政治とカネをめぐる問題で政治資金収支報告書に収入を記載せず
「党員資格停止」
の処分を受けた議員などを公認しない方針を明らかにしました。
これにより、党から
「党員資格停止」
の処分を受けた下村元文部科学大臣、西村元経済産業大臣、高木元国会対策委員長と、1年間の
「党の役職停止」
の処分が継続していて、政治倫理審査会での説明を行っていない萩生田元政務調査会長、平沢元復興大臣、三ツ林裕己・衆議院議員の6人が非公認となる見通しです。
この他かの処分を受けた議員についても地元の都道府県連の公認申請や選挙区の情勢を踏まえて最終的に判断する方針で、公認されない議員が増える可能性があります。
また、処分の有無にかかわらず収支報告書に記載していなかった議員は小選挙区と比例代表との重複立候補を認めないとしていて、少なくとも30人を超える見通しです。
石破総理大臣は
「有権者1人1人に真摯に向き合い、国民の納得と共感を求める」
「国民の信頼を得る観点から公認権者として責任を持って最終的に判断していく」
と述べました。
今回の方針について党内からは
「これくらいの対応をしないと世論は納得しない」
など理解を示す意見がある一方、非公認や比例代表との重複立候補が認められない議員が多い旧安倍派を中心に
「既に処分が終わっているにもかかわらずゴールポストを動かすようなもので『旧安倍派潰し』だ」
など強い反発が出ています。
これに対し、野党側は7日と8日に行われる代表質問で、収入を記載していなかった議員への対応を含め、自民党の政治とカネの問題を厳しく追及する方針です。
立憲民主党の野田代表は
「このスキームでは、大半が公認される仕組みではないかと思っており、国民の理解を得ることは全然できない」
と批判しました。
石破総理大臣は、9日衆議院を解散する意向で今月27日に行われる見通しの衆議院選挙に向けて、与野党の対決姿勢が強まっています。

「不記載議員の重複立候補は認めない」衆院選公認で自民執行部が方針 石破首相の全発言
2024/10/6 17:22
https://www.sankei.com/article/20241006-ALWDRKNLWFBYBC2HYPUX6MMUMY/
石破茂首相(自民党総裁)は6日、次期衆院選(15日公示、27日投開票予定)を巡り、党本部で森山裕幹事長、小泉進次郎選対委員長と協議し、派閥パーティー収入不記載事件を受けた関係議員の公認の是非に関する方針を決めた。
「選挙における非公認」
より重い処分を受けた議員を公認しないほか、政治資金収支報告書に不記載が確認された議員については比例代表との重複立候補は認めないこととした。
非公認の対象には、党員資格停止処分だった下村博文、西村康稔、高木毅氏らが含まれる。
記者団に対する首相の発言は以下の通り。
■「相当程度の非公認生じる」
私はこれまで一貫して
「政治資金を巡る問題に対する国民の不信、怒りに対して、自民党としてきちんと対応することが必要だ」
と言ってきた。
本日、来る総選挙における、党としての対応について、方針を確認をした。
まず、小選挙区の公認について、党則で定める8段階の処分のうち、
「選挙における非公認」
より重い処分を受けた者については、非公認とする。
二、選挙の非公認より軽い処分でも現時点で引き続き処分が継続している者については、政倫審で説明責任を果たしている者を除き非公認とする。
三、処分を受けた、その他の議員のうち、説明責任が十分に果たされず、地元での理解が十分に進んでいないと判断される者についても非公認とする。
結果として、相当程度の非公認が生じることとなるが、国民の信頼を得る観点から、公認権者として責任を持って最終的に判断をしていくものとする。
■「総裁も党四役も重複立候補せず」
その上で、派閥の政治資金パーティーを巡る不記載があった、その他の議員についても、比例名簿への搭載はしないこととし、候補者が選挙区において説明責任を果たし、退路を断って、有権者の審判に当落を委ねることとする。
地元の有権者一人一人と真摯に向き合い、何としても小選挙区を勝ち抜いてくることを求めたい。
なお、党所属議員にこうした対応を取る以上、私並びに党四役についても重複立候補はしないこととする。ともに責任を果たしていく所存だ。
以上が総選挙に向けた対応の方向性だ。選挙は民主主義の根幹そのものであり、わが党所属の議員には、いかなる立場となっても有権者一人一人に真摯に向き合い、説明を尽くし、理解を得て、一票一票を積み重ねる努力を行っていくことを求めることで、党として国民の皆さんの納得と共感を求めたい。

安倍元首相存命なら困難だった石破新首相誕生 暗殺事件から2年、変質した自民党主流派
2024/10/6 10:00
https://www.sankei.com/article/20241006-YEI453KQUZD5PNTL6WB5OTHQZY/
10月1日召集の臨時国会で自民党の石破茂総裁が第102代首相に指名され、石破内閣がスタートを切った。
石破首相はこれに先立つ9月27日の自民党総裁選で第28代総裁に選出された。
総裁選では1回目の投票で過半数に達した候補者はなく、上位2人による決選投票で高市早苗前経済安全保障担当相を破った。
1回目の投票結果は高市氏が181票(議員票72、党員票109)で1位。
首相は154票(議員票46、党員票108)で、議員票、党員票ともに高市氏を下回った。
▼自民党総裁選、第1回投票結果一覧 高市氏181票、石破氏154票、小泉氏136票
ところが決選投票では首相が215票(議員票189、都道府県連票26)で、194票(議員票173、都道府県連票21)だった高市氏を下した。
この結果に交流サイト(SNS)では、
「てっきり高市氏で決まりと思っていただけに驚いた」
「1回目の国会議員の投票では高市氏が石破氏を上回っていた」
「なぜこのような結果になってしまったのか全く分からない」
といった驚きの声が多く見られた。
▼自民党総裁選決選投票の結果 石破氏215票、高市氏194票
■自民党総裁選の開票結果
しかし、舞台裏を探ると、カラクリは至極分かりやすいものだった。
1回目の投票で小泉進次郎元環境相を支持した菅義偉元首相のグループと、派内の2候補に票を分散させていた岸田文雄前首相率いる旧岸田派が、決選投票で石破首相支持に回ったことが大逆転劇を生んでいたのだ。
▼総裁選決選投票で逆転の石破氏、旧岸田派の「高市敬遠」勝因「レガシーひっくり返される」
菅氏は約7年8カ月続いた第2次安倍政権を通して官房長官を務め、安倍氏退陣後に政権を継承。
岸田氏も第2次安倍政権で外相を約4年8カ月務め、菅氏の後に政権を引き継いで安倍路線を継承してきた。
両氏が
「安倍路線の継承」
を掲げた高市氏ではなく、石破首相を支持したことは、令和4年7月の安倍氏暗殺事件から2年が経過し、自民主流派の政策が大きく変質したことを意味する。
石破首相の政策は、安倍氏に代表される自民党保守派とは大きな距離感があった。
総裁選期間中、首相は選択的夫婦別姓の導入について
「夫婦が別姓になると家族が崩壊するとか、よく分からない理屈があるが、やらない理由がよく分からない」
と賛成の意向を表明。
エネルギー政策では出馬会見で
「原発をゼロに近づける努力を最大限する」
と訴えた。
外国人材の受け入れに関しても、総裁選の9候補を対象に共同通信が9月20日に集計した政策アンケートで
「国内の雇用・労働環境への影響に配慮して進める」
と回答している。
▼新総裁の石破氏 政治とカネに厳しく、選択的夫婦別姓賛成、外国人材受け入れ「進める」
さらに安定的な皇位継承を巡り、令和2年には前例のない
「女系天皇」
を選択肢から排除しない考えを示している。
▼自民総裁選候補共同会見 9氏は男系継承重視 石破氏は「女系天皇」含み
安倍氏は第2次政権発足時こそ石破首相を幹事長に起用したものの、その後はこうした考え方の違いもあって政権の中枢から遠ざけてきた。
その流れは安倍氏と蜜月≠セった菅、岸田両氏の政権でも長く続いてきたが、今回はその菅、岸田両氏が石破首相支持へ舵を切ったことになる。
岸田前政権で非主流派だった菅氏は石破政権で副総裁に就き、主流派入りを果たした。
岸田氏は自身の経済政策の継承を石破首相に約束させ、内閣の要の官房長官ポストに旧岸田派ナンバー2の林氏を残留させることに成功した。
いずれも石破首相を誕生させることで十分な
「政治的見返り」
を得た形だ。
▼【動画】石破茂新内閣が正式発足 林官房長官が閣僚名簿 皇居で首相任命式、閣僚認証式
ただ、こうした政局的な背景は国会の外にいる一般国民には見えにくい。
それが総裁選での石破首相勝利を巡る前述の驚き、違和感に繋がっているのだと思う。
首相は自民党の勝利を狙って9日に衆院を解散する。
ただ、総裁選結果を巡る国民の違和感がいつまでも解消されないようだと、支持拡大への足枷となりかねない。
もちろん、首相勝利の背景が明確になることによって、逆に支持離れが広がる可能性もある。

田村秀男「お金は知っている」
石破首相「成長派」への変身は本物か 岸田前政権の戦略継承、財政出動へ官僚の圧力はね返せるか 長年、反アベノミクスの言動も
2024.10/4 06:30
https://www.zakzak.co.jp/article/20241004-GTJ6LR5MEFICFFM6I75DABYO5A/2/
石破茂政権がスタートした。
経済政策では脱デフレ完遂を掲げ、岸田文雄前政権の成長戦略を継承するという。
長年、反アベノミクスの言動を繰り返してきた石破さんの成長派への変身は本物なのだろうか。
まずは、筆者と石破さんの間の秘話を紹介しよう。
2012年9月の自民党総裁選の数カ月前、筆者は東京都内で石破さんに会い、脱デフレ策を進言したが、石破さんは一蹴した。
有権者は物価の下落を歓迎し、上昇にはノーだから、まずいというのだ。
そこで、拙論は日本型デフレとは物価下落以上の幅で賃金が下がる、つまり実質賃金が下がるので、有権者のためにはならないと説明したが無駄だった。総裁選では脱デフレを掲げた安倍晋三元首相に敗れた。
そして2014年1月、ある勉強会で石破さんと同席した。
石破さんは聴衆の前で
「あの時、田村さんの提言を受け入れればよかった」
とスピーチしたのには、少なからず感心させられた。
ところが石破さんはその後、いつの間にかアベノミクスの批判に終始するようになった。
財政出動に否定的で、日銀の異次元金融緩和を厳しく批判するのだ。
そして、2014年8月下旬。
石破さんのブレーンから突如、経済問題で助言を依頼された。
石破さんは産経新聞や本欄など拙論に目を通しているとも聞かされた。
ならば、とA4判で1枚程度のメモを送付した。
要点は、脱デフレ、財政出動、実質可処分所得の引き上げ、家計消費の拡大、税収増の民間への全面還元、日銀利上げの凍結などの提言である。
ブレーンからは
「石破さんはしっかりと読んでいます」
との返事。
他の識者などからも提案があるだろうから、拙メモがどの程度役立ったかは知る由もないが、9月に入ると、石破さんの発言が変わってきた。
「財政出動なければ経済が持たない」
「税増収分の防衛費や少子化対策への充当」
「最低賃金の引き上げ」
と言い出した。
9月27日の総裁選勝利後の会見では
「デフレからの脱却を完全なものにする」、
「物価上昇を上回る賃金上昇」
「海外の生産拠点の国内回帰」
を強調した。
そして、石破政権の経済財政・再生相に就任した赤沢亮正さんが日銀利上げに慎重さを求めたのは、まさに正解だ。
だが、石破政権の本気度が試されるのは、財政にある。
緊縮財政至上主義の財務官僚の執念は凄まじい。
某財務省大物OBは岸田前政権について、
「史上最悪のバラマキを行った」
「安倍政権のほうがまだましだった」
と憤懣やる方ない。
電気・ガス料金補助、定額減税などをやり玉に挙げるのだが、メディアなどから
「増税メガネ」
と揶揄された岸田さんにとってみれば、心外もいいところだろう。
岸田前政権のもと基礎的財政収支(プライマリーバランス)が大幅に改善し、来年度は黒字化が確実になっている。
財務省はそんなことには満足せず、さらなる緊縮財政と増税を石破政権に仕込む魂胆だろう。
石破さんは、財務官僚の圧力をはね返せるだろうか。
 (産経新聞特別記者・田村秀男)

NHK「放送テロ」を慰安婦問題にすりかえ 「自分党」議員に見抜けぬ中韓の歴史認識捏造
2024/10/6 6:00
https://www.sankei.com/article/20241006-MQ2TRVYGS5KLFLBGQJHFHHTG4U/
自民党はしばしば
「自分党」
と揶揄されてきた。
それが今日ほど露骨な時はない。
内閣支持率20%台を迷走した岸田文雄首相が次期総裁選不出馬を表明すると、自薦他薦の総裁候補者たちが雨後の筍の如く出現した。
そのいずれもがパーティー券問題から始まった裏金(政治資金)問題や派閥問題を語るが、派閥と政治資金は自民党政治の宿痾である。
■機能しない内閣
党勢を伸ばすには所属議員の数を増やさねばならず、それには資金が欠かせない。
その中で選出された自民党総裁が、日本国の首相になっている。
この政治システムは自分党の政権維持には都合よく機能しても、民意を国政に反映させることには向いていない。
昨今の政治不信は、日本国のリーダーを直接選べないことに起因している。
憲法第68条では国務大臣の過半数を国会議員から選ぶよう規定しているとはいえ、民間から抜擢するケースは稀れで、現内閣などは全員が国会議員である。組閣後の常套句は「適材適所」だが、実際は総裁選に協力した派閥に対する論功行賞で、多くは派閥の古参議員やかつての盟友と関係のある世襲議員である。
尖閣諸島や竹島の問題と関連して領土担当相(現領土問題担当相)が誕生したのは2013年。
だが現在まで、当該大臣が外交の表舞台で活躍したと聞いたことがない。
2024年8月19日、NHKで中国籍の人物による
「放送テロ」
が発生。
26日には中国軍の情報収集機が長崎県・男女群島南東沖の日本領空を侵犯。
31日、中国軍の測量艦が鹿児島県の口永良部島沖で日本領海に侵入。
いずれの事案でも閑職の出番はなかった。
総裁候補者たちは、この一連の妄動に非難の声を上げたというが、その
「遺憾砲」
にどれだけの意味があるのだろうか。
国家主権が侵され続ける責任の一端は自民党にある。
前回のコラムでも触れたが、中国が暴走する端緒を作ったのは小泉純一郎政権である。
2005年3月、島根県議会が
「竹島の日」
条例を制定して、竹島問題解決の糸口を掴もうとしたが、それを小泉政権が牽制し、中露政府に誤ったシグナルを送ってしまったからだ。
■安倍・岸田政権も
これは安倍晋三政権も同じである。
竹島問題では
「静かな外交」
を謳ってきた韓国が竹島問題や慰安婦問題などで対日攻勢をかけると、
「領土・主権対策企画調整室」
を開設して内外に対する情報発信に方針転換し、歴史戦の最前線から離脱してしまったからだ。
その間、韓国では政策提言機関である
「東北アジア歴史財団」
を軸に、竹島や慰安婦、いわゆる徴用工の問題などへの対応、軍艦島と佐渡金山の世界遺産登録に対する妨害などを通じて左傾化が進んでいた。
その韓国に尹錫悦(ユン・ソンニョル)政権が誕生し、左傾化した韓国社会の軌道修正に乗り出したが、岸田政権はその機を生かすこともできなかった。中国海警局の艦艇が尖閣諸島周辺の接続水域への侵入を繰り返す最中、
「自分党」
がしたことは裏金問題の弁明と派閥解消という弥縫策だった。
国民目線で見てもこの日本では危うい。
沖縄タイムスによると、石垣市議会の9月定例会ではNHKの
「放送テロ」
と関連して抗議決議案などを審議したという。
それを同紙では、中国国籍者の尖閣に関する発言よりも
「慰安婦を忘れるな」
とした慰安婦問題を主に報じ、
「民間の慰安婦はいた」
「従軍慰安婦はいなかった」
「性奴隷ではなく、しっかりお金を頂いた方たちはいた」
と発言した市議を批判的に扱っていた。
そこに
「『慰安婦か娼婦か』を問う差別的な言説だ」
「政治家としての基礎的な見識を欠いている」
とする識者を登場させ、
「河野談話」
を引き合いに出して、河野洋平官房長官(当時)は談話の中で旧日本軍の関与や強制性を認めて
「謝罪している」
と伝えた。
だがこの談話が出される前の韓国では、
「日本兵を相手にしていたのは、自尊心が許さない」
「無理やりさせられたことにしてほしい」
との声が出ていた。
河野談話は実態を調査することなく、発表されていたのである。
■負の歴史への視点
慰安婦問題が表面化した1990年代、金泳三(キム・ヨンサム)大統領が
「歴史の立て直し」
を唱え、韓国では歴史の
「修正主義」
が流行った。
それが日本の
「村山談話」
につながり、
「植民統治」
とすべき語句が
「植民地支配」
と表記され、村山富市首相(当時)も
「現在取り組んでいる戦後処理問題」

「誠実に対応」
すると誓ったのである。
だが、戦後処理問題の淵源は、戦後の日韓の国交正常化交渉にあった。
それは当時の李承晩(イ・スンマン)大統領が公海上に
「李ライン」
を設定してライン内側水域にある竹島の領有を一方的に宣言し、拿捕・抑留した日本人漁船員を盾に取った人質外交から始まった。
村山談話には、竹島侵奪を正当化する韓国側の誤った歴史認識と日本人漁船員を拿捕・抑留した負の歴史に対する視点がない。
国会議員の浅知恵では、中韓の歴史学者による歴史認識の捏造は見抜けない。

<主張>対露協力相の廃止 首相の判断を評価したい
社説
2024/10/6 5:00
https://www.sankei.com/article/20241006-WW4RIW63GVIWLARRTYIBZEWKXY/
石破茂内閣で、これまで経済産業相が兼務してきた
「ロシア経済分野協力担当相」
のポストが廃止された。
林芳正官房長官は会見で、同担当相廃止について
「石破首相が判断した」
と明らかにした。
首相の政治判断をまずは評価したい。
ロシアはウクライナ侵略を続けている。
日本はプーチン露政権に対して経済制裁を科してきた。
それと並行して、経済協力担当の閣僚ポストを存続させてきたこと自体が矛盾だった。
このポストは平成28年9月、安倍晋三首相(当時)が世耕弘成経産相(同)に兼務させる形で新設した。
この4カ月前、訪露した安倍氏がプーチン大統領に石油、天然ガスの開発協力や極東の産業振興など8項目の
「日露協力プラン」
を提示し、日本企業に投資を呼びかけていた。
このプランを推進するのが対露経済協力相だった。
ロシアによる不法占拠が続く北方領土の返還問題と平和条約締結交渉を前進させたい安倍政権の思惑があった。
だが、一昨年2月のウクライナ侵略開始で、日本側は対露経済協力を凍結し、担当相は無用の存在になった。
その時点で廃止すべきだったが、岸田文雄内閣(当時)は
「日本企業の円滑な撤退支援」
を理由に閣僚ポストを存続させてきた。
撤退支援なら閣僚ポストを維持する必要はないのが道理だ。
侵略者ロシアに圧力をかけねばならない時に経済協力相を残すのは、プーチン政権に誤ったシグナルを送る悪手だった。
そもそも、プーチン氏の念頭には領土抜きの平和条約締結しかない。
日本の経済協力が北方領土返還につながる可能性はほぼないと言っていい。
プーチン氏はウクライナ侵略後、北方領土を経済特区化して内外の進出企業を税制優遇する法案に署名した。
許しがたい日本の主権侵害だ。
対日平和条約交渉も一方的に中断を宣言した。
ロシア軍は北方領土を舞台に演習を繰り返したり、中国の海空軍と
「合同パトロール」
と称する対日威嚇を重ねたりしている。
石破首相が所信表明演説で
「対露制裁、対ウクライナ支援は今後とも強力に推し進める」
と語ったのは妥当だ。
首相はロシアに領土を奪われている国の首脳同士として、ウクライナのゼレンスキー大統領と連携を図るべきである。

林官房長官、ロシア経済分野協力担当見送りは「首相が判断」
2024/10/2 0:14
https://www.sankei.com/article/20241002-YKSJUAOH2RM7VHJDAEO3QVKYNE/
林芳正官房長官は1日の記者会見で、石破茂首相が設置を見送った
「ロシア経済分野協力担当」
について
「ロシアがウクライナ侵攻を続けている現状を踏まえ、首相が判断した」
と理由を説明した。
「政府として在ロシア日本大使館などを通じ、ロシアで活動する日本企業の活動支援などは行っており、今後とも企業支援は継続していく」
と説明した。
ロシア経済分野協力担当は平成28年に当時の安倍晋三首相が北方領土返還を巡る対ロシア経済協力を具体化するために新設した。
ウクライナ侵攻後も歴代政権は担当相を置いていた。

ロシア外務省が領空侵犯の抗議拒否 日本が「政治問題化」「非生産的」と反発
2024/10/3 16:22
https://www.sankei.com/article/20241003-CMDFUWH7QFPCDIOEUDQ3DGL5ZQ/
ロシア外務省のザハロワ報道官は2日の記者会見で、露軍哨戒機による日本の領空侵犯を巡り、
「日本は外交ルートを通じて抗議しようとしたが、我々(露外務省)は拒否した」
「我々は抗議の根拠となる如何なる情報も持っていない」
と述べた。
ザハロワ氏はまた、日本がこの件を
「政治問題化」
しているとし、
「非生産的だ」
と反発した。
領空侵犯についてロシア側が公式にコメントしたのは初めて。
ザハロワ氏は
「適切な所管ルートを通じて協議すべきだ」
と述べ、日本の防衛省と露国防省の間で対処すべき問題だとした。
領空侵犯問題は9月23日、北海道礼文島北方で発生。
防衛省によると、露軍のIL38哨戒機は航空自衛隊のF15戦闘機による警告などにもかかわらず、3回に渡って日本の領空に侵入した。
同時期には露極東ウラジオストク沖の日本海で露太平洋艦隊と中国艦隊による合同軍事演習が行われており、哨戒機は潜水艦の探索訓練などを行っていた可能性がある。
一方、ザハロワ氏は日本の経済産業相が従来兼任してきた
「ロシア経済分野協力担当相」
の設置を石破茂内閣が見送ったことにも言及。
「日本がロシアとの経済関係を発展させる気がないことを示している」
と述べた。
日本は対露制裁により自身が経済的打撃を受けているとも主張した。

<産経抄>衆院選、首相が変節漢で「信」は得られるのか
2024/10/5 5:00
https://www.sankei.com/article/20241005-VDAJHFXQ6RODHIAJE73ZVZLOTE/
石破茂首相の今年6月14日のブログが野党議員の間で話題である。
首相は衆院解散について記している。
「天皇の国事行為を定めたに過ぎない(憲法)第7条を根拠として『今解散すれば勝てる』とばかりに衆議院を解散することは、国会を『国権の最高機関』とする憲法第41条の趣旨にも反する」
▼同時にこうも指摘していた。
「内閣不信任案の可決や信任案の否決など、内閣と衆議院の立場の相違が明確となった場合に限り、内閣が主権者である国民の意思を問うために行われるべき」。
自民党総裁選でも
「国民が判断する材料を提供するのは首相の責任だ。すぐ解散するという言い方はしない」
と明言している。
▼それがいざ総裁に当選すると、首相就任前の時点で10月9日に解散して27日に投開票とする考えを表明したのである。
「過ちては改むるにはばかることなかれ」とも「君子は豹変(ひょうへん)す」ともいうが、そんな立派なものではない。
信念を捨てて党利党略に走ったと言われても仕方がないだろう。
▼かと思うと4日の所信表明演説では、年来の主張だったアジア版NATOにも、日米地位協定の改定にも触れなかった。
現実路線に修正したといえば聞こえがいいが、できもしないことを国民に訴えてきたのか。
それでは、政権公約(マニフェスト)詐欺と怒りを買った民主党の政権奪取と選ぶところがない。
▼「flip―flopping(変節)の名手」。
国民民主党の玉木雄一郎代表は3日、自身のX(旧ツイッター)で首相を皮肉った。
これまた首相が従来の主張をたがえて、追加利上げに慎重姿勢を示した件である。
▼衆院選は政権が国民の信を問う場だが、ころころと意見が変わるリーダーが信用されるだろうか。

自民党新総裁への期待と直言
石破茂新総裁は愚かな「脱炭素」止め万全なインフラ投資を 台湾有事、中国は日本のエネルギーを狙う…現状では3カ月と持たない
2024.10/2 11:00
https://www.zakzak.co.jp/article/20241002-KI57HQ3MB5JRRHUZ5RYOSOAGTE/
キヤノングローバル戦略研究所研究主幹杉山大志氏
元防衛相の石破茂新総裁に申し上げる。
日本のエネルギーインフラは破壊され続けている。
菅義偉政権が
「2050年CO2実質排出量ゼロ」
を宣言し、岸田文雄政権がその法制化を進めた結果だ。
「台湾有事」
となれば日本は巻き込まれるのは必定で、中国は必ずや日本のエネルギーを狙う。
このままでは、日本は3カ月も持たずに屈服してしまうだろう。
緊急に対策が必要で、愚かな
「脱炭素」
は止めるべきだ。
ロシアはウクライナの発電所をミサイルやドローンで攻撃し、7割を破壊した。
ウクライナもロシアのディーゼル燃料精製工場の2割を破壊した。
中国が日本各地のエネルギーインフラを攻撃したら、日本は防げるのか。
イエメンの親イラン武装組織フーシ派は紅海を航行する欧州諸国の船を攻撃し、パナマ運河の入り口にある紅海を事実上封鎖している。
中国によって日本近海の船や港湾が攻撃されると、日本への輸入も途絶える。
ウクライナがそれでも2年間も持ちこたえているのは、資源が豊富で隣国と地続きの大陸国家だからだ。
だが、日本は島国で国産のエネルギーも乏しい。
エネルギー供給の8割以上を占める化石燃料は、ほぼ全量が輸入である。
これが止まったらどうするのか。
石油の備蓄は200日分あるが攻撃されるだろう。
石炭と天然ガスは1カ月分もない。
ただちにエネルギー備蓄を積み増し、
「エネルギーインフラの防衛策」
を講じなければならない。
原発は稼働していれば、いざという時には在庫の燃料だけで3年は持つ。
いまテロ対策を理由に稼働を止めている原発があるが、これはかえって国を脆弱にしている。
太陽・風力発電は不安定で、有事の頼りにならない。
菅政権以来、日本は
「脱炭素」
をエネルギー政策における最優先の課題として、化石燃料インフラは破壊されてきた。
化石燃料を敵視する政策のせいで、火力発電所は採算が合わず、維持費は削られ、故障しても修理されず、次々と閉鎖されている。
揚げ句、節電要請が恒例行事になってしまった。
戦争になれば軍事目標へのミサイル攻撃と同時に、エネルギーインフラへのドローン攻撃があるだろう。
エネルギーは日本のアキレス腱であり、真っ先に狙われる。
ところがいま、日本政府は、敵に破壊される以前に、愚かな
「脱炭素」
政策で自ら破壊している。
政府は化石燃料を敵視するのを止め、日本の生命線であると認識を改め、平時から万全なインフラ投資をすべきだ。
容易には負けない備え、それこそが有事に対する抑止になる。

石破政権の課題 変われぬまま選挙に臨む自民
論争を撃つ 石井聡
2024/10/5 11:00
https://www.sankei.com/article/20241005-DRPULNNOU5JUZP5ZGSBNYJ3OWY/
5度目の挑戦、決選投票での逆転勝利でその座をつかんだ石破茂首相はいったい何がしたいのだろう。
自民党総裁選で当選した後、NHKの「日曜討論」で
「岸田政権を基本的に引き継ぐ」
とサラリと語ったのを聞いて、その印象はさらに強まった。
もとより、地方創生、災害被災者への支援拡充といった政策の柱を掲げてはいた。
だが、選挙期間中にどれだけ具体的なイメージを伴いながら国民に伝わったかといえば疑問である。
「防災庁」
構想には被災地、被災者などから関心と期待が向けられているが、
「簡単なことではない」
とトーンダウンする場面もあった。
政策通と目されてきた分だけ、それらを実現する力量を伴うかどうかが厳しく問われる。
■早期解散は同じ
出馬表明当初は最有力とみられた小泉進次郎元環境相は、途中失速で決選投票にも残れず敗退した。
掲げた主張は説明力の不足もあり、多くの反論、批判を浴びたが、総裁選の論戦の軸となった側面もある。
総裁選が終わって政策論争に明確な決着がついたわけでもない。
とくに解雇規制緩和や夫婦別姓の導入などについて候補者間の対立があったことは、政権与党の自民党が一貫性を持って政策を遂行できるのか、疑問を生じさせたともいえる。
小泉氏は当選した場合、首相就任後ただちに衆院解散に踏み切る考えを際立たせた。
他候補からは臨時国会で一定の審議を行い国民の判断材料を示すべきだとの反論が相次いだ。
石破氏もその一人だったが、総裁就任後は
「できるだけ早く国民の審判を仰ぎたい」
と軌道修正し、立憲民主党の野田佳彦代表から
「裏金解散」
だと牽制されている。
結局、首相もその小泉氏を党選挙対策委員長に起用して10月中の総選挙実施に踏み切った。
この選挙を乗り切ることが当面の最大課題となることから、新内閣のご祝儀ムードが続く間に事に臨もうとするのはわかる。
だが、今度の選挙は
「自民党は変わったのか」
という点がこれまで以上に厳しく問われている。
「政治とカネ」
の問題をめぐり、総裁選が自民党の転換点になるという結論には至らなかった。
総裁選は世代交代を図るものでもなかった。
不信感が払拭できたのかといえば、否定的に受け取らざるを得ない。
■政策の刷新は…
その分、政策面での刷新感がより求められるが、それを国会で吟味する時間も乏しいとすれば、国民に判断材料を提示するのは難しい。
それにしても組閣人事には「論功」の臭いが強く漂い、重要課題を推進できる布陣なのか疑わしい。
党内の政権基盤が脆弱な石破内閣で、閣僚の失態などが相次ぐ事態になれば、首相が早期に求心力を失う展開も考えられる。
総裁就任直後、米保守系シンクタンクのハドソン研究所のサイトに
「日本の外交政策の将来」
と題する石破氏の論文が掲載された。
中国、ロシアや北朝鮮に対する抑止力を確保するため北大西洋条約機構(NATO)のアジア版を創設し、この枠組みの中で米国の核兵器の共有、持ち込みを検討すべきだ、という主張などが盛り込まれている。
新総裁に当選する前に提供してあった論文とみられるが、当選後はほどなく首相となる微妙な時期だ。
実現可能性のメドが立たない持論を多く盛り込んだ論考を公表することは、極めて不見識だと指摘しておきたい。
まさか、自分が当選することはないと思って書いたのでもあるまい。
■不用意な寄稿も
石破氏が考えるアジア版NATO構想や同盟国、有志国との連携による集団防衛に、現行憲法の下で日本が参加することはできないと考えられている。
日米同盟でもその片務性は解消されておらず、集団的自衛権の限定行使では不十分であるという問題を提起すること自体には意味がある。
しかし、一議員として将来への期待を語るのはともかく、首相就任後は直ちに現行法制や現存する対外関係の枠組みに基づいて外交・安全保障を担わなければならない。
不用意な論考の公表はもっとも重要な同盟国に誤解を与えかねず、アジア太平洋地域の諸国からも不安を招きかねない。
こうしたことが繰り返されれば、普天間飛行場の移設をめぐり
「県外移設」
を掲げて日米関係を悪化させた旧民主党の鳩山由紀夫政権の二の舞いとなりかねない。
■適切なルールか
緊迫する国際情勢に対応するため、総裁選を機に政治とカネをめぐる議論からの脱却が図られるのを期待していたが、そうなりそうもないのは残念である。
論戦の中でも「裏金」問題への対処の議論はしだいに後退した。
違和感があったのは
「いったん処分が下されたものを見直すことは、党のガバナンスとして問題がある」
ということが、あたかも正論のように語られていた点だ。
党執行部の統治能力が欠如していたことこそが問題を長期化、肥大化させ、的確な対処もできずに国民の不信を招いた。
それを忘れてはなるまい。
石破首相は
「ルールを守る自民党」
ということを盛んに言い出した。
守らないより守った方がよいが、肝心なのはそのルールが適切なものかどうかである。
NHKの番組で物価高について問われ、
「高いねえ。おかわり自由というのがいつの間にかなくなっちゃった」
と答えた。
麻生太郎党最高顧問の口からはとても聞けなさそうな言葉だが、そうした国民目線は悪くない。
政策の立案や遂行に役立てられるだろうか。

「石破カラー」薄く…アジア版NATO、日米地位協定見直しに言及なし 所信表明
2024/10/4 20:30
https://www.sankei.com/article/20241004-UCKMZA6KXFJB3LSKTURLHEO2DE/
石破茂首相の4日の所信表明演説は、首相が自民党総裁選で訴えた
「アジア版NATO(北大西洋条約機構)」
構想などへの言及はなく、
「石破カラー」
を抑えた。
衆院解散・総選挙を間近に控え、安全運転に徹する狙いがあるとみられる。
だが一方で
「総花的で、首相らしさが出ていない」(自民ベテラン議員)
と物足りなさを指摘する声もあった。
■不記載事件対応、抽象的
「首相として全身全霊を捧げ、日本と日本の未来を守り抜く」。
首相は演説の冒頭、こう切り出した。
続けて派閥のパーティー収入不記載事件にも言及し、岸田文雄前首相の退任に
「政治改革を前に進めるとの思いを持って決断された」
と敬意を表した。
ただ、不記載事件への対応については
「問題を指摘された議員1人1人と改めて向き合い、反省を求め、ルールを守る倫理観の確立に全力を挙げる」
と抽象的な表現にとどめた。
首相は総裁選で衆院選での非公認の可能性に言及したが、徐々にトーンダウン。
党内基盤が弱く、問題が指摘された旧安倍派や旧二階派の議員らの反発を避けたい思惑も透ける。
首相が得意とする外交・安全保障でも、持論のアジア版NATO構想や日米地位協定の見直しには言及しなかった。
いずれも党内の議論は不十分な上、アジア版NATO構想には閣内でも
「直ちに設立するのは難しい」(岩屋毅外相)
との意見があるためだ。
演説では憲法改正や安定的な皇位継承には言及したが、持論である憲法9条2項の削除や、選択肢として排除しない考えを示していた
「女系天皇」
には触れなかった。
■「災害関連死ゼロ」掲げる
一方、災害対策では被災者の避難所での厳しい生活に思いを寄せ、災害関連死ゼロを掲げたのは
「首相の強い思いからだ」(首相側近)
という。
政権の目玉である防災庁設置準備も
「事前防災の徹底に向けて予算・人員の両面において抜本的に強化し、不断に万全の備えを行う」
と改めて強調した。
思い入れの強い地方創生では
「交付金を当初予算ベースで倍増を目指す」
と明言した。
「総裁選では票を集めるために多少は大きいことをいうものだ」
「現実路線だ」。
自民の閣僚経験者は演説の内容に一定の理解を示す。
ただ、首相は演説以外でも、慎重だった早期衆院解散の方針を表明。
利上げに慎重な考えを表明するなど
「変節」
を繰り返している。
自身の過去の発言との齟齬が大きければ国民の支持を失う可能性がある。
自民党若手議員は、首相がかつて時の首相や党執行部に正論≠ぶつけ
「後ろから鉄砲を撃つ」
と揶揄されていたことを念頭に、こう呟いた。
「自身が首相になった今となっては、過去の自分に後ろから鉄砲を撃たれる状況が続くのではないか」

「勇気と真心で真実を語る」石破首相の所信表明、故渡辺美智雄元副総理の言葉引用
2024/10/4 16:31
https://www.sankei.com/article/20241004-JNF22JLBVJNUXIWWE53KDMMRTI/
石破茂首相は所信表明演説で、故渡辺美智雄元副総理の言葉
「政治家の仕事は勇気と真心を持って、真実を語ることだ」
を引用し、自民党派閥裏金事件で失われた国民の信頼回復を目指すと訴えた。
かつて同じ派閥に所属した渡辺氏は
「政治の師」
と仰ぐ存在だ。
演説全体は約9500字で、2012年の自民政権復帰以降、最多となった。
地元・鳥取に隣り合う島根選出の故竹下登元首相を登場させた。
ふるさと創生を掲げた竹下氏の
「地域が自主性と責任を持って、各々の知恵と情熱を生かし、地域づくりを自ら考え実践していく」
とのフレーズを用いて、地方創生に取り組む姿勢を示した。
演説分量は約13%を地方創生に割いた。
持論の防災庁設置など災害対応関連にも約10%を充て、自身の政策をアピールした形だ。

「勇気と真心で真実を語る」石破首相の所信表明、故渡辺美智雄元副総理の言葉引用
2024/10/4 16:31
https://www.sankei.com/article/20241004-JNF22JLBVJNUXIWWE53KDMMRTI/
石破茂首相は所信表明演説で、故渡辺美智雄元副総理の言葉
「政治家の仕事は勇気と真心を持って、真実を語ることだ」
を引用し、自民党派閥裏金事件で失われた国民の信頼回復を目指すと訴えた。
かつて同じ派閥に所属した渡辺氏は
「政治の師」
と仰ぐ存在だ。
演説全体は約9500字で、2012年の自民政権復帰以降、最多となった。
地元・鳥取に隣り合う島根選出の故竹下登元首相を登場させた。
ふるさと創生を掲げた竹下氏の
「地域が自主性と責任を持って、各々の知恵と情熱を生かし、地域づくりを自ら考え実践していく」
とのフレーズを用いて、地方創生に取り組む姿勢を示した。
演説分量は約13%を地方創生に割いた。
持論の防災庁設置など災害対応関連にも約10%を充て、自身の政策をアピールした形だ。

自民、地元申請あれば不記載議員も原則公認 森山裕幹事長「党の決まりに基づき対応」
2024/10/4 16:55
https://www.sankei.com/article/20241004-DP7LPPQ2FVLCNCDBYRW3GFF2LA/
自民党の森山裕幹事長は4日、党本部で記者団に、派閥パーティー収入不記載事件で処分した衆院議員に関し、次期衆院選(15日公示、27日投開票)で一律に非公認とはしない考えを表明した。
選挙区では、都道府県連など地元組織から公認候補予定者としての申請があり、党の情勢分析で当選可能と判断すれば原則として公認する方向だ。
森山氏は
「党の決まりに基づいて対応することが大事だ」
と強調し、地元組織の公認申請が条件になると語った。
さらに
「当選第一というのが選挙で一番大事だ」
「当選可能なのかどうかも1つの判断の基準」
と語った。
世論は不記載議員への厳しい対応を求める声が根強いが、森山氏は
「党として調査し、(4月に)処分を下した」
「その現実をしっかり捉えることは大事だ」
と述べ、不記載議員の非公認が
「二重処分」
に当たるとの認識を示唆した。
一方、石破茂首相は4日、官邸で記者団に、不記載議員の公認問題に関して
「何にも決まっていない」
と述べた。
首相は党総裁選出馬を表明した8月下旬、
「公認するに相応しいかどうかの議論は徹底的に行われるべきだ」
と述べ、非公認とする可能性に言及していた。

石破政権短命危機=u早く解散しないとボロが…」 現実を無視した理想論吹聴→困難とわかると「豹変」 党内には早くも反乱の気配
2024.10/4 15:30
https://www.zakzak.co.jp/article/20241004-GXJZSACMKNMY7JQIUQHCUBM4AY/
石破茂首相は4日、衆参両院本会議で初の所信表明演説に臨み、
「経済対策の策定」
など、当面の政治課題への政府方針を表明する。
9日解散、27日投開票の衆院選を間近に控え、経済回復の道筋を示す狙いのようだ。
報道各社の世論調査では、石破内閣の支持率は50%前後と伸び悩んでいる。
「論功行賞」
「リベラル重用・保守派外し」
という色彩が強いうえ、安倍晋三元首相を
「国賊」
と罵倒した村上誠一郎氏を総務相に抜擢した影響なのか。
ジャーナリストの長谷川幸洋氏は、現実を無視した理想論を吹聴して困難と分かると豹変する
「石破首相の本質」
を喝破し、
「短命内閣の危険性」
を指摘した。

石破政権が誕生した。石破首相は9日の衆院解散を表明したが、早くも自民党総裁選での発言をひっくり返した形だ。
新内閣は挙党一致のドリーム・チームにもならなかった。
野党はもちろん、自民党内の反・石破勢力は倒閣に動くだろう。
発足当初から、これほど不人気な政権も珍しい。
石破総裁誕生が伝えられると、株式市場は暴落で反応した。
それも当然だ。
石破氏は
「金融所得課税の強化」
をはじめ、
「法人税や所得税の増税」
を滲ませ、岸田文雄政権がぶち上げた防衛増税1兆円の構想も引き継ぐ考えを示した。
日銀の利上げにも肯定的だ。
これで株価が上がるわけがない。
いずれ実体経済に波及し、下手をすれば、デフレに逆戻りする可能性もある。
解散表明にも驚かされた。
総裁選では
「国民に判断材料を与えないまま、解散はしない」
と言っていたのに、突如、豹変した。
しかも、国会で内閣総理大臣の指名を受け、皇居での首相任命式を終える前の解散表明である。
「選挙準備のためだ」
などと理由を語ったが、
「憲政の核心」
に関わる話なのに、言い訳にもなっていない。
これは
「石破首相の本質」
を物語っている。
彼はいつも一見もっともらしい建前論を語るが、実現可能かどうか、しっかり検討した上での話ではない。
単に理想を語っただけだ。
現実の壁に直面して、困難と分かると、たちまち豹変するのである。
解散は森山裕幹事長の進言を受けたからだった。
「早く解散しないとボロが出て、支持率が落ちるぞ」
と諭されたに違いない。
そこで初めて
「現実の厳しさ」
に気が付いたのだ。
他の重要課題はどうか。
例えば、
「アジア版NATO(北大西洋条約機構)の創設」
である。
NATOは加盟国に集団的自衛権に基づく相互防衛義務を課している。
だが、専守防衛を旨とする日本は、他国防衛のために軍事力を行使できない。
したがって、憲法改正が不可欠になる。
■党内には早くも反乱の気配
「日米地位協定の改定」
も同じだ。
米国には日本防衛義務があるが、日本には米国防衛義務がない。
だからこそ、かつてドナルド・トランプ前大統領は
「日本は米国が攻撃されても、ソニーのテレビを見ていられる」
と不満を漏らした。
米国は
「地位協定を改定したいなら、まず片務的な条約を改めたらどうだ」
と反論するのではないか。
途中のハードルをどう越えるか、を考えずに、いきなり理想論に走る。
これが石破氏の発想である。
一言で言えば
「書生論」
だ。
だから、誰かから現実の壁を指摘されると、途端に腰砕けになってしまう。
このパターンは今度も繰り返されるに違いない。
石破首相は、いわゆる
「裏金議員」
の公認問題について、
「公認権者である自分が説明責任を果たす」
と言明した。
甘い対応をするようなら、批判を招く。
逆に、裏金議員を公認しないようなら、反・石破陣営は黙っていないだろう。
最高顧問に就任した麻生太郎元首相は、記念撮影への同席を拒否した。
党内には、早くも反乱の気配が漂っている。
石破政権は短命に終わるのではないか。

スパイ防止法に反対した村上誠一郎氏 昭和61年初当選当時「現行法の手直しで十分」
2024/10/4 10:59
https://www.sankei.com/article/20241004-OROBZLT4CFDYLBBW7LV4RHDNEU/
石破茂内閣で再入閣した村上誠一郎総務相は、衆院議員に初当選した昭和61年当時、自民党が制定を目指していたスパイ防止法について
「現時点においては不必要」
と党内で反対していた。
スパイ防止法を巡る動きを振り返ってみた。
■「スパイ天国」返上目指した自民
戦後、日本はソ連や北朝鮮によるスパイ活動を厳しく取り締まる法律がなく、
「スパイ天国」
と呼ばれてきた。
昭和53年10月の参院予算委員会で福田赳夫首相は
「スパイ天国と言われる状態を放置しておいていいのかどうか」
と述べ、将来はスパイ防止法が必要との認識を示した。
翌54年には保守系の学者や文化人が発起人となって
「スパイ防止法制定促進国民会議」
が発足した。
昭和55年に陸上自衛隊の陸将補がソ連に情報を流したとして逮捕されたが、自衛隊法の守秘義務違反で懲役1年に問われただけだったことから、制定の機運が高まり、地方議会での推進意見書可決が相次いだ。
昭和57年に就任した中曽根康弘首相も積極的な姿勢を見せ、昭和59年には
「スパイ防止のための法律制定促進議員・有識者懇談会」
が発足し、政界を引退した岸信介元首相が会長に就任した。
現在文化庁長官を務める作曲家、都倉俊一氏も発起人に名を連ねた。
■谷垣、鳩山氏らと意見書提出
自民党は昭和60年、
「国家秘密に係るスパイ行為等の防止に関する法律案」
を議員立法で提出した。
外交・防衛上の国家秘密を外国に漏らした場合、最高刑を死刑とした。
この動きに対し、社会党や共産党などは
「国民の権利を制限する」
などと反対した。
スパイ防止法制定促進国民会議の事務局が旧統一教会(世界平和統一家庭連合)系の政治団体
「国際勝共連合」
だったこともあり、社共を中心とした勢力の反対運動は激しく、実質審議に入らないまま廃案となった。
昭和61年、中曽根首相は法案の再提出に意欲を示し、党内の特別委員会が最高刑を無期懲役に引き下げるなどした修正案をまとめた。
村上氏はこの年昭和61年の7月、衆院旧愛媛2区で初当選。
昭和61年11月に、法案に反対する自民党の中堅・若手議員12人の意見書に名を連ねた。
他の11人は次の通り(敬称略、カッコ内は後の役職)。
大島理森(衆院議長)、太田誠一(農林水産相)、熊谷弘(通商産業相)、熊川次男、白川勝彦(自治相)、杉浦正健(法相)、谷垣禎一(自民総裁)、鳩山由紀夫(首相)、谷津義男(農水相)、石井一二、佐藤栄佐久(福島県知事)
村上氏は「中央公論」昭和62年4月号の
「われら自民党議員『スパイ防止法案』に反対する」
と題した特集で、
「自衛隊法、国家公務員法、刑法等の手直しで十分対処することができよう」
などと論じた。
その後、法案は再提出されず、岸氏の死去や中曽根内閣の退陣で制定の機運はしぼんだ。
共産などにとっては、村上氏ら自民内の反対論は心強かったに違いない。(渡辺浩、肩書は当時)

<主張>中国の海外闇警察 「スパイ天国」でいいのか
社説
2024/3/16 5:00
https://www.sankei.com/article/20240316-H4BDHEZJSJMAJPA4WOC6PFTEAA/
左右の過激派や外国勢力を捜査対象として治安を守る警視庁公安部が、なぜ詐欺事件を摘発したのか。
それは日本に、直接スパイ活動を摘発する法律がないからである。
公安部は2024年2月、風俗店を整体院と称して新型コロナウイルス対策の持続化給付金100万円を詐取した疑いで、中国籍の女を書類送検した。
2023年5月には、女が一時幹部を務めた東京・秋葉原の一般社団法人を、同容疑で家宅捜索していた。
一般社団法人が入居するビルは、スペインのNGO「セーフガード・ディフェンダーズ」が2022年、中国の非公然警察署の拠点であると指摘していた。
当時の林芳正外相は
「(日本の主権を侵害しているなら)断じて認められない旨の申し入れを行っている」
と述べた。
同NGOによれば、海外闇警察とも言われる中国の非公然警察署は世界50カ国、100カ所以上にあり、
「国外の中国人の政治活動の監視」

「帰国の説得」
などを任務としている。
2023年4月には米ニューヨークで、非公然警察署の開設や運営に関与したとして中国系米国人2人が逮捕された。
警視庁による摘発は、非公然警察署の実態把握の過程で犯罪容疑が浮かんだとみられる。
平成24年にはスパイ活動を行った疑惑のある在日中国大使館の元1等書記官を、外国人登録法違反容疑で送検した。
2023年は研究データを中国企業に漏洩したとして、不正競争防止法違反容疑で国立研究開発法人
「産業技術総合研究所」
の中国籍の研究員を逮捕した。
その容疑名に捜査当局の苦心が窺える。
日本が
「スパイ天国」
と称されるのは、諸外国にはあるスパイ活動を防止する法律がなく、同法を根拠とする本格的な防諜機関もないためである。
加えて給付金詐欺容疑で送検された女は、自民党の松下新平参院議員の事務所に一時期
「外交顧問兼外交秘書」
として出入りしていた。
外国工作員はあの手この手で政権中枢への接触を図る。
受け入れる側の無自覚ぶりには目を覆いたくなる。
「スパイ防止法案」
は昭和60年に議員立法で提出されたが、昭和60年に廃案となった。
その後、特定秘密保護法などが成立したが、まだ不完全だ。
スパイ天国を解消すべく、防止法と防諜機関の創設を急ぐべきである。

スパイ防止法 諜報活動野放し、摘発へ法整備を 立命館大教授・上久保誠人
明解説
2024/3/2 10:00
https://www.sankei.com/article/20240302-B2AHWG5YAVPIBCAUVHT7EUPR6E/
日本では諸外国のスパイが暗躍しているとされる。
法整備を進める政府は2024年2月27日、経済安全保障上の機密情報へのアクセスを官民の有資格者に限る
「セキュリティー・クリアランス(SC、適格性評価)」
制度を創設する
「重要経済安保情報保護・活用法案」
を閣議決定し、衆院に提出した。
それで機密情報の漏洩を防げるのか。
中国人留学生を指導する立命館大の上久保誠人教授は、スパイ防止法の制定を訴えている。

■日本だけ制度なく
SC制度は、日本の企業、役所、またそのスタッフ、職員について、漏洩すると国の安全保障に支障を与える恐れがある情報を扱うに足る組織や人物、身分かを確認し、海外に情報を流す違反をした場合に罰則を設けるということだが、現行法を含め肝心の外国からのスパイ自体をきちんと取り締まる部分がない。
それは、先進7カ国(G7)の中で日本だけで、まるでスパイ天国だとされる。
諜報活動をする外国人は基本的には犯罪行為を起こさないよう注意を払っており、法の網にかかりにくい。
公安関連組織がスパイらしい人物を捕まえる時は、スパイ摘発と直接関係のない現行法を何とか運用しているのが現実だ。
例えば、東京・池袋のパスポートセンターで中国人職員が個人情報を入手して逮捕された事件が2023年あったが、窃盗罪が適用された。
私が勤務するような学校は、最前線の1つかもしれない。
学校に映画に出てくるようなスパイがいるわけではない。
しかし、留学生が本国にスパイ活動をさせられていると言われており、緊張感があることは否めないからだ。
■中国人は協力義務
中国には国家情報法があり、国家安全部(省)の指示で海外の留学生や在住者は中国共産党の情報活動に協力しなければならない。
同法は、最先端技術などの情報を政府や企業、大学から取り、政府に渡すことを義務付けている。
拒めば、実家が脅されかねない。
大学教育は、そんな中で行われている。
理系はもちろん最前線だが、私のような文系でも民主主義や民主政治を語っていると、それ自体が中国人を教育している行為に当たる。
普通に日本に政治を学びにきた留学生でも、中国当局からの指示で教官がどんな思想信条で家族構成はどうなっているか、朝から夜までどんな日常生活を送っているかといった情報を取っているとの不安は拭えない。
外国から情報を盗みに来る、あるいはそれに加担させられる人を摘発することができる法律として、スパイ防止法が必要である。
それは、逆説的に感じる人もいるだろうが、言論や思想信条、学問の自由を守ることにもなる。
大学で、私は目の前の留学生に民主主義を説く。
それを不安なくやるには、スパイを摘発する制度がきっちりと整っていなければならない。
そのため、ある日突然、私の学生が拘束されて消えることがあっても構わない。
安心して活動できるために法律を整備してほしい。
■留学生や人材守る
日本は少子高齢化で若者が少ない。
政府は対策を取っているとはいえ、政策効果が出るのは30年後だ。
だから、ある意味で移民と言える優秀な人材を受け入れざるを得ない。
外国人を受け入れつつ国家の安全を守るために、厳しいチェックと管理ができる法律が必要なのはG7の国であれば常識ではないか。
そう思う理由の1つに、私の英国での留学経験がある。
空港でもロンドン市内でも自動小銃を持っているような人はおらず、オープンな雰囲気に見えたが実は英国は強力な監視国家で、私を含む留学生が完全に情報機関に生活を把握されていた。
当時、当局の要注意リストに外国人3000人が掲載され300人が監視下にあったと聞いていた。
ある大学で、留学生が集会をしようとした瞬間に当局が全員検挙したという事例があった。
それほど普段から留学生や外国人の動向を把握しているということだ。
テロやスパイ活動を防止するため、事前に全てを把握する体制があり、スパイ防止の法律が存在していた。
一方で、市民は当局の監視の息苦しさを日常的に感じることはなかった。
いわゆるリベラル、左翼の考え方とは真逆の考え方だろうが、同様の制度が日本にほしい。
それが、良い留学生や優秀な人材を守ることにも繋がるはずだ。

【用語解説】スパイ防止法
昭和55年1月の宮永幸久元陸将補らによる防衛庁スパイ事件をきっかけに昭和60年6月、通常国会に自民党から議員提案された。
野党側が
▽「国家の秘密」の範囲が曖昧
▷国民の知る権利、言論と報道の自由など基本的人権を侵害する
▷最高刑を死刑とするなど重罰化が目立つ
などと反対。
1度も審議に入らないまま、昭和60年末の臨時国会で廃案となった。

<主張>気象と防災の日 首相に制定を提案したい
社説
2024/10/4 5:00
https://www.sankei.com/article/20241004-REJPIIGFFFOFHIQ3QHRD7JXMME/
石破茂首相は「防災庁」の創設を政策の柱の一つに掲げている。ただ、実現には一定の時間がかかる。
そうであるなら、手間をかけずに防災に資する方策も考えたい。「気象と防災の日」を制定してはどうか。
地球温暖化の影響とされる気象の激甚化で、多くの国民の命と暮らしを脅かす大規模水害が毎年起きている。豪雨や台風が多発する時季の前に、国民、地域、自治体、国が連携して大規模水害に備える機会が、必要であり不可欠だ。
国民的な防災の日である9月1日は、大規模地震を想定した訓練や啓発活動に重点が置かれてきた。豪雨や台風に備えるには9月では遅い。8月26日は「火山防災の日」、11月5日は「津波防災の日」(世界津波の日)であるが、最も発生頻度が高く、かつ全ての国民に関わる気象災害については、これに相当する日がない。
地震を想定した訓練を実施している地域や自治体は多いが、水害を想定した訓練はあまり行われていないのが現状だ。
「自然災害が多発する日本に、専門の省庁がない方が異常だ」と考えるのであれば、大規模水害を重点に気象災害に備える「防災の日」の必要性は明白だろう。
産経新聞は社説(主張)で、気象記念日である6月1日を「気象と防災の日」とすることを提唱してきた。大規模水害を想定した訓練を多くの自治体に普及、定着させるとともに、地球規模の気候変動について多くの国民が学ぶ契機とする、というのが提唱の趣旨である。
日付と名称にはこだわらないが、この趣旨には賛同が得られるはずだ。
東日本大震災、西日本豪雨などで、日頃の訓練が住民避難や安全確保に繫(つな)がった事例は多い。訓練の実施で直ちに救える命があり、訓練の定着で将来の命も救える。
「気象と防災の日」制定に多額の費用はかかるまい。考えられる施策としては、最も費用対効果が高いのではないか。
防災庁の創設を掲げている首相が、政府の災害対応力を大幅に向上させる必要があると認識していることに異論はない。ただし、役人と役所仕事を増やしても、それが必ずしも国民の命を守ることに直結しないことは銘記する必要がある。

地震の地割れから大量の土砂「人災」と批判も 能登水害、家も車も埋まった
2024/10/4 6:30
https://www.sankei.com/article/20241004-6CXKCYFYA5NPBF5JU2HBCR4RUM/
9月21日に能登半島で発生した記録的豪雨で、石川県輪島市の市立輪島中グラウンドに元日の地震で生じた地割れから大量の土砂が流出し、周囲の家や車を埋め尽くした。地震後、地割れから水が染み出すなどの予兆もあり、市側は土囊(どのう)を置くといった対策を講じてきたが、豪雨には効果がなかった。市に繰り返し対策の強化を求めてきた住民からは「危険性は明らか」「人災だ」といった批判の声も上がる。
輪島市中心部の高台にある輪島中では、元日の地震で約1万6千平方メートルあるグラウンドに地割れが発生した。グラウンドを管理する輪島市教育委員会によると、地割れは最大で長さ約130メートルに及び、グラウンドの約半分が崩れ落ちた。
地震後、高台の下で暮らす住民は、雨が降るたびに恐怖を感じた。息子宅の前が土砂に埋まった服部陽子さん(65)は「大きく崩れた斜面から雨が降るたびに水が染み出したり、小石が落ちてきたりした」と振り返る。住民から対策を求める声もあり、市は斜面にブルーシートを張ったり、大型土囊を置いたりしたほか、雨水が斜面に流れないよう仮設の排水管も設置した。
しかし、今回の豪雨では対策の効果もなく地割れから大量の土砂が流出。高台から約300メートルにわたる坂道には、グラウンドの土砂を含む濁流が川のように流れた。仮設の排水管は十分に機能しないまま壊れ、最大で高さ1メートルほどの土砂が民家や道路、駐車中の車を覆った。服部さんは「しっかり補強していれば被害はもう少し抑えられたのでは」とため息を漏らす。
■市教委「被害受けられた方におわび」
高台の土砂崩れの危険性を市に何度も訴えた住民もいる。輪島中が立つ高台のすぐ下に自宅がある女性(55)によると、地震後、雨が降るたびにグラウンドの砂が自宅前を流れたという。
土砂流出の危険性は目に見えていたため、女性は輪島中の周辺を土砂災害特別警戒区域(レッドゾーン)に指定するよう市側に要望したが、「教育委員会との兼ね合いがある」などとして取り合ってもらえなかったと憤る。実際、輪島市が公開するハザードマップは令和元年度末から更新されておらず、土砂が流出した範囲は土砂災害警戒区域(イエローゾーン)からも外れたままだ。
女性宅は今回の土砂流出で床下まで泥水につかり、前の道路も地中の水道管やマンホールがむき出しになるなどした。複数の予兆があったにもかかわらず土砂流出を防げなかったことに、女性は「市の対応はあくまで応急処置に過ぎない。その後の対応はなく、人災と言っても過言ではない」と訴える。
これに対し、輪島中のグラウンドを管理する市教委は、地震後に一定の対策をとってきたとした上で、「被害を受けられた方におわびする。さらに被害が拡大しないように対策を講じる」と述べるにとどめた。

<主張>中東の戦火拡大 なぜNSCを開かぬのか
社説
2024/10/3 5:00
https://www.sankei.com/article/20241003-4YRNMLACHBI6FNK2GDIOJIQ5N4/
石破茂首相に問いたい。
なぜ国家安全保障会議(NSC)を開催しないのか。
中東の戦火が拡大しているからである。
イスラエルがレバノンの首都ベイルートにある親イラン民兵組織ヒズボラの本部を空爆し指導者ナスララ師を殺害した。
ヒズボラの脅威を除こうとイスラエル軍はレバノン南部へ侵攻した。
ヒズボラの後ろ盾であるイランは報復と称しイスラエルに向けて大規模な弾道ミサイル攻撃を行った。
米英両軍などが協力して迎撃したが一部が着弾し、被害が出た。
イランの対イスラエル直接攻撃は4月以来だ。
どちらも中東有数の軍事大国だ。
双方に自制を求めたい。
ただし事態がエスカレートすれば
「第5次中東戦争」
になりかねない。
日本や世界のエネルギー供給にとっても、経済情勢にとっても、何より中東地域の邦人の安全にとっても、看過できない緊迫した状況である。
日本は一連の事態を遠い地域の出来事と見做すのではなく、自らの問題と捉え、対応しなければならない。
石破首相は2日、イランの弾道ミサイル攻撃を非難し
「全面戦争に拡大しないように(米国などと)連携を取りたい」
と述べた。
そうであるならば、石破首相は、NSCの4大臣会合などを開き、邦人保護や万一の際のエネルギー需給、イスラエル、イラン双方への働きかけについて協議すべきである。
国家安全保障局や外務省の幹部と面会したが、それだけでは足りない。
NSCを開催すれば、日本企業や現地の邦人に対応を促すシグナルにもなる。
石破首相が自民党総裁に当選した9月27日に、岸田文雄内閣の木原稔防衛相はレバノンからの邦人退避に備え、航空自衛隊のC2輸送機を近隣のヨルダンとギリシャへ派遣する命令を発した。
レバノンには約50人の邦人が滞在している。
政権末期でも邦人保護へ動いた岸田政権の対応は妥当だ。
退避では韓国との相互協力も進めたい。
ただし、レバノンからの邦人退避の備えは日本が為すべき対応の一部に過ぎない。
戦火が一気に拡大しかねない時代だ。
危機は政権交代の事情など勘案しない。
石破首相には内閣発足直後であろうと国民を守り抜いてほしい。

石破政権は北朝鮮に近く優しい? 拉致議連会長からの変節
阿比留瑠比の極言御免
2024/10/3 1:00
https://www.sankei.com/article/20241003-KRI3XHTSOZIS7BSKYCT3ZS5YKA/
9月28日の本紙社会面記事で、拉致被害者の横田めぐみさんの母、早紀江さんが石破茂新首相と過去に会話をした経験について、こう述べていた。
「ほとんどない」
一読、何とも言えない寂しさを感じた。
なぜなら首相は平成14年4月から、9月に小泉純一郎内閣の防衛庁長官に抜擢されるまで、北朝鮮に毅然とした姿勢で対峙する
「北朝鮮に拉致された日本人を早期に救出するために行動する議員連盟」(拉致議連)
の会長を務めていたからである。
■被害者家族と距離
にもかかわらず以後、首相は早紀江さんの言葉にあるように、拉致被害者家族との間に距離を置いたのだった。
家族らにすれば、見捨てられたに等しい。
この年平成14年4月、自民党政調副会長だった首相が拉致議連会長に内定した際に中川昭一元財務相から筆者に、嬉しそうな様子で掛かってきた電話が鮮明に記憶に残っている。
「(北に比較的融和的というイメージがある自民党の)橋本派の石破さんが受けてくれたのは大きいよ。インパクトがある」
筆者も早速、首相(石破氏)にインタビュー(平成14年4月24日朝刊掲載)すると、首相はこう語った。
「とにかく行動すること、北朝鮮に毅然たる姿勢で臨むことの2点に議連の意味がある」
「日本はこれまで、コメ支援や朝鮮半島エネルギー開発機構(KEDO)への援助など、太陽政策的な措置をとってきた」
「それなのに北朝鮮は『行方不明者(拉致被害者)は捜索したがいなかった』と非常に不誠実な答えを繰り返し、ミサイルを撃ち、工作船を航行させるという行動に出ている」
「拉致容疑は人権問題でもあるが、それ以前に国家主権の侵害だ」
至極もっともな発言である。
ところが、その首相による現在の主張や今回の党役員と閣僚人事を見ると、過去との余りの差異に愕然とする。
首相は拉致議連から手を引く代わりに、北朝鮮に余りに融和的だと拉致被害者家族会が警戒する日朝国交正常化推進議員連盟の一員となった。
総裁選で首相が掲げた東京と平壌に連絡事務所を置いて拉致被害者について調査するという考えは、かねて日朝議連が主張してきたことである。
だが、北朝鮮当局は拉致被害者を厳しい監視下に置いており、どこにいるかは当然、把握している。
連絡事務所の設置とは、北朝鮮に都合のいい情報を受け取り、その意のままに動くことである。
首相はまた、拉致被害者家族会が絶対に譲れないと訴える
「全拉致被害者の即時一括帰国」
という方針にも疑問を示している。
■なぜ変節したのか
党役員を見ても、要の森山裕幹事長と坂本哲志国対委員長は日朝議連に入っているとされる。
それどころか、石破内閣で安全保障問題を担う首相をはじめ岩屋毅外相も中谷元防衛相も日朝議連メンバーという極端な配置となっている。
まだ石破政権が発足したばかりだから今後どうなるか分からないが、人事から受ける印象は
「北朝鮮に近く優しい政権」
となろう。
政治家であろうと、歳月の中で考え方が変わっていくことはあるだろう。
とはいえ、かつては北朝鮮に対する太陽政策の無意味さを説き、毅然とした姿勢を強調していた者が、なぜここまで変節したのか。
自ら拉致被害者奪還運動に取り組みつつも、最後の場面では首相や政治家に頼らざるを得ない家族らの心境を思うと、やるせない思いが募るばかりである。

石破首相の原発ゼロ方針「今は訂正されていると承知」 武藤経産相、総裁選の発言巡り
2024/10/2 16:24
https://www.sankei.com/article/20241002-CV7OIQS64VLMXAWUKIN4VH2RGM/
武藤容治経済産業相は2日、就任後初の記者会見を開き、石破茂首相が自民党総裁選で
「原発をゼロに近づける」
とした発言について、
「今は訂正されていると承知している」
との考えを示した。
原発については
「安全という前提で最大利用を進める」
と語った。
首相は総裁選への立候補を表明した8月の記者会見で原発をゼロに近づける考えを示した。
総裁選中は電力需要の増加を踏まえ
「必要な原発の稼働は進めていかねばならない」
とも語っていた。
武藤氏は総裁選の政策集で
「安全を大前提とした原発の利活用」
に言及されていると指摘。
原発利用などの方針について、
「首相と認識は共有している」
とも話した。
また武藤氏は、東京電力柏崎刈羽原発(新潟県)について
「地元の不安の声や地域振興を含めた要望を踏まえ、再稼働の理解が進むよう政府を挙げて取り組む」
との意向を示した。
柏崎刈羽原発の再稼働に向けては、地元同意を得ることが焦点となっている。
武藤氏は
「福島第一原発の事故を起こした東電への不安の声があり、(柏崎刈羽原発の)安全安心の取り組みも十分には浸透していない」
と指摘し、理解を得るよう努めるとした。
武藤氏はこの他、次世代半導体の量産を目指すラピダスの支援に関する法案に関し、
「出融資の活用拡大を含む必要な支援を行うための法案を早期に国会に提出すべく検討を進めないといけない」
と述べた。

2024.10.01
「あの男だけは、誰もが嫌っている」…石破茂新政権は長続きできるのか
「北京のランダム・ウォーカー」第749回・後編
https://gendai.media/articles/-/138394?imp=0
■石破氏は還暦を過ぎて変わることができるのか
さて後半は、石破新首相の
「政治家としての資質」
に立ち入ってみたい。
「前編」
の冒頭で述べた
「還暦を超えて人は変われるのか」
という命題である。
2024年9月27日の午後に行われた自民党総裁選挙の議事進行は、概ね前例を踏襲したが、いくつか細かい変更が行われた。
その1つが、決戦投票の前に、勝ち残った2人の候補者に、それぞれ5分間ずつ
「最終スピーチ」
の時間を設けるというものだった。
それは、1回目の投票で2位の候補者、1位の候補者の順で行われた。
つまり、1回目154票だった石破候補が、181票だった高市候補よりも、先に壇上に上がった。
石破候補にとっては、1回目の投票で敗退した7人の候補、及び7人の候補の支持者たちに
「直訴する」
最後のチャンスだった。
私も、石破候補が何を話すのかと、固唾を呑んで見守っていた。
すると、壇上の選挙管理委員会の面々に向かって、3度も丁寧にお辞儀した後、訥々と、こう切り出したのだった。
「私は、至らぬ者であります」
「議員生活38年になります」
「多くの足らざる所があり、多くの方々の気持ちを傷付けたり、色んな嫌な思いをされたりした方が多かったと思います」
「自らの至らぬ点を、心からお詫びを申し上げます……」
何とあのプライドの塊のような石破氏が、
「過去のお詫び」
から入ったのである。
NHKの生中継を見ていた人は、
「何のこっちゃ?」
と思われたかもしれない。
■自民党議員の根強い「石破アレルギー」
だが実際に、自民党議員たちの
「石破アレルギー」
は相当なものがある。
私も少なからぬ議員たちから、様々なエピソードを聞いたものだ。
今回の自民党総裁選の間も、永田町界隈では、
「石破茂の裏切りの歴史」
なる文書が拡散されていたほどだ。
コロナ禍の前のことになるが、ある自民党本部の幹部職員が定年退職し、数名の記者で退職祝いをやった。
その中で、
「自民党職員たちから見て、総理総裁になってほしい政治家は誰ですか?」
と、記者の1人が質問した。
すると元幹部職員は、赤ら顔を和ませ、たちまち10人近くの名前を挙げて、
「我が党は人材の宝庫だ」
と胸を張った。
そこで私が、
「では逆に、自民党職員から見て、総理総裁になってほしくない政治家は?」
と水を向けた。
すると即座に、こう答えたのだ。
「石破茂! あの男だけは、党職員の誰もが嫌っている」
その後は、酔いも回ってか、呆れるようなエピソードを次々に披歴した。
重ねて言うが、酒席の話で裏を取ったわけではないので、事実かどうかは不明だ。
■渡した名刺を投げ、せせら笑う石破氏
だが、実は私にも、苦い経験が1つある。
2012年9の自民党総裁選で、
「安倍vs石破」
の自民党史に残る対決となった時のことだ。
当時所属していた『週刊現代』で、
「強の誌面対決」
のページを作るべく、両者にインタビューを申し込んだ。
すると、両候補とも
「30分だけなら」
と快諾してくれ、同日に時間差でのインタビューとなった。
まずはカメラマンと2人で、国会議員会館の石破事務所を訪ねた。
少し早く着いて、応接間で待たされたが、書棚には重厚な本がぎっしり並んでいた。
失敬して何冊か取り出してみたら、どの本にも要所に赤鉛筆で波線が引かれ、文字の上の隙間には、本人の所感が書かれていた。
さすが政界一の勉強家と、尊敬の念を深くして待っていると、間もなく本人が現れた。
私とカメラマンは、立ち上がって名刺を差し出し、
「本日はよろしくお願いします」
と頭を下げた。
すると石破氏、
「言っとくけど、きっかり30分だよ」
と言って、我々の名刺を見もせずに、ポイと机上に投げ捨てた。
そのうち1枚が床に落ち、慌ててカメラマンが拾って机上に置いた。
「君たちが聞きたいのは、キャンディーズのことかい? でもそんなこと聞いてると、時間が経っちゃうよ」
そう言って、ヘラヘラ笑い出した。
そのうち、我々の名刺を、まるでルービックキューブでも遊ぶように、両手でクルクルと回し始めた。
そして5分経つごとに、
「ハイ、あと20分!」
などと言って、せせら笑う。
こちらは、当時問題になっていた中国との尖閣諸島の問題などを聞きたかったのだが、常に
「上から目線」
で、まるで初心者相手のように説くので、噛み合わなかった。
1度だけ、石破氏の回答が事実関係と異っていて突き詰めたら、キッとなった。
そして書棚に駆け寄り、関連関書を開いて
「そうだな、アンタの言う通りかもな」
と呟いた。
最後は、
「ほらほら、ラスト5分だよっ、キッキッ」
と冷笑した。
そしてほどなく、おもむろに立ち上がると、無言のまま離席してしまった。
27分が経ったところだった。
私はトイレにでも行ったのかと思い、しばし待ったが、ついぞ戻ってこなかった。
カメラマンが三脚を片付けて、事務所を出た。
石破氏の名刺は、受け取らずじまいだった。
■出口まで見送りにきた安倍氏
続いてインタビューした安倍氏は、仏様のように映った。
「週刊現代には過去に、色んな事を書かれたけど、よく勉強させてもらっていますよ」
「今日は短い時間しか取れなくて、すみませんね」。
そう言って安倍氏は私とカメラマンに会釈しながら、自分の名刺を差し出した。
安倍事務所の応接室の書棚には、本が1冊もなく、代わりに世界の著名人と撮った写真ばかり飾り立ててあった。
それでも、熱意と誠意が感じられる30分のインタビューだった。
「これからの日中関係は、きっと厳しいものになると思いますよ」
などと、率直に語った。
終わると、わざわざ事務所の出口まで送りに来てくれて、
「下へ降りるエレベーターはあっちの方ですから」
と笑顔で言い添えた。
帰路、私とカメラマンの意見は一致した。
「どちらが賢いかと言えば、石破さんだろうが、もし自分が自民党議員で、どちらに投票するかとなれば、絶対に安倍さんだな」
かくして、1回目の投票では石破候補が首位だったが、議員票がものを言う決選投票で、安倍候補が逆転。
2012年12月に発足した第2期安倍政権は、7年9ヵ月続いて歴代最長政権となった。
反面、石破氏には
「長い冬の時代」
が続いたのである。
■石破政権は「割りばし政権」?
それで、
「還暦を超えて人は変われるのか」
という命題である。
「高市候補に投じた」
というある自民党議員に聞くと、石破新政権について、決して楽観視はしていなかった。
「どうせ来たる総選挙用の『割りばし政権』だろう」
「総選挙が終われば、また石破は例によって独りよがりになり、『裸の王様』と化し、周囲が離反していく」
「挙げ句、内閣支持率が低迷して、総辞職ではないか」
「割りばし」
とは、
「1回きりの使い捨て」
という意味だそうだ。
2024年9月27日の夕刻、自民党総裁選は、9人の候補者全員が壇上に上がり、連なって握手して万歳するシーンでお開きとなった。
互いの手を離すと、8人の敗者たちは、そのまま壇上を去ったが、石破氏だけは、向かって右奥の選挙管理委員会席に歩み寄っていった。
そして、逢沢一郎選挙管理委員長を始め、選挙管理委員を務めた議員たち1人1人と握手し、頭を下げて労を労ったのだった。
こうした行動は、
「人格が丸くなった」
ことを示す証左と言える。
だが週明けの2024年9月30日には、
「前編」
の冒頭で述べたように、
「天に唾する自民党総裁による解散宣言」
をやってのけ、国民を唖然とさせた。
1つ言えるのは、石破新首相は間違いなく、今世紀に入ってから首相を経験した12人の中で、最も頭脳明晰な首相であるということだ。
人間関係まで含めて、その
「賢明さ」
が前面に出たなら、長期政権の可能性もないとは言えない。
何と言っても、
「時の流れ」
を掴んでいるのだから。
だが同時に、
「時の流れ」
は移ろいやすいのも事実だ。
「平成の明智光秀」
は、果たして
「令和の徳川家康」
になれるのか。
新政権発足早々に総選挙を迎えて、日本の政治が、一段と面白くなってきたことは確かだ。(連載第749回)

2024.10.01
# 政治
石破新総理、総選挙後にありかも電撃訪中…中国ウォッチャーの風変わりな「石破茂論」
https://gendai.media/articles/-/138393?imp=0
「北京のランダム・ウォーカー」第749回・前編
近藤 大介『現代ビジネス』編集次長
■石破茂氏が新総裁に
「新政権はできる限り早期に国民の審判を受けることが重要であると考えており、諸条件が整えば、10月27日に解散総選挙を行いたい」
「いま内閣総理大臣でないものがこのようなことを行うのは、かなり異例のことであると承知しております」
「これが不適切なものだと考えているわけではございません」
石破自民党新総裁が、9月30日15時から党本部で行った記者会見で、いきなりの
「解散爆弾」
をブチ上げた。
憲法第7条には、
「天皇は、内閣の助言と承認により、国民のために、左の国事に関する行為を行ふ」
として、
「国事行為」
の3番目に
「衆議院を解散すること」
と記されている。
だが石破自民党総裁は、9月30日時点で、
「助言と承認をする内閣」
を築いていない。
そのため、これは
「異例」
であると同時に、
「不適切」
であるのは言うまでもない。
こんなことが許されるなら、自民党は中国共産党と同じになってしまう。
解散したければ、翌10月1日に、正式に総理に就任し、内閣を築いてから宣言すればよいだけのことだ。
たかが1日の違いだが、
「総理でない自民党総裁が解散を宣言する」
というのは、
「天に唾する行為」
である。
この
「石破流ゴーマニズム宣言」
によって、せっかく掴んだと思われていた
「時の流れ」
を、自ら早々に手放してしまうかもしれない−−。
時の流れを先週末に戻そう。
9月27日に東京・永田町にある狭苦しい自民党本部8階ホールで実施された、事実上の日本の最高権力者を決める総裁選挙は、劇的な結末を迎えた。
実に5回目の挑戦で、
「最後の戦い」
と背水の陣を張った石破茂候補(67歳)が、一発転劇によって他の8候補を打ち負かしたのだ。
この石破新総裁誕生については、既に多くの政治の専門家たちが多くのことを話し、書いているので、重複はしない。
私の心に湧き上がるのは、前にもこのコラムで綴った
「時の流れ」
ということと、
「還暦を超えて人は変われるのか」
という2点だ。
以下、中国ウォッチャーによる、やや風変わりな
「石破茂論」
を申し述べたい。
普段、
「中南海」(北京の最高幹部の職住地)
の権力闘争を追っていると、ふと見えてくる
「永田町の風景」
もあるのだ。
まず、
「時の流れ」
に関しては、約1ヵ月前(9月3日)にアップした本コラム
「中国は『待ちハリ』…カマラ・ハリスは『反中でなく弱くて予測可能』な理想のリーダー」(連載第745回)
で、私はこう述べた。
政治の世界には、
「時の流れ」
というものがある。
「時流」
を得た政治家は、まるで舟に乗って川下りをするが如く、スルスルと遊泳し、
「勝機」
を掴んでいく。
まさに
「勝ち将棋鬼の如し」
だ。
逆に、
「時流」
に乗れない政治家は、
「鮭(さけ)の川上り」
のような状態になる。
すなわち、いくら七転八倒しながら這い進んでも、結果が伴わない。
逆境に斃れてしまう。
こうしたことは、個々の政治家の実績や資質というよりは、
「時流」
が自分に来ているかどうかの問題である。
広い意味で
「運」
と呼んでもいい。
現在、周知のように、日本とアメリカで同時に、国の最高権力者を決める
「大一番」
が展開中である。
この自民党総裁選と米大統領選を見る時、私はどうしても
「どの候補に時流が来ているか」
という視点に立ってしまう。
日米に共通している今の
「時流」
を一言で言い表すなら、
「刷新感」
である。
日本は、2012年末から7年9ヵ月続いた安倍晋三政権と、その後の菅義偉政権、岸田文雄政権の残滓のような、自民党の裏金問題が勃発した。
そこからの脱却を図ろうと、総裁選史上最多の9人が、政策を競っている。
そのキーワードが、
「刷新感」
である。
この
「時流」
に一番うまく乗った候補が、最終的な勝者となる。(以下略)
■「刷新感」にうまく乗った石破氏
私の見立てでは、この
「刷新感」
という時流に、自民党総裁選で一番うまく乗ったのが、石破氏だったと言える。
当選12回の石破氏に、何が
「刷新感」
かと思われるかもしれないが、ここで言う
「刷新感」
とは、年齢や当選回数ではない。
「派閥」「裏金」(統一教会などとの)「癒着」といった、いわば
「平成的政治手法」
からの脱却という意味での
「刷新感」
である。
自民党安倍派の裏金問題が俎上に上る以前から、
「孤高の人」
石破氏に派閥はなかった。
かつて
「水月会」(石破派)
という小派閥を擁していたが、令和3(2021)年の年末に、それまでの6年あまりの活動に終止符を打って解消してしまった。
当時の朝日新聞(2021年12月13日付)は、
「これが冷や飯を食らい続けた首相候補の末路なのか」
と、にべもない。
私も、
「水月会」
の政治資金パーティに顔を出したことがあるが、それは
「斜陽の中小企業の株主総会」
を見るかのようだった。
見栄を張って有名ホテルの大広間で催すのだが、参加者が少ないため、何とも寒々しい。
おまけに、会長の石破氏が、例の渋面で長広舌をぶつものだから、さらに場がしらけていく。
熱心に石破演説を聴いているのは、われわれ記者の一部くらいだ。
当時は首相派閥である
「清和会」(安倍派)
の全盛期で、安倍晋三首相が
「太陽」
なら、石破氏は
「月」
だった。
野球で言うなら、安倍氏が
「長嶋茂雄」
で、石破氏は
「野村克也」。
誠に明暗甚だしかった。
だが、
「令和の政治」

「平成の政治」
とは大きく異なる。
日本の社会環境は、少子高齢化と地方の過疎化が進み、日本のGDPは2位からまもなく5位まで落ち、スマホ・ネイティブ世代が成人を迎えた。
平成の後半に栄華を極めた安倍氏は、周知のように2年前にテロに斃れた。
同時に安倍氏の
「盟友」
だった麻生太郎元首相(84歳)や二階俊博元幹事長(85歳)も、
「引き際」
を迎えている(麻生氏は9月30日に「自民党最高顧問」なる新奇な役職を与えられたが、党幹部一同の記念撮影にも応じず退出してしまった)。
反面、
「平成元禄に背を向けていた」
石破氏に、
「時の流れ」
が巡ってきたのである。
鳥取という日本の過疎化を象徴するような日本海側の地からやって来て、金銭欲もなく飾りもせず、正論を訥々と吐く変わり種が脚光を浴びる時代の到来である。
廃れていく地方は、そんな石破氏に一抹の希望を見出した。
同時に、1年1ヵ月以内に確実に選挙を迎える自民党の衆議院議員も、また2025年7月に半数が選挙を迎える参議院議員も、自民党に吹き荒れる逆風の中で、
「石破人気」
に縋(すが)るしかなかったのである。
関連記事
「あの男だけは、誰もが嫌っている」…石破茂新政権は長続きで…

党員票で躍進の高市氏背景には地方行脚とネット選挙 捲土重来へのカギは議員からの支持拡大
2024/10/2 6:00
https://www.sankei.com/article/20241002-6W56DR5QNNNY5NBDNIADQBL3NQ/
過去最多となる9人が立候補した先の自民党総裁選では、高市早苗前経済安全保障担当相と石破茂首相が激しく競り合った。
高市氏は決選投票で敗れはしたが、1回目の投票では国会議員票と地方票のいずれも首相を上回る健闘を見せた。
令和3年の前回総裁選で高市氏を支えた安倍晋三元首相は死去した。
党内基盤が脆弱で、20人の推薦人の確保にも難儀した高市氏はなぜ躍進できたのか。
■回った地域「数えようがないくらい」
「私自身の力不足だ」
「多くの方に助けていただきながら申し訳ない」
総裁選終了後の9月27日午後、党本部で記者団の取材に応じた高市氏はこう敗戦の弁を述べた。
目は赤く、表情には悔しさが滲んでいた。
1回目の投票で獲得した議員票は首相の46票を上回る72票。
また、地方票でも109票を獲得し、108票の首相を1票上回った。
決選投票では議員票で首相の後塵を拝したが、47都道府県の地方票のうち都市部を中心に21票を獲得した。
「予想以上だよ、想定外」。
高市氏を支援したベテラン議員は、地方票で首相を上回ったことに驚きを隠さなかった。
総裁選では安倍氏の支援を受け、4候補のうち2番目に多い議員票を獲得しながら、地方票が伸びず、決選投票に進めなかった。
その後、高市氏は政調会長に再任された。
直後の衆院選では他の議員の応援演説で全国を駆け回り、自身の選挙区に入ったのは
「数時間」(高市氏)
だった。
「次」
を見据えた高市氏は地方行脚を続け、昨年10月のBS番組では
「また戦わせていただく」
と表明。
2024年8月に地元・奈良県で行った講演では、会場を埋め尽くした聴衆を前に
「(3年間で)回った地域は数えようがないくらい」
と振り返った。
今回の総裁選の結果について関係者は
「地方を回り続けてきたことが大きい」
と語る。
■ネット上での話題「圧倒」
高市氏の地方票の獲得数を見ると、東京や大阪をはじめ都市部での強さが際立っている。
陣営幹部は
「ネット戦略がうまくいった」
と解説する。
高市氏の陣営には、7月の東京都知事選で2位に食い込んだ前広島県安芸高田市長の石丸伸二氏の選対事務局長を務めた藤川晋之助氏も加わった。
石丸氏躍進の要因となったインターネットを活用した選挙活動を高市陣営でも展開。
総裁選期間中はSNS上に人柄を紹介する短い動画などを頻繁に投稿し、ネット上で話題に上る回数は他候補を圧倒した。
選挙戦が進むにつれ、大本命と言われた小泉進次郎選対委員長の
「討論力」
の低さが露呈し、報道各社の世論調査で高市氏が急浮上した。
中露軍機による相次ぐ領空侵犯や、中国広東省深圳で日本人男児が刺殺された事件を受け、中国に厳しい姿勢を示す高市氏が保守層を中心に期待を集めたとみられる。
高市氏が追い風を受ける中、伸び悩んでいた河野太郎前デジタル相を支援していた麻生派会長の麻生太郎最高顧問も動いた。
党内で唯一、派閥を維持する麻生氏は、小泉氏を支援した菅義偉副総裁、かつて自身に退陣を迫った首相のいずれとも関係が良好ではない。
麻生氏側は高市陣営との水面下での交渉を本格化。
選挙戦終盤になると高市陣営は
「麻生氏は高市を支援する」
と自信を見せ始めた。
■リーフレット問題で包囲網
麻生氏の支援を取り付けたものの、高市氏は結果的に首相に勝つことはできなかった。
総裁選挙管理委員会が文書郵送の禁止を通知した後に、全国の党員らに高市氏の政策リーフレットが届いた問題が発覚したことも尾を引いた。
リーフレットが党員票の拡大に繋がるとの見方もあり、他陣営から
「不公平だ」
と批判を受けた。
陣営幹部は
「高市包囲網が出来てしまった」
と悔やむ。
「私を支援した入閣適齢期の議員の処遇を優先してほしい」。
総裁選後、高市氏は石破氏から総務会長就任の要請を受けたが、辞退した。
「党執行部に入れば自由に発言ができなくなる」
「全国行脚で地方固めを進めた方がいい」。
高市氏の関係者は
「無役」
でいることのメリットも説く。
高市氏が次の総裁選でリベンジを目指すならば、先の総裁選に省みる点もある。
首相が決選投票直前の演説で
「ルールを守る自民党…」
と繰り返したのは高市氏への当てこすりとの見方もあるが、一定の共感を呼んだのは間違いない。
高市氏の捲土重来へのカギは
「ルールを守らなかった」
という党内の誤解を解きつつ、苦手とされる仲間作りを克服して党内基盤を固めることだろう。

<主張>石破新内閣 危機感持ち日本守り抜け 挙党体制築かぬままの船出か
社説
2024/10/2 5:00
https://www.sankei.com/article/20241002-EUMWOOOJIFNPPNZIZVO6JOJL7M/
衆参両院で自民党の石破茂総裁が第102代首相に指名され、宮中での親任式などを経て、内閣を発足させた。
石破首相は9日に衆院を解散し、衆院選を
「15日公示、27日投開票」
の日程で行う方針だ。臨時国会では所信表明演説と代表質問は行うが、予算委員会での十分な審議は行われない見通しである。
国民に信を問う上で判断材料を提供するのは首相の責務である。
論戦が不十分でよいのだろうか。
「国民に正面から向き合い誠心誠意語っていく」
「逃げずに実行する内閣にする」
と述べた。
にもかかわらず、実際には丁寧な質疑を避けようとしているのは残念である。
◆改憲案作成へ動く時だ
首相には保守の矜持をしっかり持ってもらいたい。
党綱領は
「日本らしい日本の確立」
を謳い、自らを
「保守政党」
と位置付けている。
この理念を踏まえ国家国民を守り抜かねばならない。
岸田文雄前首相が語った
「ウクライナは明日の東アジアかもしれない」
という危機感を共有し、安倍晋三元首相以降の外交安全保障政策を継承、発展させる必要がある。
アジア版NATO(北大西洋条約機構)の具体化には憲法問題があり、各国との交渉に大きなエネルギーも要する。
この構想は取り下げた方がよい。
今求められるのは、中国やロシア、北朝鮮といった現実の脅威に対処することだ。
日米同盟を盤石なものとし、抑止力と対処力の向上へ防衛力の抜本的強化を加速させることである。
日本に対する主権侵害などには、毅然とした対応を取ってもらいたい。
憲法改正は自民の党是である。
党は既に憲法に
「第9条の2」
の条文を新設して自衛隊を明記することや、緊急政令の根拠規定創設を盛り込んだ論点整理をまとめている。
これを前提に他党を説得し、改憲原案の条文を早期に完成させるべきだ。
目標とする憲法改正の時期も明らかにしてほしい。
安定的な皇位継承を巡っては男系(父系)継承を確実にしなければならない。
岸田内閣時の報告書の実現を求める。
国の根幹をなす課題であり、保守の真価が問われる。
北朝鮮による日本人拉致問題について首相は
「東京と平壌に連絡事務所を開設して交渉の足掛かりとする」
と唱えてきたが、家族会は時間稼ぎに利用されるだけだと反対している。
被害者と家族は高齢化している。
全員の早期救出に力を尽くさねばならない。
◆経済の道筋を具体的に
経済は国力の基盤である。
物価高を上回る持続的な賃上げを確実にし、デフレからの完全脱却を果たすことは重要だ。
東京株式市場では一時、日経平均株価が大幅下落した。
石破首相の経済・財政政策に対する警戒感が広がったとの見方がある。
政策の方向性や道筋を具体的に示し、丁寧な政策運営をすることが肝要である。
「政治とカネ」
の問題では政治資金の透明性確保やパーティー収入不記載事件の再発防止策を着実に進め、政治への信頼を取り戻すことが求められる。
理解に苦しむのは石破政権が挙党体制になっていない点だ。
弱い党内基盤の強化が本来取るべき対応だった。
決選投票で僅差で敗れた高市早苗前経済安全保障担当相には党ナンバー2の幹事長への就任を求めず、総務会長を打診し固辞された。
決選投票で高市氏に投票したとされる茂木敏充前幹事長には重要ポストを提示した形跡はない。
総裁選の勝利に貢献した菅義偉副総裁や、菅氏の盟友である森山裕幹事長、そして首相自身に近い議員の登用が目立つ。
総務相に村上誠一郎元行政改革担当相を起用したのには驚いた。
村上氏は、安倍氏が暗殺された後、安倍氏を
「国賊」
と呼び、1年間の党役職停止処分を受けた人物だ。
党内対立を煽る人事と言わざるを得ない。
岩屋毅外相は総裁選で石破陣営の選対本部長だった。
防衛相当時、韓国軍による海上自衛隊機へのレーダー照射があった。岩屋氏は抗議をしつつも、韓国の国防相と笑顔で握手した人物である。
国益を踏まえた外交を展開してほしい。
必ずしも適材適所と言えない陣容で衆院選を乗り切り、政策を遂行するのは困難を伴う。
首相は日本を守り抜く政治を心掛けてほしい。

<産経抄>地図と現実の誤差、石破新政権を待つ難題
2024/10/2 5:00
https://www.sankei.com/article/20241002-BPWWXSQX3FPSVAC7G73M2WY4OY/
「眠狂四郎」などの剣豪小説で知られる柴田錬三郎の元を、作家の吉行淳之介が訪ねてきた。
男女の性を通し人間の生を描き続ける吉行が、次は
「鼠小僧」
を書くという。
ついては時代物の急所について講義を願いたい、と。
▼江戸を舞台にするのなら、江戸の町を頭の中で歩けるようにならなければ―。
「柴錬」
先生はそう助言した。
吉行は勧めに従って、鼠小僧のいた時代の古地図を買い求めたそうである。
作中で描いた街並みは、地図を忠実に再現したものだという。
▼日本の針路を正しく示すべきこの人は、どんな地図をお持ちか。
第102代首相に選ばれ、新政権を発足させた石破茂氏である。
自民党では長く
「党内野党」
の立場にあり、時の内閣への直言も辞さなかった。
トップに立ち、眺める地図と現実の間には誤差≠烽るだろう。
▼総裁選では、国民に判断材料を提供するのが首相の責任だと語っていた。
そこから一転し、
「27日投開票」
の衆院選を明言したのには驚かされた。
臨時国会は9日までと短く、十分な論戦は出来ないと言われている。
公約の反故になりはしないか。
▼政治とカネを巡る国民の不信感を拭うのは容易なことではない。
デフレ克服を目指す経済政策はどうなる。
安全保障政策にしても、石破氏の掲げる
「アジア版NATO」
と実際のアジア情勢の間には、隔たりがある。
現実との誤差が余りに大きい地図では、使い物になるまい。
▼古地図といえば立川談志さんも江戸の街並みを詳細に記憶し、落語の語りに生かした。
「そういう部分がなければ『江戸の風』は吹かない」と。
さて石破首相である。
新政権は追い風を受けるというのが政界の常識だが、世論の風が期待通りに吹くとは限らない。

安倍氏「国賊」発言「遺族に謝罪」と村上誠一郎新総務相 記者に「少しは考えて」とも注文
2024/10/1 17:50
https://www.sankei.com/article/20241001-PCBZXCZGRRMVDEHMYRMJNTY7KI/
村上誠一郎新総務相は1日、安倍晋三元首相の死去後、安倍氏を
「国賊」
と呼んだことについて
「遺族に謝罪した」
「役職停止になった」
「もう終わりで」
と釈明した。
質問した記者に対しては
「少しは考えてください」
とも注文を付けた。
官邸で記者団の質問に答えた。
村上氏は安倍氏を
「国賊」
と呼んだ発言が問題視され、1年間の党役職停止処分を受けた。
先の自民党総裁選では石破茂首相の推薦人を務めた。

首相指名選挙、参院で高市早苗氏と茂木敏充氏に予想外の1票 N国2議員が投票予告
2024/10/1 16:26
https://www.sankei.com/article/20241001-3Z6G3Y5ZS5IX3A2UMTP4HFHYQA/
参院で1日に行われた首相指名選挙で、自民党の高市早苗前経済安全保障担当相と、茂木敏充前幹事長が予想外の1票を得た。
浜田聡参院議員が同日、自身のX(旧ツイッター)で
「今回の首班指名は茂木敏充と書いて投票予定です」
と投稿していた他、齊藤健一郎参院議員が同日、自身のYouTubeチャンネルで高市氏に投票すると明かしていた。
浜田、齊藤両氏は参院の会派
「NHKから国民を守る党」
に所属している。
首相指名では自身の所属する政党や会派のトップに票を投じるのが一般的だ。
浜田氏は9月17日、自身のXに
「増税ゼロを推進する茂木さんを世間が後押しすることに期待しています」
と投稿。
斎藤氏はYouTubeチャンネルで
「高市氏は素晴らしい政策を掲げられている」
「決選投票で敗れたが、応援する声を届けることに意味はある」
と理由を述べた。

石破首相は「円安」を受け入れるのか
田村秀男
2024/10/1 12:00
https://www.sankei.com/article/20241001-YTW6L37I2JIXZJ6C4HJN66ZQWE/?147052
本日中には、石破茂新政権が発足する。
さっそく打ち出される
「イシバノミクス」
はいくら綺麗事を並べても30年間も続いた慢性デフレから脱出させられるわけではない」
「鍵は円安基調の維持にある」
生真面目な石破さんは円安を受け入れるだろうか。
2012年9月の自民党総裁選の数カ月前、筆者は石破さんに会い、脱デフレ策を提案したことがある。
ところが石破さんは、有権者は物価の下落を歓迎し、上昇にはノーだと、真剣だ。
デフレとは物価下落以上の幅で賃金が下がる、つまり実質賃金が下がるので、国民が困窮化するのだと説得を試みたが、石破さんは最後まで納得しなかった。
以来、石破さんは
「反アベノミクス」
を貫いてきた。
そして、2024年8月下旬。
筆者知り合いの石破さんのブレーンから突如、経済問題で助言を依頼された。
石破さんは本欄など拙論に目を通しているとも聞かされた。
ならば、とA4判で1枚程度のメモを送付した。
要は脱デフレ、財政出動、実質可処分所得の引き上げ、家計消費の拡大、税収増の民間への全面還元、日銀利上げの凍結である。
ブレーンからは
「石破さんはしっかりと読んでいます」
との返事があったが、当方は半信半疑だ。
すると石破さんは9月に入ると、
「財政出動なければ経済が持たない」
「税増収分の防衛費や少子化対策への充当」
「最低賃金の引き上げ」
と言い出した。
9月27日の総裁選勝利後の会見では
「デフレからの脱却を完全なものにする」
「物価上昇を上回る賃金上昇」
「海外の生産拠点の国内回帰」
を強調した。
8月7日出版の「保守政治家 わが政策、わが天命」(講談社)での反アベノミクス色は薄れた。
「君子豹変」、
大いに結構だ。
ただ、1点だけ引っかかる。
超低金利、円安への批判こそ口にしないが、
「日銀は政府の子会社だとは思っていない」
と出演したテレビ東京の番組で語った。
日銀の政府からの独立性という建前を尊重するというニュアンスだ。
ルール尊重の石破さんらしいが、日銀は国家経済の成長と安定を目指す政府の目的に沿うのが日銀法の本義だ。
植田和男総裁の日銀は追加利上げによる円高誘導に前のめりだ。
7月末の追加利上げは投機筋による急激な円買いと株売りを招き、日経平均株価の大暴落を引き起こした。
日銀は9月には更なる利上げを見送ったが、依然として
「デフレ」
にはほとんど言及せず、ひたすら円安に伴う物価上昇を警戒し、利上げ姿勢を崩さない。
そもそも、政権が脱デフレを完遂させようというのに、円安の是正を急ぐ必要があるのだろうか。
グラフは国内総生産(GDP)の名目および実質額と円ドル相場について、アベノミクスが本格化した2013年度以降の推移である。
一目瞭然、2020年度以降、円安と名目GDPは寄り添うように動いている。
「円安」
というと
「悪者」
のイメージは強い。
コスト上昇に苦しむ個別の事業者にとっては確かに円安は気がかりだ。
しかし、経済、産業全体としては円安と共に名目GDPが拡大基調に転じて以来、脱デフレのチャンスが到来しているもう1つの現実がある。
先の春闘では賃上げ率が連合ベースで5%台に乗り、今夏はボーナスを含め、勤労者収入上昇率が物価の値上がり率を上回った。
瞬間風速とはいえ、実質賃金が上昇に転じた。
2022年以降の急速な円安は輸出企業の収益を大きく増やすばかりではない。
円安分を含めた輸入コストの急激な上昇は業種も、大企業も、中小零細企業も問わず、産業界全体のデフレ心理を劇的に転換させ、コスト上昇分を販売価格に転嫁する機運を普及させた。
すると企業の売上高が増え、収益もかさ上げされる。
もとより、人手不足は深刻だが、産業界を覆うデフレ心理が賃上げを抑えてきた。
名目収入増の見通しが立つと、経営者は賃上げ要求に応じるようになったのだ。
それでも脱デフレが確実とは言い難い。
内閣府の試算でも、この4〜6月期でも需要が供給能力を下回る
「需給ギャップ」
がマイナス、つまり需要不足の状況にある。
従ってデフレ圧力は依然として根強いと見るべきだ。
需給ギャップを埋めるためには家計消費を促す大幅賃上げの継続が必要で、円高はそれに水を差す。
円安でもその分以上に売り上げ、名目所得が上がれば全く問題はない。
利上げによって円高、株安を招けば、全てぶち壊しになるだろう。
(編集委員)

石破茂氏のアジア版NATO構想は反米か媚中か? 島田洋一、月刊「正論」で批判
正論11月号 連載「アメリカの深層」
2024/10/1 7:00
https://www.sankei.com/article/20241001-VGN2D4JFRNAWBMZAG4IAQCOWKE/?outputType=theme_monthly-seiron
過去に防衛大臣などを歴任した石破茂氏が、自民党総裁選出馬にあたり発表した基本政策の中に、
「アジア版NATO」
創設があった。
候補者討論会で、他候補から
「集団的自衛権の全面行使と憲法の関係はどうなるのか」
「また具体的にどの国が入るのか」
と当然の質問が出ている。
これに対し、石破氏は次のように答えた。
「まさしくそれらの点を、これから議論を詰めたい」
「中国を最初から排除するということを念頭に置いているわけではない」
呆れた回答という他ない。
当然ながら同盟国アメリカからは不信の声が出た。
筆者の所にもいくつか届いている。
代表的なものは、民主党政権で鳩山由紀夫首相が唱えた
「東アジア共同体」
構想の焼き直しではないのか、という疑問である。
まず改めて鳩山プランを振り返っておこう。
鳩山氏は月刊誌『Voice』(2009年9月号)で、同構想について
「東アジア地域を、我が国が生きていく基本的な生活空間と捉え、この地域に安定した経済協力と恒久的な安全保障の枠組みを創出する」
と概要を説明している。
さらに2009年10月、北京で開かれた日中韓首脳会議の冒頭、
「今までややもすると米国に依存し過ぎていた」
「アジアの一員としてアジアをもっと重視する政策を作り上げていきたい」
と述べている。
岡田克也外相は会議を前に
「日本、中国、韓国、ASEAN、インド、オーストラリア、ニュージーランドの範囲で(東アジア共同体を)考えたい」
と具体的なメンバーを挙げていた。
アメリカは明示的に外されている。
物理的距離は理由にならない。
ニュージーランドとアメリカ本土は、日本からほぼ等距離である。
米領で軍事拠点でもあるハワイ、グアム、アラスカなどは、ニュージーランドより遥かに近い。
尚、朝鮮半島北部即ち北朝鮮もこの共同体から除かれているが、
「恒久的な安全保障の枠組み」
という以上、無視してよいはずがない。
北朝鮮は体制崩壊させて統一韓国に含める趣旨というなら分かるが、単に深く考えていなかっただけだろう。
拉致問題で協力的な友好国、モンゴルを外した理由も分からない。
少し考えても穴だらけの
「構想」
であり、絵に描いたような軽挙妄動であった。
当時、米オバマ政権の国家安全保障会議(NSC)アジア上級部長だったジェフリー・ベイダー氏によれば、
「中国の対抗力たるアメリカを外し、中国を中心に東アジア機構を作るというこの危険な発想」
に対し、ベトナムが特に強い懸念を抱き、国家主席自ら積極的に潰しに掛かったという。
「他ならぬ(共産党一党独裁の)ベトナムがこうした提案の戦略的愚かさを理解する一方、アジアにおける最大の同盟国が理解していなかった事実はオバマ政権に衝撃を与えた」
とベイダー氏は皮肉まじりに総括している。
やはり当時のオバマ政権のブレーンだったハーバード大名誉教授のジョセフ・ナイ氏も
「米国は『外されている』と感じたなら報復に打って出る」
と露骨に不快感を示していた。
民主党穏健派の2人にしてこの反応。
後は推して知るべしだろう。
慌てた鳩山首相は、
「アメリカとアジアの架け橋になるのが、自分の意図」
と釈明したが、米側からは、
「架け橋など不要」
「アメリカは自らアジアとの関係をコントロールできる」
と一蹴された。
鳩山氏に限らず、自民党幹部からも過去に危ない言動が出ている。
2019年4月、習近平国家主席を表敬訪問した二階俊博幹事長(当時)は、会談後
「協力し合って一帯一路構想を進めていく」
「米国の顔色を窺って日中の問題を考えていくものではない」
と啖呵を切った。
戦略性皆無の媚中発言であった。
石破氏の
「アジア版NATO」
だが、米国ではこうした鳩山、二階路線と同類だと見られよう。
(福井県立大学名誉教授 島田洋一)
(月刊「正論」11月号から)

岸田文雄が放送禁止用語で高市早苗を「猛口撃」!感情むき出しの敵意が「石破茂新総裁」を生んだ
https://article.auone.jp/detail/1/1/1/42_1_r_20241001_1727729993907897
自民党・石破茂新総裁誕生の立役者となったのは、岸田文雄前総裁だった。
自ら派閥を解散しておきながら、会長だった旧宏池会票を石破氏支持でまとめたからだ。
岸田氏が石破氏を支持した要因はいくつかあるが、個人的に高市氏を毛嫌いしていたこともある。
高市氏が総裁になった場合、靖国神社参拝を公言しているため、自身が積み重ねてきた日米、日韓関係に亀裂が生じる。
それを懸念したというのが、高市氏を支持できない表向きの理由とされる。
ところが宏池会関係者によると、岸田氏は高市氏について、放送禁止用語を使って
「あの××××女」
と感情を剝き出しにしていたという。
岸田氏は当初、旧宏池会議員に対して
「党員票が多い候補に入れる」
との指示を出していた。
石破氏が党員票でトップになることを見越しての発言だった。
ところが高市氏が党員票で石破氏を逆転しそうな情勢になると
「高市氏以外で」
と変更した。
岸田氏がなりふり構わず高市氏を追い落とそうとする行動に出たのはなぜか。
「両者は抜き差しならない関係になっていた」
と宏池会関係者は証言する。
直接のきっかけは、能登半島地震だ。
高市氏は1月16日、復興を最優先にすべく、来年開催の大阪・関西万博を延期するよう、岸田氏に進言した。
万博は所管外だったが、高市氏の行動は
「政権に反旗を翻したか」
と党内外に波紋を広げた。
対応を迫られた岸田氏は、予定通り実施することを決めた。
ところが高市氏が岸田氏とのやり取りを動画投稿サイトで暴露したため、岸田氏は激怒。
高市氏は会見で
「首相を信頼してお任せしたい」
と発言を後退させた。
高市氏は2022年12月にも、岸田氏が防衛費を増額するための財源の一部を増税で賄う方針を示すと、SNSで
「賃上げマインドを冷やす発言を、このタイミングで発信された総理の真意が理解出来ません」
と批判した。
これを野党から追及されると、
「間違ったことを申し上げた、との考えはない」
「罷免されるなら仕方がないとの思いで申し上げた」
と言って開き直った。
こうしたことが積もり積もって、岸田氏とすれば高市氏にリベンジしたのだろうが、ある閣僚経験者は、
「個人的な感情を剝き出しに女性を攻撃するやり方は『ミスター・ジェントルマン』のすることではない」
と岸田氏を皮肉るのだった。
(田中紘二/政治ジャーナリスト)

「10・27投開票」石破新総裁の総選挙“前倒し”背景に「靖国神社に行かせない」驚きの“高市早苗つぶし”戦略
社会・政治FLASH編集部
記事投稿日:2024.09.30 18:11 最終更新日:2024.09.30 18:37
https://smart-flash.jp/sociopolitics/308911/1/1/
永田町の秋は、あわただしいことになりそうだーー。
自民党の石破茂新総裁は10月1日に新内閣を発足、4日に衆参両院で所信表明演説を行った後、7日から各党の代表質問を行い、9日にも衆院を解散する方針を決めた。政治担当記者が解説する。
「当初は、10月29日公示、11月10日投開票という予定が有力でした」
「しかし、石破さんは“手のひら返し”で10月15日に公示、10月27日投開票という日程を選びました」
「一応表向きの理由としては、11月に投開票となると2024年度補正予算の成立が遅れ、2025年度の予算編成に日数的な影響が出る、という理由です」
「しかし実際は、参院岩手県選出議員の補選に合わせたようです」
「公設秘書の給与を騙し取った詐欺容疑で関係先を家宅捜索され辞任した、広瀬めぐみ元参院議員の補選が、同じ10月27日に投開票の予定です」
「岩手県の補選が、前哨戦的な扱いになっては困るというわけです」
元々、総裁選の“御祝儀相場”のうちに解散総選挙を打つ、というのが与党の方針だ。
その意味では既定路線とも言えるが、今回の“手のひら返し”にはもう1つの大きな理由があるのだという。
「総裁選で、ポスト石破の最右翼になった高市早苗さんの存在です」
と明かすのは、旧岸田派の中堅議員だ。
「総裁選で一瞬、全員が息を飲んだのが、第1回の投票結果が発表された瞬間です」
「高市さんが党員党友票で1位となり、石破さんですら顔が一瞬、真っ青になりました」
「結果的に、岸田文雄首相や菅義偉(よしひで)前首相の支持で勝つことができましたが、麻生太郎副総裁を後ろ盾とする“高市一派”は、今回の結果にブチギレ状態で、石破さんにとって自民党を分裂させかねない危険な存在です」
「総務会長のポストを拒否したところからも、党内の融和路線とはほど遠いことが分かります」
そのために、“高市一派”が目論んでいた、ある計画を潰す必要が出てきたのだ。
「実は10月17日から3日間、靖国神社の秋季例大祭が行われます」
「終戦記念日の公式参拝を総裁選の“公約”にしていた高市さんですが、この例大祭では、100人規模の超党派議員による参拝を計画していました」
「いわゆる旧安倍派を中心に、保守派の議員が集結するのは間違いありません」
「外交上の配慮はもちろんですが、石破さんとしては、これ以上、高市さんに目立ってほしくないところです」
「そこで、総選挙期間をぶつけたというわけです」
「さすがに選挙期間中となれば、参拝する議員は少ないはずですからね」
「いわば、危険なライバルとなった高石さんを『靖国神社に行かせない』という意味合いもあるというわけです」
(同前)
5度めのチャンスを掴んだ男は、やはりただ者ではない。
( SmartFLASH )

<主張>石破氏の解散表明 掌返しで信を得られるか
社説
2024/10/1 5:00
https://www.sankei.com/article/20241001-ZTNJ4X45WVOOTCNYF2SENFZN4M/
自民党の石破茂総裁が記者会見で、首相に就任後、衆院選を
「10月27日投開票」
の日程で行うと表明した。
衆院選は政権選択の選挙だ。
首相交代に合わせて実施すること自体は問題ないが、余りにも急ぎ過ぎてはいないか。
石破氏は党総裁選時には、国会で野党側と論戦を交わしてから衆院選を実施するのが望ましいという姿勢だった。
総裁になって言い出した
「10月27日投開票」
では、国会日程が極めて窮屈で、十分な論戦が出来るとは思われない。
これではまるで掌返しである。
石破氏は僅か半月前の日本記者クラブ主催の討論会で
「国民が判断する材料を提供するのは首相の責任だ」
「本当のやり取りは(国会の)予算委員会だ」
「すぐ解散するという言い方はしない」
と語っていた。
早期解散を唱えていた小泉進次郎候補と石破氏の考えは違う、と受け取った国民は多かったはずだ。
自民は1日召集の臨時国会の会期について
「9日まで」
とする日程を野党に提案した。
4日に首相の所信表明演説を行い、週明けの7日から衆参両院で代表質問を行う方向だ。
予算委や党首討論の開催が取り沙汰されているものの、9日までの日程では極めて短時間の開催しか望めまい。
立憲民主党からは早速反発の声が出ている。
石破氏は総裁就任時の会見で
「(自民は)謙虚な政党でなければならない」
と語った。
そうであるなら、予算委で野党側と堂々と論戦を交わすのが筋ではないだろうか。
政権発足の勢いに乗って衆院選を有利に進めたいのかもしれないが、言行が一致していないと見られれば期待感はしぼみかねない。
一方、石破氏を支える自民党4役が決まり、閣僚人事もほぼ固まったが、挙党態勢からは程遠い陣容となった。
決選投票で僅差だった高市早苗経済安全保障担当相に幹事長を打診しなかったのは理解に苦しむ。
平成24年の総裁選を制した安倍晋三元首相が、決選投票で敗れた石破氏を幹事長に起用したのとは対照的だ。
高市氏を支持した国会議員や党員・党友も包摂しなければ、党が結束して衆院選に臨むことは難しいだろう。
衆院選で各政党と全ての候補者は、日本の独立と繁栄を守る政策を有権者に提示し、競い合う必要がある。

http://www.asyura2.com/24/senkyo295/msg/661.html#c11

[政治・選挙・NHK295] 総選挙「比例復活なし」で自民党パニック!死屍累々の旧安倍派“裏金議員”に渦巻く怨嗟の声(日刊ゲンダイ) 赤かぶ
19. 秘密のアッコちゃん[698] lOmWp4LMg0GDYoNSgr@C4YLx 2024年10月09日 11:02:21 : fjTz2F981w : QTJUazdpaUhyT1U=[263]
<■2240行くらい→右の▽クリックで次のコメントにジャンプ可>
自民 不記載議員12人を衆院選で非公認 執行部に不服も
2024年10月9日 10時02分
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20241009/k10014604941000.html
衆議院選挙に向けて、自民党は、政治資金収支報告書に不記載があった議員などあわせて12人を公認しないと発表しました。
民党は9日午前、石破総理大臣や菅副総裁、森山幹事長らが出席して、選挙対策本部の会合を開きました。
冒頭、石破総理大臣は
「本日、衆議院を解散する」
「私どもがこの選挙を勝つことが日本国のためであるという確信の下、有権者に真摯に向き合い、誠実にこの選挙を戦っていく」
「全ての同志が勝ち残ってもらえるよう全身全霊でこの選挙に臨む」
と述べました。
そして、衆議院選挙の第1次公認候補として小選挙区と比例代表のあわせて279人を決定しました。
このあと、森山幹事長は記者団に対し、政治資金収支報告書に収入を記載していなかった議員など12人を公認しないと発表しました。
公認しないのは、
「党員資格停止」
などの処分を受けこれまでに非公認とする方針を固めていた
下村元文部科学大臣、
西村元経済産業大臣、
高木元国会対策委員長、
萩生田元政務調査会長、
平沢元復興大臣、
三ツ林裕己氏の6人に加え、
半年間の
「党の役職停止」

