★阿修羅♪ > WU0xbGExbW83Lkk= > 100000
 
g検索 WU0xbGExbW83Lkk=  
 
WU0xbGExbW83Lkk= コメント履歴 No: 100000
http://www.asyura2.com/acat/w/wu/wu0/WU0xbGExbW83Lkk=/100000.html
[近代史4] ハイエク、フリードマンのマネタリズムの世界 中川隆
13. 中川隆[-7991] koaQ7Jey 2025年1月12日 10:14:09 : EtreNK33Rb : WU0xbGExbW83Lkk=[1]
<■471行くらい→右の▽クリックで次のコメントにジャンプ可>
ハイエク氏: 民間が良い通貨を発行すれば、価値が下がる政府の通貨は誰も使わなくなる
2025年1月5日 globalmacroresearch
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/58085

オーストリア学派の大経済学者、フリードリヒ・フォン・ハイエク氏の著書『貨幣発行自由化論』から、通貨の価値を下げる政府や中央銀行の紙幣印刷から国民が資産を守る方法を論じている部分を紹介したい。

インフレと貨幣価値の下落

コロナ後に先進国が行なった大量の量的緩和と現金給付によって各国はインフレまたは通貨安に晒された。

ポールソン氏: 量的緩和がインフレを引き起こした
物価が上がったと人は言うが、より正確に言えば皆が持っている紙幣の価値が下がったのである。物価上昇と言えば「もの」の方を何とかすることを対処として考えがちだが、本当の問題は紙幣印刷によって紙幣の価値が下がっていることなのである。

前回の記事では、世界最大のヘッジファンドを創業したレイ・ダリオ氏が、歴史的に見てそもそも通貨とは価値が長期的に下げられてゆくもので、それは避けられないのだと論じていた。

レイ・ダリオ氏: すべての通貨は最終的に価値を落とされて死ぬという歴史的事実を認識すべき


だが何故通貨の価値は下がるのか。政治家が政府支出をしたいがために、中央銀行に紙幣を印刷させるからである。

それは止められないのか。そこが今回ハイエク氏が論じている論点である。

紙幣印刷の独占という特権

これまでの記事で書いた通り、政府が紙幣を印刷する理由は自分で積み上げた政府債務を無視して更に政府支出を行い、自分の票田からの期待に応えることである。

そしてそれは持っている紙幣の価値を薄められる国民の犠牲のもとに行われる。

レイ・ダリオ氏: 人々が自国通貨の無価値さに気付くにつれてゴールドやシルバーへの逃避が加速する


だがそもそも何故中央銀行は紙幣を印刷し、紙幣の価値を勝手に薄められるのだろうか。ハイエク氏は次のように書いている。

何故人々は自分を搾取し騙すために恒常的に使われているこの特権を、2000年以上もの間政府に使わせたまま我慢しているのだろうか。

このことは、政府にこの特権は必要だという神話が、経済の専門家でさえもそれに疑問を抱こうとは思わないほど強固に根付いてしまっていることが原因だとしか説明できない。

通貨発行を自由化せよ

だがこの特権は、国民が決済や貯蓄に自国通貨しか使わないという事実によって生じている。誰もが日本円で貯蓄し生活しているから、その価値を薄められた時にインフレや通貨安という形で国民に災難が降りかかるのである。

これはいわば、国民が政府と中央銀行に自分の資産を薄めさせる権限を自主的に与えているようなものである。だからハイエク氏はそれを不思議がっているのである。

だが日本円を使えなければどうすれば良いのか。そこでハイエク氏は、『貨幣発行自由化論』の名前の通り、通貨の発行を自由化し、民間の業者も独自の通貨を発行できるようにすべきだと主張しているのである。

通貨同士を競争させる

重要な点は、国民に複数の通貨を使わせて、その中から自分の資産を守ってくれる通貨を選ばせるという点である。

驚くべきことに、ハイエク氏と同じようにオーストリア学派の経済学者でありアルゼンチンの大統領でもあるハビエル・ミレイ氏は、アルゼンチンで実際にそれを行なっている。

ミレイ氏は大手銀行と協力してドルでもアルゼンチン・ペソでも決済できるデビットカードを用意し、国民にどちらを使いたいか選ばせるようにしている。

ミレイ大統領: 政府が紙幣印刷で価値を薄める通貨は他のまともな通貨との競争に晒されるべき


そうすればどうなるか。政治家が自分の好きなように価値を薄められる通貨は誰も使わなくなるのである。

ハイエク氏は次のように言っている。

通貨が人々に受け入れられるように供給をコントロールすることは、個々の通貨の発行者の能力に委ねられる。そして彼らは競争によってそうすることを強いられる。

通貨の発行者は、その期待に応えることに失敗すれば自分のビジネスを即座に失うと理解している。

通貨の価値を守ることが発行者の利益に繋がる

この提案の根底には、他人の利益を守る者こそが自分も利益を得るべきだというオーストリア学派の経済学の信念がある。

その信念は、元を辿ればマクロ経済学の父アダム・スミス氏の『国富論』から始まっていいる。

アダム・スミス氏: 乞食だけが補助金や給付金にすがる、そうでない人々は自分の成果を他人と交換する


ハイエク氏はこう続けている。

通貨発行業に参入して成功すれば、それはとても儲かるビジネスになる。そしてその成功は、通貨の発行者が自分で宣言した目標を遂行できるという信用を確立できるかどうかにかかっている。

この状況下では、利益を得たいという発行者の願望が、これまで政府が発行してきたような通貨よりも良い通貨を生み出すのではないか。

実際、例えばビットコインを発明したサトシ・ナカモト氏は大いに儲かったはずだ。彼こそがビットコインの最初の所有者だからである。

ビットコインには、供給を制限するという考え方が最初から存在している。ナカモト氏はもしかしたらハイエク氏の著書を読んでいたのかもしれない。

一方で、政府発行の現行通貨のように、発行者が好き放題に発行でき、価値がどんどん下がってゆく通貨はどうなるか。ハイエク氏は次のように述べている。

通貨の発行者間での競争は、報道や通貨取引所での監視によって激しいものとなる。

自分の発行した通貨の価値を守るために迅速に行動しなかった哀れな発行者は、厳しい批判に晒されることになるだろう。

人々にとって良いものを作る人こそが利益を得ることができるという経済学の考え方を、通貨にも適用すべきだとハイエク氏は言っているのである。そうすれば政府も紙幣印刷を濫用することはできなくなる。

だが現在はそうなっていない。アベノミクス以来、日本円の価値はドルに比べて約半分になっているが、それでも日本国民は日本円を使っている。

それは代わりがないからである。それでも状況に気付いている一部の人々は貴金属などを利用して自国通貨の価値下落を避けている。

レイ・ダリオ氏: 人々が自国通貨の無価値さに気付くにつれてゴールドやシルバーへの逃避が加速する


政府発行の紙幣からの逃避は始まっている。通貨はこれからどうなるのか。ハイエク氏が提案したような世界は来るのだろうか。

筆者からすればハイエク氏の著書は何十年も前からある古典に過ぎないのだが、ここに来て彼の著作があまりに重要になっている。


日経BPクラシックス 貨幣発行自由化論 改訂版――競争通貨の理論と実行に関する分析 – 2020/4/23
フリードリヒ・ハイエク(Friedrich Hayek) (著), 村井 章子 (翻訳)
https://www.amazon.co.jp/%E6%97%A5%E7%B5%8CBP%E3%82%AF%E3%83%A9%E3%82%B7%E3%83%83%E3%82%AF%E3%82%B9-%E8%B2%A8%E5%B9%A3%E7%99%BA%E8%A1%8C%E8%87%AA%E7%94%B1%E5%8C%96%E8%AB%96-%E6%94%B9%E8%A8%82%E7%89%88%E2%80%95%E2%80%95%E7%AB%B6%E4%BA%89%E9%80%9A%E8%B2%A8%E3%81%AE%E7%90%86%E8%AB%96%E3%81%A8%E5%AE%9F%E8%A1%8C%E3%81%AB%E9%96%A2%E3%81%99%E3%82%8B%E5%88%86%E6%9E%90-%E3%83%95%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%83%89%E3%83%AA%E3%83%92%E3%83%BB%E3%83%8F%E3%82%A4%E3%82%A8%E3%82%AF-Friedrich/dp/4822288846?__mk_ja_JP=%E3%82%AB%E3%82%BF%E3%82%AB%E3%83%8A&crid=170ZG41SHOQFK&dib=eyJ2IjoiMSJ9.SdqxaNQEk6LNtuNdCh_IHn-LaM0UI6iqWqEGd85SxineBJ3uJwf8QD4YxN5SA-VtSbfmrmYeYihhgQKXrpHaeN0PuPrDXll6bHFq9zVFZ4KjDg79wb0CoJFP8MO1Yuc83S5PrfEbbySV7QnFkBECpyx09zrwbF7lTfYMLn8TxUgaeDGhHr1cYz2HGSdvrKC5rP7XGBZ-mBCghhTmaJkCTf6xKhH_yzxLRMuJGOKQqiEnxQM6PuVtadO5Yz-kpHkkHZyjc1YPL-MeyHqOBbyyWyl8WApX7cI5CnwBuwyLavPB8QVlxSvv6AGlj6EONY9x_yozdAG6l-EBYOBXyr7plem-KILThX21J8hAnjE5Yc6yLqDUzr8zwp_qc-o6P_vcNbKGOhrQT3EFjkNfPQfBH19qI4O3PplcFagVC8rB291o0rMQBs9-1p9OE4BMoUMH.gx-ClnGgLNLCyW98BW40BFMKoygnG8Zx2N-jW97uhdY&dib_tag=se&keywords=%E3%83%8F%E3%82%A4%E3%82%A8%E3%82%AF&qid=1734327256&sprefix=%E3%83%8F%E3%82%A4%E3%82%A8%E3%82%AF,aps,198&sr=8-16&linkCode=sl1&tag=asyuracom-22&linkId=53ddc5afdb081720626431d126c25d03&language=ja_JP&ref_=as_li_ss_tl

https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/58085


▲△▽▼


ハイエク氏: インフレを引き起こすインフレ政策を止めさせるには民間企業が通貨を発行すべき
2023年4月8日 globalmacroresearch
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/35579


20世紀最大のマクロ経済学者フリードリヒ・フォン・ハイエク氏の『貨幣発行自由化論』より、政府がインフレ政策によりインフレを引き起こすことを止めさせるためにはどうすれば良いかを語った部分を紹介したい。

現金給付の本当の意味

前回の記事では、政府による現金給付や補助金をいった政策がそれを受けられない人々からそれを受ける人々へと購買力を恣意的に移転させる政策であるということを説明した。

ハイエク氏: 現金給付や補助金はそれを受けない人に対する窃盗である
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/35564


インフレとは需要に対してものが不足している状態のことなので、そこに紙幣を印刷して配ったところでもの自体が増えるわけではなく、誰かが給付金で購入した商品は元々別の人が購入できるはずだったものである。そしてその別の人は給付金が引き起こしたインフレでものが買えなくなる。

事実、そうしたインフレが全国旅行支援によって日本の宿泊料金で起こっているのだから、その仕組みは経済が専門でない人々にも明らかだろう。だからこれを窃盗と呼ぶことは極めて適切である。

日本政府の全国旅行支援で宿泊予約殺到してホテル代値上がり

実際、ここでは何度も説明しているように、現在の物価高騰はコロナ後に世界中で行われた現金給付がもたらしたものである。インフレは2021年から始まっており、2022年のウクライナ情勢はインフレとは無関係であることは何度も説明しておいた。

世界最高の経済学者サマーズ氏が説明するインフレの本当の理由
結局のところ、インフレ政策とは政治家が大半の人々を犠牲にして票田にばら撒きを行うための政策であり、しかもインフレになれば積み上がった政府債務が戦後のドイツのように帳消しになるのだから、政治家にとっては良いことしかない。

事実、日本で(インフレが懸念されている今でさえ)行われている現金給付の対象が住民税非課税世帯に限られているのは、非課税世帯の多くを占める引退した高齢者の票を得るためである。だからそれは労働世代には回ってこない。

ドラッケンミラー氏、高齢者が若者から搾取する税制を痛烈批判

インフレ政策を止めさせるために

ハイエク氏の『貨幣発行自由化論』は50年近く前の本であるにもかかわらず、その内容が今の政治家にも適用できるということは、政治家のやることはいつの時代も変わらないということである。

だからハイエク氏は利己的な政府に対して人々が自衛する方法も書いている。彼はばら撒き政策を窃盗と呼んだ上で次のように述べている。

通貨発行の独占者、特に政府によってこの犯罪が犯された場合、それは非常に儲かる犯罪となり、しかも紙幣印刷の帰結が理解されていないためにそれは一般に許容されており罰を受けないままとなっている。

何故そうなるか。まず前提条件として、歴史上これまで発行されたほとんどすべての通貨は発行者による減価によって長期的には価値が下落し最終的には無価値になってきた。これについてはレイ・ダリオ氏が研究している。

世界最大のヘッジファンド: 大英帝国の基軸通貨ポンドはいかに暴落したか
世界最大のヘッジファンド: 量的緩和で暴落した世界初の基軸通貨

現在でも紙幣印刷を窃盗と同じものとして批判できる頭のある人々がほとんどいないために、紙幣印刷は政治家にとって捕まらない窃盗となっている。レイ・ダリオ氏が次のように言っていたことを思い出したい。

世界最大のヘッジファンド: 政府が金融危機から守ってくれると思うな


歴史を見れば明らかだが、政府が経済的に国民を守ってくれると信頼してはならない。実際は逆であり、ほとんどの政府はあなたが同じ立場だったらそうするであろう同じ理由で、貨幣と債務の創造者かつ使用者としての特権を乱用するだろう。

恐らくダリオ氏はハイエク氏の著作を読んでいると思う。

だから歴史上ほぼすべての通貨は長期的には減価する。そして金融の知識のある人間は、例えばゴールドなどを買うことで紙幣が紙切れになる(あるいは紙幣は元々紙切れである)ことによる被害を避けられるかもしれないが、ほとんどの人々は他に通貨の選択肢がないと思い込まされているため、政府による自国通貨の減価(これはインフレ政策と完全に同義である)によって資産を失ってしまう。日本でもアメリカでもインフレによって事実そうなっている。

通貨の民営化

他に通貨の選択肢がないと「思い込まされている」とはどういうことか? 今生きているすべての人は、通貨とは政府が発行するものだというバイアスを埋め込まれている。生まれた頃から法定通貨が普通の世の中に生きているからである。

だが歴史的にはこれは新しい概念である。現代の法定通貨の概念は、大英帝国がイングランド銀行に政府債務の肩代わりをさせる代償に通貨発行業務を独占させたことに端を発している。以下の記事で少し触れている。

南海泡沫事件: バブル経済の語源となった近世イギリスの株式バブルを振り返る


大英帝国の政治家たちは政府債務を中央銀行に押し付け、中央銀行に紙幣印刷させることで(暴落した紙幣の保有者の犠牲のもとに)積み上がった政府債務を解消できたので、この成功を見た他の国の政治家も同じことをやり始めたのである。読者も知っての通り、この方法は今でも各国政府によって実際に使われている。それが量的緩和である。

世界最大のヘッジファンド: ドルは既に紙くずになっている


政府の通貨独占を止めさせる

さて、国民はどうすれば良いか。勘の良い読者は気づいたかもしれないが、この話のポイントは政府が通貨発行をまず独占しなければならなかったということである。

何故政府は通貨発行を独占しなければならなかったか。他に使われている通貨があれば、少しでも法定通貨の価値が下がり始めると、多くの人が他のより堅調な通貨に移ろうとしただろうからである。

現在の話に照らして言えば、もし人々が法定通貨を含む複数の通貨を日常的に使っていれば、現在のインフレは物価の上昇ではなく法定通貨の下落ということになるだろう。そして法定通貨以外の通貨で見た物価は影響を受けない。

分かるだろうか。だからハイエク氏は、イングランド銀行以前にそうだったように、民間企業の通貨発行の権利を復活させることを主張している。元々紙幣とは、銀行にゴールドなどを預けていた預かり証だった。法定通貨もそうだった。だが政府が預かっていたゴールドを勝手に使ってしまい返せなくなった。それが金本位制の廃止である。アメリカではこの出来事はニクソンショックと呼ばれる。

レイ・ダリオ氏、「現金がゴミ」になったニクソンショックの経験を語る
通貨発行業務を独占した政府はやりたい放題である。だが様々な企業が通貨を発行するようになれば、その企業は自分の利益の源泉である自分の通貨の価値を守ろうとするだろうとハイエク氏は言う。彼は次のように述べている。

通貨の発行者同士が競争しなければならない場合、発行者にとって自分の通貨の減価は自殺行為になるだろう。人々がその通貨を使いたいと思っていた理由そのものを破壊してしまうからである。

結論

こうした最近の試みは、言うまでもなく暗号通貨だろう。中央銀行が緩和に転換すれば暗号通貨が暴騰すると見ているファンドマネージャーもいる。

チューダー・ジョーンズ氏: 利上げ停止でインフレ相場再開、ビットコイン暴騰へ


暗号通貨には実質的価値は何もない。だが法定の紙幣にも本質的には紙以上の価値などないのである。「政府が価値を保証している」と馬鹿げたことを言う人もいるが、政府は実際に通貨の価値を意図的に薄めている。それが金融緩和である。

利上げで預金者はインフレから資産防衛できるにもかかわらず日銀が利上げを行わない理由


ハイエク氏は通貨の発行者はそのサービス提供の然るべき対価を受け取るべきだと言っている。だがその業務を誰かが独占するとき、その利益は国民の大部分の資産をインフレで食い潰すほどに過剰になる。

それがハイエク氏の論点である。いずれにしても、ハイエク氏の著書やダリオ氏の考察などから歴史を学ぶことで自分の生きている時代のバイアスを取り払うことは読者にとって助けになるだろう。別に通貨は政府だけが発行すべきものではないし、紙幣も暗号通貨も本質的には等しく無価値である。

世界最大のヘッジファンド: 大英帝国の基軸通貨ポンドはいかに暴落したか
世界最大のヘッジファンド: 量的緩和で暴落した世界初の基軸通貨


頭を柔らかくしてから今のインフレとその原因である紙幣印刷をもう一度考えてもらいたい。
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/35579


▲△▽▼


ハイエク氏: 現金給付や補助金はそれを受けない人に対する窃盗である
2023年4月7日 globalmacroresearch
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/35564

世界的なインフレが問題となっているなかで、いくつかの国ではいまだに補助金や現金給付といった政策が人気である。

このことについて20世紀の大経済学者フリードリヒ・フォン・ハイエク氏の『貨幣発行自由化論』から彼の意見を取り上げよう。

紙幣印刷政策

リーマンショック以後、世界中の中央銀行が量的緩和政策、つまりは紙幣印刷によって金利を下げ、自国通貨の価値を下げる政策を行ってきた。

ハイエク氏は紙幣印刷政策について次のように述べている。

貸付のための紙幣を印刷することで人為的に貸付用の資金を安価にすることは、貸付先を助けるだけなく、他の人々を犠牲にすることによってではあるが、経済活動全体を少しの間刺激する。

一方でそうした紙幣発行が市場の操縦メカニズムを破壊する効果を持つことは理解されにくい。

そうして2008年以降、紙幣印刷と低金利政策が行われ続けた。それはインフレを目指すという名目のもと行われていた。

当時の未開人たちはインフレが物価上昇を意味するということを知らなかったので、インフレ政策は多くの人々に歓迎された。だがインフレが何を意味するかは誰も理解していなかった。

そしてコロナ以後にはついに人々の口座に直接資金を放り込む現金給付まで行われた。そしてそれはついにインフレを引き起こした。2021年には既に始まっていた現在の物価高騰がウクライナ情勢とは無関係であることは、ここでは何度も説明している。

ドラッケンミラー氏: プーチン氏が引き起こしたわけではないインフレの本当の理由


そしてインフレになって初めて人々はインフレは物価上昇という意味だということを理解した。文明がようやく生じ始めたのだろうか。

いや、そうでもないらしい。何故ならば、インフレ対策に例えば日本政府が行っていることは、電気・ガスの購入支援や全国旅行支援などのインフレ政策だからである。

ハイエク氏は次のように続ける。

しかし商品の追加購入のためのそうした資金供給は商品の相対的な価格の構造を歪め、資源を持続不可能な経済活動へと引き込み、後に起こる不可避の反作用の原因となる。

例えば全国旅行支援は旅行者が殺到したことで宿泊料金の高騰を引き起こし、しかもホテル側は需要の急増に対応できずに既存の従業員を酷使して後の雇用に影響を与えている。


日本政府の全国旅行支援で宿泊予約殺到してホテル代値上がり
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/29551

既存の従業員を酷使しても一時的な需要のために従業員を増やしても後で問題が生じる。それが歪みである。

だが日本政府はそんなことを気にしたりはしない。インフレにインフレ政策で対応するような人々にそれだけの頭脳があるわけがないのである。

紙幣印刷の本当の意味

果たして未開人はいつ文明化されるのだろうか。インフレの原因は需要に対してものが不足していることであり、ものの不足を紙幣印刷で解決することはできない。レイ・ダリオ氏はインフレが起こる前に次のように述べていた。

世界最大のヘッジファンド: 共産主義の悪夢が資本主義にのしかかる
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/10831


われわれが消費をできるかどうかはわれわれが生産できるかどうかに掛かっているのであり、政府から送られてくる紙幣の量に掛かっているではない。

紙幣は食べられない。

世の中にあるものの量が同じであるとき、紙幣だけを増やして一部の人々に配れば、その効果は本来他の人々が買えたものをその一部の人々に与えることになるだけである。全体のパイは変わらないのだから、その人々に与えたものは本来他の人々の取り分である。

これは現金給付だけでなく紙幣印刷全般に言える。例えば量的緩和政策は中央銀行が債券を買い入れることで債券価格と株価を上昇させる政策だが、その結果は債券と株式を持っている人が他の人の取り分を奪いながらより多く消費できるようになることである。

これは若者から老人へと資金を転移させる政策の一部でもある。


ドラッケンミラー氏、高齢者が若者から搾取する税制を痛烈批判

紙幣印刷という窃盗

ハイエク氏は次のように語っている。

自分で得たわけでも他人が放棄したわけでもないものを得る権利を特定の人々に与えることは、本当に窃盗と同じような犯罪である。

だが世の中における一番の犯罪者は捕まらない。トランプ氏は口止め料を事業費として計上したことで捕まる可能性があるそうだが、オバマ政権下でウクライナ政府を自分の好きなようにしたバイデン氏や、虚偽の理由でイラクに戦争を仕掛けたブッシュ氏は捕まらない。

サマーズ氏、トランプ元大統領の起訴について語る
ロシアのウクライナ侵攻でバイデン大統領が犯した一番の間違い

そして実質的には明らかな窃盗である量的緩和や現金給付も、政府がそれを行えば政治家が捕まることはない。

ハイエク氏はこう述べている。

一般的な理解が不足しているために、紙幣発行の独占者による過剰発行という犯罪はいまだ許容されているだけではなく称賛さえされている。

ちなみに日本政府は窃盗を行うだけではなく、物価指数の計算を恣意的に変えることで自分のせいで起こっているインフレを隠蔽している。

日本政府の詐欺的な物価指数の計算方法がインフレを悪化させる


人々はどうするべきか。日本政府による窃盗の被害者になりたくなければ、経済と金融市場を知ることである。インフレは資産運用で回避できる。

世界最大のヘッジファンド: 日本は金利高騰か通貨暴落かを選ぶことになる


ちなみにハイエク氏の『貨幣発行自由化論』(『貨幣論集』に含まれている)は1976年の発行である。だがまさに今のために書かれたような内容となっている。

インフレの意味さえ知らずにインフレ政策を支持した未開の人々が居た一方で、現在の状況を50年前に予想していた天才も居る。
政府による窃盗を投資で避けられる人がいる一方で、喜んで自分から窃盗される人もいる。

「株式投資は長期的にはほぼ儲かる」という主張が完全に間違っている理由


すべてはその人次第である。
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/35564


▲△▽▼


ハイエク: 政府から通貨発行の独占権を剥奪せよ
2021年1月30日 globalmacroresearch
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/12051

ここのところ続けて19世紀生まれの経済学者フリードリヒ・フォン・ハイエク氏の論考を紹介しているが、ようやく本題である。

新型コロナとハイエク経済学

2020年の新型コロナウィルスの世界的流行によって世界経済は未曾有の景気後退にさいなまれ、日本やアメリカなどの先進国政府は紙幣印刷や現金給付を行なって多数派の有権者の支持を取り付けた。

政府は中央銀行にいくらでも紙幣を刷らせることが出来るので、新型コロナで店舗や企業が儲からなくても人々は生活に困らないというわけである。

実際には先進国政府はコロナ前にも紙幣印刷を大量に行なってきた。その紙幣で中央銀行が国債を買い上げたために政府はいくらでも借金ができたのである。

その借金で政府は長らく有権者の支持を購入してきた。新型コロナで多くの人が亡くなっているにもかかわらず、政府の関心はオリンピックの開催とGO TOトラベルによって建設業界や広告業界、宿泊産業の政治的支持を取り付けることにある。これはどの国の政府も行なってきたことである。しかしアメリカではそうした慣習にも限界が来ている。インフレの到来である。

コロナ不況でデフレになる日本、インフレになるアメリカ


そして日本はその背中を追っている。

政府に借金をさせないために

政府が借金をこれほどまでに増やせなかったなら、政府がここまで好き放題にすることもなかっただろう。そして中央銀行が紙幣を印刷できなかったならば、政府が借金をここまで増やすことも不可能だっただろう。

通貨は政府が発行するものだというここ100年くらいの間に生まれた特異な考え方に慣れた者でなければ、これは当然の考え方である。そしてその当然の考え方を主流派経済学者の間違った意見に左右されずに主張し続けた経済学者がいる。ハイエク氏である。

