1. 中川隆[-11998] koaQ7Jey 2020年7月29日 01:13:04 : SgTUxXFqow : QlM3L21tTE9wdHM=[1]
新型コロナの後遺症 症状と頻度は? 忽那賢志 | 感染症専門医 7/18
厚生労働省より新型コロナに罹患した患者さんの後遺症についての調査を行うという発表がありました。
どうやら新型コロナ患者では一定の割合で完全には回復せず、症状が続くことも分かってきました。
新型コロナから回復された方を外来でフォローアップしていると、ときどき慢性症状に悩まされている患者さんがいらっしゃいます。
「体がだるい」「胸が痛い」「息苦しい」「動悸がする」などといった症状を訴えられる患者さんが多い印象です。
しかし、検査を行っても特に異常は見られず、新型コロナ後のいわゆる「コロナ後症候群(post-COVID-19 syndrome)」ではないかと仮診断し経過観察を行っていました。
そんな中、2月下旬から3月にかけて大規模な流行がみられたイタリアから新型コロナの後遺症(コロナ後症候群)に関する報告が出ました。
急性期と亜急性期〜慢性期の新型コロナ患者の症状の頻度(doi:10.1001/jama.2020.12603)日本語は筆者
これによると、新型コロナから回復した後(発症から平均2ヶ月後)も87.4%の患者が何らかの症状を訴えており、特に倦怠感や呼吸苦の症状が続いている方が多いようです。
これは私の外来での実感と一致します。
その他、関節痛、胸痛、咳、嗅覚障害、目や口の乾燥、鼻炎、結膜充血、味覚障害、頭痛、痰、食欲不振、ノドの痛み、めまい、筋肉痛、下痢など様々な症状がみられるようです。
32%の患者で1〜2つの症状があり、55%の患者で3つ以上の症状がみられたとのことです。
4割の人が生活の質が低下していると答えており、新型コロナから回復した後も苦しんでいる方が多いことが分かります。
コロナに罹るだけでもぴえんなのに、後遺症まであるなんて、ぴえん超えてぱおんです。
ただし、この報告はイタリアの1施設からの報告であり、すでに症状がなくなっている人よりも、なんらかの症状が残っていて長く外来に通院し続ける理由のある人の方が多く研究に参加しているために、後遺症の頻度が多く見積もられている可能性があります。
加えて、どれくらいの期間こうした症状が続くのかも明らかではありません(例えばライム病やデング熱では慢性症状が数ヶ月〜数年くらい続くことがあります)。
また研究参加人数も143人と少ないため、より大規模な研究の結果が待たれるところです。
半数以上が退院1ヶ月後も呼吸機能が戻らない
この他にも新型コロナから回復した後も後遺症が残っている事例が報告されています。
中国の孫文大学第五附属病院からの報告では、新型コロナウイルス感染症で入院していた患者57人が退院した1ヶ月後も、半分以上が呼吸機能に何らかの異常が残っているとされます。
呼吸機能に関する後遺症はこれ以外にも多く出ており、特に重症であった患者さんでは、退院1ヶ月時点で肺機能低下がみられる頻度が高いようです。
この報告は重症度の高い症例が多いため「新型コロナになったら半分が呼吸機能が戻らない」というわけではなく、「重症例では半数以上に退院1ヶ月後も呼吸機能の後遺症がみられる」ということかと思います。
1割の患者で嗅覚・味覚異常が戻らない
嗅覚・味覚異常は2020年3月以降に注目され始めた新型コロナに特徴的な症状ですが、この嗅覚・味覚異常も回復後少なくともしばらくの間続くようです。
新型コロナ患者を対象とした嗅覚・味覚異常に関する調査では、発症から 4 週間後の時点で 48.7%の患者が嗅覚・味覚異常が完全に回復し、40.7%が完全には良くなっていないものの改善しており、10.6%は嗅覚・味覚異常が続いているまたは悪化していると回答しました。
つまり1割の患者では1ヶ月後も嗅覚・味覚異常が続いているということです。