「戒告」
の処分を受けた議員で地元での理解が十分に進んでいないと判断した
菅家一郎氏、
中根一幸氏、
小田原潔氏、
細田健一氏、
処分は受けていないものの、不記載があった
越智隆雄氏と
元議員の今村洋史氏の6人です。
このうち越智氏はすでに立候補しない意向を示しています。
また、9日の会合では処分の有無にかかわらず、収支報告書に不記載があった議員は小選挙区と比例代表との重複立候補を認めないことも改めて確認しました。
森山氏は
「今回の決定は、石破総裁から示された方針の下、都道府県連の申請やそれぞれの選挙区の状況を吟味したうえで判断した」
と述べました。
その上で
「この厳しい決断の上で、民主主義の根幹である選挙で、再び国民に信頼してもらうため全ての候補者が、有権者と真摯に向き合って説明を尽くしてもらいたい」
と述べました。
一方、9日の会合では、執行部の判断に不服を訴える意見も出ました。
■旧安倍派 大塚氏「党のあり方としていかがなものか」
自民党旧安倍派の大塚拓氏は、選挙対策本部の会合に出席したあと記者団に対し
「このようなやり方は自民党の在り方として如何なものかという意見を申し上げた」
「これまでのやり方の見直しについて、色々とお願いした」
と述べました。

自民、衆院選で不記載12人を非公認 旧安倍派の中根一幸氏、菅家一郎氏ら6人追加
2024/10/9 9:34
https://www.sankei.com/article/20241009-JLTEYLJ2GBMWNFIEYVYFPC7YKA/
自民党は9日午前、石破茂首相が出席し選挙対策本部会議を開き、派閥パーティー収入不記載問題に関係した議員12人を衆院選で非公認にすると決めた。
既に非公認とする方針を決めていた6人に加え、追加で旧安倍派の菅家一郎、小田原潔、中根一幸、越智隆雄、細田健一、今村洋史各氏を非公認にした。
越智氏は既に衆院選に出馬しない意向を表明している。
既に非公認とする方針が決まっていたのは、下村博文、西村康稔、高木毅、三ツ林裕巳、平沢勝栄、萩生田光一各氏。
追加非公認の措置は、都道府県連など地元組織の意向、党の情勢調査の結果、不記載額が多く比較的重い処分を受けたことなどを踏まえた判断とみられる。
首相は9日の選対本部会議で
「全ての同志が勝ち残るよう全身全霊で選挙に臨む」
と述べた。

<正論>新政権、経済安保の軸ぶらすな 
明星大学教授・細川昌彦
2024/10/9 8:00
https://www.sankei.com/article/20241009-SUUGHYHLKZP37OETSW2IPKHWXM/
1日、石破茂新政権が発足して、政策の行方に注目が集まる。
しかし残念ながら不安な船出だ。
安全保障では石破首相が提唱する
「アジア版NATO構想」
や日米地位協定の改定には、非現実的との内外からの批判が上がる。
さすがに所信表明演説では封印した。
早期に軌道修正しなければ、日米同盟を揺るがしかねず、喜ぶのは中国、ロシアだ。
また外交面でも
「中国を刺激しない」
との対中姿勢など、
「軸のある」
政策が期待できるか危ぶむ声も上がる。
国内の経済政策でも増税路線や金融政策での石破首相自身の発言のブレも懸念される。
こうした軸をぶらすことが許されない政策が経済安全保障だ。
■岸田政権の評価と宿題
所信表明演説では経済安保への言及は数行に過ぎない。
能動的サイバー防御といった前政権の仕掛かりの引き継ぎ≠セけだ。
3年前の岸田政権発足時にはどうだったか。
経済成長戦略の柱の1つとして経済安保を位置付け、新設の担当大臣や法案策定まで言及した。
単なる
「文章上の差」
であればいいが、
「意気込みの差」
であってはならない。
取り巻く国際情勢はますます厳しくなっている。
まず岸田政権での経済安保政策を総括しよう。
結論から言えば、中国リスクを念頭に着実に進展した。
「戦略的自立性」

「戦略的不可欠性」
を2大目標に掲げ、世界に先駆け
「経済安保推進法」
を制定し、懸案の
「セキュリティ・クリアランス制度」
も実現した。
半導体など戦略物資の産業基盤への大胆な支援にも踏み切った。
経済安保の国際連携も進んだ。
米欧など2国間だけでなく、先進7カ国(G7)、日米豪印4カ国(クアッド)、インド太平洋経済枠組み(IPEF)でも重要テーマで、いずれも日本が貢献し、
「重層的な国際連携」
を担う。
ただし積み残した課題は多い。
国内の課題は前述の能動的サイバー防御の導入だけではない。
データの漏洩防止や信頼性の担保など
「データ・セキュリティ」
も重要だ。
また本稿でも累時取り上げてきたが、歴史的な転換期を迎えた輸出管理の再設計、綻びが露呈した投資審査の補強も重要課題だ。
さらに官民の経済インテリジェンスの強化も急務だ。
決定的に不足する専門人材の育成や、シンクタンクやリスク分析など関連産業も含めた
「コミュニティの形成」
も必要だ。
取り巻く国際環境はどうか。
中国を巡る経済安保リスクは
「モノの依存」
「技術の流出」
だが、この3年でより深刻になっている。
■ミドルパワーとしての役割
中国は戦略産業の自前化戦略を加速している。
そのボトルネックになっている技術の入手に手法も巧妙化する。
国産化できると巨額の補助金で過剰生産し、安価な製品で海外市場を席巻する。
他国産業に致命的なダメージを与え中国依存状況を戦略的に作り出す。
太陽光や蓄電池、汎用半導体でも同様だ。
これは
「経済の武器化」
につながり、各国共通の懸念だ。
2023年はガリウム、黒鉛など重要鉱物の輸出を規制し、今後さらに拡大する懸念がある。
戦略産業では米中両大国による
「産業政策の大競争」
も起こっている。
それに伴い保護主義のリスクも顕在化した。
米国のインフレ抑制法(IRA)のように、巨額の補助金や税制による自国への産業囲い込みの動きだ。
こうして大国が巨大市場を背景にパワーゲームを繰り広げる中で、日本はミドルパワーの国として、ルールによる国際秩序を志向する。
その際、途上国(グローバルサウス)も含めた仲間づくりがカギになる。
これらの国々は中国による過剰供給の被害者でもある。
対米不信の国も少なからずあり、日本が米欧との橋渡し役として果たす役割は重要だ。
■「公正」のルール主導を
こうしたルールによる国際秩序の焦点は
「公正な貿易」
のルール作りだ。
単なる自由貿易だけを掲げて済んでいた時代ではもはやない。
しかも中国は言行不一致の
「エセ自由主義」
だ。
中国による市場を歪曲する不公正な政策・慣行が、過剰生産と中国への過剰依存を招いている。
それを解消する
「デリスキング(リスク軽減)」
が重要だが、そのために国内の戦略産業の基盤を強化する。
そうした供給面と同時に、需要面でも価格だけでなく
「公正さ」
も考慮した製品市場を作ることが肝要だ。
具体的には人権や環境、さらには供給遮断、情報漏洩のリスクなどへの信頼性だ。
しかも巨大市場の米欧を巻き込んで国際ルールを作ることが重要となる。
本年のG7首脳宣言ではこうしたルール作りで合意した。
石破新政権が取り組むべきはその具体化だ。
重要鉱物、汎用半導体、医薬品など戦略分野ごとに、日本がルール作りを主導する重責を担う。
こうした内外の課題は多面的で多くの省庁に関わる。
経済安保担当大臣任せではいけない。
石破首相自身のやる気と覚悟が問われている。

「防衛シフト」の石破政権 安全保障に精通した議員を要職起用 現実路線で対中抑止を
2024/10/9 6:00
https://www.sankei.com/article/20241009-RYPOGACQBRNERI5WD7MFPFJZQY/
石破茂新政権が1日に発足した。
日本は今、戦後最も複雑で厳しい安全保障環境に置かれている。
特に中国は、自民党総裁選最中の
「政治空白」
に合わせて日本周辺での軍事活動をあからさまに活発化させている。
中国と軍事的連携を強めるロシア、弾道ミサイル発射を繰り返す北朝鮮の動向も予断を許さない。
日本自らの防衛力に加え日米同盟、同志国との連携を強化し、如何に抑止力・対処力を高めるか。
首相の指導力が問われる。
■党要職に防衛相経験者
「これだけ安保政策が前面に出て、注目される新内閣は珍しい」。
石破政権発足後、防衛省幹部はこう漏らした。
防衛庁長官、防衛相をそれぞれ経験し、安保政策通を自任する首相をトップに、外相には岩屋毅氏、防衛相には中谷元氏、自民党政調会長には小野寺五典氏と政府、党の要職にいずれも防衛相経験者を充てた。
加えて首相の側近となる政務担当の首相秘書官2人のうち1人には槌道明宏元防衛審議官を就けた。
槌道氏は昭和60年に防衛庁(当時)に入庁し、石破氏の防衛相時代の秘書官を務めた経験がある。
防衛政策に明るい人材で脇を固める石破政権の布陣は、日本が置かれる厳しい安保環境に対する危機感の表れとも見て取れる。
首相は自民党総裁選で、
「アジア版NATO(北大西洋条約機構)」
の創設や日米地位協定の改定、米国内の自衛隊訓練基地設置など独自の安保政策を掲げたが、その実現性については懐疑的な指摘が相次いだ。
首相は7日の衆院代表質問で、アジア版NATOについて
「私自身の一国会議員としての考えを述べてきたが、一朝一夕で実現するとは当然思っていない」
と語った。
4日の所信表明演説でも、アジア版NATOの他、地位協定の改定や米国内の自衛隊訓練基地設置には触れなかった。
7日の衆院代表質問では
「一国の首相としてまずは喫緊の安全保障上の課題に取り組んでいく」
とも強調し、現実路線にシフトしつつあるようだ。
■台湾有事は「重要影響事態」
石破政権にとって中国の軍事的脅威にどう対抗するかは重要課題の1つとなる。
日本は自民党総裁選と衆院解散・総選挙、米国は大統領選の最中にあって、日米でそれぞれ
「政治的空白」
が生じる隙を突いて、中国は軍機による初の領空侵犯や領海侵入、空母による初の接続水域侵入など挑発行動を繰り返した。
日本政府は対抗措置として9月、海上自衛隊の護衛艦による初の台湾海峡通過に踏み切った。
中国は猛反発し、軍事的挑発を更に強める恐れがある。
昭和29年の自衛隊創設以来、初となる海自艦艇による台湾海峡の通過は、日本としても中国大陸と台湾を隔てる台湾海峡の安定重視を打ち出すため、政府内で検討されてきたが、尖閣諸島(沖縄県石垣市)などで中国の挑発活動がエスカレートする事態を懸念し、見送ってきた経緯がある。
日本にとって海自艦艇の台湾海峡通過は
「切り得る最大のカードのうちの1つ」(自衛隊幹部)
であり、今後中国に対し毅然とした態度を示しつつも、軍事的緊張を激化させないためにどう対応するかは大きな課題となる。
中国の習近平国家主席は、2027(令和9)年までに台湾侵攻の準備を完了させるよう指示したとされ、この期間は首相の自民党総裁任期(9年9月末まで)と重なる。
首相は総裁選期間中のテレビ番組で、台湾有事について
「少なくとも(安全保障関連法で定められた日本の平和と安全に重要な影響を与える)重要影響事態だ」
との認識を示した。
■実効的な対応が求められる
約3年に及んだ前の岸田文雄政権は、国家安全保障戦略など安保3文書を策定し、防衛費の大幅増額や反撃能力(敵基地攻撃能力)の保有を決定した。
防衛装備移転に関する規制も緩和し、地対空誘導弾パトリオットを米国に輸出するなど日米同盟の強化に努めた。
オーストラリアや英国など同志国との防衛協力も積極的に進めた。
念頭にあったのは対中包囲網の構築だ。
「自由で開かれたインド太平洋」
を唱えた安倍晋三元首相以降、岸田氏にまで引き継がれた外交安保政策を継承、発展させ、台湾の武力統一も見据えて軍事活動を活発化させる中国をどう抑止するか、実効的な対応が求められる。

<主張>代表質問 安全保障の論議不十分だ
社説
2024/10/9 5:00
https://www.sankei.com/article/20241009-N3ZCWLPEKJIFNBCCPHJ3MP7ZMA/
石破茂首相の所信表明演説への国会の代表質問が終わった。
政権選択選挙である衆院選を前にした国会である。
「政治とカネ」
を巡る問題が盛んに議論された。
その一方で、日本の独立と繁栄の基盤となる安全保障の論議が深まらなかったのは残念だ。
自民党議員は中国軍の領空侵犯や領海侵入、空母「遼寧」の接続水域航行、ロシア軍の領空侵犯を取り上げ、小野寺五典政調会長は
「国民の命と暮らし、領土・領海・領空を守り抜く」
ことを求めた。
日本維新の会の馬場伸幸代表は台湾有事について質した。
首相が最近の著書で
「『台湾有事、即日本有事』となる可能性は相当低い」
と指摘しているからだ。
馬場氏は
「対中抑止力や国民の国防意識を削ぐことになる」
と懸念を示した。
首相は
「仮定の質問に答えるのは差し控える」
とした上で
「台湾海峡の平和と安定は国際社会の安定にとっても重要だ」
と指摘した。
国防の決意と具体策をもっと語る必要がある。
物足りなかったのは野党第一党の立憲民主党である。
野田佳彦代表が首相のアジア版NATO(北大西洋条約機構)構想に関し
「日米同盟の抑止力に疑念があると思われかねない」
「非現実的ではないか」
と疑問を呈したのは妥当である。
だが、立民として日本をどう守るつもりかを語らなかった。
対中認識を含む現下の国際情勢に対する見方も示さなかった。
田名部匡代参院幹事長はロシアに侵略されたウクライナで、なぜ抑止力が効かなかったのかを質した。
ウクライナ問題を論ずるのではなく、アジア版NATOを巡る首相の言行不一致を引き出したかっただけのようだ。
安保政策を十分語らずに政権交代を迫っても、説得力は感じられない。
憲法改正については自民、立民、維新などが質問した。
首相は緊急事態条項の創設や自衛隊明記について、自民内の議論を
「後戻りさせることなく、前に進めていく決意だ」
と語った。
同時に、任期中に国会への発議を実現したいとし、憲法審査会で議論を深めるよう求めた。
ただ、それだけでは足りない。
首相や憲法改正に前向きな政党は、どの項目をいつまでに条文化したいのかを明らかにすることも重要である。

首相、世論と党内融和で板挟み 「聞く力」発揮は 衆院選結果次第では「石破降ろしも」
2024/10/8 6:00
https://www.sankei.com/article/20241008-ZVRGPKMP4FIUHGX35IF7KBFX7U/
石破茂首相(自民党総裁)は就任後初の視察先として、1月に地震、9月には記録的な豪雨に見舞われた石川県に赴き、被災者の声を聞いて回った。
先の党総裁選の討論会やテレビ番組では得意な論戦で
「語る力」
が目立っていたが、視察現場では
「聞く力」
を重視した。
次期衆院選に向け派閥パーティー収入不記載事件の関係議員への厳しい対応を迫られる中、
「聞く力」
を発揮し、党勢を立て直すことができるのか注目される。
■正座で被災者に寄り添い
「国も、ちゃんと分かってくれとるね、と実感してもらわんといけんと思っとるんですよ」。
首相は5日、同県輪島市内の避難所を訪れ、高齢の被災者らに、こう語りかけた。
防災庁創設を掲げ、避難所の環境改善を訴えてきた首相は、被災者に食事の内容やコンテナ型トイレの使用感などを熱心に聞き取った。
その間、正座で被災者と向き合い、
「困ってる、なんとかならんか、ということがあったらおっしゃってください」
と柔和な表情で繰り返し声をかけた。
首相はこの日、午前9時ごろに能登空港(同県輪島市)に到着すると、政府専用車両ではなく、大型バスに随行の首相秘書官らと乗り、被災現場や避難所を回った。午後4時半ごろに同空港を発つまでに7カ所回った。
震災の被害が甚大だった同県珠洲市内の避難所でも、
「(今も)飲み水はペットボトルですか」
「携帯電話はすぐに通じるようになったのですか」
などと質問し、被災者に寄り添った。
■「自己満足にひたっていてはいけない」
視察先で
「聞く力」
をアピールした首相だが、ライフワークとする安全保障分野や憲法改正の議論ではこれまで持論を展開してきた。
党や政権に物言う姿勢を貫き、世論調査での人気は高いが、党内では
「後ろ足で砂をかける」
「後ろから鉄砲を撃つ」
との評価が付きまとってきた。
平成21年の麻生太郎内閣末期に急先鋒で
「麻生降ろし」
を始めたのは首相だった。
先の党総裁選で麻生氏が石破氏ではなく高市早苗前経済安全保障担当相を支援したのは、この時に出来た溝が原因だ。
首相自身も
「後ろから鉄砲を撃つ」
という評価については自覚があり、5度目の挑戦となった先の党総裁選期間中の産経新聞の単独インタビューでは、
「『俺は正しいことを言っている』という自己満足に浸っていてはいけない」
と言及。
「原理原則論」
を前面に押し出す言動を控えた。
実際、首相就任後は自身が提唱してきた
「アジア版NATO(北大西洋条約機構)」
創設や日米地位協定の改定に関し、党内や関係各所との合意を得る努力を進めていくとの考えを示した。
また、総裁選では賛意を示した選択的夫婦別姓制度についても党内に根強い反対意見に配慮し、今は慎重姿勢を取る。
■不記載議員の公認問題で安倍派は不満
「石破カラーを出すと党内から怒られる」
就任当初、こう漏らした首相は、野党からの
「これまでの発言からブレた」
との批判も甘んじて受け、党内融和に腐心してきた。
しかし、次期衆院選に向けた派閥パーティー収入不記載事件の関係議員の公認を巡っては、厳しい判断を迫られた。
「政治とカネ」
を巡り世論の逆風が止まない中、首相は7日、政治資金収支報告書に不記載が確認された議員を次期衆院選で公認した場合でも、比例代表との重複立候補を認めない方針を決め、非公認の対象も広げた。
党内には世論の声を聞いた首相の決断を評価する声がある一方、不記載事件に関与した議員が多い旧安倍派からは恨み節が漏れる。
旧安倍派の中堅議員は
「首相との間にしこりは残るに決まっている」
「もう修復は出来ないよ」
と吐き捨てる。
総裁選で首相と争い、首相とは異なる保守的な政治信条を持つ高市氏や小林鷹之元経済安保担当相も首相の提示したポストを固辞するなど距離を置く。
報道各社の世論調査で総裁に相応しい候補として上位を維持してきた首相だが、首相就任後の各社の調査では内閣支持率は50%前後にとどまった。
次期衆院選の結果次第では党内で
「石破降ろし」
が始まりかねない。
首相は世論の期待と党内融和の狭間で難しい政権運営を強いられそうだ。

石破首相は「2代目検討使」「岸破%煌t」 国民・玉木雄一郎代表が皮肉
2024/10/7 21:35
https://www.sankei.com/article/20241007-DU4WL3DGINJ7VB2YMMNEFVTHRU/
国民民主党の玉木雄一郎代表は7日、衆院本会議の代表質問で
「検討する」
との答弁を連発した石破茂首相を皮肉った。
岸田文雄前首相が
「検討使」
と揶揄されたのを引き合いに
「第2次検討使が派遣され、2代目を襲名したようだ」
と国会内で記者団に語った。
両氏の名前をもじり
「『岸破内閣』という感じだ。中身が全く一緒だ」
とも述べた。
更にに、ガソリン税を一部軽減する
「トリガー条項」
の凍結解除などの答弁が岸田氏と同じだったと指摘。
「石破カラーを感じられない官僚答弁だった」
「石破氏の着ぐるみを着た岸田氏かと思った」
と語った。

<主張>不記載議員対応 またもや「言行不一致」か
社説
2024/10/8 5:00
https://www.sankei.com/article/20241008-VVITD4HYDZJN3DGCSNBHI6GB44/
石破茂首相(自民党総裁)と党執行部が、派閥パーティー収入不記載に関係した同党衆院議員らへの衆院選対応を決めた。
不記載議員を選挙区で原則公認する一方、比例代表への重複立候補は認めない。
旧安倍派幹部3人に加え、国会の政治倫理審査会(政倫審)に出席していない旧安倍派、旧二階派の議員3人も公認を見送る。
首相は
「国民の不信や怒りにきちんと対応することが必要だ」
と語った。
今回の措置は、議員の政治生命に関わる方針転換である。
衆院選で苦戦を強いることを見越した選挙目当ての策と言える。
党執行部は当初、重複立候補を認める構えだった。
首相は言行不一致と指摘されても仕方のない行動にまたもや走ったことになる。
首相は総裁選時に、今回のような措置を講ずると語っていなかった。
出馬表明時こそ
「公認するに相応しいかどうかの議論は徹底的に行われるべきだ」
と非公認の可能性に言及したが批判を浴びて軌道修正していた。
総裁選時に何も語らずに議員に支持を求め、当選したら掌返しをするのは総裁選という選挙を軽んじている。
騙し討ちのような手法は感心しない。
総裁選の公約で
「不記載議員1人1人と向き合い厳しく反省を求める」
と明記したが、当選後にそれを行っている形跡もない。
首相は議員への聞き取りについて
「厳しい時間の制約はある」
と述べて消極的だ。
だが、前言を翻して予算委員会を開かず衆院解散を急いでいるのは首相ではないか。
石破内閣への世論の視線は厳しい。
早期解散に走ったり、総裁選で掲げた主要政策を次々に軌道修正したりした言行不一致や、挙党体制を取らない組閣などが響いている。
いずれも首相自身が招いた事態である。
強引な衆院選対応を決めても党の団結を損なう。
また、有権者の心にどこまで響くかは不透明だ。
公認基準を巡っても解せない点がある。
「党役職停止」
処分中の議員のうち、政倫審で説明した議員は非公認の対象から除いた。
政倫審で弁明はあったが、それで事件が解明されたとは到底言えない。
石破首相と自民に求められるのは、なぜ事件が起きてしまったかを説明することだ。

無役の自民・高市早苗氏にSP 衆院選期間中、加害予告の投稿受け異例の対応
2024/10/7 18:59
https://www.sankei.com/article/20241007-6TNQSVIATJKIRCGC6OC5HHMJBM/
衆院選(15日公示、27日投開票予定)の選挙運動期間中、自民党の高市早苗前経済安全保障担当相が警護対象者となり、SP(警護官)がつくことが7日、わかった。
インターネット上に高市氏に対する加害予告の投稿が発見されたためで、政府や党の要職についていない
「無役」
の議員が警護対象になるのは異例となる。
高市氏周辺によると、総裁選の1回目の投票で首位だった高市氏には党所属議員から衆院選の応援要請が殺到しており、全国各地で応援演説を行う予定だ。
だが、関係者によると、警察当局によるサイバーパトロールで、高市氏に危害を加えるとの趣旨の投稿が複数確認された。
国内外で要人襲撃事件が相次いでいることもあり、SPがつく異例の対応が決まった。

まさかの低支持率「石破政権」いきなりヤバい理由
国民人気は高いと思われていたのに何が?
安積 明子 : ジャーナリスト
2024/10/7 11:50
https://toyokeizai.net/articles/-/832155#:~:text=%E3%81%BE%E3%81%95%E3%81%8B%E3%81%AE%E4%BD%8E%E6%94%AF%E6%8C%81%E7%8E%87%EF%BD%A2%E7%9F%B3
10月1日に発足した石破政権だが、滑り出しがよくない。
各社が行った世論調査でも、第1次安倍政権以降の10の政権の中で石破政権はおしなべて9位を占めた。
なお支持率最下位の麻生政権のときに、自民党は下野している。
■「国民人気はある」と認知されていたが…
まさかの数字に驚愕したのは、石破茂首相だけではないだろう。
自民党内で石破首相は、
「党内では人気がいまいちだが、国民には人気がある」
と認知され、長らく本人もそれを自負していたに違いない。
石破首相は2012年の総裁選の1回目の投票で165票という大量の党員票を獲得し、故・安倍晋三元首相らを押さえて1位に躍り出たからだ。
だから9月27日の総裁選で、高市早苗前経済安全保障担当相が109票の党員票を獲得し、たとえ1票差とはいえ石破首相を上回った時、大きなショックが広がった。
決選投票前の演説で、うなだれる石破首相とは対照的に高市氏がはしゃいでいるように見えたのも、それが一因だったかもしれない。
しかし、決選投票で石破氏は議員票を143票伸ばし、都道府県連票を含めた全体では高市氏を21票差で下して勝利した。
「差はそれほど大きくない」
「10人ほどがひっくり返れば、結果は逆になったはずだ」。
ある自民党議員がそう言った。
確かに1回目の投票で投じられた46票の議員票は別として、決選投票で石破首相に追加に投じられた143票の議員票すべてが
「石破氏でなくては絶対にダメ」
というわけではなかっただろう。
だからこそ石破首相は
「党内の和」
を第一とし、森山裕幹事長を任命した。
次期衆院選での裏金議員の処遇についても、一時は
「原則公認」
との姿勢を示したのも、それ故だろう。
しかし国民は忘れてはいない。
石破首相は8月24日に総裁選への出馬を表明した際、確かにこう言ったのだ。
「自由民主党公認候補として、公認するに相応しいかどうか」
「そういう議論は選挙対策委員会で徹底的に行われるべきだと思っています」
場所は鳥取県八頭町の和多理神社で、石破首相の生家に近く、幼い頃の遊び場でもあった。
社を背に話す石破首相の表情は、今回の総裁選を最後とする決意が滲み出ていた。
■「早期解散」の動きには抗えなかった
しかし、徹底的な検証には時間がかかる。
既に自民党では、小泉進次郎選対委員長が総裁選で勝利した場合の
「衆議院の早期解散」
が決まっていた。
「人気のあるうちに衆院選を行ってしまおう」
という魂胆だが、実はこの後に続きがある。
「次期参院選までは(人気が)持たないので、それまでにもう1度、総裁選が行われる」
というものだ。
実際には石破首相が勝利したものの、党内基盤が弱い石破首相は
「早期解散」
の動きに抗することができなかった。
また裏金議員の処遇についても総裁選で宣言したような措置は取れず、
「原則公認」
と後退した。
しかし世論はそれでは納得できない。
5日夜に自民党本部で森山氏や小泉氏が集まり、能登の被災地視察から戻ってきた石破首相も合流した。
そして翌6日午後、石破首相は党員資格停止処分を受けた議員、および役職停止中で、政倫審で説明していない議員を非公認とすると共に、説明責任を果たさず地元の理解が得られていない議員についても公認しないことを発表した。
同時に処分を受けなかった議員など40人については選挙区での公認を認めるが、比例重複は認めないことも決定。
選挙基盤が弱い議員にとっては厳しい措置となった。
風を変えたのは選対委員長の小泉氏だと言われる。
小泉氏は同日午後、東京・江東区で行われた街頭演説会で
「自民党が自らに鋭いメスを入れ、失った信頼を再び築き上げる覚悟を持って国民と向き合う選挙にしなければならない」
と訴えた。
■「絵に描いた餅」状態になっていないか
それでも怒りに震える国民にとっては、物足りない処分だろう。
第1、石破首相の行動に覚悟が見えないのだ。
その1つが10月4日に発表された内閣の布陣で、加藤勝信財務相や平将明デジタル相にはそれなりの方向性が見えるものの、全体的には何をアピールしているのかが不明だ。
大体
「若者・女性の機会を守る」
を含む5つの
「守る」
を石破首相が宣言していながら、女性閣僚がたった2人では”有言不実行”と言えまいか。
また、総裁選投票日にアメリカの保守系シンクタンク、ハドソン研究所のホームページに掲載された
「日本の外交政策の将来」
と題した寄稿では、
「アジア版NATO(北大西洋条約機構)」
の設立や、日米安保条約、日米地位協定の改定が提唱されたが、多くの専門家に一笑に付されている。
そしてこれらは
「軍事オタク」
として知られる石破首相の目玉政策とされるべきものだったにもかかわらず、所信表明では一切触れられていない。
要するに総裁選初出馬から16年を経て、念願の総理総裁になったものの、石破首相は政策についても、仲間作りについても、ほとんど準備をしていなかったということになる。
そもそも総裁就任と同時に、株価が大暴落。
これが弱気の始まりだと思われるが、石破首相が目指す国民の
「納得と共感」
を得るためには数々の試練を潜り抜けなくてはいけない。
■注目される財政政策
石破氏自身は財政再建派だが、まずはデフレ脱却のために増税路線を封印すべきではないだろうか。
それには国が金を吸収するのではなく、むしろ民から民へ金をまわす施策を考える必要がある。
石破首相は総裁選の最中に、金融所得課税増税や法人税増税を口にしたが、もしそうした直接税を増税するのなら、消費税など間接税引き下げの議論があってもいい。
実際に消費税の税収は2004年度予算で23.8兆円にものぼり、過去最高額となっている。
減税により消費が喚起されれば、大きく減じる危険もない。
既に
「短命政権」
との声も出ている石破政権だが、たとえ党内基盤は弱くても、国民の支持があれば存続できる。
そのためには各界からの優秀なブレーンとともに、石破首相が
「聞く耳」
を広く持つことも必要だろう。

石破内閣支持率53・3% 不記載議員「公認すべきでない」47・4%
産経・FNN合同世論調査
世論調査
2024/10/7 11:54
https://www.sankei.com/article/20241007-44ZLILCISZOCBIC6AHZR3OL7ZQ/
産経新聞社とFNN(フジニュースネットワーク)が5、6両日に実施した合同世論調査で、1日に発足した石破茂内閣の支持率は53・3%、不支持率は35・8%だった。
支持率は岸田文雄内閣の最後となった前回調査(9月14、15両日)から27・6ポイント上昇して5割に乗せた。
一方で、令和3年10月の岸田内閣発足時(63・2%)と比べると9・9ポイント低かった。
石破内閣を「支持する」と回答した人を対象に理由を聞いたところ、「他によい人がいないから」が32・2%で最多。13人が初入閣となった石破内閣には「期待しない」(49・3%)との回答が「期待する」(43・1%)を上回った。
取り組んでほしい政策に関する質問(2つ選択)では「物価高・賃上げ対策」が39・5%でトップ。「経済対策・景気対策」(35・0%)▽「年金・医療・介護」(27・3%)▽「子供・子育て支援」(24・9%)−などと続いた。
また、首相が今月27日に投開票を行うと表明した衆院選のタイミングについては「国会論戦を行った後、年内にやるべきだった」が39・8%に上った一方、「適切だ」は24・0%にとどまった。自民が派閥のパーティー収入不記載事件で不記載が指摘された議員らを公認してよいかについて尋ねたところ、「公認するべきではない」が47・4%(前回比4・2ポイント減)で最も多く、次いで「説明責任を果たせば公認してよい」が42・5%(同2・6ポイント増)。
「公認してよい」は6・9%(同0・6ポイント増)にとどまった。
一方、先月23日の立憲民主党代表選で勝利した野田佳彦代表に「期待する」との回答は49・6%だったのに対し「期待しない」は44・0%。次期衆院選で与党に対抗するために野党は候補者を一本化すべきか尋ねたところ、「一本化すべき」が51・7%(同3・5ポイント増)となった。
ただ、次期衆院選後の政権については「自民、公明中心の政権の継続」が53・1%(同5・2ポイント増)で、「今の野党を中心とした政権交代」の35・3%(同5・9ポイント減)を上回った。次期衆院選の比例代表の投票先では、自民34・1%(同1・1ポイント増)▽立民13・0%(同0・7ポイント増)▽日本維新の会5・3%(同0・7ポイント減)▽公明党3・9%(同0・2ポイント増)▽共産党2・2%(同0・7ポイント減)▽国民民主党2・0%(同0・4ポイント増)−などの順となった。
調査では内閣支持率に関し、答えが不明確な場合は「どちらかと言えば」と再度、質問して回答を得た。

石破茂氏、新首相に就任 米紙、日米の緊張を予測 韓国紙、首相の歴史認識を総じて歓迎
世界の論点
2024/10/7 10:00
https://www.sankei.com/article/20241007-3FUSPZIZPFJIDMVN6QIJPB5WJ4/
自民党の石破茂氏が1日、新首相に就任した。
石破氏はかねて、
「アジア版NATO(北大西洋条約機構)」
創設などを主張してきたことから、米メディアは日米間に緊張が走ると予測している。
韓国メディアは、石破氏の歴史認識を総じて歓迎。
ただ、アジア版NATO構想には、保革双方から懸念の声が出ている。

■同盟に緊張 中国と衝突危惧(米国)
複数の米メディアは
「アジア版NATO」
創設や日米地位協定の見直しなどを主張する石破茂新首相の外交安全保障政策により、日米間に緊張、日中間では衝突が起きる懸念を指摘した。
石破氏が故安倍晋三元首相に批判的で、党内で異端視されてきた経緯を紹介するメディアもあった。
米紙ウォールストリート・ジャーナル(電子版)は9月27日、防衛相も務めた石破氏が日米同盟を不平等な関係と考え、同盟関係の再構築を望んでいるとして、
「ワシントン(米政府)との間で緊張が起きる予感がする」
と伝えた。
日米安保条約では、日本が攻撃された場合、米国に日本支援のため駆け付ける義務があるが、日本には同様のことが求められていない。
一方、日本が約5万5千人の米軍を国内に受け入れ、在日米軍駐留経費の日本側負担(思いやり予算)は経費全体の75%に上る。
同紙は、石破氏が
「同盟の非対称的な側面に苛立っている」
と指摘。
同盟の
「基本的な構造」
を変えることなく、防衛費の増額に取り組み、米国との関係深化を図ってきた安倍氏や岸田文雄前首相と
「異なる立場」
を示すのが石破氏だと評した。
自民党総裁選の期間中、石破氏が
「米軍機が日本で墜落した場合など、日本の米軍基地への立ち入りや装備品への接触を制限する条約上の制限に異議を唱えている」
と、懸念も滲ませせた。
米誌タイム(電子版)は9月27日、石破氏について、日本による韓国併合の「過ちを認める」数少ない政治家の一人で、「独特で異端な一面がある」とし、韓国との関係強化を重視している政治家だと論じた。一方、アジア版NATO創設を推進するなら、「北京(中国政府)との衝突は避けられない」と予測した。
AP通信は9月27日、石破氏が安倍氏による「タカ派政治」を声高に非難し、党内の一部から長年、「面倒な部外者」扱いをされてきたと紹介。石破氏が米国内に自衛隊の訓練基地を置く構想など、「より平等で双務的な」日米同盟の構築を目指していると指摘した。また、アジア版NATOの創設を提唱する石破氏について、「米国が日本に求める範囲を超える安全保障に関する考えを持つ」とする日本人有識者のコメントを紹介。「実現可能性」に疑問を呈した形だ。一方、「日米の外交安保関係に変化が生じるとは思わない」との同有識者の見方も伝えた。(岡田美月)

■歴史認識で歓迎 安保は懸念(韓国)
石破茂氏の首相就任に関し、韓国では
「右翼勢力と違う歴史認識を持つ政治家」
として保守・革新両陣営から歓迎の声が相次いだ。
一方、中国への牽制を念頭に「アジア版NATO」を創設し日韓の防衛協力強化を図る石破氏の安全保障構想に対しては、保革双方で懸念の声が相次いでいる。
石破氏は2017年、韓国紙のインタビューで日韓間の歴史認識問題について問われ、
「(韓国側の)納得を得られるまで謝罪し続けるしかない」
と発言。
韓国では
「周辺国との関係を重視する穏健派」(革新系の京郷新聞)
と評価されてきた。
石破氏について今回、保守系の中央日報は社説で
「韓日関係をこじらせてきた歴史認識で前向きな態度を見せてきた」
と評し、2023年以降の両国関係改善がさらに進展することへの期待を示した。
革新系のハンギョレ紙も社説で
「安保問題に専門的見識を持つ保守政治家として知られ、歴史問題でも合理的な見解を明らかにしてきた」
と好意的に紹介した。
キリスト教徒の多い韓国では、石破氏が日本では少数派のクリスチャンであることに着目する報道も目立った。
夕刊紙、文化日報は、歴史認識で石破氏が「反省」の意を繰り返し示してきたことについて
「日本のキリスト教会の考えが影響を及ぼした」
と分析。
靖国神社参拝に否定的な態度を示す理由の1つに、石破氏の信仰を挙げる専門家の談話も紹介した。
一方、アジア版NATOの創設や米国との核兵器共有に前向きな石破氏の安保政策には、各紙の評価が分かれた。
中央日報社説が日米韓の安保協力強化を課題に挙げ、石破氏と尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領による
「ウィンウィン」
の協力加速に期待を示したのに対し、同じ保守系の朝鮮日報は
「アジア版NATOに参加する国はほとんどなく、米国が日本と核共有に直ちに乗り出す可能性もない」
と断じた。
ハンギョレは、韓国に対する
「謝罪と反省」
に進展がなければ
「中国を排除して韓国と事実上の軍事同盟を結ぼうという意見に同意する韓国人はほとんどいない」
とし、アジア版NATOの議論が進めば
「韓日の摩擦は避けられない」
との見通しを示した。
保守系・東亜日報の東京特派員は、石破新政権が歴史認識問題で歩み寄りつつ共同防衛への参加を韓国に提案すれば、韓国はより複雑な判断を迫られると指摘。
親日的で
「眉をひそめるほど純真」
な尹政権与党と、親中に振れる野党以外の選択肢がない状況に
「韓国国民は冷や汗をかいている」
と訴えた。

自民に激震「比例重複認めず」 非公認対象広がる 党勢後退すれば首相の責任問題も
2024/10/6 20:15
https://www.sankei.com/article/20241006-DWEKPHC3DFPW7OQQ3KTHK2NZI4/
石破茂首相(自民党総裁)が政治資金収支報告書に不記載が確認された自民党議員を次期衆院選で公認した場合でも、比例代表との重複立候補を認めない方針を固めた。
重複立候補できない非公認の対象も従来より広がる。
衆院選を前に有権者の不満を抑える狙いがある。
ただ、当選の確率が下がるだけに自民議員の動揺は激しい。
]深刻な党勢後退を懸念する声も強まっている。
「(世論調査などで)地元から説明責任が評価されていないと判断された議員は非公認となる」
「厳しい判断だ」。
自民幹部は首相の決断についてこう語った。
自民の森山裕幹事長は4日、派閥パーティー収入不記載事件で処分した衆院議員をめぐり、原則として公認する意向を示していた。
既に不記載事件への党の処分が下された中、非公認が
「2重処分」
に当たるとの指摘もあった。
非公認となればテレビの政見放送でアピールできず、配布ビラの枚数も減るなど厳しい選挙戦は避けられない。
自民重鎮は
「公認問題は決着済みだと聞いていたので総裁選で首相を応援した」
「話が違う」
と語気を強めた。
不記載事件に関与した議員が多い旧安倍派を狙い撃ちした動きとの見方も広がっている。
首相は生前の安倍晋三元首相と距離があったためだ。
重複立候補の道を断たれた旧安倍派中堅は
「しこりは残る」
「政権を支えようと思っていたが無理だ」
と吐き捨てた。
「内閣支持率が期待したほど上がらなかった中で『政治とカネ』の問題に焦点を当てられてしまった」
「衆院選を見据えた苦肉の策だ」
自民関係者は首相の狙いをこう解説した。
ただ、衆院選で落選する自民議員が続出すれば、首相自らが責任問題に直面することになる。
自民の閣僚経験者は
「郵政解散で党内が割れたときは『刺客』を立てたので、減った議員数を補充できた」
「(刺客を出さない)今回はかなりの議席を減らすのではないか」
と呟いた。

石破首相 党員資格停止議員など非公認の方針 強い反発も
2024年10月7日 5時54分
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20241007/k10014602761000.html
次の衆議院選挙に向けて、石破総理大臣は、自民党の政治とカネをめぐる問題で収支報告書に収入を記載していなかった議員の一部を公認しない方針を示しました。
党内からは理解を示す意見がある一方、非公認となる議員がいる旧安倍派を中心に強い反発が出ています。
石破総理大臣は6日、次の衆議院選挙に向けて、自民党の政治とカネをめぐる問題で政治資金収支報告書に収入を記載せず
「党員資格停止」
の処分を受けた議員などを公認しない方針を明らかにしました。
これにより、党から
「党員資格停止」
の処分を受けた下村元文部科学大臣、西村元経済産業大臣、高木元国会対策委員長と、1年間の
「党の役職停止」
の処分が継続していて、政治倫理審査会での説明を行っていない萩生田元政務調査会長、平沢元復興大臣、三ツ林裕己・衆議院議員の6人が非公認となる見通しです。
この他かの処分を受けた議員についても地元の都道府県連の公認申請や選挙区の情勢を踏まえて最終的に判断する方針で、公認されない議員が増える可能性があります。
また、処分の有無にかかわらず収支報告書に記載していなかった議員は小選挙区と比例代表との重複立候補を認めないとしていて、少なくとも30人を超える見通しです。
石破総理大臣は
「有権者1人1人に真摯に向き合い、国民の納得と共感を求める」
「国民の信頼を得る観点から公認権者として責任を持って最終的に判断していく」
と述べました。
今回の方針について党内からは
「これくらいの対応をしないと世論は納得しない」
など理解を示す意見がある一方、非公認や比例代表との重複立候補が認められない議員が多い旧安倍派を中心に
「既に処分が終わっているにもかかわらずゴールポストを動かすようなもので『旧安倍派潰し』だ」
など強い反発が出ています。
これに対し、野党側は7日と8日に行われる代表質問で、収入を記載していなかった議員への対応を含め、自民党の政治とカネの問題を厳しく追及する方針です。
立憲民主党の野田代表は
「このスキームでは、大半が公認される仕組みではないかと思っており、国民の理解を得ることは全然できない」
と批判しました。
石破総理大臣は、9日衆議院を解散する意向で今月27日に行われる見通しの衆議院選挙に向けて、与野党の対決姿勢が強まっています。

「不記載議員の重複立候補は認めない」衆院選公認で自民執行部が方針 石破首相の全発言
2024/10/6 17:22
https://www.sankei.com/article/20241006-ALWDRKNLWFBYBC2HYPUX6MMUMY/
石破茂首相(自民党総裁)は6日、次期衆院選(15日公示、27日投開票予定)を巡り、党本部で森山裕幹事長、小泉進次郎選対委員長と協議し、派閥パーティー収入不記載事件を受けた関係議員の公認の是非に関する方針を決めた。
「選挙における非公認」
より重い処分を受けた議員を公認しないほか、政治資金収支報告書に不記載が確認された議員については比例代表との重複立候補は認めないこととした。
非公認の対象には、党員資格停止処分だった下村博文、西村康稔、高木毅氏らが含まれる。
記者団に対する首相の発言は以下の通り。
■「相当程度の非公認生じる」
私はこれまで一貫して
「政治資金を巡る問題に対する国民の不信、怒りに対して、自民党としてきちんと対応することが必要だ」
と言ってきた。
本日、来る総選挙における、党としての対応について、方針を確認をした。
まず、小選挙区の公認について、党則で定める8段階の処分のうち、
「選挙における非公認」
より重い処分を受けた者については、非公認とする。
二、選挙の非公認より軽い処分でも現時点で引き続き処分が継続している者については、政倫審で説明責任を果たしている者を除き非公認とする。
三、処分を受けた、その他の議員のうち、説明責任が十分に果たされず、地元での理解が十分に進んでいないと判断される者についても非公認とする。
結果として、相当程度の非公認が生じることとなるが、国民の信頼を得る観点から、公認権者として責任を持って最終的に判断をしていくものとする。
■「総裁も党四役も重複立候補せず」
その上で、派閥の政治資金パーティーを巡る不記載があった、その他の議員についても、比例名簿への搭載はしないこととし、候補者が選挙区において説明責任を果たし、退路を断って、有権者の審判に当落を委ねることとする。
地元の有権者一人一人と真摯に向き合い、何としても小選挙区を勝ち抜いてくることを求めたい。
なお、党所属議員にこうした対応を取る以上、私並びに党四役についても重複立候補はしないこととする。ともに責任を果たしていく所存だ。
以上が総選挙に向けた対応の方向性だ。選挙は民主主義の根幹そのものであり、わが党所属の議員には、いかなる立場となっても有権者一人一人に真摯に向き合い、説明を尽くし、理解を得て、一票一票を積み重ねる努力を行っていくことを求めることで、党として国民の皆さんの納得と共感を求めたい。

安倍元首相存命なら困難だった石破新首相誕生 暗殺事件から2年、変質した自民党主流派
2024/10/6 10:00
https://www.sankei.com/article/20241006-YEI453KQUZD5PNTL6WB5OTHQZY/
10月1日召集の臨時国会で自民党の石破茂総裁が第102代首相に指名され、石破内閣がスタートを切った。
石破首相はこれに先立つ9月27日の自民党総裁選で第28代総裁に選出された。
総裁選では1回目の投票で過半数に達した候補者はなく、上位2人による決選投票で高市早苗前経済安全保障担当相を破った。
1回目の投票結果は高市氏が181票(議員票72、党員票109)で1位。
首相は154票(議員票46、党員票108)で、議員票、党員票ともに高市氏を下回った。
▼自民党総裁選、第1回投票結果一覧 高市氏181票、石破氏154票、小泉氏136票
ところが決選投票では首相が215票(議員票189、都道府県連票26)で、194票(議員票173、都道府県連票21)だった高市氏を下した。
この結果に交流サイト(SNS)では、
「てっきり高市氏で決まりと思っていただけに驚いた」
「1回目の国会議員の投票では高市氏が石破氏を上回っていた」
「なぜこのような結果になってしまったのか全く分からない」
といった驚きの声が多く見られた。
▼自民党総裁選決選投票の結果 石破氏215票、高市氏194票
■自民党総裁選の開票結果
しかし、舞台裏を探ると、カラクリは至極分かりやすいものだった。
1回目の投票で小泉進次郎元環境相を支持した菅義偉元首相のグループと、派内の2候補に票を分散させていた岸田文雄前首相率いる旧岸田派が、決選投票で石破首相支持に回ったことが大逆転劇を生んでいたのだ。
▼総裁選決選投票で逆転の石破氏、旧岸田派の「高市敬遠」勝因「レガシーひっくり返される」
菅氏は約7年8カ月続いた第2次安倍政権を通して官房長官を務め、安倍氏退陣後に政権を継承。
岸田氏も第2次安倍政権で外相を約4年8カ月務め、菅氏の後に政権を引き継いで安倍路線を継承してきた。
両氏が
「安倍路線の継承」
を掲げた高市氏ではなく、石破首相を支持したことは、令和4年7月の安倍氏暗殺事件から2年が経過し、自民主流派の政策が大きく変質したことを意味する。
石破首相の政策は、安倍氏に代表される自民党保守派とは大きな距離感があった。
総裁選期間中、首相は選択的夫婦別姓の導入について
「夫婦が別姓になると家族が崩壊するとか、よく分からない理屈があるが、やらない理由がよく分からない」
と賛成の意向を表明。
エネルギー政策では出馬会見で
「原発をゼロに近づける努力を最大限する」
と訴えた。
外国人材の受け入れに関しても、総裁選の9候補を対象に共同通信が9月20日に集計した政策アンケートで
「国内の雇用・労働環境への影響に配慮して進める」
と回答している。
▼新総裁の石破氏 政治とカネに厳しく、選択的夫婦別姓賛成、外国人材受け入れ「進める」
さらに安定的な皇位継承を巡り、令和2年には前例のない
「女系天皇」
を選択肢から排除しない考えを示している。
▼自民総裁選候補共同会見 9氏は男系継承重視 石破氏は「女系天皇」含み
安倍氏は第2次政権発足時こそ石破首相を幹事長に起用したものの、その後はこうした考え方の違いもあって政権の中枢から遠ざけてきた。
その流れは安倍氏と蜜月≠セった菅、岸田両氏の政権でも長く続いてきたが、今回はその菅、岸田両氏が石破首相支持へ舵を切ったことになる。
岸田前政権で非主流派だった菅氏は石破政権で副総裁に就き、主流派入りを果たした。
岸田氏は自身の経済政策の継承を石破首相に約束させ、内閣の要の官房長官ポストに旧岸田派ナンバー2の林氏を残留させることに成功した。
いずれも石破首相を誕生させることで十分な
「政治的見返り」
を得た形だ。
▼【動画】石破茂新内閣が正式発足 林官房長官が閣僚名簿 皇居で首相任命式、閣僚認証式
ただ、こうした政局的な背景は国会の外にいる一般国民には見えにくい。
それが総裁選での石破首相勝利を巡る前述の驚き、違和感に繋がっているのだと思う。
首相は自民党の勝利を狙って9日に衆院を解散する。
ただ、総裁選結果を巡る国民の違和感がいつまでも解消されないようだと、支持拡大への足枷となりかねない。
もちろん、首相勝利の背景が明確になることによって、逆に支持離れが広がる可能性もある。

田村秀男「お金は知っている」
石破首相「成長派」への変身は本物か 岸田前政権の戦略継承、財政出動へ官僚の圧力はね返せるか 長年、反アベノミクスの言動も
2024.10/4 06:30
https://www.zakzak.co.jp/article/20241004-GTJ6LR5MEFICFFM6I75DABYO5A/2/
石破茂政権がスタートした。
経済政策では脱デフレ完遂を掲げ、岸田文雄前政権の成長戦略を継承するという。
長年、反アベノミクスの言動を繰り返してきた石破さんの成長派への変身は本物なのだろうか。
まずは、筆者と石破さんの間の秘話を紹介しよう。
2012年9月の自民党総裁選の数カ月前、筆者は東京都内で石破さんに会い、脱デフレ策を進言したが、石破さんは一蹴した。
有権者は物価の下落を歓迎し、上昇にはノーだから、まずいというのだ。
そこで、拙論は日本型デフレとは物価下落以上の幅で賃金が下がる、つまり実質賃金が下がるので、有権者のためにはならないと説明したが無駄だった。総裁選では脱デフレを掲げた安倍晋三元首相に敗れた。
そして2014年1月、ある勉強会で石破さんと同席した。
石破さんは聴衆の前で
「あの時、田村さんの提言を受け入れればよかった」
とスピーチしたのには、少なからず感心させられた。
ところが石破さんはその後、いつの間にかアベノミクスの批判に終始するようになった。
財政出動に否定的で、日銀の異次元金融緩和を厳しく批判するのだ。
そして、2014年8月下旬。
石破さんのブレーンから突如、経済問題で助言を依頼された。
石破さんは産経新聞や本欄など拙論に目を通しているとも聞かされた。
ならば、とA4判で1枚程度のメモを送付した。
要点は、脱デフレ、財政出動、実質可処分所得の引き上げ、家計消費の拡大、税収増の民間への全面還元、日銀利上げの凍結などの提言である。
ブレーンからは
「石破さんはしっかりと読んでいます」
との返事。
他の識者などからも提案があるだろうから、拙メモがどの程度役立ったかは知る由もないが、9月に入ると、石破さんの発言が変わってきた。
「財政出動なければ経済が持たない」
「税増収分の防衛費や少子化対策への充当」
「最低賃金の引き上げ」
と言い出した。
9月27日の総裁選勝利後の会見では
「デフレからの脱却を完全なものにする」、
「物価上昇を上回る賃金上昇」
「海外の生産拠点の国内回帰」
を強調した。
そして、石破政権の経済財政・再生相に就任した赤沢亮正さんが日銀利上げに慎重さを求めたのは、まさに正解だ。
だが、石破政権の本気度が試されるのは、財政にある。
緊縮財政至上主義の財務官僚の執念は凄まじい。
某財務省大物OBは岸田前政権について、
「史上最悪のバラマキを行った」
「安倍政権のほうがまだましだった」
と憤懣やる方ない。
電気・ガス料金補助、定額減税などをやり玉に挙げるのだが、メディアなどから
「増税メガネ」
と揶揄された岸田さんにとってみれば、心外もいいところだろう。
岸田前政権のもと基礎的財政収支(プライマリーバランス)が大幅に改善し、来年度は黒字化が確実になっている。
財務省はそんなことには満足せず、さらなる緊縮財政と増税を石破政権に仕込む魂胆だろう。
石破さんは、財務官僚の圧力をはね返せるだろうか。
 (産経新聞特別記者・田村秀男)

NHK「放送テロ」を慰安婦問題にすりかえ 「自分党」議員に見抜けぬ中韓の歴史認識捏造
2024/10/6 6:00
https://www.sankei.com/article/20241006-MQ2TRVYGS5KLFLBGQJHFHHTG4U/
自民党はしばしば
「自分党」
と揶揄されてきた。
それが今日ほど露骨な時はない。
内閣支持率20%台を迷走した岸田文雄首相が次期総裁選不出馬を表明すると、自薦他薦の総裁候補者たちが雨後の筍の如く出現した。
そのいずれもがパーティー券問題から始まった裏金(政治資金)問題や派閥問題を語るが、派閥と政治資金は自民党政治の宿痾である。
■機能しない内閣
党勢を伸ばすには所属議員の数を増やさねばならず、それには資金が欠かせない。
その中で選出された自民党総裁が、日本国の首相になっている。
この政治システムは自分党の政権維持には都合よく機能しても、民意を国政に反映させることには向いていない。
昨今の政治不信は、日本国のリーダーを直接選べないことに起因している。
憲法第68条では国務大臣の過半数を国会議員から選ぶよう規定しているとはいえ、民間から抜擢するケースは稀れで、現内閣などは全員が国会議員である。組閣後の常套句は「適材適所」だが、実際は総裁選に協力した派閥に対する論功行賞で、多くは派閥の古参議員やかつての盟友と関係のある世襲議員である。
尖閣諸島や竹島の問題と関連して領土担当相(現領土問題担当相)が誕生したのは2013年。
だが現在まで、当該大臣が外交の表舞台で活躍したと聞いたことがない。
2024年8月19日、NHKで中国籍の人物による
「放送テロ」
が発生。
26日には中国軍の情報収集機が長崎県・男女群島南東沖の日本領空を侵犯。
31日、中国軍の測量艦が鹿児島県の口永良部島沖で日本領海に侵入。
いずれの事案でも閑職の出番はなかった。
総裁候補者たちは、この一連の妄動に非難の声を上げたというが、その
「遺憾砲」
にどれだけの意味があるのだろうか。
国家主権が侵され続ける責任の一端は自民党にある。
前回のコラムでも触れたが、中国が暴走する端緒を作ったのは小泉純一郎政権である。
2005年3月、島根県議会が
「竹島の日」
条例を制定して、竹島問題解決の糸口を掴もうとしたが、それを小泉政権が牽制し、中露政府に誤ったシグナルを送ってしまったからだ。
■安倍・岸田政権も
これは安倍晋三政権も同じである。
竹島問題では
「静かな外交」
を謳ってきた韓国が竹島問題や慰安婦問題などで対日攻勢をかけると、
「領土・主権対策企画調整室」
を開設して内外に対する情報発信に方針転換し、歴史戦の最前線から離脱してしまったからだ。
その間、韓国では政策提言機関である
「東北アジア歴史財団」
を軸に、竹島や慰安婦、いわゆる徴用工の問題などへの対応、軍艦島と佐渡金山の世界遺産登録に対する妨害などを通じて左傾化が進んでいた。
その韓国に尹錫悦(ユン・ソンニョル)政権が誕生し、左傾化した韓国社会の軌道修正に乗り出したが、岸田政権はその機を生かすこともできなかった。中国海警局の艦艇が尖閣諸島周辺の接続水域への侵入を繰り返す最中、
「自分党」
がしたことは裏金問題の弁明と派閥解消という弥縫策だった。
国民目線で見てもこの日本では危うい。
沖縄タイムスによると、石垣市議会の9月定例会ではNHKの
「放送テロ」
と関連して抗議決議案などを審議したという。
それを同紙では、中国国籍者の尖閣に関する発言よりも
「慰安婦を忘れるな」
とした慰安婦問題を主に報じ、
「民間の慰安婦はいた」
「従軍慰安婦はいなかった」
「性奴隷ではなく、しっかりお金を頂いた方たちはいた」
と発言した市議を批判的に扱っていた。
そこに
「『慰安婦か娼婦か』を問う差別的な言説だ」
「政治家としての基礎的な見識を欠いている」
とする識者を登場させ、
「河野談話」
を引き合いに出して、河野洋平官房長官(当時)は談話の中で旧日本軍の関与や強制性を認めて
「謝罪している」
と伝えた。
だがこの談話が出される前の韓国では、
「日本兵を相手にしていたのは、自尊心が許さない」
「無理やりさせられたことにしてほしい」
との声が出ていた。
河野談話は実態を調査することなく、発表されていたのである。
■負の歴史への視点
慰安婦問題が表面化した1990年代、金泳三(キム・ヨンサム)大統領が
「歴史の立て直し」
を唱え、韓国では歴史の
「修正主義」
が流行った。
それが日本の
「村山談話」
につながり、
「植民統治」
とすべき語句が
「植民地支配」
と表記され、村山富市首相(当時)も
「現在取り組んでいる戦後処理問題」

「誠実に対応」
すると誓ったのである。
だが、戦後処理問題の淵源は、戦後の日韓の国交正常化交渉にあった。
それは当時の李承晩(イ・スンマン)大統領が公海上に
「李ライン」
を設定してライン内側水域にある竹島の領有を一方的に宣言し、拿捕・抑留した日本人漁船員を盾に取った人質外交から始まった。
村山談話には、竹島侵奪を正当化する韓国側の誤った歴史認識と日本人漁船員を拿捕・抑留した負の歴史に対する視点がない。
国会議員の浅知恵では、中韓の歴史学者による歴史認識の捏造は見抜けない。

<主張>対露協力相の廃止 首相の判断を評価したい
社説
2024/10/6 5:00
https://www.sankei.com/article/20241006-WW4RIW63GVIWLARRTYIBZEWKXY/
石破茂内閣で、これまで経済産業相が兼務してきた
「ロシア経済分野協力担当相」
のポストが廃止された。
林芳正官房長官は会見で、同担当相廃止について
「石破首相が判断した」
と明らかにした。
首相の政治判断をまずは評価したい。
ロシアはウクライナ侵略を続けている。
日本はプーチン露政権に対して経済制裁を科してきた。
それと並行して、経済協力担当の閣僚ポストを存続させてきたこと自体が矛盾だった。
このポストは平成28年9月、安倍晋三首相(当時)が世耕弘成経産相(同)に兼務させる形で新設した。
この4カ月前、訪露した安倍氏がプーチン大統領に石油、天然ガスの開発協力や極東の産業振興など8項目の
「日露協力プラン」
を提示し、日本企業に投資を呼びかけていた。
このプランを推進するのが対露経済協力相だった。
ロシアによる不法占拠が続く北方領土の返還問題と平和条約締結交渉を前進させたい安倍政権の思惑があった。
だが、一昨年2月のウクライナ侵略開始で、日本側は対露経済協力を凍結し、担当相は無用の存在になった。
その時点で廃止すべきだったが、岸田文雄内閣(当時)は
「日本企業の円滑な撤退支援」
を理由に閣僚ポストを存続させてきた。
撤退支援なら閣僚ポストを維持する必要はないのが道理だ。
侵略者ロシアに圧力をかけねばならない時に経済協力相を残すのは、プーチン政権に誤ったシグナルを送る悪手だった。
そもそも、プーチン氏の念頭には領土抜きの平和条約締結しかない。
日本の経済協力が北方領土返還につながる可能性はほぼないと言っていい。
プーチン氏はウクライナ侵略後、北方領土を経済特区化して内外の進出企業を税制優遇する法案に署名した。
許しがたい日本の主権侵害だ。
対日平和条約交渉も一方的に中断を宣言した。
ロシア軍は北方領土を舞台に演習を繰り返したり、中国の海空軍と
「合同パトロール」
と称する対日威嚇を重ねたりしている。
石破首相が所信表明演説で
「対露制裁、対ウクライナ支援は今後とも強力に推し進める」
と語ったのは妥当だ。
首相はロシアに領土を奪われている国の首脳同士として、ウクライナのゼレンスキー大統領と連携を図るべきである。

林官房長官、ロシア経済分野協力担当見送りは「首相が判断」
2024/10/2 0:14
https://www.sankei.com/article/20241002-YKSJUAOH2RM7VHJDAEO3QVKYNE/
林芳正官房長官は1日の記者会見で、石破茂首相が設置を見送った
「ロシア経済分野協力担当」
について
「ロシアがウクライナ侵攻を続けている現状を踏まえ、首相が判断した」
と理由を説明した。
「政府として在ロシア日本大使館などを通じ、ロシアで活動する日本企業の活動支援などは行っており、今後とも企業支援は継続していく」
と説明した。
ロシア経済分野協力担当は平成28年に当時の安倍晋三首相が北方領土返還を巡る対ロシア経済協力を具体化するために新設した。
ウクライナ侵攻後も歴代政権は担当相を置いていた。

ロシア外務省が領空侵犯の抗議拒否 日本が「政治問題化」「非生産的」と反発
2024/10/3 16:22
https://www.sankei.com/article/20241003-CMDFUWH7QFPCDIOEUDQ3DGL5ZQ/
ロシア外務省のザハロワ報道官は2日の記者会見で、露軍哨戒機による日本の領空侵犯を巡り、
「日本は外交ルートを通じて抗議しようとしたが、我々(露外務省)は拒否した」
「我々は抗議の根拠となる如何なる情報も持っていない」
と述べた。
ザハロワ氏はまた、日本がこの件を
「政治問題化」
しているとし、
「非生産的だ」
と反発した。
領空侵犯についてロシア側が公式にコメントしたのは初めて。
ザハロワ氏は
「適切な所管ルートを通じて協議すべきだ」
と述べ、日本の防衛省と露国防省の間で対処すべき問題だとした。
領空侵犯問題は9月23日、北海道礼文島北方で発生。
防衛省によると、露軍のIL38哨戒機は航空自衛隊のF15戦闘機による警告などにもかかわらず、3回に渡って日本の領空に侵入した。
同時期には露極東ウラジオストク沖の日本海で露太平洋艦隊と中国艦隊による合同軍事演習が行われており、哨戒機は潜水艦の探索訓練などを行っていた可能性がある。
一方、ザハロワ氏は日本の経済産業相が従来兼任してきた
「ロシア経済分野協力担当相」
の設置を石破茂内閣が見送ったことにも言及。
「日本がロシアとの経済関係を発展させる気がないことを示している」
と述べた。
日本は対露制裁により自身が経済的打撃を受けているとも主張した。

<産経抄>衆院選、首相が変節漢で「信」は得られるのか
2024/10/5 5:00
https://www.sankei.com/article/20241005-VDAJHFXQ6RODHIAJE73ZVZLOTE/
石破茂首相の今年6月14日のブログが野党議員の間で話題である。
首相は衆院解散について記している。
「天皇の国事行為を定めたに過ぎない(憲法)第7条を根拠として『今解散すれば勝てる』とばかりに衆議院を解散することは、国会を『国権の最高機関』とする憲法第41条の趣旨にも反する」
▼同時にこうも指摘していた。
「内閣不信任案の可決や信任案の否決など、内閣と衆議院の立場の相違が明確となった場合に限り、内閣が主権者である国民の意思を問うために行われるべき」。
自民党総裁選でも
「国民が判断する材料を提供するのは首相の責任だ。すぐ解散するという言い方はしない」
と明言している。
▼それがいざ総裁に当選すると、首相就任前の時点で10月9日に解散して27日に投開票とする考えを表明したのである。
「過ちては改むるにはばかることなかれ」とも「君子は豹変(ひょうへん)す」ともいうが、そんな立派なものではない。
信念を捨てて党利党略に走ったと言われても仕方がないだろう。
▼かと思うと4日の所信表明演説では、年来の主張だったアジア版NATOにも、日米地位協定の改定にも触れなかった。
現実路線に修正したといえば聞こえがいいが、できもしないことを国民に訴えてきたのか。
それでは、政権公約(マニフェスト)詐欺と怒りを買った民主党の政権奪取と選ぶところがない。
▼「flip―flopping(変節)の名手」。
国民民主党の玉木雄一郎代表は3日、自身のX(旧ツイッター)で首相を皮肉った。
これまた首相が従来の主張をたがえて、追加利上げに慎重姿勢を示した件である。
▼衆院選は政権が国民の信を問う場だが、ころころと意見が変わるリーダーが信用されるだろうか。

自民党新総裁への期待と直言
石破茂新総裁は愚かな「脱炭素」止め万全なインフラ投資を 台湾有事、中国は日本のエネルギーを狙う…現状では3カ月と持たない
2024.10/2 11:00
https://www.zakzak.co.jp/article/20241002-KI57HQ3MB5JRRHUZ5RYOSOAGTE/
キヤノングローバル戦略研究所研究主幹杉山大志氏
元防衛相の石破茂新総裁に申し上げる。
日本のエネルギーインフラは破壊され続けている。
菅義偉政権が
「2050年CO2実質排出量ゼロ」
を宣言し、岸田文雄政権がその法制化を進めた結果だ。
「台湾有事」
となれば日本は巻き込まれるのは必定で、中国は必ずや日本のエネルギーを狙う。
このままでは、日本は3カ月も持たずに屈服してしまうだろう。
緊急に対策が必要で、愚かな
「脱炭素」
は止めるべきだ。
ロシアはウクライナの発電所をミサイルやドローンで攻撃し、7割を破壊した。
ウクライナもロシアのディーゼル燃料精製工場の2割を破壊した。
中国が日本各地のエネルギーインフラを攻撃したら、日本は防げるのか。
イエメンの親イラン武装組織フーシ派は紅海を航行する欧州諸国の船を攻撃し、パナマ運河の入り口にある紅海を事実上封鎖している。
中国によって日本近海の船や港湾が攻撃されると、日本への輸入も途絶える。
ウクライナがそれでも2年間も持ちこたえているのは、資源が豊富で隣国と地続きの大陸国家だからだ。
だが、日本は島国で国産のエネルギーも乏しい。
エネルギー供給の8割以上を占める化石燃料は、ほぼ全量が輸入である。
これが止まったらどうするのか。
石油の備蓄は200日分あるが攻撃されるだろう。
石炭と天然ガスは1カ月分もない。
ただちにエネルギー備蓄を積み増し、
「エネルギーインフラの防衛策」
を講じなければならない。
原発は稼働していれば、いざという時には在庫の燃料だけで3年は持つ。
いまテロ対策を理由に稼働を止めている原発があるが、これはかえって国を脆弱にしている。
太陽・風力発電は不安定で、有事の頼りにならない。
菅政権以来、日本は
「脱炭素」
をエネルギー政策における最優先の課題として、化石燃料インフラは破壊されてきた。
化石燃料を敵視する政策のせいで、火力発電所は採算が合わず、維持費は削られ、故障しても修理されず、次々と閉鎖されている。
揚げ句、節電要請が恒例行事になってしまった。
戦争になれば軍事目標へのミサイル攻撃と同時に、エネルギーインフラへのドローン攻撃があるだろう。
エネルギーは日本のアキレス腱であり、真っ先に狙われる。
ところがいま、日本政府は、敵に破壊される以前に、愚かな
「脱炭素」
政策で自ら破壊している。
政府は化石燃料を敵視するのを止め、日本の生命線であると認識を改め、平時から万全なインフラ投資をすべきだ。
容易には負けない備え、それこそが有事に対する抑止になる。

石破政権の課題 変われぬまま選挙に臨む自民
論争を撃つ 石井聡
2024/10/5 11:00
https://www.sankei.com/article/20241005-DRPULNNOU5JUZP5ZGSBNYJ3OWY/
5度目の挑戦、決選投票での逆転勝利でその座をつかんだ石破茂首相はいったい何がしたいのだろう。
自民党総裁選で当選した後、NHKの「日曜討論」で
「岸田政権を基本的に引き継ぐ」
とサラリと語ったのを聞いて、その印象はさらに強まった。
もとより、地方創生、災害被災者への支援拡充といった政策の柱を掲げてはいた。
だが、選挙期間中にどれだけ具体的なイメージを伴いながら国民に伝わったかといえば疑問である。
「防災庁」
構想には被災地、被災者などから関心と期待が向けられているが、
「簡単なことではない」
とトーンダウンする場面もあった。
政策通と目されてきた分だけ、それらを実現する力量を伴うかどうかが厳しく問われる。
■早期解散は同じ
出馬表明当初は最有力とみられた小泉進次郎元環境相は、途中失速で決選投票にも残れず敗退した。
掲げた主張は説明力の不足もあり、多くの反論、批判を浴びたが、総裁選の論戦の軸となった側面もある。
総裁選が終わって政策論争に明確な決着がついたわけでもない。
とくに解雇規制緩和や夫婦別姓の導入などについて候補者間の対立があったことは、政権与党の自民党が一貫性を持って政策を遂行できるのか、疑問を生じさせたともいえる。
小泉氏は当選した場合、首相就任後ただちに衆院解散に踏み切る考えを際立たせた。
他候補からは臨時国会で一定の審議を行い国民の判断材料を示すべきだとの反論が相次いだ。
石破氏もその一人だったが、総裁就任後は
「できるだけ早く国民の審判を仰ぎたい」
と軌道修正し、立憲民主党の野田佳彦代表から
「裏金解散」
だと牽制されている。
結局、首相もその小泉氏を党選挙対策委員長に起用して10月中の総選挙実施に踏み切った。
この選挙を乗り切ることが当面の最大課題となることから、新内閣のご祝儀ムードが続く間に事に臨もうとするのはわかる。
だが、今度の選挙は
「自民党は変わったのか」
という点がこれまで以上に厳しく問われている。
「政治とカネ」
の問題をめぐり、総裁選が自民党の転換点になるという結論には至らなかった。
総裁選は世代交代を図るものでもなかった。
不信感が払拭できたのかといえば、否定的に受け取らざるを得ない。
■政策の刷新は…
その分、政策面での刷新感がより求められるが、それを国会で吟味する時間も乏しいとすれば、国民に判断材料を提示するのは難しい。
それにしても組閣人事には「論功」の臭いが強く漂い、重要課題を推進できる布陣なのか疑わしい。
党内の政権基盤が脆弱な石破内閣で、閣僚の失態などが相次ぐ事態になれば、首相が早期に求心力を失う展開も考えられる。
総裁就任直後、米保守系シンクタンクのハドソン研究所のサイトに
「日本の外交政策の将来」
と題する石破氏の論文が掲載された。
中国、ロシアや北朝鮮に対する抑止力を確保するため北大西洋条約機構(NATO)のアジア版を創設し、この枠組みの中で米国の核兵器の共有、持ち込みを検討すべきだ、という主張などが盛り込まれている。
新総裁に当選する前に提供してあった論文とみられるが、当選後はほどなく首相となる微妙な時期だ。
実現可能性のメドが立たない持論を多く盛り込んだ論考を公表することは、極めて不見識だと指摘しておきたい。
まさか、自分が当選することはないと思って書いたのでもあるまい。
■不用意な寄稿も
石破氏が考えるアジア版NATO構想や同盟国、有志国との連携による集団防衛に、現行憲法の下で日本が参加することはできないと考えられている。
日米同盟でもその片務性は解消されておらず、集団的自衛権の限定行使では不十分であるという問題を提起すること自体には意味がある。
しかし、一議員として将来への期待を語るのはともかく、首相就任後は直ちに現行法制や現存する対外関係の枠組みに基づいて外交・安全保障を担わなければならない。
不用意な論考の公表はもっとも重要な同盟国に誤解を与えかねず、アジア太平洋地域の諸国からも不安を招きかねない。
こうしたことが繰り返されれば、普天間飛行場の移設をめぐり
「県外移設」
を掲げて日米関係を悪化させた旧民主党の鳩山由紀夫政権の二の舞いとなりかねない。
■適切なルールか
緊迫する国際情勢に対応するため、総裁選を機に政治とカネをめぐる議論からの脱却が図られるのを期待していたが、そうなりそうもないのは残念である。
論戦の中でも「裏金」問題への対処の議論はしだいに後退した。
違和感があったのは
「いったん処分が下されたものを見直すことは、党のガバナンスとして問題がある」
ということが、あたかも正論のように語られていた点だ。
党執行部の統治能力が欠如していたことこそが問題を長期化、肥大化させ、的確な対処もできずに国民の不信を招いた。
それを忘れてはなるまい。
石破首相は
「ルールを守る自民党」
ということを盛んに言い出した。
守らないより守った方がよいが、肝心なのはそのルールが適切なものかどうかである。
NHKの番組で物価高について問われ、
「高いねえ。おかわり自由というのがいつの間にかなくなっちゃった」
と答えた。
麻生太郎党最高顧問の口からはとても聞けなさそうな言葉だが、そうした国民目線は悪くない。
政策の立案や遂行に役立てられるだろうか。

「石破カラー」薄く…アジア版NATO、日米地位協定見直しに言及なし 所信表明
2024/10/4 20:30
https://www.sankei.com/article/20241004-UCKMZA6KXFJB3LSKTURLHEO2DE/
石破茂首相の4日の所信表明演説は、首相が自民党総裁選で訴えた
「アジア版NATO(北大西洋条約機構)」
構想などへの言及はなく、
「石破カラー」
を抑えた。
衆院解散・総選挙を間近に控え、安全運転に徹する狙いがあるとみられる。
だが一方で
「総花的で、首相らしさが出ていない」(自民ベテラン議員)
と物足りなさを指摘する声もあった。
■不記載事件対応、抽象的
「首相として全身全霊を捧げ、日本と日本の未来を守り抜く」。
首相は演説の冒頭、こう切り出した。
続けて派閥のパーティー収入不記載事件にも言及し、岸田文雄前首相の退任に
「政治改革を前に進めるとの思いを持って決断された」
と敬意を表した。
ただ、不記載事件への対応については
「問題を指摘された議員1人1人と改めて向き合い、反省を求め、ルールを守る倫理観の確立に全力を挙げる」
と抽象的な表現にとどめた。
首相は総裁選で衆院選での非公認の可能性に言及したが、徐々にトーンダウン。
党内基盤が弱く、問題が指摘された旧安倍派や旧二階派の議員らの反発を避けたい思惑も透ける。
首相が得意とする外交・安全保障でも、持論のアジア版NATO構想や日米地位協定の見直しには言及しなかった。
いずれも党内の議論は不十分な上、アジア版NATO構想には閣内でも
「直ちに設立するのは難しい」(岩屋毅外相)
との意見があるためだ。
演説では憲法改正や安定的な皇位継承には言及したが、持論である憲法9条2項の削除や、選択肢として排除しない考えを示していた
「女系天皇」
には触れなかった。
■「災害関連死ゼロ」掲げる
一方、災害対策では被災者の避難所での厳しい生活に思いを寄せ、災害関連死ゼロを掲げたのは
「首相の強い思いからだ」(首相側近)
という。
政権の目玉である防災庁設置準備も
「事前防災の徹底に向けて予算・人員の両面において抜本的に強化し、不断に万全の備えを行う」
と改めて強調した。
思い入れの強い地方創生では
「交付金を当初予算ベースで倍増を目指す」
と明言した。
「総裁選では票を集めるために多少は大きいことをいうものだ」
「現実路線だ」。
自民の閣僚経験者は演説の内容に一定の理解を示す。
ただ、首相は演説以外でも、慎重だった早期衆院解散の方針を表明。
利上げに慎重な考えを表明するなど
「変節」
を繰り返している。
自身の過去の発言との齟齬が大きければ国民の支持を失う可能性がある。
自民党若手議員は、首相がかつて時の首相や党執行部に正論≠ぶつけ
「後ろから鉄砲を撃つ」
と揶揄されていたことを念頭に、こう呟いた。
「自身が首相になった今となっては、過去の自分に後ろから鉄砲を撃たれる状況が続くのではないか」

「勇気と真心で真実を語る」石破首相の所信表明、故渡辺美智雄元副総理の言葉引用
2024/10/4 16:31
https://www.sankei.com/article/20241004-JNF22JLBVJNUXIWWE53KDMMRTI/
石破茂首相は所信表明演説で、故渡辺美智雄元副総理の言葉
「政治家の仕事は勇気と真心を持って、真実を語ることだ」
を引用し、自民党派閥裏金事件で失われた国民の信頼回復を目指すと訴えた。
かつて同じ派閥に所属した渡辺氏は
「政治の師」
と仰ぐ存在だ。
演説全体は約9500字で、2012年の自民政権復帰以降、最多となった。
地元・鳥取に隣り合う島根選出の故竹下登元首相を登場させた。
ふるさと創生を掲げた竹下氏の
「地域が自主性と責任を持って、各々の知恵と情熱を生かし、地域づくりを自ら考え実践していく」
とのフレーズを用いて、地方創生に取り組む姿勢を示した。
演説分量は約13%を地方創生に割いた。
持論の防災庁設置など災害対応関連にも約10%を充て、自身の政策をアピールした形だ。

「勇気と真心で真実を語る」石破首相の所信表明、故渡辺美智雄元副総理の言葉引用
2024/10/4 16:31
https://www.sankei.com/article/20241004-JNF22JLBVJNUXIWWE53KDMMRTI/
石破茂首相は所信表明演説で、故渡辺美智雄元副総理の言葉
「政治家の仕事は勇気と真心を持って、真実を語ることだ」
を引用し、自民党派閥裏金事件で失われた国民の信頼回復を目指すと訴えた。
かつて同じ派閥に所属した渡辺氏は
「政治の師」
と仰ぐ存在だ。
演説全体は約9500字で、2012年の自民政権復帰以降、最多となった。
地元・鳥取に隣り合う島根選出の故竹下登元首相を登場させた。
ふるさと創生を掲げた竹下氏の
「地域が自主性と責任を持って、各々の知恵と情熱を生かし、地域づくりを自ら考え実践していく」
とのフレーズを用いて、地方創生に取り組む姿勢を示した。
演説分量は約13%を地方創生に割いた。
持論の防災庁設置など災害対応関連にも約10%を充て、自身の政策をアピールした形だ。

自民、地元申請あれば不記載議員も原則公認 森山裕幹事長「党の決まりに基づき対応」
2024/10/4 16:55
https://www.sankei.com/article/20241004-DP7LPPQ2FVLCNCDBYRW3GFF2LA/
自民党の森山裕幹事長は4日、党本部で記者団に、派閥パーティー収入不記載事件で処分した衆院議員に関し、次期衆院選(15日公示、27日投開票)で一律に非公認とはしない考えを表明した。
選挙区では、都道府県連など地元組織から公認候補予定者としての申請があり、党の情勢分析で当選可能と判断すれば原則として公認する方向だ。
森山氏は
「党の決まりに基づいて対応することが大事だ」
と強調し、地元組織の公認申請が条件になると語った。
さらに
「当選第一というのが選挙で一番大事だ」
「当選可能なのかどうかも1つの判断の基準」
と語った。
世論は不記載議員への厳しい対応を求める声が根強いが、森山氏は
「党として調査し、(4月に)処分を下した」
「その現実をしっかり捉えることは大事だ」
と述べ、不記載議員の非公認が
「二重処分」
に当たるとの認識を示唆した。
一方、石破茂首相は4日、官邸で記者団に、不記載議員の公認問題に関して
「何にも決まっていない」
と述べた。
首相は党総裁選出馬を表明した8月下旬、
「公認するに相応しいかどうかの議論は徹底的に行われるべきだ」
と述べ、非公認とする可能性に言及していた。

石破政権短命危機=u早く解散しないとボロが…」 現実を無視した理想論吹聴→困難とわかると「豹変」 党内には早くも反乱の気配
2024.10/4 15:30
https://www.zakzak.co.jp/article/20241004-GXJZSACMKNMY7JQIUQHCUBM4AY/
石破茂首相は4日、衆参両院本会議で初の所信表明演説に臨み、
「経済対策の策定」
など、当面の政治課題への政府方針を表明する。
9日解散、27日投開票の衆院選を間近に控え、経済回復の道筋を示す狙いのようだ。
報道各社の世論調査では、石破内閣の支持率は50%前後と伸び悩んでいる。
「論功行賞」
「リベラル重用・保守派外し」
という色彩が強いうえ、安倍晋三元首相を
「国賊」
と罵倒した村上誠一郎氏を総務相に抜擢した影響なのか。
ジャーナリストの長谷川幸洋氏は、現実を無視した理想論を吹聴して困難と分かると豹変する
「石破首相の本質」
を喝破し、
「短命内閣の危険性」
を指摘した。

石破政権が誕生した。石破首相は9日の衆院解散を表明したが、早くも自民党総裁選での発言をひっくり返した形だ。
新内閣は挙党一致のドリーム・チームにもならなかった。
野党はもちろん、自民党内の反・石破勢力は倒閣に動くだろう。
発足当初から、これほど不人気な政権も珍しい。
石破総裁誕生が伝えられると、株式市場は暴落で反応した。
それも当然だ。
石破氏は
「金融所得課税の強化」
をはじめ、
「法人税や所得税の増税」
を滲ませ、岸田文雄政権がぶち上げた防衛増税1兆円の構想も引き継ぐ考えを示した。
日銀の利上げにも肯定的だ。
これで株価が上がるわけがない。
いずれ実体経済に波及し、下手をすれば、デフレに逆戻りする可能性もある。
解散表明にも驚かされた。
総裁選では
「国民に判断材料を与えないまま、解散はしない」
と言っていたのに、突如、豹変した。
しかも、国会で内閣総理大臣の指名を受け、皇居での首相任命式を終える前の解散表明である。
「選挙準備のためだ」
などと理由を語ったが、
「憲政の核心」
に関わる話なのに、言い訳にもなっていない。
これは
「石破首相の本質」
を物語っている。
彼はいつも一見もっともらしい建前論を語るが、実現可能かどうか、しっかり検討した上での話ではない。
単に理想を語っただけだ。
現実の壁に直面して、困難と分かると、たちまち豹変するのである。
解散は森山裕幹事長の進言を受けたからだった。
「早く解散しないとボロが出て、支持率が落ちるぞ」
と諭されたに違いない。
そこで初めて
「現実の厳しさ」
に気が付いたのだ。
他の重要課題はどうか。
例えば、
「アジア版NATO(北大西洋条約機構)の創設」
である。
NATOは加盟国に集団的自衛権に基づく相互防衛義務を課している。
だが、専守防衛を旨とする日本は、他国防衛のために軍事力を行使できない。
したがって、憲法改正が不可欠になる。
■党内には早くも反乱の気配
「日米地位協定の改定」
も同じだ。
米国には日本防衛義務があるが、日本には米国防衛義務がない。
だからこそ、かつてドナルド・トランプ前大統領は
「日本は米国が攻撃されても、ソニーのテレビを見ていられる」
と不満を漏らした。
米国は
「地位協定を改定したいなら、まず片務的な条約を改めたらどうだ」
と反論するのではないか。
途中のハードルをどう越えるか、を考えずに、いきなり理想論に走る。
これが石破氏の発想である。
一言で言えば
「書生論」
だ。
だから、誰かから現実の壁を指摘されると、途端に腰砕けになってしまう。
このパターンは今度も繰り返されるに違いない。
石破首相は、いわゆる
「裏金議員」
の公認問題について、
「公認権者である自分が説明責任を果たす」
と言明した。
甘い対応をするようなら、批判を招く。
逆に、裏金議員を公認しないようなら、反・石破陣営は黙っていないだろう。
最高顧問に就任した麻生太郎元首相は、記念撮影への同席を拒否した。
党内には、早くも反乱の気配が漂っている。
石破政権は短命に終わるのではないか。

スパイ防止法に反対した村上誠一郎氏 昭和61年初当選当時「現行法の手直しで十分」
2024/10/4 10:59
https://www.sankei.com/article/20241004-OROBZLT4CFDYLBBW7LV4RHDNEU/
石破茂内閣で再入閣した村上誠一郎総務相は、衆院議員に初当選した昭和61年当時、自民党が制定を目指していたスパイ防止法について
「現時点においては不必要」
と党内で反対していた。
スパイ防止法を巡る動きを振り返ってみた。
■「スパイ天国」返上目指した自民
戦後、日本はソ連や北朝鮮によるスパイ活動を厳しく取り締まる法律がなく、
「スパイ天国」
と呼ばれてきた。
昭和53年10月の参院予算委員会で福田赳夫首相は
「スパイ天国と言われる状態を放置しておいていいのかどうか」
と述べ、将来はスパイ防止法が必要との認識を示した。
翌54年には保守系の学者や文化人が発起人となって
「スパイ防止法制定促進国民会議」
が発足した。
昭和55年に陸上自衛隊の陸将補がソ連に情報を流したとして逮捕されたが、自衛隊法の守秘義務違反で懲役1年に問われただけだったことから、制定の機運が高まり、地方議会での推進意見書可決が相次いだ。
昭和57年に就任した中曽根康弘首相も積極的な姿勢を見せ、昭和59年には
「スパイ防止のための法律制定促進議員・有識者懇談会」
が発足し、政界を引退した岸信介元首相が会長に就任した。
現在文化庁長官を務める作曲家、都倉俊一氏も発起人に名を連ねた。
■谷垣、鳩山氏らと意見書提出
自民党は昭和60年、
「国家秘密に係るスパイ行為等の防止に関する法律案」
を議員立法で提出した。
外交・防衛上の国家秘密を外国に漏らした場合、最高刑を死刑とした。
この動きに対し、社会党や共産党などは
「国民の権利を制限する」
などと反対した。
スパイ防止法制定促進国民会議の事務局が旧統一教会(世界平和統一家庭連合)系の政治団体
「国際勝共連合」
だったこともあり、社共を中心とした勢力の反対運動は激しく、実質審議に入らないまま廃案となった。
昭和61年、中曽根首相は法案の再提出に意欲を示し、党内の特別委員会が最高刑を無期懲役に引き下げるなどした修正案をまとめた。
村上氏はこの年昭和61年の7月、衆院旧愛媛2区で初当選。
昭和61年11月に、法案に反対する自民党の中堅・若手議員12人の意見書に名を連ねた。
他の11人は次の通り(敬称略、カッコ内は後の役職)。
大島理森(衆院議長)、太田誠一(農林水産相)、熊谷弘(通商産業相)、熊川次男、白川勝彦(自治相)、杉浦正健(法相)、谷垣禎一(自民総裁)、鳩山由紀夫(首相)、谷津義男(農水相)、石井一二、佐藤栄佐久(福島県知事)
村上氏は「中央公論」昭和62年4月号の
「われら自民党議員『スパイ防止法案』に反対する」
と題した特集で、
「自衛隊法、国家公務員法、刑法等の手直しで十分対処することができよう」
などと論じた。
その後、法案は再提出されず、岸氏の死去や中曽根内閣の退陣で制定の機運はしぼんだ。
共産などにとっては、村上氏ら自民内の反対論は心強かったに違いない。(渡辺浩、肩書は当時)

<主張>中国の海外闇警察 「スパイ天国」でいいのか
社説
2024/3/16 5:00
https://www.sankei.com/article/20240316-H4BDHEZJSJMAJPA4WOC6PFTEAA/
左右の過激派や外国勢力を捜査対象として治安を守る警視庁公安部が、なぜ詐欺事件を摘発したのか。
それは日本に、直接スパイ活動を摘発する法律がないからである。
公安部は2024年2月、風俗店を整体院と称して新型コロナウイルス対策の持続化給付金100万円を詐取した疑いで、中国籍の女を書類送検した。
2023年5月には、女が一時幹部を務めた東京・秋葉原の一般社団法人を、同容疑で家宅捜索していた。
一般社団法人が入居するビルは、スペインのNGO「セーフガード・ディフェンダーズ」が2022年、中国の非公然警察署の拠点であると指摘していた。
当時の林芳正外相は
「(日本の主権を侵害しているなら)断じて認められない旨の申し入れを行っている」
と述べた。
同NGOによれば、海外闇警察とも言われる中国の非公然警察署は世界50カ国、100カ所以上にあり、
「国外の中国人の政治活動の監視」

「帰国の説得」
などを任務としている。
2023年4月には米ニューヨークで、非公然警察署の開設や運営に関与したとして中国系米国人2人が逮捕された。
警視庁による摘発は、非公然警察署の実態把握の過程で犯罪容疑が浮かんだとみられる。
平成24年にはスパイ活動を行った疑惑のある在日中国大使館の元1等書記官を、外国人登録法違反容疑で送検した。
2023年は研究データを中国企業に漏洩したとして、不正競争防止法違反容疑で国立研究開発法人
「産業技術総合研究所」
の中国籍の研究員を逮捕した。
その容疑名に捜査当局の苦心が窺える。
日本が
「スパイ天国」
と称されるのは、諸外国にはあるスパイ活動を防止する法律がなく、同法を根拠とする本格的な防諜機関もないためである。
加えて給付金詐欺容疑で送検された女は、自民党の松下新平参院議員の事務所に一時期
「外交顧問兼外交秘書」
として出入りしていた。
外国工作員はあの手この手で政権中枢への接触を図る。
受け入れる側の無自覚ぶりには目を覆いたくなる。
「スパイ防止法案」
は昭和60年に議員立法で提出されたが、昭和60年に廃案となった。
その後、特定秘密保護法などが成立したが、まだ不完全だ。
スパイ天国を解消すべく、防止法と防諜機関の創設を急ぐべきである。

スパイ防止法 諜報活動野放し、摘発へ法整備を 立命館大教授・上久保誠人
明解説
2024/3/2 10:00
https://www.sankei.com/article/20240302-B2AHWG5YAVPIBCAUVHT7EUPR6E/
日本では諸外国のスパイが暗躍しているとされる。
法整備を進める政府は2024年2月27日、経済安全保障上の機密情報へのアクセスを官民の有資格者に限る
「セキュリティー・クリアランス(SC、適格性評価)」
制度を創設する
「重要経済安保情報保護・活用法案」
を閣議決定し、衆院に提出した。
それで機密情報の漏洩を防げるのか。
中国人留学生を指導する立命館大の上久保誠人教授は、スパイ防止法の制定を訴えている。

■日本だけ制度なく
SC制度は、日本の企業、役所、またそのスタッフ、職員について、漏洩すると国の安全保障に支障を与える恐れがある情報を扱うに足る組織や人物、身分かを確認し、海外に情報を流す違反をした場合に罰則を設けるということだが、現行法を含め肝心の外国からのスパイ自体をきちんと取り締まる部分がない。
それは、先進7カ国(G7)の中で日本だけで、まるでスパイ天国だとされる。
諜報活動をする外国人は基本的には犯罪行為を起こさないよう注意を払っており、法の網にかかりにくい。
公安関連組織がスパイらしい人物を捕まえる時は、スパイ摘発と直接関係のない現行法を何とか運用しているのが現実だ。
例えば、東京・池袋のパスポートセンターで中国人職員が個人情報を入手して逮捕された事件が2023年あったが、窃盗罪が適用された。
私が勤務するような学校は、最前線の1つかもしれない。
学校に映画に出てくるようなスパイがいるわけではない。
しかし、留学生が本国にスパイ活動をさせられていると言われており、緊張感があることは否めないからだ。
■中国人は協力義務
中国には国家情報法があり、国家安全部(省)の指示で海外の留学生や在住者は中国共産党の情報活動に協力しなければならない。
同法は、最先端技術などの情報を政府や企業、大学から取り、政府に渡すことを義務付けている。
拒めば、実家が脅されかねない。
大学教育は、そんな中で行われている。
理系はもちろん最前線だが、私のような文系でも民主主義や民主政治を語っていると、それ自体が中国人を教育している行為に当たる。
普通に日本に政治を学びにきた留学生でも、中国当局からの指示で教官がどんな思想信条で家族構成はどうなっているか、朝から夜までどんな日常生活を送っているかといった情報を取っているとの不安は拭えない。
外国から情報を盗みに来る、あるいはそれに加担させられる人を摘発することができる法律として、スパイ防止法が必要である。
それは、逆説的に感じる人もいるだろうが、言論や思想信条、学問の自由を守ることにもなる。
大学で、私は目の前の留学生に民主主義を説く。
それを不安なくやるには、スパイを摘発する制度がきっちりと整っていなければならない。
そのため、ある日突然、私の学生が拘束されて消えることがあっても構わない。
安心して活動できるために法律を整備してほしい。
■留学生や人材守る
日本は少子高齢化で若者が少ない。
政府は対策を取っているとはいえ、政策効果が出るのは30年後だ。
だから、ある意味で移民と言える優秀な人材を受け入れざるを得ない。
外国人を受け入れつつ国家の安全を守るために、厳しいチェックと管理ができる法律が必要なのはG7の国であれば常識ではないか。
そう思う理由の1つに、私の英国での留学経験がある。
空港でもロンドン市内でも自動小銃を持っているような人はおらず、オープンな雰囲気に見えたが実は英国は強力な監視国家で、私を含む留学生が完全に情報機関に生活を把握されていた。
当時、当局の要注意リストに外国人3000人が掲載され300人が監視下にあったと聞いていた。
ある大学で、留学生が集会をしようとした瞬間に当局が全員検挙したという事例があった。
それほど普段から留学生や外国人の動向を把握しているということだ。
テロやスパイ活動を防止するため、事前に全てを把握する体制があり、スパイ防止の法律が存在していた。
一方で、市民は当局の監視の息苦しさを日常的に感じることはなかった。
いわゆるリベラル、左翼の考え方とは真逆の考え方だろうが、同様の制度が日本にほしい。
それが、良い留学生や優秀な人材を守ることにも繋がるはずだ。

【用語解説】スパイ防止法
昭和55年1月の宮永幸久元陸将補らによる防衛庁スパイ事件をきっかけに昭和60年6月、通常国会に自民党から議員提案された。
野党側が
▽「国家の秘密」の範囲が曖昧
▷国民の知る権利、言論と報道の自由など基本的人権を侵害する
▷最高刑を死刑とするなど重罰化が目立つ
などと反対。
1度も審議に入らないまま、昭和60年末の臨時国会で廃案となった。

<主張>気象と防災の日 首相に制定を提案したい
社説
2024/10/4 5:00
https://www.sankei.com/article/20241004-REJPIIGFFFOFHIQ3QHRD7JXMME/
石破茂首相は「防災庁」の創設を政策の柱の一つに掲げている。ただ、実現には一定の時間がかかる。
そうであるなら、手間をかけずに防災に資する方策も考えたい。「気象と防災の日」を制定してはどうか。
地球温暖化の影響とされる気象の激甚化で、多くの国民の命と暮らしを脅かす大規模水害が毎年起きている。豪雨や台風が多発する時季の前に、国民、地域、自治体、国が連携して大規模水害に備える機会が、必要であり不可欠だ。
国民的な防災の日である9月1日は、大規模地震を想定した訓練や啓発活動に重点が置かれてきた。豪雨や台風に備えるには9月では遅い。8月26日は「火山防災の日」、11月5日は「津波防災の日」(世界津波の日)であるが、最も発生頻度が高く、かつ全ての国民に関わる気象災害については、これに相当する日がない。
地震を想定した訓練を実施している地域や自治体は多いが、水害を想定した訓練はあまり行われていないのが現状だ。
「自然災害が多発する日本に、専門の省庁がない方が異常だ」と考えるのであれば、大規模水害を重点に気象災害に備える「防災の日」の必要性は明白だろう。
産経新聞は社説(主張)で、気象記念日である6月1日を「気象と防災の日」とすることを提唱してきた。大規模水害を想定した訓練を多くの自治体に普及、定着させるとともに、地球規模の気候変動について多くの国民が学ぶ契機とする、というのが提唱の趣旨である。
日付と名称にはこだわらないが、この趣旨には賛同が得られるはずだ。
東日本大震災、西日本豪雨などで、日頃の訓練が住民避難や安全確保に繫(つな)がった事例は多い。訓練の実施で直ちに救える命があり、訓練の定着で将来の命も救える。
「気象と防災の日」制定に多額の費用はかかるまい。考えられる施策としては、最も費用対効果が高いのではないか。
防災庁の創設を掲げている首相が、政府の災害対応力を大幅に向上させる必要があると認識していることに異論はない。ただし、役人と役所仕事を増やしても、それが必ずしも国民の命を守ることに直結しないことは銘記する必要がある。

地震の地割れから大量の土砂「人災」と批判も 能登水害、家も車も埋まった
2024/10/4 6:30
https://www.sankei.com/article/20241004-6CXKCYFYA5NPBF5JU2HBCR4RUM/
9月21日に能登半島で発生した記録的豪雨で、石川県輪島市の市立輪島中グラウンドに元日の地震で生じた地割れから大量の土砂が流出し、周囲の家や車を埋め尽くした。地震後、地割れから水が染み出すなどの予兆もあり、市側は土囊(どのう)を置くといった対策を講じてきたが、豪雨には効果がなかった。市に繰り返し対策の強化を求めてきた住民からは「危険性は明らか」「人災だ」といった批判の声も上がる。
輪島市中心部の高台にある輪島中では、元日の地震で約1万6千平方メートルあるグラウンドに地割れが発生した。グラウンドを管理する輪島市教育委員会によると、地割れは最大で長さ約130メートルに及び、グラウンドの約半分が崩れ落ちた。
地震後、高台の下で暮らす住民は、雨が降るたびに恐怖を感じた。息子宅の前が土砂に埋まった服部陽子さん(65)は「大きく崩れた斜面から雨が降るたびに水が染み出したり、小石が落ちてきたりした」と振り返る。住民から対策を求める声もあり、市は斜面にブルーシートを張ったり、大型土囊を置いたりしたほか、雨水が斜面に流れないよう仮設の排水管も設置した。
しかし、今回の豪雨では対策の効果もなく地割れから大量の土砂が流出。高台から約300メートルにわたる坂道には、グラウンドの土砂を含む濁流が川のように流れた。仮設の排水管は十分に機能しないまま壊れ、最大で高さ1メートルほどの土砂が民家や道路、駐車中の車を覆った。服部さんは「しっかり補強していれば被害はもう少し抑えられたのでは」とため息を漏らす。
■市教委「被害受けられた方におわび」
高台の土砂崩れの危険性を市に何度も訴えた住民もいる。輪島中が立つ高台のすぐ下に自宅がある女性(55)によると、地震後、雨が降るたびにグラウンドの砂が自宅前を流れたという。
土砂流出の危険性は目に見えていたため、女性は輪島中の周辺を土砂災害特別警戒区域(レッドゾーン)に指定するよう市側に要望したが、「教育委員会との兼ね合いがある」などとして取り合ってもらえなかったと憤る。実際、輪島市が公開するハザードマップは令和元年度末から更新されておらず、土砂が流出した範囲は土砂災害警戒区域(イエローゾーン)からも外れたままだ。
女性宅は今回の土砂流出で床下まで泥水につかり、前の道路も地中の水道管やマンホールがむき出しになるなどした。複数の予兆があったにもかかわらず土砂流出を防げなかったことに、女性は「市の対応はあくまで応急処置に過ぎない。その後の対応はなく、人災と言っても過言ではない」と訴える。
これに対し、輪島中のグラウンドを管理する市教委は、地震後に一定の対策をとってきたとした上で、「被害を受けられた方におわびする。さらに被害が拡大しないように対策を講じる」と述べるにとどめた。

<主張>中東の戦火拡大 なぜNSCを開かぬのか
社説
2024/10/3 5:00
https://www.sankei.com/article/20241003-4YRNMLACHBI6FNK2GDIOJIQ5N4/
石破茂首相に問いたい。
なぜ国家安全保障会議(NSC)を開催しないのか。
中東の戦火が拡大しているからである。
イスラエルがレバノンの首都ベイルートにある親イラン民兵組織ヒズボラの本部を空爆し指導者ナスララ師を殺害した。
ヒズボラの脅威を除こうとイスラエル軍はレバノン南部へ侵攻した。
ヒズボラの後ろ盾であるイランは報復と称しイスラエルに向けて大規模な弾道ミサイル攻撃を行った。
米英両軍などが協力して迎撃したが一部が着弾し、被害が出た。
イランの対イスラエル直接攻撃は4月以来だ。
どちらも中東有数の軍事大国だ。
双方に自制を求めたい。
ただし事態がエスカレートすれば
「第5次中東戦争」
になりかねない。
日本や世界のエネルギー供給にとっても、経済情勢にとっても、何より中東地域の邦人の安全にとっても、看過できない緊迫した状況である。
日本は一連の事態を遠い地域の出来事と見做すのではなく、自らの問題と捉え、対応しなければならない。
石破首相は2日、イランの弾道ミサイル攻撃を非難し
「全面戦争に拡大しないように(米国などと)連携を取りたい」
と述べた。
そうであるならば、石破首相は、NSCの4大臣会合などを開き、邦人保護や万一の際のエネルギー需給、イスラエル、イラン双方への働きかけについて協議すべきである。
国家安全保障局や外務省の幹部と面会したが、それだけでは足りない。
NSCを開催すれば、日本企業や現地の邦人に対応を促すシグナルにもなる。
石破首相が自民党総裁に当選した9月27日に、岸田文雄内閣の木原稔防衛相はレバノンからの邦人退避に備え、航空自衛隊のC2輸送機を近隣のヨルダンとギリシャへ派遣する命令を発した。
レバノンには約50人の邦人が滞在している。
政権末期でも邦人保護へ動いた岸田政権の対応は妥当だ。
退避では韓国との相互協力も進めたい。
ただし、レバノンからの邦人退避の備えは日本が為すべき対応の一部に過ぎない。
戦火が一気に拡大しかねない時代だ。
危機は政権交代の事情など勘案しない。
石破首相には内閣発足直後であろうと国民を守り抜いてほしい。

石破政権は北朝鮮に近く優しい? 拉致議連会長からの変節
阿比留瑠比の極言御免
2024/10/3 1:00
https://www.sankei.com/article/20241003-KRI3XHTSOZIS7BSKYCT3ZS5YKA/
9月28日の本紙社会面記事で、拉致被害者の横田めぐみさんの母、早紀江さんが石破茂新首相と過去に会話をした経験について、こう述べていた。
「ほとんどない」
一読、何とも言えない寂しさを感じた。
なぜなら首相は平成14年4月から、9月に小泉純一郎内閣の防衛庁長官に抜擢されるまで、北朝鮮に毅然とした姿勢で対峙する
「北朝鮮に拉致された日本人を早期に救出するために行動する議員連盟」(拉致議連)
の会長を務めていたからである。
■被害者家族と距離
にもかかわらず以後、首相は早紀江さんの言葉にあるように、拉致被害者家族との間に距離を置いたのだった。
家族らにすれば、見捨てられたに等しい。
この年平成14年4月、自民党政調副会長だった首相が拉致議連会長に内定した際に中川昭一元財務相から筆者に、嬉しそうな様子で掛かってきた電話が鮮明に記憶に残っている。
「(北に比較的融和的というイメージがある自民党の)橋本派の石破さんが受けてくれたのは大きいよ。インパクトがある」
筆者も早速、首相(石破氏)にインタビュー(平成14年4月24日朝刊掲載)すると、首相はこう語った。
「とにかく行動すること、北朝鮮に毅然たる姿勢で臨むことの2点に議連の意味がある」
「日本はこれまで、コメ支援や朝鮮半島エネルギー開発機構(KEDO)への援助など、太陽政策的な措置をとってきた」
「それなのに北朝鮮は『行方不明者(拉致被害者)は捜索したがいなかった』と非常に不誠実な答えを繰り返し、ミサイルを撃ち、工作船を航行させるという行動に出ている」
「拉致容疑は人権問題でもあるが、それ以前に国家主権の侵害だ」
至極もっともな発言である。
ところが、その首相による現在の主張や今回の党役員と閣僚人事を見ると、過去との余りの差異に愕然とする。
首相は拉致議連から手を引く代わりに、北朝鮮に余りに融和的だと拉致被害者家族会が警戒する日朝国交正常化推進議員連盟の一員となった。
総裁選で首相が掲げた東京と平壌に連絡事務所を置いて拉致被害者について調査するという考えは、かねて日朝議連が主張してきたことである。
だが、北朝鮮当局は拉致被害者を厳しい監視下に置いており、どこにいるかは当然、把握している。
連絡事務所の設置とは、北朝鮮に都合のいい情報を受け取り、その意のままに動くことである。
首相はまた、拉致被害者家族会が絶対に譲れないと訴える
「全拉致被害者の即時一括帰国」
という方針にも疑問を示している。
■なぜ変節したのか
党役員を見ても、要の森山裕幹事長と坂本哲志国対委員長は日朝議連に入っているとされる。
それどころか、石破内閣で安全保障問題を担う首相をはじめ岩屋毅外相も中谷元防衛相も日朝議連メンバーという極端な配置となっている。
まだ石破政権が発足したばかりだから今後どうなるか分からないが、人事から受ける印象は
「北朝鮮に近く優しい政権」
となろう。
政治家であろうと、歳月の中で考え方が変わっていくことはあるだろう。
とはいえ、かつては北朝鮮に対する太陽政策の無意味さを説き、毅然とした姿勢を強調していた者が、なぜここまで変節したのか。
自ら拉致被害者奪還運動に取り組みつつも、最後の場面では首相や政治家に頼らざるを得ない家族らの心境を思うと、やるせない思いが募るばかりである。

石破首相の原発ゼロ方針「今は訂正されていると承知」 武藤経産相、総裁選の発言巡り
2024/10/2 16:24
https://www.sankei.com/article/20241002-CV7OIQS64VLMXAWUKIN4VH2RGM/
武藤容治経済産業相は2日、就任後初の記者会見を開き、石破茂首相が自民党総裁選で
「原発をゼロに近づける」
とした発言について、
「今は訂正されていると承知している」
との考えを示した。
原発については
「安全という前提で最大利用を進める」
と語った。
首相は総裁選への立候補を表明した8月の記者会見で原発をゼロに近づける考えを示した。
総裁選中は電力需要の増加を踏まえ
「必要な原発の稼働は進めていかねばならない」
とも語っていた。
武藤氏は総裁選の政策集で
「安全を大前提とした原発の利活用」
に言及されていると指摘。
原発利用などの方針について、
「首相と認識は共有している」
とも話した。
また武藤氏は、東京電力柏崎刈羽原発(新潟県)について
「地元の不安の声や地域振興を含めた要望を踏まえ、再稼働の理解が進むよう政府を挙げて取り組む」
との意向を示した。
柏崎刈羽原発の再稼働に向けては、地元同意を得ることが焦点となっている。
武藤氏は
「福島第一原発の事故を起こした東電への不安の声があり、(柏崎刈羽原発の)安全安心の取り組みも十分には浸透していない」
と指摘し、理解を得るよう努めるとした。
武藤氏はこの他、次世代半導体の量産を目指すラピダスの支援に関する法案に関し、
「出融資の活用拡大を含む必要な支援を行うための法案を早期に国会に提出すべく検討を進めないといけない」
と述べた。

