補選トップ当選の酒井なつみさん、政治って困窮者を守るためにあるんじゃないの? 室井佑月の「嗚呼、仰ってますが。」
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2024/05/10 日刊ゲンダイ
立憲民主党の酒井なつみ衆院議員(C)日刊ゲンダイ
『働かなくても生活が保障されるという状態。これは被災地でも起こっている問題でもありますが、人はどうなると思いますか? 憲法で保障されている“健康で文化的な最低限の生活”が送れる。仕事や趣味で「自己実現」「社会貢献」したいという高次の欲求がない人、状況にある人は怠惰になります』(酒井なつみ・衆議院議員・立憲民主党)
どひゃ〜、なんとも冷たい意見だよ。これは東京15区の補選、トップ当選をした酒井なつみ氏の2012年のTwitter(現X)での発言だ。
ほかにも酒井さんは、派遣法を改正し非正規雇用を増やした竹中平蔵さんを絶賛していたり、維新が進める都構想を応援していたり。立憲で憲法改正反対派のエースであった本多平直元議員を、いわれなき誹謗から辞めさせるべきと枝野幸男議員に陳情するパフォーマンスも披露した。
が、今回の選挙、維新を除く野党は酒井氏を応援。政治って、困窮者を守るためにあるんじゃないの? てか、酒井氏は演説でも選挙で配ったマニフェストチラシでも、弱者救済を謳っていた。
考え方が変わったのなら、こっそりXの問題ポストを消すのではなく、「考えが変わりました」といえばいいのに。それもなかった。
酒井氏はそのときの自分の信じる正義が絶対だとし、突っ走ってきた。その正義が間違えで、世の中にそれを広めてしまったとしても、彼女の興味はもうそこにない。目新しい次のなにかに向かっている。なぜなら、正義を謳う自分が好きなだけで、物事の本質に興味がないし、深く考えることをしないから。
あたしは彼女を悪くいいたいわけじゃない。野党側の軽薄さを嘆いている。本来もっとも大事である政治理念より、若い女性で受かりやすそう、ということに重きを置いた。これはつづくのか?
今回の闘い、右派陣営は、彼女の反原発の過去発言を掘り出し、「風評被害を増長した」とネガキャンをした。いや、それは右派側だけが不味い発言と思ってるだけ。冒頭の発言を持ち出されていたら、相当、ヤバかったように思う。
室井佑月 作家
1970年、青森県生まれ。銀座ホステス、モデル、レースクイーンなどを経て97年に作家デビュー。TBS系「ひるおび!」木曜レギュラーほか各局の情報番組に出演中。著書に「ママの神様」(講談社)、「ラブ ファイアー」(集英社文庫)など。
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