戦前、戦後の時代にケインズ氏とやりあったハイエク氏は様々な経済学上の功績で有名だが、その中でも異彩を放つのが通貨発行自由化論である。ハイエク氏は政府のみならず民間企業や個人も通貨を発行すべきであり、政府の通貨と競争させることで政府の浪費を牽制できるという考え方の持ち主なのである。

ハイエク氏は彼の『貨幣論集』においてむしろ控えめに次のように述べている。

こうした提案は法定通貨という概念のもとで育ったすべての人にとって最初は馬鹿げたものに映るかもしれない。

しかしかつて紙幣を中央銀行に持っていけば金(ゴールド)と交換できた金本位制の時代の人々は、何と交換することもできない何の保証もない紙切れを大事に財布に持っている人々の方を不思議に思うだろう。

現代の通貨は本当に暴落しないのか

繰り返しになるが日本円もかつては金と交換できたのであり、金を中央銀行に預ける代わりに紙幣を受け取って、中央銀行に紙幣を持ち込めば預けた金が返ってきたのである。しかしいつの間にか金は返ってこなくなった。政府がそう決めたからである。では預けられていたはずの金は何処へ行ったのだろう。政府がすべて使ってしまったのである。

このようなあからさまな詐欺に多くの人々がまったく気付いていない。ハイエク氏は次のように述べる。

200年間の金本位制の時代だけを例外として、実際には歴史上ほとんどの政府が人々を騙し搾取するために通貨発行の独占権を行使してきた。

大英帝国のポンドやオランダ海洋帝国のギルダーが政府による紙幣印刷で暴落していったことは以前解説した通りである。


世界最大のヘッジファンド: 量的緩和で暴落した世界初の基軸通貨
世界最大のヘッジファンド: 大英帝国の基軸通貨ポンドはいかに暴落したか


そしてその犠牲者はその通貨を持っていた一般市民であり、政府ではなかった。通貨が暴落したときには既に政府は多額の借金をしてその資金を使い果たしてしまっていた。

根拠はないはずなのだが、現代のわれわれはこれを過去のことであり、今の円やドルには起こらないと無根拠に信じている。しかし実際にはメジャーな通貨の減価はゆるやかにしか起きないので、そのトレンドのただ中にいると気付かないだけなのである。

事実、1970年のドルの価値を100とし、その価値をゴールド本位で計算すると今のドルの価値は次のチャートのようになる。

https://www.globalmacroresearch.org/jp/wp-content/uploads/2021/01/since-1970-value-of-usd-in-gold-chart.png

ほぼ皆無である。そして2021年、コロナで大量の紙幣印刷と現金給付を行なったことにより、死に体のドルにはとどめが差されようとしている。

世界最大のヘッジファンド: ドルが下落したらアメリカは終わり
そしてアメリカに起こることは日本にも起こるのである。

ハイエク氏の通貨発行自由化論

こうした状況を打開するためにハイエク氏は政府から通貨発行の独占権を剥奪すべきだという。ハイエク氏は言う。

人々が使いたい通貨を自由に選択させてはなぜいけないのだろうか。

ハイエク氏が想定するのは政府だけではなく民間企業や個人が通貨を発行する世界である。そこでは人々は自分の好きな通貨で貯金をし、好きな通貨で買い物をする。好きな通貨で会計報告をして好きな通貨で納税をする。

彼は次のように続ける。

店主が現行のレートで望む通貨に即座に両替できると分かれば、すぐにどのような通貨に対しても適切な価格で商品を売るだろう。しかし政府の通貨で表示される物価だけが上昇していることが分かれば、政府の悪行はもっと早く察知されることになる。

そして人々はより安定した通貨を主に利用するようになるだろう。そうすれば通貨発行者は自分の通貨の価値をより安定させ、より多くの人に使われるように努力するようになる。ハイエク氏の主眼は通貨をこのような競争にさらさせることになるのである。彼は次のように続けている。

人々が信用できない通貨を拒否し、信用できる通貨を選んで使うことができるとすればどうか。政府が通貨を乱用するのを避けるためにはこれ以上に有力な抑止力は有り得ない。そうすれば通貨の供給を需要より低く抑えるかぎり、その通貨の需要は増大してゆくだろう。そしてそれは政府が通貨の安定性を維持させるための何よりも強い要因となる。

つまり、政府が無思慮に紙幣を膨大に印刷しようとすれば政府発行の通貨が使われなくなるという状況に直面させることで政府を律しようというわけである。

これは同様に民間の通貨発行者にも適用されるだろう。通貨発行者は手数料のような利益を(政府と同じように)得るだろうが、ハイエク氏の言う世界ではこれが今のように通貨発行権の独占の対価として与えられるのではなく、価値の安定した通貨を発行していることに対する対価として与えられるならば、通貨発行者に対して国民が払うコストは合理的なものになってゆくだろう。

少なくとも、金塊がいつの間にか盗まれているとか、数十年の間に価値がほぼゼロになっているとか、そういうことはなくなるはずである。有り得ないような話が日本円や米ドルで実際に起きているのである。

ハイエク: インフレ主義は非科学的迷信


https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/12051

http://www.asyura2.com/20/reki4/msg/913.html#c13

[近代史4] ミヒャエル・エンデの世界 中川隆
13. 中川隆[-7988] koaQ7Jey 2025年1月12日 10:30:15 : EtreNK33Rb : WU0xbGExbW83Lkk=[4]
<■471行くらい→右の▽クリックで次のコメントにジャンプ可>
ハイエク氏: 民間が良い通貨を発行すれば、価値が下がる政府の通貨は誰も使わなくなる
2025年1月5日 globalmacroresearch
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/58085

オーストリア学派の大経済学者、フリードリヒ・フォン・ハイエク氏の著書『貨幣発行自由化論』から、通貨の価値を下げる政府や中央銀行の紙幣印刷から国民が資産を守る方法を論じている部分を紹介したい。

インフレと貨幣価値の下落

コロナ後に先進国が行なった大量の量的緩和と現金給付によって各国はインフレまたは通貨安に晒された。

ポールソン氏: 量的緩和がインフレを引き起こした
物価が上がったと人は言うが、より正確に言えば皆が持っている紙幣の価値が下がったのである。物価上昇と言えば「もの」の方を何とかすることを対処として考えがちだが、本当の問題は紙幣印刷によって紙幣の価値が下がっていることなのである。

前回の記事では、世界最大のヘッジファンドを創業したレイ・ダリオ氏が、歴史的に見てそもそも通貨とは価値が長期的に下げられてゆくもので、それは避けられないのだと論じていた。

レイ・ダリオ氏: すべての通貨は最終的に価値を落とされて死ぬという歴史的事実を認識すべき


だが何故通貨の価値は下がるのか。政治家が政府支出をしたいがために、中央銀行に紙幣を印刷させるからである。

それは止められないのか。そこが今回ハイエク氏が論じている論点である。

紙幣印刷の独占という特権

これまでの記事で書いた通り、政府が紙幣を印刷する理由は自分で積み上げた政府債務を無視して更に政府支出を行い、自分の票田からの期待に応えることである。

そしてそれは持っている紙幣の価値を薄められる国民の犠牲のもとに行われる。

レイ・ダリオ氏: 人々が自国通貨の無価値さに気付くにつれてゴールドやシルバーへの逃避が加速する


だがそもそも何故中央銀行は紙幣を印刷し、紙幣の価値を勝手に薄められるのだろうか。ハイエク氏は次のように書いている。

何故人々は自分を搾取し騙すために恒常的に使われているこの特権を、2000年以上もの間政府に使わせたまま我慢しているのだろうか。

このことは、政府にこの特権は必要だという神話が、経済の専門家でさえもそれに疑問を抱こうとは思わないほど強固に根付いてしまっていることが原因だとしか説明できない。

通貨発行を自由化せよ

だがこの特権は、国民が決済や貯蓄に自国通貨しか使わないという事実によって生じている。誰もが日本円で貯蓄し生活しているから、その価値を薄められた時にインフレや通貨安という形で国民に災難が降りかかるのである。

これはいわば、国民が政府と中央銀行に自分の資産を薄めさせる権限を自主的に与えているようなものである。だからハイエク氏はそれを不思議がっているのである。

だが日本円を使えなければどうすれば良いのか。そこでハイエク氏は、『貨幣発行自由化論』の名前の通り、通貨の発行を自由化し、民間の業者も独自の通貨を発行できるようにすべきだと主張しているのである。

通貨同士を競争させる

重要な点は、国民に複数の通貨を使わせて、その中から自分の資産を守ってくれる通貨を選ばせるという点である。

驚くべきことに、ハイエク氏と同じようにオーストリア学派の経済学者でありアルゼンチンの大統領でもあるハビエル・ミレイ氏は、アルゼンチンで実際にそれを行なっている。

ミレイ氏は大手銀行と協力してドルでもアルゼンチン・ペソでも決済できるデビットカードを用意し、国民にどちらを使いたいか選ばせるようにしている。

ミレイ大統領: 政府が紙幣印刷で価値を薄める通貨は他のまともな通貨との競争に晒されるべき


そうすればどうなるか。政治家が自分の好きなように価値を薄められる通貨は誰も使わなくなるのである。

ハイエク氏は次のように言っている。

通貨が人々に受け入れられるように供給をコントロールすることは、個々の通貨の発行者の能力に委ねられる。そして彼らは競争によってそうすることを強いられる。

通貨の発行者は、その期待に応えることに失敗すれば自分のビジネスを即座に失うと理解している。

通貨の価値を守ることが発行者の利益に繋がる

この提案の根底には、他人の利益を守る者こそが自分も利益を得るべきだというオーストリア学派の経済学の信念がある。

その信念は、元を辿ればマクロ経済学の父アダム・スミス氏の『国富論』から始まっていいる。

アダム・スミス氏: 乞食だけが補助金や給付金にすがる、そうでない人々は自分の成果を他人と交換する


ハイエク氏はこう続けている。

通貨発行業に参入して成功すれば、それはとても儲かるビジネスになる。そしてその成功は、通貨の発行者が自分で宣言した目標を遂行できるという信用を確立できるかどうかにかかっている。

この状況下では、利益を得たいという発行者の願望が、これまで政府が発行してきたような通貨よりも良い通貨を生み出すのではないか。

実際、例えばビットコインを発明したサトシ・ナカモト氏は大いに儲かったはずだ。彼こそがビットコインの最初の所有者だからである。

ビットコインには、供給を制限するという考え方が最初から存在している。ナカモト氏はもしかしたらハイエク氏の著書を読んでいたのかもしれない。

一方で、政府発行の現行通貨のように、発行者が好き放題に発行でき、価値がどんどん下がってゆく通貨はどうなるか。ハイエク氏は次のように述べている。

通貨の発行者間での競争は、報道や通貨取引所での監視によって激しいものとなる。

自分の発行した通貨の価値を守るために迅速に行動しなかった哀れな発行者は、厳しい批判に晒されることになるだろう。

人々にとって良いものを作る人こそが利益を得ることができるという経済学の考え方を、通貨にも適用すべきだとハイエク氏は言っているのである。そうすれば政府も紙幣印刷を濫用することはできなくなる。

だが現在はそうなっていない。アベノミクス以来、日本円の価値はドルに比べて約半分になっているが、それでも日本国民は日本円を使っている。

それは代わりがないからである。それでも状況に気付いている一部の人々は貴金属などを利用して自国通貨の価値下落を避けている。

レイ・ダリオ氏: 人々が自国通貨の無価値さに気付くにつれてゴールドやシルバーへの逃避が加速する


政府発行の紙幣からの逃避は始まっている。通貨はこれからどうなるのか。ハイエク氏が提案したような世界は来るのだろうか。

筆者からすればハイエク氏の著書は何十年も前からある古典に過ぎないのだが、ここに来て彼の著作があまりに重要になっている。


日経BPクラシックス 貨幣発行自由化論 改訂版――競争通貨の理論と実行に関する分析 – 2020/4/23
フリードリヒ・ハイエク(Friedrich Hayek) (著), 村井 章子 (翻訳)
https://www.amazon.co.jp/%E6%97%A5%E7%B5%8CBP%E3%82%AF%E3%83%A9%E3%82%B7%E3%83%83%E3%82%AF%E3%82%B9-%E8%B2%A8%E5%B9%A3%E7%99%BA%E8%A1%8C%E8%87%AA%E7%94%B1%E5%8C%96%E8%AB%96-%E6%94%B9%E8%A8%82%E7%89%88%E2%80%95%E2%80%95%E7%AB%B6%E4%BA%89%E9%80%9A%E8%B2%A8%E3%81%AE%E7%90%86%E8%AB%96%E3%81%A8%E5%AE%9F%E8%A1%8C%E3%81%AB%E9%96%A2%E3%81%99%E3%82%8B%E5%88%86%E6%9E%90-%E3%83%95%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%83%89%E3%83%AA%E3%83%92%E3%83%BB%E3%83%8F%E3%82%A4%E3%82%A8%E3%82%AF-Friedrich/dp/4822288846?__mk_ja_JP=%E3%82%AB%E3%82%BF%E3%82%AB%E3%83%8A&crid=170ZG41SHOQFK&dib=eyJ2IjoiMSJ9.SdqxaNQEk6LNtuNdCh_IHn-LaM0UI6iqWqEGd85SxineBJ3uJwf8QD4YxN5SA-VtSbfmrmYeYihhgQKXrpHaeN0PuPrDXll6bHFq9zVFZ4KjDg79wb0CoJFP8MO1Yuc83S5PrfEbbySV7QnFkBECpyx09zrwbF7lTfYMLn8TxUgaeDGhHr1cYz2HGSdvrKC5rP7XGBZ-mBCghhTmaJkCTf6xKhH_yzxLRMuJGOKQqiEnxQM6PuVtadO5Yz-kpHkkHZyjc1YPL-MeyHqOBbyyWyl8WApX7cI5CnwBuwyLavPB8QVlxSvv6AGlj6EONY9x_yozdAG6l-EBYOBXyr7plem-KILThX21J8hAnjE5Yc6yLqDUzr8zwp_qc-o6P_vcNbKGOhrQT3EFjkNfPQfBH19qI4O3PplcFagVC8rB291o0rMQBs9-1p9OE4BMoUMH.gx-ClnGgLNLCyW98BW40BFMKoygnG8Zx2N-jW97uhdY&dib_tag=se&keywords=%E3%83%8F%E3%82%A4%E3%82%A8%E3%82%AF&qid=1734327256&sprefix=%E3%83%8F%E3%82%A4%E3%82%A8%E3%82%AF,aps,198&sr=8-16&linkCode=sl1&tag=asyuracom-22&linkId=53ddc5afdb081720626431d126c25d03&language=ja_JP&ref_=as_li_ss_tl

https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/58085


▲△▽▼


ハイエク氏: インフレを引き起こすインフレ政策を止めさせるには民間企業が通貨を発行すべき
2023年4月8日 globalmacroresearch
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/35579


20世紀最大のマクロ経済学者フリードリヒ・フォン・ハイエク氏の『貨幣発行自由化論』より、政府がインフレ政策によりインフレを引き起こすことを止めさせるためにはどうすれば良いかを語った部分を紹介したい。

現金給付の本当の意味

前回の記事では、政府による現金給付や補助金をいった政策がそれを受けられない人々からそれを受ける人々へと購買力を恣意的に移転させる政策であるということを説明した。

ハイエク氏: 現金給付や補助金はそれを受けない人に対する窃盗である
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/35564


インフレとは需要に対してものが不足している状態のことなので、そこに紙幣を印刷して配ったところでもの自体が増えるわけではなく、誰かが給付金で購入した商品は元々別の人が購入できるはずだったものである。そしてその別の人は給付金が引き起こしたインフレでものが買えなくなる。

事実、そうしたインフレが全国旅行支援によって日本の宿泊料金で起こっているのだから、その仕組みは経済が専門でない人々にも明らかだろう。だからこれを窃盗と呼ぶことは極めて適切である。

日本政府の全国旅行支援で宿泊予約殺到してホテル代値上がり

実際、ここでは何度も説明しているように、現在の物価高騰はコロナ後に世界中で行われた現金給付がもたらしたものである。インフレは2021年から始まっており、2022年のウクライナ情勢はインフレとは無関係であることは何度も説明しておいた。

世界最高の経済学者サマーズ氏が説明するインフレの本当の理由
結局のところ、インフレ政策とは政治家が大半の人々を犠牲にして票田にばら撒きを行うための政策であり、しかもインフレになれば積み上がった政府債務が戦後のドイツのように帳消しになるのだから、政治家にとっては良いことしかない。

事実、日本で(インフレが懸念されている今でさえ)行われている現金給付の対象が住民税非課税世帯に限られているのは、非課税世帯の多くを占める引退した高齢者の票を得るためである。だからそれは労働世代には回ってこない。

ドラッケンミラー氏、高齢者が若者から搾取する税制を痛烈批判

インフレ政策を止めさせるために

ハイエク氏の『貨幣発行自由化論』は50年近く前の本であるにもかかわらず、その内容が今の政治家にも適用できるということは、政治家のやることはいつの時代も変わらないということである。

だからハイエク氏は利己的な政府に対して人々が自衛する方法も書いている。彼はばら撒き政策を窃盗と呼んだ上で次のように述べている。

通貨発行の独占者、特に政府によってこの犯罪が犯された場合、それは非常に儲かる犯罪となり、しかも紙幣印刷の帰結が理解されていないためにそれは一般に許容されており罰を受けないままとなっている。

何故そうなるか。まず前提条件として、歴史上これまで発行されたほとんどすべての通貨は発行者による減価によって長期的には価値が下落し最終的には無価値になってきた。これについてはレイ・ダリオ氏が研究している。

世界最大のヘッジファンド: 大英帝国の基軸通貨ポンドはいかに暴落したか
世界最大のヘッジファンド: 量的緩和で暴落した世界初の基軸通貨

現在でも紙幣印刷を窃盗と同じものとして批判できる頭のある人々がほとんどいないために、紙幣印刷は政治家にとって捕まらない窃盗となっている。レイ・ダリオ氏が次のように言っていたことを思い出したい。

世界最大のヘッジファンド: 政府が金融危機から守ってくれると思うな


歴史を見れば明らかだが、政府が経済的に国民を守ってくれると信頼してはならない。実際は逆であり、ほとんどの政府はあなたが同じ立場だったらそうするであろう同じ理由で、貨幣と債務の創造者かつ使用者としての特権を乱用するだろう。

恐らくダリオ氏はハイエク氏の著作を読んでいると思う。

だから歴史上ほぼすべての通貨は長期的には減価する。そして金融の知識のある人間は、例えばゴールドなどを買うことで紙幣が紙切れになる(あるいは紙幣は元々紙切れである)ことによる被害を避けられるかもしれないが、ほとんどの人々は他に通貨の選択肢がないと思い込まされているため、政府による自国通貨の減価(これはインフレ政策と完全に同義である)によって資産を失ってしまう。日本でもアメリカでもインフレによって事実そうなっている。

通貨の民営化

他に通貨の選択肢がないと「思い込まされている」とはどういうことか? 今生きているすべての人は、通貨とは政府が発行するものだというバイアスを埋め込まれている。生まれた頃から法定通貨が普通の世の中に生きているからである。

だが歴史的にはこれは新しい概念である。現代の法定通貨の概念は、大英帝国がイングランド銀行に政府債務の肩代わりをさせる代償に通貨発行業務を独占させたことに端を発している。以下の記事で少し触れている。

南海泡沫事件: バブル経済の語源となった近世イギリスの株式バブルを振り返る


大英帝国の政治家たちは政府債務を中央銀行に押し付け、中央銀行に紙幣印刷させることで(暴落した紙幣の保有者の犠牲のもとに)積み上がった政府債務を解消できたので、この成功を見た他の国の政治家も同じことをやり始めたのである。読者も知っての通り、この方法は今でも各国政府によって実際に使われている。それが量的緩和である。

世界最大のヘッジファンド: ドルは既に紙くずになっている


政府の通貨独占を止めさせる

さて、国民はどうすれば良いか。勘の良い読者は気づいたかもしれないが、この話のポイントは政府が通貨発行をまず独占しなければならなかったということである。

何故政府は通貨発行を独占しなければならなかったか。他に使われている通貨があれば、少しでも法定通貨の価値が下がり始めると、多くの人が他のより堅調な通貨に移ろうとしただろうからである。

現在の話に照らして言えば、もし人々が法定通貨を含む複数の通貨を日常的に使っていれば、現在のインフレは物価の上昇ではなく法定通貨の下落ということになるだろう。そして法定通貨以外の通貨で見た物価は影響を受けない。

分かるだろうか。だからハイエク氏は、イングランド銀行以前にそうだったように、民間企業の通貨発行の権利を復活させることを主張している。元々紙幣とは、銀行にゴールドなどを預けていた預かり証だった。法定通貨もそうだった。だが政府が預かっていたゴールドを勝手に使ってしまい返せなくなった。それが金本位制の廃止である。アメリカではこの出来事はニクソンショックと呼ばれる。

レイ・ダリオ氏、「現金がゴミ」になったニクソンショックの経験を語る
通貨発行業務を独占した政府はやりたい放題である。だが様々な企業が通貨を発行するようになれば、その企業は自分の利益の源泉である自分の通貨の価値を守ろうとするだろうとハイエク氏は言う。彼は次のように述べている。

通貨の発行者同士が競争しなければならない場合、発行者にとって自分の通貨の減価は自殺行為になるだろう。人々がその通貨を使いたいと思っていた理由そのものを破壊してしまうからである。

結論

こうした最近の試みは、言うまでもなく暗号通貨だろう。中央銀行が緩和に転換すれば暗号通貨が暴騰すると見ているファンドマネージャーもいる。

チューダー・ジョーンズ氏: 利上げ停止でインフレ相場再開、ビットコイン暴騰へ


暗号通貨には実質的価値は何もない。だが法定の紙幣にも本質的には紙以上の価値などないのである。「政府が価値を保証している」と馬鹿げたことを言う人もいるが、政府は実際に通貨の価値を意図的に薄めている。それが金融緩和である。

利上げで預金者はインフレから資産防衛できるにもかかわらず日銀が利上げを行わない理由


ハイエク氏は通貨の発行者はそのサービス提供の然るべき対価を受け取るべきだと言っている。だがその業務を誰かが独占するとき、その利益は国民の大部分の資産をインフレで食い潰すほどに過剰になる。

それがハイエク氏の論点である。いずれにしても、ハイエク氏の著書やダリオ氏の考察などから歴史を学ぶことで自分の生きている時代のバイアスを取り払うことは読者にとって助けになるだろう。別に通貨は政府だけが発行すべきものではないし、紙幣も暗号通貨も本質的には等しく無価値である。

世界最大のヘッジファンド: 大英帝国の基軸通貨ポンドはいかに暴落したか
世界最大のヘッジファンド: 量的緩和で暴落した世界初の基軸通貨


頭を柔らかくしてから今のインフレとその原因である紙幣印刷をもう一度考えてもらいたい。
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/35579


▲△▽▼


ハイエク氏: 現金給付や補助金はそれを受けない人に対する窃盗である
2023年4月7日 globalmacroresearch
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/35564

世界的なインフレが問題となっているなかで、いくつかの国ではいまだに補助金や現金給付といった政策が人気である。

このことについて20世紀の大経済学者フリードリヒ・フォン・ハイエク氏の『貨幣発行自由化論』から彼の意見を取り上げよう。

紙幣印刷政策

リーマンショック以後、世界中の中央銀行が量的緩和政策、つまりは紙幣印刷によって金利を下げ、自国通貨の価値を下げる政策を行ってきた。

ハイエク氏は紙幣印刷政策について次のように述べている。

貸付のための紙幣を印刷することで人為的に貸付用の資金を安価にすることは、貸付先を助けるだけなく、他の人々を犠牲にすることによってではあるが、経済活動全体を少しの間刺激する。

一方でそうした紙幣発行が市場の操縦メカニズムを破壊する効果を持つことは理解されにくい。

そうして2008年以降、紙幣印刷と低金利政策が行われ続けた。それはインフレを目指すという名目のもと行われていた。

当時の未開人たちはインフレが物価上昇を意味するということを知らなかったので、インフレ政策は多くの人々に歓迎された。だがインフレが何を意味するかは誰も理解していなかった。

そしてコロナ以後にはついに人々の口座に直接資金を放り込む現金給付まで行われた。そしてそれはついにインフレを引き起こした。2021年には既に始まっていた現在の物価高騰がウクライナ情勢とは無関係であることは、ここでは何度も説明している。

ドラッケンミラー氏: プーチン氏が引き起こしたわけではないインフレの本当の理由


そしてインフレになって初めて人々はインフレは物価上昇という意味だということを理解した。文明がようやく生じ始めたのだろうか。

いや、そうでもないらしい。何故ならば、インフレ対策に例えば日本政府が行っていることは、電気・ガスの購入支援や全国旅行支援などのインフレ政策だからである。

ハイエク氏は次のように続ける。

しかし商品の追加購入のためのそうした資金供給は商品の相対的な価格の構造を歪め、資源を持続不可能な経済活動へと引き込み、後に起こる不可避の反作用の原因となる。

例えば全国旅行支援は旅行者が殺到したことで宿泊料金の高騰を引き起こし、しかもホテル側は需要の急増に対応できずに既存の従業員を酷使して後の雇用に影響を与えている。


日本政府の全国旅行支援で宿泊予約殺到してホテル代値上がり
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/29551

既存の従業員を酷使しても一時的な需要のために従業員を増やしても後で問題が生じる。それが歪みである。

だが日本政府はそんなことを気にしたりはしない。インフレにインフレ政策で対応するような人々にそれだけの頭脳があるわけがないのである。

紙幣印刷の本当の意味

果たして未開人はいつ文明化されるのだろうか。インフレの原因は需要に対してものが不足していることであり、ものの不足を紙幣印刷で解決することはできない。レイ・ダリオ氏はインフレが起こる前に次のように述べていた。

