61. 2022年3月29日 00:19:36 : TmcvcKqjsc : ZW9wT0ViY1Bucnc=[1]
>>42
>しかしながら、それで止めるべき殺戮は、依然として続いている。
>直接の当事国でない国は、殺戮を止めるために「戦闘をやめろ」と言わなければならない。
問題は「殺戮が始まったのは8年前で、専らウクライナ政府軍+親衛隊(「アゾフ大隊」が元)が
東南部ドンバス地方の住民を殺していた。」という側面が西側マスコミには出ない事。
ロシアの今回の武力行使は、国際法上「集団的自衛権」の発動と言い得るような手順を踏んで
行われた。これはデマでも冗談でもプロパガンダでもなく単なる事実。ロシアは「ドンバスの
ロシア系住民を殺戮から救う」事を目的(の一つ)あるいは大義名分とした今回の武力行使を、
国際法の観点から合法的に実現したかった。現行の国際法では、合法的武力行使は次の2種類
しかない。、
(1) 国連安全保障理事会の議決を経る。
(2) 自衛権の発動。(自衛権には、個別的自衛権と集団的自衛権の2種類がある)。
選択肢 (1) は、米、英、仏の拒否権で潰されるに決まっているので (2) しかなく、自国が攻撃を
受けていないときに発動できるのは「集団的自衛権」しかない。
予備知識:「集団的自衛権」の発動は、「既に攻撃を受けている「同盟国」からの救援要請」が
必要十分条件(国際司法裁判所の判例が根拠。 Wikipedia 「集団的自衛権」の説明を参照)。
上の条件を成立させるためドンバス地方の「ドネツク人民共和国」と「ルガンスク人民共和国」を
正式に「主権国家」として承認し、「同盟国」となるために「友好・協力条約」を締結し、さらに
国会での「批准」も済ませて条約を発効させ、しかる後に両国首脳からの救援要請書簡を受領 ...
http://tmmethod.blog.fc2.com/blog-category-5.html
という手続きを踏んだ。下記に和訳のある武力行使開始直前のプーチン演説でも簡単に触れている。
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20220304/k10013513641000.html
アメリカを筆頭にNATO諸国が、国際法(「武力行使禁止原則」や「戦時国際法」)など気にもせず、
勝手気儘に(=国際法の観点から違法な方法で)武力行使してきたのとは、随分と違っている。
過去のNATO諸国の武力行使の違法性は、例えば下記の記事に説明がある。
http://www.asyura2.com/22/senkyo285/msg/878.html#c63 (後半)
http://www.asyura2.com/19/warb23/msg/529.html#c179 (最後近く)
上記の合法的武力行使を除く武力行使は全部違法(「武力行使禁止原則」)というところで既に
引っ掛かってるし、通常運転で「戦時国際法(の民間被害最小化努力義務)」にも違反するのが
「アメリカ+NATO標準」。
「ドンバス地方の住民が、どのように殺戮されていたか」経緯を含めて概観する。
予備知識:ドンバス地方はロシア語が主に使われている。ちなみに西端ではウクライナ語が主、中間
では両方が使われている。
8年前、クーデターでドンバス地方を支持基盤としていた大統領が命からがらロシアに亡命した後、
政権を取った連中というのが問題で、ロシア語話者である住民を目の敵にする。それで、ドンバスの
2つの州だった領域で、公用語決定権を含む自治権拡大要求...だったはずが勢い余って「独立宣言」。
そして内戦へ進んだが、成り行きからも力関係からも、戦場になるのは当然、ドンバス地方。
しかし、地元側に地の利もあるし、産業分布的にドンバス側に力があったせいもあって、最初の数か月
戦況は拮抗。ウクライナ軍に戦術的失敗があって大敗したりして、下手すると政権自体雲行きが怪しく
なりかねない可能性すらあったとき、ドイツが主導して成立させたのが、ミンスク合意。ドイツは
フランスとロシアも巻き込み、ウクライナに停戦とドンバス地方の自治権拡大という条件を呑ませたが、
クーデター後のウクライナ政権は、根っからのアレなので面従腹背。自治権拡大に必要な政治手続き
(憲法の地方自治関連の修正と選挙の実施)を全く進めないし、停戦協定も守らないから5か月後に
交渉を仕切り直して「ミンスク2」にバージョンを上げたみたものの、同じことの繰り返し。
そうこうしている間に NATO というかアメリカから、武器がどんどんウクライナに運びこまれてきて、
ウクライナ政府側が優勢に。戦時国際法という概念自体を知らないアゾフ連隊(大隊から格上げ)等の
侵入を許すことも多くなった。一方、ウクライナの政治状況にはドンバス地方への差別が組み込まれて
いってしまった。そして、ウクライナ政府軍による殺戮が、ドンバスの日常になった。
ちなみに、ロシアが武力介入する直前にも都市部への砲撃や水道インフラ破壊があったと報告がある。
https://jp.sputniknews.com/20220219/10206784.html
https://jp.sputniknews.com/20220219/6600-10209759.html
https://jp.sputniknews.com/20220222/10225955.html
