芥川賞作家・柳美里さんは、3年前に鎌倉から南相馬市に転居、この4月に小高に
書店を開業予定である。
いくつものマスコミに取り上げられ、住民に寄りそう姿勢が賞賛されている[1][2][3]。
彼女のことを原子力ムラの手先だと激しく非難する人もいるが、ちょっとそれは
的はずれだろう。
彼女は他の御用文化人のようにムラから大金をもらっておらず、原子力に関しても
はっきりと反対しているし、南相馬への転居も書店開業も自分の意思で行なっている。
ただ政府の帰還政策を進める上でまことに好都合な活動をしているので、
マスコミにひんぱんに取り上げられ、それが強い批判の対象になっている。
柳さんは、政府・原子力ムラの手先というより、彼らの流布する安全デマに
完全に洗脳されてしまった気の毒な犠牲者と考えるべきだろう。
福島原発事故7年後の今でも、南相馬市の放射能汚染がとても人間が健康に暮らせる
レベルではないことは明白だ。
とくに山側の汚染はすさまじく、いくら住宅地域を除染しても風雨により放射性物質は
押し寄せてくる。すぐ線量は元に戻る。
海の汚染も深刻だ。
東電がろくに除染されていない汚染水を海に放出し始めれば、さらに汚染はひどくなる。
福島第一原発は今でも、毎時1000万ベクレルという莫大な量の放射性物質を放出している。
ちょっとした作業があれば、放射性塵が舞い上がり、周辺の線量が跳ね上がる。
地下に沈降した溶融燃料は地下水と接触して放射性蒸気を噴き上げている。
下水からヨウ素131がたびたび検出されている。再臨界の証拠である。
しかもこの近辺では地震が毎週のように起きている。
すでに地盤沈下している1-3号機の建屋が大きな地震で完全に倒壊して、
使用済み燃料の冷却は止まり高濃度の煙を上げて燃え出す危険性がある。
そうなれば少なくとも東日本は壊滅である。
事故は何一つ収束していないし、原子力緊急事態宣言もいまだに解除されていない。
チェルノブイリ原発から30キロ圏内は今も特別な許可なしには立入禁止である。
福島第一から20キロも離れていない南相馬市は、本来なら半永久的に立ち入り禁止に
すべき土地なのだ。
もちろん住民はそんなことは百も承知だ。
小高に帰還した人は全体の2割弱、65歳以上が6割である。
若者や子育て世代は決して戻らない。
65歳以上が5割である限界集落の基準を越えており、今後は衰退する一方だろう。
猛烈な少子高齢化の影響で、今後放射能汚染がない地方ですら消滅する市町村が
激増すると言われている。
放射能汚染という重荷をさらに抱えた南相馬が生き残るとはとても思えない。
福島を差別するな、風評被害をばら撒くななどとわめいている御用連中がいるが、
実は福島を放棄したのは住民自身なのである。
本離れやネット化が進んだ昨今、大都会ですら書店経営は苦しい。
住民の大半が帰還しない小高で利益を上げるのは不可能、開店直後の賑わいが去れば
終わりだろう。
作家が片手間に書店を経営しても成功するとは思えないし、またそれが住民の帰還に
つながることもあり得ない。
単なる感傷や同情で商売が成功する、住民が帰ってくると思ったら大まちがいだ。
世の中はそんなに甘くない。冷静になって考えればわかることだ。
商売として失敗するのは明白だから、銀行が融資しないのは当たり前である。
クラウドファンディングに協力した人たちも寄付・カンパのつもりであって、
まさか利益が上がるとは思っていないだろう。
それにしても放射能汚染でタダ同然の小高の不動産を2千万円という原発事故前の価格で
買った柳さんにもあきれるが、売りつけた不動産屋も非常に悪質である。
後ろを向いて舌を出して笑っているにちがいない。
柳さんが寄り添っているのは住民ではなく、実は放射能汚染なのだが、政府の安全デマを
真に受け、「安全だ」「被ばく被害はない」と完全に洗脳されてしまった彼女を
いくら批判しても意味がない。
本来なら立入禁止にすべき高汚染地域に避難住民を帰還させようとする極悪非道な政府こそ
強く批判されるべきである。
その批判をするのがマスコミの本来の役目なのだが、逆に安全デマに洗脳された柳美里さんを
賞賛しているのだから救いようがない。
政府に批判的なメディアまでがこの体たらくなのだから絶望的である。
(関連情報)
[1] 「福島・南相馬に書店を開く柳さん」 (毎日新聞 2018/3/25)
https://mainichi.jp/articles/20180325/ddm/001/040/139000c
[2] 「消えない傷あと 福島移住の柳美里氏が触れた被災者の思い」
