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[近代史5] 日本のトイレは長くこういうものだったので、河川が汚染されるたびに遷都した 中川隆
3. 中川隆[-13092] koaQ7Jey 2022年5月14日 19:42:18 : uuMrMrg56A : YktSVGpldUZyeHM=[1]
2022年05月14日
江戸時代の環境汚染は酷かった? 全然健康的ではない

飛鳥時代の庶民の家は弥生時代と変わらなかったと考えられている
都市化が進んだのに汚物処理はなく河川が汚染されて住めなくなった

古代日本の環境問題

江戸時代とかもっと前の時代は自然が豊かで緑が多く、質素ながらも健康的な生活をしているというイメージではないでしょうか?

実際にはそうではなく間違った医学知識のせいで公害病や伝染病が蔓延し、人々は環境汚染に苦しんでいました。

日本の創成期からずっと日本人を苦しめてきたものが水銀と汚物で、明治維新後に正しい医学知識が広まるまで続いた。

話は神武天皇東征の頃まで遡り記録では起原前660年前だが実際には(個人的に)西暦200年台から300年台前半かなと思っています。

と言うのは魏志倭人伝(280年)には神武天皇的な世界が一切書かれていないので、東征はその後の出来事だと想像できるからです。

その前の紀元前200年以上前、秦の始皇帝の指示で徐福という人物が不老不死の薬を求めて日本までやってきたと記録されています。


この不老不死の薬の正体は水銀を主原料とした劇薬で、当時は万病の薬として同じ重さの金よりも高く取引されていました。

古代世界で水銀の最大生産地は日本の奈良県で、神武天皇が奈良県に攻め込んだ理由も水銀だったという説が有力です。

水銀は日本から大陸へ持っていくと高額で取引され、ほとんど何でも手に入れることが可能でした。


神武天皇が奈良県を支配すると中国風の建築が増え都市建設が始まるが、その資金は水銀輸出で得たと見られている。

古代の水銀精製過程では大量の汚染物質が流出し、これが川や池に堆積し青く輝いたのが「あおによし」で、当時の人は水銀を見てロマンチックだなと思っていたようです。

当然ながら奈良では水銀汚染のため人々は病気になったが、もう一つトイレ問題があった。

衛生状態の悪さと間違った医学知識

藤原京や飛鳥京、平城京は日本最初の都市であるためトイレ処理の技術がなく、川や池に流していました。

飛鳥時代の奈良県では水銀とトイレからの流れ者で、川や池は大変な状況になっていました。

歴史で環濠集落を習ったと思いますが、周囲を堀で囲った要塞のような集落で、要塞の中で数百人が生活していました。


外側の堀からやはりトイレの物が発見されていて、しかも汚染されて伝染病が蔓延していたらしいのが分かっています。

現存する環濠集落は戦国時代の防御の為に作られたもので、そうした問題は弥生時代から既に発生していました。

結局明日香村や橿原市。桜井市周辺の古代都市は2つの汚染で住めなくなり、710年に奈良市に首都移転、平城京も汚染されて794年に京都に首都移転しています。


京都でも環境汚染は止まらず魑魅魍魎の伝説が多く生まれたが、大半は環境汚染が原因の病気と考えられています。

武士の時代になると武士は京都を嫌い鎌倉や江戸に引っ越すが、やはり環境汚染がついて回ります。

江戸時代になるとトイレの物を肥料につかうリサイクル社会が完成し、以前よりかなりマシになりました。


だが江戸は人口100万人に膨れ上がり、伝染病が定期的に大流行していました。

根本原因は正しい医学知識が無かったので、ウイルスや細菌を知らず、怨霊や妖怪の仕業だと考えていたからでした。

江戸時代を通じて女性の化粧品に水銀が多用されていて、多くの薬にも水銀が混ぜられていました。


水銀は劇薬のため強力な殺菌作用があり、確かに負傷した時などに劇的な回復をすることがある。

例えば幕府で活躍した柳沢吉保の家系では120人の寿命が記録してあるが、男は22歳で女は15歳でした。

15歳になる前から女性はお化粧を始め、それが原因で非常に短命だったと言われています。


化粧品や水銀を用いた薬は高価だったので、一般の庶民は男42歳、女44歳くらいの平均寿命でした。

古代から中世の日本はあまり環境が良くなかったのです
https://www.thutmosev.com/archives/88166781.html
http://www.asyura2.com/20/reki5/msg/1511.html#c3

