http://www.asyura2.com/acat/r/rj/rjb/RjBUa0dYTlkueS4=/100000.html
5. 2021年11月28日 08:27:08 : buDTBzriJk : RjBUa0dYTlkueS4=[1]
【伊藤貫の真剣な雑談】第2回後半「再生産される悪夢・国際政治リベラル3学派の蹉跌」[桜R3/11/27]
http://www.asyura2.com/20/reki5/msg/1207.html#c5
1. 中川隆[-15075] koaQ7Jey 2021年11月28日 09:02:53 : buDTBzriJk : RjBUa0dYTlkueS4=[2]
キット屋コラム「私のオーディオ人生」 by Y下
亡き友のオーディオの遺品 その2
https://www.kit-ya.jp/etc/club/audio/y-033
大変長らくお待たせしました。前回に引き続き今回も亡き友のオーディオの遺品その2になりますが残された遺品は大変多くすべてをご紹介することはできませんがその中に印象に残った物を紹介させていただきます。また彼は第4回のコラムに書きました小池レコード店に通って沢山のレコードを購入した熱心なマニアでもありました。小池レコードに関してはある程度の年齢の方なら小池レコードの輸入盤の音の良さとそこで鳴らされていたサウンドに多くの方は感動され何時までも脳裏に焼きついていると思う、
小池サウンドとはいったいどんなサウンドで鳴らされていたのかその辺も後半でご報告したい、
彼が残した珍しい真空管 KT−61
亡くなった彼が残した真空管の中で珍しい球があります。英国GEC製のKT61ビーム管でSUNVALLEY AUDIOのマニアや真空管アンプマニアでも一度も見たり聞いたりしたことがないと思いますがこの出力管はまだKT−66、KT−88が発売される前の球です。この球の同等管はありませんがプレート電圧350Vと低めで出力はPPで12Wぐらいあります。当時の高能率なスピーカーであれば楽々ドライブして鳴らすことができます。それにしても大変貴重かつレアな球の一つになる。
松下 5AR4 メタルベース
5AR4は沢山のメーカーがありますが今回ご紹介するのはベースがモールドでなくメタルになっている珍しい5AR4です。この時代松下電器産業が作ったのではなく多分オランダのフィリップスが製造してロゴマークを松下と入れたのではと思えますが詳細は不明です。
よくマニアの方は整流管の聞き比べと題して違いを評価していますが間違った
方法でテストしている方が沢山います。Pinコンパチならばどれでも差し換え可能ですが整流管によっては使用できる電流値や整流管の内部抵抗が違うためその辺を考慮しないと寿命を縮めてしまう恐れが生じる。
ポーランド製AZ−4
この整流管は500Vで100mAまでを流して使用します。コネクターは8PオクタルソケットではなくサイドPinタイプになります。ヨーロッパの真空管はけっこうサイドPinタイプが多いですがこのサイドPinコネクターは価格が高いので使いたくても使えないのが欠点ですがポーランド製の真空管なんてあまり聞かない球ですね、
ガラード TYPE−A プレーヤー
彼が残した遺産でガラードのオートチェンジャー TYPE−Aがあります。
このプレーヤーは301,401とは違い沢山のレコードをセットするだけ1枚終了しますと自動的に次のレコード演奏が聴ける面白いプレーヤーの一つです。
このプレーヤーは小池レコード店で使われたプレーヤーと同一になります。彼は熱心な小池レコード店のユーザーですから多分小池レコードと同じ音を出そうと努力されたのではと思われる。勿論アンプはリークを使いスピーカーはグッドマンなどのフルレンジを鳴らしていたが残念ながら小池レコード店の音には似ても似つかないサウンドであるのは云うまでもない、
また熱心なお客に対して小池氏は自分の店で扱っていたスピーカーシステムを高い価格で販売もしていた、ここで買ったスピーカーシステムはワーフェデール、ステントリアン、リチャードアレンなどをボックスに入れて販売していたらしいが残念ながら小池サウンドと同等の音はしなかった、
とんでもないアンプだった
彼が自作で製作された数多くのアンプがありましたが今回ご紹介する自作アンプの中では見た目は大変汚く尚且つ内部の半田付けや配線を見ますと汚いのを通り越してこれでも鳴るのかと思えるぐらい酷いアンプですが使ってあるトランス類は巷ではまず手に入ることのないレアなトランスみたいでこの汚い自作アンプの原器は名古屋駅前にあった有名なメトロ劇場で使われていたアンプらしい、
劇場用アンプはほとんど一般には手に入りませんがどこで手に入れたのか詳細は不明だ、又どこのトランスなのか大変気になることだが色々調べて見ますと当時の劇場アンプは信頼度から云って出力トランス、電源トランス、チョークなどは町のトランス屋で巻いたものとは思えないのとトランスと云えばラックス、タムラ、山水、タンゴではないはずだ、
劇場で使われたアンプ類は果たしてどこのメーカーなのか、この件に関して大阪のヴィンテージマニアでRCAアンプやパルメコスピーカーをお持ちの今田氏にお聞きしましたところ詳しい情報を教えていただきました、
当時の劇場用スピーカー、アンプ類はウェスタンとビクターが沢山の劇場に納入していたらしくビクターと云えば馬鹿にしますが本家は米国のRCAになる。メトロ劇場も米国RCAのスピーカーとアンプが使われていたのではないかと推測できます。
この点を今田氏にお聞きしますとRCAのアンプに内蔵されていたトランス類は米国シカゴ製のトランスで此処のトランスはウェスタン、スタンコア、ランジュバン等から受注して製作されていたらしい、もし本当ならばとんでもない凄いトランスで音響的には最高のサウンドで鳴るはずだが本当にメトロ劇場で使われたスクリーン用アンプのトランスなのかは半信半疑だ、結果は音を聴けば答えは返ってくるから試聴してみることにしたが使用球は6L6GCだがせっかく手持ちのTelefunken/MAZDAのEL34が4本ありますからPin接続を追加してこれを使えば面白いのでは・・・・・
こんなアンプ期待していないよ
スピーカーはヴァイタボックスのフルレンジを使いこのアンプを鳴らす前にWE−300Bを先に試聴してみた、さすがWE−300Bは音色、音質とも素晴らしいサウンドである。室内楽でとりわけヴァイオリンを聴くと何とも云えない心地よさが感じ取れヴァイタボックスの持ち味が十分堪能できる。やはり個人的には3極管は私好みの音だ、
※この試聴にはアナログレコードでコレルリのヴァイオリンソナタをリファレンスに使用した、
それに比べて5極管のEL34は過去に使った経験からすると少し大味的な感じと細身な部分があるから私の好みからすると長く使いたいとは思わない球でほとんど期待していないのだが果たして今回はどんなEL34の音が出てくるのか期待せずに接続した、
このアンプは初段、電圧増幅共6SN7GTを使い回路は内部配線やパーツやトランスを見るとウィリアムソン回路を採用しているみたいだがこんな商品価値のない汚いトランス類で本当に音が出るのか、また汚い配線と下手くそな艶のない素人の半田付けでいい音がする道理は無い、電源投入後にスピーカーから若干ではあるがハム音がでているが試聴位置では気にならないが相当トランスからのリッケージフラックスに伴うノイズが出ているみたい、
何だい!この音は
早速、同じトラックに針を下ろして鳴り出すのを待った、出てきた音は「何だい!この音は」にぴったりな表現、今までのオーディオの概念を覆すほどの特徴を持ったサウンド、ヴァイタボックスのフルレンジがこんな音で鳴るのは初めての経験、ジャズ喫茶のDaysを含めて京都のヤマトヤなどで沢山のヴァイタボックスを聴いてきたがこんなヴァイタボックスの音は聴いたことがない、
私が聴かせていただいた三上先生宅や伊勢市のWEC5、東京のウェスタンサウンドインクで聴いたウェスタンの555のドライバーを使ったスピーカーシステム、WE−755Aとはまったく違う異質な鳴り方だ、勿論アルテック、JBL、タンノイとはベクトルの違う音で部屋全体に鳴り響くのには脅威を感じた、ではどんなサウンドの音色、音質かと聞かれても返答に困るのと言葉では言い表せない未体験のサウンドとしか云えない、
もしこのサウンドを他のマニア宅で聴かされたら私は完全にノックアウトされてしてしまうか、自分のシステムの音を聴く気になれなくなるだろう、
今使用中のロンドンウェスタン直系のスピーカーも良いがこのアンプを使ったヴァイタボックスは見えない糸に引き付けられる麻薬的な要素を持ったサウンドで一度聴いたら忘れられない音だ、
このアンプに使用してあるトランスはタムラ、タンゴ、LUX、ファインメットコア、オリエントコアの特性ばかり追っかけた自作マニアが使うトランスでは残念ながらこの音は出てこない、このトランスは外観こそお粗末だが間違いなしに米国シカゴのトランスと思う、昔も今も真空管アンプはトランスが一番重要と・・・・・
このサウンドは何処かで聴いたことがあるぞ
色々聴いていくうちにこのサウンドは遠い昔に何処かで聴いたことがあるぞ、そうだ思い出した!このサウンドの特徴は小池レコード店で聴かされたサウンドと同じだ、小池レコードのスピーカーはもう完全に手に入らない1950年代のスピーカーだがヴァイタボックスのフルレンジも同じ1950年代に登場したスピーカーであるから音はほとんど共通点を持っていると言うか製造元は同じところで作ったのではと思えるぐらい似ている。
接続するアンプがWE−300B、PP5/400のアンプを使うと小池サウンドにはならない標準的なヴァイタボックスサウンドになってしまう、
今回初めてこのアンプで鳴らしたサウンドは小池レコードの伝説のサウンドと瓜二つの音だが遠い〜昔に高校生の頃、小池氏の新幹線と東海道線の話がこのサウンドと共に蘇った気がしてならない、
小池レコード伝説のエピソード
今になって小池レコードは伝説になってしまったが此処で鳴らすサウンドは誰しも一度聴くと魅了されてしまう音であったのは間違いない、今でも私の周りにも小池レコード店に通われた方が沢山います。その方達とお話しますと「あの小池の音は素晴らしかった」と口にする。
噂では小池レコード店に関西では有名なオーディオマニアでもある落語家がこの店に訪れた、小池氏は黙って一枚のレコードをかけて落語家に聴かせた、落語家は落胆して店を出てから付き添い人に「もうオーディオはやめよう」と洩らしていた、相当ショックを受けたのかもしれない、
またこの店にタンノイのオートグラフを持っているオーディオマニアが訪れた、小池氏は口論になるとタンノイマニアに一枚のレコードを聴かせた、小池氏は強い口調で「タンノイでこの音が出るか!」と一喝したらしい、タンノイマニアは黙って店を出て行ったと後から聞かされた、多分あのサウンドとレコードを聴かされて頭の中が真っ白になったかも(このタンノイマニアは私のオーディオ仲間でもあった)
あとがき
今回は亡き友人の遺産のパートUになりましたが彼が作った弁当箱を使ったようなシャーシーと高価でもないパーツ、汚いが穴明け加工から組み立てまで考えて製作した努力は自作マニアの中でも大したものだ、こんな音が出るのならこのアンプをオーバーホールして新しく作り直そう、
またこのアンプは名古屋の委託販売のショップの棚に置いてあったが誰も見向きもせず埃が被っていた哀れなアンプだった、彼のために弔い合戦とはいかないが自分のスキルを屈指して新規に作り直そう、折角作るのであれば真空管アンプでは価格も高く評価の高い○○ラボラトリーが有名だが○○ラボラトリーでも真似の出来ないそれ以上のレベルで亡くなった彼のためにY下オリジナルを作ろう、次回のコラムはシカゴトランスを使ったEL34 PPアンプの製作記事と試聴になります。
お楽しみに!
https://www.kit-ya.jp/etc/club/audio/y-033
http://www.asyura2.com/18/revival4/msg/151.html#c1
2. 中川隆[-15074] koaQ7Jey 2021年11月28日 09:10:00 : buDTBzriJk : RjBUa0dYTlkueS4=[3]
キット屋コラム「私のオーディオ人生」 by Y下
シカゴトランスを使ったウィリアムソンアンプ
https://www.kit-ya.jp/etc/club/audio/y-034
第34回のブログは彼の作ったアンプを解体して新規に作り直してEL34を使ったウィリアムソンアンプの製作と試聴になります。ウィリアムソンアンプは1948年に発表された高NFBをかけたアンプでウィリアンソンアンプの原型の出力管はKT−66PPですが今回は彼の遺品でもあるドイツMAZDAのEL34を若干ではありますが時定数を変更してウィリアムソンアンプを忠実に再現して製作しましたが今回ほど大変苦労をしたアンプはないのと皆さんの前にお披露目できるものではなく又自慢できる程のアンプはありませんが音質的には素晴らしいのを持っていましたのでこのコラムで製作と試聴をご報告させて頂きます。
グリーンメタリック塗装を施しY下のお家芸であるステンレスアッパーパネルを採用したEL34−PPモノラルアンプ
私と一緒に写っている右側の方は皆さんご存知かな?管球王国や真空管オーディオでは全国的に有名な新先生です。この方は大変人当たりが良くオーディオに対して特に真空管アンプの製作に関しては日本ではトップクラスに入る非常に感じの良い人で大きな器を持っていますが名前だけの師匠ではなくこの方こそ本当のオーディオの師匠と云えます。先生は私の所属しているオーディオクラブの試聴会にお見えになった時やサプライズでクラブの懇親会にお見えになった時からアンプ製作に関しては同じ考えで年齢を超えて意気投合しています。新先生とはこれからも真空管アンプでの交流をさせて頂きご教授頂きたいと思っております。新先生これからも宜しくご指導下さい。
クラブの井上君にお願いして写して頂いた先生とのツーショット写真
高名な先生に図々しく肩を組んでいるおっさんが私です。
ウィリアムソンアンプの製作
ウィリアムソンアンプは1940年代の終わりごろ英国のウィリアンソン博士が発表した高帰還型アンプでマニアの間では音の良いアンプと云われていました、
当時発表された真空管構成は6SN7−6SN7−KT−66を使い整流管は53KU(コッソー)トランスはパートリッジです。既製のアンプではこの回路を採用したアンプはほとんど見かけません。回路の複雑化と部品点数の多さとそれに見合う良質なトランスがないため本来の良さが発揮されないのかそれとも回路が古すぎて採用しなかったのではと考えられる。
私が思うにはウィリアンソンアンプは出力トランスが決め手ですから自作マニアが国産の既製のトランスを使って回路を真似ても残念ながら本来のウィリアンソンアンプの良さは出てこないと思う、
ウィリアムソンアンプこそ出力トランスが音を決定すると云っても言い過ぎではない、オリジナルは英国のパートリッジを使っていましたからその良さが引き出されていたと考えられる。もし私がシカゴトランスを手に入れなければウィリアムソンアンプは作らなかったと思う、英国パートリッジのトランスの良いのは認めるがシカゴトランスはパートリッジには負けないウェスタンのOEMのトランスですから作る意欲が出て来るのは当然かも・・・・・・
また私なりにこのウィリアムソン回路を採用した既製のアンプを調べましたらありましたSUNVALLEY AUDIOでおなじみのサンバレーさんからこの回路を採用したアンプで「SV−8800SE」がウィリアムソン回路を採用しています。ウィリアムソンアンプはNFBが高帰還型で出力トランスによっては不安定要素が若干あるような気がしますがその点この「SV−8800SE」は高帰還アンプではないので音に安定感があります。
このアンプを東京の試聴会で聴きましたが文句なしの第一級の音質を持っているのとステンレスの鏡面パネルの採用でルックスが大変素晴らしいゴージャスなデザインと見栄えを持ち合わせたアンプで自作マニアではまず真似する事は無理であると書くと自作マニアは「俺ならもっと良い物を作る自信はある」
と反論するかも、私に云わせれば自作マニアが作った素人アンプは商品の価値観がゼロでセンスもないから100%無理と断言できるし勿論音質的にも太刀打ちはできない、
KT−88アンプを探されていましたらお墓を質屋に入れてでもこの「SV−8800SE」を購入する事をお薦めしたい、出力トランスのバィファイラ巻はウィリアムソンアンプの良さを十分に引き出して堪能できるはずだ!
自作アンプの価値観
彼の製f作したアンプ類は仲間同士でも買ってくれなかった、やはり真空管アンプはいくら音が良いと本人が力説しても美観やルックス、汚い配線と半田付けが悪ければ購入意欲が湧かないのではないか、アルミの弁当箱のようなシャーシーに穴とネジだらけのアンプにはいくら音が良くてもほしいとは思わない、例えば自動車の場合は見える部分はネジの一本も見えないように考えて作ってあります。アンプも同じように表面がネジだらけのアンプでは美観以前の問題、やはり作る以上は最小限のネジ点数を少なく作らないと最終的に部品取りのジャンクアンプになってしまう、
自作マニアはキットアンプの製作とは違い労力を伴う、シャーシーの穴加工からパーツの調達まで自分ひとりでやらなければならないのは大変であるが完成した達成感は作った人しかわからない喜びがある。
100人のオーディオマニアがいたら自作できる人はほんの一握りの方しかいないと考えるのが正しい、昔は自作マニアが沢山いましたが年齢が高くなり他界された方が多いので少なくなったのかも、
その点キットアンプの場合はシャーシー加工やパーツ等の調達もないから実体図を見ながら容易に製作出来るメリットはあるが初めてならいざ知らず数台も作った方なら回路図が読めて動作原理がわかるようにならないとアンプの話題も球の話も人前では語れない、是非動作原理、回路図が読めてほしい、回路図や動作原理がわかれば故障した場合発売元に頼まなくてもテスター一本あれば自分で修理ぐらいは簡単にできるようになる。
キットアンプが上手く製作出来ない方やまともに組めない方に限って早く完成して音出ししたい焦りが先行して短時間で完成させようと潜在意識が働くので中途半端な未完成状態になる場合がほとんどでこの様な方達は時間をかけて一台のアンプを作る為の計画性がない、ギブアップしない為には回路図、実体図、取り説にたっぷり時間をかけて頭に入れ計画性を持って製作すればまず失敗はしない、また作る時は半田付けの仕方や引き回し配線、パーツの取り付けをイメージしながら丁重に製作しないと中途半端でさじを投げてしまう、私はアンプ製作の達人でもなければ師匠でもない素人のアンプ製作マニアですから人にご教授できる器もありませんが良い物を作る気持ちは皆さんと同じだと云える。
テレビドラマでドクターXがいつも言うセリフ中で「私は失敗しないので」その気持ちで作れば上手く鳴った時は喜びと感動があるからこの事を弁えて失敗しないアンプを作って楽のしんでもらいたい、
真空管アンプを作る楽しみは自作派もキット派もどちらも同じであるがただ一つ云えるのは真空管のオール自作派のアンプは売る時は球の価格とトランスの価値しかない、いくら本人が力説しても見栄えの悪いやぼったい自作アンプでは仲間内ではそれなりの金額で買ってくれるがオークションやショップに出した場合は二束三文になってしまう、
やはり自作アンプもルックスの重要性は無視できないが残念ながら私も含めて商品価値やセンスに欠ける。
「俺は作る事に楽しみを感じているから売る気はない」と豪語している自作マニアもいるがこんな事書いては不謹慎ではあるが万が一自分が倒れて亡くなった時を考えれば残された家族は趣味で集めたオーディオパーツの良さがわからないからゴミになる場合が多い、生きている間に身内にこれは高く売れると伝えておくか遺言書に記載すれば家族にとっては助かるし価格的に高く売れる物を残しておけば葬儀代も少しは金銭的に楽になるはずだ、ただしレコード盤やCDはいくら名盤と云ってもハードオフ等の買取りショップに持ち込めば二束三文になる場合があるから要注意、
その点キットアンプの場合は知名度のあるメーカーなら金銭的に苦しくなった時や亡くなって処分する場合は自作アンプとは違いそれなりの価格で売れるのが魅力と云えば魅力、このような事を書くと俺もお迎えが近いかも?
