216. 2023年1月21日 18:53:54 : gogmo00ydY : TG9KZTN0YUU0SFE=[1]
晴耕雨聴
2023年01月21日
WE594A(!!)+WestrexT550-A(!)のペアをGET !!!(その1.)
https://kojomotohisa1958.seesaa.net/article/497165068.html
前のブログに遺品のハートレイ224HSと後面開放箱エンクロージャーペア、それ用のパワーアンプ、チャンデバをGetした事、この224HSは2wayで使用されていて、上の帯域は大型のホーンレンズ+ドライバーが使われていた事を書きました。
ここで驚愕の事実を書きましょう。
この大型のホーンレンズとは、なんとウエストレックスT550-Aです !!
更に更に、使われているドライバーは、なんと、なんと、なんと、ゴキュリ……
ウ、ウ、ウ、ウエスタンエレクトリック594Aなのです !!
このWE594Aはレプリカではありません。オリジナル、ホンモノ、あの伝説のWE594そのものなのです !!
しかもしかも、振動板もオリジナル、ALTEC製ではなくWE製なのです !!!
書くまでもありませんが、WE594Aはフルレンジ仕様のWE555の後に、2way用のドライバーとして開発、WE555の1927年より遅れる事6年、1933年にプロトタイプが発表されたものです。
その後完成度を高めて、1936年にWEのミラフォニックシステムの中核として世に出ました。
一部からは過去現在を通じて世界最高性能のドライバーユニットと評する声もあります。なんでもWE594Aの性能が良すぎて、ウーファーに何を持ってきても釣り合わず、苦労が絶えないユニットだとか。
WE594Aに関してはステレオサウンド社を始め多くの書物が出ていますし、横須賀の三上剛先生のHP、情熱のオーディオhttp://mikami.a.la9.jp/audio/audio.htmの中のウエスタンエレクトリック病棟(三上先生は医師です)にも詳しいので、私の浅い蘊蓄披露は致しません。
WE594Aに使用するホーンとしては本格的な物はWE24A、26A。やや小型となるとWE31A、またはALTEC31Aでしょう。
この中でWE24A+WE594Aは九州で見た事がありますが、TA-4181ダブル+ショートホーン、WE555+WE15aの上、WE597の下の帯域に使われる予定であるものの、まだ結線されていなかったていたので音は聴いていません。
WE31A+WE594は埼玉県の某ショップで、下にTA4181(TA4151だったかも?)一発の物を聴かせて頂きました。
大変濃密なエネルギー満点の音、同時に美麗で実在感のある音で大変感心しました。
今回、WE594Aに装着されているホーンはWEの後継会社、ウエストレックスのT550-Aです。このホーンはWEの流れを汲みますが、本来はウエストレックスT530-Aドライバーが装着されるものです。
T530-Aドライバーはランシング・マニファクチャリング社284をパーマネントマグネットに変更し、改造したものだと思います。その後のJBL375の下敷きになったドライバーでしょう(284の改造から288と375が派生した様に理解しています)。
https://kojomotohisa1958.seesaa.net/article/497165068.html
2023年01月21日
WE594A(!!)+WestrexT550-A(!)のペアをGET !!!(その2.)
https://kojomotohisa1958.seesaa.net/article/497165143.html
(テスト中のWE594Aです。チャンデバは丸い黒テーブルの上の銀ピカのヤツ、励磁電源はオットマンの足置きの上のメーターが付いたヤツです)
T550-A.JPG
T550-Aのホーンを実測しますと直径が34.5p、長さが40pとJBL HL88と同サイズだと判りました。やはりこれはHL88の前身の音響レンズですね。T550-AはJBL業務用の537-500、続いて評論家の菅野沖彦先生が最後まで愛用されていたJBL・HL88へと続きました。
先生はHL88に375ドライバー(T530-Aの後継、業務用の2440と同等)を装着されて長い期間使われました。
T550-AとHL88はほぼ同じ形ですが、HL88はホーンレンズの横に大きな窓が空いており、息抜きになっています。
このため、HL88はT550-Aよりもやや低域のレンジが狭い様です。その分、指向性は広いのかもしれません。
実はWE594Aに装着するウエスタンエレクトリック製の蜂の巣があったそうです。この蜂の巣はT550-Aと同じホーンレンズですが、スロートのWE594Aを装着するボルト穴の位置だけが違うそうです。
今回入手したT550-Aはウエストレックス製で、T530-A用ですから、スロートにボルト穴を追加してWE594Aが装着できるようにしてあります。
ホーンレンズは1949年にベル研究所が発表したものの実用化されなかった技術をJBLが実用化、それをウエストレックスが逆輸入よろしく採用した様です。
この辺りの経緯はブログ友達の「オーディオ再開、レコードで音楽を楽しもう」2022年2月4日の記事に詳しいです。
この様にT550-AはWE594Aとは親戚ですが、分家と言ったところで、WE594Aの開発より10年以上後に発表されたものです。
しかしWE594AにT550-Aを装着して前オーナーは聴いておられましたし、少なくとも全くの場違いでもありません。
ともかくコレで聴いてみましょう。
音響レンズは大型ホーンを近距離で聴くための工夫というよりも、指向性を広げるための工夫の様です。
最近はCDホーンなど他に指向性を広げる発明が成されたため、もう音響レンズは過去の技術になりました。
既にJBLのカタログからも音響レンズは消え、特にパンチングメタルを重ね合わせるタイプは早く消えたように思います。
https://kojomotohisa1958.seesaa.net/article/497165143.html
2023年01月21日
WE594A(!!)+WestrexT550-A(!)のペアをGET !!!(その3.)