世界最大のヘッジファンド: 共産主義の悪夢が資本主義にのしかかる
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/10831


われわれが消費をできるかどうかはわれわれが生産できるかどうかに掛かっているのであり、政府から送られてくる紙幣の量に掛かっているではない。

紙幣は食べられない。

世の中にあるものの量が同じであるとき、紙幣だけを増やして一部の人々に配れば、その効果は本来他の人々が買えたものをその一部の人々に与えることになるだけである。全体のパイは変わらないのだから、その人々に与えたものは本来他の人々の取り分である。

これは現金給付だけでなく紙幣印刷全般に言える。例えば量的緩和政策は中央銀行が債券を買い入れることで債券価格と株価を上昇させる政策だが、その結果は債券と株式を持っている人が他の人の取り分を奪いながらより多く消費できるようになることである。

これは若者から老人へと資金を転移させる政策の一部でもある。


ドラッケンミラー氏、高齢者が若者から搾取する税制を痛烈批判

紙幣印刷という窃盗

ハイエク氏は次のように語っている。

自分で得たわけでも他人が放棄したわけでもないものを得る権利を特定の人々に与えることは、本当に窃盗と同じような犯罪である。

だが世の中における一番の犯罪者は捕まらない。トランプ氏は口止め料を事業費として計上したことで捕まる可能性があるそうだが、オバマ政権下でウクライナ政府を自分の好きなようにしたバイデン氏や、虚偽の理由でイラクに戦争を仕掛けたブッシュ氏は捕まらない。

サマーズ氏、トランプ元大統領の起訴について語る
ロシアのウクライナ侵攻でバイデン大統領が犯した一番の間違い

そして実質的には明らかな窃盗である量的緩和や現金給付も、政府がそれを行えば政治家が捕まることはない。

ハイエク氏はこう述べている。

一般的な理解が不足しているために、紙幣発行の独占者による過剰発行という犯罪はいまだ許容されているだけではなく称賛さえされている。

ちなみに日本政府は窃盗を行うだけではなく、物価指数の計算を恣意的に変えることで自分のせいで起こっているインフレを隠蔽している。

日本政府の詐欺的な物価指数の計算方法がインフレを悪化させる


人々はどうするべきか。日本政府による窃盗の被害者になりたくなければ、経済と金融市場を知ることである。インフレは資産運用で回避できる。

世界最大のヘッジファンド: 日本は金利高騰か通貨暴落かを選ぶことになる


ちなみにハイエク氏の『貨幣発行自由化論』(『貨幣論集』に含まれている)は1976年の発行である。だがまさに今のために書かれたような内容となっている。

インフレの意味さえ知らずにインフレ政策を支持した未開の人々が居た一方で、現在の状況を50年前に予想していた天才も居る。
政府による窃盗を投資で避けられる人がいる一方で、喜んで自分から窃盗される人もいる。

「株式投資は長期的にはほぼ儲かる」という主張が完全に間違っている理由


すべてはその人次第である。
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/35564


▲△▽▼


ハイエク: 政府から通貨発行の独占権を剥奪せよ
2021年1月30日 globalmacroresearch
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/12051

ここのところ続けて19世紀生まれの経済学者フリードリヒ・フォン・ハイエク氏の論考を紹介しているが、ようやく本題である。

新型コロナとハイエク経済学

2020年の新型コロナウィルスの世界的流行によって世界経済は未曾有の景気後退にさいなまれ、日本やアメリカなどの先進国政府は紙幣印刷や現金給付を行なって多数派の有権者の支持を取り付けた。

政府は中央銀行にいくらでも紙幣を刷らせることが出来るので、新型コロナで店舗や企業が儲からなくても人々は生活に困らないというわけである。

実際には先進国政府はコロナ前にも紙幣印刷を大量に行なってきた。その紙幣で中央銀行が国債を買い上げたために政府はいくらでも借金ができたのである。

その借金で政府は長らく有権者の支持を購入してきた。新型コロナで多くの人が亡くなっているにもかかわらず、政府の関心はオリンピックの開催とGO TOトラベルによって建設業界や広告業界、宿泊産業の政治的支持を取り付けることにある。これはどの国の政府も行なってきたことである。しかしアメリカではそうした慣習にも限界が来ている。インフレの到来である。

コロナ不況でデフレになる日本、インフレになるアメリカ


そして日本はその背中を追っている。

政府に借金をさせないために

政府が借金をこれほどまでに増やせなかったなら、政府がここまで好き放題にすることもなかっただろう。そして中央銀行が紙幣を印刷できなかったならば、政府が借金をここまで増やすことも不可能だっただろう。

通貨は政府が発行するものだというここ100年くらいの間に生まれた特異な考え方に慣れた者でなければ、これは当然の考え方である。そしてその当然の考え方を主流派経済学者の間違った意見に左右されずに主張し続けた経済学者がいる。ハイエク氏である。

戦前、戦後の時代にケインズ氏とやりあったハイエク氏は様々な経済学上の功績で有名だが、その中でも異彩を放つのが通貨発行自由化論である。ハイエク氏は政府のみならず民間企業や個人も通貨を発行すべきであり、政府の通貨と競争させることで政府の浪費を牽制できるという考え方の持ち主なのである。

ハイエク氏は彼の『貨幣論集』においてむしろ控えめに次のように述べている。

こうした提案は法定通貨という概念のもとで育ったすべての人にとって最初は馬鹿げたものに映るかもしれない。

しかしかつて紙幣を中央銀行に持っていけば金(ゴールド)と交換できた金本位制の時代の人々は、何と交換することもできない何の保証もない紙切れを大事に財布に持っている人々の方を不思議に思うだろう。

現代の通貨は本当に暴落しないのか

繰り返しになるが日本円もかつては金と交換できたのであり、金を中央銀行に預ける代わりに紙幣を受け取って、中央銀行に紙幣を持ち込めば預けた金が返ってきたのである。しかしいつの間にか金は返ってこなくなった。政府がそう決めたからである。では預けられていたはずの金は何処へ行ったのだろう。政府がすべて使ってしまったのである。

このようなあからさまな詐欺に多くの人々がまったく気付いていない。ハイエク氏は次のように述べる。

200年間の金本位制の時代だけを例外として、実際には歴史上ほとんどの政府が人々を騙し搾取するために通貨発行の独占権を行使してきた。

大英帝国のポンドやオランダ海洋帝国のギルダーが政府による紙幣印刷で暴落していったことは以前解説した通りである。


世界最大のヘッジファンド: 量的緩和で暴落した世界初の基軸通貨
世界最大のヘッジファンド: 大英帝国の基軸通貨ポンドはいかに暴落したか


そしてその犠牲者はその通貨を持っていた一般市民であり、政府ではなかった。通貨が暴落したときには既に政府は多額の借金をしてその資金を使い果たしてしまっていた。

根拠はないはずなのだが、現代のわれわれはこれを過去のことであり、今の円やドルには起こらないと無根拠に信じている。しかし実際にはメジャーな通貨の減価はゆるやかにしか起きないので、そのトレンドのただ中にいると気付かないだけなのである。

事実、1970年のドルの価値を100とし、その価値をゴールド本位で計算すると今のドルの価値は次のチャートのようになる。

https://www.globalmacroresearch.org/jp/wp-content/uploads/2021/01/since-1970-value-of-usd-in-gold-chart.png

ほぼ皆無である。そして2021年、コロナで大量の紙幣印刷と現金給付を行なったことにより、死に体のドルにはとどめが差されようとしている。

世界最大のヘッジファンド: ドルが下落したらアメリカは終わり
そしてアメリカに起こることは日本にも起こるのである。

ハイエク氏の通貨発行自由化論

こうした状況を打開するために ハイエク氏は政府から通貨発行の独占権を剥奪すべきだという。ハイエク氏は言う。

人々が使いたい通貨を自由に選択させてはなぜいけないのだろうか。

ハイエク氏が想定するのは政府だけではなく民間企業や個人が通貨を発行する世界である。そこでは人々は自分の好きな通貨で貯金をし、好きな通貨で買い物をする。好きな通貨で会計報告をして好きな通貨で納税をする。

彼は次のように続ける。

店主が現行のレートで望む通貨に即座に両替できると分かれば、すぐにどのような通貨に対しても適切な価格で商品を売るだろう。しかし政府の通貨で表示される物価だけが上昇していることが分かれば、政府の悪行はもっと早く察知されることになる。

そして人々はより安定した通貨を主に利用するようになるだろう。そうすれば通貨発行者は自分の通貨の価値をより安定させ、より多くの人に使われるように努力するようになる。ハイエク氏の主眼は通貨をこのような競争にさらさせることになるのである。彼は次のように続けている。

人々が信用できない通貨を拒否し、信用できる通貨を選んで使うことができるとすればどうか。政府が通貨を乱用するのを避けるためにはこれ以上に有力な抑止力は有り得ない。そうすれば通貨の供給を需要より低く抑えるかぎり、その通貨の需要は増大してゆくだろう。そしてそれは政府が通貨の安定性を維持させるための何よりも強い要因となる。

つまり、政府が無思慮に紙幣を膨大に印刷しようとすれば政府発行の通貨が使われなくなるという状況に直面させることで政府を律しようというわけである。

これは同様に民間の通貨発行者にも適用されるだろう。通貨発行者は手数料のような利益を(政府と同じように)得るだろうが、ハイエク氏の言う世界ではこれが今のように通貨発行権の独占の対価として与えられるのではなく、価値の安定した通貨を発行していることに対する対価として与えられるならば、通貨発行者に対して国民が払うコストは合理的なものになってゆくだろう。

少なくとも、金塊がいつの間にか盗まれているとか、数十年の間に価値がほぼゼロになっているとか、そういうことはなくなるはずである。有り得ないような話が日本円や米ドルで実際に起きているのである。

ハイエク: インフレ主義は非科学的迷信


https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/12051
http://www.asyura2.com/20/reki4/msg/846.html#c13

[近代史4] シルビオ・ゲゼルの世界 中川隆
6. 中川隆[-7987] koaQ7Jey 2025年1月12日 10:30:48 : EtreNK33Rb : WU0xbGExbW83Lkk=[5]
<■471行くらい→右の▽クリックで次のコメントにジャンプ可>
ハイエク氏: 民間が良い通貨を発行すれば、価値が下がる政府の通貨は誰も使わなくなる
2025年1月5日 globalmacroresearch
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/58085

オーストリア学派の大経済学者、フリードリヒ・フォン・ハイエク氏の著書『貨幣発行自由化論』から、通貨の価値を下げる政府や中央銀行の紙幣印刷から国民が資産を守る方法を論じている部分を紹介したい。

インフレと貨幣価値の下落

コロナ後に先進国が行なった大量の量的緩和と現金給付によって各国はインフレまたは通貨安に晒された。

ポールソン氏: 量的緩和がインフレを引き起こした
物価が上がったと人は言うが、より正確に言えば皆が持っている紙幣の価値が下がったのである。物価上昇と言えば「もの」の方を何とかすることを対処として考えがちだが、本当の問題は紙幣印刷によって紙幣の価値が下がっていることなのである。

前回の記事では、世界最大のヘッジファンドを創業したレイ・ダリオ氏が、歴史的に見てそもそも通貨とは価値が長期的に下げられてゆくもので、それは避けられないのだと論じていた。

レイ・ダリオ氏: すべての通貨は最終的に価値を落とされて死ぬという歴史的事実を認識すべき


だが何故通貨の価値は下がるのか。政治家が政府支出をしたいがために、中央銀行に紙幣を印刷させるからである。

それは止められないのか。そこが今回ハイエク氏が論じている論点である。

紙幣印刷の独占という特権

これまでの記事で書いた通り、政府が紙幣を印刷する理由は自分で積み上げた政府債務を無視して更に政府支出を行い、自分の票田からの期待に応えることである。

そしてそれは持っている紙幣の価値を薄められる国民の犠牲のもとに行われる。

レイ・ダリオ氏: 人々が自国通貨の無価値さに気付くにつれてゴールドやシルバーへの逃避が加速する


だがそもそも何故中央銀行は紙幣を印刷し、紙幣の価値を勝手に薄められるのだろうか。ハイエク氏は次のように書いている。

何故人々は自分を搾取し騙すために恒常的に使われているこの特権を、2000年以上もの間政府に使わせたまま我慢しているのだろうか。

このことは、政府にこの特権は必要だという神話が、経済の専門家でさえもそれに疑問を抱こうとは思わないほど強固に根付いてしまっていることが原因だとしか説明できない。

通貨発行を自由化せよ

だがこの特権は、国民が決済や貯蓄に自国通貨しか使わないという事実によって生じている。誰もが日本円で貯蓄し生活しているから、その価値を薄められた時にインフレや通貨安という形で国民に災難が降りかかるのである。

これはいわば、国民が政府と中央銀行に自分の資産を薄めさせる権限を自主的に与えているようなものである。だからハイエク氏はそれを不思議がっているのである。

だが日本円を使えなければどうすれば良いのか。そこでハイエク氏は、『貨幣発行自由化論』の名前の通り、通貨の発行を自由化し、民間の業者も独自の通貨を発行できるようにすべきだと主張しているのである。

通貨同士を競争させる

重要な点は、国民に複数の通貨を使わせて、その中から自分の資産を守ってくれる通貨を選ばせるという点である。

驚くべきことに、ハイエク氏と同じようにオーストリア学派の経済学者でありアルゼンチンの大統領でもあるハビエル・ミレイ氏は、アルゼンチンで実際にそれを行なっている。

ミレイ氏は大手銀行と協力してドルでもアルゼンチン・ペソでも決済できるデビットカードを用意し、国民にどちらを使いたいか選ばせるようにしている。

ミレイ大統領: 政府が紙幣印刷で価値を薄める通貨は他のまともな通貨との競争に晒されるべき


そうすればどうなるか。政治家が自分の好きなように価値を薄められる通貨は誰も使わなくなるのである。

ハイエク氏は次のように言っている。

通貨が人々に受け入れられるように供給をコントロールすることは、個々の通貨の発行者の能力に委ねられる。そして彼らは競争によってそうすることを強いられる。

通貨の発行者は、その期待に応えることに失敗すれば自分のビジネスを即座に失うと理解している。

通貨の価値を守ることが発行者の利益に繋がる

この提案の根底には、他人の利益を守る者こそが自分も利益を得るべきだというオーストリア学派の経済学の信念がある。

その信念は、元を辿ればマクロ経済学の父アダム・スミス氏の『国富論』から始まっていいる。

アダム・スミス氏: 乞食だけが補助金や給付金にすがる、そうでない人々は自分の成果を他人と交換する


ハイエク氏はこう続けている。

通貨発行業に参入して成功すれば、それはとても儲かるビジネスになる。そしてその成功は、通貨の発行者が自分で宣言した目標を遂行できるという信用を確立できるかどうかにかかっている。

この状況下では、利益を得たいという発行者の願望が、これまで政府が発行してきたような通貨よりも良い通貨を生み出すのではないか。

実際、例えばビットコインを発明したサトシ・ナカモト氏は大いに儲かったはずだ。彼こそがビットコインの最初の所有者だからである。

ビットコインには、供給を制限するという考え方が最初から存在している。ナカモト氏はもしかしたらハイエク氏の著書を読んでいたのかもしれない。

一方で、政府発行の現行通貨のように、発行者が好き放題に発行でき、価値がどんどん下がってゆく通貨はどうなるか。ハイエク氏は次のように述べている。

通貨の発行者間での競争は、報道や通貨取引所での監視によって激しいものとなる。

自分の発行した通貨の価値を守るために迅速に行動しなかった哀れな発行者は、厳しい批判に晒されることになるだろう。

人々にとって良いものを作る人こそが利益を得ることができるという経済学の考え方を、通貨にも適用すべきだとハイエク氏は言っているのである。そうすれば政府も紙幣印刷を濫用することはできなくなる。

だが現在はそうなっていない。アベノミクス以来、日本円の価値はドルに比べて約半分になっているが、それでも日本国民は日本円を使っている。

それは代わりがないからである。それでも状況に気付いている一部の人々は貴金属などを利用して自国通貨の価値下落を避けている。

レイ・ダリオ氏: 人々が自国通貨の無価値さに気付くにつれてゴールドやシルバーへの逃避が加速する


政府発行の紙幣からの逃避は始まっている。通貨はこれからどうなるのか。ハイエク氏が提案したような世界は来るのだろうか。

筆者からすればハイエク氏の著書は何十年も前からある古典に過ぎないのだが、ここに来て彼の著作があまりに重要になっている。


日経BPクラシックス 貨幣発行自由化論 改訂版――競争通貨の理論と実行に関する分析 – 2020/4/23
フリードリヒ・ハイエク(Friedrich Hayek) (著), 村井 章子 (翻訳)
https://www.amazon.co.jp/%E6%97%A5%E7%B5%8CBP%E3%82%AF%E3%83%A9%E3%82%B7%E3%83%83%E3%82%AF%E3%82%B9-%E8%B2%A8%E5%B9%A3%E7%99%BA%E8%A1%8C%E8%87%AA%E7%94%B1%E5%8C%96%E8%AB%96-%E6%94%B9%E8%A8%82%E7%89%88%E2%80%95%E2%80%95%E7%AB%B6%E4%BA%89%E9%80%9A%E8%B2%A8%E3%81%AE%E7%90%86%E8%AB%96%E3%81%A8%E5%AE%9F%E8%A1%8C%E3%81%AB%E9%96%A2%E3%81%99%E3%82%8B%E5%88%86%E6%9E%90-%E3%83%95%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%83%89%E3%83%AA%E3%83%92%E3%83%BB%E3%83%8F%E3%82%A4%E3%82%A8%E3%82%AF-Friedrich/dp/4822288846?__mk_ja_JP=%E3%82%AB%E3%82%BF%E3%82%AB%E3%83%8A&crid=170ZG41SHOQFK&dib=eyJ2IjoiMSJ9.SdqxaNQEk6LNtuNdCh_IHn-LaM0UI6iqWqEGd85SxineBJ3uJwf8QD4YxN5SA-VtSbfmrmYeYihhgQKXrpHaeN0PuPrDXll6bHFq9zVFZ4KjDg79wb0CoJFP8MO1Yuc83S5PrfEbbySV7QnFkBECpyx09zrwbF7lTfYMLn8TxUgaeDGhHr1cYz2HGSdvrKC5rP7XGBZ-mBCghhTmaJkCTf6xKhH_yzxLRMuJGOKQqiEnxQM6PuVtadO5Yz-kpHkkHZyjc1YPL-MeyHqOBbyyWyl8WApX7cI5CnwBuwyLavPB8QVlxSvv6AGlj6EONY9x_yozdAG6l-EBYOBXyr7plem-KILThX21J8hAnjE5Yc6yLqDUzr8zwp_qc-o6P_vcNbKGOhrQT3EFjkNfPQfBH19qI4O3PplcFagVC8rB291o0rMQBs9-1p9OE4BMoUMH.gx-ClnGgLNLCyW98BW40BFMKoygnG8Zx2N-jW97uhdY&dib_tag=se&keywords=%E3%83%8F%E3%82%A4%E3%82%A8%E3%82%AF&qid=1734327256&sprefix=%E3%83%8F%E3%82%A4%E3%82%A8%E3%82%AF,aps,198&sr=8-16&linkCode=sl1&tag=asyuracom-22&linkId=53ddc5afdb081720626431d126c25d03&language=ja_JP&ref_=as_li_ss_tl

https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/58085


▲△▽▼


ハイエク氏: インフレを引き起こすインフレ政策を止めさせるには民間企業が通貨を発行すべき
2023年4月8日 globalmacroresearch
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/35579


20世紀最大のマクロ経済学者フリードリヒ・フォン・ハイエク氏の『貨幣発行自由化論』より、政府がインフレ政策によりインフレを引き起こすことを止めさせるためにはどうすれば良いかを語った部分を紹介したい。

現金給付の本当の意味

前回の記事では、政府による現金給付や補助金をいった政策がそれを受けられない人々からそれを受ける人々へと購買力を恣意的に移転させる政策であるということを説明した。

ハイエク氏: 現金給付や補助金はそれを受けない人に対する窃盗である
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/35564


インフレとは需要に対してものが不足している状態のことなので、そこに紙幣を印刷して配ったところでもの自体が増えるわけではなく、誰かが給付金で購入した商品は元々別の人が購入できるはずだったものである。そしてその別の人は給付金が引き起こしたインフレでものが買えなくなる。

事実、そうしたインフレが全国旅行支援によって日本の宿泊料金で起こっているのだから、その仕組みは経済が専門でない人々にも明らかだろう。だからこれを窃盗と呼ぶことは極めて適切である。

日本政府の全国旅行支援で宿泊予約殺到してホテル代値上がり

実際、ここでは何度も説明しているように、現在の物価高騰はコロナ後に世界中で行われた現金給付がもたらしたものである。インフレは2021年から始まっており、2022年のウクライナ情勢はインフレとは無関係であることは何度も説明しておいた。

世界最高の経済学者サマーズ氏が説明するインフレの本当の理由
結局のところ、インフレ政策とは政治家が大半の人々を犠牲にして票田にばら撒きを行うための政策であり、しかもインフレになれば積み上がった政府債務が戦後のドイツのように帳消しになるのだから、政治家にとっては良いことしかない。

事実、日本で(インフレが懸念されている今でさえ)行われている現金給付の対象が住民税非課税世帯に限られているのは、非課税世帯の多くを占める引退した高齢者の票を得るためである。だからそれは労働世代には回ってこない。

ドラッケンミラー氏、高齢者が若者から搾取する税制を痛烈批判

インフレ政策を止めさせるために

ハイエク氏の『貨幣発行自由化論』は50年近く前の本であるにもかかわらず、その内容が今の政治家にも適用できるということは、政治家のやることはいつの時代も変わらないということである。

だからハイエク氏は利己的な政府に対して人々が自衛する方法も書いている。彼はばら撒き政策を窃盗と呼んだ上で次のように述べている。

通貨発行の独占者、特に政府によってこの犯罪が犯された場合、それは非常に儲かる犯罪となり、しかも紙幣印刷の帰結が理解されていないためにそれは一般に許容されており罰を受けないままとなっている。

何故そうなるか。まず前提条件として、歴史上これまで発行されたほとんどすべての通貨は発行者による減価によって長期的には価値が下落し最終的には無価値になってきた。これについてはレイ・ダリオ氏が研究している。

世界最大のヘッジファンド: 大英帝国の基軸通貨ポンドはいかに暴落したか
世界最大のヘッジファンド: 量的緩和で暴落した世界初の基軸通貨

現在でも紙幣印刷を窃盗と同じものとして批判できる頭のある人々がほとんどいないために、紙幣印刷は政治家にとって捕まらない窃盗となっている。レイ・ダリオ氏が次のように言っていたことを思い出したい。

世界最大のヘッジファンド: 政府が金融危機から守ってくれると思うな


歴史を見れば明らかだが、政府が経済的に国民を守ってくれると信頼してはならない。実際は逆であり、ほとんどの政府はあなたが同じ立場だったらそうするであろう同じ理由で、貨幣と債務の創造者かつ使用者としての特権を乱用するだろう。

恐らくダリオ氏はハイエク氏の著作を読んでいると思う。

だから歴史上ほぼすべての通貨は長期的には減価する。そして金融の知識のある人間は、例えばゴールドなどを買うことで紙幣が紙切れになる(あるいは紙幣は元々紙切れである)ことによる被害を避けられるかもしれないが、ほとんどの人々は他に通貨の選択肢がないと思い込まされているため、政府による自国通貨の減価(これはインフレ政策と完全に同義である)によって資産を失ってしまう。日本でもアメリカでもインフレによって事実そうなっている。

通貨の民営化

他に通貨の選択肢がないと「思い込まされている」とはどういうことか? 今生きているすべての人は、通貨とは政府が発行するものだというバイアスを埋め込まれている。生まれた頃から法定通貨が普通の世の中に生きているからである。

だが歴史的にはこれは新しい概念である。現代の法定通貨の概念は、大英帝国がイングランド銀行に政府債務の肩代わりをさせる代償に通貨発行業務を独占させたことに端を発している。以下の記事で少し触れている。

南海泡沫事件: バブル経済の語源となった近世イギリスの株式バブルを振り返る


大英帝国の政治家たちは政府債務を中央銀行に押し付け、中央銀行に紙幣印刷させることで(暴落した紙幣の保有者の犠牲のもとに)積み上がった政府債務を解消できたので、この成功を見た他の国の政治家も同じことをやり始めたのである。読者も知っての通り、この方法は今でも各国政府によって実際に使われている。それが量的緩和である。

世界最大のヘッジファンド: ドルは既に紙くずになっている


政府の通貨独占を止めさせる

さて、国民はどうすれば良いか。勘の良い読者は気づいたかもしれないが、この話のポイントは政府が通貨発行をまず独占しなければならなかったということである。

何故政府は通貨発行を独占しなければならなかったか。他に使われている通貨があれば、少しでも法定通貨の価値が下がり始めると、多くの人が他のより堅調な通貨に移ろうとしただろうからである。

現在の話に照らして言えば、もし人々が法定通貨を含む複数の通貨を日常的に使っていれば、現在のインフレは物価の上昇ではなく法定通貨の下落ということになるだろう。そして法定通貨以外の通貨で見た物価は影響を受けない。

分かるだろうか。だからハイエク氏は、イングランド銀行以前にそうだったように、民間企業の通貨発行の権利を復活させることを主張している。元々紙幣とは、銀行にゴールドなどを預けていた預かり証だった。法定通貨もそうだった。だが政府が預かっていたゴールドを勝手に使ってしまい返せなくなった。それが金本位制の廃止である。アメリカではこの出来事はニクソンショックと呼ばれる。

