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2023年09月06日
オーディオマニアにもニュータイプが(その2.)
https://kojomotohisa1958.seesaa.net/article/500644230.html?seesaa_related=category
(世界最古の電蓄、ブランズウィック社のパナトロープです)
電気音響によるオーディオは1920年のラジオ放送がその始まりでは。
ラジオでふんだんに音楽が流されるのでレコード(当時はSP)が売れなくなったレコード会社、機械式蓄音機の会社は1925年に最初の電気蓄音機を販売しはじめます。
写真のブランズウィック社・パナトロープです。私も機械式蓄音機の最高峰であったHMVが最初に発売した電蓄、HMV-3000を所有していますが既にしてなかなかの音です。
※この辺りの経緯は配信とCDなどのフィジカルメディアの対立に似ていますなw
1926年にパートトーキーの「ドン・ファン」、1927年にフルトーキーの「ジャズシンガー」が封切られ、ウエスタンエレクトリック社を中心に電気音響再生の技術は急速に進化します。
マグネチックスピーカーは程なくダイナミックスピーカーになり、最初のダイナミック型ドライバー(レシーバー)のWE555が1926年発表、1933年にはWE594Aが発表されます。
映画は当時の娯楽の王様でしたし、音響再生は当時の最先端技術でしたから予算もふんだんに使え、技術者のレベルも高く、この分野は急速に発達しました。
1947年にはDr.オルソンが自身のオルソンアンプとRCAのLC-1スピーカーを使って、生オーケストラと録音再生したオーケストラのブラインドすり替えテストに成功しました。
異論はあるでしょうが、この時点で一般大衆が音響機械に求める音質は達成されたと言えるでしょう。
1950年代にはJBL、ALTEC、EV、タンノイ、グッドマンなどのスピーカー、マランツ、マッキントッシュ、QUAD、リークなどのアンプ、シュア、オルトフォン、EMTのカートリッジなどで家庭においてもオーディオは完成に近づきます。
実際、よく整備された当時の機材で再生される音は、現代のオーディオ機材から再生される音と比較しても優劣は何とも言えず、評価は「その人の好みによる」というレベルに到達しています。
1970年に向けてメーカーはそれらの優秀な機材の技術をコストダウンしていき、オーディオは一般大衆にも手の届くものになり、日本ではオーディオブームが起こります。
しかし1960年代以降、音質の飛躍的向上が見られなかったことに加え、あまりにも一般化、普及したオーディオは1980年代に入ると大衆の興味・趣味から外れ家電化していきます。
1982年に発売されたCDが象徴するデジタル革命で家電化はさらに進み、PC、ipod、スマホと進むにつれ、日常的に音楽を聴く人の増加と反比例するようにオーディオを趣味とする人は急速に減少、大きな規模のメーカーは次々とオーディオから撤退し、現在ではガレージメーカーや大メーカーからスピンアウトした小メーカーが少数のオーディオマニアに機材を販売しています。
デジタル革命は今までアナログで行われていた事を手間、暇、カネをかけずに大量に行うという技術でしょう。多くの分野でデジタル革命は成果を上げていると思います。
しかしオーディオは「音質」を興味の対象、最大の眼目としています。
ご存じのように、デジタル音源はCD、SACD、ハイレゾDL、ハイレゾストリーミングどれをとっても質的にLP、2Tr38テープを凌駕するとは言い切れず(到達していない、むしろ劣るとの意見もある)、デジタル革命は他分野のように成功していません。
いやデジタル無くしては今ほど多くの人が良い音で、大量に、安価に音楽を聴いている時代は来なかった、だからデジタル革命は音響分野においても成功したという人はいます。
一面それは正しいと思います。
しかしオーディオを趣味とする人たちにとって、その革命は革命といえるほどの多大な恩恵をもたらしたように思いません。
https://kojomotohisa1958.seesaa.net/article/500644230.html?seesaa_related=category
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/858.html#c98