https://kojomotohisa1958.seesaa.net/article/497165179.html
(WE594Aのシリアルナンバーは2294と2504です。594は4000本ほど作られたそうなので、中期のものでしょう)
T550-A+T530-Aはウエストレックスのラインナップであるように、本来は劇場用です。
ALTEC やJBLの箱の上にT550-A+T530-Aを乗せて小劇場(?)で使用している写真も見たような気がします。
ただし、先の友人のブログ記事にあるように、音響レンズはやはりALTECで頻用されたマルチセルラホーンと比べると遠距離への音の飛びが劣る様です。
故・伊藤喜多男先生も同様の意見で、T550-Aを含めたウエストレックスの機材を御自身が納めた劇場で、後方の席の音飛びがイマイチと、ロンドンWEの2090A+2094Aに変更する事を劇場オーナーに提案されたそうです。
しかしオーナーはT550-Aの音が気に入っていた様で、首を縦に振らなかったとか。
という事はですよ、近距離で聴くとT550-Aは2094Aより良いのかもしれませんぞ !!
音響レンズは大型ドライバーを近距離で聴くための工夫というよりも、指向性を広げるための物の様です。
T550-A+T530-Aはウエストレックスのラインナップであるように、本来は劇場用です。
さて、T530-A+T550-AはALTEC 210箱の上に乗せ、ウーファーをロンドンWE2090A×2で行くべきか、JBL4550箱の上に乗せて、ウーファーをLansing 415レプリカ×2で行くべきか。
T550-A、設計はジェームス・バロウ・ランシングですから、この音響レンズはALTECよりLansing社寄りでしょう。
どちらもOKと思いますが、JBL4550箱と組み合わせる事にしましょう。
JBL4550+ランシング415レプリカ×2は現在WE13a+WE555と組み合わせて良い音で鳴っています。
しかしWE555は音量を上げ過ぎますと振動板が飛びますので、中程度までの音量で再生しています。
wE594A+T550-Aならかなり音量があげられるはずですから、415も本領が発揮できるのでは。
F特.PNG
https://kojomotohisa1958.seesaa.net/upload/detail/image/FE789B9-thumbnail2.PNG.html
Audio Toolsで計測したF特です。是枝Lab.チャンデバで下は650Hz、12db/octで切ってあります。万が一の時にWE594Aを壊さない様に、ASCのフィルムコン40㎌をパラって80㎌にしたものをレシーバーの前に挟んであります。WE594Aは公称24Ωですから、85Hz以下を更に6db/octで切ってある計算です。
グラフを見ると高域は8KHz辺りまでフラットで、その上は急激に下がる様ですね。
少し試聴もしました。カミラ・ティリングの「ロート・ローゼン」、ファウストのバッハ無伴奏パルティータ第二番」です。
エネルギー感の強い熱い音ですね。分解能も素晴らしいと思います。
ツィーターはあった方が良さそうですね。
さて、このWE594A+T550-Aをどのように415ダブル+4550と組み合わせるか。
吊る、乗せる、挟む、仕込む、いろんな作戦を考えています。
年度内に状況終了と行きたいところです。
https://kojomotohisa1958.seesaa.net/article/497165179.html
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/208.html#c216