[近代史5] 伊藤貫の真剣な雑談 - YouTube 動画 中川隆
10. 2022年5月14日 22:26:38 : uuMrMrg56A : YktSVGpldUZyeHM=[2]
【伊藤貫の真剣な雑談】第6回 伊藤貫×水島総特別対談「ウクライナ危機の深層〜危険なネオコンの思い上がりと戦後保守の愛国ゴッコ」[桜R4/5/14]


http://www.asyura2.com/20/reki5/msg/1207.html#c10
[近代史3] 日本のオーディオメーカー 中川隆
18. 2022年5月14日 22:52:32 : uuMrMrg56A : YktSVGpldUZyeHM=[3]
オンキヨー自己破産「玄人に違いのわかる高性能を突き詰めているのに勝てない」時代の厳しい現実
5/14
https://news.yahoo.co.jp/articles/7c1abac18189cc412cf47b70e94d1f75e563c93e


一世を風靡した往年のブランドがまた1つ行き詰まりました(写真:Alamy/アフロ)

 驚きのニュースが飛び込んできました。日本を代表するオーディオ機器メーカーのオンキヨーホームエンターテイメントが5月13日、大阪地方裁判所に自己破産を申請しました。音楽がCDではなくレコードだった当時からの音楽ファンであれば特に寂しいニュースと感じるのではないでしょうか。

【ランキング】金持ち企業トップ500社

 オンキヨーは戦後のオーディオブームを支えた名門の一角です。家電量販店の店頭などで「ONKYO」のブランドロゴを目にした中高年世代の人も少なくないでしょう。手ごろなミニコンポも販売していましたが、高級品のアンプやスピーカーでも有名でした。当時はよりよい音を聴こうと思ったら、アンプを高級品に変え、スピーカーを高級品に変え、それらをつなぐケーブルを高級品に変えることが大切な時代でした。

■ハイエンドユーザーの減少が響いた

 音楽の世界でこのようにして音を楽しむ習慣が変わり、高性能や最高級を志向する「ハイエンド」なユーザーが減少したことに伴い、最終的に市場が縮小してオンキヨーが経営破綻したというのがわかりやすい経済学的な説明です。オンキヨーだけではなくサンスイ、コーラルなど世界レベルだった日本の高級オーディオ機器メーカーのブランドが消滅したのも同じ理由です。

 しかしあらためて考えてみたいのですが、なぜハイエンドのオーディオ市場は縮小しているのでしょうか。読者のみなさんは「ハイエンド市場なんてスマホ全盛のデフレ経済下では縮小するのがあたりまえだよ」とお考えかもしれません。その直感に反する話を2つほど並べてみたいと思います。

 ひとつは音楽アーティストの方に話を聞く機会があればピンとくるかもしれない話です。アーティストは実に深く録音にこだわります。マスター音源を聴くと違いがわかるそうですが、音が違う。それがCDというパッケージになるとどうしても簡素化してしまうのが彼らの不満です。

 もうひとつ別の話ですが、レコード会社はマスター音源というものをとても大切な資産だと考えていて、昔は門外不出の財産でした。ところが時代が変わったということでしょう。最近ではハイレゾというほぼマスタークオリティの音源が販売されています。これが音楽業界の流通にかかわるひとたちにとっては信じられないほどの方針転換だというのです。

■ハイエンド音源のユーザーは数%しかいない

 言い換えると私たちが大好きな音楽アーティストが提供してくれる商品には、私たちがよく聴いている商品以外に、同じ曲なのに聴こえ方がまったく違う商品が存在し、それが販売される夢のような時代が来たということです。普通の音楽ストリーミングとハイレゾはそれほど違うにもかかわらず、ハイレゾがなぜか売れない。本当の意味でのハイエンド音源のユーザーは音楽市場の中でおそらく数%しかいないと推定されるのです。

 実はかなりの数の音楽ファンがハイレゾを聴いてみるといい音と普通のCDの音の違いがわかるそうです。ライブと同じだといえばピンとくるでしょうか。ライブ会場のステージから聞こえるあの迫力のある音と、その興奮をもう一度味わいたいと購入した動画で視聴するライブ。たとえ同じ日の演奏であってもこのふたつは全然音が違って感じられるものです。