2024.10.01
「あの男だけは、誰もが嫌っている」…石破茂新政権は長続きできるのか
「北京のランダム・ウォーカー」第749回・後編
https://gendai.media/articles/-/138394?imp=0
■石破氏は還暦を過ぎて変わることができるのか
さて後半は、石破新首相の
「政治家としての資質」
に立ち入ってみたい。
「前編」
の冒頭で述べた
「還暦を超えて人は変われるのか」
という命題である。
2024年9月27日の午後に行われた自民党総裁選挙の議事進行は、概ね前例を踏襲したが、いくつか細かい変更が行われた。
その1つが、決戦投票の前に、勝ち残った2人の候補者に、それぞれ5分間ずつ
「最終スピーチ」
の時間を設けるというものだった。
それは、1回目の投票で2位の候補者、1位の候補者の順で行われた。
つまり、1回目154票だった石破候補が、181票だった高市候補よりも、先に壇上に上がった。
石破候補にとっては、1回目の投票で敗退した7人の候補、及び7人の候補の支持者たちに
「直訴する」
最後のチャンスだった。
私も、石破候補が何を話すのかと、固唾を呑んで見守っていた。
すると、壇上の選挙管理委員会の面々に向かって、3度も丁寧にお辞儀した後、訥々と、こう切り出したのだった。
「私は、至らぬ者であります」
「議員生活38年になります」
「多くの足らざる所があり、多くの方々の気持ちを傷付けたり、色んな嫌な思いをされたりした方が多かったと思います」
「自らの至らぬ点を、心からお詫びを申し上げます……」
何とあのプライドの塊のような石破氏が、
「過去のお詫び」
から入ったのである。
NHKの生中継を見ていた人は、
「何のこっちゃ?」
と思われたかもしれない。
■自民党議員の根強い「石破アレルギー」
だが実際に、自民党議員たちの
「石破アレルギー」
は相当なものがある。
私も少なからぬ議員たちから、様々なエピソードを聞いたものだ。
今回の自民党総裁選の間も、永田町界隈では、
「石破茂の裏切りの歴史」
なる文書が拡散されていたほどだ。
コロナ禍の前のことになるが、ある自民党本部の幹部職員が定年退職し、数名の記者で退職祝いをやった。
その中で、
「自民党職員たちから見て、総理総裁になってほしい政治家は誰ですか?」
と、記者の1人が質問した。
すると元幹部職員は、赤ら顔を和ませ、たちまち10人近くの名前を挙げて、
「我が党は人材の宝庫だ」
と胸を張った。
そこで私が、
「では逆に、自民党職員から見て、総理総裁になってほしくない政治家は?」
と水を向けた。
すると即座に、こう答えたのだ。
「石破茂! あの男だけは、党職員の誰もが嫌っている」
その後は、酔いも回ってか、呆れるようなエピソードを次々に披歴した。
重ねて言うが、酒席の話で裏を取ったわけではないので、事実かどうかは不明だ。
■渡した名刺を投げ、せせら笑う石破氏
だが、実は私にも、苦い経験が1つある。
2012年9の自民党総裁選で、
「安倍vs石破」
の自民党史に残る対決となった時のことだ。
当時所属していた『週刊現代』で、
「強の誌面対決」
のページを作るべく、両者にインタビューを申し込んだ。
すると、両候補とも
「30分だけなら」
と快諾してくれ、同日に時間差でのインタビューとなった。
まずはカメラマンと2人で、国会議員会館の石破事務所を訪ねた。
少し早く着いて、応接間で待たされたが、書棚には重厚な本がぎっしり並んでいた。
失敬して何冊か取り出してみたら、どの本にも要所に赤鉛筆で波線が引かれ、文字の上の隙間には、本人の所感が書かれていた。
さすが政界一の勉強家と、尊敬の念を深くして待っていると、間もなく本人が現れた。
私とカメラマンは、立ち上がって名刺を差し出し、
「本日はよろしくお願いします」
と頭を下げた。
すると石破氏、
「言っとくけど、きっかり30分だよ」
と言って、我々の名刺を見もせずに、ポイと机上に投げ捨てた。
そのうち1枚が床に落ち、慌ててカメラマンが拾って机上に置いた。
「君たちが聞きたいのは、キャンディーズのことかい? でもそんなこと聞いてると、時間が経っちゃうよ」
そう言って、ヘラヘラ笑い出した。
そのうち、我々の名刺を、まるでルービックキューブでも遊ぶように、両手でクルクルと回し始めた。
そして5分経つごとに、
「ハイ、あと20分!」
などと言って、せせら笑う。
こちらは、当時問題になっていた中国との尖閣諸島の問題などを聞きたかったのだが、常に
「上から目線」
で、まるで初心者相手のように説くので、噛み合わなかった。
1度だけ、石破氏の回答が事実関係と異っていて突き詰めたら、キッとなった。
そして書棚に駆け寄り、関連関書を開いて
「そうだな、アンタの言う通りかもな」
と呟いた。
最後は、
「ほらほら、ラスト5分だよっ、キッキッ」
と冷笑した。
そしてほどなく、おもむろに立ち上がると、無言のまま離席してしまった。
27分が経ったところだった。
私はトイレにでも行ったのかと思い、しばし待ったが、ついぞ戻ってこなかった。
カメラマンが三脚を片付けて、事務所を出た。
石破氏の名刺は、受け取らずじまいだった。
■出口まで見送りにきた安倍氏
続いてインタビューした安倍氏は、仏様のように映った。
「週刊現代には過去に、色んな事を書かれたけど、よく勉強させてもらっていますよ」
「今日は短い時間しか取れなくて、すみませんね」。
そう言って安倍氏は私とカメラマンに会釈しながら、自分の名刺を差し出した。
安倍事務所の応接室の書棚には、本が1冊もなく、代わりに世界の著名人と撮った写真ばかり飾り立ててあった。
それでも、熱意と誠意が感じられる30分のインタビューだった。
「これからの日中関係は、きっと厳しいものになると思いますよ」
などと、率直に語った。
終わると、わざわざ事務所の出口まで送りに来てくれて、
「下へ降りるエレベーターはあっちの方ですから」
と笑顔で言い添えた。
帰路、私とカメラマンの意見は一致した。
「どちらが賢いかと言えば、石破さんだろうが、もし自分が自民党議員で、どちらに投票するかとなれば、絶対に安倍さんだな」
かくして、1回目の投票では石破候補が首位だったが、議員票がものを言う決選投票で、安倍候補が逆転。
2012年12月に発足した第2期安倍政権は、7年9ヵ月続いて歴代最長政権となった。
反面、石破氏には
「長い冬の時代」
が続いたのである。
■石破政権は「割りばし政権」?
それで、
「還暦を超えて人は変われるのか」
という命題である。
「高市候補に投じた」
というある自民党議員に聞くと、石破新政権について、決して楽観視はしていなかった。
「どうせ来たる総選挙用の『割りばし政権』だろう」
「総選挙が終われば、また石破は例によって独りよがりになり、『裸の王様』と化し、周囲が離反していく」
「挙げ句、内閣支持率が低迷して、総辞職ではないか」
「割りばし」
とは、
「1回きりの使い捨て」
という意味だそうだ。
2024年9月27日の夕刻、自民党総裁選は、9人の候補者全員が壇上に上がり、連なって握手して万歳するシーンでお開きとなった。
互いの手を離すと、8人の敗者たちは、そのまま壇上を去ったが、石破氏だけは、向かって右奥の選挙管理委員会席に歩み寄っていった。
そして、逢沢一郎選挙管理委員長を始め、選挙管理委員を務めた議員たち1人1人と握手し、頭を下げて労を労ったのだった。
こうした行動は、
「人格が丸くなった」
ことを示す証左と言える。
だが週明けの2024年9月30日には、
「前編」
の冒頭で述べたように、
「天に唾する自民党総裁による解散宣言」
をやってのけ、国民を唖然とさせた。
1つ言えるのは、石破新首相は間違いなく、今世紀に入ってから首相を経験した12人の中で、最も頭脳明晰な首相であるということだ。
人間関係まで含めて、その
「賢明さ」
が前面に出たなら、長期政権の可能性もないとは言えない。
何と言っても、
「時の流れ」
を掴んでいるのだから。
だが同時に、
「時の流れ」
は移ろいやすいのも事実だ。
「平成の明智光秀」
は、果たして
「令和の徳川家康」
になれるのか。
新政権発足早々に総選挙を迎えて、日本の政治が、一段と面白くなってきたことは確かだ。(連載第749回)

2024.10.01
# 政治
石破新総理、総選挙後にありかも電撃訪中…中国ウォッチャーの風変わりな「石破茂論」
https://gendai.media/articles/-/138393?imp=0
「北京のランダム・ウォーカー」第749回・前編
近藤 大介『現代ビジネス』編集次長
■石破茂氏が新総裁に
「新政権はできる限り早期に国民の審判を受けることが重要であると考えており、諸条件が整えば、10月27日に解散総選挙を行いたい」
「いま内閣総理大臣でないものがこのようなことを行うのは、かなり異例のことであると承知しております」
「これが不適切なものだと考えているわけではございません」
石破自民党新総裁が、9月30日15時から党本部で行った記者会見で、いきなりの
「解散爆弾」
をブチ上げた。
憲法第7条には、
「天皇は、内閣の助言と承認により、国民のために、左の国事に関する行為を行ふ」
として、
「国事行為」
の3番目に
「衆議院を解散すること」
と記されている。
だが石破自民党総裁は、9月30日時点で、
「助言と承認をする内閣」
を築いていない。
そのため、これは
「異例」
であると同時に、
「不適切」
であるのは言うまでもない。
こんなことが許されるなら、自民党は中国共産党と同じになってしまう。
解散したければ、翌10月1日に、正式に総理に就任し、内閣を築いてから宣言すればよいだけのことだ。
たかが1日の違いだが、
「総理でない自民党総裁が解散を宣言する」
というのは、
「天に唾する行為」
である。
この
「石破流ゴーマニズム宣言」
によって、せっかく掴んだと思われていた
「時の流れ」
を、自ら早々に手放してしまうかもしれない−−。
時の流れを先週末に戻そう。
9月27日に東京・永田町にある狭苦しい自民党本部8階ホールで実施された、事実上の日本の最高権力者を決める総裁選挙は、劇的な結末を迎えた。
実に5回目の挑戦で、
「最後の戦い」
と背水の陣を張った石破茂候補(67歳)が、一発転劇によって他の8候補を打ち負かしたのだ。
この石破新総裁誕生については、既に多くの政治の専門家たちが多くのことを話し、書いているので、重複はしない。
私の心に湧き上がるのは、前にもこのコラムで綴った
「時の流れ」
ということと、
「還暦を超えて人は変われるのか」
という2点だ。
以下、中国ウォッチャーによる、やや風変わりな
「石破茂論」
を申し述べたい。
普段、
「中南海」(北京の最高幹部の職住地)
の権力闘争を追っていると、ふと見えてくる
「永田町の風景」
もあるのだ。
まず、
「時の流れ」
に関しては、約1ヵ月前(9月3日)にアップした本コラム
「中国は『待ちハリ』…カマラ・ハリスは『反中でなく弱くて予測可能』な理想のリーダー」(連載第745回)
で、私はこう述べた。
政治の世界には、
「時の流れ」
というものがある。
「時流」
を得た政治家は、まるで舟に乗って川下りをするが如く、スルスルと遊泳し、
「勝機」
を掴んでいく。
まさに
「勝ち将棋鬼の如し」
だ。
逆に、
「時流」
に乗れない政治家は、
「鮭(さけ)の川上り」
のような状態になる。
すなわち、いくら七転八倒しながら這い進んでも、結果が伴わない。
逆境に斃れてしまう。
こうしたことは、個々の政治家の実績や資質というよりは、
「時流」
が自分に来ているかどうかの問題である。
広い意味で
「運」
と呼んでもいい。
現在、周知のように、日本とアメリカで同時に、国の最高権力者を決める
「大一番」
が展開中である。
この自民党総裁選と米大統領選を見る時、私はどうしても
「どの候補に時流が来ているか」
という視点に立ってしまう。
日米に共通している今の
「時流」
を一言で言い表すなら、
「刷新感」
である。
日本は、2012年末から7年9ヵ月続いた安倍晋三政権と、その後の菅義偉政権、岸田文雄政権の残滓のような、自民党の裏金問題が勃発した。
そこからの脱却を図ろうと、総裁選史上最多の9人が、政策を競っている。
そのキーワードが、
「刷新感」
である。
この
「時流」
に一番うまく乗った候補が、最終的な勝者となる。(以下略)
■「刷新感」にうまく乗った石破氏
私の見立てでは、この
「刷新感」
という時流に、自民党総裁選で一番うまく乗ったのが、石破氏だったと言える。
当選12回の石破氏に、何が
「刷新感」
かと思われるかもしれないが、ここで言う
「刷新感」
とは、年齢や当選回数ではない。
「派閥」「裏金」(統一教会などとの)「癒着」といった、いわば
「平成的政治手法」
からの脱却という意味での
「刷新感」
である。
自民党安倍派の裏金問題が俎上に上る以前から、
「孤高の人」
石破氏に派閥はなかった。
かつて
「水月会」(石破派)
という小派閥を擁していたが、令和3(2021)年の年末に、それまでの6年あまりの活動に終止符を打って解消してしまった。
当時の朝日新聞(2021年12月13日付)は、
「これが冷や飯を食らい続けた首相候補の末路なのか」
と、にべもない。
私も、
「水月会」
の政治資金パーティに顔を出したことがあるが、それは
「斜陽の中小企業の株主総会」
を見るかのようだった。
見栄を張って有名ホテルの大広間で催すのだが、参加者が少ないため、何とも寒々しい。
おまけに、会長の石破氏が、例の渋面で長広舌をぶつものだから、さらに場がしらけていく。
熱心に石破演説を聴いているのは、われわれ記者の一部くらいだ。
当時は首相派閥である
「清和会」(安倍派)
の全盛期で、安倍晋三首相が
「太陽」
なら、石破氏は
「月」
だった。
野球で言うなら、安倍氏が
「長嶋茂雄」
で、石破氏は
「野村克也」。
誠に明暗甚だしかった。
だが、
「令和の政治」

「平成の政治」
とは大きく異なる。
日本の社会環境は、少子高齢化と地方の過疎化が進み、日本のGDPは2位からまもなく5位まで落ち、スマホ・ネイティブ世代が成人を迎えた。
平成の後半に栄華を極めた安倍氏は、周知のように2年前にテロに斃れた。
同時に安倍氏の
「盟友」
だった麻生太郎元首相(84歳)や二階俊博元幹事長(85歳)も、
「引き際」
を迎えている(麻生氏は9月30日に「自民党最高顧問」なる新奇な役職を与えられたが、党幹部一同の記念撮影にも応じず退出してしまった)。
反面、
「平成元禄に背を向けていた」
石破氏に、
「時の流れ」
が巡ってきたのである。
鳥取という日本の過疎化を象徴するような日本海側の地からやって来て、金銭欲もなく飾りもせず、正論を訥々と吐く変わり種が脚光を浴びる時代の到来である。
廃れていく地方は、そんな石破氏に一抹の希望を見出した。
同時に、1年1ヵ月以内に確実に選挙を迎える自民党の衆議院議員も、また2025年7月に半数が選挙を迎える参議院議員も、自民党に吹き荒れる逆風の中で、
「石破人気」
に縋(すが)るしかなかったのである。
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「あの男だけは、誰もが嫌っている」…石破茂新政権は長続きで…

党員票で躍進の高市氏背景には地方行脚とネット選挙 捲土重来へのカギは議員からの支持拡大
2024/10/2 6:00
https://www.sankei.com/article/20241002-6W56DR5QNNNY5NBDNIADQBL3NQ/
過去最多となる9人が立候補した先の自民党総裁選では、高市早苗前経済安全保障担当相と石破茂首相が激しく競り合った。
高市氏は決選投票で敗れはしたが、1回目の投票では国会議員票と地方票のいずれも首相を上回る健闘を見せた。
令和3年の前回総裁選で高市氏を支えた安倍晋三元首相は死去した。
党内基盤が脆弱で、20人の推薦人の確保にも難儀した高市氏はなぜ躍進できたのか。
■回った地域「数えようがないくらい」
「私自身の力不足だ」
「多くの方に助けていただきながら申し訳ない」
総裁選終了後の9月27日午後、党本部で記者団の取材に応じた高市氏はこう敗戦の弁を述べた。
目は赤く、表情には悔しさが滲んでいた。
1回目の投票で獲得した議員票は首相の46票を上回る72票。
また、地方票でも109票を獲得し、108票の首相を1票上回った。
決選投票では議員票で首相の後塵を拝したが、47都道府県の地方票のうち都市部を中心に21票を獲得した。
「予想以上だよ、想定外」。
高市氏を支援したベテラン議員は、地方票で首相を上回ったことに驚きを隠さなかった。
総裁選では安倍氏の支援を受け、4候補のうち2番目に多い議員票を獲得しながら、地方票が伸びず、決選投票に進めなかった。
その後、高市氏は政調会長に再任された。
直後の衆院選では他の議員の応援演説で全国を駆け回り、自身の選挙区に入ったのは
「数時間」(高市氏)
だった。
「次」
を見据えた高市氏は地方行脚を続け、昨年10月のBS番組では
「また戦わせていただく」
と表明。
2024年8月に地元・奈良県で行った講演では、会場を埋め尽くした聴衆を前に
「(3年間で)回った地域は数えようがないくらい」
と振り返った。
今回の総裁選の結果について関係者は
「地方を回り続けてきたことが大きい」
と語る。
■ネット上での話題「圧倒」
高市氏の地方票の獲得数を見ると、東京や大阪をはじめ都市部での強さが際立っている。
陣営幹部は
「ネット戦略がうまくいった」
と解説する。
高市氏の陣営には、7月の東京都知事選で2位に食い込んだ前広島県安芸高田市長の石丸伸二氏の選対事務局長を務めた藤川晋之助氏も加わった。
石丸氏躍進の要因となったインターネットを活用した選挙活動を高市陣営でも展開。
総裁選期間中はSNS上に人柄を紹介する短い動画などを頻繁に投稿し、ネット上で話題に上る回数は他候補を圧倒した。
選挙戦が進むにつれ、大本命と言われた小泉進次郎選対委員長の
「討論力」
の低さが露呈し、報道各社の世論調査で高市氏が急浮上した。
中露軍機による相次ぐ領空侵犯や、中国広東省深圳で日本人男児が刺殺された事件を受け、中国に厳しい姿勢を示す高市氏が保守層を中心に期待を集めたとみられる。
高市氏が追い風を受ける中、伸び悩んでいた河野太郎前デジタル相を支援していた麻生派会長の麻生太郎最高顧問も動いた。
党内で唯一、派閥を維持する麻生氏は、小泉氏を支援した菅義偉副総裁、かつて自身に退陣を迫った首相のいずれとも関係が良好ではない。
麻生氏側は高市陣営との水面下での交渉を本格化。
選挙戦終盤になると高市陣営は
「麻生氏は高市を支援する」
と自信を見せ始めた。
■リーフレット問題で包囲網
麻生氏の支援を取り付けたものの、高市氏は結果的に首相に勝つことはできなかった。
総裁選挙管理委員会が文書郵送の禁止を通知した後に、全国の党員らに高市氏の政策リーフレットが届いた問題が発覚したことも尾を引いた。
リーフレットが党員票の拡大に繋がるとの見方もあり、他陣営から
「不公平だ」
と批判を受けた。
陣営幹部は
「高市包囲網が出来てしまった」
と悔やむ。
「私を支援した入閣適齢期の議員の処遇を優先してほしい」。
総裁選後、高市氏は石破氏から総務会長就任の要請を受けたが、辞退した。
「党執行部に入れば自由に発言ができなくなる」
「全国行脚で地方固めを進めた方がいい」。
高市氏の関係者は
「無役」
でいることのメリットも説く。
高市氏が次の総裁選でリベンジを目指すならば、先の総裁選に省みる点もある。
首相が決選投票直前の演説で
「ルールを守る自民党…」
と繰り返したのは高市氏への当てこすりとの見方もあるが、一定の共感を呼んだのは間違いない。
高市氏の捲土重来へのカギは
「ルールを守らなかった」
という党内の誤解を解きつつ、苦手とされる仲間作りを克服して党内基盤を固めることだろう。

<主張>石破新内閣 危機感持ち日本守り抜け 挙党体制築かぬままの船出か
社説
2024/10/2 5:00
https://www.sankei.com/article/20241002-EUMWOOOJIFNPPNZIZVO6JOJL7M/
衆参両院で自民党の石破茂総裁が第102代首相に指名され、宮中での親任式などを経て、内閣を発足させた。
石破首相は9日に衆院を解散し、衆院選を
「15日公示、27日投開票」
の日程で行う方針だ。臨時国会では所信表明演説と代表質問は行うが、予算委員会での十分な審議は行われない見通しである。
国民に信を問う上で判断材料を提供するのは首相の責務である。
論戦が不十分でよいのだろうか。
「国民に正面から向き合い誠心誠意語っていく」
「逃げずに実行する内閣にする」
と述べた。
にもかかわらず、実際には丁寧な質疑を避けようとしているのは残念である。
◆改憲案作成へ動く時だ
首相には保守の矜持をしっかり持ってもらいたい。
党綱領は
「日本らしい日本の確立」
を謳い、自らを
「保守政党」
と位置付けている。
この理念を踏まえ国家国民を守り抜かねばならない。
岸田文雄前首相が語った
「ウクライナは明日の東アジアかもしれない」
という危機感を共有し、安倍晋三元首相以降の外交安全保障政策を継承、発展させる必要がある。
アジア版NATO(北大西洋条約機構)の具体化には憲法問題があり、各国との交渉に大きなエネルギーも要する。
この構想は取り下げた方がよい。
今求められるのは、中国やロシア、北朝鮮といった現実の脅威に対処することだ。
日米同盟を盤石なものとし、抑止力と対処力の向上へ防衛力の抜本的強化を加速させることである。
日本に対する主権侵害などには、毅然とした対応を取ってもらいたい。
憲法改正は自民の党是である。
党は既に憲法に
「第9条の2」
の条文を新設して自衛隊を明記することや、緊急政令の根拠規定創設を盛り込んだ論点整理をまとめている。
これを前提に他党を説得し、改憲原案の条文を早期に完成させるべきだ。
目標とする憲法改正の時期も明らかにしてほしい。
安定的な皇位継承を巡っては男系(父系)継承を確実にしなければならない。
岸田内閣時の報告書の実現を求める。
国の根幹をなす課題であり、保守の真価が問われる。
北朝鮮による日本人拉致問題について首相は
「東京と平壌に連絡事務所を開設して交渉の足掛かりとする」
と唱えてきたが、家族会は時間稼ぎに利用されるだけだと反対している。
被害者と家族は高齢化している。
全員の早期救出に力を尽くさねばならない。
◆経済の道筋を具体的に
経済は国力の基盤である。
物価高を上回る持続的な賃上げを確実にし、デフレからの完全脱却を果たすことは重要だ。
東京株式市場では一時、日経平均株価が大幅下落した。
石破首相の経済・財政政策に対する警戒感が広がったとの見方がある。
政策の方向性や道筋を具体的に示し、丁寧な政策運営をすることが肝要である。
「政治とカネ」
の問題では政治資金の透明性確保やパーティー収入不記載事件の再発防止策を着実に進め、政治への信頼を取り戻すことが求められる。
理解に苦しむのは石破政権が挙党体制になっていない点だ。
弱い党内基盤の強化が本来取るべき対応だった。
決選投票で僅差で敗れた高市早苗前経済安全保障担当相には党ナンバー2の幹事長への就任を求めず、総務会長を打診し固辞された。
決選投票で高市氏に投票したとされる茂木敏充前幹事長には重要ポストを提示した形跡はない。
総裁選の勝利に貢献した菅義偉副総裁や、菅氏の盟友である森山裕幹事長、そして首相自身に近い議員の登用が目立つ。
総務相に村上誠一郎元行政改革担当相を起用したのには驚いた。
村上氏は、安倍氏が暗殺された後、安倍氏を
「国賊」
と呼び、1年間の党役職停止処分を受けた人物だ。
党内対立を煽る人事と言わざるを得ない。
岩屋毅外相は総裁選で石破陣営の選対本部長だった。
防衛相当時、韓国軍による海上自衛隊機へのレーダー照射があった。岩屋氏は抗議をしつつも、韓国の国防相と笑顔で握手した人物である。
国益を踏まえた外交を展開してほしい。
必ずしも適材適所と言えない陣容で衆院選を乗り切り、政策を遂行するのは困難を伴う。
首相は日本を守り抜く政治を心掛けてほしい。

<産経抄>地図と現実の誤差、石破新政権を待つ難題
2024/10/2 5:00
https://www.sankei.com/article/20241002-BPWWXSQX3FPSVAC7G73M2WY4OY/
「眠狂四郎」などの剣豪小説で知られる柴田錬三郎の元を、作家の吉行淳之介が訪ねてきた。
男女の性を通し人間の生を描き続ける吉行が、次は
「鼠小僧」
を書くという。
ついては時代物の急所について講義を願いたい、と。
▼江戸を舞台にするのなら、江戸の町を頭の中で歩けるようにならなければ―。
「柴錬」
先生はそう助言した。
吉行は勧めに従って、鼠小僧のいた時代の古地図を買い求めたそうである。
作中で描いた街並みは、地図を忠実に再現したものだという。
▼日本の針路を正しく示すべきこの人は、どんな地図をお持ちか。
第102代首相に選ばれ、新政権を発足させた石破茂氏である。
自民党では長く
「党内野党」
の立場にあり、時の内閣への直言も辞さなかった。
トップに立ち、眺める地図と現実の間には誤差≠烽るだろう。
▼総裁選では、国民に判断材料を提供するのが首相の責任だと語っていた。
そこから一転し、
「27日投開票」
の衆院選を明言したのには驚かされた。
臨時国会は9日までと短く、十分な論戦は出来ないと言われている。
公約の反故になりはしないか。
▼政治とカネを巡る国民の不信感を拭うのは容易なことではない。
デフレ克服を目指す経済政策はどうなる。
安全保障政策にしても、石破氏の掲げる
「アジア版NATO」
と実際のアジア情勢の間には、隔たりがある。
現実との誤差が余りに大きい地図では、使い物になるまい。
▼古地図といえば立川談志さんも江戸の街並みを詳細に記憶し、落語の語りに生かした。
「そういう部分がなければ『江戸の風』は吹かない」と。
さて石破首相である。
新政権は追い風を受けるというのが政界の常識だが、世論の風が期待通りに吹くとは限らない。

安倍氏「国賊」発言「遺族に謝罪」と村上誠一郎新総務相 記者に「少しは考えて」とも注文
2024/10/1 17:50
https://www.sankei.com/article/20241001-PCBZXCZGRRMVDEHMYRMJNTY7KI/
村上誠一郎新総務相は1日、安倍晋三元首相の死去後、安倍氏を
「国賊」
と呼んだことについて
「遺族に謝罪した」
「役職停止になった」
「もう終わりで」
と釈明した。
質問した記者に対しては
「少しは考えてください」
とも注文を付けた。
官邸で記者団の質問に答えた。
村上氏は安倍氏を
「国賊」
と呼んだ発言が問題視され、1年間の党役職停止処分を受けた。
先の自民党総裁選では石破茂首相の推薦人を務めた。

首相指名選挙、参院で高市早苗氏と茂木敏充氏に予想外の1票 N国2議員が投票予告
2024/10/1 16:26
https://www.sankei.com/article/20241001-3Z6G3Y5ZS5IX3A2UMTP4HFHYQA/
参院で1日に行われた首相指名選挙で、自民党の高市早苗前経済安全保障担当相と、茂木敏充前幹事長が予想外の1票を得た。
浜田聡参院議員が同日、自身のX(旧ツイッター)で
「今回の首班指名は茂木敏充と書いて投票予定です」
と投稿していた他、齊藤健一郎参院議員が同日、自身のYouTubeチャンネルで高市氏に投票すると明かしていた。
浜田、齊藤両氏は参院の会派
「NHKから国民を守る党」
に所属している。
首相指名では自身の所属する政党や会派のトップに票を投じるのが一般的だ。
浜田氏は9月17日、自身のXに
「増税ゼロを推進する茂木さんを世間が後押しすることに期待しています」
と投稿。
斎藤氏はYouTubeチャンネルで
「高市氏は素晴らしい政策を掲げられている」
「決選投票で敗れたが、応援する声を届けることに意味はある」
と理由を述べた。

石破首相は「円安」を受け入れるのか
田村秀男
2024/10/1 12:00
https://www.sankei.com/article/20241001-YTW6L37I2JIXZJ6C4HJN66ZQWE/?147052
本日中には、石破茂新政権が発足する。
さっそく打ち出される
「イシバノミクス」
はいくら綺麗事を並べても30年間も続いた慢性デフレから脱出させられるわけではない」
「鍵は円安基調の維持にある」
生真面目な石破さんは円安を受け入れるだろうか。
2012年9月の自民党総裁選の数カ月前、筆者は石破さんに会い、脱デフレ策を提案したことがある。
ところが石破さんは、有権者は物価の下落を歓迎し、上昇にはノーだと、真剣だ。
デフレとは物価下落以上の幅で賃金が下がる、つまり実質賃金が下がるので、国民が困窮化するのだと説得を試みたが、石破さんは最後まで納得しなかった。
以来、石破さんは
「反アベノミクス」
を貫いてきた。
そして、2024年8月下旬。
筆者知り合いの石破さんのブレーンから突如、経済問題で助言を依頼された。
石破さんは本欄など拙論に目を通しているとも聞かされた。
ならば、とA4判で1枚程度のメモを送付した。
要は脱デフレ、財政出動、実質可処分所得の引き上げ、家計消費の拡大、税収増の民間への全面還元、日銀利上げの凍結である。
ブレーンからは
「石破さんはしっかりと読んでいます」
との返事があったが、当方は半信半疑だ。
すると石破さんは9月に入ると、
「財政出動なければ経済が持たない」
「税増収分の防衛費や少子化対策への充当」
「最低賃金の引き上げ」
と言い出した。
9月27日の総裁選勝利後の会見では
「デフレからの脱却を完全なものにする」
「物価上昇を上回る賃金上昇」
「海外の生産拠点の国内回帰」
を強調した。
8月7日出版の「保守政治家 わが政策、わが天命」(講談社)での反アベノミクス色は薄れた。
「君子豹変」、
大いに結構だ。
ただ、1点だけ引っかかる。
超低金利、円安への批判こそ口にしないが、
「日銀は政府の子会社だとは思っていない」
と出演したテレビ東京の番組で語った。
日銀の政府からの独立性という建前を尊重するというニュアンスだ。
ルール尊重の石破さんらしいが、日銀は国家経済の成長と安定を目指す政府の目的に沿うのが日銀法の本義だ。
植田和男総裁の日銀は追加利上げによる円高誘導に前のめりだ。
7月末の追加利上げは投機筋による急激な円買いと株売りを招き、日経平均株価の大暴落を引き起こした。
日銀は9月には更なる利上げを見送ったが、依然として
「デフレ」
にはほとんど言及せず、ひたすら円安に伴う物価上昇を警戒し、利上げ姿勢を崩さない。
そもそも、政権が脱デフレを完遂させようというのに、円安の是正を急ぐ必要があるのだろうか。
グラフは国内総生産(GDP)の名目および実質額と円ドル相場について、アベノミクスが本格化した2013年度以降の推移である。
一目瞭然、2020年度以降、円安と名目GDPは寄り添うように動いている。
「円安」
というと
「悪者」
のイメージは強い。
コスト上昇に苦しむ個別の事業者にとっては確かに円安は気がかりだ。
しかし、経済、産業全体としては円安と共に名目GDPが拡大基調に転じて以来、脱デフレのチャンスが到来しているもう1つの現実がある。
先の春闘では賃上げ率が連合ベースで5%台に乗り、今夏はボーナスを含め、勤労者収入上昇率が物価の値上がり率を上回った。
瞬間風速とはいえ、実質賃金が上昇に転じた。
2022年以降の急速な円安は輸出企業の収益を大きく増やすばかりではない。
円安分を含めた輸入コストの急激な上昇は業種も、大企業も、中小零細企業も問わず、産業界全体のデフレ心理を劇的に転換させ、コスト上昇分を販売価格に転嫁する機運を普及させた。
すると企業の売上高が増え、収益もかさ上げされる。
もとより、人手不足は深刻だが、産業界を覆うデフレ心理が賃上げを抑えてきた。
名目収入増の見通しが立つと、経営者は賃上げ要求に応じるようになったのだ。
それでも脱デフレが確実とは言い難い。
内閣府の試算でも、この4〜6月期でも需要が供給能力を下回る
「需給ギャップ」
がマイナス、つまり需要不足の状況にある。
従ってデフレ圧力は依然として根強いと見るべきだ。
需給ギャップを埋めるためには家計消費を促す大幅賃上げの継続が必要で、円高はそれに水を差す。
円安でもその分以上に売り上げ、名目所得が上がれば全く問題はない。
利上げによって円高、株安を招けば、全てぶち壊しになるだろう。
(編集委員)

石破茂氏のアジア版NATO構想は反米か媚中か? 島田洋一、月刊「正論」で批判
正論11月号 連載「アメリカの深層」
2024/10/1 7:00
https://www.sankei.com/article/20241001-VGN2D4JFRNAWBMZAG4IAQCOWKE/?outputType=theme_monthly-seiron
過去に防衛大臣などを歴任した石破茂氏が、自民党総裁選出馬にあたり発表した基本政策の中に、
「アジア版NATO」
創設があった。
候補者討論会で、他候補から
「集団的自衛権の全面行使と憲法の関係はどうなるのか」
「また具体的にどの国が入るのか」
と当然の質問が出ている。
これに対し、石破氏は次のように答えた。
「まさしくそれらの点を、これから議論を詰めたい」
「中国を最初から排除するということを念頭に置いているわけではない」
呆れた回答という他ない。
当然ながら同盟国アメリカからは不信の声が出た。
筆者の所にもいくつか届いている。
代表的なものは、民主党政権で鳩山由紀夫首相が唱えた
「東アジア共同体」
構想の焼き直しではないのか、という疑問である。
まず改めて鳩山プランを振り返っておこう。
鳩山氏は月刊誌『Voice』(2009年9月号)で、同構想について
「東アジア地域を、我が国が生きていく基本的な生活空間と捉え、この地域に安定した経済協力と恒久的な安全保障の枠組みを創出する」
と概要を説明している。
さらに2009年10月、北京で開かれた日中韓首脳会議の冒頭、
「今までややもすると米国に依存し過ぎていた」
「アジアの一員としてアジアをもっと重視する政策を作り上げていきたい」
と述べている。
岡田克也外相は会議を前に
「日本、中国、韓国、ASEAN、インド、オーストラリア、ニュージーランドの範囲で(東アジア共同体を)考えたい」
と具体的なメンバーを挙げていた。
アメリカは明示的に外されている。
物理的距離は理由にならない。
ニュージーランドとアメリカ本土は、日本からほぼ等距離である。
米領で軍事拠点でもあるハワイ、グアム、アラスカなどは、ニュージーランドより遥かに近い。
尚、朝鮮半島北部即ち北朝鮮もこの共同体から除かれているが、
「恒久的な安全保障の枠組み」
という以上、無視してよいはずがない。
北朝鮮は体制崩壊させて統一韓国に含める趣旨というなら分かるが、単に深く考えていなかっただけだろう。
拉致問題で協力的な友好国、モンゴルを外した理由も分からない。
少し考えても穴だらけの
「構想」
であり、絵に描いたような軽挙妄動であった。
当時、米オバマ政権の国家安全保障会議(NSC)アジア上級部長だったジェフリー・ベイダー氏によれば、
「中国の対抗力たるアメリカを外し、中国を中心に東アジア機構を作るというこの危険な発想」
に対し、ベトナムが特に強い懸念を抱き、国家主席自ら積極的に潰しに掛かったという。
「他ならぬ(共産党一党独裁の)ベトナムがこうした提案の戦略的愚かさを理解する一方、アジアにおける最大の同盟国が理解していなかった事実はオバマ政権に衝撃を与えた」
とベイダー氏は皮肉まじりに総括している。
やはり当時のオバマ政権のブレーンだったハーバード大名誉教授のジョセフ・ナイ氏も
「米国は『外されている』と感じたなら報復に打って出る」
と露骨に不快感を示していた。
民主党穏健派の2人にしてこの反応。
後は推して知るべしだろう。
慌てた鳩山首相は、
「アメリカとアジアの架け橋になるのが、自分の意図」
と釈明したが、米側からは、
「架け橋など不要」
「アメリカは自らアジアとの関係をコントロールできる」
と一蹴された。
鳩山氏に限らず、自民党幹部からも過去に危ない言動が出ている。
2019年4月、習近平国家主席を表敬訪問した二階俊博幹事長(当時)は、会談後
「協力し合って一帯一路構想を進めていく」
「米国の顔色を窺って日中の問題を考えていくものではない」
と啖呵を切った。
戦略性皆無の媚中発言であった。
石破氏の
「アジア版NATO」
だが、米国ではこうした鳩山、二階路線と同類だと見られよう。
(福井県立大学名誉教授 島田洋一)
(月刊「正論」11月号から)

岸田文雄が放送禁止用語で高市早苗を「猛口撃」!感情むき出しの敵意が「石破茂新総裁」を生んだ
https://article.auone.jp/detail/1/1/1/42_1_r_20241001_1727729993907897
自民党・石破茂新総裁誕生の立役者となったのは、岸田文雄前総裁だった。
自ら派閥を解散しておきながら、会長だった旧宏池会票を石破氏支持でまとめたからだ。
岸田氏が石破氏を支持した要因はいくつかあるが、個人的に高市氏を毛嫌いしていたこともある。
高市氏が総裁になった場合、靖国神社参拝を公言しているため、自身が積み重ねてきた日米、日韓関係に亀裂が生じる。
それを懸念したというのが、高市氏を支持できない表向きの理由とされる。
ところが宏池会関係者によると、岸田氏は高市氏について、放送禁止用語を使って
「あの××××女」
と感情を剝き出しにしていたという。
岸田氏は当初、旧宏池会議員に対して
「党員票が多い候補に入れる」
との指示を出していた。
石破氏が党員票でトップになることを見越しての発言だった。
ところが高市氏が党員票で石破氏を逆転しそうな情勢になると
「高市氏以外で」
と変更した。
岸田氏がなりふり構わず高市氏を追い落とそうとする行動に出たのはなぜか。
「両者は抜き差しならない関係になっていた」
と宏池会関係者は証言する。
直接のきっかけは、能登半島地震だ。
高市氏は1月16日、復興を最優先にすべく、来年開催の大阪・関西万博を延期するよう、岸田氏に進言した。
万博は所管外だったが、高市氏の行動は
「政権に反旗を翻したか」
と党内外に波紋を広げた。
対応を迫られた岸田氏は、予定通り実施することを決めた。
ところが高市氏が岸田氏とのやり取りを動画投稿サイトで暴露したため、岸田氏は激怒。
高市氏は会見で
「首相を信頼してお任せしたい」
と発言を後退させた。
高市氏は2022年12月にも、岸田氏が防衛費を増額するための財源の一部を増税で賄う方針を示すと、SNSで
「賃上げマインドを冷やす発言を、このタイミングで発信された総理の真意が理解出来ません」
と批判した。
これを野党から追及されると、
「間違ったことを申し上げた、との考えはない」
「罷免されるなら仕方がないとの思いで申し上げた」
と言って開き直った。
こうしたことが積もり積もって、岸田氏とすれば高市氏にリベンジしたのだろうが、ある閣僚経験者は、
「個人的な感情を剝き出しに女性を攻撃するやり方は『ミスター・ジェントルマン』のすることではない」
と岸田氏を皮肉るのだった。
(田中紘二/政治ジャーナリスト)

「10・27投開票」石破新総裁の総選挙“前倒し”背景に「靖国神社に行かせない」驚きの“高市早苗つぶし”戦略
社会・政治FLASH編集部
記事投稿日:2024.09.30 18:11 最終更新日:2024.09.30 18:37
https://smart-flash.jp/sociopolitics/308911/1/1/
永田町の秋は、あわただしいことになりそうだーー。
自民党の石破茂新総裁は10月1日に新内閣を発足、4日に衆参両院で所信表明演説を行った後、7日から各党の代表質問を行い、9日にも衆院を解散する方針を決めた。政治担当記者が解説する。
「当初は、10月29日公示、11月10日投開票という予定が有力でした」
「しかし、石破さんは“手のひら返し”で10月15日に公示、10月27日投開票という日程を選びました」
「一応表向きの理由としては、11月に投開票となると2024年度補正予算の成立が遅れ、2025年度の予算編成に日数的な影響が出る、という理由です」
「しかし実際は、参院岩手県選出議員の補選に合わせたようです」
「公設秘書の給与を騙し取った詐欺容疑で関係先を家宅捜索され辞任した、広瀬めぐみ元参院議員の補選が、同じ10月27日に投開票の予定です」
「岩手県の補選が、前哨戦的な扱いになっては困るというわけです」
元々、総裁選の“御祝儀相場”のうちに解散総選挙を打つ、というのが与党の方針だ。
その意味では既定路線とも言えるが、今回の“手のひら返し”にはもう1つの大きな理由があるのだという。
「総裁選で、ポスト石破の最右翼になった高市早苗さんの存在です」
と明かすのは、旧岸田派の中堅議員だ。
「総裁選で一瞬、全員が息を飲んだのが、第1回の投票結果が発表された瞬間です」
「高市さんが党員党友票で1位となり、石破さんですら顔が一瞬、真っ青になりました」
「結果的に、岸田文雄首相や菅義偉(よしひで)前首相の支持で勝つことができましたが、麻生太郎副総裁を後ろ盾とする“高市一派”は、今回の結果にブチギレ状態で、石破さんにとって自民党を分裂させかねない危険な存在です」
「総務会長のポストを拒否したところからも、党内の融和路線とはほど遠いことが分かります」
そのために、“高市一派”が目論んでいた、ある計画を潰す必要が出てきたのだ。
「実は10月17日から3日間、靖国神社の秋季例大祭が行われます」
「終戦記念日の公式参拝を総裁選の“公約”にしていた高市さんですが、この例大祭では、100人規模の超党派議員による参拝を計画していました」
「いわゆる旧安倍派を中心に、保守派の議員が集結するのは間違いありません」
「外交上の配慮はもちろんですが、石破さんとしては、これ以上、高市さんに目立ってほしくないところです」
「そこで、総選挙期間をぶつけたというわけです」
「さすがに選挙期間中となれば、参拝する議員は少ないはずですからね」
「いわば、危険なライバルとなった高石さんを『靖国神社に行かせない』という意味合いもあるというわけです」
(同前)
5度めのチャンスを掴んだ男は、やはりただ者ではない。
( SmartFLASH )

<主張>石破氏の解散表明 掌返しで信を得られるか
社説
2024/10/1 5:00
https://www.sankei.com/article/20241001-ZTNJ4X45WVOOTCNYF2SENFZN4M/
自民党の石破茂総裁が記者会見で、首相に就任後、衆院選を
「10月27日投開票」
の日程で行うと表明した。
衆院選は政権選択の選挙だ。
首相交代に合わせて実施すること自体は問題ないが、余りにも急ぎ過ぎてはいないか。
石破氏は党総裁選時には、国会で野党側と論戦を交わしてから衆院選を実施するのが望ましいという姿勢だった。
総裁になって言い出した
「10月27日投開票」
では、国会日程が極めて窮屈で、十分な論戦が出来るとは思われない。
これではまるで掌返しである。
石破氏は僅か半月前の日本記者クラブ主催の討論会で
「国民が判断する材料を提供するのは首相の責任だ」
「本当のやり取りは(国会の)予算委員会だ」
「すぐ解散するという言い方はしない」
と語っていた。
早期解散を唱えていた小泉進次郎候補と石破氏の考えは違う、と受け取った国民は多かったはずだ。
自民は1日召集の臨時国会の会期について
「9日まで」
とする日程を野党に提案した。
4日に首相の所信表明演説を行い、週明けの7日から衆参両院で代表質問を行う方向だ。
予算委や党首討論の開催が取り沙汰されているものの、9日までの日程では極めて短時間の開催しか望めまい。
立憲民主党からは早速反発の声が出ている。
石破氏は総裁就任時の会見で
「(自民は)謙虚な政党でなければならない」
と語った。
そうであるなら、予算委で野党側と堂々と論戦を交わすのが筋ではないだろうか。
政権発足の勢いに乗って衆院選を有利に進めたいのかもしれないが、言行が一致していないと見られれば期待感はしぼみかねない。
一方、石破氏を支える自民党4役が決まり、閣僚人事もほぼ固まったが、挙党態勢からは程遠い陣容となった。
決選投票で僅差だった高市早苗経済安全保障担当相に幹事長を打診しなかったのは理解に苦しむ。
平成24年の総裁選を制した安倍晋三元首相が、決選投票で敗れた石破氏を幹事長に起用したのとは対照的だ。
高市氏を支持した国会議員や党員・党友も包摂しなければ、党が結束して衆院選に臨むことは難しいだろう。
衆院選で各政党と全ての候補者は、日本の独立と繁栄を守る政策を有権者に提示し、競い合う必要がある。

http://www.asyura2.com/24/senkyo295/msg/663.html#c19

[政治・選挙・NHK295] これが裏金議員50人の選挙区だ! 焦る石破自民「非公認」「比例重複なし」に方針転換も戦況悪化は加速<一覧表あり>(日刊ゲン… 赤かぶ
43. 秘密のアッコちゃん[699] lOmWp4LMg0GDYoNSgr@C4YLx 2024年10月09日 12:37:37 : fjTz2F981w : QTJUazdpaUhyT1U=[264]
<■87行くらい→右の▽クリックで次のコメントにジャンプ可>
自民、追加で非公認の6人はいずれも旧安倍派の中堅議員 東京21区の小田原潔氏ら
2024/10/9 12:02
https://www.sankei.com/article/20241009-HVASMMY2PRFE5KFM6HUKK7EE6Y/
自民党は9日午前の選挙対策本部会議で、衆院選(15日公示、27日投開票予定)について、派閥パーティー収入不記載事件に関係した計12人を非公認とした。
これまで萩生田光一元文部科学相(61)ら6人を非公認とする方針が決まっていたが、新たに旧安倍派(清和政策研究会)の6人の中堅衆院議員や元議員が非公認となった。
不記載事件を巡る説明責任について地元の理解が十分に進んでいないなどと判断された。
追加で非公認となったのは、
福島3区に立候補を予定した菅家一郎(69)=当選4回=、
東京21区の小田原潔(60)=当選4回=、埼玉6区の中根一幸(55)=当選5回=、
東京6区の越智隆雄(60)=当選5回=、
新潟2区の細田健一(60)=当選4回=、
東京9区の今村洋史(62)=元衆院議員、
当選1回=の6氏。
越智氏は7日に出馬を見送る考えを明らかにしている。
不記載額は、
菅家氏が1289万円、
小田原氏が1240万円、
中根氏が1860万円で、
4月にそれぞれ党役職停止(6カ月)の処分を受けた。
細田氏は564万円で戒告処分。
越智氏は84万円、今村氏は220万円でそれぞれ幹事長注意となった。
石破茂首相(党総裁)は6日に不記載事件に関与した議員の公認問題について、
東京11区から立候補を予定した下村博文元文部科学相(70)=当選9回=、
兵庫9区の西村康稔元経済産業相(61)=当選7回=、
福井2区の高木毅元国対委員長(68)=当選8回=、
東京24区の萩生田氏=当選6回=、
埼玉13区の三ツ林裕巳元内閣府副大臣(69)=当選4回=、
東京17区の平沢勝栄元復興相(79)=当選9回=
の6氏を非公認するとする方針を決めている。
下村、西村両氏は党員資格停止1年、高木氏は同6カ月の処分を、萩生田、三ツ林、平沢各氏は党役職停止1年の処分を受けている。
旧二階派(志帥会)の平沢氏を除く5人は旧安倍派。高木氏は4日付で処分期間を終えている。
自民 不記載議員12人を衆院選で非公認 執行部に不服も
2024年10月9日 10時02分
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20241009/k10014604941000.html
衆議院選挙に向けて、自民党は、政治資金収支報告書に不記載があった議員などあわせて12人を公認しないと発表しました。
民党は9日午前、石破総理大臣や菅副総裁、森山幹事長らが出席して、選挙対策本部の会合を開きました。
冒頭、石破総理大臣は
「本日、衆議院を解散する」
「私どもがこの選挙を勝つことが日本国のためであるという確信の下、有権者に真摯に向き合い、誠実にこの選挙を戦っていく」
「全ての同志が勝ち残ってもらえるよう全身全霊でこの選挙に臨む」
と述べました。
そして、衆議院選挙の第1次公認候補として小選挙区と比例代表のあわせて279人を決定しました。
このあと、森山幹事長は記者団に対し、政治資金収支報告書に収入を記載していなかった議員など12人を公認しないと発表しました。
公認しないのは、
「党員資格停止」
などの処分を受けこれまでに非公認とする方針を固めていた
下村元文部科学大臣、
西村元経済産業大臣、
高木元国会対策委員長、
萩生田元政務調査会長、
平沢元復興大臣、
三ツ林裕己氏の6人に加え、
半年間の
「党の役職停止」

「戒告」
の処分を受けた議員で地元での理解が十分に進んでいないと判断した
菅家一郎氏、
中根一幸氏、
小田原潔氏、
細田健一氏、
処分は受けていないものの、不記載があった
越智隆雄氏と
元議員の今村洋史氏の6人です。
このうち越智氏はすでに立候補しない意向を示しています。
また、9日の会合では処分の有無にかかわらず、収支報告書に不記載があった議員は小選挙区と比例代表との重複立候補を認めないことも改めて確認しました。
森山氏は
「今回の決定は、石破総裁から示された方針の下、都道府県連の申請やそれぞれの選挙区の状況を吟味したうえで判断した」
と述べました。
その上で
「この厳しい決断の上で、民主主義の根幹である選挙で、再び国民に信頼してもらうため全ての候補者が、有権者と真摯に向き合って説明を尽くしてもらいたい」
と述べました。
一方、9日の会合では、執行部の判断に不服を訴える意見も出ました。
■旧安倍派 大塚氏「党のあり方としていかがなものか」
自民党旧安倍派の大塚拓氏は、選挙対策本部の会合に出席したあと記者団に対し
「このようなやり方は自民党の在り方として如何なものかという意見を申し上げた」
「これまでのやり方の見直しについて、色々とお願いした」
と述べました。

自民、衆院選で不記載12人を非公認 旧安倍派の中根一幸氏、菅家一郎氏ら6人追加
2024/10/9 9:34
https://www.sankei.com/article/20241009-JLTEYLJ2GBMWNFIEYVYFPC7YKA/
自民党は9日午前、石破茂首相が出席し選挙対策本部会議を開き、派閥パーティー収入不記載問題に関係した議員12人を衆院選で非公認にすると決めた。
既に非公認とする方針を決めていた6人に加え、追加で旧安倍派の菅家一郎、小田原潔、中根一幸、越智隆雄、細田健一、今村洋史各氏を非公認にした。
越智氏は既に衆院選に出馬しない意向を表明している。
既に非公認とする方針が決まっていたのは、下村博文、西村康稔、高木毅、三ツ林裕巳、平沢勝栄、萩生田光一各氏。
追加非公認の措置は、都道府県連など地元組織の意向、党の情勢調査の結果、不記載額が多く比較的重い処分を受けたことなどを踏まえた判断とみられる。
首相は9日の選対本部会議で
「全ての同志が勝ち残るよう全身全霊で選挙に臨む」
と述べた。

http://www.asyura2.com/24/senkyo295/msg/660.html#c43

[政治・選挙・NHK295] 非公認に盗人猛々しい連中ばかり ついに始まった裏金腐敗集団の自己崩壊(日刊ゲンダイ) 赤かぶ
29. 秘密のアッコちゃん[700] lOmWp4LMg0GDYoNSgr@C4YLx 2024年10月09日 13:16:16 : fjTz2F981w : QTJUazdpaUhyT1U=[265]
<■117行くらい→右の▽クリックで次のコメントにジャンプ可>
日本保守党が30人擁立、衆院選の秘策=@百田氏の比例3位と小選挙区で愛知注力のワケ 有本香氏は東京1位、島田洋一氏は近畿1位
2024.10/9 11:45
https://www.zakzak.co.jp/article/20241009-5HXGCNPV7VJBVEITHJ2WM3R3AA/
政治団体
「日本保守党」
は8日、次期衆院選で擁立を見込む30人の候補予定者を発表し、党代表で作家の百田尚樹氏(68)と、事務総長でジャーナリストの有本香氏(62)も比例代表で出馬すると明らかにした。
百田氏は衆院選を
「国政政党になれるチャンス」
と位置付け、
「『日本を豊かに、強く。』を合言葉に戦っていきたい」
と意気込みを見せた。
比例の東京ブロックでは、名簿1位に有本氏、2位に梅原克彦元仙台市長(70)ら4人を擁立する。
近畿ブロックでは福井県立大学の島田洋一名誉教授(66)が1位、百田氏は3位で出馬を予定する。
百田氏は
「誰が一番国会議員になるに相応しい人材であるかを一番優先して考えた」
と説明した。
小選挙区は、愛知で共同代表の河村たかし名古屋市長(75)ら4人を擁立する。
有本氏は
「局地戦で一発勝負なので、強みのある所に絞るのが戦略だ」
と語る。
公約について有本氏は
「国会の中にない選択肢、政策を掲げていく」
と強調、党の重点政策では消費税などの減税や再エネ賦課金の廃止、入管難民法の改正と運用の厳正化などを掲げている。
政治家の世襲については
「どこの政党と言わないが、スッと息子さんに継いでしまうのは国民の納得感がない」
「近い親族が出る場合、選挙区を変更するなど何らかの原則をもって、家業のように引き継ぐのをやめていくべきではないか」
と指摘した。
「政治とカネ」
問題では、政党交付金の引き下げを主張するなど、既存政党に有利な制度の見直しにも言及した。

百田尚樹代表、有本香事務総長ら比例26人 選挙区は4人 日本保守党が候補者名簿を発表
2024/10/8 16:05
https://www.sankei.com/article/20241008-5K2ZQKCTWNC5XGHR2OFQDWYNL4/
日本保守党は8日、衆院選(15日公示、27日投開票予定)に向け、選挙区4人と比例代表26人の候補予定者名簿を発表した。
選挙区の愛知1区には河村たかし・名古屋市長、比例代表には百田尚樹代表、有本香事務総長、国際政治学者で福井県立大名誉教授の島田洋一氏らを擁立する。
名簿は以下の通り。
【選挙区】
河村たかし(愛知1区)、大橋とおる(愛知3区)、麻生ちさ(愛知4区)、田中克和(愛知5区)
【比例代表】
北海道ブロック=小野寺まさる、堀田真作
北関東ブロック=伊藤純子、野寺直美、芦沢進、宮入良明
東京ブロック=有本香、梅原克彦、阿部力也、小柳岳志
南関東ブロック=小坂英二、大河内元喜、森健太郎、渡辺紀明、服部徹
東海ブロック=竹上ゆうこ、中川健一、織田敏之、中村憲一、青木崇佳
近畿ブロック=島田洋一、佐々木みのり、百田尚樹、豆谷和男、竹内唯裕、残る1人は通称調整中のため非公表

日本保守党が衆院選で会見 百田、有本両氏ら30人擁立 「『移民』政策見直しを」
2024/10/8 14:45
https://www.sankei.com/article/20241008-KS5HD7W5MVHK7NWTBBK5GRBWEI/
政治団体
「日本保守党」
は8日、衆院選(15日告示、27日投開票予定)について、東京都内で記者会見した。
愛知1区に出馬する共同代表の河村たかし名古屋市長ら4人を選挙区に、比例代表には国際政治学者で福井県立大名誉教授の島田洋一氏ら26人、計30人を擁立する方針を明らかにした。
2023年10月に結党して以降、2024年4月の衆院東京15区補欠選挙に続く国政選挙への挑戦となる。
百田尚樹代表は比例近畿ブロック、有本香事務総長は比例東京ブロックにそれぞれ擁立する。
公約については、
「スパイ防止法の制定」
「消費税減税」
「共同親権制度の導入」
など結党時に発表した重点政策項目を踏襲。
表現などは練り上げるという。
有本氏は会見で、衆院選について
「願わくば国政政党になりたい」
「国政に行くぞというお披露目でもある」
と述べ、政党要件を満たす5人以上の当選に強い意欲を滲ませた。
その上で、再生可能エネルギー普及のため電気料金に上乗せされている
「再エネ賦課金」
の廃止などを例に挙げて
「国会の中にない政策を掲げていく」
と強調した。
百田氏は
「日本を守り、日本の良さをそのまま残したい」
「『日本を豊かに、強く。』を合言葉に戦いたい」
と語った。
特に重視する政策については、
「移民」
政策の見直しを挙げて
「『移民』が増えている」
「地域住民とトラブルを抱え、日本の本来守るべきルールを守らない一部の外国人もいる」
「町によっては治安が脅かされている」
「『移民』問題をもう1度考え直すべきではないか」
と述べた。

日本保守党、百田尚樹氏が比例代表の近畿ブロック 有本香氏が東京ブロックから出馬へ 次期衆院選
2024.10/8 13:54
https://www.zakzak.co.jp/article/20241008-PLSYAED6NJO5XDXPNETUCI6HIY/
政治団体
「日本保守党」
は8日、記者会見を開き、次期衆院選(15日公示、27日投開票)で、党代表で作家の百田尚樹氏(68)が比例代表の近畿ブロックから、事務総長でジャーナリストの有本香氏(62)が東京ブロックから出馬すると明らかにした。
百田氏は
「日本を守りたい、日本の良さを残したいという思いだ」
「『日本を豊かに、強く』という理念に賛同した候補者とともに衆院選を戦っていきたい」
と意気込みを述べた。
北海道ブロックでは元北海道議の小野寺まさる氏(61)、東京ブロックでは元仙台市長の梅原克彦氏(70)、南関東ブロックでは荒川区議の小坂英二氏(51)、近畿ブロックでは福井県立大学名誉教授の島田洋一氏(66)が名を連ねている。

河村たかし氏、衆院選「台風の目」可能性「75歳まで来ると有権者の心を信じるに尽きる」
2024/10/1 23:20
https://www.sankei.com/article/20241001-6WLNPES2ZBNRPGZWSGU44D6AI4/
選挙巧者で
「総理を狙う男」
を自称する名古屋市の河村たかし市長が1日、衆院選愛知1区への出馬を表明した。
出馬記者会見で勝算を問われた河村氏は
「75歳まで来ると、有権者の心を信じてやるに尽きる」
「皆さんのためにやってきた」
「必ず分かってくれる」。
国政復帰への意欲を示し続けてきたが、年齢のために今回がラストチャンスとの声も出ている。
河村氏の存在は、衆院選で
「台風の目」
となる可能性を秘める。
2023年4月の市議選では、減税日本の党勢低迷が指摘されながら、自らが前面に出た選挙戦を展開した結果、改選前より議席を増やした。
2023年10月から
「日本保守党」
の共同代表に就任。
名古屋市などの選挙区で候補を擁立すれば、保守層から一定の支持を得られる可能性がある。
地元市議は、自民党総裁選で石破茂新首相が、保守層に人気の高市早苗氏を破ったことで
「自民候補から保守票が逃げる可能性がある」
「自身の年齢も考えれば、最後のチャンスだったのだろう」
と推察する。

名古屋市の河村たかし市長、愛知1区から衆院選出馬へ「総理を狙う男、アゲインという感じ」
2024/10/1 9:27
https://www.sankei.com/article/20241001-3OISJHHS3RLWXM7WY6B2I3OMOA/
名古屋市の河村たかし市長は1日、27日投開票の衆院選に愛知1区から出馬する意向を明らかにした。
記者団の取材に答えた。
河村市長は4期目で市長を退く考えを示していたことを踏まえ、
「4年前、これで最後と言ったので公約を守る」
「総理を狙う男、アゲインという感じだ」
と述べた。

http://www.asyura2.com/24/senkyo295/msg/664.html#c29

[国際35] マクロン大統領「戦争で使う武器提供するな」 ネタニヤフ首相「恥を知れ」/テレ朝 仁王像
3. 秘密のアッコちゃん[701] lOmWp4LMg0GDYoNSgr@C4YLx 2024年10月09日 17:24:16 : fjTz2F981w : QTJUazdpaUhyT1U=[266]
<▽42行くらい>
台湾の頼総統、あえて「中華民国」前面に 中国の統一圧力に対抗、注目集める「祖国論」
2024/10/9 13:54
https://www.sankei.com/article/20241009-5V4ILEUTAVLX3JUZFNLE4SVIC4/
台湾の頼清徳総統が
「中華人民共和国(中国)は、中華民国(台湾)の人々の祖国には絶対になり得ない」
と発言し注目を集めている。
与党、民主進歩党の支持層が距離を置く
「中華民国」
という概念をあえて前面に出し、中国による台湾統一の主張に反論しているのが特徴だ。
「台湾独立」
論に否定的な中間層を取り込み、世論を団結させて習近平政権の統一圧力に対抗する狙いがあるとみられる。
頼氏は5日の
「双十節」(建国記念日に相当)
の祝賀イベントで演説。
1911年に始まった辛亥革命で誕生した中華民国は、1949年に成立した中国共産党の中華人民共和国よりも歴史が長いと指摘し、同国発足以前に生まれた75歳以上の中国人は
「中華民国が祖国になり得る」
とも述べた。
頼氏の主張は
「台湾は祖国の懐にかえるべきだ」
と訴える中国側の論理破綻を突いたものだ。
一方、中国側が
「頑固な台湾独立派」
と敵視する頼氏が自ら、旧来の
「台湾独立」
論を否定した側面もある。
中国共産党と台湾の最大野党、中国国民党に共通する
「国共内戦が完全には終結していない」
という歴史観は、1つの中国という理念の根拠になっている。
これに対して
「台湾独立」
派は従来、1949年に台湾に逃れてきた外来政権の中華民国を消滅させて台湾共和国を建国し、
「1つの中国」
という枠組みから明確に離脱する理想を掲げていた。
しかし現実的には、
「台湾独立」
に向けた憲法改正に必要な有権者の過半数の支持を得るのは困難だ。
台湾の清華大栄誉講座教授、小笠原欣幸氏は
「頼氏の現状認識は中国との統一か独立かではなく、台湾の現状を守り切れるか、圧力を強める中国に統一されてしまうかだ」
と指摘。
「台湾の世論が割れたままでは中国に隙を突かれるので、国民党の看板である中華民国を利用して統一反対という多数派の世論をまとめ、中国からの圧力をかわすというのが頼政権の狙いではないか」
と分析する。
国民党からは批判の声も出ている。
同党の馬英九元政権下で対外政策の立案に関わった政治大教授の黄奎博氏は、
「中華人民共和国が中華民国の人々の祖国にはなり得ない」
という頼氏の主張は
「歴史的事実」
と認める一方、頼氏が
「中華民国と中国大陸との民族、法理、歴史的関係」
を切り捨てていると批判した。
国民党は頼氏の発言を全面否定するわけにもいかず、対応に苦慮しているもようだ。
小笠原氏は
「頼氏の『変化球』が狙い通りに中間層の有権者の支持を広げることに繋がるのか注目したい」
と指摘する。

http://www.asyura2.com/24/kokusai35/msg/104.html#c3
[政治・選挙・NHK295] 小沢一郎も、総理も、ダメだ、こりゃ!もう、この国は、終わった。上脇氏の告発(水月会)の、おバカ対応で、全て、解りました。 阿闍梨(あじゃり)
24. 秘密のアッコちゃん[702] lOmWp4LMg0GDYoNSgr@C4YLx 2024年10月10日 07:41:00 : fjTz2F981w : QTJUazdpaUhyT1U=[267]
<■334行くらい→右の▽クリックで次のコメントにジャンプ可>
<主張>衆院解散 日本守り抜く政策訴えよ 政権を託せるのはどの党か
社説
2024/10/10 5:00
https://www.sankei.com/article/20241010-KWGTCTQYKVIWLBZR4XMFA2XQJM/
衆院が解散され、事実上の選挙戦が始まった。
解散は天皇陛下の国事行為である。
石破茂内閣は臨時閣議で
「15日公示、27日投開票」
の日程を決めた。
衆院選は3年ぶりだ。
新首相の就任から8日後の解散、26日後の投開票は戦後最短の決戦となる。
衆院選は政権選択選挙だ。
各政党と候補者は有権者の前で、日本を守り繁栄させる政策を大いに論じなければならない。
解散を前に国会で行われた党首討論で石破首相(自民党総裁)は、派閥パーティー収入不記載事件への対応を批判され防戦一方となった。
■安全保障をなぜ語らぬ
政治資金の透明性確保や不記載事件の再発防止を進め、政治への信頼を取り戻すことは重要だ。
政治とカネの問題が争点の1つになるのは当然だろう。
ただし、党首討論は衆院選を前に、日本の将来に向けた政策を競い合う場でもあるべきだった。
ところがそうならなかったのは、全閣僚出席の予算委員会を開いて丁寧な論議をしなかったことが響いている。
石破首相の所信表明演説後、代表質問と党首討論をしただけで解散したのは残念だった。
石破首相と自民は、不記載議員らの一部を対象に非公認の数を増やしたが、有権者が評価するかは不透明だ。
党首討論では外交安全保障がほとんど論じられなかった。
日本を取り巻く安全保障環境が極めて厳しい中で信じ難いことである。
習近平中国国家主席の共産党総書記の任期の関係から、台湾有事が令和9(2027)年までにあるかもしれないと危惧されていることを忘れたのか。
「台湾有事は日本有事」
と言われる。
今回の衆院選で選ばれる議員と彼らが指名する首相は、台湾有事を抑止するため働き抜かねばならない。
もし有事になれば、先頭に立って国家国民を守り抜く重責を担う。
有権者はそれに相応しい議員を選ばなければなるまい。
全ての政党と候補者は現下の国際情勢に対する認識と、今後起こり得る危機の抑止と対処の具体策を語るべきだ。
野党第一党の立憲民主党の安全保障に関する姿勢は、極めて危うい。
日米同盟の抑止力を格段に高めた集団的自衛権の限定行使の容認を
「憲法違反」
とする立場だからだ。
立民の衆院選公約は、限定行使を認める安保関連法について
「違憲部分を廃止する」
という従来方針を踏襲した。
米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の辺野古移設工事は
「中止」
すると明記した。
この政策のまま政権をとれば日米同盟は空洞化する。
旧民主党の鳩山由紀夫政権が同盟の危機を招いた二の舞いとなるだろう。
これも分からない立民の野田佳彦代表に果たして政権担当能力があるだろうか。
■立民は政権枠組み示せ
立民は、衆院選での与党過半数割れや政権交代の実現を叫んでいる。
にもかかわらず、この目標を達成した時の新たな政権の枠組みを示していないのはおかしい。
これでは有権者の判断材料が揃わない。
目指す政権の枠組みを曖昧にして選挙区調整だけに走るとすれば、議会制民主主義の軽視となる。
選挙戦で聞きたいテーマの1つが、国の根幹に関わる憲法改正だ。
日本国民の多数が自衛隊を認め、期待する時代になった。
ところが多くの憲法学者は自衛隊違憲論を唱えている。
このような異様な状態は改めたい。
憲法への自衛隊明記は改憲に前向きな各党で意見集約が進んでおり、是非早期に実現したい。
改正のゴールは
「戦力不保持」
を定めた第9条2項の削除と軍の規定の創設だ。
そうなって初めて世界の他の民主主義国と同様に国民を守る体制が整う。
首都直下地震、南海トラフの巨大地震などの大規模災害や有事への懸念が高まる中、緊急政令を含む緊急事態条項の創設も急務である。
各党が論じるべき政策課題は他にもある。
物価高に負けない持続的な賃上げによるデフレからの完全脱却、原発を含むエネルギーの在り方、少子高齢化を背景にした人口減少などだ。
国民受けする政策だけでなく
「痛み」
を伴う改革にも真摯に向き合わなければならない。
言行不一致は国民の不信を招く。
各党、各候補者は誠実に言葉を紡いでほしい。

<主張>代表質問 安全保障の論議不十分だ
社説
2024/10/9 5:00
https://www.sankei.com/article/20241009-N3ZCWLPEKJIFNBCCPHJ3MP7ZMA/
石破茂首相の所信表明演説への国会の代表質問が終わった。
政権選択選挙である衆院選を前にした国会である。
「政治とカネ」
を巡る問題が盛んに議論された。
その一方で、日本の独立と繁栄の基盤となる安全保障の論議が深まらなかったのは残念だ。
自民党議員は中国軍の領空侵犯や領海侵入、空母「遼寧」の接続水域航行、ロシア軍の領空侵犯を取り上げ、小野寺五典政調会長は
「国民の命と暮らし、領土・領海・領空を守り抜く」
ことを求めた。
日本維新の会の馬場伸幸代表は台湾有事について質した。
首相が最近の著書で
「『台湾有事、即日本有事』となる可能性は相当低い」
と指摘しているからだ。
馬場氏は
「対中抑止力や国民の国防意識を削ぐことになる」
と懸念を示した。
首相は
「仮定の質問に答えるのは差し控える」
とした上で
「台湾海峡の平和と安定は国際社会の安定にとっても重要だ」
と指摘した。
国防の決意と具体策をもっと語る必要がある。
物足りなかったのは野党第一党の立憲民主党である。
野田佳彦代表が首相のアジア版NATO(北大西洋条約機構)構想に関し
「日米同盟の抑止力に疑念があると思われかねない」
「非現実的ではないか」
と疑問を呈したのは妥当である。
だが、立民として日本をどう守るつもりかを語らなかった。
対中認識を含む現下の国際情勢に対する見方も示さなかった。
田名部匡代参院幹事長はロシアに侵略されたウクライナで、なぜ抑止力が効かなかったのかを質した。
ウクライナ問題を論ずるのではなく、アジア版NATOを巡る首相の言行不一致を引き出したかっただけのようだ。
安保政策を十分語らずに政権交代を迫っても、説得力は感じられない。
憲法改正については自民、立民、維新などが質問した。
首相は緊急事態条項の創設や自衛隊明記について、自民内の議論を
「後戻りさせることなく、前に進めていく決意だ」
と語った。
同時に、任期中に国会への発議を実現したいとし、憲法審査会で議論を深めるよう求めた。
ただ、それだけでは足りない。
首相や憲法改正に前向きな政党は、どの項目をいつまでに条文化したいのかを明らかにすることも重要である。

<主張>中東の戦火拡大 なぜNSCを開かぬのか
社説
2024/10/3 5:00
https://www.sankei.com/article/20241003-4YRNMLACHBI6FNK2GDIOJIQ5N4/
石破茂首相に問いたい。
なぜ国家安全保障会議(NSC)を開催しないのか。
中東の戦火が拡大しているからである。
イスラエルがレバノンの首都ベイルートにある親イラン民兵組織ヒズボラの本部を空爆し指導者ナスララ師を殺害した。
ヒズボラの脅威を除こうとイスラエル軍はレバノン南部へ侵攻した。
ヒズボラの後ろ盾であるイランは報復と称しイスラエルに向けて大規模な弾道ミサイル攻撃を行った。
米英両軍などが協力して迎撃したが一部が着弾し、被害が出た。
イランの対イスラエル直接攻撃は4月以来だ。
どちらも中東有数の軍事大国だ。
双方に自制を求めたい。
ただし事態がエスカレートすれば
「第5次中東戦争」
になりかねない。
日本や世界のエネルギー供給にとっても、経済情勢にとっても、何より中東地域の邦人の安全にとっても、看過できない緊迫した状況である。
日本は一連の事態を遠い地域の出来事と見做すのではなく、自らの問題と捉え、対応しなければならない。
石破首相は2日、イランの弾道ミサイル攻撃を非難し
「全面戦争に拡大しないように(米国などと)連携を取りたい」
と述べた。
そうであるならば、石破首相は、NSCの4大臣会合などを開き、邦人保護や万一の際のエネルギー需給、イスラエル、イラン双方への働きかけについて協議すべきである。
国家安全保障局や外務省の幹部と面会したが、それだけでは足りない。
NSCを開催すれば、日本企業や現地の邦人に対応を促すシグナルにもなる。
石破首相が自民党総裁に当選した9月27日に、岸田文雄内閣の木原稔防衛相はレバノンからの邦人退避に備え、航空自衛隊のC2輸送機を近隣のヨルダンとギリシャへ派遣する命令を発した。
レバノンには約50人の邦人が滞在している。
政権末期でも邦人保護へ動いた岸田政権の対応は妥当だ。
退避では韓国との相互協力も進めたい。
ただし、レバノンからの邦人退避の備えは日本が為すべき対応の一部に過ぎない。
戦火が一気に拡大しかねない時代だ。
危機は政権交代の事情など勘案しない。
石破首相には内閣発足直後であろうと国民を守り抜いてほしい。

<主張>自民総裁に石破氏 保守の精神踏まえ前進を 外交安保政策の継承が重要だ
社説
2024/9/28 5:00
https://www.sankei.com/article/20240928-ZQWPFHRUFBPALP3NUGABOBDVAI/
自民党総裁選で、石破茂元幹事長が高市早苗経済安全保障担当相を決選投票で破り、新総裁に選出された。
10月1日召集の臨時国会で首相に指名され、宮中での認証式などを経て、石破内閣が発足する見通しだ。
石破氏は当選後、
「安全安心な国にするため全身全霊を尽くしたい」
と語った。
ほとんどの派閥が解散を決めたこともあって史上最多の9人が立候補し、激しい総裁選となった。
石破氏は1回目の投票で高市氏に次ぐ2位だった。
決選投票の票差は21票で、党内基盤は強いとは言えない。
■「挙党態勢」が問われる
政治とカネの問題で自民をみる有権者の目は依然として厳しい。
石破氏と自民は挙党態勢で国政運営に当たる必要がある。
党役員や閣僚の人事は適材適所の観点で、総裁選のライバル候補を含め起用すべきだ。
党所属国会議員は結束して新総裁を支えてもらいたい。
石破氏と自民に求めたいのは保守の精神を尊重、堅持することだ。
自民は党綱領で
「日本らしい日本の確立」
を謳い、自らを
「保守政党」
と位置付けている。
この基本線から外れるべきではない。
総裁選で論じられた選択的夫婦別姓の導入は見送るべきである。
石破氏は前向きな姿勢を示してきたが、保守政党が取り組む課題ではない。
家族や社会の根幹に関わる話だ。
片方の親と子の
「強制的親子別姓」
を意味し、戸籍制度も揺らぐ。
個人の自由の問題とは言えず、自民どころか社会の分断を招きかねない。
旧姓使用の充実で対応してもらいたい。
国家と国民を守り抜く外交安全保障は政治リーダーにとって最も重要な責務だ。
安倍晋三元首相は
「自由で開かれたインド太平洋」
構想を国際社会に示し、限定的ながら集団的自衛権の行使容認を実現した。
菅義偉前首相は米国と共に
「台湾海峡の平和と安定の重要性」
を打ち出した。
岸田文雄首相は5年間の防衛費43兆円、反撃能力の保有を決め、防衛力の抜本的強化を開始した。
石破氏は安倍氏以降の外交安全保障を確実に継承し、発展させなければならない。
中国やロシア、北朝鮮といった核武装した専制国家の脅威をどう捉えているかを語ってほしい。
ウクライナ支援の継続も重要だ。
心配なのは、石破氏がアジア版NATO(北大西洋条約機構)の具体化に意欲を示した点だ。
創設には憲法問題の解決や各国との比較的長期の交渉などに相当の年月と大きな政治エネルギーを要する。
数年先の発生も懸念される台湾有事の抑止を優先すべきではないか。
日米同盟の対処力と抑止力の強化も欠かせない。
■男系の皇統を守り抜け
北朝鮮による日本人拉致問題の解決も急がれる。
石破氏は
「東京と平壌に連絡事務所を開設して交渉の足掛かりとする」
と唱えてきた。
家族会は時間稼ぎに利用されるだけだと懸念している。
まず、家族会などと真剣に語り合ってほしい。
千年、二千年の視野で日本を守るため、安定的な皇位継承策を確立すべきである。
自民は、男系(父系)による継承を堅持する内容の岸田内閣の報告書に賛同する立場だ。
石破氏は総裁選でこの党の方針に従うと表明した点を強調しておきたい。
自民は来年、結党70年を迎える。
憲法改正は党是であり、改憲原案の条文化を臨時国会中に完成させるべきだ。
憲法への自衛隊明記は最優先だ。
首都直下地震などの大規模災害や日本有事への懸念が高まっている。
緊急政令を含む緊急事態条項創設も急務である。
自民総裁として与党公明党の説得にも努める必要がある。
日本が抱える課題は他にもある。
物価高を上回る持続的な賃上げを確実なものとし、デフレからの完全脱却を目指してもらいたい。
少子高齢化を背景にした人口減少への対策や社会保障制度改革も欠かせない。
政治とカネの対応は引き続き重要だ。
パーティー収入不記載事件の再発防止と政治資金の透明性確保を確実にしたい。
信頼を取り戻さなければ、政策は遂行できまい。
早期の衆院解散・総選挙が取り沙汰されている。
臨時国会では所信表明演説で国家観と政策の全体像を披露すると共に質疑にも応じ、国民に投票の判断材料を示すべきである。

勝てねば首相の責任論必至 自身に跳ね返る過去の言動
阿比留瑠比の極言御免
2024/10/10 1:00
https://www.sankei.com/article/20241010-EYZZGK33R5KI5PJP5BWX6Y4LVQ/?outputType=theme_election2024
石破茂政権の現状を象徴するように慣例の万歳も乱れがちで、何とも高揚感がない9日の衆院本会議での解散劇だった。
「内閣改造をするほど総理の権力は下がり、解散をするほど上がる」
かつて7年8カ月に渡る長期政権を築いた佐藤栄作元首相は、こんな言葉を残したが、今回の解散は首相にとって権力基盤を固めるものになるだろうか。
解散は、自民党の分断と混乱の中で強行された。
派閥パーティー収入不記載事件を巡っては、2024年4月に当時の岸田文雄首相(党総裁)によって既に処分を受けていた議員らが再び、非公認や比例代表への重複立候補を認めないという重い処分を受けた。
4日の時点で森山裕幹事長が
「党として調査し、(4月に)処分を下した」
「その現実をしっかり捉えることは大事だ」
と述べていたにもかかわらずである。
今回の処分は厳しい処罰を求める国民感情に応えるためとはいえ、憲法39条が定める一事不再理の精神に反する二重処分となる。
総裁選で高市早苗前経済安全保障担当相が
「(党紀委員会など)党内で積み重ねてきた議論を、総裁が代わったからと言ってちゃぶ台返しをしたら独裁だ」
と述べたやり方そのものである。
不記載事件に対しては、政治資金収支報告書に記載しなかった議員が悪いのは当然として、法曹界にもこんなに騒ぐべき問題ではなかったとの見方がある。
日弁連元幹部は指摘する。
「政治家を立件して手柄にしたかった東京地検の暴走で、検察ファッショだ」
東京地検特捜部が100人規模の検事を動員して徹底調査した結果、不起訴(嫌疑なし)とされた自民党議員を、自民党総裁が更に痛めつける。
首相は9日の党首討論で
「どれほど厳しいものか、それぞれの人にとってどれほど辛いものかはよくよく判断した」
と述べたが、将来に禍根を残さないはずがない。
もともと人望が薄く、政権基盤が弱い首相は衆院選後、こうした議員らからどの程度、政権運営への協力が得られるだろうか。
反発やサボタージュが待ち受けることになろう。
また、首相就任から8日後と戦後最短での解散という手法もあからさまで、野党からも有権者からも見透かされている。
9日の党首討論で立憲民主党代表の野田佳彦元首相は語った。
「(首相は)ご祝儀相場があるうちに解散すれば、勝てるだろうという思いから早期解散を決めた」
そう決め付けられても仕方がない。
首相は6月14日の自身のブログで解散について、このように主張しているからである。
「内閣不信任案の可決や信任案の否決など、内閣と衆議院の立場の相違が明確となった場合に限り、内閣が主権者である国民の意思を問うために行われるべきもの」
「天皇の国事行為を定めたに過ぎない(憲法)第7条を根拠として『今解散すれば勝てる』とばかりに衆議院を解散することは、国会を『国権の最高機関』とする憲法第41条の趣旨にも反する」
明らかに今回の早期解散と矛盾する。
一方、野田氏は首相当時の解散を明言した平成24年11月14日の党首討論で、自民党の安倍晋三総裁に
「近いうちに国民の信を問う」
と言ったことを問われ、こう答えている。
「首相は公定歩合と解散は噓をついてもいいと自民党政権時代には言っていた人もいるという話もあったが、噓をつくつもりは私はなかった」
前言を次々と翻し、党内に不和を引き起こしてまで強行した衆院選に勝てなければ、首相の責任問題に直結する。
かつて背後から時の首相に刃を突きつけて責任を問うてきた首相の言動が、首相自身に跳ね返ってくることだろう。
(論説委員兼政治部編集委員)

石破首相、不記載問題「再調査を全く否定するものではない」 党首討論の詳報
2024/10/10 5:00
https://www.sankei.com/article/20241010-RM55MKLYSVKRZMMYAQK4Z2O7SE/?outputType=theme_election2024
9日に行われた党首討論の主なやりとりは次の通り。
■「裏金議員」非公認
野田佳彦立憲民主党代表
自民党派閥「裏金事件」に関与した前議員ら12人が衆院選で非公認となった。
首相は「相当程度が非公認になる」と述べたが、関与者の公認は30人を超えるのではないか。
正確な日本語では「大半が公認」だ。
脱税まがいの議員に、政党交付金として血税が支払われるかもしれない。
国民感情から到底理解できない。
石破茂首相
「裏金」「脱税」とは決めつけだ。
政治資金収支報告書への不記載に関し、脱税容疑で立件された者はいない。
不記載については極めて良からぬことで、おわびする。
厳正な議論を経て、公認しないと決断した。非公認で選挙を戦うことがどれほどつらいか、百も万も承知している。
しかし総理総裁に就任以降、国民の怒りが強いと肌身に感じている。
最終的な判断は主権者の国民に任せる。
これが甘いとかいい加減とは一切考えていない。
野田氏
非公認の立候補者が当選した場合、追加公認するか。
首相
主権者である国民の判断があれば、追加公認はあり得る。
馬場伸幸日本維新の会代表
来年夏の参院選で裏金議員に対し、衆院選と同じ物差しで公認、非公認を決めるのか。
首相
同じ国会議員なので、衆院と参院で違う対応はしない。
■再調査
野田氏
首相は新しい事実が出ない限り、裏金事件の再調査を否定した。
だが有罪判決を受けた旧安倍派の会計責任者が、令和4年4月に中止された還流を幹部協議で再開したと法廷で証言した。
裁判所が事実認定した新事実だ。
再調査すべきだ。
首相
色々な事実関係がある。
有権者に対し、如何なる責任を負うべきか党内で議論する必要がある。
再調査を全く否定するものではない。
厳粛に受け止めなければならない。
野田氏
新しい事実ではないのか。
再調査するかしないか聞いている。
首相
綿密に調査してきたが、捜査権を持たないという限界がある。
関係書類の有効期限が超過し、確認しようがないものもある。
その中で最大限努力し調査してきた。
野田氏
再調査せず、有耶無耶にして早く解散しようとしている。
「裏金隠し解散」だ。
■衆院選
野田氏
「ご祝儀相場」のうちに解散すれば勝てるだろうと、早期の衆院解散を決めたのか。
首相
国を守り、国民を守り、デフレを脱却するためには、私どもが政権を引き続き担わせていただくことが最も肝要だと考えている。
正々堂々、国民の審判を仰ぐのが我々の姿勢だ。
馬場氏 国民に何を問う解散なのか。
首相
新内閣が発足した。
内閣が取り組もうとしていることに信任を得るのが衆院解散・総選挙の意義だ。
■補正予算
野田氏
臨時国会を会期延長して予算委員会を開くべきだ。
旧安倍派幹部は国会の政治倫理審査会で、裁判所の事実認定と異なることを語った。
噓だった可能性が十分高い。
予算委で証人喚問すべきだ。
首相
予算委開催は国会が決めることだ。
災害が相次いだ石川・能登半島の方々の困窮を1日も早く改善するため、予備費で対応する。
6年度補正予算編成は既に指示した。衆院選で国民の判断を得た後、補正予算案を審議し早期成立を期す。
国家国民のため切れ目のない予算審議が必要だ。
■政治改革
野田氏
政治改革の原点に立ち、政治資金規正法の見直しを行う際には、企業・団体献金の禁止からスタートすることが大事だ。
首相
大事なのは政策が左右されないかどうかで、これから先も認めるべきだ。
立民内にも企業・団体献金は必要だとの議論がある。
透明性が担保されるよう努力していく。
馬場氏
首相就任後、新たに企業・団体献金の申し出があった場合、どう対応するか。
首相
寄付を頂いた企業・団体に有利に取り計らう政治行動をしたことは一切ない。
この職を務めている間は、政治資金パーティーを開催するつもりは全くない。
■安全保障
馬場氏
自民総裁選で唱えていた日米地位協定改定やアジア版NATO(北大西洋条約機構)構想が首相に就任した瞬間、雲散霧消した。
国民から疑問を持たれている。
首相
自民は独裁政党ではない。
総裁が言えばそのまま政策になるわけではない。
これから党内で議論していく。
■政策活動費
玉木雄一郎国民民主党代表
政治不信を払拭してくれると期待された石破内閣が、新たな政治不信を生み出しつつあるのではないか。
今回の衆院選では政策活動費を使わないと明言してほしい。
首相
現在認められており、使うことはある。
選挙区で厳しい戦いをしている地域もある。
玉木氏
問題発言だ。
何に使い、誰に渡したか分からないお金で選挙に臨めば選挙が歪む。
首相
「検討、検討」で終わるのは、結局何もしないのと一緒だとの強い意識を持っている。
政策活動費の在り方にきちんと結論を得る。
■憲法改正
馬場氏
衆参両院の憲法審査会で改憲論議が進まない。
壁を突破するために、首相がスタートボタンを押すべきだ。
首相
自民の党是だ。
党総裁として改憲が発議され、国民投票をする日が1日も早くなるよう可能な限り努力する。
■賃上げ、労働改革
田村智子共産党委員長
最低賃金の大幅引き上げには、中小企業への直接支援が不可欠だ。
首相
全体主義国家ではない。
政府が主導し直接お金を払う手法が必ずしも正しいと思わない。

http://www.asyura2.com/24/senkyo295/msg/665.html#c24

[中国3] 中国“新種キノコ”実は大人のおもちゃ!TVが恥ずかしすぎる誤報 (ZAKZAK)  赤かぶ
5. 秘密のアッコちゃん[703] lOmWp4LMg0GDYoNSgr@C4YLx 2024年10月10日 11:08:50 : fjTz2F981w : QTJUazdpaUhyT1U=[268]
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調査で判明 中国人の「反米親露」
石平のChina Watch
2024/10/10 9:00
https://www.sankei.com/article/20241010-FO6PQTWI2VLB3AOYCNEYG7HLWM/
先月30日、中国の著名なシンクタンク、清華大学戦略・安全研究センターは
「『中国人の国際安全観』に関する民意調査報告2024」
を発表した。
18歳以上の男女2662人へのアンケートに基づいて作成したという。
その中で、筆者が特に注目したいのは、米国、日本、ロシアなど世界の主要国に対する中国人の好感度あるいは反感度の調査結果である。
それによると、男女の約66%がロシアに対して
「好感を持っている」、
もしくは
「ある程度の好感を持っている」
と答えたという。
対照的に約76%の人々が、米国に対して
「反感」
もしくは
「ある程度の反感」
を持ち約80%の回答者は、日本に対して
「反感」

「ある程度の反感」
を持っていることが判明した。
日本に対して
「反感」
あるいは
「ある程度の反感」
を持つ人がこれほど多いのは、中共政権が長年行ってきた反日教育の結果であって特に驚かないが、興味深いのはむしろ、ロシアに対する好感度の高さと、米国に
「反感」
もしくは
「ある程度の反感」
を持つ人々の割合が日本に対するそれに負けないくらいに高いことだ。
つまり、この調査の結果からすれば
「反米親露」
は今や中国の
「民意」
の主流となっているわけである。
しかし、よく考えてみれば、それは実に奇妙なことであろう。
中国と米国の間には日中間のような
「歴史問題」
は基本的に存在せず、いわゆる
「領土問題」
も全くない。
一方で、ケ小平の
「改革・開放」
の時代以来、米中間の経済交流や人的交流はますます盛んになってきている。
米国は常に中国の若者たちが行きたい最大の留学先であり、2022年までは、中国は米国最大の貿易相手国でもあった。
それに対し、中国のロシアとの経済的・人的結び付きは今でも相対的に薄く、米国のそれとの比ではない。
それにもかかわらず大多数の中国人が
「反米親露」
に走っているのはなぜか。
前述の民意調査の中で、
「米国の対中国戦略をどう思うのか」
の質問に対し、約88%の人々が
「米国は中国の発展を封じ込めようとしている」
と答えたそうだ。
これが恐らく、中国人の
「対米反感」
の原因の1つであろう。
もちろん、このような対米認識は部分的には、トランプ政権以来の米国の対中国制裁関税や技術封鎖の実施に由来するものであって全く無根拠でもない。
さらに、習近平政権が近年、
「米国は我が国の発展を阻止し、滅ぼそうとしている」
との国内宣伝を盛んに行っていることもまた、前述のような対米認識と対米反感を作り出した大きな要因の1つであろう。
一方で、覇権国家としてウクライナへの侵略戦争を続けているロシアに対し、中国人は7割近くが好感を持っている理由は何か。
この調査がロシアに関するそれ以上の質問を設けていないので不明な点が多いものの、筆者の推測では、力ずくで国際間の問題を解決しようとするロシアの覇権主義的強硬姿勢が、多くの中国人の共鳴を呼び、彼らの対露好感を生んだ理由の1つではないかと思う。
前述の民意調査の中でも、
「中国はどのような力を持って自国の外交政策の目標を実現すべきか」
の質問に対し、
「軍事力」
と答えたのは約31%であったのに対し、
「外交力」

「文化力」
と答えたのはそれぞれ約12%と約10%にとどまっている。
言ってみれば、中国人の
「反米親露」
の背後にあるのは、国民の共鳴を呼ぶ現代中国の覇権主義的体質そのものではないか。
そのことが、前述の民意調査から改めて分かったのである。

http://www.asyura2.com/12/china3/msg/185.html#c5
[政治・選挙・NHK295] 政界引退の足立康史議員による“復讐”まで囁かれ…衆院選後に維新を待ち受ける「分裂劇」(日刊ゲンダイ) 赤かぶ
19. 秘密のアッコちゃん[704] lOmWp4LMg0GDYoNSgr@C4YLx 2024年10月10日 11:23:59 : fjTz2F981w : QTJUazdpaUhyT1U=[269]
<■72行くらい→右の▽クリックで次のコメントにジャンプ可>
株高は新NISA効果でない 石破首相は個人のお金を国力強化にいかせ 編集委員・山口暢彦
2024/10/10 8:00
https://www.sankei.com/article/20241010-QU7APUGNPZIYNIR2BJVU3T6SBM/
今年は株高基調の1年となっている。
日経平均株価は年初から急上昇し、7月11日には史上最高値の4万2426円を記録した。
ただ、個人による日本株の売買は
「売り越し」
が続く。
株価を押し上げているのは、初め期待されたように新NISA(少額投資非課税制度)へ流れ込む日本の個人のお金ではなく、海外投資勢のお金だ。
今月1日に誕生した石破茂政権は、27日投開票の衆院選でいきなり国民の審判を仰ぐが、個人のお金を日本株へ呼び込み日本企業の応援に繋げる制度作りを求めたい。
日経平均は1月からバブル崩壊後の最高値を更新し続け、2月22日の終値は、バブル期の平成元年12月29日につけた3万8915円を34年ぶりに突破。
7月11日には史上最高値に達した。
8月、急激に円高が進む局面があり日経平均は急落したものの持ち直し、10月9日現在、3万9000円台。
市場からは
「年内にもう1度、最高値を更新するのでは」
との期待が上がっている。
株価が上がってきたのは、米国につられ半導体株が上がったり、日本企業の業績が良くなったりしているためだ。
加えて、特に年初に語られたのが、個人が新NISAを通じて株を積極的に買うようになり、日経平均を押し上げているという分析だ。
新NISAは岸田文雄政権の
「資産所得倍増プラン」
の柱として1月にスタート。
株や投資信託の運用益に税金がかからない旧NISAが大幅に拡充された。
「税制優遇が大きく、少額から投資ができるので投資のハードルが下がる」
「長期で資産を増やす上でも新NISAは有効だ」。
内藤証券(大阪市)の板倉邦明営業企画部長はこう語る。
金融庁によると、NISAの6月末の口座数は2427万6789。
3月末から3カ月で105万以上増えた。
個人が投資へお金を振り向け始めていることを示している。
だが、この流れが株高に直結しているとは言い難い。
日本株の個人による売買は、売りが買いを上回る売り越しが続き、理屈上、株価の押し下げ要因となっているためだ。
三井住友DSアセットマネジメントの市川雅浩チーフマーケットストラテジストによると、日経平均が史上最高値へと向かった6月第4週〜7月第2週ですら、個人は約1兆625億円の売り越しだった。
買い越していたのは年金基金といった海外勢。
その額は約4365億円で、日経平均を押し上げたとみられる。
市川氏は
「2023年3月、東証が上場企業に対し、資本コストや株価を意識した経営を行うよう求めた」
「こうした取り組みが海外から評価されている」
とみる。
だが、個人の新NISAの口座は増えている。
何を買っているのか。
答えは海外の株だ。
市川氏は
「米国に成長企業が多いことなどが、海外の株が買われる理由となっている」
とする。
ある会社の株を買うことは、その会社を資金面で応援することを意味する。
その点で今の個人の投資の傾向は、日本人が日本企業でなく海外企業を応援していることを示している。
新NISAの口座数は増えているので
「貯蓄から投資へ」
は進み始めたと言えるが、
「日本人が日本企業を応援する」
という本来あるべき姿になっていない。
では、日本株へ個人のお金を振り向けるにはどうすればいいのか。
市川氏は
「企業は広く事業の成長性をアピールしなければならない」
「中期経営計画や成長の道筋をしっかり示せれば、投資先として魅力的になる」
と語る。
一方、近畿大経営学部の花木正孝教授は、日本人のお金はこれまで投資へ向きづらく、その理由を
「高度経済成長期以降、(企業が金融機関からお金を調達する)間接金融に頼るシステムに慣らされてきた上、バブル崩壊などで、リスクを伴う金融商品への嫌悪感が色濃くなったから」
と分析。
その上で
「日本にあるお金を海外に持っていかず、国内のより有効な投資へ回す仕組みを考えてもいい」
と話す。
具体的には
「国として進めたい業種や、SDGs(持続可能な開発目標)、脱炭素など社会的に必要な技術を扱う企業向けの投資を税優遇するといった政策を打ち出せばどうか」
と提案する。
株価が上がれば、その株を持つ人の財布のひもが緩む
「資産効果」
が生じる。
その結果、買い物する人が増え、商品を売る企業の収益が上がり、その企業が商品を値上げしたり賃上げしたりすることが可能になる。
さらに多くの人の消費意欲が高まる好循環が生まれ、長年の悲願である
「デフレ脱却」
に繋がっていく。
個人消費は国内総生産(GDP)の大きな柱だ。
日本は最近、
「名目GDPが世界4位に転落した」
など良くないニュースが目立つ。
今月1日就任した石破首相には、個人を国内の株式市場を盛り上げる原動力とし、日本の国力強化につなげる政策を期待したい。

http://www.asyura2.com/24/senkyo295/msg/666.html#c19
[政治・選挙・NHK295] 小沢一郎も、総理も、ダメだ、こりゃ!もう、この国は、終わった。上脇氏の告発(水月会)の、おバカ対応で、全て、解りました。 阿闍梨(あじゃり)
34. 秘密のアッコちゃん[705] lOmWp4LMg0GDYoNSgr@C4YLx 2024年10月10日 12:55:17 : fjTz2F981w : QTJUazdpaUhyT1U=[270]
<△28行くらい>
警視庁、選挙違反取締本部を設置 2千人態勢で取り締まり
2024/10/10 12:18
https://www.sankei.com/article/20241010-4RAXGCSVN5OUJD722EWOPUHX6U/?outputType=theme_election2024
衆院選の公示が15日に迫る中、警視庁は10日、選挙違反取締本部(本部長・親家和仁刑事部長)を捜査2課に設置し、同課入り口に看板を据え付けた。
公職選挙法違反をはじめとする選挙に関する不正行為を捜査員2000人態勢で取り締まる。
捜査2課によると、令和3年の前回衆院選から今月9日までの違反警告件数は計30件。
いずれもポスターやのぼり旗などに関する文書掲示違反だという。
警視庁管内の選挙を巡っては、4月の衆院東京15区補欠選挙で、政治団体
「つばさの党」
の候補者らが、他陣営に妨害行為を繰り返すなどして公選法違反(自由妨害)罪で逮捕、起訴。
7月の都知事選では、掲示板にほぼ全裸の女性や、風俗店を宣伝する内容のポスターを貼ったとして、それぞれ候補と党代表が警告を受けた。

衆院解散で大阪府警が選挙違反取締本部設置 悪質違反は期間中でも摘発へ
2024/10/10 11:56
https://www.sankei.com/article/20241010-2Y6JQJQNVRM57LFKWGT27XTKEA/?outputType=theme_election2024
衆院解散を受け、大阪府警は10日、府警本部内に選挙違反取締本部を設置した。
府警本部と府内66署で捜査に臨み、選挙妨害など悪質な選挙違反については公示前や選挙期間中でも摘発する方針。
府警捜査2課によると、8日時点の警告数は2件で、いずれも政治活動用看板の証票の期限切れなどの文書掲示違反。
令和3年の前回衆院選では解散時の警告件数は19件で、全て文書掲示違反だった。

http://www.asyura2.com/24/senkyo295/msg/665.html#c34

[中国3] 中国“新種キノコ”実は大人のおもちゃ!TVが恥ずかしすぎる誤報 (ZAKZAK)  赤かぶ
6. 秘密のアッコちゃん[706] lOmWp4LMg0GDYoNSgr@C4YLx 2024年10月10日 14:19:45 : fjTz2F981w : QTJUazdpaUhyT1U=[271]
<■68行くらい→右の▽クリックで次のコメントにジャンプ可>
台湾・頼総統「侵略と併呑許さぬ」 中台「互いに隷属せず」再び強調 双十節で演説
2024/10/10 13:10
https://www.sankei.com/article/20241010-BNNJQNN3TRODPP3NF2DZFY3TWQ/
台湾の頼清徳総統は10日、台北の総統府前で行われた建国記念日に当たる
「双十節」
の式典で演説し、
「私の使命は国の生存と発展を確保し、2300万人の台湾人民を団結させることだ」
と述べ、統一圧力を強める中国を念頭に
「国家の主権を堅持し、侵略と併呑を許さない」
と決意を示した。
頼氏は
「台湾海峡の平和と安定という現状を維持する我々の努力は変わらない」
とも言及し、対中政策は現状維持路線を継続する姿勢を改めて示した。
頼氏は
「中華民国(台湾)は既に台澎金馬(台湾本島と澎湖諸島、金門島、馬祖列島)に根を下ろしており、中華人民共和国(中国)とは互いに隷属していない」
と述べた。
5月の就任演説で強調した
「中華民国と中華人民共和国は互いに隷属していない」
との立場を改めて示した形だ。
中国はこの頼氏の主張について
「新たな(中国と台湾は国と国との関係だという)二国論」
だとして反発している。
頼氏は10日の演説で
「民主主義と自由がこの地(台湾)でしっかり育った」
「中華人民共和国に台湾を代表する権利はない」
と述べた。
一方、中国との間で
「互いに受け入れあい、手を携えて前進することを一貫して願っている」
とも強調した。
頼氏は
「国の呼び方として中華民国、台湾、中華民国台湾のいずれを好むとしても、我々には共通の信念が必要だ」
と述べ、政治的立場により分断されがちな台湾人に団結を求めた。

台湾の頼総統、あえて「中華民国」前面に 中国の統一圧力に対抗、注目集める「祖国論」
2024/10/9 13:54
https://www.sankei.com/article/20241009-5V4ILEUTAVLX3JUZFNLE4SVIC4/
台湾の頼清徳総統が
「中華人民共和国(中国)は、中華民国(台湾)の人々の祖国には絶対になり得ない」
と発言し注目を集めている。
与党、民主進歩党の支持層が距離を置く
「中華民国」
という概念をあえて前面に出し、中国による台湾統一の主張に反論しているのが特徴だ。
「台湾独立」
論に否定的な中間層を取り込み、世論を団結させて習近平政権の統一圧力に対抗する狙いがあるとみられる。
頼氏は5日の
「双十節」(建国記念日に相当)
の祝賀イベントで演説。
1911年に始まった辛亥革命で誕生した中華民国は、1949年に成立した中国共産党の中華人民共和国よりも歴史が長いと指摘し、同国発足以前に生まれた75歳以上の中国人は
「中華民国が祖国になり得る」
とも述べた。
頼氏の主張は
「台湾は祖国の懐にかえるべきだ」
と訴える中国側の論理破綻を突いたものだ。
一方、中国側が
「頑固な台湾独立派」
と敵視する頼氏が自ら、旧来の
「台湾独立」
論を否定した側面もある。
中国共産党と台湾の最大野党、中国国民党に共通する
「国共内戦が完全には終結していない」
という歴史観は、1つの中国という理念の根拠になっている。
これに対して
「台湾独立」
派は従来、1949年に台湾に逃れてきた外来政権の中華民国を消滅させて台湾共和国を建国し、
「1つの中国」
という枠組みから明確に離脱する理想を掲げていた。
しかし現実的には、
「台湾独立」
に向けた憲法改正に必要な有権者の過半数の支持を得るのは困難だ。
台湾の清華大栄誉講座教授、小笠原欣幸氏は
「頼氏の現状認識は中国との統一か独立かではなく、台湾の現状を守り切れるか、圧力を強める中国に統一されてしまうかだ」
と指摘。
「台湾の世論が割れたままでは中国に隙を突かれるので、国民党の看板である中華民国を利用して統一反対という多数派の世論をまとめ、中国からの圧力をかわすというのが頼政権の狙いではないか」
と分析する。
国民党からは批判の声も出ている。
同党の馬英九元政権下で対外政策の立案に関わった政治大教授の黄奎博氏は、
「中華人民共和国が中華民国の人々の祖国にはなり得ない」
という頼氏の主張は
「歴史的事実」
と認める一方、頼氏が
「中華民国と中国大陸との民族、法理、歴史的関係」
を切り捨てていると批判した。
国民党は頼氏の発言を全面否定するわけにもいかず、対応に苦慮しているもようだ。
小笠原氏は
「頼氏の『変化球』が狙い通りに中間層の有権者の支持を広げることに繋がるのか注目したい」
と指摘する。

http://www.asyura2.com/12/china3/msg/185.html#c6

[政治・選挙・NHK295] 岸田前首相は自民党総裁選「影の主導権争い」を制した 永田町の裏を読む(日刊ゲンダイ) 赤かぶ
19. 秘密のアッコちゃん[707] lOmWp4LMg0GDYoNSgr@C4YLx 2024年10月10日 14:30:58 : fjTz2F981w : QTJUazdpaUhyT1U=[272]
<■399行くらい→右の▽クリックで次のコメントにジャンプ可>
石破茂首相「申し上げたことは一度もない」、不記載議員原則公認報道は取材なし 党首討論
2024/10/10 12:40
https://www.sankei.com/article/20241010-I7VEIODQ4NBVPO4DGJV5PQIAUY/?outputType=theme_election2024
石破茂首相(自民党総裁)は9日、立憲民主党の野田佳彦代表との党首討論で、派閥パーティー収入不記載事件で処分を受けた前議員らについて、自身が衆院選(15日公示、27日投開票)で原則公認する方針を固めたとの一部報道を否定した。
「全員を公認するとか私は申し上げたことは1度もない」
と述べ、自身への取材はなかったことも明らかにした。
党首討論に先立ち、自民は不記載事件を受けて、4月に処分した前議員を含む12人の公認を見送る方針を決めた。
一方、朝日新聞などは今月4日付で、首相が不記載事件で処分を受けた前議員らを原則公認し、比例代表との重複立候補も認める方針を固めたと報じた。
その際は再発防止策を講じる誓約書を提出させるとした。
こうした経緯から、野田氏は不記載事件に関わった前議員らの公認を巡り、
「いわゆる裏金に関わった議員を全員公認し、全員重複立候補させ、誓約書を書かせるのが最初の方針だったのではないか」
「二転三転、右往左往しながら決めた」
「(報道を受けて)批判が強いから、厳しいような対応に見せているということではないか」
質した。
首相は、
「全員を重複で認めるとか、誓約書を取るとか、私はそのようなことは申し上げたことは1度もない」
と重ねて否定。
「報道には石破茂首相、自民党総裁(が方針を固めた)と書いていた」
「そのような取材を受けたことは1度もない」
「報道はどういう根拠に基づいたか知らないが、そういうことは一切ない」
と強調した。
「森山裕幹事長、小泉進次郎選対委員長、今回の決定に関わった誰かが、そういう取材を受けた事実はない」
とも語った。
野田氏も
「全員公認するかどうかという報道が流れたことは、これはご自身の考えではなかったと」
「それはその通りとして認めましょう」
と応じた。

自民、「裏金議員」原則公認へ 衆院選で比例重複も容認、首相方針
2024年10月3日 20時59分
https://www.asahi.com/articles/ASSB33HGLSB3UTFK00ZM.html?msockid=03bbc426d8756d821927d643d90f6c0f
石破茂首相(自民党総裁)は、派閥の裏金事件で処分を受けた議員らについて、次期衆院選で原則公認する方針を固めた。
都道府県連の申請を受けて公認していく考えで、小選挙区の公認候補は比例代表との重複立候補も認める。
首相は6日にも、事件の中心だった安倍派幹部らから状況を聞くことを検討している。
首相は9日に衆院を解散し、15日公示、27日投開票の日程で総選挙を行う意向を表明済み。
一方、公認問題については総裁選の中で
「相応しい候補者か、党として責任を持たなければならない」
とし、公認しない可能性も示唆していた。
だが、総裁就任後は連立を組む公明党からの要請もあり、最速日程での衆院選を決断。公認手続きを急ぐ中、
「裏金議員」
は非公認としたうえで新たな候補を擁立する時間的余裕はなく、妥協する方向へ傾いたようだ。
■「選挙後に倒閣運動が起きる」 首相、押し込まれ「裏金議員」公認へ
党は4月、政治資金収支報告書への不記載があった39人を処分。
うち34人が8段階中4番目の
「選挙における非公認」
より軽い処分だった。
こうした経緯から、公認問題を蒸し返すことに反対する声が党内に根強くあり、首相が押し切られた面もある。
だが、裏金問題の対応は国民の理解を得られていない。
朝日新聞が1、2日に実施した世論調査(電話)では、実態解明を
「進めるべきだ」
と答えた人が75%だったのに対し、
「その必要はない」
は15%だった。
首相は1日の就任会見で
「国民が納得したという状況にはない」
とした上で、
「どうすればもう起こらないかの認識をきちんと伺いたい」
とも述べていた。
6日にも安倍派幹部らと面会し、直接確認したい考えだ。
党執行部も
「裏金議員」
の公認や比例重複を原則認める方向。その際、再発防止策を講じる誓約書を提出させる。野党側では立憲民主党を中心に、「裏金議員」の選挙区について候補を一本化する案が浮上している。

<主張>衆院解散 日本守り抜く政策訴えよ 政権を託せるのはどの党か
社説
2024/10/10 5:00
https://www.sankei.com/article/20241010-KWGTCTQYKVIWLBZR4XMFA2XQJM/
衆院が解散され、事実上の選挙戦が始まった。
解散は天皇陛下の国事行為である。
石破茂内閣は臨時閣議で
「15日公示、27日投開票」
の日程を決めた。
衆院選は3年ぶりだ。
新首相の就任から8日後の解散、26日後の投開票は戦後最短の決戦となる。
衆院選は政権選択選挙だ。
各政党と候補者は有権者の前で、日本を守り繁栄させる政策を大いに論じなければならない。
解散を前に国会で行われた党首討論で石破首相(自民党総裁)は、派閥パーティー収入不記載事件への対応を批判され防戦一方となった。
■安全保障をなぜ語らぬ
政治資金の透明性確保や不記載事件の再発防止を進め、政治への信頼を取り戻すことは重要だ。
政治とカネの問題が争点の1つになるのは当然だろう。
ただし、党首討論は衆院選を前に、日本の将来に向けた政策を競い合う場でもあるべきだった。
ところがそうならなかったのは、全閣僚出席の予算委員会を開いて丁寧な論議をしなかったことが響いている。
石破首相の所信表明演説後、代表質問と党首討論をしただけで解散したのは残念だった。
石破首相と自民は、不記載議員らの一部を対象に非公認の数を増やしたが、有権者が評価するかは不透明だ。
党首討論では外交安全保障がほとんど論じられなかった。
日本を取り巻く安全保障環境が極めて厳しい中で信じ難いことである。
習近平中国国家主席の共産党総書記の任期の関係から、台湾有事が令和9(2027)年までにあるかもしれないと危惧されていることを忘れたのか。
「台湾有事は日本有事」
と言われる。
今回の衆院選で選ばれる議員と彼らが指名する首相は、台湾有事を抑止するため働き抜かねばならない。
もし有事になれば、先頭に立って国家国民を守り抜く重責を担う。
有権者はそれに相応しい議員を選ばなければなるまい。
全ての政党と候補者は現下の国際情勢に対する認識と、今後起こり得る危機の抑止と対処の具体策を語るべきだ。
野党第一党の立憲民主党の安全保障に関する姿勢は、極めて危うい。
日米同盟の抑止力を格段に高めた集団的自衛権の限定行使の容認を
「憲法違反」
とする立場だからだ。
立民の衆院選公約は、限定行使を認める安保関連法について
「違憲部分を廃止する」
という従来方針を踏襲した。
米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の辺野古移設工事は
「中止」
すると明記した。
この政策のまま政権をとれば日米同盟は空洞化する。
旧民主党の鳩山由紀夫政権が同盟の危機を招いた二の舞いとなるだろう。
これも分からない立民の野田佳彦代表に果たして政権担当能力があるだろうか。
■立民は政権枠組み示せ
立民は、衆院選での与党過半数割れや政権交代の実現を叫んでいる。
にもかかわらず、この目標を達成した時の新たな政権の枠組みを示していないのはおかしい。
これでは有権者の判断材料が揃わない。
目指す政権の枠組みを曖昧にして選挙区調整だけに走るとすれば、議会制民主主義の軽視となる。
選挙戦で聞きたいテーマの1つが、国の根幹に関わる憲法改正だ。
日本国民の多数が自衛隊を認め、期待する時代になった。
ところが多くの憲法学者は自衛隊違憲論を唱えている。
このような異様な状態は改めたい。
憲法への自衛隊明記は改憲に前向きな各党で意見集約が進んでおり、是非早期に実現したい。
改正のゴールは
「戦力不保持」
を定めた第9条2項の削除と軍の規定の創設だ。
そうなって初めて世界の他の民主主義国と同様に国民を守る体制が整う。
首都直下地震、南海トラフの巨大地震などの大規模災害や有事への懸念が高まる中、緊急政令を含む緊急事態条項の創設も急務である。
各党が論じるべき政策課題は他にもある。
物価高に負けない持続的な賃上げによるデフレからの完全脱却、原発を含むエネルギーの在り方、少子高齢化を背景にした人口減少などだ。
国民受けする政策だけでなく
「痛み」
を伴う改革にも真摯に向き合わなければならない。
言行不一致は国民の不信を招く。
各党、各候補者は誠実に言葉を紡いでほしい。

<主張>代表質問 安全保障の論議不十分だ
社説
2024/10/9 5:00
https://www.sankei.com/article/20241009-N3ZCWLPEKJIFNBCCPHJ3MP7ZMA/
石破茂首相の所信表明演説への国会の代表質問が終わった。
政権選択選挙である衆院選を前にした国会である。
「政治とカネ」
を巡る問題が盛んに議論された。
その一方で、日本の独立と繁栄の基盤となる安全保障の論議が深まらなかったのは残念だ。
自民党議員は中国軍の領空侵犯や領海侵入、空母「遼寧」の接続水域航行、ロシア軍の領空侵犯を取り上げ、小野寺五典政調会長は
「国民の命と暮らし、領土・領海・領空を守り抜く」
ことを求めた。
日本維新の会の馬場伸幸代表は台湾有事について質した。
首相が最近の著書で
「『台湾有事、即日本有事』となる可能性は相当低い」
と指摘しているからだ。
馬場氏は
「対中抑止力や国民の国防意識を削ぐことになる」
と懸念を示した。
首相は
「仮定の質問に答えるのは差し控える」
とした上で
「台湾海峡の平和と安定は国際社会の安定にとっても重要だ」
と指摘した。
国防の決意と具体策をもっと語る必要がある。
物足りなかったのは野党第一党の立憲民主党である。
野田佳彦代表が首相のアジア版NATO(北大西洋条約機構)構想に関し
「日米同盟の抑止力に疑念があると思われかねない」
「非現実的ではないか」
と疑問を呈したのは妥当である。
だが、立民として日本をどう守るつもりかを語らなかった。
対中認識を含む現下の国際情勢に対する見方も示さなかった。
田名部匡代参院幹事長はロシアに侵略されたウクライナで、なぜ抑止力が効かなかったのかを質した。
ウクライナ問題を論ずるのではなく、アジア版NATOを巡る首相の言行不一致を引き出したかっただけのようだ。
安保政策を十分語らずに政権交代を迫っても、説得力は感じられない。
憲法改正については自民、立民、維新などが質問した。
首相は緊急事態条項の創設や自衛隊明記について、自民内の議論を
「後戻りさせることなく、前に進めていく決意だ」
と語った。
同時に、任期中に国会への発議を実現したいとし、憲法審査会で議論を深めるよう求めた。
ただ、それだけでは足りない。
首相や憲法改正に前向きな政党は、どの項目をいつまでに条文化したいのかを明らかにすることも重要である。

