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[リバイバル3] 絶対に損しないプロのポートフォリオ投資法 中川隆
22. 中川隆[-7506] koaQ7Jey 2025年3月04日 08:38:28 : cgbStVhejc : OXgwUEVVY1pRVUU=[1]
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ヘイコック氏: 国債暴落で株価バブルは崩壊する、ゴールドを現物で保有するべき
2025年3月3日 globalmacroresearch
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/60619

引き続き、Von Greyerzのパートナーであるジョニー・ヘイコック氏の自社配信動画におけるインタビューである。

今回は株式市場のバブルについて語っている部分を紹介したい。

コロナ後の銀行危機

前回の記事でヘイコック氏は、金融資産としての株式とゴールドの違いについて述べていた。

ヘイコック氏: 株式は売り時、株式からゴールドへの資産逃避が始まる


デフレの時代には株式のパフォーマンスは良かったかもしれないが、インフレの時代にはゴールドを持つべきだという論点である。

だが人々はまだ株式を称賛している。米国株は多少ぐらついているが、いまだに史上最高値付近で推移している。

だからヘイコック氏は次のように述べている。

人々の記憶力には驚くべきものがある。

2年前のクレディスイスの破綻でさえ、人々はほとんど覚えていない。

クレディスイスの破綻

スイスの大手銀行であるクレディスイスの破綻は、コロナ後の金利上昇による債券安がもたらした銀行危機の1つの結果である。

コロナ後の利上げによって国債の金利が上昇、価格が大幅に下落し、国債を大量に保有している銀行は保有資産の下落に悩まされた。その中で経営が怪しかったいくつかの銀行は実際に潰れた。

クレディスイスの経営が危なっかしいことは金融業界では常識であり、クレディスイスが資金難に陥り、ライバルのUBSに救済買収された時には、さもありなんと思ったものである。

債券の専門家であるジェフリー・ガンドラック氏は次のように述べていた。

ガンドラック氏、無価値になったクレディスイス債券の保有者におむつ卒業を薦める (2023/3/21)


クレディスイスがこれまでUBSに吸収合併されていなかったことの方がむしろ驚きだ。

シリコンバレー銀行

2023年の国債下落による銀行危機と言えば、その発端となったシリコンバレー銀行である。

シリコンバレー銀行の決算書から破綻の理由を解説する (2023/3/13)


シリコンバレー銀行はアメリカの地方銀行の中では最大級の銀行だったが、金利上昇で保有する国債の価格が下落したことで、預金者の取り付け騒ぎに発展し、破綻することとなった。

金利が上昇すれば国債の価格は下落するのだから、それは当然の結果である。金利が上昇する限り同じことが起き続ける。

だが人々はもう銀行危機の問題など終了したかのように思っている。高金利は終わっていないにもかかわらずである。

ヘイコック氏は次のように述べている。

シリコンバレー銀行はどうだ? 今では誰がシリコンバレー銀行の話をする? 誰もしない。

何故か? ほとんどの人々は高値を更新し続けるS&P 500やマグニフィセント・セブンやハイテク株のことしか見ていないからだ。

金利上昇がもたらすもの

だが、2023年の銀行危機はインフレの結果である。そしてヘイコック氏はインフレの時代が終わっていないと見ている。

インフレと金利上昇で一番国家の破綻に近づいた国がある。それはイギリスである。ヘイコック氏は次のように述べている。

わたしはイギリス人で、2022年のリズ・トラス政権がどれだけ酷かったかを見た。

トラス政権は7週間しか続かなかった。理由の1つは財源のない減税を行なったことだ。それでどうなったか? 英国債は一夜にして投げ売りされた。

ほんの少し前、2022年の秋のことだ。

トラス元首相は財源のない大規模なばら撒きを発表し、英国債と通貨ポンドを暴落させた。

クレディスイスと同じように、国債の下落は国債の保有者にダメージを与える。イギリスの場合は、年金基金だった。ヘイコック氏は次のように続ける。

それでイギリスの年金基金は資金不足に陥った。だがそのことさえ人々はもう忘れている。

イギリスの年金基金が2022年に破綻しなかった唯一の理由は、イングランド銀行が介入して英国債を買い入れ、債券市場を救済したからだ。それがなければイギリスのすべての年金基金は破綻していた。

そしてヘイコック氏は次のように言っている。

これから同じことがこれ以上に起き続ける。

国債の暴落と株式市場

イギリスで国債が暴落した時、当然株価も暴落しかけた。国債が救済されたことで株価も救済された。

だが中央銀行が緩和で救済するたび、インフレの熱が経済にどんどん溜まってゆく。そしていずれインフレで中央銀行が緩和できないタイミングが来る。レイ・ダリオ氏が言っていたシナリオである。

レイ・ダリオ氏: 通貨暴落を止めようとする中央銀行はやがて諦める


緩和による救済ができなくなったとき、それが国債と株式の終わりになるだろう。ヘイコック氏は次のように言っている。

バブルの徴候があらゆるところに出ている。

バブルは最終的には終わりを迎えなければならない。

そしてその時に株式の代わりに高騰するのはゴールドである。それが前回の記事のヘイコック氏の論点なのである。

ヘイコック氏: 株式は売り時、株式からゴールドへの資産逃避が始まる


だからインフレから逃避するために株式を買うというのはまったく理にかなっていない。ダリオ氏も次のように述べていた。

レイ・ダリオ氏: 株式はゴールドのようなインフレヘッジにはならない


だからヘイコック氏は、インフレから身を守るために株式に投資する人について、2008年のリーマンショック時にほとんどの投資銀行が危機に陥った時のことを回想して次のように言っている。

2008年、わたしはモルガンスタンレーのトレーディングフロアで働いていた。ある義理堅い顧客からの電話を取ると、その人は「ジョニー、今日はモルガンスタンレーからお金をすべて引き揚げたいんだ。モルガンスタンレーは潰れかけだ」と言った。