レイ・ダリオ氏、「現金がゴミ」になったニクソンショックの経験を語る
通貨発行業務を独占した政府はやりたい放題である。だが様々な企業が通貨を発行するようになれば、その企業は自分の利益の源泉である自分の通貨の価値を守ろうとするだろうとハイエク氏は言う。彼は次のように述べている。

通貨の発行者同士が競争しなければならない場合、発行者にとって自分の通貨の減価は自殺行為になるだろう。人々がその通貨を使いたいと思っていた理由そのものを破壊してしまうからである。

結論

こうした最近の試みは、言うまでもなく暗号通貨だろう。中央銀行が緩和に転換すれば暗号通貨が暴騰すると見ているファンドマネージャーもいる。

チューダー・ジョーンズ氏: 利上げ停止でインフレ相場再開、ビットコイン暴騰へ


暗号通貨には実質的価値は何もない。だが法定の紙幣にも本質的には紙以上の価値などないのである。「政府が価値を保証している」と馬鹿げたことを言う人もいるが、政府は実際に通貨の価値を意図的に薄めている。それが金融緩和である。

利上げで預金者はインフレから資産防衛できるにもかかわらず日銀が利上げを行わない理由


ハイエク氏は通貨の発行者はそのサービス提供の然るべき対価を受け取るべきだと言っている。だがその業務を誰かが独占するとき、その利益は国民の大部分の資産をインフレで食い潰すほどに過剰になる。

それがハイエク氏の論点である。いずれにしても、ハイエク氏の著書やダリオ氏の考察などから歴史を学ぶことで自分の生きている時代のバイアスを取り払うことは読者にとって助けになるだろう。別に通貨は政府だけが発行すべきものではないし、紙幣も暗号通貨も本質的には等しく無価値である。

世界最大のヘッジファンド: 大英帝国の基軸通貨ポンドはいかに暴落したか
世界最大のヘッジファンド: 量的緩和で暴落した世界初の基軸通貨


頭を柔らかくしてから今のインフレとその原因である紙幣印刷をもう一度考えてもらいたい。
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/35579


▲△▽▼


ハイエク氏: 現金給付や補助金はそれを受けない人に対する窃盗である
2023年4月7日 globalmacroresearch
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/35564

世界的なインフレが問題となっているなかで、いくつかの国ではいまだに補助金や現金給付といった政策が人気である。

このことについて20世紀の大経済学者フリードリヒ・フォン・ハイエク氏の『貨幣発行自由化論』から彼の意見を取り上げよう。

紙幣印刷政策

リーマンショック以後、世界中の中央銀行が量的緩和政策、つまりは紙幣印刷によって金利を下げ、自国通貨の価値を下げる政策を行ってきた。

ハイエク氏は紙幣印刷政策について次のように述べている。

貸付のための紙幣を印刷することで人為的に貸付用の資金を安価にすることは、貸付先を助けるだけなく、他の人々を犠牲にすることによってではあるが、経済活動全体を少しの間刺激する。

一方でそうした紙幣発行が市場の操縦メカニズムを破壊する効果を持つことは理解されにくい。

そうして2008年以降、紙幣印刷と低金利政策が行われ続けた。それはインフレを目指すという名目のもと行われていた。

当時の未開人たちはインフレが物価上昇を意味するということを知らなかったので、インフレ政策は多くの人々に歓迎された。だがインフレが何を意味するかは誰も理解していなかった。

そしてコロナ以後にはついに人々の口座に直接資金を放り込む現金給付まで行われた。そしてそれはついにインフレを引き起こした。2021年には既に始まっていた現在の物価高騰がウクライナ情勢とは無関係であることは、ここでは何度も説明している。

ドラッケンミラー氏: プーチン氏が引き起こしたわけではないインフレの本当の理由


そしてインフレになって初めて人々はインフレは物価上昇という意味だということを理解した。文明がようやく生じ始めたのだろうか。

いや、そうでもないらしい。何故ならば、インフレ対策に例えば日本政府が行っていることは、電気・ガスの購入支援や全国旅行支援などのインフレ政策だからである。

ハイエク氏は次のように続ける。

しかし商品の追加購入のためのそうした資金供給は商品の相対的な価格の構造を歪め、資源を持続不可能な経済活動へと引き込み、後に起こる不可避の反作用の原因となる。

例えば全国旅行支援は旅行者が殺到したことで宿泊料金の高騰を引き起こし、しかもホテル側は需要の急増に対応できずに既存の従業員を酷使して後の雇用に影響を与えている。


日本政府の全国旅行支援で宿泊予約殺到してホテル代値上がり
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/29551

既存の従業員を酷使しても一時的な需要のために従業員を増やしても後で問題が生じる。それが歪みである。

だが日本政府はそんなことを気にしたりはしない。インフレにインフレ政策で対応するような人々にそれだけの頭脳があるわけがないのである。

紙幣印刷の本当の意味

果たして未開人はいつ文明化されるのだろうか。インフレの原因は需要に対してものが不足していることであり、ものの不足を紙幣印刷で解決することはできない。レイ・ダリオ氏はインフレが起こる前に次のように述べていた。

世界最大のヘッジファンド: 共産主義の悪夢が資本主義にのしかかる
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/10831


われわれが消費をできるかどうかはわれわれが生産できるかどうかに掛かっているのであり、政府から送られてくる紙幣の量に掛かっているではない。

紙幣は食べられない。

世の中にあるものの量が同じであるとき、紙幣だけを増やして一部の人々に配れば、その効果は本来他の人々が買えたものをその一部の人々に与えることになるだけである。全体のパイは変わらないのだから、その人々に与えたものは本来他の人々の取り分である。

これは現金給付だけでなく紙幣印刷全般に言える。例えば量的緩和政策は中央銀行が債券を買い入れることで債券価格と株価を上昇させる政策だが、その結果は債券と株式を持っている人が他の人の取り分を奪いながらより多く消費できるようになることである。

これは若者から老人へと資金を転移させる政策の一部でもある。


ドラッケンミラー氏、高齢者が若者から搾取する税制を痛烈批判

紙幣印刷という窃盗

ハイエク氏は次のように語っている。

自分で得たわけでも他人が放棄したわけでもないものを得る権利を特定の人々に与えることは、本当に窃盗と同じような犯罪である。

だが世の中における一番の犯罪者は捕まらない。トランプ氏は口止め料を事業費として計上したことで捕まる可能性があるそうだが、オバマ政権下でウクライナ政府を自分の好きなようにしたバイデン氏や、虚偽の理由でイラクに戦争を仕掛けたブッシュ氏は捕まらない。

サマーズ氏、トランプ元大統領の起訴について語る
ロシアのウクライナ侵攻でバイデン大統領が犯した一番の間違い

そして実質的には明らかな窃盗である量的緩和や現金給付も、政府がそれを行えば政治家が捕まることはない。

ハイエク氏はこう述べている。

一般的な理解が不足しているために、紙幣発行の独占者による過剰発行という犯罪はいまだ許容されているだけではなく称賛さえされている。

ちなみに日本政府は窃盗を行うだけではなく、物価指数の計算を恣意的に変えることで自分のせいで起こっているインフレを隠蔽している。

日本政府の詐欺的な物価指数の計算方法がインフレを悪化させる


人々はどうするべきか。日本政府による窃盗の被害者になりたくなければ、経済と金融市場を知ることである。インフレは資産運用で回避できる。

世界最大のヘッジファンド: 日本は金利高騰か通貨暴落かを選ぶことになる


ちなみにハイエク氏の『貨幣発行自由化論』(『貨幣論集』に含まれている)は1976年の発行である。だがまさに今のために書かれたような内容となっている。

インフレの意味さえ知らずにインフレ政策を支持した未開の人々が居た一方で、現在の状況を50年前に予想していた天才も居る。
政府による窃盗を投資で避けられる人がいる一方で、喜んで自分から窃盗される人もいる。

「株式投資は長期的にはほぼ儲かる」という主張が完全に間違っている理由


すべてはその人次第である。
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/35564


▲△▽▼


ハイエク: 政府から通貨発行の独占権を剥奪せよ
2021年1月30日 globalmacroresearch
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/12051

ここのところ続けて19世紀生まれの経済学者フリードリヒ・フォン・ハイエク氏の論考を紹介しているが、ようやく本題である。

新型コロナとハイエク経済学

2020年の新型コロナウィルスの世界的流行によって世界経済は未曾有の景気後退にさいなまれ、日本やアメリカなどの先進国政府は紙幣印刷や現金給付を行なって多数派の有権者の支持を取り付けた。

政府は中央銀行にいくらでも紙幣を刷らせることが出来るので、新型コロナで店舗や企業が儲からなくても人々は生活に困らないというわけである。

実際には先進国政府はコロナ前にも紙幣印刷を大量に行なってきた。その紙幣で中央銀行が国債を買い上げたために政府はいくらでも借金ができたのである。

その借金で政府は長らく有権者の支持を購入してきた。新型コロナで多くの人が亡くなっているにもかかわらず、政府の関心はオリンピックの開催とGO TOトラベルによって建設業界や広告業界、宿泊産業の政治的支持を取り付けることにある。これはどの国の政府も行なってきたことである。しかしアメリカではそうした慣習にも限界が来ている。インフレの到来である。

コロナ不況でデフレになる日本、インフレになるアメリカ


そして日本はその背中を追っている。

政府に借金をさせないために

政府が借金をこれほどまでに増やせなかったなら、政府がここまで好き放題にすることもなかっただろう。そして中央銀行が紙幣を印刷できなかったならば、政府が借金をここまで増やすことも不可能だっただろう。

通貨は政府が発行するものだというここ100年くらいの間に生まれた特異な考え方に慣れた者でなければ、これは当然の考え方である。そしてその当然の考え方を主流派経済学者の間違った意見に左右されずに主張し続けた経済学者がいる。ハイエク氏である。

戦前、戦後の時代にケインズ氏とやりあったハイエク氏は様々な経済学上の功績で有名だが、その中でも異彩を放つのが通貨発行自由化論である。ハイエク氏は政府のみならず民間企業や個人も通貨を発行すべきであり、政府の通貨と競争させることで政府の浪費を牽制できるという考え方の持ち主なのである。

ハイエク氏は彼の『貨幣論集』においてむしろ控えめに次のように述べている。

こうした提案は法定通貨という概念のもとで育ったすべての人にとって最初は馬鹿げたものに映るかもしれない。

しかしかつて紙幣を中央銀行に持っていけば金(ゴールド)と交換できた金本位制の時代の人々は、何と交換することもできない何の保証もない紙切れを大事に財布に持っている人々の方を不思議に思うだろう。

現代の通貨は本当に暴落しないのか

繰り返しになるが日本円もかつては金と交換できたのであり、金を中央銀行に預ける代わりに紙幣を受け取って、中央銀行に紙幣を持ち込めば預けた金が返ってきたのである。しかしいつの間にか金は返ってこなくなった。政府がそう決めたからである。では預けられていたはずの金は何処へ行ったのだろう。政府がすべて使ってしまったのである。

このようなあからさまな詐欺に多くの人々がまったく気付いていない。ハイエク氏は次のように述べる。

200年間の金本位制の時代だけを例外として、実際には歴史上ほとんどの政府が人々を騙し搾取するために通貨発行の独占権を行使してきた。

大英帝国のポンドやオランダ海洋帝国のギルダーが政府による紙幣印刷で暴落していったことは以前解説した通りである。


世界最大のヘッジファンド: 量的緩和で暴落した世界初の基軸通貨
世界最大のヘッジファンド: 大英帝国の基軸通貨ポンドはいかに暴落したか


そしてその犠牲者はその通貨を持っていた一般市民であり、政府ではなかった。通貨が暴落したときには既に政府は多額の借金をしてその資金を使い果たしてしまっていた。

根拠はないはずなのだが、現代のわれわれはこれを過去のことであり、今の円やドルには起こらないと無根拠に信じている。しかし実際にはメジャーな通貨の減価はゆるやかにしか起きないので、そのトレンドのただ中にいると気付かないだけなのである。

事実、1970年のドルの価値を100とし、その価値をゴールド本位で計算すると今のドルの価値は次のチャートのようになる。

https://www.globalmacroresearch.org/jp/wp-content/uploads/2021/01/since-1970-value-of-usd-in-gold-chart.png

ほぼ皆無である。そして2021年、コロナで大量の紙幣印刷と現金給付を行なったことにより、死に体のドルにはとどめが差されようとしている。

世界最大のヘッジファンド: ドルが下落したらアメリカは終わり
そしてアメリカに起こることは日本にも起こるのである。

ハイエク氏の通貨発行自由化論

こうした状況を打開するために ハイエク氏は政府から通貨発行の独占権を剥奪すべきだという。ハイエク氏は言う。

人々が使いたい通貨を自由に選択させてはなぜいけないのだろうか。

ハイエク氏が想定するのは政府だけではなく民間企業や個人が通貨を発行する世界である。そこでは人々は自分の好きな通貨で貯金をし、好きな通貨で買い物をする。好きな通貨で会計報告をして好きな通貨で納税をする。

彼は次のように続ける。

店主が現行のレートで望む通貨に即座に両替できると分かれば、すぐにどのような通貨に対しても適切な価格で商品を売るだろう。しかし政府の通貨で表示される物価だけが上昇していることが分かれば、政府の悪行はもっと早く察知されることになる。

そして人々はより安定した通貨を主に利用するようになるだろう。そうすれば通貨発行者は自分の通貨の価値をより安定させ、より多くの人に使われるように努力するようになる。ハイエク氏の主眼は通貨をこのような競争にさらさせることになるのである。彼は次のように続けている。

人々が信用できない通貨を拒否し、信用できる通貨を選んで使うことができるとすればどうか。政府が通貨を乱用するのを避けるためにはこれ以上に有力な抑止力は有り得ない。そうすれば通貨の供給を需要より低く抑えるかぎり、その通貨の需要は増大してゆくだろう。そしてそれは政府が通貨の安定性を維持させるための何よりも強い要因となる。

つまり、政府が無思慮に紙幣を膨大に印刷しようとすれば政府発行の通貨が使われなくなるという状況に直面させることで政府を律しようというわけである。

これは同様に民間の通貨発行者にも適用されるだろう。通貨発行者は手数料のような利益を(政府と同じように)得るだろうが、ハイエク氏の言う世界ではこれが今のように通貨発行権の独占の対価として与えられるのではなく、価値の安定した通貨を発行していることに対する対価として与えられるならば、通貨発行者に対して国民が払うコストは合理的なものになってゆくだろう。

少なくとも、金塊がいつの間にか盗まれているとか、数十年の間に価値がほぼゼロになっているとか、そういうことはなくなるはずである。有り得ないような話が日本円や米ドルで実際に起きているのである。

ハイエク: インフレ主義は非科学的迷信


https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/12051
http://www.asyura2.com/20/reki4/msg/922.html#c6

[近代史4] ミヒャエル・エンデの世界 中川隆
14. 中川隆[-7986] koaQ7Jey 2025年1月12日 10:36:03 : EtreNK33Rb : WU0xbGExbW83Lkk=[6]
<■87行くらい→右の▽クリックで次のコメントにジャンプ可>
ビットコイン相場が上がっている原因は中央銀行が紙幣を増やし続けている事
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=16887076


現在の通貨制度を根本から変えるミヒャエル・エンデとシルビオ・ゲゼルの「減価する貨幣」理論

1999年5月4日 エンデの遺言 金融資本主義の問答。 - YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=0oFSrTxYKHw

続エンデの遺言 坂本龍一 銀行の"未来" - YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=wPtV4KKhbeY

ミヒャエル・エンデの世界
http://www.asyura2.com/20/reki4/msg/846.html

シルビオ・ゲゼルの世界
http://www.asyura2.com/20/reki4/msg/922.html


ハイエクの通貨発行自由化論

ハイエク: インフレを引き起こすインフレ政策を止めさせるには民間企業が通貨を発行すべき
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/35579

ハイエク: 政府から通貨発行の独占権を剥奪せよ
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/12051

史上最高の経済学者ハイエクの警鐘
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=14040247

ハイエク: 緩やかなインフレが有益であるという幻想
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/31597

ハイエク: インフレ主義は非科学的迷信
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/11992

ハイエク: インフレ減速後の失業増加は避けられない
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/31421

ハイエク: コストプッシュ型インフレは政府の責任回避の言い訳に過ぎない
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/31363
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=14068389

ハイエク: 現金給付や補助金はそれを受けない人に対する窃盗である
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/35564

大西つねきの日本国債廃止、政府紙幣発行理論

大西つねきの世界
http://www.asyura2.com/21/reki7/msg/162.html

大西つねきがやろうとしていること(第49回衆議院選挙に向けて)
https://www.youtube.com/watch?v=Z0aesmYcl0U

ハイエク、フリードマンのマネタリズムの世界
http://www.asyura2.com/20/reki4/msg/913.html

マルクスの貨幣論
http://www.asyura2.com/20/reki4/msg/1119.html

マルクス経済学の世界
http://www.asyura2.com/20/reki4/msg/915.html

信用貨幣論に基づく信用創造
http://www.asyura2.com/20/reki4/msg/919.html

商品貨幣論
http://www.asyura2.com/20/reki4/msg/1751.html

信用貨幣論
http://www.asyura2.com/20/reki4/msg/1750.html

本当のインフレは政府統計よりも酷い、紙幣の価値は下がり続ける
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/58361

GDPでは国民所得はわからない _ 日本人の平均月収は15万円以下
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=14042843

GDP・経済成長率や株価の上昇に意味は無い
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=16866187

東アジア3か国は地価を上げることで資産価値を上げ、GDPをかさ上げする手法でGDPを積み増してきました
http://www.asyura2.com/20/reki5/msg/1476.html

手軽なGDP倍増方法 _ 日本は資産バブル政策に舵を切るか
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=14090370

日本の労働者の方がアメリカの労働者より裕福だった _ マンハッタンのダイソーは270円
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=14027380
http://www.asyura2.com/20/reki4/msg/846.html#c14

[近代史4] シルビオ・ゲゼルの世界 中川隆
7. 中川隆[-7985] koaQ7Jey 2025年1月12日 10:36:36 : EtreNK33Rb : WU0xbGExbW83Lkk=[7]
<■87行くらい→右の▽クリックで次のコメントにジャンプ可>
ビットコイン相場が上がっている原因は中央銀行が紙幣を増やし続けている事
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=16887076


現在の通貨制度を根本から変えるミヒャエル・エンデとシルビオ・ゲゼルの「減価する貨幣」理論

1999年5月4日 エンデの遺言 金融資本主義の問答。 - YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=0oFSrTxYKHw

続エンデの遺言 坂本龍一 銀行の"未来" - YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=wPtV4KKhbeY

ミヒャエル・エンデの世界
http://www.asyura2.com/20/reki4/msg/846.html

シルビオ・ゲゼルの世界
http://www.asyura2.com/20/reki4/msg/922.html


ハイエクの通貨発行自由化論

ハイエク: インフレを引き起こすインフレ政策を止めさせるには民間企業が通貨を発行すべき
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/35579

ハイエク: 政府から通貨発行の独占権を剥奪せよ
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/12051

史上最高の経済学者ハイエクの警鐘
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=14040247

ハイエク: 緩やかなインフレが有益であるという幻想
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/31597

ハイエク: インフレ主義は非科学的迷信
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/11992

ハイエク: インフレ減速後の失業増加は避けられない
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/31421

ハイエク: コストプッシュ型インフレは政府の責任回避の言い訳に過ぎない
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/31363
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=14068389

ハイエク: 現金給付や補助金はそれを受けない人に対する窃盗である
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/35564

大西つねきの日本国債廃止、政府紙幣発行理論

大西つねきの世界
http://www.asyura2.com/21/reki7/msg/162.html

大西つねきがやろうとしていること(第49回衆議院選挙に向けて)
https://www.youtube.com/watch?v=Z0aesmYcl0U

ハイエク、フリードマンのマネタリズムの世界
http://www.asyura2.com/20/reki4/msg/913.html

マルクスの貨幣論
http://www.asyura2.com/20/reki4/msg/1119.html

マルクス経済学の世界
http://www.asyura2.com/20/reki4/msg/915.html

信用貨幣論に基づく信用創造
http://www.asyura2.com/20/reki4/msg/919.html

商品貨幣論
http://www.asyura2.com/20/reki4/msg/1751.html

信用貨幣論
http://www.asyura2.com/20/reki4/msg/1750.html

本当のインフレは政府統計よりも酷い、紙幣の価値は下がり続ける
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/58361

GDPでは国民所得はわからない _ 日本人の平均月収は15万円以下
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=14042843

GDP・経済成長率や株価の上昇に意味は無い
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=16866187

東アジア3か国は地価を上げることで資産価値を上げ、GDPをかさ上げする手法でGDPを積み増してきました
http://www.asyura2.com/20/reki5/msg/1476.html

手軽なGDP倍増方法 _ 日本は資産バブル政策に舵を切るか
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=14090370

日本の労働者の方がアメリカの労働者より裕福だった _ マンハッタンのダイソーは270円
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=14027380
http://www.asyura2.com/20/reki4/msg/922.html#c7

[近代史4] ハイエク、フリードマンのマネタリズムの世界 中川隆
14. 中川隆[-7984] koaQ7Jey 2025年1月12日 10:37:15 : EtreNK33Rb : WU0xbGExbW83Lkk=[8]
<■87行くらい→右の▽クリックで次のコメントにジャンプ可>
ビットコイン相場が上がっている原因は中央銀行が紙幣を増やし続けている事
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=16887076


現在の通貨制度を根本から変えるミヒャエル・エンデとシルビオ・ゲゼルの「減価する貨幣」理論

1999年5月4日 エンデの遺言 金融資本主義の問答。 - YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=0oFSrTxYKHw

続エンデの遺言 坂本龍一 銀行の"未来" - YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=wPtV4KKhbeY

ミヒャエル・エンデの世界
http://www.asyura2.com/20/reki4/msg/846.html

シルビオ・ゲゼルの世界
http://www.asyura2.com/20/reki4/msg/922.html


ハイエクの通貨発行自由化論

ハイエク: インフレを引き起こすインフレ政策を止めさせるには民間企業が通貨を発行すべき
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/35579

ハイエク: 政府から通貨発行の独占権を剥奪せよ
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/12051

史上最高の経済学者ハイエクの警鐘
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=14040247

ハイエク: 緩やかなインフレが有益であるという幻想
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/31597

ハイエク: インフレ主義は非科学的迷信
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/11992

ハイエク: インフレ減速後の失業増加は避けられない
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/31421

ハイエク: コストプッシュ型インフレは政府の責任回避の言い訳に過ぎない
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/31363
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=14068389

ハイエク: 現金給付や補助金はそれを受けない人に対する窃盗である
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/35564

大西つねきの日本国債廃止、政府紙幣発行理論

大西つねきの世界
http://www.asyura2.com/21/reki7/msg/162.html

大西つねきがやろうとしていること(第49回衆議院選挙に向けて)
https://www.youtube.com/watch?v=Z0aesmYcl0U

ハイエク、フリードマンのマネタリズムの世界
http://www.asyura2.com/20/reki4/msg/913.html

マルクスの貨幣論
http://www.asyura2.com/20/reki4/msg/1119.html

マルクス経済学の世界
http://www.asyura2.com/20/reki4/msg/915.html

信用貨幣論に基づく信用創造
http://www.asyura2.com/20/reki4/msg/919.html

商品貨幣論
http://www.asyura2.com/20/reki4/msg/1751.html

信用貨幣論
http://www.asyura2.com/20/reki4/msg/1750.html

本当のインフレは政府統計よりも酷い、紙幣の価値は下がり続ける
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/58361

GDPでは国民所得はわからない _ 日本人の平均月収は15万円以下
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=14042843

GDP・経済成長率や株価の上昇に意味は無い
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=16866187

東アジア3か国は地価を上げることで資産価値を上げ、GDPをかさ上げする手法でGDPを積み増してきました
http://www.asyura2.com/20/reki5/msg/1476.html

手軽なGDP倍増方法 _ 日本は資産バブル政策に舵を切るか
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=14090370

日本の労働者の方がアメリカの労働者より裕福だった _ マンハッタンのダイソーは270円
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=14027380
http://www.asyura2.com/20/reki4/msg/913.html#c14

[近代史4] 信用貨幣論に基づく信用創造 中川隆
20. 中川隆[-7983] koaQ7Jey 2025年1月12日 10:37:36 : EtreNK33Rb : WU0xbGExbW83Lkk=[9]
<■87行くらい→右の▽クリックで次のコメントにジャンプ可>
ビットコイン相場が上がっている原因は中央銀行が紙幣を増やし続けている事
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=16887076


現在の通貨制度を根本から変えるミヒャエル・エンデとシルビオ・ゲゼルの「減価する貨幣」理論

1999年5月4日 エンデの遺言 金融資本主義の問答。 - YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=0oFSrTxYKHw

続エンデの遺言 坂本龍一 銀行の"未来" - YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=wPtV4KKhbeY

ミヒャエル・エンデの世界
http://www.asyura2.com/20/reki4/msg/846.html

シルビオ・ゲゼルの世界
http://www.asyura2.com/20/reki4/msg/922.html


ハイエクの通貨発行自由化論

ハイエク: インフレを引き起こすインフレ政策を止めさせるには民間企業が通貨を発行すべき
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/35579

ハイエク: 政府から通貨発行の独占権を剥奪せよ
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/12051

史上最高の経済学者ハイエクの警鐘
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=14040247

ハイエク: 緩やかなインフレが有益であるという幻想
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/31597

ハイエク: インフレ主義は非科学的迷信
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/11992

ハイエク: インフレ減速後の失業増加は避けられない
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/31421

ハイエク: コストプッシュ型インフレは政府の責任回避の言い訳に過ぎない
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/31363
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=14068389

ハイエク: 現金給付や補助金はそれを受けない人に対する窃盗である
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/35564

