2020年09月26日 大阪 朝刊 2社会 朝日新聞
11月に控える大阪都構想の住民投票に向けて今月26日から始まる大阪市主催の住民説明会で、市は各政党の主張をまとめたチラシを配らないことを決めた。前回と異なり、都構想を推進する大阪維新の会の主張に沿った市のパンフレットだけを使う予定。反対派の主張は会場で周知できず、反発を招きそうだ。
松井一郎市長は25日、記者団に「(賛成・反対派が)主張しあえば混乱する」と説明し、住民説明会では市がまとめたパンフレットだけを配る考えを示した。「あおり合戦みたいになるのが嫌だ」「役所で作ったパンフレットをもとに冷静に判断いただきたい」とも主張した。
住民説明会は26日から10月4日まで市内で計8回開催する。前回は市がつくったパンフレットとともに市議会各会派の主張を記したチラシも配った。チラシは片方の面に維新による「賛成意見」、もう片方に公明、自民、民主、共産の各党による「反対意見」を掲載。賛否双方の主張が分かるようになっていた。
そもそも今回のパンフレットは、維新寄り過ぎるとの批判があった。広報全般について助言する専門家である市の特別参与が作成段階で「メリット一色の印象を受ける」「『よくあるご質問』は、全てが制度のアピールになっている」と指摘。これについて松井氏は25日、「(一部指摘について)特別参与が間違っている」と反論。指摘を受けて担当部局が修正したことも「甘い」と批判した。