最近長生きの秘訣の方法がわかったぞ!言いにくい話だが早く亡くなる方ほど性格も良く色んな人に好かれた方が多い、そこで一考長生きしたければ病気にも嫌われ周りにも嫌われる性格になるのが長生きの秘訣だ、大変馬鹿な事を書いてしまったがこの部分は読んでも無視して下さいね、
「俺は嫌われ者だぁ〜100歳以上生きるぞ」
馬鹿な事ばかり書きましたがいよいよ本題の方に入ります。彼が残したシカゴトランスを使ったウィリアムソンアンプは日本のトランスにはない最高のサウンドを聴かせてくれたが今回はトランスと一部真空管だけ残してY下アンプの製作になります。まずは写真をご覧ください。
これがメトロ劇場で使われていたRCAアンプに内蔵されたシカゴ出力トランス、年代を感じさせるが汚すぎる!
パターン設計から製作したプリント基板で上のボードは電源平滑用で下側のボードはCRボードになります。抵抗はすべてアーレンブラッドレーを使用
今回は予算の関係上あまりお金をかけずに作るのがコンセプトになりますがこれ程苦労して製作したことはありませんが目標は高級マニアの間では有名な○○ラボラトリーの真空管アンプにすべてを超えるのが目標ですから十分構想を練ってからスタートしました、
アンプ製作の苦労
シャーシーは1.2tの鋼板を使いY下お家芸のステンレスアッパーパネルとトランスがあまりにも汚いのでトランスカバーも作りました。
1.シャーシーは全て穴加工を自分で行い細かい部分はヤスリを使って仕上げ加工を施した、
2.ステンレスのパネルは研磨剤を使って鏡面処理を施しましたが鏡面処理は時間と労力だけではステンレスの鏡面にはなりませんからこの部分は失敗が許されないですから大変苦労をした部分であります。
3.内部配線に関してオール手配線を止めてCRボードをプリント基板で作成しました、又プリント基板設計はなれていますから回路図を頭に入れれば苦になりません。
4.モノラルアンプですから電源部関係は2倍のコストがかかった、
5.仕上げ塗装はプラモ用のMrカラーのスプレーを購入してサフェーサーを吹き付けてからペーパーで仕上げてメタリックグリーン塗装にした、最後に車用2液ウレタン塗装を吹き付けて仕上げしました、
6.引き回しワィヤリングは同一色に統一した、モノラルの場合は2台とも同じワィヤリングをしないと音に影響を及ぼす
7.ヒーター配線はAC点火ですが今回は真似ては困るのですがヒーター線をツィストペアせずストレート配線を行いましたが完成後のハムの影響がどれだけ出るか、
配線前のアンプ内部写真、SPターミナルの所に見えるのがDC,ACバランスボリューム、右側が電源トランスになります。
配線及び半田付けがすべて完了、これで完成になります。
彼のアンプをオーバーホールして再度製作しましたが今迄沢山の真空管アンプ製作の中ではトップクラスの難易度だったが今後アンプ作りは卒業したいが、まだ珍しい名球が2本あるからこれを作って最後にしたいのだけどいつもこれが最後と云いつつあれから何台作ったやら・・・・・・・・
このアンプも大変苦労をして製作したが前回製作した91B交流点火アンプよりシャーシー構造が複雑と部品配置とワィヤリングが立体のため遥かに作りにくいアンプになった
またトランスと球があれば出費は少ないと思っていましたら意外や意外パーツだけでも軽く10万以上かかってしまったが見えない部分の費用は予想外でした。
アンプの使用パーツと配線
ウィリアムソンアンプに使用したパーツで抵抗はアーレンブラッドレー、カップリングコンデンサーはスプラグのブラックビューティー、真空管ソケットはオムロンの8Pinモールドタイプ、プリント基板はガラスエポキシ、電解コンデンサーは一般市販されている日本ケミカルを使いました。今回も採用しましたスプラグのブラックビューティーはマニア間では最高と評価されています。
このコンデンサーをチェッカーでチェックしましたが容量抜け電流漏れはまったくありませんでした、(ブラックビューティーの購入先はバンテック)です。
引き回しワィヤリングは3次元立体方式を採用したが動作上の問題が生じた為ワィヤリングを変更して組み直したが今回も納得のいく作品ではなかったのが少し残念だ、
ウィリアムソンアンプの音の評価
使用真空管は初段が日立の6SN7ドライバー管はマツダの6SN7です。ここの部分に拘りを持ったマニアはRCA,シルバニアなどを使いますが国産球でもヴィンテージ菅は海外の球にも負けず劣らず良い音がします。出力管はドイツMAZDAのEL34、整流管はザイレックスのGZ32を使いました、(ザイレックスは英国の真空管商社)ザイレックスの場合は実際どこのメーカー球か不明ですが多分球の形状を見ますとSTCと思われます。
RCAの5U4GBも使いましたが主役のEL34が脇役になるのと直熱整流管ですと+Bの電圧の立ち上がりが早いので球を痛める恐れがあり精神衛生上テストだけで終わりましたのとバランスを考えて却下、アンプの製作日数は構想から45日、約一ヶ月半を要しました、
出力は3結アンプですから約14.3W、残留雑音は0,8mmVで負帰還量は15dBです。早速音の評価ですが私1人の評価だと自分が作ったアンプですから悪いとは書けず又最高と書けば自惚れになりますからあえて自己評価はしません。
またヒーター配線の基本はツィストペアで行いますが今回はストレートでの配線にしましたがハムノイズはほとんど影響なくトランスのリッケージフラックスの問題もトランスカバーを付けた結果心配したハムノイズは生じなかった、この辺はPPアンプの良さかも知れません。
今回はヴィンテージマニアで大変仲の良い西山氏に同席して頂いて率直な意見を云って頂きました。西山氏にもこのサウンドは一度も聴かせていませんからどんな評価されるのか、
西山氏曰くバッハのバイオリンを聴くと「木の香りがプンプン漂う一度聴くと忘れられないサウンド」また「小池のじぃちゃんの音」と同じと大変うれしい評価を頂きました、
シカゴトランスを使ったウィリアムソンEL34アンプは期待以上の鳴り方には安心した、
数日後の日曜日にはJBLのエベレストを上手く料理してクラシックを見事なサウンドを鳴らしている豊橋のオーディオクラブに所属する高橋氏がPCオーディオを引っ提げて我が家に道場破り、早速PCオーディオサウンドをセッティングして披露して頂いたがアナログやCDの音とは違う空気感を伴った臨場感のあるPCオーディオサウンドには私も参りましたの一言、高橋氏がお薦めしているPCオーディオを私も金銭的に余裕が出来次第導入する予定だ、
高橋氏が言うにはこのサウンドは他のマニアには聴かせてはならないサウンドでオーディオマニアが聴けばレッドカードを付き付けられカルチャーショックを受けるからと忠告、褒めているのか貶しているのかはわかりませんが高橋氏のサウンド評価は二重丸と太鼓判を押して頂きました。
今回はウィリアムソンアンプの実力を見せつけられたがシカゴトランスの実力が十分発揮されたのではと思う、シカゴトランスはウェスタンエレクトリックのOEMメーカーだけはある。自作マニアが国産のトランスで作ったEL34アンプだとこんな音はまずは出てこないと思う、
オーディオクラブの会員でオーディオを知り尽くした高橋氏が持ち込んだPCオーディオ、こんな音を聴かされたら言葉が出ません。
恥ずかしながらY下サウンドをYou−Tubeにアップしました。
今回EL34を使ったウィリアムソンアンプの音を一度聴いて下さい。
https://www.kit-ya.jp/etc/club/audio/y-034
http://www.asyura2.com/18/revival4/msg/151.html#c2
3. 中川隆[-15073] koaQ7Jey 2021年11月28日 09:19:16 : buDTBzriJk : RjBUa0dYTlkueS4=[4]
キット屋コラム「私のオーディオ人生」 by Y下
GOODMANS AXIOM−80 を鳴らす
https://www.kit-ya.jp/etc/club/audio/y-035
大変長らくお待たせしました、このコラムももう35回目になりました、35回の節目としてマニアの間では究極のユニットとか伝説のユニットと云われているGOODMANS社のAXIOM−80フルレンジスピーカーを取り上げます。
今回ご紹介するユニットはレプリカではなく1950年製の最初期オリジナルユニットになります。巷ではAXIOM−80はマニアを引き付ける麻薬的なサウンドで魅力的な音だとかこのスピーカーで聴く弦楽器の再生はこれ以上ない!とか云われ一度このスピーカーの虜になるとタンノイ、アルテック、JBL等では味わうことの出来ないスピーカーと云われていますが果たしてどれ程のユニットなのか実験を行いながら試聴しましたので興味がおありの方は最後までお付き合いください。
1950年前後の超レアなユニット、状態も大変よくコーン紙の補修もありません。
AXIOM−80
AXIOM−80をネットで検索しますと色々な方が評価していますからあえて私が詳しく述べる必要はないのとAXIOM−80に関して自分はそれ程詳しくはありませんが使われた方のコメントを読みますとAXIOM−80は大変気難しく簡単には鳴らないと云われている、
私のコラムでも以前に書きましたが故瀬川冬樹氏がこのユニットを使っていたと紹介しましたがこのユニットはオリジナルと復刻(レプリカ)がありその違いを比較したわけではありませんが今はないヒノオーディオでヒノ製のボックスに入ったレプリカのAXIM−80を聴いたことがあります。その時の印象として大変指向性が強よくて高域は耳に付くきつい音でこれが噂のAXIOM−80の音かとがっかりした覚えがある。
皆さんもAXIOM−80を聴かれた方はオーディオショップがほとんどと思われますがショップの場合は適当にセッティングして展示してあるアンプを繋いでの音出しがほとんどですから本来の実力は見えてこないのとこのような簡易的な鳴らし方ではAXIOM−80が可哀そうに思える。ショップで鳴らすAXIOM−80は魅力が乏しく他のスピーカーのが良く聴こえて来る。残念ながら適当に接続してセッティングしたAXIOM80は本来の音とは程遠いサウンドでこれがAXIOM−80の実力かと思われるとこのユニットは哀れである。
AXIOM−80のオリジナルBOXは存在しない!
色んな方のAXIOM−80のコラムを読みますとAXIOM−80をオリジナルボックスに入れて楽しんでいる方が沢山いますがGOODMANS社はユニットを装着したオリジナルボックスは存在しません。当時GOODMANSはシュロリ貿易が輸入元でこのユニットをヤマハがGOODMANS社からライセンスを受けて製作されたと聞いています。
ヤマハボックスはAXIOM−80の図面を元に後面がコーナーになっていて前面にARUを取り付けて販売されていた、時々写真で見るオリジナルボックスはすべてヤマハが製作したものですがこのボックスは評判が悪く本来のAXIOM−80の良さが出ないボックスと云われている、 もう一度はっきり云わせて頂くとAXIOM−80のオリジナルボックスは存在しません。仮にオリジナルと称して本国からユニットを装着した物が入荷したのであれば英国の箱屋が作ってユニットを入れたものと思われる。
タンノイの様なオリジナルボックス付きの場合100%失敗はしないがグッドマンズ社の場合はユニットだけの販売では一部マニアでしか使えない欠点がある。
私が高校生の頃名古屋の納屋橋にありましたヤマハビルのオーディオ売り場にこのAXIOM80がヤマハボックスに収納されて展示してあったのを覚えています。またシュロリ貿易が出していたGOODMANSの総合カタログがありこれを目に通すと一風変わったユニットが載っていました、これが現代でも幻の名器と云われるAXIOM80で真っ赤なマグネットを装備した見た目にも高級感があったのを覚えています。当時の販売価格は1本26,000円ぐらいだったと記憶しています。またこのユニットを装着したヤマハボックスに入れたのを聴いていますが当時の耳のレベルでは凄いとは思わなかったが国産品しか知らない私でしたから外国製と云うことで魅力はありました。
センターのサブコーンは薄いベークライトのような素材を使ってあるのが本来のオリジナルになります。
AXIOM−80のレプリカ
オリジナルとレプリカ、確か真空管の名器でマッキントッシュのC−22、マランツ#7もレプリカがありましたね、良質なオリジナルが無い為やむを得ずレプリカを購入された方が沢山いますがルックスは同じでも音質的にオリジナルとは似ても似つかない音ですがこれは仕方がないかも知れません。
AXIOM−80もオリジナルとレプリカタイプが存在しますが今の時代良質なオリジナルを手に入れることは至難の業かも、ヤフオクで時々AXIOM−80が出品されていますがユニット単体で30〜40万ぐらいで落札されているのを見ますといかにこのユニットの人気があるのか伺えます。良質なオリジナルが手に入らなければレプリカになりますがこのレプリカも曲者で外観はAXIOM−80と同じ作りですが音質的にはまったく違います。
またオリジナルの場合も初期型、後期型が存在する事がわかりました、私が所有していますAXIOM−80は1950年代の初めのユニットですから完全な初期型になります。
AXIOM−80の使いこなし
今までステントリアン、ワーフェデール、グッドマン、パイオニア、コーラル、ヴァイタボックスなどのフルレンジユニットを使ってきましたがスピーカー遊びはフルレンジが一番面白いのとボックスに入れれば即鳴るのが魅力でしたがフルレンジ程上手く鳴らせないユニットはありません。オーディオはフルレンジ派もいればマルチ派もいます。あるマニアが云っていた事ですがマルチを追求して鳴らしている時に俺は音を聴いているのか楽を聴いているのか自己不信に落ちいって最終的にフルレンジに戻したと云っていましたが確かに3Way、4Wayの大型ホーンを使ったスピーカーの音を聴いていますと歪感の少ない良い音に聴こえますがじっくり聴きますと音の定位がバラバラで一つにならないのと楽器や人の声を聴きますと音像が大くなり不自然感は拭えません。音楽を楽しむと考えたらフルレンジ型やコアキシャルスピーカーが自然体で音楽が楽しめる。どちらも一長一短があるからオーディオは面白いのではないだろうか、
早速ですが私なりにAXIOM−80の使いこなしになりますが良いスピーカーほど簡単には鳴らない、特にこのユニットは箱を選びアンプを選ぶ傾向があるのがわかった、ヤマハが販売したGOODMANSの指定箱では正直低域の量感が乏しくバランスがすべて上に行ってしまい高域がきつく疲れる傾向の音になってしまう、
また解決策として低域の量感を増やす為ウーファを追加して2Wayでやられている方がいますが理論的には正しいのですがウーファとAXIOM−80の繋がりに問題があるはずです。AXIOM−80はフルレンジですからこのユニットを低域のみカットして使えば何処かの部分でディップが生じるのと音色が同じでない為不自然になってしまう、では同じGOODMANSのユニットを低域で使用すれば解決するのかと云えばこれは難しくカット&トライで挑戦するしかない、GOODMANSでもAXIOM−80は特別な音色を持ち合わせていますから音色は一致しない、
今回は私の所有しているタンノイGRFタイプのボックスにこのユニットを実装して試聴しました、このボックスの容積は約250?、ボックスの材質はフィンランドパーチで板厚は19mmでバスレフタイプなります。
他の方が書かれたブログを読みますとAXIOM−80はバスレフ、バックロードではスピード感がなく付帯音がくっ付いて鳴らないと書いてありましたがそれは本当なのか実証してみたいと思いますがその辺はカット&トライでやって見たいと考えています。
マグネットは17000ガウスもある強力マグネットで現代のスピーカーでは考えられない強力なアルニコマグネットを採用しているのは脅威でもある。
AXIOM−80音出し
早速このユニットを実装しての音出しですが取りあえずユニットのみ裸の状態で音出ししてみました、最初に出てきた音はどこにでもある特別な音ではなかったがこれをボックスに実装したらどんな音になるのか胸がわくわくしてくるのがわかる。世界の名器と云われたユニットが果たしてどんなサウンドを奏でてくれるのかスピーカーマニアならこの気持ちは理解していただけるのではないだろうか、折角鳴らす以上比較対称するものがなければ評価のしようがない、ここで片側の左側はAXIOM80を装着し右側をVITAVOXのDU−120コアキシャルを取り付けての比較試聴なら私の様な阿呆耳でもはっきりわかるはずだが未知の体験であるがため試聴には慎重にならないといい加減なレポートでは参考にならないとお叱りを受ける。
またこのAXIOM80は真空管アンプを選ぶらしいがWE−300Bを使えばきっと鳴るはずだが果たしてどうなのか、
早速であるが巷では最高の球と云われているWE−300Bシングルで試聴開始した、
試聴のシステム
プレーヤー
ヤマハGT−1000
トンアーム
GRACE G−565ロングアーム
カートリッジ
オルトフォンSPU−GとSL−15E
昇圧トランス
ゼンハイザー 1950年代のヴィンテージトランス
ブリアンプ
マランツ#7
WE−300Bシングルアンプ、メトロアンプ
試聴レコードとCD
ビバルディのバイオリンソナタその他
以上のシステムでの試聴になります。
全体で聴くAXIOM80は高域の透明感は見事なのだがいかんせん低域の量感が薄くバランスが上に持ち上げた音になる。シングルアンプの場合はトランスの磁化の影響で低音が出にくいのかもこれは300Bアンプが悪いとは思えない、
答えはこのスピーカーにはシングルアンプは合わないではないか、250リッターのボックスを使っても低域不足は不満が残るが中高域の音色はロンドンウェスタン系の特徴のある個性のある音で巷ではこのスピーカーの虜になるのがわかる。音色を一言で云うならセピアカラーの音とHMVの蓄音器に近い一種独特のサウンドと云える。特にバイオリン、ピアノの響きと音色は特筆すべき良さが感じ取れる。ケフェレックのバッハのピアノ曲はスピード感のある付帯音の付かない切れ味の鋭い日本刀のようなサウンドだが長い時間聴いていると低域不足の不満が見え隠れしてくる。
次にVAITAVOXのDU−120に切り換えると中高域はほとんど同じ音質と音色だが低域から中低域にかけてAXIOM80では出なかったふくよかさが出て品位の高さで差が出た、低域の量感は25pユニットでは難しいかも知れないがAXIOM80はVAITAVOXに劣らず品位の高い音でタンノイ、アルテックでは味合う事のできないマニアを虜にするサウンドだが大編成のオーケストラの場合は口径が小さい分無理の様な気がするがジャズトリオをかけるとあのクソ喧しい一般的なジャズサウンドとは違うしっとりとしたコクのあるサウンドに変身する、ジャズもボーカルもグッドだが低域がもう少し出れば文句なしだ、またバッハなどの室内楽、器楽曲を聴くとこれ以上望む必要がないぐらい味のあるサウンドになる。
サブバッフルを取り付けての試聴
メトロアンプで鳴らすAXIOM80
WE−300Bシングルアンプで鳴らしたAXIOM80だがこのユニットを使っている方は良質のアンプを繋いで鳴らされていると思うがプッシュプルアンプを使うとどんな音になるのか、早速アンプを交換して再度試聴を試みた、
このメトロアンプは前回のコラムで紹介したトランスは米国製のシカゴ・スタンダード(スタンコア)トランスを使った自分では最高のアンプと思っているがAXIOM80はアンプを選びトランスまでも選ぶスピーカーでこんな気難しいユニットは聞いた事が無い、今回は出力管はGECのKT−66に交換しての試聴になる。
接続後最初に出てきた音はWE−300Bでは出なかった低域の量感が豊かになり中高域は刺激のない味のあるサウンドでピラミッドバランスに変身したのは驚きであった、やはりこのユニットはシングルアンプでは簡単には鳴らないことを痛切に感じた、
多分このサウンドこそ本来のAXIOM80のサウンドかも知れない、AXIOM80はダブルコーンのため高域がきつくなるのが当たり前ですがこのメトロアンプではトランスの影響で長時間聴いていてもまったくきつくならずに疲れない、
その後VAITAVOXに切り換えて試聴したが好みとしてはVAITAVOXのが自分には合うように思えるのとVAITAVOXのDU−120は日本には10セットぐらいしか入って来なかったスピーカーですからある意味AXIOM80より貴重に感じる。
最後に色々切り換えて試聴したがどちらがVAITAかAXIOM80かわからなくなってきた、どちらも特徴のあるロンドンウェスタン系のサウンドでよく似た音には間違いない、
最後にAXIOM80を上手く鳴らすには容積の大きなボックスで材質はフィンランドパーチ、米松合板辺りを使い吸音材を調整しながらバスレフでの使用がベスト、またアンプはプッシュブルが適合で出力トランスは有名なトライアッド、ウェスタン、シカゴ、スタンコア辺りを使用すれば本来のAXIOM80の良さが出てくるような気がしますが国産のトランスを使ったマニアが作った自作のアンプではまずは簡単にならないことをご報告しよう、名ばかりの国産のトランスではAXIOM80の良さを十分に引き出すのは難しいのと世界の名器に対して失礼である。
あとがき
今回はAXIOM80を取り上げての試聴でしたが私個人に云わせると巷で云う名器とは思わないのとこのユニットは価格がべらぼうに高くなってしまったがそれだけの価値は無いと思うがAXIOM80に恋こがれた方なら価格の問題ではない、AXIOM80もそうだが長年英国スピーカー遊びをしてきた私ですから特別凄いとは感じなかったが一般的に見ればこのユニットも名器の一つかも、
https://www.kit-ya.jp/etc/club/audio/y-035
http://www.asyura2.com/18/revival4/msg/151.html#c3
4. 中川隆[-15072] koaQ7Jey 2021年11月28日 09:24:58 : buDTBzriJk : RjBUa0dYTlkueS4=[5]
Vitavox DU120サウンド + METRO AMP EL34PP
2014/04/26
Y下さん宅にて。METRO AMP EL34PP
このアンプから奏でられるサウンドは素晴らしい趣のあるとても温かなものです。
Vitavox DU120スピーカの中にアコースティックの楽器が入ってるんじゃないかと勘違いするような
心休まるサウンドです。決め手は Cicago Transでしょうか?
