10. 中川隆[-7841] koaQ7Jey 2025年1月31日 19:13:47 : vTTvDb3u7g : RWwwbWdrYU85Wnc=[1]
二晩続きの武蔵野文化会館(2)タカーチ弦楽四重奏団
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昨日とほぼ同じ時間に、三鷹駅に降り立ちました。昨日は、あまりにも早く行きすぎて、時間を持って余しましたので、きょうは三鷹駅の周りのお店の探訪です。南口と違って、北口は昔から何もありませんでした。そこに、開発の手が入り、駅前にも40階建ての高層マンションが建ち始め、風景が一変しました。それでも緑は多く、清潔な街です。駅前の小型スーパーで、チューブ入りの白ワインを買って、ハンバーグ屋で、カツバーガーをテイクアウトしてから、昨日の道を歩き始めました。
今日も昨日ほどではありませんが、北風が吹いていて、その風に向かって歩くのが気持ち良かったです。途中、待ちきれずに熱々のバーガーを口にほうばりながら、歩きながら食べるのは久しぶりだと思いました。長い距離を歩くのが久しぶりなのですから、当たり前なのですね。チューブ入りの白ワインは、アル中用には便利なモノです。しかし、グラスで飲むのと、チューブの口から吸い込むのでは、ワインの味は違います。安いワインだから帰って良いのかもしれない、などと考えていたら、もう道の半分は歩いていました。
昨日も述べたように、武蔵野文化会館は、ユニークな企画と早期の完売をめざして、とてもリーズナブルな価格で、インターネットや電話で入場券を販売しています。問題は売り出し開始が朝10時だと言うことです。仕事をしている方は、その時間に電話したり、インターネットでアクセスしたりするのが難しいからです。通常の販売でしたら、お昼休みでも充分間に合うのですが、人気のある演奏家ですと、あっという間に売り切れてしまいます。今日のタカーチ弦楽四重奏団もそうでした。気がついて連絡したら売り切れていた人気ある団体です。昨日の夜も紀尾井ホールで演奏会をしていました。そちらも行きたかったのですが、昨日のダネル弦楽四重奏団を早くから買っていたので、紀尾井の方は買えませんでした。
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そのタカーチ弦楽四重奏団の演奏会の切符があるのだけど、代わりに行ってくれませんかと、願ってもないご連絡をベイさんからいただいたのは、今週に入ってからです。嬉しいご連絡です。後から日記を拝見すると、その晩は、ブロムシュテットのN響の演奏会に行かれたようです。しかし、相変わらずのN響のやる気の無さにガッカリされたと書かれていました。二三年前から比べても、N響のやる気度が落ちたようにも感じます。事情通の人に言わせると、メンバーの人選をしているマネージャーがいなくなったからだと言われていました。野球のチームも、監督ではなくその前のメンバーを獲得する、マネージャーの役割が大事です。N響の低迷は、固定されたメンバーのやる気の無さと、若手の入れ替えが良く行われていないからだと感じます。都響のように、終身雇用で無い方が、真剣勝負で面白いと思うのですが。
それはさておき、結果的にベイさんは、こちらのタカーチの方を選択された方が良かったかもしれません。ごめんなさい!
