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[近代史5] 自由貿易と輸出・インバウンドが日本経済を滅ぼす 中川隆
15. 2022年2月12日 07:07:43 : hWN1wv8jWI : NzFSNHRrTkxkLy4=[1]

2022年02月12日
日本国内に投資すれば賃金もGDPも上がる

海外投資より国内に投資すればGDPや実質賃金が増えます

上がらない実質賃金と上がる物価

厚生労働省によると2021年の名目賃金は0・3%増、労働者1人あたりの月支給額は31万9528円だった。

総務省によると2021年12月の消費者物価指数は前年同月比で+0.5%なので、名目賃金0・3%増なら実質賃金はマイナス0.2%になる。

厚生労働省調査の「賃金」はどう見ても嘘の数字で、日本中のすべての労働者の平均賃金がもし32万円だったら、日本のGDPは今よりずっと多い。

おそらく正社員のみ、新入社員と女性社員、契約社員などを除いた平均の筈で、もはや統計の意味をなさない。

総理大臣が毎年大騒ぎして上げさせるボーナスや春闘なども、一部上場企業の正社員だけが対象です。

コロナによる派遣切りや雇用止めの影響で、日本人全員の賃金や所得はコロナ前と比べて大幅に下がっている。


外国と比べるとアメリカは賃金上昇率が+4.8%、消費者物価+6.8%なので実質賃金はマイナス2%だった。

イギリスは賃金4.2%で物価5.4%なのでマイナス1.2%、ユーロ圏19か国は物価上昇率5%でした。

フランスの賃金上昇率は3.2%、ドイツは4.1%なのでいずれも賃金の上昇が物価上昇率を下回っています。


実質賃金減少は世界的な現象ですが、日本は過去30年間ずっと実質賃金が上がっていない。

21年後半の日本はコロナが沈静化し、いち早く景気回復するかに見えたが、22年第一四半期はマイナス成長が予想されています。

この分だと22年通年でGDP成長率は前半マイナス、後半コロナが沈静化するとしてもやっと1%前後のプラスでしょう。


30年間なんの進歩も無く、今年も世界最低の経済成長率になるという事です

日本国内に投資すれば賃金もGDPも上がる

日本円では最大1%の成長率だが、ドル換算では円高が進めば10%以上の高度成長もありえます。

現在は1ドル115円ですが、これは日米の物価を調整すると1970年代の1ドル305円程度に相当します。

日本円は本来の価値より1/3程度になっていて、その原因は日本円から外国への投資や融資です。


今時日本国内だけで投資する人はほとんど居らず、米株や世界経済になんらかの投資をしていると思います。

企業でも個人でも国でも、日本国内に投資せずアメリカやアジアや欧州やアフリカに投資しています。

日本から外国に投資すると円がドルに交換され、海外投資が増えるほど円安が進行します。


見返りとして日本人は投資利益を受け取るが、こちらがドルから円に交換されるのは10年後か20年後です。

2008年のリーマンショック前もこんな状況で「円キャリー」と呼ばれる円売りドル買い投資がブームでした。

日本政府も国内には投資しないくせに、聞いたこともないアフリカの国には大盤振る舞いしています。


こうした日本人の海外投資、海外援助は利益が出て年1%以上のリターンを得たとしても、援助や投資を受けた国は年5%も経済成長します。

日本の自動車企業はアメリカに工場を建てて生産していますが、日本が受け取るのは年1%か2%程度の投資利益、アメリカは工場フル操業でもっと多くの利益を手にする。

これが日本の成長率がさっぱり上がらない根本原因で、「誰も日本国内に投資しないから」です。


手始めに日本政府はアフリカ援助ではなく、老朽化した国内インフラ工事でもしたらどうでしょうか。

https://www.thutmosev.com/archives/87739582.html
http://www.asyura2.com/20/reki5/msg/392.html#c15

[近代史4] 世界最大の対外純資産に惑わされるな!国が強くならないデフレ日本の経常収支サイクル 中川隆
2. 中川隆[-13726] koaQ7Jey 2022年2月12日 07:10:03 : hWN1wv8jWI : NzFSNHRrTkxkLy4=[5]

2022年02月12日
日本国内に投資すれば賃金もGDPも上がる

海外投資より国内に投資すればGDPや実質賃金が増えます

上がらない実質賃金と上がる物価

厚生労働省によると2021年の名目賃金は0・3%増、労働者1人あたりの月支給額は31万9528円だった。

総務省によると2021年12月の消費者物価指数は前年同月比で+0.5%なので、名目賃金0・3%増なら実質賃金はマイナス0.2%になる。

厚生労働省調査の「賃金」はどう見ても嘘の数字で、日本中のすべての労働者の平均賃金がもし32万円だったら、日本のGDPは今よりずっと多い。

おそらく正社員のみ、新入社員と女性社員、契約社員などを除いた平均の筈で、もはや統計の意味をなさない。

総理大臣が毎年大騒ぎして上げさせるボーナスや春闘なども、一部上場企業の正社員だけが対象です。

コロナによる派遣切りや雇用止めの影響で、日本人全員の賃金や所得はコロナ前と比べて大幅に下がっている。


外国と比べるとアメリカは賃金上昇率が+4.8%、消費者物価+6.8%なので実質賃金はマイナス2%だった。

イギリスは賃金4.2%で物価5.4%なのでマイナス1.2%、ユーロ圏19か国は物価上昇率5%でした。

フランスの賃金上昇率は3.2%、ドイツは4.1%なのでいずれも賃金の上昇が物価上昇率を下回っています。


実質賃金減少は世界的な現象ですが、日本は過去30年間ずっと実質賃金が上がっていない。

21年後半の日本はコロナが沈静化し、いち早く景気回復するかに見えたが、22年第一四半期はマイナス成長が予想されています。

この分だと22年通年でGDP成長率は前半マイナス、後半コロナが沈静化するとしてもやっと1%前後のプラスでしょう。


30年間なんの進歩も無く、今年も世界最低の経済成長率になるという事です

日本国内に投資すれば賃金もGDPも上がる

日本円では最大1%の成長率だが、ドル換算では円高が進めば10%以上の高度成長もありえます。

現在は1ドル115円ですが、これは日米の物価を調整すると1970年代の1ドル305円程度に相当します。

日本円は本来の価値より1/3程度になっていて、その原因は日本円から外国への投資や融資です。


今時日本国内だけで投資する人はほとんど居らず、米株や世界経済になんらかの投資をしていると思います。

企業でも個人でも国でも、日本国内に投資せずアメリカやアジアや欧州やアフリカに投資しています。

日本から外国に投資すると円がドルに交換され、海外投資が増えるほど円安が進行します。


見返りとして日本人は投資利益を受け取るが、こちらがドルから円に交換されるのは10年後か20年後です。

2008年のリーマンショック前もこんな状況で「円キャリー」と呼ばれる円売りドル買い投資がブームでした。

日本政府も国内には投資しないくせに、聞いたこともないアフリカの国には大盤振る舞いしています。


こうした日本人の海外投資、海外援助は利益が出て年1%以上のリターンを得たとしても、援助や投資を受けた国は年5%も経済成長します。

日本の自動車企業はアメリカに工場を建てて生産していますが、日本が受け取るのは年1%か2%程度の投資利益、アメリカは工場フル操業でもっと多くの利益を手にする。

これが日本の成長率がさっぱり上がらない根本原因で、「誰も日本国内に投資しないから」です。


手始めに日本政府はアフリカ援助ではなく、老朽化した国内インフラ工事でもしたらどうでしょうか。

https://www.thutmosev.com/archives/87739582.html
http://www.asyura2.com/20/reki4/msg/989.html#c2

[近代史5] 戦前日本は老人に冷たい「姥捨山」 中川隆
1. 中川隆[-13725] koaQ7Jey 2022年2月12日 09:14:07 : hWN1wv8jWI : NzFSNHRrTkxkLy4=[6]
現代の姥捨て山

「楢山節考」は本当か
http://www.asyura2.com/20/reki5/msg/247.html

高齢者は死んでいいのか _ 大西つねき「命、選別しないと駄目だと思いますよ」
http://www.asyura2.com/20/reki5/msg/220.html

ALS患者を殺害した元厚労省医系技官らの優生思想
http://www.asyura2.com/20/reki5/msg/244.html

130人に「死の処方」ドクター・デス、90年代の米、「京都」と共通点
http://www.asyura2.com/20/reki5/msg/250.html

アメリカに「寝たきり老人」が居ない理由_ 寝たきりになる人を助けないので、寝たきりにならない
http://www.asyura2.com/20/reki4/msg/1180.html

【現場から、新型コロナ危機】スウェーデンで見捨てられた高齢者
http://www.asyura2.com/20/reki5/msg/257.html#c2

ヨーロッパでは、母性的で優しい女性は全員、魔女狩りで殺された
http://www.asyura2.com/20/reki4/msg/570.html


▲△▽▼

苗場スキー場の元高級リゾートマンションが遂に10万円になった _ 負け組が老後に住めるのは苗場のスラム・マンションだけ
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/565.html

年金の話
http://www.asyura2.com/20/reki4/msg/713.html

れいわ新選組 大西つねき :日本一まともな年金の話
http://www.asyura2.com/20/reki4/msg/712.html

大西つねき :正しいベーシックインカム
http://www.asyura2.com/20/reki4/msg/765.html

MMTの就業保障プログラム VS ベーシックインカム
http://www.asyura2.com/20/reki4/msg/974.html
 
http://www.asyura2.com/20/reki5/msg/1489.html#c1

[近代史5] 戦前日本は老人に冷たい「姥捨山」 中川隆
2. 中川隆[-13724] koaQ7Jey 2022年2月12日 09:14:51 : hWN1wv8jWI : NzFSNHRrTkxkLy4=[7]
津久井やまゆり園 障害者19人殺害事件
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/752.html

ドヤ街 _ 東京の山谷、大阪の西成(あいりん地区)、そして横浜の寿町
http://www.asyura2.com/20/reki4/msg/1221.html
http://www.asyura2.com/20/reki5/msg/1489.html#c2

[近代史7] Mr.トレイルのオーディオ回り道 中川隆
9. 2022年2月12日 09:32:49 : hWN1wv8jWI : NzFSNHRrTkxkLy4=[9]
Mr.トレイルのオーディオ回り道
VT-62ppモノラルパワーアンプの音も良かったが・・・
2022年02月12日
https://blog.goo.ne.jp/nishikido2840/e/b1061918736819c796acfda7ba7ecc4d


2008年頃は管球アンプを何台も仕入れて、比較試聴をしていました。写真の最下段は、VT-62ppモノラルパワーアンプ×2台を低域用に使って、オール管球アンプで3ウェイマルチアンプシステムの実験をした時のモノです。サウンドは重厚で良い質感でした。

SPケーブルの長さの問題でアンプ配置を変えたり、アンプを入れ替えたりと遊んでいました。VT-62ppモノラルパワーアンプの欠点は、低域用には向かない点と、発熱量が半端ない処ですね。冬場なら暖房になりますが、夏場はクーラーを入れても暑いくらいです。パイオニアM4並みの発熱量が有ります。

モノラルパワーアンプは3セット使いましたが、低域用でもステレオ仕様で十分だと判断に至りました。

https://blog.goo.ne.jp/nishikido2840/e/b1061918736819c796acfda7ba7ecc4d
http://www.asyura2.com/21/reki7/msg/314.html#c9

[近代史7] 男がやってみたい事はみんな同じ _ 日本兵が日中戦争でやった事 中川隆
31. 2022年2月12日 10:15:44 : hWN1wv8jWI : NzFSNHRrTkxkLy4=[10]
2022-02-06
日本軍の残虐行為を必死で止めようとした従軍記者もいたらしい
https://vergil.hateblo.jp/entry/2022/02/06/163249


南京攻略戦の過程で展開された日本軍による凄まじい暴虐に、従軍記者たちはどう向き合ったのか。

その場ではほとんど何もできず、戦後になってから当時目撃した内容を語りだしたり、「(虐殺の写真を)撮っていたら恐らくこっちも殺されていたよ」と言い訳するくらいがせいぜいだったようだが、中には体を張って虐殺を止めようとした勇気ある記者もいたようだ。

陸軍の嘱託カメラマンとして、杭州湾から上陸して南京を目指した第10軍(柳川平助兵団)に従軍した河野公輝氏が次のように語っている。[1]



杭州湾から南京まで三〇〇キロの虐殺(柳川兵団)

(略)

「川沿いに、女たちが首だけ出して隠れているのを引き揚げてはぶっ殺し、陰部に竹を突きさしたりした。杭州湾から昆山まで道端に延々とそういう死体がころがっていた。昆山では中国の敗残兵の大部隊がやられていて、機関砲でやったらしいが屍の山で、体は引き裂かれて、チンポコ丸出しで死んでいた。そのチンポコがみな立ってるんだ、ローソクみたいに。『チンポコ三万本』と俺たちはいっていたが、三〇〇〇人以上はいたろうな。遠くロングに引いてみると、残虐というより壮観だった。

 読売のカメラマンで発狂したのもいたな。やったってしょうがないのだが、飛び出してやめさせようとするものもいた。普通の百姓だからといってね。しかし兵隊はそんなのにかまわずぶっ殺していった。俺か? 俺は残虐な写真ばかり撮っていたので病膏肓に入っていた。(略)



 蘇州の略奪はすさまじかった。中国人の金持は日本とはケタがちがうからね。あのころでも何万円とするミンクのコートなどが倉の中にぎっしりつまっているのがあった。寒かったから、俺も一枚チョーダイしたよ。兵隊たちは、捕虜にしこたまかつがせて持っていった。(略)

 蘇州の女というのがまたきれいでね。美人の産地だからね。兵隊は手当たりしだい強姦していた。犯ったあと必ず殺していたな」

この「読売のカメラマン」氏や飛び出して虐殺をやめさせようとした記者が誰だったのか、彼らがその後どうなったのか分からないのが残念だ。

ちなみに、柳川兵団は南京攻略後の徐州作戦でも残虐行為を繰り返している。同じく河野公輝氏の証言。[2]

「そこ(注:蒙城)は城壁と堀があって堅固な陣地だった。占領まで二日ほどかかった。三〇〇〇人ほどを捕虜にしたが、南京と同じように片っぽしから殺していった。徐州へ進撃しなければならないので捕虜を保護するわけにいかないんだね。子供連れの兵隊もいたがかまわず殺した。子供は殺される親父をじっとみていたね。そしてその子供も殺されてしまった」

柳川兵団の主力は第6師団だったが、師団長の谷寿夫は戦後、南京軍事法廷で死刑判決を受け、銃殺されている。谷は、南京大虐殺は他の師団がやったことだと裁判で弁明したが、彼にも重大な責任があったことは明白だろう。

[1] 森山康平 『証言・南京事件と三光作戦』 河出文庫 2007年 P.56-57
[2] 同 P.59


https://vergil.hateblo.jp/entry/2022/02/06/163249
http://www.asyura2.com/21/reki7/msg/107.html#c31

[リバイバル4] 和山通商 マランツ7 プリアンプの再現真空管アンプ完成品 販売価格: 21,000円(税込) 中川隆
7. 中川隆[-13722] koaQ7Jey 2022年2月12日 10:32:17 : hWN1wv8jWI : NzFSNHRrTkxkLy4=[11]
氏家式マランツ#7アンプのアースの取り方
投稿日:2015年8月29日 更新日:2019年5月4日
https://www.audio-blog.jp/2015/08/29/a-way-of-grounding-marantz7-amplifier-by-uzike-method/


氏家先生によりラジオ技術に紹介されたマランツ#7アンプは、
徹底コピーを推奨されているもののアースの取り方については、ほとんど記述がない。
特に真空管V1のアースがどのようになっているのか、
悩みこんでしまった。

前回申したように、交流的には信号サブブロックのアースへ接続されているが、
直流的には、上記浮島となっている以上、
電流が電源ブロックへ帰る路がなく、電流が流れようがないからである。
氏家先生の1998年12月号の記事を解析したところ、
そのp48右上の写真で、出力端子でマイナス側がV2と共通していることは疑いなく、
また、それが、銀色のアース母線?で入力端子のマイナス側へ接続されている。

したがって、前回申した通り、
「直流的には、入力信号のシールド線を介して、V2の出力端子のアース側を通り、V2の入力信号のシールド線のアース側→信号ブロックのアース母線→電源へ、というかなり迂回した帰還をたどる」ように思えた(後述Aの候補)。

まず説明のため、そもそも、マランツ#7のイコライザ部は、
1つの入力1が真空管V1に入り、他方の入力2がV2に入る。
入力1は、真空管V1の片割れで増幅され、
入力2は、真空管V2の片割れで増幅され、
V3で、それぞれ入力1、2の増幅したものを受け、
2の片割れがそれぞれ、カソードフォロアを形成する。
というわけで、V1、V2はそれぞれ左右の入力を担当することになる。
以下を前提に、記事を分析して、図を書くと、以下のようになる。
マランツ7アンプのアースの取り方.jpg
<クリックすると拡大します。>

<追記:ラジオ技術の古い記事は、20年たち、各図書館でも廃棄対象です。国会図書館でコピーして下さい。>

(A)V1側は、
3つの入力端子→3つのシールド線
→(シールド線のマイナス側を束ねるラグ端子、プラス信号のみセレクタへ)
→(束ねた当該マイナス側、セレクタの信号)→シールド線
→(信号サブ基板への交流アース、プラス側がV1の2番ピンへ)

(B)V2側は、
3つの入力端子→3つのシールド線
→(シールド線のマイナス側を束ねるラグ端子、プラス信号のみセレクタへ)
→(束ねた当該マイナス側、セレクタの信号)→シールド線
→(V2、V3共通アース母線、プラス側がV1の2番ピンへ)

出力端子側のマイナス側は、左右共通で、V2側の入力端子のマイナス側へ接続、
というのは、ラジオ技術1998/12月p48の写真から判明しています。

入力端子にアース母線のような銀色の線が、写真に見えますが、
どうつながっているのかは分かりません。

V1の直流電流がコンデンサに帰る方法として、考えられる候補としては、
@入力端子で左右入力のマイナス側が接続され、
V1の直流電源の帰還電流は、そこまで戻って初めて、V2のアースと接続し、
V2、V3の共通アース母線へ。
つまり、上記(A)(B)を両方通って、電源のマイナス側へ帰る。

AV1のみ接続される上記サブ基板への交流アースは、
実はシャーシーと接続され、シャーシーにB2電源の帰還電流が流れて、
B2のコンデンサマイナス側へ直流電流が帰る。
なぜなら、V1のみが信号サブ基板のアースに接続され、
わざわざ、アース母線をV2、V3と切断しているから。

<9月2日追記>
マランツ#7のオリジナルのアースの取り方は、Aのように思えます。
グロメットなどは使っていません。サブシャーシーは直に(電気的に?)シャーシーに接続されています。
「氏家式マランツ#7アンプその後の補足1(ノイズ対策、オリジナルのアース方法など)」のモガミ電機のサイトの資料参照。)。

Bゴロピカリ様の方法
アース母線を独立して入力端子まで張り、そこでさらにシャーシーにアースする。

C私の方法
V1のアース母線から、直接コンデンサへ帰還させる(改造)。

ここで、Bは、ゴロピカリ様のサイト「風神ネットワーク 」の「イコライザーアンプとラインアンプ」を拝見して、直接メールで教えを乞うて、教えていただいた方法であり、その教えていただいたのち、サイトは更新され、現在は、そのサイトにアースの張り方につき、説明されている。

https://www.audio-blog.jp/2015/08/29/a-way-of-grounding-marantz7-amplifier-by-uzike-method/
http://www.asyura2.com/18/revival4/msg/155.html#c7

[リバイバル4] 和山通商 マランツ7 プリアンプの再現真空管アンプ完成品 販売価格: 21,000円(税込) 中川隆
8. 2022年2月12日 10:34:29 : hWN1wv8jWI : NzFSNHRrTkxkLy4=[12]
氏家式マランツ#7アンプその後の補足1(ノイズ対策、オリジナルのアース方法など)
投稿日:2015年9月2日 更新日:2019年5月4日
https://www.audio-blog.jp/2015/09/02/story-after-making-marantz7-amplifier-by-uzike-method-part1/


まず、このカテゴリ「アンプの自作」の記事を、以下を反映しながら、あちこち編集して追記しましたので、ご確認いただければと思います。

1.ネガティブフィードバック配線を忘れていました。
そもそも、9月1日にようやく、とんでもないことに、
ネガティブフィードバック配線を忘れていたことに気付きました(汗汗;)。
150902_0027~01.jpg
サブ基板上部の4つの抵抗に、ネガティブフィードバックの入出力を接続します。
ここではノイズ対策を考え、内部が2芯のツイストされたシールド線(「スタンダードコンソールケーブル 白No.2944–WH」)を使いました。
ツイストは、「私のアンプ設計マニュアル」)というサイトを拝見し、氏家先生の記事よりさらにノイズ対策を試みたものです。シールド線の片側は、アース母線に接続しています。もうちょっとまともな「シールド線」を使った方がいいかもしれません。

そのネガティブフィードバックを配線すると、
裸アンプでは、入力によっては、4mV〜12mVぐらいのノイズがあったのが、
入力によっては、0.2mVぐらいにノイズが減りました(ナショナルのノイズメータで測定、未校正)。
真ん中のデジタル入力の方がノイズが少ないです。これは10Ωでターミネートとし、直列に4.7kΩがホット側に接続されています。
入力線がシールド線を使っているかによっても変わります。
ネガティブフィードバック配線をすることにより、
耐入力を超えることによるサチったノイズが生じることがかなり緩和され、使い勝手がよくなりました。
その他、「氏家式マランツ#7(イコライザ部分)ほぼ完成!」
(←全然完成していなかった(汗汗;))にも視聴結果を追記しましたので、そちらもご覧ください。

2.マランツ7オリジナルのアース方法
昔、ヤフオクで出品されたオリジナルには、詳しい内部写真が載っており
それをダウンロードして、解析に使っています。
昨日、再度確認したところ、オリジナルの信号サブ基板は、
グロメットなどを使わず、直接シャーシーに接続されている。
また、入力信号端子は、マイナス側が、シャーシーに直付けとなっており、
ホット側のみが、セレクタへ入力される構造で、
入力信号端子付近を見ると、信号線は、中芯のホット側しか、配線の引き回しがない。
ということは、微量(1mA未満)ではあるが、シャーシーにV1の帰還電流を流していることになるように思えます。
そう考えると、氏家先生の記事のマランツ#7の徹底コピーというのは、
信号回路と、両波整流後の電源部分だけであって、
フィラメントの22000μF(オリジナル3000μF)やアースの取り方は異なっているように思える。
入力ラインをいじるのは大変だから、追試はしていません。

3.その後のノイズ対策
(1)ノイズ対策をいろいろ調べると、
「モガミ電線」のサイトの「ワイヤー・ケーブルの遮蔽(シールド)」には、シールドの方法がいくつか比較されており、ツイスト線にシールドをかぶせ、ツイスト線のマイナス側とシールドを両側で接続し、一方側でアースするのがよいとされています。電流の帰還にその線を接続するときは、自動的にそのアースがされます。
聞いた感じでは、2芯シールドツイスト線の「スタンダードコンソールケーブル No.2944」よりは、1芯シールドとして、短いケーブルで接続した方がノイズも少なく、ストレスも少ないように感じました。ちなみに、当該ツイスト線のマイナス側をなにも接続せず宙ぶらりんにすると、ノイズが断然増えます。
なお、ツイストすると、磁力によるノイズ(特にハム)にも強くなるということです。
シャーというノイズの対策には、あまり効果的でないかもしれません。

(2)シールド線の周囲の線は束ねてアースするのですが、
これも、シャーシの任意の点にアースするのではなく、
一点アースへ、つまりアース母線へ接続した方がノイズが下がり、
かつ、聴感上のストレスも少ないように思えました。

(3)したがって、「氏家式マランツ#7アンプのノイズ対策2(ジーというノイズについて)」で述べた「新しい流儀」はあまりよくなく、
上記モガミ電線のサイトの方法を用いるか、従来通り一芯シールドを使うべきです。

(4)セレクタを使うと、かなり入力ラインを引きまわすことになるので、
イコライザ等の用途が決まっているなら、
ノイズ対策上、セレクタはないに越したことはありません。

4.電源について
(1)氏家式マランツ#7アンプは、マランツ7アンプのオリジナルを見ると、
基本的にはそれを踏襲しているが、半波整流を両波整流に変えている。
ここで、電源はある程度デフォルメも許されるが、
石塚俊先生の一連の記事、特に「ラジオ技術」(「本格的オーディオシステムの構築へ向けて」(29)整流方法の設計法1)2014年12月p122によれば、
抵抗の直列による整流方式には、抵抗インプットといって、
電源のサプライインピーダンスを上げ、電流ノイズを下げるテクニックであるので、
みだりに変えない方がよいかと思います。
ちなみに、エミッションラボという真空管の海外のサイトでは、整流管直後のコンデンサの容量を制限しており、高い容量を使う場合には、抵抗を入れること(によりサプライインピーダンスを上げること)が推奨されており、突入電流の配慮を要求しています。

(2)私のアンプでは、石塚先生の記事に従い、
両波整流の両端電圧を、その一方を抵抗をかましてその電圧を揃えています。
その環境では、過去の経験や、その記事に反して、半波整流のほうがよいということはなく、
かえって、クリップ感やノイズ感が生じて、あまりよいとは思いませんでした。

(3)その記事では、コンデンサを増やすと、すかすかな音になるということでしたが、
フィラメント電源では、CEWというニチコンの22000μファラデーを入れた方が、
聴感上の安定感がありました。ただし、「氏家式マランツ#7(イコライザ部分)ほぼ完成!」で述べた鉛筆に銅線を巻きつけた、空芯式のチョークインプット(沼口式チョーク)と、18Vで70Ωほどの抵抗で、300mAのブリーダを流すという条件です。
ブリーダは、上記石塚先生の記事で、「91Bに従い必要量の50%流す」を実践したのです。

(4)普通に作れば、電源のノイズは2mVぐらいになります。
ただし、氏家先生の記事の電源の実体配線図には、難を感じるところがあり、
アースの接続も、高圧から低圧へ、順に接続しないとコンデンサのフィルタの効果が少ないということなので注意が必要です(文献としては、「私のアンプ設計マニュアル」)というサイトの「アース回路その2」の「電源のリターン回路:」という項目では「ハムが出たからといってC1の容量を増やしても効果はありません。効果がないどころかハムは増えてしまいます。」とあり、その他(「無線と実験」2013年3月p50、「音で判別するノイズ対策」安井章)には、アンプの信号回路で、ゲインの順に設置する旨の記載がある。)

5.発振の簡単なチェック方法
・マランツ#7アンプは、高度な回路技術で、フィードバック回路を緊張状態にし、
即応性を改善しているようなので、発振しやすいことで有名である。
そこで以下の方法で、発振していないかを確認する。
・上記「私のアンプ設計マニュアル」には、簡易な測定法が方が載っており、
サインウェーブのwavファイルをダウンロードできるサイトが紹介されている。
これをダウンロードして再生し、出力端子から、変な付加振動が加わっていないかを確認する。
ただし、そのwevファイルは、長さ有限で、すぐに止まってしまう。そこで、fooberなどに「sin」という新しいプレイリストを作り、そこに単一の当該wavファイルのみを置いて、繰り返し再生を行う。
その後、音を確認する。

https://www.audio-blog.jp/2015/09/02/story-after-making-marantz7-amplifier-by-uzike-method-part1/
http://www.asyura2.com/18/revival4/msg/155.html#c8

