やってる感すら希薄政倫審プロレス
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2024年3月15日 植草一秀の『知られざる真実』
予算委員会が開かれているが予算の根幹の論議は皆無。
政倫審ばかりが何度も開かれているが政倫審が機能しないことなど開かれる前から分かっている。
嘘をついてもペナルティーがないかららちが明かない。
質問をする側が決定的な証拠を握っていれば効果があるかも知れない。
しかし、質問する側が決定的証拠を握っていなければ当然のことながら成果は上がらない。
唯一の効果は「やってる感」。
野党の側も一応「やってる感」を演出できる。
与党の側も「登場人物が安倍派幹部はけしからん」などと述べれば「やってる感」を演出できる。
だから「政倫審プロレス」と表現している。
予算を通す前なら野党は条件闘争を展開できる。
「政治とカネ」の問題での成果は法改正。
犯罪者を検挙することが本当は必要だが、八百長検察が検挙するのだから何も期待できない。
日本では犯罪が存在しても犯罪者を無罪放免にする裁量権を検察が握っている。
検察とグルの勢力は犯罪を実行しても、よほどのことがない限り無罪放免にされる。
国家権力と対決する者は完全に無実でも犯罪者に仕立て上げられる。
密室の取調室では簡単に冤罪を作り出すことが可能であるからだ。
犯罪者を厳正に摘発することができないなら、せめて実効性のある法改正を実現しなければならない。
現在の政治資金規正法はザル法。
ザルの目を埋めなければならない。
1.同法21条の2の2項を削除する。
政党や政党支部から議員個人への寄附を禁止する。
現在はこの抜け穴を用いて年に10億円もの寄附が行われ、その使途が一切公表されない。
この抜け穴を使っているのは与党だけでない。
野党も抜け穴を使って政治資金を飲み食いなどに充てている。
2.議員の資金管理団体、政治団体を総括する収支報告書の提出を義務付ける。
不正な資金授受があっても帰属を特定できないと摘発できないとの主張がある。
これを防ぐために総括収支報告書の提出を義務付ける。
3.連座制を導入する。
犯罪が行われても会計責任者だけが処罰されて最高責任者の政治家が罪を問われない。
こんなバカなことが許されてよいわけがない。
連座制導入は当然のことだ。
この法改正確約を予算案採決の条件に明示する。
予算審議が止まれば批判が向かうのは与党である。
野党に本気で戦う意思があるなら、いくらでも戦えたはずだ。
ところが、野党は予算が年度内に成立する日程設定をすべて容認した。
国会で長い演説をしても何の意味もない。
もっとも、政令指定都市の首長選挙で自民党と相乗りする野党に与党と戦う意思があると見込むこと自体が間違いかも知れない。
「政倫審プロレス」が終わると参議院でも予算案が採決されて予算が成立する。
結局、国会は何の機能も果たしていない。
憲法は国会が国権の最高機関だとしているが機能が完全にマヒしている。
国会は何をするところか。
予算と法律を決めるところ。
予算の中身の議論をしなければ予算委員会を開く意味がない。
法律案を審議しても核心の論争をしなければ何の意味もない。
政府は子供と接する仕事に就く人の性犯罪歴の有無を確認する「日本版DBS」を創設する法案を3月19日に閣議決定する。
法案の最大問題点は照会期間を拘禁刑で刑終了から20年、罰金刑以下で10年とすること。
刑法の「刑の消滅」の期間の2倍。
この点に関する論議がまったく行われていない。
法体系の整合性が失われるが、問題点を指摘する専門家が著しく限られている。
この点に関する野党の問題提起がないことも重大な問題だ。
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