<主張>中東の戦火拡大 なぜNSCを開かぬのか
社説
2024/10/3 5:00
https://www.sankei.com/article/20241003-4YRNMLACHBI6FNK2GDIOJIQ5N4/
石破茂首相に問いたい。
なぜ国家安全保障会議(NSC)を開催しないのか。
中東の戦火が拡大しているからである。
イスラエルがレバノンの首都ベイルートにある親イラン民兵組織ヒズボラの本部を空爆し指導者ナスララ師を殺害した。
ヒズボラの脅威を除こうとイスラエル軍はレバノン南部へ侵攻した。
ヒズボラの後ろ盾であるイランは報復と称しイスラエルに向けて大規模な弾道ミサイル攻撃を行った。
米英両軍などが協力して迎撃したが一部が着弾し、被害が出た。
イランの対イスラエル直接攻撃は4月以来だ。
どちらも中東有数の軍事大国だ。
双方に自制を求めたい。
ただし事態がエスカレートすれば
「第5次中東戦争」
になりかねない。
日本や世界のエネルギー供給にとっても、経済情勢にとっても、何より中東地域の邦人の安全にとっても、看過できない緊迫した状況である。
日本は一連の事態を遠い地域の出来事と見做すのではなく、自らの問題と捉え、対応しなければならない。
石破首相は2日、イランの弾道ミサイル攻撃を非難し
「全面戦争に拡大しないように(米国などと)連携を取りたい」
と述べた。
そうであるならば、石破首相は、NSCの4大臣会合などを開き、邦人保護や万一の際のエネルギー需給、イスラエル、イラン双方への働きかけについて協議すべきである。
国家安全保障局や外務省の幹部と面会したが、それだけでは足りない。
NSCを開催すれば、日本企業や現地の邦人に対応を促すシグナルにもなる。
石破首相が自民党総裁に当選した9月27日に、岸田文雄内閣の木原稔防衛相はレバノンからの邦人退避に備え、航空自衛隊のC2輸送機を近隣のヨルダンとギリシャへ派遣する命令を発した。
レバノンには約50人の邦人が滞在している。
政権末期でも邦人保護へ動いた岸田政権の対応は妥当だ。
退避では韓国との相互協力も進めたい。
ただし、レバノンからの邦人退避の備えは日本が為すべき対応の一部に過ぎない。
戦火が一気に拡大しかねない時代だ。
危機は政権交代の事情など勘案しない。
石破首相には内閣発足直後であろうと国民を守り抜いてほしい。

<主張>自民総裁に石破氏 保守の精神踏まえ前進を 外交安保政策の継承が重要だ
社説
2024/9/28 5:00
https://www.sankei.com/article/20240928-ZQWPFHRUFBPALP3NUGABOBDVAI/
自民党総裁選で、石破茂元幹事長が高市早苗経済安全保障担当相を決選投票で破り、新総裁に選出された。
10月1日召集の臨時国会で首相に指名され、宮中での認証式などを経て、石破内閣が発足する見通しだ。
石破氏は当選後、
「安全安心な国にするため全身全霊を尽くしたい」
と語った。
ほとんどの派閥が解散を決めたこともあって史上最多の9人が立候補し、激しい総裁選となった。
石破氏は1回目の投票で高市氏に次ぐ2位だった。
決選投票の票差は21票で、党内基盤は強いとは言えない。
■「挙党態勢」が問われる
政治とカネの問題で自民をみる有権者の目は依然として厳しい。
石破氏と自民は挙党態勢で国政運営に当たる必要がある。
党役員や閣僚の人事は適材適所の観点で、総裁選のライバル候補を含め起用すべきだ。
党所属国会議員は結束して新総裁を支えてもらいたい。
石破氏と自民に求めたいのは保守の精神を尊重、堅持することだ。
自民は党綱領で
「日本らしい日本の確立」
を謳い、自らを
「保守政党」
と位置付けている。
この基本線から外れるべきではない。
総裁選で論じられた選択的夫婦別姓の導入は見送るべきである。
石破氏は前向きな姿勢を示してきたが、保守政党が取り組む課題ではない。
家族や社会の根幹に関わる話だ。
片方の親と子の
「強制的親子別姓」
を意味し、戸籍制度も揺らぐ。
個人の自由の問題とは言えず、自民どころか社会の分断を招きかねない。
旧姓使用の充実で対応してもらいたい。
国家と国民を守り抜く外交安全保障は政治リーダーにとって最も重要な責務だ。
安倍晋三元首相は
「自由で開かれたインド太平洋」
構想を国際社会に示し、限定的ながら集団的自衛権の行使容認を実現した。
菅義偉前首相は米国と共に
「台湾海峡の平和と安定の重要性」
を打ち出した。
岸田文雄首相は5年間の防衛費43兆円、反撃能力の保有を決め、防衛力の抜本的強化を開始した。
石破氏は安倍氏以降の外交安全保障を確実に継承し、発展させなければならない。
中国やロシア、北朝鮮といった核武装した専制国家の脅威をどう捉えているかを語ってほしい。
ウクライナ支援の継続も重要だ。
心配なのは、石破氏がアジア版NATO(北大西洋条約機構)の具体化に意欲を示した点だ。
創設には憲法問題の解決や各国との比較的長期の交渉などに相当の年月と大きな政治エネルギーを要する。
数年先の発生も懸念される台湾有事の抑止を優先すべきではないか。
日米同盟の対処力と抑止力の強化も欠かせない。
■男系の皇統を守り抜け
北朝鮮による日本人拉致問題の解決も急がれる。
石破氏は
「東京と平壌に連絡事務所を開設して交渉の足掛かりとする」
と唱えてきた。
家族会は時間稼ぎに利用されるだけだと懸念している。
まず、家族会などと真剣に語り合ってほしい。
千年、二千年の視野で日本を守るため、安定的な皇位継承策を確立すべきである。
自民は、男系(父系)による継承を堅持する内容の岸田内閣の報告書に賛同する立場だ。
石破氏は総裁選でこの党の方針に従うと表明した点を強調しておきたい。
自民は来年、結党70年を迎える。
憲法改正は党是であり、改憲原案の条文化を臨時国会中に完成させるべきだ。
憲法への自衛隊明記は最優先だ。
首都直下地震などの大規模災害や日本有事への懸念が高まっている。
緊急政令を含む緊急事態条項創設も急務である。
自民総裁として与党公明党の説得にも努める必要がある。
日本が抱える課題は他にもある。
物価高を上回る持続的な賃上げを確実なものとし、デフレからの完全脱却を目指してもらいたい。
少子高齢化を背景にした人口減少への対策や社会保障制度改革も欠かせない。
政治とカネの対応は引き続き重要だ。
パーティー収入不記載事件の再発防止と政治資金の透明性確保を確実にしたい。
信頼を取り戻さなければ、政策は遂行できまい。
早期の衆院解散・総選挙が取り沙汰されている。
臨時国会では所信表明演説で国家観と政策の全体像を披露すると共に質疑にも応じ、国民に投票の判断材料を示すべきである。

勝てねば首相の責任論必至 自身に跳ね返る過去の言動
阿比留瑠比の極言御免
2024/10/10 1:00
https://www.sankei.com/article/20241010-EYZZGK33R5KI5PJP5BWX6Y4LVQ/?outputType=theme_election2024
石破茂政権の現状を象徴するように慣例の万歳も乱れがちで、何とも高揚感がない9日の衆院本会議での解散劇だった。
「内閣改造をするほど総理の権力は下がり、解散をするほど上がる」
かつて7年8カ月に渡る長期政権を築いた佐藤栄作元首相は、こんな言葉を残したが、今回の解散は首相にとって権力基盤を固めるものになるだろうか。
解散は、自民党の分断と混乱の中で強行された。
派閥パーティー収入不記載事件を巡っては、2024年4月に当時の岸田文雄首相(党総裁)によって既に処分を受けていた議員らが再び、非公認や比例代表への重複立候補を認めないという重い処分を受けた。
4日の時点で森山裕幹事長が
「党として調査し、(4月に)処分を下した」
「その現実をしっかり捉えることは大事だ」
と述べていたにもかかわらずである。
今回の処分は厳しい処罰を求める国民感情に応えるためとはいえ、憲法39条が定める一事不再理の精神に反する二重処分となる。
総裁選で高市早苗前経済安全保障担当相が
「(党紀委員会など)党内で積み重ねてきた議論を、総裁が代わったからと言ってちゃぶ台返しをしたら独裁だ」
と述べたやり方そのものである。
不記載事件に対しては、政治資金収支報告書に記載しなかった議員が悪いのは当然として、法曹界にもこんなに騒ぐべき問題ではなかったとの見方がある。
日弁連元幹部は指摘する。
「政治家を立件して手柄にしたかった東京地検の暴走で、検察ファッショだ」
東京地検特捜部が100人規模の検事を動員して徹底調査した結果、不起訴(嫌疑なし)とされた自民党議員を、自民党総裁が更に痛めつける。
首相は9日の党首討論で
「どれほど厳しいものか、それぞれの人にとってどれほど辛いものかはよくよく判断した」
と述べたが、将来に禍根を残さないはずがない。
もともと人望が薄く、政権基盤が弱い首相は衆院選後、こうした議員らからどの程度、政権運営への協力が得られるだろうか。
反発やサボタージュが待ち受けることになろう。
また、首相就任から8日後と戦後最短での解散という手法もあからさまで、野党からも有権者からも見透かされている。
9日の党首討論で立憲民主党代表の野田佳彦元首相は語った。
「(首相は)ご祝儀相場があるうちに解散すれば、勝てるだろうという思いから早期解散を決めた」
そう決め付けられても仕方がない。
首相は6月14日の自身のブログで解散について、このように主張しているからである。
「内閣不信任案の可決や信任案の否決など、内閣と衆議院の立場の相違が明確となった場合に限り、内閣が主権者である国民の意思を問うために行われるべきもの」
「天皇の国事行為を定めたに過ぎない(憲法)第7条を根拠として『今解散すれば勝てる』とばかりに衆議院を解散することは、国会を『国権の最高機関』とする憲法第41条の趣旨にも反する」
明らかに今回の早期解散と矛盾する。
一方、野田氏は首相当時の解散を明言した平成24年11月14日の党首討論で、自民党の安倍晋三総裁に
「近いうちに国民の信を問う」
と言ったことを問われ、こう答えている。
「首相は公定歩合と解散は噓をついてもいいと自民党政権時代には言っていた人もいるという話もあったが、噓をつくつもりは私はなかった」
前言を次々と翻し、党内に不和を引き起こしてまで強行した衆院選に勝てなければ、首相の責任問題に直結する。
かつて背後から時の首相に刃を突きつけて責任を問うてきた首相の言動が、首相自身に跳ね返ってくることだろう。
(論説委員兼政治部編集委員)

石破首相、不記載問題「再調査を全く否定するものではない」 党首討論の詳報
2024/10/10 5:00
https://www.sankei.com/article/20241010-RM55MKLYSVKRZMMYAQK4Z2O7SE/?outputType=theme_election2024
9日に行われた党首討論の主なやりとりは次の通り。
■「裏金議員」非公認
野田佳彦立憲民主党代表
自民党派閥「裏金事件」に関与した前議員ら12人が衆院選で非公認となった。
首相は「相当程度が非公認になる」と述べたが、関与者の公認は30人を超えるのではないか。
正確な日本語では「大半が公認」だ。
脱税まがいの議員に、政党交付金として血税が支払われるかもしれない。
国民感情から到底理解できない。
石破茂首相
「裏金」「脱税」とは決めつけだ。
政治資金収支報告書への不記載に関し、脱税容疑で立件された者はいない。
不記載については極めて良からぬことで、おわびする。
厳正な議論を経て、公認しないと決断した。非公認で選挙を戦うことがどれほどつらいか、百も万も承知している。
しかし総理総裁に就任以降、国民の怒りが強いと肌身に感じている。
最終的な判断は主権者の国民に任せる。
これが甘いとかいい加減とは一切考えていない。
野田氏
非公認の立候補者が当選した場合、追加公認するか。
首相
主権者である国民の判断があれば、追加公認はあり得る。
馬場伸幸日本維新の会代表
来年夏の参院選で裏金議員に対し、衆院選と同じ物差しで公認、非公認を決めるのか。
首相
同じ国会議員なので、衆院と参院で違う対応はしない。
■再調査
野田氏
首相は新しい事実が出ない限り、裏金事件の再調査を否定した。
だが有罪判決を受けた旧安倍派の会計責任者が、令和4年4月に中止された還流を幹部協議で再開したと法廷で証言した。
裁判所が事実認定した新事実だ。
再調査すべきだ。
首相
色々な事実関係がある。
有権者に対し、如何なる責任を負うべきか党内で議論する必要がある。
再調査を全く否定するものではない。
厳粛に受け止めなければならない。
野田氏
新しい事実ではないのか。
再調査するかしないか聞いている。
首相
綿密に調査してきたが、捜査権を持たないという限界がある。
関係書類の有効期限が超過し、確認しようがないものもある。
その中で最大限努力し調査してきた。
野田氏
再調査せず、有耶無耶にして早く解散しようとしている。
「裏金隠し解散」だ。
■衆院選
野田氏
「ご祝儀相場」のうちに解散すれば勝てるだろうと、早期の衆院解散を決めたのか。
首相
国を守り、国民を守り、デフレを脱却するためには、私どもが政権を引き続き担わせていただくことが最も肝要だと考えている。
正々堂々、国民の審判を仰ぐのが我々の姿勢だ。
馬場氏 国民に何を問う解散なのか。
首相
新内閣が発足した。
内閣が取り組もうとしていることに信任を得るのが衆院解散・総選挙の意義だ。
■補正予算
野田氏
臨時国会を会期延長して予算委員会を開くべきだ。
旧安倍派幹部は国会の政治倫理審査会で、裁判所の事実認定と異なることを語った。
噓だった可能性が十分高い。
予算委で証人喚問すべきだ。
首相
予算委開催は国会が決めることだ。
災害が相次いだ石川・能登半島の方々の困窮を1日も早く改善するため、予備費で対応する。
6年度補正予算編成は既に指示した。衆院選で国民の判断を得た後、補正予算案を審議し早期成立を期す。
国家国民のため切れ目のない予算審議が必要だ。
■政治改革
野田氏
政治改革の原点に立ち、政治資金規正法の見直しを行う際には、企業・団体献金の禁止からスタートすることが大事だ。
首相
大事なのは政策が左右されないかどうかで、これから先も認めるべきだ。
立民内にも企業・団体献金は必要だとの議論がある。
透明性が担保されるよう努力していく。
馬場氏
首相就任後、新たに企業・団体献金の申し出があった場合、どう対応するか。
首相
寄付を頂いた企業・団体に有利に取り計らう政治行動をしたことは一切ない。
この職を務めている間は、政治資金パーティーを開催するつもりは全くない。
■安全保障
馬場氏
自民総裁選で唱えていた日米地位協定改定やアジア版NATO(北大西洋条約機構)構想が首相に就任した瞬間、雲散霧消した。
国民から疑問を持たれている。
首相
自民は独裁政党ではない。
総裁が言えばそのまま政策になるわけではない。
これから党内で議論していく。
■政策活動費
玉木雄一郎国民民主党代表
政治不信を払拭してくれると期待された石破内閣が、新たな政治不信を生み出しつつあるのではないか。
今回の衆院選では政策活動費を使わないと明言してほしい。
首相
現在認められており、使うことはある。
選挙区で厳しい戦いをしている地域もある。
玉木氏
問題発言だ。
何に使い、誰に渡したか分からないお金で選挙に臨めば選挙が歪む。
首相
「検討、検討」で終わるのは、結局何もしないのと一緒だとの強い意識を持っている。
政策活動費の在り方にきちんと結論を得る。
■憲法改正
馬場氏
衆参両院の憲法審査会で改憲論議が進まない。
壁を突破するために、首相がスタートボタンを押すべきだ。
首相
自民の党是だ。
党総裁として改憲が発議され、国民投票をする日が1日も早くなるよう可能な限り努力する。
■賃上げ、労働改革
田村智子共産党委員長
最低賃金の大幅引き上げには、中小企業への直接支援が不可欠だ。
首相
全体主義国家ではない。
政府が主導し直接お金を払う手法が必ずしも正しいと思わない。

http://www.asyura2.com/24/senkyo295/msg/669.html#c19

[中国3] 中国“新種キノコ”実は大人のおもちゃ!TVが恥ずかしすぎる誤報 (ZAKZAK)  赤かぶ
7. 秘密のアッコちゃん[708] lOmWp4LMg0GDYoNSgr@C4YLx 2024年10月10日 16:24:24 : fjTz2F981w : QTJUazdpaUhyT1U=[273]
<▽45行くらい>
「家族がどうなっても知らない」在日ウイグル人らに中国当局が圧力 人権団体HRWが報告
2024/10/10 15:56
https://www.sankei.com/article/20241010-NTORUYVXKJD3JI74DZ2HQD7NNU/
国際人権団体ヒューマン・ライツ・ウオッチ(HRW)は中国当局から受けている
「圧力」
の実態を巡って、日本で暮らすウイグル、チベット、内モンゴル自治区出身者らにインタビューし、
「中国が海外にいる政権批判者に対して嫌がらせ」
と題して、10日に結果を公表した。
多くが中国当局にデモ活動の取りやめや中国人活動家の情報提供を求められ、自治区に残す親族らも脅迫めいた連絡を受けていた。
HRWは
「活動の自由など基本的人権は守られるべきで、圧力は許されない」
「日本政府も情報収集して中国政府に首脳会談などで反対を表明してほしい」
と訴える。
■読書会も「反中国組織か」
HRWは6月〜8月にかけて、自治区出身者ら25人に聴取した。
いずれも日本で、ウイグル民族弾圧への反対活動やチベット文化を紹介する活動などに関わった経験があるという。
16人が当局の圧力があったと証言した。
複数の在日ウイグル人は、中国当局の関係者から中国の通信アプリ微信(ウィーチャット)などで連絡を受け、中国政府に批判的な活動を止めたうえで、日本ウイグル協会など在日のウイグル人グループの名簿の提供などを求められたという。
親戚から自治区に帰国するように求められた際、中国の警察が突然電話を代わって
「さっさと帰ってこい」
「さもないと家族がどうなっても知らないぞ」
と言われたケースもあったという。
内モンゴル自治区出身者は、読書会で同郷の活動家の著作を扱おうとしたことで、中国当局が自治区で暮らす親族を通じ
「反中国の組織ではないか」
などと圧力をかけられたという。
当局関係者は本人に連絡し、各種イベントに参加する内モンゴル人の情報も求めたという。
■「国境を越えた人権弾圧は許容しない」
チベット文化を紹介する在日チベット人や、香港の民主化活動に参加した経験のある台湾人は、それぞれ駐日中国大使館にパスポートの更新や重要文書の受理のため帰国を促された。
いずれも中国当局による拘束などを恐れ、勧告を拒否したという。
米議会では、外国人や帰化した人も含め、国境を越えた迫害に対応する
「弾圧報告法案」
が審議されている。
HRWは政府も国内に居住する外国人らが、強権的な母国の当局から圧力や嫌がらせを加えられている実態を把握するシステムを作るべきだと指摘する。
HRWのアジア局プログラムオフィサー、笠井哲平氏は
「中国当局は何の躊躇いもなく、日本で中国政府の人権侵害を批判している中国出身の人々を口封じしようとしている」
と指摘する。
日本政府に対しては
「中国政府に、国境を越えた人権弾圧を許容しない姿勢を明確にするべきだ」
と訴えた。
HRWは今回の調査結果について駐日中国大使館に見解を求める書簡を送ったが、10日の公表までに回答はなかったという。

http://www.asyura2.com/12/china3/msg/185.html#c7
[中国3] 中国“新種キノコ”実は大人のおもちゃ!TVが恥ずかしすぎる誤報 (ZAKZAK)  赤かぶ
8. 秘密のアッコちゃん[709] lOmWp4LMg0GDYoNSgr@C4YLx 2024年10月10日 17:55:15 : fjTz2F981w : QTJUazdpaUhyT1U=[274]
<■57行くらい→右の▽クリックで次のコメントにジャンプ可>
中国当局 政府に批判的な在日中国出身者に嫌がらせか 人権団体
2024年10月10日 16時03分
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20241010/k10014606311000.html
国際的な人権団体
「ヒューマン・ライツ・ウォッチ」
は、日本で中国政府に批判的な活動などをした中国出身の人々に対し、中国当局が嫌がらせを行うなどして圧力をかけているとする調査結果を公表しました。
この調査は、
「ヒューマン・ライツ・ウォッチ」
が2024年6月から8月にかけて、中国の新疆ウイグル自治区やチベット、それに香港などの出身で日本に住む、あわせて25人に聞き取りを行ったものです。
いずれも、人権侵害を訴える活動などに参加していて、このうち多くの人が、中国の警察が自身や中国にいる親族に日本での活動をやめるように圧力をかけてきたと答えたということです。
このうち、複数の新疆ウイグル自治区の出身者は、中国当局が中国に住む親族を通じて連絡をとってきて、中国政府に批判的な活動をやめるよう言われたり、日本にあるウイグルのコミュニティーに関する情報を提供するよう要求されたりしたと証言しているとしています。
さらに、聞き取りに応じた複数の人が日本の警察は救済してくれないだろうといった思いや、報復などを恐れる気持ちから、日本の当局に助けを求めなかったとしています。

「中国当局、在日中国人を脅迫」=政権批判に「口封じ」―人権団体
2024年10月10日 15時07分
https://equity.jiji.com/oversea_economies/2024101000756
国際人権団体ヒューマン・ライツ・ウオッチ(HRW)は10日、中国政府に批判的な在日中国人に対し、中国当局が嫌がらせや脅迫をしていると明らかにした。
2024年6〜8月に実施した聞き取り調査に応じた日本在住の25人が当局の圧力について証言したという。
HRWによれば、新疆ウイグル自治区の人権問題を扱う日本の団体を支援する同自治区出身者は、中国で暮らす親族と電話で話していたところ、突然電話を代わった現地の警察官から
「家族がどうなっても知らないぞ」
と言われた。
また、中国の
「ゼロコロナ」
政策への抗議活動を企画した人は、当時在籍していた日本語学校を通じ、在日中国大使館から活動をやめるよう迫られた。
HRWは、政権批判をする自国民を中国当局が
「何の躊躇いもなく口封じしようとしている」
と指摘。
日本政府に対し
「国境を越えた人権弾圧を許容しないと明確にすべきだ」
と訴えた。 
「ヒューマン・ライツ・ウォッチ」

「日本政府は中国出身の人々に対する中国政府の監視や脅迫をやめるよう求めるベきだ」
とした上で、このような事案を報告できるシステムを作ることなどで、基本的人権を守る必要があると指摘しています。

在日中国人が自国批判→「中国当局から嫌がらせ」 人権団体が報告書
2024年10月10日 7時00分
https://www.asahi.com/articles/ASSB92TFGSB9UHBI01LM.html?msockid=03bbc426d8756d821927d643d90f6c0f
国際人権団体
「ヒューマン・ライツ・ウォッチ」(HRW)
は10日、日本で中国に対する抗議活動などに参加した複数の中国出身者が、中国当局から脅迫や嫌がらせを受けたとする報告書を発表した。
HRWは、今年6月から8月にかけて、これまで中国政府によるゼロコロナ政策を批判したり、少数民族への人権侵害を訴えたりする活動などに参加したことがある日本在住の25人の中国出身者に聞き取りを行った。
そのうち16人が、中国政府関係者から活動中止を求められたり、中国に暮らす親族に対して現地の警察から圧力をかけられたりしたと証言した。
報告書によると、日本で暮ら…
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http://www.asyura2.com/12/china3/msg/185.html#c8

[政治・選挙・NHK295] 小沢一郎も、総理も、ダメだ、こりゃ!もう、この国は、終わった。上脇氏の告発(水月会)の、おバカ対応で、全て、解りました。 阿闍梨(あじゃり)
39. 秘密のアッコちゃん[710] lOmWp4LMg0GDYoNSgr@C4YLx 2024年10月10日 19:04:53 : fjTz2F981w : QTJUazdpaUhyT1U=[275]
<■122行くらい→右の▽クリックで次のコメントにジャンプ可>
「デマ散布機関で偽装人権団体」中国駐大阪領事 在日中国人に当局が口封じ報告のHRWに
2024/10/10 18:14
https://www.sankei.com/article/20241010-TZDVNQF3KFBHREZNDK5U5Z254Y/
中国の薛剣(せつけん)駐大阪総領事は10日、X(旧ツイッター)で、国際人権団体ヒューマン・ライツ・ウオッチ(HRW)について、
「CIA(米中央情報局)が操るプロのデマ散布機関であり、国際的にとっくに信用破綻している偽装人権団体」
と指摘した。
HRWは、中国政府への抗議活動に参加した在日中国人に中国当局が
「口封じ」
のために嫌がらせをしているとの調査結果を公表している。
HRWは10日、ウイグル、チベット、内モンゴル自治区出身者ら25人にインタビューした結果を公表。
多くが中国当局にデモ活動の取りやめや中国人活動家の情報提供を求められ、自治区に残す親族らも脅迫めいた連絡を受けていたという。
薛剣氏は、結果を報じた一部メディアも名指しして
「余りにも酷過ぎるじゃないか!卑劣な中国デマをこのように無分別に鵜吞みにして垂れ流すのは、結局あなたたちも一つ穴のムジナなだというものなのか」
と指摘した。
HRWの報告書は共同通信などが報じた一方、HRWは調査結果を公表する前に駐日中国大使館に見解を求める書簡を送ったが、回答はなかったという。

「家族がどうなっても知らない」在日ウイグル人らに中国当局が圧力 人権団体HRWが報告
2024/10/10 15:56
https://www.sankei.com/article/20241010-NTORUYVXKJD3JI74DZ2HQD7NNU/
国際人権団体ヒューマン・ライツ・ウオッチ(HRW)は中国当局から受けている
「圧力」
の実態を巡って、日本で暮らすウイグル、チベット、内モンゴル自治区出身者らにインタビューし、
「中国が海外にいる政権批判者に対して嫌がらせ」
と題して、10日に結果を公表した。
多くが中国当局にデモ活動の取りやめや中国人活動家の情報提供を求められ、自治区に残す親族らも脅迫めいた連絡を受けていた。
HRWは
「活動の自由など基本的人権は守られるべきで、圧力は許されない」
「日本政府も情報収集して中国政府に首脳会談などで反対を表明してほしい」
と訴える。
■読書会も「反中国組織か」
HRWは6月〜8月にかけて、自治区出身者ら25人に聴取した。
いずれも日本で、ウイグル民族弾圧への反対活動やチベット文化を紹介する活動などに関わった経験があるという。
16人が当局の圧力があったと証言した。
複数の在日ウイグル人は、中国当局の関係者から中国の通信アプリ微信(ウィーチャット)などで連絡を受け、中国政府に批判的な活動を止めたうえで、日本ウイグル協会など在日のウイグル人グループの名簿の提供などを求められたという。
親戚から自治区に帰国するように求められた際、中国の警察が突然電話を代わって
「さっさと帰ってこい」
「さもないと家族がどうなっても知らないぞ」
と言われたケースもあったという。
内モンゴル自治区出身者は、読書会で同郷の活動家の著作を扱おうとしたことで、中国当局が自治区で暮らす親族を通じ
「反中国の組織ではないか」
などと圧力をかけられたという。
当局関係者は本人に連絡し、各種イベントに参加する内モンゴル人の情報も求めたという。
■「国境を越えた人権弾圧は許容しない」
チベット文化を紹介する在日チベット人や、香港の民主化活動に参加した経験のある台湾人は、それぞれ駐日中国大使館にパスポートの更新や重要文書の受理のため帰国を促された。
いずれも中国当局による拘束などを恐れ、勧告を拒否したという。
米議会では、外国人や帰化した人も含め、国境を越えた迫害に対応する
「弾圧報告法案」
が審議されている。
HRWは政府も国内に居住する外国人らが、強権的な母国の当局から圧力や嫌がらせを加えられている実態を把握するシステムを作るべきだと指摘する。
HRWのアジア局プログラムオフィサー、笠井哲平氏は
「中国当局は何の躊躇いもなく、日本で中国政府の人権侵害を批判している中国出身の人々を口封じしようとしている」
と指摘する。
日本政府に対しては
「中国政府に、国境を越えた人権弾圧を許容しない姿勢を明確にするべきだ」
と訴えた。
HRWは今回の調査結果について駐日中国大使館に見解を求める書簡を送ったが、10日の公表までに回答はなかったという。

中国当局 政府に批判的な在日中国出身者に嫌がらせか 人権団体
2024年10月10日 16時03分
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20241010/k10014606311000.html
国際的な人権団体
「ヒューマン・ライツ・ウォッチ」
は、日本で中国政府に批判的な活動などをした中国出身の人々に対し、中国当局が嫌がらせを行うなどして圧力をかけているとする調査結果を公表しました。
この調査は、
「ヒューマン・ライツ・ウォッチ」
が2024年6月から8月にかけて、中国の新疆ウイグル自治区やチベット、それに香港などの出身で日本に住む、あわせて25人に聞き取りを行ったものです。
いずれも、人権侵害を訴える活動などに参加していて、このうち多くの人が、中国の警察が自身や中国にいる親族に日本での活動をやめるように圧力をかけてきたと答えたということです。
このうち、複数の新疆ウイグル自治区の出身者は、中国当局が中国に住む親族を通じて連絡をとってきて、中国政府に批判的な活動をやめるよう言われたり、日本にあるウイグルのコミュニティーに関する情報を提供するよう要求されたりしたと証言しているとしています。
さらに、聞き取りに応じた複数の人が日本の警察は救済してくれないだろうといった思いや、報復などを恐れる気持ちから、日本の当局に助けを求めなかったとしています。

「中国当局、在日中国人を脅迫」=政権批判に「口封じ」―人権団体
2024年10月10日 15時07分
https://equity.jiji.com/oversea_economies/2024101000756
国際人権団体ヒューマン・ライツ・ウオッチ(HRW)は10日、中国政府に批判的な在日中国人に対し、中国当局が嫌がらせや脅迫をしていると明らかにした。
2024年6〜8月に実施した聞き取り調査に応じた日本在住の25人が当局の圧力について証言したという。
HRWによれば、新疆ウイグル自治区の人権問題を扱う日本の団体を支援する同自治区出身者は、中国で暮らす親族と電話で話していたところ、突然電話を代わった現地の警察官から
「家族がどうなっても知らないぞ」
と言われた。
また、中国の
「ゼロコロナ」
政策への抗議活動を企画した人は、当時在籍していた日本語学校を通じ、在日中国大使館から活動をやめるよう迫られた。
HRWは、政権批判をする自国民を中国当局が
「何の躊躇いもなく口封じしようとしている」
と指摘。
日本政府に対し
「国境を越えた人権弾圧を許容しないと明確にすべきだ」
と訴えた。 
「ヒューマン・ライツ・ウォッチ」

「日本政府は中国出身の人々に対する中国政府の監視や脅迫をやめるよう求めるベきだ」
とした上で、このような事案を報告できるシステムを作ることなどで、基本的人権を守る必要があると指摘しています。

在日中国人が自国批判→「中国当局から嫌がらせ」 人権団体が報告書
2024年10月10日 7時00分
https://www.asahi.com/articles/ASSB92TFGSB9UHBI01LM.html?msockid=03bbc426d8756d821927d643d90f6c0f
国際人権団体
「ヒューマン・ライツ・ウォッチ」(HRW)
は10日、日本で中国に対する抗議活動などに参加した複数の中国出身者が、中国当局から脅迫や嫌がらせを受けたとする報告書を発表した。
HRWは、今年6月から8月にかけて、これまで中国政府によるゼロコロナ政策を批判したり、少数民族への人権侵害を訴えたりする活動などに参加したことがある日本在住の25人の中国出身者に聞き取りを行った。
そのうち16人が、中国政府関係者から活動中止を求められたり、中国に暮らす親族に対して現地の警察から圧力をかけられたりしたと証言した。
報告書によると、日本で暮ら…
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http://www.asyura2.com/24/senkyo295/msg/665.html#c39

[政治・選挙・NHK295] 政界引退の足立康史議員による“復讐”まで囁かれ…衆院選後に維新を待ち受ける「分裂劇」(日刊ゲンダイ) 赤かぶ
22. 秘密のアッコちゃん[711] lOmWp4LMg0GDYoNSgr@C4YLx 2024年10月10日 19:59:52 : fjTz2F981w : QTJUazdpaUhyT1U=[276]
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<独自>辺野古抗議活動制止警備員死亡 事故映像を入手 11日に県議会で映像確認へ
2024/10/10 18:56
https://www.sankei.com/article/20241010-OGYWEUDQPZOIXPYAULZWOOPFDY/
米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古移設に抗議していた女性を制止した警備員が6月、ダンプカーに巻き込まれて死亡した事故で、現場付近に設置されたカメラに事故に至る状況が映っていることが10日、明らかになった。
産経新聞が関係者からカメラ映像を入手し、確認した。
県議会は11日、土木環境委員会で委員がこの映像を閲覧する方針。
事故は6月28日、辺野古移設工事に使う土砂を搬出する名護市安和(あわ)の桟橋前の路上で起きた。
桟橋から左折して国道に出ようとしたダンプカーが、同市の男性警備員=当時(47)=と抗議活動中の70代の女性に衝突。
警備員は死亡し、女性は重傷を負った。
映像や関係者らによると、死亡した警備員は当初、重傷を負った女性とは別の抗議者に対し、路上で対応していた。
警備員は、この抗議者を歩道に誘導したが、歩道後方から足早に近づいてきた女性が警備員と抗議者の間をすり抜け、徐行しながら国道に向かうダンプカーの前に出る様子が映像に残されていた。
警備員は女性を制止しようと、ダンプカーと女性の間に割って入る形となり、そのままダンプカーの左前面に衝突。
10秒ほどの出来事だった。
関係者は
「明らかに女性は警備員の制止を無視して飛び出している」
「警備員は女性を庇うような形でダンプカーに巻き込まれた」
と証言した。
県警はカメラ映像の解析を進め、詳しい事故原因を調べている。
一方、事故現場で牛歩による抗議活動をしてきた市民団体のメンバーによると、重傷を負った女性は
「敢えて飛び出したわけではない」
と説明。
この市民団体と連携する「オール沖縄会議」は7月、2人がダンプカーに巻き込まれたのは
「車両乗入部」
と呼ばれる歩道部分で、
「あくまでも歩行者の通行が優先される場所」
だったと主張する資料を公表していた。

■遺族「精神的につらい」
事故現場となった辺野古移設工事に使う土砂の搬出港周辺では、移設に反対する市民団体のメンバーらがダンプカーの前をゆっくりと横断して抗議する
「牛歩戦術」
が続けられてきた。
今回明らかになった映像によって、抗議者の女性がダンプカーの前に飛び出した可能性が高まった。
これまで抗議者側は、女性は飛び出したわけではないとの姿勢を崩さず、
「安全に配慮した抗議運動」
を尊重すべきだとも主張していた。
また、骨を折る重傷を負った女性が
「骨は折れても心は折れない」
との言葉を残し、
「市民」
らが勇気づけられたとする地元報道もある。
こうした状況に、警備員の遺族は
「今までで一番憤りを感じる記事だった」
「本当に本当に許せないし、とても辛い」
と心を痛めていたとされる。
今月4日の県議会の一般質問で、遺族の
「思い」
を読み上げた自民党の島袋大県議によると、警備員の妻は
「報道や交流サイト(SNS)では被害者(の女性)に非はなく、非があるのは強引な警備などではないかとの誹謗中傷がほとんど」
と振り返り、
「妨害行為が問題ないことにされ、家族の死がなかったことのように扱われた」
「精神的に辛く、心を痛めていた」
と伝えてきたという。
映像には、徐行するダンプカーに近づく女性と、女性を庇うように制止しようとする警備員の姿が映っており、抗議者側の
「主張」
は崩れつつある。

辺野古ダンプ事故現場の路上で防衛局職員に暴行、抗議活動の76歳男を逮捕 沖縄県警
2024/9/27 17:22
https://www.sankei.com/article/20240927-2MAP7Z24HRODTKPGQUDQCDMDSE/
米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古移設に抗議していた女性を制止した警備員が死亡する事故のあった現場付近で26日、防衛省沖縄防衛局の職員が抗議活動中の男から暴行を受ける事件があったことが分かった。
県警名護署は同日、暴行容疑で抗議活動をしていた無職の男(76)=同県北中城(きたなかぐすく)村=を現行犯逮捕した。
男の逮捕容疑は26日正午ごろ、名護市安和(あわ)の土砂搬出港「安和桟橋」の出口ゲート付近の路上で、沖縄防衛局の男性職員(54)の胸を両手で押して転倒させたとしている。
現場にいた警察官が暴行を現認し、約1時間後に逮捕した。
捜査関係者によると、逮捕された男は当時、辺野古移設に向けた土砂の搬出に抗議していたという。
現場付近では今年6月28日、抗議活動をしていた女性を制止した名護市の男性警備員=当時(47)=が左折したダンプカーに巻き込まれ、死亡する事故が起きていた。

辺野古ダンプ事故「原因が市民活動にあるかのような印象与えた」 オール沖縄が県警に指摘
2024/9/19 15:52
https://www.sankei.com/article/20240919-PFAF6YA4MJKJXHWIO7JO3CVPZU/
米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古移設に抗議していた女性を制止した警備員が死亡し、女性が重傷を負った事故を巡り、玉城デニー知事を支持する「オール沖縄会議」と県選出の国政野党国会議員でつくる「うりずんの会」は19日、県公安委員会に対し、苦情申立書を提出したと明らかにした。申し立ては5日付。
苦情申立書によると、県警本部で8月30日、抗議活動の排除や妨害を行わないよう求める要請書を提出しようとした際、椅子やテーブルのない
「倉庫内」
で受け取ると指示され、提出を断念せざるを得なかったという。
県警の対応について、
「県民を愚弄する行為だ」
と抗議している。
要請書では
「県警は『違法行為がなかったかも含め慎重に調べを進める方針』などといった一方的な情報を報道機関に流布した」
と指摘しており、
「事故の原因が(重傷を負った)女性ら市民活動にあるかのような印象を与え、SNSその他のウェブサイトで威圧的な発信が繰り返されている」
と訴えていた。
名護市の安和(あわ)桟橋では8月22日から土砂の運搬作業が再開された。
事故現場には多数の警備員が配置され、オレンジ色のネットを広げて抗議者がダンプカーの前に出ないようにしている。

辺野古ダンプ事故で中止の土砂運搬作業が再開 「対策講じた」と防衛局
2024/8/22 9:58
https://www.sankei.com/article/20240822-TH5U33E4VRMH5IZV6ZNJ5P5BKE/
沖縄県名護市安和(あわ)の国道で6月、米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古移設に対する抗議活動をしていた女性が怪我をし、警備中の男性が死亡した事故を受け、政府が中止した埋め立て用土砂の運搬作業が22日、名護市で再開された。
県によると、防衛省沖縄防衛局から21日に
「対策を講じた上で再開する」
と連絡があった。
県側は、事故の原因究明や再発防止が済むまで作業を再開しないよう求めており、玉城デニー知事は21日午後、
「作業再開は誠に遺憾」
と批判していた。
事故は6月28日に名護市安和の国道で発生。
土砂の搬出に抗議するため車道に出た女性と、制止しようとした男性警備員がダンプに巻き込まれた。
警備員が死亡し、女性は重傷を負った。

辺野古ダンプ事故 沖縄・玉城知事宛に防衛局が異例の要請「妨害行為で警備員にも危険」
2024/8/15 17:42
https://www.sankei.com/article/20240815-J6JMDGWK6ZN4NAHKM2YC6OVI5M/
米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古移設に抗議していた女性を制止した警備員が死亡した事故で、防衛省沖縄防衛局は15日、ガードレール設置などの安全対策や
「妨害者」
への注意・警告の実施を求める玉城デニー知事宛の要請文書を提出した。
防衛局によるこうした要請は極めて異例とみられる。
土砂の搬出港付近では市民団体のメンバーがプラカードを持ってダンプカーの前をゆっくりと横断し、牛歩戦術で土砂の搬入を遅らせようとする抗議活動を続けてきた。
事故について要請文書は
「警備員の制止を聞かず、左折して出ようとする進行中のトラックの前方車道上に(抗議者が)出たことから、制止し続けた警備員がお亡くなりになる事態になった」
とし、
「妨害行為により警備員にも危険が及ぶ事態は重大だ」
と指摘した。
港湾を利用する事業者側が県に
「抗議者が事故に巻き込まれないようガードレールを設置してほしい」
と何度も要請し、玉城知事も把握していたが、県が
「歩行者の横断を制限することになる」
として認めてこなかったことも判明している。
要請文書は
「県の対応が不十分であることは妨害行為が継続していることからも明らかだ」
と強調し、道路や港湾施設の管理者として県が可能な措置を速やかに講じるよう求めている。

辺野古ダンプ事故 「産経新聞はでっち上げ!」への反駁
【沖縄考】(47) 那覇支局長・大竹直樹
2024/8/14 9:00
https://www.sankei.com/article/20240814-MVQJ6M5JPJJ2LOMMJEZ6TZX6SI/
《即、工事断念! もうこれ以上、犠牲者を出すな!》。
米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古移設に抗議していた女性を制止した警備員が死亡する事故が起きた同市安和(あわ)の現場。
供花の前には7月22日、こう大書きされた横断幕が揺れ、プラカードを持った人が集まっていた。
「産経新聞はでっち上げ!」。
サングラスをした女性が拡声器で叫んだ。
女性が事故に関する本紙報道を批判していることは容易に見当がついた。
とすれば、記事を書いたのは筆者だが、事実と異なることを書いた覚えはない。
女性に近づき、何がでっち上げなのか問うと
「産経新聞は『車道に飛び出した市民』(と書いた)。ここが間違え。でたらめ」
という。
「産経新聞は『飛び出した』と書いていましたか」
「と、思います」
「『思う』で、でっち上げといわれたら困ります」
女性の一言に、思わず色をなしてしまった。
念のため所属を尋ねると、
「普通の市民」
と名乗った。
普通の市民の方といえど、誤ったことをこのまま喧伝されてはかなわない。
1つずつ反駁させていただいた。
■さすがにアンフェアでは
この場を借りて、読者の皆さんにも説明させて頂きたい。
まず本紙は
「土砂搬入のダンプカーに抗議するため車道に出た女性を警備員(記事では実名)が止めに入り、その際、左折したダンプカーに2人とも巻き込まれたとみられている」
と報じた。
一方、地元メディアでは
「死亡した警備員が重傷を負った女性とは別の抗議者を制止したところ、重傷を負った女性がすり抜け、ダンプカーの前に飛び出そうとしたため急いで制止に入り巻き込まれた」
との報道もあった。
だが、少なくとも産経新聞は
「飛び出した」
とも
「すり抜けた」
とも報じていない。
そう指摘すると、女性は
「車道」
の記述も違うと、畳み掛けてきた。
「車道ではない」
とする主張の根拠は、玉城デニー知事を支持する
「オール沖縄会議」
が7月18日に公表した資料に詳しい。
弁護士立ち会いによる現地調査や被害者、目撃者らへの聞き取りの結果、重傷を負った女性と死亡した警備員が倒れていた場所は国道449号の車道部分だったが、2人がダンプカーに巻き込まれたのは、7.3メートル手前の
「車両乗入部」
と呼ばれる歩道部分だった、というのが
「オール沖縄」
側の主張だ。
2人が巻き込まれたのは
「あくまでも歩行者の通行が優先される場所」
で、
「警備員らはまずダンプを止めるべきだったのであり、市民らの歩行を制止したことは法的にも許されない」
と訴えている。
ただ、これまでの沖縄県警への取材で、2人が
「車両乗入部」
で巻き込まれたとの情報は得られていない。
「車両乗入部」
との説明を曲げて
「車道」
と表記したわけではない。
まして、本紙以外の複数の主要メディアも
「車道」
と報じている。
にもかかわらず、産経だけがやり玉に挙げられ、でっち上げとの誹りを受けるのは、さすがにアンフェアではないか。
■「あなたは沖縄県民を殺してしまった責任者」
事故の続報が産経以外のメディアで取り上げられる機会は少ないが、沖縄県議会では俎上に載っている。
自民党会派は、港湾を利用する事業者側が道路を管理する県に
「抗議者が事故に巻き込まれないようガードレールを設置してほしい」
と何度も要請していた事実を問題視。
玉城知事もこうした要請を把握していたとして議会で追及した。
事業者側は自ら費用負担するので設置させてほしいと申し出ていたのに、県は
「歩行者の横断を制限することになる」
と、頑として認めなかったというのだから、玉城県政の不作為と言われても仕方ないだろう。
「オール沖縄会議」
は今月2日、防衛省沖縄防衛局に対し、原因究明と安全対策が整うまで全工事の中止を求める要請書を提出し、
「抗議運動に参加している市民には非難されるべき事情は全くない」
と訴えた。
オール沖縄の幹部は防衛局長に
「あなたは沖縄県民を1人殺してしまった責任者だ」
と罵った。
この様子を報じた産経ニュース転載のヤフーニュース記事には500件以上のコメントが寄せられたが、事故を招いた抗議活動に対する批判が多かった。
捏造は慣用読みで、本来は
「でつぞう」
と読む。
でっち上げは漢字で書けば
「捏ち上げ」。
捏(こ)ねるという意味の
「捏(で)つ」
に由来するという。
死角の多い大きなダンプカーの前をわざとゆっくり歩く。
その抗議手法を省みることなく理屈を捏ね、自らの活動の正当性を主張しているように感じた。
抗議運動に携わる方は是非、世間がどのように受け止めているのか。
ヤフーニュースのコメントやSNSなどの反応を見てほしい。

辺野古移設反対派の理不尽な抗議に屈するな。
辺野古移設反対派の理不尽な抗議に屈しているようでは、屈している側も信用できない。
そんなことでは保守派から見限られる。

<主張>辺野古ダンプ事故 危険な抗議活動をやめよ
社説
2024/7/11 5:00
https://www.sankei.com/article/20240711-VUIXRIOQYVOAHN4XDGTBXO6Y4U/
沖縄県や県警が適切に対応していたら、防げた事故だったのではないか。
同県名護市安和(あわ)の国道で2024年6月、米軍普天間飛行場(同県宜野湾市)の名護市辺野古移設に抗議する女性と警備員の男性がダンプカーにひかれ、男性が死亡する事故が起きた。
女性は足を骨折した。
現場では数年前から、辺野古移設工事に使う土砂を運搬するダンプカーの前を反対派がゆっくりと歩いて妨害する抗議活動が行われていた。
車道に出た女性を警備員の男性が制止しようとして、左折中のダンプカーに巻き込まれたとみられる。
何に抗議するのも自由だが、危険な行為は許されない。
事故を招くような抗議活動は即刻やめるべきだ。
玉城デニー知事は事故について、
「県民の安全に責任を持つ者として極めて遺憾だ」
と述べた。
その上で沖縄防衛局に対し、安全対策が十分講じられるまで土砂の運搬作業を中止すべきとの考えを示した。
作業は2024年7月10日現在、中断している。
これはおかしい。
ダンプカーの前をわざとゆっくり歩くという、極めて危険な行為を道路上で繰り返しているのは反対派の方だ。
抗議はほぼ連日行われ、ダンプカーの渋滞も起きていた。
危険な行為を放置せず、交通の安全と秩序を取り戻すのは行政と警察の責任だろう。
県は2023年2月、同様の抗議活動が行われている辺野古移設の土砂搬入の港湾施設に、注意喚起の看板を設置した。
大型車両の往来を妨害する行為は県港湾管理条例の禁止行為に当たるとし、
「警告」
する内容だ。
ところが、反対派の猛烈な反発を受けて2023年5月に撤去してしまった。
理不尽な抗議に屈し、危険を黙認したことに他ならない。
県警も、十分な取り締まりを行ってこなかった。
県内では、自衛隊駐屯地に武器などを搬入する際に一部の活動家らが道路にしゃがんだり寝転んだりして妨害する行為が繰り返されてきた。
県警が道路交通法の禁止行為に当たるとして排除することもあるが、県内の一部メディアは
「強制排除」
と批判的に報じていた。
今回の事故で警備員は、反対派の危険な行為を制止しようとして犠牲になった。
悲劇を繰り返してはならない。

事故現場、再三のガードレール設置要請も沖縄県認めず 玉城知事も把握 辺野古ダンプ事故
2024/7/10 16:25
https://www.sankei.com/article/20240710-KE7OGDNCAJJDVJLVRFMFKJJZWI/
米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古移設に抗議していた女性を制止した警備員が死亡した事故で、港湾を利用する事業者側が県に対し、
「抗議者が事故に巻き込まれないようガードレールを設置してほしい」
と何度も要請していたことが2024年7月10日、分かった。
玉城デニー知事もこうした要請を把握していた。
事業者側は自ら費用を負担するので設置させてほしいとも申し出たが、県は
「歩行者の横断を制限することになる」
として認めなかった。
一方、牛歩による抗議活動が行われてきた本部港塩川地区(本部町)に設置されていた
「大型車両の往来を妨害する行為」
が県条例の禁止行為に該当すると明記した警告看板は市民の要請を受け、設置から約2カ月半後に撤去していたことも明らかになった。
いずれも同日の県議会本会議で、自民党の島袋大議員の代表質問に、県土木建築部の前川智宏部長が答えた。
県北部土木事務所などによると、牛歩による抗議活動が行われてきた名護市安和(あわ)の国道では令和4年12月以降、事業者側から何度もガードレールの設置を求める要請があった。
事業者側からは費用を負担するのでガードパイプを設置させてほしいという要請もあった。
だが、県は
「歩道であることからガードレールを設置する予定はない」
「事業者によるガードパイプの設置は歩行者の横断を制限することになる」
として認めなかった。
県は2023年2月17日、隣接する本部町の本部港塩川地区に
「大型車両の往来を妨害する行為」
などについて、県港湾管理条例で定める禁止行為に該当する旨を明記した警告看板を2枚設置。
禁止行為を行った場合は
「条例に基づき過料を処することがある」
と警告した。
しかし、市民から
「なんで過料を科すのか」
などと
「厳しい意見」
が寄せられたといい、県は現場を確認した上で
「状況は危なくない」
と判断。
2023年5月2日に撤去したという。

http://www.asyura2.com/24/senkyo295/msg/666.html#c22

[政治・選挙・NHK59] 中川に酒・女与えた“4人の財務官僚” 同行女性記者とは (日刊ゲンダイ/独立系メディア「今日のコラム」) ダイナモ
5. 秘密のアッコちゃん[712] lOmWp4LMg0GDYoNSgr@C4YLx 2024年10月11日 06:26:18 : fjTz2F981w : QTJUazdpaUhyT1U=[277]
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<主張>政治とカネ 再発防止策も丁寧に語れ
社説
2024/10/11 5:00
https://www.sankei.com/article/20241011-DR2B2U63YFPI3ED6H4HTFQGRQA/
事実上始まった衆院選では
「政治とカネ」
を巡る問題が争点となっている。
自民党はパーティー収入不記載事件に関連し前議員らを非公認にしたり、比例代表への重複立候補を認めなかったりする方針だ。
野党は
「不十分だ」
と批判している。
野党との対決を前に、石破茂首相による党内の非主流派潰しの様相を呈しているとの指摘も出ている。
有権者の投票判断の材料にすべき課題は他にもある。
政治資金の透明性確保と事件の再発防止の具体策だ。
立憲民主党、日本維新の会、公明党、国民民主党などは、政党から国会議員に支出される使途の報告義務がない
「政策活動費」
の廃止を訴えている。
自民は公約に
「将来的な廃止も念頭に」
改革に取り組むと記した。
首相は今回の衆院選では
「使うことはある」
と語った。
立民が先の通常国会でパーティー禁止法案を提出しながら、同党幹部らが開催していたことを想起させるものだ。
党務を預かっていた茂木敏充前幹事長は自民総裁選で、廃止は可能と語っていた。
今の自民の姿勢は有権者から見て分かりにくい。
国会議員に支給される調査研究広報滞在費(旧文書通信交通滞在費)の使途公開は、衆院選後の国会で直ちに関連法を改正して実現すべきだ。
政治資金を監視する第三者機関の制度設計も急がれる。
立民、維新、共産党などが唱えている企業・団体献金の禁止には賛成できない。
企業や労働組合なども民主主義社会の構成員である以上、政治活動の自由は認められるべきだ。
一般国民からの個人献金が定着していない日本で企業・団体献金を禁止すれば、世襲ではない人や、業界団体、宗教団体などの背景を持たない人にとって選挙活動は極めて不利になる弊害も出てくる。
企業・団体の幹部が分散して、個人として献金する抜け穴を塞ぐことも難しい。
却って日本の議会制民主主義を後退させかねない。
一方、外国人・外国法人のパーティー券購入禁止の議論が低調なのは残念だ。
国政が外国勢力からの影響を受けるのを防ぐために禁止は欠かせない。
不記載事件の動機は今も分かっていない。
自民は明らかにする責任がある。

石破茂首相「申し上げたことは一度もない」、不記載議員原則公認報道は取材なし 党首討論
2024/10/10 12:40
https://www.sankei.com/article/20241010-I7VEIODQ4NBVPO4DGJV5PQIAUY/?outputType=theme_election2024
石破茂首相(自民党総裁)は9日、立憲民主党の野田佳彦代表との党首討論で、派閥パーティー収入不記載事件で処分を受けた前議員らについて、自身が衆院選(15日公示、27日投開票)で原則公認する方針を固めたとの一部報道を否定した。
「全員を公認するとか私は申し上げたことは1度もない」
と述べ、自身への取材はなかったことも明らかにした。
党首討論に先立ち、自民は不記載事件を受けて、4月に処分した前議員を含む12人の公認を見送る方針を決めた。
一方、朝日新聞などは今月4日付で、首相が不記載事件で処分を受けた前議員らを原則公認し、比例代表との重複立候補も認める方針を固めたと報じた。
その際は再発防止策を講じる誓約書を提出させるとした。
こうした経緯から、野田氏は不記載事件に関わった前議員らの公認を巡り、
「いわゆる裏金に関わった議員を全員公認し、全員重複立候補させ、誓約書を書かせるのが最初の方針だったのではないか」
「二転三転、右往左往しながら決めた」
「(報道を受けて)批判が強いから、厳しいような対応に見せているということではないか」
質した。
首相は、
「全員を重複で認めるとか、誓約書を取るとか、私はそのようなことは申し上げたことは1度もない」
と重ねて否定。
「報道には石破茂首相、自民党総裁(が方針を固めた)と書いていた」
「そのような取材を受けたことは1度もない」
「報道はどういう根拠に基づいたか知らないが、そういうことは一切ない」
と強調した。
「森山裕幹事長、小泉進次郎選対委員長、今回の決定に関わった誰かが、そういう取材を受けた事実はない」
とも語った。
野田氏も
「全員公認するかどうかという報道が流れたことは、これはご自身の考えではなかったと」
「それはその通りとして認めましょう」
と応じた。

自民、「裏金議員」原則公認へ 衆院選で比例重複も容認、首相方針
2024年10月3日 20時59分
https://www.asahi.com/articles/ASSB33HGLSB3UTFK00ZM.html?msockid=03bbc426d8756d821927d643d90f6c0f
石破茂首相(自民党総裁)は、派閥の裏金事件で処分を受けた議員らについて、次期衆院選で原則公認する方針を固めた。
都道府県連の申請を受けて公認していく考えで、小選挙区の公認候補は比例代表との重複立候補も認める。
首相は6日にも、事件の中心だった安倍派幹部らから状況を聞くことを検討している。
首相は9日に衆院を解散し、15日公示、27日投開票の日程で総選挙を行う意向を表明済み。
一方、公認問題については総裁選の中で
「相応しい候補者か、党として責任を持たなければならない」
とし、公認しない可能性も示唆していた。
だが、総裁就任後は連立を組む公明党からの要請もあり、最速日程での衆院選を決断。公認手続きを急ぐ中、
「裏金議員」
は非公認としたうえで新たな候補を擁立する時間的余裕はなく、妥協する方向へ傾いたようだ。
■「選挙後に倒閣運動が起きる」 首相、押し込まれ「裏金議員」公認へ
党は4月、政治資金収支報告書への不記載があった39人を処分。
うち34人が8段階中4番目の
「選挙における非公認」
より軽い処分だった。
こうした経緯から、公認問題を蒸し返すことに反対する声が党内に根強くあり、首相が押し切られた面もある。
だが、裏金問題の対応は国民の理解を得られていない。
朝日新聞が1、2日に実施した世論調査(電話)では、実態解明を
「進めるべきだ」
と答えた人が75%だったのに対し、
「その必要はない」
は15%だった。
首相は1日の就任会見で
「国民が納得したという状況にはない」
とした上で、
「どうすればもう起こらないかの認識をきちんと伺いたい」
とも述べていた。
6日にも安倍派幹部らと面会し、直接確認したい考えだ。
党執行部も
「裏金議員」
の公認や比例重複を原則認める方向。その際、再発防止策を講じる誓約書を提出させる。野党側では立憲民主党を中心に、「裏金議員」の選挙区について候補を一本化する案が浮上している。

<主張>衆院解散 日本守り抜く政策訴えよ 政権を託せるのはどの党か
社説
2024/10/10 5:00
https://www.sankei.com/article/20241010-KWGTCTQYKVIWLBZR4XMFA2XQJM/
衆院が解散され、事実上の選挙戦が始まった。
解散は天皇陛下の国事行為である。
石破茂内閣は臨時閣議で
「15日公示、27日投開票」
の日程を決めた。
衆院選は3年ぶりだ。
新首相の就任から8日後の解散、26日後の投開票は戦後最短の決戦となる。
衆院選は政権選択選挙だ。
各政党と候補者は有権者の前で、日本を守り繁栄させる政策を大いに論じなければならない。
解散を前に国会で行われた党首討論で石破首相(自民党総裁)は、派閥パーティー収入不記載事件への対応を批判され防戦一方となった。
■安全保障をなぜ語らぬ
政治資金の透明性確保や不記載事件の再発防止を進め、政治への信頼を取り戻すことは重要だ。
政治とカネの問題が争点の1つになるのは当然だろう。
ただし、党首討論は衆院選を前に、日本の将来に向けた政策を競い合う場でもあるべきだった。
ところがそうならなかったのは、全閣僚出席の予算委員会を開いて丁寧な論議をしなかったことが響いている。
石破首相の所信表明演説後、代表質問と党首討論をしただけで解散したのは残念だった。
石破首相と自民は、不記載議員らの一部を対象に非公認の数を増やしたが、有権者が評価するかは不透明だ。
党首討論では外交安全保障がほとんど論じられなかった。
日本を取り巻く安全保障環境が極めて厳しい中で信じ難いことである。
習近平中国国家主席の共産党総書記の任期の関係から、台湾有事が令和9(2027)年までにあるかもしれないと危惧されていることを忘れたのか。
「台湾有事は日本有事」
と言われる。
今回の衆院選で選ばれる議員と彼らが指名する首相は、台湾有事を抑止するため働き抜かねばならない。
もし有事になれば、先頭に立って国家国民を守り抜く重責を担う。
有権者はそれに相応しい議員を選ばなければなるまい。
全ての政党と候補者は現下の国際情勢に対する認識と、今後起こり得る危機の抑止と対処の具体策を語るべきだ。
野党第一党の立憲民主党の安全保障に関する姿勢は、極めて危うい。
日米同盟の抑止力を格段に高めた集団的自衛権の限定行使の容認を
「憲法違反」
とする立場だからだ。
立民の衆院選公約は、限定行使を認める安保関連法について
「違憲部分を廃止する」
という従来方針を踏襲した。
米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の辺野古移設工事は
「中止」
すると明記した。
この政策のまま政権をとれば日米同盟は空洞化する。
旧民主党の鳩山由紀夫政権が同盟の危機を招いた二の舞いとなるだろう。
これも分からない立民の野田佳彦代表に果たして政権担当能力があるだろうか。
■立民は政権枠組み示せ
立民は、衆院選での与党過半数割れや政権交代の実現を叫んでいる。
にもかかわらず、この目標を達成した時の新たな政権の枠組みを示していないのはおかしい。
これでは有権者の判断材料が揃わない。
目指す政権の枠組みを曖昧にして選挙区調整だけに走るとすれば、議会制民主主義の軽視となる。
選挙戦で聞きたいテーマの1つが、国の根幹に関わる憲法改正だ。
日本国民の多数が自衛隊を認め、期待する時代になった。
ところが多くの憲法学者は自衛隊違憲論を唱えている。
このような異様な状態は改めたい。
憲法への自衛隊明記は改憲に前向きな各党で意見集約が進んでおり、是非早期に実現したい。
改正のゴールは
「戦力不保持」
を定めた第9条2項の削除と軍の規定の創設だ。
そうなって初めて世界の他の民主主義国と同様に国民を守る体制が整う。
首都直下地震、南海トラフの巨大地震などの大規模災害や有事への懸念が高まる中、緊急政令を含む緊急事態条項の創設も急務である。
各党が論じるべき政策課題は他にもある。
物価高に負けない持続的な賃上げによるデフレからの完全脱却、原発を含むエネルギーの在り方、少子高齢化を背景にした人口減少などだ。
国民受けする政策だけでなく
「痛み」
を伴う改革にも真摯に向き合わなければならない。
言行不一致は国民の不信を招く。
各党、各候補者は誠実に言葉を紡いでほしい。

<主張>代表質問 安全保障の論議不十分だ
社説
2024/10/9 5:00
https://www.sankei.com/article/20241009-N3ZCWLPEKJIFNBCCPHJ3MP7ZMA/
石破茂首相の所信表明演説への国会の代表質問が終わった。
政権選択選挙である衆院選を前にした国会である。
「政治とカネ」
を巡る問題が盛んに議論された。
その一方で、日本の独立と繁栄の基盤となる安全保障の論議が深まらなかったのは残念だ。
自民党議員は中国軍の領空侵犯や領海侵入、空母「遼寧」の接続水域航行、ロシア軍の領空侵犯を取り上げ、小野寺五典政調会長は
「国民の命と暮らし、領土・領海・領空を守り抜く」
ことを求めた。
日本維新の会の馬場伸幸代表は台湾有事について質した。
首相が最近の著書で
「『台湾有事、即日本有事』となる可能性は相当低い」
と指摘しているからだ。
馬場氏は
「対中抑止力や国民の国防意識を削ぐことになる」
と懸念を示した。
首相は
「仮定の質問に答えるのは差し控える」
とした上で
「台湾海峡の平和と安定は国際社会の安定にとっても重要だ」
と指摘した。
国防の決意と具体策をもっと語る必要がある。
物足りなかったのは野党第一党の立憲民主党である。
野田佳彦代表が首相のアジア版NATO(北大西洋条約機構)構想に関し
「日米同盟の抑止力に疑念があると思われかねない」
「非現実的ではないか」
と疑問を呈したのは妥当である。
だが、立民として日本をどう守るつもりかを語らなかった。
対中認識を含む現下の国際情勢に対する見方も示さなかった。
田名部匡代参院幹事長はロシアに侵略されたウクライナで、なぜ抑止力が効かなかったのかを質した。
ウクライナ問題を論ずるのではなく、アジア版NATOを巡る首相の言行不一致を引き出したかっただけのようだ。
安保政策を十分語らずに政権交代を迫っても、説得力は感じられない。
憲法改正については自民、立民、維新などが質問した。
首相は緊急事態条項の創設や自衛隊明記について、自民内の議論を
「後戻りさせることなく、前に進めていく決意だ」
と語った。
同時に、任期中に国会への発議を実現したいとし、憲法審査会で議論を深めるよう求めた。
ただ、それだけでは足りない。
首相や憲法改正に前向きな政党は、どの項目をいつまでに条文化したいのかを明らかにすることも重要である。

<主張>中東の戦火拡大 なぜNSCを開かぬのか
社説
2024/10/3 5:00
https://www.sankei.com/article/20241003-4YRNMLACHBI6FNK2GDIOJIQ5N4/
石破茂首相に問いたい。
なぜ国家安全保障会議(NSC)を開催しないのか。
中東の戦火が拡大しているからである。
イスラエルがレバノンの首都ベイルートにある親イラン民兵組織ヒズボラの本部を空爆し指導者ナスララ師を殺害した。
ヒズボラの脅威を除こうとイスラエル軍はレバノン南部へ侵攻した。
ヒズボラの後ろ盾であるイランは報復と称しイスラエルに向けて大規模な弾道ミサイル攻撃を行った。
米英両軍などが協力して迎撃したが一部が着弾し、被害が出た。
イランの対イスラエル直接攻撃は4月以来だ。
どちらも中東有数の軍事大国だ。
双方に自制を求めたい。
ただし事態がエスカレートすれば
「第5次中東戦争」
になりかねない。
日本や世界のエネルギー供給にとっても、経済情勢にとっても、何より中東地域の邦人の安全にとっても、看過できない緊迫した状況である。
日本は一連の事態を遠い地域の出来事と見做すのではなく、自らの問題と捉え、対応しなければならない。
石破首相は2日、イランの弾道ミサイル攻撃を非難し
「全面戦争に拡大しないように(米国などと)連携を取りたい」
と述べた。
そうであるならば、石破首相は、NSCの4大臣会合などを開き、邦人保護や万一の際のエネルギー需給、イスラエル、イラン双方への働きかけについて協議すべきである。
国家安全保障局や外務省の幹部と面会したが、それだけでは足りない。
NSCを開催すれば、日本企業や現地の邦人に対応を促すシグナルにもなる。
石破首相が自民党総裁に当選した9月27日に、岸田文雄内閣の木原稔防衛相はレバノンからの邦人退避に備え、航空自衛隊のC2輸送機を近隣のヨルダンとギリシャへ派遣する命令を発した。
レバノンには約50人の邦人が滞在している。
政権末期でも邦人保護へ動いた岸田政権の対応は妥当だ。
退避では韓国との相互協力も進めたい。
ただし、レバノンからの邦人退避の備えは日本が為すべき対応の一部に過ぎない。
戦火が一気に拡大しかねない時代だ。
危機は政権交代の事情など勘案しない。
石破首相には内閣発足直後であろうと国民を守り抜いてほしい。

<主張>自民総裁に石破氏 保守の精神踏まえ前進を 外交安保政策の継承が重要だ
社説
2024/9/28 5:00
https://www.sankei.com/article/20240928-ZQWPFHRUFBPALP3NUGABOBDVAI/
自民党総裁選で、石破茂元幹事長が高市早苗経済安全保障担当相を決選投票で破り、新総裁に選出された。
10月1日召集の臨時国会で首相に指名され、宮中での認証式などを経て、石破内閣が発足する見通しだ。
石破氏は当選後、
「安全安心な国にするため全身全霊を尽くしたい」
と語った。
ほとんどの派閥が解散を決めたこともあって史上最多の9人が立候補し、激しい総裁選となった。
石破氏は1回目の投票で高市氏に次ぐ2位だった。
決選投票の票差は21票で、党内基盤は強いとは言えない。
■「挙党態勢」が問われる
政治とカネの問題で自民をみる有権者の目は依然として厳しい。
石破氏と自民は挙党態勢で国政運営に当たる必要がある。
党役員や閣僚の人事は適材適所の観点で、総裁選のライバル候補を含め起用すべきだ。
党所属国会議員は結束して新総裁を支えてもらいたい。
石破氏と自民に求めたいのは保守の精神を尊重、堅持することだ。
自民は党綱領で
「日本らしい日本の確立」
を謳い、自らを
「保守政党」
と位置付けている。
この基本線から外れるべきではない。
総裁選で論じられた選択的夫婦別姓の導入は見送るべきである。
石破氏は前向きな姿勢を示してきたが、保守政党が取り組む課題ではない。
家族や社会の根幹に関わる話だ。
片方の親と子の
「強制的親子別姓」
を意味し、戸籍制度も揺らぐ。
個人の自由の問題とは言えず、自民どころか社会の分断を招きかねない。
旧姓使用の充実で対応してもらいたい。
国家と国民を守り抜く外交安全保障は政治リーダーにとって最も重要な責務だ。
安倍晋三元首相は
「自由で開かれたインド太平洋」
構想を国際社会に示し、限定的ながら集団的自衛権の行使容認を実現した。
菅義偉前首相は米国と共に
「台湾海峡の平和と安定の重要性」
を打ち出した。
岸田文雄首相は5年間の防衛費43兆円、反撃能力の保有を決め、防衛力の抜本的強化を開始した。
石破氏は安倍氏以降の外交安全保障を確実に継承し、発展させなければならない。
中国やロシア、北朝鮮といった核武装した専制国家の脅威をどう捉えているかを語ってほしい。
ウクライナ支援の継続も重要だ。
心配なのは、石破氏がアジア版NATO(北大西洋条約機構)の具体化に意欲を示した点だ。
創設には憲法問題の解決や各国との比較的長期の交渉などに相当の年月と大きな政治エネルギーを要する。
数年先の発生も懸念される台湾有事の抑止を優先すべきではないか。
日米同盟の対処力と抑止力の強化も欠かせない。
■男系の皇統を守り抜け
北朝鮮による日本人拉致問題の解決も急がれる。
石破氏は
「東京と平壌に連絡事務所を開設して交渉の足掛かりとする」
と唱えてきた。
家族会は時間稼ぎに利用されるだけだと懸念している。
まず、家族会などと真剣に語り合ってほしい。
千年、二千年の視野で日本を守るため、安定的な皇位継承策を確立すべきである。
自民は、男系(父系)による継承を堅持する内容の岸田内閣の報告書に賛同する立場だ。
石破氏は総裁選でこの党の方針に従うと表明した点を強調しておきたい。
自民は来年、結党70年を迎える。
憲法改正は党是であり、改憲原案の条文化を臨時国会中に完成させるべきだ。
憲法への自衛隊明記は最優先だ。
首都直下地震などの大規模災害や日本有事への懸念が高まっている。
緊急政令を含む緊急事態条項創設も急務である。
自民総裁として与党公明党の説得にも努める必要がある。
日本が抱える課題は他にもある。
物価高を上回る持続的な賃上げを確実なものとし、デフレからの完全脱却を目指してもらいたい。
少子高齢化を背景にした人口減少への対策や社会保障制度改革も欠かせない。
政治とカネの対応は引き続き重要だ。
パーティー収入不記載事件の再発防止と政治資金の透明性確保を確実にしたい。
信頼を取り戻さなければ、政策は遂行できまい。
早期の衆院解散・総選挙が取り沙汰されている。
臨時国会では所信表明演説で国家観と政策の全体像を披露すると共に質疑にも応じ、国民に投票の判断材料を示すべきである。

勝てねば首相の責任論必至 自身に跳ね返る過去の言動
阿比留瑠比の極言御免
2024/10/10 1:00
https://www.sankei.com/article/20241010-EYZZGK33R5KI5PJP5BWX6Y4LVQ/?outputType=theme_election2024
石破茂政権の現状を象徴するように慣例の万歳も乱れがちで、何とも高揚感がない9日の衆院本会議での解散劇だった。
「内閣改造をするほど総理の権力は下がり、解散をするほど上がる」
かつて7年8カ月に渡る長期政権を築いた佐藤栄作元首相は、こんな言葉を残したが、今回の解散は首相にとって権力基盤を固めるものになるだろうか。
解散は、自民党の分断と混乱の中で強行された。
派閥パーティー収入不記載事件を巡っては、2024年4月に当時の岸田文雄首相(党総裁)によって既に処分を受けていた議員らが再び、非公認や比例代表への重複立候補を認めないという重い処分を受けた。
4日の時点で森山裕幹事長が
「党として調査し、(4月に)処分を下した」
「その現実をしっかり捉えることは大事だ」
と述べていたにもかかわらずである。
今回の処分は厳しい処罰を求める国民感情に応えるためとはいえ、憲法39条が定める一事不再理の精神に反する二重処分となる。
総裁選で高市早苗前経済安全保障担当相が
「(党紀委員会など)党内で積み重ねてきた議論を、総裁が代わったからと言ってちゃぶ台返しをしたら独裁だ」
と述べたやり方そのものである。
不記載事件に対しては、政治資金収支報告書に記載しなかった議員が悪いのは当然として、法曹界にもこんなに騒ぐべき問題ではなかったとの見方がある。
日弁連元幹部は指摘する。
「政治家を立件して手柄にしたかった東京地検の暴走で、検察ファッショだ」
東京地検特捜部が100人規模の検事を動員して徹底調査した結果、不起訴(嫌疑なし)とされた自民党議員を、自民党総裁が更に痛めつける。
首相は9日の党首討論で
「どれほど厳しいものか、それぞれの人にとってどれほど辛いものかはよくよく判断した」
と述べたが、将来に禍根を残さないはずがない。
もともと人望が薄く、政権基盤が弱い首相は衆院選後、こうした議員らからどの程度、政権運営への協力が得られるだろうか。
反発やサボタージュが待ち受けることになろう。
また、首相就任から8日後と戦後最短での解散という手法もあからさまで、野党からも有権者からも見透かされている。
9日の党首討論で立憲民主党代表の野田佳彦元首相は語った。
「(首相は)ご祝儀相場があるうちに解散すれば、勝てるだろうという思いから早期解散を決めた」
そう決め付けられても仕方がない。
首相は6月14日の自身のブログで解散について、このように主張しているからである。
「内閣不信任案の可決や信任案の否決など、内閣と衆議院の立場の相違が明確となった場合に限り、内閣が主権者である国民の意思を問うために行われるべきもの」
「天皇の国事行為を定めたに過ぎない(憲法)第7条を根拠として『今解散すれば勝てる』とばかりに衆議院を解散することは、国会を『国権の最高機関』とする憲法第41条の趣旨にも反する」
明らかに今回の早期解散と矛盾する。
一方、野田氏は首相当時の解散を明言した平成24年11月14日の党首討論で、自民党の安倍晋三総裁に
「近いうちに国民の信を問う」
と言ったことを問われ、こう答えている。
「首相は公定歩合と解散は噓をついてもいいと自民党政権時代には言っていた人もいるという話もあったが、噓をつくつもりは私はなかった」
前言を次々と翻し、党内に不和を引き起こしてまで強行した衆院選に勝てなければ、首相の責任問題に直結する。
かつて背後から時の首相に刃を突きつけて責任を問うてきた首相の言動が、首相自身に跳ね返ってくることだろう。
(論説委員兼政治部編集委員)

石破首相、不記載問題「再調査を全く否定するものではない」 党首討論の詳報
2024/10/10 5:00
https://www.sankei.com/article/20241010-RM55MKLYSVKRZMMYAQK4Z2O7SE/?outputType=theme_election2024
9日に行われた党首討論の主なやりとりは次の通り。
■「裏金議員」非公認
野田佳彦立憲民主党代表
自民党派閥「裏金事件」に関与した前議員ら12人が衆院選で非公認となった。
首相は「相当程度が非公認になる」と述べたが、関与者の公認は30人を超えるのではないか。
正確な日本語では「大半が公認」だ。
脱税まがいの議員に、政党交付金として血税が支払われるかもしれない。
国民感情から到底理解できない。
石破茂首相
「裏金」「脱税」とは決めつけだ。
政治資金収支報告書への不記載に関し、脱税容疑で立件された者はいない。
不記載については極めて良からぬことで、おわびする。
厳正な議論を経て、公認しないと決断した。非公認で選挙を戦うことがどれほどつらいか、百も万も承知している。
しかし総理総裁に就任以降、国民の怒りが強いと肌身に感じている。
最終的な判断は主権者の国民に任せる。
これが甘いとかいい加減とは一切考えていない。
野田氏
非公認の立候補者が当選した場合、追加公認するか。
首相
主権者である国民の判断があれば、追加公認はあり得る。
馬場伸幸日本維新の会代表
来年夏の参院選で裏金議員に対し、衆院選と同じ物差しで公認、非公認を決めるのか。
首相
同じ国会議員なので、衆院と参院で違う対応はしない。
■再調査
野田氏
首相は新しい事実が出ない限り、裏金事件の再調査を否定した。
だが有罪判決を受けた旧安倍派の会計責任者が、令和4年4月に中止された還流を幹部協議で再開したと法廷で証言した。
裁判所が事実認定した新事実だ。
再調査すべきだ。
首相
色々な事実関係がある。
有権者に対し、如何なる責任を負うべきか党内で議論する必要がある。
再調査を全く否定するものではない。
厳粛に受け止めなければならない。
野田氏
新しい事実ではないのか。
再調査するかしないか聞いている。
首相
綿密に調査してきたが、捜査権を持たないという限界がある。
関係書類の有効期限が超過し、確認しようがないものもある。
その中で最大限努力し調査してきた。
野田氏
再調査せず、有耶無耶にして早く解散しようとしている。
「裏金隠し解散」だ。
■衆院選
野田氏
「ご祝儀相場」のうちに解散すれば勝てるだろうと、早期の衆院解散を決めたのか。
首相
国を守り、国民を守り、デフレを脱却するためには、私どもが政権を引き続き担わせていただくことが最も肝要だと考えている。
正々堂々、国民の審判を仰ぐのが我々の姿勢だ。
馬場氏 国民に何を問う解散なのか。
首相
新内閣が発足した。
内閣が取り組もうとしていることに信任を得るのが衆院解散・総選挙の意義だ。
■補正予算
野田氏
臨時国会を会期延長して予算委員会を開くべきだ。
旧安倍派幹部は国会の政治倫理審査会で、裁判所の事実認定と異なることを語った。
噓だった可能性が十分高い。
予算委で証人喚問すべきだ。
首相
予算委開催は国会が決めることだ。
災害が相次いだ石川・能登半島の方々の困窮を1日も早く改善するため、予備費で対応する。
6年度補正予算編成は既に指示した。衆院選で国民の判断を得た後、補正予算案を審議し早期成立を期す。
国家国民のため切れ目のない予算審議が必要だ。
■政治改革
野田氏
政治改革の原点に立ち、政治資金規正法の見直しを行う際には、企業・団体献金の禁止からスタートすることが大事だ。
首相
大事なのは政策が左右されないかどうかで、これから先も認めるべきだ。
立民内にも企業・団体献金は必要だとの議論がある。
透明性が担保されるよう努力していく。
馬場氏
首相就任後、新たに企業・団体献金の申し出があった場合、どう対応するか。
首相
寄付を頂いた企業・団体に有利に取り計らう政治行動をしたことは一切ない。
この職を務めている間は、政治資金パーティーを開催するつもりは全くない。
■安全保障
馬場氏
自民総裁選で唱えていた日米地位協定改定やアジア版NATO(北大西洋条約機構)構想が首相に就任した瞬間、雲散霧消した。
国民から疑問を持たれている。
首相
自民は独裁政党ではない。
総裁が言えばそのまま政策になるわけではない。
これから党内で議論していく。
■政策活動費
玉木雄一郎国民民主党代表
政治不信を払拭してくれると期待された石破内閣が、新たな政治不信を生み出しつつあるのではないか。
今回の衆院選では政策活動費を使わないと明言してほしい。
首相
現在認められており、使うことはある。
選挙区で厳しい戦いをしている地域もある。
玉木氏
問題発言だ。
何に使い、誰に渡したか分からないお金で選挙に臨めば選挙が歪む。
首相
「検討、検討」で終わるのは、結局何もしないのと一緒だとの強い意識を持っている。
政策活動費の在り方にきちんと結論を得る。
■憲法改正
馬場氏
衆参両院の憲法審査会で改憲論議が進まない。
壁を突破するために、首相がスタートボタンを押すべきだ。
首相
自民の党是だ。
党総裁として改憲が発議され、国民投票をする日が1日も早くなるよう可能な限り努力する。
■賃上げ、労働改革
田村智子共産党委員長
最低賃金の大幅引き上げには、中小企業への直接支援が不可欠だ。
首相
全体主義国家ではない。
政府が主導し直接お金を払う手法が必ずしも正しいと思わない。

http://www.asyura2.com/09/senkyo59/msg/361.html#c5

[政治・選挙・NHK295] 衆議院解散で10月27日投開票(植草一秀の『知られざる真実』) 赤かぶ
18. 秘密のアッコちゃん[713] lOmWp4LMg0GDYoNSgr@C4YLx 2024年10月11日 07:16:57 : fjTz2F981w : QTJUazdpaUhyT1U=[278]
<■584行くらい→右の▽クリックで次のコメントにジャンプ可>
石破首相、中国の海洋進出を牽制 ASEAN会議、李強首相出席
2024/10/10 21:01
https://www.sankei.com/article/20241010-EDOMVOFW2BI3TDUDE3726KPO7U/
石破茂首相は10日(日本時間同)、ラオスで開かれた東南アジア諸国連合(ASEAN)と日中韓3カ国の首脳会議に出席した。
中国の李強首相、韓国の尹錫悦大統領も参加。
石破首相は地域の安全保障環境が厳しさを増しているとして
「力や威圧による一方的な現状変更の試みを許容してはいけない」
と述べ、中国による東・南シナ海での海洋進出を牽制した。
これに先立つ10日未明、政府専用機でラオスに到着。
就任後初の外国訪問をスタートさせた。
会議で石破首相は、法の支配に基づく国際秩序の維持、強化が不可欠だと強調。
北朝鮮の完全非核化に向け、国際社会全体の力強い対応が重要だと訴えた。
拉致問題解決への協力も要請した。
地域の安定と繁栄のため、ASEANと日中韓の協力発展に意欲を表明。
日本として防災や食料安保、感染症対策で貢献する考えを示した。(共同)

自民党公約、石破カラーの後退目立つ アジア版NATO、日朝連絡事務所など触れず
2024/10/10 20:26
https://www.sankei.com/article/20241010-PAFPHZC4KFPTBHHEGA5IBH46BM/?outputType=theme_election2024
自民党が10日に発表した衆院選の公約では、石破茂首相(自民総裁)が総裁選で掲げた
「石破印」
政策の書きぶりは抑制的となった。
「防災省」
設置は取り組みを明記する一方で、
「アジア版NATO(北大西洋条約機構)」
の実現は遠回しな表現にとどめた。
首相は党内基盤が脆く、反発を招きかねない分野では主張を後退せざるを得ない苦しさが滲む。
「総裁選での総裁候補としての(首相の)考えを党の政策に練り上げる中で、首相の目指す方向を後押ししていきたい」。
小野寺五典政調会長は公約発表の記者会見で石破カラー≠ェ後退したのではないかと問われると、こう返した。
公約の中で独自色が出たのは
「次なる大規模災害の発生も見据え、防災庁の設置に向けた準備を進める」
との記載だ。
首相が総裁選で主張した
「防災省」
への将来的な格上げを視野に入れている。
2024年、能登半島地震や記録的豪雨が発生する中、防災対策の旗頭となる新庁発足は
「有権者に訴えやすいテーマ」(閣僚経験者)
だ。
一方、総裁選で持論だった
「アジア版NATO」
の実現には直接的に言及せず、
「多国間の防衛協力・交流を推進すると共に地域の安全と安定を確保する取り組みを主導する」
との表現にとどめた。
日米地位協定の改定も
「あるべき姿を目指す」
と濁した。
北朝鮮による日本人拉致問題の解決に向け、首相が打ち出した東京と平壌への連絡事務所の開設検討に関しては、公約で一文字も触れなかった。
拉致被害者家族会から事務所開設を
「不要」
とする発言が出ており、記載を避けたとみられる。
党幹部は
「まだ政権が立ち上がったばかり」
「何でもかんでもストレートには書けない」
と語る。
ただ、有権者に
「有言不実行」
とみられれば、首相への期待感は薄れかねない。
首相は衆院選の論戦で野党からこの点を追及されるとみられ、党内融和と独自色発揮のバランスが問われる。

「党内融和を取って党全体が沈んではいけない…」 石破首相、非公認決断の舞台裏
2024/10/10 19:23
https://www.sankei.com/article/20241010-G6EEIXDMJZMZJEFYG47JCFEL7E/
石破茂首相(自民党総裁)は衆院選への対応で、派閥パーティー収入の不記載があった候補者ら12人を非公認とし、34人に比例代表への重複立候補を認めない方針を決めた。
国民世論の不信払拭と党内融和の狭間で難しい判断を迫られたが、最後は党の信頼回復へ重い決断を下した。
■侃々諤々の議論で判断
「本当に長い時間、侃々諤々の議論を重ねながら判断を行った」。
衆院解散を受けた9日の記者会見で、首相は公認問題についてこう語った。
この日午前の党選対本部会合で、非公認などの最終的な方針を決めていた。
会合では旧安倍派の中堅が首相に
「反対だ」
と食ってかかったが、首相は
「静かに聞いていた」(同席者)
という。
不記載議員の処遇は、政権にとって内政上、最初の難所だった。
世論は厳しいが、既に党内処分が下されており、非公認などの新たな措置を決めれば
「二重処分だ」
との批判も免れない。
「国民の反感は想像以上に強いぞ…」。
総裁就任や人事など慌ただしい動きが続く9月末、ようやく一息ついた夜、周辺にはそう漏らしていた。
執行部では小泉進次郎選挙対策委員長が厳しい対応の必要性を唱えていた。
森山裕幹事長は不記載議員の振る舞いに怒りこそ抱いていたが、党内融和を重視していた。
首相自身、当初は最終的な結論ほど厳しい対応を思い描いていたわけではない。
政権が発足した1日には、周辺に
「比例復活をなくすなんて公認のやり方はないだろう」
と語っていた。
党内でも執行部は穏便な対応で済ませるとの観測が広がっていた。
3日には不記載候補を
「原則公認」
と報じられたが、線引きを巡る首相の懊悩は続いた。
周辺には
「不記載額の多寡で決めるのもな。どう説明をつけるか…」
とこぼした。
■被災地視察後に事態一転
一転したのは5日だ。
首相は能登半島の被災地視察を終えた後、その足で党本部に向かい、森山氏や小泉氏らと約1時間半の協議に臨んだ。
小泉氏は厳しい判断を主張し、森山氏は穏便な対応を進言。
党が1日以降に実施した衆院選情勢調査の
「厳しい結果」
も俎上に載せられた。
翌6日も再度集まって協議し、最後は首相が不記載候補への厳しい対応を決めた。
報道陣のカメラの前で、自ら決定内容を明らかにした。
旧安倍派の対象者からは
「やりすぎだ」
などと恨み節が相次いだ。
一方で、
「甘い態度では選挙は更に厳しいものになった」(参院中堅)
と評価する声も強い。
不記載候補を比例名簿に載せれば比例の得票が減り、他の候補の比例復活の道が狭まるからだ。
「党内融和を取って、党全体が沈むなんてことがあってはならない」。
決断の後、首相は周囲に語り、こう続けた。
「批判があるのも分かってる。その責任を負うのが俺の役目だ」

「衆院選で自・公敗れれば石破総裁の責任論に」阿比留論説委員が講演 愛媛「正論」懇話会
2024/10/10 19:05
https://www.sankei.com/article/20241010-CEX7L6AHZJM2PIBLBCWGLDPAGU/?outputType=theme_election2024
愛媛「正論」懇話会の第70回講演会が10日、松山市のANAクラウンプラザホテル松山で開かれ、産経新聞の阿比留瑠比論説委員兼政治部編集委員が
「新内閣の使命」
と題して講演した。
阿比留氏は、石破茂自民党総裁が首相就任からわずか8日後に衆議院を解散したことに触れ
「総裁選での公約も次々と翻している」
「何をする内閣かが見えない」
と批判。
27日投開票の衆院選については
「情勢はまだ読めないが、政権選択選挙で自・公が敗れれば石破総裁の責任論に発展する」
との見通しを示した。
また、仮に与党が過半数を占める結果になったとしても、派閥パーティー収入不記載事件を受けて決めた一部候補者の非公認や比例代表への重複禁止措置で
「相当の禍根が残っている」
「自民党内で色々なことが滞って進まないのではないか」
と述べた。

自民が公約発表、政策活動費「廃止念頭」 台湾有事に危機感、安定的な皇位継承言及せず
2024/10/10 18:45
https://www.sankei.com/article/20241010-7PQ7L5U4KVIOVNNZVT5DCQ6R2A/?outputType=theme_election2024
自民党は10日、衆院選の公約を発表した。
派閥のパーティー収入不記載事件を踏まえ
「厳しい反省と強い倫理観の下、不断の政治改革、党改革に取り組む」
と打ち出した。
党が、党幹部らに支給し、使途の報告義務がない政策活動費について
「将来的な廃止も念頭に透明性を確保する」
と明記した。
一方、安定的な皇位継承の在り方に関しては言及しなかった。
公約は、
@ルールを守る
A暮らしを守る
B国を守り、国民を守る
C未来を守る
D地方を守る
E新たな時代を切り拓く(ひらく)
の6本柱で構成した。
「政治とカネ」
に関しては、国会議員に月額100万円支給される
「調査研究広報滞在費」(旧文書通信交通滞在費)
の使途公開や未使用分の国庫返納も盛り込んだ。
経済政策は、岸田文雄前首相が進めてきた
「成長と分配の好循環」
路線を維持し、
「デフレ脱却最優先の経済・財政運営を行う」
と訴えた。
物価高騰対策として低所得者世帯への給付金支給などを記載。
「地方創生」
の取り組みでは、自治体への交付金の倍増を目指すと掲げた。
安全保障政策では
「台湾有事が現実の課題となりつつある」
と言及し、防衛力強化を進めると強調した。
憲法改正を巡っては
「憲法改正原案の発議を行い、国民投票を実施し、改正を早期に実現する」
と訴えた。
また、防災対策強化に向け
「防災庁」
設置へ準備を進めると主張した。

アジア版NATOで新組織 石破首相、自民に構想の議論指示
2024/10/10 17:50
https://www.sankei.com/article/20241010-5NOMYBBN3RKGJM6C2FQQQPY6YQ/
石破茂首相(自民党総裁)は、自身が提唱するアジア版NATO(北大西洋条約機構)構想を議論する新組織を設置するよう小野寺五典党政調会長に指示した。
小野寺氏が10日の記者会見で明らかにした。
小野寺氏は
「まずは安全保障面で地域の繋がりを強化するため、何ができるか議論を進めたい」
と説明した。
衆院選後に着手する。
構想を巡っては、NATOのように加盟国に相互防衛義務を課す場合には、日本が全面的な集団的自衛権を容認する必要がある。
周辺国には、中国を刺激し地域が不安定化するとの懸念もある。

<主張>政治とカネ 再発防止策も丁寧に語れ
社説
2024/10/11 5:00
https://www.sankei.com/article/20241011-DR2B2U63YFPI3ED6H4HTFQGRQA/
事実上始まった衆院選では
「政治とカネ」
を巡る問題が争点となっている。
自民党はパーティー収入不記載事件に関連し前議員らを非公認にしたり、比例代表への重複立候補を認めなかったりする方針だ。
野党は
「不十分だ」
と批判している。
野党との対決を前に、石破茂首相による党内の非主流派潰しの様相を呈しているとの指摘も出ている。
有権者の投票判断の材料にすべき課題は他にもある。
政治資金の透明性確保と事件の再発防止の具体策だ。
立憲民主党、日本維新の会、公明党、国民民主党などは、政党から国会議員に支出される使途の報告義務がない
「政策活動費」
の廃止を訴えている。
自民は公約に
「将来的な廃止も念頭に」
改革に取り組むと記した。
首相は今回の衆院選では
「使うことはある」
と語った。
立民が先の通常国会でパーティー禁止法案を提出しながら、同党幹部らが開催していたことを想起させるものだ。
党務を預かっていた茂木敏充前幹事長は自民総裁選で、廃止は可能と語っていた。
今の自民の姿勢は有権者から見て分かりにくい。
国会議員に支給される調査研究広報滞在費(旧文書通信交通滞在費)の使途公開は、衆院選後の国会で直ちに関連法を改正して実現すべきだ。
政治資金を監視する第三者機関の制度設計も急がれる。
立民、維新、共産党などが唱えている企業・団体献金の禁止には賛成できない。
企業や労働組合なども民主主義社会の構成員である以上、政治活動の自由は認められるべきだ。
一般国民からの個人献金が定着していない日本で企業・団体献金を禁止すれば、世襲ではない人や、業界団体、宗教団体などの背景を持たない人にとって選挙活動は極めて不利になる弊害も出てくる。
企業・団体の幹部が分散して、個人として献金する抜け穴を塞ぐことも難しい。
却って日本の議会制民主主義を後退させかねない。
一方、外国人・外国法人のパーティー券購入禁止の議論が低調なのは残念だ。
国政が外国勢力からの影響を受けるのを防ぐために禁止は欠かせない。
不記載事件の動機は今も分かっていない。
自民は明らかにする責任がある。

石破茂首相「申し上げたことは一度もない」、不記載議員原則公認報道は取材なし 党首討論
2024/10/10 12:40
https://www.sankei.com/article/20241010-I7VEIODQ4NBVPO4DGJV5PQIAUY/?outputType=theme_election2024
石破茂首相(自民党総裁)は9日、立憲民主党の野田佳彦代表との党首討論で、派閥パーティー収入不記載事件で処分を受けた前議員らについて、自身が衆院選(15日公示、27日投開票)で原則公認する方針を固めたとの一部報道を否定した。
「全員を公認するとか私は申し上げたことは1度もない」
と述べ、自身への取材はなかったことも明らかにした。
党首討論に先立ち、自民は不記載事件を受けて、4月に処分した前議員を含む12人の公認を見送る方針を決めた。
一方、朝日新聞などは今月4日付で、首相が不記載事件で処分を受けた前議員らを原則公認し、比例代表との重複立候補も認める方針を固めたと報じた。
その際は再発防止策を講じる誓約書を提出させるとした。
こうした経緯から、野田氏は不記載事件に関わった前議員らの公認を巡り、
「いわゆる裏金に関わった議員を全員公認し、全員重複立候補させ、誓約書を書かせるのが最初の方針だったのではないか」
「二転三転、右往左往しながら決めた」
「(報道を受けて)批判が強いから、厳しいような対応に見せているということではないか」
質した。
首相は、
「全員を重複で認めるとか、誓約書を取るとか、私はそのようなことは申し上げたことは1度もない」
と重ねて否定。
「報道には石破茂首相、自民党総裁(が方針を固めた)と書いていた」
「そのような取材を受けたことは1度もない」
「報道はどういう根拠に基づいたか知らないが、そういうことは一切ない」
と強調した。
「森山裕幹事長、小泉進次郎選対委員長、今回の決定に関わった誰かが、そういう取材を受けた事実はない」
とも語った。
野田氏も
「全員公認するかどうかという報道が流れたことは、これはご自身の考えではなかったと」
「それはその通りとして認めましょう」
と応じた。

自民、「裏金議員」原則公認へ 衆院選で比例重複も容認、首相方針
2024年10月3日 20時59分
https://www.asahi.com/articles/ASSB33HGLSB3UTFK00ZM.html?msockid=03bbc426d8756d821927d643d90f6c0f
石破茂首相(自民党総裁)は、派閥の裏金事件で処分を受けた議員らについて、次期衆院選で原則公認する方針を固めた。
都道府県連の申請を受けて公認していく考えで、小選挙区の公認候補は比例代表との重複立候補も認める。
首相は6日にも、事件の中心だった安倍派幹部らから状況を聞くことを検討している。
首相は9日に衆院を解散し、15日公示、27日投開票の日程で総選挙を行う意向を表明済み。
一方、公認問題については総裁選の中で
「相応しい候補者か、党として責任を持たなければならない」
とし、公認しない可能性も示唆していた。
だが、総裁就任後は連立を組む公明党からの要請もあり、最速日程での衆院選を決断。公認手続きを急ぐ中、
「裏金議員」
は非公認としたうえで新たな候補を擁立する時間的余裕はなく、妥協する方向へ傾いたようだ。
■「選挙後に倒閣運動が起きる」 首相、押し込まれ「裏金議員」公認へ
党は4月、政治資金収支報告書への不記載があった39人を処分。
うち34人が8段階中4番目の
「選挙における非公認」
より軽い処分だった。
こうした経緯から、公認問題を蒸し返すことに反対する声が党内に根強くあり、首相が押し切られた面もある。
だが、裏金問題の対応は国民の理解を得られていない。
朝日新聞が1、2日に実施した世論調査(電話)では、実態解明を
「進めるべきだ」
と答えた人が75%だったのに対し、
「その必要はない」
は15%だった。
首相は1日の就任会見で
「国民が納得したという状況にはない」
とした上で、
「どうすればもう起こらないかの認識をきちんと伺いたい」
とも述べていた。
6日にも安倍派幹部らと面会し、直接確認したい考えだ。
党執行部も
「裏金議員」
の公認や比例重複を原則認める方向。その際、再発防止策を講じる誓約書を提出させる。野党側では立憲民主党を中心に、「裏金議員」の選挙区について候補を一本化する案が浮上している。

<主張>衆院解散 日本守り抜く政策訴えよ 政権を託せるのはどの党か
社説
2024/10/10 5:00
https://www.sankei.com/article/20241010-KWGTCTQYKVIWLBZR4XMFA2XQJM/
衆院が解散され、事実上の選挙戦が始まった。
解散は天皇陛下の国事行為である。
石破茂内閣は臨時閣議で
「15日公示、27日投開票」
の日程を決めた。
衆院選は3年ぶりだ。
新首相の就任から8日後の解散、26日後の投開票は戦後最短の決戦となる。
衆院選は政権選択選挙だ。
各政党と候補者は有権者の前で、日本を守り繁栄させる政策を大いに論じなければならない。
解散を前に国会で行われた党首討論で石破首相(自民党総裁)は、派閥パーティー収入不記載事件への対応を批判され防戦一方となった。
■安全保障をなぜ語らぬ
政治資金の透明性確保や不記載事件の再発防止を進め、政治への信頼を取り戻すことは重要だ。
政治とカネの問題が争点の1つになるのは当然だろう。
ただし、党首討論は衆院選を前に、日本の将来に向けた政策を競い合う場でもあるべきだった。
ところがそうならなかったのは、全閣僚出席の予算委員会を開いて丁寧な論議をしなかったことが響いている。
石破首相の所信表明演説後、代表質問と党首討論をしただけで解散したのは残念だった。
石破首相と自民は、不記載議員らの一部を対象に非公認の数を増やしたが、有権者が評価するかは不透明だ。
党首討論では外交安全保障がほとんど論じられなかった。
日本を取り巻く安全保障環境が極めて厳しい中で信じ難いことである。
習近平中国国家主席の共産党総書記の任期の関係から、台湾有事が令和9(2027)年までにあるかもしれないと危惧されていることを忘れたのか。
「台湾有事は日本有事」
と言われる。
今回の衆院選で選ばれる議員と彼らが指名する首相は、台湾有事を抑止するため働き抜かねばならない。
もし有事になれば、先頭に立って国家国民を守り抜く重責を担う。
有権者はそれに相応しい議員を選ばなければなるまい。
全ての政党と候補者は現下の国際情勢に対する認識と、今後起こり得る危機の抑止と対処の具体策を語るべきだ。
野党第一党の立憲民主党の安全保障に関する姿勢は、極めて危うい。
日米同盟の抑止力を格段に高めた集団的自衛権の限定行使の容認を
「憲法違反」
とする立場だからだ。
立民の衆院選公約は、限定行使を認める安保関連法について
「違憲部分を廃止する」
という従来方針を踏襲した。
米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の辺野古移設工事は
「中止」
すると明記した。
この政策のまま政権をとれば日米同盟は空洞化する。
旧民主党の鳩山由紀夫政権が同盟の危機を招いた二の舞いとなるだろう。
これも分からない立民の野田佳彦代表に果たして政権担当能力があるだろうか。
■立民は政権枠組み示せ
立民は、衆院選での与党過半数割れや政権交代の実現を叫んでいる。
にもかかわらず、この目標を達成した時の新たな政権の枠組みを示していないのはおかしい。
これでは有権者の判断材料が揃わない。
目指す政権の枠組みを曖昧にして選挙区調整だけに走るとすれば、議会制民主主義の軽視となる。
選挙戦で聞きたいテーマの1つが、国の根幹に関わる憲法改正だ。
日本国民の多数が自衛隊を認め、期待する時代になった。
ところが多くの憲法学者は自衛隊違憲論を唱えている。
このような異様な状態は改めたい。
憲法への自衛隊明記は改憲に前向きな各党で意見集約が進んでおり、是非早期に実現したい。
改正のゴールは
「戦力不保持」
を定めた第9条2項の削除と軍の規定の創設だ。
そうなって初めて世界の他の民主主義国と同様に国民を守る体制が整う。
首都直下地震、南海トラフの巨大地震などの大規模災害や有事への懸念が高まる中、緊急政令を含む緊急事態条項の創設も急務である。
各党が論じるべき政策課題は他にもある。
物価高に負けない持続的な賃上げによるデフレからの完全脱却、原発を含むエネルギーの在り方、少子高齢化を背景にした人口減少などだ。
国民受けする政策だけでなく
「痛み」
を伴う改革にも真摯に向き合わなければならない。
言行不一致は国民の不信を招く。
各党、各候補者は誠実に言葉を紡いでほしい。

<主張>代表質問 安全保障の論議不十分だ
社説
2024/10/9 5:00
https://www.sankei.com/article/20241009-N3ZCWLPEKJIFNBCCPHJ3MP7ZMA/
石破茂首相の所信表明演説への国会の代表質問が終わった。
政権選択選挙である衆院選を前にした国会である。
「政治とカネ」
を巡る問題が盛んに議論された。
その一方で、日本の独立と繁栄の基盤となる安全保障の論議が深まらなかったのは残念だ。
自民党議員は中国軍の領空侵犯や領海侵入、空母「遼寧」の接続水域航行、ロシア軍の領空侵犯を取り上げ、小野寺五典政調会長は
「国民の命と暮らし、領土・領海・領空を守り抜く」
ことを求めた。
日本維新の会の馬場伸幸代表は台湾有事について質した。
首相が最近の著書で
「『台湾有事、即日本有事』となる可能性は相当低い」
と指摘しているからだ。
馬場氏は
「対中抑止力や国民の国防意識を削ぐことになる」
と懸念を示した。
首相は
「仮定の質問に答えるのは差し控える」
とした上で
「台湾海峡の平和と安定は国際社会の安定にとっても重要だ」
と指摘した。
国防の決意と具体策をもっと語る必要がある。
物足りなかったのは野党第一党の立憲民主党である。
野田佳彦代表が首相のアジア版NATO(北大西洋条約機構)構想に関し
「日米同盟の抑止力に疑念があると思われかねない」
「非現実的ではないか」
と疑問を呈したのは妥当である。
だが、立民として日本をどう守るつもりかを語らなかった。
対中認識を含む現下の国際情勢に対する見方も示さなかった。
田名部匡代参院幹事長はロシアに侵略されたウクライナで、なぜ抑止力が効かなかったのかを質した。
ウクライナ問題を論ずるのではなく、アジア版NATOを巡る首相の言行不一致を引き出したかっただけのようだ。
安保政策を十分語らずに政権交代を迫っても、説得力は感じられない。
憲法改正については自民、立民、維新などが質問した。
首相は緊急事態条項の創設や自衛隊明記について、自民内の議論を
「後戻りさせることなく、前に進めていく決意だ」
と語った。
同時に、任期中に国会への発議を実現したいとし、憲法審査会で議論を深めるよう求めた。
ただ、それだけでは足りない。
首相や憲法改正に前向きな政党は、どの項目をいつまでに条文化したいのかを明らかにすることも重要である。

<主張>中東の戦火拡大 なぜNSCを開かぬのか
社説
2024/10/3 5:00
https://www.sankei.com/article/20241003-4YRNMLACHBI6FNK2GDIOJIQ5N4/
石破茂首相に問いたい。
なぜ国家安全保障会議(NSC)を開催しないのか。
中東の戦火が拡大しているからである。
イスラエルがレバノンの首都ベイルートにある親イラン民兵組織ヒズボラの本部を空爆し指導者ナスララ師を殺害した。
ヒズボラの脅威を除こうとイスラエル軍はレバノン南部へ侵攻した。
ヒズボラの後ろ盾であるイランは報復と称しイスラエルに向けて大規模な弾道ミサイル攻撃を行った。
米英両軍などが協力して迎撃したが一部が着弾し、被害が出た。
イランの対イスラエル直接攻撃は4月以来だ。
どちらも中東有数の軍事大国だ。
双方に自制を求めたい。
ただし事態がエスカレートすれば
「第5次中東戦争」
になりかねない。
日本や世界のエネルギー供給にとっても、経済情勢にとっても、何より中東地域の邦人の安全にとっても、看過できない緊迫した状況である。
日本は一連の事態を遠い地域の出来事と見做すのではなく、自らの問題と捉え、対応しなければならない。
石破首相は2日、イランの弾道ミサイル攻撃を非難し
「全面戦争に拡大しないように(米国などと)連携を取りたい」
と述べた。
そうであるならば、石破首相は、NSCの4大臣会合などを開き、邦人保護や万一の際のエネルギー需給、イスラエル、イラン双方への働きかけについて協議すべきである。
国家安全保障局や外務省の幹部と面会したが、それだけでは足りない。
NSCを開催すれば、日本企業や現地の邦人に対応を促すシグナルにもなる。
石破首相が自民党総裁に当選した9月27日に、岸田文雄内閣の木原稔防衛相はレバノンからの邦人退避に備え、航空自衛隊のC2輸送機を近隣のヨルダンとギリシャへ派遣する命令を発した。
レバノンには約50人の邦人が滞在している。
政権末期でも邦人保護へ動いた岸田政権の対応は妥当だ。
退避では韓国との相互協力も進めたい。
ただし、レバノンからの邦人退避の備えは日本が為すべき対応の一部に過ぎない。
戦火が一気に拡大しかねない時代だ。
危機は政権交代の事情など勘案しない。
石破首相には内閣発足直後であろうと国民を守り抜いてほしい。

<主張>自民総裁に石破氏 保守の精神踏まえ前進を 外交安保政策の継承が重要だ
社説
2024/9/28 5:00
https://www.sankei.com/article/20240928-ZQWPFHRUFBPALP3NUGABOBDVAI/
自民党総裁選で、石破茂元幹事長が高市早苗経済安全保障担当相を決選投票で破り、新総裁に選出された。
10月1日召集の臨時国会で首相に指名され、宮中での認証式などを経て、石破内閣が発足する見通しだ。
石破氏は当選後、
「安全安心な国にするため全身全霊を尽くしたい」
と語った。
ほとんどの派閥が解散を決めたこともあって史上最多の9人が立候補し、激しい総裁選となった。
石破氏は1回目の投票で高市氏に次ぐ2位だった。
決選投票の票差は21票で、党内基盤は強いとは言えない。
■「挙党態勢」が問われる
政治とカネの問題で自民をみる有権者の目は依然として厳しい。
石破氏と自民は挙党態勢で国政運営に当たる必要がある。
党役員や閣僚の人事は適材適所の観点で、総裁選のライバル候補を含め起用すべきだ。
党所属国会議員は結束して新総裁を支えてもらいたい。
石破氏と自民に求めたいのは保守の精神を尊重、堅持することだ。
自民は党綱領で
「日本らしい日本の確立」
を謳い、自らを
「保守政党」
と位置付けている。
この基本線から外れるべきではない。
総裁選で論じられた選択的夫婦別姓の導入は見送るべきである。
石破氏は前向きな姿勢を示してきたが、保守政党が取り組む課題ではない。
家族や社会の根幹に関わる話だ。
片方の親と子の
「強制的親子別姓」
を意味し、戸籍制度も揺らぐ。
個人の自由の問題とは言えず、自民どころか社会の分断を招きかねない。
旧姓使用の充実で対応してもらいたい。
国家と国民を守り抜く外交安全保障は政治リーダーにとって最も重要な責務だ。
安倍晋三元首相は
「自由で開かれたインド太平洋」
構想を国際社会に示し、限定的ながら集団的自衛権の行使容認を実現した。
菅義偉前首相は米国と共に
「台湾海峡の平和と安定の重要性」
を打ち出した。
岸田文雄首相は5年間の防衛費43兆円、反撃能力の保有を決め、防衛力の抜本的強化を開始した。
石破氏は安倍氏以降の外交安全保障を確実に継承し、発展させなければならない。
中国やロシア、北朝鮮といった核武装した専制国家の脅威をどう捉えているかを語ってほしい。
ウクライナ支援の継続も重要だ。
心配なのは、石破氏がアジア版NATO(北大西洋条約機構)の具体化に意欲を示した点だ。
創設には憲法問題の解決や各国との比較的長期の交渉などに相当の年月と大きな政治エネルギーを要する。
数年先の発生も懸念される台湾有事の抑止を優先すべきではないか。
日米同盟の対処力と抑止力の強化も欠かせない。
■男系の皇統を守り抜け
北朝鮮による日本人拉致問題の解決も急がれる。
石破氏は
「東京と平壌に連絡事務所を開設して交渉の足掛かりとする」
と唱えてきた。
家族会は時間稼ぎに利用されるだけだと懸念している。
まず、家族会などと真剣に語り合ってほしい。
千年、二千年の視野で日本を守るため、安定的な皇位継承策を確立すべきである。
自民は、男系(父系)による継承を堅持する内容の岸田内閣の報告書に賛同する立場だ。
石破氏は総裁選でこの党の方針に従うと表明した点を強調しておきたい。
自民は来年、結党70年を迎える。
憲法改正は党是であり、改憲原案の条文化を臨時国会中に完成させるべきだ。
憲法への自衛隊明記は最優先だ。
首都直下地震などの大規模災害や日本有事への懸念が高まっている。
緊急政令を含む緊急事態条項創設も急務である。
自民総裁として与党公明党の説得にも努める必要がある。
日本が抱える課題は他にもある。
物価高を上回る持続的な賃上げを確実なものとし、デフレからの完全脱却を目指してもらいたい。
少子高齢化を背景にした人口減少への対策や社会保障制度改革も欠かせない。
政治とカネの対応は引き続き重要だ。
パーティー収入不記載事件の再発防止と政治資金の透明性確保を確実にしたい。
信頼を取り戻さなければ、政策は遂行できまい。
早期の衆院解散・総選挙が取り沙汰されている。
臨時国会では所信表明演説で国家観と政策の全体像を披露すると共に質疑にも応じ、国民に投票の判断材料を示すべきである。

勝てねば首相の責任論必至 自身に跳ね返る過去の言動
阿比留瑠比の極言御免
2024/10/10 1:00
https://www.sankei.com/article/20241010-EYZZGK33R5KI5PJP5BWX6Y4LVQ/?outputType=theme_election2024
石破茂政権の現状を象徴するように慣例の万歳も乱れがちで、何とも高揚感がない9日の衆院本会議での解散劇だった。
「内閣改造をするほど総理の権力は下がり、解散をするほど上がる」
かつて7年8カ月に渡る長期政権を築いた佐藤栄作元首相は、こんな言葉を残したが、今回の解散は首相にとって権力基盤を固めるものになるだろうか。
解散は、自民党の分断と混乱の中で強行された。
派閥パーティー収入不記載事件を巡っては、2024年4月に当時の岸田文雄首相(党総裁)によって既に処分を受けていた議員らが再び、非公認や比例代表への重複立候補を認めないという重い処分を受けた。
4日の時点で森山裕幹事長が
「党として調査し、(4月に)処分を下した」
「その現実をしっかり捉えることは大事だ」
と述べていたにもかかわらずである。
今回の処分は厳しい処罰を求める国民感情に応えるためとはいえ、憲法39条が定める一事不再理の精神に反する二重処分となる。
総裁選で高市早苗前経済安全保障担当相が
「(党紀委員会など)党内で積み重ねてきた議論を、総裁が代わったからと言ってちゃぶ台返しをしたら独裁だ」
と述べたやり方そのものである。
不記載事件に対しては、政治資金収支報告書に記載しなかった議員が悪いのは当然として、法曹界にもこんなに騒ぐべき問題ではなかったとの見方がある。
日弁連元幹部は指摘する。
「政治家を立件して手柄にしたかった東京地検の暴走で、検察ファッショだ」
東京地検特捜部が100人規模の検事を動員して徹底調査した結果、不起訴(嫌疑なし)とされた自民党議員を、自民党総裁が更に痛めつける。
首相は9日の党首討論で
「どれほど厳しいものか、それぞれの人にとってどれほど辛いものかはよくよく判断した」
と述べたが、将来に禍根を残さないはずがない。
もともと人望が薄く、政権基盤が弱い首相は衆院選後、こうした議員らからどの程度、政権運営への協力が得られるだろうか。
反発やサボタージュが待ち受けることになろう。
また、首相就任から8日後と戦後最短での解散という手法もあからさまで、野党からも有権者からも見透かされている。
9日の党首討論で立憲民主党代表の野田佳彦元首相は語った。
「(首相は)ご祝儀相場があるうちに解散すれば、勝てるだろうという思いから早期解散を決めた」
そう決め付けられても仕方がない。
首相は6月14日の自身のブログで解散について、このように主張しているからである。
「内閣不信任案の可決や信任案の否決など、内閣と衆議院の立場の相違が明確となった場合に限り、内閣が主権者である国民の意思を問うために行われるべきもの」
「天皇の国事行為を定めたに過ぎない(憲法)第7条を根拠として『今解散すれば勝てる』とばかりに衆議院を解散することは、国会を『国権の最高機関』とする憲法第41条の趣旨にも反する」
明らかに今回の早期解散と矛盾する。
一方、野田氏は首相当時の解散を明言した平成24年11月14日の党首討論で、自民党の安倍晋三総裁に
「近いうちに国民の信を問う」
と言ったことを問われ、こう答えている。
「首相は公定歩合と解散は噓をついてもいいと自民党政権時代には言っていた人もいるという話もあったが、噓をつくつもりは私はなかった」
前言を次々と翻し、党内に不和を引き起こしてまで強行した衆院選に勝てなければ、首相の責任問題に直結する。
かつて背後から時の首相に刃を突きつけて責任を問うてきた首相の言動が、首相自身に跳ね返ってくることだろう。
(論説委員兼政治部編集委員)