またVitavox DU120との相性も抜群!
Vitavox DU120
2014/04/26
Y下さん宅にてメトロ劇場で使われていた古モノラルアンプを見事にリビルド。
シカゴトランス搭載のEL34PPです。ヴァイタボックスDU120から出てくるサウンドは他では聞いたことがない!見事です。
http://www.asyura2.com/18/revival4/msg/151.html#c4
33. 中川隆[-15071] koaQ7Jey 2021年11月28日 12:21:25 : buDTBzriJk : RjBUa0dYTlkueS4=[6]
アメリカの democratic peace とは
【伊藤貫の真剣な雑談】第2回後半「再生産される悪夢・国際政治リベラル3学派の蹉跌」[桜R3/11/27]
http://www.asyura2.com/20/reki5/msg/539.html#c33
1. 中川隆[-15070] koaQ7Jey 2021年11月28日 13:31:24 : buDTBzriJk : RjBUa0dYTlkueS4=[7]
UESUGI U・BROS-32 ¥273,000(2007年発売)
https://audio-heritage.jp/UESUGI/amp/u-bros-32.html
U・BROS-27の後継機として開発されたステレオパワーアンプ。
パワーチューブには、真空管全盛期に製造されたアメリカGE社製のEL34/6CA7を使用しており、これをウルトラリニア接続として動作させ、オーバーオールでのNFBをかけています。
また、優れた高域特性を得るために初段管とドライバー管に内部抵抗の低い6189W(ECC82/12AU7の高信頼管)を用いて、3段構成としています。さらに、低域での安定性を高めるために、初段管とドライバー管は直結として低域での時定数を2段としています。
オーバーオールでのNFBは、専用巻線の3次巻線から初段管のカソードに戻し、安定性を保っています。
トランス類には、上杉研究所とタムラ製作所が共同で開発したものを採用しています。
使用真空管のGE/EL34、フィリップスECG/6189Wは、ともに真空管全盛期に製造されたもので、これを上杉研究所特製のエージング・マシーンでエージング後、厳選して使用しています。
シャーシは、1.6mm厚SECC(ボンデ鋼板)を折り曲げ加工した後に、溶接部の全てにハンダを流して研磨し4隅のアールを出した、独自のハンドメイド仕上げとなっています。
レベルコントローラーを初段管のすぐそばに配置し、レベルコントローラーからの配線にシールド・ワイヤーを使用せず、かつ最短の配線としています。これにより、レベル・コントローラーの調整による高域特性の変化を抑えています。
配線法にはUESUGI方式を採用しており、配線は熟練職人によるハンド・メイドとなっています。
シングル方式では、アウトプット・トランスの1次コイルに直流が流れるため、1次コイルのインダクタンスを高く保つことが難しく、その結果スケールの大きな低音が得られにくいという欠点があります。
U・BROS-32では、コア・ボリュームを大きくし1次コイルに高いインダクタンスを得ることで、シングル・アンプの欠点をカバーしています。
機種の定格
型式 ステレオパワーアンプ
入力感度 600mV(1kHz)
連続最大出力 6W+6W(4Ω、8Ω、16Ω)
歪率 0.1%以下(1W、100Hz、1kHz、10kHz)
出力マッチング・インピーダンス 4Ω、8Ω、16Ω
入力インピーダンス 約90kΩ
周波数特性 8Hz〜80kHz
ダンピングファクター 約7(ON-OFF法にて測定)
残留雑音 0.8mV以下(高調波成分含まず)
消費電力 約100W
外形寸法 幅310x高さ200x奥行228mm
重量 約14kg
付属 ボンネット・カバー
https://audio-heritage.jp/UESUGI/amp/u-bros-32.html
http://www.asyura2.com/18/revival4/msg/149.html#c1
2. 中川隆[-15069] koaQ7Jey 2021年11月28日 13:32:57 : buDTBzriJk : RjBUa0dYTlkueS4=[8]
EL34 を使った代表的なアンプ
1960年代から 1970年代に掛けて多数のオーディオ用アンプが出力管に EL34 を採用しました。代表的なアンプにまとめてあります。
1960年代から 1970年代に掛けて多数のオーディオ用アンプが出力管に EL34 を採用しました。
Dynaco Stereo 70
1958年発売。自己バイアスUL接続プッシュプル、7199 を用いた P-K分割型位相反転段。整流管は GZ34(5AR4)。出力35W + 35W。
Leak LT/25 Plus
自己バイアスUL接続プッシュプル、EF86 の初段、ECC81(12AT7)を用いたマラード型位相反転段。整流管は GZ34(5AR4)。出力28W。
marantz model 8
固定バイアスUL接続プッシュプル、6BH6 の初段、6CG7 を用いたマラード型位相反転段。ダイオードによる倍電圧整流。出力30W + 30W。
marantz model 8B
marantz 8 の改良版。出力が 35W + 35W になる。
marantz model 9
パラプッシュによる出力段。6DJ8 による増幅段、6DJ8 を用いたマラード型位相反転段、6CG7 のカソードフォロワ。ダイオードによる倍電圧整流。出力は UL接続時 70W + 70W、三極管接続時 40W + 40W。
TRIODE TRV-35SE
AB級プッシュプル。12AX7 の初段、12AU7 のドライバー段。45W + 45W。
UESUGI U-BROS-32MkII
三極管接続シングル。ECC83(12AX7) による初段。6.5W + 6.5W。
UESUGI U-BROS-30MkII
三極管接続プッシュプル。マラード型位相反転段。16W + 16W。
UESUGI U-BROS-33MkII
三極管接続パラプッシュ。マラード型位相反転段。30W。
http://el34.org/Products.html
http://www.asyura2.com/18/revival4/msg/149.html#c2
9. 中川隆[-15068] koaQ7Jey 2021年11月28日 13:43:53 : buDTBzriJk : RjBUa0dYTlkueS4=[9]
シ ン グ ル 出 力
ステレオパワーアンプ
380,000 円(税抜)
U・BROS-32 MKU
http://www.uesugilab.co.jp/pdf/Uesugi_Catalog_UB30MKII_UB32MKII.pdf
●出力:6.5W+6.5W
●入力感度/インピーダンス
:600mV/約 90KΩ
●寸法/質量
:W312×H199×D223mm/約 14Kg
<U・BROS-32MKUについて>
このモデルはシングル・アンプ・ファンのために開発いたしました。 シングル・アンプは大きなパワーを得るためには不利ですが、プッシュプル・アンプのように波形合成をしないために、一部のオーディオ・マニアの間で強く支持されてい
ます。 過去において上杉研究所では、シングル・アンプ・ファンのために、そして300Bファンのために、 U・BROS-27というパワー・チューブに 300Bを使用したシングル・アンプを発売しておりました。
しかし、良質の300Bの入手が困難となったために、製造を中止することとなってしまいました。
その後継機が U・BROS-32だったのです。 そのようなわけで U・BROS-32では 300Bシングル・アンプを強く意識して誕生しており、私自身納得できるアンプに仕上がったと自負しております。
U・BROS-32MKUも同じ考え方で設計しております。
シングル・アンプの問題点は、前述のようにアウトプット・トランスのコアがプレート電流によって磁化され、優れた低域特
性を得ることが難しいことにありますが、優れた低域特性を得、 かつ高域特性に乱れがないというアウトプット・トランスを使用し、シングル・アンプの問題点を解消しております。
U・BROS-30MKUのように、パワー・ステージを3極管接続とすることも考えましたが、これでは長期の安定性と長寿命化を考えて余裕度の高い設計とした場合に、パワーが小さくなってしまいますので、U・BROS-32MKUでは、U・BROS-32と同じく、EL34をウルトラリニア接続としてパワー・チューブとしての優れた特性を得ています。
回路構成は、トップ・ステージが ECC83による 1段構成NFBアンプ、 ドライバー・ステージがECC83、パワー・ステージが EL34のウルトラリニア接続で、NFBはアウトプット・トランスの 2次側からドライバー・ステージのカソードに掛け、高安定性と高性能を両立させています。
電源部の特徴は、U・BROS-30MKUと同じです。 出力端子も、U・BROS-30MKUと同じく、4Ω、8Ω、16Ωの3系統を備えています。
<2 モデルのパワー・アンプに共通する特徴>
@使用真空管はすべて真空管全盛期に製造された優秀品
使用真空管は、米GE社製、JAN仕様フィリップスECG製、松下電器産業 K.K.電子管事業部製の特別仕様品、西独シーメンス社製、といったぐあいにすべて真空管全盛期に製造された優秀品で、これを上杉研究所特製のエージング・マシーンでエージング後、厳選して使用しています。 共産圏諸国で製造された真空管は一切使用していません。
したがって、 『共産圏諸国で製造された真空管はトラブルが多い』、といった定説はあてはまりません。
こういった現在入手することが困難な真空管全盛期に製造された優れた真空管の大量のストックは、上杉研究所の宝物です。 真空管式アンプにおいて、高性能と高信頼性を両立させるためには、優れた真空管の使用が前提となるか
らです。
Aパワー・チューブはすべて米 GE 社製 EL34を 使用して余裕度高く動作させています
私が知るかぎりにおいて、技術的な知識に乏しく、ヒアリング一辺倒のオーディオ・マニアの方達には、『木を見て森を見ず』、といった近視眼的な物の見方/考え方をする人が多いようです。 今では下火となりましたが、一時期の300B
の神格化された人気は、そういった方達が作ったものといっても決して誇張ではないでしょう。 パワー・チューブだけが良くても優れたパワー・アンプとすることはできません。 優れたパワー・チューブにバランスする優れたアウトプット・トラ
ンスをはじめとする各種構成パーツ、優れた回路設計、などが有機的に絡み合って、初めて優れたパワー・アンプが完成するのです。
米マランツ社が好んで使用したパワー・チューブはEL34でした。 米マランツ社のパワー・アンプのパワー・チューブが、すべてEL34であったことからも、いかにEL34を高く評価していたかがよくわかります。
上杉研究所も同じ考え方で、これまでの上杉研究所のパワー・アンプにはEL34を積極的に使用してきました。 EL34は非常に使いやすくて優れたパワー・チューブということで、大変ポピュラーとなってしまったために、300Bのような神格化された人気を得ることはできませんでしたが、オーディオを愛する知性/理性の優れた真のオーディオ・アンプのエンジニアであれば、EL34がいかに優れたパワー・チューブであるかがおわかりのことと思います。
米GE社製のEL34は、一般のEL34に比べてガラス管が太くなっていることからもわかりますように、同じEL34であっても最大定格が大きくなっています。 3モデルのパワー・アンプは最大定格の大きな米GE/EL34を余裕度高く動作させていますので、長期間にわたって安定した動作を示してくれます。 パワーを欲張らないゼイタクな設計です。
Bパワー・チューブの動作方式はセルフ・バイアスとして長期にわたる安定動作を実現
パワー・チューブの動作方式には大別して、セルフ・バイアス方式とフィックスド・バイアス方式の2種類があります。
大出力を得るにはフィックスド・バイアス方式の方が有利となります。 しかし、パワー・チューブの経年変化によって、バイアス電圧を補正してやる必要があります。 一方のセルフ・バイアス方式では、カソードにバイアス電圧を発生する抵
抗を設けているために、パワー・チューブの経年変化に対して、いつも最適バイアス電圧を保ってくれるというメリットがあります。 したがって、プロフェッショナル・ユースのパワー・アンプでは、セルフ・バイアス方式が好んで使用されてき
ました。MKUシリーズの 2 モデルのパワー・アンプでは、長期にわたっての安定動作を重視して、セルフ・バイアス方式を採用しています。 バイアス回路をパワー・チューブ1本ごとに独立させるというゼイタクな設計としています。
C徹底したシンプル化を図った回路設計
私も大学を卒業したばかりの若い頃は凝った複雑な回路を好んだ時期がありました。 NFB技術を駆使して各種物理特性を一挙に向上させるとか、パワー・チューブをカソード・フォロアー直結ドライブとしてハイ・パワーを得るといった設計は、そういった回路の好例です。 現在の私は、高級料理と同じく、腕に頼りすぎるのではなく、優れた素材を厳選して優れたアンプを設計することを心がけています。 こういった設計法はパーツ・コストが高くなることだけが欠点ですが、それはいたしかたありません。MKUシリーズのパワー・アンプでは、徹底したシンプル化を図った回路設計としています。 こういった回路設計法は安定性/信頼性の向上に結びつきます。
Dパワーを欲張らない設計
これまでの経験から真空管式パワー・アンプを愛用しておられる方のスピーカー・システムの出力音圧レベルは、90デシベル弱から上と考えてよいと思います。 スピーカー・システムとリスニング・ポイントまでの距離や、楽しむ音量によ
っても大きく異なってきますが、電源が強力であればアンプのパワーは10W もあれば十分といっても良いのではないかと考えています。
真空管式アンプとトランジスタ式アンプの聴感上のパワー感に関して、昔から3倍説というのがあります。 これは、真空管式で10Wのパワーはトランジスタ式の30Wのパワーに匹敵するという説です。 したがって、 U・BROS-30MKU、
U・BROS-32MKUの連続最大出力は、16W,6.5W,30Wに設定しています。 パワーを欲張らない控えめな動作として長命化を図っています。
ENFBは14デシベル
前述のように大変優れたアイエスオー製特注アウトプット・トランスを使用して、すこぶる安定に14デシベルのNFBを掛けて、みずみずしくて艶やかなサウンドを得ています。 低域安定度が高いことから、低域のトランジェントが優れており、エネルギッシュでパワフルなサウンドが得られています。
Fアウトプット・トランス付き真空管式パワー・アンプとは思えぬワイドな周波数レンジ
U・BROS-30MKUの周波数特性は、5Hz〜100KHz間が -1dB におさまっています。 それより下と上の帯域は、なだらかなカーブで減衰しています。 これは、優れたアウトプット・トランスとNFBの相乗効果によるものです。 容量
負荷をはじめとする外部負荷の安定性も抜群に高い値を示しています。 U・BROS-32MKUはプッシュプル動作ではなくシングル動作となっています。
シングル動作の場合、アウトプット・トランスのコアがプレート電流によって磁化されるという欠点がありますので、ワイドな周波数レンジは期待できませんが、それでも6Hz〜60KHz間が –3dB におさまっています。 これはアウトプット・トランス付きシングル・アンプとしては大変優秀な値です。
G優れたSN比
残留雑音は8Ω負荷にて、U・BROS-30MKUが 0.15mV以下、 U・BROS-32MKUが0.3mV以下で、残留雑音波形には高調波成分を一切含んでおりません。 したがって、スピーカー・システムにピッタリと耳をつけてもハム成
分を検知することができません。
