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先祖7代「解怨」で280万円献金、「420代前まで必要」と説明…旧統一教会元幹部が実名証言
2022/10/17
https://www.yomiuri.co.jp/national/20221016-OYT1T50222/
安倍晋三・元首相が銃撃された事件をきっかけに批判が集まる宗教団体「世界平和統一家庭連合」(旧統一教会)の高額献金の仕組みについて、家庭連合の元幹部が読売新聞の取材に実名で証言した。地域ごとに献金のノルマがあり、信者には過度な重圧があったと指摘した。
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元幹部は、1998年から旧統一教会の本部で勤務し、2016〜17年に2世信者の教育を担当する家庭教育局の副局長を務めた桜井 正上まさうえ 氏(48)。同年に家庭連合を批判する文書を出して解任され、現在は別の団体に所属している。
桜井氏によると、献金には、礼拝などの際に収入の10分の1を納める月例の「十一条献金」、結婚した際の「祝福献金」のほか、「特別献金」がある。
特別献金は、期間と金額の目標が定められ、信者数に応じて都道府県をベースとした「地区」ごとにノルマが割り振られる。一般信者にノルマは知らされず、教会の幹部らが対面やファクスで献金を求めるという。
00年前後には、先祖の苦しみを解放する「先祖 解怨かいおん 」という以前の教義にはなかった教えが広められるようになった。
関東地方の元信者の女性(60歳代)は取材に、5年前に夫婦の「7代分」の「解怨」として計280万円を納めたと証言する。420代前まで続ける必要があると説明を受け、21〜28代前までの献金などを含め、献金総額は500万円を超えた。「仕事や子育てに悩み、先輩信者に『戦死した先祖が苦しんでいるからだ』と何度も言われ、信じてしまった」と悔やむ。
桜井氏は、不安をあおって高額な印鑑などを販売する霊感商法で信者が逮捕された事件をきっかけに、旧統一教会が「コンプライアンス宣言」を出した09年以降、霊感商法はほぼなくなったとする。その代わり、献金の比重が高まったという。
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日本全体の献金目標は一部幹部以外には知らされないというが、桜井氏は16年に参加した幹部会議で「月24億円」と書かれた資料を見たと証言する。
家庭連合は取材に、「献金の目標はあるが、ノルマはない」と反論。桜井氏の「月24億円」との証言については「何の資料なのかわからない」とし、「桜井氏が元幹部なのは事実だが、証言の多くは過去の話で、正確ではない」としている。
「先祖解怨」に関しては、勅使河原秀行・教会改革推進本部長が今月4日の記者会見で「先祖が苦しんでいるとことさらに強調して不安がらせ、(献金を)脅し取っているようであれば間違い」などと述べていた。
家庭連合は、月収の3割を超える過度な献金は記録に残し、生活に問題が出ていないか確認するとの対策を明らかにし、返金請求にも対応するとしている。
しかし、両親が信者という茨城県の30歳代女性は「信じられない」と声を強める。子どもの頃から自宅には献金を求めるファクスが届き、両親は遺産など1億円以上を献金したと聞いた。事件後、多額の献金をしていた両親を説得し、返金を求めた。家庭連合は交渉に応じる姿勢を見せているが、その一方で両親は所属する地区の教会から新たに183万円の献金を求められているという。
女性は「世間の関心がなくなればまた高額な献金を求めるようになるのでは」と訴えた。