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稲田防衛大臣と国有地払い下げ事件の塚本幼稚園を結ぶ「生長の家原理主義ネットワーク」――シリーズ 草の根保守の蠢動 特別編
http://www.asyura2.com/17/senkyo220/msg/498.html
日本会議から出版差し止め請求された「日本会議の研究」の菅野完(すがの完)氏の寄稿 (今マスコミは彼の後追いをしている状況)
http://www.asyura2.com/17/senkyo221/msg/743.html
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日本会議から出版差し止め請求された「日本会議の研究」の菅野完(すがの完)氏の寄稿 (今マスコミは彼の後追いをしている状況)
http://www.asyura2.com/17/senkyo221/msg/743.html
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170305-00010000-bfj-soci&p=1
森友学園をめぐる大阪・豊中市の土地取引。そこで名前が上がるのが、安倍政権に近く、改憲を目指す日本最大の草の根保守団体「日本会議」だ。一体、どういう繋がりがあるのか。【BuzzFeed Japan / 籏智広太】
●連なる日本会議人脈
学園の理事長、籠池泰典氏は日本会議大阪の運営委員だ。購入した土地にできる「瑞穂の國記念小學院」のサイトに名を連ねる平沼赳夫衆議院議員(自民)は、「日本会議国会議員懇談会」の会長を務めている。
この小学校の名誉校長は安倍昭恵氏だった(辞任を表明)。夫の安倍晋三首相自身も日本会議国会議員懇談会のメンバー。政権閣僚の多くもそうだ。
●そもそも日本会議とは
日本会議は、宗教団体「生長の家」に依拠した右派学生運動の出身者たちが、事務局の中心メンバーを担っている団体だ。
保守運動に関わる複数の組織が集まって1997年に現在の形となった。署名活動や地方議会でのロビー活動をベースに運動している点は、1970年代から受け継がれている。
そうして、自分たちが望むさまざまな政策や政治的な運動の実現を後押ししてきた。例えば、「元号法制定」や「首相や閣僚による靖国参拝」。最も力を入れているのが、現在進行中の「改憲運動」だ。
●今回の土地取引に関わっていたのか
日本会議大阪は週刊誌報道に対する抗議文で、明確に関与を否定した。
「日本会議大阪はこのたびの土地取得に関して、全く関与していないことを表明します」
この抗議は、籠池氏が誌上で「日本会議大阪の代表」などと紹介されたことについて出された。内容はこうだ。
同氏は本会の「運営委員」として名前は連ねておりますが、「代表」ではありません。日本会議大阪の役職を持つことをもって、日本会議大阪が、森友学園の土地取得に係わっているかの印象を読者に与えるもので、事実に基づかない記述で記事を掲載することは到底、容認できるものではありません。
BuzzFeed Newsは、日本会議大阪に電話で取材を申し込んだが「抗議文以上でも以下でもない」との回答があっただけだった。
一方で、日本会議大阪議員懇談会の女性部長を務める大阪維新の会の辻淳子市議は、BuzzFeed Newsの取材にこう明言した。
「籠池氏は代表ではありません。日本会議大阪の勉強会などで籠池氏とお会いした覚えはないですし、幹部の方たちに紹介をされたこともありません」
2008年に塚本幼稚園で自民党の鴻池祥肇議員が講演会をした際、案内役として付いて行ったことがあるが、それ以外に直接的な関わりはないという。
日本会議を「日本を大切にしようとしている、盛り上げようとしている会」と表現する辻市議。今回の一連の問題をどう見ているのか。
「教育勅語や天皇陛下を大事にするという方向性は同じだとしても、政治家を使って土地取引をしようとしているわけでしょう。日本会議が関係していると思われたら迷惑です。イメージが悪くなりますよね」
●「動機も力もない」
日本会議は本当に関与していないのか。ベストセラーとなった「日本会議の研究」の著者で、今回の問題についても早くから調査を進めている著述家の菅野完さんはBuzzFeed Newsの取材にこう語る。
「今回の土地取引に、日本会議が関わっているとは思えません。彼らがそれをする動機も、力もない」
そう考える根拠としてあげるのが、次のような点だ。
「彼らは実直に、極めて真面目に活動をしてきました。また、緩やかなイデオロギーによって、さまざまな宗教団体などがつながってできている組織です。仲間割れするようなお金の話題は、基本的にしません。だからこそ、こういう土地取引のようなことをするはずがない」
これまで様々な政策を実現させてきた「署名活動や、地方議会でのロビー活動」などの手法と今回のケースは明らかに違う、というのが日本会議を長年研究している菅野さんの見解だ。
●「愛国保守」で繋がる人脈
籠池氏は、日本会議と自らの関係性について、週刊朝日のインタビューにこう答えている。
「日本会議の教育理念は私が実践していたのと同じだが、こちらが先にやっていた理念、考えは一致しており、一緒に行動している」
前述した通り、日本会議の中枢には、宗教団体「生長の家」が元来抱えていた「ウルトラナショナリスティック」な教義に忠実なメンバーたちがいる。
現在「宗教法人生長の家」の本体は、すでにその路線を放棄している。それゆえ、菅野さんは日本会議の中核メンバーを「生長の家原理主義者集団」と表現する。
彼らは生長の家創始者・谷口雅春氏に関する雑誌「谷口雅春先生を学ぶ」を発行している。この2004年5月号に、学園理事長である籠池氏の妻・諄子氏が登場しているのだ。
また、その前年には、雑誌にまつわる講演会が、森友学園の運営する「塚本幼稚園」で複数回開かれたこともわかっている。
その関係は、いまも続いているようだ。2016年10月、森友学園に「感謝状」を贈呈したとして問題視された稲田朋美防衛相。彼女も「谷口雅春先生を学ぶ会」の講演会に登壇したことがある。
これらの関係性を調査してきた菅野さんは、こう結論づける。
「籠池氏は、確かに人脈を持っている。ただ、今回の土地取引と関係しているものではありません」
日本会議の中枢につながりを持ち、「生長の家原理主義」の思想に心酔してる籠池氏。ただ、それは今回の土地取引との関わるものではないというのが、菅野さんの見立てだ。
「籠池氏のようなエキセントリックな人が、社会である一定の地位を保とうとするとき、日の丸や君が代など、愛国心などの大義名分は非常に便利です。そういう人が日本会議に引き寄せられる」
そうやって大勢が集った結果、本来の日本会議とは違う動きが周辺で起きているという。
「餡まんで例えれば、餡の部分に日本会議の中枢がいて、最近は、ほかの白い部分がどんどんと拡大している。もう、極限まで。その白い部分の中で起きているが、今回の土地取引をめぐる問題だと思っています」
●実際の教育に色濃く反映
では、そんな籠池氏が園長を務める「塚本幼稚園」は、いったい、どういうところなのだろうか。
教育勅語を園児たちに暗唱させ、運動会で「安倍首相がんばれ」「中国・韓国が心改めるよう」などと宣誓させている姿は、すでに報じられている通りだ。
「大人の人たちは日本が他の国々に負けぬよう、尖閣列島、竹島、北方領土を守り、日本を悪者として扱っている中国・韓国が心改め、歴史教科書で嘘を教えないようお願いいたします。安倍首相がんばれ!安倍首相がんばれ!安保法制国会通過よかったです」
そんな園に子どもを通わせていたことがある保護者に、BuzzFeed Newsは取材をした。本人たちの強い要望を受け、すべて匿名とする。
保護者の一人は困惑した表情で言う。
「なんだか政治じみてる、宗教じみてるなとは感じていましたが……」
そもそもなぜ、「教育勅語」や「愛国心」など他園とは大きく異なる教育方針を掲げている幼稚園に、子どもを入園させようと思ったのか。
そう問うた際、保護者の見解はみな同じだった。
「英語教育や豊富な課外活動、厳しいしつけ、体に優しい給食、かわいいバス。幼稚園の宣伝に出ているものは、むしろ先進的なイメージだったんです。教育勅語ぐらい、目をつむれると。メリットが大きいですから」
「さすがに、中国人や韓国人が悪いなんて子どもに言わせているとは思ってはいませんでした。だって、学校法人ですよ。伝統もあるし、まさか変なことをさせるなんて……」
教育勅語を毎日読まされること。夏休みの宿題として、五箇条の御誓文を覚えさせられること……。それはまだ、許容範囲だった。
「3、4年の辛抱だと思って……」
それ以上のことについて、親たちから見る園はブラックボックスだったという。
●保護者向けにも講演会
籠池氏の思想が保護者に向けられることも多かった。
例えば、安倍昭恵氏が登壇したことで話題となっている「保護者向け教育講演会」。ゲストスピーカーは、錚々たる面々だ。
百田尚樹氏、櫻井よしこ氏、田母神俊雄氏、曽野綾子氏……。保守論壇の中心的な人物や、日本会議との関係が深い人たちの名前がずらりと並ぶ。
明治天皇の玄孫である竹田恒泰氏の「私の憲法論」を聞いたという母親はこう語る。
「3時間くらい昭和天皇の話をされました。ほとんど内容は覚えていませんが。幼児教育の話なんて、一切なかったですよ。椅子も園児用でつらかったです……」
講演会にとどまらない。保護者に配られる一見普通の「園長のごあいさつ」にも、こんな文章が書かれていた。
「やはり中共から資金援助を受けている政党がまことしやかに日本人の顔をして日本国をそれを構成する日本民族を分断しようと活発に動いています」
「日本民族のDNAが日本国にとって良き方向になるよう優れた先人たちの想いが安保法制を通過させることでしょう」
副園長(籠池氏の妻)から、手紙に「子どもにコーラやファンタを飲ませたそうですね。韓国人は整形したり、そんなものを飲ませたりしますが、日本人はそんなことをしない」と書かれた母親もいた。
一人の母親は、そんな園の様子を「戦前の日本を意識しているようだった」と評する。
「女は家のことと子育てをしていればいい、というような価値観もあったんです。子どもが園で泣き出すだけで、副園長から『母親としてどう教育しているんだ』と怒鳴られたこともありました」
●「中国人が嫌い」という園児
子ども達は、家でもおもらしをするようになったり、具合が悪いと「ごめんなさい」と泣き出すようになったりした。
「当時は、子どもがただ、新しい環境に慣れていないと思っていたんです」
動揺を見せる子ども達。だが、園に子どもを通わせている間は、園の方針に反対することはほとんどなかったという。
「子ども達への洗脳もあったけれど、保護者もやっぱり、洗脳されていたのかもしれません。いまでも通わせている人たちには、(籠池氏の)『信者』がたくさんいますよ」
PTA会費の不透明さを追及してやめさせられたり、教育方針をめぐって口論となってやめさせられたり。ほかの園に行ってから、「異常さ」を認識したそうだ。
ある母親は、こうつぶやいた。
「日本会議だとか、生長の家とか。こんなカルトみたいなところだと知っていたら、最初から入らせなかったのに。あのまま行かせてたら、子どもがどうなっていたのか、分からないですよ」
子ども達は染まりやすい。年長になると「中国人が嫌い」というような園児が増えていたという。
すでに退園をしている子どもたちも、森友学園の問題を報じるテレビで「教育勅語」が流れると、思わずそちらを振り向いてしまうそうだ。
今回取材に応じてくれた保護者のうち、在日コリアン3世の母親は、こう語った。
「塚本幼稚園で教育を受けた子ども達が地元の小学校に来るかもしれないと思うと、私の子どもが差別を受けるのではないかと、怖くて仕方ありません」
**********
稲田朋美防衛大臣虚偽答弁スクープの裏側 - 森友学園・籠池泰典理事長独占インタビュー顛末記
https://news.yahoo.co.jp/byline/akazawatatsuya/20170315-00068712/
赤澤竜也 | 作家 編集者
3/15(水) 6:38
稲田朋美氏の虚偽答弁騒動を巻き起こした作家・菅野完さんによる「籠池泰典氏緊急独占インタビュー」。この取材が行われた長い一日を随伴者として同行した立場から書き起こしてみる。まずは以下のサイトの菅野さんの投稿を読んでもらいたい。
【森友学園問題】籠池泰典氏 緊急独占インタビュー! あの会見で語れなかったこと
https://hbol.jp/133139
●不倶戴天の敵同士が醸し出す不思議な雰囲気
今回の森友学園問題で常に取材の先頭を走ってきた菅野さん。批判の筆鋒はするどく、彼がメディアに提供した塚本幼稚園の軍国主義的教育の映像は数週間にわたってワイドショーを賑わした。
そんな菅野さんが森友学園の創立者である森友寛氏の仏前で手を合わせている。その横には御年82歳となる未亡人の佐代子さんがちょこんと座り、その前には籠池泰典理事長の長男・佳茂さんがあぐらをかいている。本来なら刺し違えてもおかしくない2人。なぜか同じ空間で静かに座っている。なかなかシュールな光景だった。
森友学園問題の取材を続けるなか、僕は主に塚本幼稚園での人権問題にフォーカスして記事を書いてきた。取材対象は菅野さんから紹介してもらった元保護者の方々だ。お話を聞かせてもらった5人はいずれも魅力的でパワフルな人ばかり。物証があるうえ、証言も極めて具体的であり、信憑性は高かった。
事の次第を確かめるため籠池泰典理事長に取材を申し込んだものの、受けてはもらえなかった。仕方なく2月17日の午前7時半、自宅前で直撃。その後、報道合戦が過熱していくと、さらに聞きたいことがでてきたため、再度自宅前で張り込んだ。3月9日の「瑞穂の國 記念小学院」の視察立ち会いの際は、ほかのメディアとともに敷地内で籠池理事長にボイスレコーダーを向けた。そんな僕もずっと追い続けていた籠池家の人たちと同じ空間でお茶を飲んでいる。不思議な感じがした。
●八方ふさがりの出口戦略
「ちょっと、ご相談があります」
菅野さんから電話をもらったのは3月11日の夜だった。
私はそれまでの取材に際し、菅野さんから数多くの情報提供を受けていた。ネットメディアから彗星のように論壇へのデビューを果たした菅野さんは既存メディア出身の記者のように情報を囲い込まない。ひたすら出して出して出し続けることにより、彼のもとに最新の情報が集まってくる。まったく新しいタイプの書き手である。
とはいうものの、もらうばかりでは申し訳ない。少しは恩返しがしたいと思っていた矢先だったので「喜んで手伝わせてもらいたい」と答えたのだった。
その夜は籠池理事長の長男である佳茂さんと三人で会った。前日、父親と並んで「瑞穂の國記念小學院の認可申請取り下げ」の記者会見場に登壇し、目もくらむほどのフラッシュを浴びた佳茂さんはさすがに疲労困憊の様子だった。これまでずっと表に出て来ていなかった佳茂さん。
「結婚相手のことで、親と仲がよくなかったという報道は事実です。でも、もうこういう事態に立ち至ったからにはほっとけませんから……」
悲壮な決意が感じられた。
翌日12日の朝10時、今度は佳茂さんのほか経営コンサルタント・川田裕介さんを交えて四人で懇談した。川田さんは3月2日発売の週刊文春にて「安倍晋三記念小学校"口利き"したのは私です」と実名告白した人物だ。
当初、川田さんは国有地8億円値引きの問題から安倍首相を引き離すため、官邸サイドの意向のもと記事作成に協力したとにらんでいた。タイトルには安倍晋三と打っているものの、中身を読んでみると「鳩山邦夫事務所 参与」の名刺で統括国有財産管理官に会ったということになっている。まさに死人に口なし。政治的な意図を持った告白記事だという認識だった。
ところが川田さんの話を伺っていると、彼の目的はまったく違うところにあったことが判明する。彼はマスコミの集中砲火から籠池家を守るため、あえて火中の栗を拾いにいっていたのである。
「私には小さい子どもも妻もいます。それにこんなことをしても何の得にもなりません。そりゃあ、随分迷いましたよ」
川田さんの説明は極めて合理的であった。強い信念に基づいた行動であったと知り、みずからの不明を恥じた。
会合では森友学園がどうなっていくのか、今後どうすべきなのかについて話し合った。小学校の開校はさておき、経営する幼稚園や保育園でも補助金の返還問題が取りざたされている。予想されるであろう事態は暗いものばかりなので、重たい雰囲気が漂っていた。
●テレビ的にはもう終わりですかね
そもそも9日の「瑞穂の國 記念小学院」の籠池理事長による視察立ち会いは完全な見世物と化していた。ワイドショーの時間帯に姿を現した籠池理事長は数多くの疑念には答えることなく自説を開陳。その様子は派手なナレーションとともにお茶の間に流された。夜のニュースでは、視察の際の映像の後、大阪府私学課の吉本課長が「同席していた籠池氏の妻が『マスコミに情報を流出させたのはあなたか』と職員のひとりを指さし、カメラ付き携帯電話で撮影。やめるよう何度も求めたが応じなかった」と話す様子が続く。
奇矯な性格の夫婦が引き起こした混乱劇。誰もが「こんな人たちに学校経営などできるはずがない」と感じただろう。確かにわかりやすい。そして次の日の森友学園側による「認可取り下げ」記者会見。こちらの方もまた100人を超えるマスコミが集まり、生中継された。籠池理事長は「マスコミに袋だたきにされ、報道が加熱して園児や保護者のプライバシーに危険が及ぶと感じた」とメディアへの恨み節を開陳。さらに独特の歴史観も披露するなど、こちらの方も視聴者に特異な印象を残してしまう。
会見が終わってから某テレビ局のディレクターはこういった。
「今回はなかなか、おいしい取材でした。でもテレビ的にはもう終わりって感じですかね」
おいおい、ちょっと待てや。そりゃあ、視聴率が大事なんはわかるでぇ。民放やもんね。でも、今回の件って森友学園だけが糾弾されて終わる話なん? 責めを負うべきは籠池夫妻だけなん? もっともっと隠された大事なことがあるんとちゃうのん……。
●創立者、森友寛の霊に突き動かされて
冒頭の部分に戻る。川田さんが所要のため、抜けた後、われわれ三人は佳茂さんの祖母、森友佐代子さん宅へと移動していた。藍綬褒章を受賞するなど、地域の幼児教育に多大なる功績を残した森友学園創立者・森友寛の暮らした家でもある。
籠池佳茂さんは祖父の思い出を語る。「いまの僕はずっとおじいちゃんにつき動かされているんです。僕はやっとわかりました。今日のこの日のために僕はいままで生きてきたんです」。籠池家を、そして幼稚園を守ることこそ自分の天命なのだというのだ。
さらに森友佐代子さんが先代との長い長い年月を語った。暗かった晩年の寛氏のことや、籠池泰典理事長と諄子夫人のなれそめなど、興味深いヒストリーについては菅野さんの筆を待とう。
午後3時を回ったころ、佳茂さんは立ち上がり、「親父の話、菅野さんしか理解できへんかも。豊中、行こ」と言い放つ。そしてわれわれは佳茂さんの運転する車に乗って豊中の籠池邸へと向かったのだった。自宅へ乗り込むと、菅野さんの記事にあるよう、押し問答が繰り広げられる。理事長は「君はなんの権利があってあそこまでするんだ、いくらなんでもやりすぎだろう」と叫んだ。
ようやく両者が椅子に座り、話し合いが始まる。ここからが菅野さんの真骨頂。あれほど激しく攻撃をしていた籠池理事長の懐に飛び込み、いけしゃあしゃあと、いや胸襟を開いて説得にあたる。次第に心を開いていく理事長夫妻。だんだん丸め込まれて、いや理解を示していく。その胆力と人たらしの能力には瞠目せざるを得ない。
さらに籠池夫妻をメディアから守るための様々な秘策を伝授。その語り口調は同行者である僕でさえ引き込まれてしまう。「菅野さん、怖いやっちゃなー」と思っていた矢先、塚本幼稚園の副園長である諄子夫人は叫ぶ。「あんた、ホンマに悪知恵が働く男やなー」。思わず僕も同調する。「ホンマにそうですねん」
●もしかしてスクープ?
面談のなかで稲田朋美大臣の話がでた際のこと。
「まあ、稲田先生はうちの顧問弁護士でもあったし」
「えっ」
「顧問弁護士やったし」
「龍示さんでしょ」
「まあ、両方やな」
「紙、ありますのん?」
「ここにはないけど、幼稚園にあるよ」
われわれは目が点になった。こりゃ大変や。ビッグニュースやがな!
菅野さんは動画でのインタビューを提案した。彼のロジックはこういうものだった。
かつて塚本幼稚園で講演してその教育を絶賛していた鴻池祥肇参議院議員は悪し様に「オバハンオバハン」と諄子副園長を罵った。昨年の10月22日に感謝状を贈っていた稲田朋美防衛相は森友学園問題が浮上すると、「面識はもちろんありましたけど、10年ほど前、大変失礼なことをされたということがありまして、それ以来、私は関係を絶ってきているということでございます」と突き放した。
今まで褒めそやしていた仲間がいざ窮地に陥ると、後ろ足で砂をかけて去って行く。平気で水に落ちた犬を打つ。そんな人間たちが「美しい日本」などとカッコイイことをのたまっている。
このままでは「籠池夫妻という特異なキャラクターがしでかした混乱劇」という形での幕引きとなってしまうのではないか? 事件を矮小化して責任をすべて森友学園に押しつける気ではないのか? このまま全部ドロを被って静かに隠遁生活するおつもりなのか?
籠池泰典理事長は事態を少しでもいい方向に展開させるため、持論を述べた方がいいだろうと判断し、インタビューを受けることを納得してくれた。
●森友学園の"女帝"の素顔
豊中のご自宅にわれわれが滞在している間、理事長は常に静かに話していた。その一方、諄子副園長のテンションは高かった。
とにかく声が大きい。僕の前に「これ、食べ」と言ってマドレーヌを持ってきてくれるのだが、手をつけないとわざわざ袋を開けて「はい、食べ」と促してくれる。ありがたくいただくと、また5分後には「これ、食べ」といってマドレーヌの袋を開けてくれる。数十分後には私の前にマドレーヌの空き袋が散乱していた。親切の押し売りと言うか、とにかく愛情表現過多なのだ。
佳茂氏は「愛の爆弾」と表現していたが、マンガみたいな人である。
面談の最中でもちょいちょい面白コメントを挟んでくる。
「菅野さんって常識ある人やねんなぁ。わざとアホみたいになっとったんやね」とか、
「鴻池さん、オバハン、オバハンって、そりゃ私はオバハンやけど、言い方が気に喰わんねん。アンタ、なに笑ってんねん」バシっとぶったたいたり、
菅野さんが「忙しすぎて、この鴻池先生の面談記録の処理ができなんだ」と言うと、
「私を追及するのに忙しすぎてな」と突っ込んできたり……。
菅野さんは籠池理事長とインタビューのコンテについて打ち合わせに入った。その間、僕は諄子副園長との雑談タイムを持つことができた。
3月9日売りの週刊文春「安倍晋三記念小学校『無礼オバハン籠池諄子夫人』と昭恵夫人の嘘」の記事を見せると「見てこのブサイクな顔、わたしこんな変な顔? むちゃくちゃ悪者になってるねん。ひどいわぁ」と大声を上げる。記事を読みながら「あー、これウソ、これウソやで、私が警察署で2日間勾留されたって書いてるけど、ホンマは18日間やねん」、「あー、年齢も間違ってる。なにが57歳や、60やがな」と自分が不利になるような情報でも平気で開陳する。
僕が「妻は(近畿財務局で)表情を一変させ、突然机をバンバン叩きながら『話になんないわ!』と怒鳴るなんて書いてありますよ」と言うと、「うん、確かに机を叩いて言うたった。だって腹立つねんもん」。とにかく開けっぴろげでいちいち面白い。直情的というか、直球しか投げられない人なのだ。
僕は塚本幼稚園を強制的に退園させられた元保護者の方々の話を聞いている。先にも書いたよう、誰もが園の仕打ちに対して心から怒っていて、その言葉には説得力があった。一方、目の前にいる諄子副園長が悪人であるようには見えない。感情の起伏は激しいようなので、もしかしたら怒りモードになると、フルスロットルで炸裂してしまうのだろうか?。諄子副園長の様子を見ていると、塚本幼稚園でなにが起こっていたのか、より一層わけがわからなくなってきた。
●いよいよインタビュー開始
8時半を過ぎ、いよいよ撮影開始の段になった。お嬢さんが櫛を使って理事長の髪を整える。そして諄子副園長と手を握り合って菅野さんの第一声を待った。その姿は誇りに思う夫、そして父親を気遣う仲の良い家族のものだった。
自宅にお邪魔する前、菅野さんはこんなことを言っていた。「籠池理事長が奥さんを見るときは目つきが必ず優しくなる」と。そして、実際にそうだった。「夫婦相和シ」を実践していることだけは確かなようだ。教育勅語を推奨しながらも、政治資金を愛人に突っ込んで逮捕された元航空幕僚長とは大違いである。
それほど大きくはない豊中の家の前には常にマスコミが張り込んでいる。前日までは僕も向こう側にいた。あらためて、衆人環視のなか部屋に閉じこもりながら新聞テレビでの連日の報道を目にせざるを得ない立場をおもんばかった。僕は加害者の側なので、こんなことを言う資格などまったくないのだが、それでもメディアスクラムに押しつぶされるご家族の心痛、親御さんを守らなければならないという子どもたちの悲壮な決意を実感せざるを得なかった。
理事長夫妻が命がけで取り組んできた小学校開設が風前の灯火となり、母体である塚本幼稚園は櫛の歯が欠けるように園児が去っていっている。森友学園は籠池泰典理事長が退任し、長女の町浪(ちなみ)さんが後継者になると発表した。課題は多かろう。訴訟案件にもなっている元保護者とのトラブルを一日も早く解決し、正常化することはできるのだろうか?
14日になって大阪府が刑事告発を検討しているとの報道も飛び込んできた。しかし、ここは要注意である。大阪府の私学審議会は誰が見てもおかしな認可のプロセスを踏んでいる。その部分の闇が解明されぬまま、「籠池ファミリーという風変わりな人達の引き起こした学園事件」というフレーミングされた形での幕引きを図ろうとするのは許されない。
政治家がかんでいるのであれば、その政治家の、もしそうでないのであれば、みずからの覚えがめでたくなるよう忖度した役人の責任が問われなくてはならないのだ。
ビデオの収録を終えると諄子副園長が食事を用意してくれた。温かいにゅうめんは美味しかった。いざ辞去する段になると、諄子副園長は玄関先に土下座し、床板に顔をこすりつけながら「ありがとうございます。よろしくお願いします」と叫んだ。最後までオーバーリアクションは健在だった。
収録前に籠池理事長の放った言葉が印象に残っている。
「日本会議のバッジ、ほら、してないだろ。外したよ」
ヨ
赤澤竜也
作家 編集者
大阪府出身。慶應義塾大学文学部卒業後、公益法人勤務、進学塾講師、信用金庫営業マン、飲食店経営、トラック運転手、週刊誌記者などに従事。著書としてノンフィクションに「銀行員だった父と偽装請負だった僕」(ダイヤモンド社)、「内川家。」(飛鳥新社)、「サッカー日本代表の少年時代」(PHP研究所・共著)、小説では「吹部!」(飛鳥新社)、「白球ガールズ」(KADOKAWA)など。
http://www.asyura2.com/17/senkyo222/msg/611.html
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Confessによる「森友問題証人喚問前に 菅野完」動画 要点書き起こし (ネットニュースMTM)
2017/3/22 社会
菅野完氏の、籠池氏の証人喚問前におけるインタビュー動画がアップされていました。
勝手ながら拡散の意味も込めて、本筋に関係があると思われる点について、おおまかに書き起こしてみました。
聞き取り間違いがあるかもしれませんが、あくまで動画が本ソースであるということで、ご理解お願いします。
あと個人的に文字の装飾をしていますが、これはわたし個人で強調したもので、動画の本筋と関係はありません。
動画本編では、菅野氏自身の現状に対する気持ちも語っておられます。そちらはぜひ動画をご覧ください。
•今の籠池さんを表現するのにもっとも適当な言葉は「カルト脱会者」なんですよ。
•おそらく自由民主党はそういうことは無視するだろうけども、ぼくは彼は立ち直りつつある人間なんだというメッセージを、ぼくの知ってる野党議員および自由民主党の議員には伝えていくつもり。
•籠池本人よりも、おれは政治家をみたほうがええと思う。何の質問をするか。
•これが人権問題だってことがわからん人間はね、党派とか陣営関わらずね、近代国家で国会議員をしててはいけないと思うの。
で、その批判的な目というのは自由民主党の政治家だけじゃなくて、すべての党派の政治家にぼくは同じく批判的な目線が注がれるべきだと思ってて、籠池がどういう手段に出てくるかぼくももう全然予想もつかないし、おれがペットみたいに預かってるわけでもないわけで、よくわからんけども、いかに彼がトリッキーな存在でトリッキーな発言をしようともやっぱり質問側に立った与党野党問わず国会議員がどういうスタンスで籠池に接するかというのは、ぼくはかなり重要なポイントだと思う。何が語られるかではなくて。そこを見てほしいっすね。
•(教育勅語の暗唱だとか)あれをみんな籠池さんの思想からきてると思ってるでしょ? そうじゃないんですよ。それが時代の風だと思ったわけですよ。今の時代はこれでしょ、と彼なりに思ったわけですよ。ネトウヨなの。いい意味でも悪い意味でもネトウヨでしかないの、あの人。で、今あの人はネトウヨってバカだったんだってことに今気づいたわけですよ。ほぼほぼ完璧に気づいてる。
•頭がいいか悪いかでいえば、籠池は極めて頭がいい人物です。その頭がいい人物が、教育勅語をやらしたり、軍歌を歌わしたりするのが今の時代だろと思ってやったのが、塚本幼稚園なわけですよ。
•で、本当に恐ろしいことは、政治家の口利きがあったかどうかではなくて、籠池の言葉を借りると、「ある日突然風向きが変わった」って言うの。小学校設置認可の過程がね。
で、もしそれがね、籠池も誰も金なんか払ってない、政治家も口利きなんかしてないとおっしゃるとすると、この幼稚園は学校で軍歌を歌ってるとか教育勅語をやってるということを見て役所が、「だからそういう幼稚園が作る小学校だから」という忖度と、自分の上司が迫田理財局長が安倍の腰ぎんちゃくとして有名な人間で、安倍の顔色を見なきゃいけないという状態で、そういう忖度を始めたとしたら、これは政治家の口利きがあることよりもだいぶ怖いこと。みんな誰が何言ったかわからないけど、とりあえずこれが今の時代でしょっていうあやふやな根拠で、いろんなことを進めちゃってるっていうのが怖い。本当に怖い。
•これはあまりにも「ニホン」的な事件なんですよね。みんななんかわかんないけどこれはちょっと、官僚の言葉を借りると、「マル政案件」だって話になって、腫れ物に触るように書類を触って、斜めにしか押せないハンコをまっすぐに押しちゃったりとかってことを積み重ねてくるっていうのは、どこの会社でもあることですからね。それがやっぱりいちばん怖いですね。
で、その怖さをどうするかっていうとね、今の「ニホン」では流行らへんのかもわからんのやけど、「みんないっぺん杓子定規に戻ろうよ」って思うよね。もう、法律に書いてある以上はできないと。それ以外のことはできないんだっていう。そこを曲げてみたり新たな解釈やってみたりあるいはたとえばホリエモン的にレギュレーションとレギュレーションの間をみつけて真ん中を走っていくのがクレバーだっていうのは、おれは絶対間違いだと思う。
法律は法律だから、で正義は正義だから、正論は正論だから、っていうところで、杓子定規に戻るというのが、おれはもうめっちゃ今回の事件で自分の中でも痛感したことですね。
•さっき、あまりにもニホン的な問題だって言ったけど、あまりにニホン的な構造の中で、ぼくが見てると、ドラマで言うとこれよくあるプロットでベタなプロットだからっていって批判してるわけじゃなくて、ホームドラマなんだからよくあるベタなプロットでいいんだよと。あるいはもっというと時代劇だから、よくある勧善懲悪パターンでいいんだよと。難しいことを考えずに素直にそれをやればいいんだよと。
そういう意味では日本的な構造で、日本的な構造の批判をすればいいんだけども、着ている服がね、登場人物、ドラマで言うと着ている衣装さんが異質におかしいんですよ。まとってる雰囲気が。
で、それはぼくが認識している「ニッポン」とかね、あるいは「ニホン」とかね、ニッポンとニホンはぼくの中では違うんだけども、ぼくが認識してるニッポンとか、ぼくが認識してるニホンとか、つながってはいるんだろうけどもあまりにも「しな」が下がるというか、下品すぎるものなんですよね。で、「それが日本の土俗だよ」って言われちゃうとそれまでかもわからんねんけども、あまりにもなんかね、粗末に過ぎるんですよ。
たとえばね、今回の事件、2月の9日に朝日新聞がスクープしたのがきっかけだけども、あれも9億の金が1億になって、8億の金がどっかにいった話でしょ? で今騒いでるのは100万円を寄付されたって話じゃないですか。
これ田中角栄の時代からそれぞれゼロふたつ違うよね。
8億の金で全国民がピーピー言うてるって、で100万の金寄付もろたからって、たかだか100万の金を寄付もろたからってピーピー言うてるって、どんだけニホンは貧乏になってんと。
そういう意味でも、稚拙な教育勅語賛意化であったり、稚拙な愛国ごっこであったりというのをみると、台本はありきたりでもええと認めたところで、登場人物の立ち居振る舞いであるとか、着ている衣装があまりにも学園祭レベル。あまりにも学園祭レベルっていうところの悲しさってのはある。
•(森友問題に)デモとかスタンディングとか、抗議集会とか加わるとね、最強ですよ。死の商人として爆弾を仕込むのはぼくらの業界の務めですからね。それはネタはなんぼでも仕入れてきて出すものは出していくけども、そこはこれを見てはるみなさんみたいな人たちが、直接行動に出るってのが、おれめちゃくちゃ重要や思うね。
•こんなこと起こったら今ごろ官邸何十人と取り囲まれてて、それでちょうどくらいやとおれは思うけどね。
http://www.asyura2.com/17/senkyo222/msg/749.html
当方、ITに弱いのでお願い。facebookのアカウントがない方も見れるように、どなたかYouTubeなどにしていただけないでしょうか?