こういう流れなので、今に至っては「ドンバス住民の安全を長期的に確保できる形での停戦」の実現が
人道的観点からは必要不可欠。単にロシアが撤退すれば、ウクライナ政府によるドンバス住民の殺戮が
再開されるだけ。下記のような「ウクライナ政府軍の攻撃による難民」も再び発生するだろう。
https://jp.sputniknews.com/20220219/10206623.html
https://jp.sputniknews.com/20220221/10223493.html
下の記事(著者は現地滞在が長いスペイン系の社会活動家っぽい)からの抜粋で、ここまでの流れを
振り返る。
http://tmmethod.blog.fc2.com/blog-entry-822.html
「ウクライナの人口構成は非常に多様で、ロシア系が20%、主に東部のドンバスという鉱床地帯に定住
している。その他、タタール人、ベラルーシ人、ルーマニア人、モルドバ人、ハンガリー系ポーランド人、
ジプシー、ユダヤ人などがいる。」
「クーデターによってポロシェンコのような誰もがファシストと認める人物が政権トップに置かれた」
「まず、教育現場では、それまで非国民的な無法者とされてきたステパン・バンデラの反乱軍を歪曲し、
「祖国の英雄」として各学校に売り込み始めた(今日では、この野蛮な殺人者たちを象徴する赤と黒の
エンブレムをつけた子供たちが描かれた小学校の教科書は簡単に見つけることができる)。」
「ウクライナのテレビでは、主要な政治トーク番組から、民族的憎悪の温床が作られ始めた。」
「トークショーの中で、彼らはドンバスの住民を、大学や近代的な世界を持つキエフのウクライナ人
とは対照的に、炭鉱を掘ることしかできない人間以下の猿のように描き始めたのである。
民族的な憎悪が絶えず浴びせかけられた。」
「インターネット上には、ウクライナの有名なトークショーの司会者が「受け入れがたい事実だが、
あの人たちは重荷で、我々を貧しくし、我々本当のウクライナ人が必要とする空間を占領している。
言いにくいことだが、ドンバスには死ななければならない人たちがいる。」と語る映像が流れている。
これはそのままネット上に残っている。」
「極右の準軍事集団が、コロモスキ(Kolomoski)などの地元オリガルヒの財布から直接高給を得て、
正式な軍の大隊として結成された。これらの大隊はドンバスに」
「やりたい放題の暴力を受けた人たちの大半は死んだ。東部出身のロシア系の人たちは、対応
せざるを得なかった。」
「ウクライナから独立し、ロシアに助けを求める住民投票が行われた。」
「クラマトルスクもハリコフも軍用砲の包囲に耐えることができず、すぐに屈服してしまった。」
「ナチスの暴力沙汰は目を覆うほどだった。しかし、ルガンスクとドネツクは強くなった。」
「ナチスの大隊とウクライナ軍は、これらの都市を孤立させる包囲網を作り、あらゆる人権条約・
規約に違反する民間人への無慈悲な爆撃を開始した。」
「最初にやったのは、水道、電気、発電所の爆撃だった。」
「病院も、学校も、幼稚園も、爆撃を免れることはできなかった。周辺の町や村も破壊された。
何十万人もの人々が国外に脱出し、ロシアに迎え入れられ、爆撃から守られた。」
「私がそこで見ることができたものを、多くの人はロシアのプロパガンダとしてはねつけてしまう。」
「「公式」の民間人犠牲者数は、実数より限りなく少なく、14,000人が殺されたとしている。」
「ポロシェンコ大統領が「ドンバスの子供たちはネズミのように地下室に隠れなければならないが、
我々の子供たちは学校に行くことができる」と言った」
#ここまでで既に「重すぎる」ので現在に。
「 ウクライナ軍がドンバスの人々を容赦なく、途切れることなく虐殺し続けて8年になる。」
「すでに申し上げたように、ニュースはそう決めつけているからあなた方が急に心配している
この戦争は、2022年2月23日に始まったわけではないのだから。この戦争は、あなた方が傍観
したり、見て見ぬふりをしている間に、8年間も罪のない人々を容赦なく殺し続けてきたのだ。
あなた方の小さな「NO TO WAR」のプラカードは、残酷なまでに遅い。NATO主義者の利益に
間接的に奉仕しているのだ。」
「彼らが求めているのは、途切れなく続いた8年間、私たちの国民が苦しんできた野蛮な行為の
操作された共犯者に、あなた方を変えることだ。この8年の間、ウクライナはミンスク協定
のすべての合意事項を無視した。」
「ロシアのほんとうの意図などどうでもいい。確かなことは、ついにドンバスの人々が苦しむ
ことと、血にまみれた廃墟の地下室に隠れて暮らすことが終わるということだ。」
「「公式」の民間人犠牲者数は、実数より限りなく少なく、14,000人が殺されたとしている。」
「ロシアがウクライナから撤退すれば、あなた方のNO TO WARは満足するだろう。そして、あなたは
再び小さなプラカードをメディアに従わせ、再び沈黙を守り、ドンバスの息子や娘たちを自分の
シャベルで葬るだろう。」
「私が言いたいのは、あなた方の支援も連帯も得られないまま何万人もの子どもや老人、女性が
死んでいたのに、それには口を噤み、今回の戦争についてぺらぺら話すのは恥知らずだという
ことだ。」
http://www.asyura2.com/22/senkyo286/msg/107.html#c61