高能率型スピーカー・システムを使っておられる方に自信を持っておすすめすることができます。
Hベテラン職人による美しい手作業配線
配線は配線歴40年のベテラン職人によるハンド・メイドとなっています。 シャーシ内部をご覧になれば、その美しい配線/芸術的な配線に驚かれることでしょう。 美しい音を求めているのですから、配線もその美しい音を象徴するかのごとく美しくあらねばならない、というのが私の持論です。
I強度補強と制振対策を施した堅牢なシャーシ
1.6ミリ厚SECC(ボンデ鋼板)を折り曲げ加工した後に、溶接部のすべてにハンダを流して研磨し、美しい四隅のアールを出すという、上杉研究所独自の入念なハンド・メイドとしております。
トランス類が重量級ですので堅牢なシャーシとし、さらに制振対策をかねた強度補強板を効果的に使用しています。
全体をメタリック塗装で仕上げ、ハンマートーンのトランス・ケースとの調和を大切にしています。 私は真空管式アンプが全盛期だった、昭和30年代の機能美を狙ったディザインが好きです。 2 モデルのパワー・アンプとも、私の好きなデ
ィザインでまとめてみました。
<最後に>
上杉研究所のアンプは、上杉佳郎のメーカーでのエンジニア歴44年の経験を活かして、真空管をはじめとするパーツに優秀品を使用し、真空管を十分な余裕度を持たせて動作させ、トラブルを発生させないことを前提として設計しております。 アンプは機械物ですから、トラブルをゼロとすることは無理ですが、トラブル発生率の少なさには自信を持っております。 安心して御使用下さい。
MKUシリーズのパワー・アンプで、甘美で、しなやかで、しっとりとした艶やかなサウンドをお楽しみ下さい。 品位が高く躍動感に富むプレイバックぶり、豊かな音楽的表現力、に関してもいささか自信を持っております。
(2008年12月/上杉 佳郎 記)
http://www.uesugilab.co.jp/pdf/Uesugi_Catalog_UB30MKII_UB32MKII.pdf
http://www.asyura2.com/18/revival4/msg/137.html#c9
3. 中川隆[-15067] koaQ7Jey 2021年11月28日 13:45:32 : buDTBzriJk : RjBUa0dYTlkueS4=[10]
シ ン グ ル 出 力
ステレオパワーアンプ
380,000 円(税抜)
U・BROS-32 MKU
http://www.uesugilab.co.jp/pdf/Uesugi_Catalog_UB30MKII_UB32MKII.pdf
●出力:6.5W+6.5W
●入力感度/インピーダンス
:600mV/約 90KΩ
●寸法/質量
:W312×H199×D223mm/約 14Kg
<U・BROS-32MKUについて>
このモデルはシングル・アンプ・ファンのために開発いたしました。 シングル・アンプは大きなパワーを得るためには不利ですが、プッシュプル・アンプのように波形合成をしないために、一部のオーディオ・マニアの間で強く支持されてい
ます。 過去において上杉研究所では、シングル・アンプ・ファンのために、そして300Bファンのために、 U・BROS-27というパワー・チューブに 300Bを使用したシングル・アンプを発売しておりました。
しかし、良質の300Bの入手が困難となったために、製造を中止することとなってしまいました。
その後継機が U・BROS-32だったのです。 そのようなわけで U・BROS-32では 300Bシングル・アンプを強く意識して誕生しており、私自身納得できるアンプに仕上がったと自負しております。
U・BROS-32MKUも同じ考え方で設計しております。
シングル・アンプの問題点は、前述のようにアウトプット・トランスのコアがプレート電流によって磁化され、優れた低域特
性を得ることが難しいことにありますが、優れた低域特性を得、 かつ高域特性に乱れがないというアウトプット・トランスを使用し、シングル・アンプの問題点を解消しております。
U・BROS-30MKUのように、パワー・ステージを3極管接続とすることも考えましたが、これでは長期の安定性と長寿命化を考えて余裕度の高い設計とした場合に、パワーが小さくなってしまいますので、U・BROS-32MKUでは、U・BROS-32と同じく、EL34をウルトラリニア接続としてパワー・チューブとしての優れた特性を得ています。
回路構成は、トップ・ステージが ECC83による 1段構成NFBアンプ、 ドライバー・ステージがECC83、パワー・ステージが EL34のウルトラリニア接続で、NFBはアウトプット・トランスの 2次側からドライバー・ステージのカソードに掛け、高安定性と高性能を両立させています。
電源部の特徴は、U・BROS-30MKUと同じです。 出力端子も、U・BROS-30MKUと同じく、4Ω、8Ω、16Ωの3系統を備えています。
<2 モデルのパワー・アンプに共通する特徴>
@使用真空管はすべて真空管全盛期に製造された優秀品
使用真空管は、米GE社製、JAN仕様フィリップスECG製、松下電器産業 K.K.電子管事業部製の特別仕様品、西独シーメンス社製、といったぐあいにすべて真空管全盛期に製造された優秀品で、これを上杉研究所特製のエージング・マシーンでエージング後、厳選して使用しています。 共産圏諸国で製造された真空管は一切使用していません。
したがって、 『共産圏諸国で製造された真空管はトラブルが多い』、といった定説はあてはまりません。
こういった現在入手することが困難な真空管全盛期に製造された優れた真空管の大量のストックは、上杉研究所の宝物です。 真空管式アンプにおいて、高性能と高信頼性を両立させるためには、優れた真空管の使用が前提となるか
らです。
Aパワー・チューブはすべて米 GE 社製 EL34を 使用して余裕度高く動作させています
私が知るかぎりにおいて、技術的な知識に乏しく、ヒアリング一辺倒のオーディオ・マニアの方達には、『木を見て森を見ず』、といった近視眼的な物の見方/考え方をする人が多いようです。 今では下火となりましたが、一時期の300B
の神格化された人気は、そういった方達が作ったものといっても決して誇張ではないでしょう。 パワー・チューブだけが良くても優れたパワー・アンプとすることはできません。 優れたパワー・チューブにバランスする優れたアウトプット・トラ
ンスをはじめとする各種構成パーツ、優れた回路設計、などが有機的に絡み合って、初めて優れたパワー・アンプが完成するのです。
米マランツ社が好んで使用したパワー・チューブはEL34でした。 米マランツ社のパワー・アンプのパワー・チューブが、すべてEL34であったことからも、いかにEL34を高く評価していたかがよくわかります。
上杉研究所も同じ考え方で、これまでの上杉研究所のパワー・アンプにはEL34を積極的に使用してきました。 EL34は非常に使いやすくて優れたパワー・チューブということで、大変ポピュラーとなってしまったために、300Bのような神格化された人気を得ることはできませんでしたが、オーディオを愛する知性/理性の優れた真のオーディオ・アンプのエンジニアであれば、EL34がいかに優れたパワー・チューブであるかがおわかりのことと思います。
米GE社製のEL34は、一般のEL34に比べてガラス管が太くなっていることからもわかりますように、同じEL34であっても最大定格が大きくなっています。 3モデルのパワー・アンプは最大定格の大きな米GE/EL34を余裕度高く動作させていますので、長期間にわたって安定した動作を示してくれます。 パワーを欲張らないゼイタクな設計です。
Bパワー・チューブの動作方式はセルフ・バイアスとして長期にわたる安定動作を実現
パワー・チューブの動作方式には大別して、セルフ・バイアス方式とフィックスド・バイアス方式の2種類があります。
大出力を得るにはフィックスド・バイアス方式の方が有利となります。 しかし、パワー・チューブの経年変化によって、バイアス電圧を補正してやる必要があります。 一方のセルフ・バイアス方式では、カソードにバイアス電圧を発生する抵
抗を設けているために、パワー・チューブの経年変化に対して、いつも最適バイアス電圧を保ってくれるというメリットがあります。 したがって、プロフェッショナル・ユースのパワー・アンプでは、セルフ・バイアス方式が好んで使用されてき
ました。MKUシリーズの 2 モデルのパワー・アンプでは、長期にわたっての安定動作を重視して、セルフ・バイアス方式を採用しています。 バイアス回路をパワー・チューブ1本ごとに独立させるというゼイタクな設計としています。
C徹底したシンプル化を図った回路設計
私も大学を卒業したばかりの若い頃は凝った複雑な回路を好んだ時期がありました。 NFB技術を駆使して各種物理特性を一挙に向上させるとか、パワー・チューブをカソード・フォロアー直結ドライブとしてハイ・パワーを得るといった設計は、そういった回路の好例です。 現在の私は、高級料理と同じく、腕に頼りすぎるのではなく、優れた素材を厳選して優れたアンプを設計することを心がけています。 こういった設計法はパーツ・コストが高くなることだけが欠点ですが、それはいたしかたありません。MKUシリーズのパワー・アンプでは、徹底したシンプル化を図った回路設計としています。 こういった回路設計法は安定性/信頼性の向上に結びつきます。
Dパワーを欲張らない設計
これまでの経験から真空管式パワー・アンプを愛用しておられる方のスピーカー・システムの出力音圧レベルは、90デシベル弱から上と考えてよいと思います。 スピーカー・システムとリスニング・ポイントまでの距離や、楽しむ音量によ
っても大きく異なってきますが、電源が強力であればアンプのパワーは10W もあれば十分といっても良いのではないかと考えています。
真空管式アンプとトランジスタ式アンプの聴感上のパワー感に関して、昔から3倍説というのがあります。 これは、真空管式で10Wのパワーはトランジスタ式の30Wのパワーに匹敵するという説です。 したがって、 U・BROS-30MKU、
U・BROS-32MKUの連続最大出力は、16W,6.5W,30Wに設定しています。 パワーを欲張らない控えめな動作として長命化を図っています。
ENFBは14デシベル
前述のように大変優れたアイエスオー製特注アウトプット・トランスを使用して、すこぶる安定に14デシベルのNFBを掛けて、みずみずしくて艶やかなサウンドを得ています。 低域安定度が高いことから、低域のトランジェントが優れており、エネルギッシュでパワフルなサウンドが得られています。
Fアウトプット・トランス付き真空管式パワー・アンプとは思えぬワイドな周波数レンジ
U・BROS-30MKUの周波数特性は、5Hz〜100KHz間が -1dB におさまっています。 それより下と上の帯域は、なだらかなカーブで減衰しています。 これは、優れたアウトプット・トランスとNFBの相乗効果によるものです。 容量
負荷をはじめとする外部負荷の安定性も抜群に高い値を示しています。 U・BROS-32MKUはプッシュプル動作ではなくシングル動作となっています。
シングル動作の場合、アウトプット・トランスのコアがプレート電流によって磁化されるという欠点がありますので、ワイドな周波数レンジは期待できませんが、それでも6Hz〜60KHz間が –3dB におさまっています。 これはアウトプット・トランス付きシングル・アンプとしては大変優秀な値です。
G優れたSN比
残留雑音は8Ω負荷にて、U・BROS-30MKUが 0.15mV以下、 U・BROS-32MKUが0.3mV以下で、残留雑音波形には高調波成分を一切含んでおりません。 したがって、スピーカー・システムにピッタリと耳をつけてもハム成
分を検知することができません。
高能率型スピーカー・システムを使っておられる方に自信を持っておすすめすることができます。
Hベテラン職人による美しい手作業配線
配線は配線歴40年のベテラン職人によるハンド・メイドとなっています。 シャーシ内部をご覧になれば、その美しい配線/芸術的な配線に驚かれることでしょう。 美しい音を求めているのですから、配線もその美しい音を象徴するかのごとく美しくあらねばならない、というのが私の持論です。
I強度補強と制振対策を施した堅牢なシャーシ
1.6ミリ厚SECC(ボンデ鋼板)を折り曲げ加工した後に、溶接部のすべてにハンダを流して研磨し、美しい四隅のアールを出すという、上杉研究所独自の入念なハンド・メイドとしております。
トランス類が重量級ですので堅牢なシャーシとし、さらに制振対策をかねた強度補強板を効果的に使用しています。
全体をメタリック塗装で仕上げ、ハンマートーンのトランス・ケースとの調和を大切にしています。 私は真空管式アンプが全盛期だった、昭和30年代の機能美を狙ったディザインが好きです。 2 モデルのパワー・アンプとも、私の好きなデ
ィザインでまとめてみました。
<最後に>
上杉研究所のアンプは、上杉佳郎のメーカーでのエンジニア歴44年の経験を活かして、真空管をはじめとするパーツに優秀品を使用し、真空管を十分な余裕度を持たせて動作させ、トラブルを発生させないことを前提として設計しております。 アンプは機械物ですから、トラブルをゼロとすることは無理ですが、トラブル発生率の少なさには自信を持っております。 安心して御使用下さい。
MKUシリーズのパワー・アンプで、甘美で、しなやかで、しっとりとした艶やかなサウンドをお楽しみ下さい。 品位が高く躍動感に富むプレイバックぶり、豊かな音楽的表現力、に関してもいささか自信を持っております。
(2008年12月/上杉 佳郎 記)
http://www.uesugilab.co.jp/pdf/Uesugi_Catalog_UB30MKII_UB32MKII.pdf
http://www.asyura2.com/18/revival4/msg/149.html#c3
3. 2021年11月28日 13:50:41 : buDTBzriJk : RjBUa0dYTlkueS4=[11]
【メトロポリタン美術館展】展覧会の概要、注目作品の紹介、METの基本情報、そして感想も語ります!(大阪市立美術館・新国立美術館2021〜2022年、-西洋絵画の500年-)
2021/11/27
2021年〜2022年、大注目の展覧会「メトロポリタン美術館展 -西洋絵画の500年-」に行ってきました!
メトロポリタン美術館ってそもそもどんな美術館?展覧会の概要は?おススメ作品は?
といった事前情報から、展覧会の感想まで語っていきます!
★チャプター★
0:00 オープニング
0:42 メトロポリタン美術館(MET)って?
2:57 メトロポリタン美術館展の概要
3:53 メトロポリタン美術館展の構成と作品紹介
4:41 T.信仰とルネサンス @フラ・アンジェリコ「キリストの磔刑」
6:13 T.信仰とルネサンス Aラファエロ「ゲッセマネの祈り」
7:22 U.絶対主義と啓蒙主義の時代 Bカラヴァッジョ「音楽家たち」
8:47 U.絶対主義と啓蒙主義の時代 Cフェルメール「信仰の寓意」
9:52 V.革命と人々のための芸術 Dターナー「ヴェネツィア、サンタ・マリア・デッラ・サルーテ聖堂の前廊から望む」
10:48 V.革命と人々のための芸術 Eモネ「睡蓮」
11:50 鑑賞後の感想
15:17 展覧会スケジュール
15:45 エンディング
http://www.asyura2.com/21/reki7/msg/395.html#c3
4. 中川隆[-15066] koaQ7Jey 2021年11月28日 13:52:17 : buDTBzriJk : RjBUa0dYTlkueS4=[12]
【本紹介】西洋の歴史・美術の学び直しに!「美術でめぐる西洋史年表」 (アート 美術 画家 絵画)
2021/07/24
https://www.youtube.com/watch?v=DF0lvfSRUPo
今回は書籍のご紹介です!
美術本を1日1ポチしてる私が、案件でもなんでもなく、
実際に買って読んだ本を紹介しています。
今回ご紹介した書籍はこちら!
