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[近代史02] 鈴木傾城 _ アメリカ株で儲けるほど簡単な事は無い 中川隆
114. 2023年10月01日 20:59:22 : DjH7Mn2cas : NlFoTWsuZjVMbmc=[1]
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2024年の米国株予想: 株価は最大で50%下落する
2023年10月1日 GLOBALMACRORESEARCH
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/40275

2024年、アメリカには景気後退が迫っている。コロナ後の現金給付の余韻が消え始め、インフレ後の金融引き締めが効き始めているからである。

ガンドラック氏: コロナ後の緩和による好景気は終わり、米国経済はデフレと景気後退へ
では、米国経済が景気後退に陥れば、米国株はどうなるのか? 今回の記事では株価の目標値を簡単に計算してみたい。

米国株の現状

まずは現在の米国株の問題を再び纏めてみよう。米国の主要株価指数S&P 500は以下のように推移している。


コロナ後に上昇した米国株は2022年に下落した後、やや反発している。

米国株が2022年に下落した原因は、2021年に始まったインフレとその後の利上げによる長期金利の上昇である。

金利が高くなれば、投資家は下落リスクのある株式ではなくリスクの少ない国債などを持とうとする。だから米国株は下落したのだが、その後株価はある程度回復している。

株価水準と金利

米国株が回復したのは、元々は2022年秋頃からアメリカでインフレ率が低下し、それに伴って長期金利も低下したからである。

株価は今も高い水準にあるので、長期金利はそのまま低下していっているはずだと論理的な人であれば考えるだろう。だがアメリカの長期金利はそうなってはいない。高いままである。むしろ株安のあった2022年より高くなっている。


株式市場にとっての問題が解決していないどころか悪化しているのに、株価は高値に戻っている。それが米国株の問題であり、金利と比べて現在の株価水準が歴史上稀に見るほどに割高であることは、何人かのファンドマネージャーらが指摘している。

ガンドラック氏: 米国株の株価は来年の景気後退を織り込んでいない
米国株の株価水準

現在の米国株の水準は、現在の1株当たり利益では正当化されない。だから将来利益が上がるという期待が株価を押し上げている。

だがもし本当に景気後退になれば、企業利益は上がるどころかむしろ下がるだろう。景気後退の直前まで株式投資家が楽観しているのは、バブル崩壊前夜においてはいつものことなのだが。

しかし米国株は利益に対する楽観を差し引いてもやはりかなり割高なのである。そこで、とりあえずこの企業利益に対する楽観をそのままにして、割高な株価水準を例えばコロナ前の2019年後半のバリュエーションにまで戻すと、筆者の計算ではそれだけでS&P 500の株価は3,300ドルにまで下落する。

現在の株価は4,326ドルなので、それだけで株価はほぼ25%下落することになる。株価チャートをもう一度掲載しよう。


それでほぼコロナ直前の株価水準に一致する。

だがそれでもまだ企業利益に対する楽観を修正できていない。では企業利益上がらず、現在の水準に留まると仮定するとどうなるか。株価は3,000ドルまで下落する。それで現在の水準から30%の下げ幅である。

しかし景気後退時には、実際には企業利益は横ばいにはならずむしろ大きく下落する。例えば景気後退が企業利益の見通しに10%の下方圧力を加えると仮定すれば、株価もそのまま10%下がるので、株価は2,700ドルということになる。

これでいよいよ2020年前半のコロナ危機における最安値に近づいてきた。最後に、景気後退時には投資家は悲観的になるので、株価のバリュエーションは企業利益の実際の減少よりも低くなる。現在は投資家の楽観が織り込まれているが、景気後退が明らかになった時には逆に悲観が織り込まれるわけである。

上では、株式投資家の楽観による株価上昇効果を25%と見積もった。なので悲観による下落効果を同じく25%と見積もれば、株価は2,700ドルから2,000ドル台に下落する。

結論

つまり、2024年に景気後退が完全なものとなれば、株価は理論的に2020年のコロナ危機における最安値を下回ることになる。

これはあくまで理論的な試算に過ぎない。上で計算した複数の株価下落要素のうち、何処までがどれだけ実現するかを厳密に予想することもできない。あくまで2,000ドルは最大の下落幅だった場合の株価である。

また、金利と株価を比べるにも色々な方法がある。ジェフリー・ガンドラック氏も同じことを考えているが、筆者とは計算方法が恐らく多少異なっている。

ガンドラック氏: 米国株の株価は来年の景気後退を織り込んでいない
そしてより大切なのは景気後退のタイミングである。それについてはマネーサプライや雇用統計などリアルタイムのデータを見ながら逐次アップデートしてゆくほかない。現状では景気後退は2024年前半だと考えているが、タイミングは逐次修正される。実際、景気後退はドーン・フィッツパトリック氏を除く多くのファンドマネージャーの推測よりも遅れている。

2022年のフィッツパトリック氏の経済予想が完全に当たっている
だが、この記事で言いたいのは、米国株がどういう水準にあるのかを考えてトレードする必要があるということである。

多くの株式投資家は、金利と株価水準を比べることさえしていない。今年の株価反発で米国株が2022年の高値を超えられずがっかりしている投資家もあるかもしれないが、米国株が上値を抑えられているのは当たり前である。

筆者の考えでは、結局米国株は2022年から始まった長期ダウントレンドの中にいる。ただ、コロナ後の莫大な現金給付とその後の大規模な金融引き締めというトレンドが大きすぎて緩やかにしか状況が進まないだけである。一喜一憂している人々は楽しそうだが、状況は2年前から何1つ変わっていない。

だが、長期的には米国株は以下の記事で説明した1970年代のインフレ相場の繰り返しか、あるいはそれよりも悪くなるだろう。長期的トレンドからは逃れられないのである。状況はますます当時に似てきている。

ドラッケンミラー氏: 株式市場は40年前の物価高騰時代より酷い惨状に

https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/40275

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