【この首相、アタマは正気か】透けて見える「コロナ勝利五輪」を目論む狂気 コロナ対応で内閣支持率が上がっているが、安倍政権がやったことといえば、検査をやらせない「隠蔽」しかない 「国難」で国民煽って情に訴える浅ましさ 本来は「桜」「黒川」で退陣だった(日刊ゲンダイ) pic.twitter.com/eqBk8oFVTM
— KK (@Trapelus) March 18, 2020
まだやる気? 透けて見える“コロナ勝利五輪”の政治的野望
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/270615
2020/03/18 日刊ゲンダイ ※タイトルは紙面による
安倍政権がやったことといえば検査をやらせない「隠蔽」しかない(C)共同通信社
安倍内閣の支持率が上昇している。週末14、15日に行われた朝日新聞の世論調査では支持が41%(前回39%)、不支持が38%(同40%)で、毎日新聞では支持43%(同41%)、不支持38%(同37%)だった。14〜16日に実施された共同通信の調査は支持49・7%(同41・0%)、不支持38・1%(同46・1%)で、支持が8・7ポイントもの大幅増だった。共同は前回調査で支持が8・3ポイントの急落だったから、元に戻った形である。
世論の動向に詳しい明大教授の井田正道氏(計量政治学)はこう言う。
「調査項目を見ると、新型コロナウイルスに対する政府の対応について『評価する』が2月の前回より増えています。例えば朝日では34%→41%でした。クルーズ船で感染拡大したことで、『何やっているんだ』という不満が高まりましたが、その後、感染は欧米にも広がり、死者数も米国が日本を上回っています。ワイドショーなどでも『日本はまあよくやっている』などのコメントが散見されるようになりました。そうしたことが、支持率の上昇につながったのだと思います」
日本の感染者数や死者数が少ないのは、本来なら必要とされる人にウイルス検査が行われていないからだという疑いは消えていない。国会での野党の質問によれば、2月からの1カ月半に「帰国者・接触者相談センター」へ相談が寄せられたうちのわずか3%しか検査が実施されていないのだ。死亡後の検査で陽性が判明するケースもあった。つまり安倍政権は、検査をやらせない「隠蔽」によって、「日本はよくやっている」という雰囲気をつくり上げ、国民をだましている可能性が高いのだ。
五輪延期でも政権延命の思惑
そんな安倍首相がウイルスとの戦いを強調し、情緒論で「必ず勝てる」と叫ぶ欺瞞。16日夜に行われたG7の緊急テレビ電話会議後に、安倍は東京五輪開催について、「人類が新型コロナウイルスに打ち勝つ証しとして、完全な形で実現することについてG7の支持を得た」と意欲を見せた。「G7で一致結束してウイルスと戦えば必ず打ち勝つことができる」ということらしい。
「完全な形での五輪開催」とは何を意味するのか――。菅官房長官や橋本五輪担当相は、「予定通りの開催」と説明し、中止や延期を打ち消したが、政府や与党内では水面下で延期を想定した検討に入っているという。中止では日本経済への打撃が計り知れず、安倍の政治責任を問う声も出かねない。せめて延期ならという願望だが、そこには、五輪実施をコロナ禍からの“勝利宣言”として政権への追い風にしようという思惑まで見え隠れする。
実際、自民党内からはこんな話が聞こえてくる。
「五輪が1年延期なら、その直後に自民党総裁選と解散総選挙。五輪のお祝いムードで勝利できる」
「2年延期だと総裁選が先になるが、総裁任期を特例で1年延長して安倍総理に五輪をやらせてあげようという話になるだろう」
政治評論家の野上忠興氏はこう言う。
「五輪が2年後まで延期となり、その五輪を安倍政権下で行うのであれば、安倍首相が悲願とする憲法改正に時間的な余裕が生まれる。新型コロナ対策のための特措法改正で注目されることになった『緊急事態条項』を改憲項目にするなど画策しかねません」
自民党本部では17日、党大会を延期したことに伴う両院議員総会が開かれ、憲法について「改正原案の国会発議に向けた環境を整えるべく力を尽くす」という2020年運動方針が採択された。安倍は「一致結束して全力を尽くしていきたい」と挨拶。「コロナ勝利五輪」の先に、諦めかけた野望の目論見まで透けて見えるのである。
WHOは「検査、検査、検査」/(C)ロイター
「国難」で国民煽って情に訴える浅ましさ |