リーマンショックでは多くの投資銀行がサブプライムローンでギャンブルをしたために大損を抱えていた。モルガンスタンレーは比較的軽症だったが、ダメージは受けていた。

だから顧客がお金を引き出したいと言うのも当然だろう。ヘイコック氏は次のように言っている。

モルガンスタンレーは確かに潰れかけだった。その人はこう続けた。「だからお金をすぐに全額クレディスイスに移してくれ」

非常によく出来た冗談だが、人々が金融危機から逃げ出そうとするとき、実際にこういうことが起きるのである。

そしてヘイコック氏が言いたいのは、インフレから身を守るために株式に投資することはまさにそういうことだということである。

ヘイコック氏は次のように続けている。

クレディ・スイスだって? お金、守れてないよ。守れてない。

レイ・ダリオ氏: 株式はゴールドのようなインフレヘッジにはならない


結論

ヘイコック氏はあまり知られていないが、極めて優秀な人物だと思う。

筆者が思い出したのは、ジム・ロジャーズ氏が語っていた、第2次世界大戦前に戦争を避けるために南の島に移住したフランス人の話である。危機から逃げることとはどれほど難しいことだろうか。

ジム・ロジャーズ氏: 台湾をめぐって戦争になればどの国に逃げれば良いか


株式が駄目ならば、投資家はどうすれば良いのか。ヘイコック氏は次のように奨めている。

ゴールドを現物で銀行システムの外に保有しなければならない。

「現物で」と言っているのは、ETFなどは現物が本当に返ってくるのか怪しいからだろう。ETF自体が破綻したり、政府に接収されたりする可能性がある。だから現物のゴールドを自分で持っておくことだ。

今の人々は大袈裟だと思うだろうが、ダリオ氏などが実際に警告している。コロナ前までは、インフレ政策でインフレになるという警告でさえ大袈裟だと思われていたのである。

レイ・ダリオ氏: 政府による資産没収に備えてゴールドなど没収されにくい資産に投資せよ


だからヘイコック氏は次のように言っている。

ゴールドは正しい方法で保有しなければならない。それはゴールドという資産クラスを選ぶことそのものと同じくらい重要だ。

アダム・スミス氏が『国富論』でインフレとはものの価値が上がることはなく、通貨の価値が下がることだと説明していたことを思い出したい。

アダム・スミス氏、通貨の価値が下落しても一般の人々が気づかない理由を説明する


だから価値の下がる通貨と、通貨の価値下落から影響を受ける資産クラスを避け、価値を維持できる資産に投資するのである。そうすれば物価の上昇以上に自分の資産が上昇してゆく。
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/60619
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/989.html#c22

[番外地12] 吉野敏明先生の、現代日本人も日本人が昔から食べてきたものを食べた方が良いというのは間違いです。 中川隆
1. 中川隆[-7503] koaQ7Jey 2025年3月04日 13:16:03 : cgbStVhejc : OXgwUEVVY1pRVUU=[4]
<■132行くらい→右の▽クリックで次のコメントにジャンプ可>
4悪を止めるのはともかく、その代わりに戦前と同じ様にお米を毎日3合以上食べる食生活をすると、戦前と同じ様に50歳でお爺さん・お婆さんになって、60歳で老衰で死ぬ事になります。戦前は食中毒とか結核・胃癌で早死したとかいう問題ではありません。
吉野敏明先生の、現代日本人も日本人が昔から食べてきたものを食べた方が良いというのは間違いです。

戦前の日本食はとにかく塩分と 米を食べ過ぎなのです。青森県人の様にデンプンと塩分を沢山摂ると早死にします。
戦後、日本人の寿命が伸びたのは、お米を食べる量を減らして、その代わりに甘い物や乳製品や油や肉・卵を沢山食べる様になったからです。 確かに、4悪を食べると癌、糖尿病、心筋梗塞、脳梗塞、うつ病、花粉症等の慢性病になりますが、その代わりに寿命が20年延びるのです。

青森県はなぜ早死にするのか 平均寿命最短でV9、衝撃的すぎる食生活
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/786.html

戦後日本人の平均寿命が80歳を超えたのは、主食の米を食べる量を減らして、その代わりに間食や夜食で 砂糖入りの紅茶・コーヒー・乳製品、甘いお菓子、果物や甘い菓子パンを食べる様になってからです。
現代人は起床から就寝までの間ずっと、砂糖に含まれる果糖を少しづつ摂っているので、糖新生で筋肉や骨のコラーゲンを壊さなくてもブドウ糖を取れる様になったのです。

お米を毎日3合以上食べるより、お米の量を減らしてその代わりに甘いコーヒー・紅茶、甘い和菓子、果物や蜂蜜を食べる様にした方が長生きできます。

カフェインは悪者ではない!カフェインの効果
コーヒー・紅茶には必ず蜂蜜か砂糖を入れて飲まないといけない。
緑茶は必ず甘い和菓子を食べながら飲まないといけない。
https://www.youtube.com/watch?v=ffLMu_XujEQ

チョコレートをやめられないのには訳がある!
ハチミツ栄養療法医やすこDr.の健康ちゃんねる 2022/05/21
https://www.youtube.com/watch?v=ROx1MuemkAs

あなたは、疲れた時に甘い物が食べたくなりませんか?
特にチョコレートが欲しくなったりしませんか?
甘い物を食べると良くないとか砂糖中毒、チョコレート中毒という言葉が頭によぎって、たくさん食べると罪悪感を感じる方もいらっしゃると思います。ですが、チョコレートを無性に食べたくなるのはチョコレート中毒ではなくて実は、体からのサインなんです!

