なお、私は今次、戦争に近い状態と考えている。それゆえ、適切に冷静に処置を取り、コロナ問題の収束を行うべきだと主張する。コロナ問題は、世界を見渡しても一向に収束する気配はない。また、有効なワクチンもできていない。緊急事態宣言の期間を過ぎてもコロナウィルスの脅威が無くなっていない中、本来、休日や休暇の日を著しく削って生徒に登校させることは、感染の流行を促す。この発言は国民の生命と安全を優先するという思考が全く欠如している。
そもそも、懸念される教育格差だが、日本のごく一部の自治体だけが、特別に休校しているのではない。また、日本だけではなく世界中で休校の措置が取られている。したがって、例年の学力水準の低下を起こりえても、教育格差は生まれない。
この辺の認識が大変低く、安倍政権は自分ファーストに物事を考える傾向にある。
今後、コロナが再流行をする可能性は高く、再び長期間の緊急事態宣言が出される可能性が高い。これだけ、長期間の休校による学力低下において、柔軟かつ弾力性のある教育カリキュラムをさせる必要がある。
今、声高に叫ばれているオンライン授業などはその手段の一つで、コンピューター学習を取り入れるのも必要であろう。しかし、低所得者及びメディアリテラシーの低い家庭においては教育格差が著しく生まれてしまう。
最良の方法は次の2点である。
1. 高校、大学受験の範囲を例年より2〜3割削減する。
受験が例年通りの学力水準で行われるならば、行事や休みを削ったとしても、休校期間があまりにも長すぎるため、授業時間を確保できない。この非常事態で、平時と同じような学力水準を求めることこそが無理な要求である。これまで震災などを体験した自治体では、試験などでは配慮されてきた。疫病という大災害であるからこそ、特別な配慮が必要である。
2. 不足した学力を学生期間のトータルで補えば、学力水準の低下は恐れる必要がない。
コロナの危機は、ワクチンの開発や集団免疫など2年間あれば収まると専門家が主張している。すなわち、2年後には通常の状態に戻る。慌てず、弾力性のあるカリキュラムを組めばいいだけである。
例えば、今次高校3年生と高校2年生は大学や専門学校で、不足した分の一般教養を課すなどして、高校だけではなく、トータルで学力不足分を補うようにすれば国際競争力や学力水準を落とすことはない。高卒の社会人に関しては民間企業に配慮してもらい、就業中に、大学などで一般教養の科目を履修するようにすればよい。
小学生や中学生は、進級時に、週に1日〜2日、7時間授業を設け、それを何年間か行えば、無理せずとも遅れは取り戻せる。
また、学校行事などをカットすることなく生徒の人間性を育む教育もできる。このように学力不足分を補うようにすれば国際競争力や学力水準を落とさずに済むのである。
今、日本に足りないのはこうした現場目線、国民重視の観点である。
萩生田光一文部科学大臣は、教育が誰のために、そして何のためにあるのか再考を求める。