日本電産は25日、シャープの前副社長の大西徹夫氏(61)を5月1日付で顧問に迎える人事を発表した。株主総会を経て要職に就くとみられる。大西氏は今月30日でシャープを退職する。
大西氏はシャープで主に経理畑を歩み、最高財務責任者などを歴任。海外事業の経験もある。永守重信会長兼社長は25日の決算会見で「グローバル展開していく中で、必要な人材だ」と説明した。
日本電産はシャープを退職した人材の積極登用を進めており、部長級では今年3月までに100人程度を採用した。5月1日付人事では、シャープのテレビ部門のトップを経験した毛利雅之氏(汎用モータ事業本部営業統轄部長)が執行役員に就く。永守氏は引き抜きを否定したうえで「人は何度も同じ失敗はしない。挫折や失敗の経験のある人に来てほしい」と話した。
25日発表した平成28年3月期連結決算は、売上高が前期比14・6%増の1兆1782億円、営業損益が同12・3%増の1245億円の黒字、最終損益が同20・8%増の918億円と、いずれも過去最高を更新した。自動車や産業機械向けのモーターが好調だった。一方、スマートフォンなどで操作に応じて細かな振動を指先に伝える新規部品「触覚デバイス」は計画を下回った。米アップル社の新型iPhone(アイフォーン)の販売が伸び悩み、受注が落ち込んだ。
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