☑疲れた時に甘い物が欲しくなる訳
☑甘い物を我慢しならどうなるのか
☑甘い物でもなぜチョコレートが欲しくなるのか
☑チョコレートで元気になる理由
☑チョコレートを選ぶ時のポイント
☑マグネシウム不足の方の症状
☑マグネシウム不足の解決法


スイーツ好き必見!甘いものを楽しんでも太らない方法
ハチミツ栄養療法医やすこDr.の健康ちゃんねる 2024/01/13
https://www.youtube.com/watch?v=mYfBNnHJh2o&t=180s

☑体が甘いものを欲しがる理由
☑ミトコンドリアとは
☑糖の種類
☑甘い物が嫌いな方は注意
☑スイーツの選び方
☑オススメのスイーツについて

▲△▽▼

高血糖、血糖値スパイクや 2型糖尿病は糖質制限や食事の間隔が3時間以上開いてケトン体体質になったのが原因だとわかっています。戦前の日本人は食事の間隔が3時間以上開いていたので、食間でブドウ糖が不足して、糖新生で筋肉や骨のコラーゲンを壊してブドウ糖を作っていました。 それで50歳になるとみんなお爺さん・お婆さんになって60歳で老衰で死んでいたのです。

戦後の日本人は植物油や肉・卵・乳製品を沢山摂る様になったので、糖新生ではなくケトン体体質になって、ブドウ糖からではなく脂質からエネルギーを摂る代謝の仕方に変わりました。それで寿命が80歳を超える様になったのですが、その代わりに糖尿病・癌や脳梗塞・心筋梗塞、うつ病、アトピー・花粉症の患者が増えたのです。

ケトン体体質の人がブドウ糖を摂るには砂糖や果物に含まれる果糖を摂取するしかないので、みんな甘い物を欲しがる様になりました。砂糖中毒になったから甘い物を欲しがるのではなく、ブドウ糖を摂取するには砂糖や果物に含まれる果糖を摂るしかないので、脳が砂糖や果物を食べろと指示しているのです。

高血糖、血糖値スパイクや 2型糖尿病は糖質制限や食事の間隔が3時間以上開いてケトン体体質になったのが原因
ブドウ糖しか含まない穀物ではなく、果糖を含む果物や黒砂糖や蜂蜜を24時間ずっと、少しづつ食べないと糖尿病は治らない:

僕は2年前に糖尿病になって、最初に糖質制限法、その次に ハチミツ栄養療法医やすこDr.のハチミツ療法をやったら血糖値・血圧・悪玉コレステロールが正常になりました。 しかし、吉野敏明先生の甘い物は食べてはいけないという学説(?)を聞いて、3か月前から吉野敏明先生の4悪を止めて米を毎日3合以上、10回に分けて頻回食する食事療法に変えたら、すぐに高血糖・高コレステロール・高血圧に戻ってしまいました。

つまり、吉野敏明先生の4悪を止め、米を毎日3合以上頻回食する食事療法より、ハチミツ栄養療法医やすこDr.の、穀物をあまり食べないで、その代わりに間食としてハチミツ・果物・黒砂糖を沢山食べる食事療法の方が遥かに優れているのです。 摂ってはいけない甘い物は果糖ブドウ糖液糖とジュースだけです。

▲△▽▼

吉野敏明先生の、現代日本人も日本人が昔から食べてきたものを食べた方が良いというのは間違いです。

タンパク源としては、昔の日本人が毎日食べていた焼魚・煮魚・刺身や納豆・豆腐より、昔の日本人が食べなかった肉や卵やボーンブロスを食べた方が、遥かに健康に良いです。
魚は煮たり、干物にすると魚油がすべて酸化するので、毎日食べてると戦前の日本人の様に早死にします。
特にイワシ、サバ、サンマ等の青魚は魚油を極端に多く含むので超危険です。缶詰めの中身は全く酸化していませんが、料理で加熱したり、消化後に糖新生が起きると直ぐに酸化して非常に危険です。
イワシ、サバ、サンマ等の青魚は魚油を極端に多く含むので絶対に食べてはいけない:


卵や肉より魚をすすめないわけ
ハチミツ栄養療法医やすこDr.の健康ちゃんねる
https://www.youtube.com/watch?v=Iqg4Dfg0Rpk&list=PLj3-xAkTFU9VMI0zo2Yy2vAfFFLKlvxJD&index=14

魚が体に良いと思って肉や卵より積極的に食べていたり、fish oilサプリを飲んでいたりしていませんか?

@魚の脂はどんな脂なのか
A魚の脂の作用
B上手な魚の食べ方
Cfish oilサプリについて
D長期間fishoilサプリをとってきた方
 への対処法

fish oilについては、体に良いと思っている方が多いので、今回の内容は信じがたいかもしれませんが
こういう一面もあるということをまずは知っていただきたいと考えて動画にしました。


イワシやサバは極端に酸化し易い魚油を沢山含むので食べてはいけない
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=16838952

▲△▽▼

しらす やシシャモやイクラ、たらこ はコレステロールも多いので食べない方がいいです。
マグロのお刺身やツナおにぎり を毎日食べると水銀中毒になります。

それから、毎日塩鮭やシシャモ、目刺し、しらす、魚の干物等を食べていると、魚油だけでなく、塩分が多過ぎて高血圧になります。梅干しやタクアンや糠漬け野菜も塩分が多過ぎて毎日は食べない方が良いです。

味噌汁・納豆の様に健康に良い発酵食品と言われているものも、豆腐、枝豆等の他の大豆製品と一緒に毎日食べていると病気になります。
日常的に食べるのであれば、毎日1/4丁の豆腐を食べていると食べ過ぎとなります。納豆を毎朝1パック食べているとしたら、大豆製品の食べ過ぎです!
女性は特に大豆製品の食べ過ぎにご注意下さい!大豆製品をたくさん食べる女性は、あまり食べない女性に比べて肝臓がんになる危険性が3〜4倍に高まることが、厚生労働省の研究班の大規模調査で分かりました。
https://kitchen-tips.jp/7856

▲△▽▼

ハチミツ栄養療法医やすこDr.の健康ちゃんねる - YouTube
https://www.youtube.com/@honey-Dr/videos

吉野敏明の甘い物抜きの食事療法と桑島靖子のハチミツ療法はどちらが正しいのか?
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=16880975

ご飯を食べる量を減らして、その代わりにアカシア蜂蜜を1日200g食べよう
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=16839102
http://www.asyura2.com/24/ban12/msg/361.html#c1

