1. 藪素人[45] 5U2RZpBs 2019年5月13日 18:03:36 : CIQ92Zc4Nn : S004SnJlUk9qNWs=[1]
存在感の温かさ
十年前、彼女は日頃の仕事の疲れを癒すために友人を訪ねてベルギーに行った。
毎晩パーティがあり、最初は物珍しくもあり楽しんでいた。が、現地の言葉もわからず会話を楽しむことができず日毎に元気がなくなってきた。四つ目のパーティのとき「淋しい!」と思った瞬間、涙が溢れてきた。多くの招かれた客と一緒にいながらも、自分は地球にたった一人でいるような淋しさを感じた。
その楽しそうな輪の中に入っていく勇気もなく、大邸宅の庭を一人あてもなく歩き始め、涙に堪えながらふと見つけた白いブランコに乗った。一生懸命にこいだ。しばらくそうして自分の世界にこもっていると、誰かの視線を感じた。
その視線の方を見やると、5歳ぐらいの金髪で青い目をした人形のように可愛い女の子が、隣のブランコに座り私を見つめていた。目が合うと、その子は優しい眼差しで彼女ににっこり微笑みかけてきた。彼女たちは黙ったまま互いにブランコをこぎ、時々目を合わせては、微笑みを交わした。
女の子の温かい存在は、孤独な心を慰め癒してくれた。彼女たちは一言も言葉を交わさなかったが、女の子を通して「あなたは一人ではない」というメッセージを受け取ったのだった。女の子の温かさは、その微笑みから感じ取ることができた。
http://www.asyura2.com/16/health18/msg/757.html#c1