5. 秘密のアッコちゃん[703] lOmWp4LMg0GDYoNSgr@C4YLx 2024年10月10日 11:08:50 : fjTz2F981w : QTJUazdpaUhyT1U=[268]
石平のChina Watch
2024/10/10 9:00
https://www.sankei.com/article/20241010-FO6PQTWI2VLB3AOYCNEYG7HLWM/
先月30日、中国の著名なシンクタンク、清華大学戦略・安全研究センターは
「『中国人の国際安全観』に関する民意調査報告2024」
を発表した。
18歳以上の男女2662人へのアンケートに基づいて作成したという。
その中で、筆者が特に注目したいのは、米国、日本、ロシアなど世界の主要国に対する中国人の好感度あるいは反感度の調査結果である。
それによると、男女の約66%がロシアに対して
「好感を持っている」、
もしくは
「ある程度の好感を持っている」
と答えたという。
対照的に約76%の人々が、米国に対して
「反感」
もしくは
「ある程度の反感」
を持ち約80%の回答者は、日本に対して
「反感」
と
「ある程度の反感」
を持っていることが判明した。
日本に対して
「反感」
あるいは
「ある程度の反感」
を持つ人がこれほど多いのは、中共政権が長年行ってきた反日教育の結果であって特に驚かないが、興味深いのはむしろ、ロシアに対する好感度の高さと、米国に
「反感」
もしくは
「ある程度の反感」
を持つ人々の割合が日本に対するそれに負けないくらいに高いことだ。
つまり、この調査の結果からすれば
「反米親露」
は今や中国の
「民意」
の主流となっているわけである。
しかし、よく考えてみれば、それは実に奇妙なことであろう。
中国と米国の間には日中間のような
「歴史問題」
は基本的に存在せず、いわゆる
「領土問題」
も全くない。
一方で、ケ小平の
「改革・開放」
の時代以来、米中間の経済交流や人的交流はますます盛んになってきている。
米国は常に中国の若者たちが行きたい最大の留学先であり、2022年までは、中国は米国最大の貿易相手国でもあった。
それに対し、中国のロシアとの経済的・人的結び付きは今でも相対的に薄く、米国のそれとの比ではない。
それにもかかわらず大多数の中国人が
「反米親露」
に走っているのはなぜか。
前述の民意調査の中で、
「米国の対中国戦略をどう思うのか」
の質問に対し、約88%の人々が
「米国は中国の発展を封じ込めようとしている」
と答えたそうだ。
これが恐らく、中国人の
「対米反感」
の原因の1つであろう。
もちろん、このような対米認識は部分的には、トランプ政権以来の米国の対中国制裁関税や技術封鎖の実施に由来するものであって全く無根拠でもない。
さらに、習近平政権が近年、
「米国は我が国の発展を阻止し、滅ぼそうとしている」
との国内宣伝を盛んに行っていることもまた、前述のような対米認識と対米反感を作り出した大きな要因の1つであろう。
一方で、覇権国家としてウクライナへの侵略戦争を続けているロシアに対し、中国人は7割近くが好感を持っている理由は何か。
この調査がロシアに関するそれ以上の質問を設けていないので不明な点が多いものの、筆者の推測では、力ずくで国際間の問題を解決しようとするロシアの覇権主義的強硬姿勢が、多くの中国人の共鳴を呼び、彼らの対露好感を生んだ理由の1つではないかと思う。
前述の民意調査の中でも、
「中国はどのような力を持って自国の外交政策の目標を実現すべきか」
の質問に対し、
「軍事力」
と答えたのは約31%であったのに対し、
「外交力」
と
「文化力」
と答えたのはそれぞれ約12%と約10%にとどまっている。
言ってみれば、中国人の
「反米親露」
の背後にあるのは、国民の共鳴を呼ぶ現代中国の覇権主義的体質そのものではないか。
そのことが、前述の民意調査から改めて分かったのである。
http://www.asyura2.com/12/china3/msg/185.html#c5