[昼休み54] フィリピン女性が男を狂わせる理由 中川隆
27. 中川隆[-7502] koaQ7Jey 2025年3月04日 16:35:41 : cgbStVhejc : OXgwUEVVY1pRVUU=[5]
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フィリピンがいつまでたっても貧困国から脱却できない3つの理由とは?
2025.03.04
https://blackasia.net/?p=49156

かつてフィリピンは同じ東南アジアでも経済的に有望視され、シンガポール以上に豊かになる潜在力があるとまで言われた。もはや、そんなことを信じる人もいないだろう。それほどフィリピンは停滞し続けている。それにしても、なぜフィリピンはいつまでたっても貧困国から脱却できないのか?(鈴木傾城)


豊かになる潜在能力がある国だった?
フィリピンは東南アジアに位置し、豊富な天然資源と多彩な文化を持つ国だ。人口は1億を超え、英語が公用語として広く用いられ、世界中で働く出稼ぎ労働者を多く輩出している。

海に囲まれた地理的特性から観光資源も豊富で、国民の勤勉さと海外での活躍例を考えれば、高い経済成長を遂げる下地は十分にある。

ところが、である。実際には、そうなっていない。ひとり当たりGDPがおよそ4,000ドル程度にとどまっており、同じ地域に位置するシンガポールの約91,000ドルやタイの約7,000ドル、インドネシアの約5,000ドルと比べると大きく出遅れている。

かつてフィリピンは同じ東南アジアでも経済的に有望視され、シンガポール以上に豊かになる潜在力があるとまで言われた。もはや、そんなことを信じる人もいないだろう。それほどフィリピンは停滞し続けている。

歴史を振り返ると、1960年代には1米ドルが2ペソで取引されていた時期もあった。実際、ディオスダド・マカパガル政権時代に短期間ながらペソが米ドルとほぼ同価値になったこともある。

だが、その後の指導者たちの政策と政治的混乱の中で通貨価値は急落し、マルコス政権下では1米ドル=3.7ペソほどになり、現在では55〜56ペソ前後が一般的だ。

経済成長には政治の安定と的確な政策が不可欠だが、フィリピンではその連続性が確保されず、通貨価値の凋落に歯止めがかからなかった。通貨の弱体化は輸入コストの増加や債務返済の負担を意味し、経済開発の伸びを阻む大きな要因となっている。

国家の成長には教育も必要不可欠だが、フィリピンでは就学率の低さに加え、学校に通っていても質の高い教育を受けられない子供が多く、国際学力調査で上位に入ることはほとんどない。


何がフィリピンの貧困をもたらしたか?
いったい、フィリピンは何を間違えたのか? それは、「悪政」「汚職」「政治的世襲」の3つを指摘する人が多い。

日本を含む多くの国が民主主義を標榜する中、フィリピンも選挙によって指導者を選ぶ体制を整えている。だが、1946年に独立してからずっと政治腐敗が常態化し、政治的な実権を握る一族やグループが固定化される構造が形成されてきた。

完全なる「政治的世襲」である。

知事や議員、首長などの公職を同じ一族が世代をまたいで継承する事例が多発し、特定の地域では数十年から100年以上も同じ一族が政治を牛耳っている。

政治家一族の独占構造は、公共事業の配分や公金の扱いにおいて不透明さを生み、汚職を助長する。公共事業を落札する民間企業と政治家が癒着し、税金が不正に流用される事件も頻発している。

国際的な腐敗認識指数(CPI)でも、2023年のフィリピンは180か国中115位という低い評価を受けている。国内の行政・立法・司法の各機関において、汚職を厳格に取り締まる仕組みがフィリピンでは機能していない。

シンガポールのように腐敗捜査局(CPIB)を設立して厳しく処罰する体制があれば、公務員の不正を抑え、政治と経済活動の透明性を高めることができたはずだが、フィリピンではそれが徹底されないまま長期にわたり放置されている。

マルコス政権時代は特にひどかった。長期独裁のもとで不正蓄財が横行し、国庫から莫大な資金が不透明なルートで消えた。イメルダ夫人の散財も象徴的だった。彼女が政権転覆の革命で追われて逃げ出したとき、マラカニアン宮殿には3,000足の高級靴が残されていたのは有名だ。

その後も歴代政権が汚職や縁故主義の体質を根絶できず、財政負担は一般国民に押し付けられる形になってきた。

道路・港湾・教育施設などのインフラ整備に回されるべき予算が議員のポケットに流れ込み、そのしわ寄せは貧困層に重くのしかかる。こうした構造的な悪政が続く限り、行政サービスは貧弱になり、公立学校や公共病院の設備は老朽化し、地域の生活水準が向上しない状況が固定化されてしまう。

それが今の状況なのだ。


政治的世襲が蔓延する風土
さらにフィリピンでは、選挙の際には候補者が貧困地域に現金や物資をばらまいて票を買収する「買票」が横行しており、有権者の意識形成にも悪影響を与えている。

貧困が深刻な地域ほど、投票をお金で左右しやすいという悪循環が起こり、結果的に政治の質が低下してしまう。国民の生活を改善する政策の実行ではなく、票集めと自己保身が優先され、「悪政」の連鎖が断ち切れないまま幹部や要職を身内で独占する政治家一族が権力を守り続けている。

これらの背景には、長年の植民地支配の影響や独立後の混乱が挙げられるが、本質的には統治者層が国民の利益よりも私利私欲を優先してきた事実が大きい。

選挙に勝つために必要なものは実績よりも資金力と知名度といった要素が重視されがちで、有権者の多くが教育や情報へのアクセスを制限され、政治を深く学ぶ機会を奪われてきたことが悪政と汚職の温床を作り上げている。

こうした構造が定着する中で「政治的世襲」が維持され、改革を叫ぶ候補者がいても地盤を持つ政治家一族に勝てないという状況が続いている。

フィリピンは立憲民主制を採用しており、公務員や政治家は選挙や任用試験などを通して選出される。だが、そのプロセスには人材の適材適所を確保する仕組みが弱い。つまり能力主義が欠如している。

