8. 磯田道史の視点[1] iOmTY5O5jmqCzI6Lk18 2022年1月16日 14:25:49 : y5PQIIFQDM :TOR UmtERldSSm4wMGM=[2]
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磯田道史
国際日本文化研究センター 教授
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別の視点
「経験ない」と気象庁。だが、明治十六(1883)年、インドネシアのクラカタウ噴火の経験がある。今村明恒(地震学者)が「地震漫談 (其の十)」1934年にこう記す。大気波動が「クラカトアから出発して」地球を巡回、「三回半までも追跡」。津波も発生。「波の周期は凡そ二時間」で異様に長かった。ふつう津波周期は「二十五分内外」。ところが今回の津波は「数分程度と小刻みに上下動するタイプ」(東北大・今村文彦教授読売新聞談話1月16日)。必ずしも歴史は繰り返さない。ただ今村明恒は神奈川県三崎町の漁師が津波だと騒ぎ「高さは三四尺位」(90〜120p) の波が日本に来たとも記す。この点、歴史は繰り返した。
2022年1月16日 4:22
全国で気圧上昇、津波との関連調査 気象庁「経験ない」
災害・気象
2022年1月16日 2:18 (2022年1月16日 12:12更新)
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磯田道史さんの投稿磯田道史
南太平洋の島国トンガ沖の海底火山噴火の様子を捉えた衛星写真=気象庁提供・AP
南太平洋のトンガ沖で発生した海底火山の噴火に伴い、気象庁が各地に津波警報や注意報を出したのは、噴火から約11時間後の16日午前0時15分だった。噴火後に全国各地で一斉に気圧の変化が確認されたことも判明。気象庁は今回の津波について「こういった現象は知らず、原因は不明」と過去に例がないものだったことを明らかにした。
気象庁は当初、噴火の日本への影響について、若干の海面変動はあるものの被害の心配はないとしていた。
ところが、日本で観測された波の変化は当初に想定していた時間より早く観測された。父島では午後10時半ごろの想定だったが、2時間半ほど早い午後8時ごろに観測。日本で観測された波の変化はトンガ周辺の島しょ部の津波高よりも3〜4倍高くなったが、これについても原因は不明という。
さらに気象庁はトンガ以外の周辺の島しょ部からえられた津波高からも日本への影響を分析したが、これほどの高さになる予測は導き出せなかった。
今回、15日午後8時ごろ、数ヘクトパスカルの気圧の上昇が全国で観測されたことも明らかにした。
一般に気圧が下がれば、海面は上昇するが、今回観測されたのは逆の現象だ。
気象庁の担当者も関連はまだ分からないとしつつ、「あくまで想像」と断った上で、「急激な気圧変化があったときにぎゅっと海面が押される。それがまた戻ってくるので、海面が振動することで周期的な潮位変化が発生することはあるのではないかと思う」と述べた。
地震火山部の宮岡一樹・地震情報企画官は「津波はしばらく続くものと考えている」と指摘。通常の地震による津波とは異なり、今回は発生メカニズムが分かっていないこともあり、注意報の解除の見通しは立っていないとした。
トンガ沖の海底火山噴火を受けた津波警報発令について、記者会見する気象庁の担当者(16日未明、気象庁)=共同
トンガ沖では15日午後5時10分(日本時間午後1時10分)ごろ、海底火山による大規模な噴火が発生した。
同日午後11時55分には奄美大島小湊で1.2メートルの津波を観測。前後して北海道から沖縄までの幅広い沿岸でも相次いで数十センチの津波が観測された。同庁は16日午前0時15分になって鹿児島県の奄美群島とトカラ列島に津波警報を発出。同2時54分には岩手県も警報の対象に追加した。
なぜ津波警報が当初発表されなかったのか。同庁によると、日本の近海で起きる地震の場合、観測網が整備されており、地震の規模を示すマグニチュード(M)や発生場所などの解析情報を基にプレートや断層がどれくらいずれたかを把握し、津波高を予測する。
一方、今回のトンガ沖の海底火山の大規模噴火に伴う津波はどのようなメカニズムで起きたのかまだ判然としない点が多い。噴火後の海外の津波観測網でも、大きな津波の情報は検知されなかったという。