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森友学園問題の本質は「カルト」。高城剛氏が指摘する「偶然の浮上」
2017年5月21日 13時21分
まぐまぐニュース
財務官僚の音声データが公開されたり、昭恵夫人付である女性官僚からのFAXが問題視されたり、第二の森友問題「加計学園」への関与も浮上するなど、収束するどころかますます野党による追及が強まっている、安倍総理夫妻と森友学園との関係。しかし、メルマガ『高城未来研究所「Future Report」』の著者・高城剛さんは、「この問題の本質はカルト」であるとの持論を展開。この流れを理解するには、反米だった70年安保から親米保守へと変遷した今日までの歴史を理解する必要があるとしています。
森友学園問題の本質は「土地の8億円値引き」にあらず
今週は、数多くのご質問を頂戴しました日本の森友学園問題につきまして、私見たっぷりにお話ししたいと思います。
僕は、この問題の本質を、カルトだと考えています。
先日、国会で証人喚問を受けた森友学園の籠池氏の後ろにいた弁護士は、リンク総合法律事務所の山口貴士弁護士です。
リンク総合法律事務所といえば、オウム真理教被害者からX JAPANのTOSHIまで、多くの日本のカルト問題を手がけてきた弁護士事務所で、ここの弁護士が籠池氏の後ろにいるということが、この問題がカルトであることを物語っています。
その源流を、僕は大本教(おおもときょう)の弾圧に見ています。
大本教は、戦前にはじまった新興宗教のひとつで、自動筆記出口ナオとカリスマ性を伴った出口王仁三郎によって、またたく間に多くの信者を集めました。
松下幸之助をはじめとする経済人や、大本教のセキュリティだった植芝盛平が起こした合気道など、この大本教から今日に連なるものは多くあります。
そのひとつが、大本から事実上分派した宗教「生長の家」です。
出口王仁三郎の書生であった谷口雅春は、驚異的な信者の増員を快く思わない「日本式システム」の頂点だった軍部から弾圧(第一次大本事件)にあい、その際、軍人の信者をとりまとめていた浅野和三郎(東京帝国大学から横須賀海軍機関学校教官)とともに独立します。
それが「生長の家」であり、大本教軍人信者を中心とした新興宗教立ち上げとなりました。
そのような謂れから、軍部に近い性質を持った教団であり、大本教の「日本式システム」の弾圧を目にしてきたこともあって、大本のような反「日本式システム」ではなく、「日本式システム」に則った大本教、それが「生長の家」の根底に流れています。
「生長の家」の特色は、自己啓発にあります。
いまでこそ、一般化している「ポジティブシンキング」を、谷口雅春は「光明思想」と訳し、この自己啓発が「生長の家」の中心にありました。
かつて、大本の軍部からの弾圧を受けた苦い思いもあって、また、周囲に多くの軍人がいたこともあり、生長の家は、軍国的な「皇軍必勝」のスローガンの下、金属の供出運動や勤労奉仕、戦闘機を軍に献納するなど教団を挙げて戦争に協力し、天皇信仰の教えを説きました。
終戦後、後に雅春の養嗣子となり、第2代総裁となった荒地清超は、初代ほどのカリスマ性をもたないゆえに、精神的支柱を戦前に習い、「靖国神社国家護持運動」など右派活動を行います。
また、70年安保の際に、「日本式システム」が倒れそうな際、三つの大きな勢力が、国体維持に力を貸しました。
それがいまでいう反社会組織と新興宗教の青年部、そして米国の一部勢力です。
それゆえ他国と違い、この三者が日本の暗部としていつまでも拭い去ることができず、古い体制を壊せずに、21世紀になっても成長の足を引っ張っており、不透明な状況が続いています。
日本の反社会勢力が、いまも世界最大の売上高を誇るカラクリがここにあり、また、新興宗教が政治の中枢に入り込んだのも、70年安保以降でした。
公明党が創価学会を母体にしているのは言うまでもありませんが、米国の一部勢力と結託した統一教会や崇教真光、そして生長の家の青年部は、極左化する学生運動を封じ込めるために、組織化されていきました。
この時の貸し借りと力学が、今日も連綿と続いているのです。
なにより宗教団体は、選挙の集票マシーンとして強く機能しており、大衆に政治的興味を失わせることや「なにも変わらない」と思わせることで、組織票を使って政権を作り上げてきました。
この流れは、あくまでも私見に過ぎませんが、大本教から弾圧され分派した人たち、そして軍部と戦後と米国の一部勢力、反米だった70年安保から親米保守へと変遷した今日までの歴史を、今一度この機に理解する必要があります。
他国にはなかなかない三者、反社会組織と新興宗教の青年部、そして米国の一部勢力が、強固な「日本式システム」を裏で支えており、現政権を作り上げていると考えられます。
その一端として偶然にも浮上してしまったのが、森友学園問題なのです。
70年代の運動がはじまったのが、三菱の城下町である長崎。
そして、聖地が橿原神宮がある奈良、大本の綾部。
事件は、本店がある東京ではなく、多くは西日本で起きており、いまも皇紀で生きている人たちが、その中心にいるのです。
『高城未来研究所「Future Report」』
著者/高城 剛 記事一覧/メルマガ
1964年生まれ。現在、コミュニケーション戦略と次世代テクノロジーを専門に、創造産業全般にわたって活躍。毎週2通に渡るメルマガは、注目ガジェットや海外移住のヒント、マクロビの始め方や読者の質問に懇切丁寧に答えるQ&Aコーナーなど「今知りたいこと」を網羅する。
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