https://www.facebook.com/murakamisatoko2013/posts/756259281203366
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ツイートより↓
菅野完氏の最新講演(3月25日)共有させていただきます。森友学園の問国有地問題よりもっと大事なポイント題が改めてよく分かる。とにかく話が面白い。そして国有地問題よりもっと大事なポイントが語られている。必見です!菅野氏の新しい本が早く読みたい今日この頃。
taiyakikun1977 (はちべえ) - 4:12
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* 参加された方のレポートも見つけました。
http://blog.livedoor.jp/ura_sta/archives/19807305.html
報告*3/25(土)菅野完さん講演会「森友学園問題から森友事件へ」
2017年03月26日
※行った方の報告を随時追加してまいります
報告:momoさん
戦後72年アジアとともにパネル展で
企画した菅野氏の講演会に行ってきました。
S_5835840118911
当初は彼の著書から「日本会議の動向」がテーマ。
この1週間、すっかり時の人になられた菅野氏のお話は
コムナーレ第15会議室に臨時の椅子が用意されたほど盛況でした。
テーマ変更「森友学園問題から森友事件へ」
政治家があからさまはウソをついているのはそうせざるを得ないからである。
100万円渡したこと自体には問題がないといえばないのに
隠したいことがあるからウソをつく。
日本の教育のゆがみをそのままあらわしたような森友学園、
そこで行われていた教育を熱烈支持していたことを隠したい安倍総理。
森友問題には三つの視点がある。
1国有地売却の不明瞭 元財務局長迫田
2私学審議会の判断の不可思議 松井府知事
これらについては菅野氏は記者クラブなどにも属していないので近づけない。
3森友学園そのものの危うさ
菅野氏は籠池氏にだけは近づける(比較、迫田、松井)
森友の行っていた政治活動、差別、虐待について今後書いていく
籠池氏は日本会議の考えていることを具現化した小学校を作るのが悲願。
先代ができなかったことを自分ができるかもしれないと思ったのは
教育基本法改正法案が通った2006年。
「神風が吹いた」、時代の潮流に乗って、自分に学校が作れると。
籠池氏はレイシストである、それに共感していて
(100万円渡すような)者がこの国の総理をやっている。
このあからさまな悪を許してよいのか。
これは「人権問題」である。
安倍やめろ、よりもむしろ「差別」やめろ、と展開してほしい。
安倍がやめても政治の構造が変わらないと同じことを繰り返す。
これがつづくと腐敗しきって戦争で破滅する!か
市民の声を高めて構造を変えるか、どちらかだぞ〜(アジ)
・・・要約終わり・・・
森友の土地のとなりに大阪音学大学があり、
そこがキャンパス拡張のために7億円提示して買おうとしたが
蹴られていた、とか知らなかったことも知った。
教育基本法改正で教育を国家の権利と変えてしまったことと
そのころの敗北感を忘れていたことを責められたような気もする。
ひとたび許せばそちらに流れる、あ〜いやだ。
許してないが、この10年の間にどれだけのとんでもない強行採決があったか。
菅野氏は籠池氏をこれから半年で転向させる、と言っていた。
籠池氏はともかく、菅野氏が足元をすくわれて
発言を取り上げられなくなるようなことがないように、
となんだか息子を心配するようなハハの気持ちにもなった。
http://www.asyura2.com/17/senkyo223/msg/107.html
t.co/mhk2nrGQhf 一人でも多くの国民がこれを見ることを願います
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3・25 菅野 完が日本会議と森友問題について語る!2017年3月25日 18:30〜20:00 埼玉・浦和 Masamichi Tanakaさんがライブ動画を作成 scontent-nrt1-1.xx.fbcdn.net/v/t42.9040-29/…
tachitora (立木寅児) - 59分前
管理人様
お世話いただきありがとうございます。今回、私の投稿
http://www.asyura2.com/17/senkyo223/msg/107.htmlにてんさい(い)さんの作成してくださった動画を挿入していただき、感謝します。なんというコラボレーション!
ひとつ、お願いがございます。
はちべえさんのツイートが貼り付け作業中に変になってしまってたのに気づかず、
そのまま発信していました。思いがけず、TOPページにリンク付けしていただいたので、もし可能なら下記が正しいものですので入れ替えていただければ幸いです。せっかくの素晴らしいツイートが私のミスで台無しで心苦しいのです。ご検討よろしくお願いいたします。
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菅野完氏の最新講演(3月25日)共有させていただきます。森友学園の問題が改めてよく分かる。とにかく話が面白い。そして国有地問題よりもっと大事なポイントが語られている。必見です!菅野氏の新しい本が早く読みたい今日この頃。
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20170404-00009378-jprime-soci&p=1
週刊女性PRIME 4/4(火) 16:30配信
「本人が逃げ切れると踏んでいるかわかりませんが、手をつけられないほど子どもっぽくなっています。官邸サイドも手を焼いているようです」
と、ジャーナリストの大谷昭宏氏は明かす。
本人とは安倍晋三首相(62)のこと。大阪市の学校法人『森友学園』に約8億円引きで国有地が払い下げられていた問題は、籠池泰典前理事長(64)の証人喚問によって安倍首相夫妻に疑惑の目が向けられたままだ。
●籠池氏を告発しろ
100万円を寄付していないのは本当か。昭恵夫人(54)が講演料10万円を受け取っていないのは確かか。夫人付の政府職員が籠池氏に送信したファクス回答が明るみに出たことで、国有地払い下げに関与していないとは言えなくなったのではないか─。
首相は、もし夫妻の関与があれば辞任し、国会議員も辞職すると約束している。
野党は「昭恵夫人を国会の証人喚問に呼ぶべきだ」と主張し、安倍首相は「その必要はない」と繰り返して議論は平行線をたどってきた。国会は政府・与党が数の力で牛耳っており、頼みの野党は疑惑追及の攻め手にとぼしい。
安倍首相の逃げ切りか─。
そんなムードが漂い始めてきた中、この膠着状態を断ち切ったのは安倍首相だった。
「首相が“籠池氏を偽証罪で告発しろ”と騒ぎ始め、官邸サイドも自民党もストップをかけられない。10年前に政権を放り出したときと同じで、みんなで寄ってたかって……と被害妄想に陥っているようです」(前出の大谷氏)
首相のスポークスマンである菅義偉官房長官は3月28日、参院決算委員会で籠池氏を告発する可能性について「(証言が)事実と違っていたらそうなる」と答弁。自民党総裁特別補佐の西村康稔衆院議員も同日、偽証の疑いがあるとして「国政調査権の発動も視野に入れる」と同調した。政府、党を挙げて籠池氏を追い込みにかかっている。
「籠池氏を証人喚問したのは衆参両院の予算委員会です。従って偽証罪で告発するのは国会。それなのに官邸と党が息巻いているんです」
と大谷氏は指摘する。
議院証言法8条2項は、証人を偽証罪で告発するには委員会か両院合同審査会の出席委員の3分の2以上の賛成を必要としている。しかし、罰則が懲役3か月以上10年以下と重いこともあり、全会一致を慣例としてきた。
「慣例は絶対ではないとして3分の2の賛成で告発を押し切ろうとしている。衆院予算委は与党で3分の2以上の議席を持っている。少なくとも、安倍晋三記念小学校の名前で寄付を集めていた期間の長さと、安倍首相から寄付されたとする100万円の振り込み用紙の記入者については偽証に問えると自信を持っている。あまりにネタが小さくて驚いた」(全国紙記者)
大阪地検特捜部は籠池氏が国の補助金を不正受給していたとする補助金適正化法違反容疑の告発状を受理。大阪府は3月31日、系列の塚本幼稚園に立ち入り調査するなど“籠池包囲網”は狭まりつつある。
前出の大谷氏は「首相の籠池氏憎しの暴走は、皮肉にも自分の首を絞めることにつながりかねない」と話す。
「偽証罪の告発を受ければ、検察は昭恵夫人から直接話を聞かざるをえなくなります。“フェイスブックに書いたとおりです”は通用しません。起訴されると、裁判で最大の証人になるのも昭恵夫人。国会の証人喚問を頑なに拒みながら、裁判所の証言台に立つことになるんです」(大谷氏)
●昭恵夫人の嫁姑問題
森永製菓の創業家の社長令嬢である昭恵夫人は、育ちのよさが自由気ままな性格に表れている。フェイスブックの巧妙な文章は添削を受けたのかもしれないが、裁判の証言は籠池氏側の反対尋問もあり想定問答どおりにはいかない。自由気ままなうっかり発言は首を絞めることになる。
「安倍首相は安保法制、特定秘密保護法と国論を割る大きな政策を強引に通してきました。そして裸の王様になりました。自民党の1強体制で党内に敵はいませんからね。周囲は、もみ手、もみ手のイエスマンばかり。首相の怒りを忖度してくれることはあっても、異を唱える人はいないんでしょう」(大谷氏)
母・洋子さんと昭恵夫人の“嫁姑”の確執も囁かれている。一部で洋子さんが昭恵夫人を面罵したと報じられた。
3月27日の参院予算委で、民進党・桜井充議員からこの件を突っ込まれた安倍首相は「桜井先生とも思えない週刊誌の記事の紹介ですが、昨晩も、私と妻と母と兄夫婦と兄の長男と楽しく会話をさせていただきました。そういうご懸念は一切ないということを申し上げておきたいと思います」と笑い飛ばしてみせた。
しかし……。
「もともと安倍夫妻は、仮面夫婦のようなところがあるといわれています。自宅の上階では洋子さんが暮らし、何かにつけてワンちゃんを抱いて下りてくる。選挙特番の安倍家のVTRで、朝起きた首相を出迎えたのも青汁をつくって飲ませたのも洋子さんでした。昨夏に山梨・鳴沢村の別荘に行ったときも、今年の正月に東京・六本木のホテルに泊まったときもお母さんと一緒。親孝行は悪いことではありませんが、嫁の昭恵さんからすればおもしろくないでしょう」(大谷氏)
●公の場から姿を消した昭恵夫人
政治評論家の有馬晴海氏は「嫁姑の仲はわかりません」としながら次のように話す。
「洋子さんは故・岸信介元首相の長女で、故・安倍晋太郎元外相の妻です。息子の安倍首相と3代にわたって支えてきた“ザ・政治家の妻”です。嫁にプレッシャーがないはずがありません」
ここにきて昭恵夫人に大きな変化があった。3月27日に『全国高校生未来会議』への出席をドタキャンすると、4月1日に予定されていた静岡の講演会も取りやめた。騒動の渦中でも全国を飛び回っていたのにどうしたのか。
「マイペースを貫いていては反省の色は見えない。ワイドショーに最新動向のニュースを提供するだけです。フェイスブックの更新も籠池証言に対するコメントを出してから途絶えています。首相同伴の日程は別として、単独外出は禁じられたようです。この先、ストレスはたまる一方でしょう」(前出の全国紙記者)
一方、安倍首相は3月31日、プレミアムフライデーに合わせて午後3時に仕事を終え、山梨・鳴沢村の別荘に向かった。雨にも負けず「あいにくの天気になりましたが、ゆっくり自然を楽しみたい」と記者団に話した。翌日はお友達とゴルフ。留守番の昭恵夫人は羽を伸ばせない。
大谷氏は言う。
「第1次政権はお友達内閣で潰れました。今度は家族で追い詰められ、国会答弁はケンカみたいになっています。幼稚で公私のけじめがつかない。それは共通していて身を滅ぼすのではないか」
裸の王様の末路は─。
自著を語る【9】 菅野完 『日本会議の研究』
【PROFILE】
菅野完(すがの・たもつ)
著述家。1974年奈良県生まれ。一般企業のサラリーマンとして勤務するかたわら執筆活動を開始。退職後の2015年から主に政治分野の記事を雑誌やオンラインメディアに提供する活動を本格化させる。同年2月から扶桑社系Webメディア「ハーバービジネスオンライン」(http://hbol.jp)でスタートした連載「草の根保守の蠢動」が大きな話題を呼び、『日本会議の研究』刊行の元となった。著書に『保守の本分』(単著・noiehoie名義・扶桑社)『踊ってはいけない国で、踊り続けるために』(共著・河出書房新社)『日本会議をめぐる四つの対話』(ケイアンドケイプレス)など。『週刊SPA!』で「なんでこんなにアホなのか?」を連載中。
〜〜〜安倍晋三と日本会議、そして森友学園・籠池泰典〜〜〜
インタビューが行われた2017年3月17日、著述家・菅野完氏は、日本中のメディアが注目する“時の人”になっていた。
始まりは3月10日。学校法人「森友学園」の籠池泰典理事長(当時)が大阪府に対し、同府豊中市で4月開校を目指していた小学校の設置認可申請を自ら取り下げを申し出た日だった。午後5時30分から始まった大荒れの記者会見のあと、菅野氏は12日に籠池氏の長男・佳茂氏の仲立ちで籠池氏の独占インタビューに成功。そして5日後の15日には、外国特派員協会の記者会見をキャンセルした籠池氏が多くのメディアを引き連れて東京・南麻布の菅野氏の自宅マンションを突然訪れ、玄関先で菅野氏が即席の記者会見を行わざるをえない状況になった。籠池氏の代弁者扱いである。
☆「何でもっと塚本幼稚園の実態について書いてくれへんかったん?
あんた、知ってたやろ?」
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【『日本会議の研究』第五章「一群の人々」より】
〈さらにもう一つ、写真を見ていただこう。
今度の写真は政治家ではない。整列した幼稚園児たちだ。この写真は、大阪護国神社で開催された「同期の桜を歌う会」に「塚本幼稚園」の園児たちが参加した様子をとらえた動画をキャプチャしたもの。
この塚本幼稚園、一部のメディアでも取り上げられたこともあるように、「愛国教育」で有名だ。少々見にくいが、動画に添えられたキャプションをご覧いただきたい。「教育勅語」とある。この写真は、幼稚園児たちが「教育勅語」を唱和するシーンをキャプチャしたもの。この後、「教育勅語」に続き、戦時歌謡の「日の丸行進曲」や「愛国行進曲」などを歌唱していく。これも、「幼稚園児に愛国行進曲を歌わせるなんて!」と眉をひそめさせるためにご紹介したのではない。
あくまでも目的は、「第3のライン」の存在を立証することにある。
この2つの写真、一見何ら関係のないように見える。しかし、「『生命の實相』を掲げて講演する講演する稲田朋美」と「愛国行進曲を唱和する塚本幼稚園」の間には、極めて太い関係性があるのだ。〉
〈残るは、「愛国幼稚園」塚本幼稚園と「生長の家原理主義運動」のつながりだ。
その鍵も『谷口雅春先生を学ぶ』の合本第1集にあった。この合本は、『谷口雅春先生を学ぶ』誌の創刊号から始まり、第12号までが収録されている。(中略)その第5号の告知欄に「第一回『わが師谷口雅春を語る』」というイベントの案内が掲載されている(左の写真)。
講師は仙頭泰。創刊号に収録された、たった2つの論説のうち一つを書いた人物で元生長の家ハワイ教化部長だった人物だ。この人物の講話を聞くのがこのイベントの要旨である。注目すべきはイベントの場所だ。「塚本幼稚園」とある。そう、まさに、あの、「愛国幼稚園」が会場なのだ。いかに私立幼稚園とはいえ、幼稚園が外部団体に場所を貸し出すとはなかなか考えにくい。
さらに連絡先に「籠池」という名前が見える。イベントの主催者なのだろう、連絡先の電話番号を掲載している。この籠池なる人物は、塚本幼稚園のWebサイト内の「園長の部屋」というコーナーで執筆をしている人物と同姓なのだ。(籠池 2013)
園児に戦時歌謡を歌わせる塚本幼稚園、そして籠池姓の人物が「生長の家原理主義運動」と強く関わりがあるといってもいいだろう。
「安倍後継の最有力候補」稲田朋美や「官邸側のイデオローグ」百地章、そして園児に戦時歌謡を歌わせる「塚本幼稚園」をつなぐ「生長の家原理主義運動」という一本の線が浮かび上がってきた。〉
〈「一群の人々」の運動は結果として、「軍歌を歌う幼稚園」や「路上で猖獗を極めるヘイトデモ」に結びついた。そして今、「一群の人々」の運動は、そうした影響力を行使しつつ、彼らの悲願「改憲」に王手をかけている。〉
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――菅野さんは2016年5月に出版した『日本会議の研究』の中で、すでに森友学園の塚本幼稚園と籠池氏について触れています。
<菅野> 日本会議の取材を進める中で塚本幼稚園や籠池夫妻に関しても調べ、あの幼稚園にまつわる園児虐待疑惑や、あの夫妻の寄行癖については若干の情報を得ていました。しかし当時、私は「今のテーマに直接の関係はない」と考え、虐待の被害を訴える保護者の声や籠池夫妻の奇行で損害を被った人々の声を無視しました。
大阪で取材をしていると、しばしば「菅野さんの本、読んだで。塚本幼稚園が出てくるからな。でも、何でもっと塚本幼稚園の実態について書いてくれへんかったん? あんた、知ってたやろ? 知ってたのに、書かへんかったやろ?」と言われました。たしかに私は2年前から、そこに被害実態があることを知りながら、あと一歩踏み込めばその確たる証拠を掴める場所にいながら、それに対して何もしませんでした。本を読んだ人たちからの叱責には、こうべを垂れるしかありません。
私は贖罪のため、その後も大阪の街を歩き回って森友学園問題の取材を続けていました。ところが、3月12日の籠池さん独占インタビュー以降、状況は一変しました。私は窮地に立った籠池氏の相談相手になったんです。
3月15日に籠池さんが私の自宅にやってきた時は、私自身もびっくりしました。あの日、私は籠池さんと豊中で会う予定になっていたので、大阪府庁で別の取材をしていたんです。ところが、籠池さんから「いま東京にいる」と電話が入った。嘘だと思ってテレビをつけると、たしかに籠池さんは東京で大勢のメディアに追いかけられていた。それで押っ取り刀で東京に戻ったというのが顛末です。
◆
取材中も、菅野氏の携帯電話にはひっきりなしに国会議員やテレビ局などから電話が入り、インタビューはたびたび中断した。そして何本目かの電話を終えた菅野氏の指示で事務所のスタッフがタクシーで永田町の議員会館へ向かった。
☆クリントン政権・ブレア政権と安倍政権の意外な共通項
――そもそも、菅野さんが「日本会議」に注目したきっかけは何だったんでしょうか?
<菅野> 「在特会(在日特権を許さない市民の会)」のデモを見たことです。2009年のことだったと思います。当時、私はまだ物書きではなくサラリーマンでしたが、在特会を見て「こいつらはダメだ」と思い、ストリート上で声を上げていました。ただ、デモの現場に行っても私ら反対側は人数が少なくて目立たず、気づかれないので、相手側の参加者のふりをして彼らが配っているビラをもらったり、彼らの話を聞いたりしていたんです。すると、デモには老若男女さまざまな人が参加しているし、開催地によって参加する人は全く違うのに、みんな同じことを言うんですよ。それを「不思議だな」と思ったのが、最初の入り口です。
で、彼らが読んでいる紙の媒体、電波の媒体、ネットの媒体を調べてみたら、そこで書いたり、発言したりしているメンツは、いつもほぼ同じでした。高橋史朗、松浦良右(朝堂院大覚)、田母神俊雄、中西輝政といった顔ぶれが繰り返し繰り返し登場していて、それらの媒体が大学のサークルの機関紙のようになっているということに気づきました。これって学生サークルのノリだな、と思ったんです。そこからさらに常連の言論人たちについて調べた結果、「日本会議」という組織に彼らの共通点があるとわかりました。
また、当時は民主党政権で、保守陣営の勢力から民主党に対する執拗な攻撃が行われていました。それが僕にはファナティック(狂信的)に見えたので、そういう変な発言をしている政治家を調べていくと、そいつらはみんな「日本会議議員懇談会」に所属している。これはいったい何なんだ、日本会議というファナティックな極右思想を抱く秘密結社のような巨大組織があって、その傘下に自民党やおおさか維新の会(現・日本維新の会)の極右議員、『産経新聞』『正論』などの極右メディアが連なっているのではないか、と思いました。それが2010年から11年にかけてのことです。
――そして、2012年12月に第二次安倍政権が誕生しました。
<菅野> 日本会議は安倍首相の再登板に熱狂しました。2006年に生まれた第一次安倍政権は、戦後民主主義の基盤となった教育基本法を改正して教育の目標に「我が国と郷土を愛する態度を養う」と愛国心をうたうなど、日本会議から見ると一定の成果を収めました。その成果を真っ先に具現化したのが森友学園です。籠池さんは教育基本法改正を「小学校建設の追い風」と捉えたからこそ、あのタイミングで走り出したんです。
ところが2007年9月、安倍首相が体調問題などで突然辞任したため、日本会議の人々の中では志半ばで頓挫した計画がたくさんあったわけです。それはもう諦めざるをえないのかな、と彼らは思っていた。しかし、第二次安倍政権が誕生したことで、「夢よ、もう一度」が可能になった、と彼らは無邪気に大はしゃぎしたんですよ。それを見て私は「こいつら子供だな」と思ったんです。で、そうなると、日本会議は学生サークルのノリだなと思った私の当初の認識は正しかったんじゃないかと気づき、その仮説に基づいて日本会議のことを真剣に調べ始めたわけです。
――その結果、かつての「生長の家」の民族派学生運動が日本会議の淵源だということを突き止めました。
<菅野> 日本の論壇は、「1968年の反乱」を、「アメリカ、イギリス、フランスなどで起きた『1968年の反乱』と呼ばれる左翼学生運動は、たしかに日本でも起こった。そして、各国と同じように官憲の弾圧によって失敗した。しかし当時の欧米の左翼学生たちは3歩前進・2歩後退を繰り返しながら20〜30年後にリベラルな政治勢力となり、それがアメリカのクリントン政権やイギリスのブレア政権を支えた。その一方で、日本の左翼学生運動は、ほぼ死滅した」と総括しがちです。
しかし、日本会議が歩んできた道を見ると、日本も欧米と同じだと思うんです。たしかに日本の左翼学生運動は今やほぼ死滅しましたが、それに反抗した右翼学生運動は欧米の左翼学生運動と同様に3歩前進・2歩後退を繰り返しながら保守的な政治勢力になり、安倍政権を支えている。つまり、左右は逆だけど、1990年代から2000年代初めにかけて欧米諸国で起こった「1968年の反乱」時代の学生たちが大人になって天下を取るという構図は、現在の日本でも起こっている。「生長の家」の民族派学生運動の活動家たちは、世の中から白眼視されてもめげずに市民運動を地道に続けて“草の根保守主義”として生き残り、今や政権に対して大きな影響力を持つようになったわけです。
☆日本会議は「日本のおっさん」の集合体だった
――いくら保守主義、右翼といっても、園児に「教育勅語」を暗唱させたり、戦時歌謡を歌わせたりしていた塚本幼稚園の「愛国教育」は不気味です。
<菅野> よく左翼の人たちは教育勅語を暗唱させるのは「戦前回帰」だと言いますが、私はそうは思っていません。右翼の人たちが教育勅語を好きなのは、DV(家庭内暴力)とモラルハラスメント(言葉や態度などによって相手を傷つける精神的暴力)を肯定しているからです。教育勅語の「朕」を「自分」に置き換えると、DV夫が理想とする家庭像になるんですよ。そう考えれば、今の日本の右傾化の本質が理解できると思います。
塚本幼稚園は園児たちが「安倍首相ガンバレ!」と声をそろえている映像が有名になって右翼学校と言われていますが、もし本当に右翼学校だったら「天皇陛下バンザイ!」と言わせているはずです。「安倍首相ガンバレ!」は、「サヨク」たちが安保法制反対などと言っていたことに対し、籠池さんが自分はそうじゃないと宣言していたにすぎないんですよ。
そもそも日本会議の人たちが目くじらを立てて反対しているのは夫婦別姓、児童の権利、従軍慰安婦、永住外国人の地方参政権といった問題です。これを平たい言葉に直すと、「女子供とアカは黙っていろ」ということです。まさに“日本のおっさん”の発想ですよね。80年代までは進歩的文化人と言われる人たちの言論活動が活発で社会もリベラルな気風があったから、そういうおっさんぽさは恥ずかしいことだと思わせる共生の力が働いていましたが、90年代以降はそれが弱まって剥き出しのおっさんが世の中に増えた。その剥き出しのおっさんたちが日本会議に集まっている。
そして籠池さんは、良くも悪くも日本のおっさんの代表的な存在です。なにしろ、私が初めて塚本幼稚園で籠池さんの記者会見に出席した時、長男は椅子に座っていましたが、次女や幼稚園の女性教諭は2時間近く正座したままでしたから。それを良しとする人なんですよ。
60代・70代の学生運動経験者には、急に愛国に目覚め、右翼転向して日本会議の会員になる人が多いんですが、それは思想ではなくて、自分に備わったおっさんぽさに依拠してしまうと、安楽な居住環境である日本会議というものが目に入ってくるからです。また、地方では30代でJC(青年会議所)の壁、40代でライオンズクラブの壁、50代でロータリークラブの壁を越えられなかった人たちが、続々と日本会議に入ってきています。東京や大阪には出ていけず、地元でも能力や素行などに問題があって大きな顔ができないというセグメントが日本会議の会員になって愛国運動にのめり込んでいる。
私が知っている事例では、そういう人たちは例外なく、一歩間違えばDV加害者やモラハラ常習者になりかねないという傾向があるようです。どうしてか? 彼らをよく見ていくと、「家父長制」(父長権を持つ男子が家族員を統率・支配する家族形態)に強い憧れを抱いていることがわかります。だから彼らは、日本国憲法第24条「婚姻は、両性の合意のみに基いて成立し、夫婦が同等の権利を有することを基本として、相互の協力により、維持されなければならない」「配偶者の選択、財産権、相続、住居の選定、離婚並びに婚姻及び家族に関するその他の事項に関しては、法律は、個人の尊厳と両性の本質的平等に立脚して、制定されなければならない」にこだわるんです。要するに、彼らに共通するのは天皇観や国家観ではなく、女性観なんですよ。安倍首相をはじめとする日本会議議員懇談会の所属議員も籠池さんも、根っこはみんな同じだと思います。
☆安倍メルマガ判決と『日本会議の研究』出版差し止め訴訟
――『日本会議の研究』は、「生長の家」元幹部の安東巌氏から販売差し止めを求められ、東京地裁が1月、安東氏に関する記述の一部が「真実ではない可能性が高い」として、その部分を削除しない限り販売しないよう出版元の扶桑社に命じる仮処分を決定したため、菅野さんは指摘された1行分を、あえて黒く塗りつぶして出版を継続しました。なぜですか?
<菅野> 負けたくなかったからです。言論活動は不当な圧力に負けるわけにはいきませんから。
◆
販売差し止めを命じた東京地裁の仮処分決定に対し、扶桑社が保全異議を申し立てた審理で、東京地裁は3月31日、仮処分を取り消す決定を出した。
異議審の決定は「出版物の差し止めは、真実ではないことなどが明白の場合に例外的に許される」と指摘し、問題とされた部分について「真実ではないことが明白であると認めるのは困難」とした。
◆
菅野 販売差し止めの仮処分が取り消されたとはいえ、「真実でないことが明白であると認めるのは困難」な1行を理由に販売差し止めを決定した裁判官がいたのは事実です。しかし、その一方で、東京電力福島第一原発事故への対応を批判した安倍首相のメールマガジンで嘘を書かれ名誉を傷つけられたとして菅直人元首相が損害賠償などを求めた訴訟では、一審二審とも安倍首相のメルマガに嘘があることを認めています。にもかかわらず、最高裁は2月、「間違った判断に対する意見の表明であるにすぎない」として、菅元首相の請求を棄却しました。安倍首相の嘘の記述は許され、私の「真実ではないことが明白であると認めるのは困難」な記述は一度は許されなかった。この矛盾した司法判断は、不思議と言うしかありません。裁判官までもが強い者におもねり、弱い者を切り捨てている。嫌な感じですよね。
――今回の森友学園問題については、どのように見ていますか?
