1. 2020年11月09日 18:34:36 : cS3TXmV3Fw : Wm5FOFRab0ptQVk=[1]
専門家の話では、米国では選挙不正は皆無に近いほどまれだ。既に2016年の選挙で有権者4人に約1人が郵便投票もしくは不在者投票をしている。
<いかに投票不正はまれか>
多くの研究者が焦点を当ててきたのは成り済まし投票だ。こうした可能性への危惧が、複数の州で有権者の本人確認を厳格化する法律を導入する根拠になってきた。
こうした事例を研究するロヨラ大学法科大学院のジャスティン・レビット法律学教授によると、米国の00年から14年の選挙で、投票件数10億件超のうち、成り済ましはわずか31件だった。
コロラド、ハワイ、オレゴン、ユタ、ワシントンの5州は現在、選挙を主に郵便投票で実施するが、不正はほとんど記録されていない。オレゴン州は00年以降、1億通を超える投票用紙を郵送してきたが、不正が立証されたのは12件ほどだ。
<郵便投票の確実性>r
多くの州では郵便投票や不在者投票で不正を防止するため、諸策を重ねて講じている。
全米50州と首都ワシントンは有権者が郵便投票する際、宣誓書などへの署名を義務付けている。また一部の州は、生年月日や住所、運転免許証番号といった個人情報の記入も求めている。この署名は登録済みの署名、通常は有権者登録での筆跡と照合される。
全米州議会議員連盟(NCSL)によると、本人だけでなく証人の署名を義務付ける州も8州ある。3州は公証人の署名も求める。最も厳格な規則を導入しているアラバマ州は有権者に、自分の身分証明書の写しと一緒に公証人1人もしくは証人2人の署名を提出するよう命じている。
返信用封筒は通常、投票用紙を精査する担当者とは別の担当者が開封する。政党や選対陣営が指名することが多い立会人は、集計などの開票手続きの監視が認められている。NCSLによると、ノースカロライナ、カンザス、メイン、フロリダの4州を除くすべての州は、政党からの立会人による開票監視を明示的に認めている。
投票用紙の体裁は州ごとに異なるだけでなく、郡や市町村によっても大きく異なる。大半の有権者は大統領だけでなく、地元自治体の選挙も同時に行うためだ。投票が適正な形式に合わない場合は、選挙管理当局からはじかれる。
ニューヨーク大学ブレナン司法センターによると、多くの選挙区は投票用封筒に、開票手続きを助けるバーコードを印字している。バーコードは、有権者が自分の投票した用紙が受理されたことを確認する際にも活用される。
<二重投票?>
トランプ氏は先週、激戦州ノースカロライナ州で支持者に対し、郵便投票した上で本選当日に投票所に出向いてもう1度投票するよう呼び掛け、物議を醸した。米国では同じ選挙で2回投票することは重罪になる。
複数の研究によると、他の選挙詐欺と同様、二重投票も極めてまれなようだ。
米選挙支援委員会(EAC)の集計によると、16年の大統領選では8247件の不在者投票が拒否された。有権者が投票所でも投票したためだ。ただ、この大部分は意図的に不正を試みたものではないとみられている。専門家によると、全米すべての州が二重投票の防止措置を取っている。
ノースカロライナ州は選挙の電子台帳で、誰が既に投票したかを追跡する。トランプ氏の発言を受けた同州の選挙管理当局者の声明によると、本選当日の午前6時半時点で、不在者投票が既に受け付けられた有権者は全員、選挙台帳から削除される。投票所での投票を試みても認められない。本選当日に到着した不在者投票は、二重投票がないことを確実にするため、投票時間終了まで集計されないという。
激戦州で特に重要とされるペンシルベニア、フロリダ両州も、同様な電子システムを導入済み。有権者が郵便投票を申請したかや、返信された郵便投票用紙が既に受理されたかを開票作業の担当者に教える仕組みだ。
フロリダ州レオン郡の選挙管理人、マーク・アーリー氏は「われわれは最新技術を使うことで、データベース更新のたびに6秒以内にそれを把握する」と語る。同氏の選挙管理事務所ではこれまで選挙のたびに「二重投票」を試みる事例が少数見られたが、これは普通、高齢の有権者が郵便投票したことを忘れてしまったケースだったという。