[リバイバル4] 和山通商 マランツ7 プリアンプの再現真空管アンプ完成品 販売価格: 21,000円(税込) 中川隆
9. 中川隆[-13721] koaQ7Jey 2022年2月12日 10:35:20 : hWN1wv8jWI : NzFSNHRrTkxkLy4=[13]
氏家式マランツ#7アンプ、12AX7の定電流点火の検討
投稿日:2015年9月3日 更新日:2019年5月4日
https://www.audio-blog.jp/2015/09/03/making-marantz7s-equalizer-part-uzike-method-and-consideration-of-heating-12ax7-by-constant-current/


<後日談>以下は、結局採用していません。定電流のはずが、素子の定電流部分の傾斜が大きいので。

150mA、18.9Vを点火するのに、
フェアチャイルドのJ105で、定電流点火を検討したところ、
以下の通り、合計電圧26V前後、J105の部分が7V前後、
抵抗が(30Ωと、390Ω)の並列とするのがよいのではないかという結論に達した。
その定電流点火が、2系列必要となる(合計300mA)。


なお、このJ105は、放熱をしない場合、プレート損失が625mWなので、
これを超える場合には、焼損の危険があり、放熱板を付けるなど注意したい。

話は戻って、抵抗値の検討方法について説明する。
抵抗値を精密に決定するには、0.1Ω等の抵抗を直列するよりも、
基本となる抵抗(ここでは30Ω)に、
調整する抵抗(ここでは200Ω〜390Ω)を並列するのが、調整しやすい。

<追記:ただし、ノイズの面では、直列のほうが好ましいはず。>

12AX7のヒーターを模擬したダミー抵抗は、計算上42Ω×3であるが、
43ΩX3の直列に、6.2kΩを並列すると、約126Ωとなる。
ブレッドボードで、ダミー抵抗と、定電流回路を直列して実験した。
(なお、下の表は、定電流回路単独で検討した結果である。)
150903_0229~01.jpg

フィラメントのコンデンサを、25V耐圧としていたが、
35V以上のものに変更する必要がある。
150903_0236~01.jpg
トランスの電流が異なる巻線の直列は、いまいち自信がないが、
必要電流量が、いずれの巻線も越えていないから大丈夫だろう。
(直列すること自体は、「大人の自由空間 トランスという厄介で存在感のある部品」というサイト参照。)

許容電流は
1.05 0.95
0.1575 から 0.1425 まで。

下で、第2欄の数値が、定電圧回路の抵抗にかかる電圧、第3欄が計算した電流となる。
ただし、電圧を高くすると、FETの温度が上がり、
電流量が時間とともに下がってくるので、その点はおおざっぱな値になっている。
電圧で0となっているのは、目標とかい離が多く、不要と感じて測定しなかったところ。
「/」は、並列した抵抗、上欄の抵抗値は、テスターを使った実測値を表している。
(低抵抗は、テスターで測ると誤差が多いとされるが、それほどおかしい値でもない。
抵抗はKOAのMOSタイプ(1%級)の2ワットである。)

30.3 オーム

5v 4.01 0.132343234
6v 4.2 0.138613861
7V 4.24 0.139933993
8V 0
9V 0
10V 4.34 0.143234323

28.2 オーム

5v 3.98 0.141134752
6v 4.17 0.14787234
7V 4.17 0.14787234
8V 0
9V 0
10V 4.34 0.143234323

27.857 オーム 30/390

5v 4.03 0.144667409
6v 4.2 0.150770004
7V 4.22 0.151487956
8V 4.2 0.150770004
9V 4.18 0.150052052
10V 4.14 0.148616147
7V3分後 4.16 0.149334099

27.4 オーム 30/300

5v 3.92 0.143065693
6v 4.17 0.152189781
7V 4.18 0.152554745
8V 0
9V 0
10V 4.16 0.151824818

27 オーム 30/270

5v 3.94 0.145925926
6v 4.17 0.154444444
7V 4.13 0.152962963
8V 4.14 0.153333333
9V 4.13 0.152962963
10V 4.07 0.150740741

26.8 オーム 30/240

5v 3.8 0.141791045
6v 4.1 0.152985075
7V 4.08 0.152238806
8V 4.1 0.152985075
9V 4.07 0.151865672
10V 4.05 0.151119403

26.5 オーム 30/220

5v 3.91 0.14754717
6v 4.11 0.15509434
7V 4.15 0.156603774
8V 4.12 0.155471698
9V 4.08 0.153962264

https://www.audio-blog.jp/2015/09/03/making-marantz7s-equalizer-part-uzike-method-and-consideration-of-heating-12ax7-by-constant-current/
http://www.asyura2.com/18/revival4/msg/155.html#c9

[リバイバル4] 和山通商 マランツ7 プリアンプの再現真空管アンプ完成品 販売価格: 21,000円(税込) 中川隆
10. 2022年2月12日 10:36:08 : hWN1wv8jWI : NzFSNHRrTkxkLy4=[14]
氏家式マランツ#7アンプ、12AX7の定電流点火2
投稿日:2015年9月14日 更新日:2019年5月4日
https://www.audio-blog.jp/2015/09/14/making-marantz7s-equalizer-part-uzike-method-and-consideration-of-heating-12ax7-by-constant-current-part2/


前回検討したフェアチャイルドのj105を使った定電流点火であるが、
jFETの場合、電流が多ければ多いほど、定常部分で動作するには高い電圧を必要とする。
例えば、定電流素子のE101などは電流が少ない品種ほど、定電流特性は高性能となる。

j105を使う場合、7Vぐらいの電圧降下は必要であるが、
6.3V巻線を追加しても、25Vぐらいにしかならず、
橋本トランスの場合5V巻線で、電圧が足りなくなる。
ちなみに、15V巻線に、6.3Vを追加して、交流21Vとする場合、
巻線を逆に接続すると、巻線が相殺されて10Vになってしまう。
その場合は、一方の接続逆にする。逆かどうかは接続してみないとわからない。

j105を使う場合、j105の電圧降下は6.5Vぐらいにするしかなく、
ノイズ低減量は、15mV→6mVと1/3なった。

これでは残念ながら、性能が足りない。
前回の記事を参考にされた方には申し訳ないが、
エミッションの振れを抑圧するという定電流のメリットがなくなるので、
以下のような、シャントレギュレータTL431を用いた定電流点火を考えた。
150916_0008~01.jpg
150916_0009~01.jpg
150mAが2系統必要である。
この方式によれば、制御ICによる電圧降下は、3〜5Vぐらいで済む。
<9月16日追記>上の2つの図を訂正しました。tl431周りに誤植がありました。
<9月18日追記>上記訂正した図で、0.05μFは、セラミックでして、音が固いのでスパイクノイズが生じている可能性があり付けたものでして、アイテンドウで、コンデンサのセット([SMC-SP23] や[MCC50V-500P]など、「パーツパック」)として入手したものです。セラミックのコンデンサは、高周波においてもノイズ削減効果があり、1μFの方が聴きやすいことが分かりました。ノイズが小さくなるようです。tl431のカソード側には、tl431のピンのなるべく付け根に、このコンデンサをつけますし、コンデンサの足もできる限り短くします。容量によっては発振するので、データシートを読んだ方がよいです。tl431のカソードアノード間で5vだと2μF程度までです。また、tl431のrefとアノード間につけると、発振するなど異常な動作をするようです。

TL431は、アノード(マイナス側)、レファレンス間を2.5Vにするよう制御する。
これにより、一般的には、
TL431のカソード(プラス側)の電圧を目標の値になるようにすることができ、
この電圧が2.5V程度だと、回路は正常に動いている。
それが0.1V程度だと、トランジスタなどの接続が逆になっているなど、
接続が間違っている可能性が高い。
また、TL431には電流をたくさん流した方が ノイズ/信号比はよくなるはずだが、
余りたくさん流すと、発熱が大きくなり、1.0Vぐらいに下がってしまう場合もある。
結局、TL431には、10mAぐらい流すのが適当であるように思われる。
カソードに接続する抵抗は、今回は(直流電源の電圧ー5)/10mA程度を流す。
レファレンス電圧がおかしい場合で、トランジスタ等の接続も間違っていない場合には、
この抵抗を訂正する。
それから、TL431には、NJM431などのメーカー違いや、
オペアンプ形式などのパッケージ違いがあり、
メーカーによっては音質が異なるようであるし(ミミズクというサイト)、
オペアンプ形式の場合、形が大きいので、
透過損失容量を大きくとれ、より大きな電流を流すことが出来る。

トランジスタ(NPN)の基本は、
トランジスタのエミッタに抵抗Rを付けて接地し、
ベースに一定電圧VBを与えると、エミッタにはVB−0.65V程度の電圧が生じ、
(VB−0.65)/Rの定電流Iが流れる、
したがって、トランジスタはVBを制御することで、電流量を制御できる、
という電流制御機器と考えることが出来るという点にある。
このとき、ベースからは、I/hfeの電流が引き込まれる。
(「トランジスタ技術」2014年8月の特集p51〜参照。)

トランジスタのエミッタに抵抗をつなげている(コンデンサを並列しない)限り、
トランジスタの増幅率は、抵抗値のみで決まってしまい、
素子固有の直流増幅率hfeとは関係ないが
I/hfeの電流が引き込まれる(上記文献参照)。

ただし、hfeが大きいほど、ベースから引き込まれる電流量は小さくなるから、
その分、基準となる定電圧回路への悪影響が小さくなるので、
ダーリントントランジスタなどは、引き込まれる電流が小さい点で有利になる。

以上の説明からわかる通り、
「トランジスタは、ベース電流のHFE倍の電流をコレクタに流す」と説明されるが、
実用上は、考え方が逆である。
つまり、コレクタ電流を制御するためには、
ベース電流I/hfeを、積極的に制御入力とするのではなく、
結果的に生じるされる副産物というような考えになり(上記文献参照)、
トランジスタの制御入力は、通常はベース電圧VBとなり、
VBを制御して、トランジスタに流れる電流を調整する。

というわけで、VBに一定電圧を加えることが定電流点火の基本となる。
VBにはTL431のカソード電圧が印加されるが、
アプリケーション例に基づき、TL431の端子間を抵抗で分圧していないので、
何ボルトになるかは私には、いまいちわからない。
他の回路との相関で決まる。
分圧している場合には、2.5V×分圧比でカソードに、目標電圧が生じるので
おかしな電圧が出ることは少ないが、
この回路では、どこか一つでも接続を間違っていると、
TL431のレファレンスの電圧が0.1Vなど、でたらめな値となる。

フィラメントの設定電流値は、
レファレンス電圧(レファレンス、アノード間)/トランジスタのエミッタ抵抗値で決まる。
今回は、2.5V/16.6Ω≒150mAとなる。
ちなみに、TL431ではどういう加減か、2.41Vとなることもある。
カソードの抵抗選択が、まずいのかもしれない。

トランジスタの選択としては、NPNで0.15A以上流せるタイプで、
プレート損失が小さくないものが好ましい。
小さいものは放熱の点で不利であり、発熱が大きく、放熱板なくては焼損の危険がある。
ただし、ミミズクというサイトによると、
これらを満たしつつ、電流容量が小さいトランジスタの方が、音の点で有利だという。
これは、トランジスタの想定外に小さい電流を流す動作環境では、直線性が悪くなるのかもしれない。
それから、TL431でなく、その構成要素のオペアンプも検討してみたが、
レギュレータに使った場合でも、オペアンプの音の特徴が出てしまうらしい。
このことからすると、線形性が高い方が好ましいということだろう。

今回は、そのようなことは考えず、将来の300Bへの適用などを考え
どーーんと大電流が流せる100V7Aの2SD1415Aを使った。
今回は、電圧降下は2.5V、電流0.15A程度だから
0.4W程度で、発熱はわずかである。

ちなみに、トランジスタの熱の計算については、
ロームのサイトの「トランジスタとは?」に詳しい。
外国のトランジスタで「Derate」というのは、(25度を超えると)
その欄の数値の割合で、許容プレート損失が減少するという意味である。
また、気温(25度)+熱抵抗×ワット数が、
既定のジャンクション温度(通常125度、150度など)を超えないようにする。
熱抵抗は、パッケージの大きさにより異なる。
放熱板を付けた場合には、3度/Wなどに下がる。

以下は実装してみた図である。
150913_0048~01.jpg
クッション式の強力両面テープで、ラグ端子を張り付けた。
トランジスタは、熱の観点から、アルミまでの距離が薄くなるよう、普通のフィルム式両面テープを使った。
その上の黒い22pFのコンデンサは、楊枝で固定すべきだがまだやっていない。
トランジスタは、そのコンデンサの支えの楊枝が入るよう、微妙に位置を調整している。

なお、信号サブ基板の裏面をアップしていなかったので、ここでアップロードする。
150913_0050~01.jpg
トランジスタのコレクタ側(高電圧側)には、電源とほぼ同じリップル量の15mVが観測される。
つまり、フィラメントの印加電圧のリップルは1mV以下ということか。

聞いてみた。
泡立ちが良くなったというか、
周辺の空間情報、距離感が聞こえやすくなったというか、
きちんと制御されているというか、弾んでいるというか、
すっきりしたという感じである。

しかし、ソリッドになったというか、固いというか、
立ち上がり、立下りがより速くなったというか、
耳当たりがきつくなったという感じもする。。。
酸金のMOSの抵抗の音質かもしれないし、
エージングもしていないし、よくわからない。
元に戻れない感じは、確かにある。

https://www.audio-blog.jp/2015/09/14/making-marantz7s-equalizer-part-uzike-method-and-consideration-of-heating-12ax7-by-constant-current-part2/
http://www.asyura2.com/18/revival4/msg/155.html#c10

[リバイバル4] 和山通商 マランツ7 プリアンプの再現真空管アンプ完成品 販売価格: 21,000円(税込) 中川隆
11. 2022年2月12日 10:37:05 : hWN1wv8jWI : NzFSNHRrTkxkLy4=[15]
その後の氏家式マランツ7その1
投稿日:2019年5月4日 更新日:2019年5月5日
https://www.audio-blog.jp/2019/05/04/marantz7_clone_plan/


ある方に私の作ったマランツ7のイコライザ部分を紹介しているときに、marantz7のcloneを作られているサイト(「真空管アンプ作品集と趣味の部屋」)を発見し、久しぶりに興奮しました。
marantz7はモデル7kでキットを販売しており、その時の製作マニュアルが存在するとのことです。
ヤフオクで出回っているようなので、早速入手しました。

製作マニュアルを入手してみると、確かに実体配線図は詳しく書いてありますが、キットの部品が存在することを前提として書かれており、代替部品を0から調達して行うことはもちろんながら対応していません。特に、ロータリースイッチ6個と、レバースイッチのうち3つは、特殊な特注品が使われており、入手性を考慮すると、配線を変更せざるを得ない可能性があります。そこで、いろいろ調べることにしました。
なお、汎用のロータリースイッチで配線を構成する方法は、後日紹介。

<参考文献>
「marantz7k ASSEMBLY MANUAL」実体配線図、回路図が記載されています。ただし、当然ながら特注のロータリースイッチの使用が前提。また、回路図は、特注のロータリースイッチの使用が前提になっている。

「Marantz 7 File Sharing」 回路図が記載されている。

「ニューロ機工さんのMaranz#7 control amp (copy)」
このサイトにある、誠文堂新光社の「ステレオアンプ実体図集」、これもヤフオクで買いました。ここのサイトにある2ページのほかには、マッキントッシュのc22の実体図以外には名機をコピーしたページはありませんでした。このサイトに引用された2ページが特に重要でした。ロータリースイッチのうち、bassとtrebleについて、構成方法が書いてあります。bassについては、このサイトの図のように、5段5回路11接点のうち、2段、4段を削除し、3段はただの足場として使う(マランツ7kのマニュアル(特注部品のロータリースイッチを使った回路図)ではなくて、上記7cの回路図のほうが近い)。trebleについては、3段11回路のうち、2段目を削除する改造を行い、3段目をただの足場として使う。段を削除する改造をするのは、段間の距離を稼いで、パーツを付けやすくするため。

「マランツ7k プリアンプ」に記載の参考文献、特に「(1)無線と実験’79年3月号 森川氏の7k製作記(全13ページ)」、「(7)無線と実験’97年9月号 森川氏による#7と#7SEの比較記事(7ページ)。回路図あり。」が参考になるかと思い、図書館の書庫で入手しました。しかし入手してみると、上記ASSEMBLY MANUALを持っていれば、それ以上に、一通りのクローンを構成するだけのために手助けになることが記載されているようには思いませんでした。これらの文献によれば、配線材は、基本的には20番の単線(ベルデン#8528)、セレクタースイッチからピンJに至るまで、20番の撚線(ベルデン#8523、#8524)のようですが、入手はむつかしいように思います。私が作るなら、「単線の配線材を試す。ウェスタン電話線、銀メッキ1.0mm単線ジュンフロン、47研究所0.4mm 単線」のジュンフロン銀メッキ線にエンパイヤチューブをかぶせると思います。

「ヤフオク」:過去のヤフオク等で、オリジナルの実体配線図が紹介されていたり、レバースイッチが出品されているので、それを参考にする。

「マニアなら知っておきたいオーディオ雑誌のお宝記事6 ネガティブフィードバック(NF)を用いたアンプ」:弊サイトで紹介した氏家式マランツ7のページ。国会図書館で入手。その回路図や実体配線図については、氏家氏本人が執筆されているのではと思われるようなサイト(「マランツ#7 (EQのみ)製作」)があります。

<部品等>
マランツ7サブパネルの端子ねじ: 海外では、正式名称は「turret terminal」と呼ばれます。 正式名称を散々探しました。「terminal screw」で探すと、端子ブロックのみがヒットして困惑することになります。
現行品では、貫通して導通しているタイプの、ネジ式のものは探しても見つからず(あればご教示いただければ幸いです)、keystoneの「1613-1」〜「1613-4」が代用できるのではないかと思います。
ラグ端子は、keystoneのようですが、11連は販売されていません。

ロータリースイッチ:オリジナルは特注ですが、以下の通り、汎用品で代用できます。回路については後日解説。
selecter switch:5接点2回路 1段 30度 (東測 RS300,RS400,RS500等)
mode switch : 8接点10回路 5段 20度 (東測 RS300,RS400,RS500等)
treble switch:11接点1回路 2段 2段目は足場として利用(上記「ステレオアンプ実体図集」の説明参照)(東測 RS300,RS400,RS500、aliexpressのuxcell 11接点1回路3段等)
bass switch:11接点2回路 3段 2段目は足場として利用(上記「ステレオアンプ実体図集」の説明参照)(東測 RS300,RS400,RS500、aliexpressのuxcell 11接点4回路4段等)

レバースイッチ:オリジナルは特注ですが、以下の通り、汎用品で代用できます。回路については後日解説。
7play or monitor:2段(両面)2接点(2段階上下)  (ギターの修理パーツ)
7equrizer:6回路3接点 (30度3段階、2枚プレート) (東測 LS700(注文生産))
SL7R:6回路3接点 (30度3段階、2枚プレート) (東測 LS700(注文生産))
SL7H:6回路3接点 (30度3段階、2枚プレート) (東測 LS700(注文生産))

裏面パネル:上記cloneを作られているサイトのクローン2作目(「2代目Marantz7 Clone」)に、図面とレタリングのpdfが掲載されています。正面パネル、背面パネル、内部のサブパネルについては、上記「ステレオアンプ実体図集」に図面の記載がありますが、汎用の箱を流用しており、完全にサイズをコピーしたものではありません。

https://www.audio-blog.jp/2019/05/04/marantz7_clone_plan/
http://www.asyura2.com/18/revival4/msg/155.html#c11

[リバイバル4] 和山通商 マランツ7 プリアンプの再現真空管アンプ完成品 販売価格: 21,000円(税込) 中川隆
12. 2022年2月12日 10:37:55 : hWN1wv8jWI : NzFSNHRrTkxkLy4=[16]
その後の氏家式マランツ7その2
投稿日:2019年5月5日 更新日:2019年5月18日
https://www.audio-blog.jp/2019/05/05/marantz7_2/

改めて、自作の氏家式マランツ7(イコライザ―部分をプリアンプとして使う)を聞いてみました。
後述の通り、片チャンネルが接触が悪く、あまり聞いていませんでした。

パワーアンプは、91Bタイプです。
このマランツ7を追加したところで、それほど変わるわけではないですが、克明さや説得力、旨味が増すような方向に思えました。すさまじい速度感、立ち上がりの速さ、これでもかという強いアタック。ある意味、ごつい音かもしれないし、聞き疲れする音かもしれません。JBLのブックシェルフで、大型スピーカーのように鳴っていました。ウェスタンの755パンケーキをエルタスで聞いたときは、大型のホーンと同じような分厚いサウンドでしたから、スピーカーとアンプが良ければ、必ずしも大型スピーカは不要です。

なお、若干アレンジしています。フィラメントを、定電流点火で、コンデンサを10000ufにしたりなど。

片側チャンネルだけが、音が出ないトラブルがことがあるトラブルが時々生じたので、調べてみると・・・
サブ基板のアース端子につながる2つの端子を、2枚の卵型端子で別々に絡げ、ねじで締めあげて導通していたので、ねじが緩むと、音が出ない状態でした。
ねじを締めると、あっけなく治りました。

https://www.audio-blog.jp/2019/05/05/marantz7_2/
http://www.asyura2.com/18/revival4/msg/155.html#c12

[リバイバル4] 和山通商 マランツ7 プリアンプの再現真空管アンプ完成品 販売価格: 21,000円(税込) 中川隆
13. 2022年2月12日 10:39:36 : hWN1wv8jWI : NzFSNHRrTkxkLy4=[17]
marantz7 クローン計画ーロータリースイッチの回路図の読み方
投稿日:2019年5月6日 更新日:2019年5月18日
https://www.audio-blog.jp/2019/05/06/marantz7-rotary_switch/


marantz7t ASSEMBLY MANUALをヤフオクで落札できたので、簡単にコピーできるのではないかと思っていたが、まずその回路図がマニュアルのどこに掲載されているのだ?(70頁に掲載)から始まって、回路図を見ても、ロータリースイッチの記号が意味が分からなくて困った。次にその記号の意味が分かったけれども、これらが特注品であるので、汎用品に落とし込まなければ。。。
順に説明する。

<ロータリースイッチの記号について>
marantz7t ASSEMBLY MANUALのロータリースイッチの記号が意味が分からず、いろいろ調べても説明するサイトがない。


「Marantz 7 File Sharing」の「Marantz 7C • Schematic • Size Ledger or A3」からmode switchの部分を引用

いろいろ調べて、ロータリースイッチの画像などを検索すると、ようやく理解できた。この図はスイッチの構造そのものを模写していると分かった。

以下のロータリースイッチ通則17頁の図によれば、16導体板は、つまみの回転に伴って回転する12ローターに固定されている。回転しない11ステータ(ガラスエポキシ、ホウローなど)には、14大端子、13小端子、15中継端子が固定されている。

16導体板の内側の円まで伸びている14大端子は、16導体板が回転しても、16導体板と摺動しながら常に導通を保つ。通常は14大端子は、1回路に1つのみ。

13小端子は、複数個が設けられており(小端子の数が、通常は接点数になる。)、16導体板が所定の角度に至ったときだけ、16導体板のうち外側に突き出た突起(青い丸印の部分)が接触する。これにより青い丸印にある13小端子は、16導体板を介して、14大端子と導通する。

このようにして、複数の小端子 対 1つの大端子で接続を切り替えるようになっている。この例では、14大端子は2つあり、14大端子1つに対応してそれぞれ6つの13小端子があり(6つの接点の中から1つを選択)、12ローターの回転に伴って、同時に2つの回路が切り替わる(2回路6接点)。汎用のロータリースイッチは、2回路6接点を実現するため、1つの半円の導体板の中だけを摺動するようになっており、180度以上回転しないようにストッパーが設けられている。

ロータリースイッチ通則17頁

ロータリースイッチ通則18頁

「ロータリスイッチ通則 – 防衛省・自衛隊」(pdf)17頁、18頁から引用(ただし青い丸は加筆した)
上記を理解したうえで、ロータリスイッチ通則18頁を見てみると、円の内側まで伸びている矢印がある○12、○6が大端子で、通常は、常に導体板と導通がある部分であり、その他の短い矢印が小端子である。この図では、1,7の小端子が、導体板を介して大端子と導通する状態になっている。

矢印がない部分○5の中継端子は何も導通していないが、部品を固定するただの足場としてのラグ端子となっている。

ここで改めて、marantz7のmode switchを見てみよう。内側の円にまで突き刺さる矢印が上記のロータリスイッチ通則18頁の大端子に相当する。短い矢印が小端子である。大端子は、選択された入力を、出力バランスを調整する抵抗を経て増幅回路へつなぐ。

ところが、marantz7のロータリースイッチは導体板が特殊であり、汎用品なら導体板の突起は1回路のみを選択できるよう1接点分の幅しかないが、複数接点分の幅が設けられているものが多々あり、この特殊仕様により、小端子も導体板の回転時に導体板と摺動しながら一定の角度の間、接触を保ったり、直接に小端子同士接続したりするなど、複雑な接触状態を1つの回路で実現できるようになっている。また、このモードスイッチは特殊であるので、汎用品のように半月状の導体板内だけで摺動して接続を保つのと異なり、大端子は、半月状の導体板内を超えて、いったん接続を切り、他方の半月状の導体板へ移動して、ステレオの左右逆を実現するようになっている(図はステレオのポジションで、さらに時計回りに30度回転する。なお、この回路図は、正面パネルから見た図であり、実際の導体板は、左右逆のものが裏側に見える形で設けられている(marantz7t ASSEMBLY MANUAL p35)。)。

もちろんながら、メーカーがこのような特殊仕様に応じてくれるかは不明であり、択一的な接点選択のみが可能である汎用品で構成するなら、複数回路に分けてこの複雑な接触状態を再現するしかない。

ばうmasatdm900@gmail.com より:
2020年12月19日 6:38 AM
初めまして。
とっても参考になりました。
真空管ラジオをレストアしています。
余りにも埃やら接する金属表面の酸化が酷くて、分解しようと作業し始めてみたら、中のローター部が外れてしまい、何が何やら?になりました。裏と表は別の回路になっていて余計に困惑しました。
外す前に、配線写真、ローターの位置写真をこまめに撮っておく大切さを学びました。無事組み立て完了したら、今度は接触不良に見舞われまして、摺動板表面にハンダで盛り上げて成功しました。
長い時間活躍した真空管ラジオであればある程、手を加える必要がありました。
理解し易い図もありがとうございました。

yama より:
2020年12月19日 4:26 PM
マランツ7のクローンを作っている方に伺ったら、市販品のトウソクのロータリースイッチで回路を再構成するということだったと思います。
(ここの頁を示しながら、教えを請いました。)

金属表面の酸化については、ピカールがよいという風に、youtubeで勧めていますね。
結構取れます。お勧めです。
ウェスタンサウンドインクの91bの製作記事(「300B book (別冊ステレオサウンド) 」参照)では、
酸化膜を取り除いて、予備半田をしたうえで、はんだ付けをするのが当然、と書いてありますね。ノイズ面では重要なところかもしれません。
以前、紙やすりでやろうとしましたが、大変すぎて挫折した覚えがあります。

https://www.audio-blog.jp/2019/05/06/marantz7-rotary_switch/
http://www.asyura2.com/18/revival4/msg/155.html#c13