大西つねきの日本国債廃止、政府紙幣発行理論

大西つねきの世界
http://www.asyura2.com/21/reki7/msg/162.html

大西つねきがやろうとしていること(第49回衆議院選挙に向けて)
https://www.youtube.com/watch?v=Z0aesmYcl0U

ハイエク、フリードマンのマネタリズムの世界
http://www.asyura2.com/20/reki4/msg/913.html

マルクスの貨幣論
http://www.asyura2.com/20/reki4/msg/1119.html

マルクス経済学の世界
http://www.asyura2.com/20/reki4/msg/915.html

信用貨幣論に基づく信用創造
http://www.asyura2.com/20/reki4/msg/919.html

商品貨幣論
http://www.asyura2.com/20/reki4/msg/1751.html

信用貨幣論
http://www.asyura2.com/20/reki4/msg/1750.html

本当のインフレは政府統計よりも酷い、紙幣の価値は下がり続ける
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/58361

GDPでは国民所得はわからない _ 日本人の平均月収は15万円以下
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=14042843

GDP・経済成長率や株価の上昇に意味は無い
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=16866187

東アジア3か国は地価を上げることで資産価値を上げ、GDPをかさ上げする手法でGDPを積み増してきました
http://www.asyura2.com/20/reki5/msg/1476.html

手軽なGDP倍増方法 _ 日本は資産バブル政策に舵を切るか
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=14090370

日本の労働者の方がアメリカの労働者より裕福だった _ マンハッタンのダイソーは270円
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=14027380
http://www.asyura2.com/20/reki4/msg/919.html#c20

[近代史4] 信用貨幣論 中川隆
9. 中川隆[-7982] koaQ7Jey 2025年1月12日 10:37:56 : EtreNK33Rb : WU0xbGExbW83Lkk=[10]
<■87行くらい→右の▽クリックで次のコメントにジャンプ可>
ビットコイン相場が上がっている原因は中央銀行が紙幣を増やし続けている事
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=16887076


現在の通貨制度を根本から変えるミヒャエル・エンデとシルビオ・ゲゼルの「減価する貨幣」理論

1999年5月4日 エンデの遺言 金融資本主義の問答。 - YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=0oFSrTxYKHw

続エンデの遺言 坂本龍一 銀行の"未来" - YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=wPtV4KKhbeY

ミヒャエル・エンデの世界
http://www.asyura2.com/20/reki4/msg/846.html

シルビオ・ゲゼルの世界
http://www.asyura2.com/20/reki4/msg/922.html


ハイエクの通貨発行自由化論

ハイエク: インフレを引き起こすインフレ政策を止めさせるには民間企業が通貨を発行すべき
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/35579

ハイエク: 政府から通貨発行の独占権を剥奪せよ
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/12051

史上最高の経済学者ハイエクの警鐘
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=14040247

ハイエク: 緩やかなインフレが有益であるという幻想
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/31597

ハイエク: インフレ主義は非科学的迷信
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/11992

ハイエク: インフレ減速後の失業増加は避けられない
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/31421

ハイエク: コストプッシュ型インフレは政府の責任回避の言い訳に過ぎない
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/31363
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=14068389

ハイエク: 現金給付や補助金はそれを受けない人に対する窃盗である
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/35564

大西つねきの日本国債廃止、政府紙幣発行理論

大西つねきの世界
http://www.asyura2.com/21/reki7/msg/162.html

大西つねきがやろうとしていること(第49回衆議院選挙に向けて)
https://www.youtube.com/watch?v=Z0aesmYcl0U

ハイエク、フリードマンのマネタリズムの世界
http://www.asyura2.com/20/reki4/msg/913.html

マルクスの貨幣論
http://www.asyura2.com/20/reki4/msg/1119.html

マルクス経済学の世界
http://www.asyura2.com/20/reki4/msg/915.html

信用貨幣論に基づく信用創造
http://www.asyura2.com/20/reki4/msg/919.html

商品貨幣論
http://www.asyura2.com/20/reki4/msg/1751.html

信用貨幣論
http://www.asyura2.com/20/reki4/msg/1750.html

本当のインフレは政府統計よりも酷い、紙幣の価値は下がり続ける
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/58361

GDPでは国民所得はわからない _ 日本人の平均月収は15万円以下
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=14042843

GDP・経済成長率や株価の上昇に意味は無い
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=16866187

東アジア3か国は地価を上げることで資産価値を上げ、GDPをかさ上げする手法でGDPを積み増してきました
http://www.asyura2.com/20/reki5/msg/1476.html

手軽なGDP倍増方法 _ 日本は資産バブル政策に舵を切るか
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=14090370

日本の労働者の方がアメリカの労働者より裕福だった _ マンハッタンのダイソーは270円
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=14027380
http://www.asyura2.com/20/reki4/msg/1750.html#c9

[近代史4] 新自由主義の世界 中川隆
20. 中川隆[-7981] koaQ7Jey 2025年1月12日 10:38:20 : EtreNK33Rb : WU0xbGExbW83Lkk=[11]
<■87行くらい→右の▽クリックで次のコメントにジャンプ可>
ビットコイン相場が上がっている原因は中央銀行が紙幣を増やし続けている事
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=16887076


現在の通貨制度を根本から変えるミヒャエル・エンデとシルビオ・ゲゼルの「減価する貨幣」理論

1999年5月4日 エンデの遺言 金融資本主義の問答。 - YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=0oFSrTxYKHw

続エンデの遺言 坂本龍一 銀行の"未来" - YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=wPtV4KKhbeY

ミヒャエル・エンデの世界
http://www.asyura2.com/20/reki4/msg/846.html

シルビオ・ゲゼルの世界
http://www.asyura2.com/20/reki4/msg/922.html


ハイエクの通貨発行自由化論

ハイエク: インフレを引き起こすインフレ政策を止めさせるには民間企業が通貨を発行すべき
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/35579

ハイエク: 政府から通貨発行の独占権を剥奪せよ
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/12051

史上最高の経済学者ハイエクの警鐘
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=14040247

ハイエク: 緩やかなインフレが有益であるという幻想
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/31597

ハイエク: インフレ主義は非科学的迷信
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/11992

ハイエク: インフレ減速後の失業増加は避けられない
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/31421

ハイエク: コストプッシュ型インフレは政府の責任回避の言い訳に過ぎない
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/31363
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=14068389

ハイエク: 現金給付や補助金はそれを受けない人に対する窃盗である
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/35564

大西つねきの日本国債廃止、政府紙幣発行理論

大西つねきの世界
http://www.asyura2.com/21/reki7/msg/162.html

大西つねきがやろうとしていること(第49回衆議院選挙に向けて)
https://www.youtube.com/watch?v=Z0aesmYcl0U

ハイエク、フリードマンのマネタリズムの世界
http://www.asyura2.com/20/reki4/msg/913.html

マルクスの貨幣論
http://www.asyura2.com/20/reki4/msg/1119.html

マルクス経済学の世界
http://www.asyura2.com/20/reki4/msg/915.html

信用貨幣論に基づく信用創造
http://www.asyura2.com/20/reki4/msg/919.html

商品貨幣論
http://www.asyura2.com/20/reki4/msg/1751.html

信用貨幣論
http://www.asyura2.com/20/reki4/msg/1750.html

本当のインフレは政府統計よりも酷い、紙幣の価値は下がり続ける
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/58361

GDPでは国民所得はわからない _ 日本人の平均月収は15万円以下
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=14042843

GDP・経済成長率や株価の上昇に意味は無い
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=16866187

東アジア3か国は地価を上げることで資産価値を上げ、GDPをかさ上げする手法でGDPを積み増してきました
http://www.asyura2.com/20/reki5/msg/1476.html

手軽なGDP倍増方法 _ 日本は資産バブル政策に舵を切るか
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=14090370

日本の労働者の方がアメリカの労働者より裕福だった _ マンハッタンのダイソーは270円
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=14027380
http://www.asyura2.com/20/reki4/msg/916.html#c20

[近代史4] 新自由主義の世界 中川隆
21. 中川隆[-7980] koaQ7Jey 2025年1月12日 10:39:49 : EtreNK33Rb : WU0xbGExbW83Lkk=[12]
<■471行くらい→右の▽クリックで次のコメントにジャンプ可>
ハイエク氏: 民間が良い通貨を発行すれば、価値が下がる政府の通貨は誰も使わなくなる
2025年1月5日 globalmacroresearch
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/58085

オーストリア学派の大経済学者、フリードリヒ・フォン・ハイエク氏の著書『貨幣発行自由化論』から、通貨の価値を下げる政府や中央銀行の紙幣印刷から国民が資産を守る方法を論じている部分を紹介したい。

インフレと貨幣価値の下落

コロナ後に先進国が行なった大量の量的緩和と現金給付によって各国はインフレまたは通貨安に晒された。

ポールソン氏: 量的緩和がインフレを引き起こした
物価が上がったと人は言うが、より正確に言えば皆が持っている紙幣の価値が下がったのである。物価上昇と言えば「もの」の方を何とかすることを対処として考えがちだが、本当の問題は紙幣印刷によって紙幣の価値が下がっていることなのである。

前回の記事では、世界最大のヘッジファンドを創業したレイ・ダリオ氏が、歴史的に見てそもそも通貨とは価値が長期的に下げられてゆくもので、それは避けられないのだと論じていた。

レイ・ダリオ氏: すべての通貨は最終的に価値を落とされて死ぬという歴史的事実を認識すべき


だが何故通貨の価値は下がるのか。政治家が政府支出をしたいがために、中央銀行に紙幣を印刷させるからである。

それは止められないのか。そこが今回ハイエク氏が論じている論点である。

紙幣印刷の独占という特権

これまでの記事で書いた通り、政府が紙幣を印刷する理由は自分で積み上げた政府債務を無視して更に政府支出を行い、自分の票田からの期待に応えることである。

そしてそれは持っている紙幣の価値を薄められる国民の犠牲のもとに行われる。

レイ・ダリオ氏: 人々が自国通貨の無価値さに気付くにつれてゴールドやシルバーへの逃避が加速する


だがそもそも何故中央銀行は紙幣を印刷し、紙幣の価値を勝手に薄められるのだろうか。ハイエク氏は次のように書いている。

何故人々は自分を搾取し騙すために恒常的に使われているこの特権を、2000年以上もの間政府に使わせたまま我慢しているのだろうか。

このことは、政府にこの特権は必要だという神話が、経済の専門家でさえもそれに疑問を抱こうとは思わないほど強固に根付いてしまっていることが原因だとしか説明できない。

通貨発行を自由化せよ

だがこの特権は、国民が決済や貯蓄に自国通貨しか使わないという事実によって生じている。誰もが日本円で貯蓄し生活しているから、その価値を薄められた時にインフレや通貨安という形で国民に災難が降りかかるのである。

これはいわば、国民が政府と中央銀行に自分の資産を薄めさせる権限を自主的に与えているようなものである。だからハイエク氏はそれを不思議がっているのである。

だが日本円を使えなければどうすれば良いのか。そこでハイエク氏は、『貨幣発行自由化論』の名前の通り、通貨の発行を自由化し、民間の業者も独自の通貨を発行できるようにすべきだと主張しているのである。

通貨同士を競争させる

重要な点は、国民に複数の通貨を使わせて、その中から自分の資産を守ってくれる通貨を選ばせるという点である。

驚くべきことに、ハイエク氏と同じようにオーストリア学派の経済学者でありアルゼンチンの大統領でもあるハビエル・ミレイ氏は、アルゼンチンで実際にそれを行なっている。

ミレイ氏は大手銀行と協力してドルでもアルゼンチン・ペソでも決済できるデビットカードを用意し、国民にどちらを使いたいか選ばせるようにしている。

ミレイ大統領: 政府が紙幣印刷で価値を薄める通貨は他のまともな通貨との競争に晒されるべき


そうすればどうなるか。政治家が自分の好きなように価値を薄められる通貨は誰も使わなくなるのである。

ハイエク氏は次のように言っている。

通貨が人々に受け入れられるように供給をコントロールすることは、個々の通貨の発行者の能力に委ねられる。そして彼らは競争によってそうすることを強いられる。

通貨の発行者は、その期待に応えることに失敗すれば自分のビジネスを即座に失うと理解している。

通貨の価値を守ることが発行者の利益に繋がる

この提案の根底には、他人の利益を守る者こそが自分も利益を得るべきだというオーストリア学派の経済学の信念がある。

その信念は、元を辿ればマクロ経済学の父アダム・スミス氏の『国富論』から始まっていいる。

アダム・スミス氏: 乞食だけが補助金や給付金にすがる、そうでない人々は自分の成果を他人と交換する


ハイエク氏はこう続けている。

通貨発行業に参入して成功すれば、それはとても儲かるビジネスになる。そしてその成功は、通貨の発行者が自分で宣言した目標を遂行できるという信用を確立できるかどうかにかかっている。

この状況下では、利益を得たいという発行者の願望が、これまで政府が発行してきたような通貨よりも良い通貨を生み出すのではないか。

実際、例えばビットコインを発明したサトシ・ナカモト氏は大いに儲かったはずだ。彼こそがビットコインの最初の所有者だからである。

ビットコインには、供給を制限するという考え方が最初から存在している。ナカモト氏はもしかしたらハイエク氏の著書を読んでいたのかもしれない。

一方で、政府発行の現行通貨のように、発行者が好き放題に発行でき、価値がどんどん下がってゆく通貨はどうなるか。ハイエク氏は次のように述べている。

通貨の発行者間での競争は、報道や通貨取引所での監視によって激しいものとなる。

自分の発行した通貨の価値を守るために迅速に行動しなかった哀れな発行者は、厳しい批判に晒されることになるだろう。

人々にとって良いものを作る人こそが利益を得ることができるという経済学の考え方を、通貨にも適用すべきだとハイエク氏は言っているのである。そうすれば政府も紙幣印刷を濫用することはできなくなる。

だが現在はそうなっていない。アベノミクス以来、日本円の価値はドルに比べて約半分になっているが、それでも日本国民は日本円を使っている。

それは代わりがないからである。それでも状況に気付いている一部の人々は貴金属などを利用して自国通貨の価値下落を避けている。

レイ・ダリオ氏: 人々が自国通貨の無価値さに気付くにつれてゴールドやシルバーへの逃避が加速する


政府発行の紙幣からの逃避は始まっている。通貨はこれからどうなるのか。ハイエク氏が提案したような世界は来るのだろうか。

筆者からすればハイエク氏の著書は何十年も前からある古典に過ぎないのだが、ここに来て彼の著作があまりに重要になっている。


日経BPクラシックス 貨幣発行自由化論 改訂版――競争通貨の理論と実行に関する分析 – 2020/4/23
フリードリヒ・ハイエク(Friedrich Hayek) (著), 村井 章子 (翻訳)
https://www.amazon.co.jp/%E6%97%A5%E7%B5%8CBP%E3%82%AF%E3%83%A9%E3%82%B7%E3%83%83%E3%82%AF%E3%82%B9-%E8%B2%A8%E5%B9%A3%E7%99%BA%E8%A1%8C%E8%87%AA%E7%94%B1%E5%8C%96%E8%AB%96-%E6%94%B9%E8%A8%82%E7%89%88%E2%80%95%E2%80%95%E7%AB%B6%E4%BA%89%E9%80%9A%E8%B2%A8%E3%81%AE%E7%90%86%E8%AB%96%E3%81%A8%E5%AE%9F%E8%A1%8C%E3%81%AB%E9%96%A2%E3%81%99%E3%82%8B%E5%88%86%E6%9E%90-%E3%83%95%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%83%89%E3%83%AA%E3%83%92%E3%83%BB%E3%83%8F%E3%82%A4%E3%82%A8%E3%82%AF-Friedrich/dp/4822288846?__mk_ja_JP=%E3%82%AB%E3%82%BF%E3%82%AB%E3%83%8A&crid=170ZG41SHOQFK&dib=eyJ2IjoiMSJ9.SdqxaNQEk6LNtuNdCh_IHn-LaM0UI6iqWqEGd85SxineBJ3uJwf8QD4YxN5SA-VtSbfmrmYeYihhgQKXrpHaeN0PuPrDXll6bHFq9zVFZ4KjDg79wb0CoJFP8MO1Yuc83S5PrfEbbySV7QnFkBECpyx09zrwbF7lTfYMLn8TxUgaeDGhHr1cYz2HGSdvrKC5rP7XGBZ-mBCghhTmaJkCTf6xKhH_yzxLRMuJGOKQqiEnxQM6PuVtadO5Yz-kpHkkHZyjc1YPL-MeyHqOBbyyWyl8WApX7cI5CnwBuwyLavPB8QVlxSvv6AGlj6EONY9x_yozdAG6l-EBYOBXyr7plem-KILThX21J8hAnjE5Yc6yLqDUzr8zwp_qc-o6P_vcNbKGOhrQT3EFjkNfPQfBH19qI4O3PplcFagVC8rB291o0rMQBs9-1p9OE4BMoUMH.gx-ClnGgLNLCyW98BW40BFMKoygnG8Zx2N-jW97uhdY&dib_tag=se&keywords=%E3%83%8F%E3%82%A4%E3%82%A8%E3%82%AF&qid=1734327256&sprefix=%E3%83%8F%E3%82%A4%E3%82%A8%E3%82%AF,aps,198&sr=8-16&linkCode=sl1&tag=asyuracom-22&linkId=53ddc5afdb081720626431d126c25d03&language=ja_JP&ref_=as_li_ss_tl

https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/58085


▲△▽▼


ハイエク氏: インフレを引き起こすインフレ政策を止めさせるには民間企業が通貨を発行すべき
2023年4月8日 globalmacroresearch
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/35579


20世紀最大のマクロ経済学者フリードリヒ・フォン・ハイエク氏の『貨幣発行自由化論』より、政府がインフレ政策によりインフレを引き起こすことを止めさせるためにはどうすれば良いかを語った部分を紹介したい。

現金給付の本当の意味

前回の記事では、政府による現金給付や補助金をいった政策がそれを受けられない人々からそれを受ける人々へと購買力を恣意的に移転させる政策であるということを説明した。

ハイエク氏: 現金給付や補助金はそれを受けない人に対する窃盗である
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/35564


インフレとは需要に対してものが不足している状態のことなので、そこに紙幣を印刷して配ったところでもの自体が増えるわけではなく、誰かが給付金で購入した商品は元々別の人が購入できるはずだったものである。そしてその別の人は給付金が引き起こしたインフレでものが買えなくなる。

事実、そうしたインフレが全国旅行支援によって日本の宿泊料金で起こっているのだから、その仕組みは経済が専門でない人々にも明らかだろう。だからこれを窃盗と呼ぶことは極めて適切である。

日本政府の全国旅行支援で宿泊予約殺到してホテル代値上がり

実際、ここでは何度も説明しているように、現在の物価高騰はコロナ後に世界中で行われた現金給付がもたらしたものである。インフレは2021年から始まっており、2022年のウクライナ情勢はインフレとは無関係であることは何度も説明しておいた。

世界最高の経済学者サマーズ氏が説明するインフレの本当の理由
結局のところ、インフレ政策とは政治家が大半の人々を犠牲にして票田にばら撒きを行うための政策であり、しかもインフレになれば積み上がった政府債務が戦後のドイツのように帳消しになるのだから、政治家にとっては良いことしかない。

事実、日本で(インフレが懸念されている今でさえ)行われている現金給付の対象が住民税非課税世帯に限られているのは、非課税世帯の多くを占める引退した高齢者の票を得るためである。だからそれは労働世代には回ってこない。

ドラッケンミラー氏、高齢者が若者から搾取する税制を痛烈批判

インフレ政策を止めさせるために

ハイエク氏の『貨幣発行自由化論』は50年近く前の本であるにもかかわらず、その内容が今の政治家にも適用できるということは、政治家のやることはいつの時代も変わらないということである。

だからハイエク氏は利己的な政府に対して人々が自衛する方法も書いている。彼はばら撒き政策を窃盗と呼んだ上で次のように述べている。

通貨発行の独占者、特に政府によってこの犯罪が犯された場合、それは非常に儲かる犯罪となり、しかも紙幣印刷の帰結が理解されていないためにそれは一般に許容されており罰を受けないままとなっている。

何故そうなるか。まず前提条件として、歴史上これまで発行されたほとんどすべての通貨は発行者による減価によって長期的には価値が下落し最終的には無価値になってきた。これについてはレイ・ダリオ氏が研究している。

世界最大のヘッジファンド: 大英帝国の基軸通貨ポンドはいかに暴落したか
世界最大のヘッジファンド: 量的緩和で暴落した世界初の基軸通貨

現在でも紙幣印刷を窃盗と同じものとして批判できる頭のある人々がほとんどいないために、紙幣印刷は政治家にとって捕まらない窃盗となっている。レイ・ダリオ氏が次のように言っていたことを思い出したい。

世界最大のヘッジファンド: 政府が金融危機から守ってくれると思うな


歴史を見れば明らかだが、政府が経済的に国民を守ってくれると信頼してはならない。実際は逆であり、ほとんどの政府はあなたが同じ立場だったらそうするであろう同じ理由で、貨幣と債務の創造者かつ使用者としての特権を乱用するだろう。

恐らくダリオ氏はハイエク氏の著作を読んでいると思う。

だから歴史上ほぼすべての通貨は長期的には減価する。そして金融の知識のある人間は、例えばゴールドなどを買うことで紙幣が紙切れになる(あるいは紙幣は元々紙切れである)ことによる被害を避けられるかもしれないが、ほとんどの人々は他に通貨の選択肢がないと思い込まされているため、政府による自国通貨の減価(これはインフレ政策と完全に同義である)によって資産を失ってしまう。日本でもアメリカでもインフレによって事実そうなっている。

通貨の民営化

他に通貨の選択肢がないと「思い込まされている」とはどういうことか? 今生きているすべての人は、通貨とは政府が発行するものだというバイアスを埋め込まれている。生まれた頃から法定通貨が普通の世の中に生きているからである。

だが歴史的にはこれは新しい概念である。現代の法定通貨の概念は、大英帝国がイングランド銀行に政府債務の肩代わりをさせる代償に通貨発行業務を独占させたことに端を発している。以下の記事で少し触れている。

南海泡沫事件: バブル経済の語源となった近世イギリスの株式バブルを振り返る


大英帝国の政治家たちは政府債務を中央銀行に押し付け、中央銀行に紙幣印刷させることで(暴落した紙幣の保有者の犠牲のもとに)積み上がった政府債務を解消できたので、この成功を見た他の国の政治家も同じことをやり始めたのである。読者も知っての通り、この方法は今でも各国政府によって実際に使われている。それが量的緩和である。

世界最大のヘッジファンド: ドルは既に紙くずになっている


政府の通貨独占を止めさせる

さて、国民はどうすれば良いか。勘の良い読者は気づいたかもしれないが、この話のポイントは政府が通貨発行をまず独占しなければならなかったということである。

何故政府は通貨発行を独占しなければならなかったか。他に使われている通貨があれば、少しでも法定通貨の価値が下がり始めると、多くの人が他のより堅調な通貨に移ろうとしただろうからである。

現在の話に照らして言えば、もし人々が法定通貨を含む複数の通貨を日常的に使っていれば、現在のインフレは物価の上昇ではなく法定通貨の下落ということになるだろう。そして法定通貨以外の通貨で見た物価は影響を受けない。

分かるだろうか。だからハイエク氏は、イングランド銀行以前にそうだったように、民間企業の通貨発行の権利を復活させることを主張している。元々紙幣とは、銀行にゴールドなどを預けていた預かり証だった。法定通貨もそうだった。だが政府が預かっていたゴールドを勝手に使ってしまい返せなくなった。それが金本位制の廃止である。アメリカではこの出来事はニクソンショックと呼ばれる。

レイ・ダリオ氏、「現金がゴミ」になったニクソンショックの経験を語る
通貨発行業務を独占した政府はやりたい放題である。だが様々な企業が通貨を発行するようになれば、その企業は自分の利益の源泉である自分の通貨の価値を守ろうとするだろうとハイエク氏は言う。彼は次のように述べている。

通貨の発行者同士が競争しなければならない場合、発行者にとって自分の通貨の減価は自殺行為になるだろう。人々がその通貨を使いたいと思っていた理由そのものを破壊してしまうからである。

結論

こうした最近の試みは、言うまでもなく暗号通貨だろう。中央銀行が緩和に転換すれば暗号通貨が暴騰すると見ているファンドマネージャーもいる。

チューダー・ジョーンズ氏: 利上げ停止でインフレ相場再開、ビットコイン暴騰へ


暗号通貨には実質的価値は何もない。だが法定の紙幣にも本質的には紙以上の価値などないのである。「政府が価値を保証している」と馬鹿げたことを言う人もいるが、政府は実際に通貨の価値を意図的に薄めている。それが金融緩和である。

利上げで預金者はインフレから資産防衛できるにもかかわらず日銀が利上げを行わない理由


ハイエク氏は通貨の発行者はそのサービス提供の然るべき対価を受け取るべきだと言っている。だがその業務を誰かが独占するとき、その利益は国民の大部分の資産をインフレで食い潰すほどに過剰になる。

それがハイエク氏の論点である。いずれにしても、ハイエク氏の著書やダリオ氏の考察などから歴史を学ぶことで自分の生きている時代のバイアスを取り払うことは読者にとって助けになるだろう。別に通貨は政府だけが発行すべきものではないし、紙幣も暗号通貨も本質的には等しく無価値である。

世界最大のヘッジファンド: 大英帝国の基軸通貨ポンドはいかに暴落したか
世界最大のヘッジファンド: 量的緩和で暴落した世界初の基軸通貨


頭を柔らかくしてから今のインフレとその原因である紙幣印刷をもう一度考えてもらいたい。
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/35579


▲△▽▼


ハイエク氏: 現金給付や補助金はそれを受けない人に対する窃盗である
2023年4月7日 globalmacroresearch
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/35564

