38. 中川隆[-9494] koaQ7Jey 2024年8月10日 05:04:21 : yuZkWcZiwk : MkRhbGd4WUZINGs=[1]
世界情勢は急速に悪化しています。局所的な悪化ではなく、地球規模で同時進行、世界大戦から核戦争への展開も懸念される事態だと言えるでしょう。個別の出来事に囚われていると、世界で何が起こっているのかを理解できません。本来なら全体像を明らかにする書籍を出すべきなのでしょうが、困難な状態です。ブログを利用して全体像を明らかにするしかありません。ブログの支援をよろしくお願い申し上げます。
アメリカの好戦派は1991年12月にソ連が消滅した段階で自国が唯一の超大国になったと信じました。ロシアは落ちぶれ、自分たちの植民地になったと考えたのです。そう考えた私的権力の代表格がロスチャイルドだと言えるでしょう。
ソ連消滅後、ボリス・エリツィン時代のロシアではオリガルヒと呼ばれる若い富豪が現れました。そのひとりがミハイル・ホドルコフスキーです。
この人物はソ連時代の1989年、リチャード・ヒューズなる人物と「ロシア人モデル」をニューヨークへ送るビジネスを始め、ソ連消滅後にはエリツィン政権を支える顧問のひとりに就任、1995年にはユーコスなる石油会社を買収、その一方でモスクワ・タイムズやサンクトペテルブルグ・タイムズを出している会社の大株主になっています。
ホドルコフスキーはユーコスの発行済み株式のうち25から40%をアメリカの巨大石油会社、エクソン・モービルとシェブロンへ売り渡そうとしたものの、ウラジミル・プーチンに阻止されています。(Natylie Baldwin & Kermit Heartsong, “Ukraine,“ Next Revelation Press, 2015)
ユーコス株の支配権はホドルコフスキーからジェイコブ・ロスチャイルドへ渡ったとサンデー・タイムズ紙は報じていますが、ホドルコフスキーが彼とジェイコブ・ロスチャイルドとの関係を語った映像が5月22日にインターネットで公開されました。
その映像の中で、モスクワに本社があるルクオイルの真のオーナーはジェイコブだったと明らかにしています。ロスチャイルドはロシアのあらゆる富を奪うつもりだったのでしょう。その中には穀物、鉱物資源、そして石油や天然ガスが含まれています。
ロシアを征服して解体、略奪するためにネオコンはNATOを東へ拡大させていきますが、これは新たな「バルバロッサ作戦」にほかならず、ロシアの親欧米派をも怒らせることになりますが、そうした展開になることは予想され、旧世代の「タカ派」も懸念していました。
例えば、リチャード・ニクソンは1994年の段階でエリツィンの政治的な影響力が低下していると指摘、ロシア議会で反米機運が高まっていると警鐘を鳴らしています。そうした機運の高まりはエリツィンの後継者として反欧米の大統領候補を連れてくる可能性があるとしていましたが、実際、ウラジミル・プーチンを登場させます。
そのほかジョージ・ケナン、ヘンリー・キッシンジャー、そしてズビグネフ・ブレジンスキーでさえネオコンの政策を危険だと警鐘を鳴らしていましたが、こうした旧世代や非ネオコンの意見を封じ込める出来事が2001年9月11日に引き起こされます。ニューヨークの世界貿易センターとバージニア州アーリントンの国防総省本部庁舎が攻撃されたのです。
これで世界制覇を実現できるとネオコンは考えたのでしょうが、そうした展開にはなりません。2003年3月に始めたイラクへの先制攻撃は思惑通りにならず、2008年8月のジョージア軍による南オセチアへの奇襲攻撃もロシア軍の反撃で失敗しました。2011年春に始めたリビアとシリアに対するアル・カイダ系武装集団を使った軍事介入の場合、リビアは無法地帯と化し、シリアでは西側の傀儡軍が勝利できないことは明白です。2013年11月から14年2月にかけてウクライナではネオ・ナチを利用してクーデターを成功させたものの、東部の反クーデター派と内戦になります。
アメリカはクーデター体制を支援するため、8年かけて戦力の増強を図り、2022年春に大規模な軍事攻勢を始める計画でしたが、その直前にロシアが軍事介入、NATOが軍事支援を強めたものの、敗北は決定的です。残る手段は核兵器だけでしょう。
そして2023年にはイスラエルがガザで住民の大量殺戮を始めたのですが、パレスチナの武装勢力に勝つことができず、状況を悪化させてアメリカ軍の介入を誘う事態になっています。
中東のイスラム世界ではイランやイエメンを除き、米英を後ろ盾とするイスラエルと対決しようとする政府はないようですが、反帝国主義を掲げる武装集団はイスラエルと戦う準備ができているようです。現地のアメリカ軍基地も攻撃され始めています。
世界は歴史の転換期を迎えています。200年ぶり、人によっては500年ぶりだと言います。こうした時代にどのように生きるかを判断するためには状況を理解する必要があります。このブログが状況を理解する一助になればと願っています。
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