4. 中川隆[-8918] koaQ7Jey 2019年8月05日 11:18:45 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[3814]
Thomann S100 は究極のアンプなのか 2016-05-21
https://blog.goo.ne.jp/6x6_2008/e/3d0c4cd03dab8da956ab4d1c7279e24d?fm=entry_awp
<プ○ケーブルとは>
プ○ケーブル(○に何か字が入ります)という音響機器会社がある。所謂PA関係の機器を販売する会社であり、既存の権威主義のオーディオ業界に真正面から喧嘩を売り、販売数を伸ばしている。
この会社の特徴は、ライブやイベント、あるいは楽器用の機器、これらをプロ機器と称して、その中には安価なのに高級オーディオを遥かに凌駕するものがあると紹介していることである。
例えば、クラウンD45というプロ機器パワーアンプは、当時の実売金額で7〜8万円程度であり、それは数百万円の高級オーディオアンプをも凌駕すると宣伝し、かなりのヒットとなった。実際に、このアンプの音に衝撃を受けて、それまで持っていた100万円を優に超えるパワーアンプを処分した人も多いという。
<その真偽>
一方で、プ○ケーブルはその宣伝手法と相まって「まるで新興宗教」のようであると批判も受けている。「至高のアンプ」とか「電源タップの最終回答」とか、「JAROにいうじゃろ」と言いたくもなる宣伝文句を駆使し、高級オーディオ=悪、プロ機器=善という、善悪二元論に持ち込み、ユーザーの考え方自体をコントロールしようとしているように見える。
しかも、「最強のアンプ」と謳っていた製品が生産中止になると、一転「最強のアンプ」を2ランク上回る「至高のアンプ」が現れたりするなど、彼らの善は彼らの販売事情と見事にシンクロしている。つまり大人の事情に基づいた「善」なのである。
それでも、この会社がいうことには理に適った部分があることは認めなくてはならない。例えばハイエンドオーディオの世界では、機器の電源ケーブルが交換式なのは当たり前で、そのケーブルに10万円以上するものがあり、なかには60万円もする商品が存在する。恐ろしいことに、実際にそれを使っている人もいる。プ○ケーブルは、「それは異常なことです」と言い切る。何故たかが電源ケーブルがハイエンド一眼レフやバイクが買える値段なのかと。そして、それより遥かに高性能の製品を8000円位で紹介しているのである。オーディオは自己満足の趣味なので、それぞれの考え方があってよい。
プ○ケーブルにすべてを委ねる気はないが、安くて良いものが入手できるのであれば、歓迎する。僕は、主に接続ケーブルなどをこの会社から買っていた。5000円程度のベルデン製ケーブルを使用したもので、これが数万円のケーブルより遥かに良い。スピーカーケーブルも以前は、ホースみたいに太いメーター5000円もするものも使ったが、今はプロケーブルからメーター数百円のものを買っている。ホームセンターの廉価ケーブル並みの値段で、PA機器用の良質なケーブルが入手できるのだ。
<そしてとうとうThomannを購入>
実はプ○ケーブルが、「チャンネルデバイダー」の最終回答と謳う製品を購入したことがある。ベリンガーのCX2310という機種で、権利の関係で同社では取り扱いをしなくなったので、別の販売店から買った。価格からすれば優秀な製品かと思ったが、僕のアンプはバランス伝送に対応していないので、変換ケーブルをかました。しかもそれを粗悪なケーブルで代用したので、残留ノイズが酷く、結局は別のものに買い替えた。キチンとバランスケーブルを使える環境であれば、もっと良い音は出たかもしれない。
(※もう一つ、パワーアンプのボリュームは最大に固定し、プリアンプ側のボリュームをかなり絞って使っていたこともある。正しくはパワー側を絞り、プリ側はより最大に近い位置で使うことらしい)
そんななか、予てからの懸案である夏場の真空管アンプの代替機として、今同社が一押しの「究極のアンプ」であるThomann S100Mk2を入手した。新品でも2万8千円程度、僕はオークションで1万8千円で入手した(少し出力の小さいS75は新品で2万4千程度である)。まあ僕も大人だから商業世界でいう「究極」の意味と程度は大凡理解しているので、過度な期待は抱かず出てくる音を迎えいれる用意をした。
な、な、な、なんだこれは!!!!
す、す、す、すごい!!!!!