世界的なインフレが問題となっているなかで、いくつかの国ではいまだに補助金や現金給付といった政策が人気である。

このことについて20世紀の大経済学者フリードリヒ・フォン・ハイエク氏の『貨幣発行自由化論』から彼の意見を取り上げよう。

紙幣印刷政策

リーマンショック以後、世界中の中央銀行が量的緩和政策、つまりは紙幣印刷によって金利を下げ、自国通貨の価値を下げる政策を行ってきた。

ハイエク氏は紙幣印刷政策について次のように述べている。

貸付のための紙幣を印刷することで人為的に貸付用の資金を安価にすることは、貸付先を助けるだけなく、他の人々を犠牲にすることによってではあるが、経済活動全体を少しの間刺激する。

一方でそうした紙幣発行が市場の操縦メカニズムを破壊する効果を持つことは理解されにくい。

そうして2008年以降、紙幣印刷と低金利政策が行われ続けた。それはインフレを目指すという名目のもと行われていた。

当時の未開人たちはインフレが物価上昇を意味するということを知らなかったので、インフレ政策は多くの人々に歓迎された。だがインフレが何を意味するかは誰も理解していなかった。

そしてコロナ以後にはついに人々の口座に直接資金を放り込む現金給付まで行われた。そしてそれはついにインフレを引き起こした。2021年には既に始まっていた現在の物価高騰がウクライナ情勢とは無関係であることは、ここでは何度も説明している。

ドラッケンミラー氏: プーチン氏が引き起こしたわけではないインフレの本当の理由


そしてインフレになって初めて人々はインフレは物価上昇という意味だということを理解した。文明がようやく生じ始めたのだろうか。

いや、そうでもないらしい。何故ならば、インフレ対策に例えば日本政府が行っていることは、電気・ガスの購入支援や全国旅行支援などのインフレ政策だからである。

ハイエク氏は次のように続ける。

しかし商品の追加購入のためのそうした資金供給は商品の相対的な価格の構造を歪め、資源を持続不可能な経済活動へと引き込み、後に起こる不可避の反作用の原因となる。

例えば全国旅行支援は旅行者が殺到したことで宿泊料金の高騰を引き起こし、しかもホテル側は需要の急増に対応できずに既存の従業員を酷使して後の雇用に影響を与えている。


日本政府の全国旅行支援で宿泊予約殺到してホテル代値上がり
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/29551

既存の従業員を酷使しても一時的な需要のために従業員を増やしても後で問題が生じる。それが歪みである。

だが日本政府はそんなことを気にしたりはしない。インフレにインフレ政策で対応するような人々にそれだけの頭脳があるわけがないのである。

紙幣印刷の本当の意味

果たして未開人はいつ文明化されるのだろうか。インフレの原因は需要に対してものが不足していることであり、ものの不足を紙幣印刷で解決することはできない。レイ・ダリオ氏はインフレが起こる前に次のように述べていた。

世界最大のヘッジファンド: 共産主義の悪夢が資本主義にのしかかる
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/10831


われわれが消費をできるかどうかはわれわれが生産できるかどうかに掛かっているのであり、政府から送られてくる紙幣の量に掛かっているではない。

紙幣は食べられない。

世の中にあるものの量が同じであるとき、紙幣だけを増やして一部の人々に配れば、その効果は本来他の人々が買えたものをその一部の人々に与えることになるだけである。全体のパイは変わらないのだから、その人々に与えたものは本来他の人々の取り分である。

これは現金給付だけでなく紙幣印刷全般に言える。例えば量的緩和政策は中央銀行が債券を買い入れることで債券価格と株価を上昇させる政策だが、その結果は債券と株式を持っている人が他の人の取り分を奪いながらより多く消費できるようになることである。

これは若者から老人へと資金を転移させる政策の一部でもある。


ドラッケンミラー氏、高齢者が若者から搾取する税制を痛烈批判

紙幣印刷という窃盗

ハイエク氏は次のように語っている。

自分で得たわけでも他人が放棄したわけでもないものを得る権利を特定の人々に与えることは、本当に窃盗と同じような犯罪である。

だが世の中における一番の犯罪者は捕まらない。トランプ氏は口止め料を事業費として計上したことで捕まる可能性があるそうだが、オバマ政権下でウクライナ政府を自分の好きなようにしたバイデン氏や、虚偽の理由でイラクに戦争を仕掛けたブッシュ氏は捕まらない。

サマーズ氏、トランプ元大統領の起訴について語る
ロシアのウクライナ侵攻でバイデン大統領が犯した一番の間違い

そして実質的には明らかな窃盗である量的緩和や現金給付も、政府がそれを行えば政治家が捕まることはない。

ハイエク氏はこう述べている。

一般的な理解が不足しているために、紙幣発行の独占者による過剰発行という犯罪はいまだ許容されているだけではなく称賛さえされている。

ちなみに日本政府は窃盗を行うだけではなく、物価指数の計算を恣意的に変えることで自分のせいで起こっているインフレを隠蔽している。

日本政府の詐欺的な物価指数の計算方法がインフレを悪化させる


人々はどうするべきか。日本政府による窃盗の被害者になりたくなければ、経済と金融市場を知ることである。インフレは資産運用で回避できる。

世界最大のヘッジファンド: 日本は金利高騰か通貨暴落かを選ぶことになる


ちなみにハイエク氏の『貨幣発行自由化論』(『貨幣論集』に含まれている)は1976年の発行である。だがまさに今のために書かれたような内容となっている。

インフレの意味さえ知らずにインフレ政策を支持した未開の人々が居た一方で、現在の状況を50年前に予想していた天才も居る。
政府による窃盗を投資で避けられる人がいる一方で、喜んで自分から窃盗される人もいる。

「株式投資は長期的にはほぼ儲かる」という主張が完全に間違っている理由


すべてはその人次第である。
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/35564


▲△▽▼


ハイエク: 政府から通貨発行の独占権を剥奪せよ
2021年1月30日 globalmacroresearch
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/12051

ここのところ続けて19世紀生まれの経済学者フリードリヒ・フォン・ハイエク氏の論考を紹介しているが、ようやく本題である。

新型コロナとハイエク経済学

2020年の新型コロナウィルスの世界的流行によって世界経済は未曾有の景気後退にさいなまれ、日本やアメリカなどの先進国政府は紙幣印刷や現金給付を行なって多数派の有権者の支持を取り付けた。

政府は中央銀行にいくらでも紙幣を刷らせることが出来るので、新型コロナで店舗や企業が儲からなくても人々は生活に困らないというわけである。

実際には先進国政府はコロナ前にも紙幣印刷を大量に行なってきた。その紙幣で中央銀行が国債を買い上げたために政府はいくらでも借金ができたのである。

その借金で政府は長らく有権者の支持を購入してきた。新型コロナで多くの人が亡くなっているにもかかわらず、政府の関心はオリンピックの開催とGO TOトラベルによって建設業界や広告業界、宿泊産業の政治的支持を取り付けることにある。これはどの国の政府も行なってきたことである。しかしアメリカではそうした慣習にも限界が来ている。インフレの到来である。

コロナ不況でデフレになる日本、インフレになるアメリカ


そして日本はその背中を追っている。

政府に借金をさせないために

政府が借金をこれほどまでに増やせなかったなら、政府がここまで好き放題にすることもなかっただろう。そして中央銀行が紙幣を印刷できなかったならば、政府が借金をここまで増やすことも不可能だっただろう。

通貨は政府が発行するものだというここ100年くらいの間に生まれた特異な考え方に慣れた者でなければ、これは当然の考え方である。そしてその当然の考え方を主流派経済学者の間違った意見に左右されずに主張し続けた経済学者がいる。ハイエク氏である。

戦前、戦後の時代にケインズ氏とやりあったハイエク氏は様々な経済学上の功績で有名だが、その中でも異彩を放つのが通貨発行自由化論である。ハイエク氏は政府のみならず民間企業や個人も通貨を発行すべきであり、政府の通貨と競争させることで政府の浪費を牽制できるという考え方の持ち主なのである。

ハイエク氏は彼の『貨幣論集』においてむしろ控えめに次のように述べている。

こうした提案は法定通貨という概念のもとで育ったすべての人にとって最初は馬鹿げたものに映るかもしれない。

しかしかつて紙幣を中央銀行に持っていけば金(ゴールド)と交換できた金本位制の時代の人々は、何と交換することもできない何の保証もない紙切れを大事に財布に持っている人々の方を不思議に思うだろう。

現代の通貨は本当に暴落しないのか

繰り返しになるが日本円もかつては金と交換できたのであり、金を中央銀行に預ける代わりに紙幣を受け取って、中央銀行に紙幣を持ち込めば預けた金が返ってきたのである。しかしいつの間にか金は返ってこなくなった。政府がそう決めたからである。では預けられていたはずの金は何処へ行ったのだろう。政府がすべて使ってしまったのである。

このようなあからさまな詐欺に多くの人々がまったく気付いていない。ハイエク氏は次のように述べる。

200年間の金本位制の時代だけを例外として、実際には歴史上ほとんどの政府が人々を騙し搾取するために通貨発行の独占権を行使してきた。

大英帝国のポンドやオランダ海洋帝国のギルダーが政府による紙幣印刷で暴落していったことは以前解説した通りである。


世界最大のヘッジファンド: 量的緩和で暴落した世界初の基軸通貨
世界最大のヘッジファンド: 大英帝国の基軸通貨ポンドはいかに暴落したか


そしてその犠牲者はその通貨を持っていた一般市民であり、政府ではなかった。通貨が暴落したときには既に政府は多額の借金をしてその資金を使い果たしてしまっていた。

根拠はないはずなのだが、現代のわれわれはこれを過去のことであり、今の円やドルには起こらないと無根拠に信じている。しかし実際にはメジャーな通貨の減価はゆるやかにしか起きないので、そのトレンドのただ中にいると気付かないだけなのである。

事実、1970年のドルの価値を100とし、その価値をゴールド本位で計算すると今のドルの価値は次のチャートのようになる。

https://www.globalmacroresearch.org/jp/wp-content/uploads/2021/01/since-1970-value-of-usd-in-gold-chart.png

ほぼ皆無である。そして2021年、コロナで大量の紙幣印刷と現金給付を行なったことにより、死に体のドルにはとどめが差されようとしている。

世界最大のヘッジファンド: ドルが下落したらアメリカは終わり
そしてアメリカに起こることは日本にも起こるのである。

ハイエク氏の通貨発行自由化論

こうした状況を打開するために ハイエク氏は政府から通貨発行の独占権を剥奪すべきだという。ハイエク氏は言う。

人々が使いたい通貨を自由に選択させてはなぜいけないのだろうか。

ハイエク氏が想定するのは政府だけではなく民間企業や個人が通貨を発行する世界である。そこでは人々は自分の好きな通貨で貯金をし、好きな通貨で買い物をする。好きな通貨で会計報告をして好きな通貨で納税をする。

彼は次のように続ける。

店主が現行のレートで望む通貨に即座に両替できると分かれば、すぐにどのような通貨に対しても適切な価格で商品を売るだろう。しかし政府の通貨で表示される物価だけが上昇していることが分かれば、政府の悪行はもっと早く察知されることになる。

そして人々はより安定した通貨を主に利用するようになるだろう。そうすれば通貨発行者は自分の通貨の価値をより安定させ、より多くの人に使われるように努力するようになる。ハイエク氏の主眼は通貨をこのような競争にさらさせることになるのである。彼は次のように続けている。

人々が信用できない通貨を拒否し、信用できる通貨を選んで使うことができるとすればどうか。政府が通貨を乱用するのを避けるためにはこれ以上に有力な抑止力は有り得ない。そうすれば通貨の供給を需要より低く抑えるかぎり、その通貨の需要は増大してゆくだろう。そしてそれは政府が通貨の安定性を維持させるための何よりも強い要因となる。

つまり、政府が無思慮に紙幣を膨大に印刷しようとすれば政府発行の通貨が使われなくなるという状況に直面させることで政府を律しようというわけである。

これは同様に民間の通貨発行者にも適用されるだろう。通貨発行者は手数料のような利益を(政府と同じように)得るだろうが、ハイエク氏の言う世界ではこれが今のように通貨発行権の独占の対価として与えられるのではなく、価値の安定した通貨を発行していることに対する対価として与えられるならば、通貨発行者に対して国民が払うコストは合理的なものになってゆくだろう。

少なくとも、金塊がいつの間にか盗まれているとか、数十年の間に価値がほぼゼロになっているとか、そういうことはなくなるはずである。有り得ないような話が日本円や米ドルで実際に起きているのである。

ハイエク: インフレ主義は非科学的迷信


https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/12051
http://www.asyura2.com/20/reki4/msg/916.html#c21

[近代史3] 東南アジアでみんなに嫌われているベトナム人の民族性とは 中川隆
17. 中川隆[-7979] koaQ7Jey 2025年1月12日 14:41:47 : EtreNK33Rb : WU0xbGExbW83Lkk=[13]
Chika VietVlog ベトナム探検隊 - YouTube
https://www.youtube.com/@chikavietvlog6755/playlists
https://www.youtube.com/@chikavietvlog6755/videos

【ベトナム旅行】行くなら覚悟。99%の人が直面、最も注意すべき詐欺被害9選。帰国後に気づく罠も...
Chika VietVlog ベトナム探検隊 2024/12/31
https://www.youtube.com/watch?v=_9wZyA-kX8Q
http://www.asyura2.com/18/reki3/msg/169.html#c17

[近代史3] アフター・ヒトラー 中川隆
28. 中川隆[-7978] koaQ7Jey 2025年1月12日 19:30:56 : EtreNK33Rb : WU0xbGExbW83Lkk=[14]
【ロシアに占領された結果】ドイツ捕虜の扱いが悲惨過ぎた【世界史】
世界しくじり発見【ゆっくり解説】2023/10/14
https://www.youtube.com/watch?v=6XFk3DUqZMg
http://www.asyura2.com/18/reki3/msg/405.html#c28
[リバイバル3] 金持ちの習慣を真似しても金持ちにはならない 中川隆
11. 中川隆[-7977] koaQ7Jey 2025年1月12日 23:57:35 : EtreNK33Rb : WU0xbGExbW83Lkk=[15]
<■92行くらい→右の▽クリックで次のコメントにジャンプ可>
成功者の真似をしても成功者にはなれない理由
2025.01.11
https://www.thutmosev.com/archives/32829920.html

ジョブズは優秀な友人にコンピュータを開発させ、自分の発明にして会社を乗っ取ったが、そういう事は決して伝記に書いていない。

stiv_0
引用:http://banco.az/sites/default/files/news/stiv_0.jpg
多くの成功者は世襲と才能と詐欺師という現実

世の中には成功する為の手法が溢れていて成功者の言葉や成功談を知る事ができるが、そういった「成功談」を読み、実行して成功した人をほとんど見かけない

成功者の多くは何か独創的なチャレンジが成功するか、真似したくてもできない強みを持っていました

イチローに憧れて野球選手になった人は居るだろうが、イチローや大谷の真似をして上手くいくとは思えない

成功者として模範にされる事が多いのは少し前なら松下幸之助や本田宗一郎、今は孫正義やジョブズやイーロンマスクなのだろうか

普通の人が成功者を見習うとき気をつけなければならないのは親から資産を受け継いだ人間には気をつけろ、という事です

資産は金や土地だけではない、人脈とか地位とか環境、交友関係、遺伝子や容姿、スポーツ、芸術の才能も資産で、頭が良いというのも親から受け継いだ遺伝子の資産です

才能を必要とする分野で成功した人の成功談や成功する為の秘訣を才能が無い人が聞いても無駄でしょう

世の中にはどうやってその職業につけるのか分からない職業が結構多く、政治家とか医者とか芸能人、歌舞伎役者とかです

こうした訳のわからない世界では2世がやたらと多く半ば世襲のようになっていて、世襲や人脈が効く職業は「特別な才能」が必要とされず、教育とか経験が物を言う事が多い

息子を野球選手やオリンピック選手にしたくても、才能がなければどうしようもないが、俳優の息子を俳優にしようと思えば出来てしまう

親と同じくらいの容姿に恵まれて、親の立ち居振る舞いを子供の時から見ていれば、一般の人より断然有利だし、加えてテレビ業界は人脈が有効なので、芸能人の言う成功の秘訣は信用できない

医者とか政治家についても言うまでも無く、親が重要な役割りを果たしていて、親がダメだとこれらの職業にはつけない

ビル・ゲイツ
日本人だと差しさわりが在るかも知れないので、有名な成功者がどんな人達かを見てみる

まずはビル・ゲイツで90年代から2000年代に掛けて、書店のビジネス本のかなりの部分がビルゲイツコーナーだった

みんな自分もビルゲイツになりたい、なれると思ったのだがビルゲイツも親の資産を引き継いでいました

あるビジネス調査では、世界的な富豪の7割は親の資産を受け継いだか、親の資産を増やした

女性については100%近くが親や夫など親族から貰った資産だった

ゲイツの両親はウィリアム・ヘンリー・ゲイツ・シニア(父)とマリー・マクスウェル・ゲイツ(母)で名前からしてフランスの王族みたいです

「ゲイツの両親の子育てに学ぶ」という本やウェブサイトもあるが、それより親が大資産家だった事が重要です

小学校・中学校・高校と名門校を優秀な成績で卒業し、高校の時に最初の会社を創設して州政府に製品を納入している

一般人がビルゲイツの模倣をしようとしても生まれが違うので無理という物です

スティーブ・ジョブズ
スティーブ・ジョブズの場合は親は金持ちではなく、大学に入るまで目立った存在では無かったようだ

頭は良かったが、その才能はヒッピー文化に憧れて汚い恰好を真似する事や、不正に長距離電話を掛ける装置などで使われた

インドを旅行するため大学を休んで、ゲーム会社のアタリで働いた後インド旅行をして帰国した

大学にも戻らず就職先も無いので、とりあえず元のアタリ社に復職した

ジョブズはそれほど有能な社員ではなく、自分に課せられた仕事を社外の人間に無断で下請けに出して、差額をピンハネして金儲けをした

どうも今日語られている「スティーブ・ジョブズ」とは別の人のようです

ジョブズが下請けに使い、金をピンハネしていた人物がウォズニアックで、彼が後にアップルコンピュータを開発した

ジョブズが働いていたアタリではコンピュータも製作していた

といっても単純な計算しかできない「めんどくさい電卓」の類だったらしいが、そこからヒントを得て前述のウォズニアックが製作したのがアップル1号機でした

この後アップル社はなぜかジョブズの所有物になり、実際にアップルを開発したウォズニアックは確執から退社した

創業者株主として100億円以上を得たはずだが、ビジネスは苦手なようで現在も残っているかは分からない

ウォーレン・バフェット
バフェットは現在投資の神様と呼ばれていて、世界一の個人資産家だが若い頃のビジネスは近所のデパートの万引きだった

父親は州議会議員で証券会社を営んでいて株のトレーダー、最初から投資のプロの英才教育を受けていた

初めて株を買ったのは11歳の時で、「釈迦の子供時代」のように神話になっているが、どう考えてもトレーダーだった父親が指導してやらせた事でした

祖父からコーラを買って転売したり、新聞配達やゴルフ場のバイトで投資資金を貯めたりと言った事も、要は子供の教育の一環だった

13歳のときに所得申告して自転車を仕事の経費として認めさせていて、これもバフェット神話の一つだが、自分で考えた事だとは思えない

色々な商売を自分でやりながら大学に進学し、証券や投資の世界で働く事を決めるが、結果的にこれは世襲で親と同じ職業です

優れた歌舞伎役者はたいてい親も優れた歌舞伎役者なのであり、素人は太刀打ちできない

バフェットは父親が経営する証券会社で働きながら実務を学び、その後皆が知っている大投資家になっていった

3人だけを紹介したが、伝記では決して書かれない部分に成功の理由が隠されていて、他人が後学で学ぶのは難しい

むしろ他の人がその秘密を全て知ったとしても、真似を出来ないからこそ、彼らは成功したように思える

もし他人が学べるような事で成功したなら、直ぐに他の人に追い落とされただろう

「成功者は他人が真似できない方法を持っていたから成功した」だから成功者の真似をしても成功はしないが結論のように思える
https://www.thutmosev.com/archives/32829920.html
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/918.html#c11

[近代史4] 売国政治家列伝 _ 安倍晋三 中川隆
96. 中川隆[-7976] koaQ7Jey 2025年1月13日 01:44:35 : EtreNK33Rb : WU0xbGExbW83Lkk=[16]
<■65行くらい→右の▽クリックで次のコメントにジャンプ可>
2025.01.13XML
安倍晋三が首相を辞任、そして殺害されたタイミング
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202501130000/

 安倍晋三は2020年9月16日、体調が悪化したとして総理大臣の座から降り、22年7月8日に射殺された。東京理科大学の村上康文名誉教授から「COVID-19(2019年-コロナウイルス感染症)ワクチン」の危険性を知らされた安倍は「ワクチン」の接種に消極的であり、またロシアや中国との関係を継続しようとしていたと言われている。

 西側の政府や有力メディアがSARS-CoV-2(重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2)を悪霊化する宣伝を展開、COVID-19(2019年-コロナウイルス感染症)騒動を煽る中でのこと。その翌年、イスラエルやアメリカなどより遅れて日本も「COVID-19ワクチン」と称する遺伝子操作薬の接種を本格化させている。

 そして2022年7月8日、安倍は奈良県奈良市の大和西大寺駅前で演説中に暗殺された。暗殺の直前、日本の経済界はアメリカの圧力を跳ね除け、サハリンでの石油や天然ガスの開発に向かっている。

 ロシア産天然ガスは世界支配を目論むアメリカの支配層にとって目障りな存在だった。この天然ガスがロシアをヨーロッパや日本と結びつける大きなファクターになっていたからだ。

 アメリカ政府はロシアへ圧力を加えるためにウクライナの制圧を目論み、2004年から05年にかけて「オレンジ革命」を実行したものの、支配は長続きしない。そこで2013年11月から14年2月にかけてネオ・ナチを利用したクーデターを実行、ロシアからEUへの天然ガス輸送ルートをコントロールしようとした。その結果、EUの経済は破綻へ向かうのだが、ロシアは中国との関係を強化して対応する。しかもアメリカによる経済封鎖はロシアの企業を成長させることになった。

 クーデター後、ウクライナでは軍や治安機関で約7割がネオ・ナチ体制を嫌って離脱、一部は反クーデター軍に合流したと言われている。東部や南部のロシア文化圏はそうした傾向が特に強く、戦力を強化しなければならなくなる。そこでアメリカ/NATOは2014年から22年にかけてウクライナへ兵器を供与し、兵士を訓練、マリウポリ、ソレダル、マリインカ、アウディーウカに築いた地下要塞を結ぶ要塞線を構築、「ヒトラーユーゲント」的なプロジェクトも始めた。そうした時間を稼ぐために利用されたのが「ミンスク合意」だ。

 ​アンゲラ・メルケル​元独首相は2022年12月7日、ツァイトに対してミンスク合意は軍事力を強化するための時間稼ぎだったと認めている。その直後に​フランソワ・オランド​元仏大統領はメルケルの発言を事実だと語った。

 ウクライナ軍は2022年に入るとドンバスの周辺に部隊を集結させ、砲撃を激化させ始める。ドンバスの市民を虐殺してロシア軍を要塞線の中へ誘い出して身動きが取れないようにし、別動体にクリミアを攻撃させる計画だったとも推測されているが、ロシア軍は2022年2月24日、ウクライナに対するミサイル攻撃を始めた。「後の先」だ。

 サハリン1を運営する会社の出資比率はアメリカのエクソンモービルが30%、日本のSODECO(サハリン石油ガス開発/伊藤忠商事、丸紅、石油資源開発などが共同出資)は30%、ロシアのロスネフチ関連会社が20%、インドのONGCが20%。このうちエクソンモービルは3月に撤退を表明している。

 サハリン2の場合、2月28日にシェルはこのプロジェクトを含むロシアでの全事業から撤退することを表明。アメリカ政府は日本に対しても撤退を求めたと思われるが、三井物産と三菱商事は2022年8月までに「サハリン2」の新会社に参画することをそれぞれ決めている。

 開発を進めるため、1994年にサハリン・エナジーが設立されたが、その出資比率はシェルが55%、三井物産25%、三菱商事20%。2006年にはロシアのガスプロムが参画することになり、ガスプロムが50%プラス1株、シェル27.5%、三井物産12.5%、三菱商事10%へ変更された。

 アメリカがウクライナで実行したクーデター、またノード・ストリーム1や2の破壊などによってヨーロッパ経済は大きなダメージを受け、ドイツの大手自動車会社フォルクスワーゲンは従業員代表に対し、ドイツ国内の少なくとも3つの工場を閉鎖、労働者を解雇する意向を伝えたと報道されている。ドイツ経済の破綻はEU経済の破綻でもある。それでもネオコンに従属しているのがEUのエリートだ。
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202501130000/
http://www.asyura2.com/20/reki4/msg/789.html#c96

[近代史4] 安倍首相辞任の裏に「CSISと朝鮮・田布施システム」! 米に見捨てられ実は逮捕寸前だった…暴かれた二階と今井の親中政治とは!? 中川隆
17. 中川隆[-7975] koaQ7Jey 2025年1月13日 01:45:15 : EtreNK33Rb : WU0xbGExbW83Lkk=[17]
<■65行くらい→右の▽クリックで次のコメントにジャンプ可>
2025.01.13XML
安倍晋三が首相を辞任、そして殺害されたタイミング
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202501130000/

 安倍晋三は2020年9月16日、体調が悪化したとして総理大臣の座から降り、22年7月8日に射殺された。東京理科大学の村上康文名誉教授から「COVID-19(2019年-コロナウイルス感染症)ワクチン」の危険性を知らされた安倍は「ワクチン」の接種に消極的であり、またロシアや中国との関係を継続しようとしていたと言われている。

