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「放射性物質は食物連鎖で濃縮されない」と水産庁担当課
| NEWSポストセブン 2011.04.23 07:00 週刊ポスト
https://www.news-postseven.com/archives/20110423_18067.html
しかし、水産庁による調査・研究「水産生物における放射性物質について」によれば、ヨウ素、セシウム、ストロンチウム、ウラン、プルトニウムなどの生物濃縮は「ほとんど起きない」と結論づけられている。
これは食物連鎖による生物濃縮が起きていないことを示唆しているが、それはなぜなのか。水産庁増殖推進部研究指導課に聞いた。
「海水中の濃度より生物中の濃度のほうが高いという結果なので、一定の濃縮は起きています。しかし、食物連鎖でどんどん濃縮されていくというメカニズムは見られない。PCBやDDTなどの生物濃縮が問題になる毒物は、魚類の脂肪に入り込んで体内に留まるが、放射性物質で長く体内に留まるものはないことが調査でわかっています」
この仕組みは貝類なども同様だという。また、海草については研究が進んでいないが、今のところ一部の検査で微量のヨウ素が検出されている程度で、危険な物は見つかっていない。
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放射能説明(修正版)水産生物における放射性物質について
http://www.dl.ndl.go.jp/view/download/digidepo_7860996_po_110511housyanou_suisannseibutu_rev2.pdf?itemId=info%3Andljp%2Fpid%2F7860996&contentNo=1&alternativeNo=&__lang=ja
結 論
・放射性物質は、水銀や有機塩素化合物などと異なり、食物連鎖を通じて魚体内で蓄積しつづけるわけではない。
・魚体内中に入った放射性物質は、体外に排出される。
・海中に入った放射性物質は希釈・拡散され濃度は、非常に薄くなる。
・大量に海中に入った放射性物質は、凝集沈殿したり、懸濁物に吸着し海底に運ばれる。
・海底に沈殿した放射性物質は、魚に対して 大きな影響を与えない。
#チェルノブイリ事故時の対応と考えられる。
#次のは福島第一事故直後の対応。
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水生生物における放射性物質の挙動について - 水産庁
http://www.jfa.maff.go.jp/j/sigen/housyaseibussitutyousakekka/pdf/digest.pdf
福島県沿岸水域から採集された生物の放射性セシウム濃度が半減するのに要する時間 (生態学的半減期)を見積もったところ、エゾアワビでは50日、ウバガイでは70〜90日、海藻のアラメでは50日となりました。
底魚類では、マガレイなどのように放射性セシウム濃度に低下傾向が見られる種類もありますが、福島県海域のヒラメ やババガレイのように 、散発的ではありますが高い濃度値が検出され濃度変化の傾向が確認できない種類もあります(図6)
淡水魚における放射性セシウム濃度は、養殖魚で低く、天然魚で比較的高いことが明らかになりました。また、養殖されたニジマスを近隣の試験水域に放流したところ、半年程度の間に放射性セシウム濃度が上昇しました。これらの結果から、食物連鎖を通じた移行が淡水魚の放射性物質濃度に影響していることが示されました。
※本研究は、平成23年度水産庁第2次補正予算の放射性物質影響解明調査事業により実施しました。
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#以下、水産総合研究センターによる平成29年度と平成30年度の資料から、
#海底土中〜懸濁粒子と放射性 Cs に関する研究成果の抜粋。
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平成29年度海洋生態系の放射性物質挙動調査事業報告書
| 水産総合研究センター
https://www.fra.affrc.go.jp/eq/Nuclear_accident_effects/final_report29.pdf
東日本沖の海底土流動モデルによる既往研究結果では、海底土が主に仙台湾を時計回りに移動し、その後牡鹿半島から南方に輸送されることを示唆しているほか、これまでの調査結果でも、南方や沖合の下層海底土中の放射性 Cs 量が増加傾向にあったことが同時に示されている。また、2016 年度に実施した仙台湾北部沿岸域における集中的な海底土調査では、未だに数十〜数百 Bq/kg-dry の Cs-137 濃度が検出される海底土が多く残存していることを明らかにした。これらの結果から、東日本沖全体の放射性 Cs の平均濃度が事故当初に比べて大きく減少した現在、仙台湾北部に滞留した汚染海底土が少しずつ南方に運ばれることで、南方海域の放射性 Cs の存在量の減少を阻害している可能性が示唆される。
2015 年度から行ってきた本研究の成果から、2011 年の東電福島第一原発事故から放出され海底土中に含まれた放射性 Cs は、間隙水または海底直上水に溶出し続けてきたと示唆され、その溶出は主に F1 から生じていたと考えられる。福島県で行われている海産水産物中の放射性 Cs モニタリング調査の結果では、その濃度は減少し続けていることから、海底土から溶出した放射性 Cs が水産物中の濃度を上昇させるとは考えにくい。仮に影響があったとしても水産物中の濃度の低下を遅らせていた程度であると推察される。これは、溶出した放射性 Cs が直ぐに拡散・希釈されるためであると考えられる。
東電福島第一原発事故後、これまで海底土中の放射性 Cs 濃度は全体的には継続して減少していたが、近年は局所的に増加する領域も見られるようになった。今後も定期的なモニタリング調査に
よる東電福島第一原発由来の放射性 Cs の動態監視の継続が望まれる。
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平成30年度海洋生態系の放射性物質挙動調査事業報告書
| 水産総合研究センター
https://www.fra.affrc.go.jp/eq/Nuclear_accident_effects/final_report30.pdf
得られた懸濁粒子の放射性セシウム濃度はCs-137で0.09–0.19 Bq/g-dryであり、直下の海底堆積物のCs-137濃度(<0.0015–0.05 Bq/g-dry)の2.5–10倍以上の濃度であった(表2)。このように宮城県、福島県および茨城県沖の大陸棚から陸棚斜面域においては海底近傍に高濁度層が形成されており、その構成粒子はカイアシ類などの動物プランクトンのほか、デトリタスなど海底堆積物を構成する鉱物粒子よりも比重の軽い粒子であることが強く示唆され、その放射性セシウム濃度も海底堆積物より高いことが明らかとなった。このような海底近傍における高濁度を構成する懸濁粒子は底生生態系への放射性セシウムの移行を考える上で重要であると考えられる。
http://www.asyura2.com/19/genpatu52/msg/226.html#c4