弾むような音、部屋中を包み込む立体感。格が違う。2CHマルチアンプ(JBL4333AWX)の中高域用に使ったわけだが、別物の音である。もっともこれまで試したのは、ムジカの30万円位のパワーアンプ(実際は4万円で買った)、テクニクスの古いパワーアンプ、ラックスマンA3700(KT88プッシュブル)、ダイナコマーク3(6550のGE管)なので、とてもハイエンドとは言えない面子だけど。
自己評価でいえば、ラックスマンとダイナコからは2ランクほど違いがあり、ムジカからいえば5ランクの違いがある、最早意味不明の領域である。
低域用にはマッキントッシュのパワーアンプMC7270を用いている。当初Thomannは、MC7270に釣り合わないと心配したが、釣り合わないのはMC7270の方ではないかとさえ思える。聴きこむうちに、CDや比較的新しい音源ではその差は圧倒的であり、音が凝縮された古いレコード等(とくに楽器の音色)では真空管アンプの良さも際立つことが分かり、少しだけ安心した。それにしても、これが新品で3万以下。今の時代、50万円出しても、これと同等のアンプは手に入らないだろう。一気に洗脳されて、それまでのオーディオ機器を全て入れ替える人がいることも理解できる。僕も正直、音だけを考えるのであれば、THOMANNのアンプが2台あればそれで良いように思う。これ絶対オススメです。余程思い入れや憧れがない限り、このアンプを凌駕する機器は簡単には見つけらないと思う。
<Thomann S100 Mk2 に欠点はないのか>
では、このThomannに欠点はないのか、ここに触れなければフェアではない。僕はこのアンプの欠点は一言でいえば「色気」だと思う。決して無味乾燥なアンプという意味ではない。大きく分けると次の2点である。
1)見た目の色気
これはプロ機器なので仕方がない。実用を極めた機器は美しいこともあるが、この機器はラックマウント対応のPA機器そのものであり、共産主義時代の東ドイツのオバさん事務員みたいな無愛想さである。間違っても、撫でさすったり、スイッチをカチカチ動かしてニヤニヤできる製品ではない。オーディオは、「このアンプで聴いているんだ」という想いが、音を脳内でアップサンプリングする世界である。物理的特性より脳内変換で3割増しで良い音になる。そういう要素は、このアンプには皆無である。逆に無駄な部分にコストを掛けることを好まない人には良いアンプである。
2)音の色気
色気がないのではなく、究極にフラットなのである。例えばビル・エヴァンストリオのモントルーでのライブ盤を聴いたところ、エディ・ゴメスのベースが超色っぽいのである。鼻血が出て倒れそうなるくらいだった。でもこれは、元々そういう音が収録されていて、ある意味これまでの装置ではそこがスポイルされていたのだと思う。逆に、これまで装置が化粧していてくれていた音もスッピンになるので、ビロードが剥げたようになることもある。だから音源による差異が激しくて疲れるのは事実である。我が家の音の傾向を支配しているマッキントッシュのプリアンプC32を交換すれば、更に本来の音に近づくと思う。それは決して薔薇色の道とは限らない。
追伸:しばらくの期間、ランニングテストを行い、現在は真夏まで待機してもらうこととし、真空管アンプ(ダイナコ・マーク3)を復帰させた。冷静に評価すれば、各々に各々の良さがある、ということになると思う。意外だったのは、女性ボーカルなんかは真空管アンプの方が良いと思い込んでいたが、Thomannのリアリティは異状である。もしかすると、38センチウーハーの方をThomannで駆動し、中高域をMC7270で駆動しても面白いかもしれない。間違いなくいえるのは、血迷って買ってしまったム○カの希望小売価格30万オーバー(最近更に値上げした)のパワーアンプとは比べ物にならない。もうこれだけは断言する。マークレビンソンとかクレルとか、その人なりの思い入れのあるアンプを上回るかどうかは、ケースバイケースである。
何しろ、オーディオの音は万人に同じように聴こえるわけではない。その人の脳内のバッファアンプが機能するのだから。
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(2018年1月追記)
今でも検索でこの記事に辿り着く方がいるようなので、追記しておく。当アンプは夏場の真空管アンプの代用機として現在も使用しています。でもその評価は前言を撤回します。僕の環境ではダイナコMk3(古い真空管アンプ)の方が良いです。あくまで僕の環境ではですが・・・。
Thomanを繋いだ当初はその音の新鮮さに圧倒されたのは事実です。でもいつしかその音に飽きてしまうのも事実です。時期が来て真空管アンプに入れ替えると、心の底からほっとします。Thoman使用中は妥協感でいっぱいです。ただこれは僕の使い方の問題でもあり、好みの問題でもあります。とどのつまり、僕はオーディオマニアではなく、音楽(レコード)ファンだから。
https://blog.goo.ne.jp/6x6_2008/e/3d0c4cd03dab8da956ab4d1c7279e24d?fm=entry_awp
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/983.html#c4