WHO(世界保健機関)のテドロス事務局長の16日の記者会見は、日本政府にとって耳の痛いものだっただろう。新型コロナウイルスによるパンデミックを抑え込むには各国による検査体制の強化が必要という認識を示したからだ。「目隠ししながら火を消すことはできない」「検査、検査、検査。疑わしい例は全て検査するのだ」と強いメッセージを出した。
「検査を多くすると感染者が増えて医療崩壊する」とか、「治療法がないのだから検査で陽性が分かっても何のメリットもない」などという理由で、「37・5度の熱が4日間続いた場合」などの条件をつけて検査拡大を避けてきたのが日本のコロナ対策だ。それでいて「日本は感染拡大を抑えられている」なんてアホか、という話なのである。
それでも安倍は、検査もやらずに「日本はコロナを封じ込めた」と勝利宣言するつもりなのか。安倍応援団の産経新聞が<団結し「国難」に立ち向かえ><事態沈静の後に「コロナウイルスからの復興五輪」を>と書いていた。安倍が北朝鮮のミサイルを「国難」と呼んで国民を煽って勝利した2017年の総選挙を思い出す。
「安倍さんは、情に弱い日本人の特性にうまく付け込んでいますね。度重なる北朝鮮のミサイル発射に『一致団結』と訴え、Jアラートを鳴らして国民に避難訓練までさせていた。あの時の“学習効果”により、今度の『コロナウイルスに打ち勝つ』という情に訴えるやり方になっているのでしょう。加えて、マスコミを押さえているのも大きい。8年という長期政権でマスコミはすっかり骨抜きになった。徹底的に批判されることはないだろうと高をくくっています」(野上忠興氏=前出)
本来は「桜」「黒川」で退陣だった
救いがたい緊張感の欠落と危機意識の欠如である。
安倍はこの通常国会で退陣に追い込まれてもおかしくなかった。「桜を見る会」の問題では、安倍後援会が主催した前夜祭の会費をめぐり、矛盾した答弁を連発。会場となったホテルに、宛名が空欄の領収書発行は「ございません」と完全否定され、慌てて「上様だった可能性」と取り繕う始末。前夜祭の明細書を出せば潔白が証明できるのに、かたくなに「ない」と拒絶するのは嘘つきの証明。国民もそれが分かるから、世論調査で安倍の説明に「納得できない」が、いまだ8割に達する。
東京高検の黒川弘務検事長の定年延長問題だって、森雅子法相の辞任と安倍の任命責任が問われてしかるべき大失態である。「東日本大震災の時に検察官が逃げた」と、検察を所管する法相が“個人的見解”を披歴し、謝罪・撤回に追い込まれた。謝って済む話じゃないし、そもそも法律違反の無理スジ定年延長を強行するから、マトモな答弁ができないわけで、定年延長の閣議決定自体が間違いなのである。
つい半月前まで青息吐息だった安倍は、世間の関心やメディアの報道がコロナ禍一色になる中ですっかり息を吹き返した。
モリカケ問題でもそうだったが、危機を利用して生き延びてきたのが安倍だ。毎度のごとく、“やってるふり”と精神論だけで、国民を煽り、欺いてきた。今回も「心をひとつに」「ワンチームで」の呼びかけで乗り切るつもりなのだ。
政治評論家の森田実氏が言う。
「現状では今夏に五輪が開催できるとは思えませんが、安倍首相は強がりを言い続け、延期や中止はWHOやIOC(国際オリンピック委員会)の責任にして逃げようとしているのでしょう。メディアが『説明責任』とよく言いますが、本来『責任を取る』とは地位を去ることです。『説明責任』は説明をして、責任を取らないという責任逃れの意味になってしまっています。それを地で行くのが安倍首相。内閣支持率が上がって、また横着になってきた。大嘘の原発事故『アンダーコントロール』発言で招致した五輪をまた政治的に利用する。やりきれないほどの卑しさです」
確かに、その浅ましさには、狂気すら覚えるのである。
日刊ゲンダイ
— 但馬問屋 (@wanpakuten) March 18, 2020
【株暴落 年金消失22兆円】
『透けて見える「コロナ勝利五輪」を目論む狂気』
「この首相、アタマは正気か」
「コロナ対応で内閣支持率が上がっているが、安倍政権がやったことといえば、検査をやらせない『隠蔽』しかない」
“それなのにウィルスとの戦いを強調、空疎と卑しさ…” pic.twitter.com/1JfTwArJOB
まだやる気? 透けて見える“コロナ勝利五輪”の政治的野望|#日刊ゲンダイDIGITAL https://t.co/QTB7iCudGT
— ⛵️motty⛵️ (@novtnerico) March 19, 2020