 西側の政府や有力メディアがSARS-CoV-2(重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2)を悪霊化する宣伝を展開、COVID-19(2019年-コロナウイルス感染症)騒動を煽る中でのこと。その翌年、イスラエルやアメリカなどより遅れて日本も「COVID-19ワクチン」と称する遺伝子操作薬の接種を本格化させている。

 そして2022年7月8日、安倍は奈良県奈良市の大和西大寺駅前で演説中に暗殺された。暗殺の直前、日本の経済界はアメリカの圧力を跳ね除け、サハリンでの石油や天然ガスの開発に向かっている。

 ロシア産天然ガスは世界支配を目論むアメリカの支配層にとって目障りな存在だった。この天然ガスがロシアをヨーロッパや日本と結びつける大きなファクターになっていたからだ。

 アメリカ政府はロシアへ圧力を加えるためにウクライナの制圧を目論み、2004年から05年にかけて「オレンジ革命」を実行したものの、支配は長続きしない。そこで2013年11月から14年2月にかけてネオ・ナチを利用したクーデターを実行、ロシアからEUへの天然ガス輸送ルートをコントロールしようとした。その結果、EUの経済は破綻へ向かうのだが、ロシアは中国との関係を強化して対応する。しかもアメリカによる経済封鎖はロシアの企業を成長させることになった。

 クーデター後、ウクライナでは軍や治安機関で約7割がネオ・ナチ体制を嫌って離脱、一部は反クーデター軍に合流したと言われている。東部や南部のロシア文化圏はそうした傾向が特に強く、戦力を強化しなければならなくなる。そこでアメリカ/NATOは2014年から22年にかけてウクライナへ兵器を供与し、兵士を訓練、マリウポリ、ソレダル、マリインカ、アウディーウカに築いた地下要塞を結ぶ要塞線を構築、「ヒトラーユーゲント」的なプロジェクトも始めた。そうした時間を稼ぐために利用されたのが「ミンスク合意」だ。

 ​アンゲラ・メルケル​元独首相は2022年12月7日、ツァイトに対してミンスク合意は軍事力を強化するための時間稼ぎだったと認めている。その直後に​フランソワ・オランド​元仏大統領はメルケルの発言を事実だと語った。

 ウクライナ軍は2022年に入るとドンバスの周辺に部隊を集結させ、砲撃を激化させ始める。ドンバスの市民を虐殺してロシア軍を要塞線の中へ誘い出して身動きが取れないようにし、別動体にクリミアを攻撃させる計画だったとも推測されているが、ロシア軍は2022年2月24日、ウクライナに対するミサイル攻撃を始めた。「後の先」だ。

 サハリン1を運営する会社の出資比率はアメリカのエクソンモービルが30%、日本のSODECO(サハリン石油ガス開発/伊藤忠商事、丸紅、石油資源開発などが共同出資)は30%、ロシアのロスネフチ関連会社が20%、インドのONGCが20%。このうちエクソンモービルは3月に撤退を表明している。

 サハリン2の場合、2月28日にシェルはこのプロジェクトを含むロシアでの全事業から撤退することを表明。アメリカ政府は日本に対しても撤退を求めたと思われるが、三井物産と三菱商事は2022年8月までに「サハリン2」の新会社に参画することをそれぞれ決めている。

 開発を進めるため、1994年にサハリン・エナジーが設立されたが、その出資比率はシェルが55%、三井物産25%、三菱商事20%。2006年にはロシアのガスプロムが参画することになり、ガスプロムが50%プラス1株、シェル27.5%、三井物産12.5%、三菱商事10%へ変更された。

 アメリカがウクライナで実行したクーデター、またノード・ストリーム1や2の破壊などによってヨーロッパ経済は大きなダメージを受け、ドイツの大手自動車会社フォルクスワーゲンは従業員代表に対し、ドイツ国内の少なくとも3つの工場を閉鎖、労働者を解雇する意向を伝えたと報道されている。ドイツ経済の破綻はEU経済の破綻でもある。それでもネオコンに従属しているのがEUのエリートだ。
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202501130000/
http://www.asyura2.com/20/reki4/msg/1149.html#c17

[外国人参政権・外国人住民基本法01] 猿人間のジャップには毒入り牛肉でも食わせておけ 中川隆
26. 中川隆[-7974] koaQ7Jey 2025年1月13日 01:51:06 : EtreNK33Rb : WU0xbGExbW83Lkk=[18]
<■136行くらい→右の▽クリックで次のコメントにジャンプ可>
限界点に来た日本の畜産  食政策センター・ビジョン21代表 安田節子
2025年1月12日
https://www.chosyu-journal.jp/shakai/33492

 2024年2月時点の畜産統計によれば、酪農家は700戸減、肉用牛では2100戸減、養豚では240戸減と離農、廃業が加速し、畜産・酪農危機が深刻化している。

 なかでも酪農は危機的だ。10月に初めて酪農家戸数は9960戸と1万戸の大台を割り込んだ。9月時点で酪農家の6割が赤字と回答。酪農家の約半数が離農を検討していることも分かった。酪農家の4割以上は1カ月の赤字が100万円以上、86%が借入金を抱え、そのうち6軒に1軒は「1億円以上」という(一般社団法人中央酪農会議「酪農経営に関する実態調査」)。

輸入飼料で成り立つ日本の畜産

 畜産で特に経営を圧迫しているのが生産費の3割から4割を占める飼料の輸入価格の高騰だ。輸入飼料は濃厚飼料(トウモロコシ・大麦・小麦・大豆と油を絞った後の油粕など)で、主に米国から輸入している。濃厚飼料自給率(令和4年度)は13%しかない。濃厚飼料は近代化畜産に不可欠であり、ほぼ自給する粗飼料(青刈りトウモロコシの実と茎葉を発酵させるサイレージや牧草など)では不可能な、短時間での肥育、莫大な産乳・産卵を可能にしてきた。日本の畜産は飼料を米国に依存しなければ成り立たなくなっている【表1】。

 米国は日本に関税撤廃させて飼料穀物の輸出を推し進めた。その後、自由化交渉を通して畜産物も輸入せよと迫った。輸入は増え続け、いまや畜産物のほぼ半分を輸入が占めるようになった。

 牛肉の場合、1991年牛肉オレンジ自由化で数量規制から関税化に移行し牛肉輸入量は増大した。さらに日米貿易協定(2020年1月1日発効)により米国産牛肉に対する関税率がこれまでの38・5%から26・6%に引き下げられた。関税率は2023年度まで下げられ、最終的に9%となる。今後も輸入牛肉の価格は下がり続ける。

 酪農家の経営を圧迫するのが乳製品の低関税輸入枠(カレントアクセス)だ。

 この枠は、農産物の自由貿易を推進するGATTウルグアイ・ラウンド農業交渉の1993年の合意を基に95年度から設けられた。現行(カレント)の輸入実績に基づき、輸入の機会(アクセス)を他国に開き続けるというもの。日本の場合、生乳換算で13万7000dもの輸入枠が設定され、義務ではないのに毎年全量を輸入し続けている。

 コロナ禍による需要減で生乳がだぶつき、ウクライナ戦争や円安を背景とした飼料価格や電気代の高騰で、酪農家の経営が一段と悪化した。生乳の需要減との「ダブルパンチ」で疲弊しているのに、政府はカレントアクセス枠の全量輸入を続ける一方、酪農家には減産を強い、2023年3月から、乳牛を殺処分すれば1頭あたり15万円を交付するとし、4万頭を目標にした。余れば減産、不足には即輸入で酪農家を疲弊させてきた。

 また推進されてきた大規模化によってこの30年強の間で酪農家の戸数は5分の1ぐらいに減り、1戸あたりの頭数は3倍強にまで増加している。しかし、高価格の設備が負債となり、毎日搾乳が必要なのに生乳が売れない事態になれば日持ちできない生乳は廃棄するしかないなど、もろ経営に行き詰る【グラフ1】。

 政府は一貫して米国の工業的畜産に倣い、大規模化や肥育促進を進めてきた。しかし、今や、その弊害が露わになっている。

 品種改良では、「成長率の向上」や「乳量」、「産卵数」の増加、「肉質改良」、より多く産ませる「繁殖能力の向上」といった生産性の向上が追求されてきた。しかし、人為選抜をくりかえした品種改良(改変)によって、家畜や鶏が、本来備わっていた自然免疫力を失い、薬や抗生物質が不可欠となっている。

鶏の品種改良

 「ブロイラー」は鶏種ではなく米国の食鶏規格の用語で、孵化後2カ月半以内の若鶏の呼称だ。品種改良によって高速で成長し、通常、成鶏に達するのに4〜5カ月かかるところを40〜50日で成鶏の大きさに達する。

 【図1】では2005年のブロイラーの場合、44cの雛が56日目には4202cに高速で成長している。

海外依存の改良品種

 日本の養鶏事業は、原種鶏や種鶏をほぼ海外に頼る構造になっている。1963年から欧米の育種大手が開発した採卵鶏やブロイラーの種鶏の雛が大量に輸入されるようになった。たくさんの卵を産むように品種改良された採卵鶏、また短期間で急激に成長するように品種改良された肉用のブロイラー鶏が市場を席巻し、養鶏業は欧米企業依存の構造となった。輸出元の育種企業は種鶏・原種鶏を雄または雌の一方しか販売せず、そのため利用者は再生産を行うことはできない。

品種改良で病気に弱いブロイラー鶏

 肉用のブロイラーは骨格構造が成熟するよりも速い速度で体重が増加するため、脚弱、歩行困難に陥ることも珍しくなく短命だ。病気やウイルスに対する抵抗力も弱い。

鳥インフルエンザの蔓延

 年々、鳥インフルエンザの規模が拡大している。

 2024年11月、高病原性鳥インフルエンザの発生のシーズンとなり、発生が相次いでいる。過去最多だった2022年シーズンに匹敵するペースで発生。2022年は1771万羽という過去最大の殺処分となった。全国の養鶏場が大規模化しているからだ。大量の殺処分で鶏卵がひっ迫する事態となったが、ヒナから育てるわけだからすぐに不足分を補うことはできない。

 無症状の鶏も関係なく全殺処分というやり方に批判がある。分散型鶏舎にすることで全殺処分しない海外の取組もある。

密飼いの大規模工場養鶏が強毒性のウイルス変異を生む

 野鳥や渡り鳥がウイルスの運び屋とされ、農水省主導でウィンドレス(無窓)鶏舎建設が推奨されてきた。ところが、鳥インフルが発生した鶏舎の多くがウィンドレスの鶏舎だった。ウィンドレスで、ウイルスの侵入を100%防げるわけではない。ウイルスやこれを運ぶ小動物からみれば穴だらけなのだ。

 農業情報研究所の記事(2005年11月15日)によると、オタワ大学のウイルス学者アール・ブラウンがカナダの鳥インフルエンザ発生後に「高密度飼育は強毒性鳥インフルエンザ・ウイルスを生み出す完璧な環境である」と指摘。同年10月、国連タスクフォースは、鳥インフルエンザ・パンデミックの根源のひとつとして、“巨大な数の動物を小さな空間に密集させる”農業方法をあげている。

 鳥インフルエンザ・ウイルスが大規模養鶏場に侵入すると、密飼いされ免疫力の低い鶏たちの間で感染が次々と繰り返されていく。そのうちウイルスは高病原性の鳥インフルエンザ・ウイルスに変異してしまうのだ。

ブタの場合

 国の「家畜改良増殖目標」は、「増体性に関する遺伝的能力の向上を図る」ことを掲げてきた。成長の早さ(高増体率)で選抜を重ねた結果、急速成長するブタが肢に骨軟骨症を発症しやすくなっている。また、繁殖率の向上は子豚の死亡と母豚のストレスを増加させる。多くの研究が、産子数の増加は豚の福祉の低下の危険因子であると結論付けている。現在、日本の母豚一腹当たりの産子数は9〜10頭。豚はイノシシが家畜化されたものだが、イノシシは4〜5頭ほどの産子数なのでその倍になっている。政府の家畜改良増殖目標は令和12年度に11・2頭(ランドレース種)とし、さらに上を目指す。

増え続ける乳量

 農水省家畜改良増殖目標(2020年3月)によれば、乳用牛の1頭あたり年間乳量は図のように増加し続けている。2022年は8840`cに達し、1年間に9d近くもの牛乳が搾れる。驚異的な量だ。産まれた子牛が年間に必要な乳量は、1000`cほどだ。肉用牛の年間乳量が1000`cほどで、これが本来の乳量なのだ。

 農水省「家畜改良増殖目標」の2030年目標は9000〜9500`cとしている。「すでに乳量の伸び悩みが見られ、受胎率の低下や供用期間の短縮傾向が続いている」と記述されているが、それは限界点に来ていることを示している。配合飼料を多給する乳量偏重から長命の強健な乳牛への転換が求められる【グラフ2】。

 ホルスタイン種は、乳肉兼用種だったのを、米国やカナダでたくさん乳が出る乳専用種に「品種改良」された。乳専用種といっても人間と同じで出産しないと乳は出ない。人工授精し、出産させ、産まれてすぐに子牛を引き離し、人の消費のために乳を搾る。そうした乳用牛が「乳牛」だ。

 乳量の多い牛ほど病気が多い。原因は、大量の乳を出すことにエネルギーを費やし、代謝機能が阻害されるためだ。

 土着の在来種は経済性が低いとして飼われなくなって消え、人為的に作り出された限られた品種に人類の食料を依存している。

 鳥インフルエンザ、トンコレラ、口蹄疫等感染症の蔓延が家畜を襲っている。在来種が持っていた強靭さを失い免疫力が低下しているうえ、人為的選抜と近親交配によって同じ偏った遺伝子を保有する群れは、壊滅する危険性をはらんでいる。

 食肉検査で、病変のある内臓などを廃棄した一部廃棄率が6割を超えることに驚く。一部廃棄の肉は健康な畜産物とは言い難いが市場流通する【表2】。


 ストレスのある飼育と免疫力低下に対し薬剤が多用され、飼料は輸入の遺伝子組み換えの大豆やトウモロコシでグリホサートなど農薬も残留、それらが家畜や鶏の健康に悪影響を及ぼしている。

 飼料の輸入依存から脱却し、自給の飼料米や粗飼料に、さらに放牧にすれば、牛も豚も鶏も健康になる。耕作放棄地対策にもなる。欧州ではゆっくり成長する在来の鶏種を採用する動きが広がっている。動物福祉に配慮した幸せな飼育で強健な家畜・鶏を育てることがいま、日本の畜産に求められている。
https://www.chosyu-journal.jp/shakai/33492
http://www.asyura2.com/09/gaikokujin01/msg/516.html#c26

[近代史4] アメリカの食料戦略 中川隆
12. 中川隆[-7973] koaQ7Jey 2025年1月13日 01:51:29 : EtreNK33Rb : WU0xbGExbW83Lkk=[19]
<■136行くらい→右の▽クリックで次のコメントにジャンプ可>
限界点に来た日本の畜産  食政策センター・ビジョン21代表 安田節子
2025年1月12日
https://www.chosyu-journal.jp/shakai/33492

 2024年2月時点の畜産統計によれば、酪農家は700戸減、肉用牛では2100戸減、養豚では240戸減と離農、廃業が加速し、畜産・酪農危機が深刻化している。

 なかでも酪農は危機的だ。10月に初めて酪農家戸数は9960戸と1万戸の大台を割り込んだ。9月時点で酪農家の6割が赤字と回答。酪農家の約半数が離農を検討していることも分かった。酪農家の4割以上は1カ月の赤字が100万円以上、86%が借入金を抱え、そのうち6軒に1軒は「1億円以上」という(一般社団法人中央酪農会議「酪農経営に関する実態調査」)。

輸入飼料で成り立つ日本の畜産

 畜産で特に経営を圧迫しているのが生産費の3割から4割を占める飼料の輸入価格の高騰だ。輸入飼料は濃厚飼料(トウモロコシ・大麦・小麦・大豆と油を絞った後の油粕など)で、主に米国から輸入している。濃厚飼料自給率(令和4年度)は13%しかない。濃厚飼料は近代化畜産に不可欠であり、ほぼ自給する粗飼料(青刈りトウモロコシの実と茎葉を発酵させるサイレージや牧草など)では不可能な、短時間での肥育、莫大な産乳・産卵を可能にしてきた。日本の畜産は飼料を米国に依存しなければ成り立たなくなっている【表1】。

 米国は日本に関税撤廃させて飼料穀物の輸出を推し進めた。その後、自由化交渉を通して畜産物も輸入せよと迫った。輸入は増え続け、いまや畜産物のほぼ半分を輸入が占めるようになった。

 牛肉の場合、1991年牛肉オレンジ自由化で数量規制から関税化に移行し牛肉輸入量は増大した。さらに日米貿易協定(2020年1月1日発効)により米国産牛肉に対する関税率がこれまでの38・5%から26・6%に引き下げられた。関税率は2023年度まで下げられ、最終的に9%となる。今後も輸入牛肉の価格は下がり続ける。

 酪農家の経営を圧迫するのが乳製品の低関税輸入枠(カレントアクセス)だ。

 この枠は、農産物の自由貿易を推進するGATTウルグアイ・ラウンド農業交渉の1993年の合意を基に95年度から設けられた。現行(カレント)の輸入実績に基づき、輸入の機会(アクセス)を他国に開き続けるというもの。日本の場合、生乳換算で13万7000dもの輸入枠が設定され、義務ではないのに毎年全量を輸入し続けている。

 コロナ禍による需要減で生乳がだぶつき、ウクライナ戦争や円安を背景とした飼料価格や電気代の高騰で、酪農家の経営が一段と悪化した。生乳の需要減との「ダブルパンチ」で疲弊しているのに、政府はカレントアクセス枠の全量輸入を続ける一方、酪農家には減産を強い、2023年3月から、乳牛を殺処分すれば1頭あたり15万円を交付するとし、4万頭を目標にした。余れば減産、不足には即輸入で酪農家を疲弊させてきた。

 また推進されてきた大規模化によってこの30年強の間で酪農家の戸数は5分の1ぐらいに減り、1戸あたりの頭数は3倍強にまで増加している。しかし、高価格の設備が負債となり、毎日搾乳が必要なのに生乳が売れない事態になれば日持ちできない生乳は廃棄するしかないなど、もろ経営に行き詰る【グラフ1】。

 政府は一貫して米国の工業的畜産に倣い、大規模化や肥育促進を進めてきた。しかし、今や、その弊害が露わになっている。

 品種改良では、「成長率の向上」や「乳量」、「産卵数」の増加、「肉質改良」、より多く産ませる「繁殖能力の向上」といった生産性の向上が追求されてきた。しかし、人為選抜をくりかえした品種改良(改変)によって、家畜や鶏が、本来備わっていた自然免疫力を失い、薬や抗生物質が不可欠となっている。

鶏の品種改良

 「ブロイラー」は鶏種ではなく米国の食鶏規格の用語で、孵化後2カ月半以内の若鶏の呼称だ。品種改良によって高速で成長し、通常、成鶏に達するのに4〜5カ月かかるところを40〜50日で成鶏の大きさに達する。

 【図1】では2005年のブロイラーの場合、44cの雛が56日目には4202cに高速で成長している。

海外依存の改良品種

 日本の養鶏事業は、原種鶏や種鶏をほぼ海外に頼る構造になっている。1963年から欧米の育種大手が開発した採卵鶏やブロイラーの種鶏の雛が大量に輸入されるようになった。たくさんの卵を産むように品種改良された採卵鶏、また短期間で急激に成長するように品種改良された肉用のブロイラー鶏が市場を席巻し、養鶏業は欧米企業依存の構造となった。輸出元の育種企業は種鶏・原種鶏を雄または雌の一方しか販売せず、そのため利用者は再生産を行うことはできない。

品種改良で病気に弱いブロイラー鶏

 肉用のブロイラーは骨格構造が成熟するよりも速い速度で体重が増加するため、脚弱、歩行困難に陥ることも珍しくなく短命だ。病気やウイルスに対する抵抗力も弱い。

鳥インフルエンザの蔓延

 年々、鳥インフルエンザの規模が拡大している。

 2024年11月、高病原性鳥インフルエンザの発生のシーズンとなり、発生が相次いでいる。過去最多だった2022年シーズンに匹敵するペースで発生。2022年は1771万羽という過去最大の殺処分となった。全国の養鶏場が大規模化しているからだ。大量の殺処分で鶏卵がひっ迫する事態となったが、ヒナから育てるわけだからすぐに不足分を補うことはできない。

 無症状の鶏も関係なく全殺処分というやり方に批判がある。分散型鶏舎にすることで全殺処分しない海外の取組もある。

密飼いの大規模工場養鶏が強毒性のウイルス変異を生む

 野鳥や渡り鳥がウイルスの運び屋とされ、農水省主導でウィンドレス(無窓)鶏舎建設が推奨されてきた。ところが、鳥インフルが発生した鶏舎の多くがウィンドレスの鶏舎だった。ウィンドレスで、ウイルスの侵入を100%防げるわけではない。ウイルスやこれを運ぶ小動物からみれば穴だらけなのだ。

 農業情報研究所の記事(2005年11月15日)によると、オタワ大学のウイルス学者アール・ブラウンがカナダの鳥インフルエンザ発生後に「高密度飼育は強毒性鳥インフルエンザ・ウイルスを生み出す完璧な環境である」と指摘。同年10月、国連タスクフォースは、鳥インフルエンザ・パンデミックの根源のひとつとして、“巨大な数の動物を小さな空間に密集させる”農業方法をあげている。

 鳥インフルエンザ・ウイルスが大規模養鶏場に侵入すると、密飼いされ免疫力の低い鶏たちの間で感染が次々と繰り返されていく。そのうちウイルスは高病原性の鳥インフルエンザ・ウイルスに変異してしまうのだ。

ブタの場合

 国の「家畜改良増殖目標」は、「増体性に関する遺伝的能力の向上を図る」ことを掲げてきた。成長の早さ(高増体率)で選抜を重ねた結果、急速成長するブタが肢に骨軟骨症を発症しやすくなっている。また、繁殖率の向上は子豚の死亡と母豚のストレスを増加させる。多くの研究が、産子数の増加は豚の福祉の低下の危険因子であると結論付けている。現在、日本の母豚一腹当たりの産子数は9〜10頭。豚はイノシシが家畜化されたものだが、イノシシは4〜5頭ほどの産子数なのでその倍になっている。政府の家畜改良増殖目標は令和12年度に11・2頭(ランドレース種)とし、さらに上を目指す。

増え続ける乳量

 農水省家畜改良増殖目標(2020年3月)によれば、乳用牛の1頭あたり年間乳量は図のように増加し続けている。2022年は8840`cに達し、1年間に9d近くもの牛乳が搾れる。驚異的な量だ。産まれた子牛が年間に必要な乳量は、1000`cほどだ。肉用牛の年間乳量が1000`cほどで、これが本来の乳量なのだ。

 農水省「家畜改良増殖目標」の2030年目標は9000〜9500`cとしている。「すでに乳量の伸び悩みが見られ、受胎率の低下や供用期間の短縮傾向が続いている」と記述されているが、それは限界点に来ていることを示している。配合飼料を多給する乳量偏重から長命の強健な乳牛への転換が求められる【グラフ2】。

 ホルスタイン種は、乳肉兼用種だったのを、米国やカナダでたくさん乳が出る乳専用種に「品種改良」された。乳専用種といっても人間と同じで出産しないと乳は出ない。人工授精し、出産させ、産まれてすぐに子牛を引き離し、人の消費のために乳を搾る。そうした乳用牛が「乳牛」だ。

 乳量の多い牛ほど病気が多い。原因は、大量の乳を出すことにエネルギーを費やし、代謝機能が阻害されるためだ。

 土着の在来種は経済性が低いとして飼われなくなって消え、人為的に作り出された限られた品種に人類の食料を依存している。

 鳥インフルエンザ、トンコレラ、口蹄疫等感染症の蔓延が家畜を襲っている。在来種が持っていた強靭さを失い免疫力が低下しているうえ、人為的選抜と近親交配によって同じ偏った遺伝子を保有する群れは、壊滅する危険性をはらんでいる。

 食肉検査で、病変のある内臓などを廃棄した一部廃棄率が6割を超えることに驚く。一部廃棄の肉は健康な畜産物とは言い難いが市場流通する【表2】。


 ストレスのある飼育と免疫力低下に対し薬剤が多用され、飼料は輸入の遺伝子組み換えの大豆やトウモロコシでグリホサートなど農薬も残留、それらが家畜や鶏の健康に悪影響を及ぼしている。

 飼料の輸入依存から脱却し、自給の飼料米や粗飼料に、さらに放牧にすれば、牛も豚も鶏も健康になる。耕作放棄地対策にもなる。欧州ではゆっくり成長する在来の鶏種を採用する動きが広がっている。動物福祉に配慮した幸せな飼育で強健な家畜・鶏を育てることがいま、日本の畜産に求められている。
https://www.chosyu-journal.jp/shakai/33492
http://www.asyura2.com/20/reki4/msg/140.html#c12

[近代史4] 売国政治家列伝 _ 安倍晋三 中川隆
97. 中川隆[-7972] koaQ7Jey 2025年1月13日 02:22:37 : EtreNK33Rb : WU0xbGExbW83Lkk=[20]
<■178行くらい→右の▽クリックで次のコメントにジャンプ可>
植草一秀の『知られざる真実』2025年1月12日 (日)
地獄の始まり高額療養費改変
http://uekusak.cocolog-nifty.com/blog/2025/01/post-149266.html