美術でめぐる 西洋史年表
https://amzn.to/3rwVBH5
【池上さん・青野さんの他の書籍】
ルネサンス 歴史と芸術の物語 (光文社新書)
https://amzn.to/36XbT2F
西洋美術史入門 (ちくまプリマー新書)
https://amzn.to/3wZD7jB
ペンブックス1 ダ・ヴィンチ全作品・全解剖。 (Pen BOOKS)
https://amzn.to/3y4t1iO
ペンブックス12 印象派。絵画を変えた革命家たち (Pen BOOKS)
https://amzn.to/3x3sA7h
http://www.asyura2.com/21/reki7/msg/395.html#c4
4. 中川隆[-15065] koaQ7Jey 2021年11月28日 14:24:03 : buDTBzriJk : RjBUa0dYTlkueS4=[13]
上杉研究所 UESUGI U-BROS-32MkII
三極管接続シングル。ECC83(12AX7) による初段。6.5W + 6.5W。
シ ン グ ル 出 力
ステレオパワーアンプ
380,000 円(税抜)
U・BROS-32 MKU
http://www.uesugilab.co.jp/pdf/Uesugi_Catalog_UB30MKII_UB32MKII.pdf
●出力:6.5W+6.5W
●入力感度/インピーダンス
:600mV/約 90KΩ
●寸法/質量
:W312×H199×D223mm/約 14Kg
<U・BROS-32MKUについて>
このモデルはシングル・アンプ・ファンのために開発いたしました。 シングル・アンプは大きなパワーを得るためには不利ですが、プッシュプル・アンプのように波形合成をしないために、一部のオーディオ・マニアの間で強く支持されてい
ます。 過去において上杉研究所では、シングル・アンプ・ファンのために、そして300Bファンのために、 U・BROS-27というパワー・チューブに 300Bを使用したシングル・アンプを発売しておりました。
しかし、良質の300Bの入手が困難となったために、製造を中止することとなってしまいました。
その後継機が U・BROS-32だったのです。 そのようなわけで U・BROS-32では 300Bシングル・アンプを強く意識して誕生しており、私自身納得できるアンプに仕上がったと自負しております。
U・BROS-32MKUも同じ考え方で設計しております。
シングル・アンプの問題点は、前述のようにアウトプット・トランスのコアがプレート電流によって磁化され、優れた低域特性を得ることが難しいことにありますが、優れた低域特性を得、 かつ高域特性に乱れがないというアウトプット・トランスを使用し、シングル・アンプの問題点を解消しております。
U・BROS-30MKUのように、パワー・ステージを3極管接続とすることも考えましたが、これでは長期の安定性と長寿命化を考えて余裕度の高い設計とした場合に、パワーが小さくなってしまいますので、U・BROS-32MKUでは、U・BROS-32と同じく、EL34をウルトラリニア接続としてパワー・チューブとしての優れた特性を得ています。
回路構成は、トップ・ステージが ECC83による 1段構成NFBアンプ、 ドライバー・ステージがECC83、パワー・ステージが EL34のウルトラリニア接続で、NFBはアウトプット・トランスの 2次側からドライバー・ステージのカソードに掛け、高安定性と高性能を両立させています。
電源部の特徴は、U・BROS-30MKUと同じです。 出力端子も、U・BROS-30MKUと同じく、4Ω、8Ω、16Ωの3系統を備えています。
<2 モデルのパワー・アンプに共通する特徴>
@使用真空管はすべて真空管全盛期に製造された優秀品
使用真空管は、米GE社製、JAN仕様フィリップスECG製、松下電器産業 K.K.電子管事業部製の特別仕様品、西独シーメンス社製、といったぐあいにすべて真空管全盛期に製造された優秀品で、これを上杉研究所特製のエージング・マシーンでエージング後、厳選して使用しています。 共産圏諸国で製造された真空管は一切使用していません。
したがって、 『共産圏諸国で製造された真空管はトラブルが多い』、といった定説はあてはまりません。
こういった現在入手することが困難な真空管全盛期に製造された優れた真空管の大量のストックは、上杉研究所の宝物です。 真空管式アンプにおいて、高性能と高信頼性を両立させるためには、優れた真空管の使用が前提となるか
らです。
Aパワー・チューブはすべて米 GE 社製 EL34を 使用して余裕度高く動作させています
私が知るかぎりにおいて、技術的な知識に乏しく、ヒアリング一辺倒のオーディオ・マニアの方達には、『木を見て森を見ず』、といった近視眼的な物の見方/考え方をする人が多いようです。 今では下火となりましたが、一時期の300B
の神格化された人気は、そういった方達が作ったものといっても決して誇張ではないでしょう。 パワー・チューブだけが良くても優れたパワー・アンプとすることはできません。 優れたパワー・チューブにバランスする優れたアウトプット・トラ
ンスをはじめとする各種構成パーツ、優れた回路設計、などが有機的に絡み合って、初めて優れたパワー・アンプが完成するのです。
米マランツ社が好んで使用したパワー・チューブはEL34でした。 米マランツ社のパワー・アンプのパワー・チューブが、すべてEL34であったことからも、いかにEL34を高く評価していたかがよくわかります。
上杉研究所も同じ考え方で、これまでの上杉研究所のパワー・アンプにはEL34を積極的に使用してきました。 EL34は非常に使いやすくて優れたパワー・チューブということで、大変ポピュラーとなってしまったために、300Bのような神格化された人気を得ることはできませんでしたが、オーディオを愛する知性/理性の優れた真のオーディオ・アンプのエンジニアであれば、EL34がいかに優れたパワー・チューブであるかがおわかりのことと思います。
米GE社製のEL34は、一般のEL34に比べてガラス管が太くなっていることからもわかりますように、同じEL34であっても最大定格が大きくなっています。 3モデルのパワー・アンプは最大定格の大きな米GE/EL34を余裕度高く動作させていますので、長期間にわたって安定した動作を示してくれます。 パワーを欲張らないゼイタクな設計です。
Bパワー・チューブの動作方式はセルフ・バイアスとして長期にわたる安定動作を実現
パワー・チューブの動作方式には大別して、セルフ・バイアス方式とフィックスド・バイアス方式の2種類があります。
大出力を得るにはフィックスド・バイアス方式の方が有利となります。 しかし、パワー・チューブの経年変化によって、バイアス電圧を補正してやる必要があります。 一方のセルフ・バイアス方式では、カソードにバイアス電圧を発生する抵
抗を設けているために、パワー・チューブの経年変化に対して、いつも最適バイアス電圧を保ってくれるというメリットがあります。 したがって、プロフェッショナル・ユースのパワー・アンプでは、セルフ・バイアス方式が好んで使用されてき
ました。MKUシリーズの 2 モデルのパワー・アンプでは、長期にわたっての安定動作を重視して、セルフ・バイアス方式を採用しています。 バイアス回路をパワー・チューブ1本ごとに独立させるというゼイタクな設計としています。
C徹底したシンプル化を図った回路設計
私も大学を卒業したばかりの若い頃は凝った複雑な回路を好んだ時期がありました。 NFB技術を駆使して各種物理特性を一挙に向上させるとか、パワー・チューブをカソード・フォロアー直結ドライブとしてハイ・パワーを得るといった設計は、そういった回路の好例です。 現在の私は、高級料理と同じく、腕に頼りすぎるのではなく、優れた素材を厳選して優れたアンプを設計することを心がけています。 こういった設計法はパーツ・コストが高くなることだけが欠点ですが、それはいたしかたありません。MKUシリーズのパワー・アンプでは、徹底したシンプル化を図った回路設計としています。 こういった回路設計法は安定性/信頼性の向上に結びつきます。
Dパワーを欲張らない設計
これまでの経験から真空管式パワー・アンプを愛用しておられる方のスピーカー・システムの出力音圧レベルは、90デシベル弱から上と考えてよいと思います。 スピーカー・システムとリスニング・ポイントまでの距離や、楽しむ音量によ
っても大きく異なってきますが、電源が強力であればアンプのパワーは10W もあれば十分といっても良いのではないかと考えています。
真空管式アンプとトランジスタ式アンプの聴感上のパワー感に関して、昔から3倍説というのがあります。 これは、真空管式で10Wのパワーはトランジスタ式の30Wのパワーに匹敵するという説です。 したがって、 U・BROS-30MKU、
U・BROS-32MKUの連続最大出力は、16W,6.5W,30Wに設定しています。 パワーを欲張らない控えめな動作として長命化を図っています。
ENFBは14デシベル
前述のように大変優れたアイエスオー製特注アウトプット・トランスを使用して、すこぶる安定に14デシベルのNFBを掛けて、みずみずしくて艶やかなサウンドを得ています。 低域安定度が高いことから、低域のトランジェントが優れており、エネルギッシュでパワフルなサウンドが得られています。
Fアウトプット・トランス付き真空管式パワー・アンプとは思えぬワイドな周波数レンジ
U・BROS-30MKUの周波数特性は、5Hz〜100KHz間が -1dB におさまっています。 それより下と上の帯域は、なだらかなカーブで減衰しています。 これは、優れたアウトプット・トランスとNFBの相乗効果によるものです。 容量
負荷をはじめとする外部負荷の安定性も抜群に高い値を示しています。 U・BROS-32MKUはプッシュプル動作ではなくシングル動作となっています。
シングル動作の場合、アウトプット・トランスのコアがプレート電流によって磁化されるという欠点がありますので、ワイドな周波数レンジは期待できませんが、それでも6Hz〜60KHz間が –3dB におさまっています。 これはアウトプット・トランス付きシングル・アンプとしては大変優秀な値です。
G優れたSN比
残留雑音は8Ω負荷にて、U・BROS-30MKUが 0.15mV以下、 U・BROS-32MKUが0.3mV以下で、残留雑音波形には高調波成分を一切含んでおりません。 したがって、スピーカー・システムにピッタリと耳をつけてもハム成
分を検知することができません。
高能率型スピーカー・システムを使っておられる方に自信を持っておすすめすることができます。
Hベテラン職人による美しい手作業配線
配線は配線歴40年のベテラン職人によるハンド・メイドとなっています。 シャーシ内部をご覧になれば、その美しい配線/芸術的な配線に驚かれることでしょう。 美しい音を求めているのですから、配線もその美しい音を象徴するかのごとく美しくあらねばならない、というのが私の持論です。
I強度補強と制振対策を施した堅牢なシャーシ
1.6ミリ厚SECC(ボンデ鋼板)を折り曲げ加工した後に、溶接部のすべてにハンダを流して研磨し、美しい四隅のアールを出すという、上杉研究所独自の入念なハンド・メイドとしております。
トランス類が重量級ですので堅牢なシャーシとし、さらに制振対策をかねた強度補強板を効果的に使用しています。
全体をメタリック塗装で仕上げ、ハンマートーンのトランス・ケースとの調和を大切にしています。 私は真空管式アンプが全盛期だった、昭和30年代の機能美を狙ったディザインが好きです。 2 モデルのパワー・アンプとも、私の好きなデ
ィザインでまとめてみました。
(2008年12月/上杉 佳郎 記)
http://www.uesugilab.co.jp/pdf/Uesugi_Catalog_UB30MKII_UB32MKII.pdf
http://www.asyura2.com/18/revival4/msg/150.html#c4
5. 中川隆[-15064] koaQ7Jey 2021年11月28日 14:32:02 : buDTBzriJk : RjBUa0dYTlkueS4=[14]
マランツ#9(レプリカ)の使いこなし方
一番悩んだのが、マランツ#9(レプリカ)の真空管選び。
6CG7はRCAかGEくらいしかないので聴き比べてRCAに決定したもののEL34はMullardが良いとわかっていても、一本\18,000と非常に高価で、1セット分、8本揃えると、ウエスタンの300Bのペアチューブを超える額になってしまいます。
それに、だいたい市場にMullardのEL34が出回っていません。出ていても特性がバラバラで、安心して使えるものは皆無に等しいと言って良いでしょう。
それでも何とか1セット分、手に入れてみました。
確かにMullard、音が良いのですが、寿命が1〜2年と言われているマランツ#9のパワーチューブ、おいそれとは使えず、他を検討することになりました。
多少高域は荒いものの力強いシーメンスや高域の繊細さはMullardを彷彿とさせるテスラ、レプリカについていたのと同じでバランスは比較的良いGD、細身で切れ味がやや乏しいものの安価なSvetlanaなどがありますが、どれもMullardと較べたらイマイチ。
そんな折、テレフンケンの出物があると聞き、あまり期待せずに入手し、試聴してみました。
確かにEL34ほどの切れ味は無く、ピンと張りつめた高域の美しさもありません。
低域は分厚く量感もあって良いものの、前段のV1、V2(6DJ8)が2本ともシーメンスだとシャープですが腰高で、高域に美しさがなく、2本ともMullardの場合は今度は高域は素晴らしいのですが、低域は出ているのに寸詰まり感があり、我が家のシステムにはどうも合いませんでした。
たまたま覗いた真空管屋さんにテレフンケンのCCaという、6DJ8同等管があり、これを試してみたところ、V3にテレフンケンのCCa、V1にMullardを使用すると、広がりのある美しい音場と、しなやかさの中にも芯のある中低域が見事な音を奏でてくれました。
ちなみにV4にMullard ECC804(6FQ7/6CG7)を使うと、使い始めはひどいなまくらな音でしたが、次第に輝きと透明感を増してきて、RCAの切れ味も捨てがたいものの、軍配はMullard に上がるようです。
https://www.kusunoki.jp/audio/howtouse.html#replicaMarantz9
http://www.asyura2.com/18/revival4/msg/150.html#c5
6. 中川隆[-15063] koaQ7Jey 2021年11月28日 14:34:49 : buDTBzriJk : RjBUa0dYTlkueS4=[15]
オーディオ雑記帳 6
http://more.main.jp/zakkichou06.html
自宅では1日中デコラを鳴らしている。
蓄音機と言っている僕の母がデコラの音を非常に気に入っていて、Mac に繋げてエンドレスで流している。最近驚いたことだが、耳が少し遠い母が音の善し悪しを判断出来るのだ。
一度デコラではなくロジャースで鳴らしていると台所にいた母が、いつもの音で聞かせてと言ってきたのだ。
人間は可聴範囲が狭くなってきても音質の判断は出来るらしいことが分かった。
これなら、あと30年は音楽が楽しめそうだ。
SG520の下の段がPCオーディオ心臓部で、Macminiから無線でデコラと繋いでいる。
Mac → AirExpress → CELLO DAC → DECOLA・・・
この音は麻薬的な音である(2008/10/21)
再びデコラ
ムラードの真空管EL34が逝ってしまった。
2、3日前から電源を入れるとバキバキといやな音。そう、真空管が駄目になるときの特有の音。購入してから2年間もの間、逆に言うとよく持ったものである。購入したときに確認したが、このムラード後どのくらい使えるのだろう?と思いつつも2年間過酷な使用によく耐えた。
しかし現在では良質のムラードを4本集めるのは至難の業。
きっとそれだけで数年費やしてしまうだろう。
EL34はある時期の東欧テレフンケンの音が気に入って同ロットを一気に70本購入し在庫してあるが、ムラードのような音はでない。
きりっと締まったデコラから優しい音のデコラに変わってしまった。
残念であるが、これはこれで母も気に入ってくれているので今後デコラを所有する限り、この音で聞くこととなる。
まぁゆっくりと探して良質のムラードが手に入ったならばもう一度デコラを蘇らせることも出来るので、それまではオーディオは引退できないかもしれない。
真空管といえばダイナミック・オーディオのA氏に EL34 を5、60本引き取ってもらったことがあるが、所有するテレフンケンの前に持っていたロシア製の真空管で、当時売られている中ではまともな音質だったので、やはり同ロットを一気に購入したものだが、同ロットで購入しないと安定して一生同じ音で楽しめない危うさがある現在の真空管。
こういう意味でも真空管アンプ保持には人知れず努力している人は多いと思う。
A氏、・・・現在入手できうる良質の真空管で機器を調教し自分に合わせていく・・・という言葉が身にしみて分かるような気がする(2008/11/19)
贅沢を言うと夜に思いっきり雰囲気のある部屋で音楽を聴きたい。・・・
そして旨い酒と極上の女性
http://more.main.jp/zakkichou06.html
http://www.asyura2.com/18/revival4/msg/150.html#c6
7. 中川隆[-15062] koaQ7Jey 2021年11月28日 14:36:06 : buDTBzriJk : RjBUa0dYTlkueS4=[16]
193: 薬漬け :2020/12/11(金) 16:35:02 HOST:sp49-96-14-145.mse.spmode.ne.jp
マランツ7をついに手術しました。
精彩を欠く音で埃をかぶっていた11000番台の個体を、教授のご逆鱗必至でしょうけれども、中の160Pを全て、大半が新品の(もちろん数値的にリークしていない)バンブルビーに交換しました。
そうした“規格内の”バンブルビーを集めるまでが大変でしたが……。
とりあえず上杉経由でオートグラフ。チェックディスクはベーム=VPOの第9(独DGG、全集版)。
教授が仰るような、厳冬下の霜柱を素足で踏みしめるような、峻厳な高域が帰ってきたようです。
音場の拡がりも問題なさそうです。
それに12000番台で聴いていた音の質感よりも、シャキッとした感じ。バンブルビーがまだ新しい
こともあるのかも知れません。整備したばかりであり、こなれてくると厳しさだけでなく優しさも
併せ持ってくれるようになるかも知れません。
194: RW-2 :2020/12/11(金) 17:04:32 HOST:119.9.52.36.ap.yournet.ne.jp
音色がどうとかハーモニーがどうたらとかじゃなく、ザックザクした音触感、
細部までピントがギッチリ合って、輪郭を浮かび挙がらせる風情が#7の神髄・
真骨頂じゃないかと思っております。下衆な言い方をすれば発振寸前のような。
そんな#7ですと後に続くパワーアンプが球シングルであれppだろうと、ICパワー
パック物であろうが、スピーカーもオールホーン3ウェイだろうと8㌅シングル
コーンだろうとあきらかに#7の音として再現されるのが凄いのです。メデタシ 々。
195: 前期 :2020/12/11(金) 19:06:17 HOST:h219-110-182-217.catv02.itscom.jp
>発振寸前
はワクワクするような音ですものね。
それがないのが安定重視の業務用アンプの音。マニアは満足しないようです。
196: 薬漬け :2020/12/11(金) 22:31:19 HOST:p4109014-ipoe.ipoe.ocn.ne.jp
「手術しました」は不正確でしたね。「手術してもらいました」でした。私が自分で修理などしたら、
マランツ7は再起不能です。(汗)
それはともかく、アンプはコンポーネントの中ではよく“裏方”に喩えられますが、マランツ7を
はじめとしてプリアンプがシステムの音色に与える影響力は決して小さくないですね。パワーも
影響力のあるものもありますが、プリの方がカラーレーションを出しやすいように思います。
で、マランツ7の音が「発振寸前」……。うーん、拙宅の場合は上杉経由により少し中和されている
かも知れませんね。確かに教授お示しのような風情は十分に感じられますが。これが正妻の座を
マランツ9にしたときにどうなるか……。
197: 薬漬け :2020/12/11(金) 22:46:06 HOST:p4109014-ipoe.ipoe.ocn.ne.jp
>>195 前期さん、こんばんは。
面白いもので、業務用とはいえ西部は別かもしれませんね。入れ込んでいる人は数知れず。
86や124パワーアンプのような、音に「黄金のシロップ」のかかったような音の魅力もあったりは
しますが、基本的にはその安定重視の律儀な音にマニアは惹かれていると思います。
有名な555ドライバーも、聴いてみると決して奇をてらった音ではなく正攻法の音です。また、
たまたま私が使っている755Aや754Aも、ある意味「普通に凄い」音なのかも知れません。
この「普通に凄い」ところが、業務用、民生用を通じてなかなか無いので、西部の特異性が際立つ
のかも知れませんね。
198: 前期 :2020/12/12(土) 11:00:31 HOST:h219-110-182-217.catv02.itscom.jp
>>197
薬漬けさん、おはようございます。
仰るとおりですね。西部は別格でしょう。経験の深さが半端じゃありません。
199: 薬漬け :2020/12/19(土) 19:23:49 HOST:p4109014-ipoe.ipoe.ocn.ne.jp
腰の痛みをこらえて?マランツ9をヨイコラショと移動、用意した位置にセットしてマランツ7と
接続。ケーブルはおニューのマイクケーブル。行き先は考えてオートグラフにしました。
早速改造マランツ7との相性テスト。ソースはリヒター=ミュンヘン・バッハo.のバッハ:管弦楽
組曲第3番(独Archiv)
音がシビア目なのは7の性格でしょうが、9の性格も多少重畳しているかも知れません。おまけに
考えたら盤がアルヒーフ。まあそこはそんなもんだろうと思って聴いていましたが……。
改めてこのアンプの「円満ぶり」を再認識しました。透明感はあるし、中高域の主張の強さはやはり
7らしい。それでいて中低域の充実ぶりもなかなか。(リペアマンからは「高域・低域ともトーン・
コントロールを1クリック上げた感じ。周波数特性の改善が著しい」とは聞いていました)。
それで聴きながら他のアンプとの比較をしていましたが、中高域のシビアさはともかく、透明感は
メインのゴールドムンド〜西部124と比べてどうだろうと考えたらどうもメインシステムに軍配が
上がりそうな。また低域の充実感ないし迫力を考えたらLNP-2L〜Exclusive:M5にどうも一日の
長がありそうな感じ。
これをもってマランツ7〜9が“中途半端”だと言うつもりはありません。かなりのレベルでもって
両者の美味しいところを兼備しているという方が正解でしょう。ゴールドムンド軍団からは決して
レビンソン〜Exclusiveの低域の迫力は出ませんし、逆にレビンソン軍団からはゴールドムンドの
精細にして伸びきった高域は苦しい。(その代わり別の色艶があることは確かですが。)
これらをまあ円満にまとめた感じが7〜9なのかなと。(かつて五味康祐氏がマランツのことを、
「マランツはツマラン」と評したのは、その優等生ぶり故かも知れません。)
だから、突っ張って聴くならゴールドムンドかレビンソン(或いは他のそぐわしいプリアンプ)を
選んで聴くのでしょうが、その選択に悩んだら7〜9というのは頼もしい選択肢になりそうです。
ただし9のEL34の寿命にはヒヤヒヤしないといけませんが。(汗)
200: RW-2 :2020/12/20(日) 11:09:07 HOST:105.7.52.36.ap.yournet.ne.jp
>9のEL34の寿命にはヒヤヒヤ
#9は業務機でしたからね。現場の方達の合言葉は「EL34は名前通り9日で交換」だったとか。
マランツは規格ギリギリでの性能狙いですから。ってなこともあって普通よりタフな太いEL
34まで登場。ペントードがビーム管になってたり。KT-88/6550使わないのはマランツの意地。
201: 薬漬け :2020/12/20(日) 13:17:15 HOST:p4109014-ipoe.ipoe.ocn.ne.jp
>>200
教授、EL34の太管(確かGEだったか)って、やはり持ちが良いんですかね?
