元記事
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パソナグループの竹中平蔵会長らと政府との癒着に抗議する街宣活動の差し止めを求めた「街宣活動等差止請求事件」の判決公判が12日、東京地裁(岡崎克彦裁判長)で開かれ、被告の横山孝平・國の子評論社社主にパソナ本社や竹中氏の自宅マンション周辺半径500メートルなどでの街宣活動禁止と原告の訴訟費用の全額負担を命じた。原告側は出廷しなかった。
この事件は、産業競争力会議や国家戦略特区諮問会議の民間議員を務める竹中平蔵氏が自身の関わる会社に利益誘導をしている疑いがあるとの街宣活動を行った横山氏に対し、2014年8月25日、パソナグループとパソナ、竹中氏の3者が街宣禁止の仮処分命令を東京地裁に申し立てたのが発端。
東京地裁はわずか2日後に仮処分を決定したが、原告側は7カ月過ぎても本訴を提起しなかった。パソナグループの株主総会とASKA(宮崎重明)覚醒剤事件の判決公判を直後に控え、騒がれたくなかった事情を察した横山氏が、逆に「起訴命令申立書」提出。4回の口頭弁論が開かれている。
判決は、横山氏の街宣活動が名誉毀損(きそん)に当たるとして、被告と被告主宰団体の構成員、支援者が東京・大手町にあるパソナ本社や新宿支社、渋谷支社、中央区佃島にある竹中氏のマンションの半径500メートルで「大声を張り上げ、街頭宣伝車や拡声器等による宣伝、演説、放送、ビラの配布」をすることを禁じた。訴訟費用の額については示さなかった。
争点は、街宣活動の適法性と、名誉毀損に当たるかどうかだった。しかし、音量の数値的根拠は示されず、別の抗議団体の音量を測定した数値と比較してそれより大きかった」との原告の主張を流用している。名誉毀損の根拠も示されず、「誹謗(ひぼう)中傷を含んだ街宣によって、平穏な生活が妨害された」としている。
産業競争力会議での竹中発言と労働支援助成金激増との関係や、パソナグループの迎賓館「仁風林(にんぷうりん)」での政治家・官僚の接待など、演説で指摘された内容については一切触れず、癒着に当たるかどうかの判断を避けた。
竹中氏は13年3月の産業競争力会議で「雇用調整助成金を大幅に縮小して、労働移動に助成金を出すことは大変重要。ぜひ大規模にやってほしい」と発言し、労働移動支援助成金は13年度に前年度の2億円から300億円に激増した。
仁風林はASKAの接待パーティーの会場として注目を集めたが、常連客の中には、パソナを所管する立場にある自民党の田村憲久厚労相(当時)まで含まれていたことが報道されている。
15年12月20日の第4回口頭弁論では、これらの点が争われるか注目された。根拠として横山被告は『月刊日本』や『日刊ゲンダイ』『週刊文春』の記事など30点を証拠として提出したのに対し、原告は「その真実性を問う」と準備書面で回答。
被告は証拠の中で真実でない部分を明示するよう求めていたが、原告は「これには取り合わない」と却下し、裁判長が弁論の終了を告げている。横山氏は「原告が反論できない以上、証拠は全て真実であったと認識する」と主張していた。
事実上、全面敗訴の判決について横山被告は「不当判決。基本的には想定通りだが、少し希望的観測も持っていた部分もあった。30点もの証拠資料を提出し、事実関係を争いたかった」と不満な様子だった。
本訴しないパソナら側にあえて申し立てをした意図について、「法廷での闘いを避けることは言論活動の敗北であると同時に、事実関係を争うに当たって竹中氏を法廷に呼び出したかった。かなわなかったことは大変遺憾」と語る。その上で、「一企業というより、竹中という公人に言論活動を止められる筋合いはない。国の機関がこれを認めたのは、暗黒の社会だ」と問題視した。
証拠として却下された『月刊日本』の南丘喜八郎主幹は、「この判決はおかしい。横山氏の挙げた証拠に対し、原告は自らの主張を立証すべきだ。それをやらないで、記事がでたらめだと言っているのか。日本の司法が狂い始めている」と反発している。
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