<菅野> 森友学園問題は3つあると思います。塚本幼稚園の幼児虐待問題、瑞穂の国記念小学院をめぐる国有地格安払い下げや大阪府私学審議会の異例認可などの問題、国会虚偽答弁の問題です。これを分けて考えないと、わけがわからなくなってしまう。
塚本幼稚園の幼児虐待問題の当事者は籠池さんです。しかし、瑞穂の国記念小学院をめぐる問題の当事者は籠池さんではなく、迫田英典国税庁長官(前財務省理財局長)と松井一郎大阪府知事です。そして国会虚偽答弁は、安倍首相や稲田朋美防衛相ら政治家の問題です。また、園児虐待問題は保護者たちが事あるごとに告発し、改善指導するよう求めていたのに、大阪府はそれをもみ消してきました。その責任は松井知事にあります。3つの問題の中で2回名前が出てくるのは松井知事だけ。彼の責任は非常に重いと思います。
◆
ここで永田町の議員会館に行ったスタッフが戻ってきた。持ち帰ってきたのは、菅野氏が発掘した森友学園問題解明に関わる実に興味深い資料類だった。
◆
<菅野> 「安倍晋三からです」として安倍昭恵夫人からの100万円の寄付があったことを籠池さんが明らかにするやいなや、国会の証人喚問が決まりました。それまでは、参考人招致さえ頑なに拒んでいたにもかかわらず、方針を180度転換して偽証告発もあり得る証人喚問です。安倍政権は渡していないことを証明するのは難しい、悪魔の証明だとして、籠池さん本人に全部かぶせようとしている。だから急いで記事を書くために、証拠となる資料、ブツを回収してきたというわけです。
◆
この日午後以降、依頼人欄の「安倍晋三」の名前が修正液で消された100万円の郵便局振込用紙(振替払込請求書兼受領証)が、ニュースとして新聞・テレビによって大きく取りあげられ、大きな波紋を呼ぶことになった。
しかし一方の当事者である安倍昭恵夫人は、自らのSNSに籠池証言を否定する投稿をしただけで、沈黙を続けている。そして安倍官邸、自民党も昭恵夫人の国会証言拒否の姿勢を貫いている。
◆
――「籠池後」の安倍政権はどうなると思いますか。
<菅野> ボロボロになると思いますね。今回の籠池騒動は、いかに保守が醜いかということを明らかにしたので、これから保守の求心力は低下していくでしょう。
◆
インタビューから6日たった3月23日に籠池氏に対する証人喚問が衆参両院の予算委員会で行われた。籠池氏は安倍昭恵夫人付きの秘書官(経済産業省から内閣官房総務官室に出向している官僚)から2015年に受け取ったファクスの内容を公表。さらに、昭恵夫人と籠池夫人が交わした大量の携帯メールの文面も公表され、事態はいっそう混迷している。
安倍首相は森友学園への国有地格安払い下げについて「私や妻は一切関わっていない。もし関わっていたら間違いなく、首相も国会議員も辞任する」と国会の場で言明し、昭恵夫人も森友学園への100万円寄付を否定した。安倍政権はなりふりかまわず、総力を挙げて“籠池つぶし”を図っている。
しかし、元をたどれば同根でありながら、いまや政権にとって最も危険な存在となった籠池氏を切り捨てることで、森友学園問題にふたをしてしまっていいのだろうか。真に解明されるべきは、財務省、大阪府がどう関わったのかであり、その背後に見え隠れする“草の根保守運動”――日本会議と安倍政権をつなぐ環の実態解明こそが急務だろう。
■インタビュー・構成 中村嘉孝
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キヘイおじ入院 [長女・川鍋文子・27歳・主婦]
http://nakasone-family.blog.so-net.ne.jp/2012-10-08-1
こんにちは、長女・文子です
突然ですが、母には1歳年上の兄がいます。名前は「キヘイ」。
国家公務員、いわゆる「役人」です。
世間では悪く言われるのは必ず、「政治家」と「役人」。私の身近にいる人ばかりです。
でも頑張っている姿も沢山知って頂きたく、今日は私の「おじ」について書きたいと思います。
母の実家は代々奈良県で山林業を営んでいましたが、母の祖父は二男だったので家業を継ぐ必要がなく上京し、早稲田大学理工学部を卒業後、自らコンプレッサーを開発し工業用冷凍機製作の会社を創業しました。
母の父が二代目の社長となり、今はこの業界では世界シェア1の会社となっています。当然母の兄であるキヘイおじも入社すると思いきや、『企業利益を追求する仕事は自分には合わない。「公」の為に働きたい。』と後を継がず、公務員試験を受け「役人」になりました。
私の祖父・中曽根康弘も政治家になる前は官僚でした。必死で勉強し、公務員試験を受け、合格発表を見に行くと、成績が6番で『ウソじゃないか?問い合わせたら間違いだったと訂正されるんじゃないかと思い、急いで家に帰った。』と話していました。キヘイおじはもっと上位で合格しました。
おじは、麻布中学高校・東大法学部卒。麻布に入学したのは単に麻布に住んでいて家が近かったからで、祖母はおじに『勉強しなさい』と一度も言った事がなかったそうです。法学部ながら理系に強く、高校のあだ名は「物理のキヘイ」で、ずっと理V(東大医学部)受験クラスにいました。
要するに「秀才クン」だったらしいですが、私からするとただの秀才クンではなく、おやじギャグの絶えない面白い、ほんわ〜かした、ドラ焼きが大好物の、体型もややドラえもんの、姪に優しいおじさんです。
http://nakasone-family.blog.so-net.ne.jp/2012-10-15
大学時代は原始仏教やインド哲学に興味を持ち「仏教青年会」に所属し、ガウタマ・シッダールタ研究をしたとか。相当カタブツ!?、、、しかし、妹達(母と叔母)に言わせると、『ポン女、ポン女(日本女子大学)と憧れて騒いでいた』そうです。結婚する時(お嫁さんは叔母の親友。日本女子大卒ではない)、挿絵も自分で描いた詩集(結構良く出来ていると評判)を自費出版し「愛の証」としてプレゼントしたロマンティストぶり。
まぁ、妹達は『よくぞ兄の所などに来て下さった』とお嫁さんに大感謝したそうです。
・ 大学で第二外国語はロシア語専攻。留学はイギリスのケンブリッジ大学大学院。海外赴任はフランスのパリへ。語学が堪能。
・ 約30年間、殆ど朝4〜5時に帰宅し、仮眠又は着替えるだけで又出勤。早ければ夜中1〜2時に帰宅できることもあるとか。
・ 足の指を骨折したが、病院に通う時間がなく自然治療。少々の体の不調は黙殺。
・ 自分の信念を曲げない、圧力に負けない強い人。相手が誰であれ、言うべき事は言う。辞表を懐にしまいながら仕事をした。
等々、武勇伝も多いのです。
奥様である伯母はずっと『よく体が持つ。不思議。』と言っていましたが、遂に持ちませんでした。
原因不明の高熱が続き、緊急入院。病院の医師から普段の生活状況を聞かれ伯母がありのまま答えた所、全く信じてもらえず、完全に先生の想定外だったようです。明らかに積年の過労による発病でした。
結局2週間入院し無事退院出来ましたが、入院中も病室で電話・fax・メール・役所の方がいらして打ち合わせをしたりと、仕事から離れられなかったようです。
キヘイおじだけではなく、おじの周りにはおじと同じように死ぬほど日夜働いている役人が大勢いるそうです。
「命懸けで」とよく聞く台詞です。ちょっと前も、野田総理が「消費税を命懸けで」と叫んでいました。おじ達はそんな宣言を声高には決してしません。マスコミにどれだけ悪者扱いされようとも、突然お給料をカットされようとも、使命感を持ち、持てる能力の全てを駆使して日々黙々と働きます。
入院の為の書類作成の時、看護師さんに『ご家族は?』と聞かれキヘイおじは『息子が2人で妻は1人です』と返事。高熱でもおやじギャグ精神は健在はのです。伯母曰く、『そこだけは譲れないのよね〜』と呆れ気味。
類は友を呼び、キヘイ入院と知った友人から『ついに産まれた?男?女?』とお見舞いメールが。臨月程のドラえもん体型とは思えませんが、、、。
ちなみにそんな父親の姿を見て育った息子(私のイトコ25歳)も役人になりました。
その壮絶さを誰よりもわかっているはずなのに。尊敬出来る姿だったのでしょう。彼に先日久しぶりに会ったら『毎日死ぬかと思っている』と言っていました。既に凄まじい日々が始まっているようです。
先日も、中国大使に任命された直後の外務省の方が突然路上で倒れ亡くなられました。さぞお忙しく、お疲れだったのではと拝察します。
真剣に日本の将来を考え、非力かもしれませんが全力を尽くしている「役人」や「政治家」が私の身近にいます。そんな面を少しでも知って頂ければ幸と思います。
posted by AyakoKawanabe at 2012-10-15 14:36
http://www.asyura2.com/17/senkyo226/msg/863.html
http://www.sugano.ne.jp/2017/06/08/post-1521/
sugano.ne.jp2017/6/8 論説・論考
ちょっとあまりにも酷いんでね。しかしもはや自由も効かず、僕には書くことしかできない。そこで、「もし僕なら……。」と檄文を書いてみた。
国会はこの18日、会期末を迎える。
森友、加計、そして国際医療福祉大学と、次々と露見した政権の疑惑に関する答弁や、TPPや共謀罪をはじめとする重要法案の審議を通じて明らかになったことは、「政府はもはや国会を無視している」という現実だ。
森友問題を見よ。
野党各党が再三にわたって請求した資料開示を、政府はあざ笑うかのようにことごとく無視した。
加計問題を見よ。
次々と露見する内部文書の存否について、政府は、「内部告発者が実名を公表し、顔を出して発言するなら対応する」と、もはや脅迫とも取れる対応をしている。
共謀罪の審議を見よ。
法相は正常な答弁をすること能わず、政府委員をして代わりに答弁せしめる始末。衆院での野党善戦は記録として尊重されず、参院の議論に反映される気配さえない。
現実を見よ。
国会はここまで愚弄され無視されている。与党絶対多数にあぐらをかいた政府は、もはや国会を必要とさえしていないのだ。
我々は、野党各党の国会での奮闘に最大限の敬意を表するものである。そして今後も、健全な議会制民主主義の発展のため、野党各党所属議員の院内活動に、最大限の尊重を示すことを約束するものである。
しかし、もはや現実はそれを許さない。
なるほど国会での議論は、後に議事録となり記録として残るのだろう。なるほど審議をすれば、政府は曲がりなりの答弁をするのだろう。しかし、我々は、記録は改ざんされ、政府の答弁は実のないものであることを、煮え湯を飲む思いで学習したではないか。
かかる現実を直視するとき、我々は、野党各党が国会審議に応じることに、疑問を呈せざるを得ない。
日本は議会制民主主義の国である。我が国の憲法は「国会は国権の最高機関である」と、明確に規定する。この原則を踏みにじったのは、国会を愚弄し無視する政府だ。
クーデターはすでに起こった。
国権の最高機関たる国会を完全に愚弄し無視する、政府・官邸こそが、このクーデターの首謀者だ。
この期に及んで野党各党が国会審議に応じることは、クーデター勢力への加担であり滑稽ですらある。このままいけば野党各党は、このクーデターに飲み込まれ一切の政治的基盤を失い、野党各党の存在など雲散霧消してしまうだろう。
野党議員の諸君は、かかるクーデターに加担するつもりなのか?あるいは中世ヨーロッパの宮廷クーデターに登場する宮廷喜劇人の如く狂言回しに甘んじるつもりなのか?
いや、そうではあるまい。
我々は確かに見た。
共謀罪審議で果敢に政府に論戦を挑み法案の欠陥を鋭く批判する民進党議員の姿を。
内部告発者の人権を守りながらも果敢に政府の欺瞞を糾弾する共産党議員の姿を。
独自の調査に基づき舌鋒鋭く政府と対峙した自由党議員の姿を。
限られた時間の中で精一杯政府答弁の矛盾を指摘した社民党議員の姿を。
諸君らの奮闘は何のためであったか?
政府の横暴を糺し、行政の暴走を止め、我が国の議会制民主主義を守るためではなかったのか?
しかしその奮闘はもはや国会では成立しないのだ。
ならば、立とう。
我々市民と共に街頭に立とう。
立って憲政の恢復を叫ぼう。
民主主義は常に街頭から生まれる。
ならば、一度死んだ我が国の民主主義を再生するのも街頭しかあるまい。
我々は今日から毎日、国会前に立つ。
来る日も来る日も国会前に立ち、「民主主義を守れ」と叫び続ける。
80年前、我々は政府と戦うことを放棄し、悲惨な戦争の道を選択してしまった。その過ちを繰り返さぬために、我々は国会前に立つ。後世に対する責任を果たすために、我々は国会前に立つ。
野党議員諸君、我々と共に立とう。
そして共に、日本の議会制民主主義を守ろう!
因って件の如し。
無責任と言う批判は甘んじて受ける。
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https://twitter.com/noiehoie/status/872783763956158465
「この白黒の写真はなんですか?」との問いに対する菅野氏の返答↓
田川大吉郎の応援演説をする尾崎行雄です。
この演説で尾崎行雄は、不敬罪で告発され拘留されます。後に言う「尾崎不敬事件」ですな。
しかし歴史の審判はどつでしょう?いま、尾崎行雄の銅像が、憲政記念館にちゃんと建立されてるではないですか
いと @sekitannya さんのツイート 6月9日
野党の法務委員会の議員さん、共謀罪の要請や請願に訪問する人たち多数、事務所にはFAXの山、電話は5分おきに貰うそう、その盛り上りスゴイ、市民頑張ってる、有難いと同時に共謀罪に向けての仕事が中断するのはツライみたい。出来れば与党議員に反対の声を上げてもらえると有難いと秘書さんの声。
太安萬侶 @onoyasumaro さんの返信
国会前に行きたいけれど遠くてムリ…でも何かしたい!
そんな人はいますぐ参議院法務委の与党議員に電話&FAXだ!
電話orFAXする相手は自公維新の議員ね。自分の選挙区の議員がいたら、「次の選挙では投票しない」というのが特におススメ!
都議選大敗の安倍さん。3日、何を思ったか、常々「左寄り」と批判していた毎日新聞とインタビュー。秋の臨時国会に自民党の憲法改正案を提出する方針に変わりはないことを強調した。
ち〜が〜う〜だ〜ろう!(今や、子供まで使っている「豊田節」で言わせて貰えば)安倍さん、相変わらず、かん〜ち〜〜が〜いだ!!!
内閣改造で乗り切ろうとするなんて……まだ、分かっていない。
ドジな「お友達」の不祥事より、国民は「安倍さんの真黒」に気付いたのだ。
少なくとも、森友、加計問題で「過ち」を認め、頭を下げなければ、支持率は更に下げるだろう。
今日4日発売のサンデー毎日の「牧太郎の青い空白い雲」は北海道旅行中に書いた。【地方紙の「誇り」を知った。NHK・読売は政権の言いなりになるな!】
今日も、30度を超えるらしい。台風3号より、熱中症にご用心!
<何だか分からない今日の名文句>
「日本人の礼儀正しさのDNAは残っている」横浜市の小学校に食い込む謎のマナー教室「マナーキッズプロジェクト」とは何者か?
2017年7月24日19:25
http://buzzap.jp/news/20170724-mannerkids-project-yokohama/
横浜市長選挙を控え、横浜市の小学校に食い込むマナー教室が話題になっています。いったいどんな団体なのでしょうか?
7月16日に告示され、7月30日に投開票される横浜市長選挙。カジノ誘致に積極的だった菅官房長官に近い現職の林文子市長に対し、「カジノよりも中学校給食を」と訴える前・横浜市議の伊藤ひろたか候補を野党が応援するという構図が明確になってきています。
◆横浜市の教育の異様な現状
まずは公立中学校で給食が存在しないということに驚く人も少なくないと思われますが、横浜市の教育には首をかしげるような状況が以前から存在しています。
例えばBUZZAP!では東京電力福島第1原発事故に福島県から横浜市に自主避難した中学1年の男子生徒がいじめを受けた問題について、林市長が任命した横浜市教育委員会の岡田優子教育長が「関わったとされる子どもたちが『おごってもらった』と言っていることなどから、いじめという結論を導くのは疑問がある」というとんでもない認識を示しています。
また、2009年に林市長が初当選を果たした後の2011年から、横浜市は市立中学校の歴史と公民の教科書に愛国心の育成を主眼にし、歴史修正主義であると批判され、かつては「江戸しぐさ」というデマを平然と掲載し、トンデモ科学の「サムシング・グレート」まで掲載していた育鵬社の教科書を岡田優子教育長が鶴の一声で採択しています。
◆横浜市の小学校に食い込む「マナー教室」
この横浜市の小学校に現在食い込んでいるのが「スポーツ・文化活動を通じ、日本の伝統的な礼法を体験し、<体・徳・知>バランスのよい子供を育てる」とする公益社団法人マナーキッズプロジェクトです。
公益社団法人マナーキッズプロジェクトツイッター上でこの団体の存在が報告されたのは7月23日のことですが、今年度に入ってから横浜市内の複数の小学校で19回に渡って「マナーキッズ体幹遊び教室」を開催しています。
ここでは「正しい姿勢」「お辞儀・挨拶の仕方」が指導されますが、設立趣旨・背景についての図表を見てみると、極めて香ばしいことになっています。
(クリックで拡大)
「16〜19世紀、日本人の礼儀正しさ、節度ある立ち居振る舞い、外国人は感嘆の声」という日本スゴイが最初に描かれ、これに対して現在の子ども・若者の状況がおかしいと批判されます。そして「礼儀正しさのDNAは残っているはず、今がラストチャンス、指導者がその気になれば子供は必ず変わる」としてマナーキッズプロジェクトが体・徳・知のバランスのよい子供を育てるとしています。
おかしなキャッチコピーだと思われるかもしれませんが、マナーキッズプロジェクトの田中日出男理事長も公式サイトの挨拶の中で
子供達の変わる姿を目の当たりにして、日本人の礼儀正しさのDNA、遺伝子は残っていると確信しております。
(理事長挨拶・総師範礼法指導内容 _ 公益社団法人マナーキッズ(R)プロジェクトより引用)
と高らかに宣言しており、この考えはプロジェクト全体の源泉であると言っても過言ではありません。そして少なからぬ人はこの発想の源泉に「江戸しぐさ」と近いものを感じるのではないでしょうか?
◆マナーキッズプロジェクトの正体とは?
このマナーキッズプロジェクトとはいったいどんな団体なのか、大きなヒントとなるのが2013年から開催されている「親守詩全国大会」です。
第1回となる2013年の開催要項(魚拓)には主催の一員として田中日出男理事長の名前があるのですが、同じ主催の中に「日本会議」の運営母体である「日本青年協議会」の幹部の高橋史朗明星大学教授の名前があり、協賛にはマナーキッズプロジェクトと並んで一般財団法人親学推進協会があり、さらに後援には神社本庁までもが名を連ねています。
おまけにこのサイトのトップ画像には「山口県大会名誉会長 安倍晋三賞」を受賞した親守詩が掲載されているという数え役満状態となっています。
そして第5回となる2019年の「親守詩全国大会」でも運営組織を構成する団体としてマナーキッズプロジェクトは親学推進協会と共に掲載されています。
ということで、横浜市の小学校に食い込み始めたマナーキッズプロジェクトが日本会議、そして親学推進協会と密接に関連する団体であることが浮かび上がってきました。「カジノか中学校給食か」が争点として浮かび上がっている横浜市長選挙ですが、こと教育に関する限り、話は日本会議や親学といった特定の思想が強く絡んでいることが見て取れます。
いったい横浜市民はどのような未来を選ぶのでしょうか?
http://www.asyura2.com/17/senkyo229/msg/796.html
9/19(火) 20:09配信 BuzzFeed Japan
「このアカウントは復活されません」Twitter社が菅野完さんに宣告 やり取りが判明
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170919-00010002-bfj-soci&p=1
「日本会議の研究」の著者で、森友学園問題などで注目を集める菅野完さんのTwitterアカウント @noiehoie が9月19日未明、凍結された。菅野さんはその直後、BuzzFeed Newsの取材に対し「いきなりだった」「凍結の理由説明はなかった」と語った。何が起きているのか、BuzzFeedは、Twitter社と菅野さんのやり取りを入手した。【BuzzFeed Japan / 渡辺一樹】
菅野さんは19日朝、凍結の理由が知りたいと、Facebookに次のように投稿した。
《10年ほど運用し、フォロワー数6万4千ほどになっていたTwitterのアカウントが永久凍結されました。TwitterJapanは何が原因か一切開示してくれていません。
当方としてはとにもかくにも「何が問題だったか」を知りたい気持ちでいっぱいです》
●Twitter社からの回答
そして9月19日17時21分、菅野さんの問い合わせに対する、Twitter社からの返信メールが届いた。
そこには次のようにあった。
《いつもご利用いただきありがとうございます。
あなたのアカウントは、Twitterルール (https://twitter.com/rules) に違反していることが判明したため、凍結されました (特定の人物に向けた嫌がらせ行為に関するルール)。
このアカウントは復活されません。
よろしくお願いいたします。
Twitter》
●永久凍結の理由は、Twitterルールのうち、「特定の人物に向けた嫌がらせ行為に関するルール」に違反したということだ。
Twitterルールの該当箇所には、次のように書いてある。
《以下のような行為をしているアカウント、およびこれに関連するアカウントは、一時的にロックまたは永久凍結されることがあります。
・嫌がらせ: 特定の人物に向けた攻撃的な行為や嫌がらせを禁じます。攻撃的な行為に該当するかどうかの判断では、以下の点が考慮されます。
・報告されたアカウントが、主に他者に向けて嫌がらせや攻撃的なメッセージを送信するために使用されている場合
・報告対象の行為が一方的であるか、あるいは脅迫を含む場合
・報告されたアカウントが他のアカウントへの嫌がらせを扇動している場合
・報告されたユーザーが複数のアカウントから1つのアカウントに向けて嫌がらせのメッセージを送信している場合》
一方で、Twitter社からの返答には、具体的にどのツイートがダメだと判断されたかが書いていない。
●この返答を受けて、菅野さんはTwitter社に次のような反論メールを送った。
《当方がどの人物にどのような嫌がらせをしたのでしょうか?
1)まずこちらが攻撃的なメンションを受け、それへの対応をした
2)著名人・政治家等が、自己の影響力を省みず、差別的言動(これもTwitterルールで明確に禁止されているはずです)をおこなったため、批判した
という事例以外、心当たりがありません。》
●菅野さんは、Twitter社に送ったメールで、次のようにも主張している。
《もしそこまで厳密に「ルール」を適用するのであれば、なぜTwitter Japanはヘイトスピーチを放置しつづけるのでしょう?
なんだったら、検索したらすぐみつかる「人種、民族、出身地、性的指向、性別、性同一性、信仰している宗教、年齢、障碍、疾患を理由とした他者への暴力行為、直接的な攻撃、脅迫の助長を禁じます。また、以上のような属性を理由とした他者への攻撃を扇動することを主な目的とし」た書き込みを、列挙していきましょうか?
整合性のある回答を、再度強く求めます》
●誰に対するどんな発言だったのか?