[リバイバル4] 和山通商 マランツ7 プリアンプの再現真空管アンプ完成品 販売価格: 21,000円(税込) 中川隆
14. 中川隆[-13720] koaQ7Jey 2022年2月12日 10:45:33 : hWN1wv8jWI : NzFSNHRrTkxkLy4=[18]
自作オーディオ
http://www9.wind.ne.jp/fujin/diy/audio/amp.htm

このコンテンツは私が作製したアンプを紹介するだけのコーナーです。
私は、ここで紹介しているアンプの製作をこのコンテンツをご覧になった方に勧めるものではありません。アンプ作りには多くの知識・ノウハウを必要としますし、またその製作過程の中には危険を伴う場合があるからです。それと私の作品には私の独創的回路はありません。いずれの作品も技術誌、HP等を参考に製作したものです。



マランツ#7イコライザーアンプ(上)とラインアンプ(下)

2006年2月25日
今後LPを買う予定はまったくないのですが、なんとか良い音で聴きたくなって真空管式プリアンプとして有名なマランツ#7のイコライザー部をコピーしました。
外観は左のとおりですが、中身の製作法は氏家高明氏の著書を参考に、極力その手法を真似ています。下のラインアンプはイコライザーやCDを切り替えることと、入力信号を数倍増幅し、メインアンプに充分な電圧の信号を与えるためのものです。

光の具合で上下の色が違って見えますが、まったく同じ材料で、同じやり方で作っています。高さ以外のサイズも同じです。
http://www9.wind.ne.jp/fujin/diy/audio/amp.htm


イコライザーアンプとラインアンプ
http://www9.wind.ne.jp/fujin/diy/audio/77/eq.htm

■イコライザーアンプ
 

有名なマランツ#7のイコライザー部を作りました。
内容は『UZIKEアンプ』(氏家高明さん著)を参考に、氏家さんの製法を極力踏襲しています。

私はイコライザーアンプは、かつて2台製作しました。
一つは学生時代に作ったマッキントッシュC22のコピー版。それから1年半後にMJ誌掲載された安井章氏のものです。この安井式アンプは、その後27年も使うほど音質は気に入っていました。しかし去年の冬、事情があって友人のK君のところにお嫁入りしてしまい、そうなるとLPを聴くならC22コピー版しかありません。

ところがこのC22コピー版は正直言って失敗作なのです。
まったくの休眠状態で、たまに思い出したかのように音出ししても音の輪郭の甘さ、低域の弱さ、高域の伸びの悪さ、ヌケの悪さはどうしようもありません。

天下の名器といわれたマッキントッシュC22の音質とはこんなものか、とは思いません。私の技術の未熟さもあるでしょうし、ひょっとしたら部品を間違ってしまった(100Kの抵抗を10Kにしてしまったとか)かもしれません。

安井式アンプがなくなったので久しぶりにC22コピー版をひっぱり出して蓋をあけたら、我が作品ながらこんな作り方をしていたのかとびっくり。まず、ヒーターの点火電圧が低すぎます。
12AX7を3本直列にして点火するので37.8V必要なのですが、31V位しかありません。これではカソードが充分熱せられず、特性にもかなりの影響があるでしょう。

次に球の配線状態に愕然。12AX7の二つのユニットを左右に振り分けて配線しています。
つまり
右:【(1/2)12AX7 → (1/2)12AX7】 → (1/2)12AX7(KF)
左:【(1/2)12AX7 → (1/2)12AX7】 → (1/2)12AX7(KF)

とすべきところを
右:【(1/2)12AX7】 → 【(1/2)12AX7】 → (1/2)12AX7(KF)
左:【(1/2)12AX7】 → 【(1/2)12AX7】 → (1/2)12AX7(KF)

としていたのです。(同じ色のカッコが1本の球です)
いうまでもなく、12AX7の二つのプレート間にシールドはないので、信号が一方から他方に飛びついてしまいます。当時はそんなことを考えて配線してはいませんでした。高域の甘さ、ヌケの悪さは、案外こんなところが原因かもしれません。

プリント基板(そもそもこれが自己流)で作っているので改善するなら最初からやり直す以外ありません。そうこうしているうちにネットで知り合った氏家さんから、マランツ#7は目眩を起すほどの好音質と聞き、C22コピー版も古いしそちらを作ってみるか、とはじめた次第です。

●回路の疑問

回路は次のとおりですが、少々気になるのは時定数3段のNFBということです。C22コピー版を作った時#7と回路の比較をしましたが、この時定数3段が#7を作らなかった理由なのです。そして2段目から初段に22pFを使ってわずかに正帰還をかけています。氏家さんに言わせれば時定数3段のNFBと共に、この正帰還があるため常識破りの音質が得られるとのことです。

マランツ#7のイコライザー回路には私程度の者でも感じる疑問点がいくつかあります。

初段のグリッド〜アース間につながれた47kと1Mは意味不明。それとグリッド〜カソード間の100pは不要です。
この47kと1Mは、47kを1本グリッド-アース間につなげばいいと思うんですが。

100pを付ける理由は大体わかります。放送局が近くにある強電界の地域では、まれにわずかですが放送を受信してしまうことがありますから、メーカー側としてはユーザーのクレームを回避するためにやむなくこうしていると思われます。これは不要ですがせっかくだからつけておきます。

次に動作上の疑問は、初段と2段のIpは0.3〜0.35mA位になりますのでこの設定では12AX7のEp-Ip特性のカーブがやや寝ているところを使うことになり、12AX7の動作としては直線性上も、歪的にも少々不利のような気がします。さらに初段のカソード抵抗が4.7kと12AX7にしてはかなり大きくなっています(だからIpが小さい)。2段目に至っては6.2Kという大きさです。
初段も次段もプレート負荷は270Kと比較的大きく、大きなカソード抵抗と合わせてIpを絞ってプレート電圧とバイアス電圧を確保しています。

初段のカソード抵抗が大きければ3段目の負荷がやや軽くなりますが、交流的には初段のカソードから250μのコンデンサーを通して510Ωの抵抗が並列につながっていますから合わせて460Ωになり、4.7kはほとんど無視された恰好になります。250μは510Ωを直流的に切り離して初段のバイアスを保つためと思われますが、この510Ωがあるために交流的にはかえって重い負荷になっているのです。仮に4.7Kが3段目の負荷を軽くするためだとしたら、2段目に6.2Kを使う理由は何なのでしょう?単にIpを少なくするためとしか思えないのです。そうだとしたら2段目のIpを少なくするのに何のメリットがあるのでしょう?

ここで『UZIKEアンプ』の一節を思いだします。
氏家さんは電圧増幅には電流(Ip)はいらない、と書いています。また#7の設計手法に大きな影響を受けたとも書いています。あるいはこのことと関係があるのかもしれません。

そして最大の疑問はカソードフォロア段のカソード抵抗(負荷抵抗)がわずかに27.68Kということです。Ipは2mAに近く、12AX7の動作としては異例というほかありません(C-22は330K)。
交流的にはこの27.68Kに1Mの抵抗、RIAA素子のインピーダンス(100Hzで245K、1000Hzで59K、10000Hzで12K)、初段で合成される460Ω、さらには私の場合、ラインアンプの100kのボリュームにつながりますから、交流的負荷はますます低くなるのです。

以下は私の想像ですが、カソードフォロアの出力インピーダンスは1/gmになります。gmはIpに伴って増加するので、#7の設計者は少しでもIpを多く流してgmの大きい(12AX7のgmなんて知れていますが)領域を使って負担を小さくしようと思ったのではないでしょうか。もっともそうだとしたらもっとgmの大きい球を使えば済むわけなのですが・・。

これらの設定は私には理解の外ですが天下のマランツ。私などには思いもつかぬ深い考えがあってのことでしょう(と自分に言い聞かせています)。

電源部はとりたてていうほどのものではありません。
B+の整流はファースト・リカバリ・ダイオード、ヒーター部にはショットキー・バリア・ダイオードを使っています。

高圧の電解コンデンサーは市場の原理が働き、今では本当に入手難です。チュブラーはUNICON、ブロックはJJです。この二つもいつまで供給されるでしょうか?

入手難といえば、トランスのEV-3Sが見つからず、ST-30にすると掲示板に書いたら氏家さんがISOの特注品を譲ってくださるとのことで助かりました。

 

LEDには15mAのCRDを直列に入れてあります。万が一12AX7のヒーターが断線して電圧が上がってもLEDが破壊されないよう保護するためです。それとどれほど効果があるかわかりませんが、電源トランスの一次側にはノイズフィルターを入れておきました。

●製作

今回一番大変だったのは、サブ・シャーシーの加工と、基板作りでした。 私は力はないし、不器用だし金属加工はニガテなんです。『UZIKEアンプ』の実体図をほぼ原寸に拡大コピーして、これを切り抜いてベーク板やアルミ板に貼り付けて加工していきます。


チクショウメ・・・これでロクな音が出なかったら、ネットで茶@のヤツをコキおろしてやる・・・などと思いながら、危なっかしい手つきで金ノコやドリルを使ってギコギコと加工していく私でありました(笑)

氏家さんはベーク基板にピンを埋め込みましたが、私は適当なモノが見つからないし、ピンは基板の裏でハンダ付して固定するわけではないので、なんとなく不安定です。そこで3φのボルトナットで代用しました。

基板を作ってからCR類を取り付けますが、これがある意味、実に面倒です(笑)
私は今まで実体図を見ながら配線をしたことなんてありません。すべて配線図だけで行なってきました。氏家さんには失礼ながら、実体図を見ながら本当にこれでいいんだろうな? と疑いながらの配線です。

パーツは抵抗はリノケーム、カップリングコンデンサーはASC、電解コンデンサーはニチコンです。
氏家さんの作品と違って本機はイコライザーだけなので、負帰還のCRは基板上に空中配線しました。
それと増幅部の2箇所のアースは入力端子近くのLPプレイヤーのアース端子につないでいます。
電源のLED点灯にCRDを使ったこと、RIAA用のCRの空中配線、増幅部のアースのとり方。この3点が氏家さんのやり方と違うところです。あ・・あとケースも(笑)


それにしても私は今までこんな不思議なアンプは作ったことがありません。
回路上の疑問もさることながら、ベーク基板上の配線のことです。必ずしも最短で結ぶ配線ではなく、わざわざ迂回したり増幅部ではアースを2点でとったり。

 

ケースはTopの写真のとおり、300Bアンプ方式です(^。^)
ホームセンターで買った板とアルミを、これまたキコキコと加工して板にはビニールシートを貼り、アルミはスプレーで塗装しました。

さてケースにトランスをはじめ、増幅基板、入出力端子等を取り付けて結線。一発で音出しに成功しました・・・しかしなんということか。ハム音も元気いっぱいなのです!

こりゃ困った。こんなにハム音が大きくてはどんなに音が良くても話にならん・・・・。音からしてトランスからの誘導ではなく、アースのとり方以外に考えられません。電源スイッチを切るとハムはすーっと消えます。アースがループになってハムを拾っているとしか思えません。

アースは増幅部に2箇所、電源部に1箇所あります。つなぎ方を変えたり、ひょっとしたら平滑回路の容量不足でリップルが乗っているのか・・いや違う・・・試行錯誤すること2日間。もうほとんど諦めかけた時、ふと閃くものがありました。

大変な間違いをしていることに気がつきました。
電源トランスはシャーシーにネジで固定し、電源基板はトランスの上にL金具で固定してあります。このため電源基板(アースが落としてある)はトランスを通してシャーシーにつながれ、特別に結線しなくともアースされていたのです。
これははじめから承知していました。アースにつながっているんだから結線する手間が省ける・・・・。

まったくうかつでした。
これでは電源基板→増幅基板→入出力端子→シャーシー→トランス→電源基板の巨大ループができてしまうのです。トランスとシャーシー間を切断しなくてはなりません。トランスをシャーシーから浮かせるため、トランスーシャーシー間に絶縁体としてCDのケースを挿入してテスト。
OKです。ハム音はほとんど聞こえなくなりました\(^o^)/
で、実際のトランスは左のようにベーク板を使ってシャーシーから浮かしています。

アースのとり方は左のとおりです。赤い線が電源〜増幅部のアース線です。
増幅部と入出力のアースはシャーシーの1点に集中させています。

プリ、特にイコライザーのアースは微妙な要素があって本当に難しいと思います。もっとも今回の原因は私が手抜きしたためですが(笑)
これがメインアンプなら、おそらくまったく問題にはならなかったでしょう。解決には2日かかりましたが、これくらいで済んだのは運が良かったのかもしれません。

ハムは実際にはほんの少し残っています。このアンプの初段はカソードが交流的にアースされていないのも原因の一つかもしれません。
電池駆動でもない限りハムを皆無にするのは不可能ですから、ある程度のところで妥協することも必要です。今回は納得できるレベルでまとめることができました。

ホッと一息ついて、各部の電圧をチェックしたところ氏家さんの配線に比べてB+は5V、ヒーター部は0.5Vほど高めです。これ位の誤差ならピタリといっても差し支えありません。初段と2段目のプレート電圧は左右で5〜10V位の差があります。これは負荷抵抗の誤差というよりは12AX7自体のバラツキのせいでしょう。負荷抵抗が270Kと大きいのでわずかなバラツキ(Ipの違い)でも電圧差は大きくなるわけです。ちなみに使用した12AX7はナショナル製で(T)となっています。

●試聴

最初にかけたLPはWe Get Requetst / Oscar Peaterson(1961年録音)。
続いて手持ちの中から高音質と思っているモノをたて続けにかけてみます。
Crystal Silence / Chick Corea & Gary Burton(1971年)、Ballads Burton / Ann Burton(1967年)、Big Blues / Art Farmer(1972年)

素晴らしい音質です。自画自賛かな(笑)
思わずLPってこんなに良い音だったの?!、と思ってしまいます。

各楽器の伸び、輪郭の明瞭さ、透明感、余韻等、今までとは全然違います。音量を絞ってもその傾向はほとんど変わりません。
従来はピアノのハーモニーが時には暴れて音が濁る傾向がありましたが実にきれいにハモります。
今までLPは増幅段数が増えるため(イコライザーのこと)音が甘くなるのはやむを得ない、と思っていましたが大変な間違いであることを知りました。

■ラインアンプ


 

さて、イコライザーアンプはできました。

しかしイコライザーの出力だけでは、あるいはCDプレーヤーの出力だけでは少々力不足です。 第一LPやCD等の入力を切り替えられません。そこで急遽手持ちの部品を適当に使ってラインアンプを作りました。新たに買ったのはトランス、入出力用ピンジャック、真空管ソケット、電解コンデンサー位なもので、10000円位で仕上がりました。超ローコストです。

球は箱の中にゴロゴロしている6AU6の三結。16dBほどの負帰還をかけて2.3倍程のゲインになっています(計算上)。これでボリュームは夜中は9時、昼間は10〜11時の位置で充分。13時ではうるさすぎになりました。

P-G負帰還の特性上ボリューム位置の変化とともに入力インピーダンスも変わるし、仮に電源スィッチが切れていても(アンプは動作していなくても)、出力端子には微量ですが入力信号が伝わるという薄気味悪いアンプでもあります(笑)

SN比は抜群。ボリュームをMAXにしてもハムもノイズもまったく聞こえません。ケースのデザインや高さ以外のサイズはイコライザーとまったく同じに作ってあります。
それにしても・・・これって、氏家さんに何か言われそうだなあ(笑)

 

■今、我家はこういう状態です

イコライザーの上にラインアンプを乗せてあります。これにΠの字型に作った板をかぶせ、その上にCDプレイヤーを乗せました。

http://www9.wind.ne.jp/fujin/diy/audio/77/eq.htm
http://www.asyura2.com/18/revival4/msg/155.html#c14

[リバイバル4] 自作オーディオ 300Bシングルアンプ 中川隆
1. 2022年2月12日 10:52:07 : hWN1wv8jWI : NzFSNHRrTkxkLy4=[19]
300Bシングルアンプ 1997年11月製作
300B回路図
http://www9.wind.ne.jp/fujin/diy/audio/circuit.htm


ごらんのとおり何の変哲もないごく普通の回路です。真空管は、12AU7(パラレル)+12BH7(パラレル)+300B+5AR4です。初段のカソードには、抵抗(1KΩ)だけでケミコンはありません。この状態ですと初段管の内部抵抗が上昇してしまいますが、パラレル接続なので、良しとします。

整流管は、5U4Gと比較して5AR4としました。始めは半信半疑でしたが、整流管によって音質は確かに変わります。ただ、良いとか悪いとかと言うものではありません。好みもありますので、あえてこれ以上申し上げません。

さて最初からこの回路ではありませんでした。

最初はフィラメントはAC点火でしたし、オーバーオールのNFBをかけていました。(約6dB)ところが・・・・・・。

<ヒューズが飛ぶ>

ヒューズが飛ぶなど論外、と思っている都合上これは実にまずいことです。スイッチを入れるとすぐ飛ぶのではなく、使っているうちにしばらくすると飛ぶことがあります。必ず飛ぶわけではありません。配線に異常はありません。さんざん悩んだ末に「ひょっとしたら三段NFBなので高域か低域かはわからないが、どこかで異常発振しているのではないか」と思うようになりました。そこでオーバーオールから局部式に変更した次第です。(約9dB)それからはヒューズが飛ぶことはなくなりました。しかし、本当の原因はいったい・・。

<DC点火にする>

大学生の時作ったVT−52はちゃんとDC点火していましたが、AC点火の 方が音がのびのびする、などと言う製作記事にたぶらかされて(失礼!) AC点火で作りました。 しかし・・・。さすがにハム音が気になる。そこでブリッジ整流にケミコン 1個の一番簡単な回路でDC点火にしたところ、一応ハムについては解決しま した。 しかし・・・。スイッチを入れると「ブーン」と言うハム音がしまして、 300Bが動作し始めるとこの音は消えます。どうも気分がよろしくない。 ところが何気なくC、Rで普通の平滑回路にしたところブーンも消えました。 いったいこの原因はなんなのでしょう? これは、AC点火の時でも起こりました。 フィラメントが温まるまでの間、何らかの過渡現象(?)がおきて出力 トランスに50Hzが重畳されるとしか思えません。ご存知の方がいれば ご教授ください。 点火方式(ACとDC)で音が変わるかと言われれば、信ずるものは 救われる・・・・・? いやいや、そ〜ですねえ、ちょっとわかりませんよ。とショージキに告白して おきます。(それとも私の耳が鈍感なのかも)

<次の課題>

どうも電圧増幅二段と言うのはイマイチ ? ですね。なんとか一段で ドライブできないものか、しかし6AU6、6267のような五極管は 使いたくないし、トランス結合では初段管に適当なものが見当たらないし、 12AX7ではドライブ能力がないし・・・。などと思っています。 それとも、別のヤツをまた作るか!?
http://www9.wind.ne.jp/fujin/diy/audio/circuit.htm
http://www.asyura2.com/18/revival4/msg/160.html#c1

[リバイバル4] 自作オーディオ 300Bシングルアンプ 中川隆
2. 2022年2月12日 10:54:02 : hWN1wv8jWI : NzFSNHRrTkxkLy4=[20]
リメイク版300Bアンプ(設計編)
http://www9.wind.ne.jp/fujin/diy/audio/300b/300b-1.htm


Before After


1997年11月に作った300Bアンプをモデルチェンジしました。回路はかなりの部分変更してありますが無意味に変更したわけではありません。旧モデルの問題点をあげて、それを解決するよう図りました。

ただし私にはロクな測定器がないし、肝腎の耳もテキトーですので問題点は本当に問題なのか、あるいは本当に問題が解決したのかは不明です(~_~;)

  旧モデル 問題点 新モデル

電圧増幅段 12AU7(パラレル)
12BH7(パラレル)
@ 高入力容量のため高域悪化
A 電力増幅部を含めて直結部がない
(NFB時の安定度に問題あり)
B 12BH7では歪みが多すぎる?
@ パラレルをやめる
A 回路インピーダンスの低下を図る
B 直結回路にして安定したNFBをかけられるようにする

電力増幅段 自己バイアス 片CHで4.2Wの電力消費でかなり発熱する 半固定バイアスとする

電源   300Bヒーターへの突入電流に対応していない。(これについては対応する必要があるのかどうかわかりませんが、一応対応しておきます。) タイマー・リレー、MOSFET等を使ってゆっくり立ち上げる
 

■部品の再利用

旧モデルを解体して主要部品は再利用します(セコイ!)

電源トランス   タンゴ MS-200CT-A
出力トランス  タンゴ XE-60-3.5S
チョーク  タンゴ MC-3-350
XE-60-3.5Sは300B用として標準的な出力トランスかと思いますが無理してこんなに大型で重いトランスにする必要もなく、XE-20でも良かったかもしれません。
MS-200CT-Aはヒーター点火用として0〜4〜5V3Aが2組、0〜5V3Aが1組、0〜6.3〜10V3Aが1組しかありません。用途は300B、PX-25シングル用となっていますが、発売当時はヒーターの直流点火はあまり一般的ではなかったのでしょう。中途半端な組合せですがこれを使わざるをえません。
チョークだけは今回は使わず、MOSFETによるリップル・フィルターとしました。

■電力増幅段

普通でしたらプレート電圧や電流から設計に入りますが、今回はバイアス方法からはじめました。
バイアスの方法は固定、自己、それと両者の折衷である半固定の三とおりがありますが、今回は半固定で自己バイアス部は定電流回路を使いました。理由はつぎのとおりです。

1. 固定バイアスではグリッド抵抗が小さく、前段の負担が大きい
2. 定電流回路ならプレート電流の安定度は自己バイアス以上で、グリッド抵抗は自由に決められる(前段の負担軽減)
3. 定電流回路ならバイアス電圧は自動的に設定される(C-が変動してもバイアスは一定に保たれる)
半固定にしたのは自己バイアス方式にしても、定電流方式にしても、それだけではこの部分の消費電力が大きくなるため、少しでもそれを回避したいと考えたからです。
下記のとおりバイアス電圧は-60V、プレート電流は70mAですから通常ですと4.2Wの電力を消費します。定電流回路が安定動作するための電圧を15Vとすればグリッドには-45Vを与えれば良く、この時の定電流回路の消費電力は1.05Wと、1/4になります。もちろんこれはシャーシー内の温度上昇を少しでも防ぐためです。今回のシャーシーは木枠に天板のアルミ板を取り付けたため、放熱はかなり悪くなりそうですのでこのようにしました。

動作点は下の表の赤丸のところです。WE300Bには1本づつ特性表がついていますので比較的正確に動作点が選べます。プレート電流は70mA(緑)、ロードライン(青)は3.5Kです。


Epが300V程度でIpが70mAになるポイントをさがすとEpは310V、Egは-60V位です(赤丸)。バイアスを-45Vとすると定電流回路にかかる電圧を15V。プレート電圧は325V。出力トランスやデカップリング抵抗でのロスを加算すると供給電圧は340V位が必要になりそうです。グリッド抵抗は330K。前段の負荷抵抗は20Kで、合成しても19Kありますから前段の出力にほとんど影響を与えません。なお結合コンデンサーは0.47μです。
■回路

全体の回路です。電圧増幅段は5687。中間を直結とした単純な二段増幅です。


5687は本来コンピュータのスイッチング用として開発された球で、最近ではオーディオ用としても注目されています。
μ=18、gm=11500m、rp=1.56K、プレート損失=3.75W。
内部抵抗が大変低いですが、これはプレート電流を10mA以上も流した時の話で、それ以下の領域では3K前後です。しかしそれでもこの低さは魅力的で、大きなプレート損失と共に強力なドライブが期待できそうです。ただし強力なヒーター電力(6.3V、0.9A)とあわせて1本で約7Wもの電力を消費しますので相当の発熱が予想されます。

この球以外では12AU7、6FQ7、6DJ8を候補にあげましたがゲイン、出力インピーダンス等を考慮して5687に決めました。150Vp-p位の出力がほしいので12AU7、6FQ7では少々どころか、かなりきびしいところです。それと5687は手持ちで4本持っていたのも理由の一つです。

前記のように電力段は定電流回路を用いた半固定バイアスですが、実際には普通の抵抗(220Ω)と切り替えられるようになっています。定電流方式との音質の違いを確認するためと万が一、定電流回路が破損(ダイオードやトランジスタ)した場合の緊急処置用です。トランジスタは6AH4アンプでも使った2SC4793。シャーシー内の温度上昇を補正するため、ダイオード(600V1A)をつないでいます。


ハムバランサーのところは、実際には左のように固定抵抗2個をボリュームの中点につないでいます。ボリュームのブラシが接触不良になった場合のトラブルを回避するためです。でもこれによってヒーターへの供給電圧が弱冠下がりました。ま、当然ですが。

しかしながら今回のヒーター整流は我ながらなかなかよくできていてハム音はほとんど聞こえず、ハムバランサーを回しても変化が私の耳ではわかりません。ですからハムバランサーは不要でした。

電源として必要な電圧はB+で340V160mA、-50±5V程度のC−、300Bのヒーターとして直流5V1.38A(ハムバランサーに流れる電流を含む)が二つです(私の300B規格表には5V1.2Aではなく、1.28Aと書いてあります)。

B+の整流は旧モデル同様に5AR4を使いました。傍熱による遅延効果がありますので電圧増幅段の直結部に適しています。それにこの電源トランスはシリコン整流の場合電流が180mAになってしまい、これでは電流マージンが12%しかとれないのです。

シャーシーは自作ですので少しでも重量を軽くしようと思い、チョークの代わりにMOSFETでリップルフィルターを組みました。東芝の2SK2545。耐圧600V、40Wです。このFETは200円です。CRとダイオード、放熱器を含めても1000円程度ですのコスト・パーフォーマンスは大きいです。ソース〜ドレイン間、ソース〜ゲート間につないだダイオードは電源スイッチを切ったときの電界コンデンサーの放電電流の通路ですが、なくてもOKでしょう。

300Bのヒーター電源はショットキー・バリア・ダイオード(B6A03)による整流後、10000μのコンデンサー2個を使った平滑回路から遅延回路につなげています。この遅延回路はWEB上で見つけたもので、ゲートにつながれた半固定抵抗と固定抵抗、コンデンサからなる時定数で遅延します。立上りは10秒位ですが、B+の立上りより早くなくては意味がありません。

出来あがって3週間ほど経ってから、電源部に抵抗を挿入しました。電源回路の*です。この抵抗と電解コンデンサーCで時定数を構成しますからB+の立ち上り時間を調節できます。それまでの約15秒から約1分に遅らせました。これで完全にB+の立上りがヒーターより遅くなりました。これにどれだけ意味があるのか不明ですが。

FETは日立の2SK2936。これも1個200円です。ゲートにつながれた抵抗は0.2Ωですが、電流が増えた場合ゲート電圧を下げる役目があります。

ここの回路は出力電圧が5Vに近くなるよう、カット・アンド・トライでいろいろ試さなくてはなりません。整流直後の抵抗と、その次の抵抗です。結果として4.75Vになりました。-5%ですからまあまあというところでしょうか。ちなみに4.75VというのはWE300Bの時の値で、中国製300Bでは片側4.9V、もう一つが5.01Vになりました。

C-は120V端子から単純な半波整流で、約-44〜52Vを調整できるようにしました。これもボリュームの中点が浮いてしまった時のための予防策を施しておきます。半波整流なのでハム音が心配でしたが杞憂終わりました。

http://www9.wind.ne.jp/fujin/diy/audio/300b/300b-1.htm
http://www.asyura2.com/18/revival4/msg/160.html#c2