ちょっとでもマシかとUL接続でなく3極管接続にしていますが……関係ないか。
202: RW-2 :2020/12/20(日) 16:37:19 HOST:105.7.52.36.ap.yournet.ne.jp
アメリカさんはタフ好きマッチョ好きですから。もう見かけ6L6GBみたいですもんね。
3結は良いですね。出力的には十分でしょ。パラじゃなく普通のppでも15〜20W取れ
ますから。現在EL84/6BQ5の3結pp使ってます。4〜5Wですけど相当な音量が出ます。
無理せず働かせる3結は電流喰わないのでエコなのも宜しい。
203: QS :2020/12/20(日) 18:08:46 HOST:152.net211007085.libmo.jp
太管のEL34/6CA7(GE・Phlips ECC )は自分の感想として、テレフンケン等に比べて音がタイトですね。
4ペア持ってます。
204: 薬漬け :2020/12/20(日) 18:45:15 HOST:p4109014-ipoe.ipoe.ocn.ne.jp
>>202
ご教示ありがとうございます。
やはり3結は電気食わないんですね。ちょっとは球に優しいのかも。
205: 薬漬け :2020/12/20(日) 18:46:17 HOST:p4109014-ipoe.ipoe.ocn.ne.jp
>>203
4ペアお持ちですか……。
それが一気に全部使われてしまうのだから、パラプッシュげに恐るべし。
今私が使っているのはテレフンケンのビンテージ管ですが、それより音がタイトですか……。それ、
案外好みかも。
206: 私の息子はEL34 :2020/12/22(火) 17:55:16 HOST:flh3-122-133-65-194.osk.mesh.ad.jp
HEY GUYS
6CA7/EL34の太管ならSOVTEKや旧ユーゴ製にも有りますた。
COMING SOON。
https://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/music/11602/1596031365/l50
http://www.asyura2.com/18/revival4/msg/150.html#c7
1. 2021年11月28日 14:48:05 : buDTBzriJk : RjBUa0dYTlkueS4=[17]
EL34 シングルアンプ
http://www.asyura2.com/18/revival4/msg/149.html
EL34 を使ったアンプ
http://www.asyura2.com/18/revival4/msg/137.html
EL34 アンプの音はトランスですべて決まる
http://www.asyura2.com/18/revival4/msg/151.html
EL34-B (中華)=EL34 (欧州大陸)=6CA7 (米国)=KT-77 (英国)
http://www.asyura2.com/18/revival4/msg/150.html
1. 中川隆[-15061] koaQ7Jey 2021年11月28日 14:48:43 : buDTBzriJk : RjBUa0dYTlkueS4=[18]
EL34 シングルアンプ
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EL34 を使ったアンプ
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EL34 アンプの音はトランスですべて決まる
http://www.asyura2.com/18/revival4/msg/151.html
EL34-B (中華)=EL34 (欧州大陸)=6CA7 (米国)=KT-77 (英国)
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30. 中川隆[-15060] koaQ7Jey 2021年11月28日 14:50:14 : buDTBzriJk : RjBUa0dYTlkueS4=[19]
EL34 シングルアンプ
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EL34 を使ったアンプ
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EL34 アンプの音はトランスですべて決まる
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EL34-B (中華)=EL34 (欧州大陸)=6CA7 (米国)=KT-77 (英国)
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2. 中川隆[-15059] koaQ7Jey 2021年11月28日 14:51:05 : buDTBzriJk : RjBUa0dYTlkueS4=[20]
EL34 シングルアンプ
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EL34 を使ったアンプ
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EL34 アンプの音はトランスですべて決まる
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EL34-B (中華)=EL34 (欧州大陸)=6CA7 (米国)=KT-77 (英国)
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28. 中川隆[-15058] koaQ7Jey 2021年11月28日 14:51:45 : buDTBzriJk : RjBUa0dYTlkueS4=[21]
EL34 シングルアンプ
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EL34 を使ったアンプ
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EL34 アンプの音はトランスですべて決まる
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EL34-B (中華)=EL34 (欧州大陸)=6CA7 (米国)=KT-77 (英国)
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29. 中川隆[-15057] koaQ7Jey 2021年11月28日 14:52:53 : buDTBzriJk : RjBUa0dYTlkueS4=[22]
EL34 シングルアンプ
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EL34 を使ったアンプ
http://www.asyura2.com/18/revival4/msg/137.html
EL34 アンプの音はトランスですべて決まる
http://www.asyura2.com/18/revival4/msg/151.html
EL34-B (中華)=EL34 (欧州大陸)=6CA7 (米国)=KT-77 (英国)
http://www.asyura2.com/18/revival4/msg/150.html
6. 中川隆[-15056] koaQ7Jey 2021年11月28日 16:21:51 : buDTBzriJk : RjBUa0dYTlkueS4=[23]
EL34 シングルアンプ
http://www.asyura2.com/18/revival4/msg/149.html
EL34 を使ったアンプ
http://www.asyura2.com/18/revival4/msg/137.html
EL34 アンプの音はトランスですべて決まる
http://www.asyura2.com/18/revival4/msg/151.html
EL34-B (中華)=EL34 (欧州大陸)=6CA7 (米国)=KT-77 (英国)
http://www.asyura2.com/18/revival4/msg/150.html
http://www.asyura2.com/18/revival4/msg/120.html#c6
1. 中川隆[-15055] koaQ7Jey 2021年11月28日 16:50:05 : buDTBzriJk : RjBUa0dYTlkueS4=[24]
昔のテレビ・ドラマは面白かった _ 鈴木保奈美・三上博史 この世の果て (フジテレビ 1994年)
http://www.asyura2.com/18/reki3/msg/997.html
▲△▽▼
野島伸司脚本のテレビドラマ作品集
野島伸司(1963年3月4日 - )
http://www.asyura2.com/20/reki4/msg/998.html
昔のテレビ・ドラマは面白かった _ 中山美穂 ・柳葉敏郎 すてきな片想い (フジテレビ 1990年)
http://www.asyura2.com/18/reki3/msg/1008.html
昔のテレビ・ドラマは面白かった _ 浅野温子・武田鉄矢 101回目のプロポーズ (フジテレビ 1991年)
http://www.asyura2.com/18/reki3/msg/1054.html
昔のテレビ・ドラマは面白かった _ 真田広之・桜井幸子 高校教师 (TBS 1993年)
http://www.asyura2.com/18/reki3/msg/1000.html
昔のテレビ・ドラマは面白かった _ 鈴木保奈美・三上博史 この世の果て (フジテレビ 1994年)
http://www.asyura2.com/18/reki3/msg/997.html
昔のテレビ・ドラマは面白かった _ 安達祐実 ・内藤剛志 家なき子 (日本テレビ 1994年)
http://www.asyura2.com/18/reki3/msg/1004.html
昔のテレビ・ドラマは面白かった _ 安達祐実 ・堂本光一 家なき子2 (日本テレビ 1995年)
http://www.asyura2.com/18/reki3/msg/1006.html
昔のテレビ・ドラマは面白かった _ いしだ壱成・桜井幸子 未成年 (TBS 1995年)
http://www.asyura2.com/18/reki3/msg/1010.html
昔のテレビ・ドラマは面白かった _ いしだ壱成・酒井法子 聖者の行進 (TBS 1998年)
http://www.asyura2.com/18/reki3/msg/1020.html
昔のテレビ・ドラマは面白かった _ 竹野内豊・坂井真紀 世紀末の詩 (日本テレビ 1998年)
http://www.asyura2.com/18/reki3/msg/1012.html
昔のテレビ・ドラマは面白かった _ 三上博史・ 広末涼子 リップスティック (フジテレビ 1999年)
http://www.asyura2.com/18/reki3/msg/1044.html
昔のテレビ・ドラマは面白かった _ 滝沢秀明 ・深田恭子 ストロベリー・オンザ・ショートケーキ (フジテレビ 2001年)
http://www.asyura2.com/18/reki3/msg/1011.html
昔のテレビ・ドラマは面白かった _ 藤木直人・上戸彩 高校教师 (TBS 2003年)
http://www.asyura2.com/18/reki3/msg/1001.html
昔のテレビ・ドラマは面白かった _ 渡部篤郎・飯豊まりえ パパ活 (フジテレビ 2017年)
http://www.asyura2.com/18/reki3/msg/1026.html
名作は
昔のテレビ・ドラマは面白かった _ 真田広之・桜井幸子 高校教师 (TBS 1993年)
http://www.asyura2.com/18/reki3/msg/1000.html
昔のテレビ・ドラマは面白かった _ 鈴木保奈美・三上博史 この世の果て (フジテレビ 1994年)
http://www.asyura2.com/18/reki3/msg/997.html
昔のテレビ・ドラマは面白かった _ 滝沢秀明 ・深田恭子 ストロベリー・オンザ・ショートケーキ (フジテレビ 2001年)
http://www.asyura2.com/18/reki3/msg/1011.html
http://www.asyura2.com/21/reki7/msg/526.html#c1
5. 中川隆[-15054] koaQ7Jey 2021年11月28日 17:24:47 : buDTBzriJk : RjBUa0dYTlkueS4=[25]
【ゆっくり解説】ケルト神話はケルト神話じゃありませんでした【神話】
2021/11/27
http://www.asyura2.com/20/reki5/msg/295.html#c5
1. 中川隆[-15053] koaQ7Jey 2021年11月28日 17:25:14 : buDTBzriJk : RjBUa0dYTlkueS4=[26]
【ゆっくり解説】ケルト神話はケルト神話じゃありませんでした【神話】
2021/11/27
http://www.asyura2.com/20/reki5/msg/290.html#c1
2. 中川隆[-15052] koaQ7Jey 2021年11月28日 17:25:39 : buDTBzriJk : RjBUa0dYTlkueS4=[27]
【ゆっくり解説】ケルト神話はケルト神話じゃありませんでした【神話】
2021/11/27
http://www.asyura2.com/18/reki3/msg/731.html#c2
2. 中川隆[-15051] koaQ7Jey 2021年11月28日 17:26:09 : buDTBzriJk : RjBUa0dYTlkueS4=[28]
【ゆっくり解説】ケルト神話はケルト神話じゃありませんでした【神話】
2021/11/27
http://www.asyura2.com/20/reki5/msg/293.html#c2
3. 2021年11月28日 17:29:42 : buDTBzriJk : RjBUa0dYTlkueS4=[29]
【ゆっくり解説】全員聞けっ!日本競馬の歴史を変えた!サンデーサイレンスの全貌【ウマ娘 競馬】
2021/11/27
言わずと知れた、「サンデーサイレンス」!
あなたはどこまで知っていますか?
日本の競馬の歴史を変えたと言っても過言ではない、
http://www.asyura2.com/21/reki7/msg/261.html#c3
9. 2021年11月28日 17:58:21 : buDTBzriJk : RjBUa0dYTlkueS4=[30]
雑記帳2021年11月28日
イベリア半島南部における銅器時代から青銅器時代の人類集団の遺伝的変化
https://sicambre.at.webry.info/202111/article_28.html
イベリア半島南部の銅器時代から青銅器時代の人類集団の大規模なゲノムデータを報告した研究(Villalba-Mouco et al., 2021)が公表されました。紀元前三千年紀の最後の世紀に、ヨーロッパと近東とエジプトの社会は大規模な社会的および政治的激変を経ました。アッカド帝国とエジプト古王国の末における、集落の放棄、人口減少、交通網の消滅、大きな政治的混乱は、4200年前頃の事象として知られる、気候危機の観点でよく解釈されてきました。
最近、紀元前三千年紀における社会的不安を引き起こす、かなりの人口移動の可能性が、ヨーロッパ中央部および西部における銅器時代末に観察された変化のさらなる説明として提案されました(関連記事1および関連記事2および関連記事3)。社会および経済の置換の兆候は、イベリア半島南部においてとくに顕著で、銅器時代は並外れた人口増加、記念碑的な集落と葬儀の構造の多様性、広範な銅の冶金、とりわけ象徴的な商品の、洗練されて大規模な生産および交換と関連しています。
さらにこの期間は集落様式の多様性により特徴づけられ、要塞化したり、堀で囲まれたり、いわゆる大規模集落だったりし、そのうち一部の規模は、バレンシナ・デ・ラ・コンセプシオン(Valencina de la Concepción)やマロキエス・バホス(Marroquíes Bajos)のように100ヘクタールになり、その全ては紀元前3300〜紀元前2800年頃に形成されたので、鐘状ビーカー(Bell Beaker)文化層位に先行します。この期間は、相互のつながりおよび移動性の大きな増加とも関連しています。利用可能な放射性同位体(ストロンチウム)の研究に基づき、イベリア半島南部の個体が育った場所以外で埋葬されていた割合は、8〜74%でした。アフリカや近東の象牙、シチリア島の琥珀、アフリカのダチョウの卵殻は、地域を越えたつながりを示します。しかし、強い政治的中央集権化と経済的不平等の証拠は、分かりにくいか結論が出ないままです。
考古遺伝学では、イベリア半島(南部)青銅器時代における顕著な発展は、新石器時代以降の証明された強い人口連続性と結びついている、と示唆されてきました(関連記事1および関連記事2)。しかし、後期銅器時代のイベリア半島北部および中央部の人類学および考古学的記録は、鐘状ビーカー関連人工物とよくつながってはいるものの、独占的につながっているわけではない、紀元前2400年頃までの「草原地帯関連祖先系統(祖先系譜、祖先成分、ancestry)」を有する5個体を示しており、同時にアフリカ人祖先系統も1個体で観察され、人々の別々の移動(性)を示唆します(関連記事1および関連記事2)。
イベリア半島における前期青銅器時代(紀元前2200〜紀元前1550年頃)の始まりには明確な人口置換が示され、紀元前2200年頃以後の全個体における草原地帯関連祖先系統の遍在により示唆されます。男性のY染色体ハプログループ(YHg)の頻度ではさらに顕著な変化が観察でき、イベリア半島には紀元前2400年頃以前には完全に存在しなかった、YHg-R1b1a1b1a1a2(P312)がほぼ独占的となります(関連記事)。
紀元前三千年紀末の後期銅器時代から前期青銅器時代(EBA)の転換では、イベリア半島南部において、ロス・ミリャレス(Los Millares)のような要塞化された集落や、バレンシナとペルディゲース(Perdigões)のような堀で囲まれた大規模集落が消滅した一方で、イベリア半島南東部では、より小さな規模(0.5ヘクタール未満)の新たな丘の頂上の居住が同時に出現します。かなりの密集した丘の頂上の集落は、特有の建物内埋葬儀式と特徴的な土器および金属の種類により区別され、紀元前2200年頃に、イベリア半島南東部沿岸と並行する山脈に囲まれた肥沃な第三期盆地に出現します。
約3500km²のこの地域は、エルアルガル(El Argar)「文化」の中核と考えられています。エルアルガル「文化」は、ヨーロッパ先史時代における初期の複雑な社会の最も顕著な事例の一つで、社会的階層化の証拠があります。エルアルガルの起源は依然として不明で、それは、エルアガル要素が後期銅器時代に出現するか、その逆の混成の文脈がないからです。初期エルアルガルの記録は、V型の穴開きボタンや、パルメラ(Palmela)型尖頭器や、いわゆる「射手の手首防護」である穴開き石刃など、鐘状ビーカー複合といくつかの特徴を共有していますが、特徴的な鐘状ビーカー土器は欠けています。
紀元前2200年頃となる、ラ・バスティダ(La Bastida)の丘の頂上の5ヘクタールの記念碑的要塞の発見に基づき、地中海東部の寄与の可能性が再考されました。大型貯蔵器(ピトス)の建物内埋葬、銀の指輪と腕輪の流通、特徴的な足のアルガル杯も、エーゲ海もしくは近東との接触の兆候として解釈されてきましたが、これら全ての特徴は、エルアルガルの後期段階に出現しました。後陣の建物、建物内埋葬、金属鋳造技術、著名な武器としての矛槍など、初期エルアルガルのさまざまな特徴的な物質的形質の系譜は、ヨーロッパの南東部と中央部と西部におけるいくつかの社会的発展を想起させ、まだ不明な起源のつながりの可能性があります。
紀元前2000〜紀元前1800/1750年頃に、エルアルガルはイベリア半島南東部のより広範な地域に拡大し、メセタ(イベリア半島中央部の広大な乾燥地帯の高原)に進出しました。矛槍など特徴的なエルアルガルの道具も、この領域を越えて存在します。エルアルガル社会内の指導的人物は、矛槍と短剣で武装した戦士階級だったようです。これらの武器は、時には金の腕輪と関連づけられ、紀元前2000〜紀元前1800年頃にはヨーロッパ中央部の男性エリートの埋葬において、政治的支配の勲章にもなりました。同時に、人口の増加部分、とくに子供はエルアルガルの独特な集落内の、窯や人口的洞窟や土器の船や穴に埋葬されました。