Twitterはいち民間サービスだが、政治家や行政なども利用するなど、「言論プラットフォーム」としての公共的な役割も担っている。
さまざまな表現がある中で、利用ルールが幅のあるものになるのは、ある程度仕方ない。
ただ、「特定の人物に向けた攻撃的な行為」があったというなら、それが誰に対するどんな発言だったのかを知らせたほうが、納得感は高まるのではないか。
●ジャーナリストの江川紹子さんは、次のようにツイートしている。
《.@TwitterJP ある人の発言の機会を剥奪するには、いつの、いかなる発言が、すでに公開されている規約のどの部分に違反するのかを明らかにするのが、言論プラットフォームの責務だと思います。そうでないと、いろんな憶測が出回り、自粛や萎縮が始まって、自由な言論の場を保てません》
BuzzFeed Newsは、Twitter社にも取材を申し込んでいる。返答があれば追記する。
http://www.asyura2.com/17/senkyo232/msg/546.html
http://www.kou1.info/blog/politics/post-1764
立憲民主党に参加します。
2017年10月03日
私は、今回の衆議院選挙にあたり、「希望の党」ではなく、新たに立ちあがる「立憲民主党」から立候補することを決意しました。民進党にはお世話になりましたが、「希望の党」という右派政党とは相いれないので、いまはスッキリした気持ちです。
降ってわいたような小池新党「希望の党」への合流に関し、前原代表は9月28日の両院議員総会では、民進党候補は全員いっしょに「希望の党」へ移ると説明していました。私個人は、「希望の党」の結党メンバーに日本会議メンバーが多いのを見て違和感を覚えました。しかし、民進党全体で「希望の党」へ合流するのであれば、組織人・政党人としては党の方針に従わざるを得ないと考えました。選対会議では「耐え難きを耐え、忍び難きを忍び」と説明して、公認申請に同意しました。
ところが、いつの間にか「安保法制に反対する人はダメだ」とか、「憲法改正に反対の人はダメだ」とか、後になって条件がつきはじめました。リベラル派を「選別」して排除しはじめました。これでは前原代表による「上からのクーデター」あるいは「粛清」です。党内民主主義を無視する蛮行であり、政党のガバナンスのあり方として問題です。これでは「合流」というより「吸収」です。民進党側に主体性はなく、「希望の党」に言われるがまま従い、民進党候補者を守ろうとしていません。
そもそも民進党は安保法制に反対でした。党の方針として反対しました。細野豪志氏も民進党在籍中は反対だったはずです。それなのに「希望の党」の入党の踏み絵として「安保法制に反対の人はダメ」というのでは、ほとんどの民進党の議員や候補者は自動的にダメということになるのが、論理的な帰結です。平気でうそをつける人であれば楽々と超えられるハードルですが、そうでなければ眠れないほど悩むはずです。まともな政治家だったら迷いに迷うと思います。私は「希望の党」に行く民進党候補者を責める気はありません。小異を捨てて大同につくため、目をつぶって「希望の党」へ行くのもプラグマティックなひとつの考え方かもしれません。しかし、私自身は「希望の党」に参加するのは気が引けたし、もし当選したとしても長く「希望の党」に居続けられる自信はありませんでした。
私は、安保法制や憲法改正への態度を問われれば、「希望の党」とは相いれないことはわかっていました。また、民進党の代表選挙で公然と枝野さんを応援していたので、前原執行部から敵視されても仕方ないと思っていました。おそらく福岡県内の8人の民進党候補者のうちで、いちばん初めに「選別」され「排除」される対象は自分だろうという予感もありました。そのため「希望の党」の公認が下りないのは想定の範囲内であり、その場合は無所属あるいはリベラル新党での立候補の可能性も視野に入れていました。
しかし、想定外だったのは、民進党本部が「希望の党」公認候補の「刺客」を立てようと画策したことです。地元の民進党関係者を口説いて立候補させ、民進党関係者の身内同士で戦わせようとしていた様子です。候補に名前の挙がった人は党本部の説得に応じず、対抗馬の「刺客」擁立作戦は失敗したようです。これでは「希望の党」というより「陰謀の党」です。
ふつうは党の方針に逆らった人間に対して選挙区に「刺客」を立てるものだと思います。しかし、私の場合は、嫌々とはいえ、党の方針に従っていて「刺客」を立てられました。どんな大義があって民進党本部は「刺客」を送り込もうとしたのか理解できません。単なるリベラル派つぶしとしか思えません。
また、「安倍1強を止める、自民党候補を倒す」という目的に照らせば、私のほかに「希望の党」の候補者を立てるのは愚かです。私と「希望の党」候補者が戦い、自民党候補者が漁夫の利を得る可能性が高まります。もちろん論理的には「私が立候補を取りやめる」という選択肢もあり得ますが、これまで1年8か月準備してきて今さら立候補を取りやめるのは心情的にはあり得ない選択肢です。そんなことは誰が考えても当然のことです。
要するに、「希望の党」本部の意向としては、「自民党候補に勝ち、安倍政権を倒す」という目的より、「比例票の積み増しを狙い、自分たちの手足になる議員を増やす。そしてリベラル派議員を減らす。」という目的の方が上位にあるということです。自民党を利するような候補者擁立を見ても、「希望の党」が「自民党の補完勢力」との批判は的外れではないと思います。
いま晴れ晴れとした気分です。「希望の党」に属して、心にもないことを言わされることはなくなりました。ちょっと前まで安保法制反対と言っていたのに、突然その真逆のことを言わされるのはかなわないと思っていました。おかげで吹っ切れました。自分の良心に逆らうことなく、気持ちよく選挙戦にのぞめます。悔いのない戦いができることをうれしく思います。
私は、枝野幸男代表率いる「立憲民主党」に参加し、安倍政治を終わらせ、格差の少ない社会、公平ですべての人にチャンスのある社会、多様な価値観が認められる寛容な社会、子どもの貧困のない社会、平和な国際社会、原発ゼロを実現するためにがんばります。正々堂々と自らの信じる政策を訴え、信念を曲げることなく、全力で戦いたいと思います。
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以下参考まで
https://www.nishinippon.co.jp/sp/nnp/representatives_election_2017_fukuoka/article/363309/
「希望公認」意向の仁戸田氏 福岡3区 県議出馬断念
2017年10月03日 17時00分
10日公示の衆院選福岡3区に希望の党公認で立候補する意向を表明していた民進党の福岡県議仁戸田(にえだ)元氣氏が3日、記者会見し、立候補を取りやめることを明らかにした。
仁戸田氏は出馬を断念した理由について「家族や世話になった地域、後援会から理解を得られなかった」と説明した。
仁戸田氏は3区に立候補予定の民進系元職山内康一氏を選対本部幹部として支え、1日の山内氏の事務所開きにも参加。その後、山内氏が希望側から「公認不可」と伝えられる一方、仁戸田氏は2日、希望公認で出馬したいとの意向を表明していた。
仁戸田氏の出馬断念で、民進系候補による分裂選挙は回避される見通し。仁戸田氏は、選挙戦でこれまで通り山内氏を支援するという。3区にはこのほか、自民党前職の古賀篤氏、共産党新人の山口湧人氏が立候補を予定している。
=2017/10/03付 西日本新聞夕刊=
2017年10月3日
Texts by サンデー毎日
前川喜平・前文科事務次官がモノ申す! 安倍改憲案を許してはならないhttps://mainichi.jp/sunday/articles/20171002/org/00m/010/008000d
●教育無償化「財源は消費税より金持ち優遇策の是正を」
安倍晋三首相の“自己都合解散”だったはずが、政権交代も絵空事ではない状況となった。政権をここまで追い詰めた根底に、加計学園疑惑があるのは論をまたない。疑惑の絵解きを先導した前川喜平・前文部科学事務次官は、この局面をどう読み解くのか――。
まず、加計(かけ)学園岡山理科大の獣医学部新設問題について振り返っておきたい。
安倍首相が議長を務める国家戦略特区諮問会議は昨年11月、愛媛県今治市が提案した獣医学部新設計画を特例として認める方針を決定。今年1月、同市の公募に同大だけが応じる形で事業者に決まった。
だが、5月に「来年4月開学」という条件について「官邸の最高レベルが言っている」「総理のご意向」とする一連の文書が、文科省内で作成されていたことが表面化した。前川氏は次官退任後の同25日、記者会見でこれらの文書が省内で作成されたものに間違いないと思うと証言し、「行政が歪(ゆが)められた」と指摘した。
学園の加計孝太郎理事長と安倍首相は、繰り返し食事やゴルフを共にする親密な関係。にもかかわらず、説明責任に背を向け続ける首相の姿勢が有権者の反発を呼び、7月の東京都議選で自民党は惨敗を喫した。
9月25日の記者会見で安倍首相は、少子高齢化や北朝鮮の核開発、ミサイル実験を「国難」と表現し、「国難突破解散だ」と表明した。前川氏は次のように指摘する(以下、かぎ括弧(かっこ)は前川氏の発言)。
「安倍首相は大げさな言葉で国民を幻惑する手法を多用します。『断固として』『決して逃げません』などと言葉は立派ですが、中身はない。解散に踏み切った真意は『いまなら大敗しない』という計算でしょう。それにしても、最大の国難とは自然災害ではないでしょうか。火山の噴火や大地震、その時原発は大丈夫か。防災は、安全保障以上に差し迫った問題です」
国の存続を脅かす課題といえば、1000兆円を超える国の借金だ。2019年10月に消費税を10%に引き上げるのも、財政再建のためだが、安倍首相は増税分の一部を幼児教育無償化や大学など高等教育の無償化(所得制限あり)の財源に充てようとしている。
「『もう少しなら借金が増えても大丈夫だろう』と、毎年赤字国債を出し続けていますが、どこかで破綻する。幼児教育の無償化は、今すぐ富裕層まで無償にする必要はありません。問題は、幼稚園教諭や保育士の処遇を良くしないと人材が集まらないという点です。人材が確保できなければ、待機児童問題も解消しない。教諭・保育士1人あたりの負担を軽減し、幼児教育の質を改善するために公費を投入すべきです」
高等教育無償化も、かゆいところに手が届いていないという。
「給付型奨学金が今年、やっと導入されました。12年に高等教育の段階的無償化を定めた国際人権規約の条項の留保を撤回したことで、国の方向として決まっていたことです。ところが、低所得層にとっては単なる授業料の無償化だけでは十分とはいえない。働かずに学校に通えるような生活支援が必要です」
これらの財源について、前川氏は消費税を引き上げる前にすべきことがあると考えている。この約30年間に積み上げられた「金持ち優遇策」の見直しによる税収増と所得の再分配だ。
「昭和50年代の税制では所得税・住民税合わせて最高税率は9割を超えていました。それが現在では5割程度。累進性が下げられていく間に経済格差が開く一方です。消費税を引き上げる際に国会では、所得税の税率構造を見直す方針を決めたのですが、富裕層ほど実効税率は低いのが現状。お金持ちは、蓄えたお金を転がしてさらにお金を稼いでいます。税は民主主義の根幹ですから、こういうところをちゃんと見て、もっと国民的な議論をする必要があります」
●審議会人選に横車押す安倍官邸
不合理な金持ち優遇は、これだけではない。
「教育資金一括贈与非課税制度は、教育費に充てるなら、子や孫への贈与は1500万円まで非課税というものです。仮に孫4人に6000万円を贈与すればそれだけ相続財産が減り、相続税も減る。明らかな金持ち優遇税制で、極めて合法的な節税対策となるわけです。富裕層はフル活用しており、既に1兆円以上がこうした形で贈与されています。こんな税制を残したまま、お金持ちの子供の保育料まで無償化する必要があるでしょうか。非常におかしな話です」
教育無償化策を子細に見ていくと、選挙目当てのばらまきとも取れるが、財政規律を維持すべき財務省はなぜ黙認するのか。
「官邸に、財務省は抵抗できないでしょう。財務省としては、他の教育関連予算、例えば科学研究費を減らして教育無償化に回せば、公約を果たした形はつくれるわけです。彼らとしては増税できることの方が大事ですから」
問題は、これらの政策が自民党内でも熟議された形跡がないことだ。
「政治主導と官邸主導は似て非なるものです。今回は、選挙まで官邸主導で進められています。選挙公約は本来、党の総意としてまとめ上げられるべきものですが、官邸が決めているように映る。いまの官邸への権力集中が垣間見えます」
批判を許さない政権の体質については、在職中のこんなエピソードを明かす。
「文化審議会の文化功労者を選考する分科会メンバーの選任は、閣議の了解が必要です。昨年11月、新たな候補を選んで官邸に相談したところ、杉田(和博)官房副長官から2人の差し替えを命じられた。1人は安保法制に反対する学者の会メンバーだったから。もう1人の文化人は明確な理由は示されませんでしたが、安倍内閣に批判的だとみられたのだと思います」
学術・文化・芸術面での見識を重視して人選すべき審議会に“思想調査”が持ち込まれたわけだ。似たような「横紙破り」は、まだある。15年の「明治日本の産業革命遺産」の世界遺産登録を巡って、国内審査が「歪められ」たという。
「世界遺産は国内の複数の候補から、文化審議会が毎年1件に絞ってユネスコに推薦します。15年は熟度の高さと隠れキリシタン再発見から150年の節目ということで『長崎の教会群とキリスト教関連遺産』が推薦されるはずでした。ところが、官邸は産業革命遺産を優先させるため、文化審議会とは別のプロジェクトチームを設置したのです」
プロジェクトの中心を担ったのは、加計学園問題で、次官時代の前川氏に獣医学部新設をせかしたとされる和泉洋人(ひろと)首相補佐官。またここでも、安倍政権特有の“お友達優遇”が顔をのぞかせる。
「産業革命遺産は、世界遺産登録の条件である保存策が講じられていない構成資産も含まれていました。登録を進めていた中心メンバーは、安倍首相の友人で評論家の加藤康子(こうこ)氏です。富国強兵の時代を象徴する遺産であることが、政権の志向に合致したのでしょう。目的のためには大がかりなルール変更も辞さない。その原動力は、霞が関の動かし方を熟知している和泉補佐官と今井(尚哉(たかや))首相秘書官とみています」
●“お友達疑惑”への怒りは消えず
その結果、公正な議論が必要な場面にも政権の思惑が影響が生じていると指摘する。
「あえて『文部官僚』と言いますが、彼らの中には『教育・学術・文化行政は政治的に偏ってはならない』という思想が受け継がれてきました。ところが、現政権になってからむき出しの政治にさらされるようになった。学習指導要領改訂や教科書検定は、専門家の間で議論を尽くして結論を得るべきですが、これが危うくなってきている。下村博文氏は文科相時代、中央教育審議会などの人選で、ご自分の意向を直接指示されることが多く、政権寄りのメンバーが増える結果となりました」
安倍首相は、憲法9条に自衛隊の存在を明記するなどの改憲をあきらめてはいない、とされる。
「衆参いずれかの総議員の4分の1以上の要求で臨時国会が開くことを定めた憲法53条について、自民党憲法草案は『20日以内に召集』と付け加えています。こういう改正はやった方がいいでしょう。でも、現政権下での改憲は非常に危ないと感じている」
その理由はこうだ。
「かつて、自民党の保守本流と呼ばれた勢力は、権力を慎重に扱ってきました。それは、戦前・戦中の国家権力が暴走した時代の反省からだった。内閣は合議体なので、各省や大臣は一定の独立性を持っているはずです。ところが、現政権は中央指令で決め、各大臣は総理の部下だと言わんばかり。そこに緊急事態条項などを加えたらとても危険です」
この先、どういう社会を目指すべきか。
「大学や専門学校への進学率が約8割に達している現在、全ての人が20歳ごろまで教育を受けられるようにすべきでしょう。結果の不平等はある程度、やむを得ない。しかし、人が成長する過程で教育を受ける機会の平等は、確実に保障されなければならない。また、夜間中学やフリースクールなどこれまでの制度から落ちこぼれた人たちの学びの場を支えていくことも重要です。教育の底上げによる格差是正が必要です」
小池百合子氏率いる希望の党が、話題を独占する中で実質的に選挙戦が始まった。一方、森友学園、加計学園の両疑惑の真相解明はまた遠のいた感がある。
「都議選では、権力や国有財産を私物化したのではという疑惑が、有権者の怒りを買いました。国会が開かれず、政権が北朝鮮の脅威をあおったことで、疑惑への関心が下火になってはいます。ですが、怒りの根っこは残っており、その怒りはすぐに呼び戻されるのではないでしょうか」
(構成/本誌・花牟礼紀仁)
http://www.asyura2.com/17/senkyo233/msg/625.html
最近の号で、菅野完の公式FBページと 公式Twitterアカウントが稼働しはじめたとのお知らせ。よかったです。
Facebook https://www.facebook.com/SUGANOTAMOTSU/
Twitter https://twitter.com/SUGANOTAMOTSU ( @SUGANOTAMOTSU )
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【記事中の和田政宗先生の当該ツイート】
「安倍総理が柏駅前で街頭演説。菅野完氏がメルマガで集結を呼び掛けたこともあり、大声を張り上げ批判している人達がいたが10人程度。それにしても、ごく一部しかいない批判的な人達を、TBSはなぜ至近距離で撮っているのだろうか?我々は批判の声にも真摯に向き合い、やるべき政策を実行し続けます」
https://twitter.com/wadamasamune/status/916553525965893632
☆菅野完リポート10月7日一つ目より
----和田政宗先生ありがとうございます!!−ーーー
このメルマガの申し込みサイトのトラフィックを見ていると、15時台ぐらいからえらいビュー数が伸びています。特段なんかしたわけでもないのにおかしいな?とおもって、google analysisでトラフィックの詳細をみていると、Twitterからの流入とGoogleで「菅野完 メルマガ」って語句で検索してくる人が多い。定量的にいうと、昨日同時刻とくらべて200倍もの増加です。
ご存知の方もおられるように、当方いま、Twitterのアカウントは凍結中でして、Twitterでこのメルマガの宣伝活動なんぞやっていない。確かに昨日の夜送ったメルマガで、読者各位に宣伝をお願いしたけれども、それに起因する流入は今朝のうちに終わっている。
ひたすら謎なので、小首を傾げていると、知人から電話。
「和田政宗議員が、今日の柏の安倍ちゃん街宣で、菅野の悪口をTwitterで書いてるぞ」というじゃあありませんか。
今僕はTwitterが見れないので、和田がなにをいうてるか知りませんが、知人によると、当該1500件ぐらいRTされているらしい。
おそらく今日午後のTwitterからメルマガサイトへの流入はこの和田先生の宣伝活動のおかげなのでしょう。
いやぁ。さすがネトウヨの星・和田政宗先生。知恵が浅い(もとい)、甚だしく短慮(もとい)、冷静さにかける(もとい)、社会人スキルが低い(もとい)、御心が広くてらっしゃる。こうして拙メルマガの宣伝をかって出てくださったわけです。おかげで、今日の15時台だけで、12件もの新規申し込みを頂戴しました。いやぁ嬉しい限り。もう和田政宗先生には足を向けて寝られませんね。
で、この和田政宗先生がこうなるだろうな、ということは、実を言うと今朝からわかってた感じだったんです。
添付ファイルをご覧ください。(上部の写真)
これは今朝ほど、担当の編集とiMessageで交わした朝の雑談。毎朝この編集氏とiMessageで雑談するのが僕の日課になっています。(愛してるぜ、編集T)。
で、今日の雑談は、「昨日(2017年10月6日)の首相動静について」でした。
右側の青い背景が僕の発言。左側のグレー背景が編集の発言。一番右にある数字がその発言が何時何分になされたかのタイムスタンプ。このスクショをみていただければ、今朝の9時47分に「昨日の首相動静が極めて興味深い」と言う話を僕が編集としていたことがわかっていただけるかと思います。
テキストに書き起こすとこんな感じ
菅野完:
昨日の首相動静みていみw
おもろいどー
午前最後と午後最初の並び
衛藤晟一、和田政宗と連続してあってる。
で、夜にNSCw
担当編集氏:
完全にプロパガンダ準備じゃん
菅野完:
そうとしか思えんよなw
つまり、2017年10月6日の安倍首相午前最後の日程が、衛藤晟一、午後最初の日程が和田政宗であることに、僕は興味を示しており、プロバガンダの用意なんだろうなーと予想していたということですな。
だってそうとしか思えないじゃないですか。
衛藤晟一と和田政宗に連続して会ってるんですよ?
衛藤晟一といえば、日本会議の本体である日本青年協議会の椛島有三さんと並び称された、新興宗教「生長の家」学生運動の勇士。そこからキャリアをスタートさせ、安東巌さんの薫陶よろしく、日本会議の支援をうけ参院議員となり、いまや首相補佐官です。が、いかんせん頭が悪いし癖が悪いので閣僚になかなかなれないし、ファナティックすぎて、「ネトウヨ向けの論文を書く」ぐらいしか使い道がない。そんな衛藤晟一大先生と、安倍首相は昨日の午前に会ってるわけです
で、その直後に、安倍首相は、ネトウヨの星・和田政宗を官邸に呼んで会ってるわけです。衛藤晟一と会うのはわかりますよなんせ首相補佐官ですからね。しかし和田政宗、2013年の参院選で初当選しただけのまだ一年生議員。しかも自民党で当選したんじゃなく当時の「次世代の党」から出馬して当選してる。その後2016年になって次世代の党から名前を変えた「日本の心」から離党ししばらく無所属でいました。で、自民党に入ったのは、今年になってから。それもこの解散直前に入党が正式決定したばかり。そんな三下(もとい)… 他の言葉がみつからないのでそのままで、そんな三下に、首相が官邸でサシで会うこと自体が異常です。しかも選挙前のクソ忙しい時期にですよ。となると、ネットで人気の和田くんの動向を安倍ちゃんは掴んでおきたかった、安倍ちゃんはネットで人気の和田くんに縋りたかったと考える方が自然でしょう。 だってそれ以外の理由で会ってるとしたら、もう安倍ちゃんは、上下関係とか組織管理とか理解できない素っ頓狂なトンチンカンだということになってしまう。
なので、今朝、担当編集に、「これおもろいなー」という話をしてたわけです。
なんかこう書くと、まるで僕が「安倍は、菅野を監視するために、和田を呼びつけた」と思っているように読めちゃいますが決してそんな誇大妄想みたいなこと考えているわけじゃありませんよ。おそらく安倍ちゃんは僕のことなんか認知してないでしょうし知ってるはずがない。小物なんでね僕は。ただ、安倍ちゃんは、秋葉原にせよ国分寺にせよどこにせよ、ここ最近の街頭演説にプロテスターがやってくるのは「ネットでの呼びかけ」であることはわかっている。でそこで、和田くんに、ネットの監視、調査、誘導よろしきを依頼したってことなんだろうなと思っているということです。そしてその安倍からの下命を受けた和田くんが実施する作戦の第一弾が、今日の僕への言及だったのだろうなという、あくまでもこれは推測です。
とはいえ、まあ今朝想像したとおりに事態が動いたのは楽しくて仕方ない。
和田先生!これからもよろしくお願いします!
あ!和田先生!!
ご心配無用ですよ!基本的に、党選対決定の総裁以下党役員の応援弁士スケジュールは、だいたい把握してますんで。変更あっても都度連絡くるようになってるんで、教えてもらわなくても大丈夫っす!〜
あ、それと和田先生!
ネットで呼びかけなんかしてるとか思ってたら。。。。
えらい失敗するとおもいますよ?
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☆10月7日二つ目より
----JNSCの動き方---
さて和田政宗くんがこのメルマガに言及したツイートはさっき教えてもらったら6千件ほどのRTされてるそうです。
まあそりゃ痛快でしょうな。なんせ、菅野はTwitterにおらん、反論はない。なんとでも書ける。
で、前号で書いた話のおさらい。
安倍は、昨日、午後最後に衛藤晟一に会い、午後一番に和田政宗にあってます。そして、夜の締めは、JNSC(自民党ネットサポーターズクラブ)の会合でした。
詳細に昨日の首相動静をみてみましょう。
首相動静(2017年10月6日)
午前8時現在、東京・富ケ谷の私邸。朝の来客なし。
午前9時35分、私邸発。同51分、官邸着。
午前10時4分から同17分まで、閣議。
午前10時19分から同45分まで、麻生太郎副総理兼財務相、浅川雅嗣財務官、山崎和之外務審議官、松島浩道農林水産審議官、柳瀬唯夫経済産業審議官、田端浩国土交通審議官。同46分から同11時1分まで、麻生副総理兼財務相。同2分から同13分まで、衛藤晟一首相補佐官。
午後0時26分から同50分まで、和田政宗自民党参院議員。同1時22分から同47分まで、共同通信のインタビュー。同50分、官邸発。同53分、自民党本部着。同2時から同3時4分まで、同党選挙本部の幹部会合。同6分、党本部発。同9分、官邸着。同32分、官邸発。
午後4時34分、JR国分寺駅南口着。街頭演説。同5時10分、同所発。同48分、JR立川駅北口着。街頭演説。同6時18分、同所発。
午後7時23分、自民党本部着。同25分から同33分まで、同党ネットサポーターズクラブ緊急総会に出席し、あいさつ。記念撮影。同35分、党本部発。同57分、私邸着。
7日午前0時半現在、私邸。来客なし。(2017/10/07-00:47)
以上が、時事通信の伝える首相動静です。
繰り返しますが、昨日安倍は、衛藤晟一、和田政宗に会い、最後にJNSCの総会に出ている。
前号にも書いたように。。。。。
衛藤晟一=日本会議の活動家で、日本会議の窓口として政権に入ってる人。頭悪いので仕事できないから閣僚になれないけどネトウヨ向けの論文は書ける人
和田政宗=つい最近、自民党に参加した人。ネットではちょっとした人気者で、参院議員だから今暇でネット対策にもってこいの人
です。
で、昨日、安倍は、最後にJNSCの総会にでてる。
ね?
昨日、安倍は、「ネット対策に当たる日」としてたんでしょう。
衛藤晟一にネトウヨ向けの紙をかかせ、和田政宗にそれをネットで言わせ、JNSCの総会で安倍がネトウヨたちに頭下げて協力を要請する。
つまり、そういう工作に当てた日だったわけです。
その効果の第一弾が、和田政宗の当該ツイートなんでしょうな。
で、すげーおもしろいんですけど。
JNSCの組織的動きがわかるように、ひさしぶりにカズヤくん(知らない人がおおいでしょうが、カズヤくんは、有名な保守系ユーチューバー ユーチューブで人気の「動画ネトウヨ」ですな)が、Twitterで和田政宗くんをRTしてますな。
自民党の選挙ってのは、ここ10年こんな感じなんです。
1)日本会議のおっさんが、おっさん向けに、おっさん向けの雑誌(正論とか)に論文を書く
2)それを読んだ自民党のあらかじめデジグネートされた議員とネット有名人ががそれをネットで紹介する
3)JNSCメルマガでそれが共有され、ネットの有象無象が拡散する
という流れを繰り返し繰り返しやりながら、「ネット世論」ってのを作り上げています
1)の担当官は、以前から不動。 衛藤晟一であり、百地章であり、高橋史朗であり、死にかけてますけど田久保忠衛であり、櫻井よしこですわな
2)は、最近、顔ぶれが変わったというか、新旧交代があった。以前はこれを山本一太と世耕がやってた。いまこれを、和田政宗とかがやってる
3)の顔ぶれは大体一緒。で、こわいのはいま、この顔ぶれが、ヤフー個人のオーサーに大量採用されてること
だいたいこんなメカニズムでうごいてるわけです。
で、僕はこれを決してバカにしない。
だってこれが「運動」ですもの。
自民党はこの手法で、民主党から政権奪取したのです。まあネットだけじゃないですけどね。この組織力で自民党は天下を奪取したわけですわな。
翻ってリベラル勢力
まあ、こんなことできないですよね。
だって仕事できる人から、身内の内ゲバで殺されていくんだもん。
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http://www.asyura2.com/17/senkyo233/msg/654.html
はいこんばんは。菅野です。
今号は速報ぎみな感じ。
親切な人が、自由民主党がこの7ー9日に実施した独自情勢調査の結果を教えてくれました。
その速報です。
-----10月7−9日実施、自民党独自情勢調査結果----
自民239
希望100
公明34
立憲民主29
維新25
共産22
社民2
大地1
無所属13
という結果
自公合わせて過半数維持どころか、絶対安定多数維持の勢い。
で注意点は、これが自民党の独自調査だということです。
つまり、陣営引き締めのために、「自民に厳しく他党に甘く」採点された結果がこれ。
自民 公明 維新 希望の改憲勢力で、合計398議席という見込み。議席占有率85%越えです。
いやぁこりゃちょっとすごいな。
で、もし、希望への期待が「反安倍」ならば、希望 立憲民主 共産 社民 無所属(全部反安倍だと仮定して)で、166。
うーん。これでギリギリ2/3阻止。
ちょっとようわからん。
どう論評していいかわからん。
ただわかるのは、この状態で「棄権しよう」って呼びかけるバカは、ファシストへの加担ってことだけでしかないですな
---------
以上です。
むむむむむ
*******************
投稿者より:
この話はTwitter等で共有してください、とのことなのでそのまま貼り付けました。
「棄権しよう」って呼びかけるバカとは、今日のハフィントンポストに掲載された投票棄権の賛同署名を集める東浩之氏のこと。(前号のトピックでした)
ちなみに、昨日10月9日の菅野さんのメルマガダイジェスト!
第一便(20時発信):自民党比例名簿の添付と解説
第二便(22時発信):世論調査速報の解説と選挙後の展望
第三便(27時発信):共産党の「凄み」
http://sugano.shop/items/59ccab22ed05e610740040a2
---2017年10月11日発表各社議席予想-----
1)自民党独自調査(昨日配布済み・比較材料として)
自民239
希望100
公明34
立憲民主29
維新25
共産22
社民2
大地1
無所属13
2)NHK 獲得議席予報(本日入手)
【小選挙区】
平均値 予測範囲
自民 220 237−208
希望 23 31−16
公明 8 9−6
共産 0 1−0
立民 10 15−4
維新 6 11−2
社民 1 1−1
無所属 21 26−15
【比例】
平均値 予測範囲
自民 69 73−64
希望 40 44−34
公明 22 25−19
共産 14 17−10
立民 22 26−18
維新 9 26−18
社民 0 1−0
3)共同通信獲得議席予想(本日入手)
【小選挙区】
平均値 予測範囲
自民 220 237−208
希望 23 31−16
公明 8 9−6
共産 0 1−0
立民 10 15−4
維新 6 11−2
社民 1 1−1
無所属 21 26−15
【比例】
平均値 予測範囲
自民 69 73−64
希望 40 44−34
公明 22 25−19
共産 14 17−10
立民 22 26−18
維新 9 26−18
社民 0 1−0
以上です
昨日の自民党独自調査結果がいかに「自民に厳しく他党に甘く」出ているかがわかりますな。
ただやっぱりこれでも希望の数字がだいぶ上振れてる気がします。 もうグダグダなので、もっと下げるんじゃないかなとおもう。
この風向きだったら、例の野田数の話とか出てきてもおかしくない。壊滅状態になる可能性もあるかと思います。
---------
以上、取り急ぎ数字の共有まで。
いやぁ しかし、しんどいねぇ
***************************************
https://twitter.com/SUGANOTAMOTSU/status/917927615389868032
【昨日10月10日の菅野メルマガダイジェスト】
第一便(19時発信):東浩紀批判
第二便(22時発信):速報。自民党独自情勢調査
第三便(28時発信):神奈川6区 京都1区 沖縄3区に刮目せよ
以上の3本!
https://twitter.com/info_9/status/918172781157609472
私は兵庫6区で小池百合子さんと国会議員時代はずっと一緒に仕事をしてきました。
小池百合子さんは兵庫6区を蹴飛ばして東京に行って
そして都知事さんになってるわけですけど。
本当にあの人が心から人々の為に何かをしようとした姿は見た事ありません。
いつもいつも、どうすれば自分にスポットライトが当たるか
どうすれば自分が目立つか。
一番私が悲しかったのは、被災者支援法の時に
小池さんは『被災者?それば私とどういう関係があるの』
そういうふうに言いました。
あれほど心の冷たい氷の女はいません。
どうか皆さん、私たちはしっかりとした目を持ちましょう。
騙されたら、もういけません。
騙されない選択を皆さんにお願いして、服部良一さんの応援演説とします。
ありがとうございました。
頑張りましょう。
★★★京都6区山井和則さんが可哀想すぎる件★★★★★★
希望の溶解ざまー みたいな話をかきつづけているわけですが、僕がどうしても「この人は通って欲しい。いや通ってほしい」と思っているのが、京都6区から希望ででている山井和則さんです。
ご存知のように、山井さんは、解散直前まで民進党の衆院国対委員長。
確かに山井さんの国対は手ぬるいものがありました。森友・加計・防衛省日報隠し問題と、政府・与党追求の機会を十全に活かすことができない場面も多数ありました。法案審議のプライオタライズも首をかしげるものが多々ありました。
しかし山井さんは、「与党および与党補完勢力が国会で2/3を超える」という前代未聞の状態のなかで野党第一党の国対委員長をやったわけです。
「2/3議席越え」と聞くと「憲法改正」がすぐ頭に浮かびますが、改憲よりもなによりも、2/3越えは国会運営が無軌道になる側面が平時では弊害が多いのです。2/3あれば、任意に委員会や審議を秘密会とできますし、なによりも2/3あれば議員の除名処分さえできる。そして衆院側では参院否決となって差し戻しとなった法案を再可決することができる。もうこうなるとほぼほぼフリーハンドです。
で、実際、与党側はこの「フリーハンド」を使い、好き勝手やってきたわけです。だからこそ臨時国会をひらかなったし、だからこそ、予算委員会の日程さえ好き勝手いじりたおしてきたのです。
そんな中で山井さんは、国対委員長をやってきた。
山井さんは生ぬるいかもわからんけれども、山井さんがいたからこそ、民進の福島、玉木などの議員は、森友・加計問題で政府を追求できた。山井さんがいたからこそ、防衛省日報隠し問題は国会でも審議された。そしてなによりも、山井さんの特筆すべき功績といえば、山尾志桜里をして保育園問題追求の急先鋒に立たせその後も引き続き党内序列を半ば無視する形で彼女を引き立て、国会で安倍総理と直接対決する機会を儲け続けたことでしょう。
前原執行部はその山井さんをなぜか代表選直後に、「国対委員長代行」に据えるという降格人事を行います。この判断も前原の真意がよくワカらに判断。それでも山井さんはめげずに国対を頑張り続けた。だって民進で国対できる人彼しかいないんだもの。
その山井さんは、国対委員長(厳密にいえば代行と一段階降格されてますが)の宿命として、解散ギリギリまで永田町に縛り付けられていました。職責だから当然といえば当然です。とはいえ今回の選挙はちょっと意味合いが違う。山井さんの立場からみれば、「臨時国会開催のための綱引きを3ヶ月にわたり与党とやりつづけその綱引きに数の論理にまけついに解散となった。解散直前まで与党との協議に全身全霊を傾けてきて解散直後の党幹部会に出席してみたらあらびっくり、希望との合流とか…聞いてないよー」って話でしょう。 山井さんはそのまま希望合流を承認し、希望に公認を申請し、いま、希望で京都六区で苦戦中です。
これね、可哀想すぎるよ。
上記降格人事からわかるように、山井さんは、前原執行部から冷や飯を食わされていた。それはひとえに山井さん「ですら」、「民進党リベラル」と目されていたからにほかならにとおもうのですが、その山井さんは、別に前原執行部に気を使う必要なんかない。しかし山井さんは真面目ですから、国対委員長から国対委員長代行への降格人事という異例中の異例な判断も「組織の判断」として従い、そして、「希望との合流」も組織としての判断として従ったのでしょう。
そんな人が、希望の溶解にともなって、選挙で苦戦にたたされているとか、可哀想すぎる。ちょっと悲惨ですらある。
考えただけでも涙出そうだ。
僕は山井さんが好きです。大好きです。政策も考え方もキャラも嫌いだけど、「野党国対のあるべき姿」を提示し続けた、職人のような気質に最大限の敬意を示すものです。
希望が選挙後、自民党に擦り寄るのか、立憲民主と部分的に「元の鞘に収まる」のかわかりません。
わかりませんが、いま希望・立憲民主の両党で選挙に出てるメンツをみていると、山井さんほど「野党国対のノウハウ」を身につけた人はいません。
このまま山井さんを死なせることは、選挙後、政局がどうなろうとも、野党側戦力の大きな損失になるでしょう。
落としたらあかんのですよ山井さんは。守らんといかん議席なんです。
京都の有権者のみなさんが、賢明な判断を下されることを願ってやみません。
★★★★★★★★★
https://twitter.com/SUGANOTAMOTSU/status/921217549601083393
【昨日10月19日の菅野メルマガダイジェスト】
第一便(18時発信):速報!終盤最終議席予想
第二便(20時発信):大阪と東京の「モブ」
第三便(27時発信):京都6区山井和則さんが可哀想だ
以上の3本!
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Twitterが止まってちょうど1ヶ月ですな。
このひと月、断酒しとりますので、飲んでません。で、Twitter止まってるので、必然的にTwitterもやってない。
いろんなことをいっぺんに辞めてなにか生活に変化あったかといえば、別に思い当たる節もない。かといって飲まないことが辛いかといえば辛くもない。酒って癖のもんなんですな。
一方のTwitter。これは悔しいの一言。こんな大事な時期にTwitterが止まってしまった。しかもTwitter社からはいまだに何が理由かさえ開示されていない。訂正や反省のしようすらないわけです。やり場のない憤りで身が焦がれそうになります。
武器をとりあげられ、手足をもがれ、どうしようもないなかではじめたのがこのメルマガ。
おかげで購読者は1700名を超えました。ありがたいかぎりです。しかし、Twitterフォロワー数の1/40しかいないのも事実。自分の非力さを痛感するばかりです。
おそらく僕のTwitterは復活することはないでしょう。
是非みなさんのお力添えをいただき、このメルマガの読者を一人でも多く増やしていただければとおもいます。
なにとぞよろしくお願いもうしあげます
★★★言論人のありよう★★★
おそらくこの選挙はこれから先20年を決定づける選挙になるでしょう。
一方で、超大型台風の接近で雨天ということもあり稀に見る低投票率になる可能性もあります。
これを嘆いても仕方ない。それが世の中ってもんだし、それが現実です。現実はつねに「正しい」。
もう随分前のことですが、まだサラリーマンだった時代に、ひょんなことから某全国紙の偉いさんと知り合いになりました。
「菅野さんね。菅野さんもそうですけど、世間の人は『テレビは下品だ』『新聞は堕落している』と言いますが、僕はそれはそれで健全なことだとおもうんですよ。だって、メディアはビジネスですよ?儲からなきゃいけない。そしてビジネスを離れてかんがえてみても、メディアという言葉そのものが示すようにメディアは世の中の鏡でしかない。世の中が下品だから堕落してるから、テレビや新聞が下品で堕落してるんですよ。僕はそれでいいとおもうし、それに誇りを持つ」
と彼はいうのです。
これを聞いた時僕は一瞬、「なんてひでぇ野郎だ」と思いました。
が、翌日この言葉をよくよく考えてみると、彼のいうことが正論であるとだんだんわかってきました。
メディアは超巨大産業。一般消費者の関心がなければ産業は維持できません。そしてメディアは伝えるべき(と思う)ことを、それを知りたいと思っている(とみなされている)人に伝える役割を持っています。だとすると必然的にメディアが下す「何を伝えるべきか」の判断は、最終消費者の嗜好に引きずられるはずです。その結果産出されたものが、下品で堕落したものであるのならば、それは単に、最終消費者の嗜好が下品で堕落しているものだということにすぎないってだけの話です。それを嘆いてもしかないし、むしろ、前出の全国紙偉いさんのいうとおりメディアがそうであるならばメディア人としてはそれはそれで「職務を忠実に果たした」と誇りに思うべき類のことです。
が、ここで問題となってくるのが、言論人と呼ばれる人々の立ち居振る舞い方。
確かに世の中は下品で堕落しているのでしょう。そしてその鏡たるメディアは下品で堕落したものになっているのでしょう。しかし言論人と呼ばれる人士がこのメカニズムに同調してよいのか?