[リバイバル4] 自作オーディオ 300Bシングルアンプ 中川隆
3. 2022年2月12日 10:55:19 : hWN1wv8jWI : NzFSNHRrTkxkLy4=[21]
リメイク版300Bアンプ(製作編)
http://www9.wind.ne.jp/fujin/diy/audio/300b/300b-2.htm


■シャーシー

まずレイアウトです。

今回は木枠を作ってその上にアルミの天板を乗せるようにしました。天板のサイズは400 ×300×2(mm)です。レイアウトを考えてからサイズを決めたわけではありません。このサイズのアルミ板がホームセンターに売っていたからで、まずサイズありき、です。第一アルミを切るのが面倒ですから(笑)
私はレイアウトはEXCELを使って描きます。
列幅を調節して行の高さと同じくらいにして、一つのセルを10×10mmとみなします。その上にEXCELの描画機能を使って丸(真空管)や四角(トランス)を重ねて行くのです。

EXCEL上では図形の細かい移動が可能ですから便利です。もっとも私の知らない、もっと便利なソフトを使っている人がきっといることでしょうね。

昔からの私のクセで電源トランスはいつも向かって左側です。
どうしてだろうと考えたら、並三ラジオの標準シャーシーは電源トランスが左側だったことを思い出しました。三つ子のタマシイです(笑)

レイアウトが決まったらA3コピー用紙に清書してからこれをアルミ板に貼り、穴あけをします。
実はちょっと失敗しました。向かって左側の前後2本の真空管の位置が左側の出力トランスの中央になるはずだったのですが、どうしたわけか20mm位左になっています。穴をあけてから気がつきました。やり直しは大変なのでそのままです(笑)
それと正面のネオン球の取付位置が左すぎてバランスが悪くなっています。

さてシャーシー作りです。このアンプの重量は12Kg位になるのでしっかり作らないと後で大変です。

まず木枠を作ります。
外側はホームセンターで切ってもらいますが、入出力端子やスイッチなどの穴はジグソーを使って自分で切りました。厚みは22mm。結構大変です。左の写真は後から見たところで、細長い横穴が入出力端子やスイッチを取り付けるための穴です。
四隅にボンドをたっぷり塗って金具で押さえます。
予想外だったのはホームセンターでの加工精度で、正確に直角に切断できていません。つなぎ目に隙間や段差ができてしまいますし、上から良く見ると長方形ではなくて平行四辺形になっています。やむなく隙間はおが屑をボンドで練ったもので埋めて、段差はヤスリでならしました。

木枠は塗装したいところです。でも板のつなぎ目が左の絵のように45°で切断面が隠れるなら良いのですが、いわゆイモつぎというヤツです。どう考えても綺麗に塗装できそうにありません。バイオリンのように艶のある塗装に憧れたのですが


そこで苦肉の策です。目隠しのため(笑)、木目のビニールシートを貼ることにしました。まずまずの出来栄えかな。

アルミ板は穴あけ後スプレー塗装です。表面を#300〜500位の紙やすりでこすって傷をつけます。
中性洗剤で汚れ、手脂などをよくとってから水洗い。
乾燥後スプレーで塗装して、乾燥したらまた紙やすりで軽く傷つけて再塗装。
3回塗って1週間そのままにして完全に乾燥させます。

 


右下方の放熱器はリップルフィルター用のFETのもの

 


300Bは背が高いので39φの穴をあけて少し落としています。シャーシー内の放熱効果も少しはあるでしょう。(後ろの短いシャフトはハム・バランサー)

回路そのものは五球スーパーより単純ですから、配線は特別注意を要するようなところはありません。ただしアースポイントは各ブロック(第一増幅段、第二増幅段、電力増幅段、電源部)毎に、それぞれ独立させました。


禁断のウラガワ (配線前)

禁断のウラガワ(配線後)
ヒーター整流部(手前)と遅延回路部(右側)

■調整

まずスピーカー端子には8Ωの抵抗をつなぎ、300Bのバイアスは220Ω2Wの抵抗側にしておきます。
次に真空管はささずにスィッチを入れ、C-の電圧が-45V位になるように電圧を仮に調節しておきます。真空管をすべて差し込み、スイッチを入れて220Ωの両端の電圧が15〜15.5VになるようにC-を調整します。これで音が出ることを確認した後、負帰還を調整します。

オシレーター・・・と言っても6.3Vのヒータートランスに抵抗、ボリュームを取り付けただけです。もちろん50Hzで、0〜1Vを出力します。
これを使ってスピーカー端子の出力電圧が1.5Vになるようにします。この時0.28Wの出力です。NFB抵抗を調節して出力が0.75Vになれば6dB、0.5Vになれば9dBの負帰還になります。50Hzはシングルアンプには厳しい周波数ですが、NFBは相対的なものですからまあまあでしょう。
(このオシレーターのアイディアは情熱の真空管より拝借しました)

結論として9dBとしました。(9dB位と言った方が正確です)
簡単な測定ですが、各段の動作は次のとおりです。

  プレート電圧 バイアス電圧 プレート電流
初段 54V -2V 4mA
二段目 142V -7V 6.3mA
300B 312V -60.2V 69mA
■最後に

音質は大変満足しています。
旧型の300Bアンプを解体して3ヵ月以上たつので、音質を比較しようにも旧型のそれは忘れつつあります。音質上で細かい比較をするなら今回のような旧型部品の再利用は避けるべきですが、同じ電源トランス、出力トランスをまた買うほどフトコロに余裕があるわけではありませんからやむを得ないとは思います。作りたてだからそう思うのかもしれませんが今回のアンプの方が音質は上であることは間違いありません。

でもプログラムソースによっては時折高域がきついことがあります。以前にはなかったことで、これは5687のクセなのかもしれません。
SN比については旧型よりかなり改善されています。スピーカーに耳を密着させてやっとハム音が聴こえる程度です。遅延回路を通さず、もっと大きい抵抗でリップルフィルターを作れば良いのでしょう。

ノイズ・・・ザザザという・・・は時折聞えます。これは旧型と同じで、WE300Bはノイズが出るという話どおりです。SN比については気になる場合以外、測定は不要ではないでしょうか。要するにスピーカーに耳を近づけても聞えなければかまわないのですから。

何回か動作中に切り替えたのですが、定電流方式と普通抵抗方式による音質の違いは正直言いまして私にはわかりません。
名は伏せますがあるサイトで『劇的に変化する』と書いてありましたので、実験をするのが楽しみだったのですが期待はずれでした。もっとも聴きこんでいけば違いがわかるかもしれません。

■参考資料

現代真空管アンプ(黒川達夫氏)
情熱の真空管(木村哲氏)
mizunaga.jp (オーディオ知識)

2006年10月。
電力段の動作点を変更しました。Ep 312V、Ip 70mA、RL 3.5K はどうも効率が悪く、この電圧、電流ではRLは2.5K位が良いようです。でもXE60-3.5Sには2.5K端子がないのでプレート電圧を 350Vにしました。な〜に、トランスの320Vを360Vにつなぎ変えただけです(笑)。

これに伴って電圧増幅段の負荷抵抗、カソード抵抗等も変更しています。初段は少々バイアスが浅かったのでIp 2.8mA、バイアス-2.9V。次段のIpを6.7mAにしました。二段目のIpはもっと流してもいいかもしれません。

少々意外だったのが5687のバラツキで、私は5687を5本持っているのですがカソード電圧は66〜73Vの範囲でバラツキます。66V(Ip 6.6mA)のものが2本ありましたのでこれを使いますが、計算上は7mA流すつもりだったので予定が狂いました。本来5687はスイッチング用ですから、案外バラツキが大きいのかもしれません。

2009年6月。
マイミクの上田屋さんに歪特性と周波数特性を測定していただきました。

10Hzから50000Hzまでフラット。
その後150000Hzあたりにピークがありますが、おそらく高域補正をサボっているからでしょう。
NF抵抗に500pをパラレルにつなぎました。

 

 

これほど揃うとは予想もしませんでした。
出力は、

1W(0.2%歪)
5W(1%)
7W(2%)
8W(3%)
9W(5%)

我ながら見事〜♪

 
http://www9.wind.ne.jp/fujin/diy/audio/300b/300b-2.htm
http://www.asyura2.com/18/revival4/msg/160.html#c3

[リバイバル3] 和山通商 マランツ7 プリアンプの再現真空管アンプ完成品 販売価格: 21,000円(税込) 中川隆
27. 中川隆[-13719] koaQ7Jey 2022年2月12日 11:16:16 : hWN1wv8jWI : NzFSNHRrTkxkLy4=[22]

「マランツ#7型プリアンプの製作(1)〜(3)」(「ラジオ技術」1998年/11月、12月、翌年1月)氏家高明

やまちゃんのオーディオブログ
マニアなら知っておきたいオーディオ雑誌のお宝記事6 ネガティブフィードバック(NF)を用いたアンプ
投稿日:2015年2月12日 更新日:2017年10月15日
http://www.audio-blog.jp/2015/02/12/audio-magazine-part6/


対象とすると、スピーカのコーンの動きを制御対象にするか(モーションフィードバック)、その前のアンプの出力を制御対象にするかは、さておき、
まずそもそも、

@入力信号の出力電圧レベルと、帰還信号のレベルを合わせないといけないし、
(それにより、初めて制御といえるものになる。)
Aそれだけではなまくらで、応答が非常に遅い制御系となるので、
速度フィードバックなどを加える。
それにより初めて、まともにネガティブフィードバックが機能し始める。
だから、「化粧程度に6dbネガティブフィードバックをかけました」という記事を見ると、違和感を感じる。
「耳派」を歌うライターの先生方からすると、いくら試行錯誤して部品定数を変えても、
そういう理論がなしにして、ネガティブフィードバックがよくないという結論以外にたどりつけないだろうし、ネガティブフィードバックのアンプがもっさりしていて当たり前ではないか、思えてくる。
上記の通り、ネガティブフィードバックを理論的に、解析した記事は少なく、
電源を合わせて、球を変えて、作ってみましたという記事が多いが、
ラジオ技術の、氏家高明先生、D-NFBの野呂真一先生と、石塚俊先生の記事は、非常に精神性あふれる記事で役に立つように思う。
氏家先生は、マランツ#7について詳細に解説されている(あくまで感覚的にではあるが)。
先生の言う、「内部が半分ポジティブフィードバックがかかり、発振前の緊張した状態で、反応が速い」というのは、ようするに制御対象が不安定系で(例えば戦闘機のように尾翼が下にあり、俊敏な制御がしやすい)
しっかり制御がかかり、即応性がよいということなのだろうと推測する。
また、管球王国のウェスタン91Bのアンプの完全コピーの記事には、「ぷりぷりしたエナジー」とある。91Bには、20dB以上のネガティブフィードバックがかかっているが、要するに立ち上がりが速くないと、ぷりぷりしたようにはなりえない。

というわけで、ネガティブフィードバックについては、以下の記事を読んでおくべきだと思う。
@「マランツ#7型プリアンプの製作(1)〜(3)」(「ラジオ技術」1998年/11月、12月、翌年1月)氏家高明
・マランツ7の精神性を理解したうえで、肝となるフォノイコライザ部分の完全コピーの方法が説明されている。お勧め!
・フォノアンプのイコライザや、cd用のプリアンプに使える。
・なお、回路定数の1つについては、後の記事で訂正されている。

A「高帰還300Bシングルアンプの製作(1)〜(3)」(「ラジオ技術」1999年/4月、5月、6月)氏家高明
・本家、本来の3段の91Bアンプについて解説されている。

B「管球アンプキットを組む愉しみ W.S.I91type」(管球王国vol22 2001年秋)
・巷の2段増幅ではなくて、本家、本来の3段の91Bアンプを完全にコピーするべく挑むもので、ウェスタンの流儀について解説がある。配線の仕方も、忠実にコピー。

B−2「WE-91Bパワー・アンプの製作」(「ラジオ技術」2001年7月)新 忠篤
・本家、本来の3段の91Bアンプ、多大なブリーダ電流を流す点も、回路図上の忠実なコピー。
・配線の仕方は、コピーされていない。

C「D−NFB(NFB for Distortion only)の実験-6GB8(S)で1/400の低減率を達成!!」(「ラジオ技術」2000年/7月p44)野呂伸一
・ポジティブフィードバックを使って、ひずみを劇的に減少する。
・ただ単にひずみ低減というのではなくて、「透明感とハイスピード感」という記事内容に着目したい。

D「40KG6ASEPP OTLによるD−NFB実用アンプの製作」(「ラジオ技術」2001年/10月p42)野呂伸一
・上記Cの応用記事。

Eその他、無線と実験の松並先生の記事で、
「ネガティブフィードバックの量を変えると、目を見張るような変化がある」。
ラジオ技術の新先生の記事で「ボジティブフィードバックを入れると活き活きする」というのがあったが、いつの号だったかは忘れた。

http://www.audio-blog.jp/2015/02/12/audio-magazine-part6/


▲△▽▼

氏家式マランツ#7(イコライザ部分)ほぼ完成!
投稿日:2015年8月24日 更新日:2019年5月4日
https://www.audio-blog.jp/2015/08/24/making-marantz7s-equalizer-part-uzike-method/

念願かなって、ようやく氏家式マランツ#7を作りました。

2度目のチャレンジです。1度目は、材料の曲げ加工などで疲れてしまい、いつの間にかやる気を失っていました。今はなきタンゴトランスは長らく使わずにしまっていました。
PA0_0020.JPG
PA0_0023.JPG
このアンプは、プリアンプでして、過去記事の「マニアなら知っておきたいオーディオ雑誌のお宝記事6 ネガティブフィードバック(NF)を用いたアンプ」でご紹介した「ラジオ技術」1998年/11月、12月、翌年1月)氏家高明先生の記事に基づいて作りました。
イコライザ部分にネガティブフィードバックに特徴があり、高度な回路技術により、過渡応答の追従性能が高いアンプとされています。

<2015年9月2日追記>
上の図では、ネガティブフィードバックの配線を忘れていました。
150902_0027~01.jpg

主要部品は、すでに持っているトランスと真空管を除き2万円3万5千円程度でした。過去記事の「部品購入サイトの部品のセットを記録し、再現する方法」をフル活用して、慎重に2つのサイトで注文しました

しかし、主要部品は、2万といえども、やれ穴開け加工だとか、工具だとか配線とか、足場のラグとかを追加購入し、また、ホームセンターを5回以上通って制作したので、かなりの道具代などを追加で使ってしまいました。
また、温度調整機能付きはんだコテを買い、過去記事の「単線の配線材を試す。ウェスタン電話線、銀メッキ1.0mm単線ジュンフロン、47研究所0.4mm 単線」で紹介した、銀メッキ線を100m大人買いをしてしまいました。

<9月2日追記>
最初の発注による購入は、慎重に慎重を重ね2万円ほどでしたが、追加した手持ちの22000μFのコンデンサ、シールド線、エンパイヤチューブ、配線材、足場のラグ、無線と実験で音のよいとされたはんだ、電源フィルタのコイル芯、WAGOの接続端子、ホールソー、ドリル等の加工工具などなどの追加を考えると、到底2万ではできませんでした。また、サブ基板の9ピン周り、入出力線のシールド線の処理などは、かなりの手間でしたから、2万円で入手できるわけではありません。

シャーシーを加工中に気付いたのですが、誤って、上下逆向きになってしまいました。
PA0_0022.JPG
誤りに気付いた時には、かなりのショックでしたが、
箱は市販品を用いたので氏家先生のものと違い、底が開くタイプではなく、この配置のほうが部品に手が届きやすいのではないか、記事の中で徹底コピーを奨励する氏家先生でしたが逆向けでも、コピーの内容は同じではないかと気を取り直して、そのまま続行することにしました。機械加工で後戻りするのは、もう気力が残っていません。

当方のアンプは、アンプのサブブロックは、部品は異なれど実体配線図通りに作りました。
PA0_0021.JPG
ただし、アンプのサブブロックは、以下の点が氏家式オリジナルと違います。
氏家式マランツ7は、リケンの抵抗、ASCのフィルムコン、電界コンはチュウブラですが、
当方は、リケンの抵抗がもうすでになく高いということから、管球王国で高評価だったタクマンの音響用抵抗を使いました。酸金を主体に数値がない場合にはカーボンを使いました。プレート抵抗などは、カーボンのワット数が大きいものを使いました。音決めの出力段の510Ωは、巻線抵抗が勧められていますが、ここもカーボンのワット数が大きいものを使いました。フィルムはASCですが、250μfの電解コンは、アトムにしました。また、チューブラの電解コンの一部は、せんごくさんで入手した東信の音響用のチューブラでないものを使っています。
さらに、後に真空管v1のアースは、直接B電源へ返すように短絡する改造をしました。

電源はオリジナルがセレンの半波整流、氏家先生のものが「オリジナルに執着しません」とあり、オリジナリティがある程度認められると判断して、少々のデフォルメを行いました。PA0_0016.JPGPA0_0015.JPG
電源基板の表側には、主にB電源を、裏側には、主にフィラメント電源を配置しました。
氏家式マランツ7では、フィラメント電源、B電源ともに、ニチコンの高価なCEW?(4、5千円)が使われていますが、コストダウンのため、基板用部品を使いました。フィラメント電源には、とくに信頼性が高い長寿命の、前身がOSコンのサンコン製(「おやぢラボ オーディオ製作記」に詳しい)。なお、後でフィラメント電源には、CEWを追加しました(後に述)。また、B電源用には600V5Aのローム製SICのダイオードを2つ直列で使いました。
それから、B電源は回路や実態配線図をなるべく踏襲し、Cもほぼ回路図通りとしましたが、まず、チューブラはネット上でウニコンはいまいちと調べ、22μはF&T、33μはRUBY GOLDを使いました。B、フィラメント電源とも「「自作コイルによる音質の改善」(「無線と実験」2013年/3月p65 沼口眞一)鉛筆に銅線を巻きつけた、空芯式のチョークインプット(沼口式チョーク)を採用しました(過去記事「マニアなら知っておきたいオーディオ雑誌のお宝記事1 簡易定インピーダンスアッテネータ ノイズ対策」)。

それから、電源としては、「@「バイボーラトランジスタの使い方を考える」という一連の記事」(過去記事「マニアなら知っておきたいオーディオ雑誌のお宝記事8 トランスの作り方」参照。)の石塚俊先生の一連の記事から、@両波整流の電圧を同じにするべく、抵抗を入れる、Aブリーダを91Bにならって、必要電流の1/3流す
を実践しました。Bには、必要電流の10倍の10mAを流すべく、部リーダ抵抗は43kとし、フィラメントは、18.3vに70Ω程度のブリーダ抵抗を突っ込んでいます。そのため電圧調整のためにR005はΩ数を下げました。

さらに、AC電源としては、(「無線と実験」2013年3月号p50〜「音で判別するノイズ対策」安井章)に掲載の安井式の音響用電源フィルタを入れました。
PA0_0017.JPG

また、配線材としては、銀メッキ1.0mm単線ジュンフロンを使い、その上にエンパイヤチューブをかぶせて色分けをしました。4色程度しか市販されていないので、電圧に応じて深い色とし、赤はB、緑は、V1、V2のB、黄色がフィラメントとしました。このアンプでは、この配線材の音が色濃く出ているようにも思います。
さらに、電源基板を容易に外せるよう、WAGO(露光機の検討、「fppr感光剤による露光の準備の検討4 露光機の検討の続き」で使った)の2端子を使った。PA0_0018.JPG

さらに、出力インピーダンスは、50k以上にすべきとなっており、
しょうがないので、手持ちのコーアのSPR(「koaの抵抗のSPR5は、最高だ!」)の43kを出力に直列して付けました。

<2015年9月2日追記>
ちなみに、ノイズ対策の途中で、パワーアンプの入力インピーダンス(プリアンプに負荷すべき出力インピーダンス43k)が高く、ノイズの影響を問題視して、氏家先生の記事を当たったところ、
氏家先生のその一連の記事では、
そのイコライザアンプに好適なコントロールアンプも発表されており、
その記事を見ると、50kΩの固定抵抗と、100kΩのボリュームとが、
負荷として直列に配列されていることに気付きました。

真空管は、v1、v2がフィリップスの高信頼管、V3がソブテックの12AX7WXTです。

以上を前提に、音を聞くと、
一言で言うと、強靭で迫力があり、低域が非常に重く低く、分厚いサウンドですね。
オーケストラなどが素晴らしいです。
強靭というためには、過渡応答が素早くないとできないはずです。
当初は分厚すぎて、音像が拡大しているのか、もっと解像度がほしいと思いましたが、
パワーアンプだけに戻すと、透明だけど薄いと思える。
聞きこんでいくと、ラッパなどが非常に実体感を帯びて聞こえる。
高域はこの抵抗の直列のせいか、パワーアンプの入力トランスとの整合か、
低域の迫力が大きいからなのか、よくわかりませんが、
早めにロールオフしているというようにも思え、聞くに堪えなかったバイオリン協奏曲などが聞きやすくなりました。
<2015年9月2日追記>
上の図では、ネガティブフィードバックの配線を追加すると、
ノイズもかなり削減され、周波数帯域が広がり、音像の拡大は少し減り、
しかし、速度の速い様子は変わりませんでした。
以前ノンネガティブフィードバックの状態で速度が遅くないと感じたのも、
パワーアンプのせいかもしれません。
次は、この氏家式マランツ7につき、
当初50mAもあったノイズを、2mAへ修正していった、調整過程を
説明しようと思います。

https://www.audio-blog.jp/2015/08/24/making-marantz7s-equalizer-part-uzike-method/


▲△▽▼

氏家式マランツ#7アンプにつき、トランスについて補足
投稿日:2015年8月25日 更新日:2019年5月4日
https://www.audio-blog.jp/2015/08/25/explaining-trans-of-marantz7-uzike-method/
氏家式マランツ#7アンプ(過去記事の「氏家式マランツ#7(イコライザ部分)ほぼ完成!」)につき、トランスについて補足すると、
氏家先生のマランツ7の記事では、今は亡きタンゴトランスのEV−3Sを使っていますが、
代替品としては、橋本トランスのPT−60というのがあります。
電圧もすべて同じですが、(製作に関係がない巻線の5V(EV−3S)が、橋本トランスでは6.3Vとなっています。訂正します。)
15vの巻線はタンゴトランスが1.5A、橋本トランスが2Aなので、
フィラメント電圧を調整する必要が出てくるかもしれません。コンデンサ間の10Ωの抵抗の値です。
その他、春日変圧器さんへ特注する手もあります。その方が安いかもしれません。
特注する場合には、トランスの「最大容量」の半分のみしか使えないと心得てください。30wの電力が必要なら、60wクラスのトランスが必要になります。過去記事の「マニアなら知っておきたいオーディオ雑誌のお宝記事8 トランスの作り方」にあるラジオ技術の石塚俊先生の一連の記事は、電源に関して造詣が深く、電源については、全部読んでおくべきですね。そこでは繰り返し「まず電源トランスの磁束密度を下げろ」というのが出てきます。そのためには、より大きい容量のトランスを使えということです。これにより、鉄くさい、なまった音を回避できるということです。
それから、石塚先生は、「両派整流やppトランスの巻線を厳密にそろえるべき」とも繰り返しおっしゃっていますね。その巻線のバランスも、ラジオ技術を見て、特注してもいいかもしれません。その他、「イシノラボどっとこむ」さんの「店長のブログ」の「新開発“Xカレント回路”とは!(詳細説明)」に、リップル分とスピーカからのリターン電流で、混変調現象を起こすとあり、その辺も電源の考え方につき参考になりますね。

さらに、フィラメントの15v巻線をもう少し高くして特注すると、後で、定電流回路を仕込むことが出来ます(後述のとおり5V巻線を直列して利用できます。)。石塚先生によると、「ラジオ技術」2010年8月p117「球アンプは定電流点火すべし」などによると、「真空管の個性はエミッションの揺れの個性であり、フィラメントは定電流点火がよく、定電圧点火はだめ、定電流にすると6CA7が、音の純度が高い古典管のようになる、現在の球は、ダルエミッタさえ使っていないので、ノイズが大きいが、定電流点火によるとエミッションの揺れの個性を抑えられる」という趣旨ですから、大電流を流せる「Nチャンネル JFETトランジスタ, 500 mA, 3-pin TO-92」RS品番 806-1747((J105、フェアチャイルド製))等を使って、定電流点火するのが、音質向上の選択肢になりますが、後々の課題ですね。jFETは、電流ノイズが小さい特性があります。

それから、トランスの大きさも、EV−3Sとは異なるので、注意が必要です。
私は、タカチのCU−16Nを使いましたが、もしかすると入らないかもしれません。

ちなみに、EV−3Sは、内部をあけると、シリコンか蝋のような半透明の樹脂で固められていました。


上記JFET(J105、フェアチャイルド製)の定電流点火について、さらに調べました。
まず、上記5v巻線は余りで使いませんから、
特注しなくても、直列の巻線にすれば、JFETの電圧降下分を賄えます。
12AX7は、フィラメントの中点に端子があり、
その中点から電流を流すとパラレルとなり300mA、6.3Vです。
直列すると、12.6V、150mAとなります。
上記JFETでは、VGS=−0.5vのとき、
VDS>4.5Vで、300mAほぼ一定の電流がなかれますから、
0.5/0.3=5/3Ω(0.15w)の抵抗をぶら下げると,
つまり5Ωを3本並列につなげると、定電流回路の完成です。
jfet.jpg
<9月2日訂正>回路図は、抵抗の定数以外はあっているのですが、
特性シートが新旧2つあるようで、
入手して実測してみると、旧版は実質とあっていないように思え、
新版の左の図がある程度あっているようにも思えます。
放熱板がない場合には、許容されるプレート損失が0.625Wしかないので、
300mAも流すと、燃えてしまいますので危険です。
実際150mA流して、じりじり〜〜と燃えてしまいました。

また、特性図からすると、VGSを-1.2v程度に調整すれば、
<9月2日訂正>VDG=7V、VGS=−3.6〜3.8V、RGS=27〜30Ωとすれば、
150mA流れるようですから、JFETを2本パラレル用意して、
それぞれ定電流とすることも可能です。
その場合、上記抵抗は、1.2/0.15=8Ω27Ω程度へ変更することとなります。

なお、以上は計算上にすぎず、
必ずダミー抵抗などで、定電流特性を確認してからにしてください。
また、計算や接続に誤りがあるかもしれません。

<9月2日訂正>
実測してみると、VDG=7V前後、VGS=−3.6〜3.8V、RGS=27〜30Ωとすれば、
VDS=3.4V前後となり、150mA程度流せます。
温度によっても変わるので、放熱板など、さらに調整が必要です。
5V巻線を直列にすれば、+7V程度となる予定です。
定電流の特性がよいかどうかも、VGSに掛ける電圧と、抵抗値とに関係します。

12AX7の片側は、42Ω(=6.3V/0.15mA)ですから、
43Ωを3個直列して、129Ωとし、それに適切な高抵抗6.2kΩを直列して126Ωとし、
ダミー抵抗とすることを考えています。

https://www.audio-blog.jp/2015/08/25/explaining-trans-of-marantz7-uzike-method/


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氏家式マランツ#7、真空管アンプの調整
投稿日:2015年8月25日 更新日:2019年5月4日
https://www.audio-blog.jp/2015/08/25/marantz7-by-uzike-method-adjustment-of-triode-amplifier/