(日刊ゲンダイ 2018/3/12)
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/224717
[3] 「福島・南相馬で『書店』を開店…芥川賞作家・柳美里の無責任マスコミとは真逆な
被災地への姿勢」 (LITERA 2018/3/10)
http://lite-ra.com/2018/03/post-3857.html
[4] 「柳美里さん ブログ」
http://blog.goo.ne.jp/yu_miri
[5] 「柳美里オフィシャルサイト」
http://yu-miri.com/?p=213
[6] 「柳美里さん ツイッター」
https://twitter.com/yu_miri_0622
[7] 「芥川賞作家・柳美里さん、南相馬に移住 市民と対話、縁深まる (福島民報)」
(拙稿 2015/7/7)
http://www.asyura2.com/15/genpatu43/msg/370.html
[8] 「年収1億円から困窮生活へ――芥川賞作家・柳美里が告白
『なぜ、私はここまで貧乏なのか』」 (Business Journal 2015/5/27)
http://biz-journal.jp/2015/05/post_10102.html
-------(柳さんのツイート・引用ここから)------------------------
https://twitter.com/yu_miri_0622/status/970856629301264389
福島県南相馬市小高区は、原発事故によって全域が「警戒区域」に
指定された地域です。(我が家は、東京電力福島第一原子力発電所から
16キロ地点)事故前の住民数は1万2842人 でしたが、現在は2469人で、
約6割が65歳以上の高齢者です。 原発事故による避難区域の状況↓
http://www.pref.fukushima.lg.jp/site/portal/cat01-more.html …
19:00 - 2018年3月5日
https://twitter.com/yu_miri_0622/status/969989800626241536
1)本屋「フルハウス」のクラウドファンディングは、2月末日に終了し、
573人の方にご協力いただき、890万2850円集まりました。
ありがとうございます。 これは、わたしが本屋「フルハウス」開店のために、
みなさんからお預かりした大事なお金です。
9:36 - 2018年3月3日
https://twitter.com/yu_miri_0622/status/969990131640778752
2)何に使わせていただくかを、改めてご説明いたします。
●モーションギャラリーの10パーセントの手数料が、約89万285円
●消費税 が、7万1223円
●銀行振込手数料が、250円
●リターンの書籍購入費が、120万3300円
●リターンの書籍送料が、17万1900円
9:37 - 2018年3月3日
https://twitter.com/yu_miri_0622/status/969990813340987392
3)本屋「フルハウス」のために使用できる金額は、656万5892円ということになります。
656万5892円で、本屋「フルハウス」の初期在庫(書籍)代、内装費、什器代、
HPデザイン料、看板代など全てを賄うことはできませんが、本は購入できます。
9:40 - 2018年3月3日
https://twitter.com/yu_miri_0622/status/969992486331473920
4)みなさんのお陰で、当初恐れていた、棚がすかすかになり、
ほとんど面陳で逃げる、という事態は避けられます。 ありがとうございます。
9:46 - 2018年3月3日
https://twitter.com/yu_miri_0622/status/969992812413399040
5)でも、7000冊=約800万は支払えないーー。 もう1回、頭からリストを見直し、
本のタイトルと睨めっこするしかない。 しかも、発注期限は2月末日。
既に過ぎている。 レジや、細々とした書店用品も発注しないと、
4月9日に間に合わない。
9:48 - 2018年3月3日
https://twitter.com/yu_miri_0622/status/969994327958044672