石破首相、不記載問題「再調査を全く否定するものではない」 党首討論の詳報
2024/10/10 5:00
https://www.sankei.com/article/20241010-RM55MKLYSVKRZMMYAQK4Z2O7SE/?outputType=theme_election2024
9日に行われた党首討論の主なやりとりは次の通り。
■「裏金議員」非公認
野田佳彦立憲民主党代表
自民党派閥「裏金事件」に関与した前議員ら12人が衆院選で非公認となった。
首相は「相当程度が非公認になる」と述べたが、関与者の公認は30人を超えるのではないか。
正確な日本語では「大半が公認」だ。
脱税まがいの議員に、政党交付金として血税が支払われるかもしれない。
国民感情から到底理解できない。
石破茂首相
「裏金」「脱税」とは決めつけだ。
政治資金収支報告書への不記載に関し、脱税容疑で立件された者はいない。
不記載については極めて良からぬことで、おわびする。
厳正な議論を経て、公認しないと決断した。非公認で選挙を戦うことがどれほどつらいか、百も万も承知している。
しかし総理総裁に就任以降、国民の怒りが強いと肌身に感じている。
最終的な判断は主権者の国民に任せる。
これが甘いとかいい加減とは一切考えていない。
野田氏
非公認の立候補者が当選した場合、追加公認するか。
首相
主権者である国民の判断があれば、追加公認はあり得る。
馬場伸幸日本維新の会代表
来年夏の参院選で裏金議員に対し、衆院選と同じ物差しで公認、非公認を決めるのか。
首相
同じ国会議員なので、衆院と参院で違う対応はしない。
■再調査
野田氏
首相は新しい事実が出ない限り、裏金事件の再調査を否定した。
だが有罪判決を受けた旧安倍派の会計責任者が、令和4年4月に中止された還流を幹部協議で再開したと法廷で証言した。
裁判所が事実認定した新事実だ。
再調査すべきだ。
首相
色々な事実関係がある。
有権者に対し、如何なる責任を負うべきか党内で議論する必要がある。
再調査を全く否定するものではない。
厳粛に受け止めなければならない。
野田氏
新しい事実ではないのか。
再調査するかしないか聞いている。
首相
綿密に調査してきたが、捜査権を持たないという限界がある。
関係書類の有効期限が超過し、確認しようがないものもある。
その中で最大限努力し調査してきた。
野田氏
再調査せず、有耶無耶にして早く解散しようとしている。
「裏金隠し解散」だ。
■衆院選
野田氏
「ご祝儀相場」のうちに解散すれば勝てるだろうと、早期の衆院解散を決めたのか。
首相
国を守り、国民を守り、デフレを脱却するためには、私どもが政権を引き続き担わせていただくことが最も肝要だと考えている。
正々堂々、国民の審判を仰ぐのが我々の姿勢だ。
馬場氏 国民に何を問う解散なのか。
首相
新内閣が発足した。
内閣が取り組もうとしていることに信任を得るのが衆院解散・総選挙の意義だ。
■補正予算
野田氏
臨時国会を会期延長して予算委員会を開くべきだ。
旧安倍派幹部は国会の政治倫理審査会で、裁判所の事実認定と異なることを語った。
噓だった可能性が十分高い。
予算委で証人喚問すべきだ。
首相
予算委開催は国会が決めることだ。
災害が相次いだ石川・能登半島の方々の困窮を1日も早く改善するため、予備費で対応する。
6年度補正予算編成は既に指示した。衆院選で国民の判断を得た後、補正予算案を審議し早期成立を期す。
国家国民のため切れ目のない予算審議が必要だ。
■政治改革
野田氏
政治改革の原点に立ち、政治資金規正法の見直しを行う際には、企業・団体献金の禁止からスタートすることが大事だ。
首相
大事なのは政策が左右されないかどうかで、これから先も認めるべきだ。
立民内にも企業・団体献金は必要だとの議論がある。
透明性が担保されるよう努力していく。
馬場氏
首相就任後、新たに企業・団体献金の申し出があった場合、どう対応するか。
首相
寄付を頂いた企業・団体に有利に取り計らう政治行動をしたことは一切ない。
この職を務めている間は、政治資金パーティーを開催するつもりは全くない。
■安全保障
馬場氏
自民総裁選で唱えていた日米地位協定改定やアジア版NATO(北大西洋条約機構)構想が首相に就任した瞬間、雲散霧消した。
国民から疑問を持たれている。
首相
自民は独裁政党ではない。
総裁が言えばそのまま政策になるわけではない。
これから党内で議論していく。
■政策活動費
玉木雄一郎国民民主党代表
政治不信を払拭してくれると期待された石破内閣が、新たな政治不信を生み出しつつあるのではないか。
今回の衆院選では政策活動費を使わないと明言してほしい。
首相
現在認められており、使うことはある。
選挙区で厳しい戦いをしている地域もある。
玉木氏
問題発言だ。
何に使い、誰に渡したか分からないお金で選挙に臨めば選挙が歪む。
首相
「検討、検討」で終わるのは、結局何もしないのと一緒だとの強い意識を持っている。
政策活動費の在り方にきちんと結論を得る。
■憲法改正
馬場氏
衆参両院の憲法審査会で改憲論議が進まない。
壁を突破するために、首相がスタートボタンを押すべきだ。
首相
自民の党是だ。
党総裁として改憲が発議され、国民投票をする日が1日も早くなるよう可能な限り努力する。
■賃上げ、労働改革
田村智子共産党委員長
最低賃金の大幅引き上げには、中小企業への直接支援が不可欠だ。
首相
全体主義国家ではない。
政府が主導し直接お金を払う手法が必ずしも正しいと思わない。

http://www.asyura2.com/24/senkyo295/msg/668.html#c18

[戦争b25] ロシア軍、本土侵攻を阻止…ウクライナ戦争以降先月最多の死傷者発生/中央日報 仁王像
6. 秘密のアッコちゃん[714] lOmWp4LMg0GDYoNSgr@C4YLx 2024年10月11日 07:43:35 : fjTz2F981w : QTJUazdpaUhyT1U=[279]
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ロシアを退けたアフリカ諸国 国連安保理改革で見せたパワー、中国圧力にもひるまず
アイ・ラブ・ニューヨーク
2024/10/11 7:00
https://www.sankei.com/article/20241011-RS6QSZB2EFPH3OOHFHJTIDM53U/
国連安全保障理事会について、
「改革の緊急の必要性」
を首脳レベルで初めて明記した
「未来のための協定」
の国連総会での採択の成否は予測できなかった。
グテレス事務総長は
@交渉決裂
A採択延期
B採択成功
の3種類の演説原稿を持って議場に入ったと聞く。
採択に難色を示したのは、安保理の常任理事国でありながらウクライナへ侵攻し、安保理の対露非難決議案に拒否権を行使して、改革機運を高める契機を作ったロシア。
「反対のための反対」
と批判されたロシアを押し切り、協定案を採択へと導く原動力となったのはアフリカ諸国だった。
交渉筋によると、カメルーン前首相のヤン国連総会議長は採択前夜、緊急会合を招集し、ロシアに寄り添う中国の圧力にも怯まず、協定案は
「可能な限り広範な合意」
を得ているとして修正協議の打ち切りを告げた。
ロシアの更なる修正要求を退け、議場の総意による採択にロシアを従わせたのは、アフリカ54カ国の即時採択を求める立場を訴えたコンゴ共和国代表の演説だったとされる。
採択にはアフリカ諸国と連携して交渉を進めた先進7カ国(G7)の貢献も大きい。
そうは言っても、途上国中心のアフリカ諸国が大国ロシアを押さえ込む場面は、各国が平等に1票を持つ総会が舞台でなければ見られまい。

ロシア外相、日本の常任理事国入りを否定 インドとブラジルは支持、国連安保理改革を巡り
2024/9/29 7:31
https://www.sankei.com/article/20240929-EW55CS2AURN7DG5U3UAP2CCALA/
ロシアのラブロフ外相は28日、ニューヨークで開かれている国連総会の一般討論で演説し、安全保障理事会改革の必要性を訴えた。
インドとブラジルの常任理事国入りを支持する一方、日本には否定的な見解を示した。
演説でラブロフ氏は
「より公正な世界秩序構成のため、安保理の理事国拡大の議論が重要だ」
と述べ、アフリカ代表の常任理事国入りにも前向きな姿勢を示した。
日本や欧米諸国は
「安保理で過剰に代表されており、追加の席を与える議論すらできない」
と語った。
ウクライナ侵略を巡っては、北大西洋条約機構(NATO)が拡大し、ロシアの安全保障に脅威を与えていると指摘。
侵攻はロシアの安全とウクライナの
「ロシア系住民の保護」
のためだとし、正当化した。
パレスチナ自治区ガザやレバノンでの戦闘は、米国がイスラエルを支援していると非難した。(共同)

韓国外相、ロシアを批判 北朝鮮接近「違法な武器取引に関わり、嘆かわしい」
2024/9/28 11:01
https://www.sankei.com/article/20240928-LHSKFPBJJNNAZEU37VA5Z3IIC4/
韓国の趙兌烈外相は27日、ニューヨークでの国連総会一般討論で演説した。
安全保障理事会の常任理事国ロシアが北朝鮮に接近し、同国から弾薬を得る
「違法な武器取引に関わっているのは嘆かわしいことだ」
と厳しく批判した。
約15年に渡り対北朝鮮制裁の履行を監視してきた安保理の専門家パネルの任期延長にロシアが拒否権を行使したため、4月末で活動終了に追い込まれたと訴えた。
北朝鮮の核・ミサイル開発と人権侵害は
「表裏一体だ」
と指摘。
北朝鮮は国民の人権を抑圧し、飢餓に苦しむ国民から資源を搾取して大量破壊兵器を平然と開発しているとも語った。
ごみをぶら下げた風船を韓国側に飛ばすなど
「卑劣なレベルにまで落ちた挑発で朝鮮半島内外の平和と安全を脅かし続けている」
と強調した。(共同)

http://www.asyura2.com/23/warb25/msg/767.html#c6

[政治・選挙・NHK59] 中川に酒・女与えた“4人の財務官僚” 同行女性記者とは (日刊ゲンダイ/独立系メディア「今日のコラム」) ダイナモ
6. 秘密のアッコちゃん[715] lOmWp4LMg0GDYoNSgr@C4YLx 2024年10月11日 10:42:07 : fjTz2F981w : QTJUazdpaUhyT1U=[280]
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米に一蹴された石破首相の「アジア版NATO」 「ルーピー」批判浴びた民主・鳩山氏想起
緯度経度 古森義久
2024/10/11 9:00
https://www.sankei.com/article/20241011-A7RV57W5QFOMFE6ANKL4BEOEME/
つい日本の民主党の鳩山由紀夫政権時代を思い出した。
2009年9月に誕生した鳩山政権が米国側をびっくりさせ、対日不信を一気に生んだ先例である。
今回の石破茂新首相のアジア版NATO(北大西洋条約機構)構想へのワシントンの反応は15年前のそんな歴史まで想起させたのだ。
鳩山氏が当時のオバマ政権を仰天させた理由の1つは
「東アジア共同体」
への賛同だった。
東アジア諸国を中国を中心に米国を除外して連携させるという構想は日米同盟の否定に等しかった。
だが、日米同盟を保ちながらこの構想を推すという鳩山氏の態度に米側は
「ルーピー(愚かな)」
という表現を使ってまで反発した。
石破氏のアジア版NATO構想への米側の反応も非現実的と見做す点で東アジア共同体への反対と似ていた。
石破氏は日本国内での言明ではこのNATO構想に中国を含む可能性を示唆していたから、その歴史の類似には不吉な重みさえあった。
石破氏の米側への政策発表は
「石破茂の日本の新安全保障時代・日本の外交政策の将来」
と題され、米保守系シンクタンクのハドソン研究所から公開された。
明らかに新首相としての政策発表だった。
その中の主眼、アジア版NATO構想については以下の骨子を述べていた。
▽アジアではNATOのような集団防衛システム不在が戦争を起こしやすくする。中国の抑止にはアジア版NATOの創設が不可欠だ。
▽アジア版NATOは中国、ロシア、北朝鮮の核戦力への抑止のために米国の核の共同使用やアジア地域への配備を考慮すべきだ。
▽日本の自衛隊はアジア版NATOでは国内法を変えて、他の同盟諸国の防衛にも出動して戦うようにする。
以上のように石破氏は日本国内では述べなかった重大方針を米側に向けて発信したのだ。
中国を脅威の主対象として位置付けていた。
この発信では石破氏側近の政治学者が主役を果たしたという情報もあるが、米側ではあくまで石破新首相の政策案と受け止められた。
米側の反応は総括すれば、一笑に付す、という感じだった。
私自身が接触した数人の専門家たちは皆
「非現実的」

「無知」
という言葉を使った。
冷笑とか嘲笑とさえいえる反応だった。
その中で最も丁重にみえたハドソン研究所日本研究部の上級研究員、ジェームズ・プリシュタップ氏の見解を紹介しておこう。
同氏は国務省や国防総省で40年ほども日米安保関係を担当してきた超ベテランである。
「アジア版NATOとは巨大な発想だが、その時期はきていない」
「いや実現することは決してないだろう」
「インド太平洋地域の戦略環境は多数の国家間の安保上の国益の相違を明示し、NATO的な概念の実現を困難にしている」
1国への攻撃に対して全加盟国が全て反撃するという集団同盟に今の日本が加盟できるはずがない。
アジアの他の諸国も同様である。
石破氏にとって幸運だったのはこの構想が米側の専門家たちの入り口であっけなく排され、一般には知らされなかったことだろう。
首相に就任した石破氏は早速この構想を引っ込めた。
まず言葉だけ、という石破流政治の実例か。
石破氏が防衛問題に詳しい、などという評価は誰が広めるのか。
こんな疑問だけが残る茶番の一幕だった。(ワシントン駐在客員特派員)

自民党公約、石破カラーの後退目立つ アジア版NATO、日朝連絡事務所など触れず
2024/10/10 20:26
https://www.sankei.com/article/20241010-PAFPHZC4KFPTBHHEGA5IBH46BM/?outputType=theme_election2024
自民党が10日に発表した衆院選の公約では、石破茂首相(自民総裁)が総裁選で掲げた
「石破印」
政策の書きぶりは抑制的となった。
「防災省」
設置は取り組みを明記する一方で、
「アジア版NATO(北大西洋条約機構)」
の実現は遠回しな表現にとどめた。
首相は党内基盤が脆く、反発を招きかねない分野では主張を後退せざるを得ない苦しさが滲む。
「総裁選での総裁候補としての(首相の)考えを党の政策に練り上げる中で、首相の目指す方向を後押ししていきたい」。
小野寺五典政調会長は公約発表の記者会見で石破カラー≠ェ後退したのではないかと問われると、こう返した。
公約の中で独自色が出たのは
「次なる大規模災害の発生も見据え、防災庁の設置に向けた準備を進める」
との記載だ。
首相が総裁選で主張した
「防災省」
への将来的な格上げを視野に入れている。
2024年、能登半島地震や記録的豪雨が発生する中、防災対策の旗頭となる新庁発足は
「有権者に訴えやすいテーマ」(閣僚経験者)
だ。
一方、総裁選で持論だった
「アジア版NATO」
の実現には直接的に言及せず、
「多国間の防衛協力・交流を推進すると共に地域の安全と安定を確保する取り組みを主導する」
との表現にとどめた。
日米地位協定の改定も
「あるべき姿を目指す」
と濁した。
北朝鮮による日本人拉致問題の解決に向け、首相が打ち出した東京と平壌への連絡事務所の開設検討に関しては、公約で一文字も触れなかった。
拉致被害者家族会から事務所開設を
「不要」
とする発言が出ており、記載を避けたとみられる。
党幹部は
「まだ政権が立ち上がったばかり」
「何でもかんでもストレートには書けない」
と語る。
ただ、有権者に
「有言不実行」
とみられれば、首相への期待感は薄れかねない。
首相は衆院選の論戦で野党からこの点を追及されるとみられ、党内融和と独自色発揮のバランスが問われる。

アジア版NATOで新組織 石破首相、自民に構想の議論指示
2024/10/10 17:50
https://www.sankei.com/article/20241010-5NOMYBBN3RKGJM6C2FQQQPY6YQ/
石破茂首相(自民党総裁)は、自身が提唱するアジア版NATO(北大西洋条約機構)構想を議論する新組織を設置するよう小野寺五典党政調会長に指示した。
小野寺氏が10日の記者会見で明らかにした。
小野寺氏は
「まずは安全保障面で地域の繋がりを強化するため、何ができるか議論を進めたい」
と説明した。
衆院選後に着手する。
構想を巡っては、NATOのように加盟国に相互防衛義務を課す場合には、日本が全面的な集団的自衛権を容認する必要がある。
周辺国には、中国を刺激し地域が不安定化するとの懸念もある。

http://www.asyura2.com/09/senkyo59/msg/361.html#c6

[原発・フッ素54] 福島いわき市のすさまじい土壌汚染、ストロンチウム90も検出 (いわき放射能市民測定室 たらちね)  魑魅魍魎男
11. 秘密のアッコちゃん[716] lOmWp4LMg0GDYoNSgr@C4YLx 2024年10月11日 15:27:52 : fjTz2F981w : QTJUazdpaUhyT1U=[281]
<■319行くらい→右の▽クリックで次のコメントにジャンプ可>
経団連、原発の最大限活用を要請 「エネルギー基本計画」改定に向け政府に提言
2024/10/11 14:51
https://www.sankei.com/article/20241011-OYPNAS72R5J75D6JVF2DXHD3NU/
経団連は11日、2024年度中に予定されている
「エネルギー基本計画」
の改定に向けた政府への提言を発表した。
2050年までに温室効果ガスを実質ゼロにする政府目標の達成と電力の安定供給のため、原発を最大限活用することを要請。
再稼働促進や新増設・リプレース(建て替え)計画の早期の具体化を求めた。
提言では、原発の新増設や建て替えがなければ40年代から稼働できる原発が急減し、エネルギーの安定供給ができなくなる可能性があると指摘。
原発の新設については運転開始まで十数年から20年の時間がかかるため、今から計画を作成するよう進言した。

<主張>核廃棄物の処分 「拒否条例」論拠は希薄に
社説
2024/10/3 5:00
https://www.sankei.com/article/20241003-IPGHN3QPPJPORMHOBIYPZWJZRE/
原子力発電で発生する高レベル放射性廃棄物(HLW)を地下深くの岩盤中に埋設する最終処分事業の試験操業がフィンランドで始まった。
HLWの処分問題は原発を利用する国々に共通する重要な課題である。
日本では3町村が地下処分施設の候補地探しの第1段階にあるが、第2段階に進めるかどうかの見通しは不明の状態だ。
最終処分を確実にしたフィンランドの歩みを日本が辿るには、第1段階の
「文献調査」
から次の
「概要調査」
に進むことが必要だ。
佐賀県玄海町では今年6月から文献調査が始まったところだが、令和2年からスタートした北海道の寿都町と神恵内村では文献調査の結果が、ほぼまとまり、次の概要調査への移行の可否が焦点になっている。
それを大きく左右するのは、今後意見を求められる鈴木直道・北海道知事の判断だ。
概要調査に進むには町村長だけでなく知事の同意が必要だが、北海道にはHLWなどの持ち込みは受け入れ難いとする条例がある。
鈴木氏はこれを根拠に難色を示して憚らない。
この条例は平成12年に公布されたものだ。
HLWなどを人間環境から長期間、隔離する
「処分方法が十分確立されておらず(中略)処分方法の試験研究を進める必要がある」
ことが、拒否の理由になっている。
だが、それから四半世紀が経っている。
この間に研究が進み、技術が高度化したことでフィンランドでの試験操業が始まったのだ。
今回は実物の使用済み燃料の直前で、実物大の専用容器を地下430メートルの坑道内に埋設する工程の実証だ。
日本でも地下深くの岩盤中にHLWを埋設する基礎研究や技術開発の進展が目覚ましい。
最終処分事業の実施主体は原子力発電環境整備機構(NUMO)である。
こうした現実に照らせば、北海道の通称
「道核抜き条例」
は、その根拠の核心部分が無効化しているではないか。
鈴木氏には北海道の2町村の地下の構造を先端技術で確認する概要調査への道を開いてもらいたい。
処分地探しのプロセスが進めば文献調査に関心を示す市町村が本州でも出現しよう。
核のゴミとも言われるHLW問題は先送りでは解決しない。
次世代の負担を軽減するためにも鈴木氏の英断が必要だ。

<主張>原子力規制委 効率性と対等性の新風を
社説
2024/9/26 5:00
https://www.sankei.com/article/20240926-AQHBAUMRHNLZVFVJHEETKKZXU4/
原子力規制委員会の委員の一部が交代した。
地震・津波対策の審査を担当した石渡明氏と核燃料サイクル施設の審査担当の田中知氏が任期満了で退任し、その後任に地震・火山学者の山岡耕春氏と原子力工学者の長崎晋也氏が就任した。
規制委は山中伸介委員長以下5人の委員で構成され、職員数千人以上の原子力規制庁を従える独立性の高い行政機関だ。
福島事故後の平成24年以降、再稼働を目指す原子力発電所の安全審査などに当たっている。
しかし、その審査は理想からほど遠い。
山岡氏と長崎氏には
「ゼロリスクの虜」
となった感のある規制委に新風を吹き込んでもらいたい。
規制委と規制庁は、原発や再処理施設への安全対策で個々の部分最適を追求するあまり、全体最適から遠ざかり続けていることに気付いていない節がある。
原発の安全審査も異様に遅い。
審査を申請した既存原発25基中、合格は17基に過ぎない。
残る8基は申請から10年前後が過ぎている。
行政手続法での安全審査期間は2年なので、大きな遅れである。
規制側は電力会社の不手際のせいにするが公平性を欠いていないか。
規制委は
「独立した意思決定」
など5項目の活動原則を掲げているが、
「効率性」
を含んでいないのが問題だ。
米原子力規制委員会(NRC)の
「良い規制の原則」
の5項目には
「独立性」
と並んで
「効率性」
が謳われている。
日本では規制側と電力会社の間に対等性がないのも審査での議論の妨げになっている。
官尊民卑はおぞましい。
日本原子力発電の敦賀2号機(福井県)は、再稼働を目指す原発の安全審査で、初の不合格例となった。
この審査の内容は一般からの意見であるパブリックコメントを公募中だ。
2号機から約300メートル離れた断層が活断層で、それが建屋の下まで延びていると見なしての不合格だが、共に
「可能性が否定できない」
という強引な推論に基づく判定だ。
そのため、外部の専門家からの鋭い疑問の提示も予想される。
新体制の規制委にパブコメへの真摯な対応を求めたい。
原発再稼働の遅滞でエネルギー安全保障上の諸リスクが膨張中だ。
規制委が旧態依然であれば国の将来を危うくする。

「審査中の原発9基が心残り」 原子力規制委を退任の石渡明氏が会見
2024/9/18 19:59
https://www.sankei.com/article/20240918-VJNTXUSOFNLJTC4VSEGIH4CHCQ/
原子力規制委員会を任期満了で退任する石渡明委員が18日、記者会見し
「10年間、毎週のように審査会合を開いてきた」
「審査中の原発9基を残してバトンタッチすることになったのは心残りだ」
と振り返った。
石渡氏は平成26年9月に就任、地震や津波対策を担当した。
原子炉建屋直下の活断層問題で、初の審査不合格が確実となっている日本原子力発電敦賀原発2号機(福井県)については、原発推進側から
「活断層がないと証明するのは悪魔の証明だ」
と批判された。
石渡氏は
「既に12基の原発が、その証明をして再稼働している」
「大した悪魔ではない」
「恣意的な審査はしていない」
と反論した。
岸田政権の原発推進策を受け、60年を超える原発運転を可能にする新制度導入が昨年2月に規制委で諮られた際には、5人の委員で唯一反対した。
「意見が通らなかったのは残念だが、あの時の考えから一切変わっていない」
と述べた。
後任は山岡耕春氏。

原子力規制委、中国電力・島根原発のテロ対策施設を了承 28年8月が設置期限
2024/9/11 15:43
https://www.sankei.com/article/20240911-ZW4YWC45TBONNNK22YB6WHG2SE/
原子力規制委員会は11日、中国電力が島根原発2号機(松江市)に設置を計画しているテロ対策施設
「特定重大事故等対処施設」
は新規制基準に適合しているとして、計画を了承した。
経済産業相と原子力委員会への意見聴取を経て正式決定する。
施設は意図的な航空機衝突などのテロ攻撃を受けても原子炉の冷却・減圧ができる設備や、緊急時制御室などで、新規制基準で設置が義務付けられている。
規制委の審査は非公開。
原発本体の工事計画認可後5年以内という設置期限があり、間に合わなければ原発の運転はできなくなる。
島根2号機の期限は2028年8月29日。
島根2号機は全国で唯一、県庁所在地に立地する。
中国電は今年12月の再稼働を目指している。

原発再稼働へ新潟県知事は早期判断を 柏崎市長が認識示す 東電柏崎刈羽7号機
2024/9/4 17:55
https://www.sankei.com/article/20240904-G6MFF2U425PR5NMSKCFBA62W4M/
新潟県柏崎市の桜井雅浩市長は4日の記者会見で、同県の東京電力柏崎刈羽原発7号機の再稼働を巡り、花角英世知事が地元同意への態度を早期に判断すべきだとの認識を示した。
11月にも再稼働する宮城県の東北電力女川原発などに触れ、各地の動きと連携する必要があるとの考えも滲ませた。
柏崎刈羽7号機に関し
「残念ながら再稼働するかどうかも見通しが立っていない」
と指摘。
花角氏の対応については
「宮城県の人らにどうなのかと思われ始めていると推察する」
「私としてはいたたまれない」
と語った。
柏崎刈羽6、7号機の再稼働を前提に、1〜5号機の一部の廃炉を含め検討するとした東電の方針を受け、桜井氏は再稼働要請があれば応じる意向を既に表明。
一方、花角氏は再稼働に必要とされる地元同意への態度を明らかにしていない。

<主張>柏崎刈羽原発 政府主導で再稼働進めよ
社説
2024/9/2 5:00
https://www.sankei.com/article/20240902-ZOZDXS5QBRIYTBMWFVGMOTPXJE/
東京電力柏崎刈羽原発(新潟県)の再稼働を後押しするため、政府が原子力関係閣僚会議を開催する。
岸田文雄首相が脱炭素社会に向けた具体策を議論する
「GX(グリーントランスフォーメーション)実行会議」
で表明した。
柏崎刈羽原発では、再稼働について新潟県の同意を得る道筋が見えていない。
岸田首相はGX会議で
「地元からの要望を踏まえ、事業者と政府が一体となって対応していかなければならない」
と述べた。
政府はこれまでも、新潟県が要望していた避難路の整備について費用の全額を国が負担する方針を伝えるなど再稼働を後押ししてきた。
更に政府が前面に出て再稼働を進める姿勢を示したことは評価できる。
東電と共に地元の要望を汲み上げ、再稼働を実現してほしい。
再稼働が進む西日本に対し、東日本では再稼働した原発はない。
東北電力女川原発2号機(宮城県)が11月頃の再稼働を予定しているが、電力の多くを東京湾や太平洋沿岸に集中する火力発電所に依存する。
だが、将来の発生が懸念される首都直下地震が起きれば、東日本の電力供給体制は多大な打撃を受ける。
南海トラフ巨大地震の影響も危惧される。
日本海側に立地する柏崎刈羽原発の再稼働は、こうした災害リスクを軽減するためにも重要だ。
東電は核物質防護を巡る失態が続き、令和3年4月に原子力規制委員会から事実上の運転禁止命令となる是正措置命令を受けた。
柏崎刈羽原発では所員や協力企業のコミュニケーションの円滑化などの改善策を進めたことで、是正措置命令は2023年末に解除された。
これにより原発事業者としての適格性も認められたことになる。
新潟県の花角英世知事は再稼働の賛否を明らかにしていないが、エネルギー安全保障も考慮した総合的な判断を求めたい。
東電は地元の不安払拭に向け、引き続き緊張感をもって再稼働の準備を進めてほしい。
政府の
「GX基本方針」
では
「最大限活用する」
電源として原子力を掲げている。
資源に乏しい日本にとって、大量の電力を安定的に供給できる原発は欠かせない電源だ。
次期政権は今回の関係閣僚会議で協議した対応策を着実に実行し、再稼働を主導してもらいたい。

新潟・花角英世知事、避難路整備などの要望進展に期待 柏崎原発の閣僚会議開催で
2024/8/29 12:20
https://www.sankei.com/article/20240829-ZCXVKUCVNVMTLK7PLKBCBCZ6R4/
新潟県の花角英世知事は29日の定例記者会見で、政府が東京電力柏崎刈羽原発の再稼働を後押しするため、原子力関係閣僚会議を来週開くことについて、避難路整備などを求めた県の要望が前進することに期待感を示した。
「政府一体となって(要望を)真剣に受け止め、対応を検討していくという姿勢だ」
「前に進めばいい」
と述べた。
政府は会議のメンバーを拡大し、避難路整備や地域振興策などを協議する見通し。
花角氏は政府に、原発から半径30キロ圏外に向かう6方向の道路整備を国の負担で行うことなどを求めている。
「地域の不安払拭や避難の安全を確保するため、どこまで踏み込んで対応を考えるのか」
「それを県民がどう受け止めるのか見極めたい」
とし、
「要望の中には簡単にできるものとそうでないものがある」
「関係省庁で検討してもらいたい」
とした。
再稼働を巡っては地元同意が焦点となっているが、花角氏は態度を明らかにしていない。

柏崎刈羽原発の再稼働巡り県民投票を 新潟の住民ら署名活動へ 秋にも開始
2024/8/27 16:56
https://www.sankei.com/article/20240827-62P2RTZNUNMHJCWCOWKQRPA26I/
新潟県の東京電力柏崎刈羽原発を巡り、同県の住民らが再稼働の是非を問う県民投票の実施を目指し、秋にも署名活動を始める調整に入った。
地方自治法に基づき、県民投票条例の制定を花角英世知事へ求める直接請求に必要な署名を集める方針。
複数の関係者が27日、明らかにした。
同原発7号機は4月、核燃料を装塡。
6月には全ての設備検査を終えた。
再稼働への地元同意を得たい国や東電に対し、花角氏は態度を明らかにしていない。
関係者は取材に
「県民投票を通じ、花角氏は県民の意思を確認すべきだ」
と語った。
地方自治法の規定に従えば、県内有権者数の50分の1以上の署名を集めると、条例制定を知事に直接請求できる。
新潟県選挙管理委員会によると、6月初旬時点で必要な署名数は県民約3万6550人分。

東北電力 女川原発2号機“原子炉に核燃料入れる作業始める”
2024年9月3日 16時01分
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20240903/k10014570581000.html
宮城県にある女川原子力発電所2号機の再稼働に向けて東北電力は3日、原子炉に核燃料を入れる作業を始めると発表しました。
事故が起きた東京電力・福島第一原発と同じ型の原子炉で、再稼働すれば、東日本大震災のあと初めてとなります。
女川原発2号機は4年前、再稼働の前提となる原子力規制委員会の審査に合格し宮城県の村井知事や原発が立地する女川町と石巻市による同意も示されています。
8月には地震や津波などで核燃料が冷やせなくなる事態に備えて、原子炉に冷却水を送るためのポンプの設置手順を確認する訓練なども終え、東北電力は3日、原子炉に核燃料を入れる作業を始めると発表しました。
東北電力によりますと、原子炉に入れる核燃料は560体で、燃料プールに保管されている核燃料を1体ずつつり上げて原子炉に入れ、およそ1週間で終える予定だということです。
その後、2号機では、核燃料が入った状態で非常時に原子炉を緊急停止させる設備の検査などが行われ、問題がなければ2024年11月頃の再稼働を目指すとしています。
女川原発2号機は、核燃料が溶け落ちる
「メルトダウン」
が起きた東京電力・福島第一原発と同じ、
BWR=「沸騰水型」
と呼ばれる型の原子炉で、再稼働すれば、東日本大震災のあと初めてとなります。

女川原発2号機、燃料装塡へ 11月再稼働、12月営業運転に向け準備本格化
2024/9/3 13:11
https://www.sankei.com/article/20240903-PBIJN7XJ5VLHTFM7QC4UWC3MNA/
東北電力は3日、女川原発(宮城県女川町、石巻市)2号機の原子炉に核燃料を装塡する作業を同日午後始めると発表した。
11月頃の再稼働を予定している。
平成23年の東日本大震災で被災し、東京電力福島第1原発と同じ沸騰水型軽水炉(BWR)として初となる再稼働に向けた準備が本格化する。
東北電によると、作業は原子炉建屋最上階に設置された燃料交換機を使い、使用済み燃料プールに保管している燃料560体を原子炉圧力容器に入れる。
作業は1週間程度を予定している。
燃料装塡後、原子炉内で燃料が適切に配置されているかどうかを水中カメラで確認する検査などを実施。
計画によると、営業運転は12月頃に開始する。
女川原発は東日本大震災で被災し、定期検査中だった2号機を含め全3基が停止した。

新潟・柏崎市の桜井市長、3選出馬を表明 柏崎刈羽原発の再稼働と再エネを両立
2024/8/31 13:09
https://www.sankei.com/article/20240831-A2TGUQAEYRL5LFYZXVYYX7PE5U/
任期満了に伴う新潟県柏崎市長選(11月10日告示、17日投開票)に、同市の桜井雅浩市長(62)は31日、3選を目指して無所属で立候補すると表明した。同市などに立地する東京電力柏崎刈羽原発の再稼働を条件付きで容認する桜井氏が出馬表明したことで、再稼働反対派の動向が注目される。
桜井氏はこの日、市内で開かれた自身の後援会の会合に出席。
その中で3期目に挑戦することを明かし、
「原発と再生可能エネルギーを両立させ、国内の他の自治体に先駆けて市内にある製造業のカーボンニュートラル(脱炭素)を実現したい」
と語った。
また、原発と並ぶ大きな課題として経営危機に直面する市内の医療機関の維持を挙げ、
「市民が安心して医療サービスを受けられるよう守っていきたい」
と述べた。
桜井氏は、高校教諭をへて、平成3年から柏崎市議を4期14年務めた。
同原発の再稼働問題が争点になった28年の市長選で、新人同士の一騎打ちを制して初当選した。

柏崎刈羽原発再稼働へ来週に閣僚会議開催 岸田首相が表明「地元理解得る」と強調
2024/8/27 16:11
https://www.sankei.com/article/20240827-VIFBCFNJNBMANNFCGZ7JDDU2EU/
岸田文雄首相は27日、東京電力柏崎刈羽原発(新潟県)の再稼働を後押しするため、原子力関係閣僚会議を来週開くと表明した。
再稼働に必要な地元同意が焦点となっており
「地元の理解を得て再稼働を果たすためには、事業者と政府が一体となって対応していかなければならない」
と強調。
閣僚会議のメンバーを拡大する方針も明らかにした。
首相官邸で開催した脱炭素社会に向けた具体策を議論する
「GX(グリーントランスフォーメーション)実行会議」
で述べた。
原子力関係閣僚会議は2023年4月以来となる。
現在は官房長官や経済産業相、環境相らで構成していることを念頭に
「再稼働に関する全ての閣僚が出席する形で対応策の具体化に向けて確認と指示を行う」
と語った。
事故時の避難道路の整備や地域振興策などを協議する見通しだ。
柏崎刈羽原発7号機は既に核燃料を装塡し、2024年6月には設備検査を全て終えた。
新潟県の花角英世知事は再稼働への態度を明らかにしていない。

東電の小早川社長、柏崎刈羽原発の廃炉計画を地元に表明 「2基再稼働後、2年以内」
2024/8/22 12:38
https://www.sankei.com/article/20240822-7GIIEGJEVNPRNAPZ73ARPH2YR4/
東京電力の小早川智明社長は22日、柏崎刈羽原発が立地する新潟県柏崎市で桜井雅浩市長と面会し、市長が同原発6、7号機の再稼働の条件として東電に求めていた
「1〜5号機の廃炉計画の明確化」
について、
「再稼働後、2年以内に廃炉を含む最適な電源構成の道筋を付ける」
と回答した。
これに対し、桜井市長は
「廃炉を含む最適な電源構成の道筋とは、廃炉計画の策定と同じ」
と指摘。
東電の回答を評価し、
「(東電から)再稼働への同意の要請が来たら、『分かりました(同意する)』と言える環境が整った」
と語った。
桜井市長は平成29年、同原発6、7号機を再稼働させる条件として、1〜5号機のうち1基以上の廃炉計画を作成するよう東電に要請。
東電は令和元年、
「再稼働後、5年以内に1〜5号機のうち1基以上について廃炉も想定したステップを踏む」
と回答した。
これに対し、桜井市長は、廃炉をより明確にした計画を求めていた。
また、桜井市長はこの日東電に対し、
「県内自治体による再生可能エネルギー事業に(資金的に)協力する基金を創設してほしい」
と要望した。

新潟・花角英世知事、「地元への経済的利益還元は再稼働議論の材料」柏崎刈羽原発問題で
2024/7/24 16:08
https://www.sankei.com/article/20240724-TOY4ITAQ6JLXFLQTZGMOELHTJQ/
東京電力柏崎刈羽原発(新潟県)の再稼働問題に絡み、同県の花角英世知事は2024年7月24日の定例記者会見で、
「電源が立地する地元に経済的利益があるかどうかは再稼働議論の材料になる」
と述べ、電源立地交付金の対象地域の拡充や交付水準の見直しが必要との考えを改めて示した。
同原発で作られた電力は首都圏などに送られ、大都市の経済を支えている。
一方で、原子力災害時の避難への不安などは原発周辺の自治体が抱えることになり、知事は
「電力消費地が得る経済的利益は少なくとも新潟県に還元されるべきだ」
とした。
こうした思いは県民にもあるとして、
「地元に経済的利益があるかどうかは再稼働の(是非を判断する)議論の材料になる」
との考えを示した。
県は国に対し、原子力災害時に対応を求められる避難準備区域(原発から半径5〜30km圏)を電源立地交付金の対象に加えるなど制度の見直しを求めている。
2024年7月22日には、自民党新潟県連が斎藤健経済産業相と面会し、同原発の再稼働で県が企業誘致など経済的恩恵を受けられる取り組みの実施を求めた。

http://www.asyura2.com/22/genpatu54/msg/397.html#c11

[政治・選挙・NHK295] 石破自民は反省ゼロ!「非公認」逃れた“裏金議員”34選挙区はココだ<一覧付き>(日刊ゲンダイ) 赤かぶ
23. 秘密のアッコちゃん[717] lOmWp4LMg0GDYoNSgr@C4YLx 2024年10月11日 15:38:02 : fjTz2F981w : QTJUazdpaUhyT1U=[282]
<■134行くらい→右の▽クリックで次のコメントにジャンプ可>
衆院選出馬の河村・名古屋市長の辞職、議会「職務放棄」と不同意 15日自動失職へ
2024/10/11 12:21
https://www.sankei.com/article/20241011-TP3CKYC2TJJLXLEB2UMB6DYFBE/?outputType=theme_election2024
名古屋市議会は11日の本会議で、衆院選出馬を表明した河村たかし市長(75)の辞職の申し出を自民、公明両党会派などの反対多数で不同意とした。
公示日の15日に立候補を届け出た時点で自動失職する。
本会議で、自民市議は
「多くの重要案件が積み残されている」
「任期が残ったまま、やりきったとする振る舞いは職務放棄だ」
と批判した。
地方自治法は、市町村長は退職の20日前までに議会に申し出るよう規定。
議会の同意があれば、それより前に退職できると定めている。
河村氏は散会後
「不同意は残念」
と述べた。
自身が代表を務める地域政党「減税日本」の一部議員も本会議で反対した。
河村氏は9日、市議会に辞表を提出。
市選管によると、市長選は11月中に投開票される見通しという。

河村たかし氏、衆院選「台風の目」可能性「75歳まで来ると有権者の心を信じるに尽きる」
2024/10/1 23:20
https://www.sankei.com/article/20241001-6WLNPES2ZBNRPGZWSGU44D6AI4/
選挙巧者で
「総理を狙う男」
を自称する名古屋市の河村たかし市長が1日、衆院選愛知1区への出馬を表明した。
出馬記者会見で勝算を問われた河村氏は
「75歳まで来ると、有権者の心を信じてやるに尽きる」
「皆さんのためにやってきた」
「必ず分かってくれる」。
国政復帰への意欲を示し続けてきたが、年齢のために今回がラストチャンスとの声も出ている。
河村氏の存在は、衆院選で
「台風の目」
となる可能性を秘める。
2023年4月の市議選では、減税日本の党勢低迷が指摘されながら、自らが前面に出た選挙戦を展開した結果、改選前より議席を増やした。
2023年10月から
「日本保守党」
の共同代表に就任。
名古屋市などの選挙区で候補を擁立すれば、保守層から一定の支持を得られる可能性がある。
地元市議は、自民党総裁選で石破茂新首相が、保守層に人気の高市早苗氏を破ったことで
「自民候補から保守票が逃げる可能性がある」
「自身の年齢も考えれば、最後のチャンスだったのだろう」
と推察する。

名古屋市の河村たかし市長、愛知1区から衆院選出馬へ「総理を狙う男、アゲインという感じ」
2024/10/1 9:27
https://www.sankei.com/article/20241001-3OISJHHS3RLWXM7WY6B2I3OMOA/
名古屋市の河村たかし市長は1日、27日投開票の衆院選に愛知1区から出馬する意向を明らかにした。
記者団の取材に答えた。
河村市長は4期目で市長を退く考えを示していたことを踏まえ、
「4年前、これで最後と言ったので公約を守る」
「総理を狙う男、アゲインという感じだ」
と述べた。

日本保守党が30人擁立、衆院選の秘策=@百田氏の比例3位と小選挙区で愛知注力のワケ 有本香氏は東京1位、島田洋一氏は近畿1位
2024.10/9 11:45
https://www.zakzak.co.jp/article/20241009-5HXGCNPV7VJBVEITHJ2WM3R3AA/
政治団体
「日本保守党」
は8日、次期衆院選で擁立を見込む30人の候補予定者を発表し、党代表で作家の百田尚樹氏(68)と、事務総長でジャーナリストの有本香氏(62)も比例代表で出馬すると明らかにした。
百田氏は衆院選を
「国政政党になれるチャンス」
と位置付け、
「『日本を豊かに、強く。』を合言葉に戦っていきたい」
と意気込みを見せた。
比例の東京ブロックでは、名簿1位に有本氏、2位に梅原克彦元仙台市長(70)ら4人を擁立する。
近畿ブロックでは福井県立大学の島田洋一名誉教授(66)が1位、百田氏は3位で出馬を予定する。
百田氏は
「誰が一番国会議員になるに相応しい人材であるかを一番優先して考えた」
と説明した。
小選挙区は、愛知で共同代表の河村たかし名古屋市長(75)ら4人を擁立する。
有本氏は
「局地戦で一発勝負なので、強みのある所に絞るのが戦略だ」
と語る。
公約について有本氏は
「国会の中にない選択肢、政策を掲げていく」
と強調、党の重点政策では消費税などの減税や再エネ賦課金の廃止、入管難民法の改正と運用の厳正化などを掲げている。
政治家の世襲については
「どこの政党と言わないが、スッと息子さんに継いでしまうのは国民の納得感がない」
「近い親族が出る場合、選挙区を変更するなど何らかの原則をもって、家業のように引き継ぐのをやめていくべきではないか」
と指摘した。
「政治とカネ」
問題では、政党交付金の引き下げを主張するなど、既存政党に有利な制度の見直しにも言及した。

百田尚樹代表、有本香事務総長ら比例26人 選挙区は4人 日本保守党が候補者名簿を発表
2024/10/8 16:05
https://www.sankei.com/article/20241008-5K2ZQKCTWNC5XGHR2OFQDWYNL4/
日本保守党は8日、衆院選(15日公示、27日投開票予定)に向け、選挙区4人と比例代表26人の候補予定者名簿を発表した。
選挙区の愛知1区には河村たかし・名古屋市長、比例代表には百田尚樹代表、有本香事務総長、国際政治学者で福井県立大名誉教授の島田洋一氏らを擁立する。
名簿は以下の通り。
【選挙区】
河村たかし(愛知1区)、大橋とおる(愛知3区)、麻生ちさ(愛知4区)、田中克和(愛知5区)
【比例代表】
北海道ブロック=小野寺まさる、堀田真作
北関東ブロック=伊藤純子、野寺直美、芦沢進、宮入良明
東京ブロック=有本香、梅原克彦、阿部力也、小柳岳志
南関東ブロック=小坂英二、大河内元喜、森健太郎、渡辺紀明、服部徹
東海ブロック=竹上ゆうこ、中川健一、織田敏之、中村憲一、青木崇佳
近畿ブロック=島田洋一、佐々木みのり、百田尚樹、豆谷和男、竹内唯裕、残る1人は通称調整中のため非公表

日本保守党が衆院選で会見 百田、有本両氏ら30人擁立 「『移民』政策見直しを」
2024/10/8 14:45
https://www.sankei.com/article/20241008-KS5HD7W5MVHK7NWTBBK5GRBWEI/
政治団体
「日本保守党」
は8日、衆院選(15日告示、27日投開票予定)について、東京都内で記者会見した。
愛知1区に出馬する共同代表の河村たかし名古屋市長ら4人を選挙区に、比例代表には国際政治学者で福井県立大名誉教授の島田洋一氏ら26人、計30人を擁立する方針を明らかにした。
2023年10月に結党して以降、2024年4月の衆院東京15区補欠選挙に続く国政選挙への挑戦となる。
百田尚樹代表は比例近畿ブロック、有本香事務総長は比例東京ブロックにそれぞれ擁立する。
公約については、
「スパイ防止法の制定」
「消費税減税」
「共同親権制度の導入」
など結党時に発表した重点政策項目を踏襲。
表現などは練り上げるという。
有本氏は会見で、衆院選について
「願わくば国政政党になりたい」
「国政に行くぞというお披露目でもある」
と述べ、政党要件を満たす5人以上の当選に強い意欲を滲ませた。
その上で、再生可能エネルギー普及のため電気料金に上乗せされている
「再エネ賦課金」
の廃止などを例に挙げて
「国会の中にない政策を掲げていく」
と強調した。
百田氏は
「日本を守り、日本の良さをそのまま残したい」
「『日本を豊かに、強く。』を合言葉に戦いたい」
と語った。
特に重視する政策については、
「移民」
政策の見直しを挙げて
「『移民』が増えている」
「地域住民とトラブルを抱え、日本の本来守るべきルールを守らない一部の外国人もいる」
「町によっては治安が脅かされている」
「『移民』問題をもう1度考え直すべきではないか」
と述べた。

日本保守党、百田尚樹氏が比例代表の近畿ブロック 有本香氏が東京ブロックから出馬へ 次期衆院選
2024.10/8 13:54
https://www.zakzak.co.jp/article/20241008-PLSYAED6NJO5XDXPNETUCI6HIY/
政治団体
「日本保守党」
は8日、記者会見を開き、次期衆院選(15日公示、27日投開票)で、党代表で作家の百田尚樹氏(68)が比例代表の近畿ブロックから、事務総長でジャーナリストの有本香氏(62)が東京ブロックから出馬すると明らかにした。
百田氏は
「日本を守りたい、日本の良さを残したいという思いだ」
「『日本を豊かに、強く』という理念に賛同した候補者とともに衆院選を戦っていきたい」
と意気込みを述べた。
北海道ブロックでは元北海道議の小野寺まさる氏(61)、東京ブロックでは元仙台市長の梅原克彦氏(70)、南関東ブロックでは荒川区議の小坂英二氏(51)、近畿ブロックでは福井県立大学名誉教授の島田洋一氏(66)が名を連ねている。

http://www.asyura2.com/24/senkyo295/msg/675.html#c23

[政治・選挙・NHK295] だから、岸田継承ではダメなのだ 石破さん、どうする? 実質賃金また下落の衝撃(日刊ゲンダイ) 赤かぶ
40. 秘密のアッコちゃん[718] lOmWp4LMg0GDYoNSgr@C4YLx 2024年10月12日 06:40:33 : fjTz2F981w : QTJUazdpaUhyT1U=[283]
<■167行くらい→右の▽クリックで次のコメントにジャンプ可>
橋下氏 自民分裂→高市早苗氏と「日本保守党」合流が「日本にとって最善策」 立憲も割れて石破首相と野田代表で第2グループと
デイリースポーツ によるストーリー • 9 時間
https://www.msn.com/ja-jp/news/national/%E6%A9%8B%E4%B8%8B%E6%B0%8F-%E8%87%AA%E6%B0%91%E5%88%86%E8%A3%82-%E9%AB%98%E5%B8%82%E6%97%A9%E8%8B%97%E6%B0%8F%E3%81%A8-%E6%97%A5%E6%9C%AC%E4%BF%9D%E5%AE%88%E5%85%9A-%E5%90%88%E6%B5%81%E3%81%8C-%E6%97%A5%E6%9C%AC%E3%81%AB%E3%81%A8%E3%81%A3%E3%81%A6%E6%9C%80%E5%96%84%E7%AD%96-%E7%AB%8B%E6%86%B2%E3%82%82%E5%89%B2%E3%82%8C%E3%81%A6%E7%9F%B3%E7%A0%B4%E9%A6%96%E7%9B%B8%E3%81%A8%E9%87%8E%E7%94%B0%E4%BB%A3%E8%A1%A8%E3%81%A7%E7%AC%AC%EF%BC%92%E3%82%B0%E3%83%AB%E3%83%BC%E3%83%97%E3%81%A8/ar-AA1s5QuR?ocid=BingNewsVerp
橋下徹弁護士が11日付でX投稿。
政治団体
「日本保守党」
の公認で衆院選愛知1区に立候補するため名古屋市長を辞職する河村たかし氏が、自民・高市早苗氏との合流について語ったとする記事を取り上げ、
「これが日本の政治にとっての最善策」
と投稿した。
橋下氏は、中央政界を
「3つのグループに再編すればスッキリする」
とし
「自民党が割れて高市さんグループと日本保守党が合流」
とした。
更に別投稿で
「立憲も割れて野田さんグループと石破さんグループが合流」
「立憲のいわゆる左派は共産党と合流」
とグループ分けし、
「この3つのグループに整理されると有権者は選択しやすくなる」
「維新、国民なども割れて3つのグループに別れていけばいい」
と記した。

衆院選出馬の河村・名古屋市長の辞職、議会「職務放棄」と不同意 15日自動失職へ
2024/10/11 12:21
https://www.sankei.com/article/20241011-TP3CKYC2TJJLXLEB2UMB6DYFBE/?outputType=theme_election2024
名古屋市議会は11日の本会議で、衆院選出馬を表明した河村たかし市長(75)の辞職の申し出を自民、公明両党会派などの反対多数で不同意とした。
公示日の15日に立候補を届け出た時点で自動失職する。
本会議で、自民市議は
「多くの重要案件が積み残されている」
「任期が残ったまま、やりきったとする振る舞いは職務放棄だ」
と批判した。
地方自治法は、市町村長は退職の20日前までに議会に申し出るよう規定。
議会の同意があれば、それより前に退職できると定めている。
河村氏は散会後
「不同意は残念」
と述べた。
自身が代表を務める地域政党「減税日本」の一部議員も本会議で反対した。
河村氏は9日、市議会に辞表を提出。
市選管によると、市長選は11月中に投開票される見通しという。

河村たかし氏、衆院選「台風の目」可能性「75歳まで来ると有権者の心を信じるに尽きる」
2024/10/1 23:20
https://www.sankei.com/article/20241001-6WLNPES2ZBNRPGZWSGU44D6AI4/
選挙巧者で
「総理を狙う男」
を自称する名古屋市の河村たかし市長が1日、衆院選愛知1区への出馬を表明した。
出馬記者会見で勝算を問われた河村氏は
「75歳まで来ると、有権者の心を信じてやるに尽きる」
「皆さんのためにやってきた」
「必ず分かってくれる」。
国政復帰への意欲を示し続けてきたが、年齢のために今回がラストチャンスとの声も出ている。
河村氏の存在は、衆院選で
「台風の目」
となる可能性を秘める。
2023年4月の市議選では、減税日本の党勢低迷が指摘されながら、自らが前面に出た選挙戦を展開した結果、改選前より議席を増やした。
2023年10月から
「日本保守党」
の共同代表に就任。
名古屋市などの選挙区で候補を擁立すれば、保守層から一定の支持を得られる可能性がある。
地元市議は、自民党総裁選で石破茂新首相が、保守層に人気の高市早苗氏を破ったことで
「自民候補から保守票が逃げる可能性がある」
「自身の年齢も考えれば、最後のチャンスだったのだろう」
と推察する。

名古屋市の河村たかし市長、愛知1区から衆院選出馬へ「総理を狙う男、アゲインという感じ」
2024/10/1 9:27
https://www.sankei.com/article/20241001-3OISJHHS3RLWXM7WY6B2I3OMOA/
名古屋市の河村たかし市長は1日、27日投開票の衆院選に愛知1区から出馬する意向を明らかにした。
記者団の取材に答えた。
河村市長は4期目で市長を退く考えを示していたことを踏まえ、
「4年前、これで最後と言ったので公約を守る」
「総理を狙う男、アゲインという感じだ」
と述べた。

日本保守党が30人擁立、衆院選の秘策=@百田氏の比例3位と小選挙区で愛知注力のワケ 有本香氏は東京1位、島田洋一氏は近畿1位
2024.10/9 11:45
https://www.zakzak.co.jp/article/20241009-5HXGCNPV7VJBVEITHJ2WM3R3AA/
政治団体
「日本保守党」
は8日、次期衆院選で擁立を見込む30人の候補予定者を発表し、党代表で作家の百田尚樹氏(68)と、事務総長でジャーナリストの有本香氏(62)も比例代表で出馬すると明らかにした。
百田氏は衆院選を
「国政政党になれるチャンス」
と位置付け、
「『日本を豊かに、強く。』を合言葉に戦っていきたい」
と意気込みを見せた。
比例の東京ブロックでは、名簿1位に有本氏、2位に梅原克彦元仙台市長(70)ら4人を擁立する。
近畿ブロックでは福井県立大学の島田洋一名誉教授(66)が1位、百田氏は3位で出馬を予定する。
百田氏は
「誰が一番国会議員になるに相応しい人材であるかを一番優先して考えた」
と説明した。
小選挙区は、愛知で共同代表の河村たかし名古屋市長(75)ら4人を擁立する。
有本氏は
「局地戦で一発勝負なので、強みのある所に絞るのが戦略だ」
と語る。
公約について有本氏は
「国会の中にない選択肢、政策を掲げていく」
と強調、党の重点政策では消費税などの減税や再エネ賦課金の廃止、入管難民法の改正と運用の厳正化などを掲げている。
政治家の世襲については
「どこの政党と言わないが、スッと息子さんに継いでしまうのは国民の納得感がない」
「近い親族が出る場合、選挙区を変更するなど何らかの原則をもって、家業のように引き継ぐのをやめていくべきではないか」
と指摘した。
「政治とカネ」
問題では、政党交付金の引き下げを主張するなど、既存政党に有利な制度の見直しにも言及した。

百田尚樹代表、有本香事務総長ら比例26人 選挙区は4人 日本保守党が候補者名簿を発表
2024/10/8 16:05
https://www.sankei.com/article/20241008-5K2ZQKCTWNC5XGHR2OFQDWYNL4/
日本保守党は8日、衆院選(15日公示、27日投開票予定)に向け、選挙区4人と比例代表26人の候補予定者名簿を発表した。
選挙区の愛知1区には河村たかし・名古屋市長、比例代表には百田尚樹代表、有本香事務総長、国際政治学者で福井県立大名誉教授の島田洋一氏らを擁立する。
名簿は以下の通り。
【選挙区】
河村たかし(愛知1区)、大橋とおる(愛知3区)、麻生ちさ(愛知4区)、田中克和(愛知5区)
【比例代表】
北海道ブロック=小野寺まさる、堀田真作
北関東ブロック=伊藤純子、野寺直美、芦沢進、宮入良明
東京ブロック=有本香、梅原克彦、阿部力也、小柳岳志
南関東ブロック=小坂英二、大河内元喜、森健太郎、渡辺紀明、服部徹
東海ブロック=竹上ゆうこ、中川健一、織田敏之、中村憲一、青木崇佳
近畿ブロック=島田洋一、佐々木みのり、百田尚樹、豆谷和男、竹内唯裕、残る1人は通称調整中のため非公表

日本保守党が衆院選で会見 百田、有本両氏ら30人擁立 「『移民』政策見直しを」
2024/10/8 14:45
https://www.sankei.com/article/20241008-KS5HD7W5MVHK7NWTBBK5GRBWEI/
政治団体
「日本保守党」
は8日、衆院選(15日告示、27日投開票予定)について、東京都内で記者会見した。
愛知1区に出馬する共同代表の河村たかし名古屋市長ら4人を選挙区に、比例代表には国際政治学者で福井県立大名誉教授の島田洋一氏ら26人、計30人を擁立する方針を明らかにした。
2023年10月に結党して以降、2024年4月の衆院東京15区補欠選挙に続く国政選挙への挑戦となる。
百田尚樹代表は比例近畿ブロック、有本香事務総長は比例東京ブロックにそれぞれ擁立する。
公約については、
「スパイ防止法の制定」
「消費税減税」
「共同親権制度の導入」
など結党時に発表した重点政策項目を踏襲。
表現などは練り上げるという。
有本氏は会見で、衆院選について
「願わくば国政政党になりたい」
「国政に行くぞというお披露目でもある」
と述べ、政党要件を満たす5人以上の当選に強い意欲を滲ませた。
その上で、再生可能エネルギー普及のため電気料金に上乗せされている
「再エネ賦課金」
の廃止などを例に挙げて
「国会の中にない政策を掲げていく」
と強調した。
百田氏は
「日本を守り、日本の良さをそのまま残したい」
「『日本を豊かに、強く。』を合言葉に戦いたい」
と語った。
特に重視する政策については、
「移民」
政策の見直しを挙げて
「『移民』が増えている」
「地域住民とトラブルを抱え、日本の本来守るべきルールを守らない一部の外国人もいる」
「町によっては治安が脅かされている」
「『移民』問題をもう1度考え直すべきではないか」
と述べた。

日本保守党、百田尚樹氏が比例代表の近畿ブロック 有本香氏が東京ブロックから出馬へ 次期衆院選
2024.10/8 13:54
https://www.zakzak.co.jp/article/20241008-PLSYAED6NJO5XDXPNETUCI6HIY/
政治団体
「日本保守党」
は8日、記者会見を開き、次期衆院選(15日公示、27日投開票)で、党代表で作家の百田尚樹氏(68)が比例代表の近畿ブロックから、事務総長でジャーナリストの有本香氏(62)が東京ブロックから出馬すると明らかにした。
百田氏は
「日本を守りたい、日本の良さを残したいという思いだ」
「『日本を豊かに、強く』という理念に賛同した候補者とともに衆院選を戦っていきたい」
と意気込みを述べた。
北海道ブロックでは元北海道議の小野寺まさる氏(61)、東京ブロックでは元仙台市長の梅原克彦氏(70)、南関東ブロックでは荒川区議の小坂英二氏(51)、近畿ブロックでは福井県立大学名誉教授の島田洋一氏(66)が名を連ねている。

http://www.asyura2.com/24/senkyo295/msg/674.html#c40

[政治・選挙・NHK295] 米国は石破首相の安保構想を潰しにかかる 日本外交と政治の正体(日刊ゲンダイ) 赤かぶ
46. 秘密のアッコちゃん[719] lOmWp4LMg0GDYoNSgr@C4YLx 2024年10月12日 08:29:52 : fjTz2F981w : QTJUazdpaUhyT1U=[284]
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仲新城誠「沖縄が危ない!」
石破首相が言明「日米地位協定の改定」への期待 県民にくすぶる不平等感、在日米軍の安定的運用を 沖縄における自衛隊の役割拡大も
2024.10/10 11:00
https://www.zakzak.co.jp/article/20241010-JS2QD3HC5RJY7GYVZLWL7AONPU/
石破茂首相が、在日米軍の特権的地位を定めた
「日米地位協定」
の改定に前向きだ。
那覇市で開かれた自民党総裁選候補者の演説会では、協定について
「運用改善だけで事が済むとは思わない」
「少なくとも改定に着手したい」
と言明した。
県民の期待が一気に高まった。
総裁選の党員票も沖縄では石破氏が1位だった。
2024年は在沖米軍の兵士が少女を性的暴行した事件がクローズアップされたが、同種の事件が後を絶たない一因として、日米地位協定の存在が指摘されている。
米兵が犯罪を起こしても、米軍は協定を根拠に、起訴前の身柄引き渡しを拒めるからだ。
協定改定に米政府が難色を示すのは必至だが、首相自ら改定の必要性を訴えた意義は大きい。
改定が実現し、県民にくすぶる不平等感を払拭できれば、批判が多い在日米軍の安定的運用にもつながる。
最終的には米国にも悪い話ではない。
石破首相は、米国に新大統領が誕生するタイミングで説得してほしい。
あまり注目されていないが、石破首相が
「自衛隊による在日米軍基地の共同使用推進」
を打ち出したのも正しい方向性だ。
日本の法律が及ばず、ブラックボックス化している米軍基地の運用に自衛隊が関与することで、日本側から見た透明性が高まる。
沖縄の広大な米軍基地を見ていると、仮に沖縄が攻撃された場合、真っ先に防衛出動するのは米軍で、自衛隊は補助的な役割しか持たないのでは、と錯覚しそうになる。
米軍の存在感があまりにも大きく、自衛隊の存在感があまりにも弱いのだ。
県民の米軍に対する不信感は根強い。
一方、沖縄の日本復帰から50年余、災害救助や不発弾処理に献身してきた自衛隊への信頼感は強固になった。
沖縄で未だに自衛隊を年中批判しているのは、地元メディアや一部の活動家くらいなものだ。
米軍基地は
「負担」
だが、自衛隊基地はそうではない。
沖縄における自衛隊の役割を拡大強化することも、県民の基地負担軽減のため有効な方策である。
そのためには、自衛隊を
「日陰者」
扱いしている憲法9条の改正に、いずれは踏み込まなくてはならない。これこそ
「運用改善」
で事は済まない。
石破首相は総裁選で、任期中に憲法改正の国会発議を目指す考えを示した。
歴代政権がなし得なかった難題だからこそ、果敢に挑戦してほしい。
沖縄の中でも台湾に近い八重山諸島は、文字通りの対中最前線だ。
総裁選で石破首相からは特に言及がなかったが、
「国境離島の振興」
も、政権を挙げて取り組むべき責務だ。

岩屋外相「アジア版NATOがどんな組織になるかは議論次第」 首相が自民に構想議論指示
2024/10/12 0:07
https://www.sankei.com/article/20241012-TKPPMMZJ6JNLHIP34HWFWREKVQ/
岩屋毅外相は11日の記者会見で、石破茂首相(自民党総裁)が自身の提唱するアジア版NATO(北大西洋条約機構)構想を議論する新組織を設置するよう小野寺五典党政調会長に指示したことについて、
「最終的にどのような組織になることが適切かは今後の議論次第だ」
と述べた。
岩屋氏は
「この地域における安全保障の枠組みの構築は非常に大きな構想だ」
と指摘。
一方、抑止対象に関しては
「いずれか特定の国を念頭においたものではない」
と述べるにとどめた。
その上で、日米同盟の抑止力・対処力を強化し、同盟国・同志国との連携深化に取り組みつつ、
「将来のアジアの安全保障の在り方をじっくり検討していくべきだ」
と強調した。

米に一蹴された石破首相の「アジア版NATO」 「ルーピー」批判浴びた民主・鳩山氏想起
緯度経度 古森義久
2024/10/11 9:00
https://www.sankei.com/article/20241011-A7RV57W5QFOMFE6ANKL4BEOEME/
つい日本の民主党の鳩山由紀夫政権時代を思い出した。
2009年9月に誕生した鳩山政権が米国側をびっくりさせ、対日不信を一気に生んだ先例である。
今回の石破茂新首相のアジア版NATO(北大西洋条約機構)構想へのワシントンの反応は15年前のそんな歴史まで想起させたのだ。
鳩山氏が当時のオバマ政権を仰天させた理由の1つは
「東アジア共同体」
への賛同だった。
東アジア諸国を中国を中心に米国を除外して連携させるという構想は日米同盟の否定に等しかった。
だが、日米同盟を保ちながらこの構想を推すという鳩山氏の態度に米側は
「ルーピー(愚かな)」
という表現を使ってまで反発した。
石破氏のアジア版NATO構想への米側の反応も非現実的と見做す点で東アジア共同体への反対と似ていた。
石破氏は日本国内での言明ではこのNATO構想に中国を含む可能性を示唆していたから、その歴史の類似には不吉な重みさえあった。
石破氏の米側への政策発表は
「石破茂の日本の新安全保障時代・日本の外交政策の将来」
と題され、米保守系シンクタンクのハドソン研究所から公開された。
明らかに新首相としての政策発表だった。
その中の主眼、アジア版NATO構想については以下の骨子を述べていた。
▽アジアではNATOのような集団防衛システム不在が戦争を起こしやすくする。中国の抑止にはアジア版NATOの創設が不可欠だ。
▽アジア版NATOは中国、ロシア、北朝鮮の核戦力への抑止のために米国の核の共同使用やアジア地域への配備を考慮すべきだ。
▽日本の自衛隊はアジア版NATOでは国内法を変えて、他の同盟諸国の防衛にも出動して戦うようにする。
以上のように石破氏は日本国内では述べなかった重大方針を米側に向けて発信したのだ。
中国を脅威の主対象として位置付けていた。
この発信では石破氏側近の政治学者が主役を果たしたという情報もあるが、米側ではあくまで石破新首相の政策案と受け止められた。
米側の反応は総括すれば、一笑に付す、という感じだった。
私自身が接触した数人の専門家たちは皆
「非現実的」

「無知」
という言葉を使った。
冷笑とか嘲笑とさえいえる反応だった。
その中で最も丁重にみえたハドソン研究所日本研究部の上級研究員、ジェームズ・プリシュタップ氏の見解を紹介しておこう。
同氏は国務省や国防総省で40年ほども日米安保関係を担当してきた超ベテランである。
「アジア版NATOとは巨大な発想だが、その時期はきていない」
「いや実現することは決してないだろう」
「インド太平洋地域の戦略環境は多数の国家間の安保上の国益の相違を明示し、NATO的な概念の実現を困難にしている」
1国への攻撃に対して全加盟国が全て反撃するという集団同盟に今の日本が加盟できるはずがない。
アジアの他の諸国も同様である。
石破氏にとって幸運だったのはこの構想が米側の専門家たちの入り口であっけなく排され、一般には知らされなかったことだろう。
首相に就任した石破氏は早速この構想を引っ込めた。
まず言葉だけ、という石破流政治の実例か。
石破氏が防衛問題に詳しい、などという評価は誰が広めるのか。
こんな疑問だけが残る茶番の一幕だった。(ワシントン駐在客員特派員)

自民党公約、石破カラーの後退目立つ アジア版NATO、日朝連絡事務所など触れず
2024/10/10 20:26
https://www.sankei.com/article/20241010-PAFPHZC4KFPTBHHEGA5IBH46BM/?outputType=theme_election2024
自民党が10日に発表した衆院選の公約では、石破茂首相(自民総裁)が総裁選で掲げた
「石破印」
政策の書きぶりは抑制的となった。
「防災省」
設置は取り組みを明記する一方で、
「アジア版NATO(北大西洋条約機構)」
の実現は遠回しな表現にとどめた。
首相は党内基盤が脆く、反発を招きかねない分野では主張を後退せざるを得ない苦しさが滲む。
「総裁選での総裁候補としての(首相の)考えを党の政策に練り上げる中で、首相の目指す方向を後押ししていきたい」。
小野寺五典政調会長は公約発表の記者会見で石破カラー≠ェ後退したのではないかと問われると、こう返した。
公約の中で独自色が出たのは
「次なる大規模災害の発生も見据え、防災庁の設置に向けた準備を進める」
との記載だ。
首相が総裁選で主張した
「防災省」
への将来的な格上げを視野に入れている。
2024年、能登半島地震や記録的豪雨が発生する中、防災対策の旗頭となる新庁発足は
「有権者に訴えやすいテーマ」(閣僚経験者)
だ。
一方、総裁選で持論だった
「アジア版NATO」
の実現には直接的に言及せず、
「多国間の防衛協力・交流を推進すると共に地域の安全と安定を確保する取り組みを主導する」
との表現にとどめた。
日米地位協定の改定も
「あるべき姿を目指す」
と濁した。
北朝鮮による日本人拉致問題の解決に向け、首相が打ち出した東京と平壌への連絡事務所の開設検討に関しては、公約で一文字も触れなかった。
拉致被害者家族会から事務所開設を
「不要」
とする発言が出ており、記載を避けたとみられる。
党幹部は
「まだ政権が立ち上がったばかり」
「何でもかんでもストレートには書けない」
と語る。
ただ、有権者に
「有言不実行」
とみられれば、首相への期待感は薄れかねない。
首相は衆院選の論戦で野党からこの点を追及されるとみられ、党内融和と独自色発揮のバランスが問われる。

アジア版NATOで新組織 石破首相、自民に構想の議論指示
2024/10/10 17:50
https://www.sankei.com/article/20241010-5NOMYBBN3RKGJM6C2FQQQPY6YQ/
石破茂首相(自民党総裁)は、自身が提唱するアジア版NATO(北大西洋条約機構)構想を議論する新組織を設置するよう小野寺五典党政調会長に指示した。
小野寺氏が10日の記者会見で明らかにした。
小野寺氏は
「まずは安全保障面で地域の繋がりを強化するため、何ができるか議論を進めたい」
と説明した。
衆院選後に着手する。
構想を巡っては、NATOのように加盟国に相互防衛義務を課す場合には、日本が全面的な集団的自衛権を容認する必要がある。
周辺国には、中国を刺激し地域が不安定化するとの懸念もある。

http://www.asyura2.com/24/senkyo295/msg/677.html#c46

[政治・選挙・NHK295] 自民都連も「裏金」に手を染めていたのか…選挙戦スタート直後“もうひとつの疑惑”噴出の不穏(日刊ゲンダイ) 赤かぶ
9. 秘密のアッコちゃん[720] lOmWp4LMg0GDYoNSgr@C4YLx 2024年10月12日 08:35:46 : fjTz2F981w : QTJUazdpaUhyT1U=[285]
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<主張>石破首相の初外遊 国際秩序の担い手となれ
社説
2024/10/12 5:00
https://www.sankei.com/article/20241012-YV3266KOENKKBGBAY5YZN6CNSM/
安全運転の外交デビューではいささか物足りない。
石破茂首相は自由で開かれたインド太平洋、国際秩序の担い手として首脳外交を積極的に展開していく必要がある。
石破首相が就任後初めて外遊した。
ラオスで東南アジア諸国連合(ASEAN)関連の首脳会議に出席し、日中、日韓などの首脳会談を行った。
衆院解散後でもラオスへ足を運んだのは妥当だ。
バイデン米大統領の姿はなく、日本の首相も不参加なら李強首相が出席する中国の存在感が高まってしまう。
石破首相の外遊はそれを防ぎ、日本がASEANと連携する意思を示す意義があった。
ASEANと日中韓3カ国の首脳会議で石破首相は、中国を念頭に
「力や威圧による一方的な現状変更の試みを許容してはいけない」
と牽制した。
日中首脳会談では
「戦略的互恵関係の包括的推進」
で一致した。
李首相に対し、中国軍の動向への深刻な懸念を伝えた。
日本人男児刺殺事件や中国軍機の領空侵犯について説明を強く求めた。
中国が拘束する邦人の早期釈放や日本の排他的経済水域(EEZ)内の中国ブイの即時撤去、日本産水産物輸入の早期再開も促した。
台湾海峡の平和と安定の重要性を指摘した。
日韓首脳会談ではシャトル外交の継続や安保協力の推進などで一致した。
石破首相はラオスで、持論のアジア版NATO(北大西洋条約機構)構想を封印した。
岸田文雄前首相の外交路線を踏襲した形で、日本の抱く懸念を李首相に直接伝えたこともあり、初外遊は無難に遂行したと見做されているようだ。
だが中国と戦略的互恵関係など築ける時代なのだろうか。
また、石破首相は自民党総裁選でアジア版NATOを不用意に掲げたため、ASEAN諸国から不安視される中でのスタートだった点を忘れてはならない。
マイナスからの出発で安全運転に徹しても存在感は示せない。
フィリピンのマルコス大統領はASEANと中国の首脳会議で南シナ海問題を巡り中国を直接批判した。
石破首相も日中の個別会談だけでなくASEAN首脳の前でも名指しで中国の問題行動を難じるべきだった。
ベトナム首相と会談したが、日越比の首脳会談を開く選択肢もあったのではないか。

<産経抄>「義理と人情とやせ我慢」を忘れた石破首相
2024/10/12 5:00
https://www.sankei.com/article/20241012-ICTF4A7TDRPOVC7HLKJGJIM2K4/
自民党の初代副総裁を務めた党人派の代表的な政治家、大野伴睦氏のモットーは、
「義理と人情とやせ我慢」
だった。
麻生太郎元首相もこの言葉をよく使う他、これまで多くの政治家が引用してきた。
永田町で尊重される美風、文化のようなものだったのだろう。
▼元は江戸の町火消しの心意気を表現したものだともいい、昔ながらの日本社会の伝統かもしれない。
ところが近年は、政治家の在り方も様変わりした。
石破茂首相は衆院選に当たり、派閥パーティー収入の不記載があった候補者ら12人を非公認にし、34人に比例代表への重複立候補を認めない二重処分を決めた。
▼政治とカネの問題に対する国民の予想以上の反感に怯え、我慢が利かなかったようである。
当初は
「魔女狩りのようなことはしたくない」
と漏らしていた首相は、6日には周囲に語った。
「党内融和を取って、党全体が沈むなんてことがあってはならない」。
▼とはいえ、世間の目が厳しいからといって、4月には正規の党内手続きに則って役職停止などの処分を受けた候補者らを、更に見せしめのために厳罰に処するやり方はどうなのか。
義理も人情もあったものではない。
▼それでも国民が首相が掲げる
「納得と共感」
を示さなかったら、3度目の罰を与えるつもりか。
首相の盟友である村上誠一郎総務相は、安倍晋三元首相に対し、暗殺後に
「国賊」
と呼んだことについて処分を受けたことを理由に
「もう終わりで」
と述べたが、処分を受けた不記載候補者との扱いの差は何なのか。
▼大野氏はこんなセリフも残している。
「サルは木から落ちてもサルだが、代議士は選挙に落ちればただの人」。
首相の恣意的処分に翻弄される候補者に同情する。

総裁選に真の勝者はいたのか 
政界十六夜 石井聡
2024/10/11 10:00
https://www.sankei.com/article/20241011-IL7H2SZEHJIS5BA3QHF6RRIPIE/?outputType=theme_election2024
9月の自民党総裁選の最中、サリバン米大統領補佐官(国家安全保障担当)が
「日本の新首相が誰になろうと」
と口にする場面があった。
日本政治への無関心を装ったというわけではなく、引き続き日米同盟に注力する重要性を指摘したのだ。
サリバン氏はその理由として
「この同盟は、日米どちらの指導者より大きなものだからだ」
とも語った。
大統領選候補のトランプ、ハリス両氏が聞いたらどう思うか知りたいところだ。
ともあれ、日米同盟を揺るがしかねないとの懸念も持たれた石破茂首相の持論
「アジア版NATO(北大西洋条約機構)」
創設構想は、一旦封印された。
早期の衆院解散日程も含め、首相が総裁選で言っていたことを次々と翻して
「噓つき」
「掌返し」
と批判を浴びているのは自業自得だ。
とはいえ、現実離れした政策に固執して混乱を拡大されるよりはましである。
これまで言及してこなかった
「ロシア経済分野協力担当相」
のポスト廃止など、良い判断もある。
ひとまず投開票までの言動で、より多くの国民の
「納得と共感」
を得ていくしかあるまい。
付け加えれば、解散時期については石破首相でなくても遠くはなかった可能性は高い。
既に衆議院は解散され、総選挙の号砲は鳴った。
野党は首相の食言を批判するにしても、そればかりで戦いになるのだろうか。
選挙期間中の政策論争でこそ、優位に立つ努力を惜しんではなるまい。
実際、総裁選での候補者間の討論などは、政策論争の効果を挙げたばかりである。
劇的な総裁選結果を経て勝ち組、負け組などの分類や党実力者たちの収支決算も語られたが、やや違和感を覚える。
中でもキングメーカーと呼ばれる人々の評価についてだ。
決選投票で石破首相を推した菅義偉元首相は、副総裁に就いて非主流派から復権したとも言われるが、そもそも
「本命」
視していた小泉進次郎選挙対策委員長は決選投票にも残れず敗退した。
岸田文雄前首相も旧宏池会を通じた石破支援で勝利を確実にしたと位置付けられる。
しかし総裁再選を見送らざるを得なかったこと自体、最大の敗者なのである。
麻生太郎党最高顧問は支援した河野太郎前デジタル相が惨敗し、終盤では高市早苗前経済安全保障担当相を推したものの、こちらも失敗に終わった。
既に政界引退を表明した二階俊博元幹事長の名前を、総裁選の最中に聞くことはなかった。
9人もの候補が立った総裁選の明確なシナリオを、実力者たちは描けなかった。
派閥単位で組み立てられてきた総裁選ではなかったことが大きい。
だとすれば
「最後の仕上げはやはり実力者たちが手掛けた」
といったまとめ方は、実態とも異なるし
「変わらない自民党」
を印象付ける効果の方が大きいのではないか。
世代交代や党刷新を果たせなかった中堅候補やそれを推した議員らは、そう失望する必要はない。
気になるのは負け組から早々と倒閣論めいた声が漏れることだ。
内に秘める思いならまだしも、外に聞こえてくるような漏れ方は賢くないし、事が成就するかも疑わしい。
勝負事が敗者に恨みを残すのはやむを得ないにせよ、あまりレベルの低い抗争は国益を損なう。
それこそ冒頭の
「新首相に誰がなろうと」
が日本政治そのものに向けられることになりかねない。(特別記者)

<主張>政治とカネ 再発防止策も丁寧に語れ
社説
2024/10/11 5:00
https://www.sankei.com/article/20241011-DR2B2U63YFPI3ED6H4HTFQGRQA/
事実上始まった衆院選では
「政治とカネ」
を巡る問題が争点となっている。
自民党はパーティー収入不記載事件に関連し前議員らを非公認にしたり、比例代表への重複立候補を認めなかったりする方針だ。
野党は
「不十分だ」
と批判している。
野党との対決を前に、石破茂首相による党内の非主流派潰しの様相を呈しているとの指摘も出ている。
有権者の投票判断の材料にすべき課題は他にもある。
政治資金の透明性確保と事件の再発防止の具体策だ。
立憲民主党、日本維新の会、公明党、国民民主党などは、政党から国会議員に支出される使途の報告義務がない
「政策活動費」
の廃止を訴えている。
自民は公約に
「将来的な廃止も念頭に」
改革に取り組むと記した。
首相は今回の衆院選では
「使うことはある」
と語った。
立民が先の通常国会でパーティー禁止法案を提出しながら、同党幹部らが開催していたことを想起させるものだ。
党務を預かっていた茂木敏充前幹事長は自民総裁選で、廃止は可能と語っていた。
今の自民の姿勢は有権者から見て分かりにくい。
国会議員に支給される調査研究広報滞在費(旧文書通信交通滞在費)の使途公開は、衆院選後の国会で直ちに関連法を改正して実現すべきだ。
政治資金を監視する第三者機関の制度設計も急がれる。
立民、維新、共産党などが唱えている企業・団体献金の禁止には賛成できない。
企業や労働組合なども民主主義社会の構成員である以上、政治活動の自由は認められるべきだ。
一般国民からの個人献金が定着していない日本で企業・団体献金を禁止すれば、世襲ではない人や、業界団体、宗教団体などの背景を持たない人にとって選挙活動は極めて不利になる弊害も出てくる。
企業・団体の幹部が分散して、個人として献金する抜け穴を塞ぐことも難しい。
却って日本の議会制民主主義を後退させかねない。
一方、外国人・外国法人のパーティー券購入禁止の議論が低調なのは残念だ。
国政が外国勢力からの影響を受けるのを防ぐために禁止は欠かせない。
不記載事件の動機は今も分かっていない。
自民は明らかにする責任がある。

石破首相、中国の海洋進出を牽制 ASEAN会議、李強首相出席
2024/10/10 21:01
https://www.sankei.com/article/20241010-EDOMVOFW2BI3TDUDE3726KPO7U/
石破茂首相は10日(日本時間同)、ラオスで開かれた東南アジア諸国連合(ASEAN)と日中韓3カ国の首脳会議に出席した。
中国の李強首相、韓国の尹錫悦大統領も参加。
石破首相は地域の安全保障環境が厳しさを増しているとして
「力や威圧による一方的な現状変更の試みを許容してはいけない」
と述べ、中国による東・南シナ海での海洋進出を牽制した。
これに先立つ10日未明、政府専用機でラオスに到着。
就任後初の外国訪問をスタートさせた。
会議で石破首相は、法の支配に基づく国際秩序の維持、強化が不可欠だと強調。
北朝鮮の完全非核化に向け、国際社会全体の力強い対応が重要だと訴えた。
拉致問題解決への協力も要請した。
地域の安定と繁栄のため、ASEANと日中韓の協力発展に意欲を表明。
日本として防災や食料安保、感染症対策で貢献する考えを示した。(共同)

「党内融和を取って党全体が沈んではいけない…」 石破首相、非公認決断の舞台裏
2024/10/10 19:23
https://www.sankei.com/article/20241010-G6EEIXDMJZMZJEFYG47JCFEL7E/
石破茂首相(自民党総裁)は衆院選への対応で、派閥パーティー収入の不記載があった候補者ら12人を非公認とし、34人に比例代表への重複立候補を認めない方針を決めた。
国民世論の不信払拭と党内融和の狭間で難しい判断を迫られたが、最後は党の信頼回復へ重い決断を下した。
■侃々諤々の議論で判断
「本当に長い時間、侃々諤々の議論を重ねながら判断を行った」。
衆院解散を受けた9日の記者会見で、首相は公認問題についてこう語った。
この日午前の党選対本部会合で、非公認などの最終的な方針を決めていた。
会合では旧安倍派の中堅が首相に
「反対だ」
と食ってかかったが、首相は
「静かに聞いていた」(同席者)
という。
不記載議員の処遇は、政権にとって内政上、最初の難所だった。
世論は厳しいが、既に党内処分が下されており、非公認などの新たな措置を決めれば
「二重処分だ」
との批判も免れない。
「国民の反感は想像以上に強いぞ…」。
総裁就任や人事など慌ただしい動きが続く9月末、ようやく一息ついた夜、周辺にはそう漏らしていた。
執行部では小泉進次郎選挙対策委員長が厳しい対応の必要性を唱えていた。
森山裕幹事長は不記載議員の振る舞いに怒りこそ抱いていたが、党内融和を重視していた。
首相自身、当初は最終的な結論ほど厳しい対応を思い描いていたわけではない。
政権が発足した1日には、周辺に
「比例復活をなくすなんて公認のやり方はないだろう」
と語っていた。
党内でも執行部は穏便な対応で済ませるとの観測が広がっていた。
3日には不記載候補を
「原則公認」
と報じられたが、線引きを巡る首相の懊悩は続いた。
周辺には
「不記載額の多寡で決めるのもな。どう説明をつけるか…」
とこぼした。
■被災地視察後に事態一転
一転したのは5日だ。
首相は能登半島の被災地視察を終えた後、その足で党本部に向かい、森山氏や小泉氏らと約1時間半の協議に臨んだ。
小泉氏は厳しい判断を主張し、森山氏は穏便な対応を進言。
党が1日以降に実施した衆院選情勢調査の
「厳しい結果」
も俎上に載せられた。
翌6日も再度集まって協議し、最後は首相が不記載候補への厳しい対応を決めた。
報道陣のカメラの前で、自ら決定内容を明らかにした。
旧安倍派の対象者からは
「やりすぎだ」
などと恨み節が相次いだ。
一方で、
「甘い態度では選挙は更に厳しいものになった」(参院中堅)
と評価する声も強い。
不記載候補を比例名簿に載せれば比例の得票が減り、他の候補の比例復活の道が狭まるからだ。
「党内融和を取って、党全体が沈むなんてことがあってはならない」。
決断の後、首相は周囲に語り、こう続けた。
「批判があるのも分かってる。その責任を負うのが俺の役目だ」

「衆院選で自・公敗れれば石破総裁の責任論に」阿比留論説委員が講演 愛媛「正論」懇話会
2024/10/10 19:05
https://www.sankei.com/article/20241010-CEX7L6AHZJM2PIBLBCWGLDPAGU/?outputType=theme_election2024
愛媛「正論」懇話会の第70回講演会が10日、松山市のANAクラウンプラザホテル松山で開かれ、産経新聞の阿比留瑠比論説委員兼政治部編集委員が
「新内閣の使命」
と題して講演した。
阿比留氏は、石破茂自民党総裁が首相就任からわずか8日後に衆議院を解散したことに触れ
「総裁選での公約も次々と翻している」
「何をする内閣かが見えない」
と批判。
27日投開票の衆院選については
「情勢はまだ読めないが、政権選択選挙で自・公が敗れれば石破総裁の責任論に発展する」
との見通しを示した。
また、仮に与党が過半数を占める結果になったとしても、派閥パーティー収入不記載事件を受けて決めた一部候補者の非公認や比例代表への重複禁止措置で
「相当の禍根が残っている」
「自民党内で色々なことが滞って進まないのではないか」
と述べた。

自民が公約発表、政策活動費「廃止念頭」 台湾有事に危機感、安定的な皇位継承言及せず
2024/10/10 18:45
https://www.sankei.com/article/20241010-7PQ7L5U4KVIOVNNZVT5DCQ6R2A/?outputType=theme_election2024
自民党は10日、衆院選の公約を発表した。
派閥のパーティー収入不記載事件を踏まえ
「厳しい反省と強い倫理観の下、不断の政治改革、党改革に取り組む」
と打ち出した。
党が、党幹部らに支給し、使途の報告義務がない政策活動費について
「将来的な廃止も念頭に透明性を確保する」
と明記した。
一方、安定的な皇位継承の在り方に関しては言及しなかった。
公約は、
@ルールを守る
A暮らしを守る
B国を守り、国民を守る
C未来を守る
D地方を守る
E新たな時代を切り拓く(ひらく)
の6本柱で構成した。
「政治とカネ」
に関しては、国会議員に月額100万円支給される
「調査研究広報滞在費」(旧文書通信交通滞在費)
の使途公開や未使用分の国庫返納も盛り込んだ。
経済政策は、岸田文雄前首相が進めてきた
「成長と分配の好循環」
路線を維持し、
「デフレ脱却最優先の経済・財政運営を行う」
と訴えた。
物価高騰対策として低所得者世帯への給付金支給などを記載。
「地方創生」
の取り組みでは、自治体への交付金の倍増を目指すと掲げた。
安全保障政策では
「台湾有事が現実の課題となりつつある」
と言及し、防衛力強化を進めると強調した。
憲法改正を巡っては
「憲法改正原案の発議を行い、国民投票を実施し、改正を早期に実現する」
と訴えた。
また、防災対策強化に向け
「防災庁」
設置へ準備を進めると主張した。

石破茂首相「申し上げたことは一度もない」、不記載議員原則公認報道は取材なし 党首討論
2024/10/10 12:40
https://www.sankei.com/article/20241010-I7VEIODQ4NBVPO4DGJV5PQIAUY/?outputType=theme_election2024
石破茂首相(自民党総裁)は9日、立憲民主党の野田佳彦代表との党首討論で、派閥パーティー収入不記載事件で処分を受けた前議員らについて、自身が衆院選(15日公示、27日投開票)で原則公認する方針を固めたとの一部報道を否定した。
「全員を公認するとか私は申し上げたことは1度もない」
と述べ、自身への取材はなかったことも明らかにした。
党首討論に先立ち、自民は不記載事件を受けて、4月に処分した前議員を含む12人の公認を見送る方針を決めた。
一方、朝日新聞などは今月4日付で、首相が不記載事件で処分を受けた前議員らを原則公認し、比例代表との重複立候補も認める方針を固めたと報じた。
その際は再発防止策を講じる誓約書を提出させるとした。
こうした経緯から、野田氏は不記載事件に関わった前議員らの公認を巡り、
「いわゆる裏金に関わった議員を全員公認し、全員重複立候補させ、誓約書を書かせるのが最初の方針だったのではないか」
「二転三転、右往左往しながら決めた」
「(報道を受けて)批判が強いから、厳しいような対応に見せているということではないか」
質した。
首相は、
「全員を重複で認めるとか、誓約書を取るとか、私はそのようなことは申し上げたことは1度もない」
と重ねて否定。
「報道には石破茂首相、自民党総裁(が方針を固めた)と書いていた」
「そのような取材を受けたことは1度もない」
「報道はどういう根拠に基づいたか知らないが、そういうことは一切ない」
と強調した。
「森山裕幹事長、小泉進次郎選対委員長、今回の決定に関わった誰かが、そういう取材を受けた事実はない」
とも語った。
野田氏も
「全員公認するかどうかという報道が流れたことは、これはご自身の考えではなかったと」
「それはその通りとして認めましょう」
と応じた。

自民、「裏金議員」原則公認へ 衆院選で比例重複も容認、首相方針
2024年10月3日 20時59分
https://www.asahi.com/articles/ASSB33HGLSB3UTFK00ZM.html?msockid=03bbc426d8756d821927d643d90f6c0f
石破茂首相(自民党総裁)は、派閥の裏金事件で処分を受けた議員らについて、次期衆院選で原則公認する方針を固めた。
都道府県連の申請を受けて公認していく考えで、小選挙区の公認候補は比例代表との重複立候補も認める。
首相は6日にも、事件の中心だった安倍派幹部らから状況を聞くことを検討している。
首相は9日に衆院を解散し、15日公示、27日投開票の日程で総選挙を行う意向を表明済み。
一方、公認問題については総裁選の中で
「相応しい候補者か、党として責任を持たなければならない」
とし、公認しない可能性も示唆していた。
だが、総裁就任後は連立を組む公明党からの要請もあり、最速日程での衆院選を決断。公認手続きを急ぐ中、
「裏金議員」
は非公認としたうえで新たな候補を擁立する時間的余裕はなく、妥協する方向へ傾いたようだ。
■「選挙後に倒閣運動が起きる」 首相、押し込まれ「裏金議員」公認へ
党は4月、政治資金収支報告書への不記載があった39人を処分。
うち34人が8段階中4番目の
「選挙における非公認」
より軽い処分だった。
こうした経緯から、公認問題を蒸し返すことに反対する声が党内に根強くあり、首相が押し切られた面もある。
だが、裏金問題の対応は国民の理解を得られていない。
朝日新聞が1、2日に実施した世論調査(電話)では、実態解明を
「進めるべきだ」
と答えた人が75%だったのに対し、
「その必要はない」
は15%だった。
首相は1日の就任会見で
「国民が納得したという状況にはない」
とした上で、
「どうすればもう起こらないかの認識をきちんと伺いたい」
とも述べていた。
6日にも安倍派幹部らと面会し、直接確認したい考えだ。
党執行部も
「裏金議員」
の公認や比例重複を原則認める方向。その際、再発防止策を講じる誓約書を提出させる。野党側では立憲民主党を中心に、「裏金議員」の選挙区について候補を一本化する案が浮上している。

http://www.asyura2.com/24/senkyo295/msg/678.html#c9

[政治・選挙・NHK295] メディアが石破内閣叩く理由(植草一秀の『知られざる真実』) 赤かぶ
26. 秘密のアッコちゃん[721] lOmWp4LMg0GDYoNSgr@C4YLx 2024年10月12日 12:39:55 : fjTz2F981w : QTJUazdpaUhyT1U=[286]
<▽48行くらい>
高橋洋一「日本の解き方」
「最低賃金1500円」の幻想、石破政権の左派政策は失敗する 理念先行で具体的手順なし 安倍元首相は「リアル」を先に考えていた
2024.10/8 11:00
https://www.zakzak.co.jp/article/20241008-ELQ3QD4Z7FJLXDZ7GEA47GK5RY/
石破茂首相は
「2020年代に最低賃金平均1500円を目指す」
と表明した。
果たして実現可能なのだろうか。
無理に引き上げた場合、何が起こるだろうか。
政権発足から短期間で、石破政権が
「左派」
であることが誰の目にも明らかになった。
左派政党は
「雇用重視」
だ。
しかし、実際には雇用を作る根本原理が分からず、目に見えやすい賃金に話が行きがちだ。
雇用を作るため重要なのは金融政策なのだが、金利の引き下げが
「モノへの設備投資」
を増やすと共に、
「人への投資」
である雇用を増やすことを左派の人は分からない。
韓国の文在寅(ムン・ジェイン)前政権も経済政策への理解が乏しい左派だった。
2018年1月、最低賃金を16・4%引き上げた。
その結果、3.6%だった失業率は、1年後には4.4%まで上昇した。
かつての民主党政権も失敗した。
2010年当時、前年の失業率などから導かれる無理のない引き上げ率はせいぜい0.3%程度だったが、2.4%も引き上げてしまった。
結果として雇用の悪化に繋がり、民主党時代、就業者数は30万人程減少した。
金融政策を重視した第2次安倍晋三政権で300万人以上も増加したのと対照的だ。
石破政権も、これらの左派政権と同じ運命になるだろう。
2029年に1500円にするためには5年連続で7.4%の引き上げが必要だが、1980年以降の実績は、最高でも6.9%で、平均2.6%だ。
石破政権の目標はまず達成できないだろう。
最低賃金の引き上げ率をどの程度にできるかというのは、基本的に前年のインフレ率と失業率に依存する。
ただし、失業率には下限がある。
詳しい算式は省略するが、失業率の下限を2%台半ばとすると、石破政権の目標を達成するためには、インフレ率を5年連続で2桁以上にしないと無理である。
石破政権には、このような計算をする専門家はいないのだろうか。
安倍政権当時、首相から筆者には、最低賃金をどれくらいまで引き上げられるかというご下問≠ェ毎年のようにあった。
これは、インフレ率と失業率の関係を示すフィリップス関係の簡単な応用問題なので、いつでもすぐに答えられるようにしていた。
前述の必要なインフレ率はこの公式を使って得られたものだ。
2019年7月の参院選において、立憲民主党は
「5年以内に最低賃金を1300円に引き上げる」
という公約を掲げた。
れいわ新選組は
「1500円」
だった。
立憲民主やれいわが政権を取る可能性は小さいので余り心配することはないが、まさか政権党から似たような政策が出てくるとは驚いた。
左派は最低賃金引き上げという理念が先にきて、その達成の手順を考えない。
安倍元首相は最低賃金引き上げがどこまで無理なくできるかという
「リアル」
を先に考えていた。
石破政権は先に理念ありきで、リアルな具体的な手順のない典型的な左派なので、このままやろうとすると、文政権や民主党政権のように失敗するだろう。 (元内閣参事官・嘉悦大教授、高橋洋一)

http://www.asyura2.com/24/senkyo295/msg/679.html#c26
[政治・選挙・NHK295] 日本被団協にノーベル平和賞 「核兵器なき世界の実現へ努力」(毎日新聞) 赤かぶ
63. 秘密のアッコちゃん[722] lOmWp4LMg0GDYoNSgr@C4YLx 2024年10月12日 15:01:46 : fjTz2F981w : QTJUazdpaUhyT1U=[287]
<■163行くらい→右の▽クリックで次のコメントにジャンプ可>
母子刺傷「偶発的な事件」との説明変えず 中国・蘇州市長が日本総領事に説明
2024/10/12 13:45
https://www.sankei.com/article/20241012-TELPIGGJDZJ6LBGW6V22CDL5CM/
中国江蘇省蘇州市で6月に日本人母子らが中国人の男に切り付けられた事件で、在上海日本総領事館は12日、呉慶文市長が11日に岡田勝総領事と会談した際
「偶発的な事件と考えている」
と従来の説明を繰り返したと明らかにした。
呉氏は事件は調査中で進展があれば日本側に情報を伝えると述べた。
総領事館によると、岡田氏は呉氏に
「在留邦人の安全確保は全ての交流の基礎だ」
と伝え、安全確保と事件の背景を含む詳細な情報の速やかな共有を強く要請した。
日本メディアによる会談の取材は蘇州市が拒否したため実現せず、会談に関する書面での公式発表もしなかった。
蘇州市では6月24日、スクールバスを待っていた日本人の未就学男児と母親が男に刃物で切り付けられて負傷し、バスの案内係の中国人女性が刺されて死亡した。
当局が男を拘束したが、動機は明らかにされていない。(共同)

中国・深圳の日本人男児刺殺 台湾「偶発的な個別事案でない」 英「日本企業動揺させた」
世界の論点
2024/9/30 10:00
https://www.sankei.com/article/20240930-KYR7JANRORPLHHW643P3AOKMFA/
中国広東省深圳市で18日、日本人学校に通う男児が男に刺殺される事件が発生した。
台湾では、長年の中国での反日教育が事件発生の背景にあるとの指摘が出ている他、中国での民族主義拡大が台湾併吞に繋がるとの懸念も強まっている。
英メディアは中国に進出する日本企業を強く動揺させている現状を指摘した。

■外国敵視の「現代版義和団」(台湾)
日本人男児が刺殺された18日は、満州事変の発端となった柳条湖事件から93年に当たり、中国で
「国恥日」
とされる日だった。
台湾紙の聯合報(電子版)は19日の論評で
「歴史的な憎しみが過激な行為を助長したと多くの中国人ネットユーザーは認識している」
と論じ、中国の交流サイト(SNS)に事件を巡り
「他人の不幸を喜ぶ」
ような投稿があることも紹介した。
論評は中国が近年、国恥日を巡る宣伝を繰り返し強調していることに触れ、歴史問題がネット上で議論になると
「常に現代日本人に対する民族的憎悪に変化していく」
と分析。
更に事件の背景として、中国動画投稿アプリ
「抖音(ドウイン)」
に、中国各地の日本人学校を撮影し
「日本に中国の土地が占領されている」
との不満を訴える動画が数多く存在していたことを指摘した。
これらの学校は合法的に設立されたにもかかわらず、動画では
「中国人は学校に入れない」
「校内で何が教育されているのか分からない」
といった疑念が強調されていた。
一方、台湾紙の自由時報は23日付の社説で
「中国共産党が長期に渡り植え付けてきた民族主義と外国敵視教育が、遂に悲劇を引き起こした」
と論じた。
社説は、在中日本人らに対する一連の暴力事件について
「偶発的な個別的事案では絶対にない」
「長年の外国憎悪教育に煽り立てられた義和団的心理が引き起こした」
と断じ、19世紀末の清朝末期に発生した秘密結社による外国排斥運動になぞらえた。
中国共産党が第二次大戦後に
「日本の経済支援を求めながら、一方では中国人に対日憎悪の感情を注ぎ込み、日本を極悪非道で許すことが出来ない敵に仕立て上げた」
と批判。
共産党の反日教育の下、日本が
「邪悪な国家」
として
「中国の内部矛盾と対立を転嫁するスケープゴート」
になり、
「狂気じみた対日憎悪の空気が、日本の男児が殺される悲劇を招いた」
と結論付けた。
こうした状況は台湾にとっても他人事ではない。
「中国共産党による文攻武嚇(言葉での攻撃と武力による威嚇)の標的である台湾は、こうした中国の民族主義の拡大とその衝撃を特に重視しなければならない」
と社説は言う。
独裁者が民族主義を強調した末に侵略の道を歩んだ例としてヒトラーのナチス・ドイツを挙げた上で、中国の習近平国家主席も
「中華民族の偉大な復興の名の下に民族主義を煽り、外国敵視の現代版義和団を再現させ、日本に狙いを定め、台湾を併吞して中国の覇権を完成させようとしている」
と危機感を示した。

■日本社会や企業に強い動揺(欧米)
日本人男児が刺殺された事件は、6月に自国の教員が吉林省で襲撃された米国でも詳しく報じられている。
蘇州で同月に起きた日本人母子襲撃も含めて中国ではこの数カ月、外国人を狙った事件が相次ぐ。
背景について米メディアは、中国の交流サイト(SNS)などで
「外国人ヘイト」
が蔓延している問題を指摘。
「経済特区」
の深圳には外国企業が多数進出しており、英メディアは経済的影響に言及した。
「中国では公共の場で外国人が襲われることはほぼなかったが、この数カ月で刺傷事件が相次ぎ、不安感が高まっている」。
事件を受けて米CNNテレビ(電子版)はこう報じた上で、中国では近年、
「官製メディアの影響で反日感情が高まっている」
と指摘。
日本人学校が
「過激な民族主義者からの批判と疑いの目に直面している」
とした。
米ブルームバーグ通信は、中国当局が公開する情報が少ないことを問題視。
今回の事件により、
「歴史的な遺恨や領土問題などで緊張している両国の関係にダメージを与える可能性が高い」
と報じた。
米メディアが今回の事件を詳細に報道するのは、6月に吉林省の公園で、米アイオワ州の大学教員4人が男に刃物で刺され負傷した事件があったためだ。
ところがこの時も中国政府は詳細を公開せず、あくまで
「偶発的な事件」
と主張した。
バーンズ駐中国大使は米紙ニューヨーク・タイムズ(NYT)の取材に対し、
「透明性の欠如に不満を抱いており、中国政府に懸念を伝えた」
と述べ、捜査や情報開示の在り方を非難した。
なぜ中国で反日・反米感情が高まっているのか。
その根源は、外国人への嫌悪を組織的に煽ろうとする中国政府にある、とNYTは強調する。
同紙は中国のネット世論の現状を
「日本と米国、ユダヤ人、アフリカ人へのヘイトスピーチで溢れている」
と分析。
中国は
「世界最強の検閲システム」
を持ち、自国への批判に極めて敏感なのに対し、日米などに対しては
「この種のヘイトや誤情報を容認し、奨励さえする言論空間を構築している」
と批判した。
一方、香港に隣接する深圳にはIT企業が多数進出し、多くの日本企業の駐在員やその家族が暮らす。
英BBC放送は
「国際的なハイテク都市である深圳でこのような事件が発生した事実は、日中の双方を神経質にさせる」
と警告。
英紙フィナンシャル・タイムズも、日本企業が駐在員家族の一時帰国費用を負担するなどの措置を講じたことを報道。
「事件は中国に対する最大の海外投資国の1つである日本社会と企業を強く動揺させた」
とした。
■ポイント
・台湾紙「偶発的な個別的事案ではない」
・中国の民族主義拡大で台湾併吞懸念の声も
・米大教員刺傷事件の詳細未発表に強い不満
・英紙「日本社会や企業を動揺させている」

蘇州の日本人母子切り付け 中国警察当局、52歳無職男を刑事拘留 日本人学校は休校に
2024/6/25 19:29
https://www.sankei.com/article/20240625-YYD3HZUAP5MF5BFNLWQAVEDTDE/
中国東部の江蘇省蘇州市で24日、日本人の母子が刃物で切り付けられて負傷した事件で、現地の警察当局は25日、現場で身柄を確保された中国人の無職男(52)を刑事拘留したと発表した。
在中国日本大使館は同日深夜、在留邦人に注意を呼び掛け、蘇州の日本人学校は25日は休校とした。
中国外務省の毛寧(もう・ねい)報道官25日の記者会見で
「このような事が起きたことに遺憾の意を表する」
と述べた。
警察が
「偶発的な事件」
という初期段階の判断を下していることを明らかにした。
日本政府関係者などによると、30代の母親と未就学の男児が蘇州のバス停で日本人学校のスクールバスを待っていたところ、中国人とみられる男に刃物で襲われた。
母子は病院に搬送されたが、命に別条はないという。
現時点で動機は明らかになっておらず、日本人を標的にしたとの明確な情報は確認されていない。
在上海日本総領事館の担当者が現地で情報収集などに当たっている。
現場にいたスクールバスの案内係の中国人女性も切り付けられて重体という。
女性が襲われた母子を庇ったところ、刃物で切り付けられたとの情報もある。
日本大使館は在留邦人に対し、
「最近、中国各地で人の集まる場所における刺傷事件が発生している」
と注意喚起した。
中国では不動産不況を背景に経済成長が鈍化し、庶民の雇用・所得環境が悪化。
社会不安に繋がることが懸念されている。
今月10日には東北部、吉林省吉林市の公園で、米コーネル・カレッジから同市の大学に派遣されている教員4人が刃物で刺され負傷する事件も起きている。
毛氏は25日の会見で
「このような偶発的な事件は世界の如何なる国でも起こり得る」
と主張した。
蘇州(人口約1295万人)は江蘇省南部の商工業都市で、上海市から高速鉄道で約30分と近い。
日系企業を含む各国のメーカーなど多数が進出している。
2023年10月時点で、蘇州居住の邦人は約5300人。

中国で日本人母子が男に切り付けられる 病院搬送 日本大使館が邦人に注意呼びかけ
2024/6/25 6:55
https://www.sankei.com/article/20240625-PKFQ367I4BNCBE64XNHCB5F5V4/
中国東部の江蘇省蘇州市で24日、日本人の母子が刃物で切り付けられ負傷した。
在中国日本大使館は同日深夜、在留邦人に対し
「外出の際は周囲の状況にくれぐれも留意」
するよう注意を呼び掛けた。
日本政府関係者によると、30代の母親と未就学の男児が蘇州のバス停で日本人学校のスクールバスを待っていたところ、中国人とみられる男に刃物で襲われた。
母子は病院に搬送されたが、命に別条はないという。
容疑者は現場で当局に身柄を確保された。
日本人を標的にしたとの明確な情報は現時点で確認されていないという。
在上海日本総領事館が現地で情報収集などに当たっている。
現場にいたスクールバスの案内係の中国人女性も切り付けられ重体という。
女性が母子を庇ったところ、刃物で切り付けられたという情報もある。
蘇州の日本人学校は25日、休校となった。
中国各地にある日本人学校も警備を強化している。
日本大使館は在留邦人に対し、
「最近、中国各地で人の集まる場所における刺傷事件が発生している」
と注意喚起を行った。
中国では不動産不況を背景に経済成長が鈍化し、庶民の雇用・所得環境が悪化。
社会不安に繋がることが懸念されている。
蘇州は江蘇省南部の商工業都市で、上海市から高速鉄道で約30分と近い。
人口は約1295万人。
日系企業を含む各国のメーカーなど多数が進出している。
2023年10月時点で、蘇州居住の邦人は約5300人。

http://www.asyura2.com/24/senkyo295/msg/681.html#c63

[政治・選挙・NHK295] 非公認十数人の猿芝居 党利党略、裏金・統一教会 みそぎ解散に鉄槌を(日刊ゲンダイ)  赤かぶ
26. 秘密のアッコちゃん[723] lOmWp4LMg0GDYoNSgr@C4YLx 2024年10月12日 20:34:34 : fjTz2F981w : QTJUazdpaUhyT1U=[288]
<■1832行くらい→右の▽クリックで次のコメントにジャンプ可>
中国深圳の日本人学校で通学再開へ 男児刺殺事件
2024/10/12 20:16
https://www.sankei.com/article/20241012-UEKGL6LLEBKMBKF6UTX3ZBITEI/
中国広東省深圳で日本人の男子児童(10)が刺殺された事件で、男児が通っていた日本人学校が14日から児童、生徒の通学を再開することが12日、関係者の話で分かった。
一時帰国したり、登校を怖がったりする子どもが少なくないため、オンラインでの授業も継続する。
事件は9月18日朝に発生。
登校中に刺された男児は病院で治療を受けたが、19日未明に死亡した。
警察は容疑者の男を現場で拘束した。
日本人を狙った犯行との見方がある。
中国当局は犯行動機などを明らかにせず
「偶発的な個別事案」
と説明している。(共同)

ネット上で「反日」拡大も 不適切投稿即削除の中国政府は黙認£j児刺殺事件は「日本」標的の可能性、SNS上で煽られたか
2024.9/28 10:00
https://www.zakzak.co.jp/article/20240928-Q5J4VE4HDRP3ZI4NDGZCC4FNIQ/
中国広東省深圳市で18日朝、日本人学校に登校中の男子児童(10)が男に刺された。
現地の当局者によると、男は鋭利な刃物で男児の腹部を複数回刺し、刃物は肝臓を貫通した。]
男児は近くの病院に運ばれて集中治療室(ICU)で治療を受けたが、出血多量で19日未明に死亡した。
深圳市は20日、地元警察の捜査結果を発表した。
男は44歳の漢族で定職はなく、2019年に公共の秩序を乱す事件を起こすなど、複数の前科があるという。
男は調べに対し、男児を刺したことを認めている。
警察は
「単独犯で偶発的な事件」
だったと強調し、日本人を狙った事件ではないことを示唆した。
しかし、
「日本」
をターゲットにした可能性が高いと筆者はみている。
事件が起きた18日は93年前、満洲(現在の中国東北部)の柳条湖付近(遼寧省瀋陽市近郊)で、関東軍が南満洲鉄道の線路を爆破する事件が起きた。
中国では
「国辱の日」
とされ、反日感情が最も高まる日だからだ。
さらに最近、中国のSNS上では、日本人への差別的な投稿が増えている。
特に日本人学校には
「日本政府のスパイ養成学校」