エルアルガルの最終段階(紀元前1800/1750〜紀元前1550年頃)には、経済的および社会的発展は顕著な水準に達しました。より大きな丘の頂上の集落(1〜6ヘクタール)で見つかった大量の研磨器具や大規模な作業場や貯蔵施設から、特定の集団がより広範な地域の資源と労働力の流れを管理していた、と示唆されます。支配的で遺伝的な階級の確立は、増加する社会的非対称性とともに、建物内埋葬、記念碑的建築物、および両者の間の空間的関係で認識できるようになります。
以前の研究では、森林伐採と大規模な乾地農業に起因する社会的紛争と環境悪化が、紀元前1550年頃のエルアガルの放棄もしくは破壊につながる、と主張されました。しかし、他の研究者により強調されたように、内陸部アリカンテ(Alicante)における類似の経済組織と建築と葬儀の記録の出現から、エルアルガル最盛期には、少なくとも一部の集団は、イベリア半島南東部に位置する隣接した「文化的集団」である、バレンシアの青銅器時代文化に影響を受けた領域で自身を確立できていた、と示唆されます。
本論文の目的は、ひじょうに動的なイベリア半島銅器時代世界の崩壊における人口動態の重要性、エルアルガルの台頭と発展、ヨーロッパ西部およびバレアレス後期青銅器時代(LBA)における隣接した青銅器時代集団間の関係の理解です。本論文は、イベリア半島およびバレアレス諸島の青銅器時代集団の遺伝的構成を、サルデーニャ島やシチリア島など他の地中海西部および中央部の集団との関係において調べます。合計で、エルアルガルおよび同時代の社会と関連する青銅器時代(BA)96個体、銅器時代34個体、後期青銅器時代6個体のゲノム特性が特徴づけられます。
●標本
本論文は、後期新石器時代(紀元前3300年頃)から後期青銅器時代(紀元前1200/1000年頃)までの2000年にわたるイベリア半島南部の136個体の、124万ヶ所の情報をもたらす一塩基多型の型式で、ゲノム規模データをを報告します。これらのうち5個体は、将来の研究でユーラシア西部古代人の増加する記録に追加するため、1.5〜5.2倍のショットガン配列により完全なゲノムが再構築されました。
本論文の新たなデータセットには、後期新石器時代(LN)/銅器時代(CA)では、埋葬洞窟のコヴァ・デン・バルド(Cova d’en Pardo)遺跡7個体とフクロウ洞窟(Cueva de las Lechuzas)10個体、鐘状ビーカー前の銅器時代の巨大遺跡であるバレンシナのPP4モンテリリオ(PP4-Montelirio)では11個体、後期銅器時代の集合地下墓であるカミノ・デル・モリノ(Camino del Molino)遺跡の6個体、前期青銅器時代の土坑墓であるモリノス・デ・パペル(Molinos de Papel)遺跡の3個体など、さまざまな集団と種類の遺跡が含まれ、この研究の中心であるアルガル社会の多様な比較データセットを提供します。
アルガル社会については、ほぼ完全な考古学的によく定義されたラ・アルモロヤ(La Almoloya)遺跡67個体とラ・バスティダ(La Bastida)遺跡10個体に、セッロ・デル・モッロン(Cerro del Morrón)遺跡の3個体、ロルカ(Lorca)町では、マドレス・メルセダリアス教会(Madres Mercedarias Church)遺跡が1個体、ロス・ティンテス(Los Tintes)遺跡が1個体、ザパテリア(Zapatería)遺跡が1個体です。いわゆるバレンシナ青銅器時代の個体も分析され、その内訳は、カベゾ・レドンド(Cabezo Redondo)遺跡が1個体、ペノン・デ・ラ・ゾッラ(Peñón de la Zorra)遺跡が1個体、プンタル・デ・ロス・カルニセロス(Puntal de los Carniceros)遺跡が4個体、ラ・ホルナ(La Horna)遺跡が3個体です。カタルーニャの青銅器時代個体ではミケル・ヴィヴェス(Miquel Vives)遺跡1個体、バレアレス諸島のメノルカ(Menorca)島のエス・フォラト・デ・セス・アリトゲス(Es Forat de ses Aritges)6個体も分析されました(図1)。
遺伝的性別決定では、性染色体がXXY(クラインフェルター症候群)の1個体とトリプルX症候群の1個体が観察されました。集団遺伝学的分析では、124万パネルで4万ヶ所以上の一塩基多型データが得られた個体に限定されましたが、下流分析では低網羅率の18個体は除外されます。また親族分析で1親等の個体のうち網羅率の低い方の個体も除外されました。これらの122個体の新たなゲノム規模データは、既知の古代人および現代人のデータと統合されました。以下は本論文の図1です。
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●イベリア半島銅器時代の遺伝的構造
まず、ヒト起源(Human Origins)一塩基多型パネルで遺伝子型決定された現代ユーラシア西部人口集団一式から計算された主成分に投影された、関連する古代人との主成分分析の実行により、新たに決定された銅器時代個体群の遺伝的類似性が調べられました(図2A)。イベリア半島南部の新たな銅器時代個体群は、それ以前の中期新石器時代(MN)と中期/後期新石器時代(MLN)と銅器時代(非草原地帯)のイベリア半島集団と重なる位置に収まりますが、PC1軸では既知の前期新石器時代(EN)イベリア半島集団およびサルデーニャ島銅器時代の後の集団の方へとわずかに動いており、イベリア半島南部の銅器時代個体群における等しく小さな狩猟採集民(HG)祖先系統の寄与を示唆します。これらの結果は、バレンシナの物質文化の1要素における提案された型式の類似性に基づく、前期銅器時代におけるイベリア半島南部への草原地帯関連祖先系統の拡散に関する以前の提案に反しています。
ヨーロッパ新石器時代農耕民における主要な狩猟採集民、つまり農耕前のヨーロッパ西部における祖先系統の支配的形態を表すいわゆるヨーロッパ西部狩猟採集民(WHG)の異なる寄与を検証するため、f4統計(イベリア半島南東部および南西部CA、イベリア半島北部および北東部および中央部CA;WHG、ムブティ人)が計算され、イベリア半島北部CAとイベリア半島中央部CAで有意に負の値が得られました(図2B)。これは、イベリア半島北部および中央部CA個体群におけるより高いWHG祖先系統を示唆しており、f4統計(イベリア半島南東部および南西部MLN、イベリア半島北部MLN;WHG、ムブティ人)で示されるように、MLNに先行する期間においても存在した兆候です。
ヨーロッパ西部における異なる狩猟採集民の遺産に関する以前の研究の洞察(関連記事1および関連記事2)を活用して、さまざまな方法で地理的に多様な銅器時代イベリア半島人の狩猟採集民祖先系統が調べられました。まず、f4統計(ゴイエットQ2、WHG;検証対象、ムブティ人)が計算され、検証対象は全てのMLNおよびCA集団を表します(図2C)。f4値の結果は全ての検証対象集団で有意に負となるにも関わらず(WHGとの混合を示唆します)、より低い負の値を示すMLNおよびCAのイベリア半島南部集団との地理的に関連する勾配が観察され、マドレーヌ文化(Magdalenian)関連祖先系統の代理として機能する、ベルギーのゴイエット(Goyet)遺跡で発見された19000年前頃のゴイエットQ2個体とのさまざまな関係を示唆します(図2C)。
qpAdmの外群に基づくアナトリア半島新石器時代集団、ルクセンブルクのヴァルトビリヒ(Waldbillig)のロシュブール(Loschbour)遺跡の8100年前頃となる中石器時代個体に代表されるWHG、ヨーロッパ東部の農耕開始前の主要な祖先系統であるヨーロッパ東部狩猟採集民(EHG)、遠位供給源としてのゴイエットQ2との祖先系統モデル化を用いて、この微妙な兆候が確証されます。イベリア半島南部の銅器時代集団は、狩猟採集民祖先系統の全体的な量に関しては異なりますが、後者も質的に異なる、と明らかになりました。イベリア半島南部銅器時代個体群におけるマドレーヌ文化(マグダレニアン)関連狩猟採集民祖先系統の割合推定値は6.1±1.3〜7.2±1.3%で、局所的な狩猟採集民集団の地理的構造を反映し、新石器時代以降のある程度の遺伝的連続性を示唆します(図2D)。
イベリア半島南東部銅器時代個体群の事例では、第三の供給源としてゴイエットQ2を追加することで、モデルはわずかに向上します。イラン新石器時代(N)もしくはヨルダン先土器新石器時代B期(PPNB)を第四の供給源として追加すると、イベリア半島南東部銅器時代個体群では1桁のモデル適合性の改善が見られます。次に、第四の供給源として他の人口集団を追加しても、モデル適合性の改善は見られませんでした。イベリア半島南東部銅器時代集団に寄与する未知の供給源は、遠位供給源のアナトリア半島新石器時代と比較して、レヴァントおよび/もしくはイランN的な祖先系統を過剰に有していた可能性が高く、それは、これらがまとめてアナトリア半島およびレヴァント銅器時代集団において混合した(紀元前6000〜紀元前5000年頃)、と明らかになってきたからです(関連記事)。
この知見は、地中海沿いに初期に拡大した微妙な寄与、あるいは、本論文で用いられたアナトリア半島N集団と比較した場合に、レヴァントおよび/もしくはイランN的な構成要素をさまざまな割合で有する、新石器時代移行期における初期農耕民のさまざまな供給源を示唆します。外群からアナトリア半島狩猟採集民(AHG)を除外してもモデル適合性は改善し、新石器時代祖先系統は遠位代理としてアナトリア半島N集団を用いることによりよく表せず、アナトリア半島N集団よりもAHGに類似した別の農耕民集団に由来しているかもしれません。地中海全域の新石器時代および銅器時代のより多くの個体が、この寄与をより確実に追跡するのに必要でしょう。以下は本論文の図2です。
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マドレーヌ文化関連祖先系統は、他の同時代の地中海人口集団、たとえばサルデーニャ島の新石器時代と銅器時代と前期青銅器時代の集団やシチリア島の前期青銅器時代集団やイタリア半島の銅器時代集団では検出れず、イベリア半島南部から地中海中央部への方向での遺伝子流動はありそうにない、と示します。しかし、qpAdmモデルを適用すると、サルデーニャ島の地中海中央部集団におけるイランN的祖先系統の以前には報告されていない量が検出され、それはサルデーニャ島銅器時代集団の2.8±1.2%からサルデーニャ島ヌラーゲ文化期青銅器時代集団の5.8±1%の範囲です。
シチリア島EBA集団をモデル化するのに供給源としてイランN集団を追加すると、モデル適合性は改善しますが、P値が0.05以上に達することはなく、シチリア島からよりも、イタリア半島からサルデーニャ島への遺伝子流動の方が可能性は高そうで、イタリア半島CA集団もイランN的祖先系統を示します。とくに、シチリア島EBA集団をモデル化すると、3供給源モデル(アナトリア半島N、WHG、ヤムナヤ文化サマラ集団)で外群からAHGを除外するか、4供給源モデル(アナトリア半島N、WHG、ヤムナヤ文化サマラ集団、イランN)でモロッコのイベロモーラシアン(Iberomaurusian)狩猟採集民を除外すると、P値が0.05以上となり、草原地帯関連祖先系統の到来前の地中海における遺伝的下位構造が示されます。しかし、この知見は、他の地中海人口集団からイベリア半島南東部CA個体群への限定的な遺伝的流入を除外しません。
●イベリア半島南東部青銅器時代における遺伝的置換とエルアルガルの台頭
先行する銅器時代(CA)集団と比較すると、エルアルガル青銅器時代(BA)およびイベリア半島南東部BAと関連する個体群は主成分空間では密接な群を形成し、ヨーロッパ中央部の草原地帯関連祖先系統を有する人口集団の方へと動いており、イベリア半島CA個体群とイベリア半島北部BA個体群との間に位置します(図3A)。類似の遺伝的変化はADMIXTUREの結果において顕著で、イベリア半島BA個体群は先行するCA個体群と比較すると追加の構成要素を示し、これはf4検定(アナトリア半島N、検証集団;ヤムナヤ文化サマラ集団、ムブティ人)によりさらに裏づけられ、検証集団は新たに報告されたCAおよびBA個体群で繰り返されます(図3B)。EBA個体群における負のf4値への変化は、ヤムナヤ文化サマラ個体群と共有される浮動を示唆し、これは以前のCA個体群では欠けています。
この観察結果は、エルアルガルBA個体群におけるかなりの量の草原地帯関連祖先系統を示唆し、f4統計(アルガルイベリア半島BA/イベリア半島南東部BA、イベリア半島南東部CA;ヤムナヤ文化サマラ集団、ムブティ人)で直接的に検定されました。有意に正のf4値は、全てのBA個体群における草原地帯関連祖先系統の存在を確証します。次にf4(イベリア半島北部・北東部・中央部BA、アルガルイベリア半島BA/イベリア半島南東部BA;ヤムナヤ文化サマラ集団、ムブティ人)を用いて、南北のBA個体群を対比することにより、草原地帯関連祖先系統との類似性の違いが検証されました。その結果得られたf4値で、ラ・アルモロヤ遺跡とラ・バスティダ遺跡の個体群は、Y染色体記録で見られるYHg-R1b1a1b1a1a2(P312)へのほぼ完全な置換(例外はラ・バスティダ遺跡の亜成人1個体)にも関わらず、イベリア半島の他のBA集団、とくに北部集団と比較して、草原地帯関連祖先系統の量が少ない、と確証されました。しかし、遺跡内の水準では、主成分分析およびf4統計に基づくと、ラ・アルモロヤ遺跡とラ・バスティダ遺跡で前期と後期との間の草原地帯関連祖先系統の量に関して有意な違いは観察されず、草原地帯関連祖先系統の寄与は人口集団全体で均質化している、と示唆されます。
バレアレス諸島の新たに分析された後期青銅器時代個体群(アリトゲスLBA)は、マヨルカ(Mallorca)島の既知の後期銅器時代個体(以前にはマヨルカEBAと呼ばれていました)よりも草原地帯関連祖先系統の割合が少なく、経時的に草原地帯関連祖先系統が減少した、と確証されます。マヨルカ島の銅器時代の草原地帯関連祖先系統を有する個体における草原地帯関連祖先系統の量は、イベリア半島における最初の銅器時代集団(イベリア半島中央部CA_Stpおよびイベリア半島北西部CA_Stp)と類似しており、同時に到来した可能性があります。それは、この草原地帯関連祖先系統を有する集団の到来前に、バレアレス諸島にはヒトの居住の明確な証拠がないからです。
以前の研究では、イベリア半島について、草原地帯関連祖先系統の最初の寄与は青銅器時代において在来の銅器時代集団の子孫との混合により希釈されたものの、第二波の後期青銅器時代から鉄器時代にかけて再度増加した、と提案されました(関連記事)。本論文では、バレアレス諸島におけるこの第二波は検出されず、メノルカ(Menorca)島の後期青銅器時代1個体の存在にも関わらず、別の研究(関連記事)の知見と一致します。
イベリア半島南部で観察された状況は、紀元前2200年頃となる銅器時代社会から前期青銅器時代社会への移行期における人口動態変化の具体例を提供します。バレンシナの前期銅器時代(紀元前2900〜紀元前2800年頃)および、鐘状ビーカー層準と同時代となる(鐘状ビーカー土器は欠けています)後期銅器時代の集合墓洞窟であるカミノ・デル・モリノ遺跡からの、本論文で新たに提示された個体群における草原地帯関連祖先系統の欠如と、カミノ・デル・モリノ遺跡からわずか約400m離れて位置するモリノス・デ・パペル遺跡の鐘状ビーカー関連遺物を有する二重墓被葬者における草原地帯関連祖先系統の最初の出現は、イベリア半島南部における草原地帯関連祖先系統の到来に関する時間的枠組みを提供します。
基準点としてカミノ・デル・モリノ遺跡の最新の年代(非較正で3830±40年前)と、モリノス・デ・パペル遺跡の最古の年代(非較正で3780±30年前)を考えると、両方の放射性炭素年代は95%水準で重なり、イベリア半島南部における草原地帯関連祖先系統の到来は紀元前2200年頃までとなります。地域を越えた規模では、分析されたイベリア半島南部銅器時代個体群はどれも現時点で草原地帯関連祖先系統を示せませんが、ラ・バスティダ遺跡のの2個体(BAS024とBAS025)とラ・アルモロヤの1個体(ALM019)のエルアガル遺跡では最古となる個体群は、そうした祖先系統の明確な証拠を示します。したがって、人口集団の混合は遅くともそれから過去150年間に起きたに違いありません。
プログラムDATES(Distribution of Ancestry Tracts of Evolutionary Signals)を用いて、推測される供給源の混合年代を推定すると、全ての新たに提示された青銅器時代集団における混合年代は、紀元前2550±189年から紀元前1642±133年となります。これは、紀元前2350年頃となるバレンシナのような一部の集合大規模遺跡や、他では紀元前2300/2200年頃となるロス・ミリャレス遺跡などその前後の年代の遺跡の、銅器時代社会体系の崩壊後に起きた可能性があります。紀元前2350〜紀元前2200年頃となる銅器時代文化の消滅は、いわゆる4200年前の気候事象と関連しており、それは、イベリア半島について直接的で決定的な古気候証拠は疎らなままであるものの、この事象と巨大遺跡の崩壊との間の時間的重複があるからです。青銅器時代へとつながる社会的および経済的変化は、新たな遺伝的祖先系統の到来と同様に、イベリア半島北部から人部へと拡大したようなので、関連している可能性があります。しかし、この拡大が日和見的だった(つまり、潜在的な気候悪化の結果に続きました)のか、考古学で観察された実際の変化の原因だったのかどうか、不明なままです。
注目すべきは、新たな遺伝的祖先系統の到来が、イベリア半島の全地域で同じ社会的変化と並行しているわけではない、ということです。イベリア半島南東部沿岸地域では、集落内の単葬もしくは二重埋葬の慣行への変化が紀元前2200年頃までに起き、エルアルガルの始まりと一致します。しかし、イベリア半島内陸部では、関連する副葬品と集落の土器は、初期エルアガルの「中核」領域の物質文化よりも、後期鐘状ビーカー銅器時代と関連しています(葉の形の有舌尖頭器、V型の穴開きボタン、刻文ビーカー土器)。スペイン中央高原の南部であるラ・マンチャ(La Mancha)では、確認された草原地帯関連祖先系統構成要素を有する最初の個体である、紀元前2100年頃のカスティリェホ・デル・ボネテ(Castillejo del Bonete)遺跡の4号墓の男性が、ラス・モティージャス(Las Motillas)要塞など記念碑的集落の創設と一致しています。
これは、イベリア半島への草原地帯関連祖先系統の遺伝的寄与が紀元前2400年頃にイベリア半島北部および中央部地域で始まる長期の過程だった一方で、そこから約300年で南方へと拡大したことを示します。局所的規模では、この変化はより速く起きた可能性があります。類似の状況はポルトガル中央部にも存在した可能性があり、紀元前2300〜紀元前2200年頃となる、ガレリア・ダ・システルマ(Galería da Cisterna)遺跡やコヴァ・ダ・モウラ(Cova da Moura)遺跡など集合銅器時代埋葬において、草原地帯関連祖先系統を有さない個体が依然として見つかります。しかし、紀元前2100年頃以後は、全ての遺跡の全ての個体は草原地帯関連祖先系統を有しており、YHg-R1b1a1b1a1a2(P312)が、エルアルガルだけではなく青銅器時代イベリア半島の他地域にも存在する、主要なY染色体系統になることと一致します。
●イベリア半島青銅器時代集団における地中海とヨーロッパ中央部の遺伝的影響
イベリア半島における遺伝的置換と新たに形成された青銅器時代(BA)の遺伝的特性への在来集団の寄与を調べるため、一連のqpAdmモデルが体系的に検証されました。遠位祖先系統供給源である、アナトリア半島新石器時代(N)集団、WHG、ゴイエットQ2、ヤムナヤ文化サマラ集団、イランN集団を用いて、イベリア半島BA集団の遺伝的祖先系統構成要素をモデル化することから始められました。その結果、イベリア半島南部の銅器時代(CA)個体群の、特徴的ではあるものの変動的な構成要素であるゴイエットQ2の局所的痕跡はもはや検出できず、狩猟採集民祖先系統に関して、イベリア半島青銅器時代における地理的下位構造の消滅が示唆されます。これは、イベリア半島北部から南部への草原地帯関連祖先系統の拡大により説明され、イベリア半島南部にイベリア半島北部および中央部の祖先系統をもたらし、検出限界を超える水準にまで微妙なゴイエットQ2の兆候を希釈しました。