まず、前回の記事に追記しましたので、それをご覧ください。
5V巻線を利用し、直列にすれば、特注しなくても、定電流回路を構成可能です。

今日の本題に入ります。
真空管アンプの調整は、以下のとおりします。
1.まずフィラメント、B電源とも、トランスへは接続するものの、
アンプの信号回路へは接続せず、電圧を測定する。
このとき、電源回路のほうにブリーダ抵抗を接続していないと、
電荷がコンデンサへ残ってしまい、放電するには火花が散ることになるので、
必ずブリーダ抵抗で、電源オフとともに、電荷を流す。
そのために、ブリーダ抵抗は、必ず電源回路ブロックのほうに設ける。

2.次に、フィラメントだけを点火すべく、
フィラメント電源だけをアンプブロックへ接続し、
フィラメントの確認をするとともに、フィラメントの電圧を測定する。
ここで、今回のマランツ7アンプでは、いきなりトラブル発生!!
いったんは電源ランプがともるものの、数秒後ヒューズが飛ぶ(汗汗;)。2回やったが同じ。
ブリーダ抵抗に流れる電流が大きかったのかと考え、
とりあえず、B電源をトランスから外し、B電源の電圧を0にしてみると、
真空管3つのうち、2つしか点灯しない。
そこで確認すると、フィラメントの配線が間違っていました。
氏家先生の記事では、12AX7の9ピンのうち、
9ピンが省略されている実体配線図があり、
9ピンから数えると、1つずれてしまうのですね。この辺は注意が必要です。
ピン番号のいくつかを、ソケットにマジックで書いておくべきですし、
実体配線図にも、誤りを防ぐべく、追記しておくべきです。

以上の通り、真空管にB電源を通さず、試したので、
安全を期することが出来、よかったです。

3.次にフィラメントの電圧を測定します。
設定すべきフィラメントの電圧は、18.9V(直列12.6Vx2+並列6.3V)±5%となっており、
18.9V300mAです。5%の範囲にないと、寿命が著しく低下するおそれがあります。

氏家先生の回路図では、18.3Vとなっております。
電圧が異なる場合には、1000μFと22000μFの間の抵抗10Ωを
修正することになります。
この電圧は、ブリーダー抵抗によるブリーダー電流の量や、コンデンサの容量によっても変わってきます。
当初、オリジナルが3000μFであったこと、22000μFが高かったこと、
「コンデンサの容量を大きくすると、必ずしも良くない。ブリーダ抵抗で必要量の1/3を流すべき。」という前回紹介した一連の石塚先生の記事から、2200μFを3000μFとし、ブリーダに300mA流していたところ、電流供給が厳しくなったのか、供給電圧が下がったので、上記10Ωを修正しました。
PA0_0015.JPG
上記で緑がKOAのブリーダ抵抗、黒いのが巻線の10Ω。後に10Ωには並列に抵抗を入れました。

4.次に、懸案のB電源のチェックをします。
フューズが繰り返し飛ぶので、おかしいと思い、
許容電流が大きな5Aのヒューズにしてみると、
電源ランプ(上記フィラメント電源から定電流素子を介して供給)は付くものの、
煙+におい+シューという音+電圧がマイナス5V!?となり、
あわてて電源を切ると、ダイオードを逆接続していたことが分かりました。
シューというのは、電解コンを逆接続すると、そうなります。

普通のダイオードは、マイナス側に棒線が入っていて間違うわけないのですが、
ここで使ったダイオードは、ロームのSICを使ったもので、
パッケージは、足の数以外トランジスタと変わりないのですが、
仕様書の説明図が、表裏のどちらを示しているのか分かりにくく、誤ってしまったようです。
rohm.jpg
(上記の丸内、3角法では、描かないはずの線が描かれているので、混乱した。)

そこで、ダイオードを外そうとしたところ、外れないので、
からげていた部分をちょん切ることにしました。
初めから長くないダイオードの足がさらに短くなり、そのままでは足場へ接続できません。
そういうことも考え、初めから、ユニットごとに足場を設けていました。
ダイオードが気に入らないときや交換するときは、全部交換できるようにということです。
しかし、ここでは、SICのダイオードの値が高く、簡単にポイ捨てというわけにいかないので、
ダイオードの足に、平行に電線をはんだ付けして、
さらに、細いエナメル線を巻いたのち、熱収縮チューブで固めました。
PA0_0017.JPG
今思えばエナメル線では、はんだの乗りが悪く、無メッキ線を使うべきでした。

5.B電源ユニットのみを、トランスに接続し、信号回路のサブユニットへの電源供給はしない状態にします
300v程度。おかしくないので、次に移ります。

7.一応、信号部の配線をチェックします。
製作時には、チェックしながら進めていますが、
上記の通り、フィラメントの配線の誤りがあったので、再確認です。

8.B電源をいよいよ、信号回路の信号部へ供給します。
氏家先生の回路図の電圧と比較し、1ボルト程度の誤差でした。
夜間だと、電力会社がトランスを入れ替えたりするので、電圧が変わってきます。

7.パワーアンプをつないで、音を聞いてみます。
本来は、測定をするのでしょうが。。。

8.あれ?・・・音が鳴りません。??
セレクタ入力を、信号が入らない位置に、間違えていました。
前示した、オンキョーの929(過去記事「自作MCカートリッジ蝶の視聴4」)でも、間違えましたが、また間違えました。

9.いきなり音楽が鳴り始めました。
PCからですと、イヤホン端子をRCAへ変換するケーブルでつなぎます。
この接続ですと、耐入力が大きくないようですね。入力段のカソード、グリッド管の電圧が小さく、
ちょっと大きくすると、音がサチリ、ノイズが出ます。
後、ノイズが大きい。ハムと、ジーという音。
4.7kΩ入力のフラットアンプのセレクタ入力に切り替えると、
10Ω+4.7kのセレクタ入力よりも、ノイズが大きくなり、かつ耐入力も小さくなります。

次回はようやく、ノイズ対策について、触れていきます。

https://www.audio-blog.jp/2015/08/25/marantz7-by-uzike-method-adjustment-of-triode-amplifier/


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氏家式マランツ#7アンプのノイズ対策1(ハムノイズについて)
投稿日:2015年8月27日 更新日:2019年5月4日
https://www.audio-blog.jp/2015/08/27/fixing-noise-of-marantz7-by-uzike-method/
アンプのノイズとしては、思いつくところ、4種類ぐらいあり、

@ブーン(ハム)、
Aジー(高インピーダンスラインで、電波などの飛びつきを拾う。)、
Bちりちり(連続)、
Cボン(不定期)、またはちりちりちりー(不定期)

が考えられる。

今回は、@A、特にAが盛大に聞こえた。オシロで測ってみると50mVを超えた。
(ちなみに、Bは、はんだ付け不良、Cは電解コンデンサの寿命であると考えられる。)

「@ブーン(ハム)」の要因は、
(あ)電源のリップル、(い)アースループ(アースの取り方が1点でない)
が挙げられる。
今回のアンプでは、氏家先生の記事(過去記事「氏家式マランツ#7(イコライザ部分)ほぼ完成!」参照)をほぼ踏襲して作ると(ただしブリーダ抵抗は43k、10mAのブリーダ)、B電源のノイズは2mVしかなく、
それにもかかわらずノイズが50mVもあるとなると、
出力に混入したノイズか、入力に混入したノイズがアンプで増幅されたか、となると見当をつけた。
ハムノイズも少し聞こえる。
1000μf+300mAのブリーダ+4Ω程度+3000μFでは、0.5v/18Vのリップルとなる。
試しに22000μFを追加すると、リップルは50mA程度となるが、ノイズはほとんど変わらない。
(ただし、音色の面でよりしっかりした傾向になったので、底面に穴をあけ、結束バンドで固定することとした。)
結局電源には問題ない。とすると、アースループが怪しいとなる。
「ゴロピカ工房」さんの「イコライザーアンプとラインアンプ」によれば、トランスをそのままシャーシーに固定しては、巨大なアースループが出来上がるとのことで、それは製作時に知って、警戒していたので、信号サブ基板の切れ端を一枚はさみましたが、改善できていませんでした。ちなみに、石塚俊先生の一連の記事(過去記事「氏家式マランツ#7アンプにつき、トランスについて補足」参照)の「ラジオ技術」2011年3月p124にも理論的なことが触れられています。

そもそも、製作時には、アースループがなくなるように、相当な配慮をしていました。アース点はB電源の終端のマイナス側一点とし、入力端子では落とさないようにする(絶縁する)。サブ基板も一応、信号アースがされていますが、
メインの箱(シャーシー)とは、グロメットを介して絶縁し、アースループが生じないようにしていました。
ちなみに、ステレオアンプでは、入力端子でアース点を設けると、2点にアースするしかなくなり、アースループが出来上がります。入力端子でアース点を設けるには、おそらくモノラルアンプにするしかありません。特に左右の信号を分けて(左右対称構成で、電源トランス真ん中とするなどして)、入力端子を離すとそういうトラブルが生じます。だから、アース点はB電源の終端のマイナス側一点とするわけでして、氏家先生の記事で入出力端子がグロメットで絶縁されているのは、そのためにあるのではないかと理解しています。そしてアースループが出来上がると、単にハムノイズだけでなく、ピーンと鳴ったりして、ストレスのたまる高調波が、(耳に聞こえなくても)感じられたりします。確かに基準点は入力端子部分かもしれないが、高調波が聞こえると耳だれを起こすなど大変なので。。。今回も、V1側については、アースをかなり引きまわしているので(後の記事で後述)、ピーンというノイズが聞こえました。

・・・・・・・
その後、気付いたことは、
(A)氏家先生のマランツ7アンプの製作記事には、上記グロメットのようなもので、入力端子、出力端子、信号サブ基板が絶縁されているようですが、
グロメットの絶縁抵抗は相当に低いのです。8つも端子を設けると、10kΩを切ってしまいます。これは結構盲点かもしれません。
製作時にアースループに警戒し、絶縁がされていることをテスターで確認したときに、電流が流れて驚いたのです。
PA0_0022.JPG
上のアンプの入力端子で、黒いのを巻いています。それは製作時にグロメットの抵抗値がかなり低いことに気付き、絶縁テープ(ビニルテープ)を巻いたからでした。ビニルテープの絶縁抵抗は、テスターで測定すると2MΩを超えますが、締め付けを強くすると、テスターでも抵抗値を測定できました。そしてそういう風に修理している間に、端子の1つが壊れたので、1つ異質の端子が左上についています。
この白い絶縁素子は絶縁抵抗が十分にありました。次から作るときは、グロメットは回避すべきです。

(B)それでもハムが聞こえるので、上記トランスの絶縁が怪しく、再確認することにしました。上記サブ基板の切れ端を、トランスとの間に差し込んだつもりでしたが、上記2つの文献によれば、絶縁部材において、4つの取り付け穴を違えており、合計8つの穴が開いていました。私のものは単に、トランスと箱との間で、絶縁基板を挟んで、ネジの穴を貫通していただけなので、
トランスのねじを介して、シャーシーへ接地された状態になっていることに気付きました。つまりトランスのねじ⇔シャーシー間の抵抗を測ると、1Ωを切っていたのです。これはまずいということで、絶縁テープを巻きました。ちなみに、右下のねじ穴は、テープを巻いたのですが、導通していることに気付き、ネジ止めが後手後手になっており、後の課題です。

以上で、ハムノイズは聞こえなくなりました。なお、(B)は、ノイズ対策の最後のほうで気づきましたので、実際の検討順序としては後のほうでした。

<後日談>トランスを固定するねじは、後で透明のプラスティックに変えました。

つぎは、問題の「Aジー」というノイズについて扱います。
https://www.audio-blog.jp/2015/08/27/fixing-noise-of-marantz7-by-uzike-method/


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氏家式マランツ#7アンプのノイズ対策2(ジーというノイズについて)
投稿日:2015年8月28日 更新日:2019年5月4日
https://www.audio-blog.jp/2015/08/28/httpaudio-blog-jp20150827fixing-noise-of-marantz7-by-uzike-method-part2/

前回(「氏家式マランツ#7アンプのノイズ対策1(ハムノイズについて)」)述べた「Aジー」というノイズは、インピーダンスの不整合なのかよくわからないが、入出力ラインから混入する可能性が高い。

そして、電源のノイズが2mVと小さいことから、50mVのノイズがどこで発生するかをオシロを見ながら探る。そうすると、入力段のノイズがアンプにより拡大しているのではないかと見当をつけた。

学生の頃、「ノイズ対策するには、電線にアルミフォイルを巻けばよい」というのを聞いたことがあるので、試してみると、ノイズが減少した。そのアルミフォイルの一端を、箱の無メッキの部分に添わせるとよりノイズが減少する。出力のラインもアルミフォイルを巻くとノイズが減少した。出力ラインは、もともとカソードフォロアでそれほどインピーダンスが高くないはずであるが、イコライザアンプということもあって、周波数調整する、47kΩの抵抗がアースと信号との間に架橋され、インビーダンスが高くなっている。氏家先生の記事では、パワーアンプの入力インピーダンスは、50kΩ以上が推奨され(そうしないと発振の危険があるそうである。「一杯の珈琲とクラシック音楽」というブログの「マランツ#7 [オーディオ]」のコメント欄参照。)

しかし、アルミフォイルだと、意図しない部分が接触して導通しやすく危険であり、管理が大変である。

<対策1>
そういうわけで、本質的対策のためには、シールド線を使うことになる。シールド線は、中芯線の周りに導線が配置されており、その導線をアースすると、中芯線のノイズをアースへ流すことが出来、ノイズが下がる。シールド線の処理は、外側の皮膜を剥いで、中芯線周囲の導線を集め、よじるとともに、中芯線も剥いでよじり、それぞれ、はんだめっきをしたら、周囲の導線と中心線とが別れる根本において、熱収縮チューブなり、エンパイヤチューブなりをかぶせて処理する。氏家先生の記事もそうなっている。

そもそも、今回のアンプでは、入力端子のセレクタ付近は、全部、中芯が1線のシールド端子で構成していたが、そのアースは、入力端子→セレクタ→信号ブロックのアース→電源のアースとかなり引きまわしているので、そういうノイズを流すアースが迂遠となっていたので、そのノイズを流す作用がいまいち効いておらず、アルミフォイルを巻いた場合にノイズが下がることとなったと思われる。
そして、(A)前回申したように、アースを入力端子でとると、ステレオアンプでは特に、2点でアースすることになり、ハムが生じる一方
(B)入力ラインのシールド線に飛びついたノイズは、入力端子付近でさっさとアースに流したいという要請は、
通常行われているような、中芯線が1本のシールド線では、矛盾する。
そこで、入力信号線の新しい流儀として、
@入力信号ラインとしては、単なるシールド線でなく、
中芯線が2本の2芯シールド線を使うのがよいのではないかと考える。
つまり、シールド線の周辺部分の導線は、迂回せずシャーシーなるべく近くにアースへ、
2芯のうち1本は、直流電源へ戻る側のグラウンドへ戻す。そうすれば、直流電源へ戻る側のグラウンドや信号線のグラウンド側は、入力端でアースされることはなく、電源のマイナス側で一点でアースすることができ、ハムを回避できる。かつ、入力信号ラインに飛びついたノイズは、上記アルミフォイルと同様の作用で、箱のアースへ流すことが出来、上記矛盾は生じない。というわけで、根本的対策は、入力信号は2芯シールドにするのがよいのではないかと考えている。近年のPCの電源を見ると、鎖状の金属線を編んだラインで巻いてある。GarrettaudioさんのTECHFLEXと同じような機能を発揮すると期待できる。

<9月2日追記>
・表皮のノイズは、シャーシーの任意のところではなく、やはり、一点アース、つまりアース母線へ接続する方が、ノイズも下がり、聴感上のストレスも下がるように思います
(「氏家式マランツ#7アンプその後の補足1(ノイズ対策、オリジナルのアース方法など)」のモガミ電機のサイトの資料参照。)。
<9月6日追記>
「RCAケーブルの自作」を検索すると、
シールド線の接続方法として参考となる方法がたくさん見つかります。

<対策2>
それから、アンプの出力線については、もとの氏家先生の記事では、普通の導線を最短距離で出力端子へ結んでいる。しかしそれでは、アンプの手入れをするのに、毎回その線を外す必要が生じるので、私のアンプでは、その2倍ぐらいの長さにして余裕を持たせている(この点は信号サブブロックと電源サブブロック間も同様)。そして、上記パワーアンプの入力インピーダンスが15kΩの入力トランスなので、仕方なく自作マランツ7アンプの出力線に、直列に直接手持ちの43kΩを追加していたところ、インピーダンスが更に高くなってしまい、ノイズが大きかった。それゆえ、アルミフォイルの対策が効いた。
しかし、アルミフォイルでは、他と接触して導通しやすく、トラブルが大きいので、
A根本的対策としては、
アンプの出力のホット側を単線でなく1芯シールド線とする改造を行った。
シールド線の芯線周りの線は、上記はんだめっきの後、単線をつなげ延長し、「ラグ端子GND」(秋月)、または「卵ラグ」を介して、箱(シャーシー)へつなげて接地し、飛びついたノイズをグラウンドへ流す。
ちなみに、43kΩを直列していたのは、出力インピーダンス(パワーアンプの入力インピーダンス)をいかなる場合でも、50kΩ確保するためである。上記「一杯の珈琲とクラシック音楽」のブログのコメント欄で、ボリュームを50k、100k並列にすると、合成33kとなって発振するとある。
<9月2日追記>
氏家先生の一連の記事で、このマランツ#7イコライザアンプの後段に好適なコントロールアンプが紹介されており、そこには、50kΩの固定抵抗と100kΩのボリュームが直列に入っています。つまり、プリアンプにおける50kΩの負荷抵抗というか、パワーアンプの入力インピーダンスを確保するためと思えます。

<対策3>
さらに、43kΩの出力線は、抵抗などで接地されることなく、パワーアンプの入力段までひきまわしていたので、そのパワーアンプの入力ラインでもノイズを受けていた。
そこで、上記対策2で述べた43kΩを直列して接続した、出力線のホット側を、ノイズ的に接地すべく、
Bホット側と出力端子のグランウンド側を、手持ちの20kΩ(本当は、15kにしたかったが)で接続した。

<対策4>
真空管V1の信号ブロックのアースは、マランツオリジナル(ヤフオクなどで写真を記録しておく)を見ても、アース母線がわざわざ分離されており、浮島になっている。(下の写真左側のメッキ線。左から順に真空管がV1、V2、V3と並んでいる。ネジ穴を介してV2とV3は共通アース線となり、電源へ帰還する。)
PA0_0021.JPG

直流アースについては、後々の記事で述べるが、記事にはアース処理についてはあまり触れられておらず、かなり悩んだ。交流的には信号サブブロックのアースへ接続されているが、直流的には、上記浮島となっている以上、電流が電源ブロックへ帰る路がなく、電流が流れようがないからである。
氏家先生の記事を解析したところ、その写真で出力端子でマイナス側がV2と共通していることから、
「直流的には、入力信号のシールド線を介して、V2の出力端子のアース側を通り、V2の入力信号のシールド線のアース側→信号ブロックのアース母線→電源へ、というかなり迂回した帰還をたどる」ように思える。
<次の日に追記>
これは、少々間違いですね。出力端子でマイナス側がV2と共通しているからといって、
直ちに入力端子の位置で、V1、V2のアースが接続しているとはなりません。
氏家先生の記事を見ても、入力端子でアース母線のようなものは見えるけれども、
入力端子の位置で、V1、V2のアースが接続しているようには見えないですね。
「交流アース」と申していたのが、直流アースでもあって、
シャーシーに電流を帰還させているような気がしてきました。
なぜなら、V1のみが「交流アース」に接続され、V2、V3とはつながっていないからです。
V2、V3はアース母線を通じて、電源基板のアースへつながっているのです。

そこで、オリジナルの流儀に違反する可能性があるが、上の写真の通り、
CV1のアース側は、直接に電源の終端のコンデンサ側へ返す改造を行った(写真中央の黒い線)。
私のアンプでは以前のべたように、「アースループを防ぐため、入力信号側でなく、電源の終端のコンデンサ側へ一点アースすることにしている」から、その趣旨の徹底のためである。ここで直流アースを接続すべきコンデンサは、電圧分配された低電圧を安定化させるコンデンサとした。
この改造に伴い、アースループを防ぐため、
C−2 真空管V1入力の出力端子のマイナス側を、
V2と切り離し、V1の入力端子のマイナス側から取った。
氏家先生の記事では、徹底的にまねすべきと推奨されているが、係るCの改造をしても音質的には変わりないし(よりしっかりした傾向になる)、それだけでなく、V1側のみ生じていた「ピーン」という甲高い継続音のノイズ(発振音?)がかなり軽減された。

<対策5(将来)>
その他、将来的には、マランツ7オリジナルのV2のアースは、V3と共通だが、
共通インピーダンスの消去の観点から、
DV2も、V3のアースラインと切断し、
直接、電源の終端のコンデンサ側へ返すのがよいのかもしれない。

@の対策は、2芯シールドの入手を待っているが、まだ入手しておらずやっていない。
ABCの対策で、ノイズはオシロで測ると2mVとなり(オシロのノイズは、プローブ込みで0.8mV)、
とりあえずこれでよいことにした。
@をしなくてもノイズが下がったのは、それをしなくても、シールド線の‐側がとりあえず、箱のアースにつながっており、シールド線として機能していたのではないかと思っている。
@をすれば、電源のアース側に、かかる飛びつきノイズが混入することなく、
音の性質が改善される可能性がある。

https://www.audio-blog.jp/2015/08/28/httpaudio-blog-jp20150827fixing-noise-of-marantz7-by-uzike-method-part2/


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氏家式マランツ#7アンプのアースの取り方
投稿日:2015年8月29日 更新日:2019年5月4日
https://www.audio-blog.jp/2015/08/29/a-way-of-grounding-marantz7-amplifier-by-uzike-method/

氏家先生によりラジオ技術に紹介されたマランツ#7アンプは、
徹底コピーを推奨されているもののアースの取り方については、ほとんど記述がない。
特に真空管V1のアースがどのようになっているのか、
悩みこんでしまった。

前回申したように、交流的には信号サブブロックのアースへ接続されているが、
直流的には、上記浮島となっている以上、
電流が電源ブロックへ帰る路がなく、電流が流れようがないからである。
氏家先生の1998年12月号の記事を解析したところ、
そのp48右上の写真で、出力端子でマイナス側がV2と共通していることは疑いなく、
また、それが、銀色のアース母線?で入力端子のマイナス側へ接続されている。

したがって、前回申した通り、
「直流的には、入力信号のシールド線を介して、V2の出力端子のアース側を通り、V2の入力信号のシールド線のアース側→信号ブロックのアース母線→電源へ、というかなり迂回した帰還をたどる」ように思えた(後述Aの候補)。

まず説明のため、そもそも、マランツ#7のイコライザ部は、
1つの入力1が真空管V1に入り、他方の入力2がV2に入る。
入力1は、真空管V1の片割れで増幅され、
入力2は、真空管V2の片割れで増幅され、
V3で、それぞれ入力1、2の増幅したものを受け、
2の片割れがそれぞれ、カソードフォロアを形成する。
というわけで、V1、V2はそれぞれ左右の入力を担当することになる。
以下を前提に、記事を分析して、図を書くと、以下のようになる。
マランツ7アンプのアースの取り方.jpg
<クリックすると拡大します。>

<追記:ラジオ技術の古い記事は、20年たち、各図書館でも廃棄対象です。国会図書館でコピーして下さい。>

(A)V1側は、
3つの入力端子→3つのシールド線
→(シールド線のマイナス側を束ねるラグ端子、プラス信号のみセレクタへ)
→(束ねた当該マイナス側、セレクタの信号)→シールド線
→(信号サブ基板への交流アース、プラス側がV1の2番ピンへ)

(B)V2側は、
3つの入力端子→3つのシールド線
→(シールド線のマイナス側を束ねるラグ端子、プラス信号のみセレクタへ)
→(束ねた当該マイナス側、セレクタの信号)→シールド線
→(V2、V3共通アース母線、プラス側がV1の2番ピンへ)

出力端子側のマイナス側は、左右共通で、V2側の入力端子のマイナス側へ接続、
というのは、ラジオ技術1998/12月p48の写真から判明しています。

入力端子にアース母線のような銀色の線が、写真に見えますが、
どうつながっているのかは分かりません。

V1の直流電流がコンデンサに帰る方法として、考えられる候補としては、
@入力端子で左右入力のマイナス側が接続され、
V1の直流電源の帰還電流は、そこまで戻って初めて、V2のアースと接続し、
V2、V3の共通アース母線へ。
つまり、上記(A)(B)を両方通って、電源のマイナス側へ帰る。

AV1のみ接続される上記サブ基板への交流アースは、
実はシャーシーと接続され、シャーシーにB2電源の帰還電流が流れて、
B2のコンデンサマイナス側へ直流電流が帰る。
なぜなら、V1のみが信号サブ基板のアースに接続され、
わざわざ、アース母線をV2、V3と切断しているから。

<9月2日追記>
マランツ#7のオリジナルのアースの取り方は、Aのように思えます。
グロメットなどは使っていません。サブシャーシーは直に(電気的に?)シャーシーに接続されています。
「氏家式マランツ#7アンプその後の補足1(ノイズ対策、オリジナルのアース方法など)」のモガミ電機のサイトの資料参照。)。

Bゴロピカリ様の方法
アース母線を独立して入力端子まで張り、そこでさらにシャーシーにアースする。

C私の方法
V1のアース母線から、直接コンデンサへ帰還させる(改造)。

ここで、Bは、ゴロピカリ様のサイト「風神ネットワーク 」の「イコライザーアンプとラインアンプ」を拝見して、直接メールで教えを乞うて、教えていただいた方法であり、その教えていただいたのち、サイトは更新され、現在は、そのサイトにアースの張り方につき、説明されている。

https://www.audio-blog.jp/2015/08/29/a-way-of-grounding-marantz7-amplifier-by-uzike-method/


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氏家式マランツ#7アンプその後の補足1(ノイズ対策、オリジナルのアース方法など)
投稿日:2015年9月2日 更新日:2019年5月4日
https://www.audio-blog.jp/2015/09/02/story-after-making-marantz7-amplifier-by-uzike-method-part1/

まず、このカテゴリ「アンプの自作」の記事を、以下を反映しながら、あちこち編集して追記しましたので、ご確認いただければと思います。

1.ネガティブフィードバック配線を忘れていました。
そもそも、9月1日にようやく、とんでもないことに、
ネガティブフィードバック配線を忘れていたことに気付きました(汗汗;)。
150902_0027~01.jpg
サブ基板上部の4つの抵抗に、ネガティブフィードバックの入出力を接続します。
ここではノイズ対策を考え、内部が2芯のツイストされたシールド線(「スタンダードコンソールケーブル 白No.2944–WH」)を使いました。
ツイストは、「私のアンプ設計マニュアル」)というサイトを拝見し、氏家先生の記事よりさらにノイズ対策を試みたものです。シールド線の片側は、アース母線に接続しています。もうちょっとまともな「シールド線」を使った方がいいかもしれません。

