8. 2019年3月05日 17:34:08 : dtFcEiKRSc : UzNiRGlUVDhpQlU=[1]
●米国を甘く見過ぎていた北朝鮮 会談勧めた北幹部はどうなる…?
木村太郎
2019年3月4日 月曜 午後5:30
https://www.fnn.jp/posts/00432210HDK
・偵察衛星などから「北朝鮮をインチ単位でわかっている」とトランプ大統領
・寧辺以外の核施設は知らぬ存ぜぬで押し通そうとした北朝鮮
・不完全な情報分析と、甘い見通しで臨み、見事に失敗した幹部の地位は…?
■「北朝鮮をインチ単位でわかっている」
「我々は北朝鮮のことについてはよく知っている。インチ(2.54センチ)単位で分かっている」
先月28日のハノイでの記者会見でトランプ米大統領がこう言う場面があった。
北朝鮮に対して寧辺(ヨンビョン)の核施設廃棄の他に、さらに一箇所の施設の廃棄を主張したことに関連しての発言だ。
かねて噂されている平壌郊外のカンソンの秘密核施設についてその規模や稼働状況などの証拠を北朝鮮側に突きつけたのだろう。
カンソンの施設はウラン濃縮施設と見られているが、稼働時には大量の電気を必要として発電機が大量の熱を発生するので上空から監視している米国の偵察衛星で捉えることは容易だ。
さらに、米国の偵察衛星は高度150キロまで降下すれば地上の物体を10センチ単位で探知することができ、核施設を出入りする車両だけでなく人の動きを把握することができる。
「インチ単位で」というのはいささかオーバーかもしれないが、秘密施設へウラン濃縮の原材料の搬入や濃縮後の廃棄物の搬出なども詳細に把握していたことは想像できる。
それを知ってか知らでか、金正恩委員長は寧辺以外の施設は知らぬ存ぜぬで押し通そうとしたのならば余りにも無謀だったとしか思えない。
さらに北朝鮮の李容浩(リ・ヨンホ)外相は1日未明の記者会見で
「我々が要求したのは11件の国連制裁決議の内、5件だけだ」
と言い、トランプ米大統領が
「全ての制裁解除を求めた」
と語ったのに反論したが、これも言い逃れのように聞こえる。
■不完全な情報分析と、甘い見通し
韓国の有力紙『朝鮮日報』日本語版は、この5件の制裁が国連安保理の制裁の中でもっとも重要なもので
「制裁がもたらす効果の99%以上を占める」
という韓東大学の朴元坤教授の分析を紹介している。
そうだとすると、北朝鮮が要求したのは実質的に制裁の全面解除だったのだ。
「北朝鮮は屑鉄を廃棄する見返りに制裁解除を求めた」
と韓国のもう一つの有力紙『東亜日報』日本語版は論評した。
例え寧辺の施設は屑鉄化しても、秘密核施設を温存すればいつでも核兵器の開発を再開できるわけだったが、このシナリオも完全に破滅して北朝鮮は
「核だけ抱えて救済不能のならず者国家として生きることになる」
と警告した。
つまり、北朝鮮側は不完全な情報分析と
「トランプに直接談判すれば誤魔化せるだろう」
という甘い見通しで首脳会談に臨み、見事に失敗したということではなかったのか。
その甘い見通しで金正恩委員長に首脳会談を進言した北朝鮮の幹部たちの責任は免れないだろう。
李容浩外相や対米外交担当の崔善姫(チェ・ソンヒ)外務次官の地位は大丈夫なのだろうか。
●米朝会談物別れの舞台裏…文在寅氏の「仲介」の限界が露呈
2019.3.4 20:17
https://www.sankei.com/world/news/190304/wor1903040020-n1.html
ハノイでの米朝首脳再会談の決裂は、トランプ米大統領と金正恩朝鮮労働党委員長が非核化措置と制裁解除という本題を詰め切らずに会談に臨んだことが原因とみられる。
金氏は制裁解除を引き出せると踏んだ寧辺(ニョンビョン)の核施設廃棄を韓国の文在寅大統領に最初に提案しており米朝会談の失敗は文氏の「仲介外交」の限界も露呈させたといえそうだ。