「租界」
などと根拠のない書き込みが目立つ。
インフルエンサーが日本人学校の校舎内や登下校する児童を盗撮する動画が人気を集めたりもしている。
こうした投稿を鵜呑みにした中国人による、各地の日本人学校への投石などの嫌がらせも相次いでいる。
中国政府はSNSを厳しく監視しており、不適切な投稿はすぐ削除される。
にもかかわらず、日本に関する事実無根な書き込みが放置されているのは、中国政府が事実上黙認しているといってもいい。
今年2024年6月には中国江蘇省蘇州で日本人学校のスクールバスが、刃物を持った男に襲われ、日本人親子がけがをする事件が起きている。
日本人学校関係者が相次いで襲撃される事件が起きていることは、SNS上で煽られた言説とは無関係とは言えないだろう。
中国では、2005年と2010年、2012年と
「反日デモ」
が起きている。
筆者も北京特派員時代、デモ隊に交じって取材したことがある。
緊張感はほとんどなく、参加者は大型バスで現場に乗り付けていた。
デモ後は
「紅包」
と呼ばれる赤い袋に入った謝金を受けとっている場面を何度も目撃した。
いわば政府が動員した
「官製デモ」
だったのだ。
今回の事件については、政府が関与していた可能性はほぼないだろう。
むしろ江沢民政権が1990年代に始めた
「愛国教育」
により煽られた反日感情がきっかけになったとみている。
それがSNSが触媒となって燃え広がり、政府もコントロールできなくなっているのが現状だろう。
中国において日本人学校を狙った類似の事件が起こる可能性を強く懸念している。
日本政府は事件の真相解明を中国政府に求めるとともに、SNS上の反日的な投稿の削除を強く求めるべきだ。
そして、外務省が出す渡航・滞在の
「危険情報」
についても、中国は現在、新疆ウイグル、チベット両自治区を除き
「レベルゼロ」
となっている。
この危険情報の引き上げも検討する時だ。 

新総裁はまず中国に謝罪要求を
政界十六夜 石井聡
2024/9/27 12:00
https://www.sankei.com/article/20240927-OC4UYPAOARJM5N5JZHU5E7CSDM/
15日間の選挙戦を経て第28代自民党総裁が誕生する。次期首相の座を掴み、高揚した気分で言いたいことは色々とあるだろうが、真っ先に手がけてほしいことの1つは、中国に対して厳重抗議し、公式な謝罪を要求することだ。
言うまでもなく、広東省深圳で今月18日、日本人学校に通う小学生の男児(10)が44歳の男に刺されて負傷し、翌19日に死亡した事件についてである。
総裁選候補者の1人だった上川陽子外相は
「卑劣な行為で誠に遺憾だ」
「深い悲しみを禁じ得ない」
と事件直後に述べた。岡野正敬外務事務
次官は呉江浩駐日大使を呼んで
「深刻な憂慮」
を伝えたという。
だが、これらが外交的な用語として用いられているのだとしたら、何とも生温い。
相手にどれだけ日本人の怒りと恐れが伝わるのだろうか。
上川氏は米ニューヨークで王毅外相と会談して、早期の事実解明や犯人の厳正な処罰などを求めたものの、先方からは
「偶発的な個別事案」
とかわされ、
「政治化を避けるべきだ」
とまで言われた。
聞き捨てならない。
6月に江蘇省蘇州で日本人学校のスクールバスが襲われ、日本人の親子らが怪我をした事件に際しても、日本は安全確保を求めている。
しかし、同種の事件が再発した。
中国政府が効果的な手を打っていないことを示している。
つまり、今回の事件は中国側の怠惰と事件軽視が引き起こした側面がある。
国家の体をなしていない点を厳しく非難すべきだ。
そう考えれば、日本が直ちに行うべきことは自明である。
中国政府に対する厳重抗議と謝罪要求だ。
警備強化や安全確保といった点を指摘するのはもっともらしく聞こえるが、それだけでは一般的な刑事事件の1つとして問題を矮小化することに手を貸しかねない。
哀悼を口にしながら
「類似の事件はどの国でも起きる」(中国外務省報道官)
と言い放つ国であることを忘れてはなるまい。
日本人や日本人学校をターゲットにした事件についての報道が、制限を受けていると指摘される点も見逃せない。
中国側では事件が偶発的なものであるとの釈明や報道もみられる。
たまたま日本人学校が続けて狙われた、などという話を真に受けるわけにはいかない。
このような状況を放置しておきながら、政府にとって都合のいいように国民への情報を操作し、強権的にメディアをコントロールする。
共産主義の独裁体制の弊害を象徴するものとして、改めて国際的な問題であると位置付ける必要がある。
6月には吉林省で米国人の大学講師4人が刃物で刺され負傷する事件もあった。
体制や価値観の違いが外国人の命を脅かし、奪っているのだ。
その点を、日本は国際社会に訴えていくことが必要ではないか。
事件への初期的な対応は岸田文雄政権の下で既に取られたとはいえ、新総裁が改めて問題提起し、謝罪を求めることに何ら遠慮は要らない。
むしろ、中国には
「うるさい奴が出てきた」
と最初に思わせることが肝要だろう。
総裁選候補の中には
「親中派」
と目される人物も含まれていた。
だが、新総裁がこの問題で口を噤んでいれば、親中派でも対中強硬派でも大差はない、と相手に足元を見られることになる。

中国広州の日本人学校、全スクールバスに警備員が同乗へ 深圳の男児刺殺を受けて対応
2024/9/27 7:24
https://www.sankei.com/article/20240927-HL6D55HJOFLF7CEF6ZL4J4RVXE/
中国広東省深圳で日本人男子児童(10)が中国人の男に刺殺された事件を受け、同省広州市の日本人学校は児童生徒を送迎する全てのスクールバスに警備員を同乗させる方針を決めた。
関係者が26日明らかにした。
国慶節(建国記念日)の連休明けの10月8日から、運行する13コースのバス全てに警備員1人を同乗させる。
同校には徒歩通学者はおらず、多くがスクールバスで登下校している。
来年3月末までの700万〜800万円ほどの費用は、広州日本商工会が主体となる学校の理事会が負担するという。
江蘇省蘇州市では6月、日本人学校のスクールバスを待っていた日本人母子が刃物で切り付けられる事件が発生し、バスに警備員を乗車させる措置をとった。(共同)

中国での日本人男児殺害「日本政府は毅然と対応せよ」 千葉県議会で3議員が意見書提出
2024/9/26 17:58
https://www.sankei.com/article/20240926-N3AML2P7XROOROU2JDZVSDHWDE/
千葉県議会の会派「千葉新政策議員団」(6人)のうち松戸隆政、田沼隆志の両氏と「有志の会」の折本龍則氏の計3人が、中国広東省深圳で日本人学校に通う日本人男子児童(10)が死亡した事件を巡り、中国側に毅然とした対応を日本政府に求める意見書を22日付で滝田敏幸議長に提出したことが分かった。
意見書では、中国当局が事件の犯行動機や背景を明らかにせず、隠蔽したまま幕引きを図ろうとしていると問題視。
日本政府は6月に江蘇省蘇州市で起きた日本人母子が襲撃された事件でも、現地当局に再発防止などを求めながら、今回の事件を防げなかったと指摘した。
その上で、中国側が事実関係を早急に説明し、再発防止の具体策を講じることや、事件に関する情報を統制せず、真実を適正に報道するよう日本政府は求めるべきだと訴えた。
事件の背景にあるとされる長年の反日教育を中国側に改めるよう、日本側から求めるべきだとも主張した。
意見書では、こうした日本側の要求に中国から誠実な対応が得られなければ中国への渡航危険レベルを引き上げるなど、邦人保護に必要な措置を講じることも日本政府に要望した。
意見書は10月4日の総合企画企業常任委員会で反対者が出なければ、同月9日の本会議で採決される。

金杉憲治氏・駐中国大使、中国の地方幹部に邦人の安全確保求める 男児刺殺事件受け
2024/9/26 15:47
https://www.sankei.com/article/20240926-BJ466QJI4ROLNCS4DS2PWZLIRQ/
金杉憲治・駐中国日本大使は26日、中国遼寧省の省都・瀋陽市で、同市幹部の王永威・同市共産党委員会副書記と会談した。
日本大使館によると、金杉氏は中国広東省深圳市で日本人男子児童が刺殺された事件について、
「全ての在留邦人に大きな衝撃をもたらした」
と強調し、瀋陽にある日本人の児童らが学ぶ補習校の警備強化など在留邦人の安全確保を求めた。
金杉氏は、会談で
「在留邦人と日本企業にとって第1の課題は安心と安全だ」
と訴えた。
また、中国のインターネット上で
「日本に対する極端な言論」
が存在していると指摘し、中国側に対応を求めた。
王氏からは
「日本人や日本企業、その他の外国人も等しく保護する」
という反応があったという。
王氏は事件について、
「個別の案件」
だという中国政府の見解を示した。
金杉氏に対し、日本企業による瀋陽への投資を呼び掛けた。
金杉氏は24〜26日に遼寧省の大連市と瀋陽を訪問した。
大連市トップの熊茂平・市共産党委員会書記、遼寧省トップの郝鵬・省共産党委員会書記とも会談した。
いずれの会談でも深圳の事件に関する懸念を伝達し、在留邦人の安全確保や日本人学校の警備強化などを求めた。
中国東北部に位置する遼寧省は日本との経済関係が深く、省内には1800社超の日系企業が進出し、3500人超の日本人が在留している。
中国東北部は歴史問題との関わりも深い。
満州事変の発端となった柳条湖事件は、昭和6(1931)年9月18日に奉天(現在の瀋陽)近郊で発生した。
男児刺殺事件当日が柳条湖事件から93年に当たり、金杉氏も26日の会談で事件が
「日中間で敏感」
とされる日に起きたと言及した。
事件後、瀋陽の日本総領事館は
「周囲に注意し、日本語で大声で話をする等は控える」
などと在留邦人らに注意を促している。

中国・深圳の日本人男児刺殺 「ねむたいこと」言うてる場合か 次の首相に臨む強い態度
直球&曲球 宮嶋茂樹
2024/9/26 10:00
https://www.sankei.com/article/20240926-Y57UXZRXSVPCBN26MJ4W6A6DGU/
中国・深圳で18日、日本人学校に通う10歳の男子児童が中国人の男に刺殺された。
大切に育ててこられた親御さんの悲しみと怒りは察してあまりある。
約3カ月前、蘇州でも日本人親子と中国人の3人が襲われたばかりや。
中国で暮らさざるを得ない在留邦人の不安は募るばかりやろう。
「外で日本語を話さないように」
「ランドセルをやめて日本人と分からないようにしよう」。
こんな防御手段を取るしかないんやで。
そんな今も東京・銀座の大通りを大声で中国語を話す家族連れが、でっかいキャリーバッグを引きずって闊歩しとるやないか。
大都市やリゾート地の不動産は中国人富裕層に買い占められて価格が暴騰、日本人が住めんようになっとるやないか。
それもそのはずや。
中国大陸じゃ新聞もテレビも日中関係を揺るがすこんな凶悪事件をほとんど報道せんどころか、中国政府のコメントは
「前科のある者の個別の事案であり、どこの国でも起こりうる」
ってまるで他人事や。
容疑者の犯行の動機や事件の詳細も一切、明らかにされん。
これじゃ亡くなった児童も浮かばれん。
遺族の悲しみも永遠に続くわ。
男の動機はワシでも推察でける。
事件の起きた9月18日は93年前、満州事変のきっかけとなった柳条湖事件の日や。
相手が日本やったら何をやっても
「愛国無罪」
どころか
「ヒーロー」
や。
今後、模倣犯が続出するのは必定。
これも中国政府が
「悪いことは、ぜーんぶ日本人のせい」
という反日教育を続けてきた成果≠竄ネいか。
何で日本人はもっと怒らんの?
岸田文雄首相も
「中国政府に説明を求める」
なんてねむたいこと′セうとる場合やないで。
中国政府が聞く耳持っとったらこんな事件が続発するはずないやろ。
もし逆やってみい。
中国はたちまち尖閣諸島、いや沖縄本島に攻め込んできよるで。
もう世が世なら国交断絶のきっかけになってもおかしないくらい酷い事件である。
「中国政府の態度次第では大使召還も辞さない」。
次の首相には、これくらい強い態度を示す人になってもらいたいもんや。

<主張>日本人児童刺殺 中国政府の態度は誤りだ
社説
2024/9/26 5:00
https://www.sankei.com/article/20240926-Z5CMF3YNN5N2DNEWG6VIYGEZSA/
中国広東省深圳市で日本人学校に通う10歳の男子児童が中国人に刺殺された事件から1週間が経った。
23日には米ニューヨークで日中外相会談が開かれた。
そこでの王毅中国共産党政治局員兼外相の発言には本当に驚いた。
突然の凶行に未来を奪われた男児と遺族へのこまやかなお悔やみの言葉もないまま、
「冷静に事件を扱い、政治化を避けるべきだ」
と日本側に注文を付けたからだ。
王氏は刺殺事件を
「個別の事案」
として調査、処理するとし、犯行動機について説明しなかった。
日本国民の不安と憤りを理解せず、日本に説教するような態度は傲慢で容認できるものではない。
上川陽子外相が犯行動機を含む早期の事実解明と中国在留日本人の安全確保対策を要求したのは当然だ。
上川氏は根拠のない悪質で反日的な中国のSNS投稿の取り締まりも求めたが、王氏は約束しなかった。
中国外務省報道官はSNS上の投稿と刺殺事件を結び付けることに反対している。
反日教育が事件の背景にあるとの見方には、
「中国に『仇日(日本を恨む)教育』はない」
と主張し、中国の安全リスクが日本で騒ぎ立てられていると反発した。
中国の治安に責任を有する同国政府が、日本人児童刺殺事件を偶発的事件としか位置付けないことを強く懸念する。
事件への深刻な反省なしに十分な安全対策が生まれるとは考えられない。
中国から日本人が帰国する動きがあるのは当たり前だ。
なぜ中国は犯行の動機を情報公開しないのか。
日本人が標的になった点を隠蔽していると疑われても仕方あるまい。
中国共産党政権は統治の正当性を宣伝するため、愛国教育の名の下に反日教育を続けてきた。
犯行動機を公表すれば、中国政府の責任が明らかになることを恐れているのではないか。
東京にある中国大使館は日本在留の自国民と日本を旅行する自国民に対し
「情勢を鑑みて警戒意識を高め安全を確保」
するようホームページで注意を促した。
一方、日本の外務省は刺殺事件後、中国滞在者や渡航者に注意喚起をしたが、渡航警戒レベルは
「レベルゼロ」
に据え置いている。
これでは中国政府へ日本の怒りは伝わらない。
日本国民のために働くべきだ。

日本人男児刺殺で金杉憲治大使「対中ビジネスは岐路に」 遼寧省トップに懸念を表明
2024/9/25 19:06
https://www.sankei.com/article/20240925-YRZPX5UIKZIS5LA2UMR26WH2N4/
金杉憲治駐中国大使は25日、中国遼寧省瀋陽市を訪問し、同省トップの郝鵬・省共産党委員会書記と会談した。
広東省深圳市で邦人男児が刺殺された事件に懸念を表明し
「日本の対中ビジネスは大きな岐路にある」
「状況は極めて深刻だ」
と述べた。
郝氏は
「極めて遺憾だ」
「不法行為は決して許されない」
と語った。
同行筋が明らかにした。
金杉氏は会談冒頭、経済貿易や人的交流で遼寧省との協力を進めていく上で
「在留邦人の安全確保は基本中の基本だ」
と強調し、日本人学校の警備強化を要請した。
郝氏は
「日本人を含む外国人の安心安全に責任を負っている」
と応じた。
金杉氏は、満州事変の発端となった柳条湖事件から93年となり反日感情が高まっていた今月18日に刺殺事件が起きたと言及、在留邦人に不安が広がっていると説明した。
18日には、柳条湖事件が発生した瀋陽市をはじめ各地で記念行事が開かれていた。(共同)

深セン事件で愛国行為≠ノ反省求める大学教授の記事が謎の削除
2024年9月25日 11:42
https://www.tokyo-sports.co.jp/articles/-/317899
中国・広東省深セン市での邦人男児の刺殺について論じ、愛国的な残虐行為に対する反省を求めた中国の学者の記事が削除された。
香港メディア・東網が2024年9月24日、報じた。
政法大学の趙宏教授と陳碧准教授は連名で2024年9月21日、
「亡くなった子供たちのために何ができるか?」
と題する記事をネットに発表し、愛国主義≠フ旗印の下で如何なる残虐なプロパガンダも容認しないことを提案した。
事件後、中国のSNSに暴言が書き込まれたことについて、その原因を
「不合理なヘイト教育」
に帰していると述べた。
そして、声を上げないことは、
「私たち全員が共犯だ」
と訴えた。
しかし、投稿はすぐに削除された。
また、日本の着物や浴衣を着ていると当局によって拘束されることがあると指摘し、
「これは愛国心が利用されていることを示しており、着物の名の下にどれだけ多くの悪行がなされているか」
として、当局の行為を懸念している。
「一般人にとって常識と良心こそが文明と自分自身を守るための唯一の武器である」
ことを強調し、苦労して勝ち取った文化を放棄しないよう呼び掛けている。
この記事は広く拡散され、大きな反響を呼んだが、愛国主義者らからは疑問の声も上がったという。

深圳・日本人男児刺殺事件1週間 早期幕引き図る中国、現場付近の警備厳しく
2024/9/25 16:24
https://www.sankei.com/article/20240925-SN7NFOO5WNI6PFDG6CZS3CI34Y/
中国広東省深圳で日本人学校に通う日本人男子児童(10)が刺殺された事件から25日で1週間となった。
中国政府は
「偶発的な事件」
とし、日本側が求める動機や背景の説明に応じていない。
日本人を狙った犯行との見方が強いが、そうした懸念には応えず、早期の幕引きを図る姿勢を鮮明にしている。
■日本人の姿なく
深圳の日本人学校周辺では25日朝、パトカーや、私服を含む警察関係者が多数配置され、厳しい警備が敷かれていた。
現場付近では中国人の子供が多数登校していたが、日本人とみられる姿はない。
日本人学校ではオンライン授業が行われており、外出も控えているとみられる。
近くで商店を営む女性は
「事件後、警察関係者が増えた」
「子供を殺すなんて正常な人間では考えられない」
と憤った。
現場の歩道には血とみられる跡が今も薄く残る。
事件は18日朝に発生。
保護者と登校中だった男児が日本人学校から約200メートル離れた歩道で男に刃物で腹部などを刺され、近くの病院で手術を受けたが、19日未明に死亡が確認された。
現場から徒歩圏内の飲食店で働く地元の男性は
「日本人の子供が10人以上が来て、餃子を食べては中国語で『おいしい!』と言っていた」
「事件後は誰も来なくなったが、被害者はそのうちの1人じゃないかと心配だ」
と案じた。
■「敏感な日」関係か
容疑者の男(44)は現場で取り押さえられた。
定職はなく、過去2回、警察の拘束歴があるといったこと以外に人物像は明らかでない。
飲食店の女性店主は
「男については全く分からない」
と述べつつ、事件当日が満州事変の発端となった昭和6(1931)年の柳条湖事件から93年だったことを指摘し、
「敏感な日だったことが関係しているだろう」
との見方を示した。
現場付近では事件について
「知らない。報道で見たことがない」
という人が少なくない。
中国の主要メディアは当局の情報を伝えているが、目立たない扱いで、事件を知る人は限られる。
■「反日」ムードは?
中国政府は、日本人を狙った犯行なのかといった日本側が求める動機や背景の説明に応じていない。
6月に江蘇省蘇州市で起きた日本人学校のスクールバスを待っていた日本人母子が切り付けられて負傷した事件も、
「偶発的な事件」
として今も詳細を明らかにしていない。
中国側の不透明な態度が在留邦人の不安感を増大させている。
中国側が詳細を説明していないため
「反日」
感情が原因なのかは現時点で不明だが、中国のSNS(交流サイト)では日本人学校を
「スパイ養成学校」
などとするデマなどが放置され、広まってきた。
こうした論調が反日ムードを助長して事件にも影響したという見方は中国の一部にもある。
中国外務省報道官は23日に
「中国にいわゆる『仇日(日本を恨む)教育』はない」
と主張したが、同日には四川省内の地方政府幹部が通信アプリのグループチャットで
「我々の規律は日本人を殺すことだ」
などと発言したことを香港メディアが報じた。
今回の事件は中国における
「反日」
の深刻さを浮き彫りにもしている。

「日本への渡航、警戒を」中国大使館、男児殺害受け注意喚起 「デモや集会に近づかない」
2024/9/25 9:41
https://www.sankei.com/article/20240925-RHMKS7GHJROOBGA46EDOVG3FSQ/
自国民に安全確保を呼びかける在日本中国大使館のサイト
https://www.sankei.com/article/20240925-RHMKS7GHJROOBGA46EDOVG3FSQ/photo/EIL4OR35PNECZF7GK6TOZ6ZFOI/
在日本中国大使館は24日、日本に在留する自国民と訪日旅行を計画する自国民に対し、
「情勢を鑑みて、警戒意識を高め安全を確保」
するよう公式サイトで注意喚起した。
中国・深圳の日本人男児刺殺事件を受けた対応とみられる。
注意喚起は、10月1日の国慶節(建国記念日)に伴う大型連休を間近に控えているとして、日本での
「安全意識の徹底」
を呼び掛けたもの。
「地域の安全上のリスクに注意し、パレードやデモ、集会には近付かない」
「現地の法律や法規を遵守し、現地の風俗習慣を尊重する」
などと注意事項を列挙。
また、紛争が発生した場合は
「理性的に要求を表明し、交渉や法的手段を通じて正当な権利と利益を守る」
よう求めている。
渡航や滞在の安全情報を巡っては、日本の外務省が中国に対する
「危険情報」
の危険レベル
「ゼロ」
を維持したまま、中国国内での凶悪犯罪に注意を呼び掛ける
「スポット情報」
を出しているが、今回の注意喚起は中国側が日本国内でトラブルに巻き込まれないよう警戒する意図とみられる。

<正論>中国「脅威」に正対できる首相を 
東京大学教授・阿古智子
2024/9/25 8:00
https://www.sankei.com/article/20240925-6FWZP5UM3FKUVL5I3O57J4HP5E/
■尊い命が奪われる現実
9月18日、中国・深圳の日本人学校に登校中に刃物で襲われ、負傷した10歳の日本人の男子児童が亡くなった。
6月にも蘇州で、襲われた日本人学校の児童をかばおうとした中国人女性が死亡している。
日本人学校を狙った事件が連続し、次々に尊い生命が奪われる現実を前に、憤りと悲しみを抑えることができない。
報道が規制されている中国では、ほとんど政府系メディアでは明らかにされないが、私がフォローしているソーシャルメディアでは最近、頻繁に中国で殺傷事件が起こっていることを伝えている。
このところ中国は経済が悪化し続け、少子高齢化や失業率の高まりもあり、習近平政権を批判的に見る国民が増えている。
そうした中、思想教育や
「海外の敵対勢力」
に関するプロパガンダ(宣伝)が盛んに行われ、余裕のない生活を送る人々が
「敵」
とされる日本人に不満のはけ口を見つけようとしているのかもしれない。
いずれにせよ、中国政府がこうした殺傷事件の背景にある社会問題や犯罪者の心理を徹底的に調べ、メディアや外国政府を含む関係機関と共有することはない。
なぜなら中国共産党政権にとって、都合の悪い現実を明らかにすることになるかもしれないからだ。
一方、日本では9人が立候補した自民党総裁選、4人が立候補した立憲民主党の代表選で、外交・防衛の政策課題についても論戦が繰り広げられた。
私は現代中国を研究する学者として、今後の政権運営に以下の問題提起をしたい。
■冷静に鋭く捉えること重要
まず中国の
「脅威」
を冷静に、鋭く捉えることが何よりも重要である。
グローバルなサプライチェーンに組み込まれた私たちの経済活動を考えれば、中国政府への配慮は仕方がないという空気が、日本社会には流れている。
しかし、現在の中国共産党政権による国際法を無視した人権侵害や威圧的な外交に対し、短期的・長期的戦略をタイミングよく打ち出さなければ、中国側の支配の論理で圧力をかけられることが常態化する。
「国家の安全」
のためとして、堂々と情報統制を行う中国政府は大量の情報の流れをコントロールしている。
戦争に関わる歴史を辿れば、偽情報や情報操作で世論が煽られ、政策判断を誤り数々の悲劇が生まれた。
専門家のアドバイスを聞き、学術研究から示唆を得て、変化を適切に捉えた状況分析と想定シナリオに基づく行動計画の策定を急ぐ必要がある。
更に昨今増加している中国から日本への移住者の動向にも目を配る必要がある。
日本が外国人移住者の受け入れに消極的というわけではない。
少子高齢化に対応すべく人手不足の解消や高度人材の受け入れに力を入れ、投資や納税によって日本経済の活性化に貢献する外国人を歓迎している。
語学学校の留学ビザや経営管理ビザ取得のハードルはそう高いわけではなく、政治的迫害や経済情勢の悪化から逃れる形で多くの中国人が日本に一時的に移り住んでいる。
やがては日本の永住権や国籍を申請する中国人も増えるだろう。
移民が増えれば日本は不安定になると感じる人もいるだろう。
しかし、自分とは異なる特徴をもつ人から学ぶことも多い。
同じ色に染めようとする同調圧力が強い社会ではイノベーションは不可能だ。
マイノリティだからこそ、マジョリティには考えつかないような視点を提示できることもある。
当然、日本の制度や法を順守し、民主主義の価値を理解する人に日本の永住権や国籍を申請してもらいたい。
今後、審査の過程で、こうした要素を把握することを検討してはどうだろうか。
同調を求めず、多様性を尊重しながらも、基本的な価値を分かち合える人と日本のコミュニティを共に作るべきだ。
■危機意識共有できる人を
移民や難民を積極的に受け入れてきた欧米諸国で外国人排斥の声が高まり、暴力的な抗議デモが広がるのを見て、日本もこのような状況になってはならないと感じる。
日本人を狙った事件が多発し世界各地で中国のスパイが摘発されるといったニュースが流れる中で、専門的な知識や精度の高い情報を駆使し、日本社会にとっての
「脅威」
を適切に分析できる、知中派の育成が急務だと感じる。
私の大学院のゼミでは、中国研究を志す日本人はゼロという状態が長年続いている。
他の多くの大学でも似た状態だと聞くが、これは危機的ではないか。
中国共産党政権は
「脅威」
だが、中国人全部が
「脅威」
ではない。
どのような中国人と手を繫いで日本を、世界を良くしていくのか。
日本社会の中でも中国語ができる人材を増やし、
「脅威」
の本質を見抜くことのできる人間を全国レベルで育成する必要がある。
中国共産党政権は甚大な影響を日本にも世界にも及ぼしている。
その影響をプラスの方向に導けるかどうかが、人類の未来を左右する。
そんな危機意識を共有できる人が日本の首相になってほしい。
それが今の私の切実な思いだ。

NHKラジオ・中国人スタッフの反日発言「南京大虐殺を忘れるな」に反論できない病理
2024/9/25 7:00
https://www.sankei.com/article/20240925-OEWXGOQPRVMTHC5OEACZY6DIRU/
NHKのラジオ国際放送で先月、中国籍の男性スタッフが尖閣諸島(沖縄県石垣市)を
「中国の領土」
などと発言した問題は、国際放送担当理事の引責辞任や会長らの役員報酬の自主返納なども発表された。
動機や背景が未解明であるなど、このままの幕引きは許されないのは当然だが、NHKのみならずわが国全体が抱える病理を浮き彫りにしたように思える。
この問題は、8月19日放送の中国語ニュースで、中国人スタッフが靖国神社の落書き事件について報じた後、尖閣諸島について
「古来から(ママ)中国の領土です」
と主張、
「南京大虐殺を忘れるな。慰安婦を忘れるな。彼女らは戦時の性奴隷だった。731部隊を忘れるな」
と反日的発言を行ったもの。
■「731部隊を忘れていません」という報道
NHKはこの問題を報じる関連ニュースで、スタッフ発言の不適切な点を
「沖縄県の尖閣諸島の帰属などをめぐって、原稿にはない日本政府の公式見解とは異なる発言を行った」
ことだと繰り返し報じている。
なるほど尖閣諸島が日本固有の領土であることは政府見解を待つまでもない。
「慰安婦=性奴隷」論や731部隊が細菌戦を行ったことを否定する答弁書を政府は決定してもいる(平成19年3月16日付安倍晋三内閣答弁書、同15年10月10日付小泉純一郎内閣答弁書など)。
だが、NHKは例えば昨年11月4日放送のニュースで、 
≪「731部隊」など細菌戦の研究を行ったとされる部隊に所属した軍医将校の…人事記録が残されていることが分かりました…研究者は「旧日本軍による細菌戦研究の全体像を洗い出す上で意義のある資料だ」としています≫
と報じている。
細菌戦の
「研究」
とはしているが、
「731部隊を忘れるな」
という暴言に呼応するかのような報道だ。
■「南京」は「その通り」なのか
最大の問題は「南京」だ。
いわゆる
「南京事件」
についての政府見解は、
「日本軍の南京入城(1937年)後、非戦闘員の殺害や略奪行為等があったことは否定できないと考えています」
というものだ(外務省ホームページ=HP、平成19年4月24日付安倍内閣答弁書など)。
外務省HPや安倍内閣答弁書は続けて、
「被害者の具体的な人数については諸説あり、政府としてどれが正しい数かを認定することは困難であると考えています」
としているが、
「30万人が虐殺された」
とする中国側の主張を毅然と否定できないということだ。
情けない。
「南京大虐殺を忘れるな」
と言われ、政府は
「その通りかもしれません」
とでも言うつもりか。
「大虐殺」
が明白な事実だったら仕方もあるまい。
だが、日本側の学術研究では、中国の主張する
「30万人虐殺」
は否定され、日本軍が軍命で非戦闘員を組織的に殺害したことはなかったことが明らかになっている。
■反日世論を助長したのは日本の姿勢
何とも痛ましく、腹立たしい事件が起きた。
中国広東省深圳における日本人学校の男子児童(10)刺殺事件だ。
その場で中国当局に身柄を拘束された男と事件について、中国政府は
「前科者による個別の案件」
と日本側に説明しているが、日本人を標的にした
「反日テロ」
だったとの見方は根強い。
事件が起きた9月18日が、日本の侵略だとされる満州事変(1931年)の発端となった柳条湖事件の記念日だからだ。
中国の反日世論の土壌である「歴史」教育に中国が本格的に着手したのは、1994(平成6)年に当時の江沢民国家主席が
「愛国主義教育実施要項」
を定めてからである。
戦前の日本軍を残虐極まりない
「悪」
とし、それに中国共産党政権が打ち勝ったという
「歴史」
による愛国主義教育を徹底し、全国に反日記念館を建設した。
日本軍を
「悪」
としたのも、中国共産党が日本軍に打ち勝ったというのも、捏造である。
東西冷戦に東側陣営が敗北して共産主義の正統性が揺らぐ中、中国共産党は新たな統治の正統性を捏造の歴史に求めたのだ。
ところが日本政府はそれを放置し、中国への政府開発援助(ODA)も続けた。
NHKを含む多くのメディアや学術界、政治家も
「南京大虐殺」
などの中国側の反日プロパガンダに阿り続けた。
「南京」
を巡る先の外務省HPの記述や答弁書はその一例だ。
中国人スタッフの暴言に反論もできない日本側の在り方が、中国の反日世論を助長し、刺殺事件の遠因となったのではないか。
この間の日本の姿勢は改めて厳しく問われなければならない。

経団連・十倉雅和会長、日本人男児刺殺に哀悼の意「安心して働ける環境は中国の義務」
2024/9/24 18:29
https://www.sankei.com/article/20240924-MBZCZIHXABN4BDAQFTZYX6PNQE/
中国広東省深圳で日本人学校に通う男子児童が刺殺された事件に関し、経団連の十倉雅和会長は24日の定例記者会見で哀悼の意を示した。
この上で、
「将来、日中の懸け橋の一人となるかもしれない若い命を失った」
「これは両国にとって大きな損失だ」
と述べた。
今回の事件を受け、中国に進出する日系企業の駐在員やその家族に動揺が広がっており、家族帯同で駐在している従業員と帯同家族の一時帰国を認める動きも出るなど、日系企業は警戒感を強めている。
十倉氏は
「どこの国でも国を開いてビジネス活動をやっている国であれば、そこに住む外国人が安心して働ける環境を作るのはその国の義務だ」
と話し、日本の経済界として中国に対し在留邦人の安全確保を強く求めた。
今後も中国で同様の事件が頻発するようであれば、各国からの信用を失い、中国は投資を呼び込む機会を損なうことになるとも指摘した。
また、日中両政府が、東京電力福島第1原発の処理水海洋放出を受け、中国側が停止してきた日本産水産物の輸入を再開することで合意したことについては、
「中国によるとこれで全面的に解禁ということではないが、まずは歓迎したい」
とし、
「我々が主張している全面的解禁になるよう注意深く見ていきたい」
と述べた。

大連でも日本人学校の警備強化を要請 深圳の男児刺殺を受け駐中国大使「日中関係に影響」
2024/9/24 16:34
https://www.sankei.com/article/20240924-AIX4Q66RQJLD5HDLFR2C4RUX74/
金杉憲治駐中国大使は24日、中国遼寧省大連市を訪問し、同市トップの熊茂平(ゆう・もへい)市共産党委員会書記と会談した。
広東省深圳市で日本人男児が刺殺された事件を受け、大連日本人学校の警備強化を要請した。
熊氏は学校周辺の警備員増員といった具体策を講じていると説明した。
同行筋が明らかにした。
大連には1700社を超える日系企業が進出している。
会談で金杉氏は、事件によって中国進出の日系企業は
「大きな岐路にあり、極めて深刻な状況と言わざるを得ない」
と指摘。
「日中関係に影響が出つつある」
との認識を示した。
熊氏は日本側の懸念に
「留意する」
とした上で、在留邦人を含む市民にとっての安心・安全は
「極めて重要だ」
と応じた。(共同)

「日本人男児殺害は国民交流に深刻な打撃」上川陽子外相、中国外相に厳正な処罰要求
2024/9/24 16:24
https://www.sankei.com/article/20240924-2X66MOWM7ZKMLJ6MIHH57BKL3U/
上川陽子外相は23日(日本時間24日未明)、米ニューヨークの国連本部で、中国の王毅共産党政治局員兼外相と会談した。
上川氏は、会談の冒頭で日中の
「戦略的互恵関係」
を進める意向を示した王氏に対し、厳しい表情を見せて中国広東省深圳で日本人男子児童が刺殺された事件に言及し、
「日中関係の基礎である国民交流に深刻な打撃を与える」
と伝えた。
上川氏は約1時間に及んだ会談で、動機を含む
「一刻も早い事実解明と明確な説明」
に加え、犯人の厳正な処罰と再発防止を強く求めた。
「中国の在留邦人、特に子供の安全確保のための具体的な措置」
も要求した。
また、中国の交流サイト(SNS)での日本人学校関連のものを含む根拠のない悪質で反日的な投稿は
「子供たちの安全に直結し絶対に容認できない」
とし、早急な取り締まりの徹底を求めた。
中国外務省によると、王氏は
「中国側は法に照らして調査、処理している」
と説明。
「これまで通り全ての在中外国人の安全を法に照らして保障する」
と表明した。
王氏はまた、
「日本側は(事件を)冷静、理性的に取り扱い、政治化することや拡大することを避けるべきだ」
と主張した。
日本政府によると、上川氏は、中国の在留邦人の安全確保のために日中で協力し速やかに具体策の実現を図ることを提案した。
王氏は外交ルートを通じて引き続き議論することに応じたという。
日中外相の会談は7月にラオスの首都ビエンチャンで実施して以来。
上川氏は国連総会に合わせて、24日までの日程で訪米している。

中国の危険情報レベルゼロ、環太平洋先進国で日本のみ 米はレベル3「拘束の危険が存在」
2024/9/24 15:28
https://www.sankei.com/article/20240924-2DBQOPAFUVG23GJJ3J35T2CFB4/
米国やオーストラリア、韓国など環太平洋の先進国・地域で中国本土への渡航や滞在の
「危険情報」

「レベルゼロ」
は日本だけであることが分かった。
中国・深圳の日本人学校男児刺殺事件を受け、国会議員などからもレベル引き上げの声が上がっている。
各国・地域の公式サイトによると、米国は4段階のうち上から2番目のレベル3で、
「渡航の再考」
を求めている。
それ以上の危険レベルは
「渡航禁止」
のみだ。
米国務省は
「中国国内で、中国政府による米国民への不当な拘束の危険が存在する」
と認定している。
台湾は今年6月に4段階のうち上から2番目のレベル3に引き上げており、
「不必要な渡航を避けるよう勧める」
としている。
また、カナダ、オーストラリア、ニュージーランドは4段階のレベル2。
韓国も4段階のレベル1としており、環太平洋先進各国・地域でレベルゼロなのは日本のみという状況だ。
一方、G7各国では英仏独伊の欧州4カ国は、中国について警戒レベルを上げていない。
外務省の危険情報は、日本人の渡航・滞在について特に注意が必要な国・地域について公表。
レベル1「十分注意」からレベル2「不要不急の渡航自粛」、レベル3「渡航中止勧告」、レベル4「退避勧告」まで計4段階ある。
6月の蘇州での日本人母子切りつけ事件や深圳の日本人児童刺殺事件後も危険度は上げておらず、新疆ウイグル、チベット両自治区を除き
「レベルゼロ」
のまま。
深圳の事件で男児が死亡した今月19日、
「スポット情報」

「特にお子さん連れの方は、十分注意して行動してください」
などと呼び掛けただけだ。
外務省は
「現段階では見直しの検討はしていないが、中長期的な観点から総合的に判断する」
としている。
衆院議員の松原仁元拉致問題担当相(無所属)は
「中国で暮らす日本人は反日教育のリスクを抱えている」
「今回の事件を日本が危険情報を引き上げる理由に挙げることで、習近平体制に対応の改善を促すべき」
と主張している。

中国・四川省幹部が日本人へのヘイトスピーチ、地元当局が調査…深圳の男児刺殺受けSNSで
2024/9/23 18:56
https://www.yomiuri.co.jp/world/20240923-OYT1T50049/
深圳日本人学校の男児刺殺事件を受け、香港の鳳凰テレビ系ネットメディアは2024年9月23日、SNS上で日本人へのヘイトスピーチをしたとして四川省幹部を地元当局が調査していると報じた。
複数の報道によると、幹部は四川省で農村のエネルギー開発などに携わる副主任の黄如一氏(41)。
黄氏は事件後、SNS上で
「私たちの規律は日本人を殺すこと」
「(歴史的に)罪がある日本人の子を殺しただけ」
などと日本を敵視する発言を繰り返したという。

中国外務省、「反日」投稿取り締まり求める日本側に反発「中国に仇日教育はない」
2024/9/23 22:09
https://www.sankei.com/article/20240923-PT52ZZDRBBN63PJQEKNGLPEW6U/
中国外務省の林剣(りん・けん)報道官は23日の記者会見で、広東省深圳で日本人男子児童が刺殺された事件を巡り、中国の交流サイト(SNS)での
「反日的な投稿」
の取り締まりを日本側が求めていることについて、
「中国にいわゆる『仇日(日本を恨む)教育』はない」
と主張して反発した。
林氏は
「我々は歴史を鑑(かがみ)とすることを主張している」
と発言した上で
「恨み続けるためでなく、戦争の悲劇を再演しないためだ」
と述べた。
柘植芳文外務副大臣は23日、中国の孫衛東(そん・えいとう)外務次官と北京で会談し、深圳の事件に関して中国のSNSでの
「日本人学校関連のものを含む根拠のない悪質で反日的な投稿」
に関する取り締まりの徹底を求めた。
林氏は、会談については
「意思疎通を保ち、偶発的な事件が両国関係に影響することを避けることで合意した」
と表明した。
柘植氏は会談後、記者団の取材に対し、中国側から動機や背景について明確な回答はなかったと明らかにした。
柘植氏は
「再発防止のためにも特に犯行の動機解明は極めて重要であり、これが解決されない限りは前に進めない」
と強調した。

中国の地方幹部が日本人に対するヘイト発言「われわれの紀律」 深圳の男児刺殺巡り
2024/9/23 22:00
https://www.sankei.com/article/20240923-XMPTDJUAC5OEBILIZETXB6QRDM/
中国広東省深圳で邦人男子児童(10)が刺殺された事件を巡り、香港フェニックステレビ傘下のニュースサイトは23日、四川省内の地方政府幹部が通信アプリ微信(ウィーチャット)のグループチャットで
「日本人を殺すのは我々の紀律だ」
と日本人に対するヘイト発言をしていたと伝えた。
問題発言をしたのは同省カンゼ・チベット族自治州新竜県の副県長。
取材に対し、同省の当局者は問題の処理に当たっていると回答したという。
副県長はグループチャットで
「子供を殺したからといって大したことではない」
「米国は毎日何百人も殺している」
「罪のない人を殺したわけではない」
「殺されたのは日本人だ」
と発言した。(共同)

中国の日本人学校警備強化へ4300万円 柘植外務副大臣「できることは全て行う」
2024/9/23 20:00
https://www.sankei.com/article/20240923-NDHDVWF6AZOAFJMDMUU5PO7Y7Q/
中国を訪問している柘植芳文外務副大臣は23日、中国に進出する日系企業の団体「中国日本商会」や日本人学校の関係者らと北京の日本大使館で意見交換を行った。
広東省深圳市で日本人学校に通う日本人男子児童(10)が男に刺されて死亡した事件に関し、柘植氏は
「中国各地の日本人学校の安全や、子供たちの安全確保を最優先に出来る事は全て行っていく考えだ」
と表明した。
柘植氏は、事件を受けて中国国内の日本人学校12校の警備を強化するため、外務省予算から緊急に約4300万円を充てると説明した。
中国日本商会の本間哲朗会長(パナソニックホールディングス副社長)は
「従業員とその家族の安心と安全は、日本企業が中国で事業を継続するための基本中の基本だ」
と指摘。
日中両政府に対し
「中国在留邦人10万人に対する安全確保を改めてお願いしたい」
と訴えた。
柘植氏は同日、中国の孫衛東(そん・えいとう)外務次官と北京市内で会談し、在留邦人の安全確保のための具体的な措置や、事件の動機を含む
「一刻も早い真相の解明と明確な説明」
を強く求めた。

「国民を見下している」河野太郎氏の“ネトウヨ”呼ばわりに非難轟々…安倍元首相「こんな人たち」発言から何も学ばず
社会・政治FLASH編集部
記事投稿日:2024.09.23 16:34 最終更新日:2024.09.23 16:36
https://smart-flash.jp/sociopolitics/307466/1/1/
9月22日、『日曜報道 THE PRIME』(フジテレビ系)に出演した自民党総裁選の立候補者9人(林芳正官房長官は災害対策のため、推薦人代表の田村憲久元厚労相が代理出席)は、日中関係について討論をかわした。
そのなかで、河野太郎デジタル相が発した言葉について、インターネット上で批判が相次いでいる。
中国・深センで、日本人学校に通う10歳の男児が殺害された事件についての対応を聞かれた河野氏は、まず
「中国に対して(中国から見た)在外外国人、在留外国人に対する安全の確保」
「あるいは、こうした事件が起きたときに速やかに説明をする、ということを国際社会が求めるような動きはしていかないと」
と、G7などの広い枠組みで、協調して中国に対応を求めたいと述べた。
それに続いて、こう述べたのだった。
「(外交上の密室のやり取りではなく)外で見えるように強く言え、というのはよく“ネトウヨ”なんかが言いますけども、必ずしもそれがいいとは限りません」
この発言の“ネトウヨ”という部分に、引っかかった人たちが多かったようだ。
政治担当記者がこう話す。
「河野氏は、Xのフォロワーが250万人超と、政界随一の発信力を誇っています」
「しかし、特定のユーザーに投稿を閲覧させないよう遮断できるブロック機能を連発し、Xでは河野氏からのブロックを報告するポストが連日、見られています」
「そのため『ブロック太郎』というあだ名も……」
このブロック連発に『自分とは違う意見には耳を傾けないのは、政治家としてどうなのか』という批判が、インターネット上だけでなく、永田町でもあがっています。
さらに、Xでは河野氏が“親中国派”だと主張するアカウントが多数、存在しており、こうした背景から保守系の人々からの批判的なメッセージも多く寄せられています。
それで、つい“ネトウヨ”という言葉が出てしまったのかもしれません」
X上では河野氏のテレビでの発言に対して、非難の声が多くあがっている。
《国民を見下す河野太郎氏》
《多くの国民の声をネトウヨという言葉を使って、あたかも馬鹿げた意見であるかのように印象付けようとする総理候補》
《こんな場面でもサラッと口から出てくるという事は、普段からも国民を見下しているんでしょうね》
《少しは謙虚な物言い態度を出来無いのかな?河野太郎氏の言動は不快感が毎回残る。国民の価値観の方が、間違いで、自分の価値観が正しいのか?》
《なんの罪もない日本語学校の子どもが親の前で殺されて、中国に対して強く抗議しろと言う人は河野太郎によればネトウヨになるのか?》
《日本人の子どもの命が他国の人の手によって奪われても、強く言えないなら、国を代表する政治家としても終わりです。国民の怒りをネトウヨと言う政治家では日本は、守れない》
自民党では、過去にも
「国民を見下している」
として、批判されたできごとがあった。
2017年7月1日、東京・JR秋葉原駅前。都議選の投開票を翌日に控えたこの日、当時の安倍晋三首相が到着すると、聴衆から「安倍辞めろ」の声が響き始めた。
そんななか、安倍氏はその声の方向を指差して
「こんな人たちに負けるわけにはいかない」
という言葉を発したのだ。
前出の政治担当記者がこう話す。
「あの発言にも、かなりの批判が起きました」
「『こんな人たち』も国民のひとりであり、主権者なのです」
「国民は選挙を通じ、主権者として、その意思を政治に反映させることができる立場です」
「この時は、政治思想的に保守だろうが、革新だろうが、主権者を見下すような酷い言葉を政治家は使うべきではないという論争が起きました。
「河野氏は、7年前の安倍首相の件から、何も学んでいないのでしょう」
自民党総裁選では、石破茂氏、小泉進次郎氏、高市早苗氏の優勢の戦況が多く聞かれている。
不利の状況で、河野氏にあせりによるミスが出たのか――。
( SmartFLASH )

柘植外務副大臣、中国次官会談「真相解明と説明を」 反日的SNS投稿の取り締まり求める
2024/9/23 17:20
https://www.sankei.com/article/20240923-WIVC3UKRYFKGZKDMEB7S72IAOM/
中国を訪問している柘植芳文外務副大臣は23日、中国の孫衛東(そん・えいとう)外務次官と北京市内で会談し、広東省深圳市で日本人学校に通う日本人男子児童(10)が男に刺されて死亡した事件について協議した。
日本側の発表によると、柘植氏は在留邦人の安全確保のための具体的な措置や、事件の動機を含む
「一刻も早い真相の解明と明確な説明」
を中国側に強く求めた。
また、柘植氏は中国の交流サイト(SNS)における
「日本人学校関連のものを含む根拠のない悪質で反日的な投稿」
に関する取り締まりの徹底を求めた。
中国のSNSでは日本人への差別的な投稿や、日本人学校を
「スパイ養成学校」

「租界」
などとするデマや荒唐無稽な主張が放置されて広まってきた。
こうしたSNS上の論調が
「反日」
ムードを助長し、事件にも影響したという見方は中国側の一部にもある。
日本側によると、孫氏は今回の事件に対し、
「遺憾、痛惜の意」
を改めて表明した。孫氏は児童が襲われた今回の事件について
「驚愕している」
と述べた他、中国に在留する日本人を含む外国人の安全を守るとの考えを示した。
柘植氏は深圳の事件に関する対応のため、22〜24日の日程で北京を訪問している。

日中研究者らがフォーラムで課題を議論 中国側、男児刺殺容疑者は「人民代表していない」
2024/9/23 16:06
https://www.sankei.com/article/20240923-XRXCTOIHTVJWHLWVIMSPGKFCTI/
日本と中国の研究者らが両国間にまたがる課題を話し合う
「日中友好・人文交流フォーラム」
が23日、東京都文京区の日中友好会館(宮本雄二会長)で開かれた。
「グローバリズムの下の日中関係」

「日中民間交流」
などをテーマに、双方の出席者数十人が忌憚のない意見を交わした。
慶応大の加茂具樹教授はロシアのウクライナ侵略を例示し、
「国際社会が共有してきたルールや規範が動揺している」
と指摘。
異なる政治体制の日中も意思疎通が難しくなっているとして、互いの立場を乗り越えて
「共通の利益や価値観とは何かを再確認する段階にある」
と訴えた。
元駐中国大使の谷野作太郎氏は中国外務省の報道対応について、
「期待するレベルにはなく、多くの場合で説明になっていない」
と批判。
広東省深圳市で日本人の男子児童(10)が刺殺された事件でも説明が不十分で、日本人学者らが訪中を敬遠する一因になっているとした。
事件に対し、中国側出席者からは一様に
「心を痛めている」
とのコメントが聞かれた。
「公式情報と交流サイト(SNS)などの情報にギャップがある」
「容疑者(の犯行)は中国人民を代表するものではない」
といった声も上がった。
一方、中国社会科学院中国辺境研究所の白帆氏は中国の安全性を強調した上で、国際社会が
「中国は怖い」
との印象を持っていることには
「国際メディアのネガティブな報道」
が背景にあると訴えた。
南開大学日本研究院の喬林生教授は、日中間には現在、深刻な相互信頼の欠如があると指摘。
政治的な理由から
「政府対政府」
では関係改善に限界があるとして、共通する伝統文化や民間の基礎的な交流を強化する必要があると述べた。
フォーラムは、人権保護などを目的とした中国の非営利団体「中国人権発展基金会」と日中友好会館が共催。
日中関係などを専門とする双方の大学教授やシンクタンク研究員、元外交官らが出席した。

上川外相 ニューヨークで中国外相と会談を行うと発表
2024年9月23日 12時09分
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20240923/k10014589751000.html
上川外務大臣は、日本時間の24日、ニューヨークで中国の王毅外相と会談を行うことを発表し、日本人学校に通う男子児童が登校中に襲われて死亡した事件を受けて、安全確保の徹底などを求める考えを示しました。
上川外務大臣は、国連総会に合わせてアメリカのニューヨークを訪問するため、23日午前、羽田空港を出発しました。
上川大臣は出発前に記者団に対し、日本時間のあす、ニューヨークで中国の王毅外相と会談を行うことを発表しました。
そして、中国 広東省の※深センで、日本人学校に通う10歳の男子児童が登校中に男に刃物で刺されて死亡した事件について
「会談で、しっかりとした事実関係の説明や日本人、とりわけ子どもたちの安全確保を強く求める」
と述べました。
また事件を受けて、中国にある12の日本人学校の安全を守るため、緊急措置としておよそ4300万円をあて、スクールバスや通学路の警備を強化することを明らかにしました。
上川大臣は
「出来る事を全てやるという観点から早急に措置を行う」
「現地のニーズや状況を踏まえ、切れ目のない対策を講じていく」
と述べました。
※「セン」は「土」へんに「川」

中国 日本人学校の男児死亡事件 外務副大臣が中国側と会談
2024年9月23日 14時01分
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20240923/k10014589741000.html
中国で日本人学校に通う男子児童が登校中に刃物を持った男に襲われ、死亡した事件を受けて北京を訪れている柘植外務副大臣は23日午前、中国政府の関係者と会談し、事実関係の説明や再発防止などを求めたとみられます。
柘植外務副大臣は先週、中国南部 広東省の※深センで日本人学校に通う10歳の男子児童が刃物を持った男に襲われ、死亡する事件が起きたことを受け、22日から北京を訪れています。
柘植副大臣は23日午前、中国外務省の幹部と会談しました。
会談に先立って柘植副大臣は宿泊先のホテルを出発する際メディアの取材に応じ
「状況を把握し、今後の対応や在留邦人の安全確保を求めたい」
と述べました。
会談では、事件のいきさつや背景など事実関係の説明や、再発防止、日本人の安全確保の徹底などを求めたとみられます。
また、午後には中国の日本人社会に不安が広がっていることを踏まえ、北京日本人学校や進出する日本企業でつくる
「中国日本商会」
などの関係者と面会し、意見を交わすことにしています。
また、上川外務大臣は国連総会に合わせて訪問するアメリカ・ニューヨークで中国の王毅外相と会談すると発表し、今回の事件を受けて安全確保の徹底などを求める考えを示しています。
※「セン」は「土」へんに「川」

河野太郎氏が「ネトウヨ」発言 「外向けにワーワー」深圳の日本人男児殺害巡る対中対応で
2024/9/23 11:40
https://www.sankei.com/article/20240923-L3MJRY7MGBAVFB5CSPLRT2UKAY/
自民党総裁選(27日投開票)に立候補した河野太郎デジタル相(61)は22日のフジテレビ番組で、中国・深圳にある日本人学校に通う男子児童(10)が刺殺された事件を巡る中国政府に対する日本政府の対応について、
「『外で見えるように強く言え』と『ネトウヨ』なんかが言うが、必ずしもそれがいいとは限らない」
「申し入れはきちんとやらないといけないが、外向けにワーワー言って、言っているぞ感を出せばいいというものではない」
と語った。
番組には災害対応に当たる林芳正官房長官(63)を除く8候補者が出演。
河野氏ら5人が事件に関する見解を尋ねられた。
河野氏は
「中国と1対1でやることも大事だが、欧米を含めて、中国に対して在留外国人への安全確保、こうした事件が起きたときに速やかに説明することを、国際社会が求めるという動きにしていかないといけない」
とも強調した。
高市早苗経済安全保障担当相(63)は事件の背景に中国の
「反日教育」
が影響しているとの見方を示し、
「個人による偶発的な事件で済まされない」
「ここ数年、SNS上に日本人学校に対する憎悪の書き込みや動画が氾濫していた」
「削除を外務省が要請していると思うが、そういったものが大きなきっかけになった」
と指摘した。
上川陽子外相(71)は
「具体的な背景、動機について事実関係の調査と速やかな説明、児童の安全確保について万全を期すように様々なチャンネルで強い申し入れをしている」
と語った。
小泉進次郎元環境相(43)は
「このような案件はどこの国でも起こり得ない」
「事件は起こり得るかもしれないが、その後の対応、詳細な説明はない」
「日本の警察ではあり得ないことだ」
と指摘した。
茂木敏充幹事長(68)は18日の事件発生以降、中国当局から事件の背景について具体的説明がない状況を問題視し、
「中国がこういう人道問題に対して隠蔽する国だというプレッシャーを与えることが必要だ」
と語った。

中国 日本人学校の男児死亡事件 外務副大臣を北京に派遣へ
2024年9月22日 17時54分
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20240922/k10014589181000.html
中国で日本人学校に通う男子児童が登校中に襲われて死亡した事件を受け、外務省は、柘植外務副大臣を北京に派遣すると発表しました。
中国政府関係者と会談し、事実関係の説明や再発防止などを求めることにしています。
先週、中国 広東省の※深センで、日本人学校に通う10歳の男子児童が登校中に男に刃物で刺されて亡くなりました。
事件を受けて、外務省は、柘植外務副大臣を22日から24日までの日程で北京に派遣すると発表しました。
柘植副大臣は、23日中国外務省の幹部と会談し、事実関係の説明や再発防止、それに日本人の安全確保の徹底などを求めることにしています。
また、中国の日本人社会に不安が広がっていることを踏まえ、進出する日本企業でつくる
「中国日本商会」
や、北京に住む日本人らでつくる
「北京日本倶楽部」
などの関係者と面会し、意見を交わすことにしています。
政府は、日本人学校に通学する際に問題がないか改めて点検するなど、安全対策の検討を進めています。
※「セン」は「土」へんに「川」

中国SNS「日本でも中国人狙った事件多い」 根拠ない投稿で深圳の男児刺殺を矮小化
2024/9/22 17:51
https://www.sankei.com/article/20240922-QUTXOW6CMBM7LMWLUP4AIM67TA/
中国広東省深圳市で日本人学校に通う日本人男子児童(10)が男に刺されて死亡した事件後、中国の交流サイト(SNS)で
「日本でも同じように中国人を狙った襲撃事件が多く起きている」
などとする投稿が相次いでいる。
その大半は知人とのトラブルなどに起因する事件で、根拠がない投稿で深圳の事件を矮小化する動きとみられる。
中国の短文投稿サイト、微博(ウェイボ)では被害児童を悼む投稿に対し、
「それなら日本で殺された中国人をどう見るのか?」
などと反発する投稿が目立つようになっている。
2022年10月に大阪市で中国籍の自営業男性が殺された事件や、今年2月に静岡県の浜名湖で中国籍の男子高校生が殺害されて遺体が見つかった事件など複数の
「具体例」
を挙げている。
今年7月には大阪市で中国人観光客が腕を刃物で刺されて金を要求される事件が起きているが、いずれも
「中国人を狙った」
とは報じられていない。
強盗被害などの他は、金銭や交友関係を巡るトラブルなどで知人に殺害されたとみられるような事件ばかりだ。
少なくとも児童が面識のない大人に突然刺されて死亡したような事件はない。
中国のSNSにも、日本で中国人を狙った襲撃事件が多いという情報が
「デマ」
であると検証する人がいるが、現時点で投稿は止まっていない。
中国外務省は今回の事件について
「類似の事件は如何なる国でも起きる可能性がある」
と主張し、動機など事件の真相につながる情報は公表していない。
中国のSNSでは日本人への差別的な投稿や、日本人学校を
「スパイ養成学校」

「租界」
などとするデマや荒唐無稽な主張が放置されて広まってきた。
こうしたSNS上の論調が
「反日」
ムードを助長し、事件にも影響したという見方は中国側にもある。

深圳の男児刺殺受け、外務副大臣が中国を訪問へ 再発防止など要請
2024/9/22 17:17
https://www.sankei.com/article/20240922-RFKHA5IQZBK5LHQHG722NU3GL4/
外務省は22日、中国広東省深圳で日本人学校に通う男子児童が刺殺された事件を受け、柘植芳文外務副大臣が中国・北京を訪問すると発表した。
同日から24日までの日程で、滞在中、中国政府関係者と会談し、再発防止や邦人の安全確保に万全を期すよう要請する他、動機など早期の真相究明も求める。
上川陽子外相が20日の記者会見で、外務省政務三役の中国派遣を調整していると明らかにしていた。

上川陽子氏、米国で日中外相会談を検討 深圳の男児刺殺や水産物の輸入再開が議題に
2024/9/22 16:40
https://www.sankei.com/article/20240922-MHTRET32DJI5PPLTGXQUP7NABQ/
上川陽子外相が、米ニューヨークでの国連総会に合わせ、中国の王毅外相との会談を検討していることが分かった。
調整が付けば、現地時間23日(日本時間24日)に実施する方向。
複数の外交筋が22日、明らかにした。
広東省深圳で日本人学校に通う男子児童が刺殺された事件や、日中両政府が合意した日本産水産物の輸入再開などが議題になる見通しだ。
日中外相会談が実現すれば、今年7月にラオスの首都ビエンチャンで開催されて以来となる。
上川氏は男子児童の事件を踏まえ、再発防止と在留邦人の安全確保に万全を期すよう求める意向。
詳細な事実関係や、動機に関わる情報提供も要請する。
東京電力福島第1原発の処理水海洋放出を巡っては、国際原子力機関(IAEA)のモニタリング(監視)の下で、中国を含む参加国に海水などの試料採取を認める方針を改めて説明。
水産物輸入再開を着実に実施し、早期に輸入規制を撤廃するよう働きかける。

男児刺殺、靖国落書き…相次ぐ「日本」標的事件 投稿サイトには「日本人学校にスパイ」
2024/9/21 15:00
https://www.sankei.com/article/20240921-DSRV7QULFBIO5PEFCINGMXLAXE/
中国・深圳にある日本人学校に通う男子児童(10)が刺殺された事件を受け、中国内外で日本や日本人を標的とした事件や問題がクローズアップされている。
東京・靖国神社の落書き事件をはじめ、蘇州で起きた日本人母子切りつけ事件、NHKのラジオ国際放送での「尖閣発言」…。
一部の事件の背景には、中国共産党政権による反日教育の影響も指摘されている。
「日本の民衆が火の中に連れ込まれることになる」
5月20日、東京都内の在日中国大使館での座談会。
呉江浩駐日大使は台湾との関係を巡り、中国の分裂に加担すれば
「火の中に」
と発言した。
座談会には鳩山由紀夫元首相や外務省OBらが出席していた。
11日後の5月31日、靖国神社の石柱に何者かが赤いスプレーで
「Toilet(トイレ)」
と落書きし、放尿する事件が発生。
7月に中国籍の男が逮捕されるなどした。
6月24日には中国・蘇州で、日本人学校のスクールバスを待っていた日本人の30代の母親と未就学の男児が刃物で切りつけられ負傷。
バスの案内係をしていた中国人女性も刺されて死亡した。
靖国神社では8月19日にも
「厠所(トイレ)」

「軍国主義」
などと、中国で使われている簡体字で記された落書きが見つかった。
関与したとみられる中国籍の10代男性は中国へ出国していた。
NHKのラジオ国際放送が同日、この事件を報じた際、中国籍の男性スタッフ(48)が尖閣諸島(沖縄県石垣市)を
「中国の領土」
と主張、
「南京大虐殺を忘れるな。慰安婦を忘れるな」
などと原稿にない発言をした。
NHKは担当理事が引責辞任した。
今回の男児刺殺事件が起きたのは、例年、反日感情が高まる9月18日。
93年前の昭和6(1931)年に満州事変の発端となった柳条湖事件が起きた日で、習近平政権下で反日教育が強化されて以降、その傾向はより強くなっているという。
「日本人は出ていけ」
「日本のスパイが潜む日本人学校に気をつけろ」。
中国の短文投稿サイト、微博(ウェイボ)には朝から、日本人への憎悪に満ちた投稿が溢れていた。

なぜ狙われた?中国で日本人男児(10)死亡 少しずつ分かってきた“容疑者の人物像”
スーパーJチャンネル
[2024/09/20 20:09]
https://news.tv-asahi.co.jp/news_international/articles/900008641.html?page2
中国で、日本人児童が刺殺された事件。
容疑者の人物像が分かってきました。
■日本人児童(10)死亡 現場の様子は?
(尾崎文康記者報告)
「こちらで起きた事件を受けて、急遽休校を決めた日本人学校は、来週以降も子どもたちを登校させない方針です」
■事件現場
この記事の写真は12枚
18日、中国・深センで10歳の男子児童が登校中に刺殺された事件。 地元メディアが44歳の容疑者について報じました。
地元メディアによると
「深セン特区報」から
「男は44歳で漢民族、安定した職業についていない」
現地メディアによりますと、男は2015年に電信設備の破壊、2019年にデマで公共秩序を乱したとして拘束されたといいます。
■2度拘束されている
今回、ナイフで男児を刺したことを認めているということです。
現場には花が
登校中にいきなり男に刺されるという衝撃の事件。
一体、何が起こったのでしょうか?
目撃した人は
■事件を目撃した人
「ここです。私が来た時は、警察と救急車は既にここに来ていました。だんだん人が集まってきて、武装警察も来ました」
18日朝、男の子は母親と一緒に日本人学校に徒歩で登校中でした。
親子が校門からおよそ200メートルの場所に差し掛かったその時、44歳の男に腹を刺されたというのです。
「救急車が2台来ていて…」
■事件を目撃した人
「救急車2台が来ていて、子どもは救急車の中に運ばれ点滴をつけられていました」
男は警察によって取り押さえられたといいます。
■中国“撤退”の動きも…なぜ狙われた?
■1983年に起きた「柳条湖事件」
事件があったのは、満州事変の発端となった「柳条湖事件」が起こった日で、中国で国の恥と言われ、反日感情が高まりやすい日でした。
中国側から、事件の背景や動機などについて説明はないといいます。
金杉駐中国大使
■金杉 憲治 駐中国大使
「一番知りたいのは日本人が狙われたのか、更には日本人学校が狙われたのか、そこを知りたいと思ってる」
あくまでも
「個別の事案」
だと言われたといいます。
中国側は、事件の沈静化を図っているとみられます。
中国側は
■金杉 憲治 駐中国大使
「日本の経済界の方に危機意識があるということは、やはり中国側にはよく理解してほしいと思う」
■日系企業に動きも
影響は中国に進出している企業にもでています。
パナソニックホールディングスは会社負担で一時帰国できるようにするなど、今回の事件を受け、日系企業が対応に動いています。
20日午後、中国外務省の定例会見で、今回の事件について言及されました。
■20日午後の会見
中国外務省 毛 寧 副報道局長
「日本人がこの案件に関心を持っていることを理解しているが、警察が調査している最中です」

深圳の男児殺害で日本人学校に1000束超の献花 大半が中国人、子供犠牲で衝撃広がる
2024/9/20 19:01
https://www.sankei.com/article/20240920-LXHMXQV6ZNP6FNHGXOLSPIXBZ4/
中国広東省深圳で日本人の男子児童が刺殺された事件で、男児が通っていた日本人学校に20日までに計千以上の花束が贈られたと学校側が明らかにした。
ほとんどは現地の中国人が贈ったもので、哀悼の意を示す人が後を絶たない。
「天国で安らかに」
などとメッセージが添えられたものもある。
インターネット上では事件を巡り反日的な書き込みも少なくないが、市民は子供が犠牲となった事件に衝撃を受けている。
花束は冷房が効いた講堂で保管している。
その様子を撮影した写真が遺族に送られた。
日本人学校には保護者からの要望で献花台が設置された。
保護者らが続々と花を持って学校を訪れた。
来週からのオンライン授業に備えて教室から教材を持ち帰る人もいた。
日本人学校に中学生の息子が通う父親は
「悔しくて悲しい」
「2度とこんな悲惨な事件が起きないでほしい」
と述べ、足早に立ち去った。(共同)

中国の危険情報「レベル0」維持 外務省「見直しは検討していない」子供連れには注意喚起
2024/9/20 17:46
https://www.sankei.com/article/20240920-3TGIO6X24VL4JKCKQLC3DNSQBU/
中国・広東省深圳市の日本人学校に通う男子児童(10)が刺殺された事件を受け、外務省が出す渡航・滞在の
「危険情報」
が注目されている。
中国の危険度は、新疆ウイグル、チベット両自治区を除き
「レベルゼロ」。
インドは全土がレベル1以上、ロシアはレベル2だ。
外務省は
「現段階では見直しの検討はしていないが、中長期的な観点から総合的に判断する」
としている。
中国では6月にも江蘇省蘇州市でスクールバスを待っていた日本人母子が刃物で切りつけられる事件が発生。
日本国内でも靖国神社での落書き事件など
「反日」
が理由とみられる事件が続いており、日本政府が具体的な行動を取らないかぎり邦人の安全は守れないとの指摘も出ている。
一方で、外務省は男児が死亡した19日、日本人の安全に関わる重要な事件が発生した際に速報する
「スポット情報」
で「凶悪犯罪に対する注意喚起」を出し、
「特にお子さん連れの方は、十分注意して行動してください」
などと呼びかけた。
外務省によると、危険情報は渡航・滞在に当たり特に注意が必要な国・地域について発表する情報で、
レベル1「十分注意」
から
レベル2「不要不急の渡航自粛」、
レベル3「渡航中止勧告」、
レベル4「退避勧告」
まで計4段階ある。
強制力はないものの、日本企業の海外進出や海外事業のリスクをカバーする貿易保険などにも影響を及ぼす。
外務省海外邦人安全課は
「レベル1〜4でないからといって、リスクがゼロというわけではない」
とした上で
「もちろん今回の事件も検討材料から排除されていない」
「今回の事件にかぎらず、事案の概要や犯罪統計などを勘案しつつ、外務省として然るべき判断をしている」
と説明している。
中国への渡航危険情報をめぐっては、台湾が6月、4段階ある危険レベルを3番目から2番目に引き上げた。
中国が
「台湾独立派」
を対象にした処罰指針を定めたことなどを受け、台湾人の
「人身の安全」
に対するリスクを考慮したという。
中国は反発している。

日本人男児殺害は「偶発事件」と警察 中国・深圳の地元紙報じる 容疑者は2回の拘束歴
2024/9/20 16:29
https://www.sankei.com/article/20240920-FH2EI3VZUVIVVG6OQIQ22CXNJQ/
中国広東省深圳市の地元紙は20日、深圳で日本人学校へ登校中に男に刺された小学生の日本人男児が死亡した事件について、単独犯による
「偶発的な事件」
だという判断を地元警察が下していると報じた。
容疑者の男(44)が過去2回、警察に拘束されたことがあるとも伝えた。
中国共産党深圳市委員会の機関紙、深圳特区報(電子版)が報じた。
報道によると、容疑者の男は漢族で、定職にはついていない。
2015年には公共の通信設備を破壊した疑いで警察沙汰になり、2019年には公共の秩序を乱した疑いで警察に拘束された。
容疑者の男は刃物で子供を傷つけたことを認めているという。
日本人を狙った犯行なのかといった動機には触れていない。

深圳の日本人男児殺害、中国主要メディア沈黙 SNSは「批判」と「反日」が混在
2024/9/20 16:12
https://www.sankei.com/article/20240920-RLMLCUBNT5LWHOK77UAJNPFJVM/
中国広東省深圳市で日本人学校の日本人男子児童(10)が男に刺殺された事件で、中国の主要メディアは沈黙を貫いている。
当局から情報統制が敷かれているもようだ。
情報が飛び交う交流サイト(SNS)には
「国の恥だ」
と批判する声も多いが、事件の遠因が
「日本にある」
との異常≠ネ意見もあり、度を越えた
「反日分子」
の存在が浮き彫りとなっている。
■「心から謝罪」「日本に原因」
地元紙「深圳特区報」は20日、警察から得た情報として
「偶発的事件だった」
と伝えた。
男は容疑を認めている。
日本政府の要請を受け、当局が同紙を通じて詳細を公表したとみられる。
ただ他のメディアの記事は皆無だ。18日に一報を伝えたメディアの記事は現在、削除されている。
模倣犯の発生や政権批判への転化を避けたい狙いとみられる。
事件が発生した18日以降、中国の短文投稿サイト、微博(ウェイボ)には多くのコメントが書き込まれた。
「深圳人として心から謝罪する」
「子供は無実。あらゆる暴力行為を非難する」
などと事件を批判する書き込みも少なくない。
満州事変につながった柳条湖事件の9月18日に事件が起きたことに反応するコメントも数多かった。
「国恥の日に子供を殺した男は国の恥だ」
との見方もある一方、日本の歴史認識や対中姿勢が事件を引き起こしたとの声も散見された。
■悲劇悼む動きも
NHKラジオ国際放送で尖閣諸島を
「中国の領土」
と発言するなどして解雇され、帰国した中国人男性とされるアカウントも事件に反応。
在中日本人や在日中国人の生活を揺るがす元凶は
「安倍晋三政権が推進してきた歴史修正主義路線だ」
とし、日本が一方的な姿勢を続ければ
「両国で非理性的な傷害事件を引き起こすことになる」
などと警告した。
事件の背景に反日教育が関係している可能性もゼロではないが、
「抗日教育を中傷する者は犯人と同じく卑劣な人間だ」
との投稿も。
在中国日本大使館のアカウントには中国人から多数の謝罪や追悼が寄せられるが、中国人が日本で犯罪に遭った際に同様の光景を
「見たことがない」
として、
「中国人の命は日本人よりも軽いのか」
とする書き込みもあった。
一方、X(旧ツイッター)には、男児が通っていた日本人学校前に献花に訪れた男性が
「(中国の)長期にわたる憎悪教育が招いた結果だ」
と話す動画が拡散。
19日には東京都内で在日中国人有志が追悼集会を開くなど、悲劇を悼む動きも広がっている。

斎藤経産相、深圳の男児殺害で「従業員や家族の安全は最重要」 中国政府に安全確保求める
2024/9/20 12:07
https://www.sankei.com/article/20240920-2GZQMGIYR5KIHIFU722QMEQAJU/
中国広東省深圳市で日本人学校に通う小学生の日本人男子児童(10)が刺殺された事件で、斎藤健経済産業相は20日の記者会見で
「中国に進出する日本企業にとり、従業員や家族の安全は最重要課題だ」
との認識を示し、中国政府に日本人の安全確保や再発防止を求める考えを強調した。
斎藤氏は男児が亡くなったことについて
「深い悲しみを禁じ得ず、心からお悔やみを申し上げる」
と述べた。
その上で経産省としては中国に進出する日本企業で作る「中国日本商会」などと連携し、中国政府に適切な対応を求めるとした。
岸田文雄首相は19日、視察先の石川県内灘町で
「極めて卑劣な犯行であり、重大かつ深刻な事案だ」
と非難し
「日本政府としても、出来る事を全て行っていく」
と強調した。

刺殺された邦人男児に哀悼、秋葉原で自民総裁候補 中国当局に再発防止徹底と真相究明要求
2024/9/20 10:49
https://www.sankei.com/article/20240920-43JEOCTTVVDLZJN5GLTAUEOAX4/
中国広東省深圳市で男に刺された日本人小学生の男児(10)が死亡した19日に東京・秋葉原で行われた自民党総裁選(27日投開票)の街頭演説では、マイクを握った候補者が男児に対する哀悼とともに、中国当局に再発防止と事件の背景を含めた全容解明と詳細情報の共有を求める声が相次いだ。
首相に就任した際には、中国の在外邦人の安全の徹底を図る考えを各候補が強調した形となる。
■加藤氏「真相究明を」
「悲しい残念なニュースが飛び込んだ。心からご冥福とご家族へのお見舞いを申し上げたい」
トップバッターに立った加藤勝信元官房長官(68)は冒頭、犠牲になった男児に対する哀悼の言葉を口にし、
「政府は断固として中国政府に対し、真相の究明と説明、こうした事件が2度と起きない再発防止を断固求めるべきだ」
と語った。
■石破氏「中国は偶発的事件で対応」
石破茂元幹事長(67)も
「ご家族の気持ちを思うと、どんなに悲しいか、悔しいか、皆さまと心から哀悼の誠を捧げたい」
と述べ、遺族の気持ちに寄り添う姿勢を示した。
6月にも中国江蘇省蘇州市で、日本人学校のスクールバスが刃物を持った中国人の暴漢に襲われ、バスを待っていた日本人の母と男児がけがをした。
この事件を巡っては、バスに乗り込もうとした暴漢を阻んだバス案内係の中国人女性、胡友平さんが亡くなっている。
石破氏は
「こういうことが2度とないよう、中国に対し厳正な対処を我々は要請した」
「しかし中国は偶発的な事件として片付けようとしていたのではないか」
「毅然と中国に対して対処を要求していかないといけない」
と強調した。
■茂木氏「外務省予算は十分か」
茂木敏充幹事長(68)も中国当局に徹底捜査を求める考えを示した上で、
「邦人の命は世界中どこででも、日本政府が守らないといけない」
と言及した。
外務省は令和7年度予算案の概算要求で、中国の日本人学校でのスクールバスの警備費に約3億5000万円を計上した。
初めての予算措置で、バス1台に警備員1人を配置する計画だという。
ただ、茂木氏は予算額が不十分との認識を示し、
「子供の命はかけがえない」
「1人の警備員で本当に十分なのか検証し、体制強化を図っていきたい」
と述べた。
■高市氏「反スパイ法の詳細説明を」
高市早苗経済安全保障担当相(63)は、憤懣やるかたない様子で、
「皆さま、中国当局に対し、計り知れないほどの怒りを感じていると思う」
「私も同じだ」
「いい加減にしてほしい」
と述べた上で、
「容疑者が逮捕されてから何の背景が説明されたか」
「かけがえのない我が子を失ったご家族のお気持ちを思うと、悔しくてならない」
と語った。
2023年7月に中国で施行されたスパイ取り締まりを強化する改正スパイ法を挙げて、
「『反スパイ法』だって許せない」
「拘束されている日本人を一刻も早く解放して」
「訳の分からない法律の詳細を国際社会に対して説明してほしい」
と語った。
■林氏「ぐっと腹にため事に当たる」
林芳正官房長官(63)は、
「一体どうなっているのか」
「ご家族に思いを致すと、子を持つ親としていたたまれない」
「この気持ちをぐっと腹にため、全身全霊で事に当たっていきたい」
と語った。
■小泉氏「自分の子供が失われたよう」
小泉進次郎元環境相(43)は、
「自分の子供が失われたような気持ちで、思いを共有しているのは、全ての皆さんが同じ気持ちだと思う」
「中国に直ちに説明を求め、今回の事件の動機は何か、厳正なる対処を求めたい」
と語った。
■上川氏「卑劣な犯罪許さない」
上川陽子外相(71)は、
「心が震える思いだ」
「子供の未来、夢や希望のある小さな幼子が命を絶たれた」
「卑劣な犯罪を断じて許すわけにいかない」
と述べ、
「中国に対し、事実の解明と説明をしっかり求めていく」
「子供たちの命を守るために、安全対策を含めてしっかりと求めていく」
と現職の外相として対応していく考えを示した。
■河野氏「日本人家族へ帰国促す前に中国は対応を」
河野太郎デジタル相(61)と小林鷹之前経済安保相(49)は演説では事件に言及しなかった。
河野氏は(旧ツイッター)で
「中国国内の日本人家族の帰国を促さなければならないようなことになる前に、中国当局にはしっかりとした対応を求める」
と投稿した。
■小林氏「日本人の安全確保に万全期す」
小林氏もXで
「子を持つ親として、親御さまの悲しみを思うと胸が張り裂けそうな思いです」
と書き込み、
「私が総理総裁になれば、スクールバスの警備費増強など、日本人学校の警備体制強化や日本人の安全確保に万全を期してまいります」
と強調した。

男児殺害で日本人校周辺に監視カメラ 中国、警備強化アピールも不安解消難しく
2024/9/20 7:03
https://www.sankei.com/article/20240920-AXRMY7ABUJN2XP3FZTW7G7OD5Q/
中国広東省深圳で日本人の男子児童(10)が刺殺された事件で、男児が通っていた日本人学校の周辺では20日までに監視カメラが増設された。
中国当局は日本側が要請した警備強化への迅速な対応をアピールしたいとみられる。
だが容疑者の男(44)の動機など事件の真相につながる情報は公表しておらず、邦人社会に広がる不安の解消は難しい。
登校中だった男児は18日、校門から約200メートルの通学路で刺された。
学校や事件現場近くでは、遅くとも19日朝には監視カメラの増設作業が始まり、子供連れの家族らが足を止めて見ていた。
金杉憲治駐中国大使は19日に深圳市の羅晃浩副市長と面会し、警備強化や邦人の安全確保を求めた。
ただ事件に関する情報が少なく、邦人社会からは
「中国の対応は信じられない」
といった意見も上がっている。(共同)

<主張>日本人児童刺殺 中国政府に反省ないのか
社説
2024/9/20 5:00
https://www.sankei.com/article/20240920-5W75JOVASNMKLK2WKQDBQ3LAYY/
中国の広東省深圳市で、日本人学校に母親と登校していた10歳の男子児童が男に刺されて死亡した。
無辜の男児が突然命を奪われた痛ましさへの深い悲しみと、理不尽で卑劣な凶行への怒りを覚える。心から男児を追悼したい。
中国では6月にも江蘇省蘇州市で、日本人学校のスクールバスを待っていた日本人の母子が刃物で切り付けられて負傷する事件が起きたばかりだった。
日本人は中国で平和に暮らせないのか。
ならば、ビジネスであれ留学であれ、中国で安心して活動できるわけもない。
中国外務省は会見で
「不幸な事件」
に遺憾の意を表明したが、
「同種の事件はどの国でも起こり得る」
とし、
「中日間の往来や協力に影響を与えない」
と主張した。
許し難い言い草である。
短期間に相次いで日本人が襲撃される。
そんな国は中国以外のどこにもない。
中国政府は事態を深く反省し、再発を防ぐ具体的方策を明確に取るべきだ。
岸田文雄首相は記者団に
「中国側に早く事実関係の説明を求めるよう指示した」
と語ったが、なぜ自らが動かないのか。
中国首脳に対策を講じるよう直接迫るべきである。
児童が襲われた18日は、満州事変の発端となった昭和6(1931)年の柳条湖事件から93年に当たる。
中国では反日機運が盛り上がりやすい日ではあるが、事件との関連は不明だ。
日本政府は、中国側に犯行動機などの情報公開をさせなくてはならない。
6月の事件においても動機などは明らかにされないままである。
今回、拘束された男が日本人を標的にしたのであれば、在留邦人の警備を強化しても根本的な解決には繋がらない。
中国共産党政権による反日教育にこそ問題の根があろう。
東京・九段北の靖国神社で相次ぐ中国人の落書きも同じだ。
政治的な思惑で反日を煽る中国の姿勢が改まらないと、在留邦人の安全はいつまでも確保できないのではないか。
日本政府は中国への不要不急の渡航を自粛するよう国民に促すべきだ。
企業は駐在員や家族の帰国が検討課題となる。
政府は帰国後の住居や教育などを支援すべきである。
邦人が被害を受ける悲劇を2度と繰り返してはならない。

<産経抄>「魔の巣」では暮らせぬ、中国・深圳で日本人男児の刺殺 
2024/9/20 5:00
https://www.sankei.com/article/20240920-4IJ4SPEDO5NPRHDHKAWDJGB2QU/
明治生まれの歌人、窪田空穂(うつぼ)には家族を亡くす痛みを詠んだ歌が多い。
母、妻。
まだ幼い次女を病で失う悲哀も味わっている。
<生えずとてうれへし歯はもかはゆきが灰にまじりてありといはずやも>。
骨上げの際の一首という。
▼娘の歯がなかなか生えないことを、父は気に病んでいたとみえる。
皮肉にも荼毘(だび)に付した後の灰の中に、それは埋もれていた(『人生の節目で読んでほしい短歌』永田和宏著)。
わが子に乳歯を見つけた日は、本当なら欣快(きんかい)に堪えぬ記念日だろう。
▼事件は一緒にいた母親の前で起きた。
中国の広東省深圳市で日本人学校に登校中の10歳の男の子が、男(44)に刺されて亡くなった。
凶行のあった18日は、満州事変の発端となった柳条湖事件が起きた日と重なる。
男は当局に拘束された。
犯行動機や背景は明らかにされていない。
▼深圳には日本の企業も多い。
「同種の事件はどの国でも起こり得る」
とは中国外務省の会見である。
その言い分は受け入れ難い。
中国では6月にも、日本人母子らが刃物で襲われている。
身の安全が約束されない
「魔の巣」
で、誰が暮らせようか。
▼在留邦人の帰国を含め、日本企業は対応を検討すべき時期を迎えているようにも思える。
「一滴舌上に通じて大海の塩味を知る」
という。
物事の一部を知れば全体が見える。
中国共産党政権の応接は、その性根を世界に示すことになろう。
犯行動機の解明を、強く迫り続けたい。
▼10歳。
将来の夢や「なりたい仕事」が、少しずつ輪郭を帯びてくる年頃だろう。
日々の成長は、親御さんにとっても驚きと喜びの連続だったに違いない。
かの国にどれほど鋭い言の刃≠突き立てようと、失われた命は戻らない。
それが、ただただ悔しい。

駐中国大使が刺殺された邦人男児の遺族と面会 深圳市副市長に安全確保と警備強化申し入れ
2024/9/19 22:18
https://www.sankei.com/article/20240919-3IUCKVOUJJNCNG2MFSMBQYRVKQ/
中国広東省深圳で日本人学校の男子児童が刺されて死亡した事件を受けて現地入りした金杉憲治駐中国大使は19日、記者団に対し、遺族と会い
「お見舞いを申し上げた」
と述べた。
深圳市の羅晃浩副市長とも面会し、邦人の安全確保や日本人学校の警備強化を要請した。
事件の真相を究明して日本側と内容を共有するよう求めた。
副市長側からは日本人の安全確保に万全を期し、日本人学校の警備についても更に努力するとの回答があった。(共同)

中国外務次官、深圳の男児殺害は「前科者による個別事案」 駐中国日本大使と電話会談
2024/9/19 20:32
https://www.sankei.com/article/20240919-3IUCKVOUJJNCNG2MFSMBQYRVKQ/
中国広東省深圳で日本人学校へ登校中に刃物で刺された小学生の日本人男児が死亡した事件を受け、現場となった深圳で対応に当たっている金杉憲治・駐中国日本大使は19日、中国の孫衛東(そん・えいとう)外務次官と電話会談し、事件について申し入れを行った。
北京の在中国日本大使館によると、孫氏からは事件について
「前科のある者による個別の事案」
との説明があったという。
金杉氏は電話会談で
「日本政府として尊い人命が奪われる事態となったことを極めて深刻に受け止めている」
と述べ、遺憾の意を表明した。
中国側に再発防止策を講じることや事件の背景を含めた詳細情報の迅速な共有、邦人の安全確保と日本人学校の警備強化を強く求めた。
大使館によると、孫氏は
「極めて遺憾であり、痛惜の念を禁じ得ない」
と述べ、中国政府として日本人を含む外国人の安全を守るため
「最大限の努力をしたい」
と表明したという。
北京の在中国日本大使館では19日、中国に進出する日系企業の団体「中国日本商会」や日本人学校の関係者を集めた緊急会合を開いた。
商会の本間哲朗会長(パナソニックホールディングス副社長)は冒頭、事件について
「極めて深刻に受け止めている」
と表明。
中国側に対し
「在中日本企業にとって従業員と家族の安心と安全の確保は、中国で事業活動を継続するための基本中の基本だ」
と述べ、在留邦人の安全確保や、事件の背景を含めた詳細な情報の速やかな提供を求めた。
本間氏によると、会員企業の間では一時帰国やカウンセリングといった従業員らに対する支援が始まっているという。

中国・深圳の男児殺害で日本企業が警戒 駐在員や家族らに注意喚起 政府に安全確保要望も
2024/9/19 19:50
https://www.sankei.com/article/20240919-GNLFXV3BWNIHVNMOELXF2GVEII/
中国広東省深圳市の日本人学校に通う男子児童が男に刺され、死亡した事件で、現地に進出する日系企業は警戒を強めている。
「経済特区」
としてハイテク・IT企業が集積し、中国の急成長を支えてきた深圳には、自動車や電子部品関連など多くの日系企業が進出しており、駐在員やその家族らに注意喚起を呼びかけている。
電気自動車(EV)の研究開発合弁会社が深圳にあるトヨタ自動車は、中国の現地統括会社が日本大使館と日本人学校が発信する情報をメールで駐在員と共有し、注意喚起する対応をとった。
電子部品の工場が現地にある村田製作所も注意喚起を呼びかけ、不安に感じた場合は心のケアを行う体制を敷く。
深圳に拠点を構える伊藤忠商事も中国の駐在員約100人に対し、メールなどで当面は安全確保を念頭に置くよう注意を促した。
今のところ、退避までは検討していないという。
三菱商事も公私ともに留意して行動するよう注意喚起を行った。
中国で多くの会員企業が事業を展開する日本自動車工業会(自工会)の片山正則会長(いすゞ自動車会長)は19日の記者会見で
「企業にとって駐在員とその家族の安全は最も大切な問題だ」
「個社で色々な対策を行っている」
と述べた。
その上で
「政府には在留邦人の安全確保について、今まで以上に強化をお願いしたい」
と要望した。
事件が起きた深圳は通信機器大手、華為技術(ファーウェイ)やIT大手、騰訊控股(テンセント)、EV大手、比亜迪(BYD)などが本社を構え、中国のシリコンバレーと呼ばれている。
大手だけでなく、中小の日系企業も数多く進出している。
深圳市駐日経済貿易代表事務所によると、2020年末までに深圳に投資した日系企業は1000社近くに上るという。
中国への進出企業には近年、景気後退を受けて減少傾向もみられるが、深圳日本商工会の会員数は9月現在で372社に上る。

中国・深圳の男児殺害 日本政府、安全確保策検討急ぐ 自民総裁選候補者からは批判や注文
2024/9/19 19:04
https://www.sankei.com/article/20240919-QLPAN2R5PJLE7BFA7YWD6CQO4I/
政府は19日、中国深圳市で日本人学校に通う小学生の男児が中国人の男に刺され死亡したことを受け、再発防止策の検討を含め、中国に在留する邦人の安全確保に全力を挙げる方針を示した。
中国側から事件を巡る事実関係の詳細な説明が同日午後までになく、自民党総裁選の候補者からは、中国政府への批判や日本政府に更なる対応を求める声が相次いだ。
「幼い子供を襲う卑劣な行為が行われたことは誠に遺憾だ」。
林芳正官房長官は19日の記者会見で、死亡した男児にこう弔意を示した。
その上で通学時の安全確保策について
「外務省、文科省などが中心となって可及的速やかに検討していきたい」
と語った。
外務省の統計によると中国の在留邦人は10万1786人で、そのうち未成年は約1万5000人(令和5年10月現在)。
北京や深圳など9都市にある11の日本人学校には、計3300人超の児童や生徒が通学している。
江蘇省蘇州では6月、スクールバスで日本人学校に通う母子が襲われる事件が発生。
外務省は令和7年度予算案の概算要求で、初めて中国国内の日本人学校でのスクールバスの警備費として、約3億5000万円を計上し、安全強化を図ろうとしていた。
事件には林氏以外の自民党総裁選の候補者も言及した。
高市早苗経済安全保障担当相は
「中国当局が未だに原因、動機、何も明らかにしていない」
「これも本当に悔しいし、残念だ」
と述べた。
石破茂元幹事長は蘇州の事件や中国で米国人が襲撃された事件を挙げ、
「偶発的な事件ではないという見方もある」
と指摘。
「中国がどういう対応を取ってきたのか、これから取ろうとしているのか、日本政府として、きちんとした対応を求めるのは当然」
と語った。

中国・深圳の日本人男児殺害 在留邦人、相次ぐ外国人襲撃に衝撃 景気悪化で社会不安懸念
2024/9/19 18:31
https://www.sankei.com/article/20240919-ZGEGQJHRHBIUHB5Y3JNQK2LJBI/
中国広東省深圳市で日本人学校への登校中に男に刺された小学生の日本人男児(10)が19日に死亡したことは中国全土で生活する日本人に衝撃を与えた。
中国政府は動機を明らかにしておらず、中国各地の邦人社会には不安が広がっている。
■情報なく対策とれず
「残念でたまらない」
深圳にも拠点を持つ日本企業トップは男児襲撃事件に悲しみと憤りを隠さなかった。
特に子供連れで中国に駐在している社員の間では深圳に限らず不安が広がっているという。
中国では6月に江蘇省蘇州市で日本人学校のスクールバスを待っていた日本人の母子が刃物で切り付けられる事件が起きたばかり。
短期間で相次ぎ日本人の子供が襲われる事件が起きたことへの動揺は計り知れない。
深圳は香港にも近い経済都市で、外国人と距離が近い街と思われていたことも衝撃に拍車をかけた。
中国政府が動機などについて詳細を説明していことは、在留邦人の不安感をいっそう増大させてもいる。
中国の主要メディアの報道はごく一部にとどまり、深圳の事件を知る中国人は多くない。
子供を北京の日本人学校に通わせる男性は
「情報がないため対策を取りにくい」
と語った。
■相次ぐ外国人襲撃
中国では外国人が襲われる事件が立て続けに起きている。
6月には蘇州の事件に加え、吉林省吉林市で米コーネル・カレッジから同市の大学に派遣されている教員4人が刃物で刺され負傷する事件も起きた。
中国政府は
「偶発的な事件」
と強調するばかりで、詳しい説明は避け続けた。
蘇州の事件では、日本人母子に刃物で切り付けた中国人の男を阻止しようとして刺されて死亡した中国人女性を英雄として持ち上げて「美談」にしたが、効果的な対策を取ることはなかった。
■SNSに疑念あおる動画も
中国では不動産不況を背景に経済成長が鈍化して庶民の雇用・所得環境が悪化しており、社会不安が懸念されている。
そうした中、外国人に不満のはけ口が向かいやすいムードがある。
特に18日は満州事変の発端となった昭和6(1931)年の柳条湖事件から93年に当たり、中国国営メディアは「抗日」の歴史を繰り返し強調した。
中国の交流サイト(SNS)では「日本を打倒せよ!」などと反日感情を露わにした投稿も目立った。
SNSでは深圳の事件について
「これこそが国の恥だ」
などと容疑者を批判する投稿も少なくない。
一方で、中国各地にある日本人学校について
「なぜ各地に日本人学校があるのか」
「背景にはどんな秘密を隠しているのか」
と疑念を煽るような動画も残る。
中国では当局がSNSを管理しており、こうした動画を野放しにしている形だ。
中国政府は現在、不景気の中で海外からの投資呼び込みに熱心だ。
日中外交筋は
「こんな状況では投資などできないと日本企業が考えるのは当然だ」
「中国政府は日中関係の根幹に関わる問題と受け止めて対応する必要がある」
と指摘する。

日本人男児殺害、社会の不安定化の表れ 中国は説明責任果たせ 東京大教授・阿古智子氏
2024/9/19 18:29
https://www.sankei.com/article/20240919-T5I4WOK5SJM7XODIFJE2KBAXJY/
中国広東省深圳市で日本人学校に通う男子児童(10)が男に刃物で刺されて死亡した事件について、現代中国を研究する東京大の阿古智子教授に背景を聞いた。

6月に江蘇省蘇州市で起きた日本人母子への切り付け事件の徹底調査がなされない中、また悲劇が起きてしまった。
殺害されたのは罪のない日本人の男の子だ。
尊い命が奪われた現実に憤りと悲しみを抑えられない。
都合の悪い事実を隠したがる中国政府も、今回はさすがに説明責任を果たさなければならない。
容疑者の動機には
「反日」
「抗日」
が関係している可能性も捨てきれない。
事件が起きた
「9月18日」
は満州事変の発端となった柳条湖事件の日だ。
「この日なら許される」
などの感情が働いたかもしれない。
中国側は背景を徹底調査し、適切に報告すべきだ。
この事件も含め、中国の政府系メディアは詳細を報じないが、中国では最近、外国人への犯罪が増加している。
また交流サイト(SNS)を見ると、中国人同士の殺傷事件も頻繁に起きていることがわかる。
社会が極めて不安定化している表れではないか。
中国は経済が悪化し続けており、習近平政権を批判的に見る人も増えている。
だが、言論統制で不満を口に出すことができず、暴力で解決する傾向が強まっていると感じる。
思想教育やプロパガンダ(政治宣伝)が行われる中、余裕のない人が
「敵」
と教わった日本人を不満のはけ口としてみている恐れもある。
今回の悲劇は日中関係にも影響するだろう。
中国事業により慎重になる日本企業も増えるかもしれない。
中国が徹底調査して説明責任を果たすのが関係維持への第一歩だが、それだけでは根本的な解決にはならない。
日本への憎しみを生むような教育をしていなかったか。
中国側はこれを機に考えるべきだ。
日本人も事件があったからといって中国人差別に手を染めてはいけないが、中国が行き過ぎたナショナリズムの横行を直視しなければ、再び悲劇が起きかねない。

中国・深圳の日本人男児殺害、各候補が政府に「毅然とした対応」促す 自民総裁選
2024/9/19 18:27
https://www.sankei.com/article/20240919-F5Q2JRTB55NDZMJEW6FD7S4FZU/
中国広東省深圳で日本人学校に通う男子児童が刺殺された事件を受け、自民党総裁選候補者からは19日、中国に毅然とした対応を取るよう政府に促す意見が相次いだ。
事件が日中関係に与える影響を懸念する声も出た。
石破茂元幹事長は記者団の取材に
「日本政府として中国に申し入れるだけでなく、どういう対応を取ったのか強く質していくべきだ」
と強調した。
小泉進次郎元環境相は
「中国政府には動機の解明を含めて厳正な対処を求めたい」
と記者団に述べた。
高市早苗経済安全保障担当相は国会内の陣営会合に出席した議員らと黙とうした。
「中国当局が未だに原因や動機を明らかにしておらず、残念だ。説明を求めていく」
と訴えた。
茂木敏充幹事長は、中国で通学する日本人児童の警備費用増額を検討する必要があると主張した。
河野太郎デジタル相は
「こうした事件が続けば、中国で働く日本人が引き揚げることに繋がりかねない」
と指摘した。

中国・深圳の日本人襲撃、動機などなお伝えられず 邦人の安全確保 日中間の重要課題に
2024/9/19 18:19
https://www.sankei.com/article/20240919-IARXY3SOTJP5FKORYIUE6IELAA/
中国広東省深圳市で日本人学校に通う小学生の日本人男子児童(10)が18日に刺されて負傷した事件で、同省広州市の日本総領事館は19日、男児が死亡したと明らかにした。
当局は容疑者の男(44)の身柄を現場で確保して取り調べを行っているが、これまでのところ日本側に動機など詳細な情報は伝えられていない。
中国における日本人の安全確保や、事件の真相解明が日中間における重要課題となる。
日中両政府などによると、男児は18日朝に保護者と登校中、日本人学校の校門から約200メートル離れた場所で男に襲われた。
男児は腹部を刺され、病院で手術を受けたが19日未明に死亡した。
中国では6月、江蘇省蘇州市で日本人学校のスクールバスを待っていた日本人の母子が刃物で切り付けられて負傷する事件が起きたばかり。
在中国日本大使館は19日、在留邦人に対し
「日本人が被害に遭う事件が相次いでいる」
と改めて注意を呼び掛けた。
大使館は事件に関して
「背景など詳細は現在のところ不明」
だとして
「中国側に情報提供を強く求めている」
と強調した。
中国外務省の林剣報道官は19日の記者会見で、男児が死亡したことについて
「不幸な事件」
だとの認識を示して
「遺憾」
の意を示した。
林氏は
「類似の事件は如何なる国でも起きる可能性がある」
と主張し、
「個別の事件が中日両国の往来や協力に影響しないと信じている」
と表明した。
男児は日本国籍で、両親は日本人と中国人だと説明した。
金杉憲治・駐中国日本大使は19日、深圳に急遽入り現地で対応にあたった。
北京市にある在中国日本大使館は同日、日の丸の半旗を掲げて弔意を示した。
日本総領事館の貴島善子総領事は18日夜に深圳の対外窓口である外事弁公室主任と面会。
真相解明や再発防止の具体策などを求めた。

自民・高市早苗氏、中国・深圳の邦人男児殺害に「本当に胸が痛む」 中国政府に説明求める
2024/9/19 17:44
https://www.sankei.com/article/20240919-L255GXC3PNI6TLSJYDPYFJ2TUU/
自民党総裁選(27日投開票)に立候補した高市早苗経済安全保障担当相は19日、中国広東省深圳にある日本人学校に通う男子児童(10)が刺殺された事件について、国会内で記者団に「家族の方の思いを考えると本当に胸が痛む。心からお悔やみを申し上げる」と述べた。
中国当局が犯人拘束後も事件の背景や原因を公表していないことを指摘し、「説明をしてもらわなければ日本人学校の安全も守れない」と強調。中国政府に対し、「中国に滞在している日本人の安全を守る具体的な策を示してほしい」と求めた。
高市氏は中国の反スパイ法への懸念も表明。「日本人にも適用される法律の解釈の詳細な説明を求めることは日本政府の責務だ」と述べ、中国側に説明を求める考えを示した。

中国外務省が深圳の日本人男児死亡に「遺憾」表明 「どの国でも起こり得る」とも主張
2024/9/19 17:24
https://www.sankei.com/article/20240919-E6B6VWL6MVJKLJ3UXZDN7EIGJY/
中国外務省の林剣(りん・けん)報道官は19日の記者会見で、広東省深圳の日本人学校への登校中に小学生の日本人男児(10)が男に刺され死亡したことについて、
「不幸な事件」
だとして
「遺憾」
の意を表明した。
男児に対して哀悼の意も示した。
林氏は
「類似の事件は如何なる国でも起きる可能性がある」
と主張して
「個別の事件が中日両国の往来や協力に影響しないと信じている」
との認識を示した。
「中国側は一貫して有効な措置を取り続けており、中国にいる全ての外国人の安全を保障している」
とも強調した。
動機など詳細については
「現在、調査中であり、中国側の関係部門が法に照らして処理する」
と述べるにとどめた。

岸田首相、中国・深圳で男児殺害に「極めて卑劣な犯行で重大かつ深刻」「説明強く求める」
2024/9/19 15:54
https://www.sankei.com/article/20240919-Z52XZSPCJNJGTCT2HSEEEZ75YA/
岸田文雄首相は19日、中国広東省深圳にある日本人学校に通う男子児童(10)が刺殺された事件について
「極めて卑劣な犯行であり、重大かつ深刻な事案だ」
と非難した。
「中国側に事実関係の説明を強く求めていく」
「犯行から既に1日以上経っている」
「一刻も早く説明を強く求めるよう指示した」
と語った。
視察先の石川県内灘町で語った。
首相は
「このような事案を二度と繰り返してはならない」
「日本人の安全確保と再発防止を中国側に強く求めていくと同時に、日本政府としても、できることを全て行っていく」
と強調。
「ご家族のご心痛、察して余りあるものがある」
「全力でご家族の支援に当たっていきたい」
と語った。

自民・茂木氏 中国・深圳の児童死亡に「強い怒りを覚える」
2024/9/19 14:38
https://www.sankei.com/article/20240919-EVDW2FCFS5NQDPEN4REGZWSO7I/
自民党の茂木敏充幹事長は19日、中国・深圳で日本人学校の男児が刺され死亡した事件を受け、自身のX(旧ツイッター)に
「心よりお悔やみ申し上げる」
「そして今回の事件に強い怒りを覚える」
「捜査当局によるしっかりとした捜査がされることを強く求める」
と投稿した。

北京の日本大使館に半旗 中国・深圳の日本人男児死亡で弔意 駐中国大使が現地入り
2024/9/19 13:53
https://www.sankei.com/article/20240919-AEUXC5QFYZMUHEEJFVWW2JMU34/
中国広東省深圳で日本人学校への登校中に男に刺された小学生の日本人男児(10)が19日に死亡したことを受け、北京の在中国日本大使館は同日、日の丸の半旗を掲げて弔意を示した。
金杉憲治・駐中国日本大使は同日、現場となった深圳に急遽向かった。
事態を深刻に見て現地で対応に当たる。
事件発生後、広東省省広州市の日本総領事館の貴島善子総領事らが現地で家族への対応や地元当局への要請などにあたってきた。
日本政府関係者などによると、男児は18日朝に保護者と登校中、日本人学校の校門から約200メートル離れた場所で男に襲われた。
腹部を刺されており、病院に搬送して手術など治療を続けたが19日未明に死亡した。
容疑者の男(44)は当局が現場で身柄を確保して取り調べを行っている。
日本側には動機など詳細な情報は伝えられていない。
深圳は、香港と隣接する中国南部を代表する経済都市だ。中国通信機器大手、華為技術(ファーウェイ)などが本社を置き、IT産業の集積地として日系企業も多数進出している。
外務省のデータによると、2023年10月時点で深圳の在留邦人数は3600人で、中国本土の都市では5番目に多い。

中国には9都市に11の日本人学校、スクールバスの警備強化目指した矢先に 邦人男児死亡
2024/9/19 12:06
https://www.sankei.com/article/20240919-TTHSRMDWQZK5LDMBLO5R4ZGWVE/
中国広東省深圳にある日本人学校近くで、同校に通う男児(10)が男に刺されて20日、死亡した。
中国では6月にも江蘇省蘇州で、スクールバスで日本人学校に通う子供らが襲われる事件が起きている。
政府は中国本土9都市に11ある日本人学校に通う子供の安全確保を徹底するため、スクールバスの警備強化などを図ろうとしていた矢先だった。
蘇州では6月24日、スクールバスを待っていた日本人の母子が、50代の男から刃物で切り付けられて怪我を負った。
事件を受け、外務省は令和7年度予算案の概算要求で、初めて中国国内の日本人学校でのスクールバスの警備費として、約3億5000万円を計上。
スクールバスに1台当たり警備員1人を配置する計画を立て、子供らの安全強化を図ろうとしていた。
外務省の海外在留邦人数調査統計によると、中国の在留邦人は10万1786人おり、2万人近い未成年も在留している(令和5年10月現在)。
11の日本人学校には、合わせて3300人を超える児童や生徒が通学している。
中国に進出する日本企業で作る中国日本商会(本間哲朗会長=パナソニックホールディングス副社長)も今年7月、中国政府に邦人の安全確保を要望していた。

「卑劣な行為」と上川陽子外相 中国・深圳の日本人男児刺殺事件で再発防止を指示
2024/9/19 9:52
https://www.sankei.com/article/20240919-BDDTFTMYLVMLJH4FEFH3P76FLU/
中国広東省深圳にある日本人学校近くで同校に通う男児(10)が男に刺され死亡した事件で、上川陽子外相は19日、
「卑劣な行為で誠に遺憾だ」
「深い悲しみを禁じ得ない」
と外務省で記者団に述べた。
上川外相は再発防止策の検討を外務省の担当者に指示。
また、中国側に日本人の安全確保を求めていくことも明らかにした。

中国・深圳の日本人襲撃で刺された男児が死亡 相次ぐ事件に衝撃、中国側に再発防止を要請
2024/9/19 8:58
https://www.sankei.com/article/20240919-T46FIP3YE5MXXCBUHRGYD72HQM/
中国広東省深圳市で日本人学校に通う小学生の男児(10)が18日に男に刺されて負傷した事件で、同省広州市にある日本総領事館は19日、男児が死亡したと発表した。
男児は病院に搬送されて手術を受けており、総領事館は19日未明に男児の容体が
「予断を許さない状況」
だと説明していた。
容疑者の男(44)は当局が身柄を確保して取り調べを行っているが、日本側には動機など詳細な情報は伝えられていない。
金杉憲治・駐中国日本大使は18日に北京市で記者団に対し、今回の事件が日本人を狙ったものであるかどうかについては
「まだ背景が分からない」
とコメントを避けた。
在広州日本総領事館の貴島善子総領事は18日夜に深圳市の対外窓口である外事弁公室主任と面会。
男児の家族へのケアや真相解明、再発防止の具体策などを求めた。
総領事館は、日本人学校も交えて再発防止に関する協議を始めた。
中国では6月に江蘇省蘇州市で日本人学校のスクールバスを待っていた日本人の母子が刃物で切り付けられる事件が起きており、総領事館が日本人学校などと安全対策に関する情報交換や対策協議を行っていた最中に今回の事件が起きたという。
総領事館は貴島氏ら複数の館員が深圳に入り、家族への対応や日本人学校との連絡、地元当局への要請などを行っている。
中国に進出する日系企業の団体「中国日本商会」は18日にホームページで談話を発表し、事件について
「極めて深刻に受け止めており、このような事案が発生したことは極めて遺憾だ」と表明した。
商会は、今回の事件を受けて日中両政府に対し在中邦人の安全確保を改めて求めるとともに、
「事件の背景を含めた詳細情報を速やかに明らかにすること」
を求めた。
中国に住む日系企業駐在員らの間では、日本人の子供を襲う事件が相次ぎ起きていることに衝撃が広がっている。

10歳男児の容体は「予断を許さない深刻な状況」 中国・深圳の刺傷事件、最善の措置要望
2024/9/19 7:58
https://www.sankei.com/article/20240919-CJ5ATBYX6JLNBDQ4D4HQ66BQOQ/
中国広東省深圳にある日本人学校近くで同校に通う男児(10)が18日に男に刺された事件で、同省広州市にある日本総領事館の貴島善子総領事は19日未明、記者団の取材に応じ、男児の容体は
「予断を許さない非常に深刻な状況だ」
と明らかにした。
同日未明時点で男児は手術室で医療措置を受けているという。
貴島氏は18日夜に深圳市の外事弁公室主任に会い、男児を救うための最善の医療措置や再発防止の具体的措置を要望した。
事件の真相解明と日本側への丁寧な説明も求めた。
現場付近で容疑者の男を取り押さえたのは、近くで警備に当たっていた警察関係者だと述べた。
犯行の動機については警察から情報を得られていない。
日本人を狙った犯行だったかどうかについては
「分析するには情報がまだ少ない」
として明言を避けた。
深圳市の外事弁公室からは事件が起き残念だとの表明があり、男児の治療には広東省の一流の医師が治療に当たっているとの説明があったという。(共同)

金杉憲治中国大使、再度の日本人襲撃に「じくじたる思い」「満足できる説明ない」
2024/9/18 21:35
https://www.sankei.com/article/20240919-T46FIP3YE5MXXCBUHRGYD72HQM/
金杉憲治・駐中国日本大使は18日、中国広東省深圳市で日本人学校に通う小学生の男子児童が男に刺されて負傷した事件を受け、中国側に対し
「在留邦人の安全、安心、万全な警備を改めて働きかけた」
ことを明らかにした。
北京市内で記者団に語った。
中国側に真相究明や背景に関する説明も求めたが、
「残念ながら今のところ我々が満足できるような説明はきていない」
という。
今回の事件が日本人を狙ったものであるかどうかについては
「まだ背景が分からない」
とコメントを避けた。
6月に江蘇省蘇州市で起きた日本人母子が刃物で切り付けられた事件に続いて再び日本人が襲われたことについて
「本当に忸怩たる思いだ」
と述べた。
中国側に対して
「邦人コミュニティー全体の危機意識をしっかりと受け止めた上で対応してほしい」
と適切な対応を求めた。
「在留邦人の安全、安心について大使館、総領事館を挙げて最大限努力していきたい」
と表明した。
一方、中国に進出する日系企業の団体「中国日本商会」は18日にホームページで談話を発表し、事件について

中国・深圳で日本人学校に登校中の小学児童が襲われて負傷 容疑者は当局が確保
2024/9/18 12:08
https://www.sankei.com/article/20240918-SAMWB2FTFFOJ5FYSXRGJZGHW3I/
日本政府関係者や現地関係者によると、中国南部の広東省深圳市で18日午前、日本人学校に登校中だった小学生の男子児童が男に襲われて負傷した。
児童は病院に搬送されて治療を受けている。
怪我の程度などは明らかになっていない。
中国では6月にも、東部の江蘇省蘇州市で日本人学校のスクールバスを待っていた日本人の母子が刃物で切り付けられて負傷する事件が起きている。
容疑者の男は当局が身柄を確保して取り調べを行っているという。
在広州日本総領事館が現地に担当者を送って、被害者の支援や情報収集などに当たっている。
深圳は中国南部の経済都市で、IT産業などの集積地として知られる。