一応、言論人は、世間とメディアの共依存メカニズムと隔絶したところにいると、一応のところはなってる。だからこそ、「専門家の意見」「識者の見解」「インフルエンサーとしての意見」をメディアは言論人に取りに来るわけですわな。その言論人が世間とメディアの共依存関係に棹差したり助長したりしてよいのか?
当然これは、ダメですわな。
物を書き物を喋るという行為は、音楽を演奏したり絵を描いたりする行為よりも、「受け手の理性にダイレクトに訴えかける」という側面と「受け手を行動に誘う」という側面を、極めて濃厚に持っています。そして、物を書き物を喋るという行為は、音楽や絵画にくらべて、「だれにでも簡単に模倣できる」という側面を持っています。「相手の理性に訴えかける力が強くしたがって相手を行動に誘う力が強いうえに、模倣されやすい」わけですから、物を書き物を喋るという言論行為は、他のどんな表現手法よりも「世の中にインパクトを与える力」を桁違いに持っているわけです。
言論人とは畢竟、そうした武器を手にした人であり、その武器を保有することを世間から是認された人なのです。
ならば、言論人はやはり自覚的に「世間とメディアの共依存関係」から隔絶したところにあらねばならない。そうでないと、共依存のメカニズムに埋没してしまい、双方を徹底的に傷つけてしまう。そしていつしか自分もその共依存関係にまきとられ自分自身を深く傷つけることになる。
世間とメディアの共依存関係からどこまで隔絶した立ち位置に立てるか? という問いがいまほど強く問われる時代もないと思います。
その意味で、東浩紀のように「世間はバカだメディアはバカだ政治家はバカだ」と言ってのけるあの種の芸当は、「はい僕は共依存関係にどっぷりつかっているんですよー」という告白でしかなく、言論人として論評の対象にさえなりえない稚拙かつ醜悪なののと言わざるを得ないのです。
この選挙はおそらく、悲惨な結果に終わるでしょう。
その結果をみて、「世間はバカだ、政治家はバカだ、メディアはバカだ」と言ってのけるのは誰だってできる。それこそバカでもできる。
あるいは、与党の圧倒的勝利をみて、「野党の不甲斐なさがなぁー」と嘆いて見せるのも、それこそ床屋の待合室にいるおっさんでもできる。
そこじゃないポイント。そこじゃない立ち位置。
本来、言論人はそこに到達できるように、自分の思想的立ち位置関係なく、もがき苦しむべきなんだと思うのです。
確かにその立ち位置は、狭く、そこに至る道のりも決して平坦ではないでしょう。しかしそこに到達することを諦めた途端、それは言論人としての死でしかありえんわけです。そんな立場は、ケントギルバードや百田尚樹がやるようなタレント業でしかないわけです。
偉そうなことを書いていますが、僕だってその立ち位置に到達できたのかどうかわからない。いやきっとまだ到達できてないんでしょう。
でも僕は世間からどんなに疎まれようとも、いまみたいにどんなに追い込まれようとも、その立ち位置に到達する努力を諦めたくないんです。
この時間になって届く各種の数字、各方面の情勢情報は、明日の結果が悲惨なもになることを告げ続けています
この数字を手にしながら、「選挙明けた後こそが、言論人としての勝負だ」と、決意を新たにしたところです。
まだ終わったわけじゃない。
僕は、絶対に、近代的議会制民主主義の力と、言論の力を、諦めない。
★★★★★★★★★★★★
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月刊菅野完、創刊号もカッコイイ。すごく新鮮。
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【菅野完リポート】2017年11月27日今日の予算委員会の議論は最悪やったね号
tamotsu008.stores.jp
こんにちは。菅野です。
国会始まったんでバタバタしております。
ミソジニーの話せんといかんのだが、ちょっと国会むちゃくちゃなんでその話をば。
★★★モリカケの終わり★★★
結論からいうと、もうモリカケ問題は終わりのような気がします。
長妻さんの質問、下手くそすぎた。
まあ明日以降の挽回ってのも論理的な余地はあるんでしょうが、こういうものは初めが肝心なんでね。。。。
世間の人は、森友問題と加計問題を一緒に考えてるんですけども、本質が違うんです。
いやそりゃね、安倍内閣は昔から「お友達内閣」と揶揄されとるのは事実。森友問題は昭恵の交友関係から生まれたのも事実。そして加計問題は安倍本人の交友関係から生まれてるのも事実。そういう意味では、ネポティズムとかクローニズムとかいう意味で、森友も加計も近しい問題ではあります。
が、「国政の場で議論する」という視点からいうと、ちょっと本質的なところで違いがあります。
この本質的な違いを明確に言語化したのは他ならぬ前川喜平前文科事務次官です。
日本記者クラブで行われた記者会見で前川さんは
「小学校であれ大学であれ幼稚園であれ、学校を設立するときは、行政が、財政面と文教面の両方で支援をする必要がある。森友の場合は文教面の支援は大阪府、財政面の支援は国。加計は文教面の支援が国、財政面の支援が今治市」と発言しています。
この発言の内容そのものに何ら間違いない。前川さんのいう通りです。表にすると以下の通り(テキストなんでずれるかもしれんけど)。
森友 加計
文教 地方自治体 国
財政 国 地方自治体
こう整理するとおわかりいただけるように、「国の金が動いた」「国の金の動きに不透明さがある」ってのは森友問題だけなんですよ。確かに加計学園が今治の獣医学部で自治体から有形無形の援助を受けている額は森友問題の比ではありません。桁が違うというても過言ではない。でもね、それは今治とか愛媛県の金であって国の金ではない。どんなに巨額でどんなに不透明でもそれは今治市議会とか愛媛県議会で議論してくださいって話ですわな。
また、加計問題で取りざたされる「国家戦略特区認定プロセスの不透明さ」「大学設置認可プロセスの不透明さ」ってのは、畢竟、「安倍がそのプロセスに容喙したか?」ってことなんですが、これで安倍を攻めるのは無理がある。そもそも国家戦略特区ってのは首相トップダウンで決めるって仕組みになってるわけです。大学設置認可に首相が容喙する余地はないけれども内閣人事局制度が出来て以降「首相が容喙しない」なんてのはそんなものは絵空事になっとるわけです。だったら、国家戦略特区認定プロセスの不透明さ」「大学設置認可プロセスの不透明さ」両方とも安倍の問題ではなく制度の問題なわけです。僕が安倍ならその筋で責められたとしても「この制度作ったの、橋本行革の時代なんでねぇ。僕に言われても知りませんよ」とでも答えますね。
で、森友。
確かに、森友に国有地を払い下げたスキームも、内閣人事局制度の影響下にあるわけでそこは加計と一緒。でもね、動いたのはやはり国の金なわけ。だからこそ予算委員会での議論の対象になる。そして会計検査院の報告書はその国の金の処理に不透明なんてもんじゃない大問題があったと示唆しているわけです。
今開かれている予算委員会は、その会計検査院の報告の後に開催されているわけです。これまでの国会議論で首相以下政府要員は「適切であった」「問題はない」という答弁を繰り返してた。しかし会見検査院は問題あったといっている。それを受けての国会議論です。つまり、「これまでの国会答弁は全て嘘であった」ことが立証されてからの国会議論なわけ。
ここで森友問題には「国の金に不透明な動きがあった」という以前からあった議論だけでなく、「国会答弁が全て虚偽であった」というもう一つの問題が加わったわけです
だったら野党がやるべき質問はたった一つ。
「政府は、これまでの答弁を維持するのか?」
ということ。
長妻さんみたいに「間違ってたんだから謝りなさい」じゃだめなんですよ。上品すぎる。
「これまでの答弁に変更はないですよね?維持するのですよね?」という質問をしなきゃいけない。
このYES/NOクエスチョン。どっちにころんでも政府の窮地なんです
「維持しません。変更します」ってんなら、「だったら質疑全部やり直し!」って言えばいいで
「ええ。維持しますよ。変更しませんよ」ってんなら
…ほら、あの答弁もそのままってことですよ?
「私や妻が関わってたら総理も政治家もやめる」ってあの答弁もね。
野党はこれをやらんといかんのです!
本稿以上
ではでは。
これは価値ある動画!拡散されたし。文字起こしも欲しいですね。
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/407549
(会場は長蛇の列、200名ほどは入場できず泣く泣く帰られたとのこと。
質疑応答の前に森友問題の木村市議が話されたのもよかった。)
ピンボケの朝日新聞の報道もついでにご紹介。
http://digital.asahi.com/articles/ASKDG3Q7PKDGPLZB003.html?rm=316
京都)前川・前文科次官が講演「政治と教育で四苦八苦」
2017年12月15日03時00分
前文部科学事務次官の前川喜平(きへい)さん(62)が13日、下京区のキャンパスプラザ京都で講演し、約700人が集まった。教育の問題に触れ、「教育と政治の関係に大きな問題をはらんでいる」と指摘した。
前川さんは学校法人「加計(かけ)学園」(岡山市)が計画する岡山理科大の獣医学部の新設について、官邸の関与が推測されると告発。講演の冒頭、「私は政治と教育の間で四苦八苦してきた」と切り出した。
さらに「南京事件はなかったと教科書に書けと言う。それは歴史学が明らかにするべきことで、政治が決めるべきことではない」と主張。2006年の教育基本法改正に触れ、「政治が教育を決めていいという考え方が盛り込まれたが、非常に危険だ」と述べた。
ログイン前の続き文科省の初等中等教育局長時代、教育現場で教育勅語を使えるかどうかを国会で質問されたことも紹介。「使うべきでないと答弁するはずだったが、大臣にダメだと言われ、命令と自分の良心がガチンコでぶつかった」と振り返った。
現政権での教育改革について、「高校生のための奨学給付金制度は、教育格差を是正するよい政策だった。全部が悪いわけではない」と評価もした。
前川さんは、政権の方針に反発を覚えながらも官僚トップまで進んだ経験を踏まえ、「私のようにうまくやった方が賢明」と主張。面従腹背が必要として、「学習指導要領では国を愛する心と書いているが、文科省は同時に、自ら学び考えさせろとも言っている。正面から反対して処分や左遷をされるなら、口パクでも君が代を歌って校長や教育長になった方がいい」との持論を展開した。
会場の定員は300人で、入りきれなかった人は別の部屋にあるモニターを通して講演を聴いた。
加計学園の獣医学部新設について会場から尋ねられると、「本当は合格させられない大学が、国家戦略特区にふさわしい国際競争力を持つ拠点になるはずがない。しかも、ライバルの京都産業大は後付けの条件で恣意(しい)的に排除された。加計ありきは明らかだった」と答えた。
今後、多様な人が学ぶ場として朝鮮学校や夜間中学、フリースクールの役割が重要になると主張。「グローバルに物事を考えられる人を育てる必要がある。地球市民と言っていい」と述べた。
*****
この記事に対する、講演会で司会をされた京大教育学部の駒込先生のコメント:
https://www.facebook.com/events/1695640437165705/permalink/1728503360546079/
Takeshi Komagome 『朝日新聞』で、けっこう大きな紙面であつかってくれたのはうれしいことです。ただ、この記事の最後の方のところを読むと、「面従腹背」のススメと読めてしまうところが、ミスリーディングと感じました。実際にはそうした生き方もあるという話しかただったと思います。また、下村文部科学大臣の「命令」にしたがった答弁において、微妙に語句を変えて話したというエピソードもありましたし、朝鮮学校を無償化から外したことについて現職時代から自責の念を感じていたということも話していました。質疑においては、教員の過大な負担について現職の文部官僚についても固有名詞をあげて批判していました。「面従腹背」をせざるをえない場合もあるとして、その責任は個人として厳しく問われるべきだということが、前川さんのお話のキモなのではないかと思います。
https://miyearnzzlabo.com/archives/46657
吉田豪さんがAbema TVで前川喜平・前文部科学省事務次官にインタビュー。その模様を書き起こししました。
*****
みやーんZZ @miyearnzz
吉田豪さんの前川喜平さんインタビュー、面白い! リンク先で無料で視聴できます!
ニュースの渦中にいた人物たちが語る真実と本音 @AbemaTV で無料配信中 https://gxyt4.app.goo.gl/Nd21
12:24 - 2018年1月4日
*****(現在AbemaTVの配信は終了していますが、Facebookなどにアップされている模様)
(ナレーション)安倍総理の友人、加計孝太郎氏の獣医学部新設を巡る総理の関与疑惑。総理の忖度はあったのか? 昨年、野党から連日激しい追求が続き、総理はその弁明に追われた。そのきっかけはこの発言からだった。「あったものをなかったものにはできないということで、公正・公平であるべき行政のあり方が歪められたという……(前川喜平)」。前・文部科学省事務次官、前川喜平。一躍時の人になったこの男だが、果たしていま、なにを思うのか?
(前川喜平)よろしくお願いします。
(吉田豪)よろしくお願いします。
(ナレーション)いままで数千人のインタビューを行った吉田豪がその本音を聞き出す。
(吉田豪)あの、基本僕、そんなに頭よくないので、そのレベルで話していただけると助かります。
(前川喜平)いやー、私もそんなに……(笑)。
(吉田豪)そうなんですか? 超エリートじゃないですか(笑)。でもね、気になるポイントがいくつかあって。パソコンの画面がゲバラだったっていう(笑)。
(前川喜平)アハハッ、最近は出腹(でばら)なんですけどね……(笑)。
(吉田豪)あ、そういうネタも入れてくるタイプの? ダハハハハッ! そう。控室で一緒だったんですけど、意外とゆるい感じで安心したんですよ。
(前川喜平)ゆるいっすよ(笑)。かなりゆるいですよ。
(吉田豪)メディアのイメージがだいぶそういうイメージ、出ていないじゃないですか。
(前川喜平)国会の参考人で行った時にね、こんな調子で話はできませんわね。
(吉田豪)そりゃそうです(笑)。
(前川喜平)だからまあ、あの姿しか知らない人はね、「超真面目人間だろう」と思ってらっしゃるかもしれませんけども。まあ、基本的にはゆるいですよ。
(吉田豪)そっち系の。
(前川喜平)「決まりを守らなければいけない」とあんまり思っていないところがありますね。赤信号、渡りますよ。
(吉田豪)ダハハハハッ! そうですか。そう言えるタイプ。今年でこんなに運命が変わった人もいないと思うんですよ。
(前川喜平)そう、ねえ。まあ、運命が変わった人はいろいろといるでしょうけども。私の場合はもともとね、まあ今年中には役人を辞める退職の時期にはなっていたので。
(吉田豪)ただ、結果ものすごい知名度は上がりましたよね?
(前川喜平)それはね、全く望んでいないことで(笑)。
(吉田豪)とは思いますけども。
(前川喜平)早く顔は忘れてほしいです。
(吉田豪)いろいろと不便?
(前川喜平)不便。道を歩いていても、駅を歩いていても、時折声をかけられるんですよ。年配の女性が多いんですけどね。昔からの知り合いであるかのようにやって来られて、「まあ、前川さん!」って来るわけですね。「うーん、どこかで会ったかな?」って思うんだけど、「やっぱり会ってないな……」と思いながらも、「どうもどうも」なんて言っていると、「がんばってくださいね!」なんて言われて握手を求められたりして。まあ、悪い気はしないですけどね。
(吉田豪)結構賛否両論の多い人というとあれですけども、英雄視する人と敵視する人がはっきり分かれていると思うんですよ。
(前川喜平)ああー、だからまあ、どっちも困りますね。
(吉田豪)どっちも?(笑)。
(前川喜平)うん。だから敵視する人はするでしょう。それはしょうがないですね。
(吉田豪)ああいうことを言った以上?
(前川喜平)うん。それは私の言動が非常に都合が悪いという人はいるはずだから。そういう人にとってみれば、それは敵でしょうけどね。でも、私の言動が困るという人はごくわずかなはずなんで。そのごくわずかな人につられている人がいるのかもしれないですけどね。それはちょっと、まあよくお話をすればわかってくれるのかもしれませんけどね。
(吉田豪)実害があったわけではないけど、「なんだ、これは?」と怒っている人たちという。
(前川喜平)うーん……ネット上にいろいろと、いろんな情報があふれているように見えるけど、その情報を作っている人たちってほんの少しだろうと思うんですよね。
☆「出会い系バー通い」報道 その真相は?
(吉田豪)僕も仕事であの出会い系バーに潜入取材したんですよ。
(前川喜平)ああ、そうですか?
(吉田豪)で、潜入取材をした結果、「前川さんの言い分はこれ、8割方は正しいんじゃないか?」っていう結論になりました。
(前川喜平)そうですか(笑)。
(吉田豪)かなりフラットな目線で行って。
(前川喜平)出会い系バーってそれは売春・買春の巣窟みたいな言われ方をしていたじゃないですか。
(吉田豪)完全に風俗店みたいな言われ方、していますよね。
(前川喜平)そんなことはないと思うんですよ。もちろん、そういう目的で来る男女もいると思うけど。
(吉田豪)もちろん。
(前川喜平)だけどほとんどが……まあ、僕の会った子のほとんどはお話をして、ご飯をおごってもらったり、お小遣いをもらったり。そういうことが目的の子が多かったです。女性の場合は、あそこでタダで飲んだり食べたりできるから。
(吉田豪)そうなんですよね。
(前川喜平)ある意味、一種の居住空間になっているんだよね。
(吉田豪)携帯の充電ができて、ドリンクが無料で、ご飯が食べれて。で、男の人におごってもらったり。
(前川喜平)同じ店に行ったんですか?
(吉田豪)そうなんですよ。完全に調べて行きました。
(前川喜平)あ、そうなんだ。ああー。
(吉田豪)で、いろいろと口コミで女の子に話を聞いたりとかして、納得しましたよ。「いわゆる右側の人たちの世論誘導の方がおかしい」という結論です。
(前川喜平)いやー、私はいくらなんでも読売新聞があんな記事を書くとは思わなかったですよ。本田真凜ちゃんのファンなんだけど、最近本田真凜ちゃんが読売新聞のコマーシャルをやっているんでね、悲しいんですよね……。
(吉田豪)ダハハハハッ! 複雑な感情が?(笑)。
(前川喜平)まあ、それは全然話が違うけども。
(吉田豪)全然大丈夫です(笑)。
(前川喜平)まあ、読売新聞は、あれはちょっとね、やっぱり10年後でも20年後でもいいから、やっぱり反省すべきだと思いますよ。少なくとも、権力との距離という意味では非常に問題ですよね。メディアのあり方としてね。
(前川喜平)ただ、これはメディアはメディアの中で浄化作用を考えるべきであるから。私はメディア人の人たちがこの読売の姿勢というものを批判すべきであって。
☆ 賛否「出会い系バー通い」 その真相は?
(ナレーション)読売新聞は前川・前文部科学省事務次官の出会い系バー通いの報道に関して昨年6月3日付けの朝刊で「教育行政トップである人物が違法行為が疑われるような店に出入りすることは不適切である。公共の関心事である公共目的にかなう」と説明した。
(吉田豪)そもそも風俗店ではないという前提の上で、まあ風俗店だとして行っていたらなんだ?っていう話じゃないですか(笑)。すごい特殊な報道でしたよ。
(前川喜平)読売新聞に報道が出たのが今年の5月22日だったですけども、その3日ぐらい前から読売新聞からはアプローチがあったんですけども。「まさか、書くまい」と思っていたんですよ。そうしたら、前日の5月21日に官邸にいる総理補佐官の和泉さんっていう人から間接的に「会って話がしたい」という趣旨に受け取れるような打診があったんだよね。これは僕は「お前の嫌なことを書かれたくなかったら、しゃべるな」あるいは「しゃべったことを取り消せ」という、一種の取引あるいは脅しかなと思いましたね。そういうことがなければちょっと考えられない。
(吉田豪)うん。
(前川喜平)もともと、私の非常に個人的な報道だけど、それをほじくってどうする?っていう話なんでね。私はでも、面白かったですよ。本当に個人的な関心で行っていたわけで。全く個人的な行動ですよ。だからまあ、一種の社会勉強っちゃあ社会勉強だけども、いろんな境遇の女性と話をしていて「なるほどな」って。本当に根無し草的に暮らされている子もいるし、それからもう子供を抱えているという人もいたし。男で失敗を繰り返しているような人もいたしね。まあ、経済的にはどの人も困っている人が多かったのは事実ですけども、やっぱり家庭環境を聞いてみると、両親が離婚しているという人が非常に多かったという印象がありますね。
(吉田豪)貧困調査という発言に「そんなわけないだろ」みたいな反応がすごい多かったんですけども。僕も行ったら意外と納得はできました。
(前川喜平)まあ「調査」という言葉がね、「そんなことないだろ? じゃあ、調査報告書はどこにあるんだ!」とか。まあ、それは比喩ですからね。別に調査報告書があるわけじゃない。でも、私の記憶の中にはいろいろと「なるほどな」という話は残っているんですよね。
(吉田豪)実際にだってそれぐらい立場のある人がなにか、女性を買うとかだったらいくらでももっと、立場を隠せるところがあるわけで。すごい納得はしましたよ。
(前川喜平)うーん。そこはまあ、私もコメントは差し控えますけども……(笑)。
(吉田豪)ダハハハハッ! ある雑誌で女の子をつかまえてきて証言をさせていたの、あったじゃないですか。
(前川喜平)あれはよく見つけたなと。
(吉田豪)すごいですよね。「前川さんは何もなかった。むしろいい人」っていう表現(笑)。女の子サイドから出てきたという。あれは画期的でしたよ。
(前川喜平)あれ、よく見つけてきたなと思ってね。「また行こうかな」という気もないことはないんだけど。
(吉田豪)ないことはないんですか(笑)。
(前川喜平)あるメディアの人から伺ったんですけど、あそこのマスターがね、「また来てください」って僕に伝言を……(笑)。
(吉田豪)ダハハハハッ!
(前川喜平)うーん、まあ落ち着いたら行ってもいいかなとは思っていますけども(笑)。あそこのマスターの作るロコモコ、結構美味かったんですよ。
(吉田豪)意外と宣伝効果はあって、男は増えていましたね。
(前川喜平)あ、そうですか?
(吉田豪)で、女性は全然知らなくて。「ここ、なんか話題になってんのー?」ぐらいの感じで。
(前川喜平)ああ、そう?(笑)。まあでもね、私の……文部科学省の中でも私の性格を知っている人はね、「前川さんならやりかねないな」って思っているという。ちょっと突拍子もない、普通の役人だったらやらないようなことをするということは、知っている人は知っていると思うんですよ。全く性格は違う話だけど、2年前の9月18日の安保法制が国会に通ろうという時、国会の正門前に入ってね、SEALDsの連中とともに「安保法制反対!」って。
(吉田豪)やっていたらしいですね。
(前川喜平)やったとかね。これだって普通の役人だったらしないことなんですよね。
(吉田豪)「官僚がやっていいんだっけ?」みたいなやつですよ(笑)。
(前川喜平)いやいや、いいんですよ。だって一個人として別にやって構わないことはやって構わないわけで。個人としてしたいことをしているという意味では、出会い系バーに行っているのと、国会正門前でデモをやっているのと、同じことなんですよね。なんかね、ちょっと「公務員だから」といって自粛というか自己規制しすぎていますよね。みんなね。
(吉田豪)「これはやっちゃいけないんじゃないか?」みたいに考えて。
(前川喜平)忖度。自分で自分に鎧を着せているというか、衣を着せているというか。拘束服を着せているようなね、そういう人が多いと思うんですよね。そういう組織の中で仕事をしていても、心は自由でないと本当にいい仕事はできないと思うんですけどね。
☆ 前川流映画『シン・ゴジラ』論
(吉田豪)『シン・ゴジラ』についての話も出てきていて。
(前川喜平)ああ、『シン・ゴジラ』? あれは私、見ましたけども、面白かったですけども。ちょっとね、官房副長官があれ、ヒーローになっているのね。
(吉田豪)でしたね。
(前川喜平)官房副長官があそこまでヒーローになるっていうのは、ちょっと考えにくい話で。まあ、それがフィクションなんですけども。「官房副長官のモデルになったのは僕だ」とかっていう人がいてですね、まあ萩生田さんなんですけども。萩生田さんが官房副長官でらっしゃった時に、週に1回、事務次官等連絡会議っていうのが官邸であるんですね。そこは官房副長官と各省の次官が集まって一緒にお昼ごはんを食べて。それで他愛もない話をして帰るというのがこの事務次官等連絡会議なんですけども。その場で「『シン・ゴジラ』はぜひ見るべきだ!」というお達しがありまして。
(吉田豪)フフフ(笑)。
(前川喜平)「じゃあ、ちょっと見に行こうか」って見に行ったんですけどもね。まあ、なんだろうね? 核兵器を使いかねない状況が現れるわけですよね。あのへんが非常に乱暴だなという風に思うんですよね。まあ、結局最終的にはそれを阻止して、シン・ゴジラをやっつける別の方法を見つけて、それで核兵器を使うという選択肢を使わずには済むわけですけども。なにか、とにかく大きな問題が起きた時に、解決の手段として「核兵器」って行く発想そのものが非常に危険ですよね。あの映画はそっちに行かないという結論にはなっているけども、そもそも核兵器を使うという選択肢があるんだ、みたいなことが問題。
(吉田豪)うん。
(前川喜平)これは「シン・ゴジラ」を「北朝鮮」と置き換えて考えた時に、非常に危険な話だなと。
(吉田豪)原発事故のメタファーなんだろうけど、そういう風にも捉えられるという。
(前川喜平)そうですね。やっぱり危険な映画だと思いますよ。あれはね。
(吉田豪)ほう。官邸側の人間からすると。
(前川喜平)あれはね、「やっぱりだから緊急事態条項は必要でしょう?」みたいな話に持っていかれかねない。緊急事態条項はね、いまの憲法改正の柱にも入っているわけですよ。「緊急事態条項を入れる」っていうのはね。だから緊急事態条項も「ゴジラが出現した場合に限り」とか入っていればいいんですよ。
(吉田豪)ダハハハハッ! 限定していればね、まだ。
(前川喜平)「国難だ」「脅威だ」「緊急事態だ」って誰かが言えばそうなっちゃうっていう危険性があるわけで。私はそういう方向に行きかねない危険性を持っている映画だという気はしていますけどね。
(吉田豪)うーん。「前川は左だ」とか、そういう単純な話じゃないっていうことですよね。
(前川喜平)うん。まあ、どっちかって言えば左ですけどね。
(吉田豪)フハハハハッ!
(前川喜平)だけど、世の中が右に行っちゃっているからそう見えるだけで。私はもうど真ん中にいるつもりでいるんだけど。
(吉田豪)文科省では浮いていたかもしれないけど……っていう感じですよね。
(前川喜平)まあ、浮いてもいないですよ。
(吉田豪)そうですか? 意外とそういう感じの人もいる?
(前川喜平)まあ、どうかな? でもね、事務次官になっちゃったんですよ。私ね。不思議でしょう?
(吉田豪)こういう感じで(笑)。
☆ 前川喜平が評価 元レスラー文科大臣 馳浩
(吉田豪)ものすごいどうでもいい話をしていいですか?
(前川喜平)はい。
(吉田豪)事務次官時代、馳浩さんとも交流があるわけですよね?
(前川喜平)ああ、もちろん。もちろん。
(吉田豪)どんな人でした?
(前川喜平)いい人ですよ。知ってます?
(吉田豪)もちろん。昔、取材したり。プロレスラー時代に接点があって。
(前川喜平)ああ、そうかそうか。いや、あの人はね、ある意味稀有な政治家だと思いますよ。ただのプロレス出身の国会議員じゃない。
(吉田豪)大仁田厚とかとは違って。
(前川喜平)大仁田厚さんとは全然……(笑)。これはね、一緒にしちゃかわいそう。
(吉田豪)ですよね。同じプロレスラー枠で。
(前川喜平)大仁田厚さんはちょっとね……いや、本当にひどかったよ。
(吉田豪)ダハハハハッ! やっぱり?
(前川喜平)だって、もう国会の中でもプロレス並に暴れていましたからね。物理的に。肉体的に。あれはね……ひどかった。馳さんはもともと高校の古文漢文の先生ですからね。
(吉田豪)ちゃんとできる人ですからね。
(前川喜平)話をしていると時々、『源氏物語』の一節とかが出てくるわけですから。特に殊の外、私は仲がいいですね。私は隠れて喫煙する派なんですけどね。あんまり大っぴらに「煙草を吸います」とは言えないんですけども。馳さんも煙草を吸う人なんですよね。ところが、大臣の時には自分の部屋で煙草を吸わずに、私の部屋に来て煙草を吸うんですよ。
(吉田豪)へー。そういう仲だったんですね(笑)。
(前川喜平)うん。だから、私がお客さんと話をしているじゃないですか。私の部屋、事務次官室で。するとそこに馳大臣がノコノコッと入ってくるわけです。「僕はいないと思って続けてください」とかって言って入ってきてね、勝手に座って煙草を吸っているんですよ。
(吉田豪)へー!
(前川喜平)だからいつものことだから、「ああ、あの人は放っておいてください」って言って、僕は僕のお客さんと話をしているわけ。そしたら、勝手に話に入ってくるわけね。いや、「いないもんだと思ってくれ」って言っているんだから、いないフリをしてくれないと困るんだけど、こっちの話を聞いていて、その話に入ってくるわけ。だから、困っちゃうんですよね。いつの間にか大臣が入ってきちゃってね。で、僕のお客さんは僕に会いに来ているわけだけど、まさか大臣が入ってくるとは思っちゃいないから、びっくりしちゃうわけなんですけどね。
(吉田豪)まあでも、「ラッキー」ぐらいの感じですよね。向こうは。
(前川喜平)で、最後にじゃあ、一緒に写真を撮ったりして帰ったりしてね(笑)。
(吉田豪)ダハハハハッ! へー!