文氏は4日に開催した国家安全保障会議(NSC)で
「米朝両首脳が近く会い妥結が実現することを期待する」
と述べ
「われわれの役割も再び重要になった」
と仲介役としての再登板に意欲を示した。
金氏が廃棄の意思を示した寧辺核施設を
「北の核施設の根幹」
だとし
「完全に廃棄されれば非核化は逆戻りできない段階に入る」
と高く評価。
制裁解除が議論されただけでも「大きな進展」だと主張した。
寧辺以外の核施設の査察や廃棄も求めたトランプ氏との温度差を浮き彫りにした。
北朝鮮は寧辺の「完全廃棄」と交換に求めた制裁解除は国連決議のうち5件の人民生活に関わる項目だけだとし全面解除を要求したとする米側に反発した。
だがこの5件は石炭など北朝鮮の主力輸出品の禁輸や石油の輸入制限に当たり
「制裁効果の99%を占める」(韓国の専門家)
とも指摘される。
このため米側は制裁の骨抜きにつながると判断したのだ。
米紙ニューヨーク・タイムズが交渉参加者らの話として伝えたところでは北朝鮮が寧辺廃棄への見返り措置として米側に特定制裁の解除を求めたのは会談6日前の実務者協議だった。
金氏がトランプ氏との直談判に懸けていた証左だ。
●金正恩氏の専用列車が帰国、習近平氏との会談は先送りか
2019.3.4 23:21
https://www.sankei.com/world/news/190304/wor1903040023-n1.html
【ソウル=桜井紀雄】
北朝鮮の朝鮮中央通信は3日、金正恩朝鮮労働党委員長がベトナム・ハノイ訪問の結果について
「満足の意」
を示し、2日に訪問を
「成功裏に終えて」
専用列車で帰国の途に就いたことを報じた。
トランプ米大統領との肝心の再会談は事実上の物別れに終わっており、ベトナム政府の歓待ぶりを喧伝して糊塗するほかなかったようだ。
金正恩氏の列車は中国を最短路線で北上し、4日夜に北朝鮮に入ったもようだ。
帰路に中国の習近平国家主席と会談して米朝交渉失敗後の打開策を相談するかが注目されたが、習氏は全国人民代表大会(全人代=国会)開幕を5日に控えており、金正恩氏は北京に立ち寄らずに会談も先送りした可能性が高い。
朝鮮中央通信は、今回のベトナム訪問が同国最高指導者のグエン・フー・チョン共産党書記長らの
「特別な関心と熱い歓待の中で成功裏に行われた」
とし、
「両党・両国の伝統的親善・協力関係を誇示し、世代を継いで発展させる上で重大な意義を有する画期的な出来事として輝かしく刻まれるだろう」
と強調した。
世代を継いでとは、金正恩氏の祖父の金日成主席の訪越から始まった友好関係を指しており、金正恩氏はベトナム首相から訪越時の祖父を写した写真を見せられ、満面の笑みを浮かべていた。
今回の訪越が祖父の威光を再確認するしか“満足な成果”がなかったことの裏返しといえそうだ。
●米朝決裂の鍵、ボルトン氏登場 コーエン被告の公聴会も直撃
2019年3月5日 夕刊フジ
米朝首脳会談(ベトナムの首都ハノイで開催)は2019年2月28日昼に突然、決裂で終わった。
中国分析の第一人者、遠藤誉女史が鋭い分析をした。
「この日、閣僚を交えた拡大会議が始まる前まで、ドナルド・トランプ米大統領は
『芝らしい指導者だ』
『我々は特別な関係にある』
などと、北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長への賛辞を惜しまなかった」
「それが急変した」
「この謎を解く鍵は、ジョン・ボルトン大統領補佐官(国家安全保障問題担当)が登場したことだ」
その背景説明。
「ボルトン氏が米朝首脳会談に出席しないことを、中国は早くから注目していた」
「ベネズエラをめぐり、米国と中国・ロシアが対立し、ボルトン氏は対応に追われた」
「韓国で行われることになっていた日米韓閣僚級会議にも出席せず、この会議が中止になった」
「ところが、この超タカ派のボルトン氏が首脳会談の2日目に姿を見せた」