昨日は前から6列目の14番でしたが、今日はその隣の15番です。17番が真ん中ですね。昨日に比べひとつだけ中央に寄った席は、随分響きが違うと感じました。もっとも、演奏団体が違うので、一概には言えないのですが、会場の音響的には、前後の一列、左右の一席でもずれると違うのが良くわかりました。しかし、武蔵野の椅子は、狭くてお尻が安定しません。左右の幅は必ず隣の人の肘との場所取りになるので、それも面倒くさく、腕組みして聴いていました。
タカーチ弦楽四重奏団はヴィオラが女性の方です。昨日のダネルのヴィオラ奏者の大きな楽器に比べると随分と小型のヴィオラです。ほとんどヴァイオリンと変わらない大きさですね。コントラバスやチェロの楽器の大きさに違いは、気づいていましたが、こんなに小型のヴィオラは初めて見ました。タカーチ四重奏団は第二ヴァイオリンとチェロの人がオリジナルメンバーです。第一ヴァイオリンとそのヴィオラの方が後からのメンバーです。
今日のタカーチ弦楽四重奏団はチェロが右から二番目の奥になります。昨日は、一番右の手前側でした。今日はその位置にヴィオラがいます。団体によってこの二つのポジションは変わります。また、第一、第二のヴァイオリンが、対向配置の楽団もありますね。演奏される時代によっても変わるようです。
モーツァルト:弦楽四重奏曲第17番変ロ長調 K.458「狩」
ヤナーチェク:弦楽四重奏曲第2番
休憩
スメタナ:弦楽四重奏曲第1番ホ短調 Op.59-2「わが生涯より」
というプログラムでしたが、最初のモーツァルトの音が出た瞬間、昨日とまったく違う響きに驚きました。同じ弦楽四重奏でも、奏者が違うとまるで別な世界です。昨日のダネルの面々がアンコール弾いたハイドンは、大変丁寧な楽聖に対する尊敬の気持ちが良く表れている演奏でしたが、今日のモーツァルトは、いかにも弾き慣れた音楽という安心感が伝わってきます。しかし聞き込んでいくと、第一ヴァイオリンの少し散漫な音と、ヴィオラの響きと弱い音が気になります。楽器の大きさからなのでしょうか、または女性だからなのでしょうか、音量が小さいのが残念です。第二ヴァイオリンとチェロが、しっかりと楷書で書いているのに、ヴィオラは草書でなぞっているような演奏です。
昨日のチェロと同じように、第一ヴァイオリンの音色とヴィオラの音色が、オリジナルメンバーの音色と合わない気がしました。演奏にかける気合いも違います。そういう意味もあって、前半の二曲は、だんだん、フラストレーションが溜まってきました。ヤナーチェックは、選曲ミスのような気もしました。昨日の紀尾井ホールのプログラム;
ベートーヴェン:弦楽四重奏曲第4番ハ短調Op.18-4
バルトーク:弦楽四重奏曲第4番BB95
ブラームス:弦楽四重奏曲第2番イ短調Op.51-2
の方が、良かったのでしょうか?でも、このバランスでは、どうなのか、少し疑問にも感じました。休憩になって、外の空気を吸いに表に出ました。表は、たばこを吸われる方や体操をされる方もいて皆さんの事情がわかり面白いと感じました。本当は、そのまま帰ろうかと思っていたのですが・・・。
気を取り直して、スメタナを聴きにホールに戻りました。すると、ヴィオラの女性の方は、髪をクリップで留めていてやる気が出て来たようです。ご承知の通り、第一楽章は、激しいリズムで始まります。響きは一転しました。前半より以上、第二ヴァイオリンとチェロのオリジナルメンバーの気合いも入っていたからです。このスメタナは、聴いて良かったと思いました。第一部だけで帰っていたら、この演奏は聴けなかったのですから。気合いの入った良い演奏です。
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アンコールは、バルトークの四重奏曲の第四番から、ピチカートだけで演奏される、第四楽章でした。こちらは、まあまあですね。やはり、ヴィオラのピチカートの弱さが出て来ます。チェロの音はすごかったです。昨日のダネルにこの彼がいたら、大変な団体になります。反対に、今日のタカーチに昨日の第一ヴァイオリンのダネル氏とヴィオラのボグダナス氏がはいればこれもすごい組み合わせですね。あり得ないことですが、そんなことを感じた、弦楽四重奏を二晩聴けた贅沢な夜になりました。帰りは、幾分気分良くなり、また三鷹駅まで歩きました。気合いを入れたから、誰にも抜かれませんでした。もっとも、歩いているのは、ほぼ同年代の方々ばかりで、女性も多かったので当たり前かもしれませんね(苦笑)。
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