(前川喜平)まあ、そんな感じで馳さんとは本当にフランクにお付き合いをさせていただいて。馳さんっていう人は陽の当たらないところでいろいろと苦労している人たちに光を当てる。そういう仕事をずいぶんしてこられたんですね。去年の12月にできたフリースクールと夜間中学を支援していくという法律があるんですけども。教育機会確保法って言いますけどね。この法律を一生懸命に作る中心になっていたのも馳さんなんですよね。だから気は優しくて力持ちっていうのは馳さんみたいな人のことかなと。……ちょっと褒めすぎているかな?(笑)。
(吉田豪)「自民党の敵」ぐらいの立場になっている前川さんがこれだけ褒めるっていうのはね、説得力がありますよ。
(前川喜平)いや、自民党の中には立派な人もたくさんいますよ。ずっと私も自民党の大臣にお仕えしてきたので。「うーん、ちょっと困るな……」っていう人もいますけどね。真っ当な人もたくさんいるんですよ。まあでも、変な人がいちばん多いのは自民党だと思うけども。
(吉田豪)まあ、人数も多いですからね。
(前川喜平)……ちょっと言いすぎたかな?
(吉田豪)ダハハハハッ! トーク、面白いじゃないですか。前川さん、トーク面白いですよ。
(前川喜平)いや、ちょっといま言いすぎましたね。まあ、自由人だからいいけども。
☆ 退官後は「夜間中学」で高齢者を対象に教師
(ナレーション)そんな自由人の前川さん。馳議員が力を入れたあることにいま取り組んでいると言います。勉強をする高齢者のみなさん。いったいここで何をしているのか? いま、前川さんは自主夜間学校と呼ばれる学校で勉強を教えているんです。なぜこんなことをしているのか?
<自主夜間学校VTRスタート>
(前川喜平)それはやっぱりね、夜間中学というものを文部科学省がほったらかしにしてきたっていう責任を感じているんです。本来、非常に大事なものなのに文部科学省としてきちんと教育行政の対象として捉えてこなかった。
(ナレーション)ここの生徒の多くは学びたくてもいままで勉強をすることができなかった生徒たち。読み書きもできない人も多く、最近では引きこもりだった方も増えているという。前川さんは去年の3月から福島と厚木でそんな人たちに勉強を教えています。
(前川喜平)「教育」って言っても、ここは学習の場なんですよね。1人1人の生徒さんが自分で勉強したいことを勉強するっていう場だから。そこがいちばんいいですよね。
(インタビュアー)公務員時代と比べて?
(前川喜平)それはこっちの方がずっと楽しいですよ(笑)。
(ナレーション)そんな前川さんを、生徒たちは……。
(生徒1)ああいうところにいる人は、もう話がわからない、学校ばかり出た頭でっかちな人だなと思っていたんですけど、全くそうじゃなかったので。本当にびっくりしました。
(生徒2)気取らないというか、気さくでいいと思います。
<自主夜間学校VTRおわり>
(吉田豪)学校の生徒は前川さんのことをどういう風に把握しているんですかね?
(前川喜平)福島の方では、新聞を使って勉強したりもしているんですよね。新聞を日遂げて、一面の記事の中からどれか「これを読みたい」というのを選んでもらって。そうして読んでいると、私の名前が出てきたりするわけですよ(笑)。で、「ああ、これは僕なんですけどね」なんて言いながら話をしたりしていましたけどね。前文部科学事務次官だということを知っている人は、いまや多いですよ。
(吉田豪)お話を聞くと、あんまりお金にはならなそうな……。
(前川喜平)お金にはならないです(笑)。これはボランティアスタッフでやっているんで。
(吉田豪)稼いでいるのかと思ったら、そうでもなさそうじゃないですか。
(前川喜平)まあ、そうですね。稼いではいませんね。交通費はもらうけども、講演料っていうのは、別にこっちからは「くれ」とは言ってないですけども。くれる場合はせいぜい3万円ぐらいですかね? まあ1万円だったりっていうこともあるし、5千円っていうこともあったかな? まあ、ゼロっていうこともありますよ。だからとにかく、くれるものはもらうけども、こっちからは「くれ」とは言わないから。だいたい私を呼んでくれるような組織、団体っていうのは非常に零細なね、不登校の子供たちの親の会とか、それこそ自主夜間中学をやっていますという人たちとか。非常に草の根で地道に、地味に活動しているという人たちが多いんでね。そんな、1回に10万円、20万円なんていう講演料が払えるような人はいないんですよ。
(吉田豪)ねえ。元官僚の講演っつったら、そのぐらいの単価が当たり前ぐらいかと思っていたら、全然。
(前川喜平)いや、くれるところからはもらいますよ。
(吉田豪)ダハハハハッ! そうですか?
(前川喜平)だからたまにね、「あれっ? こんなもらっちゃっていいのかな?」っていうのもあるんですよ。どこからいくらもらったとは言いませんけども。そりゃあ、くれるものはもらいますよ。私、いま基本的に無職ですから。
(吉田豪)なるほど、なるほど(笑)。
☆ 加計学園問題と安倍総理
(吉田豪)こんな感じで前川さんを呼んで、一切「加計学園」っていう名前も出ないという、結構画期的なインタビューだと思うんですよ(笑)。
(前川喜平)ああ、そういえば出てこないですね。まあ、加計の話はね、私自身が提供できる情報はもう全て提供しちゃったんで。私もいまは一国民として、後から出てくる情報を見ながら、「ああ、そうだったのか。そうだったのか。なるほど」と。たとえば、この前の特別国会でも自由党の森ゆうこさんとかね、あるいは共産党の田村智子さんとかね、女性の国会議員が政府を追求するので活躍していますよね。あの方々の、いろいろと新しく突いていくポイントを聞いていると、「なるほど、そうなのか」って。私の見えないところがだんだん見えてきて。
(吉田豪)ちなみに安倍総理に思うことっていうのはあります?
(前川喜平)安倍総理……まあ、この加計学園問題に関しては逃げるしかないから、お気の毒だとは思いますけどね。ひたすら逃げ続ける以外に道はないと思うんですよね。だけど、通常国会が始まって2月、3月には連日予算委員会が開かれますからね。そうすると、森ゆうこさんとか田村智子さんみたいな人がガンガン行きますよ、きっと。森ゆうこさんの質問、聞いたことあります?
(吉田豪)軽く。はい。
(前川喜平)あれはね、はっきり言って面白い。実は森ゆうこさんっていう方は民主党政権時代に民主党におられたのでね、文部科学副大臣だったんですよ。私も森ゆうこ副大臣にお仕えする立場でいろいろと接触があったんですけどね。まあある意味、すごい猛烈な人なんですよね。だから役所としてはやや手こずるところはあったんだけど。だけど、前進する時はすごい破壊力っていうか前進力があってね。もう極めて頼もしい人なの。味方にしたらすごく頼もしい。敵にしたらものすごく怖い。Abema TVをご覧の方もいっぺん、森ゆうこさんの質問はおすすめしますよ。
(吉田豪)そういう視点で見ると楽しいと。
(前川喜平)楽しい。
政権との向き合い 変化したのはいつ?
(前川喜平)文部省に入ったのが1979年。昭和54年ですけども、文部省に入る時から自分の個人の考えと組織の論理っていうのは噛み合わない部分があるだろうっていうのは予期していましたしね。だからはじめからズレはあったんです。
(吉田豪)でも入ったら、とりあえずその組織の考えでやっていこうという覚悟は?
(前川喜平)それはもう、そうせざるを得ないだろうと思うけども、自分が組織の中に入って、組織の中でできることはできるんじゃないか。できないことはできないだろうけども。
(吉田豪)少しずつ変えることはできるんじゃないか?って。
(前川喜平)ある程度はね。だからそれは、自分でできることはしてきたつもりではありますけども。あとはまあ、そういう集団主義的、国家主義的、ファシズム的な力っていうのは常にあるんですよね。それに対して、個人の自由を守る側に押し返すような、そういうせめぎあいっていうのは常にありましたよね。文部科学省の中では。道徳教育なんかもそうですよ。来年から検定教科書を使って道徳教育が始まりますけどね、今回検定で通った教科書の中には相当ひどいものがあって。
(吉田豪)うん、うん。
(前川喜平)文部科学省がなんて言っているのか?っていうと、「特定の道徳的価値を教え込むような授業をしてはいけません」って言っている。「子供たちが自分たちで考え、議論をする道徳が必要です」と。「自ら主体的、対話的に深く学ぶアクティブ・ラーニングが大事なんです」と。道徳においてもね。
(吉田豪)はい。
(前川喜平)無条件に価値あるものとして覚えるということではないんだと。そう考えればね、「国を愛する心」とかって言われてもね、「本当に国を愛する心って必要か?」っていうところから議論すればいいんで。国って人間、個人が存在する前にあるものなの? そうじゃなくて、1人1人の人間が集まって作っていくのが国なんじゃないの? とかね。「国ってそもそも何?」っていう議論とか、「国を愛するって何なの? 愛せない国だってあるでしょう?」とかね、「生まれたから愛せるってわけでもないだろう?」とか。だから、政治家たちが言っている、「こういう道徳を教え込むんだ」とかっていうのと文部科学省は実は現場に伝わるレベルで言っている話っていうのはかなり食い違ってますよ。
(吉田豪)ああー。
(前川喜平)これは一種の面従腹背なんですよ。
☆ 前川氏が懸念する文科省とニッポンの教育
(前川喜平)突然ですが、質問です。次のうち、正しい挨拶の仕方は何でしょう? 1、お辞儀をしながら「おはようございます」と言う。2、「おはようございます」と言ってからお辞儀をする。3、お辞儀をしてから「おはようございます」と言う。「おはようございます」と言う時のいちばん正しい挨拶の仕方はどれか?っていう。どれだと思います?
(吉田豪)1番のつもりでやっていましたけどね。
(前川喜平)1番。「おはようございます」と言いながら頭を下げる。……ブーッ!
(吉田豪)フハハハハッ!
(前川喜平)正解は、「おはようございます」と言ってから、お辞儀をする。だからこうやって、面と向かってまずは頭を下げて「おはようございます」と言って、その後にお辞儀をする。これが正しいんだって言うんですよ。これが小学道徳1年生の教科書に書いてあるわけ。「正しい挨拶」って。これはね、私から言わせれば悪しき正解主義の中でも最悪の部類だと思いますね。いま、「アクティブ・ラーニング」って言っているのは、正解のない問題をみんなで考えていくということ。自分で一生懸命考えて。正解は予め用意されていない。自分でその正解にたどり着く努力をする。それで正解がどうか?っていうのは最後までわからない。いろいろと検証しながら、自分でたしかめて行くしかない。世の中ってそういうものだし、世の中で生きていくということはそういうことなんだけど。
(吉田豪)前川さんが事務次官だったら、止められたんですか?
(前川喜平)いや、これはもう止められないです。政治の力だから。組織の論理に一応は従いつつ、あわよくば違う方向に行こうという方向性を持ちつつね、粘り強く生きるっていう術を身に着けたわけ(笑)。
☆ 政権と対立……身の危険は?
(前川喜平)今年の5月に記者会見をした時には、あれはまだ読売の記事が出てから3日後ぐらいの話だったんで。「駅のホームの端っこは歩くな」とか、そういう忠告をしてくれる人もいて。
(吉田豪)痴漢冤罪で引っ張られる可能性とか。
(前川喜平)痴漢冤罪とかね。読売新聞の記事が出た時に「これはちょっと法的に自分の身を守る必要があるな」と思って、代理人弁護士を依頼したんですよ。その弁護士さんが記者会見の時に随行してくれたんだけど、彼はやっぱり「用心のため、これ着てください」って買ってきたシャツがあるの。それは防刃シャツっていうんですよ。防刃シャツっていうのもがあるんですね。それを着たんですよ。5月25日の記者会見の時にね。
(吉田豪)へー。
(前川喜平)あれは弁護士会館というところで記者会見をやったんですけど、空調のスイッチを入れてなかったのね。だから、ものすごく蒸し暑かったんですよ。部屋の中が。
(吉田豪)防刃シャツは通気性悪そうですね。
(前川喜平)そう。防刃シャツを着ているから、なおさら暑くてね。それでもう汗がタラタラ出てきてね。それで出会い系バーについて聞かれたっていう。
(吉田豪)ダハハハハッ!
(前川喜平)だから、もともと汗を流していたんですけどね。
(吉田豪)なるほど、なるほど。まあ、籠池夫妻とかを見ていても、ねえ。本当にあのへんに逆らうと大変なんだなとは思いますね。
(前川喜平)いや、たしかにキャラが立っているというかね。見ていてまあ、単純に言って面白かったですね。
(吉田豪)そして心が折れない感じの。
(前川喜平)ただやっぱりね、私は教育勅語を幼稚園児に暗唱させるっていうのは、これは全くいただけないですね。
(吉田豪)はいはい。いちばん反発しているところですね。
(前川喜平)あれはちょっと考えられない。だから、彼らを教育者とは到底認められないですけどね。構造としては加計学園と森友学園はよく似た構造で。規制改革という名のもとで特権的に、特定の学校法人にだけ便宜を図って。それでハードルを下げて設置認可を認める。これはよく似ていますよね。そういう特定のお友達に便宜を図るということがこの政権内で相当行われているということの一端だと私は思いますけどね。他にもあるだろうと思います。
☆ 伝えたいこと
(前川喜平)行きがかり上、このAbema TVに出させていただくことになったんですけども。この番組をもしご覧になった方がいらっしゃったら、見終わった後は私の顔を忘れていただきたい。
(吉田豪)フフフ(笑)。
(前川喜平)私としてはあまりもう、派手にメディアに出るつもりはないんですね。あとは、安倍政権のおかしいところはちゃんとおかしいと言う、他のメディアや言論人、あるいは政治家の方々に追求していっていただければと思っているのでね。「私の顔は忘れてください」と。ぜひ、伝えたいことはそれですね(笑)。
(吉田豪)忘れられないですよ(笑)。さらに刷り込まれましたよ(笑)。
(前川喜平)いやいや。まあ、道で見かけても声をかけないでください。勝手に行きたいところに行かせてください。
(吉田豪)まあ、自由ですからね(笑)。でも本当、今日話して、人としては信用できる人だなと思いましたよ。
(前川喜平)ありがとうございます(笑)。
(吉田豪)まあ、見ていた人はどう思うかわからないですけども。でも、だいぶ人間性は伝わったと思います。
(前川喜平)どうも、恐れ入ります。
<書き起こしおわり>
英雄? 敵? 前川喜平元文科省事務次官の出会い系バーについて正しいとなぜボクは思ったのか|『ボクがこれをRTした理由」』吉田豪
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https://twitter.com/gotch_akg/status/949099116239323136
Gotch@gotch_akg
このインタビューすごいな。 via 吉田豪 前川喜平インタビュー書き起こし
11:03 - 2018年1月5日
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やった、アジカンのゴッチさんにも届いた!
1月3日放送のAbemaTV『インタビュー駅伝』という番組で文科省元事務次官・前川喜平さんのインタビューをボクがやってきたんですけど、2017年のクリスマスイブは前川さんの本を買いに行ってそれを読み込み、クリスマスは都内某所のお寺で前川さんと一緒にクリスマスケーキを食べて、インタビュー後はサンタの格好をしたダイノジ大谷さんとネット番組をやるという、かなり残念な過ごし方をした甲斐があった!
現在、前川さんに対する世間の評価は「国家の敵」もしくは「英雄」って感じで極端に二極化されているから、そうじゃない第三の前川喜平像を引っ張り出すのが今回のテーマでした。
そして、ボクは前川さんについて全然詳しくないから、数少ない接点である「出会い系バー」「シン・ゴジラ」「馳浩」なんかの話を聞くことにしたら、「加計学園」というフレーズも出さないまま1時間が経過。
くだらないことを伸び伸びと話す、かなりゆるい感じの前川喜平像を引き出したおかげで評判もいいみたいですけど、評判が拡がり過ぎたせいでいろんな意見が目に入るようにもなってきて。
とりあえずハッキリ言えるのは、前川さんが正しいのかどうかについてボクは正直興味はないってこと。それでも「出会い系バー」騒動については同じ店に潜入取材した結果、前川さんの言い分が八割方正しいと思えるようになったし、それだけは本人に直接伝えておきたかったわけです。
いまでも「前川はいかがわしい店に出入りしていたんだから、あ んな奴の主張を信じるのは馬鹿だ!」ぐらいのことを言ってる人が意外と多いみたいですけど、今回も前川さんはこう言ってました。
「出会い系バーって、それは売春・買春の巣窟みたいな言われ方をしていたじゃないですか。そんなことはないと思うんですよ。もちろん、そういう目的で来る男女もいると思うけど。だけどほとんどが......まあ、僕の会った子のほとんどはお話をして、ご飯をおごってもらったり、お小遣いをもらったり、そういうことが目的の子が多かったです。女性の場合は、あそこでタダで飲んだり食べたりできるから。ある意味、一種の居住空間になっているんだよね」(前川喜平)
そう。あそこはいわゆる相席居酒屋みたいなもので、男を外に連れ出して売春しようとする人も中に はいるっぽいけど、それよりも朝までタダで時間を潰すために来ているような女性が多いというのが、ボクも潜入取材した感想なんですよ。
(参考◎http://originalnews.nico/28156)
なので、
「あれはヤクザ経営の店で、あそこからヤクザ経営のホテルへと連れ出す管理売春で、女の子の金額も決まってる」
とか青山繁晴さんが言ってたんですけど、久田将義さんの裏取りによるとヤクザ経営の店でも何でもないし、そもそも管理売春の店でもない。
須田慎一郎さんは同じ店に行って、
「◯◯◯にも行けるらしいけど、私はこういう立場だったから行かなかったけどね」「前川さんは行ったらしいよ」「裏取りした」「前川前事務次官と◯◯◯に行った××ちゃんに聞いた」「歌舞伎町の寿司屋の脇の道を入っていた、右側にある◯◯◯」
とか、要は前川さんがラブホテルに女の子を連れ出していた的なことを言ってたんですけど、荻上チキさんに追求されたら、
「◯◯◯はホテルではない」「『実際に行ったor売春した』との具体的証言は得ていない」
と言ってたしで、前川さんを攻める側の発言が全部隙だらけだったわけですよ。
そして、この出会い系バー騒動についてはかなりの数のマスコミが取材に動いたのに、結果的には「前川さんとは何もなかった。すごくいい人で、相談に乗ってもらった」という女性と「すぐに説教じみたことを言うから、女のコからは嫌われていた」という女性の証言ぐらいしか出てこなかったわけで。ボクが前川さんの言い分が八割方正しいと思えるようになったって言ってるのは、そういうことなんですよ。
それでいて、前川さんの出会い系バー通いを最初に記事にした『読売新聞』について、
「いやー、私はいくらなんでも読売新聞があんな記事を書くとは思わなかったですよ。本田真凜ちゃんのファンなんだけど、最近本田真凜ちゃんが読売新聞のコマーシャルをやっているんで悲しいんですよね......」
と返す前川さんの方が圧倒的に人間力があるなとボクは思ったわけです。
さらに、
「あの店(出会い系バー)、また行こうかなという気もないことはないんだけど。あるメディアの人からうかがったんですけど、あそこのマスターが『また来てください』って僕に伝言を......(笑)。
落ち着いたら行ってもいいかなとは思ってます。あそこのマスターの作るロコモコ、結構美味かったんですよ」
と言い出すのも最高!
ちなみに、そのマスターが「来店していただいた時はスタッフにも丁寧に対応してくださって"いい人"という印象がありました」と証言していたのも付け加えておきます。
なお、この部分は番組でオンエアされてなかったんですけど、ボクがその出会い系バーに行ったとき、「北朝鮮のミサイルが怖いと言ってる女の子がすごい多かった」と前川さんに伝えたら、「ホントですか! あれは国が過剰に北朝鮮のミサイルの恐怖を煽ってるわけなんだから、そこはちゃんと教えてあげないと!」って感じでスイッチが入ってたので、ぜひと もまたあの店に行って前川さん自ら教えてあげて欲しいものです。
文◎吉田豪
2018年2月3日 SUGANO.NE.JP
http://www.sugano.ne.jp/2018/02/03/theyarecult/
名護の選挙が気になって仕方ない。
各紙の情勢調査をみていると、どうやら両陣営とも激しい競り合いになっているようで、どの新聞も明確な見通しを書いていない。どの新聞も足並みをそろえて不透明さばかりを伝える選挙情勢分析は久しぶりに見るような気がする。それだけ本当に接戦だということなのだろう。
選挙なので、勝たねば意味がない。
しかも名護の選挙は首長選挙だ。次点当選はありえない。勝者が生き残り敗者が撤退する。極めてシンプルなだけに極めてシビアな戦いだ。
こうなると、沖縄だから、名護だからではなく、どの陣営も必死の攻撃をみせる。相手陣営を貶す怪文書が飛び交ったり、有権者を惑わす謀略が巡らされたりするのは接戦選挙の風物詩とも言えるだろう。繰り返すが、沖縄だから、名護だからではない。北は北海道から南は沖縄まで、日本全国、選挙とはそういうものだし、ある意味では、選挙とはそうあらねばならぬ側面もある。
だから、この選挙に、沖縄の特殊性 名護の特殊性を見出すとするならば、謀略が飛び交うことやデマが飛び交う点ではない。そして、そういうデマや謀略が、党派的な動きから発せられるという点でもない。繰り返すようだが、それらはどの地方の選挙区でも同じように発生しうることなのだから。
この選挙の特殊性は、こうしたデマや謀略が、半ば「当然のこと」として用いられ、そして受容されていることだろう。そしてなんとも不思議なことに、「選挙戦になれば、デマや謀略が生まれ、往々としてデマや謀略は、党派的な動きから生まれる」という、通常の知性を有する大人であればすぐに了解できる認識が、この選挙を見る際、我々の頭の中から綺麗さっぱり消えることだ。
もっと厳密にいうと、両陣営 ーあえて雑駁に書くならば、基地反対派と基地賛成派ー から発せられる、デマや謀略などの数々の「情報戦」を目撃する時、なぜか我々は、基地反対派のそれに「党派性」を感じ、基地賛成派のそれは「党派性からきたものではない」という判断を、無批判に下してしまっている点に、この選挙の特殊性があるのではないか。
いま、私は、不用意に「我々」と書いた。この「我々」という言葉が指し示す範囲をもう少し厳密にしておこう。いま、私は「我々」という言葉に、「一般市民の全員」という意味を込めていない。ましてや、不確かな情報で嬉々としてよろこび、下卑た言葉で腐った知性を飾るネットの有象無象を含めてもいない。
私は、求められるがままにあちこちの雑誌に寄稿し、自分でメルマガを発行し、また自分でも雑誌を編集・発行し、およびがかかれば講演し等々の行為で活計を立てている。私がいまここで使う「我々」という言葉は、私と同じような方途を仕事をしている人、つまり狭義には言論人(しかしこれはなんとも嫌な言葉だ)、広義には出版・メディア産業関係者を指し示している。
過日、とある書籍の企画会議で、担当の編集者がこのように呟いたのを私は確かに聞いた
「沖縄の基地反対運動の現場を何箇所か取材しましたが、いわゆるネトウヨのいう、『暴力的な抗議活動』とかはあれは全くの嘘ですね。そんな事実は存在しない。ネットの情報ってのは実にいいかげんなものなのですなー」
と。
なるほど確かにその通りだろう。
彼は続ける。
「しかし僕この商売をもう20年近くやっていて、いろんな運動の現場を取材してきましてね、だいたいの雰囲気はすぐ掴めるんですけど、あれですね、沖縄の基地運動も、左翼各セクト・党派の草刈り場みたいになってる側面がありますねー」
と。
これも確かにその通りだろう。私はそれを否定し切る材料を持ち合わせていない。
なおも続けて彼はこういった。
「だから、基地反対派の人たちの声を、生の声として、ウチの雑誌や本に反映することはちょっと危ないんっすよねー」
と。
私はこれにも半ば同意する。私と違って彼はサラリーマンである。しかも彼が務める出版社は一部上場企業である。その彼が、自分の奉職する会社の出版物がどんな形であれどの党派によってであれ、ある種の政治的性向のために利用されることは極力避けたいと考えるのは至極当然のことだろうと思う。彼のその防御線の張り方を批判しうるのは、「いますこし、ラディカルであれ」というロジックであろうが、サラリーマンにラディカルさを求めるのは苛斂誅求というものだろう。
彼のこの主張に半ば同意しつつもやはり私は彼に、強く指摘せざるを得なかった。
「なるほど確かにそうなのだろう。では貴方は、逆側の陣営つまり基地反対派を責める陣営について、その党派性やその人間関係を垣間見たのか?きちんと逆側の陣営を分析したのか?」
と。
このような指摘をしてしまったのは、ひとえに私が彼を尊敬しているからである。彼がこれまで出版してきた書籍は確かに全国各地の「市民運動」に材を取ったものが多い。様々な書き手によって書かれたそれらの書籍は、どの書き手のものであっても彼の編集者としての能力のよろしきをもって実に堅実な書籍となっている。一般の編集者には欠ける80年代以降の新左翼運動についての知識もそしてなによりそうした党派の人々との人脈も確かにもっていてその人脈を批判的に検証する冷静さも持っている。その彼が、あたかも彼が「実にいいかげんなものですなー」と蔑む「ネットの情報」の担い手たちと同じように、「基地反対派には党派性があり、その逆の陣営には党派性がない」という前提に立って諸々を語ろうとすることが、私には信じられなかったのだ。
彼ほど優秀かつ経験豊富な編集者からしてこうなのだから、経験の浅い、知識の薄い編集者やメディア関係者ならば、なおさらこの傾向は強くなる。
事実私は、若い編集者や、若いテレビ制作会社の人、若いメディア関係者が無自覚かつ無批判に、「基地反対派の党派性には気をつけねばならない。逆の陣営=反・反基地陣営には、党派性がないので警戒心を緩めてよい」という態度で沖縄の様々な運動を取材し、語り、素材として活用しようとしている現場を数多くみてきた。
これはゆゆしき事態である。
いうまでもなく、反基地運動は運動である。運動である以上、いかに地域住民の自発的な動きから始まったものとはいえ、様々な党派が自分の党派の利得のために、その運動に近づき、あるいは利用するということは、「沖縄の基地反対運動だから」ではなく、「運動だから」という単純な理由で、発生しうる。これは致し方のないことだ。
そしてそれが「致し方のないこと」ならば、その逆・・・つまり、反・反基地運動 側も、同じようなメカニズムが走ると考えるのが自然だろう。そして事実、このメカニズムは反・反基地運動でも発生している。いや、私の観察する限りにおいては、「基地反対運動が、その運動の性格ゆえ、様々な左翼党派により蚕食されている」度合いよりも、「基地賛成運動や反・反基地運動が、その運動の性格ゆえ、様々な保守系党派により蚕食されている」度合いの方が遥かに高い。
そして悲しむべきことに、「基地賛成運動や反・反基地運動を蚕食する党派」が政治的党派ではなく、そのほとんどが、カルト教団であるという点が徹底的に見落とされていまっている。
どのカルト教団がどのようにして沖縄の「基地賛成運動や反・反基地運動」を利用しているかは、私の動画リポートで詳しく解説しているのでそちらを参照願いたい。
本稿を書いている目的はそうした解説を加えることではない。本稿の目的は、我々の仲間ーつまり、物を書き・物を喋りそれを流通させるという職業についている人たちーに、「各々方、ゆめゆめ油断めさるなよ」と呼びかけることにある。
先に書いたように、自分の関係する出版物がどんな形であれどの党派によってであれ、ある種の政治的性向のために利用されることは極力避けたいと考えるのは至極当然のことだ。したがって、「沖縄の反基地運動」に警戒心を抱くのは、職業人として当然のことではある。が、その警戒心は全く同量、「沖縄の基地賛成運動や反・反基地運動」にも振り向けられなければならない。
我々は職業として言論を取り扱っている。自分の信ずるところ、自分の真実と思うところを言葉にし、それを発表し、金銭に変えるという仕事をしている。この仕事に夾雑物があってはいけない。自ら望んでそれにコミットしているケースを別にして、自己の言説が特定党派の利得と結びつくようなことはあってはならない。ましてや、無自覚・無検証に発した自己の言説が、特定党派に結果として利得を齎すようなことがあってもいけない。
ならば、極めて慎重になろう。
沖縄で、反・反基地運動に従事する連中が、いかにファナティックで、オカルトな連中であり、その連中は「セクト」として党派を形成しており、その党派は政治的党派ではなく、「セクト」という言葉の語源どおりカルト教団関係者ばかりであることにそろそろ気付こう。連中はカルトだ。まともな話が通用するはずがない。
「前衛に寄稿し続けて30年です」という人の言説を無批判に自社の雑誌に転載する出版人はいないだろう。
「尊敬する人は、黒田寛一です」という人をテレビで「一般市民」として紹介したがるテレビ人はいないだろう。
しかし、日本のメディア関係者は勉強がたらぬからか、取材力が足らないからか、これと同じ失敗を「沖縄で基地に賛成している人」「沖縄で基地反対運動を苦々しく思っている人」の声を紹介するとき、犯し続けている。
上記のとおり、どのカルト教団がどのようにして沖縄の「基地賛成運動や反・反基地運動」を利用しているかは、私の動画リポートで詳しく解説しているのでそちらを参照願いたいのだが、本稿では「カルトを無自覚に起用してしまう失敗」の事例として、「江崎道朗が『祖国と青年』の編集長であったという簡単な事実さえ見落として、江崎道朗を保守言論人として取り扱うメディア人の頭の悪さ」を指摘しておく。もうこの事実さえ確認できれば、まともなビジネスセンスのある出版人・メディア人ならば理解できるだろう。「ああそうだな。確かに、『解放』の編集長やってました って人は使いにくいわなー」という判断がもし働くのならば、『解放』よりもクセの悪い(というか同列に扱うのは革マルに失礼だな。革マルはまがりなりにも政治セクトだ。祖国と青年はカルトだもんな)『祖国と青年』の編集長など使うはずがないではないか。
もうそうした失敗を重ねるのはやめよう。無自覚に特定党派ーしかも政治的党派ですらない。単なる狂信者集団ーの利得につながるようなことをするのはやめよう。
名護の選挙の結果がどうなるにせよ、月曜日以降の日本のメディアが、これまでのような失敗を繰り返すことのないように、願ってやまない。
P.S.
名護の選挙では、デマが本当にひどい。下図参照のこと (→本投稿では最上部貼付)
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<菅野完 SEE IT NOW 002号>https://www.youtube.com/watch?v=EaoBBzHpYoM
今回のテーマはカルト。沖縄に次々とカルトが上陸した理由は?カルトとは何か?カルトはどうして危険なのか?