首脳会談決裂のポイントについて、北朝鮮の李容浩(リ・ヨンホ)外相は会見で言った。
「米国は寧辺(ニョンビョン)の核施設廃棄以外に、もう1つを廃棄すべきだと要求し、最後まで譲らなかった」
遠藤氏が解説した。
「もう1つとは、2018年5月、米科学国際安保研究所(ISIIS)の報告書に出た降仙(カンソン)発電所にある第2の秘密ウラン濃縮施設ではないかと思われる」
「降仙は、寧辺の2倍のウラン濃縮能力を持つとされる」
「具体的地名は明示しなかったが、トランプ氏は2019年2月28日午後の会見で
『我々(米国)が知っていることに驚いていた』
と述べている」
遠藤氏が続けた。
「ボルトン氏の2日目からの登場は、米下院が、米朝首脳会談の初日(2019年2月27日)、トランプ氏の元顧問弁護士、マイケル・コーエン被告の公聴会証言をぶつけてきたからではないか」
「コーエン被告は公聴会で
『トランプ氏は人種差別主義者、詐欺師、ペテン師だ』
と言ってのけた」
「そして、ロシア疑惑や不倫相手への口止め料支払いなど、情報を全て暴露した」
そして、詰んだ。
「この上に、もし北朝鮮に甘い顔などを見せて譲歩などしたら、トランプ氏が受けるダメージは大きく、立ち直れなくなるかもしれない」
「そこで、ボルトン氏が登場して、
『もう1つの核施設、降仙』
の存在を示して、金正恩氏に譲歩を迫った」
「金正恩氏が譲歩しないことをもって、共同声明への署名を諦めさせて、米国内のトランプ氏の地位を守ったとみられる」
コーエン公聴会が、ボルトン氏の急な出席をもたらしたことは、中国筋も認めている。
●金正恩氏が帰国、制裁解除も中朝会談もないのに「成功」
2019.3.5 07:53 産経新聞
【ソウル=桜井紀雄】
北朝鮮の朝鮮中央通信は5日、金正恩朝鮮労働党委員長が同日午前3時(日本時間同)に平壌駅に到着し、2回目の米朝首脳会談とベトナム公式親善訪問を
「世界の大きな関心と耳目が集まる中、成功裏に終えて」
帰国したと報じた。
2月23日に専用列車で平壌をたってから10日ぶり。
2011年末に最高指導者に就任以来、最長の外遊となった。
2日にベトナムを出た列車は行きと同じく、中国内の最短路線を北上し、広東省広州や北京を経由しなかったとされる。
注目された習近平国家主席との会談や中国内での特別な経済視察もなかったもようだ。
一方で、同通信は、列車が平壌駅に入ると「万歳!」の歓呼が
「空いっぱいにこだました」
と市民の歓迎ぶりを強調。
党や政府の幹部が
「祖国の繁栄と人民の幸福な未来のために2万里(約8千キロ)余りを行き来して不眠不休の対外活動を展開した最高指導者」
を熱烈に迎えたと伝えた。
留守番役を務めた金永南(ヨンナム)最高人民会議常任委員長や金正恩氏の最側近の崔竜海(チェ・リョンヘ)党副委員長らが出迎えた。
5日付党機関紙、労働新聞も1面で写真とともに帰国を報じた。
金正恩氏の出発以降、今回の外遊の重要さを連日、大々的に報じて国内の期待をあおってきただけに、物別れに終わった米朝会談も「成功」と伝えざるを得なかったようだ。
金正恩氏がベトナム首脳との会談で
「経済発展の経験を共有したい」
と語り、経済発展に深い印象を受けたとするベトナムメディアが報じた内容には、北朝鮮メディアは直接、触れていない。
米朝会談で最大の目的だった制裁解除を引き出せなかったため、国民に経済発展の期待を抱かせる表現は避けた可能性がある。
●外事警察関係者はこう言う。
「北朝鮮は日本に助けを求めたい」
「だが『拉致被害者全員奪還』を政治的使命にする安倍首相が邪魔だ」
「北朝鮮が
『日本人協力者』
に
『安倍首相を早く引きずり下ろせ』
と極秘指令を出したという情報がある」
この日本にも危機は迫っている。
http://www.asyura2.com/19/kokusai25/msg/574.html#c8