そのネガティブフィードバックを配線すると、
裸アンプでは、入力によっては、4mV〜12mVぐらいのノイズがあったのが、
入力によっては、0.2mVぐらいにノイズが減りました(ナショナルのノイズメータで測定、未校正)。
真ん中のデジタル入力の方がノイズが少ないです。これは10Ωでターミネートとし、直列に4.7kΩがホット側に接続されています。
入力線がシールド線を使っているかによっても変わります。
ネガティブフィードバック配線をすることにより、
耐入力を超えることによるサチったノイズが生じることがかなり緩和され、使い勝手がよくなりました。
その他、「氏家式マランツ#7(イコライザ部分)ほぼ完成!」
(←全然完成していなかった(汗汗;))にも視聴結果を追記しましたので、そちらもご覧ください。

2.マランツ7オリジナルのアース方法
昔、ヤフオクで出品されたオリジナルには、詳しい内部写真が載っており
それをダウンロードして、解析に使っています。
昨日、再度確認したところ、オリジナルの信号サブ基板は、
グロメットなどを使わず、直接シャーシーに接続されている。
また、入力信号端子は、マイナス側が、シャーシーに直付けとなっており、
ホット側のみが、セレクタへ入力される構造で、
入力信号端子付近を見ると、信号線は、中芯のホット側しか、配線の引き回しがない。
ということは、微量(1mA未満)ではあるが、シャーシーにV1の帰還電流を流していることになるように思えます。
そう考えると、氏家先生の記事のマランツ#7の徹底コピーというのは、
信号回路と、両波整流後の電源部分だけであって、
フィラメントの22000μF(オリジナル3000μF)やアースの取り方は異なっているように思える。
入力ラインをいじるのは大変だから、追試はしていません。

3.その後のノイズ対策
(1)ノイズ対策をいろいろ調べると、
「モガミ電線」のサイトの「ワイヤー・ケーブルの遮蔽(シールド)」には、シールドの方法がいくつか比較されており、ツイスト線にシールドをかぶせ、ツイスト線のマイナス側とシールドを両側で接続し、一方側でアースするのがよいとされています。電流の帰還にその線を接続するときは、自動的にそのアースがされます。
聞いた感じでは、2芯シールドツイスト線の「スタンダードコンソールケーブル No.2944」よりは、1芯シールドとして、短いケーブルで接続した方がノイズも少なく、ストレスも少ないように感じました。ちなみに、当該ツイスト線のマイナス側をなにも接続せず宙ぶらりんにすると、ノイズが断然増えます。
なお、ツイストすると、磁力によるノイズ(特にハム)にも強くなるということです。
シャーというノイズの対策には、あまり効果的でないかもしれません。

(2)シールド線の周囲の線は束ねてアースするのですが、
これも、シャーシの任意の点にアースするのではなく、
一点アースへ、つまりアース母線へ接続した方がノイズが下がり、
かつ、聴感上のストレスも少ないように思えました。

(3)したがって、「氏家式マランツ#7アンプのノイズ対策2(ジーというノイズについて)」で述べた「新しい流儀」はあまりよくなく、
上記モガミ電線のサイトの方法を用いるか、従来通り一芯シールドを使うべきです。

(4)セレクタを使うと、かなり入力ラインを引きまわすことになるので、
イコライザ等の用途が決まっているなら、
ノイズ対策上、セレクタはないに越したことはありません。

4.電源について
(1)氏家式マランツ#7アンプは、マランツ7アンプのオリジナルを見ると、
基本的にはそれを踏襲しているが、半波整流を両波整流に変えている。
ここで、電源はある程度デフォルメも許されるが、
石塚俊先生の一連の記事、特に「ラジオ技術」(「本格的オーディオシステムの構築へ向けて」(29)整流方法の設計法1)2014年12月p122によれば、
抵抗の直列による整流方式には、抵抗インプットといって、
電源のサプライインピーダンスを上げ、電流ノイズを下げるテクニックであるので、
みだりに変えない方がよいかと思います。
ちなみに、エミッションラボという真空管の海外のサイトでは、整流管直後のコンデンサの容量を制限しており、高い容量を使う場合には、抵抗を入れること(によりサプライインピーダンスを上げること)が推奨されており、突入電流の配慮を要求しています。

(2)私のアンプでは、石塚先生の記事に従い、
両波整流の両端電圧を、その一方を抵抗をかましてその電圧を揃えています。
その環境では、過去の経験や、その記事に反して、半波整流のほうがよいということはなく、
かえって、クリップ感やノイズ感が生じて、あまりよいとは思いませんでした。

(3)その記事では、コンデンサを増やすと、すかすかな音になるということでしたが、
フィラメント電源では、CEWというニチコンの22000μファラデーを入れた方が、
聴感上の安定感がありました。ただし、「氏家式マランツ#7(イコライザ部分)ほぼ完成!」で述べた鉛筆に銅線を巻きつけた、空芯式のチョークインプット(沼口式チョーク)と、18Vで70Ωほどの抵抗で、300mAのブリーダを流すという条件です。
ブリーダは、上記石塚先生の記事で、「91Bに従い必要量の50%流す」を実践したのです。

(4)普通に作れば、電源のノイズは2mVぐらいになります。
ただし、氏家先生の記事の電源の実体配線図には、難を感じるところがあり、
アースの接続も、高圧から低圧へ、順に接続しないとコンデンサのフィルタの効果が少ないということなので注意が必要です(文献としては、「私のアンプ設計マニュアル」)というサイトの「アース回路その2」の「電源のリターン回路:」という項目では「ハムが出たからといってC1の容量を増やしても効果はありません。効果がないどころかハムは増えてしまいます。」とあり、その他(「無線と実験」2013年3月p50、「音で判別するノイズ対策」安井章)には、アンプの信号回路で、ゲインの順に設置する旨の記載がある。)

5.発振の簡単なチェック方法
・マランツ#7アンプは、高度な回路技術で、フィードバック回路を緊張状態にし、
即応性を改善しているようなので、発振しやすいことで有名である。
そこで以下の方法で、発振していないかを確認する。
・上記「私のアンプ設計マニュアル」には、簡易な測定法が方が載っており、
サインウェーブのwavファイルをダウンロードできるサイトが紹介されている。
これをダウンロードして再生し、出力端子から、変な付加振動が加わっていないかを確認する。
ただし、そのwevファイルは、長さ有限で、すぐに止まってしまう。そこで、fooberなどに「sin」という新しいプレイリストを作り、そこに単一の当該wavファイルのみを置いて、繰り返し再生を行う。
その後、音を確認する。

https://www.audio-blog.jp/2015/09/02/story-after-making-marantz7-amplifier-by-uzike-method-part1/


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氏家式マランツ#7アンプ、12AX7の定電流点火の検討
投稿日:2015年9月3日 更新日:2019年5月4日
https://www.audio-blog.jp/2015/09/03/making-marantz7s-equalizer-part-uzike-method-and-consideration-of-heating-12ax7-by-constant-current/

<後日談>以下は、結局採用していません。定電流のはずが、素子の定電流部分の傾斜が大きいので。

150mA、18.9Vを点火するのに、
フェアチャイルドのJ105で、定電流点火を検討したところ、
以下の通り、合計電圧26V前後、J105の部分が7V前後、
抵抗が(30Ωと、390Ω)の並列とするのがよいのではないかという結論に達した。
その定電流点火が、2系列必要となる(合計300mA)。


なお、このJ105は、放熱をしない場合、プレート損失が625mWなので、
これを超える場合には、焼損の危険があり、放熱板を付けるなど注意したい。

話は戻って、抵抗値の検討方法について説明する。
抵抗値を精密に決定するには、0.1Ω等の抵抗を直列するよりも、
基本となる抵抗(ここでは30Ω)に、
調整する抵抗(ここでは200Ω〜390Ω)を並列するのが、調整しやすい。

<追記:ただし、ノイズの面では、直列のほうが好ましいはず。>

12AX7のヒーターを模擬したダミー抵抗は、計算上42Ω×3であるが、
43ΩX3の直列に、6.2kΩを並列すると、約126Ωとなる。
ブレッドボードで、ダミー抵抗と、定電流回路を直列して実験した。
(なお、下の表は、定電流回路単独で検討した結果である。)
150903_0229~01.jpg

フィラメントのコンデンサを、25V耐圧としていたが、
35V以上のものに変更する必要がある。
150903_0236~01.jpg
トランスの電流が異なる巻線の直列は、いまいち自信がないが、
必要電流量が、いずれの巻線も越えていないから大丈夫だろう。
(直列すること自体は、「大人の自由空間 トランスという厄介で存在感のある部品」というサイト参照。)

許容電流は
1.05 0.95
0.1575 から 0.1425 まで。

下で、第2欄の数値が、定電圧回路の抵抗にかかる電圧、第3欄が計算した電流となる。
ただし、電圧を高くすると、FETの温度が上がり、
電流量が時間とともに下がってくるので、その点はおおざっぱな値になっている。
電圧で0となっているのは、目標とかい離が多く、不要と感じて測定しなかったところ。
「/」は、並列した抵抗、上欄の抵抗値は、テスターを使った実測値を表している。
(低抵抗は、テスターで測ると誤差が多いとされるが、それほどおかしい値でもない。
抵抗はKOAのMOSタイプ(1%級)の2ワットである。)

30.3 オーム

5v 4.01 0.132343234
6v 4.2 0.138613861
7V 4.24 0.139933993
8V 0
9V 0
10V 4.34 0.143234323

28.2 オーム

5v 3.98 0.141134752
6v 4.17 0.14787234
7V 4.17 0.14787234
8V 0
9V 0
10V 4.34 0.143234323

27.857 オーム 30/390

5v 4.03 0.144667409
6v 4.2 0.150770004
7V 4.22 0.151487956
8V 4.2 0.150770004
9V 4.18 0.150052052
10V 4.14 0.148616147
7V3分後 4.16 0.149334099

27.4 オーム 30/300

5v 3.92 0.143065693
6v 4.17 0.152189781
7V 4.18 0.152554745
8V 0
9V 0
10V 4.16 0.151824818

27 オーム 30/270

5v 3.94 0.145925926
6v 4.17 0.154444444
7V 4.13 0.152962963
8V 4.14 0.153333333
9V 4.13 0.152962963
10V 4.07 0.150740741

26.8 オーム 30/240

5v 3.8 0.141791045
6v 4.1 0.152985075
7V 4.08 0.152238806
8V 4.1 0.152985075
9V 4.07 0.151865672
10V 4.05 0.151119403

26.5 オーム 30/220

5v 3.91 0.14754717
6v 4.11 0.15509434
7V 4.15 0.156603774
8V 4.12 0.155471698
9V 4.08 0.153962264

https://www.audio-blog.jp/2015/09/03/making-marantz7s-equalizer-part-uzike-method-and-consideration-of-heating-12ax7-by-constant-current/


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氏家式マランツ#7アンプ、12AX7の定電流点火2
投稿日:2015年9月14日 更新日:2019年5月4日
https://www.audio-blog.jp/2015/09/14/making-marantz7s-equalizer-part-uzike-method-and-consideration-of-heating-12ax7-by-constant-current-part2/

前回検討したフェアチャイルドのj105を使った定電流点火であるが、
jFETの場合、電流が多ければ多いほど、定常部分で動作するには高い電圧を必要とする。
例えば、定電流素子のE101などは電流が少ない品種ほど、定電流特性は高性能となる。

j105を使う場合、7Vぐらいの電圧降下は必要であるが、
6.3V巻線を追加しても、25Vぐらいにしかならず、
橋本トランスの場合5V巻線で、電圧が足りなくなる。
ちなみに、15V巻線に、6.3Vを追加して、交流21Vとする場合、
巻線を逆に接続すると、巻線が相殺されて10Vになってしまう。
その場合は、一方の接続逆にする。逆かどうかは接続してみないとわからない。

j105を使う場合、j105の電圧降下は6.5Vぐらいにするしかなく、
ノイズ低減量は、15mV→6mVと1/3なった。

これでは残念ながら、性能が足りない。
前回の記事を参考にされた方には申し訳ないが、
エミッションの振れを抑圧するという定電流のメリットがなくなるので、
以下のような、シャントレギュレータTL431を用いた定電流点火を考えた。
150916_0008~01.jpg
150916_0009~01.jpg
150mAが2系統必要である。
この方式によれば、制御ICによる電圧降下は、3〜5Vぐらいで済む。
<9月16日追記>上の2つの図を訂正しました。tl431周りに誤植がありました。
<9月18日追記>上記訂正した図で、0.05μFは、セラミックでして、音が固いのでスパイクノイズが生じている可能性があり付けたものでして、アイテンドウで、コンデンサのセット([SMC-SP23] や[MCC50V-500P]など、「パーツパック」)として入手したものです。セラミックのコンデンサは、高周波においてもノイズ削減効果があり、1μFの方が聴きやすいことが分かりました。ノイズが小さくなるようです。tl431のカソード側には、tl431のピンのなるべく付け根に、このコンデンサをつけますし、コンデンサの足もできる限り短くします。容量によっては発振するので、データシートを読んだ方がよいです。tl431のカソードアノード間で5vだと2μF程度までです。また、tl431のrefとアノード間につけると、発振するなど異常な動作をするようです。

TL431は、アノード(マイナス側)、レファレンス間を2.5Vにするよう制御する。
これにより、一般的には、
TL431のカソード(プラス側)の電圧を目標の値になるようにすることができ、
この電圧が2.5V程度だと、回路は正常に動いている。
それが0.1V程度だと、トランジスタなどの接続が逆になっているなど、
接続が間違っている可能性が高い。
また、TL431には電流をたくさん流した方が ノイズ/信号比はよくなるはずだが、
余りたくさん流すと、発熱が大きくなり、1.0Vぐらいに下がってしまう場合もある。
結局、TL431には、10mAぐらい流すのが適当であるように思われる。
カソードに接続する抵抗は、今回は(直流電源の電圧ー5)/10mA程度を流す。
レファレンス電圧がおかしい場合で、トランジスタ等の接続も間違っていない場合には、
この抵抗を訂正する。
それから、TL431には、NJM431などのメーカー違いや、
オペアンプ形式などのパッケージ違いがあり、
メーカーによっては音質が異なるようであるし(ミミズクというサイト)、
オペアンプ形式の場合、形が大きいので、
透過損失容量を大きくとれ、より大きな電流を流すことが出来る。

トランジスタ(NPN)の基本は、
トランジスタのエミッタに抵抗Rを付けて接地し、
ベースに一定電圧VBを与えると、エミッタにはVB−0.65V程度の電圧が生じ、
(VB−0.65)/Rの定電流Iが流れる、
したがって、トランジスタはVBを制御することで、電流量を制御できる、
という電流制御機器と考えることが出来るという点にある。
このとき、ベースからは、I/hfeの電流が引き込まれる。
(「トランジスタ技術」2014年8月の特集p51〜参照。)

トランジスタのエミッタに抵抗をつなげている(コンデンサを並列しない)限り、
トランジスタの増幅率は、抵抗値のみで決まってしまい、
素子固有の直流増幅率hfeとは関係ないが
I/hfeの電流が引き込まれる(上記文献参照)。

ただし、hfeが大きいほど、ベースから引き込まれる電流量は小さくなるから、
その分、基準となる定電圧回路への悪影響が小さくなるので、
ダーリントントランジスタなどは、引き込まれる電流が小さい点で有利になる。

以上の説明からわかる通り、
「トランジスタは、ベース電流のHFE倍の電流をコレクタに流す」と説明されるが、
実用上は、考え方が逆である。
つまり、コレクタ電流を制御するためには、
ベース電流I/hfeを、積極的に制御入力とするのではなく、
結果的に生じるされる副産物というような考えになり(上記文献参照)、
トランジスタの制御入力は、通常はベース電圧VBとなり、
VBを制御して、トランジスタに流れる電流を調整する。

というわけで、VBに一定電圧を加えることが定電流点火の基本となる。
VBにはTL431のカソード電圧が印加されるが、
アプリケーション例に基づき、TL431の端子間を抵抗で分圧していないので、
何ボルトになるかは私には、いまいちわからない。
他の回路との相関で決まる。
分圧している場合には、2.5V×分圧比でカソードに、目標電圧が生じるので
おかしな電圧が出ることは少ないが、
この回路では、どこか一つでも接続を間違っていると、
TL431のレファレンスの電圧が0.1Vなど、でたらめな値となる。

フィラメントの設定電流値は、
レファレンス電圧(レファレンス、アノード間)/トランジスタのエミッタ抵抗値で決まる。
今回は、2.5V/16.6Ω≒150mAとなる。
ちなみに、TL431ではどういう加減か、2.41Vとなることもある。
カソードの抵抗選択が、まずいのかもしれない。

トランジスタの選択としては、NPNで0.15A以上流せるタイプで、
プレート損失が小さくないものが好ましい。
小さいものは放熱の点で不利であり、発熱が大きく、放熱板なくては焼損の危険がある。
ただし、ミミズクというサイトによると、
これらを満たしつつ、電流容量が小さいトランジスタの方が、音の点で有利だという。
これは、トランジスタの想定外に小さい電流を流す動作環境では、直線性が悪くなるのかもしれない。
それから、TL431でなく、その構成要素のオペアンプも検討してみたが、
レギュレータに使った場合でも、オペアンプの音の特徴が出てしまうらしい。
このことからすると、線形性が高い方が好ましいということだろう。

今回は、そのようなことは考えず、将来の300Bへの適用などを考え
どーーんと大電流が流せる100V7Aの2SD1415Aを使った。
今回は、電圧降下は2.5V、電流0.15A程度だから
0.4W程度で、発熱はわずかである。

ちなみに、トランジスタの熱の計算については、
ロームのサイトの「トランジスタとは?」に詳しい。
外国のトランジスタで「Derate」というのは、(25度を超えると)
その欄の数値の割合で、許容プレート損失が減少するという意味である。
また、気温(25度)+熱抵抗×ワット数が、
既定のジャンクション温度(通常125度、150度など)を超えないようにする。
熱抵抗は、パッケージの大きさにより異なる。
放熱板を付けた場合には、3度/Wなどに下がる。

以下は実装してみた図である。
150913_0048~01.jpg
クッション式の強力両面テープで、ラグ端子を張り付けた。
トランジスタは、熱の観点から、アルミまでの距離が薄くなるよう、普通のフィルム式両面テープを使った。
その上の黒い22pFのコンデンサは、楊枝で固定すべきだがまだやっていない。
トランジスタは、そのコンデンサの支えの楊枝が入るよう、微妙に位置を調整している。

なお、信号サブ基板の裏面をアップしていなかったので、ここでアップロードする。
150913_0050~01.jpg
トランジスタのコレクタ側(高電圧側)には、電源とほぼ同じリップル量の15mVが観測される。
つまり、フィラメントの印加電圧のリップルは1mV以下ということか。

聞いてみた。
泡立ちが良くなったというか、
周辺の空間情報、距離感が聞こえやすくなったというか、
きちんと制御されているというか、弾んでいるというか、
すっきりしたという感じである。

しかし、ソリッドになったというか、固いというか、
立ち上がり、立下りがより速くなったというか、
耳当たりがきつくなったという感じもする。。。
酸金のMOSの抵抗の音質かもしれないし、
エージングもしていないし、よくわからない。
元に戻れない感じは、確かにある。

https://www.audio-blog.jp/2015/09/14/making-marantz7s-equalizer-part-uzike-method-and-consideration-of-heating-12ax7-by-constant-current-part2/


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その後の氏家式マランツ7その1
投稿日:2019年5月4日 更新日:2019年5月5日
https://www.audio-blog.jp/2019/05/04/marantz7_clone_plan/

ある方に私の作ったマランツ7のイコライザ部分を紹介しているときに、marantz7のcloneを作られているサイト(「真空管アンプ作品集と趣味の部屋」)を発見し、久しぶりに興奮しました。
marantz7はモデル7kでキットを販売しており、その時の製作マニュアルが存在するとのことです。
ヤフオクで出回っているようなので、早速入手しました。

製作マニュアルを入手してみると、確かに実体配線図は詳しく書いてありますが、キットの部品が存在することを前提として書かれており、代替部品を0から調達して行うことはもちろんながら対応していません。特に、ロータリースイッチ6個と、レバースイッチのうち3つは、特殊な特注品が使われており、入手性を考慮すると、配線を変更せざるを得ない可能性があります。そこで、いろいろ調べることにしました。
なお、汎用のロータリースイッチで配線を構成する方法は、後日紹介。

<参考文献>
「marantz7k ASSEMBLY MANUAL」実体配線図、回路図が記載されています。ただし、当然ながら特注のロータリースイッチの使用が前提。また、回路図は、特注のロータリースイッチの使用が前提になっている。

「Marantz 7 File Sharing」 回路図が記載されている。

「ニューロ機工さんのMaranz#7 control amp (copy)」
このサイトにある、誠文堂新光社の「ステレオアンプ実体図集」、これもヤフオクで買いました。ここのサイトにある2ページのほかには、マッキントッシュのc22の実体図以外には名機をコピーしたページはありませんでした。このサイトに引用された2ページが特に重要でした。ロータリースイッチのうち、bassとtrebleについて、構成方法が書いてあります。bassについては、このサイトの図のように、5段5回路11接点のうち、2段、4段を削除し、3段はただの足場として使う(マランツ7kのマニュアル(特注部品のロータリースイッチを使った回路図)ではなくて、上記7cの回路図のほうが近い)。trebleについては、3段11回路のうち、2段目を削除する改造を行い、3段目をただの足場として使う。段を削除する改造をするのは、段間の距離を稼いで、パーツを付けやすくするため。

「マランツ7k プリアンプ」に記載の参考文献、特に「(1)無線と実験’79年3月号 森川氏の7k製作記(全13ページ)」、「(7)無線と実験’97年9月号 森川氏による#7と#7SEの比較記事(7ページ)。回路図あり。」が参考になるかと思い、図書館の書庫で入手しました。しかし入手してみると、上記ASSEMBLY MANUALを持っていれば、それ以上に、一通りのクローンを構成するだけのために手助けになることが記載されているようには思いませんでした。これらの文献によれば、配線材は、基本的には20番の単線(ベルデン#8528)、セレクタースイッチからピンJに至るまで、20番の撚線(ベルデン#8523、#8524)のようですが、入手はむつかしいように思います。私が作るなら、「単線の配線材を試す。ウェスタン電話線、銀メッキ1.0mm単線ジュンフロン、47研究所0.4mm 単線」のジュンフロン銀メッキ線にエンパイヤチューブをかぶせると思います。

「ヤフオク」:過去のヤフオク等で、オリジナルの実体配線図が紹介されていたり、レバースイッチが出品されているので、それを参考にする。

「マニアなら知っておきたいオーディオ雑誌のお宝記事6 ネガティブフィードバック(NF)を用いたアンプ」:弊サイトで紹介した氏家式マランツ7のページ。国会図書館で入手。その回路図や実体配線図については、氏家氏本人が執筆されているのではと思われるようなサイト(「マランツ#7 (EQのみ)製作」)があります。

<部品等>
マランツ7サブパネルの端子ねじ: 海外では、正式名称は「turret terminal」と呼ばれます。 正式名称を散々探しました。「terminal screw」で探すと、端子ブロックのみがヒットして困惑することになります。
現行品では、貫通して導通しているタイプの、ネジ式のものは探しても見つからず(あればご教示いただければ幸いです)、keystoneの「1613-1」〜「1613-4」が代用できるのではないかと思います。
ラグ端子は、keystoneのようですが、11連は販売されていません。

ロータリースイッチ:オリジナルは特注ですが、以下の通り、汎用品で代用できます。回路については後日解説。
selecter switch:5接点2回路 1段 30度 (東測 RS300,RS400,RS500等)
mode switch : 8接点10回路 5段 20度 (東測 RS300,RS400,RS500等)
treble switch:11接点1回路 2段 2段目は足場として利用(上記「ステレオアンプ実体図集」の説明参照)(東測 RS300,RS400,RS500、aliexpressのuxcell 11接点1回路3段等)
bass switch:11接点2回路 3段 2段目は足場として利用(上記「ステレオアンプ実体図集」の説明参照)(東測 RS300,RS400,RS500、aliexpressのuxcell 11接点4回路4段等)

レバースイッチ:オリジナルは特注ですが、以下の通り、汎用品で代用できます。回路については後日解説。
7play or monitor:2段(両面)2接点(2段階上下)  (ギターの修理パーツ)
7equrizer:6回路3接点 (30度3段階、2枚プレート) (東測 LS700(注文生産))
SL7R:6回路3接点 (30度3段階、2枚プレート) (東測 LS700(注文生産))
SL7H:6回路3接点 (30度3段階、2枚プレート) (東測 LS700(注文生産))

裏面パネル:上記cloneを作られているサイトのクローン2作目(「2代目Marantz7 Clone」)に、図面とレタリングのpdfが掲載されています。正面パネル、背面パネル、内部のサブパネルについては、上記「ステレオアンプ実体図集」に図面の記載がありますが、汎用の箱を流用しており、完全にサイズをコピーしたものではありません。

https://www.audio-blog.jp/2019/05/04/marantz7_clone_plan/


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その後の氏家式マランツ7その2
投稿日:2019年5月5日 更新日:2019年5月18日
https://www.audio-blog.jp/2019/05/05/marantz7_2/


改めて、自作の氏家式マランツ7(イコライザ―部分をプリアンプとして使う)を聞いてみました。
後述の通り、片チャンネルが接触が悪く、あまり聞いていませんでした。

パワーアンプは、91Bタイプです。
このマランツ7を追加したところで、それほど変わるわけではないですが、克明さや説得力、旨味が増すような方向に思えました。すさまじい速度感、立ち上がりの速さ、これでもかという強いアタック。ある意味、ごつい音かもしれないし、聞き疲れする音かもしれません。JBLのブックシェルフで、大型スピーカーのように鳴っていました。ウェスタンの755パンケーキをエルタスで聞いたときは、大型のホーンと同じような分厚いサウンドでしたから、スピーカーとアンプが良ければ、必ずしも大型スピーカは不要です。

なお、若干アレンジしています。フィラメントを、定電流点火で、コンデンサを10000ufにしたりなど。

片側チャンネルだけが、音が出ないトラブルがことがあるトラブルが時々生じたので、調べてみると・・・
サブ基板のアース端子につながる2つの端子を、2枚の卵型端子で別々に絡げ、ねじで締めあげて導通していたので、ねじが緩むと、音が出ない状態でした。
ねじを締めると、あっけなく治りました。

https://www.audio-blog.jp/2019/05/05/marantz7_2/


▲△▽▼


marantz7 クローン計画ーロータリースイッチの回路図の読み方
投稿日:2019年5月6日 更新日:2019年5月18日
https://www.audio-blog.jp/2019/05/06/marantz7-rotary_switch/

marantz7t ASSEMBLY MANUALをヤフオクで落札できたので、簡単にコピーできるのではないかと思っていたが、まずその回路図がマニュアルのどこに掲載されているのだ?(70頁に掲載)から始まって、回路図を見ても、ロータリースイッチの記号が意味が分からなくて困った。次にその記号の意味が分かったけれども、これらが特注品であるので、汎用品に落とし込まなければ。。。
順に説明する。

<ロータリースイッチの記号について>
marantz7t ASSEMBLY MANUALのロータリースイッチの記号が意味が分からず、いろいろ調べても説明するサイトがない。


「Marantz 7 File Sharing」の「Marantz 7C • Schematic • Size Ledger or A3」からmode switchの部分を引用

いろいろ調べて、ロータリースイッチの画像などを検索すると、ようやく理解できた。この図はスイッチの構造そのものを模写していると分かった。

以下のロータリースイッチ通則17頁の図によれば、16導体板は、つまみの回転に伴って回転する12ローターに固定されている。回転しない11ステータ(ガラスエポキシ、ホウローなど)には、14大端子、13小端子、15中継端子が固定されている。

