20. 保守や右翼には馬鹿し[209] lduO54LiiUWXg4LJgs2Ubo6tgrU 2023年6月05日 11:17:02 : df7ZchhFBY : UFg1R3hDaXM3YWM=[1]
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続いてプリアンプについて確認していきます
入力の切り替えは
・78回転レコード
・STEREO&LP
・RADIO
・AUX
になりますが、レコード入力は1系統です
このプリアンプは随分と前に単体でメンテナンスを行い今も現用しています
そちらは後期型のブラウンの個体でしたが、初期型は写真の通りブラックの重厚な外観をしています
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Deccaはあまり(米国メジャーや国内のHMVなどの資本に比べ)大きくないレコード会社ですからオーディオセットをゼロから自社開発&生産する体力はありませんでした・・・想像ですけれど言い切っちゃいますね
余談ですが、素人時代のビートルズが最初にデモテープを持ち込んだのも、無名のルチアーノ・パバロッティを最初に売り出す権利を所有していたのもDeccaでしたが何もあっさりと手放してしまうほど組織の未熟な会社だったとカルショウ氏がその著書で回想していました
そんなDeccaですからアンプ類はOEMもしくは他社からの技術供与で作られている様です(言い切っても良いと思いますが少し遠慮して)
まあ、実際のところプレーヤーは「Collaro」後に「Garrard」からの供給ですし、スピーカーは終始EMI製のユニットを使っています
もちろん、レコードとのインターフェイスであるカートリッジ&アームは意地でも社内製ですね
さて、アンプ(とチューナー)に関してはLeakの技術ではと私は考えています
ただし、当時の英国内には驚く程たくさんのアンプメーカーがあったので特定は難しいですが、表に現れる「ブランド」の数に比して中身を設計製造できるインダストリーやマグファクチャリングは随分少ないですから「Leakの息のかかった」くらいは言えると思います
このLeak(系と言うべきですが、めんどくさいので以下Leakで)のプリアンプを現代で使う上で最大の課題は初段管の使い方にあります
有り体に申して、全ての入力がフォノ・イコライザー と同じ経路で入力されることです
読んでいる人には意味がわからないですよね
チューナーもAUX・・・例えばCDやテープ、DACの入力もフォノ・イコライザー の初段管を通過してから出力されるのです
もちろん、そんな事すれば20dB〜30dBもの要らんゲインが付加される訳で、CD再生時にはヴォリューム 1mmで爆音に見舞われます
何故そんな事になるのか?
この辺りが、私が古い機械と相対するときには1960年に生きるイギリス人になったつもりで対峙すると主張するポイントなのですが
チューナーやテープデッキが基準で0.7vとか1vのライン出力を有している物。とは近年の考え方であり、当時はチューナーユニット(再生時にデ・エンファシスが必要)とか、テープヘッド(再生時はレコードと同じくEQが必要なので都合よし)と呼ばれてMMカートリッジに近い出力電圧でした
一方、プリアンプの中にはラインアンプが備わっており、全てのフロント機器にラインアンプを抱かせるのはダブりになるので意味が薄いしコストもかかる
また、当時のコンポーネント(バラ)オーディオの普及を考慮すると、自社内での組み合わせがメインであろうから入り口から出口まで社内でトータルゲインを決めれば事足りるし、他社機材との組み合わせまで考察する必要は薄かったのでしょう
実務的に考えると、真空管時代にラインアンプを付加するにはECC83を1本立てることで電源の拡大やデカップリング回路のスペースをチューナーやテープデッキ内に設ける等負担は大きく、トランジスタが実用になった時代とともに個々にライン出力を有した「デッキタイプ」に移行したと見るのがよろしいでしょう
私の家でもプリアンプ単体で使用している方は、入力切り替えの場所を見直しライン入力ができる様に回路を変更して使っていますし、実際CD再生時の音質劣化を防ぐにはこの方法しかありません
ですが、オールインワンのDecolaにおいては左様な変更は無粋な事ですからAUX入力に行くライン上に分圧回路を挿入してCD等のゲインを制御しています
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こちらが、信号回路です
カップリング・コンデンサー6個が変更されています
初期型のプリアンプはマイカ・コンデンサーが多用されていますのでこちらは長寿命ですから問題が少なく助かりますね
EQ回路の小容量の物も誤差が出にくいのでまだまだこの先も安心して使えそうです
フィルムの箇所はMullrd製のフィルム・コンデンサーに差し替えると共に、パスコンも全て交換して初期性能に復帰しました
修理履歴の少ないアンプは優等生でありがたいです
このプリアンプのEQ段は8D8が付いていました
恐らくオリジナルのままと思われたのでちょっとビックリです
片chは電流値が落ちていたので予備に交換しました
恐ろしいのは、それでも音が出てしまう!と言う事実です
オリジナルの真空管であれば、73年前の個体です
どんな状態でも動いている事自体で奇跡なんですが、音が出ていれば「動作品・完動品」として市場に流通するのです
私のもそのコメント付きで買いましたし「販売者が初期性能を担保することはない」と言うのがヴィンテージ ・オーディオ業界の常識になっていますから特段の問題とも思ってはいません
しかしながら
オークションや買取店がオーディオを沢山扱うことは決して悪いことでは無いと思いますが「ブランド」と「型名」に対してお金を払うのが「オーディオをする事」になってしまうと
電流の流れていないアンプで、低音の出ないスピーカーで聴くのに疑問を抱くチャンスすら持てないのです
誰が悪いと叫んでみても今、目の前にある自分の家の音は何も変わりません
購入者個々人が見識と自衛の精神を持って大好きな趣味を楽しむ以外はどうしようもないと思います
ヴィンテージ ・オーディオとの付き合い方の難しさを
真空管が強いと言う、ありがたくも困った事実を以て
改めて考えさせられた事例でした
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http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/683.html#c20