 違いがわかるにもかかわらず音楽市場がハイレゾではない方向に拡大した理由は利便性です。レコードからCDにメディアが変わった段階で高音域と低音域の音が一定レベルで切り落され、それが音楽プレイヤーで聴く際にはAACやMP3のようにさらに圧縮され音が変わります。

 ところがそのダウングレードが生み出す利便性が勝ることで、音楽はかつて以上に日常的な楽しみに変わりました。アップルが提供するiPhoneに接続したAirPods ProはBluetoothの利便性とノイズキャンセリング技術の静謐性で、どこにいても没入感ある音楽が私たちを楽しませてくれます。

 そしてここがビジネスとして難しいところなのですが、ハイレゾ音源は結局このアップルが提供する市場がいちばん大きくなってしまった。多くのユーザーがApple Musicの提供するハイレゾの曲をAirPods Proで聴くのですが、そうなると音質はハイレゾではない。

 ハイレゾ音源をダウンロードして、それなりのオーディオ機器をそろえて有線接続して、たとえば地下室のオーディオルームでがんがんかけることができれば音の違いはわかるのですが、そのような富裕層市場が少ししかないのです。

■BOSEやソニーはそれでも生き残っている

 一方でユーザーから支持を得てハイエンドのオーディオ市場で勝ち残っているメーカーも存在します。たとえばボーズ(BOSE)やソニー。ここが経営学でいうマーケティング力の差というものだと私は思います。

ボーズのスピーカーはいい音を聴きたいというユーザーが高額でも買う商品です。私事ながらわが家にも1台あって、これは私個人の感想ですが、ボーズのスピーカーの強みはたとえ圧縮音源でもいい音が聴けるという点にあると思っています。音源の中で低音部分を迫力ある音で再生して左右方向の音を違う方向に出力することで、商品サイズはコンパクトな大きさなのに普通のスピーカーとは全然違う音に聴こえる秘密ではないかというのが私の観察です。

 ソニーのスピーカーの強みはデザイン性というか、もう少しはっきり言えばインテリア性だと私はにらんでいます。音はそれなりにソニーの強みなのですが、価格が高いのは部屋に置きたいと思わせる優雅さがあるからだと私には思えます。そもそも有機ELの大画面テレビのデザインもヨーロッパ的で、それに合ったホームシアターシステムを揃えようとしたらソニーのスピーカーがいちばん合う。大画面の画質が良いことも加わって映画でも音楽ライブでも臨場感があるように感じさせます。

 ボーズもソニーもスピーカーのハイエンド市場の商品ですが、実は大半のユーザーがハイレゾではない音を楽しんでいるニアハイエンドだという点が市場ニーズの現実です。オーディオ製品の場合、本当の意味でのハイエンド市場は縮小し、記号としてのハイエンド市場がそれに変わったと表現してもいいかもしれません。

 ハイエンドではないけれども高くて売れているオーディオ機器としてミライスピーカーがあります。この商品も私は「買ってよかった」と思っています。これは高齢になった両親が「テレビの音がよく聞こえない」と言い出したので一昨年の敬老の日にプレゼントした実用品です。人間が聴きやすい音を出力するスピーカーなのでハイレゾの逆で、原理的には音域が絞られているはずです。評判は聞いていたのですが、確かにこのスピーカーを接続したとたん、両親の家のテレビが私にも聞きやすくなって驚いたものです。

このように事例を挙げてみると、成功しているハイエンド市場の音響製品は存在します。しかし冷徹なもうひとつの事実を言うと、そのように富裕層向けの差異化に成功している商品のユーザーは実は最高の音を求めていない。これが皮肉な真実です。

 音楽アーティストがこだわりにこだわりぬいて制作したマスター音源とほぼ同様のハイレゾ音源を、レコード会社が過去の慣習を捨てて蔵出し販売をして、それで本当に異次元の音楽を聴くことができる夢のような時代になったけれども、そのような商品は売れていないのです。

■「いい商品なら少し高くても買う」をとらえているか

 寂しい話ですが、ハイエンド市場とはすばらしさを追求する世界ではない。そうではなく「いい商品なら少し高くても買う」という消費者心理のボリュームゾーンを捉えた商品こそが、資本主義の時代に生き残っていくハイエンド商品なのだということです。