6)本屋、やることが膨大にありますね。 収入は微々たるものなのに、
本は読まなきゃならないし、緻密な作業もあるし、頭も使いまくるし、
力仕事もあるし、接客もある、という超激務ーー。
改めて、全国の書店員のみなさんを尊敬します。
9:54 - 2018年3月3日
https://twitter.com/yu_miri_0622/status/965802698778992640
日本全国で売り場面積の少ない「町の本屋さん」がバタバタ潰れている昨今、
住民数2400人の福島県南相馬市小高区で本屋を開業するのは厳しい、
ということは動かしようのない事実です。でも、わたしは、収益があがらない、
ということを認めた上で、それでも、本屋「フルハウス」を開業します。
20:18 - 2018年2月19日
https://twitter.com/yu_miri_0622/status/965800128136151040
「本屋やるんです」と言ったら、西国分寺のBOOKS隆文堂の高橋小織さんは
「えー! やーめーなーよー!」と叫びました。ぜったい、儲からない、損する、と。
南相馬市原町区の文芸堂さんも、しばし沈黙した後に「大変だよ」とおっしゃり、
おおうち書店さんも「食べていけないよ。趣味だと思わないと」と…
20:07 - 2018年2月19日
https://twitter.com/yu_miri_0622/status/965035725161811968
@既存家屋の2部屋(10坪)を、まず本屋として開店します。床改装、
照明、本棚、平台などの什器、初期在庫購入費(本は委託販売ですが、
開店時の本を返本してしまったら棚が空っぽになる)で、約800万かかります。
クラウドファンディング目標額の500万を達成できたとしても、
17:30 - 2018年2月17日
https://twitter.com/yu_miri_0622/status/965040855546437632
Aクラウドファンディング運営者へのマージン10%、リターンの本購入費
(自著ですが、買います)などを差し引くと、クラウドファンディングで
受け取れる額は約325万。
福島県の「創業促進企業誘致に向けた設備投資等支援補助金」を活用して240万。
合わせて565万円。総事業費800万-565万=235万、足りず
17:50 - 2018年2月17日
https://twitter.com/yu_miri_0622/status/965042868267008002
B235万ぐらい自己資金でなんとかしなさい、というのは、
もっともなご意見なのですが、土地・中古住宅を2千50万で購入し、
20年ローンを組みました。南相馬市小高区は原発事故後に
「警戒区域」に指定されたために水回りや電気系統が全て壊れていて、
修繕とハウスクリーニングに500万以上かかりました。
17:58 - 2018年2月17日
https://twitter.com/yu_miri_0622/status/965045120755146752
C銀行には、さらなる融資をお願いしましたが、住民数が少ないので
(原発事故前1万3千人。現在は2千4百人)採算が合わない、
ローン返済できなくなると断られました。ごもっとも。
しかし、住民の帰還者数が増えるのを待っているわけにはいかないのです。
クラウドファンディングのページを読んで下さい
18:07 - 2018年2月17日
https://twitter.com/yu_miri_0622/status/965046849659809793
Dクラウドファンディングの目標額は、達成できなければ
クラウドファンディング運営者へのマージンが20%にはねあがるため
(達成できたら10%)、みなさん控えめな額を設定します。
「フルハウス」の場合、本当は目標額を800万に設定したかったのですが、
達成できないリスクを避け、500万にしました。
18:14 - 2018年2月17日
https://twitter.com/yu_miri_0622/status/965049178412888065
Eなんとか、500万を超えて、800万でゴールしたいです。
安い文庫や新書だけではなく、高い写真集や美術書や専門書も
棚に並べたいのです。 小高駅近くに本屋がオープンしたら、
町の雰囲気は変わります。 そして、わたしは、
ここを文化の発信場所にします。 ご協力、お願いいたします。
18:23 - 2018年2月17日