リー・クアンユー統治下のシンガポールでは、公務員になるための選抜基準が厳格化され、高額な報酬と徹底した汚職排除策により優秀な人材を政治・行政の中枢に集めることに成功した。これがシンガポールの劇的な経済成長を支える原動力のひとつになった。

一方で、フィリピンでは政治家の資質が選挙制度や支持母体の構造に大きく左右される。学歴や実務能力よりも人気や知名度、あるいは強固な地盤が当選を左右する大きな要因として機能している。

本来なら行政を担うべき専門家や実務家が要職に就くことが難しくなっている。行政組織内部においても出世にコネや縁故が影響するケースが多く、成果主義に基づく人事評価が徹底されていない。

こうした風土は組織全体の士気と効率を下げ、優秀な人材の流出を招く。


「悪政」「汚職」「政治的世襲」
フィリピンがいまだに貧困から抜け出せない理由は複合的だが、その根幹には「悪政」「汚職」「政治的世襲」があるのは明白だ。

日本やシンガポールと比較して、制度や法律の整備そのものが極端に遅れているわけではない。しかし、実際の運用で利権や癒着が優先され、国全体の利益よりも一部の権力者の利益追求を後押しする構造が問題なのだ。

政治における腐敗と世襲は国民の信頼を損ね、その結果として公共投資の方向性もゆがみ、教育やインフラなどの基盤整備が不十分なまま長い年月が過ぎてきた。

教育の不足が政治レベルの意思決定にも影響している。国際学力調査で低位に甘んじ、特に数学や科学の分野で基礎的な水準に達していない子供が多い。こうした現状では、高度な産業を育成することが難しい。

出稼ぎ労働者の送金はGDPの大きな比率を占めるが、それは国内の雇用不足を逆説的に示すものであり、国の基盤としての産業育成の遅れを浮き彫りにしている。

つまるところ、フィリピンは馬鹿な政治家が悪政を続け、汚職を蔓延させ、世襲を続けて政治家の質が劣化したことによって貧困が起こっているというわけだ。

政治家一族による権力の独占と汚職は、真に国民のためになる政策を後回しにしてきた。公共事業の予算は一族や支持者の利権に使われやすく、教育の充実や社会福祉の拡大が見送られ、結果として貧富の差が埋まらない。

選挙のたびにばらまき政策や派手なプロパガンダがおこなわれるのだが、貧困の解消は上辺だけであり、結局のところ、政治は権力者が私利私欲を追求するための道具でしかない。

こんな調子では、高い志や能力を持つ人材が政治に参入する機会はさらに減り、悪政と世襲の循環が延々と続いていく。

フィリピンでは、長年にわたる政治家一族の独占と腐敗が、あらゆる改善への芽を摘み取ってきた。こうした現状が続いている限り、フィリピンの貧困は完全に解決されることはない。
https://blackasia.net/?p=49156
http://www.asyura2.com/17/lunchbreak54/msg/143.html#c27

[近代史3] フィリピン女性が男をメロメロにする理由 中川隆
12. 中川隆[-7501] koaQ7Jey 2025年3月04日 16:35:55 : cgbStVhejc : OXgwUEVVY1pRVUU=[6]
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フィリピンがいつまでたっても貧困国から脱却できない3つの理由とは?
2025.03.04
https://blackasia.net/?p=49156

かつてフィリピンは同じ東南アジアでも経済的に有望視され、シンガポール以上に豊かになる潜在力があるとまで言われた。もはや、そんなことを信じる人もいないだろう。それほどフィリピンは停滞し続けている。それにしても、なぜフィリピンはいつまでたっても貧困国から脱却できないのか?(鈴木傾城)


豊かになる潜在能力がある国だった?
フィリピンは東南アジアに位置し、豊富な天然資源と多彩な文化を持つ国だ。人口は1億を超え、英語が公用語として広く用いられ、世界中で働く出稼ぎ労働者を多く輩出している。

海に囲まれた地理的特性から観光資源も豊富で、国民の勤勉さと海外での活躍例を考えれば、高い経済成長を遂げる下地は十分にある。

ところが、である。実際には、そうなっていない。ひとり当たりGDPがおよそ4,000ドル程度にとどまっており、同じ地域に位置するシンガポールの約91,000ドルやタイの約7,000ドル、インドネシアの約5,000ドルと比べると大きく出遅れている。

かつてフィリピンは同じ東南アジアでも経済的に有望視され、シンガポール以上に豊かになる潜在力があるとまで言われた。もはや、そんなことを信じる人もいないだろう。それほどフィリピンは停滞し続けている。

歴史を振り返ると、1960年代には1米ドルが2ペソで取引されていた時期もあった。実際、ディオスダド・マカパガル政権時代に短期間ながらペソが米ドルとほぼ同価値になったこともある。

だが、その後の指導者たちの政策と政治的混乱の中で通貨価値は急落し、マルコス政権下では1米ドル=3.7ペソほどになり、現在では55〜56ペソ前後が一般的だ。

経済成長には政治の安定と的確な政策が不可欠だが、フィリピンではその連続性が確保されず、通貨価値の凋落に歯止めがかからなかった。通貨の弱体化は輸入コストの増加や債務返済の負担を意味し、経済開発の伸びを阻む大きな要因となっている。

国家の成長には教育も必要不可欠だが、フィリピンでは就学率の低さに加え、学校に通っていても質の高い教育を受けられない子供が多く、国際学力調査で上位に入ることはほとんどない。


何がフィリピンの貧困をもたらしたか?
いったい、フィリピンは何を間違えたのか? それは、「悪政」「汚職」「政治的世襲」の3つを指摘する人が多い。

日本を含む多くの国が民主主義を標榜する中、フィリピンも選挙によって指導者を選ぶ体制を整えている。だが、1946年に独立してからずっと政治腐敗が常態化し、政治的な実権を握る一族やグループが固定化される構造が形成されてきた。