16導体板の内側の円まで伸びている14大端子は、16導体板が回転しても、16導体板と摺動しながら常に導通を保つ。通常は14大端子は、1回路に1つのみ。

13小端子は、複数個が設けられており(小端子の数が、通常は接点数になる。)、16導体板が所定の角度に至ったときだけ、16導体板のうち外側に突き出た突起(青い丸印の部分)が接触する。これにより青い丸印にある13小端子は、16導体板を介して、14大端子と導通する。

このようにして、複数の小端子 対 1つの大端子で接続を切り替えるようになっている。この例では、14大端子は2つあり、14大端子1つに対応してそれぞれ6つの13小端子があり(6つの接点の中から1つを選択)、12ローターの回転に伴って、同時に2つの回路が切り替わる(2回路6接点)。汎用のロータリースイッチは、2回路6接点を実現するため、1つの半円の導体板の中だけを摺動するようになっており、180度以上回転しないようにストッパーが設けられている。

ロータリースイッチ通則17頁

ロータリースイッチ通則18頁

「ロータリスイッチ通則 – 防衛省・自衛隊」(pdf)17頁、18頁から引用(ただし青い丸は加筆した)
上記を理解したうえで、ロータリスイッチ通則18頁を見てみると、円の内側まで伸びている矢印がある○12、○6が大端子で、通常は、常に導体板と導通がある部分であり、その他の短い矢印が小端子である。この図では、1,7の小端子が、導体板を介して大端子と導通する状態になっている。

矢印がない部分○5の中継端子は何も導通していないが、部品を固定するただの足場としてのラグ端子となっている。

ここで改めて、marantz7のmode switchを見てみよう。内側の円にまで突き刺さる矢印が上記のロータリスイッチ通則18頁の大端子に相当する。短い矢印が小端子である。大端子は、選択された入力を、出力バランスを調整する抵抗を経て増幅回路へつなぐ。

ところが、marantz7のロータリースイッチは導体板が特殊であり、汎用品なら導体板の突起は1回路のみを選択できるよう1接点分の幅しかないが、複数接点分の幅が設けられているものが多々あり、この特殊仕様により、小端子も導体板の回転時に導体板と摺動しながら一定の角度の間、接触を保ったり、直接に小端子同士接続したりするなど、複雑な接触状態を1つの回路で実現できるようになっている。また、このモードスイッチは特殊であるので、汎用品のように半月状の導体板内だけで摺動して接続を保つのと異なり、大端子は、半月状の導体板内を超えて、いったん接続を切り、他方の半月状の導体板へ移動して、ステレオの左右逆を実現するようになっている(図はステレオのポジションで、さらに時計回りに30度回転する。なお、この回路図は、正面パネルから見た図であり、実際の導体板は、左右逆のものが裏側に見える形で設けられている(marantz7t ASSEMBLY MANUAL p35)。)。

もちろんながら、メーカーがこのような特殊仕様に応じてくれるかは不明であり、択一的な接点選択のみが可能である汎用品で構成するなら、複数回路に分けてこの複雑な接触状態を再現するしかない。

ばうmasatdm900@gmail.com より:
2020年12月19日 6:38 AM
初めまして。
とっても参考になりました。
真空管ラジオをレストアしています。
余りにも埃やら接する金属表面の酸化が酷くて、分解しようと作業し始めてみたら、中のローター部が外れてしまい、何が何やら?になりました。裏と表は別の回路になっていて余計に困惑しました。
外す前に、配線写真、ローターの位置写真をこまめに撮っておく大切さを学びました。無事組み立て完了したら、今度は接触不良に見舞われまして、摺動板表面にハンダで盛り上げて成功しました。
長い時間活躍した真空管ラジオであればある程、手を加える必要がありました。
理解し易い図もありがとうございました。

yama より:
2020年12月19日 4:26 PM
マランツ7のクローンを作っている方に伺ったら、市販品のトウソクのロータリースイッチで回路を再構成するということだったと思います。
(ここの頁を示しながら、教えを請いました。)

金属表面の酸化については、ピカールがよいという風に、youtubeで勧めていますね。
結構取れます。お勧めです。
ウェスタンサウンドインクの91bの製作記事(「300B book (別冊ステレオサウンド) 」参照)では、
酸化膜を取り除いて、予備半田をしたうえで、はんだ付けをするのが当然、と書いてありますね。ノイズ面では重要なところかもしれません。
以前、紙やすりでやろうとしましたが、大変すぎて挫折した覚えがあります。

https://www.audio-blog.jp/2019/05/06/marantz7-rotary_switch/


http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/1221.html#c27

[リバイバル3] 和山通商 マランツ7 プリアンプの再現真空管アンプ完成品 販売価格: 21,000円(税込) 中川隆
28. 中川隆[-13718] koaQ7Jey 2022年2月12日 11:17:41 : hWN1wv8jWI : NzFSNHRrTkxkLy4=[23]
ゴロピカ工房 自作オーディオ
http://www9.wind.ne.jp/fujin/diy/audio/amp.htm

このコンテンツは私が作製したアンプを紹介するだけのコーナーです。
私は、ここで紹介しているアンプの製作をこのコンテンツをご覧になった方に勧めるものではありません。アンプ作りには多くの知識・ノウハウを必要としますし、またその製作過程の中には危険を伴う場合があるからです。それと私の作品には私の独創的回路はありません。いずれの作品も技術誌、HP等を参考に製作したものです。

マランツ#7イコライザーアンプ(上)とラインアンプ(下)

2006年2月25日
今後LPを買う予定はまったくないのですが、なんとか良い音で聴きたくなって真空管式プリアンプとして有名なマランツ#7のイコライザー部をコピーしました。
外観は左のとおりですが、中身の製作法は氏家高明氏の著書を参考に、極力その手法を真似ています。下のラインアンプはイコライザーやCDを切り替えることと、入力信号を数倍増幅し、メインアンプに充分な電圧の信号を与えるためのものです。

光の具合で上下の色が違って見えますが、まったく同じ材料で、同じやり方で作っています。高さ以外のサイズも同じです。
http://www9.wind.ne.jp/fujin/diy/audio/amp.htm


イコライザーアンプとラインアンプ
http://www9.wind.ne.jp/fujin/diy/audio/77/eq.htm

■イコライザーアンプ
 

有名なマランツ#7のイコライザー部を作りました。
内容は『UZIKEアンプ』(氏家高明さん著)を参考に、氏家さんの製法を極力踏襲しています。

私はイコライザーアンプは、かつて2台製作しました。
一つは学生時代に作ったマッキントッシュC22のコピー版。それから1年半後にMJ誌掲載された安井章氏のものです。この安井式アンプは、その後27年も使うほど音質は気に入っていました。しかし去年の冬、事情があって友人のK君のところにお嫁入りしてしまい、そうなるとLPを聴くならC22コピー版しかありません。

ところがこのC22コピー版は正直言って失敗作なのです。
まったくの休眠状態で、たまに思い出したかのように音出ししても音の輪郭の甘さ、低域の弱さ、高域の伸びの悪さ、ヌケの悪さはどうしようもありません。

天下の名器といわれたマッキントッシュC22の音質とはこんなものか、とは思いません。私の技術の未熟さもあるでしょうし、ひょっとしたら部品を間違ってしまった(100Kの抵抗を10Kにしてしまったとか)かもしれません。

安井式アンプがなくなったので久しぶりにC22コピー版をひっぱり出して蓋をあけたら、我が作品ながらこんな作り方をしていたのかとびっくり。まず、ヒーターの点火電圧が低すぎます。
12AX7を3本直列にして点火するので37.8V必要なのですが、31V位しかありません。これではカソードが充分熱せられず、特性にもかなりの影響があるでしょう。

次に球の配線状態に愕然。12AX7の二つのユニットを左右に振り分けて配線しています。
つまり
右:【(1/2)12AX7 → (1/2)12AX7】 → (1/2)12AX7(KF)
左:【(1/2)12AX7 → (1/2)12AX7】 → (1/2)12AX7(KF)

とすべきところを
右:【(1/2)12AX7】 → 【(1/2)12AX7】 → (1/2)12AX7(KF)
左:【(1/2)12AX7】 → 【(1/2)12AX7】 → (1/2)12AX7(KF)

としていたのです。(同じ色のカッコが1本の球です)
いうまでもなく、12AX7の二つのプレート間にシールドはないので、信号が一方から他方に飛びついてしまいます。当時はそんなことを考えて配線してはいませんでした。高域の甘さ、ヌケの悪さは、案外こんなところが原因かもしれません。

プリント基板(そもそもこれが自己流)で作っているので改善するなら最初からやり直す以外ありません。そうこうしているうちにネットで知り合った氏家さんから、マランツ#7は目眩を起すほどの好音質と聞き、C22コピー版も古いしそちらを作ってみるか、とはじめた次第です。

●回路の疑問

回路は次のとおりですが、少々気になるのは時定数3段のNFBということです。C22コピー版を作った時#7と回路の比較をしましたが、この時定数3段が#7を作らなかった理由なのです。そして2段目から初段に22pFを使ってわずかに正帰還をかけています。氏家さんに言わせれば時定数3段のNFBと共に、この正帰還があるため常識破りの音質が得られるとのことです。

マランツ#7のイコライザー回路には私程度の者でも感じる疑問点がいくつかあります。

初段のグリッド〜アース間につながれた47kと1Mは意味不明。それとグリッド〜カソード間の100pは不要です。
この47kと1Mは、47kを1本グリッド-アース間につなげばいいと思うんですが。

100pを付ける理由は大体わかります。放送局が近くにある強電界の地域では、まれにわずかですが放送を受信してしまうことがありますから、メーカー側としてはユーザーのクレームを回避するためにやむなくこうしていると思われます。これは不要ですがせっかくだからつけておきます。

次に動作上の疑問は、初段と2段のIpは0.3〜0.35mA位になりますのでこの設定では12AX7のEp-Ip特性のカーブがやや寝ているところを使うことになり、12AX7の動作としては直線性上も、歪的にも少々不利のような気がします。さらに初段のカソード抵抗が4.7kと12AX7にしてはかなり大きくなっています(だからIpが小さい)。2段目に至っては6.2Kという大きさです。
初段も次段もプレート負荷は270Kと比較的大きく、大きなカソード抵抗と合わせてIpを絞ってプレート電圧とバイアス電圧を確保しています。

初段のカソード抵抗が大きければ3段目の負荷がやや軽くなりますが、交流的には初段のカソードから250μのコンデンサーを通して510Ωの抵抗が並列につながっていますから合わせて460Ωになり、4.7kはほとんど無視された恰好になります。250μは510Ωを直流的に切り離して初段のバイアスを保つためと思われますが、この510Ωがあるために交流的にはかえって重い負荷になっているのです。仮に4.7Kが3段目の負荷を軽くするためだとしたら、2段目に6.2Kを使う理由は何なのでしょう?単にIpを少なくするためとしか思えないのです。そうだとしたら2段目のIpを少なくするのに何のメリットがあるのでしょう?

ここで『UZIKEアンプ』の一節を思いだします。
氏家さんは電圧増幅には電流(Ip)はいらない、と書いています。また#7の設計手法に大きな影響を受けたとも書いています。あるいはこのことと関係があるのかもしれません。

そして最大の疑問はカソードフォロア段のカソード抵抗(負荷抵抗)がわずかに27.68Kということです。Ipは2mAに近く、12AX7の動作としては異例というほかありません(C-22は330K)。
交流的にはこの27.68Kに1Mの抵抗、RIAA素子のインピーダンス(100Hzで245K、1000Hzで59K、10000Hzで12K)、初段で合成される460Ω、さらには私の場合、ラインアンプの100kのボリュームにつながりますから、交流的負荷はますます低くなるのです。

以下は私の想像ですが、カソードフォロアの出力インピーダンスは1/gmになります。gmはIpに伴って増加するので、#7の設計者は少しでもIpを多く流してgmの大きい(12AX7のgmなんて知れていますが)領域を使って負担を小さくしようと思ったのではないでしょうか。もっともそうだとしたらもっとgmの大きい球を使えば済むわけなのですが・・。

これらの設定は私には理解の外ですが天下のマランツ。私などには思いもつかぬ深い考えがあってのことでしょう(と自分に言い聞かせています)。

電源部はとりたてていうほどのものではありません。
B+の整流はファースト・リカバリ・ダイオード、ヒーター部にはショットキー・バリア・ダイオードを使っています。

高圧の電解コンデンサーは市場の原理が働き、今では本当に入手難です。チュブラーはUNICON、ブロックはJJです。この二つもいつまで供給されるでしょうか?

入手難といえば、トランスのEV-3Sが見つからず、ST-30にすると掲示板に書いたら氏家さんがISOの特注品を譲ってくださるとのことで助かりました。

 

LEDには15mAのCRDを直列に入れてあります。万が一12AX7のヒーターが断線して電圧が上がってもLEDが破壊されないよう保護するためです。それとどれほど効果があるかわかりませんが、電源トランスの一次側にはノイズフィルターを入れておきました。

●製作

今回一番大変だったのは、サブ・シャーシーの加工と、基板作りでした。 私は力はないし、不器用だし金属加工はニガテなんです。『UZIKEアンプ』の実体図をほぼ原寸に拡大コピーして、これを切り抜いてベーク板やアルミ板に貼り付けて加工していきます。


チクショウメ・・・これでロクな音が出なかったら、ネットで茶@のヤツをコキおろしてやる・・・などと思いながら、危なっかしい手つきで金ノコやドリルを使ってギコギコと加工していく私でありました(笑)

氏家さんはベーク基板にピンを埋め込みましたが、私は適当なモノが見つからないし、ピンは基板の裏でハンダ付して固定するわけではないので、なんとなく不安定です。そこで3φのボルトナットで代用しました。

基板を作ってからCR類を取り付けますが、これがある意味、実に面倒です(笑)
私は今まで実体図を見ながら配線をしたことなんてありません。すべて配線図だけで行なってきました。氏家さんには失礼ながら、実体図を見ながら本当にこれでいいんだろうな? と疑いながらの配線です。

パーツは抵抗はリノケーム、カップリングコンデンサーはASC、電解コンデンサーはニチコンです。
氏家さんの作品と違って本機はイコライザーだけなので、負帰還のCRは基板上に空中配線しました。
それと増幅部の2箇所のアースは入力端子近くのLPプレイヤーのアース端子につないでいます。
電源のLED点灯にCRDを使ったこと、RIAA用のCRの空中配線、増幅部のアースのとり方。この3点が氏家さんのやり方と違うところです。あ・・あとケースも(笑)


それにしても私は今までこんな不思議なアンプは作ったことがありません。
回路上の疑問もさることながら、ベーク基板上の配線のことです。必ずしも最短で結ぶ配線ではなく、わざわざ迂回したり増幅部ではアースを2点でとったり。

 

ケースはTopの写真のとおり、300Bアンプ方式です(^。^)
ホームセンターで買った板とアルミを、これまたキコキコと加工して板にはビニールシートを貼り、アルミはスプレーで塗装しました。

さてケースにトランスをはじめ、増幅基板、入出力端子等を取り付けて結線。一発で音出しに成功しました・・・しかしなんということか。ハム音も元気いっぱいなのです!

こりゃ困った。こんなにハム音が大きくてはどんなに音が良くても話にならん・・・・。音からしてトランスからの誘導ではなく、アースのとり方以外に考えられません。電源スイッチを切るとハムはすーっと消えます。アースがループになってハムを拾っているとしか思えません。

アースは増幅部に2箇所、電源部に1箇所あります。つなぎ方を変えたり、ひょっとしたら平滑回路の容量不足でリップルが乗っているのか・・いや違う・・・試行錯誤すること2日間。もうほとんど諦めかけた時、ふと閃くものがありました。

大変な間違いをしていることに気がつきました。
電源トランスはシャーシーにネジで固定し、電源基板はトランスの上にL金具で固定してあります。このため電源基板(アースが落としてある)はトランスを通してシャーシーにつながれ、特別に結線しなくともアースされていたのです。
これははじめから承知していました。アースにつながっているんだから結線する手間が省ける・・・・。

まったくうかつでした。
これでは電源基板→増幅基板→入出力端子→シャーシー→トランス→電源基板の巨大ループができてしまうのです。トランスとシャーシー間を切断しなくてはなりません。トランスをシャーシーから浮かせるため、トランスーシャーシー間に絶縁体としてCDのケースを挿入してテスト。
OKです。ハム音はほとんど聞こえなくなりました\(^o^)/
で、実際のトランスは左のようにベーク板を使ってシャーシーから浮かしています。

アースのとり方は左のとおりです。赤い線が電源〜増幅部のアース線です。
増幅部と入出力のアースはシャーシーの1点に集中させています。

プリ、特にイコライザーのアースは微妙な要素があって本当に難しいと思います。もっとも今回の原因は私が手抜きしたためですが(笑)
これがメインアンプなら、おそらくまったく問題にはならなかったでしょう。解決には2日かかりましたが、これくらいで済んだのは運が良かったのかもしれません。

ハムは実際にはほんの少し残っています。このアンプの初段はカソードが交流的にアースされていないのも原因の一つかもしれません。
電池駆動でもない限りハムを皆無にするのは不可能ですから、ある程度のところで妥協することも必要です。今回は納得できるレベルでまとめることができました。

ホッと一息ついて、各部の電圧をチェックしたところ氏家さんの配線に比べてB+は5V、ヒーター部は0.5Vほど高めです。これ位の誤差ならピタリといっても差し支えありません。初段と2段目のプレート電圧は左右で5〜10V位の差があります。これは負荷抵抗の誤差というよりは12AX7自体のバラツキのせいでしょう。負荷抵抗が270Kと大きいのでわずかなバラツキ(Ipの違い)でも電圧差は大きくなるわけです。ちなみに使用した12AX7はナショナル製で(T)となっています。

●試聴

最初にかけたLPはWe Get Requetst / Oscar Peaterson(1961年録音)。
続いて手持ちの中から高音質と思っているモノをたて続けにかけてみます。
Crystal Silence / Chick Corea & Gary Burton(1971年)、Ballads Burton / Ann Burton(1967年)、Big Blues / Art Farmer(1972年)

素晴らしい音質です。自画自賛かな(笑)
思わずLPってこんなに良い音だったの?!、と思ってしまいます。

各楽器の伸び、輪郭の明瞭さ、透明感、余韻等、今までとは全然違います。音量を絞ってもその傾向はほとんど変わりません。
従来はピアノのハーモニーが時には暴れて音が濁る傾向がありましたが実にきれいにハモります。
今までLPは増幅段数が増えるため(イコライザーのこと)音が甘くなるのはやむを得ない、と思っていましたが大変な間違いであることを知りました。

■ラインアンプ


 

さて、イコライザーアンプはできました。

しかしイコライザーの出力だけでは、あるいはCDプレーヤーの出力だけでは少々力不足です。 第一LPやCD等の入力を切り替えられません。そこで急遽手持ちの部品を適当に使ってラインアンプを作りました。新たに買ったのはトランス、入出力用ピンジャック、真空管ソケット、電解コンデンサー位なもので、10000円位で仕上がりました。超ローコストです。

球は箱の中にゴロゴロしている6AU6の三結。16dBほどの負帰還をかけて2.3倍程のゲインになっています(計算上)。これでボリュームは夜中は9時、昼間は10〜11時の位置で充分。13時ではうるさすぎになりました。

P-G負帰還の特性上ボリューム位置の変化とともに入力インピーダンスも変わるし、仮に電源スィッチが切れていても(アンプは動作していなくても)、出力端子には微量ですが入力信号が伝わるという薄気味悪いアンプでもあります(笑)

SN比は抜群。ボリュームをMAXにしてもハムもノイズもまったく聞こえません。ケースのデザインや高さ以外のサイズはイコライザーとまったく同じに作ってあります。
それにしても・・・これって、氏家さんに何か言われそうだなあ(笑)

 

■今、我家はこういう状態です

イコライザーの上にラインアンプを乗せてあります。これにΠの字型に作った板をかぶせ、その上にCDプレイヤーを乗せました。

http://www9.wind.ne.jp/fujin/diy/audio/77/eq.htm
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/1221.html#c28

[リバイバル3] 真空管を交換した時にバイアス調整は必要か? 中川隆
1. 中川隆[-13717] koaQ7Jey 2022年2月12日 15:12:02 : hWN1wv8jWI : NzFSNHRrTkxkLy4=[24]

TRIODE 固 定 バ イ ア ス A 級 シ ン グ ル プ リ メ イ ン ア ン プ 300Night Black 取 扱 説 明 書 rev 1.0
https://triode.co.jp/cp-bin/wordpress/wp-content/themes/triode/image/manual/300NightBlack%20Ver1.0.pdf


シ ン プ ル な の 球 シ ン グ ル で 固 定 バ イ ア ス を 採 用 し 、300B の 魅 力 を 余 す こ と な く活 か せ る ア ン プ に 仕 上 が っ て お り ま す 。


取 扱 説 明

【 各 部 の 名 称 】

・ ハ ム バ ラ ン ス 調 整 ト リ マ
… ハ ム バ ラ ン ス 調 整 を 行 う 時 に 回 し ま す 。 ブ ォ ー ン と い う ハ ム 音 が 最 小 に な る よ う に 合 せ ま す 。

・ バ イ ア ス 調 整 ト リ マ
… バ イ ア ス 調 整 を 行 う 時 に 回 し ま す 。 回 す 時 に 力 を 入 れ す ぎ な い よ う に ご 注 意 く だ さ い 。

・ バ イ ア ス メ ー タ ー
… バ イ ア ス 調 整 時 に 使 用 し ま す 。
バ イ ア ス 選 択 ス イ ッ チ を 押 し 上 げ た 時 に 針 が 真 ん 中 を 差 す の が 正 常 で す 。

・ バ イ ア ス 選 択 ス イ ッ チ
… バ イ ア ス 調 整 や チ ェ ッ ク を す る と き に 、 押 し 上 げ ま す 。
( 左 右 チ ャ ン ネ ル を 同 時 に 押 し 上 げ な い で く だ さ い )


バ イ ア ス の 調 整

300B 出 力 管 を 適 正 な 動 作 に し て あ げ る た め に 、 定 期 的 に バ イ ア ス の 調 整 が 必 要 で す 。

電 源 を 入 れ る 前 に 、 本 体 天 面 の と の 「 . 」 を 細 い マ イ ナ ス ド ラ イ バ ー で 時 計 と 反 対回 し に し て お き ま す 。 ( に 流 れ る 電 流 を 一 番 絞 っ て お く た め で す 。 )

次 に 電 源 を 入 れ ま す 。 「 . 」 の ス イ ッ チ を 上 に ス ラ イ ド さ せ る と 表 示 の メ ー タ ー の 針が 動 く と 思 い ま す 。 メ ー タ ー の 真 ん 中 に 針 が 来 る よ う に 、 「 . 」 を 時 計 回 し に 回 し ま す 。

ま ず は V 1 か ら 調 整 を 行 い 、 V 2 も 同 じ 調 整 を 行 い ま す 。 何 度 か 繰 り 返 し て 追 い 込 ん で く だ さ い 。
但 し 、 V 1 と V 2 の ス イ ッ チ は 同 時 に 上 に 押 さ な い で く だ さ い 。


ハ ム バ ラ ン ス の 調 整

直 熱 管 は フ ィ ラ メ ン ト 点 灯 時 の ノ イ ズ の 影 響 を 受 け る た め 、 ハ ム バ ラ ン ス 調 整 が 定 期 的 に 必 要 で す 。
ア ン プ 本 体 に ス ピ ー カ ー を 繋 い で 、 何 も 音 声 入
力 を 入 れ な い 状 態 で 、 ボ リ ュ ー ム も 完 全 に 絞 っ た 状
態 で 、 ス ピ ー カ ー か ら 聴 こ え て く る 「 ブ ゥ ー ン 」 と い う
ハ ム ノ イ ズ 音 が 一 番 小 さ く な る よ う に 「 HUM BALANCE 」 ト リ マ を 回 し て 調 整 し ま す 。

* ハ ム ノ イ ズ は 完 全 に は ゼ ロ に は な り ま せ ん
わ ず か に 聞 こ え ま す が 故 障 で は あ り ま せ ん 。
こ れ で 必 要 な 調 整 が 完 了 い た し ま し た 。
心 ゆ く ま で 音 楽 を お 楽 し み く だ さ い !

真 空 管 の 交 換

電 源 が オ フ に な っ て い る 事 を 確 認 し 、 真 空 管 を 取 り 付 け ま す 。
真 空 管 カ バ ー を 外 し 、 お よ び を そ れ ぞ れ の ソ ケ ッ ト に 差 し 込 み ま す 。


〜 差 し 込 む 際 の 注 意 点 ! 〜

300B は よ く 見 る と ピ ン の 太 さ が 違 い ま す 。 フ ィ ラ メ ン ト の ピ ン 2 本 が 太 く 、 プ レ ー ト と グ リ ッ ド の ピ ン は少 し 細 い で す 。 こ の 向 き を 間 違 え て 無 理 や り に 差 し 込 ん で し ま う と 、 ソ ケ ッ ト の 変 形 、 本 体 及 び 球 の破 損 に つ な が り ま す 。 く れ ぐ れ も ご 注 意 く だ さ い 。

12AX7 は ピ ン の 欠 け て い る 部 分 をソ ケ ッ ト と し っ か り 合 わ せ て し っ か り と奥 ま で 差 し 込 ん で 下 さ い 。

300B を 交 換 し た 場 合 、 必 ず バ イ ア ス 調 整 と ハ ム バ ラ ン ス 調 整 を 行 っ て く だ さ い !