中国 襲われた日本人学校の男子児童死亡 現地に衝撃広がる
2024年9月19日 12時52分
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20240919/k10014585361000.html
中国南部 広東省の※深センで日本人学校に通う10歳の男子児童が登校中に刃物を持った男に襲われた事件で、現地に駐在する日本の総領事は19日未明に男子児童が死亡したと明らかにしました。
中国ではおよそ3か月前のことし6月にも東部の江蘇省蘇州で日本人学校のスクールバスが刃物を持った男に襲われ、日本人の親子がけがをする事件があり、現地では警戒が高まっていただけに衝撃が広がっています。
※「セン」は「土」へんに「川」。
18日午前、中国 広東省の深センで、日本人の10歳の男子児童が保護者と一緒に日本人学校に登校していたところ、男に刃物で刺されて病院に搬送されました。
広東省広州に駐在する貴島善子総領事は19日朝、記者団に対して
「男子児童は病院で治療を受けていましたが、19日未明、亡くなりました」
「心より哀悼の意を捧げたい」
と述べ、男子児童が死亡したことを明らかにしました。
児童は腹部を刺されて傷を負っていたということで、具体的な死因については、中国の当局が調査しているとしています。
■貴島総領事「一番に家族のケアを」
貴島総領事は
「今回の事案の発生を受けて、引き続き中国側には日本人の安全確保のために尽くしてもらいたい」
「総領事館としても全力で対応していきたい」
と述べました。
そして
「まずご家族のケアを一番に考えて対応していきたい」
と述べ、日本人学校や深セン市政府とも連絡をとりながら対応していく考えを示しました。
■容疑者は44歳の男 動機など不明
地元の警察によりますと、容疑者は44歳の男で、その場で当局に身柄を拘束され、取り調べを受けているとみられますが、動機などについてはこれまでのところ、明らかになっていません。
■「本当に悲しい」「大部分は友好的」中国人からも悲しみの声
現場のすぐ近くに住む30代の中国人の女性は、自らも5歳の子どもがいることにふれた上で
「事件のことを知ったときはびっくりしました」
「お子さんのことを心配していました」
「亡くなったことを知って本当に悲しいです」
「このようなことが起きて残念です」
と話していました。
北京の50代の女性は
「大部分の中国人は日本人に対してとても友好的で、今回は極端な事例だと思う」
「大多数の中国人の本当の考えを代表していない」
「本当に遺憾で心を痛めている」
と話していました。
また、20代の女性は
「もし歴史問題が原因で繰り返し起きたことであれば私は受け入れられない」
と話していました。
■中国メディア 短く伝えるのみ
中国の主なテレビや新聞は、18日に事件が起きた時点ではほとんど伝えず、午後になって中国外務省の報道官が定例会見で記者に聞かれて発言すると、一部のメディアは事件の概要に関する発言だけを短く伝えました。
男子児童が死亡したことについては、いまのところ報じていません。
また、中国外務省は18日の記者会見の内容をホームページに掲載していますが、事件に関する5回の質疑応答のうち、最初のやりとりを除く4回を掲載していません。
■6月にも江蘇省でスクールバス襲われる事件
中国ではことし6月にも東部の江蘇省蘇州で日本人学校のスクールバスが、刃物を持った男に襲われ、日本人の親子がけがをし、男を止めようとした中国人女性が死亡する事件が発生しています。
その後、中国各地の日本人学校では警備体制を強化するなど、警戒が高まっていただけに、日本人が巻き込まれる事件がふたたび起きたことに現地の日本人社会では衝撃が広がっています。
■北京 日本大使館 半旗掲げる
男子児童が死亡したことを受けて、北京にある日本大使館は19日、半旗を掲げました。
また、中国のSNS「ウェイボー」の公式アカウントで半旗の写真と中国語で哀悼のことばを投稿して、中国政府に対して、事件の真相を明らかにするとともに中国にいる邦人の保護や再発防止に努めるよう求めています。
また、日本大使館は18日に続いて19日も、中国国内にいる日本人に対して安全の確保に努めるようメールで強く呼びかけました。
メールでは、ことし6月の江蘇省 蘇州の事件にも触れ、中国の関係当局に日本人の安全確保を強く要請しているとしています。
その上で、外出の際は不審者の接近など周囲の状況に留意し、特に子どもを連れて外出する場合は十分に対策をとるよう呼びかけています。
■上川外相「卑劣な行為で遺憾」中国側に安全確保求める考え
上川外務大臣は19日朝、外務省で記者団に対し
「深い悲しみを禁じ得ず、心からのお悔やみを申し上げる」
「登校中の児童に対し、卑劣な行為が行われたことは誠に遺憾で、両親の心痛も考えると胸が潰れる思いだ」
「政府として全力で家族の支援にあたる」
と述べました。
そして
「ことし6月の蘇州の事件を受け、安全対策の再点検を早急に行うよう伝達していたほか、9月18日が柳条湖事件が起きた日であることを踏まえ、中国外交部に対し、日本人学校の安全対策について万全の対応を行うよう申し入れを行ったところだが、こうした中で本件事案が起きたことは大変残念だ」
と述べました。
その上で
「今般の事案を極めて重く受け止めており、改めて中国側に対し、日本人の安全確保を求めていくとともに、再発防止に向けて、どのような追加的な措置が可能か、事務方に検討を指示した」
と述べました。
■中国との人的交流や投資に影響も
今回の事件は日本と中国の間の人的な交流や日本企業の中国への投資に影響を与えることになりそうです。
中国では、景気の先行きへの不透明感に加え、スパイ行為に関わったなどとして日本人が当局に拘束されるケースも相次いでいます。
このため日本企業の間では、社員の出張や中国への投資を控える動きが広がっています。
中国に進出する企業でつくる「中国日本商会」が8月末に発表した会員企業へのアンケート調査では、ことしの中国への投資額について
▽「大幅に増加させる」や「増加させる」と答えた企業が15%にとどまった一方、
▽「減らす」もしくは「投資はしない」は45%にのぼりました。
調査の中では、中国政府への要望事項として、ことし6月に江蘇省蘇州で日本人学校のスクールバスが襲われた事件を受け、在留邦人の安心や安全を求める声が相次いでいました。
今回の事件を受けて「中国日本商会」は18日
「極めて深刻に受け止めている」
とするコメントを発表しました。
その上で
「改めて邦人の安全確保を日中両国政府に強く求めるとともに、事件の背景を含めた詳細情報を速やかに明らかにすることを求めていく」
とし、北京にある日本大使館に申し入れを行いました。
事件の背景などの詳細はわかっていませんが、蘇州の事件から3か月足らずで発生した今回の事件を受け、日本企業の間で安全への懸念が一段と強まるのは避けられないとみられます。
■専門家「駐在員の安全対策 企業でも」
中国情勢に詳しい神田外語大学の興梠一郎教授は、今回の事件による影響について
「中国への投資はすでに減ってきているが、今後ますます影響してくると思う」
「ビザの問題ですでに減少している日本人観光客や修学旅行への影響も避けられないだろう」
と話していました。
また、中国で日本人が襲われる事件が相次いでいることを受けて現地の日本企業への影響も大きいとしたうえで
「今後、社員が中国に駐在する時にどうするのか、1人で単身赴任する場合、安全対策をどうするのかなど考えないといけない」
「日本人がいると明らかにわかるような場所に行くことは、避けたほうが良い」
と話し、日本政府や現地の日本企業による安全対策の徹底が必要だと訴えました。

http://www.asyura2.com/24/senkyo295/msg/682.html#c26

[政治・選挙・NHK295] 公明党が裏金議員を“続々推薦”で救いの手…やっぱり自民と「同じ穴のムジナ」(日刊ゲンダイ) 赤かぶ
43. 秘密のアッコちゃん[724] lOmWp4LMg0GDYoNSgr@C4YLx 2024年10月13日 15:33:15 : fjTz2F981w : QTJUazdpaUhyT1U=[289]
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操業始まる使用済み核燃料の中間貯蔵施設、原発活用に不可欠の役割 論説委員・高橋俊一
日曜経済講座
2024/10/13 11:00
https://www.sankei.com/article/20241013-SAXATJ64GVKIXHO3UD5OHBI42Q/
石破茂首相が安全を前提に原子力発電の活用を表明した。
先の自民党総裁選では
「原発ゼロ」
にも言及していたが、生成AI(人工知能)の普及で電力需要の増大が見込まれていることを見据え、原発を
「最大限活用する」
とした岸田文雄前政権の方針を継承する意向を示した。
これを支えるかのように、原発の活用に不可欠な施設が操業に向けて動き始めた。
青森県むつ市に開設された使用済み核燃料の中間貯蔵施設である。
中間貯蔵施設は、原発で発電後に残った使用済み燃料を再処理するまでの間に一時的に保管する施設だ。
むつ市の施設は、東京電力と日本原子力発電が共同出資するリサイクル燃料貯蔵(RFS)が運営する。
東電は9月24日に柏崎刈羽原発(新潟県)の燃料69体(12トン)を初めて搬出し、26日から施設での受け入れが始まった。
操業前に行う検査を経て、11月20日から正式に操業を開始する。
この施設が原発の活用に欠かせないのは、使用済み燃料を保管する貯蔵プールなどの容量が多くの原発で乏しくなっているからだ。
使用済み燃料の行き場がなくなれば、原発を止める他ない。
■再稼働へ重要なステップ
東電は柏崎刈羽原発の再稼働を目指しているが、同原発の貯蔵量は6月末現在で全体の保管容量に対して81%に達していた。
中でも原子力規制委員会の安全審査に合格している6、7号機は9割を超える。
同原発が立地する新潟県柏崎市の桜井雅浩市長は再稼働に同意する条件として、2基の貯蔵率を
「概ね80%以下にすること」
を求めている。
中間貯蔵施設への搬出は、再稼働の重要なステップとなる。
むつ市の施設は使用済み燃料を最長50年間保管する。
3000トンの収容能力を備えており、2000トンを保管できる2棟目の建設も計画されている。
保管は
「乾式貯蔵」
という方法を採用している。
使用済み燃料を金属製の専用容器(キャスク)に密封し、空気の自然対流だけで冷却する。
冷却のための特別な装置や電気も不要なため、安全性も優れているとされる。
使用済み燃料の問題は、稼働している原発を持つ電力会社にとってはより切実だ。
再稼働を果たした原発の貯蔵率はいずれも80%を超えており、関西電力の高浜原発(福井県)では現在の稼働状況が続き、外部にも搬出できなければ、3年ほどで上限に達するという。
事態を打開する手段の1つとして、関電も中間貯蔵施設を視野に入れている。
中国電力が山口県上関町で建設を検討する意向を示し、関電も出資して共同開発を目指している。
2024年4月からは現地でボーリング調査などを進めている段階だ。
■使用済み燃料は「資源」
中国電は2024年12月に島根原発(島根県)で2号機の再稼働を目指しているが、現時点では使用済み燃料の保管容量には余裕がある。
それでも建設を検討しているのは、福島第1原発事故の影響などで中断している上関原発に代わる地域振興策を同町から求められたことがきっかけだった。
ただ、中国電は
「建設費や運営費のコストは課題で、単独では難しい」(広報担当者)
と判断、関電に共同開発を持ちかけたのだという。
電力各社が使用済み燃料に悩んでいるのは、日本原燃の再処理工場(青森県)の完成が遅れていることが根本的な原因だ。
エネルギー資源に乏しい日本では、使用済み燃料からまだ使えるウランやプルトニウムを取り出し、燃料として再利用する
「核燃料サイクル」
を原子力政策の基本として推進してきた。
だが、再処理工場の完成の遅れによって再処理が進まず、使用済み燃料が増え続けているのだ。
日本原燃は2024年8月、令和6年度上期としていた再処理工場の完成目標を8年度内に延期したが、完成目標の延期は27回目だ。
青森県の宮下宗一郎知事が
「新しい工程を直ちには信頼できない」
と批判するなど、地元からの信頼も揺らいでいる。
「地元の方は、使用済み燃料は核のごみ≠ナはなく、資源だからこそ受け入れると言ってくれている」
「我々もその気持ちに応えようと事業を進めている」。
東電で中間貯蔵施設などのサイクル関連業務を担当する山本博通氏はそう話す。
使用済み燃料を資源として生かし、地元の期待に応えるには再処理工場を完成し、サイクルを回す以外にない。
大量の電力を二酸化炭素を排出することなく安定的に供給できる原発は、世界的に重要性が増している。
日常生活と産業活動を支えるエネルギーを確保するために、資源小国の日本は原発をどう活用すべきなのか。
15日に公示される衆院選で各党は改めて議論を深めてほしい。

http://www.asyura2.com/24/senkyo295/msg/683.html#c43
[政治・選挙・NHK295] 「日本創生」なんてちゃんちゃらおかしい 非公認も国民騙しの「偽装」が真相(日刊ゲンダイ) 赤かぶ
25. 秘密のアッコちゃん[725] lOmWp4LMg0GDYoNSgr@C4YLx 2024年10月13日 16:12:16 : fjTz2F981w : QTJUazdpaUhyT1U=[290]
<■1331行くらい→右の▽クリックで次のコメントにジャンプ可>
松井一郎「以心伝心」
石破首相に「ダマされた」「リーダーとして信頼できない」…国民との約束など二の次 非公認は旧安倍派へのどす黒い「私怨」か
2024.10/10 06:30
https://www.zakzak.co.jp/article/20241010-C6N6EL5OJBMF7EWLK27GUQ4MFA/
石破茂内閣の発足から1週間が過ぎたが、報道各社の世論調査結果は酷いようだ。
日経新聞・テレビ東京が1、2両日に実施した緊急世論調査では、内閣支持率が51%と、現行の調査方式を導入した2002年以降、発足時の支持率として最低だったという。
これは石破首相が自民党総裁選などで訴えていたことと、総裁当選後に言い出したことが180度違って、国民が
「ダマされた」
「国家のリーダーとして信頼できない」
と確信したからだろう。
石破首相は総裁選で、
「国民に判断頂く材料を提供するのは政府の責任であり、新しい総理の責任だ」
「本当のやり取り(審議)は予算委員会」
「『すぐ解散します』という言い方は、私はしません」
と断言していた。
米シンクタンクへの寄稿文では、
「アジア版NATO(北大西洋条約機構)の創設」

「日米地位協定の改定」
を打ち出していた。
ところが、森山裕幹事長ら
「早期解散論者」
に説得されると、予算委員会も開かずに、
「9日解散、27日投開票」
の衆院選強行を表明した。
4日の所信表明演説では、
「アジア版NATOの創設」
や、私も期待した
「日米地位協定の改定」
は完全に消えていた。
これは首相になることが目的で、国民との約束など二の次だったことの証拠だ。
余りの大逆風に怯えたのか、石破首相は6日になって自民党派閥裏金事件を巡り、党処分を受けた旧安倍派議員らの一部を
「非公認」
とし、政治資金収支報告書に不記載があった議員の
「比例重複を認めない」
方針を打ち出した。
一部メディアは勇断≠フように報じていたが、とんでもない。
「政治とカネ」
の問題解決は、議員処分の話ではない。
本来すべきは、衆院解散の前に、旧文通費(調査研究広報滞在費)の使途公開を義務付ける法律を成立させるなど、具体的改革を国民に示すべきなのだ。国会議員の特権を捨てて、納税者と同じルールにしなければならない。
それもせずに、議員処分を先行させるのは国民をダマす手法である。
政治的に対立してきた安倍晋三元首相が率いた旧安倍派へのどす黒い
「私怨」
も感じる。
■野党は「自公の過半数割れ」のため選挙区調整を
石破首相は9日、衆院を解散する。
野党各党は
「ウソつき解散」
「敵前逃亡解散」
などと酷評しているが、私は
「『政治とカネ』誤魔化し解散」
も入れたい。
国民の方々に言いたい。
こんな茶番劇を許してはならない。
石破首相は総裁選後、
「ノーサイド」
を主張していたが、1度処分を受けた旧安倍派議員らを2重処分にした。
同じ感覚で、自分や政権が危うくなると、国民を平気で切り捨てるかもしれない。
野党各党には政策的に違いがある。
だが今回、
「嘘つき」
首相率いる
「自公与党」
を過半数割れに追い込むという1点で、選挙区調整など一気に進めるべきではないか。
国民のために、石破政権に引導を渡すべきだ。 (前大阪府知事、前大阪市長)

石破茂首相、消費増税は「当面は考えない」 NHK番組で説明、定額減税も
2024/10/13 12:04
https://www.sankei.com/article/20241013-75QAIJSBURJYPKJWZULYSPQ2HM/
石破茂首相(自民党総裁)は13日のNHK番組で消費増税について
「当面は考えていない」
「今のやり方でどのように安定的な社会保障を確保するかということだ」
と述べた。
岸田文雄前政権で実施した定額減税に関しては
「物価高に国民も苦しんでいるが、政府も影響を受けている」
「今すぐとは私は思っていない」
と否定した。
番組には与野党の9党首が出席した。
首相は、自民党派閥の政治資金パーティー収入不記載事件に絡み、立憲民主党の野田佳彦代表らが企業・団体献金の禁止を主張していることを踏まえ、
「何で企業・団体(献金)はだめで個人(献金)ならいいのか」
「立民の中にも『企業・団体献金廃止なんかとんでもないか』と言っておられる方がいる」
と疑問を呈した。
野田氏は
「今頃それを言ってくるのかという感じだ」
「細川(護熙)内閣の政治改革関連法で企業・団体献金は政策をねじ曲げる可能性があるので廃止の方向にするということだったではないか」
と指摘したが、首相は
「企業ならだめ、個人はみんな純粋な思いでやっている、というのはややファンタジー(幻想)だ」
と立民が求める過度な規制を牽制した。
一方、野田氏は公明党が、自民が非公認とした前議員12人のうち、三ツ林裕巳(埼玉13区)、西村康稔(兵庫9区)の両氏を推薦することについて
「明らかに(自民の)共犯だ」
「党のガバナンスとしておかしい」
「私は自公過半数割れを目指して戦っていく」
と非難。
これに対し、公明の石井啓一代表は西村氏らの推薦は地元の公明支持者の理解が得られていることを強調した上で
「公明内のガバナンスとして立民に何か言われるような筋合いは全くない」
と反論した。

総裁選で訴えた持論を封じた石破首相 「豹変」の理由を語れ
サンデー正論
2024/10/13 10:00
https://www.sankei.com/article/20241013-2MVZKFFXBBMTRKBMVBHLQIY26Y/
自民党総裁選に勝利した後から、それまで掲げていた政策を矢継ぎ早に軌道修正している石破茂首相。
「最後の挑戦」
とした5度目の総裁選でようやく勝利を勝ち取ったわりには、どこまで総理大臣になることを想定して準備していたのかは甚だ疑問である。
政治家は理想主義者であってもいいが、首相になったら現実主義であるべきだ。
石破首相がそのように目覚めたのであれば歓迎するが、長年染みついた党内野党、非主流派体質を脱皮して現実路線を取り続けることができるのか。
「変節」
「豹変」
「朝令暮改」
「手のひら返し」
様々な言葉で批判されている石破首相。
解散・総選挙の日程と日銀の金利引き上げについては明確に総裁選中とは発言が変わった。
「アジア版NATO(北大西洋条約機構)」

「日米地位協定改定」
についても、総裁選ではあれだけ力を込めていたが、臨時国会での所信表明演説で言及はなかった。
いずれも、良い修正である。
自身の認識の誤りや理解不足があったことを認めて、軌道修正しているのだとすれば、決して悪いことではない。
誤りが分かっていながら修正しない方がよほどタチが悪い。
石破氏も実際に首相官邸の住人になってみて、近隣の議員会館や国会議事堂から見る風景とは色々な意味で異なることが分かったはずだ、と思いたい。
首相になってみて実感したのは情報量ではないだろうか。
また、政府の政策の良し悪しは別として、政府の決定・判断には背景と理由がある。
政府には政策の継続性も求められる。
変更する場合は相応の理由が必要だ。
これら一切合切の事情を突き付けられれば、持論を引っ込めざるを得なかったとしてもおかしくない。
一方で総理大臣にもなれば、多少の勘違いも芽生える。
「俺は首相なんだ」
という勘違いだ。
修正することへのハードルが高くなってもおかしくないが、石破氏にはまだその辺りの抵抗心が薄いのか、いとも簡単に変わった。
自民党で選対本部事務部長や事務局長などを歴任し、現在は選挙・政治アドバイザーとして活動する久米晃さんは、その豹変ぶりを否定しないが、こう語る。
「石破さんは信念を貫く人だったということで支持されたんでしょ」
「ところが、総裁に選出された後、早々に発言を翻したわけです」
「石破さんに投票した国会議員や自民党員はどう考えているのか…」
石破氏は安倍晋三元首相を批判したことから
「後ろから弾を撃つ」
と言われてきた。
「党内野党」
として冷や飯を食べてきた期間が長かったせいか、様々な事案に関する石破氏の認識は
「アップデートされていない」(政府関係者)
との指摘がある。
例えば、防衛省は防衛大臣経験者に対して事あるごとに
「ご説明」
にあがるというおかしな慣習があるが、石破氏に説明をしても説教≠ナ返されたことが度々あったと聞く。
こうだから、
「ご説明」
の内容が薄くなるのも自然だろう。
他の省庁とのパイプも細いようだ。
現時点で、石破首相は国会で官僚が準備した紙を読む安全運転に徹しているが、総選挙になれば自分の言葉で語る場面は増える。
安全保障を得意分野と自負するだけに、持論のアジア版NATOや日米地位協定改定などがまたぞろ口をついて出てきかねない。
選挙演説のように高揚した時が最も危うい。
総選挙期間中に総理になってからとは違う論を展開すれば、一体何なんだ、となって国会は紛糾するだろうし、総選挙後の党内の不安定化は必至だろう。
石破首相は、今や自分が
「後ろから弾を撃たれる存在になった」
ことを認識すべきである。
■平壌連絡事務所設置への懸念
こうした中、4日付産経新聞朝刊の1面トップに
「石破首相 『北に連絡事務所』意向伝達」
の見出しで記事が掲載された。
首相が2日午後に家族会側に電話し、北朝鮮による日本人拉致問題の解決に向け、
「東京と平壌に連絡事務所の開設を検討するという自らの考えを拉致被害者家族会側に説明し、理解を求めたことが分かった」
というものだ。
首相は就任の挨拶のために拉致被害者、横田めぐみさんの弟で家族会代表の横田拓也さん、めぐみさんの母、早紀江さん、被害者の有本恵子さんの父、明弘さんらに相次いで電話した。
「救う会」会長の西岡力・麗澤大学特任教授によると、
「首相は連絡事務所について家族会に理解を求めようとしたのではない」(国家基本問題研究所HPの7日付「今週の直言」から)。
また、産経報道の日の夜に開かれた集会で、横田拓也さんが
「石破首相が家族会に連絡事務所の設置や合同調査委員会の設置を説得の形で伝えたという報道は正確でない」
「首相から電話をもらったので、こちらの側から家族会が設置に賛成していないことを伝えた」(同)
と話したという。
同僚記者の書いた記事についてこのような形で言及することには躊躇がある。
だが、拉致問題は人命がかかっている機微なテーマだ。
1つの報道が想像もつかないおかしな方向に発展することは過去もあったし、これからもあり得る。
丁寧な取材の上での報道が不可欠であるだけに、敢えて指摘させてもらった。
なぜここで言及したかといえば、この記事が書かれた背景は把握していないが、大前提として、石破氏がかねて主張してきた連絡事務所設置に対する懸念が報じる側にもある。
石破氏の周りには
「日朝国交正常化推進議員連盟」(衛藤征士郎会長)
に所属する議員が多く、とりわけ首相と岩屋毅外相、中谷元防衛相がメンバーだけに、北朝鮮と接近するがために拉致問題をないがしろにするのではないかとの懸念を持たれても無理はない。
今年2月、日朝議連は総会を開き、岸田文雄首相(当時)の早期訪朝を求める決議を取りまとめたが、国民民主党の玉木雄一郎代表らが決議案の内容を問題視したことで大幅修正したことが明らかになっている。
西岡氏の報告にもあるように、今回、首相は自ら事務所設置に言及したわけではなく、理解を求めたわけでもない。
首相になって北朝鮮や拉致問題に関する情報に接して、トーンダウンさせているのかもしれないが、油断できない。
石破氏のホームページには
「私の政策」
として、
「北朝鮮による拉致問題は、東京と平壌に連絡所を開設し、政府の主体的取組で解決をめざします」
が残る。
この件に限らず、首相が持論を軌道修正するのであれば、久米さんが指摘するように説明が必要だ。
そして、説明には説得力が伴わなければならない。
その結果として信頼が生まれる。
なお、岸田前首相の最大の欠点は説明不足だったことを指摘しておく。
良い政策を打っても、国民に伝わらなければ評価に繋がらない。
■自衛官の処遇改善は評価変えさせる好機
石破氏が総裁選で掲げた政策の中で評価できたのは、自衛官の処遇改善を掲げたことだ。
これについては、首相が8日の参院本会議の代表質問で関係閣僚会議を設置し、月内に初会合を開く方針を表明した。
会議では手当の改善もさることながら、現役自衛官が自衛隊病院以外で診療を受けても全額無料とすることを検討してもらいたい。
更に言えば、退官後も医療費を免除にすることは現役自衛官にも安心感を与える。
総裁選の決選投票前の演説で石破氏は
「日本を守りたい。国民を守りたい」
と連呼した。
そして、所信表明演説では自衛官を
「防衛力の最大の基盤」
と表現した。
その自衛官に最も不人気な防衛相経験者として知られるのが石破首相だ。
豹変するついでに、自衛官からの自身の評価も変えさせてはどうだろうか。

内閣総理大臣「石破茂」とは何者か 政治的判断の背景に故安倍元首相への深い怨念
【疾風勁草】(15) 弁護士・高井康行
2024/10/13 7:00
https://www.sankei.com/article/20241013-PVBY6WRKQNLLZMXGYQLD7PAZAM/
■彼の政治信条はリベラル寄りなのか
石破首相はこれまで、保守層から熱い支持を集めていた故安倍晋三元首相の政敵として、その政策に悉く異を唱えてきた。
そのため、彼は保守嫌い、安倍嫌いの一部世論やマスコミからリベラル寄りと見做され、世論調査では首相に相応しい政治家としてもてはやされていた。
しかし、彼の政治信条は本当にリベラル寄りなのだろうか。
確かに、彼は、女系天皇や選択的夫婦別姓を容認するかのような発言をしたことがあり、その点を見ればリベラル寄りと見ることもできる。
だが、憲法改正については、彼は9条2項を削除することを主張している。
高市早苗前経済安全保障担当相を含む大方の保守系議員の主張が、9条1項2項をそのまま残して3項として自衛隊保持を書き加えるというものであることに比べれば、彼の主張はより本質的であり、むしろ、高市氏らより強硬な保守というべきだろう。
また、日米安保条約について彼は、米国が日本の防衛義務を負っているのに日本は米国の防衛義務を負っていない点において片務条約であるとし、これを、日本も米国の防衛義務を負う双務条約に改正して、日本を英国のような米国と対等な国に引き揚げること、それを前提に、米国本土およびグアムにそれぞれ自衛隊の基地を置くこと、それに関連して日米地位協定を改定することを主張している。
もちろん、日米関係を英米関係のように対等なものにするという主張自体は日本の政治家として当然のもので、片務的な日米安保条約の問題点を指摘する意見も以前から存在していた。
とはいえ、ここまで明確に日米の対等化を主張し、米国領内への自衛隊基地設置にまで言及した議員はいない。
その点でも、彼は高市氏らより遥かに強硬な保守と考えるべきだろう。
■日米安保体制を弱体化させる「アジア版NATO」
かてて加えて、彼は日本の安全保障のために必要だとして
「アジア版NATO(北大西洋条約機構)」
の創設を力説している。
しかしながら、NATOは加盟国の一部が攻撃を受けた場合、他の加盟国も自国が攻撃を受けたものと見做して自動的に参戦する義務を負う完全な集団安保条約である。
故安倍元首相や高市氏らの主張が、現行憲法との整合性を考慮してせいぜい部分的集団安保にとどまっていることを考えれば、彼の
「アジア版NATO」
創設論が、従来の議論とは
「量(程度)」
ではなく
「質」
において異なっていることは明らかだ。
その上、彼はその
「アジア版NATO」
において核を共有することにまで言及している。
故安倍元首相も核共有を議論する必要を主張したことがあり、高市氏も、
「持たず」
「作らず」
「持ち込ませず」
の非核3原則のうち
「持ち込ませず」
の見直しに言及している。
だが、いずれの主張も、日米安保条約の中での議論である。彼の核共有論は、それらとは位相を異にしている。
それだけでなく、彼は、その
「アジア版NATO」
に中華人民共和国が加盟することを排除していない。
ここまでくると、彼を戦後形作られてきた
「保守」
の概念に当てはめて理解することが果たして適切なのかという疑問が湧く。
敢えて言えば、私は、彼の主張の根っこの部分に、戦前、戦中の大アジア主義、日本主義に連なる信条があるように感じられてならない。
いずれにしても、彼のこれらの主張が、日本に対する米国の優位を前提として形成されてきた戦後の日米関係の基軸を根本から覆そうとするものであることは明らかだ。
彼が、その主張に拘れば、これまで緊密だった日米関係に亀裂や緊張関係を生むことは避けられない。
殊に、中華人民共和国を排除しない
「アジア版NATO」
構想は、中華人民共和国を抑止対象とする日米安保体制と矛盾するだけでなく、これを弱体化させる恐れすらある。
彼は、国会の場では、日米安保条約の対等化や
「アジア版NATO」
創設は簡単に実現できるものではないと認識していると言っているが、それを踏まえても、彼の主張が米国に疑心暗鬼を生じさせるおそれは十分にある。
■死者にむち打った村上氏の総務相起用
この時期に日米関係に波風が立って喜ぶのは、中華人民共和国、ロシア、北朝鮮だけだ。
そんなことは彼は百も承知しているはずなのに、なぜ、この時期に、そんな従来の保守ですら言わないような急進的主張を国内外に発信するのか。
この主張が、彼のもう一方の主張である日米同盟の強化に反するとは思わないのだろうか。
果たして、彼は真剣に日本の独立と平和を守ろうとしているのだろうか。
深い懸念に捉われる。
もう1つ気になることがある。
彼の政治的判断の背景に、故安倍元首相に対する暗く深い怨念を感じることだ。
例えば、彼が総務相に任命した村上誠一郎氏は、令和4年7月に非命に斃(たお)れた故安倍元首相の国葬に強く反対したばかりでなく、故安倍元首相を国賊とまで呼んだ。
死者を鞭打つ行為と言わざるを得ない。
古来、我が国では死者を鞭打つことは人倫に反するとされている。
その人物を重用することも死者をむち打つものと言うべきだろう。
この人事には彼の故安倍元首相に対する深い怨恨を感じざるを得ない。
怨恨は不吉を呼ぶものだ。
大陸には実際に死者を鞭打った例がある。
中国・春秋時代の名臣の1人、呉の伍子胥(ごししょ)は楚人(そひと)であったが、父と兄を楚の平王に殺害されたため、他国に亡命しついには呉の闔閭に仕えその側近となった。
彼は平王に対する恨みを忘れることはなく、闔閭(こうりょ)に進言して楚の都を攻め落とし、平王に仇を報じようとしたが、既に平王が死去していたため、その墓を暴き、その遺骸を数百回も鞭で打って恨みを晴らした。
ところが、その後、伍子胥は讒言(ざんげん)に遭い、呉王となっていた闔閭の子夫差の命により自害を強いられた上、その遺骸は川に流された。
そして、呉も越に滅ぼされた。
石破首相が、日本にとって不祥の宰相でないことを祈りたい。

<主張>衆院選討論会 重要政策の論議を続けよ
社説
2024/10/13 5:00
https://www.sankei.com/article/20241013-SDOHJLP4KNKB3MKF2FXZ2JKJUY/
15日の衆院選公示を前に、日本記者クラブ主催の党首討論会が開かれた。
先の臨時国会では専ら
「政治とカネ」
の問題が取り上げられた。
今回の討論会では国内外の諸課題についても議論が展開され、有意義だった。
政治への信頼を回復する上で政治資金の問題は重要である。
同時に、実際の国政運営でどのような政策を遂行していくかを示すことは欠かせない。
有権者にとって投票の判断材料になるからだ。
ただし、理解に苦しむ場面もあった。
石破茂首相は解散前の国会論戦に関し
「有権者が判断する材料をきちんと提供しなければ無責任だ」
「私は一生懸命自分の言葉で答えた」
と語った。
予算委員会を見送ったにもかかわらず、首相の認識は世間の感覚からかけ離れている。
首相は立憲民主党の野田佳彦代表にウクライナへのロシア侵略を巡り、なぜ抑止が破綻したのか見解を質した。
これに対し、野田氏は東南アジア諸国連合(ASEAN)関連首脳会議にバイデン米大統領が欠席したことを引き合いに出し、
「国際会議に米国を呼び込む外交努力はもっと大事だ」
と述べた。
抑止の破綻について正面から答えない無責任な態度だった。
立民が訴えている
「給付付き税額控除」
については、他党から過去との矛盾を指摘する声が上がった。
旧民主党の野田政権時に当時の安住淳財務相が、税額控除の申請が膨大な数に上ることが想定されるため
「難しい」
と語っていたためだ。
野田氏は整合性のある答えを示せなかった。
野党連携に関し
「対話を続ける」
と述べたが、衆院選後に想定する連立の枠組みを明らかにしなかったことはおかしい。
首相には安全保障政策で不明瞭な発言があった。
アジア版NATO(北大西洋条約機構)の構成国に中国を含むのかを問われ、
「一切の可能性を排除しない」
と述べた。
中国が構成国になり得る国に変化する場合には、アジア版NATOはそもそも要らないではないか。
憲法改正については国民民主党の玉木雄一郎代表が緊急事態条項の創設に関連し、大規模災害時などの国会機能維持について早期の改正を促したが、それ以上深まらず残念だった。

消費税論戦 石破首相「社会保障の安定財源」 野田氏「困っている人に給付付き税額控除」
2024/10/12 22:37
https://www.sankei.com/article/20241012-KETLLHLHVNKK7D4IW5GDZHMNCM/?outputType=theme_election2024
党首討論会では経済政策を巡って活発な議論があった。
各党が物価高に直面する家計を支援するための多彩な政策を訴えたが、とりわけ家計に直結する消費税の考え方については、熱を帯びた。
「これから先の社会保障には、安定した財源が必要だ」
石破茂首相(自民党総裁)はそう述べ、消費税の税収は景気変動の影響を受けにくいと指摘。
その上で
「消費税の引き下げは現在のところ考えていない」
と明言した。
立憲民主党は、税額控除や給付を組み合わせ実質的に消費税の一部を還付する
「給付付き税額控除」
を、中低所得層を対象として導入する公約を掲げる。
野田佳彦代表は、消費する人ほど減税額も大きくなる軽減税率よりも
「本当に困っている人に的を絞った対策としては給付付き税額控除の方が正しい」
と説明した。
日本維新の会や国民民主党が減税を景気対策の柱として打ち出す。
国民は実質賃金が持続的にプラスになるまで消費税率を5%とする政策などを掲げる。
玉木雄一郎代表は
「減税と社会保険負担の軽減で若者の手取りを増やす」
と意気込んだ。
エネルギー政策では原発を軸に議論が展開された。
立民は公約で、党綱領にある
「原発ゼロ」
に触れず
「原発に依存しない社会の実現」
との表現にとどめた。
この点で野田氏は
「ゼロと書くと、すぐに出来るように思われる方もいるかもしれない」
と理由を語った。
人工知能(AI)の普及に伴って電力需要の増大が見込まれる中、脱炭素とエネルギーの安定供給を両立するために、原発の活用が現実的な路線になりつつある。
自民は公約に
「原発の最大限活用」
と記した。
一方、共産党やれいわ新選組は原発ゼロや即時廃止を訴える。
れいわの山本太郎代表は
「南海トラフや首都圏直下の大型地震がやってきたら原発が耐えられるわけはない」
と語った。

首相と立民代表、政権担当能力競う 7党首討論会 核抑止や「石破印」政策でも論戦
2024/10/12 22:25
https://www.sankei.com/article/20241012-XNANVI35FVLBVPVOWGUDB6I4SU/?outputType=theme_election2024
衆院選(15日公示、27日投開票)を前に与野党7党首が出席して行われた12日の日本記者クラブ主催の討論会は、石破茂首相(自民党総裁)と立憲民主党の野田佳彦代表の2人を軸に、誰が政権を担うに相応しいかを競う場になった。
総花的な議論の中、特に国家の根幹である
「外交・経済」、
「石破印」
の政策の是非、
「政治とカネ」
の3点が問われた。
首相と野田氏は党首同士の質疑応答で、2回ずつ機会があった質問を全て互いにぶつけた。
政権担当能力を意識したのか、野田氏の質問テーマは外交と経済。
核廃絶に向け、核兵器禁止条約締約国会議に
「(日本が)オブザーバー参加すべきだ」
と主張した。
首相は
「(核の)抑止力をどうやって核廃絶に繋いでいくか、これからよく議論したい」
と是非の明言は避けた。
一方、首相は、ロシアのウクライナ侵略は核抑止力が働かなかったことが一因だという現実を指摘し、見解を問うた。
野田氏は、自身が首相時代の平成24年の東南アジア諸国連合(ASEAN)関連首脳会議にオバマ米大統領(当時)を呼んだと実績を誇り、
「国際会議に米国を呼び込む外交努力はもっと大事だ」
と応酬した。
■「石破印」政策問う
日本維新の会の馬場伸幸代表は、首相が先の総裁選で掲げた
「日米地位協定の見直し」
を取り上げた。
米軍普天間飛行場(沖縄県)移設を
「最低でも県外」
と無責任に発言し撤回した鳩山由紀夫首相(当時)を引き合いに、地位協定見直しの覚悟と実現性を追及した。
首相は
「どんなに大変かよくわかっているが諦めてはならず、これから党内で議論する」
「必ず実現したい」
と議論を始める意義を強調した。
馬場氏は、首相が
「総裁が言ったからそうなるものではない」
と言及したことに
「非常に残念なキーワード」
と述べた。
国民民主党の玉木雄一郎代表は、地方創生の交付金を当初予算ベースで倍増する首相の方針に関し、まず制度を改革しなければ
「意味がない」
と指摘。
首相の答えは
「徹底して検証し、効果的な地方創生に使う」
と具体性に欠けた。
■維新、公明の不記載議員推薦を批判
「裏金隠し解散だ」
「政権交代こそが最大の政治改革である」。
野田氏は冒頭、こうジャブを放った。
玉木氏も首相に、自民が公約で
「将来的な廃止も念頭」
と記した政策活動費を衆院選で使うのか質した。
首相は将来的な廃止を考えるとしつつ
「現行法制の下では合法だ」
と応じた。
野党側は派閥パーティー収入不記載事件に関係し、自民で非公認になった前議員2人が、公明党の推薦を受けたことも批判した。
公明の石井啓一代表は
「地元の(公明)党員、支持者の理解」
などの基準で判断したと釈明し、質問した馬場氏は
「国民には理解が及ばない」
と皮肉った。

「勝者なき衆院選」を予見 記者がみた7党首討論会 野党間連携の脆さも露呈 政治部・内藤慎二
2024/10/12 22:19
https://www.sankei.com/article/20241012-JVL6TOPJWRI7FIUYOZBQNQWRDM/?outputType=theme_election2024
衆院選を前に与野党7党首が臨んだ日本記者クラブ主催の討論会で、野党側は
「核共有」

「政治とカネ」
の問題などで石破茂首相(自民党総裁)に攻勢をかけた。
戦いの主導権を握り、与党を過半数割れに追い込む狙いだ。
もっとも、野党間の連携の脆さが露呈する場面もあり、いずれの政党も等しく達成感を得られない
「勝者なき衆院選」
を予見させた。
「核保有、核共有、核持ち込みを許容するような発言をしている日本のトップでいいのか」
立憲民主党の野田佳彦代表は討論会で、石破首相をこう追及した。
首相が9月の自民総裁選で、米国の核兵器を日本で運用する
「核共有」
の議論が必要と主張したことなどが背景にある。
前日に決定した日本原水爆被害者団体協議会(被団協)へのノーベル平和賞授与に湧く世論を意識したことは明らかだ。
これに対し首相は
「現実として核の抑止力は機能している」
「どう核廃絶へ繋いでいくかはこれから議論していきたい」
と述べた。
理想を重視しつつ、政権与党として厳しい現実から目を背けない覚悟を感じた。
とはいえ、首相の口から自民が重視してきた憲法改正や安定した皇位継承などへの思いが語られなかったことは残念だった。
■選挙協力実らず
討論会では野党間の溝の深さも浮き彫りとなった。
れいわ新選組の山本太郎代表は野田氏に
「消費税減税は時間がかかるとお考えか」
と質問し、野党第一党が消費税減税に後ろ向きだとアピールした。
同じ左派政党として消費税減税を期待する立民支持者を奪う狙いも透けてみえた。
今回の衆院選で野党間の選挙協力が十分に実らなかったことについて、政権交代を目指す野田氏が
「対話のチャンスがある限りは(交渉を)続けていきたい」
と答える場面もあった。
もっとも、
「中道保守」
を志向する野田氏の言葉から本気度は感じられなかった。
共産党の田村智子委員長は安保関連法廃止の大方針を共有できない限り、包括的な野党共闘には応じない構えを示した。
ただ、立民との関係が修復不能となれば孤立化は避けられない。
立民内では共産との選挙協力を期待する声が根強く、野田氏との間で公示まで妥協点を探る心理戦は続く。
■早くも「局地戦」
討論会では
「局地戦」
も目についた。
日本維新の会の馬場伸幸代表は、公明党が
「政治とカネ」
の問題で自民から非公認とされた一部議員を推薦した対応を疑問視。
公明の石井啓一代表は高齢者医療費の窓口負担に関する維新の訴えを酷評した。
両党は大阪を主戦場に衆院選で激突する。
熱戦の火ぶたは早くも切られたようだ。
自民幹部は今回の衆院選について
「我が党の勢力後退は避けられないが、批判票は立民や維新、共産などに分かれるので政権は維持できる」
と分析していた。
野党の分断を感じた討論会からは、確かに
「勝者なき衆院選」
の未来が垣間見えた。

自民試練の衆院選、期待ほど支持率追い風吹かず 総裁選が誤算「進次郎が勝っていれば」
2024/10/12 22:19
https://www.sankei.com/article/20241012-MHGD5CFFLJJXVBGY53ZERI7QQY/?outputType=theme_election2024
自民党が試練の衆院選に臨む。
派閥のパーティー収入不記載事件の逆風が収まらない中、石破茂内閣の支持率は期待した以上に上がらず、新政権発足の
「ご祝儀相場」
の気配はない。
負の連鎖の起点はどこにあったのか。
党内では過去最多の9人が挑んだ9月の総裁選を挙げる声がある。
石破首相は12日、日本記者クラブ主催の討論会で衆院選について
「状況が極めて厳しいことは肌身に沁みてよく分かっている」
「1つでも上積みできるよう誠心誠意全力で尽くす」
と述べた。
念頭には国民の厳しい評価がある。
産経新聞社とFNN(フジニュースネットワーク)が5、6両日に実施した合同世論調査で、石破内閣の支持率は53・3%。
令和3年10月の岸田文雄内閣発足時と比べて9・9ポイント低かった。
また、自民の政党支持率は34・3%で、9月の30・6%から微増にとどまった。
首相に近い人物の起用が目立つ人事や不記載事件などが影響したとみられる。
不記載事件を受け、比例代表との重複立候補を認められなかった自民中堅は
「やるしかない」
「泣いてわめいて助かるならばそうするが…」
と肩を落とした。
自民は9月の総裁選や新内閣発足で支持率を上げた上で、速やかに衆院選に臨む構えだった。
「総裁選は注目を集める」
「支持率が10ポイントは上がる」(関係者)
との相場観もあった。
実際、前回総裁選が行われた令和3年9月の合同世論調査で自民の政党支持率は43・5%と前月の33・5%から跳ね上がった。
ところが今回、総裁選や新内閣発足の効力は限定的だった。
自民重鎮は
「総裁選の候補者が多過ぎた」
「議論が拡散し、熱気は感じられなかった」
と指摘した上で、こう呟いた。
「早期解散に慎重だった首相の方針転換も批判された」
「党内には(総裁選で早期解散を打ち出していた)小泉進次郎選対委員長が負けたことで計算が狂ったとの声もある」

「政治とカネ」や経済で7党首が論戦 石破茂首相は日米地位協定改定「必ず実現」
2024/10/12 21:47
https://www.sankei.com/article/20241012-AUNXHHZ66JMCZCPKRCDLE3KLLY/?outputType=theme_election2024
15日公示、27日投開票の衆院選に向け、与野党7党の党首は12日、東京都内で開かれた日本記者クラブ主催の討論会で論戦を交わした。
選挙では自民党派閥パーティー収入不記載事件を受けた
「政治とカネ」
の問題や経済政策、憲法改正などが焦点となる。
石破茂首相(自民総裁)は持論の日米地位協定改定について、
「必ず実現する」
と強調。
立憲民主党の野田佳彦代表は、政権交代こそ最大の政治改革だと訴えた。
首相が今月1日に就任してから8日後の解散、26日後の投開票で、いずれも戦後最短となる。
首相は衆院選の意義について
「日本の在り方を根底から変えていく意味で日本創生だ」
と述べた。
勝敗ラインは自民、公明両党での過半数獲得と説明した。
これに対し、野田氏は
「裏金問題についてけじめもつけられず、実態も解明できない」
「裏金隠し解散だ」
と批判した。
自公過半数割れと、比較第一党の議席確保を目標に掲げた。
「政治とカネ」
の問題を巡り、国民民主党の玉木雄一郎代表は自民が廃止を念頭に置く政策活動費について
「衆院選で使うのか」
と質すと、首相は
「現行法制の下では合法だが、将来的には廃止しなければならない」
「抑制的に使う」
と反論した。
公明党の石井啓一代表は不記載を理由に自民が公認しなかった候補者の推薦に関し、
「あくまでも地元の党員、支持者の納得感を最大限、重要視しており、そこを判断基準に決定している」
などと説明した。
安全保障政策では、米国の核兵器を日本で運用する
「核共有」
について、首相は
「抑止力をどう核廃絶に結び付けるか、よく議論したい」
と述べた。
野田氏は安全保障関連法に関し
「違憲部分は廃止する」
「そのための必要な措置を取る」
と語り、政権獲得後、防衛省や米国と
「違憲部分」
を検証するとした。
一部野党が主張する消費税減税について、首相は
「社会保障の財源だ」
「引き下げは考えていない」
と否定。
野田氏は実質的に消費税の一部を還付する
「給付付き税額控除」
で対応していくと主張した。
討論会には日本維新の会の馬場伸幸代表と共産党の田村智子委員長、れいわ新選組の山本太郎代表も出席した。

衆院選へ与野党7党首の主張 日本記者クラブ主催討論会
2024/10/12 21:18
https://www.sankei.com/article/20241012-PRBWQJHQ7JIDDPXIM5NZN74VR4/?outputType=theme_election2024
12日の日本記者クラブ主催討論会での与野党7党の主張は次の通り。

■自民党・石破茂総裁
「日本創生」
をやりたいということで、この総選挙を戦いたい。
今、日本は安全保障環境が最も厳しい状況にある。
人口が物凄く減っていく。
国民は30年ぶりの物価上昇に苦しんでいる。
デフレからの脱却も、もうあと一歩を推し進めなければいけない。
また、地方の疲弊、都市の過密、そういったことがある。
日本は世界有数の災害大国だが、これに対する体制は十分だと全く思っていない。
そういう多くの課題がある。
日本の在り方を根本から変えていかなければいけない。
そうした時代に入っている。
日本の在り方を根底から変えていくという意味で日本創生だと思っている。

■立憲民主党・野田佳彦代表
(衆院選で訴えたいことは)政権交代だ。
10月1日から始まった臨時国会は、本来なら(地震や豪雨被害を受けた石川県の)能登の復旧・復興のための補正予算を審議して1日も早く成立させる(べきだった)。
1月から開催された通常国会では(自民党派閥パーティー収入不記載の)裏金の問題について実態も解明できず、これからどうするかも甘い法律で終わってしまった。
(臨時国会は)その問題をもう1回議論して政治に対する信頼を取り戻す場だったが、残念ながらすぐに解散になった。
「裏金隠し解散」
だと思う。
自民党のトップが代わり、首相が代わっても政治は変わらないので、政権交代こそが最大の政治改革であると思っている。

■公明党・石井啓一代表
(衆院選で訴えたいことは)徹底した政治改革だ。
今回の政治とカネの問題について、公明党はいち早く政治改革ビジョンを公表し、政治資金規正法の改正をリードした。
私たちが主張し、改正法に盛り込まれた政治資金をチェックする第三者機関についても4日に中間取りまとめで報告した。
(令和8年1月の改正法の)施行に合わせて設置したい。
政策活動費は廃止を目指す。
旧文通費(調査研究広報滞在費)改革も進めたい。
衆院選は政権選択の選挙だ。
山積する内外の課題にしっかりと答えを出せるのは、自公の連立政権しかない。
その中に国民目線の公明党がいることによって、国民の期待に応えることができると思っている。

■日本維新の会・馬場伸幸代表
(衆院選で訴えたいことは)古い政治を打ち破れ。
私が生まれた昭和40年、当時の日本は光り輝いていた。
今日より明日、明日より来月、来月より来年がどんどんと良くなっていくだろう。
そういう夢や希望に満ち溢れた日本だった。
しかし、今は基礎がガタガタになってしまっている。
もう1度、輝く日本に再生し直すためには政治が変わらなければならない。
今、自民党がやっている古い政治、これを打ち破って、新しい政治を始めていく。
そのことによって、国民が夢や希望を持って、ワクワク、ドキドキするような社会を作っていかなければならない。
日本維新の会はそれを目標に頑張っていきたい。

■共産党・田村智子委員長
(自民党派閥パーティーの収入不記載の)裏金を暴き、自民党の組織的犯罪だと徹底追及してきた。
「企業・団体献金全面禁止」
を30年間訴え続け、今、政治改革の焦点へと押し上げている。
共産党には政治を変える力があると大いに訴えていく。
政治の責任で、賃上げと労働時間の短縮、消費税廃止に向けて直ちに5%へ。
軍事費2倍ではなく、社会保障と教育の予算を増やす。
暮らし応援こそ経済を元気にする道だ。
憲法9条を生かした平和外交を進め、軍事同盟強化に断固として立ち向かう。
気候危機打開、ジェンダー平等を前へ。
こうした政治を変える共産党の躍進だと大いに訴える。

■国民民主党・玉木雄一郎代表
訴えたいことは
「若者を潰すな」
ということだ。
具体的には手取りを増やすこと。
今の過度に現役世代に偏った負担の在り方では、現役世代が潰れてしまう。
賃金が上がってきたが、税金と保険料が高いので若い人たちの手取りが増えていない。
生活が楽になっていない。
30年放置されてきた
「103万の壁」
を引き上げて178万円までは税金がかからずに働けるようにする。
最低賃金がいくら上がっても、この壁を上げないと手取りは増えない。
ガソリン税の上乗せの暫定税率を廃止し、物流コストを引き下げ、物価上昇を抑えていく。
高齢者医療制度を見直し、現役世代の社会保険料負担を引き下げる。
期待してほしい。

れいわ新選組・山本太郎代表
「失われた30年」
を取り戻す。
先進国で30年間不景気が続く国は日本だけだ。
コロナと物価高が合わさり、国民が三重苦だ。
国民の6人に1人、ひとり暮らしの女性の4人に1人が貧困だ。
倒産件数も過去最高に上る勢いで、8割が不況型倒産だ。
このままでは
「失われた40年」
になる。
大胆な経済政策が必要だ。
消費税の廃止、社会保険料の減免、悪い物価高が収まるまでの現金給付だ。
国内で作られた製品を政府が大胆に買い上げる
「令和のバイ・ジャパニーズ計画」
を行う。
ものづくり大国・日本を復活させる。

野田氏「原発ゼロ反対せず」、田村氏「オープンに党運営」 7党首討論会質疑要旨
2024/10/12 21:10
https://www.sankei.com/article/20241012-KONDKY7QMBKRRFDQ2AI272II4M/?outputType=theme_election2024
12日の日本記者クラブ主催討論会で企画委員と各党首による質疑の要旨は次の通り。
ーーなぜ立憲民主党の支持率は上がらないのか。自己分析なしに自民党を批判してもはじまらない
立憲民主党・野田佳彦代表
過去の政権運営の反省はもちろんある。
反省も含めて(先の党代表選に)チャレンジしようと思った。
反省とは、『政治主導』が空回りしたこととか、マニフェスト(政権公約)を羅列して、できないことも出てきたと説明しきれなかったこととか、(党内で)熟議を交わしたつもりでも納得しない人がいたこと。
深い反省のもとに、二度と同じこと、過ちはしないという思いで、今回は政権を取りに行く。
しっかりとご理解をいただけるように頑張っていきたい。
ーー委員長公選制導入を主張する人を除名にするなど、共産党は閉鎖的な政党ではないか。明るい開かれた党にする気はないか
共産党・田村智子委員長
党大会を見ればどれだけオープンだったかはよく分かっていただけたのではないか。
議案を2カ月も前に発表して、党内で議論を尽くして、党大会の3日に渡る議論をオープンにした。
非常にオープンな運営をやっている。
ご指摘頂いたような問題は、『党のルールが守れない、守る意思がないという党員は、党員でいることができない』という、ある意味当たり前の運営ではないか。
ーー今のまま小さい政党で構わないと考えるか。大同団結を考えるか。(後者の場合は)どこがパートナーに成り得るか
国民民主党・玉木雄一郎代表
国民生活がよくなるための政策を1つでも2つでも実現できれば本望だ。
どう実現するか。
まずは我々の勢力を大きくしないと、弾き飛ばされて終わりだ。
まずは党を大きくしていきたい。
ただ、この選挙の後、どういう枠組みになるかは分からない。
そこはもう政策本位で、一致するところは応援するし、ダメなものはダメと言っていきたい。
ーー政策活動費を衆院選で使うことに倫理的なうしろめたさはないのか
石破茂首相(自民党総裁)
それはある。
だからこそ『抑制的に』と申し上げている。
合法だから何をしたっていい、ということは申し上げない。
党勢の拡張、党の主張の徹底周知、そういうものに使われるべきだと思っている。
だから、何に使うかというのは私自身がよく見ていきたい。
将来的に廃止の方向というのは、我が党の中できちんと議論する。
各党できちんとした認識の一致を早めに得たい。
ーー野党候補が乱立して、政権交代を実現できるのか。野党第一党としてどう考えているか
野田氏
誠意ある対話を各党とやってきているつもりだ。
限られた時間だが、最後まで粘り強く対話のチャンスがある限りはやり続けていきたい。
ーー共産は今回、小選挙区に大量に候補者を立てる。どうして協力できなかったのか
田村氏
(安全保障政策を巡る立民との立場の違いによって)市民と野党の共闘の基盤が損なわれている下では、これまでと同じ対応はできない。
私たちの変わらぬ立場になる。
新たな共闘の発展のために頑張っていきたい。
ーー自公過半数割れになった場合に、自公政権に加わる、あるいは閣外協力するなど、何らかの形で連携していくつもりはあるか
日本維新の会・馬場伸幸代表
我が党は、各政党と是々非々で(協力を)やるということを看板として掲げてきた。
その物差しは国家国民のためになるかどうかだ。
基本的には選挙後もそういう態度は変わらない。
ただ、やはり政治は『数が力』だ。
選挙が終わって、それぞれの政党の議席数がどうなったかが、今後の判断に大きく影響をしてくることは間違いない。
ーー原子力発電について尋ねる。「原発ゼロ」という党の綱領に反対なのではないか
野田氏
『ゼロ』を目指すということ自体に反対ではない。
ただ、今、ゼロという言葉を例えば政権公約などで書くと、すぐできるように思う方もいるかもしれない。
原子力エネルギーに依存しない社会を作っていって、原発に依存しない社会を実現していくという表現を、現実的に訴えたほうが通るのではないかという判断だ。
ーー衆院選の獲得目標は
れいわ新選組・山本太郎代表
(解散時は)衆院3議席だったが、これを倍増以上にしたい。
全国の私と同じ有象無象が『社会が変わればいいな』ということで力を貸してくれる、その結果がどれぐらいあるかということだと思う。
玉木氏
前回選で11議席だった。
11議席は確実に確保して、それから一議席でも増やしたい。
衆院で21議席あると単独で法案提出することができるようになるので、できるだけ近づけるように積み上げていきたい。
田村氏
小選挙区では沖縄1区、比例は現有9議席を必ず守り抜く。
公明党・石井啓一代表
全国11小選挙区で戦うので、完全勝利を目指す。比例区については現有の23議席以上を目指している。
馬場氏
162人を擁立する。
全員の当選を目指す。
関西以外の小選挙区での議席獲得を目指していく。
野田氏
公認した人たちの全員当選。
これは当然だ。
最低限目標にしなければいけないのは、自公の過半数割れ、そして比較第一党になるということだ。
具体的な数は申し上げられないが、そういう結果が出せるように全力を尽くしていきたい。
石破氏
公認候補の全員当選を目指して頑張っていくが、状況が極めて厳しいということは肌身に染みてよく分かっている。
野田氏の言ったことと逆になるが、我々は自民、公明で何としても過半数を取りたいと思っている。
そこから1つでも上積みできるよう、誠心誠意、全力で尽くしていく。

選択的夫婦別姓導入の法案 採決で石破首相「党議拘束外しはあまり賛成ではない」
2024/10/12 16:36
https://www.sankei.com/article/20241012-JVQSESZ2SFM4PP3LNFTNWU4R3Y/?outputType=theme_election2024
衆院選公示を前にした日本記者クラブ主催による与野党7党首の公開討論会が12日、東京都内で開催された。
石破茂首相(自民党総裁)は、選択的夫婦別姓の導入に関する法案を採決する際
「党議拘束を外すことにあまり賛成ではない」
と述べた。

<主張>石破首相の初外遊 国際秩序の担い手となれ
社説
2024/10/12 5:00
https://www.sankei.com/article/20241012-YV3266KOENKKBGBAY5YZN6CNSM/
安全運転の外交デビューではいささか物足りない。
石破茂首相は自由で開かれたインド太平洋、国際秩序の担い手として首脳外交を積極的に展開していく必要がある。
石破首相が就任後初めて外遊した。
ラオスで東南アジア諸国連合(ASEAN)関連の首脳会議に出席し、日中、日韓などの首脳会談を行った。
衆院解散後でもラオスへ足を運んだのは妥当だ。
バイデン米大統領の姿はなく、日本の首相も不参加なら李強首相が出席する中国の存在感が高まってしまう。
石破首相の外遊はそれを防ぎ、日本がASEANと連携する意思を示す意義があった。
ASEANと日中韓3カ国の首脳会議で石破首相は、中国を念頭に
「力や威圧による一方的な現状変更の試みを許容してはいけない」
と牽制した。
日中首脳会談では
「戦略的互恵関係の包括的推進」
で一致した。
李首相に対し、中国軍の動向への深刻な懸念を伝えた。
日本人男児刺殺事件や中国軍機の領空侵犯について説明を強く求めた。
中国が拘束する邦人の早期釈放や日本の排他的経済水域(EEZ)内の中国ブイの即時撤去、日本産水産物輸入の早期再開も促した。
台湾海峡の平和と安定の重要性を指摘した。
日韓首脳会談ではシャトル外交の継続や安保協力の推進などで一致した。
石破首相はラオスで、持論のアジア版NATO(北大西洋条約機構)構想を封印した。
岸田文雄前首相の外交路線を踏襲した形で、日本の抱く懸念を李首相に直接伝えたこともあり、初外遊は無難に遂行したと見做されているようだ。
だが中国と戦略的互恵関係など築ける時代なのだろうか。
また、石破首相は自民党総裁選でアジア版NATOを不用意に掲げたため、ASEAN諸国から不安視される中でのスタートだった点を忘れてはならない。
マイナスからの出発で安全運転に徹しても存在感は示せない。
フィリピンのマルコス大統領はASEANと中国の首脳会議で南シナ海問題を巡り中国を直接批判した。
石破首相も日中の個別会談だけでなくASEAN首脳の前でも名指しで中国の問題行動を難じるべきだった。
ベトナム首相と会談したが、日越比の首脳会談を開く選択肢もあったのではないか。

<産経抄>「義理と人情とやせ我慢」を忘れた石破首相
2024/10/12 5:00
https://www.sankei.com/article/20241012-ICTF4A7TDRPOVC7HLKJGJIM2K4/
自民党の初代副総裁を務めた党人派の代表的な政治家、大野伴睦氏のモットーは、
「義理と人情とやせ我慢」
だった。
麻生太郎元首相もこの言葉をよく使う他、これまで多くの政治家が引用してきた。
永田町で尊重される美風、文化のようなものだったのだろう。
▼元は江戸の町火消しの心意気を表現したものだともいい、昔ながらの日本社会の伝統かもしれない。
ところが近年は、政治家の在り方も様変わりした。
石破茂首相は衆院選に当たり、派閥パーティー収入の不記載があった候補者ら12人を非公認にし、34人に比例代表への重複立候補を認めない二重処分を決めた。
▼政治とカネの問題に対する国民の予想以上の反感に怯え、我慢が利かなかったようである。
当初は
「魔女狩りのようなことはしたくない」
と漏らしていた首相は、6日には周囲に語った。
「党内融和を取って、党全体が沈むなんてことがあってはならない」。
▼とはいえ、世間の目が厳しいからといって、4月には正規の党内手続きに則って役職停止などの処分を受けた候補者らを、更に見せしめのために厳罰に処するやり方はどうなのか。
義理も人情もあったものではない。
▼それでも国民が首相が掲げる
「納得と共感」
を示さなかったら、3度目の罰を与えるつもりか。
首相の盟友である村上誠一郎総務相は、安倍晋三元首相に対し、暗殺後に
「国賊」
と呼んだことについて処分を受けたことを理由に
「もう終わりで」
と述べたが、処分を受けた不記載候補者との扱いの差は何なのか。
▼大野氏はこんなセリフも残している。
「サルは木から落ちてもサルだが、代議士は選挙に落ちればただの人」。
首相の恣意的処分に翻弄される候補者に同情する。

総裁選に真の勝者はいたのか 
政界十六夜 石井聡
2024/10/11 10:00
https://www.sankei.com/article/20241011-IL7H2SZEHJIS5BA3QHF6RRIPIE/?outputType=theme_election2024
9月の自民党総裁選の最中、サリバン米大統領補佐官(国家安全保障担当)が
「日本の新首相が誰になろうと」
と口にする場面があった。
日本政治への無関心を装ったというわけではなく、引き続き日米同盟に注力する重要性を指摘したのだ。
サリバン氏はその理由として
「この同盟は、日米どちらの指導者より大きなものだからだ」
とも語った。
大統領選候補のトランプ、ハリス両氏が聞いたらどう思うか知りたいところだ。
ともあれ、日米同盟を揺るがしかねないとの懸念も持たれた石破茂首相の持論
「アジア版NATO(北大西洋条約機構)」
創設構想は、一旦封印された。
早期の衆院解散日程も含め、首相が総裁選で言っていたことを次々と翻して
「噓つき」
「掌返し」
と批判を浴びているのは自業自得だ。
とはいえ、現実離れした政策に固執して混乱を拡大されるよりはましである。
これまで言及してこなかった
「ロシア経済分野協力担当相」
のポスト廃止など、良い判断もある。
ひとまず投開票までの言動で、より多くの国民の
「納得と共感」
を得ていくしかあるまい。
付け加えれば、解散時期については石破首相でなくても遠くはなかった可能性は高い。
既に衆議院は解散され、総選挙の号砲は鳴った。
野党は首相の食言を批判するにしても、そればかりで戦いになるのだろうか。
選挙期間中の政策論争でこそ、優位に立つ努力を惜しんではなるまい。
実際、総裁選での候補者間の討論などは、政策論争の効果を挙げたばかりである。
劇的な総裁選結果を経て勝ち組、負け組などの分類や党実力者たちの収支決算も語られたが、やや違和感を覚える。
中でもキングメーカーと呼ばれる人々の評価についてだ。
決選投票で石破首相を推した菅義偉元首相は、副総裁に就いて非主流派から復権したとも言われるが、そもそも
「本命」
視していた小泉進次郎選挙対策委員長は決選投票にも残れず敗退した。
岸田文雄前首相も旧宏池会を通じた石破支援で勝利を確実にしたと位置付けられる。
しかし総裁再選を見送らざるを得なかったこと自体、最大の敗者なのである。
麻生太郎党最高顧問は支援した河野太郎前デジタル相が惨敗し、終盤では高市早苗前経済安全保障担当相を推したものの、こちらも失敗に終わった。
既に政界引退を表明した二階俊博元幹事長の名前を、総裁選の最中に聞くことはなかった。
9人もの候補が立った総裁選の明確なシナリオを、実力者たちは描けなかった。
派閥単位で組み立てられてきた総裁選ではなかったことが大きい。
だとすれば
「最後の仕上げはやはり実力者たちが手掛けた」
といったまとめ方は、実態とも異なるし
「変わらない自民党」
を印象付ける効果の方が大きいのではないか。
世代交代や党刷新を果たせなかった中堅候補やそれを推した議員らは、そう失望する必要はない。
気になるのは負け組から早々と倒閣論めいた声が漏れることだ。
内に秘める思いならまだしも、外に聞こえてくるような漏れ方は賢くないし、事が成就するかも疑わしい。
勝負事が敗者に恨みを残すのはやむを得ないにせよ、あまりレベルの低い抗争は国益を損なう。
それこそ冒頭の
「新首相に誰がなろうと」
が日本政治そのものに向けられることになりかねない。(特別記者)

<主張>政治とカネ 再発防止策も丁寧に語れ
社説
2024/10/11 5:00
https://www.sankei.com/article/20241011-DR2B2U63YFPI3ED6H4HTFQGRQA/
事実上始まった衆院選では
「政治とカネ」
を巡る問題が争点となっている。
自民党はパーティー収入不記載事件に関連し前議員らを非公認にしたり、比例代表への重複立候補を認めなかったりする方針だ。
野党は
「不十分だ」
と批判している。
野党との対決を前に、石破茂首相による党内の非主流派潰しの様相を呈しているとの指摘も出ている。
有権者の投票判断の材料にすべき課題は他にもある。
政治資金の透明性確保と事件の再発防止の具体策だ。
立憲民主党、日本維新の会、公明党、国民民主党などは、政党から国会議員に支出される使途の報告義務がない
「政策活動費」
の廃止を訴えている。
自民は公約に
「将来的な廃止も念頭に」
改革に取り組むと記した。
首相は今回の衆院選では
「使うことはある」
と語った。
立民が先の通常国会でパーティー禁止法案を提出しながら、同党幹部らが開催していたことを想起させるものだ。
党務を預かっていた茂木敏充前幹事長は自民総裁選で、廃止は可能と語っていた。
今の自民の姿勢は有権者から見て分かりにくい。
国会議員に支給される調査研究広報滞在費(旧文書通信交通滞在費)の使途公開は、衆院選後の国会で直ちに関連法を改正して実現すべきだ。
政治資金を監視する第三者機関の制度設計も急がれる。
立民、維新、共産党などが唱えている企業・団体献金の禁止には賛成できない。
企業や労働組合なども民主主義社会の構成員である以上、政治活動の自由は認められるべきだ。
一般国民からの個人献金が定着していない日本で企業・団体献金を禁止すれば、世襲ではない人や、業界団体、宗教団体などの背景を持たない人にとって選挙活動は極めて不利になる弊害も出てくる。
企業・団体の幹部が分散して、個人として献金する抜け穴を塞ぐことも難しい。
却って日本の議会制民主主義を後退させかねない。
一方、外国人・外国法人のパーティー券購入禁止の議論が低調なのは残念だ。
国政が外国勢力からの影響を受けるのを防ぐために禁止は欠かせない。
不記載事件の動機は今も分かっていない。
自民は明らかにする責任がある。

石破首相、中国の海洋進出を牽制 ASEAN会議、李強首相出席
2024/10/10 21:01
https://www.sankei.com/article/20241010-EDOMVOFW2BI3TDUDE3726KPO7U/
石破茂首相は10日(日本時間同)、ラオスで開かれた東南アジア諸国連合(ASEAN)と日中韓3カ国の首脳会議に出席した。
中国の李強首相、韓国の尹錫悦大統領も参加。
石破首相は地域の安全保障環境が厳しさを増しているとして
「力や威圧による一方的な現状変更の試みを許容してはいけない」
と述べ、中国による東・南シナ海での海洋進出を牽制した。
これに先立つ10日未明、政府専用機でラオスに到着。
就任後初の外国訪問をスタートさせた。
会議で石破首相は、法の支配に基づく国際秩序の維持、強化が不可欠だと強調。
北朝鮮の完全非核化に向け、国際社会全体の力強い対応が重要だと訴えた。
拉致問題解決への協力も要請した。
地域の安定と繁栄のため、ASEANと日中韓の協力発展に意欲を表明。
日本として防災や食料安保、感染症対策で貢献する考えを示した。(共同)

「党内融和を取って党全体が沈んではいけない…」 石破首相、非公認決断の舞台裏
2024/10/10 19:23
https://www.sankei.com/article/20241010-G6EEIXDMJZMZJEFYG47JCFEL7E/
石破茂首相(自民党総裁)は衆院選への対応で、派閥パーティー収入の不記載があった候補者ら12人を非公認とし、34人に比例代表への重複立候補を認めない方針を決めた。
国民世論の不信払拭と党内融和の狭間で難しい判断を迫られたが、最後は党の信頼回復へ重い決断を下した。
■侃々諤々の議論で判断
「本当に長い時間、侃々諤々の議論を重ねながら判断を行った」。
衆院解散を受けた9日の記者会見で、首相は公認問題についてこう語った。
この日午前の党選対本部会合で、非公認などの最終的な方針を決めていた。
会合では旧安倍派の中堅が首相に
「反対だ」
と食ってかかったが、首相は
「静かに聞いていた」(同席者)
という。
不記載議員の処遇は、政権にとって内政上、最初の難所だった。
世論は厳しいが、既に党内処分が下されており、非公認などの新たな措置を決めれば
「二重処分だ」
との批判も免れない。
「国民の反感は想像以上に強いぞ…」。
総裁就任や人事など慌ただしい動きが続く9月末、ようやく一息ついた夜、周辺にはそう漏らしていた。
執行部では小泉進次郎選挙対策委員長が厳しい対応の必要性を唱えていた。
森山裕幹事長は不記載議員の振る舞いに怒りこそ抱いていたが、党内融和を重視していた。
首相自身、当初は最終的な結論ほど厳しい対応を思い描いていたわけではない。
政権が発足した1日には、周辺に
「比例復活をなくすなんて公認のやり方はないだろう」
と語っていた。
党内でも執行部は穏便な対応で済ませるとの観測が広がっていた。
3日には不記載候補を
「原則公認」
と報じられたが、線引きを巡る首相の懊悩は続いた。
周辺には
「不記載額の多寡で決めるのもな。どう説明をつけるか…」
とこぼした。
■被災地視察後に事態一転
一転したのは5日だ。
首相は能登半島の被災地視察を終えた後、その足で党本部に向かい、森山氏や小泉氏らと約1時間半の協議に臨んだ。
小泉氏は厳しい判断を主張し、森山氏は穏便な対応を進言。
党が1日以降に実施した衆院選情勢調査の
「厳しい結果」
も俎上に載せられた。
翌6日も再度集まって協議し、最後は首相が不記載候補への厳しい対応を決めた。
報道陣のカメラの前で、自ら決定内容を明らかにした。
旧安倍派の対象者からは
「やりすぎだ」
などと恨み節が相次いだ。
一方で、
「甘い態度では選挙は更に厳しいものになった」(参院中堅)
と評価する声も強い。
不記載候補を比例名簿に載せれば比例の得票が減り、他の候補の比例復活の道が狭まるからだ。
「党内融和を取って、党全体が沈むなんてことがあってはならない」。
決断の後、首相は周囲に語り、こう続けた。
「批判があるのも分かってる。その責任を負うのが俺の役目だ」

「衆院選で自・公敗れれば石破総裁の責任論に」阿比留論説委員が講演 愛媛「正論」懇話会
2024/10/10 19:05
https://www.sankei.com/article/20241010-CEX7L6AHZJM2PIBLBCWGLDPAGU/?outputType=theme_election2024
愛媛「正論」懇話会の第70回講演会が10日、松山市のANAクラウンプラザホテル松山で開かれ、産経新聞の阿比留瑠比論説委員兼政治部編集委員が
「新内閣の使命」
と題して講演した。
阿比留氏は、石破茂自民党総裁が首相就任からわずか8日後に衆議院を解散したことに触れ
「総裁選での公約も次々と翻している」
「何をする内閣かが見えない」
と批判。
27日投開票の衆院選については
「情勢はまだ読めないが、政権選択選挙で自・公が敗れれば石破総裁の責任論に発展する」
との見通しを示した。
また、仮に与党が過半数を占める結果になったとしても、派閥パーティー収入不記載事件を受けて決めた一部候補者の非公認や比例代表への重複禁止措置で
「相当の禍根が残っている」
「自民党内で色々なことが滞って進まないのではないか」
と述べた。

自民が公約発表、政策活動費「廃止念頭」 台湾有事に危機感、安定的な皇位継承言及せず
2024/10/10 18:45
https://www.sankei.com/article/20241010-7PQ7L5U4KVIOVNNZVT5DCQ6R2A/?outputType=theme_election2024
自民党は10日、衆院選の公約を発表した。
派閥のパーティー収入不記載事件を踏まえ
「厳しい反省と強い倫理観の下、不断の政治改革、党改革に取り組む」
と打ち出した。
党が、党幹部らに支給し、使途の報告義務がない政策活動費について
「将来的な廃止も念頭に透明性を確保する」
と明記した。
一方、安定的な皇位継承の在り方に関しては言及しなかった。
公約は、
@ルールを守る
A暮らしを守る
B国を守り、国民を守る
C未来を守る
D地方を守る
E新たな時代を切り拓く(ひらく)
の6本柱で構成した。
「政治とカネ」
に関しては、国会議員に月額100万円支給される
「調査研究広報滞在費」(旧文書通信交通滞在費)
の使途公開や未使用分の国庫返納も盛り込んだ。
経済政策は、岸田文雄前首相が進めてきた
「成長と分配の好循環」
路線を維持し、
「デフレ脱却最優先の経済・財政運営を行う」
と訴えた。
物価高騰対策として低所得者世帯への給付金支給などを記載。
「地方創生」
の取り組みでは、自治体への交付金の倍増を目指すと掲げた。
安全保障政策では
「台湾有事が現実の課題となりつつある」
と言及し、防衛力強化を進めると強調した。
憲法改正を巡っては
「憲法改正原案の発議を行い、国民投票を実施し、改正を早期に実現する」
と訴えた。
また、防災対策強化に向け
「防災庁」
設置へ準備を進めると主張した。

石破茂首相「申し上げたことは一度もない」、不記載議員原則公認報道は取材なし 党首討論
2024/10/10 12:40
https://www.sankei.com/article/20241010-I7VEIODQ4NBVPO4DGJV5PQIAUY/?outputType=theme_election2024
石破茂首相(自民党総裁)は9日、立憲民主党の野田佳彦代表との党首討論で、派閥パーティー収入不記載事件で処分を受けた前議員らについて、自身が衆院選(15日公示、27日投開票)で原則公認する方針を固めたとの一部報道を否定した。
「全員を公認するとか私は申し上げたことは1度もない」
と述べ、自身への取材はなかったことも明らかにした。
党首討論に先立ち、自民は不記載事件を受けて、4月に処分した前議員を含む12人の公認を見送る方針を決めた。
一方、朝日新聞などは今月4日付で、首相が不記載事件で処分を受けた前議員らを原則公認し、比例代表との重複立候補も認める方針を固めたと報じた。
その際は再発防止策を講じる誓約書を提出させるとした。
こうした経緯から、野田氏は不記載事件に関わった前議員らの公認を巡り、
「いわゆる裏金に関わった議員を全員公認し、全員重複立候補させ、誓約書を書かせるのが最初の方針だったのではないか」
「二転三転、右往左往しながら決めた」
「(報道を受けて)批判が強いから、厳しいような対応に見せているということではないか」
質した。
首相は、
「全員を重複で認めるとか、誓約書を取るとか、私はそのようなことは申し上げたことは1度もない」
と重ねて否定。
「報道には石破茂首相、自民党総裁(が方針を固めた)と書いていた」
「そのような取材を受けたことは1度もない」
「報道はどういう根拠に基づいたか知らないが、そういうことは一切ない」
と強調した。
「森山裕幹事長、小泉進次郎選対委員長、今回の決定に関わった誰かが、そういう取材を受けた事実はない」
とも語った。
野田氏も
「全員公認するかどうかという報道が流れたことは、これはご自身の考えではなかったと」
「それはその通りとして認めましょう」
と応じた。

自民、「裏金議員」原則公認へ 衆院選で比例重複も容認、首相方針
2024年10月3日 20時59分
https://www.asahi.com/articles/ASSB33HGLSB3UTFK00ZM.html?msockid=03bbc426d8756d821927d643d90f6c0f
石破茂首相(自民党総裁)は、派閥の裏金事件で処分を受けた議員らについて、次期衆院選で原則公認する方針を固めた。
都道府県連の申請を受けて公認していく考えで、小選挙区の公認候補は比例代表との重複立候補も認める。
首相は6日にも、事件の中心だった安倍派幹部らから状況を聞くことを検討している。
首相は9日に衆院を解散し、15日公示、27日投開票の日程で総選挙を行う意向を表明済み。
一方、公認問題については総裁選の中で
「相応しい候補者か、党として責任を持たなければならない」
とし、公認しない可能性も示唆していた。
だが、総裁就任後は連立を組む公明党からの要請もあり、最速日程での衆院選を決断。公認手続きを急ぐ中、
「裏金議員」
は非公認としたうえで新たな候補を擁立する時間的余裕はなく、妥協する方向へ傾いたようだ。
■「選挙後に倒閣運動が起きる」 首相、押し込まれ「裏金議員」公認へ
党は4月、政治資金収支報告書への不記載があった39人を処分。
うち34人が8段階中4番目の
「選挙における非公認」
より軽い処分だった。
こうした経緯から、公認問題を蒸し返すことに反対する声が党内に根強くあり、首相が押し切られた面もある。
だが、裏金問題の対応は国民の理解を得られていない。
朝日新聞が1、2日に実施した世論調査(電話)では、実態解明を
「進めるべきだ」
と答えた人が75%だったのに対し、
「その必要はない」
は15%だった。
首相は1日の就任会見で
「国民が納得したという状況にはない」
とした上で、
「どうすればもう起こらないかの認識をきちんと伺いたい」
とも述べていた。
6日にも安倍派幹部らと面会し、直接確認したい考えだ。
党執行部も
「裏金議員」
の公認や比例重複を原則認める方向。その際、再発防止策を講じる誓約書を提出させる。野党側では立憲民主党を中心に、「裏金議員」の選挙区について候補を一本化する案が浮上している。

<主張>衆院解散 日本守り抜く政策訴えよ 政権を託せるのはどの党か
社説
2024/10/10 5:00
https://www.sankei.com/article/20241010-KWGTCTQYKVIWLBZR4XMFA2XQJM/
衆院が解散され、事実上の選挙戦が始まった。
解散は天皇陛下の国事行為である。
石破茂内閣は臨時閣議で
「15日公示、27日投開票」
の日程を決めた。
衆院選は3年ぶりだ。
新首相の就任から8日後の解散、26日後の投開票は戦後最短の決戦となる。
衆院選は政権選択選挙だ。
各政党と候補者は有権者の前で、日本を守り繁栄させる政策を大いに論じなければならない。
解散を前に国会で行われた党首討論で石破首相(自民党総裁)は、派閥パーティー収入不記載事件への対応を批判され防戦一方となった。
■安全保障をなぜ語らぬ
政治資金の透明性確保や不記載事件の再発防止を進め、政治への信頼を取り戻すことは重要だ。
政治とカネの問題が争点の1つになるのは当然だろう。
ただし、党首討論は衆院選を前に、日本の将来に向けた政策を競い合う場でもあるべきだった。
ところがそうならなかったのは、全閣僚出席の予算委員会を開いて丁寧な論議をしなかったことが響いている。
石破首相の所信表明演説後、代表質問と党首討論をしただけで解散したのは残念だった。
石破首相と自民は、不記載議員らの一部を対象に非公認の数を増やしたが、有権者が評価するかは不透明だ。
党首討論では外交安全保障がほとんど論じられなかった。
日本を取り巻く安全保障環境が極めて厳しい中で信じ難いことである。
習近平中国国家主席の共産党総書記の任期の関係から、台湾有事が令和9(2027)年までにあるかもしれないと危惧されていることを忘れたのか。
「台湾有事は日本有事」
と言われる。
今回の衆院選で選ばれる議員と彼らが指名する首相は、台湾有事を抑止するため働き抜かねばならない。
もし有事になれば、先頭に立って国家国民を守り抜く重責を担う。
有権者はそれに相応しい議員を選ばなければなるまい。
全ての政党と候補者は現下の国際情勢に対する認識と、今後起こり得る危機の抑止と対処の具体策を語るべきだ。
野党第一党の立憲民主党の安全保障に関する姿勢は、極めて危うい。
日米同盟の抑止力を格段に高めた集団的自衛権の限定行使の容認を
「憲法違反」
とする立場だからだ。
立民の衆院選公約は、限定行使を認める安保関連法について
「違憲部分を廃止する」
という従来方針を踏襲した。
米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の辺野古移設工事は
「中止」
すると明記した。
この政策のまま政権をとれば日米同盟は空洞化する。
旧民主党の鳩山由紀夫政権が同盟の危機を招いた二の舞いとなるだろう。
これも分からない立民の野田佳彦代表に果たして政権担当能力があるだろうか。
■立民は政権枠組み示せ
立民は、衆院選での与党過半数割れや政権交代の実現を叫んでいる。
にもかかわらず、この目標を達成した時の新たな政権の枠組みを示していないのはおかしい。
これでは有権者の判断材料が揃わない。
目指す政権の枠組みを曖昧にして選挙区調整だけに走るとすれば、議会制民主主義の軽視となる。
選挙戦で聞きたいテーマの1つが、国の根幹に関わる憲法改正だ。
日本国民の多数が自衛隊を認め、期待する時代になった。
ところが多くの憲法学者は自衛隊違憲論を唱えている。
このような異様な状態は改めたい。
憲法への自衛隊明記は改憲に前向きな各党で意見集約が進んでおり、是非早期に実現したい。
改正のゴールは
「戦力不保持」
を定めた第9条2項の削除と軍の規定の創設だ。
そうなって初めて世界の他の民主主義国と同様に国民を守る体制が整う。
首都直下地震、南海トラフの巨大地震などの大規模災害や有事への懸念が高まる中、緊急政令を含む緊急事態条項の創設も急務である。
各党が論じるべき政策課題は他にもある。
物価高に負けない持続的な賃上げによるデフレからの完全脱却、原発を含むエネルギーの在り方、少子高齢化を背景にした人口減少などだ。
国民受けする政策だけでなく
「痛み」
を伴う改革にも真摯に向き合わなければならない。
言行不一致は国民の不信を招く。
各党、各候補者は誠実に言葉を紡いでほしい。

<主張>代表質問 安全保障の論議不十分だ
社説
2024/10/9 5:00
https://www.sankei.com/article/20241009-N3ZCWLPEKJIFNBCCPHJ3MP7ZMA/
石破茂首相の所信表明演説への国会の代表質問が終わった。
政権選択選挙である衆院選を前にした国会である。
「政治とカネ」
を巡る問題が盛んに議論された。
その一方で、日本の独立と繁栄の基盤となる安全保障の論議が深まらなかったのは残念だ。
自民党議員は中国軍の領空侵犯や領海侵入、空母「遼寧」の接続水域航行、ロシア軍の領空侵犯を取り上げ、小野寺五典政調会長は
「国民の命と暮らし、領土・領海・領空を守り抜く」
ことを求めた。
日本維新の会の馬場伸幸代表は台湾有事について質した。
首相が最近の著書で
「『台湾有事、即日本有事』となる可能性は相当低い」
と指摘しているからだ。
馬場氏は
「対中抑止力や国民の国防意識を削ぐことになる」
と懸念を示した。
首相は
「仮定の質問に答えるのは差し控える」
とした上で
「台湾海峡の平和と安定は国際社会の安定にとっても重要だ」
と指摘した。
国防の決意と具体策をもっと語る必要がある。
物足りなかったのは野党第一党の立憲民主党である。
野田佳彦代表が首相のアジア版NATO(北大西洋条約機構)構想に関し
「日米同盟の抑止力に疑念があると思われかねない」
「非現実的ではないか」
と疑問を呈したのは妥当である。
だが、立民として日本をどう守るつもりかを語らなかった。
対中認識を含む現下の国際情勢に対する見方も示さなかった。
田名部匡代参院幹事長はロシアに侵略されたウクライナで、なぜ抑止力が効かなかったのかを質した。
ウクライナ問題を論ずるのではなく、アジア版NATOを巡る首相の言行不一致を引き出したかっただけのようだ。
安保政策を十分語らずに政権交代を迫っても、説得力は感じられない。
憲法改正については自民、立民、維新などが質問した。
首相は緊急事態条項の創設や自衛隊明記について、自民内の議論を
「後戻りさせることなく、前に進めていく決意だ」
と語った。
同時に、任期中に国会への発議を実現したいとし、憲法審査会で議論を深めるよう求めた。
ただ、それだけでは足りない。
首相や憲法改正に前向きな政党は、どの項目をいつまでに条文化したいのかを明らかにすることも重要である。

<主張>中東の戦火拡大 なぜNSCを開かぬのか
社説
2024/10/3 5:00
https://www.sankei.com/article/20241003-4YRNMLACHBI6FNK2GDIOJIQ5N4/
石破茂首相に問いたい。
なぜ国家安全保障会議(NSC)を開催しないのか。
中東の戦火が拡大しているからである。
イスラエルがレバノンの首都ベイルートにある親イラン民兵組織ヒズボラの本部を空爆し指導者ナスララ師を殺害した。
ヒズボラの脅威を除こうとイスラエル軍はレバノン南部へ侵攻した。
ヒズボラの後ろ盾であるイランは報復と称しイスラエルに向けて大規模な弾道ミサイル攻撃を行った。
米英両軍などが協力して迎撃したが一部が着弾し、被害が出た。
イランの対イスラエル直接攻撃は4月以来だ。
どちらも中東有数の軍事大国だ。
双方に自制を求めたい。
ただし事態がエスカレートすれば
「第5次中東戦争」
になりかねない。
日本や世界のエネルギー供給にとっても、経済情勢にとっても、何より中東地域の邦人の安全にとっても、看過できない緊迫した状況である。
日本は一連の事態を遠い地域の出来事と見做すのではなく、自らの問題と捉え、対応しなければならない。
石破首相は2日、イランの弾道ミサイル攻撃を非難し
「全面戦争に拡大しないように(米国などと)連携を取りたい」
と述べた。
そうであるならば、石破首相は、NSCの4大臣会合などを開き、邦人保護や万一の際のエネルギー需給、イスラエル、イラン双方への働きかけについて協議すべきである。
国家安全保障局や外務省の幹部と面会したが、それだけでは足りない。
NSCを開催すれば、日本企業や現地の邦人に対応を促すシグナルにもなる。
石破首相が自民党総裁に当選した9月27日に、岸田文雄内閣の木原稔防衛相はレバノンからの邦人退避に備え、航空自衛隊のC2輸送機を近隣のヨルダンとギリシャへ派遣する命令を発した。
レバノンには約50人の邦人が滞在している。
政権末期でも邦人保護へ動いた岸田政権の対応は妥当だ。
退避では韓国との相互協力も進めたい。
ただし、レバノンからの邦人退避の備えは日本が為すべき対応の一部に過ぎない。
戦火が一気に拡大しかねない時代だ。
危機は政権交代の事情など勘案しない。
石破首相には内閣発足直後であろうと国民を守り抜いてほしい。

<主張>自民総裁に石破氏 保守の精神踏まえ前進を 外交安保政策の継承が重要だ
社説
2024/9/28 5:00
https://www.sankei.com/article/20240928-ZQWPFHRUFBPALP3NUGABOBDVAI/
自民党総裁選で、石破茂元幹事長が高市早苗経済安全保障担当相を決選投票で破り、新総裁に選出された。
10月1日召集の臨時国会で首相に指名され、宮中での認証式などを経て、石破内閣が発足する見通しだ。
石破氏は当選後、
「安全安心な国にするため全身全霊を尽くしたい」
と語った。
ほとんどの派閥が解散を決めたこともあって史上最多の9人が立候補し、激しい総裁選となった。
石破氏は1回目の投票で高市氏に次ぐ2位だった。
決選投票の票差は21票で、党内基盤は強いとは言えない。
■「挙党態勢」が問われる
政治とカネの問題で自民をみる有権者の目は依然として厳しい。
石破氏と自民は挙党態勢で国政運営に当たる必要がある。
党役員や閣僚の人事は適材適所の観点で、総裁選のライバル候補を含め起用すべきだ。
党所属国会議員は結束して新総裁を支えてもらいたい。
石破氏と自民に求めたいのは保守の精神を尊重、堅持することだ。
自民は党綱領で
「日本らしい日本の確立」
を謳い、自らを
「保守政党」
と位置付けている。
この基本線から外れるべきではない。
総裁選で論じられた選択的夫婦別姓の導入は見送るべきである。
石破氏は前向きな姿勢を示してきたが、保守政党が取り組む課題ではない。
家族や社会の根幹に関わる話だ。
片方の親と子の
「強制的親子別姓」
を意味し、戸籍制度も揺らぐ。
個人の自由の問題とは言えず、自民どころか社会の分断を招きかねない。
旧姓使用の充実で対応してもらいたい。
国家と国民を守り抜く外交安全保障は政治リーダーにとって最も重要な責務だ。
安倍晋三元首相は
「自由で開かれたインド太平洋」
構想を国際社会に示し、限定的ながら集団的自衛権の行使容認を実現した。
菅義偉前首相は米国と共に
「台湾海峡の平和と安定の重要性」
を打ち出した。
岸田文雄首相は5年間の防衛費43兆円、反撃能力の保有を決め、防衛力の抜本的強化を開始した。
石破氏は安倍氏以降の外交安全保障を確実に継承し、発展させなければならない。
中国やロシア、北朝鮮といった核武装した専制国家の脅威をどう捉えているかを語ってほしい。
ウクライナ支援の継続も重要だ。
心配なのは、石破氏がアジア版NATO(北大西洋条約機構)の具体化に意欲を示した点だ。
創設には憲法問題の解決や各国との比較的長期の交渉などに相当の年月と大きな政治エネルギーを要する。
数年先の発生も懸念される台湾有事の抑止を優先すべきではないか。
日米同盟の対処力と抑止力の強化も欠かせない。
■男系の皇統を守り抜け
北朝鮮による日本人拉致問題の解決も急がれる。
石破氏は
「東京と平壌に連絡事務所を開設して交渉の足掛かりとする」
と唱えてきた。
家族会は時間稼ぎに利用されるだけだと懸念している。
まず、家族会などと真剣に語り合ってほしい。
千年、二千年の視野で日本を守るため、安定的な皇位継承策を確立すべきである。
自民は、男系(父系)による継承を堅持する内容の岸田内閣の報告書に賛同する立場だ。
石破氏は総裁選でこの党の方針に従うと表明した点を強調しておきたい。
自民は来年、結党70年を迎える。
憲法改正は党是であり、改憲原案の条文化を臨時国会中に完成させるべきだ。
憲法への自衛隊明記は最優先だ。
首都直下地震などの大規模災害や日本有事への懸念が高まっている。
緊急政令を含む緊急事態条項創設も急務である。
自民総裁として与党公明党の説得にも努める必要がある。
日本が抱える課題は他にもある。
物価高を上回る持続的な賃上げを確実なものとし、デフレからの完全脱却を目指してもらいたい。
少子高齢化を背景にした人口減少への対策や社会保障制度改革も欠かせない。
政治とカネの対応は引き続き重要だ。
パーティー収入不記載事件の再発防止と政治資金の透明性確保を確実にしたい。
信頼を取り戻さなければ、政策は遂行できまい。
早期の衆院解散・総選挙が取り沙汰されている。
臨時国会では所信表明演説で国家観と政策の全体像を披露すると共に質疑にも応じ、国民に投票の判断材料を示すべきである。

勝てねば首相の責任論必至 自身に跳ね返る過去の言動
阿比留瑠比の極言御免
2024/10/10 1:00
https://www.sankei.com/article/20241010-EYZZGK33R5KI5PJP5BWX6Y4LVQ/?outputType=theme_election2024
石破茂政権の現状を象徴するように慣例の万歳も乱れがちで、何とも高揚感がない9日の衆院本会議での解散劇だった。
「内閣改造をするほど総理の権力は下がり、解散をするほど上がる」
かつて7年8カ月に渡る長期政権を築いた佐藤栄作元首相は、こんな言葉を残したが、今回の解散は首相にとって権力基盤を固めるものになるだろうか。
解散は、自民党の分断と混乱の中で強行された。
派閥パーティー収入不記載事件を巡っては、2024年4月に当時の岸田文雄首相(党総裁)によって既に処分を受けていた議員らが再び、非公認や比例代表への重複立候補を認めないという重い処分を受けた。
4日の時点で森山裕幹事長が
「党として調査し、(4月に)処分を下した」
「その現実をしっかり捉えることは大事だ」
と述べていたにもかかわらずである。
今回の処分は厳しい処罰を求める国民感情に応えるためとはいえ、憲法39条が定める一事不再理の精神に反する二重処分となる。
総裁選で高市早苗前経済安全保障担当相が
「(党紀委員会など)党内で積み重ねてきた議論を、総裁が代わったからと言ってちゃぶ台返しをしたら独裁だ」
と述べたやり方そのものである。
不記載事件に対しては、政治資金収支報告書に記載しなかった議員が悪いのは当然として、法曹界にもこんなに騒ぐべき問題ではなかったとの見方がある。
日弁連元幹部は指摘する。
「政治家を立件して手柄にしたかった東京地検の暴走で、検察ファッショだ」
東京地検特捜部が100人規模の検事を動員して徹底調査した結果、不起訴(嫌疑なし)とされた自民党議員を、自民党総裁が更に痛めつける。
首相は9日の党首討論で
「どれほど厳しいものか、それぞれの人にとってどれほど辛いものかはよくよく判断した」
と述べたが、将来に禍根を残さないはずがない。
もともと人望が薄く、政権基盤が弱い首相は衆院選後、こうした議員らからどの程度、政権運営への協力が得られるだろうか。
反発やサボタージュが待ち受けることになろう。
また、首相就任から8日後と戦後最短での解散という手法もあからさまで、野党からも有権者からも見透かされている。
9日の党首討論で立憲民主党代表の野田佳彦元首相は語った。
「(首相は)ご祝儀相場があるうちに解散すれば、勝てるだろうという思いから早期解散を決めた」
そう決め付けられても仕方がない。
首相は6月14日の自身のブログで解散について、このように主張しているからである。
「内閣不信任案の可決や信任案の否決など、内閣と衆議院の立場の相違が明確となった場合に限り、内閣が主権者である国民の意思を問うために行われるべきもの」
「天皇の国事行為を定めたに過ぎない(憲法)第7条を根拠として『今解散すれば勝てる』とばかりに衆議院を解散することは、国会を『国権の最高機関』とする憲法第41条の趣旨にも反する」
明らかに今回の早期解散と矛盾する。
一方、野田氏は首相当時の解散を明言した平成24年11月14日の党首討論で、自民党の安倍晋三総裁に
「近いうちに国民の信を問う」
と言ったことを問われ、こう答えている。
「首相は公定歩合と解散は噓をついてもいいと自民党政権時代には言っていた人もいるという話もあったが、噓をつくつもりは私はなかった」
前言を次々と翻し、党内に不和を引き起こしてまで強行した衆院選に勝てなければ、首相の責任問題に直結する。
かつて背後から時の首相に刃を突きつけて責任を問うてきた首相の言動が、首相自身に跳ね返ってくることだろう。
(論説委員兼政治部編集委員)

石破首相、不記載問題「再調査を全く否定するものではない」 党首討論の詳報
2024/10/10 5:00
https://www.sankei.com/article/20241010-RM55MKLYSVKRZMMYAQK4Z2O7SE/?outputType=theme_election2024
9日に行われた党首討論の主なやりとりは次の通り。
■「裏金議員」非公認
野田佳彦立憲民主党代表
自民党派閥「裏金事件」に関与した前議員ら12人が衆院選で非公認となった。
首相は「相当程度が非公認になる」と述べたが、関与者の公認は30人を超えるのではないか。
正確な日本語では「大半が公認」だ。
脱税まがいの議員に、政党交付金として血税が支払われるかもしれない。
国民感情から到底理解できない。
石破茂首相
「裏金」「脱税」とは決めつけだ。
政治資金収支報告書への不記載に関し、脱税容疑で立件された者はいない。
不記載については極めて良からぬことで、おわびする。
厳正な議論を経て、公認しないと決断した。非公認で選挙を戦うことがどれほどつらいか、百も万も承知している。
しかし総理総裁に就任以降、国民の怒りが強いと肌身に感じている。
最終的な判断は主権者の国民に任せる。
これが甘いとかいい加減とは一切考えていない。
野田氏
非公認の立候補者が当選した場合、追加公認するか。
首相
主権者である国民の判断があれば、追加公認はあり得る。
馬場伸幸日本維新の会代表
来年夏の参院選で裏金議員に対し、衆院選と同じ物差しで公認、非公認を決めるのか。
首相
同じ国会議員なので、衆院と参院で違う対応はしない。
■再調査
野田氏
首相は新しい事実が出ない限り、裏金事件の再調査を否定した。
だが有罪判決を受けた旧安倍派の会計責任者が、令和4年4月に中止された還流を幹部協議で再開したと法廷で証言した。
裁判所が事実認定した新事実だ。
再調査すべきだ。
首相
色々な事実関係がある。
有権者に対し、如何なる責任を負うべきか党内で議論する必要がある。
再調査を全く否定するものではない。
厳粛に受け止めなければならない。
野田氏
新しい事実ではないのか。
再調査するかしないか聞いている。
首相
綿密に調査してきたが、捜査権を持たないという限界がある。
関係書類の有効期限が超過し、確認しようがないものもある。
その中で最大限努力し調査してきた。
野田氏
再調査せず、有耶無耶にして早く解散しようとしている。
「裏金隠し解散」だ。
■衆院選
野田氏
「ご祝儀相場」のうちに解散すれば勝てるだろうと、早期の衆院解散を決めたのか。
首相
国を守り、国民を守り、デフレを脱却するためには、私どもが政権を引き続き担わせていただくことが最も肝要だと考えている。
正々堂々、国民の審判を仰ぐのが我々の姿勢だ。
馬場氏 国民に何を問う解散なのか。
首相
新内閣が発足した。
内閣が取り組もうとしていることに信任を得るのが衆院解散・総選挙の意義だ。
■補正予算
野田氏
臨時国会を会期延長して予算委員会を開くべきだ。
旧安倍派幹部は国会の政治倫理審査会で、裁判所の事実認定と異なることを語った。
噓だった可能性が十分高い。
予算委で証人喚問すべきだ。
首相
予算委開催は国会が決めることだ。
災害が相次いだ石川・能登半島の方々の困窮を1日も早く改善するため、予備費で対応する。
6年度補正予算編成は既に指示した。衆院選で国民の判断を得た後、補正予算案を審議し早期成立を期す。
国家国民のため切れ目のない予算審議が必要だ。
■政治改革
野田氏
政治改革の原点に立ち、政治資金規正法の見直しを行う際には、企業・団体献金の禁止からスタートすることが大事だ。
首相
大事なのは政策が左右されないかどうかで、これから先も認めるべきだ。
立民内にも企業・団体献金は必要だとの議論がある。
透明性が担保されるよう努力していく。
馬場氏
首相就任後、新たに企業・団体献金の申し出があった場合、どう対応するか。
首相
寄付を頂いた企業・団体に有利に取り計らう政治行動をしたことは一切ない。
この職を務めている間は、政治資金パーティーを開催するつもりは全くない。
■安全保障
馬場氏
自民総裁選で唱えていた日米地位協定改定やアジア版NATO(北大西洋条約機構)構想が首相に就任した瞬間、雲散霧消した。
国民から疑問を持たれている。
首相
自民は独裁政党ではない。
総裁が言えばそのまま政策になるわけではない。
これから党内で議論していく。
■政策活動費
玉木雄一郎国民民主党代表
政治不信を払拭してくれると期待された石破内閣が、新たな政治不信を生み出しつつあるのではないか。
今回の衆院選では政策活動費を使わないと明言してほしい。
首相
現在認められており、使うことはある。
選挙区で厳しい戦いをしている地域もある。
玉木氏
問題発言だ。
何に使い、誰に渡したか分からないお金で選挙に臨めば選挙が歪む。
首相
「検討、検討」で終わるのは、結局何もしないのと一緒だとの強い意識を持っている。
政策活動費の在り方にきちんと結論を得る。
■憲法改正
馬場氏
衆参両院の憲法審査会で改憲論議が進まない。
壁を突破するために、首相がスタートボタンを押すべきだ。
首相
自民の党是だ。
党総裁として改憲が発議され、国民投票をする日が1日も早くなるよう可能な限り努力する。
■賃上げ、労働改革
田村智子共産党委員長
最低賃金の大幅引き上げには、中小企業への直接支援が不可欠だ。
首相
全体主義国家ではない。
政府が主導し直接お金を払う手法が必ずしも正しいと思わない。

http://www.asyura2.com/24/senkyo295/msg/689.html#c25

[政治・選挙・NHK295] 杉田水脈氏は参院“鞍替え”出馬か? 衆院選辞退でも「差別発言」「裏金事件」の反省ナシ(日刊ゲンダイ) 赤かぶ
22. 秘密のアッコちゃん[726] lOmWp4LMg0GDYoNSgr@C4YLx 2024年10月13日 19:37:52 : fjTz2F981w : QTJUazdpaUhyT1U=[291]
<■167行くらい→右の▽クリックで次のコメントにジャンプ可>
衆院選、比例投票先は自民26%、立民12% 不記載事件は65%「考慮」共同調査
世論調査
2024/10/13 19:13
https://www.sankei.com/article/20241013-6JJUK55D6ZM7TFNVXNZCXPOMHI/?outputType=theme_election2024
共同通信社は12、13両日、衆院選に対する有権者の関心や支持動向を探るため全国電話世論調査(第1回トレンド調査)を実施した。
比例代表の投票先は自民党が26・4%で最も多く、立憲民主党が12・4%で続いた。
投票先を決める際、自民派閥パーティー収入不記載事件を「考慮する」としたのは「ある程度」も含め計65・2%に上り、「考慮しない」「あまり考慮しない」は計32・2%だった。
石破内閣の支持率は42・0%で、不支持率は36・7%。調査規模が異なるため単純比較はできないが、内閣発足直後の今月1、2両日の調査では支持が50・7%だった。
自民が不記載事件に関係した前議員ら12人を小選挙区で非公認とした対応に関しては「不十分だと思う」が71・6%に上り、「十分だと思う」は22・1%。
望ましい選挙結果は「与党と野党の勢力が伯仲する」が50・7%で最も多く、「与党が野党を上回る」は27・1%、「与党と野党が逆転する」は15・1%だった。

アジア版NATO「実現不可能」 知日派重鎮ナイ教授 「中国の挑戦なくならず」
2024/10/13 17:33
https://www.sankei.com/article/20241013-TDXIJSVFSJLDXOCSHH4WCJB5RM/
米国の元国防次官補で知日派の重鎮であるジョセフ・ナイ米ハーバード大名誉教授は13日までに産経新聞のインタビューに応じ、石破茂首相のアジア版NATO(北大西洋条約機構)構想に関し
「実現は不可能だろう」
と述べ、重要国との関係深化など現実的政策の
「段階的なアプローチ」
を提言した。
日米が直面する
「中国の挑戦(脅威)はなくならない」
とし、日米同盟強化の重要性を強調した。
ナイ氏は、アジア版NATOについて
「理念としてはいいかもしれないが、インドが参加することはない」
と明言。
地域の重要な国々が受け入れると思えない政策で、実現は困難だとした。
米側の対応に関し
「構想自体に反対とは思わないが、
『成功しないなら時間と労力を費やさないよう注意すべきだ』
と(日本側に)伝えるだろう」
と述べ、現実的な政策の推進を呼び掛けるとの見立てを示した。
日本には防衛協力などが必要な重要国との関係深化を積み上げることを求めた。
日米地位協定の改定には、日本側が協議に踏み込めば、米国との間で
「摩擦を生む可能性がある」
と否定的な姿勢を示した。
ただ、協議によって
「日米同盟が壊れるわけではない」
と話した。
在日米軍が部隊運用に権限を持つ統合軍司令部を新設して自衛隊との部隊連携を円滑化する日米の取り組みを歓迎し、中国の脅威に対応して
「日米同盟は更に強固になるだろう」
と強調した。
11月の米大統領選で民主党候補のハリス副大統領が勝利した場合は、バイデン政権が進めたような日米同盟の強化が継続されると述べた。
共和党候補のトランプ前大統領については
「(大統領1期目で)在日米軍駐留経費の日本負担を増やそうとした」
と説明し、再選した場合は再び負担増を求める可能性を語った。
「安倍晋三元首相はトランプ氏を制御できたが、石破首相ができるかは分からない」
とした。
また、トランプ氏がロシアの侵略を受けるウクライナへの支援を十分実施しないのではないかと懸念を示し、
「大統領選の結果はウクライナ戦争の結果に変化をもたらす可能性がある」
と指摘。
「国際秩序にとってロシアに勝利させないことが重要だ」
とし、ウクライナ支援の継続を訴えた。

岩屋外相「アジア版NATOがどんな組織になるかは議論次第」 首相が自民に構想議論指示
2024/10/12 0:07
https://www.sankei.com/article/20241012-TKPPMMZJ6JNLHIP34HWFWREKVQ/
岩屋毅外相は11日の記者会見で、石破茂首相(自民党総裁)が自身の提唱するアジア版NATO(北大西洋条約機構)構想を議論する新組織を設置するよう小野寺五典党政調会長に指示したことについて、
「最終的にどのような組織になることが適切かは今後の議論次第だ」
と述べた。
岩屋氏は
「この地域における安全保障の枠組みの構築は非常に大きな構想だ」
と指摘。
一方、抑止対象に関しては
「いずれか特定の国を念頭においたものではない」
と述べるにとどめた。
その上で、日米同盟の抑止力・対処力を強化し、同盟国・同志国との連携深化に取り組みつつ、
「将来のアジアの安全保障の在り方をじっくり検討していくべきだ」
と強調した。

米に一蹴された石破首相の「アジア版NATO」 「ルーピー」批判浴びた民主・鳩山氏想起
緯度経度 古森義久
2024/10/11 9:00
https://www.sankei.com/article/20241011-A7RV57W5QFOMFE6ANKL4BEOEME/
つい日本の民主党の鳩山由紀夫政権時代を思い出した。
2009年9月に誕生した鳩山政権が米国側をびっくりさせ、対日不信を一気に生んだ先例である。
今回の石破茂新首相のアジア版NATO(北大西洋条約機構)構想へのワシントンの反応は15年前のそんな歴史まで想起させたのだ。
鳩山氏が当時のオバマ政権を仰天させた理由の1つは
「東アジア共同体」
への賛同だった。
東アジア諸国を中国を中心に米国を除外して連携させるという構想は日米同盟の否定に等しかった。
だが、日米同盟を保ちながらこの構想を推すという鳩山氏の態度に米側は
「ルーピー(愚かな)」
という表現を使ってまで反発した。
石破氏のアジア版NATO構想への米側の反応も非現実的と見做す点で東アジア共同体への反対と似ていた。
石破氏は日本国内での言明ではこのNATO構想に中国を含む可能性を示唆していたから、その歴史の類似には不吉な重みさえあった。
石破氏の米側への政策発表は
「石破茂の日本の新安全保障時代・日本の外交政策の将来」
と題され、米保守系シンクタンクのハドソン研究所から公開された。
明らかに新首相としての政策発表だった。
その中の主眼、アジア版NATO構想については以下の骨子を述べていた。
▽アジアではNATOのような集団防衛システム不在が戦争を起こしやすくする。中国の抑止にはアジア版NATOの創設が不可欠だ。
▽アジア版NATOは中国、ロシア、北朝鮮の核戦力への抑止のために米国の核の共同使用やアジア地域への配備を考慮すべきだ。
▽日本の自衛隊はアジア版NATOでは国内法を変えて、他の同盟諸国の防衛にも出動して戦うようにする。
以上のように石破氏は日本国内では述べなかった重大方針を米側に向けて発信したのだ。
中国を脅威の主対象として位置付けていた。
この発信では石破氏側近の政治学者が主役を果たしたという情報もあるが、米側ではあくまで石破新首相の政策案と受け止められた。
米側の反応は総括すれば、一笑に付す、という感じだった。
私自身が接触した数人の専門家たちは皆
「非現実的」

「無知」
という言葉を使った。
冷笑とか嘲笑とさえいえる反応だった。
その中で最も丁重にみえたハドソン研究所日本研究部の上級研究員、ジェームズ・プリシュタップ氏の見解を紹介しておこう。
同氏は国務省や国防総省で40年ほども日米安保関係を担当してきた超ベテランである。
「アジア版NATOとは巨大な発想だが、その時期はきていない」
「いや実現することは決してないだろう」
「インド太平洋地域の戦略環境は多数の国家間の安保上の国益の相違を明示し、NATO的な概念の実現を困難にしている」
1国への攻撃に対して全加盟国が全て反撃するという集団同盟に今の日本が加盟できるはずがない。
アジアの他の諸国も同様である。
石破氏にとって幸運だったのはこの構想が米側の専門家たちの入り口であっけなく排され、一般には知らされなかったことだろう。
首相に就任した石破氏は早速この構想を引っ込めた。
まず言葉だけ、という石破流政治の実例か。
石破氏が防衛問題に詳しい、などという評価は誰が広めるのか。
こんな疑問だけが残る茶番の一幕だった。(ワシントン駐在客員特派員)

自民党公約、石破カラーの後退目立つ アジア版NATO、日朝連絡事務所など触れず
2024/10/10 20:26
https://www.sankei.com/article/20241010-PAFPHZC4KFPTBHHEGA5IBH46BM/?outputType=theme_election2024
自民党が10日に発表した衆院選の公約では、石破茂首相(自民総裁)が総裁選で掲げた
「石破印」
政策の書きぶりは抑制的となった。
「防災省」
設置は取り組みを明記する一方で、
「アジア版NATO(北大西洋条約機構)」
の実現は遠回しな表現にとどめた。
首相は党内基盤が脆く、反発を招きかねない分野では主張を後退せざるを得ない苦しさが滲む。
「総裁選での総裁候補としての(首相の)考えを党の政策に練り上げる中で、首相の目指す方向を後押ししていきたい」。
小野寺五典政調会長は公約発表の記者会見で石破カラー≠ェ後退したのではないかと問われると、こう返した。
公約の中で独自色が出たのは
「次なる大規模災害の発生も見据え、防災庁の設置に向けた準備を進める」
との記載だ。
首相が総裁選で主張した
「防災省」
への将来的な格上げを視野に入れている。
2024年、能登半島地震や記録的豪雨が発生する中、防災対策の旗頭となる新庁発足は
「有権者に訴えやすいテーマ」(閣僚経験者)
だ。
一方、総裁選で持論だった
「アジア版NATO」
の実現には直接的に言及せず、
「多国間の防衛協力・交流を推進すると共に地域の安全と安定を確保する取り組みを主導する」
との表現にとどめた。
日米地位協定の改定も
「あるべき姿を目指す」
と濁した。
北朝鮮による日本人拉致問題の解決に向け、首相が打ち出した東京と平壌への連絡事務所の開設検討に関しては、公約で一文字も触れなかった。
拉致被害者家族会から事務所開設を
「不要」
とする発言が出ており、記載を避けたとみられる。
党幹部は
「まだ政権が立ち上がったばかり」
「何でもかんでもストレートには書けない」
と語る。
ただ、有権者に
「有言不実行」
とみられれば、首相への期待感は薄れかねない。
首相は衆院選の論戦で野党からこの点を追及されるとみられ、党内融和と独自色発揮のバランスが問われる。