<菅野完リポート 2月3日号内の事前通告>
名護の選挙、むちゃくちゃなんで、ちょっと「警鐘」の意味で、主にメディア人向けに、ブログの記事を書こうと思っています。無料の文章を公開するので皆さんに事前連絡。
しかしそんな大したこと書いてない。このメルマガ読んでたらもうとっくの昔にみなさんわかってることばかり。極めてうすーい一般論です。なので、平にご容赦・ご了解のほどを願います。
動画レポート、メルマガ等は https://tamotsu008.stores.jp/
http://www.asyura2.com/18/senkyo239/msg/422.html
https://sugano.shop (私は立ち上げ当初から講読してますが月1000円は安すぎ)
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【菅野完リポート】 #0312官邸前抗議
2018/03/12(月) 00:19
時間未定ながら、明日、三月十二日、官邸前で抗議活動がある様子。
#0312官邸前抗議
のハッシュタグです。
さて。
韓国の朴槿恵大統領が退陣したあの疑惑が出た当初、韓国の保守派系論壇は、朴槿恵政権は盤石でありなんの影響もないとたかをくくっていました。野党は弱小で、文在寅もクソ腰抜け扱い。そしてその指摘は事実でもありました。
が。全てを変えたのは、ソウルの街を埋め尽くすデモの力でした。それで、政権が動揺したのです。
デモがなければあの政権は潰れなかった。
安倍政権も同じです。
いろんな思いをする人がいるでしょう。デモに懐疑的な人もいるでしょう。
それでいいです。が、今回は僕の話をきいてください。
デモ、行ってください
周りに声かけて、官邸前に集まってください。党派とかもうくそしょーもないから。
我が国が危ういんです。マジで。
明日の朝まで、11時の二階幹事長レクまで、書けないことが多すぎて、申し訳ない。でもね、今回の件、ガチやばいから。ロッキードとかの騒ぎじゃない。
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菅野完リポート】あの自殺の不思議なところ
2018/03/12(月) 02:10
思いつきのメモ。あの自殺がちょっと変なんですよね。
今日、ご親族の方が囲みの取材に対応しておられたようです。が、その前に、固いファクトの整理を。
当該さんは近畿財務局のノンキャリの人
ご自宅は神戸市灘区。ご夫婦で住んでおられたんだが、奥様とは離婚協議中で別居中
お子様はおられないので、おそらくお一人で暮らしておられた
でだ。
灘署の発表は、「自宅内変死。プライバシーがあってそれ以上は言えない。第一発見者は家人」というもの。
これが僕、意味がわからない。「家人」って誰やねん。奥さんおらんわけでしょ家に。で、お子さんおらんのだから、家に誰おるねんって話。
で、7日の夜に発見されて、10日には葬儀で、もうお骨になってる。検視をきっちりしてないから、10日に葬儀あげられてるのでしょう。検視必要ないぐらい明確な自殺だというのでしょう。ということは、遺書があって「検視する必要ないと明確にいえる状況」があったんでしょう。
別に僕はこれをコロシとは思ってないですよ? コロシではないだろうけども、第一発見者は誰やねんってのがすげーひっかかる。
それと。。。。
もう一つ気になるのが、官邸の北村審議官ね。あの人、山口の事件をもみ消したことで有名やけど、前に兵庫県警本部長やってるのよねー
つーことは、兵庫県警には人脈があるわけで、クソみたいなあの兵庫県警をがっちり握ってるはずなのよ。つーことは、遺書の内容はめっちゃ早く官邸にいってるはず。(北村が昔、兵庫県警本部長やってたの忘れてたので「東京に情報が早くきてる」って点を見落としてた。だからここ前言撤回)
取材してると、遺書の内容もおぼろげながら見えてきた。が、もしその話が本当だったら、どんな思考回路したら「麻生は切らない」という判断になるのか、一切理解できない。
自民党の中、党内の統制とれてないのじゃないかな? 普通の政党の意思決定ルートならこんなことならんとおもうのよね。
おそらく、政権周辺は「普通の話」が通じない状態なんじゃねーかな。
あらゆる常識が一切通用しない。
もう、ほんとこえーよ。
http://www.asyura2.com/18/senkyo241/msg/283.html
+++++++
【菅野完リポート】 証人喚問の日に、今日せっかく傍聴できるのに、そんな日にTwitter凍結されました
2018/03/27(火) 08:21
掲題の通りであります。
証人喚問のその日に、せっかく今日傍聴できるから、傍聴のプラチナチケットを手に入れたからTwitterでリアルタイムに報告しようとしてたのに、Twitterがまた凍結されました。
理不尽だなとおもうのは、先日報道のあった「今後Twitterは、凍結の理由を開示すると、方向を変えた」とあったとおり、凍結されたこれからは凍結事由を開示するはずなのに、今回もまた、僕には凍結理由の開示がなかったということ。
今回の凍結は本当になんの心当たりがないため、納得がいかない。
で、聞くところによると、昨夜から、駒崎さんがヤフーでやられたり、僕もしってるフリーのジャーナリスト(あんまり有名でない)が凍結されたりと、同時多発的に、いろんな人が凍結されたり記事の削除をもとめられたりしている。
やばいよこれは。連中はなりふり構ってない。おそらく「都合の悪い情報は徹底的に排除していく」ってことなんでしょう。もうこれからは、僕のことを「?く決裁文書」と読んでください。
とにかく僕にはもうこのメルマガしかない。
メルマガで政府に都合の悪い話をどんどん書いていこうとおもう。
そこで皆さんにお願い。
Twitterでどんどん、メルマガ宣伝してください
以下、宣伝文です
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菅野完のTwitterがまた凍結されました。
しかも証人喚問の傍聴が決まり、その様子をリアルタイムで報告しようとしていたその矢先にです。
菅野のリポートが読めるのはもはやメルマガしか残っていません。
メルマガ購入はこちら!
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これ、どんどん拡散してください。
とにかく今日は、証人喚問のレポートに全力を尽くします
前号のメルマガ、こんな書き出しではじめました。
“目下僕の悩みは「やったことのない仕事が増えた」ということです。自分でやったことがないだけでなく、いままで身近にいた人たちがそれをやってるのを見たこともないし、当然のことながら誰かに教えてもらった経験があるわけでもなし、また恐らくこの分野の仕事は誰かに教わってできるもんでもないんでしょう。来週に控えたこの仕事の準備がとても重くのしかかっています。 どんな仕事なのかは近日中皆さんに共有できるとおもいます”
この一週間、この仕事の用意というか心構作りで忙殺しておりました。ようやく、みなさんと仕事の共有ができるようになりました。
来たる金曜日深夜(土曜日早朝)1:25より、朝まで生テレッビに出演することがきまりました。
テーマは、激論!安倍政権と官僚
疑惑噴出!“森友・加計・日報”問題
ド〜する?!官僚不信と政治不信
ド〜なる?!官僚国家ニッポン
ド〜する?!ド〜なる?!安倍政権
“安倍一強体制”の功と罪
とのこと。
出演者は以下の通り
山本一太(自民党・参議院議員、党政務調査会長代理 58生)
片山さつき(自民党・参議院議員、党政務調査会長代理、元財務官僚 59生)
長妻昭(立憲民主党・衆議院議員、党政務調査会長 62生)
小西洋之(民進党・参議院議員、党政務調査副会長、元総務官僚 72生)
井上達夫(東京大学教授 54生)
菅野完(著述家 74生)
長谷川幸洋(ジャーナリスト 53生)
三浦瑠麗(国際政治学者、東京大学政策ビジョン研究センター講師 80生)
森本敏(拓殖大学総長、防衛大臣政策参与 41生)
山口真由(NY州弁護士、元財務官僚 83生)
…厄年超えた僕が男性陣最年少というのが、この番組がいかに高齢化しているかを物語っていますね。
予定調和をぶっ壊してきます。
しかし出演決まったのはみなさんのおかげです。Twitterでたくさんの人が声をあげてくださっておりました。
日本の言論というか、まあどこの国でもそうなんですが、やっぱり「お客さん」で動くのは否めない。
そこをしっかり認識して、頑張ってきます。
菅野
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メルマガ申込先 ↓ (月額1000円)
https://sugano.shop/items/59ccab22ed05e610740040a2
http://www.asyura2.com/18/senkyo243/msg/642.html
【confess】 小西洋之議員罵倒された事件がどれだけ深刻な話なのか。
チダイズム 2018/04/18 19:25
4月16日の夜、民進党の小西洋之議員が国会議事堂の前で、30代の自衛隊・統合幕僚幹部の3等空佐に「オマエは国民の敵だ」「オマエの国会の活動は気持ち悪い」と罵声を浴びせられる事件が起こりました。たかだか罵声を浴びせられたぐらいで、どうして新聞の1面トップになるのか。ナイフで腹でも刺したならともかく、罵声を浴びせられるぐらいはよくある話だろう。そう思う人もいるかもしれません。また、ネトウヨに至っては、事の深刻さをまったく理解せず、相変わらず「小西洋之が国民の敵なのは、その通り!」とホザき続ける始末なので、この話がどれだけ深刻なのかをわかりやすく解説したいと思います。
■ 愛国や保守を名乗る言論人が、まったく理解していない深刻さ
これは「月刊正論」というネトウヨの皆さんが大好きな雑誌に寄稿している自称・ITジャーナリストのオジサンのツイートのスクリーンキャプチャーです。「月刊正論」と言えば、「お花畑ニッポンで徴兵制を語る」などという特集を組み、およそ一般社会では通用しないようなニート風味のオジサンたちが集まって「愛する日本を守るためには徴兵制が必要だ」というユニークな珍説を繰り広げる雑誌なのですが、こういう雑誌に喜んで寄稿しているオジサンたちは、自衛隊のことが大好きなくせに、今回の事件の「事の深刻さ」をまるで理解していないので、「小西洋之は日本の敵で、圧倒的多数の自衛隊員がグッと我慢している」と言い放っています。つまり、戦前・戦中のように軍が国をコントロールする世界になってもよろしいと発言しているに等しいのです。ここまで来ると、北海道の富良野や美瑛に匹敵するレベルの広大なお花畑がネトウヨの脳味噌に広がっていると言えます。ラベンダーがとってもいい香り。参考までに今回の事件は、放った言葉が「安倍首相頑張れ」だったとしても問題ですし、ましてや小西洋之議員でなくても、国会議員に「国民の敵だ」と言い放ってしまったことは、自衛隊が暴走する可能性を示唆しています。かねてから「自衛隊のシビリアンコントロールは絶対だ」と言われていますが、ここまでネトウヨに毒されているとすると、いつか安倍政権が倒れた時に自衛隊のメンバーが武力を持って「安倍政権じゃないとダメだ」と国会を占拠するようなことが起こっても不思議ではありません。「たかだか罵声を浴びせたぐらいで騒ぎすぎだ」と思うかもしれませんが、それは事の深刻さをまったく理解していないアホだからです。どうしてこれが深刻な問題なのか。それは日本の歴史において、過去に軍隊がクーデターを起こし、日本を戦争に導いてしまった事件があるからです。小学校や中学校で習う基礎的な歴史の話になるので、大人に向かって解説するような話ではありませんが、ネトウヨをこじらせてしまった偏差値30のオジサンにも分かるように解説したいと思います。
■ 海軍青年将校に首相が暗殺された「五・一五事件」
実は、軍を文民がきっちりと統制する「シビリアンコントロール」がしっかり機能していなかった戦前の日本では、たびたび青年将校らが暴走し、政治家を暗殺したり、クーデター未遂を起こすような事件が発生していました。中でも有名なのが、当時の犬養毅首相が海軍青年将校たちによって暗殺された「五・一五事件」です。1932年(昭和7年)に起こった事件ですが、武装した海軍青年将校たちが首相官邸に突入し、当時の犬養毅首相を殺害してしまいました。ポイントは、この事件がたった数十人の海軍青年将校によって行われた犯行であり、海軍全体による組織的な犯行ではないということです。現代で置き換えるならば、自衛隊が組織全体で起こした犯罪ではなく、一部の過激な考え方をしている自衛隊の一部メンバーが起こしたクーデターであるということ。ネトウヨは自衛隊のことを「災害復興のために頑張ってくれる人たち」と思っているかもしれませんが、彼らは確かに「武力」を持っていて、武力を正しく使う義務を背負っているのです。これは警察官が拳銃を持っていて、正しく拳銃を使うことが義務づけられているのと同じ。使い方を間違えると19歳の新人警察官が説教された上司に腹を立てて発砲し、殺してしまう事件が起こるのです。自衛隊が持っているものは拳銃1丁ではありません。だからこそ、しっかりと暴走しない運用が求められるのです。
■ 陸軍青年将校がクーデターを起こそうとした「二・二六事件」
歴史の授業では、犬養毅首相が暗殺された「五・一五事件」とともに、「二・二六事件」というのも習います。「二・二六事件」とは、「五・一五事件」から4年後の1936年(昭和11年)に、今度は陸軍青年将校たち総勢1483名によって起こされたクーデター未遂事件のことです。4年前は数十人で当時の首相を暗殺しましたが、わずか4年間で1483人もの軍人たちが国家転覆を狙うことになったのです。明治維新の頃のような天皇陛下に忠誠を誓う国家にしようと、右翼団体が中心となって「昭和維新」という言葉を掲げ、首相官邸や新聞社、警視庁などを襲撃し、当時の大蔵大臣や陸軍大佐などが殺害されました。平成の世になっても「維新」という言葉がもてはやされていたりしますが、この事件に象徴されるように政治家が軍隊をコントロールできなくなってしまい、日本は第二次世界大戦へと足を踏み入れることになってしまったのです。
■ これらの事件の反省を生かして、今はどうなっているのか
軍隊が政治的な思想を持つようになると、先ほどご紹介した「五・一五事件」や「二・二六事件」のように、その政治的な思想に基づいてクーデターを起こしてしまう可能性があります。だから、自衛隊員は法律で「政治的中立」を守らなければならないことになっていて、政治活動に参加することが制限されています。選挙権こそありますが、特定の候補を応援することはできないし、政治的な発言をすることも許されていません。特定の政治家や政治団体を応援することはできず、自分たちで政治団体を立ち上げることもできないのです。軍隊が暴走してしまうと、その武力が「日本を守るため」ではなく、考え方の違う日本国民に対して向けられるようになり、それは民主主義による政治ではなく、武力による恐怖政治に変わってしまう可能性があるからです。世の中には北朝鮮のように、政府と軍が一体となっているような国もありますが、近代的な民主主義国家では軍隊が暴走しないように、しっかりとした「シビリアンコントロール(文民統制)」が機能しているのです。
■ 小西洋之議員が統合幕僚幹部から罵声を浴びせられた「四・一六事件」
これらの話を踏まえ、小西洋之さんが30代の統合幕僚監部から罵声を浴びせられた事件について考えてみましょう。事件直後に著述家の菅野完さんが小西洋之さんにインタビューしていますが、小西洋之さんは国会議事堂を出たところで、たまたまマラソンをしている時に小西洋之さんの存在に気づいた30代の統合幕僚監部の男性が「オマエは国民の敵だ」「オマエの国会の活動は気持ち悪い」と罵声を浴びせ、周囲にいた警察官にたしなめられても、それを続けていたというのです。この事件が「四・一六事件」と呼んでもおかしくない深刻な事件であることに、皆さんは気づいたでしょうか。
まず、この30代の統合幕僚監部の男性は「自衛隊員が政治的中立でなければならない」という大原則を理解していません。そして、もっと大きなことは、この自衛隊員が自分の立場をわきまえず、小西洋之議員に対して罵声を浴びせることを「正義」だと思っているということです。教育勅語を教える森友学園の小学校を作るために安倍昭恵夫人が名誉校長になるほど日本会議の思想を色濃く反映させている安倍晋三さんが総理大臣になってからというもの、政権にお近づきになって仕事が欲しい自称ジャーナリストのポンコツをはじめ、本来ならニート同然の無能野郎どもが加計学園や防衛大学校の客員教授になっていたりするので、かねてからこんな事件が起こるのではないかと懸念されていましたが、いよいよ具現化されてしまったと言っていいかもしれません。とても深刻なのは、日頃から最前線のネトウヨ教育が施されているせいで、30代の統合幕僚監部の男性だけがおかしいのではなく、同様の自衛隊員が大量増殖しているのではないかと危惧されるところです。というのも、統合幕僚監部は陸上自衛隊、海上自衛隊、航空自衛隊を束ねる部署で、自衛隊全体のコンプライアンスなどを司る部署です。まさに自衛隊全体の「司令塔」とも言うべき役職であり、この男性は軍隊で言うところの「少佐」に値するポジションにいるため、部下と呼ぶべき組織をまとめ上げる人物ということになります。どこぞのネトウヨに染まったアホの一般人が罵声を浴びせるのであれば「国会あるある」の一つにカウントされるのでしょうが、統合幕僚監部の3等空佐が自分から身分を名乗り、国会議員に対して「国民の敵」と発言してしまうのですから、どれだけ大きな問題なのかが分かると思います。しかも、よりによって小西洋之さんが罵声を浴びたというのは、完全なネトウヨ思想に基づくものと推測されます。おそらく彼はネトウヨが嫌っている辻元清美さん、蓮舫さん、山尾志桜里さんのような人たちに出くわしても同じような行動に出たかもしれません。まさに、衆院選の最終日に秋葉原で見た「朝日新聞、死ね」の人たちと考えていることがまったく同じ。いよいよ陸海空の自衛隊を束ねる役職のエリート幹部が脳味噌をネトウヨに毒され、自分がやっていることの分別もついていないのですから、これは「シビリアンコントロール」のメルトスルーです。
■ 「国民の敵」という発言について小西洋之議員が感じたこと
小西洋之さんは、事件翌日に菅野完さんのインタビューを受け、「国民の敵」と言われたことについて、「彼の頭の中で自衛隊こそ国民の守護者であり、それに害を及ぼしている国会議員を『国民の敵』であると。恐ろしいことですよね」とコメントしています。ネトウヨは小西洋之議員のことをバカだと思って見下しているのだと思いますが、実は、小西洋之議員の最終学歴は東京大学教養学部卒。ろくすっぽ勉強していなかった安倍総理がディベートで勝てるような相手ではなく、そうとあれば揚げ足を取るしかないので「亡命しろ!」などと言っているのですが、統合幕僚監部の3等空佐に対し、小西洋之さんはこのように言っています。
「安倍総理の集団的自衛権の解釈変更は、方法論理ですらないペテンだ。絶対の憲法違反であることを証明して、信念を持って国会で追及している。なぜそんなことをしているのか、私は国会で何度も実は言っているんだけれども、自衛隊員の命を守るためだ。自衛隊員がこんなペテンの、絶対の憲法違反の戦争に駆り出されて殺されてしまう。その家族が悲嘆の涙に暮れる。そんなことを国会議員である以上は絶対に許しちゃいかん。そういう思いでやっているんだということは彼に伝えはしたんですが、それが届いているかどうか」
偏差値の低いネトウヨの皆さんは「反日パヨク」の一言で片付けてしまうため、本当は小西洋之という国会議員が自衛隊の命に真摯に向き合っている人物であることはまったく伝わっていませんが、自分たちにとって都合の良い情報だけを信じてきたから、こんなに情弱のバカになってしまっているのです。このたびアメリカがシリアの攻撃を始めるとしていますが、もしアメリカが反撃に遭った時には集団的自衛権を行使することになり、日本の自衛隊がアメリカのためにシリアで命を落とすことになるかもしれないのです。「日本を守る」と言いながら、実際にはアメリカのために死ぬ。今回、統合幕僚監部の3等空佐は、それを止めようとしている小西洋之さんの議員活動に対して「国民の敵」と表現したのです。
■ 選挙ウォッチャーの分析&傾向
小西洋之さんは、2016年に千葉県選挙区で選出された民進党の参議院議員です。参議院の任期は6年で解散はありませんので、次の選挙は2022年ということになります。2019年にも参院選はありますが、半分が選挙で入れ替わることになるため、小西洋之さんの任期はあと4年残っています。実はこの事件、まだまだテレビや新聞、インターネット上のニュースサイトでは小さく扱われています。これこそ日本という国が落ちるところまで落ちている証拠ですが、本当は政権がひっくり返るレベルの非常に大きな事件であることは、皆さんに伝えておかなければなりません。少しずつ自衛隊の暴走が始まっているのかもしれません。[了]
http://www.asyura2.com/18/senkyo243/msg/646.html
http://www.asaho.com/jpn/bkno/2018/0709.html 水島朝穂 「今週の直言」
先月25日、愛媛県の松山大学で講演した。5月3日の憲法記念講演も松山市だった。今回は、「モリ・カケ・ヤマ・アサ・スパ」の「安倍五大疑獄」(注)の一つの現場を直接見ることも予定に入れた。岡山理科大学獣医学部。学校法人は加計学園であり、理事長は安倍首相の「腹心の友」、あるいはそれ以上の関係とされる加計孝太郎氏である。 (注)モリ(森友学園問題)、カケ(加計学園獣医学部新設問題)、ヤマ(山口敬之〔安倍友ジャーナリスト〕準強姦事件逮捕状執行停止問題)、アサ(千代田区内神田1丁目居酒屋「UZU」経営者の大麻疑惑(「大麻で町おこし」で画像検索!!))、スパ(スーパーコンピューター助成金詐欺事件) 。
講演の翌日、松山大学法学部の遠藤泰弘教授の車で今治市とその周辺に向かい、現地で福田剛愛媛県議(立憲民主党)に案内していただいた。実は私自身が獣医の4代目を継がずに憲法研究者になったという事情があり、また、息子が獣医学部卒で、獣医師をやっている関係から、「52年ぶりに新設される獣医学部」を見てみたいという純粋な気持ちもあった。獣医学部に必須の設備や実験・研究施設、産業動物臨床実習などがきちんとできるようになっているか。新たに作られる以上、既存の獣医学部にない特徴は何か。獣医学部の学費(6年分)を負担した親の視点からも、新設の獣医学部には大いに関心があったのである。
正門の守衛所で駐車カードをもらい、道路一つ隔てた駐車場へ車を入れる。多摩、春日部といった他県ナンバーが目立つ。学生には車通学は認められていないので、岡山から単身赴任できている職員と、遠方から授業をしにくる教員のものだろう。正門に向かうが、片側一車線の今治市道を渡って正門に入ることは許されず、そこから200メートルほどいったところの信号を渡って反対側の歩道を歩いてもどることを求められた。すぐ目の前なのに、そこに横断歩道はない。駐車場から正門まで行くのにずいぶん面倒な大回りをするものだと思いながら、守衛所の前を通って管理棟A1に向かう(冒頭左の写真参照)。数日前に遠藤教授を通じて申し込んでいたので、案内の職員2人がエントランスのところで私たちを待っていた。
管理棟1階は事務スペースで、右側が学務係、左側が総務・庶務などのセクションだろうか。職員が10人ほど働いているが、この時は学生の姿はなかった。職員のほとんどは岡山から単身赴任で、地元の人はいないという。学務係に対応していただいて、シラバスの入った便覧などを頂戴した。職員の皆さんには誠実に対応していただき、感謝している。
2階にあがると食堂になっている。値段はリーズナブルである。ちょうど昼時だったので、周辺住民がランチに訪れていた。大学なのに守衛所で住所氏名を書いて、胸から登録カードをぶら下げないと入構できない。それでも、市民が10人ほど、カードを胸に下げて食事にきていた。学生は授業中なので一人もいない。案内の職員によれば、市民の利用がけっこうあるとのことだった。
3階は図書館になっているが、何と書架には本が一冊もない。入口に職員が二人座っているが、てもちぶさただった。本はないのかと尋ねると、上の階の書架に8000冊ほどあり、年内に1万4000冊になるという。完成年度には10万冊というが、これは仰天の数字である。国家戦略特区で設置される「最先端の獣医学部」の図書館にしては、蔵書数があまりにも少ない。それどころか、そもそも大学や学部の新設の際、図書館の蔵書は、大学設置審議会の重要な審査対象となる。カリキュラムは適切か、教員組織はきちんとしているか、図書館の蔵書が十分にあるかなど、設置認可前に厳しい審査をクリアしなければならない。
私は1984年4月に新設された札幌学院大学法学部の初代メンバーとして学部開設に関わったので、大学設置審議会の審査をクリアするため、学部新設の準備がいかに大変だったかを思い出す。図書館に法律関係の専門書や法律雑誌のバックナンバーなどが授業開始前に十分に揃っていることも設置認可の大前提だった。だから、この獣医学部のように、授業が始まっているのに書架に本が並んでいないということは考えられないことである。本がなければ認可はあり得ない。それが認可されたのだから、「魔法のような学部」(加戸守行前愛媛県知事)と形容されるわけである。あらゆる規制を突破できる「国家戦略特区」のなせる技ということか。
上階にある教養関係の書架をみると、政治や哲学などに10冊程度が並ぶだけで、あとはスカスカである。法律関係の「憲法」のところを見ると十数冊あったが、その一冊が何と私のものだった(笑)。息子が獣医学部に通っている間、よく専門書を買ってやったが、目の玉が飛び出る値段だった。そういう獣医学専門書はまだ一冊もない。洋書も専門の獣医学書はまだ入っていなかった。いくら教養教育中心の1年生しかいないといっても、獣医学関係の本が揃わないで授業が始まるということ自体が異例かつ異様である。シラバスを見ると、教養教育のところに、1年春学期開講科目として「日本国憲法」2単位があった。担当は、憲法学ではなく国際法専門の准教授。4月から「法学A」とセットで講義しているのだろうか。
管理棟から渡り廊下を経由して獣医学部棟A1向かう。ちょうど2階の小教室で語学の授業が行われていた。1教室30人程度で、その階の4教室をすべて使っていたから、入学者のほとんどがここにいることになる。その階には中教室もあったが、古典的な黒板とチョークだった。これは好感がもてる。私の職場はすべてホワイトボードで、大教室では実に使いにくく、私は長らく板書はやっていない。こういう黒板なら大いに使えると思い、昔を思い出した。案内の職員の方に、「黒板はいいですね」というと、「先生方からの強い要望なので」と笑顔で答えた。よく映画に出てくるように、数学の授業などはチョークで黒板に数式を次々に展開していく。理系に黒板は必須だろう。
獣医学部棟A2の各階の階段の壁面には動物の絵が描かれている。剥製や骨格標本が置かれ始めている。3階の案内板を見ても、専門的な実習や実験がこのスペースでできるのだろうかという疑問が生まれた。息子が通った獣医学部は実習や実験の施設が充実していた。それに比べると、3階、4階の基礎実習室は高校の理科室程度の印象だった。これからもっと整備するのだろうが、このスペースで可能なのか疑問を禁じ得なかった。大講義室A3は現在、管理棟A1の斜め前に建設中で、2018年度中に完成するという。つまり、現段階で全学年を集めて講義をする大教室はないということで、これも驚きだった。私の体験でも、教養課程の講義は哲学や法学など、選択科目とはいえ、一応、全学年が受講できることが前提となる。認可の前提となる大教室が建設途上にもかかわらず授業を開始するというのは本来あり得ないことなのである。
昨年6月19日のNHK「クローズアップ現代」がスクープした文科省内部文書「10/21萩生田副長官ご発言概要」によれば、2016年10月の段階で、萩生田光一官房副長官(当時)が文科省に対し、「総理は『平成30年4月』とおしりを切っていた。工期は24ヶ月でやる。今年11月には方針を決めたいとのことだった」として、首相の強い意向で加計学園獣医学部開設が急がれたことが明らかにされている(なお、萩生田氏は加計学園の千葉科学大学名誉客員教授を務めた)。図書館も大講義室もほとんど使えない状態で、今年4月に見切り発車で授業を始めたわけである。「突貫工事の獣医学部」ということを最も強く感じたのが、専門教育に関わる施設である。
専門教育関係で言えば、獣医学部に必須の、牛や豚などの産業動物(大動物)を使った実習施設である大動物実習施設棟B2がまだ土台を作っている段階だった。これも「平成30年度末の完成」という説明だったが、専門教育の必須施設が未完成で認可がおりるというのは奇跡に近い。何よりもその位置と構造に疑問がわいた。写真をご覧いただきたい。平屋の施設棟には、牛や豚が収容されるが、そのスペースの狭さが注目される。右側の獣医学教育病院棟B1の前にあるが、牧草や芝生のスペースがない。職員に、向こう側に土が盛られているところはどうするのか聞いたところ、「ドッグラン」にするという。病院に来た患者の犬などを一時的に自由に運動させるスペースである。茂みの向こうは住宅地である。このような貧弱な大動物実習施設で、「最高水準の獣医学教育」ができるのだろうか。これに比べれば、計画段階で冷たく退けられた京都産業大学獣医学部の構想の方がはるかに合理的であり、魅力的である。『京都産業大学獣医学部設置構想について』(2016年10月17日京都府提出資料)の18、21頁を見ると、京都府農林水産技術センター、畜産センター、碇高原牧場を活用する実践教育の充実化が示されていて、「野外に最も近い設備の整った、専門家の揃った環境で、質の高い実践的な実習が可能になる。」とある。畜産センターや牧場との接続は、研究・教育の導線の面でもきわめて有効だと思う。
2016年11月1日に内閣府から文科省に送ったメールによると、獣医学部の選定条件にあった「獣医学部がない地域」という記述に、萩生田官房副長官(当時)が「広域的に」との文言を追加的に加えることによって、京都産業大学は、隣接する大阪府立大学に獣医学部があったため申請を断念することになった。施設的にも研究上も、あらゆる面で加計学園にまさっていた京都産業大学の獣医学部構想はこうして消えることになった。今回、突貫工事の進む大動物実習施設B2の建設現場を間近に見ながら、京都産業大学の構想とのあまりの落差にため息が出てきた。
獣医学部の中心的存在である専門教育棟、この大学では「獣医学教育病院棟B1」に入る。2階で手術をしているというので、1階のエントランスの周辺だけの見学となった。動物の二次診療を行う教育病院のため、待合室は小さい。私の息子の獣医病院のように、犬と猫を分けるようなキャットフレンドリーの配慮はない。1階の診療室1∼8の入口はそれぞれ分かれているが、内部には仕切りがなくて、オープンなスペースになっていた。スタッフの相互協力も可能という。
獣医学教育病院棟の入口のプレートを拡大してご覧いただきたい。内科、外科、腫瘍科、眼科、麻酔科、放射線科、行動治療科、産業動物診療科からなる。担当教員は18人。学生定員が加計学園より20人も少ない既存の獣医学部の一つと比較してみても、研究分野や研究室の質・量の違いは歴然としている。
『学生便覧』(2018年)を開くと、2頁目に加計孝太郎理事長の「新たなる一歩を踏み出す」という挨拶が載っている。シラバスを見ると、専門教育科目が並んでいるのだが、本来、学生数に匹敵する教員数を必要とする獣医学部という点では、獣医学科75人、獣医保健看護学科で13人の教員組織というのはいかにも貧弱である。「新たなる一歩」は不十分な施設とスタッフで、しかも首相官邸から「総理は『平成30年4月』とおしりを切っていた。工期は24ヶ月でやる。」などと急かされて発足した「突貫工事」の粗は、これからますます可視化されていくだろう。