同じqpAdmモデルを用いることで、ラ・アルモロヤ遺跡エルアルガル前期、ラ・アルモロヤ遺跡エルアルガル後期、イベリア半島南東部カベゾ・レドンド遺跡BA、ラ・バスティダ遺跡エルアルガル期の個体群は、単一の供給源としてヤムナヤ文化サマラ集団でモデル化できず、イランNとヤムナヤ文化サマラ集団の組み合わせでよりよい裏づけが見つかりますが、ラ・アルモロヤ遺跡エルアルガル前期および後期とカベゾ・レドンド遺跡BA個体群では、P値は0.05以上に達しません。これらエルアルガル集団(ラ・アルモロヤ遺跡とラ・バスティダ遺跡)もPC1軸では、イランN的祖先系統を有するものの草原地帯関連祖先系統を有さない「ミノア人」、もしくは両者の混合を有する「ミケーネ人」など(関連記事)、過剰なイランN的祖先系統を有する地中海BA集団の方向にわずかに右側に動き、それはシチリア島MBAの同じBA個体群とサルデーニャ島人(関連記事)についても示されます(図3A)。以下は本論文の図3です。
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イベリア半島南東部BA集団で観察されるモデル却下の理由を調べるため、いくつかのqpAdmモデルが検証されました。2方向および3方向の競合qpAdmモデルを用いて、イランN的祖先系統を有する第三の供給源が必要なのかどうか、調べられました。2方向モデルでは、鐘状ビーカー個体群では最大数となるドイツの鐘状ビーカー(BB)が固定近位祖先系統供給源として、在来の銅器時代供給源(イベリア半島BAの北部か中央部か南東部)とともに用いられました。
これら2供給源が却下された標的集団について、第三の供給源として地中海中央部および東部人口集団が繰り返し検証されました。それは、これらのうち一部がイランN的祖先系統を有すると知られているからです。祖先系統の在来供給源としてイベリア半島中央部CA、草原地帯祖先系統の代理としてドイツBBを用いると、標的としてラ・アルモロヤ遺跡エルアルガル前期および後期とのモデルのみが却下され、第三の構成要素がこれらイベリア半島BA集団に必要と示唆されました。
第三の供給源として地中海人口集団を追加すると、P値が0.05を超えることはないものの、モデル適合性が改善します。しかし、第三の供給源としてイラン銅器時代を用いるとP値が0.05を超え、イランN的祖先系統のより高い割合が必要と示唆されます。注目すべきことに、イベリア半島中央部CAを在来のイベリア半島南部CAに交換すると、モデルはより多くのイベリア半島BA集団(イベリア半島の北部および南東部BA、ラ・アルモロヤ遺跡エルアルガル前期および後期、中央部CA_Stp)では裏づけが見つからず、この一群に第三の供給源を追加しても、モデルの適合性はどちらでも改善されませんでした(図4A)。以下は本論文の図4です。
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ラ・アルモロヤ遺跡エルアルガル前期および後期におけるドイツBB+イベリア半島中央部CAを含むモデルの却下が、イベリア半島における草原地帯関連祖先系統の供給源に存在しなかったドイツBBにおける特定のヨーロッパ北部/中央部LNの混合に起因することを除外するため、直接的な草原地帯関連祖先系統の供給源がヤムナヤ文化サマラ集団に固定されました。それは、全てのイベリア半島集団に寄与する同じ遠位草原地帯供給源が予測され、これらのモデルがCA(つまり新石器時代農耕民)祖先系統の100%に寄与する、近位在来CA供給源を通じて繰り返されるからです。必要な場合のみ、第三の供給源として遠位イランN(他の区別できない銅器時代祖先系統に寄与したかもしれないイランCAの代わりに)が追加されました。
2方向モデルでイベリア半島中央部CAとヤムナヤ文化サマラ集団を用いることにより、全てのイベリア半島BA集団のモデル化に成功しましたが、再び、ラ・アルモロヤ遺跡エルアルガル前期および後期とカベゾ・レドンド遺跡BA集団は除外されました。注目すべきことに、ラ・バスティダ遺跡エルアルガル期も遠位モデル2で失敗しました。しかし、イランNを第三の供給源として追加すると、これら3集団は近位在来CA基層モデルではP値が0.05以上となりました。
次に、イベリア半島中央部CAを在来のイベリア半島南東部CA供給源と交換すると、モデルのほとんどが却下され、イベリア半島CA集団における遺伝的下位構造が確証されます。イベリア半島南東部CAを基層として用いる場合のみ、イベリア半島南東部集団のモデル適合性が改善し、イベリア半島に草原地帯関連祖先系統をもたらした最初の個体群はさまざまなCA集団と局所的に混合した、と示唆されます。注目すべきことに、イベリア半島南東部CAは、バレアレス諸島のCA_StpとBAとLBAの集団にとって、充分に裏づけられた在来の代理です。マヨルカ島CA_Stpおよびメノルカ島LBAはそれぞれ1個体により表されるので、この兆候は注意深く解釈されます。しかし、この兆候は、6個体で構成される新たに配列されたメノルカ島のアリトゲスLBA集団でよく裏づけられます。
次に、これらを区別するための解像度の能力に影響を与えることなく、近位供給源のさらなる特定が試みられました。草原地帯関連祖先系統を有する最も近位の在来供給源としてヤムナヤ文化サマラ集団をイベリア半島中央部CA_Stpを交換し、これらを2方向モデルでさまざまなイベリア半島CA供給源と組み合わせ、必要な場合は第三の供給源としてイランNのみが追加されました。草原地帯関連祖先系統にとってより高い可能性のある近位供給源を用いることで、遠位モデルの結果を再現できました。しかし、ラ・アルモロヤ遺跡エルアルガル前期および後期、バスティダ遺跡エルアルガル期、カベゾ・レドンドBA、アリトゲス遺跡LBAは依然として、イベリア半島中央部CAおよびCA_Stpとの全てのモデルにおいて、第三の供給源としてイランNが必要になる、と示せます。対照的に、イベリア半島南東部CAを在来の基層として用いると、イランNは必要ではありませんが、ラ・アルモロヤ遺跡エルアルガル前期および後期は依然としてP値が0.05以下で却下されます。
この知見はラ・アルモロヤ遺跡個体群の未解決の祖先系統か、あるいは、より単純なモデルを却下する統計的能力を提供する、ラ・アルモロヤ遺跡エルアルガル前期および後期の事例で見られるように、より多い個体で構成される集団でのみ微妙な兆候を検出する能力により、最適に説明されます。イベリア半島南東部CAをイベリア半島中央部CAの代わりに用いてラ・バスティダ遺跡集団をモデル化すると、このモデルは却下されなくなり、イベリア半島南東部BAへの在来CA集団の直接的寄与を示唆します。まとめると、分析結果は微妙ではあるものの追加のイランNに富む祖先系統を示唆しており、この祖先系統はイベリア半島南東部CAに存在するので、エルアルガルBAに先行する可能性があります。
ラ・アルモロヤ遺跡エルアルガル前期および後期が、イランNを地理的により近い地中海中央部や東部の人口集団などイランNの豊富な供給源に交換し、イランNを外群に移動させる場合にモデル化できるのかどうかも、検証されました。しかし、これは裏づけのあるモデルが得られませんでした。近位の地中海供給源は見つけられませんでしたが、地中海中央部人口集団を外群に追加すると(シチリア島EBAかギリシアEBAかギリシアMBA)、ラ・アルモロヤ遺跡エルアルガル前期および後期について、モデルの裏づけ(P値)は減少し、間接的に地中海中央部BAの重要性を証明します。しかし、他の地中海集団を外群に追加しても、P値に変化は観察されませんでした。
YHg-R1b1a1b1a1a2(P312)の派生系統であるR1b1a1b1a1a2a1(Z195)への完全な置換は、ラ・アルモロヤ遺跡の男性29個体全員とラ・バスティダ遺跡の6個体(例外は紀元前2134〜紀元前1947年頃の1個体のYHg-E1b)で観察され、おもに銅器時代から青銅器時代の移行期における遺伝子流動の証拠の別の独りした供給源です。とくに、イベリア半島BAで最も一般的なYHg-R1b-Z195は、究極的にはヨーロッパ中央部の共通祖先であるYHg-R1b-P312に由来しますが、ヨーロッパ中央部およびブリテン諸島で報告された他の派生的な鐘状ビーカー個体群のYHg-R1b多様体とはすでに異なっています。YHg-R1b-Z195はシチリア島CA_Stp(以前にはEBAに分類されていたので、外れ値とみなされていました)とシチリア島EBAで見られます(関連記事)。しかし、他のYHg-R1b多様体との系統学的および地理的つながりは、依然として不明です。エルアルガルにおけるイランN的祖先系統の微妙な存在と、シチリア島におけるYHg-R1b-Z195の存在は、イベリア半島からシチリア島だけではなく、その逆方向の遺伝子流動の可能性を開き、青銅器時代における地中海西部と中央部との相互接触を示唆しますが、直接的な接触は考古学的記録ではほとんど目立ちません。
まとめると、これらの結果は、在来の銅器時代の遺伝的基層に加えて、イベリア半島南東部人の青銅器時代の遺伝的特性の形成への、二重の遺伝的寄与を示唆します。主要な追加の祖先系統供給源は、ヨーロッパ中央部の鐘状ビーカー集団と類似しており、まずイベリア半島北部に祖先系統を寄与し、続いてイベリア半島中央部CA_Stpの形態で南方へと拡大しました。第二のより影響の小さな祖先系統構成要素はイランNの豊富な供給源/地中海中央部供給源で、BAエルアルガル状況の個体群に限定されます。この構成要素寄与の年代は不明なままで、在来のCA銅器時代もしくは島嶼部地中海中央部BA集団とのつながりの微妙な痕跡を通じて持続した、新石器時代の遺産を示します。
●アフリカ北部および地中海中央部とつながるエルアルガルの遺伝的外れ値
主成分分析も、新たに配列された個体群における遺伝的外れ値を明らかにしました(図3A)。後期エルアルガルのロルカ・ザパテリア(Lorca-Zapatería)遺跡の男性個体(ZAP002)は主成分分析ではイベリア半島BAの範囲外に位置し、地中海中央部に向かって明確に動いています。地中海東部と近東とアフリカの集団への特定の誘引について、f4混合検定(ZAP002、ラ・アルモロヤ遺跡エルアルガル前期;地中海東部/アフリカ、チンパンジー)で検証されました(図5A)。その結果、f4値はゼロと一致し、ZAP002とラ・アルモロヤ遺跡エルアルガル前期(エルアルガル集団では最大の個体数)は地中海東部およびアフリカ集団と対称的に関連している、と示されます。しかし、モロッコのイベロモーラシアンについては、Z得点=2.4のほぼ有意な正のf4値だと示されました。類似のf4検定におけるムブティ人への誘引は、アフリカ人祖先系統もしくはモロッコのイベロモーラシアン集団およびナトゥーフィアン(Natufian)人と共有される高水準の基底部ユーラシア人(関連記事)祖先系統を示唆します。
f4(検証集団、EHG;コーカサス狩猟採集民、ムブティ人)でゼロからの負の偏差も確認され、アフリカ人もしくは基底部ユーラシア人祖先系統が示唆されます。この検定では、EHG集団とコーカサス狩猟採集民(関連記事)集団の分岐は、あらゆる検証集団で負の値になるほど深く分岐している、と仮定されます。この理論的根拠に従って、負の値の発見は、ムブティ人との共有される深い祖先系統の多さを示唆し、他のエルアルガル個体と比較した場合の図3BにおけるZAP002の異なるf4値も説明します。ZAP002の負の値(Z得点=-2.14)は、モロッコのイベロモーラシアンおよびナトゥーフィアン個体群でも観察され、この主張の追加の裏づけを提供します(図5B)。
qpAdmを用いて、イベリア半島CAやドイツBBなど異なる祖先系統の供給源候補と、サルデーニャ島およびシチリア島の地中海中央部供給源の候補一覧がさらに調べられました。主要なイベリア半島南東部BA集団の外群の同じ一式を用いると、ZAP002にとって統計的によく裏づけられたモデルは見つかりませんでした。しかし、モロッコのイベロモーラシアン個体群を外群から供給源に移すと、地中海中央部人口集団が供給源として含まれる場合、モデルが適合します。
ZAP002は、在来のイベリア半島CA供給源を必要とせず、ドイツBBとモロッコのイベロモーラシアン個体群とシチリア島EBAもしくはサルデーニャ島EBAもしくはサルデーニャ島ヌラーゲ文化BAの3方向混合としてモデル化できる、と明らかになりました(図5C)。これらqpAdmの結果は、シチリア島EBA個体群とまとまるという、主成分空間におけるZAP002の位置と一致します(図3A)。同じモデルでイベリア半島CA供給源を外群に替えても、モデル適合性は依然として維持され(図5C)、ZAP002はエルアルガルの他個体と同じ埋葬(ピトスの埋葬とアルガル土器)の扱いを認められているにも関わらず、その起源は完全に外来と示唆されます(図5C)。以下は本論文の図5です。
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●銅器時代および青銅器時代のエルアルガル社会の表現型の変異と人口統計と社会的相関
保存状態良好な全てのイベリア半島銅器時代および青銅器時代個体(40万ヶ所以上の一塩基多型)で、124万一塩基多型パネルに含まれる表現型の多様体が調べられました。乳糖とアルコールの消化能力、脂肪酸代謝の適応、セリアック病体質、感染症耐性と関連する14個の多様体に加えて、肌/髪および目の色素沈着をコードする41ヶ所の一塩基多型も調べられました。その結果、銅器時代と青銅器時代との間で、派生的アレル(対立遺伝子)の頻度で有意な増加もしくは減少は見つかりませんでした。
銅器時代および青銅器時代における有効人口規模への洞察を得るため、hapROHを適用してROH(runs of homozygosity)が特定されました。ROHは、両親からそれぞれ受け継いだと考えられる同じアレルのそろった状態が連続するゲノム領域(ホモ接合連続領域)で、長いROHを有する個体の両親は近縁関係にあると推測され、人口集団の規模と均一性を示せます(関連記事)。2センチモルガン(cM)未満となる短いROHパターンでは、銅器時代と青銅器時代との間で顕著な違いは見られず、本論文で分析対象とされた全個体は、比較的充分に大きな有効人口規模の人口集団から抽出された、と示唆されます。青銅器時代前となる銅器時代人口集団の減少についての証拠も見つかりませんでした。両集団で、長いROH断片(20〜300 cM)で表される、近親交配の兆候は検出されませんでした(図6A)。
以前に仮定された(関連記事)草原地帯関連祖先系統の寄与における性的偏りの可能性を評価するため、X染色体と常染色体に遠位および近位qpAdmモデルが適用されました(図6B)。男性の寄与は平均して次世代にはX染色体の1/3しかないので、常染色体よりもX染色体で祖先的構成要素の割合が低い場合は、各構成要素に関して男性の偏りが示唆されます(関連記事1および関連記事2)。同様に、祖先的構成要素が統計的にX染色体でより高ければ、女性の偏りが示唆されます。
この理論的根拠に基づいて遠位もしくは近位供給源を用いると、草原地帯関連祖先系統における有意な男性の偏りは観察されませんでした(図6B)。男性の偏りが検出されないという事実は、以前の研究(関連記事)で反映されているように、両性におけるすでに均衡のとれた祖先の構成要素を示唆しているかもしれません。その研究では、草原地帯構成要素における男性の偏りは縄目文土器(Corded Ware)文化だけで検出され、鐘状ビーカーもしくはBA人口集団ではもはや検出されませんでした。また最近の大規模な発掘が利用され、ラ・アルモロヤ遺跡の適切な形態学的保存状態の86個体全てが標本抽出された結果、67個体で高品質なゲノム規模データが得られ、エルアルガル共同体への洞察が可能となりました。
3つの手法の組み合わせを用いて、遺伝的関連性が推定されました。それは、1000以上の共有一塩基多型を有する個体群の組み合わせについての、ペアワイズミスマッチ率(PWMR)、READ(Relationship Estimation from Ancient DNA)、lcMLkinです。再構築されたすべての家系は、人類学的および考古学的文脈に完全に統合された、付属論文で刊行される予定です。したがって本論文は、高次水準での生物学的関連性の主要な観察結果を報告します。分析された30個体の成人女性間では、1親等の関係は見つかりませんでした。成人間の全ての1親等の関係は、少なくとも成人男性1人を含みます(3組の1親等の関係)。成人女性間では2親等の関係も見つかりませんでした。成人を含むいくつかの2親等の関係は、全て男性間でした(分析された成人男性18人のうち4人)。
次に、ラ・アルモロヤ遺跡の男性には、同遺跡で女性よりも多くの親族がいるのかどうか、検証されました。f3(女性、女性;ムブティ人)とf3(男性、男性、ムブティ人)の形式の1親等および2親等の組み合わせを削除した後に、f3出力統計が計算され、女性:女性と男性:男性の比較における類似の平均値(図6C)にも関わらず、男性は女性よりもf3分布が偏っており、他の女性との女性との場合よりも、他の男性との男性および他の女性との男性との間のより密接な遺伝的関係(たとえば、3親等から4親等)を示唆します。
READから抽出されたPWMRを用いて、父方居住を示唆する兆候について具体的に検証され、完全な集団への各成人個体の生物学的関連性を計算する行列が構築されました(図6D)。その結果、同遺跡において親族を有する一部の成人女性も存在するにも関わらず、男性は平均して女性よりも同遺跡の他個体と密接に関連している傾向が明らかになり、父方居住の検定は有意ではない、と示されました。遺跡内の水準では、この結果はより高い繁殖率の男性系統からの創始者効果も示唆しているかもしれません。以下は本論文の図6です。
画像
●考察
本論文はイベリア半島南東部に焦点を当て、ヨーロッパにおけるより大規模な人口動態に照らして、地域的な水準での遺伝的分析の可能性を浮き彫りにします。全体として、銅器時代人口集団の構造は、新石器時代以来の遺伝的安定性と連続性を示す、と明らかにできました。これは、イベリア半島南東部銅器時代人口集団と地中海人口集団との間の初期接触の可能性に加えて、イベリア半島南部におけるさまざまな狩猟採集民祖先系統と結びついていました。
紀元前2200年頃までのイベリア半島南東部における草原地帯関連祖先系統の微妙な証拠が提供され、この頃に、広範な社会的および文化的変化がイベリア半島南部の大半で起き、堀で囲まれた集落体系の終焉と、青銅器時代集団の出現が含まれます。イベリア半島南東部では、全ての標本抽出された青銅器時代集団が草原地帯関連祖先系統を有する、と示せますが、より広範に標本抽出されたエルアルガル集団はイランN的祖先系統も過剰に有しており、これは他の銅器時代および青銅器時代の地中海集団でも観察されてきました。エルアルガルの外れ値1個体の分析により、追加のアフリカ北部祖先系統を有する地中海中央部移民個体が明らかになりました。
全体として、エルアルガルは、イベリア半島北部および中央部から到来した、すでにヨーロッパ中央部の草原地帯関連祖先系統(および優勢なY染色体系統であるYHg-R1b)を有していた新たな集団と、地中海東部および/もしくは中央部集団と類似したイランN的祖先系統を過剰に有していた点でイベリア半島の他地域とは異なっていた、イベリア半島南東部在来の銅器時代集団との混合から形成された可能性が高そうです。さらに、前期および後期エルアルガル集団の大きな標本規模から、在来の銅器時代基層におけるイランN的祖先系統の寄与は、祖先系統のこの種類をよく説明するのに十分ではなく、次に、遅くともエルアルガル期末までの、地中海青銅器時代との連続したつながりおよびそこからの遺伝的影響が主張されます。本論文は、遺跡内水準での青銅器時代前期エルアルガル社会の人口構造に光を当てることができました。ラ・アルモロヤ遺跡では、男性間のより密接な遺伝的関係が、父系性の強力な指標です。
Villalba-Mouco V. et al.(2021): Genomic transformation and social organization during the Copper Age–Bronze Age transition in southern Iberia. Science Advances, 7, 47, eabi7038.
https://doi.org/10.1126/sciadv.abi7038
https://sicambre.at.webry.info/202111/article_28.html
http://www.asyura2.com/20/reki5/msg/291.html#c9
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