 そして今回、オンキヨーが自己破産したという事実は、またひとつそのことを裏付ける新しい証拠が増えたということです。経営破綻とともに高級オーディオ製品を製造する職人たちもまた消えていくことになるでしょう。イチ音楽ファンとしてはとても哀しく残念なニュースでした。
http://www.asyura2.com/18/reki3/msg/466.html#c18

[リバイバル3] 最近のオーディオ業界の状況 中川隆
147. 中川隆[-13091] koaQ7Jey 2022年5月14日 22:59:40 : uuMrMrg56A : YktSVGpldUZyeHM=[4]
オンキヨー自己破産「玄人に違いのわかる高性能を突き詰めているのに勝てない」時代の厳しい現実
5/14
https://news.yahoo.co.jp/articles/7c1abac18189cc412cf47b70e94d1f75e563c93e

一世を風靡した往年のブランドがまた1つ行き詰まりました(写真:Alamy/アフロ)

 驚きのニュースが飛び込んできました。日本を代表するオーディオ機器メーカーのオンキヨーホームエンターテイメントが5月13日、大阪地方裁判所に自己破産を申請しました。音楽がCDではなくレコードだった当時からの音楽ファンであれば特に寂しいニュースと感じるのではないでしょうか。

 オンキヨーは戦後のオーディオブームを支えた名門の一角です。家電量販店の店頭などで「ONKYO」のブランドロゴを目にした中高年世代の人も少なくないでしょう。手ごろなミニコンポも販売していましたが、高級品のアンプやスピーカーでも有名でした。当時はよりよい音を聴こうと思ったら、アンプを高級品に変え、スピーカーを高級品に変え、それらをつなぐケーブルを高級品に変えることが大切な時代でした。

■ハイエンドユーザーの減少が響いた

 音楽の世界でこのようにして音を楽しむ習慣が変わり、高性能や最高級を志向する「ハイエンド」なユーザーが減少したことに伴い、最終的に市場が縮小してオンキヨーが経営破綻したというのがわかりやすい経済学的な説明です。オンキヨーだけではなくサンスイ、コーラルなど世界レベルだった日本の高級オーディオ機器メーカーのブランドが消滅したのも同じ理由です。

 しかしあらためて考えてみたいのですが、なぜハイエンドのオーディオ市場は縮小しているのでしょうか。読者のみなさんは「ハイエンド市場なんてスマホ全盛のデフレ経済下では縮小するのがあたりまえだよ」とお考えかもしれません。その直感に反する話を2つほど並べてみたいと思います。

 ひとつは音楽アーティストの方に話を聞く機会があればピンとくるかもしれない話です。アーティストは実に深く録音にこだわります。マスター音源を聴くと違いがわかるそうですが、音が違う。それがCDというパッケージになるとどうしても簡素化してしまうのが彼らの不満です。

 もうひとつ別の話ですが、レコード会社はマスター音源というものをとても大切な資産だと考えていて、昔は門外不出の財産でした。ところが時代が変わったということでしょう。最近ではハイレゾというほぼマスタークオリティの音源が販売されています。これが音楽業界の流通にかかわるひとたちにとっては信じられないほどの方針転換だというのです。

■ハイエンド音源のユーザーは数%しかいない

 言い換えると私たちが大好きな音楽アーティストが提供してくれる商品には、私たちがよく聴いている商品以外に、同じ曲なのに聴こえ方がまったく違う商品が存在し、それが販売される夢のような時代が来たということです。普通の音楽ストリーミングとハイレゾはそれほど違うにもかかわらず、ハイレゾがなぜか売れない。本当の意味でのハイエンド音源のユーザーは音楽市場の中でおそらく数%しかいないと推定されるのです。

 実はかなりの数の音楽ファンがハイレゾを聴いてみるといい音と普通のCDの音の違いがわかるそうです。ライブと同じだといえばピンとくるでしょうか。ライブ会場のステージから聞こえるあの迫力のある音と、その興奮をもう一度味わいたいと購入した動画で視聴するライブ。たとえ同じ日の演奏であってもこのふたつは全然音が違って感じられるものです。

 違いがわかるにもかかわらず音楽市場がハイレゾではない方向に拡大した理由は利便性です。レコードからCDにメディアが変わった段階で高音域と低音域の音が一定レベルで切り落され、それが音楽プレイヤーで聴く際にはAACやMP3のようにさらに圧縮され音が変わります。

