20. 中川隆[-9896] koaQ7Jey 2024年7月10日 05:10:35 : EkSNDPkwcc : YkhSSTk1UlZCZGM=[1]
2024.07.09
https://www.thutmosev.com/archives/35960.html
グリーンスパンが上昇する株価を「根拠なき熱狂」と言ったのは1996年、この後米経済はロケットのように加速していった
https://bookmeter.com/books/182101 『グリーンスパン』|感想・レビュー – 読書メーター
訪日観光客では日本のGDPは増えない
日経平均株価は24年3月19日に史上初の4万円に到達したが10日ほどしか維持できず4月1日には3万円台になり4月19日には3万7000円を割り込みそうなところまで下げた
その後また盛り返して7月2日に4万円台を回復し今は4万900円台で、英仏議会選挙や米景気、中国の先行きなどを伺っているところでしょう
最近の日本は企業業績が上がって株価も上昇しているが実質賃金は下がったままで、賃金が下がるので消費が増えずGDPも増えていない
外国人消費のインバウンドについては以前から外国人観光客の消費で日本のGDPは増えないと思っているので予想通りだと思います
外国人が来日して消費するとそのお金は日本に入ってきてホテルや土産物屋で使われるが、構造上ツアー料金は相手の国で使われるので支払った金額をすべて日本が受け取るわけでは無いです
例えばアメリカ人や韓国人や中国人に来日観光してもらうには、相手国でかなりのキャンペーンや宣伝イベントもするので、結局相手国と半々くらいに分け合う事になります
バブル期や超円高のときに日本から外国に大勢旅行に行きましたが、支払いは日本の旅行社に支払うし、外国から日本への投資もあったので「日本からお金が流出した」ことは無かった
マスコミはそう言いたがるが本当に日本からお金が流出したら円高から円安になるし、日本旅行で数十兆円ものお金が日本に流れ込んだら円安から円高に変化している筈です
訪日旅行者は日本旅行でお金を使ってるのは事実ですが、航空代金とかは「向こうの国」に支払うのだし、旅行に来てもらうために儲けた金を中国や韓国で宣伝費用に使わねばなりません
こんな事をするよりは日本人に日本国内を旅行して貰えば、旅行者が払った金は100%日本で消費されるので丸ごと100%が日本のGDPになるのです
輸出産業というのも同じような構造でトヨタ・ホンダ・日産などは外国で車を売るために現地に工場を建てたり現地で販売や宣伝費用を使います
だから自動車メーカーが何兆円儲けようとも稼いだ金は「相手の国」で使われるので日本には流れて来ない構造です
90年代アメリカと似ている
これらが企業業績や訪日観光が絶好調なのにGDPや賃金が増えない理由で、日本国内で日本人がお金を使わないとGDPは絶対に増えません
すると卵とニワトリの関係のように「賃金が増えないので消費しない」だからGDPが増えず賃金が増えないという負の連鎖を30年繰り返している
最近の円安と日本経済の没落によって欧米やアジアから見て日本は非常に価値が低くなり、安い国になったので買う人が増えた
例えて言えば肉が1キロ3万8000円だったのが経済崩壊で7000円まで値下がりし、超円安で超お買い得になったので今は1キロ4万円を超えたというところです
日経平均という肉は値段と比較しておいしそうだったのでウォーレンバフェットなどの有名投資家が購入し、美味しかったとレビューを投稿したので他の人も買うようになった
ここまでは日本経済没落や超円高でお買い得になったので外国人が買ったという話だが、ここから成長するには日本自身の価値を高めるしかない
半導体分野で日本で工場や研究施設を建てるのがブームになっているが、それらが期待以上の成果をあげると日本のGDPは増えるし、期待外れなら失われた50年に進んでいく
先端産業で成果をあげるとITで成功したアメリカと同じく、経済的な成長が他の分野に次々と波及して国全体が拡大します
アメリカは1960年代から1990年代までずっと不況で好転したのは90年代後半、90年代中頃は「雇用なき景気回復」と呼ばれ大変不評でした
アメリカの景気回復でも最初に企業業績が好転し株価だけが上がって実質賃金はそのままだったので、グリーンスパンFRB議長は「根拠なき熱狂」とバブル経済を指摘した
株価が上がってから景気が回復し賃金が上昇したのは5年もあとの事で、90年代に入るとアメリカ労働者の賃金(労働コストと呼ぶ)はむしろ低下し1990年をピークに毎年賃金は下がっていった
この状態が1995年頃まで続き当然米国内は不満たらたらだったのだが、阪神大震災やオウム事件が起きた1995年を境にアメリカ人の賃金は急上昇して現在に至る
1990年から95年まで米株価だけが上がり賃金は低いままで、政治家がアメリカを見下す発言をしたりそうした本が売れていた
今の日本がちょうど90年代のアメリカと似ていて「株価という空虚な数字だけが上がり中身は空っぽ」なのだが、これが本物の経済回復になるのかはその時が来ないと分からない
https://www.thutmosev.com/archives/35960.html
http://www.asyura2.com/20/reki4/msg/989.html#c20