完全なる「政治的世襲」である。

知事や議員、首長などの公職を同じ一族が世代をまたいで継承する事例が多発し、特定の地域では数十年から100年以上も同じ一族が政治を牛耳っている。

政治家一族の独占構造は、公共事業の配分や公金の扱いにおいて不透明さを生み、汚職を助長する。公共事業を落札する民間企業と政治家が癒着し、税金が不正に流用される事件も頻発している。

国際的な腐敗認識指数(CPI)でも、2023年のフィリピンは180か国中115位という低い評価を受けている。国内の行政・立法・司法の各機関において、汚職を厳格に取り締まる仕組みがフィリピンでは機能していない。

シンガポールのように腐敗捜査局(CPIB)を設立して厳しく処罰する体制があれば、公務員の不正を抑え、政治と経済活動の透明性を高めることができたはずだが、フィリピンではそれが徹底されないまま長期にわたり放置されている。

マルコス政権時代は特にひどかった。長期独裁のもとで不正蓄財が横行し、国庫から莫大な資金が不透明なルートで消えた。イメルダ夫人の散財も象徴的だった。彼女が政権転覆の革命で追われて逃げ出したとき、マラカニアン宮殿には3,000足の高級靴が残されていたのは有名だ。

その後も歴代政権が汚職や縁故主義の体質を根絶できず、財政負担は一般国民に押し付けられる形になってきた。

道路・港湾・教育施設などのインフラ整備に回されるべき予算が議員のポケットに流れ込み、そのしわ寄せは貧困層に重くのしかかる。こうした構造的な悪政が続く限り、行政サービスは貧弱になり、公立学校や公共病院の設備は老朽化し、地域の生活水準が向上しない状況が固定化されてしまう。

それが今の状況なのだ。


政治的世襲が蔓延する風土
さらにフィリピンでは、選挙の際には候補者が貧困地域に現金や物資をばらまいて票を買収する「買票」が横行しており、有権者の意識形成にも悪影響を与えている。

貧困が深刻な地域ほど、投票をお金で左右しやすいという悪循環が起こり、結果的に政治の質が低下してしまう。国民の生活を改善する政策の実行ではなく、票集めと自己保身が優先され、「悪政」の連鎖が断ち切れないまま幹部や要職を身内で独占する政治家一族が権力を守り続けている。

これらの背景には、長年の植民地支配の影響や独立後の混乱が挙げられるが、本質的には統治者層が国民の利益よりも私利私欲を優先してきた事実が大きい。

選挙に勝つために必要なものは実績よりも資金力と知名度といった要素が重視されがちで、有権者の多くが教育や情報へのアクセスを制限され、政治を深く学ぶ機会を奪われてきたことが悪政と汚職の温床を作り上げている。

こうした構造が定着する中で「政治的世襲」が維持され、改革を叫ぶ候補者がいても地盤を持つ政治家一族に勝てないという状況が続いている。

フィリピンは立憲民主制を採用しており、公務員や政治家は選挙や任用試験などを通して選出される。だが、そのプロセスには人材の適材適所を確保する仕組みが弱い。つまり能力主義が欠如している。

リー・クアンユー統治下のシンガポールでは、公務員になるための選抜基準が厳格化され、高額な報酬と徹底した汚職排除策により優秀な人材を政治・行政の中枢に集めることに成功した。これがシンガポールの劇的な経済成長を支える原動力のひとつになった。

一方で、フィリピンでは政治家の資質が選挙制度や支持母体の構造に大きく左右される。学歴や実務能力よりも人気や知名度、あるいは強固な地盤が当選を左右する大きな要因として機能している。

本来なら行政を担うべき専門家や実務家が要職に就くことが難しくなっている。行政組織内部においても出世にコネや縁故が影響するケースが多く、成果主義に基づく人事評価が徹底されていない。

こうした風土は組織全体の士気と効率を下げ、優秀な人材の流出を招く。


「悪政」「汚職」「政治的世襲」
フィリピンがいまだに貧困から抜け出せない理由は複合的だが、その根幹には「悪政」「汚職」「政治的世襲」があるのは明白だ。

日本やシンガポールと比較して、制度や法律の整備そのものが極端に遅れているわけではない。しかし、実際の運用で利権や癒着が優先され、国全体の利益よりも一部の権力者の利益追求を後押しする構造が問題なのだ。

政治における腐敗と世襲は国民の信頼を損ね、その結果として公共投資の方向性もゆがみ、教育やインフラなどの基盤整備が不十分なまま長い年月が過ぎてきた。

教育の不足が政治レベルの意思決定にも影響している。国際学力調査で低位に甘んじ、特に数学や科学の分野で基礎的な水準に達していない子供が多い。こうした現状では、高度な産業を育成することが難しい。

出稼ぎ労働者の送金はGDPの大きな比率を占めるが、それは国内の雇用不足を逆説的に示すものであり、国の基盤としての産業育成の遅れを浮き彫りにしている。

つまるところ、フィリピンは馬鹿な政治家が悪政を続け、汚職を蔓延させ、世襲を続けて政治家の質が劣化したことによって貧困が起こっているというわけだ。

政治家一族による権力の独占と汚職は、真に国民のためになる政策を後回しにしてきた。公共事業の予算は一族や支持者の利権に使われやすく、教育の充実や社会福祉の拡大が見送られ、結果として貧富の差が埋まらない。

選挙のたびにばらまき政策や派手なプロパガンダがおこなわれるのだが、貧困の解消は上辺だけであり、結局のところ、政治は権力者が私利私欲を追求するための道具でしかない。

こんな調子では、高い志や能力を持つ人材が政治に参入する機会はさらに減り、悪政と世襲の循環が延々と続いていく。

フィリピンでは、長年にわたる政治家一族の独占と腐敗が、あらゆる改善への芽を摘み取ってきた。こうした現状が続いている限り、フィリピンの貧困は完全に解決されることはない。
https://blackasia.net/?p=49156
http://www.asyura2.com/18/reki3/msg/170.html#c12

