http://blog.goo.ne.jp/goo1818sigeru/e/9cc9436fcf886c8b5986f4965d04beb7
アムネスティ・インターナショナルはもともと限界を抱えていた団体なのか、もとはまともだったが堕落していったのか、そこは議論があるかもしれません。いずれにせよ、かなりひどい実態になっていることは間違いありません。善意の支援者たちを失望させていることも確かでしょう。以下は、数十年にわたりアムネスティを支援してきたという1人の学者が、今回のセドナヤ刑務所報告書をうけて書かれた文章です。
Amnesty International on Syria – at it again!
https://timhayward.wordpress.com/2017/02/08/amnesty-international-on-syria-at-it-again/
「アムネスティの草の根の支援者たちが何よりも気にしなければならないことは、今回の報告書によってこの団体は何を成し遂げようとしているのか、ということだ。アレッポ包囲戦が収束し、国際社会によるより建設的な関与の可能性が出てきたところで、シリア政府を悪魔化する試みを再開する理由は何なのだろうか? 紛争当事者のいずれも一線を超えた行為に対しては責任を問われねばならないが、アムネスティが最も気に掛けるべきは人間存在であり、アムネスティが最も関心を置くべきは平和の達成に本来はあるはずだ。消えかかった紛争の燃えさしをかきたてるということではない」というメッセージは、本当にそのとおりだと感じました。「at it again!(性懲りもなくまたか!)」というタイトルには、救いがたい幻滅の響きもありますが、本文からは、長年支援してきたアムネスティに本来あるべき姿に戻ってほしいという願いも感じられます。
アムネスティはなぜ西側の侵略戦争の代弁者になったのか、この問題は難問ですが、いくつかの構造的な要因は挙げることができると思います。一つは資金面、もう一つは人事面です。
NGOはその名のとおり非政府組織、いかなる政府からも独立の立場にあり、それゆえに活動に公平性が担保されると考えられています。しかし、これは建前で、実際には多くのNGOに政府からの資金が流れているようです。アムネスティにも欧米各国からの資金が流れているという指摘があります。
http://www.ngo-monitor.org/ngos/amnesty_international/
「アムネスティは、人権調査活動のための資金を、いかなる政府や政党からも受け取ってはいないと主張しているが、実際には政府の資金を受け取っており、イギリス国際開発省、欧州委員会、オランダ政府、米国政府、ノルウェー政府などが含まれている」
Breaking Its own Rules: Amnesty's Researcher Bias and Govt Funding
http://www.ngo-monitor.org/reports/breaking_its_own_rules_amnesty_s_gov_t_funding_and_researcher_bias/
この記事によれば、イギリス国際開発省から入った2008年から4年間の助成金合計が3,149,000ポンド(この当時のレートをおよそ1ポンド150円とすると約4億7千万円)、2009年には250万ユーロ(およそ1ユーロ130円とすると約3億3千万円)を各国政府から受け取っています。
「アムネスティの自己正当化」という見出しの部分を以下にご紹介します。
「ほとんど知られていない文書だが、アムネスティは政府助成金の受け入れを容認している。2006年5月発行のアムネスティのニュースレターにはこうある。「人権教育プログラムは、アムネスティが通常行っている問題発生をうけての事後的な調査や運動、被害防止的・啓発的な人権活動とは異なるものです。このため、人権教育プログラムにおいては、アムネスティは各国政府とより協力的に活動し、教育活動に充てるための資金を政府から受けることも可能とします」と。そして、この立場を正当化するために「教育プログラムのために政府から資金を受けることは、アムネスティが政府に取り込まれるとか、公平性の原則をないがしろにするとかいうことを意味するものではありません」としつつ、「国内または世界の人権問題に関する理解を各国政府がより一層推進しようとしているかどうか、その熱意を測る」ための手段の一つとして、政府から資金を受け入れるのだと主張している。この部分は、アムネスティが自身のウェブサイトに掲載している「私たちは“人権調査のための”資金を政府に求めたり受け取ったりすることはしません(強調部分追加)」という言い回しが何を意味するものだったのかを示した。しかし、この注意を呼び掛けるべき但し書きが、アムネスティのPR文書からは抜け落ちているのだ。…」
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また、以下の二つの記事には、アムネスティへの資金提供者として世界的大富豪ジョージ・ソロス(George Soros)の名前があがっています。政府(政治権力)からの資金のみならず、大富豪(経済権力)からの資金提供も、公平な活動を歪めているようです。
“Human Rights” front groups (“Humanitarian Interventionalists”) warring on Syria
https://ingaza.wordpress.com/syria/human-rights-front-groups-humanitarian-interventionalists-warring-on-syria/
George Soros: Anti-Syria Campaign Impresario
http://21stcenturywire.com/2016/04/22/george-soros-anti-syria-campaign-impresario/
二つの記事を順にご紹介します(役職などは記事掲載当時のもの)。
「アムネスティ・インターナショナル:
アムネスティは各国政府と企業投資家の双方から資金を得ている。。後者で最も悪名高いのは、金融犯罪で有罪判決を受けたジョージ・ソロスが率いるオープン・ソサエティ財団である。この財団は、ヒューマン・ライツ・ウォッチをはじめ無数の人権活動家たちに資金を提供している。
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大きく言えば2点が指摘されています。
(1)実は西側政府筋の金が入っている。
(2)富裕層からの寄付
これに加えて、
よくも悪くも「リベラル」な西欧市民社会を理想とみる人たちが
集まっているという「文化的偏向」もあるだろう。