ちなみに私は鼻茸があるため10年以上嗅覚がありません。だからどうということはないんですが。
回復後に脱毛がみられる患者も
この他にも筆者は多彩な症状を訴えられる新型コロナから回復した患者さんを経験しています。
中には「毛が薄くなってきた」と訴えられる患者さんもいらっしゃいます。
新型コロナは感染したときだけでなく、回復した後も私たちを悩ませる恐ろしい感染症です。
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若い人はすぐには死なないが、肺が線維化してエイズ様になって、5年かけてじんわり死んでいく。
「軽症・無症状」が脳梗塞に 30〜40代相次ぐ 合併症か
30代から40代で軽症か無症状の新型コロナウイルス患者が脳梗塞を起こすという症例が相次いでいるという。 急性虚血性脳卒中や見当識障害、注意力喪失、運動障害などが見られ、これらの症状は新型コロナから回復した後も残る。
アメリカでは30代などの患者に前触れのない脳卒中が見られるという報告が相次いでいる
新型コロナウイルス感染症の本態が、微小血栓症ではないかとされてきました。循環不全による臓器傷害です。肺をはじめとする全身諸臓器に循環不全を引き起こします。脳血管が詰まって脳梗塞となれば命取りですし、腎臓に飛んで行けば腎機能障害から人工透析、下肢に行けば壊疽で切断と、人生が一変するリスクがあります。
コロナウイルスは肺だけでなく、全身の血管に感染する能力をもっていることがわかりました。死んだ患者の血管内皮に、ウイルス粒子がビッシリとこびりついていたのです。
新型コロナウイルスは初期には新型肺炎と呼ばれており、呼吸器系に感染するウイルスだと思われていました。ですが増加する死亡者の検死解剖を行った結果、死者の多くに、複数の臓器にまたがる甚大な損壊が生じていることが明らかになってきました。
これは呼吸器系の症状からだけでは説明がつきません。そこでスイスの研究者は、原因を探るために、ウイルスにより亡くなった患者の臓器の詳細な観察を行いました。その結果、コロナウイルスは肺だけでなく、全身の血管に感染する能力をもっていることがわかりました。死んだ患者の血管内皮に、ウイルス粒子がビッシリとこびりついていたのです。そのため死者の臓器では末梢の血管が崩壊しており、血液の流出を引き起こし、臓器の壊死を引き起こしていました。また追加の分析で、高齢者や糖尿病や高血圧、心疾患などにより、既に身体中の血管にダメージを受けている患者ほど、ウイルスによる血管への感染に脆弱であることがわかりました。これは既知の知識である「高齢者や持病がある人ほど重症化しやすい」という現象の最終的な原因になると、研究者は結論付けています。
全身の血管を狙う新型コロナウイルスに対して、人類はどのような治療を行えばよいのでしょうか?新型コロナウイルスは全身の血管内皮に感染する力がある
新型コロナウイルスは、表面にあるスパイクと呼ばれる構造を、人間の細胞表面に存在するアンジオテンシン変換酵素2(ACE2)に結合することで感染します。
今回の研究により、ウイルスは肺に存在するACE2にだけ感染するのではなく、体全体の血管内皮に存在するACE2にも感染することが判明しました。上の画像では、ウイルスが腎臓の血管内皮に入り込んでいる様子が示されています。
ウイルスが感染した血管内皮は炎症を引き起こすだけでなく、ウイルスが細胞を喰い破る物理的な破壊を受けて体内で出血を引き起こします。高齢者や血管系にかかわる生活習慣病などの持病がある人は既に血管が弱っているため、ウイルスによる感染と破壊に血管が耐えきれず、症状が重篤化すると考えられます。
今回の研究成果により、新型コロナウイルスの正体はただの肺炎ではなく「全身性血管炎症」であることがわかりました。そのため、感染した患者が高齢者や血管系にかかわる持病がある場合は、優先して血管を保護する必要性が生じます。
http://www.asyura2.com/20/ban8/msg/110.html#c1