[近代史3] ドゥテルテ大統領はフィリピンの救世主である 中川隆
4. 中川隆[-7500] koaQ7Jey 2025年3月04日 16:36:13 : cgbStVhejc : OXgwUEVVY1pRVUU=[7]
<■122行くらい→右の▽クリックで次のコメントにジャンプ可>
フィリピンがいつまでたっても貧困国から脱却できない3つの理由とは?
2025.03.04
https://blackasia.net/?p=49156

かつてフィリピンは同じ東南アジアでも経済的に有望視され、シンガポール以上に豊かになる潜在力があるとまで言われた。もはや、そんなことを信じる人もいないだろう。それほどフィリピンは停滞し続けている。それにしても、なぜフィリピンはいつまでたっても貧困国から脱却できないのか?(鈴木傾城)


豊かになる潜在能力がある国だった?
フィリピンは東南アジアに位置し、豊富な天然資源と多彩な文化を持つ国だ。人口は1億を超え、英語が公用語として広く用いられ、世界中で働く出稼ぎ労働者を多く輩出している。

海に囲まれた地理的特性から観光資源も豊富で、国民の勤勉さと海外での活躍例を考えれば、高い経済成長を遂げる下地は十分にある。

ところが、である。実際には、そうなっていない。ひとり当たりGDPがおよそ4,000ドル程度にとどまっており、同じ地域に位置するシンガポールの約91,000ドルやタイの約7,000ドル、インドネシアの約5,000ドルと比べると大きく出遅れている。

かつてフィリピンは同じ東南アジアでも経済的に有望視され、シンガポール以上に豊かになる潜在力があるとまで言われた。もはや、そんなことを信じる人もいないだろう。それほどフィリピンは停滞し続けている。

歴史を振り返ると、1960年代には1米ドルが2ペソで取引されていた時期もあった。実際、ディオスダド・マカパガル政権時代に短期間ながらペソが米ドルとほぼ同価値になったこともある。

だが、その後の指導者たちの政策と政治的混乱の中で通貨価値は急落し、マルコス政権下では1米ドル=3.7ペソほどになり、現在では55〜56ペソ前後が一般的だ。

経済成長には政治の安定と的確な政策が不可欠だが、フィリピンではその連続性が確保されず、通貨価値の凋落に歯止めがかからなかった。通貨の弱体化は輸入コストの増加や債務返済の負担を意味し、経済開発の伸びを阻む大きな要因となっている。

国家の成長には教育も必要不可欠だが、フィリピンでは就学率の低さに加え、学校に通っていても質の高い教育を受けられない子供が多く、国際学力調査で上位に入ることはほとんどない。


何がフィリピンの貧困をもたらしたか?
いったい、フィリピンは何を間違えたのか? それは、「悪政」「汚職」「政治的世襲」の3つを指摘する人が多い。

日本を含む多くの国が民主主義を標榜する中、フィリピンも選挙によって指導者を選ぶ体制を整えている。だが、1946年に独立してからずっと政治腐敗が常態化し、政治的な実権を握る一族やグループが固定化される構造が形成されてきた。

完全なる「政治的世襲」である。

知事や議員、首長などの公職を同じ一族が世代をまたいで継承する事例が多発し、特定の地域では数十年から100年以上も同じ一族が政治を牛耳っている。

政治家一族の独占構造は、公共事業の配分や公金の扱いにおいて不透明さを生み、汚職を助長する。公共事業を落札する民間企業と政治家が癒着し、税金が不正に流用される事件も頻発している。

国際的な腐敗認識指数(CPI)でも、2023年のフィリピンは180か国中115位という低い評価を受けている。国内の行政・立法・司法の各機関において、汚職を厳格に取り締まる仕組みがフィリピンでは機能していない。

シンガポールのように腐敗捜査局(CPIB)を設立して厳しく処罰する体制があれば、公務員の不正を抑え、政治と経済活動の透明性を高めることができたはずだが、フィリピンではそれが徹底されないまま長期にわたり放置されている。

マルコス政権時代は特にひどかった。長期独裁のもとで不正蓄財が横行し、国庫から莫大な資金が不透明なルートで消えた。イメルダ夫人の散財も象徴的だった。彼女が政権転覆の革命で追われて逃げ出したとき、マラカニアン宮殿には3,000足の高級靴が残されていたのは有名だ。

その後も歴代政権が汚職や縁故主義の体質を根絶できず、財政負担は一般国民に押し付けられる形になってきた。

道路・港湾・教育施設などのインフラ整備に回されるべき予算が議員のポケットに流れ込み、そのしわ寄せは貧困層に重くのしかかる。こうした構造的な悪政が続く限り、行政サービスは貧弱になり、公立学校や公共病院の設備は老朽化し、地域の生活水準が向上しない状況が固定化されてしまう。

それが今の状況なのだ。


政治的世襲が蔓延する風土
さらにフィリピンでは、選挙の際には候補者が貧困地域に現金や物資をばらまいて票を買収する「買票」が横行しており、有権者の意識形成にも悪影響を与えている。

貧困が深刻な地域ほど、投票をお金で左右しやすいという悪循環が起こり、結果的に政治の質が低下してしまう。国民の生活を改善する政策の実行ではなく、票集めと自己保身が優先され、「悪政」の連鎖が断ち切れないまま幹部や要職を身内で独占する政治家一族が権力を守り続けている。

これらの背景には、長年の植民地支配の影響や独立後の混乱が挙げられるが、本質的には統治者層が国民の利益よりも私利私欲を優先してきた事実が大きい。

選挙に勝つために必要なものは実績よりも資金力と知名度といった要素が重視されがちで、有権者の多くが教育や情報へのアクセスを制限され、政治を深く学ぶ機会を奪われてきたことが悪政と汚職の温床を作り上げている。

こうした構造が定着する中で「政治的世襲」が維持され、改革を叫ぶ候補者がいても地盤を持つ政治家一族に勝てないという状況が続いている。

フィリピンは立憲民主制を採用しており、公務員や政治家は選挙や任用試験などを通して選出される。だが、そのプロセスには人材の適材適所を確保する仕組みが弱い。つまり能力主義が欠如している。