https://twitter.com/yu_miri_0622/status/965053176628969473
F小高産業技術高校の入学式
(柳美里作詞、長渕剛作曲の校歌がうたわれます)が4月10日。
生徒たちへの入学祝いの気持ちを込めて、
本屋「フルハウス」のオープンは、入学式の前日の4月9日にしました。
18:39 - 2018年2月17日
https://twitter.com/yu_miri_0622/status/965055081413468160
G4月10日に本屋部分をオープンしたら、本屋前(現在駐車場)に
喫茶スペースを増築する計画を前に進めます。住民や学生たちや
遠方からの来訪者が自由に読める本を並べます。つまり私設図書館です。
そちらが、坂茂さんのデザインの建物です。 先日、地元業者に
見積もりを立ててもらったら、約800万
18:47 - 2018年2月17日
https://twitter.com/yu_miri_0622/status/965057637879488513
Hそして、2月15日に上野のイリヤカフェに行き、オーナーの
今村ナオミさんに色々教えていただいたのですが、
喫茶をオープンするには、厨房設備や什器に最低でも
200万以上かかります。 合わせて、1千万以上ーー。
今回のクラウドファンディングでは届きません。
18:57 - 2018年2月17日
https://twitter.com/yu_miri_0622/status/965059066962755584
Iクラウドファンディング第2弾を企画するか、
もしくは、別の方法があるのか、模索中です。
今後、同じ敷地内にある蔵や倉庫をBARや小劇場にリノベーションする
計画も立てているので、とにかく、お金が必要です。
25年間休眠させていた「青春五月党」も再結成するし。
19:03 - 2018年2月17日
https://twitter.com/yu_miri_0622/status/944209397143580673
本日、ブックカフェ「フルハウス」開業のために申請していた
「福島県創業促進・企業誘致に向けた設備投資等支援補助金」300万が、
不受理となった。しかも、電話では伝えず、片道2時間かけて
福島県庁まで出向いたところ、「お役に立てず、申し訳ありません」と言われた。
6:13 - 2017年12月22日
https://twitter.com/yu_miri_0622/status/899241725801119744
誤解している方もいらっしゃるようなので、言っておきます。
わたしは、原子力政策に賛成していないし、容認するつもりもありません。
「原発反対」のスローガンのために、デマを拡散したり、
原発周辺地域に暮らす人々の病や不幸を期待したり、
攻撃したりしないでほしい、と言っているだけです。
5:08 - 2017年8月20日
https://twitter.com/yu_miri_0622/status/897374962394189829
きっと、本屋を実際にオープンしたら、大変なバッシングを受けるんだろうな……
でも、本屋、やりますよ。 バッシングを受けても、大赤字でも、プライドにかけて、
わたしは本屋を開き、続けます。
1:30 - 2017年8月15日
https://twitter.com/yu_miri_0622/status/897641208360693761
極右からも極左からも攻撃されているのだが、両極はネット界隈での振る舞い方が
よく似ている。そっくり。瓜二つと言ってもいい。 極右からの攻撃は、
私の国籍(大韓民国)・歴史観に由来し、 極左からの攻撃は、
私が居住する場所(福島県南相馬市小高区)・住民としての活動に由来する。
19:08 - 2017年8月15日
https://twitter.com/yu_miri_0622/status/897345859196665856
南相馬市小高区に転居し、本屋を開くことを公にした途端、
一部の「反原発」「反被曝」の方々から、凄まじい勢いで敵視されています。
敵視が暴力に繋がるのではないか、と心配しています。 本屋の場所は、
小高に来ればすぐわかるのでーー。
でも、この方々が旧「警戒区域」を訪れることはないかな?
23:34 - 2017年8月14日
-------(引用ここまで)------------------------
http://www.asyura2.com/17/genpatu49/msg/561.html