未 調 整 の ま ま 使 用 し ま す と 、 ア ン プ や 真 空 管 の 破 損 す る 場 合 が あ り ま す 。

ヒ ュ ー ズ の 交 換

部 品 袋 に 同 梱 さ れ て い る ガ ラ ス 管 ヒ ュ ー ズ を 本 体 背 面 の イ ン レ ッ ト の ヒ ュ ー ズ カ バ ー をマ イ ナ ス ド ラ イ バ ー 等 を 使 っ て 引 き 出 し て 、 外 し た カ バ ー に ヒ ュ ー ズ を セ ッ ト し ま す 。

主 な 仕 様

真 空 管 A 級 シ ン グ ル 固 定 バ イ ア ス 回 路
使 用 真 空 管 : 300B x 2本
12AX7 ( ECC83) x 2本

最 大 定 格 出 力 : 8Wx 2 ( 1kH z 5 %THD 8Ω )
出 力 イ ン ピ ー ダ ン ス 4 - 8 Ω
入 力 イ ン ピ ー ダ ン ス : 100k Ω
入 力 感 度 : 700mv
電 源 : ( H z ) AC100V 50/60
消 費 電 力 : 80W
最 大 外 形 寸 法 : 幅 3 1 0 x高 さ 1 9 5 x奥 行 3 1 0 m m
重 量 : 16kg


保 守 用 真 空 管

TRIODE 300B / 電 力 増 幅 管 20,000円 /本 ( 税 別 )
TRIODE 12AX7 / 電 圧 増 幅 管 2,800 円 /本 ( 税 別 )

グ レ ー ド ア ッ プ 用 真 空 管
PSVANE WE300B 電 力 増 幅 管 43,000円 /本 ( 税 別 )

世 界 の 名 出 力 管 300B に つ い て

電 力 増 幅 用 三 極 管 300B は 1936年 に 300Aの 改 良 版 と し て 登 場 し ま し た 。
映 画 用 ト ー キ シ ス テ ム と し て 1086 ア ン プ や 91-B ア ン プ 等 の 業 務 用 ア ン プ 。 コ ン ソ ー ル ア ン プ の 電 源 抵 抗 管 、 そ の 他 軍 用 に も 使 用 さ れ て い ま し た が 、 当 時 は 一 般 人 が 入 手 す る こ と は 困 難 で し た 。

現 在 は 本 家 ウ ェ ス タ ン エ レ ク ト リ ッ ク の も の は 生 産 さ れ て お ら ず 、 そ の 希 少 性 か ら 高 額 で 取 引 さ れ て い ま す 。 近 年 は 中 国 、 ロ シ ア 、 東 欧 の 国 々 で も 多 く 生 産 さ れ て お り 、 入 手 も 容 易 と な り 、 そ の 音 質 の素 晴 ら し さ か ら オ ー デ ィ オ フ ァ ン の 間 で は 、 名 球 と し て 永 ら く 愛 さ れ て い ま す 。

https://triode.co.jp/cp-bin/wordpress/wp-content/themes/triode/image/manual/300NightBlack%20Ver1.0.pdf
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/1224.html#c1

[リバイバル3] 真空管を交換した時にバイアス調整は必要か? 中川隆
2. 中川隆[-13716] koaQ7Jey 2022年2月12日 15:17:14 : hWN1wv8jWI : NzFSNHRrTkxkLy4=[25]
3段直結固定バイアス300Bシングルアンプの製作
2011/October/13 (c) S.Yoshimoto
http://yoshimoto.a.la9.jp/Di3amp/Di3amp1.htm

理想的な300Bシングルアンプを目指して

300Bは音が良く、優秀な特性を持つ真空管の王様です。
そして300Bアンプは真空管アンプの頂点と言えます。
ご自身のアイデアと技量でこの頂点を極めたいと望む方も多いのではないでしょうか。
本製作では最新の技術や素子を取り入れた斬新な構成の300Bシングルアンプを製作します。

理想的な300Bシングルアンプは”音が良い”アンプですが、
”音の良さ”を支える要件としては

大出力と低歪率
高い電源利用率
十分な利得と適度な負帰還
低雑音
があげられます。
300Bシングルアンプにて、これら要件をどのように実現すべきでしょうか?


大出力と低歪率

300Bはシングル動作で8W出力が普通ですが、これは300Bのグリッド・マイナス領域を用いた場合の値です。
グリッド・プラス領域までを用いれば、さらに大きな出力が得られます。
グリッド・プラス領域ではグリッド電流が流れる為、CR結合による駆動が行えず以前より

直結駆動
カソードフォロワ駆動
トランス駆動

が用いられていました。本製作では直結駆動により8W以上の出力を目指します。

300Bは低歪な真空管ですが、通常より高い負荷抵抗値と高電圧・低電流の動作点を採用し、さらなる低歪率を目指します。

高い電源利用率
300Bはバイアス電圧の値が大きく、良く用いられる自己バイアス方式では70V近くの電圧とその電力損失が300Bのカソード抵抗で消費されてしまいます。
本製作では固定バイアス方式を採用し300B のカソード抵抗を排してカソードでの電圧と電力の消費を削減します。


十分な利得と適度な負帰還
300Bは感度が低く、大きな駆動電圧が必要です。この為300Bを駆動する前段には大きな増幅度と出力電圧が求められます。
20倍程度の仕上がり利得と特性確保の為の10dB程度の負帰還量を得るには駆動段1段、300B出力段1段の2段増幅では裸利得が不十分です。
本製作では駆動段2段、300B出力段1段の3段増幅を採用します。


プレート電流自動調整
3段直結かつ固定バイアス形式では素子の温度よる特性変化や電源電圧の変動により出力管のプレート電流が安定しません。
本製作ではプレート電流の自動調整回路を導入します。プレート電流の自動調整化により温度や電源変動に対してプレート電流が安定化するのみでなく、300Bの消耗等に対する長期安定性も向上し、さらに固定バイアスにも関わらず300Bを無調整で交換できます。


電源投入時の安全対策
多段直結回路では真空管の温まり時間差により、電源投入時に過電流となる危険があります。本製作では電源投入時の安全対策も導入します。

低雑音
最大の雑音源は300Bのフィラメント点火電源です。交流点火では雑音を抑えられません。
従来からも直流点火が用いられていますが、整流が不十分であったり、安定化電源からの大きな発熱を伴ったりしました。
本製作では最新のDC/DCコンバータを用いて高効率・低発熱で低雑音な直流点火を行います。
さらに、初段管も直流点火とし、高圧電源にはMOSFETによるリップルフィルタを用い、さらなる低雑音を目指します。

目次
本機の製作方針は

3段直結増幅による広帯域、高出力、低歪率
固定バイアスによる高効率
プレート電流自動調整による高安定性
電源投入時安全対策
DC/DCコンバータ直流点火による高効率・低雑音
となりました。

以下、その設計と製作を行います。

基本設計
詳細設計
シャーシ構造及び内部写真
測定結果
部品表
205Dアンプへの変更  

http://yoshimoto.a.la9.jp/Di3amp/Di3amp1.htm
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/1224.html#c2

[リバイバル3] 真空管を交換した時にバイアス調整は必要か? 中川隆
3. 中川隆[-13715] koaQ7Jey 2022年2月12日 15:22:56 : hWN1wv8jWI : NzFSNHRrTkxkLy4=[26]
雲の大僧正さん
2012/5/25 10:52
真空管アンプのバイアス調整について無知なもので、教えてください。
https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1387940833

基本、真空管アンプに刺さっている規格どおりの真空管なら、

真空管交換時、バイアス調整は不要なのでしょうか?


ベストアンサー
shu********さん 2012/5/25 11:26

ここで勉強できますよ。
http://www.vintagesound.jp/index.php?main_page=page&id=890&chapter=0


yh_********さん 2012/5/25 17:40
Fender Blues Jr 等 調整機能を設けていないアンプも多い、ペアー管で交換するだけで良い。
調整機能付きでもペアー管で交換するだけで充分、業者筋等の主張はまた別の意図、要注意。

Blues Jr にペアー管を使った人のレビュー例 http://www.soundhouse.co.jp/shop/ProductDetail.asp?Item=307%5EEL842SET%5E%5E

改めて真空管、安い順 http://www.soundhouse.co.jp/shop/SearchList.asp?s_maker_cd=&s_category_cd=350&s_mid_category_cd=&s_large_category_cd=&s_product_cd=&search_all=&sSeriesCd=&sPriceFrom=0&sPriceTo=9999999&i_type=c&i_sub_type=&i_page=1&i_sort=Price_ASC&i_page_size=30&i_ListType=type1


we3********さん 2012/5/25 15:14
バイアスのかけ方には大きく分けて自己バイアスと固定バイアスの2種類があります
自己バイアスならバイアス調整は不要です。
固定バイアスなら電力増幅管を交換するごとに調整するのが望ましいです。
望ましいというのは、よほどひどい真空管でない限り、無調整でも大体は使えるからです。

シングルアンプの多くは自己バイアスですが、中には固定バイアスのものもあります、
プッシュプルアンプの多くは固定バイアスですが、中には自己バイアスのものもあります。
つまり回路を確認しなければわからないということです。
もっともあなたのアンプにバイアス調整用のボリュームがついているなら、間違いなく固定バイアスです。


カリダカアサダチソウさん 2012/5/25 13:52
シングル動作じゃ無い以上は調整は必要です。

確かグルーヴチューブだった記憶が有るんですが、
一度その球で調整をしたら、次回以降それと同じ物を買えば
バイアス調整が要らない様な球も売られています。
1人がナイス!しています


やっさんさん 2012/5/25 12:35
パワー管が2本以上ならバイアス調整は必要です。これは2本、または4本同時に作動させるためその力を合わせるためです。

物を動かすとき一人が押してもう一人が引っ張ります。片方だけに負担がかかるとすぐばててしまいますし、まっすぐに動かせませんね。真空管もこれと同じと考えてください。

真空管は同じ工場や同一ロットで作っても個体差が生じます。これをなるべく近い特性を合わせ(ペアチューブ)、なおかつ、働く条件を決めてやります。これが『バイアス調整』です。

パワー管が1本ならバイアス調整は必要ありません。一人で引っ張れば良いのですから。
また、プリ管の交換もバイアス調整の必要は有りません。あくまでも2本以上を使用したパワー管の動作条件を同じにしてやる事、これをバイアス調整と言います。

https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1387940833
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/1224.html#c3

[リバイバル3] オールド QUAD の安物アンプは名機なのか? 中川隆
83. 2022年2月12日 15:43:04 : hWN1wv8jWI : NzFSNHRrTkxkLy4=[27]
soundR - Balladsl 新しい音の世界を求めて
Reference System
http://www7b.biglobe.ne.jp/~ballds/soundR.html


現在自分のリファレンス用に使っている装置です。 自分で作ったものや改造したものは、時々何が最初に求めた音なのか見失ってしまう時があります。 そんな時に目安となるスケールが必要になるんですが、そんな時にこの組み合わせでの音を聴いて、今自分がどこにいるのかを確認します。 この組合わせから出てくる音が自分の最良の好みというのではないのですが、ここから出てくる音は自分の最終目標とどういうところが違うというのをある程度掴んでいるので、スケールになります。 そのために、ちゃんと安定した音が出るようにメーカー製にしています。 

アンプをQUADに変えたんですが、音は以前のシステムとかなり変わってしまいました。 スピーカーとのバランスはとてもいいですし、アンプも古いので歪率とかはかなり悪いんですが、ぎゅっと凝縮されたような密度の濃い音が出てくるので、個人的には以前のものより自分の好みの音に近く、気に入っています。 スピーカーの弱点を補っている気がします。 かなり色々なジャンルを鳴らしてくれますが、ジャズ等では低音の締りが足りずにベース等の弾み感が出てきませんので、やはりクラシック中心ですが、 弦楽器やヴァイオリンを中心としたジャンル・レスな音楽は聴かせてくれます。 昔から、BBCモニターとQUADは相性が良いと言われているようですが、確かにこの組み合わせでも音楽が聴こえてきます。
現在クラシックの再生、特に大きめの編成はもっぱらこのシステムで聴いています。 真空管のエージングが進んだのか、とても豊かな雰囲気で鳴ってくれています。 ウーファーが小さめなのでちょっと低音が甘い感じがあるんですが、それが編成の大きなもので効いているかもしれません。 ただし、JAZZとか締まった低音が欲しいものではちょっと逆効果です。 でも、今のところこの組み合わせで聴くヴァイオリンと同レベルで聴けるものはかなり少ないです。 最近の実験で、ナス管の245とワーフェデールの組み合わせで、これと同レベルの音が聴けました。 これで、小編成をモノラルで聴く場合は、その組み合わせもよさそうです。


より安定した音にするために、アンプをUKのメーカー製に変更しました。(2021年5月)
以前はQUAD22+QUAD2x2を使っていましたが、今回は33+303です。 モノラルのQC2の音を聞いてしまったら、22+2x2は、ステレオ初期の仮のアンプで、33+303出始めて、QUADのステレオ用アンプが完成したのではと、思われます。1967年から82年ころまで販売されました。 CD時代になり次の世代に代わっていきました。 大きさは、QC2とQUAD2を踏襲し、角ばったデザインに代わっていますが、音も雰囲気が変わらないように設計されている感じがします。
ESL-57を使っていた時にこのアンプ入手出来ていたら・・、そのあとの遍歴が変わっていたかも。 でも、この音の良さがわかるようになったのは、色々試してきたからかもしれません・・。
今はこの渋い感じが好きです。 古さでは、22+Q2x2の方が古いのですが、ステレオで聴く感じはこちらの方がまとまりがいいです。

Pre-Amplifier: QUAD33
Power Amplifier : QUAD303
Speaker : Rogers LS3/5a + HF1300
Tuner: QUAD FM3

http://www7b.biglobe.ne.jp/~ballds/soundR.html
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/840.html#c83

[リバイバル3] 真空管を交換した時にバイアス調整は必要か? 中川隆
4. 2022年2月12日 16:19:55 : hWN1wv8jWI : NzFSNHRrTkxkLy4=[28]
ID非公開さん 2019/1/9 17:25
真空管アンプのバイアス調整について教えてください。
https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q10201652280

RCA 50タイプのシングルアンプを入手しましたが、固定バイアスとなっております。
バイアス調整をする場合:
KT88タイプ:カソード、出力端子(グランド)の2点をテスターで計測と理解してます。

では直熱管4ピンの場合は、グリッドピンと出力端子(グランド)をテスターで電圧
計測し調整することでよろしいのでしょうか。

急ぎ調整の必要があるわけではないのですが、詳しい方いらっしゃいましたら、お教え願えないでしょうか。
ネットでかなり検索しましたあが、なかなか見当たりませんでした。

ベストアンサー
ハイパワーサウンドさん 2019/1/10 4:53
直熱管シングルの固定バイアスとは、珍しい回路ですね。
危惧すべき点がありますので、かなり専門的な解説をさせていただきますので、我慢してお読みください。

50という真空管の規格表には、代表的な動作例が書かれているだけで、絶対最大定格などの記述も私の知っている範囲ではみられません。
それにも関わらず、知っている限りのすべての規格表に、「どんな場合でも自己バイアス動作を推奨」とか「グリッド抵抗を使う抵抗接続は推奨しません(つまり、トランス結合などの低インピーダンスドライブ推奨)」と記述されているのです。カニンガムのCX350 (実は50の高信頼バージョン)には、トランス結合と明記されています。

RCAの規格表には、

Any conventional type of input coupling may be used provided the resistance added to the grid circuit bai this device does not exceed 10000 ohms.

これは、「どんな結合で動作させても、グリッド抵抗は、10kΩを超えないこと。」つまり、トランス結合などであっても、トランスに与える負電圧の生成回路の直流出力抵抗が低いこと、自己バイアスであっても、グリッド抵抗が低いことなどとなっています。

なぜ、絶対最大定格すら書かれていない簡略化された規格表にまで、このような記述があるのか。それは、真空管の開発された時期に起因するものです。その時代、出力管として大きな電流を扱えるのは、かなり高温になる陰極を用いたものが主流でした。純タングステンフィラメントまたは、トリエーテッドタングステンフィラメント。前者は、白熱電球なみ、後者はそれよりやや低いものの、かなりの高温です。

後に開発された有名な300Bでは、Svetlana SV300B の規格表に、
The Svetlana SV300B uses ultra-pure carbonized nickel plate material and a proprietary oxide coating on the filament to give Western Electric(TM)-like performance.
と書かれているように、oxide (酸化物。熱電子放出に適した化合物を総称して、このように呼ぶことが習慣となっています)を塗布してあり、陰極温度が下がっています。
この陰極温度の違いは、動作時の内部の真空度に影響します。高音になると、陰極表面に吸着されている、あるいは陰極の表面下に吸蔵されているガス成分が、管内に放出されます。RCA50は、動作時の内部の真空度が低く、生成される陽イオンが多くて、それが、マイナス54Vからマイナス84V(動作例)のグリッドに捕捉され、事実上バイアスが浅くなり、暴走して昇天してしまうという故障につながるわけです。
このような理由から、固定バイアスのままグリッドの調整だけをしても、恐らく出力管の寿命はかなり短くなってしまうでしょう。もしかすると、入手された段階で、寿命が尽きているかも知れません。ぜひ、回路全体を見直してください。

固定バイアスの場合のバイアス調整方法は、プレート電流またはカソード電流(フィラメントがカソードとなる直熱管ですが)を測定して、規格表の動作例と合せることになるわけです。グリッドの電圧で合わせるわけではありません。
交流点火の場合には、添付図の所の電流を測定するようにします。フィラメント点火用のトランスの巻線の中点を利用してください。ハムアジャスターのある回路、直流点火でも、同様に、陰極電流と同じ電流が流れる位置の電流を調べます。

最後にくどいようですが、固定バイアスは、真空管メーカーが厳に諌めています。少しでも早く設計見直しをお願いします。


ハイパワーサウンドさん 2019/1/10 13:44

> oxide (酸化物。熱電子放出に適した化合物を総称して、このように呼ぶことが習慣となっています)

oxide (酸化物。熱電子放出に適した化合物を総称して、このように呼ぶことが慣習となっています)に訂正します。

遊女乃沙理衣さん 2019/1/10 13:43

それよー分からへんのてやけど。

★七面鳥式とチャウ?(励振管直結=励振管で動作点決定)

終段単管は当然A級やないと【音】がまともにならへんから
陽極損失の最大点に設定したらええんやけど。
(最大陽極電圧時は最小陽極電流値)
(最小陽極電圧時は最大陽極電流値)
この括弧内を守らへんとまともに鳴らへんか、上下どちらかの波形が早う潰れるから電力が取れへんだけやねん。

先のご指導とおりやね、そんな古いワシが生まれる前のような古典球は元々抵抗容量結合なんての技術誕生前の球やから、変成器結合か前述の七面鳥しか使い道がないねん。

ただそのグリッド抵抗値が低い事を逆手に取り、終段管制御格子の抵抗を前段の電力稼ぎ用の負荷抵抗として使い(当然ワッテージの高い抵抗採用)で。

前段に数キロオーム負荷の小規模電力増幅ステージを先行設ける事で無理やり抵抗結合する(大変無駄な使い方)の製作例もあらへんこともない。

先方のご指導の図面通り、フィラメントの中心部(通常オートバイアスを定める抵抗を挿入する箇所)に電流計を設ける方法もあるけど。

簡単にするには、そこに低抵抗値の、陽極電流(陰極電流)乗算バイアス電圧の電力に耐えうるワッテージの抵抗を挿入して、その抵抗値の両端の電圧測定するコトで、オームの法則から電流も測定できる。

抵抗はそのままにしておいてもかまわない。
気になるなら、調整後にショートか取り去ればええんや。

感電せえへんようにがんばってや。

ID非公開さん 質問者2019/1/13 17:22
ご回答に大変感謝いたします。先の方同様知識の豊富さに感服いたしました。私はというと「フィラメントの中心部に設ける」とは具体的には? とういうレベルです。「なんやそんなんも分からんのかいな・・・」と呆れてしまわれるかもです。真空管の2つのフィラメント端子のテスターを直列に配置することでよろしいのでしょうか。
七面鳥式?
もう少し勉強して、感電しないように頑張てみたいと思います。

https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q10201652280
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/1224.html#c4

[近代史5] 1969年の米国で6%のインフレを抑えるためにどれだけの利上げが必要だったか 中川隆
1. 2022年2月12日 18:24:37 : hWN1wv8jWI : NzFSNHRrTkxkLy4=[29]
コロナ蔓延でもインフレ止まらず、12月米物価上昇率は7.1%
2022年1月13日 GLOBALMACRORESEARCH
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/18620


1月12日、アメリカの最新のCPI(消費者物価指数)統計が発表された。12月のインフレ率は7.1%(前年同月比、以下同じ)となり、前月の6.9%から加速してついに7%台となった。

コロナ以後、インフレ率については前年比にすると比較対象の前年が極端に低い数字となってしまっていたため前月比年率を使ってきたが、そろそろ前年同月比に戻しても良いだろう。前月比のデータは月ごとの要因を打ち消すために恣意的な指数調整に頼っており、その不正確さが市場で問題になったこともある。出来る限り前年同月比を使ったほうが良いだろう。

インフレ率はついに7%台へ

さて、では物価上昇率のチャートを見てみよう。


コロナ後の物価の上がりようは見事である。現金給付と脱炭素がちゃんと仕事をしたということだろう。

サマーズ氏: エネルギー価格を高騰させる脱炭素政策は健全ではない

グラフをもう少し詳しく見ると、12月に入って勢いはやや鈍化したように見える。夏頃に一度チャートに踊り場が出来ていることに注目すると、この踊り場は夏のコロナ蔓延が一因となって引き起こされたものであり、アメリカで現在の波が12月頃から始まったことを考えれば、今回やや勢いが落ちているのはオミクロン株のためかもしれない。

そうであれば1月や2月のインフレ率もやや減速し、同じような踊り場が出来る可能性もある。しかし逆に言えば、コロナが収まればまた物価の高騰が始まるということでもある。どちらが良いのか分からなくなってくる状況である。

上がり続ける住宅価格

ではいつものようにCPIの内容を見てゆこう。まずは金融緩和と現金給付によってもたらされた住宅バブルを反映している(はず)の要素、家主の見なし家賃からである。

家主の見なし家賃とは、家主が賃料を払ったと仮定して算出するCPI住宅関連の要素であり、12月の数字は3.8%の上昇となっている。


ほとんど垂直上昇である。

それもそのはずで、実際にはアメリカの住宅価格は2桁上昇となっており、3.8%どころではないのである。債券投資家のジェフリー・ガンドラック氏ら専門家がこの要素が住宅市場の実体を表していないとして何度も批判している。

しかしそれでも実体を遅れて表してくるのであれば、家主の見なし家賃はこのまま上がり続けるだろう。そしてそれはコロナの波による経済の短期的な落ち込みにも影響されていないように見える。

エネルギー価格は一旦停止

次はエネルギー価格である。化石燃料の供給を無理矢理制限する脱炭素政策のために怒涛の上昇を続けていたエネルギー価格だが、12月は29.6%の上昇となり、11月の33.5%からやや減速した。


これは原油価格が冬より前に上がりきったこと、そしてオミクロン株が発見されたことで11月に下落を始めたことが原因だろう。アメリカの原油価格のチャートは次のようになっている。


原油価格はコロナの波をある程度反映する推移となっている。CPI全体の夏の踊り場も夏の原油価格の下落が一定の役割を果たしているだろう。

結論

だが原油価格は回復している。今後物価はどうなるだろうか。現在7.1%の物価の今後の推移がアメリカの利上げを左右し、アメリカの利上げが世界の株式市場の命運を握っている。

2022年の株式市場はインフレと金融引き締めで暴落する


まず今短期的に経済を抑えているコロナには波があるので、アメリカでは春前には状況は今よりは良くなっているだろう。

更に物価全体、そして原油価格に影響を与えるのが、金融政策の水準である。そしてアメリカの中央銀行が今どうしているかと言えば、インフレ率が7.1%の高さにある中で、金利を0%から0.75%に上げるかどうかを話し合っている。

12月FOMC会合結果: 利上げ3回示唆でタカ派に転換も株価は上昇


それでインフレが止まるわけがないのである。1970年代の物価高騰では政策金利をインフレ率より上に上げなければインフレは止まらなかった。

何度も言うが0.75%は低金利である。しかしその低金利でさえ株式市場を殺してしまうかもしれない。

マイナード氏: 来年の利上げは株価にとって危険


アメリカ経済は完全に終わっている。中央銀行はいずれ利上げの更なる加速を表明し、株式市場は下落するだろう。慌てた中央銀行が緩和を再開し、ドルが暴落するところまでを専門家は既に織り込んでいるのである。

サマーズ氏: 中央銀行と市場はインフレを過小評価、政策金利は2.5%以上まで上がる
世界最大のヘッジファンド: ドルとユーロと円は暴落する


https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/18620
http://www.asyura2.com/20/reki5/msg/1490.html#c1

[近代史7] 『デスフォレスト 恐怖の森(第1作)』(NSW 2014年) - youtube動画 中川隆
1. 2022年2月12日 19:09:07 : hWN1wv8jWI : NzFSNHRrTkxkLy4=[30]
デスフォレスト 恐怖の森2




スタッフ
監督・編集 - 一見正隆 [6][7][8][9]
脚本 - 小川努[6][7][8][9]
原作 - Kazz[6][7][8][9]
撮影 - 岡崎孝之[6][7][8][9]
音楽 - 重盛康平[6][7][8][9]
配給 NSW
公開 日本の旗2015年3月21日公開


第1作の続編。2015年3月21日公開。前作同様、一見正隆が監督を務めた。主演は、グラビアモデルの倉持由香。

ストーリー
オシロをはじめとする演劇部員は、部活動の合宿で薄暗い森の麓に建つ、取り壊される予定の旧校舎に来ていた。 合宿当日に顧問から新入部員を紹介されるが、ろくに稽古もしない問題児であり、勝手に教室から抜け出し日が暮れても戻って来ない。 日が沈んで暗くなるにつれ異様な雰囲気を感じていたが、ほかに誰もいないはずの旧校舎の職員室前で目にしたものは、ナイフを手にした新入部員と傍らの死体、そして巨大な顔の怪物であった。

キャスト
キズキ - 倉持由香[6][7][8][9]
白川(オシロ) - 下垣真香[6][7][8][9]
レイナ - 寺田安裕香[6][7][8][9]
橋本薫乃[6][7][8][9]
富田千晴[6][7][8][9]
南先生 - 鈴木賀央里[6][7][8][9]
男性教師 - 松永毅[6][7][8][9]
謎の老婆・斎藤 - 下東久美子[6][7][8][9]
内田一輝 - 川岡大次郎[6][7][8][9]

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%87%E3%82%B9%E3%83%95%E3%82%A9%E3%83%AC%E3%82%B9%E3%83%88_%E6%81%90%E6%80%96%E3%81%AE%E6%A3%AE

http://www.asyura2.com/21/reki7/msg/877.html#c1
[近代史7] 『デスフォレスト 恐怖の森(第1作)』(NSW 2014年) - youtube動画 中川隆
2. 2022年2月12日 21:21:17 : hWN1wv8jWI : NzFSNHRrTkxkLy4=[31]
デスフォレスト 恐怖の森3




スタッフ
監督・撮影・編集 - 鳥居康剛[10][11][12][13]
脚本 - 小此木聡[10][11][12][13]
原作 - Kazz[10][11][12][13]
音楽 - 中野哲郎[11][12][13]


巨大な顔の怪物に追われる恐怖を描いた、人気ホラーゲームの実写映画化のシリーズ第三弾。鳥居康剛がメガホンを取り、女性アイドルグループ私立恵比寿中学の元メンバーである宇野愛海が主演を務めた。2015年12月12日に公開された。

ストーリー
東京近郊の静かな町で暮らす真由は、東京に住む叔父を頼りに家出の計画を立てる。義父から受けている暴力から逃れるためだった。 東京へ向かう深夜バスに乗り込もうとしたとき、薄気味悪い老婆に行く手を阻まれてしまい、徒歩での暗い人気のない峠越えを余儀なくされる。 叔父の一輝は巨大な顔の怪物の正体を探っている折、姪の真由が家出をしたという電話を受ける。 捜索をする途中、山道で真由の携帯を発見するが、携帯に残された画像に写り込んでいたのは、あの巨大な顔の怪物であった。

キャスト
内田真由 - 宇野愛海[10][11][12][13]
ユウキ - 三原大樹[10][11][12][13]
ナツキ - 森田想[10][11][12][13]
セイジ - 前田隆太朗[10][11][12][13]
さがみひろこ - 夏居瑠奈[10][11][12][13]
佳代の同棲相手 - 梶間広之[10][11][12][13]
謎の老婆・斎藤 - 下東久美子[10][11][12][13]
畠山 - 小野孝弘[10][11][12][13]
宇江山ゆみこ[10][11][12][13]
秋村里香 - 君島光輝[10][11][12][13]
白川(オシロ) - 下垣真香[10][11][12][13]
内田一輝 - 川岡大次郎[10][11][12][13]

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%87%E3%82%B9%E3%83%95%E3%82%A9%E3%83%AC%E3%82%B9%E3%83%88_%E6%81%90%E6%80%96%E3%81%AE%E6%A3%AE

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