 ところがそのダウングレードが生み出す利便性が勝ることで、音楽はかつて以上に日常的な楽しみに変わりました。アップルが提供するiPhoneに接続したAirPods ProはBluetoothの利便性とノイズキャンセリング技術の静謐性で、どこにいても没入感ある音楽が私たちを楽しませてくれます。

 そしてここがビジネスとして難しいところなのですが、ハイレゾ音源は結局このアップルが提供する市場がいちばん大きくなってしまった。多くのユーザーがApple Musicの提供するハイレゾの曲をAirPods Proで聴くのですが、そうなると音質はハイレゾではない。

 ハイレゾ音源をダウンロードして、それなりのオーディオ機器をそろえて有線接続して、たとえば地下室のオーディオルームでがんがんかけることができれば音の違いはわかるのですが、そのような富裕層市場が少ししかないのです。

■BOSEやソニーはそれでも生き残っている

 一方でユーザーから支持を得てハイエンドのオーディオ市場で勝ち残っているメーカーも存在します。たとえばボーズ(BOSE)やソニー。ここが経営学でいうマーケティング力の差というものだと私は思います。

ボーズのスピーカーはいい音を聴きたいというユーザーが高額でも買う商品です。私事ながらわが家にも1台あって、これは私個人の感想ですが、ボーズのスピーカーの強みはたとえ圧縮音源でもいい音が聴けるという点にあると思っています。音源の中で低音部分を迫力ある音で再生して左右方向の音を違う方向に出力することで、商品サイズはコンパクトな大きさなのに普通のスピーカーとは全然違う音に聴こえる秘密ではないかというのが私の観察です。

 ソニーのスピーカーの強みはデザイン性というか、もう少しはっきり言えばインテリア性だと私はにらんでいます。音はそれなりにソニーの強みなのですが、価格が高いのは部屋に置きたいと思わせる優雅さがあるからだと私には思えます。そもそも有機ELの大画面テレビのデザインもヨーロッパ的で、それに合ったホームシアターシステムを揃えようとしたらソニーのスピーカーがいちばん合う。大画面の画質が良いことも加わって映画でも音楽ライブでも臨場感があるように感じさせます。

 ボーズもソニーもスピーカーのハイエンド市場の商品ですが、実は大半のユーザーがハイレゾではない音を楽しんでいるニアハイエンドだという点が市場ニーズの現実です。オーディオ製品の場合、本当の意味でのハイエンド市場は縮小し、記号としてのハイエンド市場がそれに変わったと表現してもいいかもしれません。

 ハイエンドではないけれども高くて売れているオーディオ機器としてミライスピーカーがあります。この商品も私は「買ってよかった」と思っています。これは高齢になった両親が「テレビの音がよく聞こえない」と言い出したので一昨年の敬老の日にプレゼントした実用品です。人間が聴きやすい音を出力するスピーカーなのでハイレゾの逆で、原理的には音域が絞られているはずです。評判は聞いていたのですが、確かにこのスピーカーを接続したとたん、両親の家のテレビが私にも聞きやすくなって驚いたものです。

このように事例を挙げてみると、成功しているハイエンド市場の音響製品は存在します。しかし冷徹なもうひとつの事実を言うと、そのように富裕層向けの差異化に成功している商品のユーザーは実は最高の音を求めていない。これが皮肉な真実です。

 音楽アーティストがこだわりにこだわりぬいて制作したマスター音源とほぼ同様のハイレゾ音源を、レコード会社が過去の慣習を捨てて蔵出し販売をして、それで本当に異次元の音楽を聴くことができる夢のような時代になったけれども、そのような商品は売れていないのです。

■「いい商品なら少し高くても買う」をとらえているか

 寂しい話ですが、ハイエンド市場とはすばらしさを追求する世界ではない。そうではなく「いい商品なら少し高くても買う」という消費者心理のボリュームゾーンを捉えた商品こそが、資本主義の時代に生き残っていくハイエンド商品なのだということです。

 そして今回、オンキヨーが自己破産したという事実は、またひとつそのことを裏付ける新しい証拠が増えたということです。経営破綻とともに高級オーディオ製品を製造する職人たちもまた消えていくことになるでしょう。イチ音楽ファンとしてはとても哀しく残念なニュースでした。
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/845.html#c147

   

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