リー・クアンユー統治下のシンガポールでは、公務員になるための選抜基準が厳格化され、高額な報酬と徹底した汚職排除策により優秀な人材を政治・行政の中枢に集めることに成功した。これがシンガポールの劇的な経済成長を支える原動力のひとつになった。

一方で、フィリピンでは政治家の資質が選挙制度や支持母体の構造に大きく左右される。学歴や実務能力よりも人気や知名度、あるいは強固な地盤が当選を左右する大きな要因として機能している。

本来なら行政を担うべき専門家や実務家が要職に就くことが難しくなっている。行政組織内部においても出世にコネや縁故が影響するケースが多く、成果主義に基づく人事評価が徹底されていない。

こうした風土は組織全体の士気と効率を下げ、優秀な人材の流出を招く。


「悪政」「汚職」「政治的世襲」
フィリピンがいまだに貧困から抜け出せない理由は複合的だが、その根幹には「悪政」「汚職」「政治的世襲」があるのは明白だ。

日本やシンガポールと比較して、制度や法律の整備そのものが極端に遅れているわけではない。しかし、実際の運用で利権や癒着が優先され、国全体の利益よりも一部の権力者の利益追求を後押しする構造が問題なのだ。

政治における腐敗と世襲は国民の信頼を損ね、その結果として公共投資の方向性もゆがみ、教育やインフラなどの基盤整備が不十分なまま長い年月が過ぎてきた。

教育の不足が政治レベルの意思決定にも影響している。国際学力調査で低位に甘んじ、特に数学や科学の分野で基礎的な水準に達していない子供が多い。こうした現状では、高度な産業を育成することが難しい。

出稼ぎ労働者の送金はGDPの大きな比率を占めるが、それは国内の雇用不足を逆説的に示すものであり、国の基盤としての産業育成の遅れを浮き彫りにしている。

つまるところ、フィリピンは馬鹿な政治家が悪政を続け、汚職を蔓延させ、世襲を続けて政治家の質が劣化したことによって貧困が起こっているというわけだ。

政治家一族による権力の独占と汚職は、真に国民のためになる政策を後回しにしてきた。公共事業の予算は一族や支持者の利権に使われやすく、教育の充実や社会福祉の拡大が見送られ、結果として貧富の差が埋まらない。

選挙のたびにばらまき政策や派手なプロパガンダがおこなわれるのだが、貧困の解消は上辺だけであり、結局のところ、政治は権力者が私利私欲を追求するための道具でしかない。

こんな調子では、高い志や能力を持つ人材が政治に参入する機会はさらに減り、悪政と世襲の循環が延々と続いていく。

フィリピンでは、長年にわたる政治家一族の独占と腐敗が、あらゆる改善への芽を摘み取ってきた。こうした現状が続いている限り、フィリピンの貧困は完全に解決されることはない。
https://blackasia.net/?p=49156
http://www.asyura2.com/18/reki3/msg/226.html#c4

[近代史4] ペトロダラーシステム 中川隆
37. 中川隆[-7499] koaQ7Jey 2025年3月04日 18:36:02 : cgbStVhejc : OXgwUEVVY1pRVUU=[8]
<△27行くらい>
基軸通貨の歴史
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=16893714

【国際社会】ドル崩壊と仮想通貨の未来!米ドルは基軸通貨という立場を守れるのか?
世界史解体新書 2025/03/03
https://www.youtube.com/watch?v=K2cgKiRn1A4

レイ・ダリオ _ 基軸通貨を持つ世界一の大国でも 政府債務増加で破綻する
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=16887650

ドルが基軸通貨ではなくなる
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=14087403


アベノミクスとは何だったのか?
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=16893642

日銀の利上げは世界株式の最大のリスク?
石原順チャンネル 2025/01/21
https://www.youtube.com/watch?v=HKyMUAUtynk

<チャプター>
00:00 日銀の利上げは世界株式の最大のリスク?
02:46 ナスダック100(日足)利上げでも下がらない株
06:01 米ハイテク企業のバリュエーションは、「日本の実質利回り」に連動している
08:06 世界の中央銀行の政策金利と実質金利
17:52 日銀は世界の中央銀行による型破りな政策の大実験の終結を示すことになるだろう21:30 日本の異常低金利と量的緩和が、世界のエブリシングバブルを支えてきた
24:50 ドル/円(日足)
26:44 ドル/円(月足)
http://www.asyura2.com/20/reki4/msg/822.html#c37

[近代史4] ドルが下落したらアメリカは終わり 中川隆
22. 中川隆[-7498] koaQ7Jey 2025年3月04日 18:36:15 : cgbStVhejc : OXgwUEVVY1pRVUU=[9]
<△27行くらい>
基軸通貨の歴史
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=16893714

【国際社会】ドル崩壊と仮想通貨の未来!米ドルは基軸通貨という立場を守れるのか?
世界史解体新書 2025/03/03
https://www.youtube.com/watch?v=K2cgKiRn1A4

レイ・ダリオ _ 基軸通貨を持つ世界一の大国でも 政府債務増加で破綻する
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=16887650

ドルが基軸通貨ではなくなる
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=14087403


アベノミクスとは何だったのか?
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=16893642

日銀の利上げは世界株式の最大のリスク?
石原順チャンネル 2025/01/21
https://www.youtube.com/watch?v=HKyMUAUtynk

<チャプター>
00:00 日銀の利上げは世界株式の最大のリスク?
02:46 ナスダック100(日足)利上げでも下がらない株
06:01 米ハイテク企業のバリュエーションは、「日本の実質利回り」に連動している
08:06 世界の中央銀行の政策金利と実質金利
17:52 日銀は世界の中央銀行による型破りな政策の大実験の終結を示すことになるだろう21:30 日本の異常低金利と量的緩和が、世界のエブリシングバブルを支えてきた
24:50 ドル/円(日足)
26:44 ドル/円(月足)
http://www.asyura2.com/20/reki4/msg/1074.html#c22

   

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