2012年12月に発足した第2次安倍内閣は三つの経済政策方針を示した。

・インフレ誘導=金融緩和

・財政出動

・成長戦略

金融緩和と財政出動は財政金融政策に関する方針。

目新しいものでない。

しかし、この三つの経済政策を総称して「アベノミクス」としてアピールした。

しかし、インフレ誘導政策は一般国民=労働者=消費者=生活者=主権者にとって「百害あって一利のない政策」。

国民にとっては物価下落の方がはるかに恩恵が大きい。

しかし、政府と大企業にとっては逆。

インフレ進行は実質賃金を減少させ、企業の賃金コストを軽くする。

また、インフレ進行は政府の借金の重みを減らすとともに税収を拡大させるから政府にとってもインフレは大歓迎だ。

財政政策では2013年度に積極財政が実行されたが2014年度には消費税大増税実施が強行された。

積極財政は1年で終わった。

14年は消費税大増税による緊縮財政。

これを「アベコベノミクス」と呼ぶ。


財政金融政策は経済政策の中核でアベノミクスに目新しさはなかった。

アベノミクスを特徴づけたのは「成長戦略」だった。

「成長」という言葉はプラスの響きを持つが、「何の」成長であるかが重要。

アベノミクスの「成長戦略」は

「大企業利益の成長戦略」

=「一般国民不利益の成長戦略」

だった。

その内容は次の五つに要約できる。

1.一次産業自由化

2.医療自由化

3.労働規制撤廃=解雇自由化

4.法人税減税

5.特区創設

アベノミクスによって日本経済の成長率は上昇しなかった。

成長率平均値は2009年から2012年の民主党時代の方が高かった。

日本経済の成長率は年平均0.6%程度にとどまる。

日本経済の成長は実現しなかった。


「成長戦略」の1は日本の一次産業を外国資本に支配させるもの。

小規模農家による地産地消の農業、漁業等が破壊されてきた。

「働き方改革」なる施策が実施されたが、内実は「働かせ方改悪」だった。

長時間残業が合法化され、「定額働かせ放題労働プラン」が拡大され、正規非正規労働条件格差も温存されている。

さらに進んで、解雇の自由化が推進されている。

税制では所得の少ない国民から税金をむしり取る「消費税大増税」が推進される一方で巨大な法人税減税が遂行された。

所得税の金持ち優遇は温存されたままだ。

「特区」は特定業界、特定企業に利益を供与する政策。

新たな利権政治の温床と化した。

医療においてはすべての国民に提供される医療と富裕層だけが享受できる「二本立ての医療」への移行が推進されている。

保険適用外の医療が拡大し、十分な医療は富裕層しか受けられない状況が強まっている。

このなかで一般国民の命をぎりぎり繋いできた制度が「高額療養費制度」。

一般国民の命綱である。

社会保障支出を切りたい財務省はここに焦点を当ててくることを予言した。

それがいよいよ本格化する。

一般国民の命綱はいま切り落とされようとしている。
http://uekusak.cocolog-nifty.com/blog/2025/01/post-149266.html

植草一秀の『知られざる真実』2025年1月11日 (土)
インフレ誘導が間違っている理由
http://uekusak.cocolog-nifty.com/blog/2025/01/post-fcef83.html

日本のインフレ率は公式発表で2%台とされているが実感とかけ離れている。

さまざまな分野で広範な価格上昇が観察されている。

インフレ抑制は日銀の責務。

日本銀行法は第1条で目的として「通貨及び金融の調節を行うこと」と定め、第2条で「通貨及び金融調節の理念」を

「物価の安定を図ることを通じて国民経済の健全な発展に資すること」

と定めている。

2022年から2023年にかけて日本でも深刻なインフレが発生した。

ところが黒田日銀はインフレ抑止の政策スタンスを示さなかった。

2023年に日銀総裁を退任するまで黒田東彦氏は「インフレ推進」の旗を振り続けた。

日銀総裁が植田和男氏に交代して、ようやく日銀の金融政策運営の修正が始動した。

世の中では「インフレ推進」、「金融超緩和継続」を求める声が存在する。

2013年に始動した「インフレ誘導政策」を主張した人々だ。

彼らは日銀が短期金融市場に大規模資金を投入すればインフレが実現すると主張したが、現実には実現しなかった。

インフレ誘導政策は失敗した。

ところが、2022年から23年にかけて、これとは別の要因によって日本でインフレが発生した。


海外のインフレが日本に波及したこと、日本銀行が日本円暴落政策を遂行してきたことが背景。

しかし、インフレ進行は日本の国民=消費者=労働者=生活者にとっては「百害あって一利なし」の現象だった。

したがって、日銀は早期にインフレ抑止の政策を遂行するべきだったが、黒田日銀の対応が著しく遅れた。

黒田日銀はインフレを推進し、そのインフレの力によって賃上げを実現することを提唱した。

激しいインフレが発生して、たしかに一部で賃上げの動きは広がった。

しかし、労働者にとって重要な指標は単純な賃金上昇率ではない。

労働者にとって重要なのは「実質賃金上昇率」だ。

賃金が2%増えても、物価が4%上昇したらどうか。

実質賃金は2%減少してしまう。

2022年4月から2024年5月まで26ヵ月連続で労働者実質賃金は減り続けた。

24年6月と7月に実質賃金が前年比でわずかにプラス数値を記録したが、8月以降は再び前年比マイナスに転じた。

8月から11月まで再び4ヵ月連続の前年比マイナスが記録されている。

これまでに指摘してきたが、インフレ誘導政策は元々企業の賃金コストを削減するために提案されたものなのだ。

インフレが実現すれば賃金を据え置くだけで実質賃金を削減できる。


物価下落=デフレの局面では「賃下げ」が困難であるため実質賃金コストが拡大する。

これを回避するためにインフレ誘導が提案された。

したがって、インフレ進行下で実質賃金が減少するのは順当なこと。

労働者の実質賃金増大を目指すなら「インフレ誘導」は適正な政策対応でない。

インフレ進行を受けて一部の企業で賃上げが実施されているが、重要なことは賃上げがすべての企業で一律に実施されるものではないこと。

力のある大企業の正社員の賃金は増加するが、力の弱い企業では大幅賃上げは実現しない。

正社員の賃金は増加するが非正規労働者の賃金は増加しない。

インフレを推進して賃上げを奨励する結果、労働者間の格差が拡大する。

賃上げの恩恵を受けることができない弱い立場の労働者は賃金が増えないのに生活必需品の物価が大幅に上昇するという現実に直面している。

庶民のなけなしの虎の子預金はインフレで目減りする。

つまり、インフレを推進する政策は間違っているのだ。

日銀に求められる行動は「物価安定」を確実に確保すること。

「物価安定」を確実にしたうえで企業に賃上げを求めるのは正当。

ただし、企業に対しては正規労働者だけでなく非正規労働者の賃金引上げを強く求めなければならない。

国会においては、「インフレ誘導」が間違った政策目標であることを確認することが重要だ。

日本経済の回復=経済成長はインフレ誘導によっては実現しない。

経済成長政策を担うのは財政政策であることを確認するべきだ。
http://uekusak.cocolog-nifty.com/blog/2025/01/post-fcef83.html

植草一秀の『知られざる真実』2025年1月 9日
害悪だらけの日銀超緩和政策
http://uekusak.cocolog-nifty.com/blog/2025/01/post-16de73.html

12月19日の金融政策決定会合で日銀は金利引き上げを見送った。

利上げを見送った直接の要因は、前日の12月18日に米国FRBが利下げを決定したものの、先行きの金利引き下げペースを緩やかにする方針が明示されて米国株価が急落したことにある。

NYダウは12月17日終値43,449ドルから1,123ドル急落して18日は42,326ドルで取引を終了した。

FRBはFFレートの見通しを公表した。

9月FOMCでは2025年末のFFレート水準を3.25〜3.50%としていたが、12月FOMCでは3.75〜4.00%とした。

12月18日のFOMCでFRBはFFレートの誘導目標を4.25〜4.50%に引き下げた。

昨年9月FOMC以来12月までに3回のFOMCが開催されたが、そのすべてで利下げが決定された。

しかし、12月のFOMCでは2025年の利下げをペースダウンする方針が決定された。

9月時点での、2025年に0.25%幅の利下げを4回実施するとの見通しが、2回実施方針に修正された。

パウエルFRB議長は会見で

「今後は利下げでより慎重になる可能性」

「インフレ率が持続的に2%に向かわなければ、利下げペースをより鈍化させることが可能」

と示した。

FRBの利下げペースが鈍化する方針が示されたことに反応してNYダウが前日比1123ドル急落した。


昨年7月末の金融政策決定会合で日銀は利上げを決定。

利上げ決定は想定の範囲内のもので、日銀の利上げ決定を受けて日本株価は反発した。

ところが、その後の記者会見で植田和男日銀総裁が

「今回の展望レポートで示した経済・物価の見通しが実現していくとすれば、それに応じて引き続き政策金利を引き上げ、金融緩和の度合いを調整していくことになると考えています。」

と述べて金融市場が激烈な反応を示した。

日銀の利上げ対応は適正なもの。

しかし、利上げ後の会見で「利上げを継続する」と宣言する必要はなかったと言える。

日経平均株価は7月11日の42,426円から8月5日の31,156円へ11,270円、26.6%の暴落を演じた。

歴史的な株価大暴落になった。

しかし、1990年の大暴落とは異なり、今回の株価急落は「バブル崩壊」ではない。

私は株価が反発に転じる可能性が高いとの予測を明示した。

実際、その通りになった。

この経験があるため、12月19日の利上げは見送る以外に道はなくなった。


しかし、日銀の短期金利引き上げは適正な政策対応である。

日銀の利上げを闇雲に批判する者がいるが正しくない。

日銀の責務は「通貨価値の維持」と「金融システムの安定性確保」。

「通貨価値の維持」とは「物価安定」のことだが、対外的な「通貨価値」が為替レートであり、日本円暴落は「通貨価値の暴落」を意味しており、日銀は日本円暴落を回避するために行動しなければならない。

マクドナルドのビッグマックはさまざまな要素価格が組み込まれたものであるとともに、各国で販売されていることから、為替レートの偏りを判定する上で有用な財である。

ビッグマック1個の価格がA国とB国で等しくなる為替レートを計算することができ、これを「購買力平価」と捉えることができる。

現在のビッグマック価格を基準とするとドル円レートの購買力平価は1ドル=85円程度になる。

1ドル=160円は日本円暴落水準である。

日本円暴落は日本国民保有資産のドル表示金額を激減させる。

グローバルスタンダードでの日本国民保有資産金額の激減を招いている。

国民は海外から輸入した財を消費する。

円が暴落すると輸入財に対して多くの日本円を支払わなければならない。

日本円暴落によって日本国民は巨大な損失を蒙っている。

日本円暴落によって利益を得るのは輸出者のみである。

また、2023年には日本で4%を超えるインフレも発生した。

インフレも消費者、労働者、生活者、主権者、国民に損失を与える。

金利が上がると住宅ローン金利 が上昇して困ると言うが、家計の預金と借金を比較すると圧倒的に預金が多い。

金利上昇はプラスマイナスを相殺すると家計にはプラスになる。

1月の金融政策決定会合で日銀が利上げを決定することは適正な措置になる。
http://uekusak.cocolog-nifty.com/blog/2025/01/post-16de73.html
http://www.asyura2.com/20/reki4/msg/789.html#c97

[近代史5] 金融緩和や財政出動をするとこういう結果になる 中川隆
64. 中川隆[-7971] koaQ7Jey 2025年1月13日 02:28:05 : EtreNK33Rb : WU0xbGExbW83Lkk=[21]
<■178行くらい→右の▽クリックで次のコメントにジャンプ可>
植草一秀の『知られざる真実』2025年1月12日 (日)
地獄の始まり高額療養費改変
http://uekusak.cocolog-nifty.com/blog/2025/01/post-149266.html

2012年12月に発足した第2次安倍内閣は三つの経済政策方針を示した。

・インフレ誘導=金融緩和

・財政出動

・成長戦略

金融緩和と財政出動は財政金融政策に関する方針。

目新しいものでない。

しかし、この三つの経済政策を総称して「アベノミクス」としてアピールした。

しかし、インフレ誘導政策は一般国民=労働者=消費者=生活者=主権者にとって「百害あって一利のない政策」。

国民にとっては物価下落の方がはるかに恩恵が大きい。

しかし、政府と大企業にとっては逆。

インフレ進行は実質賃金を減少させ、企業の賃金コストを軽くする。

また、インフレ進行は政府の借金の重みを減らすとともに税収を拡大させるから政府にとってもインフレは大歓迎だ。

財政政策では2013年度に積極財政が実行されたが2014年度には消費税大増税実施が強行された。

積極財政は1年で終わった。

14年は消費税大増税による緊縮財政。

これを「アベコベノミクス」と呼ぶ。


財政金融政策は経済政策の中核でアベノミクスに目新しさはなかった。

アベノミクスを特徴づけたのは「成長戦略」だった。

「成長」という言葉はプラスの響きを持つが、「何の」成長であるかが重要。

アベノミクスの「成長戦略」は

「大企業利益の成長戦略」

=「一般国民不利益の成長戦略」

だった。

その内容は次の五つに要約できる。

1.一次産業自由化

2.医療自由化

3.労働規制撤廃=解雇自由化

4.法人税減税

5.特区創設

アベノミクスによって日本経済の成長率は上昇しなかった。

成長率平均値は2009年から2012年の民主党時代の方が高かった。

日本経済の成長率は年平均0.6%程度にとどまる。

日本経済の成長は実現しなかった。


「成長戦略」の1は日本の一次産業を外国資本に支配させるもの。

小規模農家による地産地消の農業、漁業等が破壊されてきた。

「働き方改革」なる施策が実施されたが、内実は「働かせ方改悪」だった。

長時間残業が合法化され、「定額働かせ放題労働プラン」が拡大され、正規非正規労働条件格差も温存されている。

さらに進んで、解雇の自由化が推進されている。

税制では所得の少ない国民から税金をむしり取る「消費税大増税」が推進される一方で巨大な法人税減税が遂行された。

所得税の金持ち優遇は温存されたままだ。

「特区」は特定業界、特定企業に利益を供与する政策。

新たな利権政治の温床と化した。

医療においてはすべての国民に提供される医療と富裕層だけが享受できる「二本立ての医療」への移行が推進されている。

保険適用外の医療が拡大し、十分な医療は富裕層しか受けられない状況が強まっている。

このなかで一般国民の命をぎりぎり繋いできた制度が「高額療養費制度」。

一般国民の命綱である。

社会保障支出を切りたい財務省はここに焦点を当ててくることを予言した。

それがいよいよ本格化する。

一般国民の命綱はいま切り落とされようとしている。
http://uekusak.cocolog-nifty.com/blog/2025/01/post-149266.html

植草一秀の『知られざる真実』2025年1月11日 (土)
インフレ誘導が間違っている理由
http://uekusak.cocolog-nifty.com/blog/2025/01/post-fcef83.html

日本のインフレ率は公式発表で2%台とされているが実感とかけ離れている。

さまざまな分野で広範な価格上昇が観察されている。

インフレ抑制は日銀の責務。

日本銀行法は第1条で目的として「通貨及び金融の調節を行うこと」と定め、第2条で「通貨及び金融調節の理念」を

「物価の安定を図ることを通じて国民経済の健全な発展に資すること」

と定めている。

2022年から2023年にかけて日本でも深刻なインフレが発生した。

ところが黒田日銀はインフレ抑止の政策スタンスを示さなかった。

2023年に日銀総裁を退任するまで黒田東彦氏は「インフレ推進」の旗を振り続けた。

日銀総裁が植田和男氏に交代して、ようやく日銀の金融政策運営の修正が始動した。

世の中では「インフレ推進」、「金融超緩和継続」を求める声が存在する。

2013年に始動した「インフレ誘導政策」を主張した人々だ。

彼らは日銀が短期金融市場に大規模資金を投入すればインフレが実現すると主張したが、現実には実現しなかった。

インフレ誘導政策は失敗した。

ところが、2022年から23年にかけて、これとは別の要因によって日本でインフレが発生した。


海外のインフレが日本に波及したこと、日本銀行が日本円暴落政策を遂行してきたことが背景。

しかし、インフレ進行は日本の国民=消費者=労働者=生活者にとっては「百害あって一利なし」の現象だった。

したがって、日銀は早期にインフレ抑止の政策を遂行するべきだったが、黒田日銀の対応が著しく遅れた。

黒田日銀はインフレを推進し、そのインフレの力によって賃上げを実現することを提唱した。

激しいインフレが発生して、たしかに一部で賃上げの動きは広がった。

しかし、労働者にとって重要な指標は単純な賃金上昇率ではない。

労働者にとって重要なのは「実質賃金上昇率」だ。

賃金が2%増えても、物価が4%上昇したらどうか。

実質賃金は2%減少してしまう。

2022年4月から2024年5月まで26ヵ月連続で労働者実質賃金は減り続けた。

24年6月と7月に実質賃金が前年比でわずかにプラス数値を記録したが、8月以降は再び前年比マイナスに転じた。

8月から11月まで再び4ヵ月連続の前年比マイナスが記録されている。

これまでに指摘してきたが、インフレ誘導政策は元々企業の賃金コストを削減するために提案されたものなのだ。

インフレが実現すれば賃金を据え置くだけで実質賃金を削減できる。


物価下落=デフレの局面では「賃下げ」が困難であるため実質賃金コストが拡大する。

これを回避するためにインフレ誘導が提案された。

したがって、インフレ進行下で実質賃金が減少するのは順当なこと。

労働者の実質賃金増大を目指すなら「インフレ誘導」は適正な政策対応でない。

インフレ進行を受けて一部の企業で賃上げが実施されているが、重要なことは賃上げがすべての企業で一律に実施されるものではないこと。

力のある大企業の正社員の賃金は増加するが、力の弱い企業では大幅賃上げは実現しない。

正社員の賃金は増加するが非正規労働者の賃金は増加しない。

インフレを推進して賃上げを奨励する結果、労働者間の格差が拡大する。

賃上げの恩恵を受けることができない弱い立場の労働者は賃金が増えないのに生活必需品の物価が大幅に上昇するという現実に直面している。

庶民のなけなしの虎の子預金はインフレで目減りする。

つまり、インフレを推進する政策は間違っているのだ。

日銀に求められる行動は「物価安定」を確実に確保すること。

「物価安定」を確実にしたうえで企業に賃上げを求めるのは正当。

ただし、企業に対しては正規労働者だけでなく非正規労働者の賃金引上げを強く求めなければならない。

国会においては、「インフレ誘導」が間違った政策目標であることを確認することが重要だ。

日本経済の回復=経済成長はインフレ誘導によっては実現しない。

経済成長政策を担うのは財政政策であることを確認するべきだ。
http://uekusak.cocolog-nifty.com/blog/2025/01/post-fcef83.html

植草一秀の『知られざる真実』2025年1月 9日
害悪だらけの日銀超緩和政策
http://uekusak.cocolog-nifty.com/blog/2025/01/post-16de73.html

12月19日の金融政策決定会合で日銀は金利引き上げを見送った。

利上げを見送った直接の要因は、前日の12月18日に米国FRBが利下げを決定したものの、先行きの金利引き下げペースを緩やかにする方針が明示されて米国株価が急落したことにある。

NYダウは12月17日終値43,449ドルから1,123ドル急落して18日は42,326ドルで取引を終了した。

FRBはFFレートの見通しを公表した。

9月FOMCでは2025年末のFFレート水準を3.25〜3.50%としていたが、12月FOMCでは3.75〜4.00%とした。

12月18日のFOMCでFRBはFFレートの誘導目標を4.25〜4.50%に引き下げた。

昨年9月FOMC以来12月までに3回のFOMCが開催されたが、そのすべてで利下げが決定された。

しかし、12月のFOMCでは2025年の利下げをペースダウンする方針が決定された。

9月時点での、2025年に0.25%幅の利下げを4回実施するとの見通しが、2回実施方針に修正された。

パウエルFRB議長は会見で

「今後は利下げでより慎重になる可能性」

「インフレ率が持続的に2%に向かわなければ、利下げペースをより鈍化させることが可能」

と示した。

FRBの利下げペースが鈍化する方針が示されたことに反応してNYダウが前日比1123ドル急落した。


昨年7月末の金融政策決定会合で日銀は利上げを決定。

利上げ決定は想定の範囲内のもので、日銀の利上げ決定を受けて日本株価は反発した。

ところが、その後の記者会見で植田和男日銀総裁が

「今回の展望レポートで示した経済・物価の見通しが実現していくとすれば、それに応じて引き続き政策金利を引き上げ、金融緩和の度合いを調整していくことになると考えています。」

と述べて金融市場が激烈な反応を示した。

日銀の利上げ対応は適正なもの。

しかし、利上げ後の会見で「利上げを継続する」と宣言する必要はなかったと言える。

日経平均株価は7月11日の42,426円から8月5日の31,156円へ11,270円、26.6%の暴落を演じた。

歴史的な株価大暴落になった。

しかし、1990年の大暴落とは異なり、今回の株価急落は「バブル崩壊」ではない。

私は株価が反発に転じる可能性が高いとの予測を明示した。

実際、その通りになった。

この経験があるため、12月19日の利上げは見送る以外に道はなくなった。


しかし、日銀の短期金利引き上げは適正な政策対応である。

日銀の利上げを闇雲に批判する者がいるが正しくない。

日銀の責務は「通貨価値の維持」と「金融システムの安定性確保」。

「通貨価値の維持」とは「物価安定」のことだが、対外的な「通貨価値」が為替レートであり、日本円暴落は「通貨価値の暴落」を意味しており、日銀は日本円暴落を回避するために行動しなければならない。

マクドナルドのビッグマックはさまざまな要素価格が組み込まれたものであるとともに、各国で販売されていることから、為替レートの偏りを判定する上で有用な財である。

ビッグマック1個の価格がA国とB国で等しくなる為替レートを計算することができ、これを「購買力平価」と捉えることができる。

現在のビッグマック価格を基準とするとドル円レートの購買力平価は1ドル=85円程度になる。

1ドル=160円は日本円暴落水準である。

日本円暴落は日本国民保有資産のドル表示金額を激減させる。

グローバルスタンダードでの日本国民保有資産金額の激減を招いている。

国民は海外から輸入した財を消費する。

円が暴落すると輸入財に対して多くの日本円を支払わなければならない。

日本円暴落によって日本国民は巨大な損失を蒙っている。

日本円暴落によって利益を得るのは輸出者のみである。

また、2023年には日本で4%を超えるインフレも発生した。

インフレも消費者、労働者、生活者、主権者、国民に損失を与える。

金利が上がると住宅ローン金利 が上昇して困ると言うが、家計の預金と借金を比較すると圧倒的に預金が多い。

金利上昇はプラスマイナスを相殺すると家計にはプラスになる。

1月の金融政策決定会合で日銀が利上げを決定することは適正な措置になる。
http://uekusak.cocolog-nifty.com/blog/2025/01/post-16de73.html
http://www.asyura2.com/20/reki5/msg/555.html#c64

[リバイバル4] 60歳を過ぎてアレ食べてる人は、確実に病気になって寝たきりの人生を送ります 中川隆
1. 中川隆[-7970] koaQ7Jey 2025年1月13日 03:06:45 : EtreNK33Rb : WU0xbGExbW83Lkk=[22]
<■71行くらい→右の▽クリックで次のコメントにジャンプ可>
日本人が忘れ去った能力 _ 昔のおばちゃんは、米俵60kg x 5つを持ち上げてた
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=16853689

60歳を過ぎてアレ食べてる人は、確実に病気になって寝たきりの人生を送ります
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=16837571

甘い物を食べると脳の毛細血管が炎症を起こしブドウ糖を摂取できなくなる
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=16868637

砂糖依存症 _ ドラッグの乱用と同じように、摂取するたびに毎回ドーパミンが放出される
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=16856394

果糖ブドウ糖液糖は危険! 炭酸飲料やスポーツドリンクは飲んではいけない
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=16832927

吉野敏明 _ 日本人が病気になる原因は小麦・砂糖・牛乳と植物油
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=14141482

吉野敏明 _ 白内障・緑内障・飛蚊症の原因は植物油
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=16881198

吉野敏明 _ その食用油の選び方、間違っています。 体にいい油と悪い油とは?
https://www.youtube.com/watch?v=G77i1fKsOMQ
https://www.youtube.com/watch?v=G8SI4oiUvQ8

吉野敏明 _ 慢性鼻炎・花粉症・アトピー・関節リウマチの原因は小麦のグルテン
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=16852903

吉野敏明 _ 戦後アメリカに強制された洋風の食事が日本人の病気の原因
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=16850855

吉野敏明 _ 夜間頻尿、高血圧と むくみ は水分の摂り過ぎが原因
1日に飲料から摂取すべき水分量は1.2L、この1.2Lを1日7〜8回に分けてこまめに補給するのが良い。
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=16852464

吉野敏明 _ シャワーではなく浴槽に入らなければいけない理由
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=16852411

牛乳・乳製品は女性ホルモンのエストロゲンを沢山含んでいて危険
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=16852453

輸入肉は女性ホルモンのエストロゲンを沢山含んでいて危険
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=16852463

大豆・豆腐・豆乳・大豆ミートは女性ホルモンのイソフラボンを沢山含んでいて危険
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=16852297

プラスチック容器と缶詰は女性ホルモンのビスフェノールA を沢山含んでいて危険
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=16852458


OK食材・NG食材リスト | レクチンフリーについて | ゆるレクチンフリー生活
本ページでは、「レクチンフリーかどうか」という観点から、OK食材・NG食材のリストを記載しています。
https://plus-minus.casa/lectin-free/ok-ng-list


▲△▽▼
▲△▽▼


吉野敏明の甘い物抜きの食事療法と桑島靖子のハチミツ療法はどちらが正しいのか?
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=16880975

ハチミツは本当に体に良いのか?
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=16839102
http://www.asyura2.com/18/revival4/msg/164.html#c1

   

▲このページのTOPへ      ★阿修羅♪ > WU0xbGExbW83Lkk= > 100000  g検索 WU0xbGExbW83Lkk=

★阿修羅♪ http://www.asyura2.com/  since 1995
 題名には必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
掲示板,MLを含むこのサイトすべての
一切の引用、転載、リンクを許可いたします。確認メールは不要です。
引用元リンクを表示してください。