アジア版NATOで新組織 石破首相、自民に構想の議論指示
2024/10/10 17:50
https://www.sankei.com/article/20241010-5NOMYBBN3RKGJM6C2FQQQPY6YQ/
石破茂首相(自民党総裁)は、自身が提唱するアジア版NATO(北大西洋条約機構)構想を議論する新組織を設置するよう小野寺五典党政調会長に指示した。
小野寺氏が10日の記者会見で明らかにした。
小野寺氏は
「まずは安全保障面で地域の繋がりを強化するため、何ができるか議論を進めたい」
と説明した。
衆院選後に着手する。
構想を巡っては、NATOのように加盟国に相互防衛義務を課す場合には、日本が全面的な集団的自衛権を容認する必要がある。
周辺国には、中国を刺激し地域が不安定化するとの懸念もある。

http://www.asyura2.com/24/senkyo295/msg/687.html#c22

[アジア24] 「韓半島で戦争の可能性が最も高まっている状況」 米専門家が示した二つの開戦シナリオ/朝鮮日報 仁王像
2. 秘密のアッコちゃん[727] lOmWp4LMg0GDYoNSgr@C4YLx 2024年10月14日 06:46:13 : fjTz2F981w : QTJUazdpaUhyT1U=[292]
<■204行くらい→右の▽クリックで次のコメントにジャンプ可>
北朝鮮が砲撃準備態勢を指示 無人機侵入主張で南北が非難の応酬、緊張激化
2024/10/13 23:52
https://www.sankei.com/article/20241013-IPAR2MCXH5NLZAOANNWEKK5MCM/
北朝鮮が韓国の無人機による平壌上空への領空侵犯を主張している問題を受け、北朝鮮国防省報道官は13日夜、朝鮮人民軍総参謀部が韓国との
「国境」
付近の砲兵部隊に砲撃準備態勢を整えるよう指示したと発表した。
朝鮮中央通信が伝えた。
北朝鮮は韓国の無人機が今月、3回に渡り平壌上空に飛来し、金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党総書記の体制を批判するビラをまいたと主張している。
金正恩氏の妹、金与正(キム・ヨジョン)党副部長が12日夜、次に発見した場合は即座に
「惨事が起きる」
として軍事的な報復措置を警告していた。
この警告に対し、韓国国防省は13日、韓国国民の安全に危害を加えれば
「北朝鮮の政権が終末を迎えると警告する」
との声明を発表。
南北が過激なトーンでの非難の応酬を続け、軍事的緊張が一段と高まっている。
北朝鮮国防省の発表によると、指示には完全武装した砲兵8個旅団が13日夜までに砲撃待機態勢に移るとの内容が含まれている。
平壌では、無人機に対する監視所が増強されたとも伝えられた。
韓国軍は、韓国側が無人機を飛ばしたかどうかの事実関係は
「確認できない」
としている。
韓国の民間団体が飛ばした可能性があるものの、北朝鮮による自作自演を指摘する見方もある。

北朝鮮国防省 “韓国の無人機侵入に備え 態勢取るよう指示”
2024年10月14日 6時00分
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20241014/k10014609201000.html
北朝鮮国防省は、韓国が首都ピョンヤン上空に無人機を飛ばしてビラをまいたと改めて主張し、南北の境界線近くの部隊に対し、再び無人機が侵入した場合に備え態勢を取るよう指示したと発表しました。
北朝鮮国防省は、国営の朝鮮中央通信を通じ、13日夜、韓国が今月、ピョンヤン中心部の上空に無人機を飛ばしてビラをまいたと改めて主張し、朝鮮人民軍の総参謀部が、南北の境界線付近の砲兵部隊に、再び無人機が侵入した場合に備え態勢を取るよう12日、指示を出したと発表しました。
そのうえで、完全武装の8つの砲兵部隊を13日午後8時までに
「射撃待機態勢」
に移行させた他、ピョンヤンの対空監視を強化したとしています。
また、キム・ジョンウン(金正恩)総書記の妹、キム・ヨジョン(金与正)氏も13日夜、談話を発表し、
「他国の領空を侵犯する挑発行為の再発を早急に防止しなければならない」
と強調しました。
一方、韓国が無人機を飛ばしたとする北朝鮮の主張に対し、韓国軍は
「事実の有無を確認できない」
とした上で、北朝鮮側に自制を求めると共に国民の安全を脅かした場合、報復すると牽制していました。
更に北朝鮮の思惑について、韓国政府の高官は13日出演したテレビ番組で、韓国側への揺さぶりや、北朝鮮内部の統制強化に利用しているとの見方を示していました。

<正論>金正恩総書記を放置してよいか
龍谷大学教授・李相哲
2024/10/3 8:00
https://www.sankei.com/article/20241003-SI5I3U33UFIV3KBHG4D3KMTYHQ/
北朝鮮は9月、核弾頭に使われる高濃縮ウラニウム(HEU)製造施設を公開した。
国際社会の目を盗んで造り、ひたすら隠してきた施設だ。
視察に訪れた金正恩総書記は
「ここを見るだけでも力が湧いてくる」
と言ったとされる。
26日付AP通信によれば、国際原子力機関(IAEA)のグロッシ事務局長は
「国際社会は北朝鮮が核を保有しているという事実を認めるべきだ」
と発言した。
そんな中、日本は
「断じて容認できない」
と糾弾はしたものの
「警戒・監視に全力をあげる」(林芳正官房長官)
にとどまる。
今、金正恩氏は完全に野放し状態にいる。
■高い代償を払うことに
韓国メディアによれば、2024年7月、北朝鮮は韓国ドラマを見た中学生30人余りを公開処刑した。
韓国の民間団体が風船にぶら下げて北に送ったUSBを拾い、中の映像を見た罪だ。
北朝鮮の人権状況が如何に劣悪かという証言や報告は枚挙に暇がない。
金氏が人倫に悖(もと)ることをやっていても国際社会は有効な手を打てない。
外交の中心に
「人権」
があると公言したバイデン米政権も、拉致問題解決を最優先課題に挙げる日本政府も手をこまねいている。
野放しにしていれば、国際社会はいつか高い代償を払うことになる。
日本も例外ではない。
核問題では、北朝鮮の核施設を直接見たことのある米国の核専門家、ジークフリード・ヘッカー博士によれば
「2003年1月、北朝鮮が核拡散防止条約(NPT)を脱退する時は核兵器を保有していなかった」
という。
米ランド研究所の報告書や韓国当局によれば、北は毎年数百キロのHEUを抽出できる能力を持ち、2027年までに核兵器151〜242基を保有、朝鮮半島有事の際には78発の核を使用する可能性がある。
■北朝鮮政策では一貫性必要
ヘッカー博士は、こうなったのは
「米韓の政策に一貫性がなかったから」
という。
1994年、米国が北朝鮮の核施設を叩きつぶす構えを見せた時、韓国の金泳三政権は、攻撃するとしても我々の領空を使わせない、断固それを阻止するとして、攻撃を思いとどまらせた(金泳三回顧録)。
左派政権に至っては、北朝鮮の核を容認するかのような姿勢をとった。
盧武鉉大統領は2004年11月に
「北朝鮮の核とミサイルは自衛手段という主張は一理ある」
と主張した。
文在寅大統領はトランプ米大統領に
「北朝鮮が核を開発するのは防衛が目的」
と擁護する姿勢をとった(マクマスター元米大統領補佐官回顧録)。
今や国際社会はトランプ米政権初期に唱えていた北朝鮮の核を
「完全かつ検証可能で後戻りできない(CVID)状態にする」
という政策を口にしなくなった。
北朝鮮が核保有と核の先制使用を
「法制化」
したにもかかわらず、抑制する有効な手を打っていない。
北朝鮮の経済力や技術レベルからして金氏の核は、村をうろつく不良少年のナイフ程度にしか見えないかもしれないが、いつかは腕力をつけた悪漢のものとなるだろう。
その時、一番困るのは隣近所の韓国と日本だ。
また、日本の100分の1の経済力すらもたない北朝鮮に日本が無条件の対話を呼び掛けるのも、北朝鮮の誠意のない言葉にも丁寧に答え、金政権の反応に一喜一憂するのも、拉致問題解決を急ぐからだろう。
その足元を見て北朝鮮は高慢に振る舞っている。
一方で金氏は世界中の高級品を買い漁り、王侯貴族顔負けの生活を続けている。
この夏は自家用の大型ヨットを別荘近辺の海に浮かべ、バカンスを楽しんでいることも衛星で確認された。
その裏で拉致被害者たちは怯えながら救出を待っていると思えば、怒りが込み上げてくる。
それでも放置するのか。
■「核保有3原則」宣言しては
では、どうすればよいのか。
核問題が一向に解決しない理由も拉致問題が解決しない理由も、我々は分かっているのではないか。
核問題では、ロシアや中国が目を瞑るだけでなく幇助をしているからであり、拉致問題では、金氏は解決しなくても困ることはないからだ。
問題の根源が分かれば処方箋があるはずではないか。
まず、核問題では中国やロシアを本気にさせ、北朝鮮の核を放棄させることだ。
そのために日本は
「非核3原則」
を修正、
「核保有3原則」
を宣言してはどうか。
北朝鮮が保有している数だけ核を保有、核は核を抑制するための手段で先制使用せず、北朝鮮が非核化すれば日本も核は捨てるという公約だ。
日本でこのような議論や機運が高まれば、中国やロシアは重い腰をあげ、本気で北朝鮮非核化に取り組むのではないか。
そして拉致問題では、金氏に対し、拉致被害者を解放しなければ実力行使もあり得る、今の生活だけでなく、命も保証できないというシグナルを送る必要がある。
日本はそのような覚悟と本気度を見せる必要があるだろう。

北朝鮮 建国記念日でロシアと中国から祝電 関係強化アピール
2024年9月9日 12時20分
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20240909/k10014576981000.html
北朝鮮は建国記念日の9日、ロシアと中国の首脳からキム・ジョンウン(金正恩)総書記に対して祝電が送られたと発表し、中ロ両国との関係強化をアピールしました。
9日付けの北朝鮮の朝鮮労働党機関紙「労働新聞」は、建国から9日で76年となるのに合わせて8日夜、首都ピョンヤン中心部の広場で、大規模な祝賀行事が開かれたと伝えました。
「労働新聞」によりますと、ロシアのプーチン大統領からキム・ジョンウン総書記に対して祝電が送られたということです。
祝電では、2024年6月に行われた首脳会談に言及し
「我々が共同の努力で、包括的戦略パートナーシップを計画的に強化することを確信する」
として、新たな条約に基づき、協力を進めるとしています。
また、中国の習近平国家主席からも祝電が送られたとしていて、習主席はことしが両国の国交樹立75年となることに触れ
「戦略的意思疎通を深化させていく」
と強調したとしています。
北朝鮮としては日米韓3か国が安全保障協力を深める中、後ろ盾である中ロ両国との関係強化をアピールした形です。
ただ、韓国の通信社、連合ニュースは習主席からの祝電が2024年1月以来となったことを挙げて
「北とロシアの関係が密接になる中で、中国との関係は相対的に疎遠になっている」
とする見方も伝えています。

中露、北朝鮮の建国76年記念日に祝電 平壌で集会も金正恩氏は出席せず
2024/9/9 9:53
https://www.sankei.com/article/20240909-CC2EMDM7HZPH5K4VRWFKKGCJAM/
北朝鮮は9日、建国76年を迎えた。
北朝鮮メディアは同日、中国の習近平国家主席とロシアのプーチン大統領が金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党総書記に祝電を送ったと報じた。
首都平壌では8日に祝賀集会が開かれ、金徳訓(キム・ドックン)首相が演説した。
金正恩氏は出席せず、動静が報じられなかった。
習氏は2024年の中朝国交樹立75年に言及し
「戦略的に意思疎通を深め協力を強化する」
と強調。
プーチン氏は北朝鮮との包括的戦略パートナーシップの関係を
「共通の努力により計画的に強化していく」
と強調した。
金徳訓氏は演説で、在日本朝鮮人総連合会(朝鮮総連)の代表団と朝鮮大学校の学生らが集会に出席していることを
「歓迎」
し、海外の同胞組織を重視する姿勢を示した。
9日の党機関紙、労働新聞は社説で
「金正恩氏への忠誠が最大の愛国だ」
と結束を呼びかけた。(共同)

露朝接近で「血の友誼」険悪化 中露関係の行方は
久保田るり子の朝鮮半島ウオッチ
2024/9/7 1:00
https://www.sankei.com/article/20240907-PGZWQ2EX4ZMTJAUB4XBEABVM7E/
中国と北朝鮮の隙間風が目立っている。
中国からは北朝鮮への
「締め上げ」
が相次ぎ、北朝鮮国内では中国への
「嫌がらせ」
事象が次々に確認されている。
両国は1400キロの国境で接し、
「血の友誼(ゆうぎ)」
「唇と歯の関係」
とも言われてきたが、ウクライナ侵略を巡ってロシアのプーチン大統領が金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党総書記に急接近したことで中朝露の関係が構造的な変化を始めた。
反米で一致する3カ国だが、その思惑は同床異夢。
露朝接近と中朝険悪化は東アジア情勢にどんな事態をもたらすのか。
■双方から響く不協和音
中国東北部の大連郊外には、6年前の金氏訪中の際、中国の習近平国家主席と散策したことを記念した
「銅板の足跡」
が路上に設置され、中朝蜜月の象徴とされてきた。
ところが、
「足跡」
は最近、中国側により黒いアスファルトで塗り固められたことが確認された。
「足跡」
は並んで同じ方向を向いていた。
「もう同じ方向を向いているわけではないということか」
と話題になった。
外交筋は
「これは中国側の不快感の表れ」
とみている。
外交絡みの中国側からのメッセージは7月に集中して起きた。
7月11日は、中朝軍事同盟
「中朝友好協力相互援助条約」
の63周年だったが、両国で行われた記念行事で出席者が格下げされた。
同27日は朝鮮戦争休戦協定締結から71年で、平壌で記念式典が行われ、ロシアなど在平壌の外交団が出席したが中国大使は欠席した。
中朝関係の陰りは、ロシアのウクライナ侵略(2022年2月)後に始まった北朝鮮からの砲弾提供などを通じた露朝接近に、中国が距離を置いた形で顕在化してきた。
特に2023年9月に続き、2024年6月にも行われた露朝首脳会談で拍車がかかった。
中国国内には約5万人の北朝鮮労働者が外貨稼ぎの出稼ぎで入っているが、中国は彼らのビザ再交付を拒み早期帰国を迫っている。
中朝国境周辺では北朝鮮による国家ぐるみの密輸が行われているが、中国当局は目を瞑ってきた密輸に関しても取り締まり強化に乗り出し、4月には中国駐在の北朝鮮外交官が密輸容疑で家宅捜索された。
北朝鮮内では中国に対する反発行動が確認されている。
北朝鮮の内部情報によると、中朝国境を往来してきた華僑に対し北朝鮮当局が行動範囲に制限をかけ始め、住民に華僑との接触を禁じる措置も出された。
また、北朝鮮国内の市場ではこれまで、北朝鮮の通貨であるウォンより中国人民元の方が信用度が高く流通してきたが、最近、首都平壌で中国元の決済が一部、止まっているという。
更に、北朝鮮社会で広く流通していた中国映画が取り締まりの対象にされたり、北朝鮮の公営テレビで放映されてきたドラマが中国ものからロシアものに変わったりしたという。
韓国紙「中央日報」は北朝鮮消息筋の話として
「駐中国北朝鮮公館に金氏が『中国の顔色をうかがうな』との指示を与えたことが把握された」(7月31日付)
と報じた。

http://www.asyura2.com/19/asia24/msg/232.html#c2

[政治・選挙・NHK295] 石破内閣を冷静に評価する視点(植草一秀の『知られざる真実』) 赤かぶ
14. 秘密のアッコちゃん[728] lOmWp4LMg0GDYoNSgr@C4YLx 2024年10月14日 08:29:51 : fjTz2F981w : QTJUazdpaUhyT1U=[293]
<■1446行くらい→右の▽クリックで次のコメントにジャンプ可>
高橋洋一「日本の解き方」
安倍憎し§I呈した石破政権 非公認は野党を利するだけ…自公でも過半数割れする恐れ 岸田前首相は再登板の野望も
2024.10/11 11:00
https://www.zakzak.co.jp/article/20241011-FLCDBM6O4JPPDDISWR6AYWZJK4/
とうとう石破茂政権が本性をあらわにした。
政策面では、自民党総裁選中に言ってきたことをほとんど否定し、石破政権誕生後の4日に所信表明を行った。
所信表明に載らない以上、その政策が実現される可能性はまずない。
このままだと、石破政権に期待していた人は失望し、政権の寿命も短いと思われていたが、政策ではなく政治、いわゆる裏金問題で勝負に出てきた。
裏金問題を自民党内で仕切ってきたのは森山裕幹事長だ。
森山幹事長は更なる処分はないかのように話してきた。
当然のことながら、後出しの事後処分はご法度である。
ただし、3人の党員資格停止の議員については公認なしというのはある意味当然なので、その程度で済ますかと思われていた。
しかし、政治倫理審査会を欠席した3人の議員も非公認の方針という。
確か欠席は自民党の方針だったはずで、これは実質的に事後追加処分だろう。
更に、40人以上とされる収支報告書不記載議員(これはほぼ旧安倍派)に比例重複を認めないという。
党の処分に従った上で、余りに酷い仕打ちであり、このままなら非公認・比例重複不可の半数程度が落選するかもしれない。
かつての郵政民営化解散での
「刺客」
を連想するとの声もある。
しかし、当時は郵政民営化に反対した候補に公認を出さなかったが、
「刺客」
に自民党公認候補を出したので、どちらが勝っても、広い意味での自民党勝利だった。
マスコミの自民党への注目度が高くなって野党候補は埋没し、結果として大勝だった。
今回は、野党を利するだけである。
石破政権では、石破首相の発言ブレもあり、政権発足直後のご祝儀≠烽ネく、自民党の過半数割れが噂されていたが、今回の措置により、そこにとどまらず、自民党と公明党の与党で過半数割れまで視野に入ってきている。
一体誰が今回の措置を主導したのだろうか。
世論に迎合したとも言われているが、反自民党の勢力の言いなりとしか思えない。
選挙は最大得票を目指すものだが、自民党としては合理的な決定だとは言えない。
対象者が旧安倍派に不自然に集中しており、非合理的な安倍憎しの感情としか考えられないが、単に一部の執行部の舞い上がったミスかもしれない。
保守の自民党支持層は、今回の措置で戻ってこないだろう。
結果として、自公で十分な得票が得られず、石破首相に結果責任がブーメランのように刺さってもおかしくない。
それで、石破政権が短命になったとしても、次には高市早苗前経済安保相がいるので大丈夫というのは甘い。
石破政権の後を狙うのは岸田文雄前首相もいる。
今回、石破政権誕生の最大の立役者は菅義偉元首相でなく
「高市だけはダメだ」
と言ったとされる岸田氏だ。
その意味で、筆者は石破政権を
「岸破政権」
と呼んでいる。
岸田氏の石破首相への支持は、短命を見込み、次は自分の再登板も織り込んでいたとしか思えない。
いずれにしても安定政権にはなり得ない。
 (元内閣参事官・嘉悦大教授、高橋洋一)

高橋洋一「日本の解き方」
石破政権の「本当の実力者」は誰か 「高市氏だけは総裁にしたくない」思惑だけ、党内も政府内にも実権なし 昔の自分から鉄砲撃たれる状況
2024.10/10 06:30
https://www.zakzak.co.jp/article/20241010-P2USVZPURZOULE2DWJ7D46XB5I/
石破茂首相の衆院解散の時期や経済政策などを巡る発言は、自民党総裁選前とその後で豹変している。
石破政権は党内基盤の弱さも指摘される中で、本当の
「実力者」
は誰なのか。
今回の自民党総裁選を政治的にみれば、菅義偉元首相と麻生太郎前副総裁の
「キングメーカー争い」
と言われていた。
ところが、1回目の投票で菅氏の推す小泉進次郎選対委員長が急速に失速すると、決選投票は石破氏と高市早苗前経済安保相の争いとなった。
菅氏は石破氏を、麻生氏は高市氏をそれぞれ支援したが、森山裕幹事長と岸田文雄前首相らが石破氏を推したので、石破総裁が誕生した。
この段階で、菅氏の影響力はやや低下し、森山氏と岸田氏の影響力が強くなった。
その結果、党の実権は森山氏が、政府の実権は岸田政権から留任した林芳正官房長官が握ることとなった。
もともと石破首相が
「党内野党」
だったこともあり、党内基盤は極めて弱い。
今の権力構造も、総裁選の過程でたまたま生じたものであるといえ、複雑で脆いものだ。
党内で要となる幹事長の森山氏についても、二階俊博元幹事長と似たような政治手法であるが、そもそも党内基盤は強くない。
政府内を取り仕切る官房長官の林氏は、旧岸田派で、自らも総裁に意欲があるが、岸田前首相も返り咲きを諦めたわけではなく、何があっても石破氏を支えるといった気構えは見受けられない。
そもそも総裁選で多くの票を集めた保守系の高市氏と小林鷹之元経済安保相は、いずれも党要職や閣僚にも就かず石破政権とは一線を画している。
高市氏を推した麻生氏も、最高顧問に祭り上げられたので石破政権とは完全に距離を置いている。
先日の最低賃金に関する本コラムで書いたが、石破首相が本来掲げてきた政策は、野田佳彦代表が率いる立憲民主党より
「左」
で、れいわ新選組と同じくらいの左派だ。
森山氏も林氏も実際には同調できない部分が多いのではないだろうか。
現に、政府の方針である所信表明演説では
「石破カラー」
は大半が払拭されてしまった。
所信表明に書けないような政策が今後、復活する可能性はまずないので、政策面で石破首相に期待していた人は失望するのではないか。
「政治とカネ」
を巡る問題で石破首相は、非公認の拡大や比例の重複不可を打ち出した。
世論に迎合した策は
「二重処分」
との指摘もあり、党内からの批判が強い。
「高市氏だけは総裁にしたくない」
という思惑だけで誕生した石破政権は、党内にも政府にも実権を持っていないので、今後も苦しい運営を余儀なくされるだろう。
こうなると、何のための石破首相なのかという話になる。
「自民党を変える」
と意気込む石破首相だが、その前に自分が変わってしまった。
かつて石破首相は
「後ろから鉄砲を撃つ」
と党内で言われたが、今の石破首相は過去の石破氏から鉄砲を撃たれ、ブーメランが刺さっている状況だ。 
(元内閣参事官・嘉悦大教授、高橋洋一)

衆院選、比例投票先は自民26%、立民12% 不記載事件は65%「考慮」共同調査
世論調査
2024/10/13 19:13
https://www.sankei.com/article/20241013-6JJUK55D6ZM7TFNVXNZCXPOMHI/?outputType=theme_election2024
共同通信社は12、13両日、衆院選に対する有権者の関心や支持動向を探るため全国電話世論調査(第1回トレンド調査)を実施した。
比例代表の投票先は自民党が26・4%で最も多く、立憲民主党が12・4%で続いた。
投票先を決める際、自民派閥パーティー収入不記載事件を「考慮する」としたのは「ある程度」も含め計65・2%に上り、「考慮しない」「あまり考慮しない」は計32・2%だった。
石破内閣の支持率は42・0%で、不支持率は36・7%。調査規模が異なるため単純比較はできないが、内閣発足直後の今月1、2両日の調査では支持が50・7%だった。
自民が不記載事件に関係した前議員ら12人を小選挙区で非公認とした対応に関しては「不十分だと思う」が71・6%に上り、「十分だと思う」は22・1%。
望ましい選挙結果は「与党と野党の勢力が伯仲する」が50・7%で最も多く、「与党が野党を上回る」は27・1%、「与党と野党が逆転する」は15・1%だった。

松井一郎「以心伝心」
石破首相に「ダマされた」「リーダーとして信頼できない」…国民との約束など二の次 非公認は旧安倍派へのどす黒い「私怨」か
2024.10/10 06:30
https://www.zakzak.co.jp/article/20241010-C6N6EL5OJBMF7EWLK27GUQ4MFA/
石破茂内閣の発足から1週間が過ぎたが、報道各社の世論調査結果は酷いようだ。
日経新聞・テレビ東京が1、2両日に実施した緊急世論調査では、内閣支持率が51%と、現行の調査方式を導入した2002年以降、発足時の支持率として最低だったという。
これは石破首相が自民党総裁選などで訴えていたことと、総裁当選後に言い出したことが180度違って、国民が
「ダマされた」
「国家のリーダーとして信頼できない」
と確信したからだろう。
石破首相は総裁選で、
「国民に判断頂く材料を提供するのは政府の責任であり、新しい総理の責任だ」
「本当のやり取り(審議)は予算委員会」
「『すぐ解散します』という言い方は、私はしません」
と断言していた。
米シンクタンクへの寄稿文では、
「アジア版NATO(北大西洋条約機構)の創設」

「日米地位協定の改定」
を打ち出していた。
ところが、森山裕幹事長ら
「早期解散論者」
に説得されると、予算委員会も開かずに、
「9日解散、27日投開票」
の衆院選強行を表明した。
4日の所信表明演説では、
「アジア版NATOの創設」
や、私も期待した
「日米地位協定の改定」
は完全に消えていた。
これは首相になることが目的で、国民との約束など二の次だったことの証拠だ。
余りの大逆風に怯えたのか、石破首相は6日になって自民党派閥裏金事件を巡り、党処分を受けた旧安倍派議員らの一部を
「非公認」
とし、政治資金収支報告書に不記載があった議員の
「比例重複を認めない」
方針を打ち出した。
一部メディアは勇断≠フように報じていたが、とんでもない。
「政治とカネ」
の問題解決は、議員処分の話ではない。
本来すべきは、衆院解散の前に、旧文通費(調査研究広報滞在費)の使途公開を義務付ける法律を成立させるなど、具体的改革を国民に示すべきなのだ。国会議員の特権を捨てて、納税者と同じルールにしなければならない。
それもせずに、議員処分を先行させるのは国民をダマす手法である。
政治的に対立してきた安倍晋三元首相が率いた旧安倍派へのどす黒い
「私怨」
も感じる。
■野党は「自公の過半数割れ」のため選挙区調整を
石破首相は9日、衆院を解散する。
野党各党は
「ウソつき解散」
「敵前逃亡解散」
などと酷評しているが、私は
「『政治とカネ』誤魔化し解散」
も入れたい。
国民の方々に言いたい。
こんな茶番劇を許してはならない。
石破首相は総裁選後、
「ノーサイド」
を主張していたが、1度処分を受けた旧安倍派議員らを2重処分にした。
同じ感覚で、自分や政権が危うくなると、国民を平気で切り捨てるかもしれない。
野党各党には政策的に違いがある。
だが今回、
「嘘つき」
首相率いる
「自公与党」
を過半数割れに追い込むという1点で、選挙区調整など一気に進めるべきではないか。
国民のために、石破政権に引導を渡すべきだ。 (前大阪府知事、前大阪市長)

石破茂首相、消費増税は「当面は考えない」 NHK番組で説明、定額減税も
2024/10/13 12:04
https://www.sankei.com/article/20241013-75QAIJSBURJYPKJWZULYSPQ2HM/
石破茂首相(自民党総裁)は13日のNHK番組で消費増税について
「当面は考えていない」
「今のやり方でどのように安定的な社会保障を確保するかということだ」
と述べた。
岸田文雄前政権で実施した定額減税に関しては
「物価高に国民も苦しんでいるが、政府も影響を受けている」
「今すぐとは私は思っていない」
と否定した。
番組には与野党の9党首が出席した。
首相は、自民党派閥の政治資金パーティー収入不記載事件に絡み、立憲民主党の野田佳彦代表らが企業・団体献金の禁止を主張していることを踏まえ、
「何で企業・団体(献金)はだめで個人(献金)ならいいのか」
「立民の中にも『企業・団体献金廃止なんかとんでもないか』と言っておられる方がいる」
と疑問を呈した。
野田氏は
「今頃それを言ってくるのかという感じだ」
「細川(護熙)内閣の政治改革関連法で企業・団体献金は政策をねじ曲げる可能性があるので廃止の方向にするということだったではないか」
と指摘したが、首相は
「企業ならだめ、個人はみんな純粋な思いでやっている、というのはややファンタジー(幻想)だ」
と立民が求める過度な規制を牽制した。
一方、野田氏は公明党が、自民が非公認とした前議員12人のうち、三ツ林裕巳(埼玉13区)、西村康稔(兵庫9区)の両氏を推薦することについて
「明らかに(自民の)共犯だ」
「党のガバナンスとしておかしい」
「私は自公過半数割れを目指して戦っていく」
と非難。
これに対し、公明の石井啓一代表は西村氏らの推薦は地元の公明支持者の理解が得られていることを強調した上で
「公明内のガバナンスとして立民に何か言われるような筋合いは全くない」
と反論した。

総裁選で訴えた持論を封じた石破首相 「豹変」の理由を語れ
サンデー正論
2024/10/13 10:00
https://www.sankei.com/article/20241013-2MVZKFFXBBMTRKBMVBHLQIY26Y/
自民党総裁選に勝利した後から、それまで掲げていた政策を矢継ぎ早に軌道修正している石破茂首相。
「最後の挑戦」
とした5度目の総裁選でようやく勝利を勝ち取ったわりには、どこまで総理大臣になることを想定して準備していたのかは甚だ疑問である。
政治家は理想主義者であってもいいが、首相になったら現実主義であるべきだ。
石破首相がそのように目覚めたのであれば歓迎するが、長年染みついた党内野党、非主流派体質を脱皮して現実路線を取り続けることができるのか。
「変節」
「豹変」
「朝令暮改」
「手のひら返し」
様々な言葉で批判されている石破首相。
解散・総選挙の日程と日銀の金利引き上げについては明確に総裁選中とは発言が変わった。
「アジア版NATO(北大西洋条約機構)」

「日米地位協定改定」
についても、総裁選ではあれだけ力を込めていたが、臨時国会での所信表明演説で言及はなかった。
いずれも、良い修正である。
自身の認識の誤りや理解不足があったことを認めて、軌道修正しているのだとすれば、決して悪いことではない。
誤りが分かっていながら修正しない方がよほどタチが悪い。
石破氏も実際に首相官邸の住人になってみて、近隣の議員会館や国会議事堂から見る風景とは色々な意味で異なることが分かったはずだ、と思いたい。
首相になってみて実感したのは情報量ではないだろうか。
また、政府の政策の良し悪しは別として、政府の決定・判断には背景と理由がある。
政府には政策の継続性も求められる。
変更する場合は相応の理由が必要だ。
これら一切合切の事情を突き付けられれば、持論を引っ込めざるを得なかったとしてもおかしくない。
一方で総理大臣にもなれば、多少の勘違いも芽生える。
「俺は首相なんだ」
という勘違いだ。
修正することへのハードルが高くなってもおかしくないが、石破氏にはまだその辺りの抵抗心が薄いのか、いとも簡単に変わった。
自民党で選対本部事務部長や事務局長などを歴任し、現在は選挙・政治アドバイザーとして活動する久米晃さんは、その豹変ぶりを否定しないが、こう語る。
「石破さんは信念を貫く人だったということで支持されたんでしょ」
「ところが、総裁に選出された後、早々に発言を翻したわけです」
「石破さんに投票した国会議員や自民党員はどう考えているのか…」
石破氏は安倍晋三元首相を批判したことから
「後ろから弾を撃つ」
と言われてきた。
「党内野党」
として冷や飯を食べてきた期間が長かったせいか、様々な事案に関する石破氏の認識は
「アップデートされていない」(政府関係者)
との指摘がある。
例えば、防衛省は防衛大臣経験者に対して事あるごとに
「ご説明」
にあがるというおかしな慣習があるが、石破氏に説明をしても説教≠ナ返されたことが度々あったと聞く。
こうだから、
「ご説明」
の内容が薄くなるのも自然だろう。
他の省庁とのパイプも細いようだ。
現時点で、石破首相は国会で官僚が準備した紙を読む安全運転に徹しているが、総選挙になれば自分の言葉で語る場面は増える。
安全保障を得意分野と自負するだけに、持論のアジア版NATOや日米地位協定改定などがまたぞろ口をついて出てきかねない。
選挙演説のように高揚した時が最も危うい。
総選挙期間中に総理になってからとは違う論を展開すれば、一体何なんだ、となって国会は紛糾するだろうし、総選挙後の党内の不安定化は必至だろう。
石破首相は、今や自分が
「後ろから弾を撃たれる存在になった」
ことを認識すべきである。
■平壌連絡事務所設置への懸念
こうした中、4日付産経新聞朝刊の1面トップに
「石破首相 『北に連絡事務所』意向伝達」
の見出しで記事が掲載された。
首相が2日午後に家族会側に電話し、北朝鮮による日本人拉致問題の解決に向け、
「東京と平壌に連絡事務所の開設を検討するという自らの考えを拉致被害者家族会側に説明し、理解を求めたことが分かった」
というものだ。
首相は就任の挨拶のために拉致被害者、横田めぐみさんの弟で家族会代表の横田拓也さん、めぐみさんの母、早紀江さん、被害者の有本恵子さんの父、明弘さんらに相次いで電話した。
「救う会」会長の西岡力・麗澤大学特任教授によると、
「首相は連絡事務所について家族会に理解を求めようとしたのではない」(国家基本問題研究所HPの7日付「今週の直言」から)。
また、産経報道の日の夜に開かれた集会で、横田拓也さんが
「石破首相が家族会に連絡事務所の設置や合同調査委員会の設置を説得の形で伝えたという報道は正確でない」
「首相から電話をもらったので、こちらの側から家族会が設置に賛成していないことを伝えた」(同)
と話したという。
同僚記者の書いた記事についてこのような形で言及することには躊躇がある。
だが、拉致問題は人命がかかっている機微なテーマだ。
1つの報道が想像もつかないおかしな方向に発展することは過去もあったし、これからもあり得る。
丁寧な取材の上での報道が不可欠であるだけに、敢えて指摘させてもらった。
なぜここで言及したかといえば、この記事が書かれた背景は把握していないが、大前提として、石破氏がかねて主張してきた連絡事務所設置に対する懸念が報じる側にもある。
石破氏の周りには
「日朝国交正常化推進議員連盟」(衛藤征士郎会長)
に所属する議員が多く、とりわけ首相と岩屋毅外相、中谷元防衛相がメンバーだけに、北朝鮮と接近するがために拉致問題をないがしろにするのではないかとの懸念を持たれても無理はない。
今年2月、日朝議連は総会を開き、岸田文雄首相(当時)の早期訪朝を求める決議を取りまとめたが、国民民主党の玉木雄一郎代表らが決議案の内容を問題視したことで大幅修正したことが明らかになっている。
西岡氏の報告にもあるように、今回、首相は自ら事務所設置に言及したわけではなく、理解を求めたわけでもない。
首相になって北朝鮮や拉致問題に関する情報に接して、トーンダウンさせているのかもしれないが、油断できない。
石破氏のホームページには
「私の政策」
として、
「北朝鮮による拉致問題は、東京と平壌に連絡所を開設し、政府の主体的取組で解決をめざします」
が残る。
この件に限らず、首相が持論を軌道修正するのであれば、久米さんが指摘するように説明が必要だ。
そして、説明には説得力が伴わなければならない。
その結果として信頼が生まれる。
なお、岸田前首相の最大の欠点は説明不足だったことを指摘しておく。
良い政策を打っても、国民に伝わらなければ評価に繋がらない。
■自衛官の処遇改善は評価変えさせる好機
石破氏が総裁選で掲げた政策の中で評価できたのは、自衛官の処遇改善を掲げたことだ。
これについては、首相が8日の参院本会議の代表質問で関係閣僚会議を設置し、月内に初会合を開く方針を表明した。
会議では手当の改善もさることながら、現役自衛官が自衛隊病院以外で診療を受けても全額無料とすることを検討してもらいたい。
更に言えば、退官後も医療費を免除にすることは現役自衛官にも安心感を与える。
総裁選の決選投票前の演説で石破氏は
「日本を守りたい。国民を守りたい」
と連呼した。
そして、所信表明演説では自衛官を
「防衛力の最大の基盤」
と表現した。
その自衛官に最も不人気な防衛相経験者として知られるのが石破首相だ。
豹変するついでに、自衛官からの自身の評価も変えさせてはどうだろうか。

内閣総理大臣「石破茂」とは何者か 政治的判断の背景に故安倍元首相への深い怨念
【疾風勁草】(15) 弁護士・高井康行
2024/10/13 7:00
https://www.sankei.com/article/20241013-PVBY6WRKQNLLZMXGYQLD7PAZAM/
■彼の政治信条はリベラル寄りなのか
石破首相はこれまで、保守層から熱い支持を集めていた故安倍晋三元首相の政敵として、その政策に悉く異を唱えてきた。
そのため、彼は保守嫌い、安倍嫌いの一部世論やマスコミからリベラル寄りと見做され、世論調査では首相に相応しい政治家としてもてはやされていた。
しかし、彼の政治信条は本当にリベラル寄りなのだろうか。
確かに、彼は、女系天皇や選択的夫婦別姓を容認するかのような発言をしたことがあり、その点を見ればリベラル寄りと見ることもできる。
だが、憲法改正については、彼は9条2項を削除することを主張している。
高市早苗前経済安全保障担当相を含む大方の保守系議員の主張が、9条1項2項をそのまま残して3項として自衛隊保持を書き加えるというものであることに比べれば、彼の主張はより本質的であり、むしろ、高市氏らより強硬な保守というべきだろう。
また、日米安保条約について彼は、米国が日本の防衛義務を負っているのに日本は米国の防衛義務を負っていない点において片務条約であるとし、これを、日本も米国の防衛義務を負う双務条約に改正して、日本を英国のような米国と対等な国に引き揚げること、それを前提に、米国本土およびグアムにそれぞれ自衛隊の基地を置くこと、それに関連して日米地位協定を改定することを主張している。
もちろん、日米関係を英米関係のように対等なものにするという主張自体は日本の政治家として当然のもので、片務的な日米安保条約の問題点を指摘する意見も以前から存在していた。
とはいえ、ここまで明確に日米の対等化を主張し、米国領内への自衛隊基地設置にまで言及した議員はいない。
その点でも、彼は高市氏らより遥かに強硬な保守と考えるべきだろう。
■日米安保体制を弱体化させる「アジア版NATO」
かてて加えて、彼は日本の安全保障のために必要だとして
「アジア版NATO(北大西洋条約機構)」
の創設を力説している。
しかしながら、NATOは加盟国の一部が攻撃を受けた場合、他の加盟国も自国が攻撃を受けたものと見做して自動的に参戦する義務を負う完全な集団安保条約である。
故安倍元首相や高市氏らの主張が、現行憲法との整合性を考慮してせいぜい部分的集団安保にとどまっていることを考えれば、彼の
「アジア版NATO」
創設論が、従来の議論とは
「量(程度)」
ではなく
「質」
において異なっていることは明らかだ。
その上、彼はその
「アジア版NATO」
において核を共有することにまで言及している。
故安倍元首相も核共有を議論する必要を主張したことがあり、高市氏も、
「持たず」
「作らず」
「持ち込ませず」
の非核3原則のうち
「持ち込ませず」
の見直しに言及している。
だが、いずれの主張も、日米安保条約の中での議論である。彼の核共有論は、それらとは位相を異にしている。
それだけでなく、彼は、その
「アジア版NATO」
に中華人民共和国が加盟することを排除していない。
ここまでくると、彼を戦後形作られてきた
「保守」
の概念に当てはめて理解することが果たして適切なのかという疑問が湧く。
敢えて言えば、私は、彼の主張の根っこの部分に、戦前、戦中の大アジア主義、日本主義に連なる信条があるように感じられてならない。
いずれにしても、彼のこれらの主張が、日本に対する米国の優位を前提として形成されてきた戦後の日米関係の基軸を根本から覆そうとするものであることは明らかだ。
彼が、その主張に拘れば、これまで緊密だった日米関係に亀裂や緊張関係を生むことは避けられない。
殊に、中華人民共和国を排除しない
「アジア版NATO」
構想は、中華人民共和国を抑止対象とする日米安保体制と矛盾するだけでなく、これを弱体化させる恐れすらある。
彼は、国会の場では、日米安保条約の対等化や
「アジア版NATO」
創設は簡単に実現できるものではないと認識していると言っているが、それを踏まえても、彼の主張が米国に疑心暗鬼を生じさせるおそれは十分にある。
■死者にむち打った村上氏の総務相起用
この時期に日米関係に波風が立って喜ぶのは、中華人民共和国、ロシア、北朝鮮だけだ。
そんなことは彼は百も承知しているはずなのに、なぜ、この時期に、そんな従来の保守ですら言わないような急進的主張を国内外に発信するのか。
この主張が、彼のもう一方の主張である日米同盟の強化に反するとは思わないのだろうか。
果たして、彼は真剣に日本の独立と平和を守ろうとしているのだろうか。
深い懸念に捉われる。
もう1つ気になることがある。
彼の政治的判断の背景に、故安倍元首相に対する暗く深い怨念を感じることだ。
例えば、彼が総務相に任命した村上誠一郎氏は、令和4年7月に非命に斃(たお)れた故安倍元首相の国葬に強く反対したばかりでなく、故安倍元首相を国賊とまで呼んだ。
死者を鞭打つ行為と言わざるを得ない。
古来、我が国では死者を鞭打つことは人倫に反するとされている。
その人物を重用することも死者をむち打つものと言うべきだろう。
この人事には彼の故安倍元首相に対する深い怨恨を感じざるを得ない。
怨恨は不吉を呼ぶものだ。
大陸には実際に死者を鞭打った例がある。
中国・春秋時代の名臣の1人、呉の伍子胥(ごししょ)は楚人(そひと)であったが、父と兄を楚の平王に殺害されたため、他国に亡命しついには呉の闔閭に仕えその側近となった。
彼は平王に対する恨みを忘れることはなく、闔閭(こうりょ)に進言して楚の都を攻め落とし、平王に仇を報じようとしたが、既に平王が死去していたため、その墓を暴き、その遺骸を数百回も鞭で打って恨みを晴らした。
ところが、その後、伍子胥は讒言(ざんげん)に遭い、呉王となっていた闔閭の子夫差の命により自害を強いられた上、その遺骸は川に流された。
そして、呉も越に滅ぼされた。
石破首相が、日本にとって不祥の宰相でないことを祈りたい。

<主張>衆院選討論会 重要政策の論議を続けよ
社説
2024/10/13 5:00
https://www.sankei.com/article/20241013-SDOHJLP4KNKB3MKF2FXZ2JKJUY/
15日の衆院選公示を前に、日本記者クラブ主催の党首討論会が開かれた。
先の臨時国会では専ら
「政治とカネ」
の問題が取り上げられた。
今回の討論会では国内外の諸課題についても議論が展開され、有意義だった。
政治への信頼を回復する上で政治資金の問題は重要である。
同時に、実際の国政運営でどのような政策を遂行していくかを示すことは欠かせない。
有権者にとって投票の判断材料になるからだ。
ただし、理解に苦しむ場面もあった。
石破茂首相は解散前の国会論戦に関し
「有権者が判断する材料をきちんと提供しなければ無責任だ」
「私は一生懸命自分の言葉で答えた」
と語った。
予算委員会を見送ったにもかかわらず、首相の認識は世間の感覚からかけ離れている。
首相は立憲民主党の野田佳彦代表にウクライナへのロシア侵略を巡り、なぜ抑止が破綻したのか見解を質した。
これに対し、野田氏は東南アジア諸国連合(ASEAN)関連首脳会議にバイデン米大統領が欠席したことを引き合いに出し、
「国際会議に米国を呼び込む外交努力はもっと大事だ」
と述べた。
抑止の破綻について正面から答えない無責任な態度だった。
立民が訴えている
「給付付き税額控除」
については、他党から過去との矛盾を指摘する声が上がった。
旧民主党の野田政権時に当時の安住淳財務相が、税額控除の申請が膨大な数に上ることが想定されるため
「難しい」
と語っていたためだ。
野田氏は整合性のある答えを示せなかった。
野党連携に関し
「対話を続ける」
と述べたが、衆院選後に想定する連立の枠組みを明らかにしなかったことはおかしい。
首相には安全保障政策で不明瞭な発言があった。
アジア版NATO(北大西洋条約機構)の構成国に中国を含むのかを問われ、
「一切の可能性を排除しない」
と述べた。
中国が構成国になり得る国に変化する場合には、アジア版NATOはそもそも要らないではないか。
憲法改正については国民民主党の玉木雄一郎代表が緊急事態条項の創設に関連し、大規模災害時などの国会機能維持について早期の改正を促したが、それ以上深まらず残念だった。

消費税論戦 石破首相「社会保障の安定財源」 野田氏「困っている人に給付付き税額控除」
2024/10/12 22:37
https://www.sankei.com/article/20241012-KETLLHLHVNKK7D4IW5GDZHMNCM/?outputType=theme_election2024
党首討論会では経済政策を巡って活発な議論があった。
各党が物価高に直面する家計を支援するための多彩な政策を訴えたが、とりわけ家計に直結する消費税の考え方については、熱を帯びた。
「これから先の社会保障には、安定した財源が必要だ」
石破茂首相(自民党総裁)はそう述べ、消費税の税収は景気変動の影響を受けにくいと指摘。
その上で
「消費税の引き下げは現在のところ考えていない」
と明言した。
立憲民主党は、税額控除や給付を組み合わせ実質的に消費税の一部を還付する
「給付付き税額控除」
を、中低所得層を対象として導入する公約を掲げる。
野田佳彦代表は、消費する人ほど減税額も大きくなる軽減税率よりも
「本当に困っている人に的を絞った対策としては給付付き税額控除の方が正しい」
と説明した。
日本維新の会や国民民主党が減税を景気対策の柱として打ち出す。
国民は実質賃金が持続的にプラスになるまで消費税率を5%とする政策などを掲げる。
玉木雄一郎代表は
「減税と社会保険負担の軽減で若者の手取りを増やす」
と意気込んだ。
エネルギー政策では原発を軸に議論が展開された。
立民は公約で、党綱領にある
「原発ゼロ」
に触れず
「原発に依存しない社会の実現」
との表現にとどめた。
この点で野田氏は
「ゼロと書くと、すぐに出来るように思われる方もいるかもしれない」
と理由を語った。
人工知能(AI)の普及に伴って電力需要の増大が見込まれる中、脱炭素とエネルギーの安定供給を両立するために、原発の活用が現実的な路線になりつつある。
自民は公約に
「原発の最大限活用」
と記した。
一方、共産党やれいわ新選組は原発ゼロや即時廃止を訴える。
れいわの山本太郎代表は
「南海トラフや首都圏直下の大型地震がやってきたら原発が耐えられるわけはない」
と語った。

首相と立民代表、政権担当能力競う 7党首討論会 核抑止や「石破印」政策でも論戦
2024/10/12 22:25
https://www.sankei.com/article/20241012-XNANVI35FVLBVPVOWGUDB6I4SU/?outputType=theme_election2024
衆院選(15日公示、27日投開票)を前に与野党7党首が出席して行われた12日の日本記者クラブ主催の討論会は、石破茂首相(自民党総裁)と立憲民主党の野田佳彦代表の2人を軸に、誰が政権を担うに相応しいかを競う場になった。
総花的な議論の中、特に国家の根幹である
「外交・経済」、
「石破印」
の政策の是非、
「政治とカネ」
の3点が問われた。
首相と野田氏は党首同士の質疑応答で、2回ずつ機会があった質問を全て互いにぶつけた。
政権担当能力を意識したのか、野田氏の質問テーマは外交と経済。
核廃絶に向け、核兵器禁止条約締約国会議に
「(日本が)オブザーバー参加すべきだ」
と主張した。
首相は
「(核の)抑止力をどうやって核廃絶に繋いでいくか、これからよく議論したい」
と是非の明言は避けた。
一方、首相は、ロシアのウクライナ侵略は核抑止力が働かなかったことが一因だという現実を指摘し、見解を問うた。
野田氏は、自身が首相時代の平成24年の東南アジア諸国連合(ASEAN)関連首脳会議にオバマ米大統領(当時)を呼んだと実績を誇り、
「国際会議に米国を呼び込む外交努力はもっと大事だ」
と応酬した。
■「石破印」政策問う
日本維新の会の馬場伸幸代表は、首相が先の総裁選で掲げた
「日米地位協定の見直し」
を取り上げた。
米軍普天間飛行場(沖縄県)移設を
「最低でも県外」
と無責任に発言し撤回した鳩山由紀夫首相(当時)を引き合いに、地位協定見直しの覚悟と実現性を追及した。
首相は
「どんなに大変かよくわかっているが諦めてはならず、これから党内で議論する」
「必ず実現したい」
と議論を始める意義を強調した。
馬場氏は、首相が
「総裁が言ったからそうなるものではない」
と言及したことに
「非常に残念なキーワード」
と述べた。
国民民主党の玉木雄一郎代表は、地方創生の交付金を当初予算ベースで倍増する首相の方針に関し、まず制度を改革しなければ
「意味がない」
と指摘。
首相の答えは
「徹底して検証し、効果的な地方創生に使う」
と具体性に欠けた。
■維新、公明の不記載議員推薦を批判
「裏金隠し解散だ」
「政権交代こそが最大の政治改革である」。
野田氏は冒頭、こうジャブを放った。
玉木氏も首相に、自民が公約で
「将来的な廃止も念頭」
と記した政策活動費を衆院選で使うのか質した。
首相は将来的な廃止を考えるとしつつ
「現行法制の下では合法だ」
と応じた。
野党側は派閥パーティー収入不記載事件に関係し、自民で非公認になった前議員2人が、公明党の推薦を受けたことも批判した。
公明の石井啓一代表は
「地元の(公明)党員、支持者の理解」
などの基準で判断したと釈明し、質問した馬場氏は
「国民には理解が及ばない」
と皮肉った。

「勝者なき衆院選」を予見 記者がみた7党首討論会 野党間連携の脆さも露呈 政治部・内藤慎二
2024/10/12 22:19
https://www.sankei.com/article/20241012-JVL6TOPJWRI7FIUYOZBQNQWRDM/?outputType=theme_election2024
衆院選を前に与野党7党首が臨んだ日本記者クラブ主催の討論会で、野党側は
「核共有」

「政治とカネ」
の問題などで石破茂首相(自民党総裁)に攻勢をかけた。
戦いの主導権を握り、与党を過半数割れに追い込む狙いだ。
もっとも、野党間の連携の脆さが露呈する場面もあり、いずれの政党も等しく達成感を得られない
「勝者なき衆院選」
を予見させた。
「核保有、核共有、核持ち込みを許容するような発言をしている日本のトップでいいのか」
立憲民主党の野田佳彦代表は討論会で、石破首相をこう追及した。
首相が9月の自民総裁選で、米国の核兵器を日本で運用する
「核共有」
の議論が必要と主張したことなどが背景にある。
前日に決定した日本原水爆被害者団体協議会(被団協)へのノーベル平和賞授与に湧く世論を意識したことは明らかだ。
これに対し首相は
「現実として核の抑止力は機能している」
「どう核廃絶へ繋いでいくかはこれから議論していきたい」
と述べた。
理想を重視しつつ、政権与党として厳しい現実から目を背けない覚悟を感じた。
とはいえ、首相の口から自民が重視してきた憲法改正や安定した皇位継承などへの思いが語られなかったことは残念だった。
■選挙協力実らず
討論会では野党間の溝の深さも浮き彫りとなった。
れいわ新選組の山本太郎代表は野田氏に
「消費税減税は時間がかかるとお考えか」
と質問し、野党第一党が消費税減税に後ろ向きだとアピールした。
同じ左派政党として消費税減税を期待する立民支持者を奪う狙いも透けてみえた。
今回の衆院選で野党間の選挙協力が十分に実らなかったことについて、政権交代を目指す野田氏が
「対話のチャンスがある限りは(交渉を)続けていきたい」
と答える場面もあった。
もっとも、
「中道保守」
を志向する野田氏の言葉から本気度は感じられなかった。
共産党の田村智子委員長は安保関連法廃止の大方針を共有できない限り、包括的な野党共闘には応じない構えを示した。
ただ、立民との関係が修復不能となれば孤立化は避けられない。
立民内では共産との選挙協力を期待する声が根強く、野田氏との間で公示まで妥協点を探る心理戦は続く。
■早くも「局地戦」
討論会では
「局地戦」
も目についた。
日本維新の会の馬場伸幸代表は、公明党が
「政治とカネ」
の問題で自民から非公認とされた一部議員を推薦した対応を疑問視。
公明の石井啓一代表は高齢者医療費の窓口負担に関する維新の訴えを酷評した。
両党は大阪を主戦場に衆院選で激突する。
熱戦の火ぶたは早くも切られたようだ。
自民幹部は今回の衆院選について
「我が党の勢力後退は避けられないが、批判票は立民や維新、共産などに分かれるので政権は維持できる」
と分析していた。
野党の分断を感じた討論会からは、確かに
「勝者なき衆院選」
の未来が垣間見えた。

自民試練の衆院選、期待ほど支持率追い風吹かず 総裁選が誤算「進次郎が勝っていれば」
2024/10/12 22:19
https://www.sankei.com/article/20241012-MHGD5CFFLJJXVBGY53ZERI7QQY/?outputType=theme_election2024
自民党が試練の衆院選に臨む。
派閥のパーティー収入不記載事件の逆風が収まらない中、石破茂内閣の支持率は期待した以上に上がらず、新政権発足の
「ご祝儀相場」
の気配はない。
負の連鎖の起点はどこにあったのか。
党内では過去最多の9人が挑んだ9月の総裁選を挙げる声がある。
石破首相は12日、日本記者クラブ主催の討論会で衆院選について
「状況が極めて厳しいことは肌身に沁みてよく分かっている」
「1つでも上積みできるよう誠心誠意全力で尽くす」
と述べた。
念頭には国民の厳しい評価がある。
産経新聞社とFNN(フジニュースネットワーク)が5、6両日に実施した合同世論調査で、石破内閣の支持率は53・3%。
令和3年10月の岸田文雄内閣発足時と比べて9・9ポイント低かった。
また、自民の政党支持率は34・3%で、9月の30・6%から微増にとどまった。
首相に近い人物の起用が目立つ人事や不記載事件などが影響したとみられる。
不記載事件を受け、比例代表との重複立候補を認められなかった自民中堅は
「やるしかない」
「泣いてわめいて助かるならばそうするが…」
と肩を落とした。
自民は9月の総裁選や新内閣発足で支持率を上げた上で、速やかに衆院選に臨む構えだった。
「総裁選は注目を集める」
「支持率が10ポイントは上がる」(関係者)
との相場観もあった。
実際、前回総裁選が行われた令和3年9月の合同世論調査で自民の政党支持率は43・5%と前月の33・5%から跳ね上がった。
ところが今回、総裁選や新内閣発足の効力は限定的だった。
自民重鎮は
「総裁選の候補者が多過ぎた」
「議論が拡散し、熱気は感じられなかった」
と指摘した上で、こう呟いた。
「早期解散に慎重だった首相の方針転換も批判された」
「党内には(総裁選で早期解散を打ち出していた)小泉進次郎選対委員長が負けたことで計算が狂ったとの声もある」

「政治とカネ」や経済で7党首が論戦 石破茂首相は日米地位協定改定「必ず実現」
2024/10/12 21:47
https://www.sankei.com/article/20241012-AUNXHHZ66JMCZCPKRCDLE3KLLY/?outputType=theme_election2024
15日公示、27日投開票の衆院選に向け、与野党7党の党首は12日、東京都内で開かれた日本記者クラブ主催の討論会で論戦を交わした。
選挙では自民党派閥パーティー収入不記載事件を受けた
「政治とカネ」
の問題や経済政策、憲法改正などが焦点となる。
石破茂首相(自民総裁)は持論の日米地位協定改定について、
「必ず実現する」
と強調。
立憲民主党の野田佳彦代表は、政権交代こそ最大の政治改革だと訴えた。
首相が今月1日に就任してから8日後の解散、26日後の投開票で、いずれも戦後最短となる。
首相は衆院選の意義について
「日本の在り方を根底から変えていく意味で日本創生だ」
と述べた。
勝敗ラインは自民、公明両党での過半数獲得と説明した。
これに対し、野田氏は
「裏金問題についてけじめもつけられず、実態も解明できない」
「裏金隠し解散だ」
と批判した。
自公過半数割れと、比較第一党の議席確保を目標に掲げた。
「政治とカネ」
の問題を巡り、国民民主党の玉木雄一郎代表は自民が廃止を念頭に置く政策活動費について
「衆院選で使うのか」
と質すと、首相は
「現行法制の下では合法だが、将来的には廃止しなければならない」
「抑制的に使う」
と反論した。
公明党の石井啓一代表は不記載を理由に自民が公認しなかった候補者の推薦に関し、
「あくまでも地元の党員、支持者の納得感を最大限、重要視しており、そこを判断基準に決定している」
などと説明した。
安全保障政策では、米国の核兵器を日本で運用する
「核共有」
について、首相は
「抑止力をどう核廃絶に結び付けるか、よく議論したい」
と述べた。
野田氏は安全保障関連法に関し
「違憲部分は廃止する」
「そのための必要な措置を取る」
と語り、政権獲得後、防衛省や米国と
「違憲部分」
を検証するとした。
一部野党が主張する消費税減税について、首相は
「社会保障の財源だ」
「引き下げは考えていない」
と否定。
野田氏は実質的に消費税の一部を還付する
「給付付き税額控除」
で対応していくと主張した。
討論会には日本維新の会の馬場伸幸代表と共産党の田村智子委員長、れいわ新選組の山本太郎代表も出席した。

衆院選へ与野党7党首の主張 日本記者クラブ主催討論会
2024/10/12 21:18
https://www.sankei.com/article/20241012-PRBWQJHQ7JIDDPXIM5NZN74VR4/?outputType=theme_election2024
12日の日本記者クラブ主催討論会での与野党7党の主張は次の通り。

■自民党・石破茂総裁
「日本創生」
をやりたいということで、この総選挙を戦いたい。
今、日本は安全保障環境が最も厳しい状況にある。
人口が物凄く減っていく。
国民は30年ぶりの物価上昇に苦しんでいる。
デフレからの脱却も、もうあと一歩を推し進めなければいけない。
また、地方の疲弊、都市の過密、そういったことがある。
日本は世界有数の災害大国だが、これに対する体制は十分だと全く思っていない。
そういう多くの課題がある。
日本の在り方を根本から変えていかなければいけない。
そうした時代に入っている。
日本の在り方を根底から変えていくという意味で日本創生だと思っている。

■立憲民主党・野田佳彦代表
(衆院選で訴えたいことは)政権交代だ。
10月1日から始まった臨時国会は、本来なら(地震や豪雨被害を受けた石川県の)能登の復旧・復興のための補正予算を審議して1日も早く成立させる(べきだった)。
1月から開催された通常国会では(自民党派閥パーティー収入不記載の)裏金の問題について実態も解明できず、これからどうするかも甘い法律で終わってしまった。
(臨時国会は)その問題をもう1回議論して政治に対する信頼を取り戻す場だったが、残念ながらすぐに解散になった。
「裏金隠し解散」
だと思う。
自民党のトップが代わり、首相が代わっても政治は変わらないので、政権交代こそが最大の政治改革であると思っている。

■公明党・石井啓一代表
(衆院選で訴えたいことは)徹底した政治改革だ。
今回の政治とカネの問題について、公明党はいち早く政治改革ビジョンを公表し、政治資金規正法の改正をリードした。
私たちが主張し、改正法に盛り込まれた政治資金をチェックする第三者機関についても4日に中間取りまとめで報告した。
(令和8年1月の改正法の)施行に合わせて設置したい。
政策活動費は廃止を目指す。
旧文通費(調査研究広報滞在費)改革も進めたい。
衆院選は政権選択の選挙だ。
山積する内外の課題にしっかりと答えを出せるのは、自公の連立政権しかない。
その中に国民目線の公明党がいることによって、国民の期待に応えることができると思っている。

■日本維新の会・馬場伸幸代表
(衆院選で訴えたいことは)古い政治を打ち破れ。
私が生まれた昭和40年、当時の日本は光り輝いていた。
今日より明日、明日より来月、来月より来年がどんどんと良くなっていくだろう。
そういう夢や希望に満ち溢れた日本だった。
しかし、今は基礎がガタガタになってしまっている。
もう1度、輝く日本に再生し直すためには政治が変わらなければならない。
今、自民党がやっている古い政治、これを打ち破って、新しい政治を始めていく。
そのことによって、国民が夢や希望を持って、ワクワク、ドキドキするような社会を作っていかなければならない。
日本維新の会はそれを目標に頑張っていきたい。

■共産党・田村智子委員長
(自民党派閥パーティーの収入不記載の)裏金を暴き、自民党の組織的犯罪だと徹底追及してきた。
「企業・団体献金全面禁止」
を30年間訴え続け、今、政治改革の焦点へと押し上げている。
共産党には政治を変える力があると大いに訴えていく。
政治の責任で、賃上げと労働時間の短縮、消費税廃止に向けて直ちに5%へ。
軍事費2倍ではなく、社会保障と教育の予算を増やす。
暮らし応援こそ経済を元気にする道だ。
憲法9条を生かした平和外交を進め、軍事同盟強化に断固として立ち向かう。
気候危機打開、ジェンダー平等を前へ。
こうした政治を変える共産党の躍進だと大いに訴える。

■国民民主党・玉木雄一郎代表
訴えたいことは
「若者を潰すな」
ということだ。
具体的には手取りを増やすこと。
今の過度に現役世代に偏った負担の在り方では、現役世代が潰れてしまう。
賃金が上がってきたが、税金と保険料が高いので若い人たちの手取りが増えていない。
生活が楽になっていない。
30年放置されてきた
「103万の壁」
を引き上げて178万円までは税金がかからずに働けるようにする。
最低賃金がいくら上がっても、この壁を上げないと手取りは増えない。
ガソリン税の上乗せの暫定税率を廃止し、物流コストを引き下げ、物価上昇を抑えていく。
高齢者医療制度を見直し、現役世代の社会保険料負担を引き下げる。
期待してほしい。

れいわ新選組・山本太郎代表
「失われた30年」
を取り戻す。
先進国で30年間不景気が続く国は日本だけだ。
コロナと物価高が合わさり、国民が三重苦だ。
国民の6人に1人、ひとり暮らしの女性の4人に1人が貧困だ。
倒産件数も過去最高に上る勢いで、8割が不況型倒産だ。
このままでは
「失われた40年」
になる。
大胆な経済政策が必要だ。
消費税の廃止、社会保険料の減免、悪い物価高が収まるまでの現金給付だ。
国内で作られた製品を政府が大胆に買い上げる
「令和のバイ・ジャパニーズ計画」
を行う。
ものづくり大国・日本を復活させる。

野田氏「原発ゼロ反対せず」、田村氏「オープンに党運営」 7党首討論会質疑要旨
2024/10/12 21:10
https://www.sankei.com/article/20241012-KONDKY7QMBKRRFDQ2AI272II4M/?outputType=theme_election2024
12日の日本記者クラブ主催討論会で企画委員と各党首による質疑の要旨は次の通り。
ーーなぜ立憲民主党の支持率は上がらないのか。自己分析なしに自民党を批判してもはじまらない
立憲民主党・野田佳彦代表
過去の政権運営の反省はもちろんある。
反省も含めて(先の党代表選に)チャレンジしようと思った。
反省とは、『政治主導』が空回りしたこととか、マニフェスト(政権公約)を羅列して、できないことも出てきたと説明しきれなかったこととか、(党内で)熟議を交わしたつもりでも納得しない人がいたこと。
深い反省のもとに、二度と同じこと、過ちはしないという思いで、今回は政権を取りに行く。
しっかりとご理解をいただけるように頑張っていきたい。
ーー委員長公選制導入を主張する人を除名にするなど、共産党は閉鎖的な政党ではないか。明るい開かれた党にする気はないか
共産党・田村智子委員長
党大会を見ればどれだけオープンだったかはよく分かっていただけたのではないか。
議案を2カ月も前に発表して、党内で議論を尽くして、党大会の3日に渡る議論をオープンにした。
非常にオープンな運営をやっている。
ご指摘頂いたような問題は、『党のルールが守れない、守る意思がないという党員は、党員でいることができない』という、ある意味当たり前の運営ではないか。
ーー今のまま小さい政党で構わないと考えるか。大同団結を考えるか。(後者の場合は)どこがパートナーに成り得るか
国民民主党・玉木雄一郎代表
国民生活がよくなるための政策を1つでも2つでも実現できれば本望だ。
どう実現するか。
まずは我々の勢力を大きくしないと、弾き飛ばされて終わりだ。
まずは党を大きくしていきたい。
ただ、この選挙の後、どういう枠組みになるかは分からない。
そこはもう政策本位で、一致するところは応援するし、ダメなものはダメと言っていきたい。
ーー政策活動費を衆院選で使うことに倫理的なうしろめたさはないのか
石破茂首相(自民党総裁)
それはある。
だからこそ『抑制的に』と申し上げている。
合法だから何をしたっていい、ということは申し上げない。
党勢の拡張、党の主張の徹底周知、そういうものに使われるべきだと思っている。
だから、何に使うかというのは私自身がよく見ていきたい。
将来的に廃止の方向というのは、我が党の中できちんと議論する。
各党できちんとした認識の一致を早めに得たい。
ーー野党候補が乱立して、政権交代を実現できるのか。野党第一党としてどう考えているか
野田氏
誠意ある対話を各党とやってきているつもりだ。
限られた時間だが、最後まで粘り強く対話のチャンスがある限りはやり続けていきたい。
ーー共産は今回、小選挙区に大量に候補者を立てる。どうして協力できなかったのか
田村氏
(安全保障政策を巡る立民との立場の違いによって)市民と野党の共闘の基盤が損なわれている下では、これまでと同じ対応はできない。
私たちの変わらぬ立場になる。
新たな共闘の発展のために頑張っていきたい。
ーー自公過半数割れになった場合に、自公政権に加わる、あるいは閣外協力するなど、何らかの形で連携していくつもりはあるか
日本維新の会・馬場伸幸代表
我が党は、各政党と是々非々で(協力を)やるということを看板として掲げてきた。
その物差しは国家国民のためになるかどうかだ。
基本的には選挙後もそういう態度は変わらない。
ただ、やはり政治は『数が力』だ。
選挙が終わって、それぞれの政党の議席数がどうなったかが、今後の判断に大きく影響をしてくることは間違いない。
ーー原子力発電について尋ねる。「原発ゼロ」という党の綱領に反対なのではないか
野田氏
『ゼロ』を目指すということ自体に反対ではない。
ただ、今、ゼロという言葉を例えば政権公約などで書くと、すぐできるように思う方もいるかもしれない。
原子力エネルギーに依存しない社会を作っていって、原発に依存しない社会を実現していくという表現を、現実的に訴えたほうが通るのではないかという判断だ。
ーー衆院選の獲得目標は
れいわ新選組・山本太郎代表
(解散時は)衆院3議席だったが、これを倍増以上にしたい。
全国の私と同じ有象無象が『社会が変わればいいな』ということで力を貸してくれる、その結果がどれぐらいあるかということだと思う。
玉木氏
前回選で11議席だった。
11議席は確実に確保して、それから一議席でも増やしたい。
衆院で21議席あると単独で法案提出することができるようになるので、できるだけ近づけるように積み上げていきたい。
田村氏
小選挙区では沖縄1区、比例は現有9議席を必ず守り抜く。
公明党・石井啓一代表
全国11小選挙区で戦うので、完全勝利を目指す。比例区については現有の23議席以上を目指している。
馬場氏
162人を擁立する。
全員の当選を目指す。
関西以外の小選挙区での議席獲得を目指していく。
野田氏
公認した人たちの全員当選。
これは当然だ。
最低限目標にしなければいけないのは、自公の過半数割れ、そして比較第一党になるということだ。
具体的な数は申し上げられないが、そういう結果が出せるように全力を尽くしていきたい。
石破氏
公認候補の全員当選を目指して頑張っていくが、状況が極めて厳しいということは肌身に染みてよく分かっている。
野田氏の言ったことと逆になるが、我々は自民、公明で何としても過半数を取りたいと思っている。
そこから1つでも上積みできるよう、誠心誠意、全力で尽くしていく。

選択的夫婦別姓導入の法案 採決で石破首相「党議拘束外しはあまり賛成ではない」
2024/10/12 16:36
https://www.sankei.com/article/20241012-JVQSESZ2SFM4PP3LNFTNWU4R3Y/?outputType=theme_election2024
衆院選公示を前にした日本記者クラブ主催による与野党7党首の公開討論会が12日、東京都内で開催された。
石破茂首相(自民党総裁)は、選択的夫婦別姓の導入に関する法案を採決する際
「党議拘束を外すことにあまり賛成ではない」
と述べた。

<主張>石破首相の初外遊 国際秩序の担い手となれ
社説
2024/10/12 5:00
https://www.sankei.com/article/20241012-YV3266KOENKKBGBAY5YZN6CNSM/
安全運転の外交デビューではいささか物足りない。
石破茂首相は自由で開かれたインド太平洋、国際秩序の担い手として首脳外交を積極的に展開していく必要がある。
石破首相が就任後初めて外遊した。
ラオスで東南アジア諸国連合(ASEAN)関連の首脳会議に出席し、日中、日韓などの首脳会談を行った。
衆院解散後でもラオスへ足を運んだのは妥当だ。
バイデン米大統領の姿はなく、日本の首相も不参加なら李強首相が出席する中国の存在感が高まってしまう。
石破首相の外遊はそれを防ぎ、日本がASEANと連携する意思を示す意義があった。
ASEANと日中韓3カ国の首脳会議で石破首相は、中国を念頭に
「力や威圧による一方的な現状変更の試みを許容してはいけない」
と牽制した。
日中首脳会談では
「戦略的互恵関係の包括的推進」
で一致した。
李首相に対し、中国軍の動向への深刻な懸念を伝えた。
日本人男児刺殺事件や中国軍機の領空侵犯について説明を強く求めた。
中国が拘束する邦人の早期釈放や日本の排他的経済水域(EEZ)内の中国ブイの即時撤去、日本産水産物輸入の早期再開も促した。
台湾海峡の平和と安定の重要性を指摘した。
日韓首脳会談ではシャトル外交の継続や安保協力の推進などで一致した。
石破首相はラオスで、持論のアジア版NATO(北大西洋条約機構)構想を封印した。
岸田文雄前首相の外交路線を踏襲した形で、日本の抱く懸念を李首相に直接伝えたこともあり、初外遊は無難に遂行したと見做されているようだ。
だが中国と戦略的互恵関係など築ける時代なのだろうか。
また、石破首相は自民党総裁選でアジア版NATOを不用意に掲げたため、ASEAN諸国から不安視される中でのスタートだった点を忘れてはならない。
マイナスからの出発で安全運転に徹しても存在感は示せない。
フィリピンのマルコス大統領はASEANと中国の首脳会議で南シナ海問題を巡り中国を直接批判した。
石破首相も日中の個別会談だけでなくASEAN首脳の前でも名指しで中国の問題行動を難じるべきだった。
ベトナム首相と会談したが、日越比の首脳会談を開く選択肢もあったのではないか。

<産経抄>「義理と人情とやせ我慢」を忘れた石破首相
2024/10/12 5:00
https://www.sankei.com/article/20241012-ICTF4A7TDRPOVC7HLKJGJIM2K4/
自民党の初代副総裁を務めた党人派の代表的な政治家、大野伴睦氏のモットーは、
「義理と人情とやせ我慢」
だった。
麻生太郎元首相もこの言葉をよく使う他、これまで多くの政治家が引用してきた。
永田町で尊重される美風、文化のようなものだったのだろう。
▼元は江戸の町火消しの心意気を表現したものだともいい、昔ながらの日本社会の伝統かもしれない。
ところが近年は、政治家の在り方も様変わりした。
石破茂首相は衆院選に当たり、派閥パーティー収入の不記載があった候補者ら12人を非公認にし、34人に比例代表への重複立候補を認めない二重処分を決めた。
▼政治とカネの問題に対する国民の予想以上の反感に怯え、我慢が利かなかったようである。
当初は
「魔女狩りのようなことはしたくない」
と漏らしていた首相は、6日には周囲に語った。
「党内融和を取って、党全体が沈むなんてことがあってはならない」。
▼とはいえ、世間の目が厳しいからといって、4月には正規の党内手続きに則って役職停止などの処分を受けた候補者らを、更に見せしめのために厳罰に処するやり方はどうなのか。
義理も人情もあったものではない。
▼それでも国民が首相が掲げる
「納得と共感」
を示さなかったら、3度目の罰を与えるつもりか。
首相の盟友である村上誠一郎総務相は、安倍晋三元首相に対し、暗殺後に
「国賊」
と呼んだことについて処分を受けたことを理由に
「もう終わりで」
と述べたが、処分を受けた不記載候補者との扱いの差は何なのか。
▼大野氏はこんなセリフも残している。
「サルは木から落ちてもサルだが、代議士は選挙に落ちればただの人」。
首相の恣意的処分に翻弄される候補者に同情する。

総裁選に真の勝者はいたのか 
政界十六夜 石井聡
2024/10/11 10:00
https://www.sankei.com/article/20241011-IL7H2SZEHJIS5BA3QHF6RRIPIE/?outputType=theme_election2024
9月の自民党総裁選の最中、サリバン米大統領補佐官(国家安全保障担当)が
「日本の新首相が誰になろうと」
と口にする場面があった。
日本政治への無関心を装ったというわけではなく、引き続き日米同盟に注力する重要性を指摘したのだ。
サリバン氏はその理由として
「この同盟は、日米どちらの指導者より大きなものだからだ」
とも語った。
大統領選候補のトランプ、ハリス両氏が聞いたらどう思うか知りたいところだ。
ともあれ、日米同盟を揺るがしかねないとの懸念も持たれた石破茂首相の持論
「アジア版NATO(北大西洋条約機構)」
創設構想は、一旦封印された。
早期の衆院解散日程も含め、首相が総裁選で言っていたことを次々と翻して
「噓つき」
「掌返し」
と批判を浴びているのは自業自得だ。
とはいえ、現実離れした政策に固執して混乱を拡大されるよりはましである。
これまで言及してこなかった
「ロシア経済分野協力担当相」
のポスト廃止など、良い判断もある。
ひとまず投開票までの言動で、より多くの国民の
「納得と共感」
を得ていくしかあるまい。
付け加えれば、解散時期については石破首相でなくても遠くはなかった可能性は高い。
既に衆議院は解散され、総選挙の号砲は鳴った。
野党は首相の食言を批判するにしても、そればかりで戦いになるのだろうか。
選挙期間中の政策論争でこそ、優位に立つ努力を惜しんではなるまい。
実際、総裁選での候補者間の討論などは、政策論争の効果を挙げたばかりである。
劇的な総裁選結果を経て勝ち組、負け組などの分類や党実力者たちの収支決算も語られたが、やや違和感を覚える。
中でもキングメーカーと呼ばれる人々の評価についてだ。
決選投票で石破首相を推した菅義偉元首相は、副総裁に就いて非主流派から復権したとも言われるが、そもそも
「本命」
視していた小泉進次郎選挙対策委員長は決選投票にも残れず敗退した。
岸田文雄前首相も旧宏池会を通じた石破支援で勝利を確実にしたと位置付けられる。
しかし総裁再選を見送らざるを得なかったこと自体、最大の敗者なのである。
麻生太郎党最高顧問は支援した河野太郎前デジタル相が惨敗し、終盤では高市早苗前経済安全保障担当相を推したものの、こちらも失敗に終わった。
既に政界引退を表明した二階俊博元幹事長の名前を、総裁選の最中に聞くことはなかった。
9人もの候補が立った総裁選の明確なシナリオを、実力者たちは描けなかった。
派閥単位で組み立てられてきた総裁選ではなかったことが大きい。
だとすれば
「最後の仕上げはやはり実力者たちが手掛けた」
といったまとめ方は、実態とも異なるし
「変わらない自民党」
を印象付ける効果の方が大きいのではないか。
世代交代や党刷新を果たせなかった中堅候補やそれを推した議員らは、そう失望する必要はない。
気になるのは負け組から早々と倒閣論めいた声が漏れることだ。
内に秘める思いならまだしも、外に聞こえてくるような漏れ方は賢くないし、事が成就するかも疑わしい。
勝負事が敗者に恨みを残すのはやむを得ないにせよ、あまりレベルの低い抗争は国益を損なう。
それこそ冒頭の
「新首相に誰がなろうと」
が日本政治そのものに向けられることになりかねない。(特別記者)

<主張>政治とカネ 再発防止策も丁寧に語れ
社説
2024/10/11 5:00
https://www.sankei.com/article/20241011-DR2B2U63YFPI3ED6H4HTFQGRQA/
事実上始まった衆院選では
「政治とカネ」
を巡る問題が争点となっている。
自民党はパーティー収入不記載事件に関連し前議員らを非公認にしたり、比例代表への重複立候補を認めなかったりする方針だ。
野党は
「不十分だ」
と批判している。
野党との対決を前に、石破茂首相による党内の非主流派潰しの様相を呈しているとの指摘も出ている。
有権者の投票判断の材料にすべき課題は他にもある。
政治資金の透明性確保と事件の再発防止の具体策だ。
立憲民主党、日本維新の会、公明党、国民民主党などは、政党から国会議員に支出される使途の報告義務がない
「政策活動費」
の廃止を訴えている。
自民は公約に
「将来的な廃止も念頭に」
改革に取り組むと記した。
首相は今回の衆院選では
「使うことはある」
と語った。
立民が先の通常国会でパーティー禁止法案を提出しながら、同党幹部らが開催していたことを想起させるものだ。
党務を預かっていた茂木敏充前幹事長は自民総裁選で、廃止は可能と語っていた。
今の自民の姿勢は有権者から見て分かりにくい。
国会議員に支給される調査研究広報滞在費(旧文書通信交通滞在費)の使途公開は、衆院選後の国会で直ちに関連法を改正して実現すべきだ。
政治資金を監視する第三者機関の制度設計も急がれる。
立民、維新、共産党などが唱えている企業・団体献金の禁止には賛成できない。
企業や労働組合なども民主主義社会の構成員である以上、政治活動の自由は認められるべきだ。
一般国民からの個人献金が定着していない日本で企業・団体献金を禁止すれば、世襲ではない人や、業界団体、宗教団体などの背景を持たない人にとって選挙活動は極めて不利になる弊害も出てくる。
企業・団体の幹部が分散して、個人として献金する抜け穴を塞ぐことも難しい。
却って日本の議会制民主主義を後退させかねない。
一方、外国人・外国法人のパーティー券購入禁止の議論が低調なのは残念だ。
国政が外国勢力からの影響を受けるのを防ぐために禁止は欠かせない。
不記載事件の動機は今も分かっていない。
自民は明らかにする責任がある。

石破首相、中国の海洋進出を牽制 ASEAN会議、李強首相出席
2024/10/10 21:01
https://www.sankei.com/article/20241010-EDOMVOFW2BI3TDUDE3726KPO7U/
石破茂首相は10日(日本時間同)、ラオスで開かれた東南アジア諸国連合(ASEAN)と日中韓3カ国の首脳会議に出席した。
中国の李強首相、韓国の尹錫悦大統領も参加。
石破首相は地域の安全保障環境が厳しさを増しているとして
「力や威圧による一方的な現状変更の試みを許容してはいけない」
と述べ、中国による東・南シナ海での海洋進出を牽制した。
これに先立つ10日未明、政府専用機でラオスに到着。
就任後初の外国訪問をスタートさせた。
会議で石破首相は、法の支配に基づく国際秩序の維持、強化が不可欠だと強調。
北朝鮮の完全非核化に向け、国際社会全体の力強い対応が重要だと訴えた。
拉致問題解決への協力も要請した。
地域の安定と繁栄のため、ASEANと日中韓の協力発展に意欲を表明。
日本として防災や食料安保、感染症対策で貢献する考えを示した。(共同)

「党内融和を取って党全体が沈んではいけない…」 石破首相、非公認決断の舞台裏
2024/10/10 19:23
https://www.sankei.com/article/20241010-G6EEIXDMJZMZJEFYG47JCFEL7E/
石破茂首相(自民党総裁)は衆院選への対応で、派閥パーティー収入の不記載があった候補者ら12人を非公認とし、34人に比例代表への重複立候補を認めない方針を決めた。
国民世論の不信払拭と党内融和の狭間で難しい判断を迫られたが、最後は党の信頼回復へ重い決断を下した。
■侃々諤々の議論で判断
「本当に長い時間、侃々諤々の議論を重ねながら判断を行った」。
衆院解散を受けた9日の記者会見で、首相は公認問題についてこう語った。
この日午前の党選対本部会合で、非公認などの最終的な方針を決めていた。
会合では旧安倍派の中堅が首相に
「反対だ」
と食ってかかったが、首相は
「静かに聞いていた」(同席者)
という。
不記載議員の処遇は、政権にとって内政上、最初の難所だった。
世論は厳しいが、既に党内処分が下されており、非公認などの新たな措置を決めれば
「二重処分だ」
との批判も免れない。
「国民の反感は想像以上に強いぞ…」。
総裁就任や人事など慌ただしい動きが続く9月末、ようやく一息ついた夜、周辺にはそう漏らしていた。
執行部では小泉進次郎選挙対策委員長が厳しい対応の必要性を唱えていた。
森山裕幹事長は不記載議員の振る舞いに怒りこそ抱いていたが、党内融和を重視していた。
首相自身、当初は最終的な結論ほど厳しい対応を思い描いていたわけではない。
政権が発足した1日には、周辺に
「比例復活をなくすなんて公認のやり方はないだろう」
と語っていた。
党内でも執行部は穏便な対応で済ませるとの観測が広がっていた。
3日には不記載候補を
「原則公認」
と報じられたが、線引きを巡る首相の懊悩は続いた。
周辺には
「不記載額の多寡で決めるのもな。どう説明をつけるか…」
とこぼした。
■被災地視察後に事態一転
一転したのは5日だ。
首相は能登半島の被災地視察を終えた後、その足で党本部に向かい、森山氏や小泉氏らと約1時間半の協議に臨んだ。
小泉氏は厳しい判断を主張し、森山氏は穏便な対応を進言。
党が1日以降に実施した衆院選情勢調査の
「厳しい結果」
も俎上に載せられた。
翌6日も再度集まって協議し、最後は首相が不記載候補への厳しい対応を決めた。
報道陣のカメラの前で、自ら決定内容を明らかにした。
旧安倍派の対象者からは
「やりすぎだ」
などと恨み節が相次いだ。
一方で、
「甘い態度では選挙は更に厳しいものになった」(参院中堅)
と評価する声も強い。
不記載候補を比例名簿に載せれば比例の得票が減り、他の候補の比例復活の道が狭まるからだ。
「党内融和を取って、党全体が沈むなんてことがあってはならない」。
決断の後、首相は周囲に語り、こう続けた。
「批判があるのも分かってる。その責任を負うのが俺の役目だ」

「衆院選で自・公敗れれば石破総裁の責任論に」阿比留論説委員が講演 愛媛「正論」懇話会
2024/10/10 19:05
https://www.sankei.com/article/20241010-CEX7L6AHZJM2PIBLBCWGLDPAGU/?outputType=theme_election2024
愛媛「正論」懇話会の第70回講演会が10日、松山市のANAクラウンプラザホテル松山で開かれ、産経新聞の阿比留瑠比論説委員兼政治部編集委員が
「新内閣の使命」
と題して講演した。
阿比留氏は、石破茂自民党総裁が首相就任からわずか8日後に衆議院を解散したことに触れ
「総裁選での公約も次々と翻している」
「何をする内閣かが見えない」
と批判。
27日投開票の衆院選については
「情勢はまだ読めないが、政権選択選挙で自・公が敗れれば石破総裁の責任論に発展する」
との見通しを示した。
また、仮に与党が過半数を占める結果になったとしても、派閥パーティー収入不記載事件を受けて決めた一部候補者の非公認や比例代表への重複禁止措置で
「相当の禍根が残っている」
「自民党内で色々なことが滞って進まないのではないか」
と述べた。

自民が公約発表、政策活動費「廃止念頭」 台湾有事に危機感、安定的な皇位継承言及せず
2024/10/10 18:45
https://www.sankei.com/article/20241010-7PQ7L5U4KVIOVNNZVT5DCQ6R2A/?outputType=theme_election2024
自民党は10日、衆院選の公約を発表した。
派閥のパーティー収入不記載事件を踏まえ
「厳しい反省と強い倫理観の下、不断の政治改革、党改革に取り組む」
と打ち出した。
党が、党幹部らに支給し、使途の報告義務がない政策活動費について
「将来的な廃止も念頭に透明性を確保する」
と明記した。
一方、安定的な皇位継承の在り方に関しては言及しなかった。
公約は、
@ルールを守る
A暮らしを守る
B国を守り、国民を守る
C未来を守る
D地方を守る
E新たな時代を切り拓く(ひらく)
の6本柱で構成した。
「政治とカネ」
に関しては、国会議員に月額100万円支給される
「調査研究広報滞在費」(旧文書通信交通滞在費)
の使途公開や未使用分の国庫返納も盛り込んだ。
経済政策は、岸田文雄前首相が進めてきた
「成長と分配の好循環」
路線を維持し、
「デフレ脱却最優先の経済・財政運営を行う」
と訴えた。
物価高騰対策として低所得者世帯への給付金支給などを記載。
「地方創生」
の取り組みでは、自治体への交付金の倍増を目指すと掲げた。
安全保障政策では
「台湾有事が現実の課題となりつつある」
と言及し、防衛力強化を進めると強調した。
憲法改正を巡っては
「憲法改正原案の発議を行い、国民投票を実施し、改正を早期に実現する」
と訴えた。
また、防災対策強化に向け
「防災庁」
設置へ準備を進めると主張した。

石破茂首相「申し上げたことは一度もない」、不記載議員原則公認報道は取材なし 党首討論
2024/10/10 12:40
https://www.sankei.com/article/20241010-I7VEIODQ4NBVPO4DGJV5PQIAUY/?outputType=theme_election2024
石破茂首相(自民党総裁)は9日、立憲民主党の野田佳彦代表との党首討論で、派閥パーティー収入不記載事件で処分を受けた前議員らについて、自身が衆院選(15日公示、27日投開票)で原則公認する方針を固めたとの一部報道を否定した。
「全員を公認するとか私は申し上げたことは1度もない」
と述べ、自身への取材はなかったことも明らかにした。
党首討論に先立ち、自民は不記載事件を受けて、4月に処分した前議員を含む12人の公認を見送る方針を決めた。
一方、朝日新聞などは今月4日付で、首相が不記載事件で処分を受けた前議員らを原則公認し、比例代表との重複立候補も認める方針を固めたと報じた。
その際は再発防止策を講じる誓約書を提出させるとした。
こうした経緯から、野田氏は不記載事件に関わった前議員らの公認を巡り、
「いわゆる裏金に関わった議員を全員公認し、全員重複立候補させ、誓約書を書かせるのが最初の方針だったのではないか」
「二転三転、右往左往しながら決めた」
「(報道を受けて)批判が強いから、厳しいような対応に見せているということではないか」
質した。
首相は、
「全員を重複で認めるとか、誓約書を取るとか、私はそのようなことは申し上げたことは1度もない」
と重ねて否定。
「報道には石破茂首相、自民党総裁(が方針を固めた)と書いていた」
「そのような取材を受けたことは1度もない」
「報道はどういう根拠に基づいたか知らないが、そういうことは一切ない」
と強調した。
「森山裕幹事長、小泉進次郎選対委員長、今回の決定に関わった誰かが、そういう取材を受けた事実はない」
とも語った。
野田氏も
「全員公認するかどうかという報道が流れたことは、これはご自身の考えではなかったと」
「それはその通りとして認めましょう」
と応じた。

自民、「裏金議員」原則公認へ 衆院選で比例重複も容認、首相方針
2024年10月3日 20時59分
https://www.asahi.com/articles/ASSB33HGLSB3UTFK00ZM.html?msockid=03bbc426d8756d821927d643d90f6c0f
石破茂首相(自民党総裁)は、派閥の裏金事件で処分を受けた議員らについて、次期衆院選で原則公認する方針を固めた。
都道府県連の申請を受けて公認していく考えで、小選挙区の公認候補は比例代表との重複立候補も認める。
首相は6日にも、事件の中心だった安倍派幹部らから状況を聞くことを検討している。
首相は9日に衆院を解散し、15日公示、27日投開票の日程で総選挙を行う意向を表明済み。
一方、公認問題については総裁選の中で
「相応しい候補者か、党として責任を持たなければならない」
とし、公認しない可能性も示唆していた。
だが、総裁就任後は連立を組む公明党からの要請もあり、最速日程での衆院選を決断。公認手続きを急ぐ中、
「裏金議員」
は非公認としたうえで新たな候補を擁立する時間的余裕はなく、妥協する方向へ傾いたようだ。
■「選挙後に倒閣運動が起きる」 首相、押し込まれ「裏金議員」公認へ
党は4月、政治資金収支報告書への不記載があった39人を処分。
うち34人が8段階中4番目の
「選挙における非公認」
より軽い処分だった。
こうした経緯から、公認問題を蒸し返すことに反対する声が党内に根強くあり、首相が押し切られた面もある。
だが、裏金問題の対応は国民の理解を得られていない。
朝日新聞が1、2日に実施した世論調査(電話)では、実態解明を
「進めるべきだ」
と答えた人が75%だったのに対し、
「その必要はない」
は15%だった。
首相は1日の就任会見で
「国民が納得したという状況にはない」
とした上で、
「どうすればもう起こらないかの認識をきちんと伺いたい」
とも述べていた。
6日にも安倍派幹部らと面会し、直接確認したい考えだ。
党執行部も
「裏金議員」
の公認や比例重複を原則認める方向。その際、再発防止策を講じる誓約書を提出させる。野党側では立憲民主党を中心に、「裏金議員」の選挙区について候補を一本化する案が浮上している。

<主張>衆院解散 日本守り抜く政策訴えよ 政権を託せるのはどの党か
社説
2024/10/10 5:00
https://www.sankei.com/article/20241010-KWGTCTQYKVIWLBZR4XMFA2XQJM/
衆院が解散され、事実上の選挙戦が始まった。
解散は天皇陛下の国事行為である。
石破茂内閣は臨時閣議で
「15日公示、27日投開票」
の日程を決めた。
衆院選は3年ぶりだ。
新首相の就任から8日後の解散、26日後の投開票は戦後最短の決戦となる。
衆院選は政権選択選挙だ。
各政党と候補者は有権者の前で、日本を守り繁栄させる政策を大いに論じなければならない。
解散を前に国会で行われた党首討論で石破首相(自民党総裁)は、派閥パーティー収入不記載事件への対応を批判され防戦一方となった。
■安全保障をなぜ語らぬ
政治資金の透明性確保や不記載事件の再発防止を進め、政治への信頼を取り戻すことは重要だ。
政治とカネの問題が争点の1つになるのは当然だろう。
ただし、党首討論は衆院選を前に、日本の将来に向けた政策を競い合う場でもあるべきだった。
ところがそうならなかったのは、全閣僚出席の予算委員会を開いて丁寧な論議をしなかったことが響いている。
石破首相の所信表明演説後、代表質問と党首討論をしただけで解散したのは残念だった。
石破首相と自民は、不記載議員らの一部を対象に非公認の数を増やしたが、有権者が評価するかは不透明だ。
党首討論では外交安全保障がほとんど論じられなかった。
日本を取り巻く安全保障環境が極めて厳しい中で信じ難いことである。
習近平中国国家主席の共産党総書記の任期の関係から、台湾有事が令和9(2027)年までにあるかもしれないと危惧されていることを忘れたのか。
「台湾有事は日本有事」
と言われる。
今回の衆院選で選ばれる議員と彼らが指名する首相は、台湾有事を抑止するため働き抜かねばならない。
もし有事になれば、先頭に立って国家国民を守り抜く重責を担う。
有権者はそれに相応しい議員を選ばなければなるまい。
全ての政党と候補者は現下の国際情勢に対する認識と、今後起こり得る危機の抑止と対処の具体策を語るべきだ。
野党第一党の立憲民主党の安全保障に関する姿勢は、極めて危うい。
日米同盟の抑止力を格段に高めた集団的自衛権の限定行使の容認を
「憲法違反」
とする立場だからだ。
立民の衆院選公約は、限定行使を認める安保関連法について
「違憲部分を廃止する」
という従来方針を踏襲した。
米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の辺野古移設工事は
「中止」
すると明記した。
この政策のまま政権をとれば日米同盟は空洞化する。
旧民主党の鳩山由紀夫政権が同盟の危機を招いた二の舞いとなるだろう。
これも分からない立民の野田佳彦代表に果たして政権担当能力があるだろうか。
■立民は政権枠組み示せ
立民は、衆院選での与党過半数割れや政権交代の実現を叫んでいる。
にもかかわらず、この目標を達成した時の新たな政権の枠組みを示していないのはおかしい。
これでは有権者の判断材料が揃わない。
目指す政権の枠組みを曖昧にして選挙区調整だけに走るとすれば、議会制民主主義の軽視となる。
選挙戦で聞きたいテーマの1つが、国の根幹に関わる憲法改正だ。
日本国民の多数が自衛隊を認め、期待する時代になった。
ところが多くの憲法学者は自衛隊違憲論を唱えている。
このような異様な状態は改めたい。
憲法への自衛隊明記は改憲に前向きな各党で意見集約が進んでおり、是非早期に実現したい。
改正のゴールは
「戦力不保持」
を定めた第9条2項の削除と軍の規定の創設だ。
そうなって初めて世界の他の民主主義国と同様に国民を守る体制が整う。
首都直下地震、南海トラフの巨大地震などの大規模災害や有事への懸念が高まる中、緊急政令を含む緊急事態条項の創設も急務である。
各党が論じるべき政策課題は他にもある。
物価高に負けない持続的な賃上げによるデフレからの完全脱却、原発を含むエネルギーの在り方、少子高齢化を背景にした人口減少などだ。
国民受けする政策だけでなく
「痛み」
を伴う改革にも真摯に向き合わなければならない。
言行不一致は国民の不信を招く。
各党、各候補者は誠実に言葉を紡いでほしい。

<主張>代表質問 安全保障の論議不十分だ
社説
2024/10/9 5:00
https://www.sankei.com/article/20241009-N3ZCWLPEKJIFNBCCPHJ3MP7ZMA/
石破茂首相の所信表明演説への国会の代表質問が終わった。
政権選択選挙である衆院選を前にした国会である。
「政治とカネ」
を巡る問題が盛んに議論された。
その一方で、日本の独立と繁栄の基盤となる安全保障の論議が深まらなかったのは残念だ。
自民党議員は中国軍の領空侵犯や領海侵入、空母「遼寧」の接続水域航行、ロシア軍の領空侵犯を取り上げ、小野寺五典政調会長は
「国民の命と暮らし、領土・領海・領空を守り抜く」
ことを求めた。
日本維新の会の馬場伸幸代表は台湾有事について質した。
首相が最近の著書で
「『台湾有事、即日本有事』となる可能性は相当低い」
と指摘しているからだ。
馬場氏は
「対中抑止力や国民の国防意識を削ぐことになる」
と懸念を示した。
首相は
「仮定の質問に答えるのは差し控える」
とした上で
「台湾海峡の平和と安定は国際社会の安定にとっても重要だ」
と指摘した。
国防の決意と具体策をもっと語る必要がある。
物足りなかったのは野党第一党の立憲民主党である。
野田佳彦代表が首相のアジア版NATO(北大西洋条約機構)構想に関し
「日米同盟の抑止力に疑念があると思われかねない」
「非現実的ではないか」
と疑問を呈したのは妥当である。
だが、立民として日本をどう守るつもりかを語らなかった。
対中認識を含む現下の国際情勢に対する見方も示さなかった。
田名部匡代参院幹事長はロシアに侵略されたウクライナで、なぜ抑止力が効かなかったのかを質した。
ウクライナ問題を論ずるのではなく、アジア版NATOを巡る首相の言行不一致を引き出したかっただけのようだ。
安保政策を十分語らずに政権交代を迫っても、説得力は感じられない。
憲法改正については自民、立民、維新などが質問した。
首相は緊急事態条項の創設や自衛隊明記について、自民内の議論を
「後戻りさせることなく、前に進めていく決意だ」
と語った。
同時に、任期中に国会への発議を実現したいとし、憲法審査会で議論を深めるよう求めた。
ただ、それだけでは足りない。
首相や憲法改正に前向きな政党は、どの項目をいつまでに条文化したいのかを明らかにすることも重要である。

<主張>中東の戦火拡大 なぜNSCを開かぬのか
社説
2024/10/3 5:00
https://www.sankei.com/article/20241003-4YRNMLACHBI6FNK2GDIOJIQ5N4/
石破茂首相に問いたい。
なぜ国家安全保障会議(NSC)を開催しないのか。
中東の戦火が拡大しているからである。
イスラエルがレバノンの首都ベイルートにある親イラン民兵組織ヒズボラの本部を空爆し指導者ナスララ師を殺害した。
ヒズボラの脅威を除こうとイスラエル軍はレバノン南部へ侵攻した。
ヒズボラの後ろ盾であるイランは報復と称しイスラエルに向けて大規模な弾道ミサイル攻撃を行った。
米英両軍などが協力して迎撃したが一部が着弾し、被害が出た。
イランの対イスラエル直接攻撃は4月以来だ。
どちらも中東有数の軍事大国だ。
双方に自制を求めたい。
ただし事態がエスカレートすれば
「第5次中東戦争」
になりかねない。
日本や世界のエネルギー供給にとっても、経済情勢にとっても、何より中東地域の邦人の安全にとっても、看過できない緊迫した状況である。
日本は一連の事態を遠い地域の出来事と見做すのではなく、自らの問題と捉え、対応しなければならない。
石破首相は2日、イランの弾道ミサイル攻撃を非難し
「全面戦争に拡大しないように(米国などと)連携を取りたい」
と述べた。
そうであるならば、石破首相は、NSCの4大臣会合などを開き、邦人保護や万一の際のエネルギー需給、イスラエル、イラン双方への働きかけについて協議すべきである。
国家安全保障局や外務省の幹部と面会したが、それだけでは足りない。
NSCを開催すれば、日本企業や現地の邦人に対応を促すシグナルにもなる。
石破首相が自民党総裁に当選した9月27日に、岸田文雄内閣の木原稔防衛相はレバノンからの邦人退避に備え、航空自衛隊のC2輸送機を近隣のヨルダンとギリシャへ派遣する命令を発した。
レバノンには約50人の邦人が滞在している。
政権末期でも邦人保護へ動いた岸田政権の対応は妥当だ。
退避では韓国との相互協力も進めたい。
ただし、レバノンからの邦人退避の備えは日本が為すべき対応の一部に過ぎない。
戦火が一気に拡大しかねない時代だ。
危機は政権交代の事情など勘案しない。
石破首相には内閣発足直後であろうと国民を守り抜いてほしい。

<主張>自民総裁に石破氏 保守の精神踏まえ前進を 外交安保政策の継承が重要だ
社説
2024/9/28 5:00
https://www.sankei.com/article/20240928-ZQWPFHRUFBPALP3NUGABOBDVAI/
自民党総裁選で、石破茂元幹事長が高市早苗経済安全保障担当相を決選投票で破り、新総裁に選出された。
10月1日召集の臨時国会で首相に指名され、宮中での認証式などを経て、石破内閣が発足する見通しだ。
石破氏は当選後、
「安全安心な国にするため全身全霊を尽くしたい」
と語った。
ほとんどの派閥が解散を決めたこともあって史上最多の9人が立候補し、激しい総裁選となった。
石破氏は1回目の投票で高市氏に次ぐ2位だった。
決選投票の票差は21票で、党内基盤は強いとは言えない。
■「挙党態勢」が問われる
政治とカネの問題で自民をみる有権者の目は依然として厳しい。
石破氏と自民は挙党態勢で国政運営に当たる必要がある。
党役員や閣僚の人事は適材適所の観点で、総裁選のライバル候補を含め起用すべきだ。
党所属国会議員は結束して新総裁を支えてもらいたい。
石破氏と自民に求めたいのは保守の精神を尊重、堅持することだ。
自民は党綱領で
「日本らしい日本の確立」
を謳い、自らを
「保守政党」
と位置付けている。
この基本線から外れるべきではない。
総裁選で論じられた選択的夫婦別姓の導入は見送るべきである。
石破氏は前向きな姿勢を示してきたが、保守政党が取り組む課題ではない。
家族や社会の根幹に関わる話だ。
片方の親と子の
「強制的親子別姓」
を意味し、戸籍制度も揺らぐ。
個人の自由の問題とは言えず、自民どころか社会の分断を招きかねない。
旧姓使用の充実で対応してもらいたい。
国家と国民を守り抜く外交安全保障は政治リーダーにとって最も重要な責務だ。
安倍晋三元首相は
「自由で開かれたインド太平洋」
構想を国際社会に示し、限定的ながら集団的自衛権の行使容認を実現した。
菅義偉前首相は米国と共に
「台湾海峡の平和と安定の重要性」
を打ち出した。
岸田文雄首相は5年間の防衛費43兆円、反撃能力の保有を決め、防衛力の抜本的強化を開始した。
石破氏は安倍氏以降の外交安全保障を確実に継承し、発展させなければならない。
中国やロシア、北朝鮮といった核武装した専制国家の脅威をどう捉えているかを語ってほしい。
ウクライナ支援の継続も重要だ。
心配なのは、石破氏がアジア版NATO(北大西洋条約機構)の具体化に意欲を示した点だ。
創設には憲法問題の解決や各国との比較的長期の交渉などに相当の年月と大きな政治エネルギーを要する。
数年先の発生も懸念される台湾有事の抑止を優先すべきではないか。
日米同盟の対処力と抑止力の強化も欠かせない。
■男系の皇統を守り抜け
北朝鮮による日本人拉致問題の解決も急がれる。
石破氏は
「東京と平壌に連絡事務所を開設して交渉の足掛かりとする」
と唱えてきた。
家族会は時間稼ぎに利用されるだけだと懸念している。
まず、家族会などと真剣に語り合ってほしい。
千年、二千年の視野で日本を守るため、安定的な皇位継承策を確立すべきである。
自民は、男系(父系)による継承を堅持する内容の岸田内閣の報告書に賛同する立場だ。
石破氏は総裁選でこの党の方針に従うと表明した点を強調しておきたい。
自民は来年、結党70年を迎える。
憲法改正は党是であり、改憲原案の条文化を臨時国会中に完成させるべきだ。
憲法への自衛隊明記は最優先だ。
首都直下地震などの大規模災害や日本有事への懸念が高まっている。
緊急政令を含む緊急事態条項創設も急務である。
自民総裁として与党公明党の説得にも努める必要がある。
日本が抱える課題は他にもある。
物価高を上回る持続的な賃上げを確実なものとし、デフレからの完全脱却を目指してもらいたい。
少子高齢化を背景にした人口減少への対策や社会保障制度改革も欠かせない。
政治とカネの対応は引き続き重要だ。
パーティー収入不記載事件の再発防止と政治資金の透明性確保を確実にしたい。
信頼を取り戻さなければ、政策は遂行できまい。
早期の衆院解散・総選挙が取り沙汰されている。
臨時国会では所信表明演説で国家観と政策の全体像を披露すると共に質疑にも応じ、国民に投票の判断材料を示すべきである。

勝てねば首相の責任論必至 自身に跳ね返る過去の言動
阿比留瑠比の極言御免
2024/10/10 1:00
https://www.sankei.com/article/20241010-EYZZGK33R5KI5PJP5BWX6Y4LVQ/?outputType=theme_election2024
石破茂政権の現状を象徴するように慣例の万歳も乱れがちで、何とも高揚感がない9日の衆院本会議での解散劇だった。
「内閣改造をするほど総理の権力は下がり、解散をするほど上がる」
かつて7年8カ月に渡る長期政権を築いた佐藤栄作元首相は、こんな言葉を残したが、今回の解散は首相にとって権力基盤を固めるものになるだろうか。
解散は、自民党の分断と混乱の中で強行された。
派閥パーティー収入不記載事件を巡っては、2024年4月に当時の岸田文雄首相(党総裁)によって既に処分を受けていた議員らが再び、非公認や比例代表への重複立候補を認めないという重い処分を受けた。
4日の時点で森山裕幹事長が
「党として調査し、(4月に)処分を下した」
「その現実をしっかり捉えることは大事だ」
と述べていたにもかかわらずである。
今回の処分は厳しい処罰を求める国民感情に応えるためとはいえ、憲法39条が定める一事不再理の精神に反する二重処分となる。
総裁選で高市早苗前経済安全保障担当相が
「(党紀委員会など)党内で積み重ねてきた議論を、総裁が代わったからと言ってちゃぶ台返しをしたら独裁だ」
と述べたやり方そのものである。
不記載事件に対しては、政治資金収支報告書に記載しなかった議員が悪いのは当然として、法曹界にもこんなに騒ぐべき問題ではなかったとの見方がある。
日弁連元幹部は指摘する。
「政治家を立件して手柄にしたかった東京地検の暴走で、検察ファッショだ」
東京地検特捜部が100人規模の検事を動員して徹底調査した結果、不起訴(嫌疑なし)とされた自民党議員を、自民党総裁が更に痛めつける。
首相は9日の党首討論で
「どれほど厳しいものか、それぞれの人にとってどれほど辛いものかはよくよく判断した」
と述べたが、将来に禍根を残さないはずがない。
もともと人望が薄く、政権基盤が弱い首相は衆院選後、こうした議員らからどの程度、政権運営への協力が得られるだろうか。
反発やサボタージュが待ち受けることになろう。
また、首相就任から8日後と戦後最短での解散という手法もあからさまで、野党からも有権者からも見透かされている。
9日の党首討論で立憲民主党代表の野田佳彦元首相は語った。
「(首相は)ご祝儀相場があるうちに解散すれば、勝てるだろうという思いから早期解散を決めた」
そう決め付けられても仕方がない。
首相は6月14日の自身のブログで解散について、このように主張しているからである。
「内閣不信任案の可決や信任案の否決など、内閣と衆議院の立場の相違が明確となった場合に限り、内閣が主権者である国民の意思を問うために行われるべきもの」
「天皇の国事行為を定めたに過ぎない(憲法)第7条を根拠として『今解散すれば勝てる』とばかりに衆議院を解散することは、国会を『国権の最高機関』とする憲法第41条の趣旨にも反する」
明らかに今回の早期解散と矛盾する。
一方、野田氏は首相当時の解散を明言した平成24年11月14日の党首討論で、自民党の安倍晋三総裁に
「近いうちに国民の信を問う」
と言ったことを問われ、こう答えている。
「首相は公定歩合と解散は噓をついてもいいと自民党政権時代には言っていた人もいるという話もあったが、噓をつくつもりは私はなかった」
前言を次々と翻し、党内に不和を引き起こしてまで強行した衆院選に勝てなければ、首相の責任問題に直結する。
かつて背後から時の首相に刃を突きつけて責任を問うてきた首相の言動が、首相自身に跳ね返ってくることだろう。
(論説委員兼政治部編集委員)

石破首相、不記載問題「再調査を全く否定するものではない」 党首討論の詳報
2024/10/10 5:00
https://www.sankei.com/article/20241010-RM55MKLYSVKRZMMYAQK4Z2O7SE/?outputType=theme_election2024
9日に行われた党首討論の主なやりとりは次の通り。
■「裏金議員」非公認
野田佳彦立憲民主党代表
自民党派閥「裏金事件」に関与した前議員ら12人が衆院選で非公認となった。
首相は「相当程度が非公認になる」と述べたが、関与者の公認は30人を超えるのではないか。
正確な日本語では「大半が公認」だ。
脱税まがいの議員に、政党交付金として血税が支払われるかもしれない。
国民感情から到底理解できない。
石破茂首相
「裏金」「脱税」とは決めつけだ。
政治資金収支報告書への不記載に関し、脱税容疑で立件された者はいない。
不記載については極めて良からぬことで、おわびする。
厳正な議論を経て、公認しないと決断した。非公認で選挙を戦うことがどれほどつらいか、百も万も承知している。
しかし総理総裁に就任以降、国民の怒りが強いと肌身に感じている。
最終的な判断は主権者の国民に任せる。
これが甘いとかいい加減とは一切考えていない。
野田氏
非公認の立候補者が当選した場合、追加公認するか。
首相
主権者である国民の判断があれば、追加公認はあり得る。
馬場伸幸日本維新の会代表
来年夏の参院選で裏金議員に対し、衆院選と同じ物差しで公認、非公認を決めるのか。
首相
同じ国会議員なので、衆院と参院で違う対応はしない。
■再調査
野田氏
首相は新しい事実が出ない限り、裏金事件の再調査を否定した。
だが有罪判決を受けた旧安倍派の会計責任者が、令和4年4月に中止された還流を幹部協議で再開したと法廷で証言した。
裁判所が事実認定した新事実だ。
再調査すべきだ。
首相
色々な事実関係がある。
有権者に対し、如何なる責任を負うべきか党内で議論する必要がある。
再調査を全く否定するものではない。
厳粛に受け止めなければならない。
野田氏
新しい事実ではないのか。
再調査するかしないか聞いている。
首相
綿密に調査してきたが、捜査権を持たないという限界がある。
関係書類の有効期限が超過し、確認しようがないものもある。
その中で最大限努力し調査してきた。
野田氏
再調査せず、有耶無耶にして早く解散しようとしている。
「裏金隠し解散」だ。
■衆院選
野田氏
「ご祝儀相場」のうちに解散すれば勝てるだろうと、早期の衆院解散を決めたのか。
首相
国を守り、国民を守り、デフレを脱却するためには、私どもが政権を引き続き担わせていただくことが最も肝要だと考えている。
正々堂々、国民の審判を仰ぐのが我々の姿勢だ。
馬場氏 国民に何を問う解散なのか。
首相
新内閣が発足した。
内閣が取り組もうとしていることに信任を得るのが衆院解散・総選挙の意義だ。
■補正予算
野田氏
臨時国会を会期延長して予算委員会を開くべきだ。
旧安倍派幹部は国会の政治倫理審査会で、裁判所の事実認定と異なることを語った。
噓だった可能性が十分高い。
予算委で証人喚問すべきだ。
首相
予算委開催は国会が決めることだ。
災害が相次いだ石川・能登半島の方々の困窮を1日も早く改善するため、予備費で対応する。
6年度補正予算編成は既に指示した。衆院選で国民の判断を得た後、補正予算案を審議し早期成立を期す。
国家国民のため切れ目のない予算審議が必要だ。
■政治改革
野田氏
政治改革の原点に立ち、政治資金規正法の見直しを行う際には、企業・団体献金の禁止からスタートすることが大事だ。
首相
大事なのは政策が左右されないかどうかで、これから先も認めるべきだ。
立民内にも企業・団体献金は必要だとの議論がある。
透明性が担保されるよう努力していく。
馬場氏
首相就任後、新たに企業・団体献金の申し出があった場合、どう対応するか。
首相
寄付を頂いた企業・団体に有利に取り計らう政治行動をしたことは一切ない。
この職を務めている間は、政治資金パーティーを開催するつもりは全くない。
■安全保障
馬場氏
自民総裁選で唱えていた日米地位協定改定やアジア版NATO(北大西洋条約機構)構想が首相に就任した瞬間、雲散霧消した。
国民から疑問を持たれている。
首相
自民は独裁政党ではない。
総裁が言えばそのまま政策になるわけではない。
これから党内で議論していく。
■政策活動費
玉木雄一郎国民民主党代表
政治不信を払拭してくれると期待された石破内閣が、新たな政治不信を生み出しつつあるのではないか。
今回の衆院選では政策活動費を使わないと明言してほしい。
首相
現在認められており、使うことはある。
選挙区で厳しい戦いをしている地域もある。
玉木氏
問題発言だ。
何に使い、誰に渡したか分からないお金で選挙に臨めば選挙が歪む。
首相
「検討、検討」で終わるのは、結局何もしないのと一緒だとの強い意識を持っている。
政策活動費の在り方にきちんと結論を得る。
■憲法改正
馬場氏
衆参両院の憲法審査会で改憲論議が進まない。
壁を突破するために、首相がスタートボタンを押すべきだ。
首相
自民の党是だ。
党総裁として改憲が発議され、国民投票をする日が1日も早くなるよう可能な限り努力する。
■賃上げ、労働改革
田村智子共産党委員長
最低賃金の大幅引き上げには、中小企業への直接支援が不可欠だ。
首相
全体主義国家ではない。
政府が主導し直接お金を払う手法が必ずしも正しいと思わない。

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