もともと獣医学部は国内16大学(国立10、公立1、私立5)で、総定員はわずか930人である。52年にわたって学部の新設は認められてこなかった。加計学園は、獣医学部のない地域で「先端研究」や「感染症対策」などに対応する学部として認可されたが、今回、学内を見て回った感想は、「なぜ、加計でなければならなかったのか」ということである。加計学園に獣医学部を新設する理由として、「四国に獣医学部・学科がないこと」「獣医師の不足」「鳥インフルエンザなどの人獣共通感染症の拡大」などが挙げられているが、四国にはすぐ近くに愛媛大学農学部があり、少し先には香川大学農学部がある。この2つは地域の農業・畜産業と密接に連携しながら研究・教育活動を行っている(両学部のホームページ参照)。いずれかに30人規模の獣医学部を新設した方が「四国に」という要請にも沿うだろう。人獣共通感染症の対策が加計学園でできるのか。現段階の施設やスタッフの状況からはかなり疑問である。当初、加計学園は160人定員を主張した。さすがの大学設置審も多すぎるとして、140人にまで減らした経緯がある。しかし、全国で総定員が930人というなかで、140人は全国最高である(麻布、酪農学園、日大、北里が120人。国立は30人前後)。既存の獣医学部を多少とも知る私の立場からは、今回見学してみて、加計学園が「最先端」の研究・教育ができるとは思えないのである。
致命的なのは教員組織の貧弱さである。「海外では獣医学の講義や実習のために100∼200人の教員と補助者を配置し、入学定員数は教える側1人に対してほぼ同数、100∼200人だ。これに対して、日本の獣医学部は11の国公立大と5の私立大でだいぶ違う。国公立大では入学定員が30∼40人と比較的少数にとどまる。専任教員数は数だけを見れば、獣医学教育の整備目標である学生60人に対して専任教員数72人以上には及ばない。例えば、国立大で最も専任教員を抱える北海道大の入学定員は40人、収容定員は240人で、専任教員数は17年5月時点で57人にとどまる。」(深沢道広「加計問題」再燃(下)獣医学部を再考する)。日本の大学の獣医学部は海外に比べて不十分さがあるが、それでも加計学園よりはましである。加計学園獣医学部の教員は65歳以上が30人もいる。完成年次(6年後)までに定年に達してしまう「高齢学部」である。駐車場にあった車を見ても、県外から授業期間だけ出講する比較的若い教員がいるので、持続可能な、高いレベルの研究・教育ができるのか疑わしい。
そんな学部が「魔法」のように作られたのはなぜか。前・文部科学次官の前川喜平氏が1年前の2017年7月10日、衆参の両院の閉会中審査に参考人招致された。前川氏は、加計学園を前提とした「暗黙の共通理解が(文科省内に)あった」と述べて、2016年9月に和泉洋人首相補佐官から官邸に呼ばれ、「総理は自分の口から言えないから、私が代わって言う」として、獣医学部新設の対応を急ぐように直接要請されたことなどを証言している(『東京新聞』7月9日付)。前川氏が言うように、すべては「加計ありき」であり、それによって「行政がゆがめられた」のである。
「ゆがめられた」最たるものは、安倍首相の「腹心の友」である加計理事長に、不公正で不公平な優遇を与えたことである。安倍首相は加計学園の千葉科学大学の卒業式で「腹心の友」と述べているが、実際はそれ以上の縁故主義的優遇ではなかったのか。
この写真(*最上部に貼付 by 投稿者)は、愛媛県が参議院予算委員会に掲出した27頁にわたる文書の17頁目である。一度紹介したが、2015年2月25日に加計学園の加計理事長が安倍首相と面談して、首相から「新しい獣医大学の考えはいいね」というコメントがあったことが記録されている。だとすれば、2017年1月20日に「初めて知った」という答弁と整合しないことになる。そこで、2月25日に「会った」という事実はなかったという加計学園渡邉事務局長の「大嘘」に至るのである(直言「「アベランド」—「神風」と「魔法」の王国」参照)。
安倍政権はモリ・カケを含めて、かなりピンチにもかかわらず、国会を乗り切りつつある。 6月19日。加計理事長が突然、初記者会見を行ったが、わずか25分。大阪北部地震の翌日、ワールドカップ・ロシア大会の日本対コロンビア戦の当日という見事なメディア操縦である。オリンピックやワールドカップなどのイベントに弱いメディアの足元をみるような対応だった(直言「どさくさ紛れに「決める政治」と「五輪夢中」のメディア」)。何を質問されても「論点ずらし」と「居直り」に終始し、ついには、「記憶も記録もございません」と言ってのけた。安倍首相は、6月25日の参議院予算委員会で、この加計理事長の記者会見の異様さについて質問されると、こう答弁した。
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福島瑞穂君:・・・この間、加計孝太郎さん、加計学園が記者会見をされました。まず、加計孝太郎さんはうそをついているんじゃないですか。
内閣総理大臣(安倍晋三君):・・・記者会見は独特の雰囲気があり、不慣れな人にとっては、一問一答で畳みかけられると、時には質問の趣旨を取り違えて答えてしまうといったこともあり得るんだろうと思っております。
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思わず、加計理事長をかばうような発言をしてしまったのだろう。百歩譲って、仮に「質問の趣旨を取り違え」たのなら、何度でも記者会見を開いて説明し直し、広く事前周知して最後まで説明するのが誠実な対応であろう。「嘘をついた」という「嘘」疑惑に付随する「嘘」は放置されたままである。「記憶も記録もございません」を含めて、「膿の親」たる安倍晋三、面目躍如である。
最後に、息子を獣医学部にやった親という立場でいえば、あれだけ問題視されていた加計学園を受験し、入学するというのは、いくら獣医になる夢をかなえるためとはいっても、もう少し慎重に対応すべきだったのではないか。入学した学生たちは18歳以上であり、選挙権もある。それなりの市民的常識もあるだろう。加計学園獣医学部が「ゆがめられた行政」により「産み出され」たが、「膿出され」ないままと言われていることを知らないわけはあるまい。国会でも問題になっている大学であり、さまざまな情報を総合して、あえてこの大学を受験したのだから、完成年次までに何が起ころうとも、それは入学した学生と親の自己責任である。あれだけ国会でも問題にされていた大学をあえて選んだのだから。
ところで、帰りに駐車場に行くため市道を渡ろうとすると、職員に、信号のある横断歩道の方まで行ってから渡るようにと念を押された。仕方なくその方向に歩いていると雨がふってきた。向こうから学生食堂でランチをする女性たちのグループがやってくる。彼らも駐車場からすぐに正門に入れず、信号をグルッとまわってきたようだ。ようやく正門の向かい側の駐車場に着いた時には、服は濡れてしまっていた。そう言えば、獣医学部棟の1階に設置してあった七夕飾りに、学生たちが思い思いの短冊をつけていたが、「単位ください」「彼女できますように」などと並んで、「横断歩道をつくってください」というのがあった。体育館から教室に行くのにも遠回りをしなければならない学生たちの切実な思いがにじみ出ている。
正門前と体育館前に小さな横断歩道をつくれず、4月の開学から不便が続いている。片側一車線の道路なのに、歩道橋の建設すら検討されているという。なぜこうなるのか。表向きは事故が起きないようにということだが、本音は、市民が大学前の市道を、スピードを落さないで走りたいという、道路交通法上は疑問の要望である。「総理のご意向」で「行政をゆがめて」できた大学なのに、学生や教職員が市道を渡るための小さな横断歩道ができないで困っている。ここには「魔法」は通用しないようである。
《付記》
本稿脱稿後の7月6日朝、オウム真理教元代表の松本智津夫(麻原彰晃)死刑囚ら教団元幹部7人の死刑が執行された。テレビ各局は朝から一斉に臨時ニュースに切り替えた。同じ日に7人執行という過去にない展開を受け、テレビ局に入ってくる情報は刻々と変化。執行状況をリアルタイムで伝えたり、死刑囚の顔写真に執行が済んだというシールを貼ったりした。これはフジテレビらしい品のない対応である。
13人の死刑囚のなかには、早稲田大学法学部を3年で退学して出家した端本悟死刑囚も含まれている。司法試験を目指す空手部の学生だった。たまたま高校時代の友人がオウムに入信したため、それを引き戻そうとしていて、自らも取り込まれてしまったようだ。地下鉄サリン事件には関与していないが、坂本弁護士殺害と松本サリン事件に関わって死刑判決を受けた。その彼が退学する際、学生担当教務主任として面接で必死に止めた教授がいた。すでに定年退職されているが、いまも「なぜ止められなかったか」という思いでいると私に語ってくれた(直言「オウム裁判は終結したか」参照)。
『朝日新聞』の「首相動静」7月5日によると、「8時28分 東京・赤坂の衆議院議員宿舎。自民党の国会議員らと懇談。上川陽子法相、同党の竹下亘総務会長、岸田文雄政調会長ら同席」。オウム7人の死刑執行の前日、上川法相は「いいね」のポーズで、「赤坂自民亭」のホステス役をやっていた。安倍首相も、翌日が死刑執行だというのにこの笑顔である。しかも、九州や四国などに「数十年に一度の水害」が迫っているのに、この緊張感のなさは何だろう。一事が万事である。
http://www.asyura2.com/18/senkyo247/msg/513.html
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大学の実力 異見交論55 「東大の見識を疑う」安西祐一郎・中央教育審議会前会長
(読売教育ネットワーク)
http://kyoiku.yomiuri.co.jp/torikumi/jitsuryoku/iken/contents/55.php
2020年度に始まる「大学入学共通テスト」に導入予定の民間英語試験(認定試験)を東京大学が活用するかどうかに注目が集まっている。この問題では、東大ワーキンググループ(WG)が7月、「活用しない」を最優先とする答申を五神真学長に出し、文部科学省が8月、実施に向けた進捗状況を公表した。こうした現状に対し、高大接続改革の設計に当たってきた安西祐一郎・中央教育審議会前会長は「答申が採用されて英語入試が矮小化されるなら、東大は時代の牽引者として国民が負託すべき大学に値しない。そんな大学に多額の税金を注入する必要はない」という。東大の責任とは、何か。(聞き手=松本美奈)
■英語入試についての民間委託試験の活用
――2020年度、つまり受験の「2年前ルール」からいえば、タイムリミットの現段階になって、外国語、特に英語の民間委託試験反対の答申が東大学長に提出された。内部議論とはいえ、多大な影響がある。高大接続改革が大きな曲がり角を迎えたことになる。
安西 初めに申し上げておくが、東大は国民の負託を受けて多額の税金が注入されている明治以来の国策大学だ。運営費交付金だけで824億円。京都大学は544億円(いずれも2017年度予算)、その比率は「東大の3分の2」。帝国議会の決定のままだ。それだけでも、立場は分かるはずだ。その他にも他大学を圧する多額の研究資金などが税金で賄われている。東大は国家のための大学として、世界の転変の中でわが国と世界の未来を創っていく、またそのためにリーダーシップを取れる卒業生を多数輩出して世界の一流大学として人材ネットワークを創り上げていく、その牽引者たるべき責任がある。現状の東大入試は、この大きな責任を全く果たせていない。
とりわけ英語入試だ。受験の期日も場所も狭く限定されたペーパーテスト中心の内容では、世界から優秀な学生を集めることなどできはしない。わが国の高等学校教育、特に英語教育を変える牽引者にもなり得ない。世界に通用しないローカル大学としての東大を表現する最高(あるいは最低)のものが、現在の東大入試、特に英語科目なのだ。 その意味で、五神学長に提出された答申は、わが国の未来を創り出す責任を背負った東大の今後あるべき姿とかけ離れた、見識を疑う内容の答申と言わざるを得ない。一読して、答申を書いた人たちは英語ができないに違いないと思った。
その一方で、答申の後に出た文部科学省の見解を読むと、民間委託試験における受験費用や場所、ミスやトラブルが起こったときの対処方法などについて、触れてはいるもののまだ詰められていない点がある。
■経済格差を是正したい
――確かに文科省文書は、いま指摘されたような懸念にこたえているようには見えない。
安西 受験費用や場所の確保は、最も重要な課題だ。家庭の経済格差や地域差によって受験機会に差が生じることは許されない。低所得層の受験生に対する受験費用の支援、交通が不便な土地に居住している受験生の受験場所の確保などについては、国が責任をもって対応する必要がある。このことは国の側も理解していると考えている。ところが、現在の大学入試、とりわけ東京大学をはじめとする国立大学の入試は、経済格差や受験場所の確保の問題にほとんどこたえていない。
――公正性についても懸念されている。文科省の文書によると、ミスやトラブルが起きたら、「それぞれが実施している範囲について責任を負うことが原則。民間事業者等の採点ミスについて、センターや大学が責任を負うことは基本的には想定されない」と記されている。これでは、丸投げと批判されても仕方ないではないか。
安西 民間委託先でミスやトラブルが起こったら、委託先が責任をもって対応すべきだ。このこと自体は文科省の言うとおり。ただし、実際に起こったときの具体的な対応策はしっかり決めておく必要がある。この点が文科省の文章には書かれていない。まじめに取り組んでいる受験生に不利にならないように、ミスあるいはトラブルの内容(想定外のことが起きた場合も含めて)によって対応を決めておくこと、場合によっては再試験を迅速に行うことを、文書による契約事項の一部として民間委託先に義務づけるべきだ。
対応の方法自体は、内部で入試業務を丸抱えしている大学が現在、行っているのと基本的には同じことだ。違いは、大学側が自分のこととして責任を取るかどうか、ということになる。今、学内丸抱えで入試を行っている大学で深刻な採点ミスが続発する事態が起きているが、大学内部であれば責任は各自が取るのだからよい、とでもいうのだろうか。答申の意味がわからない。
民間委託による不祥事の発生を恐れて大学内部だけで入学者選抜を行うことにすれば、当然、教員の負担が増える。実際、いろいろな仕事が増えて研究ができない、という大学教員、特に国立大学教員の大合唱が聞こえている。それでいいのだろうか。民間委託を否定する東大答申も、そうした点で矛盾がある。
――民間委託では試験問題の質が担保できないのではないか、という意見も聞くが
安西 民間の試験問題では質が担保できない。その一方で、英語の「書く」「話す」の試験を大学内部ですべて請け負うことは、教員の負担からいって不可能だ。ということだとすると、英語の「書く」「話す」力(単に書ければよい、言えればよい、ではなく、しっかりした構文構造と語彙で論旨明快に表現できる力)を評価する入試、一次試験はできないということになってしまう。これらの力こそ世界水準の学生に求められる力であり、それを一次試験で全く評価しない、ということでは、東大は世界水準の大学に決してなれないだろう。また、一次試験では「書く」「話す」力を見ないということでは、東大は高等学校の英語教育の牽引者たることも不可能になる。高校英語教育に「書く」「読む」を入れていく(これらの授業の割合が小さいのが現状であり問題点)ことは時代の趨勢だ。
こう考えると、まずは高校教育の実を上げて一次試験受験者のレベルアップを図る。そして、外国語科目の一部を民間委託して学内の負担を軽減する。その上で、独自の二次試験を通して、改めて東大卒業生として世界に通用すると思える受験生を、点数にのみにこだわらず自分たちが責任をもって合格させるべきだろう。
民間委託の試験問題は質が低かったり不安定だったりするから心配、という見方は、入学者選抜から卒業時点のディプロマポリシーに至る総合的な観点の中で考えると、あまりに偏った見方だと思う。民間委託の試験だけで合否を決めるわけではあるまいに。
■時代遅れの東大入試を改める好機に
――不祥事について、東大WGの答申は以下のように指摘している。〈大学入試における出題ミスや問題漏洩などの不正を絶対に避けなくてはならないことは自明であるにもかかわらず、多くの認定試験が個々の問題を公開していない現状では、これを検証することは不可能である〉
安西 いや、そもそも東大が、二次試験まで含めて入試に関する情報を十分公開していない。それを棚にあげてこのように言うのは、おかしなことではないか。
高大接続改革は「入試改革」ではない。大学と高校の教育を変える、そのために間に横たわる入試も変えざるをえないということだ。その大前提を東大WGの人たちは理解しているのだろうか。話を英語入試の民間試験利用に矮小化していて、やらないための理由付けをしているようにしか読めない。
入試について言えば、東大の入学者選抜の方法、特に英語については、時代にまったく合わなくなっていることを自覚しているだろうか。もしこのWG答申の提案が認められてしまうと、東大が世界の一流大学の仲間入りをしてこれからの大学と社会を牽引すること自体、将来にわたってできなくなるに違いない。そうなると、東大だけというよりはむしろ国立大学全体が、世界を舞台に動いているトップレベルの大学からさらに置き去りにされるだろう。東大は、明治以来、わが国を牽引してきた大学として、入学者選抜の方法(特に英語)を時代遅れの国内ローカルではない、世界に通用する方法に改めなければならない。その絶好の機会が巡ってきているのに、答申はこの点をまったく理解していない。
国民にとって本当に必要な東京大学は、時代の変化を乗り越えてこれからの日本を創り出すリーダーとしての東京大学であって、現在の東大入試、特に英語の入試は、それにまったく逆行した、昔の日本のための入試だ。
■東大入試は公平か
――受験機会の公平性が問題視されている。
安西 受験機会の公平性について書いてあるが、経済格差、居住地域の違い、注入されている国家予算の額などを勘案すると、受験機会が最も不公平なのは明らかに東京大学だ。ところが、現実の東大受験過熱状態を東大は見て見ぬふりをし、経済格差、地域の違い、多様な障がいの有無など、受験機会の公平性などほとんど考えていないように見える。
――時間をかけて議論することはできないか。答申は「拙速だ」と批判している。
※答申より
〈2020 年という実施時期の設定にいかなる合理的な根拠があるのかは必ずしも明らかでなく、拙速という批判もしばしばなされてきた。大きな改革を進めるに際してはある程度のスピード感が必要であることは事実だが、中途半端な状態で見切り発車をすれば、結局、迷惑を被るのは受験生であることを忘れてはならない。したがって、認定試験に関する諸課題への明確かつ具体的な対応が確認されない限り、本学としての判断は留保せざるをえないと考える〉
安西 入試改革のことは15年以上も前から提唱されている。時代の変化は予期されていた。その間何もしてこなかった人たちが、いまさら「拙速だ」と言っても全く説得力がない。こういう切迫した事態を招いた責任のかなりの部分はそういう人たちにある。また、「2020年に合理的根拠があるか明らかでない」というが、それでは彼らは、「いつ始めるか」について合理的根拠をもって主張してきたのだろうか? 何も言ってこなかったではないか。英語の書く、話す力が重要と考えるなら、それらのテストを「いつ始めるか」合理的根拠をもってすでに提唱していてしかるべきだったのではないか? 2020年に始める理由は、それ以上遅れるわけにはいかない、今までさぼってきた人たちの尻ぬぐいをしている、ということだ。何年かけても、ただ議論のための議論をしている人たちがいくら議論を繰り返しても、その間に子どもたちが年取っていくだけだ。
――「世界への通用性」というフレーズが何度も出てきた。
安西 国立大学法人とは何か。東大とは何か。圧倒的に多額の税金を注入されている東大の責任とは何か、文科省にとってではなく東大にとって、卒業のためのポリシー、教育のポリシー、入学者選抜のポリシーは、これからの時代にどうあるべきなのか、どう関係しているのか、これらの関係のなかで外国語科目の入試をどうすれば未来の日本を牽引する責任を果たせるのか、東大からはほとんど何も聞こえてこない。
例えば、学部の推薦入試では、(教育学部を除き)外国語の民間資格試験受検結果などの資料、あるいはきわめて高い語学力を示す資料の提出を義務づけているのに、一般入試の受験者については、答申にあるようにCEFR A2レベルでも難しい、ということだ。推薦入試では民間を利用しているのに、(答申が言うには)一般入試では民間委託してはいけない、ということだ。
この矛盾はさておいても、推薦入学者と一般入試入学者の外国語能力の評価方法についての違いを、入学後の授業でどうやって埋めているのだろうか。一般入試については二次試験の外国語科目でしっかり見ているから大丈夫、ということなのだろうか。一次試験では低レベルの足切りで十分、ということなのだろうか。多数の受験生が挑む一次試験でこそ英語の「書く」力、「話す」力を評価することによって高校英語教育の水準が上がることは確実だというのに、自分の大学さえよければそれでいい、ということなのだろうか。
東大は、国民の負託のもとに、国内外の転変の中でわが国の未来を創っていく、その牽引者としての責任がある。この責任において、東大は特に、一定程度以上の高等学校教育の水準を引き上げること、また卒業生の最低条件が世界の舞台で通用する水準であることに対して、義務を負っていると考えるべきだ。だから「世界への通用性」と言っているのだ。
もう一度言うが、母語でない言語としての外国語、特に英語の力とは、単に単語をたくさん覚えているとか、長文を読んで正解にマルをつけることができる、という力ではない。これらは当然のことであって、英語力というのは、しっかりした構文規則と豊富な語彙を使いこなし、相手の立場や文脈を考慮して、論旨明快に英語で表現する力のことだ。東大生がすべてこの力を持っているとはとてもいえない。その深い原因は、現在の一次試験において外国語、特に英語力の評価を甘くみていることにある。
もし答申が通って英語入試が矮小化されるのなら、東大は時代の牽引者として国民が負託すべき大学に値しない。そうであれば東大に多額の税金を注入する必要はない。
おわりに
ある教育長が、教員たちを前にこんな話をしていた。「知」は大きなかたまりで、人はそのまま取りこめない。だからスライスする。そのスライスを「教科」と呼び、スライスを統合させ、新しいものを作り始めるプロセスこそが「学び」なのだと。
長らくそれを妨げているのが、東大を頂点とする大学、東大への進学率を競う高校の序列であり、進学率を決する入試だ。そこに大きな風穴があこうとしている。高大接続改革の柱の一つ、「大学入学共通テスト」を前に、高校の授業が変わり始めたのだ。「異見交論」51で紹介した英語授業はその典型例だろう。やっと「学び」の緒に就こうとしている教育現場に水をさしていいのか。
東大の責任は、極めて重い。(奈)
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上に関連する記事です↓(やっぱり竹中もからんでいた!国立大学の入試がこんなやつらに勝手に変えられている!!) 公教育が私物化されている。。。
竹中平蔵氏、安西祐一郎氏、有志により発足 「教育改革推進協議会」は何をもたらすか?
https://edutmrrw.jp/2017/innovation/0701_jcer_2017 (EducationTomorrow 教育革新のための情報発信ニュースメディア)
Posted on 2017-07-18 by 石川 成樹
7月13日、文部科学省から「高大接続改革の実施方針等の策定について」が公表され、目下のところ、大学入試センター試験に代わる新テスト「大学入学共通テスト」の動向や、英語4技能を評価するための民間試験の活用といった内容に大きな注目が集まっている。
その少し前の7月1日、慶應義塾大名誉教授の竹中平蔵氏が代表を務める「教育改革推進協議会」が発足した。発会式ともなる第1回は、日本学術振興会理事長で中央教育審議会会長の安西祐一郎氏も出席の上、日本全国から高校、大学、教育関係企業のトップ約30名が集まって行われた。
教育改革の方針が明らかになる一方で、いまだ実現性に懐疑的な見方も多い。そのような中、「教育改革推進協議会」は、どのような目的で、何を行っていこうとしているのだろうか。第1回協議会の内容からレポートする。
◆マルチステークホルダーによる教育改革
教育改革推進協議会の発会にあたり、竹中代表はこのように語った。
「教育を改革しなければならないということは皆わかっています。そして、それぞれにそれなりの役割があります。政府は政府で重要です。中教審では安西先生が頑張ってくださっています。そして、学校や民間教育の現場が大事です。しかし、そういった垣根を越えて、マルチステークホルダー、つまり、いろんな立場の人が集まる場というのは、考えてみると意外にない。私も、安西先生も、よく一緒にダボス会議に出席しますが、ダボス会議でも、政府も、企業も、NPOも、学者も集まる。今日の集まりというのは、まさにそういう場になっている。マルチステークホルダーで教育改革を推進しようというのが、この協議会の趣旨です。そういう意味で、今日は皆さんと新しい社会的ムーブメントを起こす、そのスタートになるという思いで、私も安西先生もここに立っています。」
社会的な変革は、政府の政策だけで決まるものではない。社会の様々な立場にある組織や個人が、変革のプロセスに参加し、協力し、それぞれの役割を果たすことが不可欠となる。そして、このような課題解決の鍵を握る組織や個人を「ステークホルダー」と呼び、多様なステークホルダーが対等な立場で参加し、協働して課題解決にあたる合意形成の枠組みのことを「マルチステークホルダー・プロセス」と呼ぶという。
教育改革推進協議会は、まさにこの「マルチステークホルダー・プロセス」を実践しようという取り組みだ。考えてみれば、幕末から明治維新にかけて薩長に象徴されるような複雑な利害関係を持つ諸政治勢力が肩を組んだように、大規模な教育改革を実現するにあたっては、利害関係を超えた協力こそが何よりの力となるはずだ。
◆利害関係を超えて何を行っていくか?
では、実際にどのようなことを行っていこうというのだろうか。今回の協議会では、そのひとつの取り組みとして、教育ビッグデータの収集と利活用が掲げられた。
近頃、教育界では「非認知能力」というキーワードがよく使われるようになった。これは、意欲やリーダーシップや創造性といった、学力テストや偏差値では測定することができないような力のことで、この力こそが、社会的、経済的な成功を左右するとも言われている。
ところが、この力をどう鍛えるかについては、確立された方法論があるわけではない。また、入試改革の流れにおいては、この非認知能力をどう評価するかが重要視されている。なぜなら、よく言われている通り、知識の多寡や、テストスコアだけが本人の全てではないからだ。
実は、非認知能力を鍛える教育がないわけではない。それこそ、マルチステークホルダーが、それぞれの現場で実践している教育の中で、知らず知らずのうちに培われているはずだ。問題は、ほとんどの場合、その養成の過程が明らかになっていないことだ。この状態では、新しい時代に合った教育モデルを形作るまでには至らない。
また、大学入試において、この非認知能力を評価することもそう簡単ではない。なにしろ、現在のところ、非認知能力を測るテストは存在しない。面接や志望理由書を通じた志願者の言葉から一定のことはわかるかもしれないが、果たしてそれだけを根拠として良いかは悩ましい。
そこでひとつの評価対象として大学入試で取り入れられているのが「ポートフォリオ」だ。ポートフォリオとは、アーティストが自分の作品集をつくるように、学び手が自身の様々な活動経験をまとめて人に伝える媒体のことで、現在、東京大学の推薦入試や京都大学の特色入試をはじめとするAO・推薦入試での評価が始まっており、入試改革の策定方針の中でも活用が言明されている。
そして、協議会では、日本アクティブラーニング協会の理事長で、同協議会の共同代表となっている相川秀希氏から、このポートフォリオというプラットフォームによる教育ビッグデータの収集と利活用について提言された。
相川共同代表は、プラットフォームのひとつとして、自社が手がけるSNS型eポートフォリオ Feelnoteを例に挙げて説明した。SNSを活用することによって、成果や結果だけでなく、学びや活動のプロセスをログとして残すことができ、学生と教員、学生同士の関わりすらもデータ化される。このようなビッグデータを活用することで、例えば、非認知能力を鍛える教育モデルを浮かび上がらせたり、より実証的な根拠に基づいた教育活動が可能になったりするかもしれない。
◆エビデンスと第4次産業革命と教育改革
「私のゼミの卒業生に中室牧子さんがいます。『学力の経済学』というとても面白い本を書いた人ですが、彼女とこんなことを話したことがあります。」
竹中代表はこう続けた。
「経済財政諮問会議で教育について議論したシーンがありました。これは議事録にも残っているんですが、ある人が、“私の経験によれば、学校教育というのはこういうものだ”と言った。次に、ある大臣が、“私のしっている教育関係者の話によるとこうだ”と言った。そして、ある経営者が“私の会社の教育の例について話すとこうだ”と言った。これらは全部、個人のエピソードです。エビデンスは何もない。私たちはマルチステークホルダーでチャレンジするとともに、エビデンスをしっかり集めて、そして社会を説得して、社会の制度を変えていかなければならない。」
そして、第4次産業革命の中で日本が置かれている状況についても、このように触れた。
「ここ5年くらいの間に、急激な変化が起こっていることを私たちは認識しなければならない。第4次産業革命と呼ばれる変化です。ドイツ政府が、Industry 4.0をいう言葉を2011年に初めて使いました。その翌年、気がつけば、アメリカとイギリスは、ビッグデータを整備するための仕組みを作り始めました。ところが、日本で第4次産業革命という言葉が閣議決定された成長戦略の中に出てきたのは2016年、去年のことでした。仕方ない側面もあります。2011年に東日本大震災が起きました。2012年に政権交代でデフレ克服のための新しい準備をしなければなりませんでした。しかし、このような状況には危機感を持つべきだと思います。」
◆ポートフォリオは大学入試の評価対象として機能するのか?
協議会ではiPadを使って参加者へのアンケート調査も行い、その場で出た結果を受けて竹中代表、安西氏、相川共同代表、参加者全員によるディスカッションも行われた。
行われたアンケートの中にはこのような質問があった。
“将来、ポートフォリオが、大学入試のひとつの評価対象として機能すると思いますか?
そして、この質問の結果は、全参加者33名中、YESが31名、NOが2名となった。NOと回答した参加者の意見はこうだ。
「個人的にはポートフォリオを活用すべきだと思うが、それを評価する人財の問題がある。一部の大学にはできても、全国の大学にそれができるようになるのか。そのためのチームを作れるのか、それだけの余裕があるのかについては疑問がある。」
これに対し、安西祐一郎氏はこのように語った。
「ポートフォリオを評価する側が大変だというのはその通り。評価する側に経験がない。けれども経験を始めなければ、いつまでたってもできるようにはならない。これは是非この協議会が先頭に立って進めていただきたい。いろいろなところで話をすると、だいたい皆さんから、新しいセンター入試はどうなるんですか?と聞かれます。質問というとこの類のものですが、どうなるか、ではなく、自分で作ればいい。改革は、マルチステークホルダー、これからの時代を作っていきたいという人たちが、一緒になって、力を合わせてやるものです。」
教育改革推進協議会の第2回は来年2月に予定されている。また、次回に向けた取り組みとして、分科会となる「教育ポートフォリオ研究会」が行われる。研究会では、ポートフォリオの実践的活用と実証実験を行い、次回の協議会で経過報告を行う予定だ。
http://www.asyura2.com/18/senkyo250/msg/698.html
久しぶりに投稿しようとしたら、時間がなく焦ってしまいタイトル漢字2文字も間違いました。
改行も変だし、いったん削除してください。よろしくお願いします。
なお記事番号や削除番号についての説明もないから不案内です。
このお知らせ管理版も見つけるの大変でした。改善望みます。
http://www.asyura2.com/13/kanri21/msg/536.html
質問があります。当月スレとはどこにあるのでしょうか?
投稿規定のページにわかりやすくまとめていただけたらいいと思います。
記事番号、削除番号、を入れたら管理人さんに依頼せずとも自動で消去できるのでしょうか?いちいち控えておく必要があるのでしょうか?
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