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2020年07月03日
日本は投資国家だった 輸出の数倍の海外投資利益
貿易が赤字でも膨大な所得収支で黒字になっている
日本は投資国家だった
日本人は投資下手だとか、日本は外国人投資家のカモにされているというのは常識になっています。
リーマンショックでも円高でも、好景気の時も不況の時も、評論家は必ず「日本人は投資下手でカモになった」と言っていました。
だが実際には日本は所得収支で世界2位、経常収支で3位、対外直接投資で2位など外国で大金を投資し稼いでいます。
その結果、対外純資産は2位を突き放して世界1位、外貨準備高は世界2位など膨大な資産を海外に所有しています。
対外純資産は「海外資産から海外からの借金を引いた値」なので、純粋に儲けた金額の蓄積で、世界でもっとも儲けた国だという証明です。
最近の日本は輸出不振で貿易赤字が続いているが、貿易立国だった1980年までの貿易外収支は非常に小さなものでした。
ところがバブル崩壊した1990年ごろから貿易黒字が縮小し、反対に貿易以外の黒字が急増しました。
2011年から2015年まで貿易赤字でしたが、その間も膨大な貿易外の黒字によって、日本の国際収支は黒字のままでした。
日本の実態はまさに「投資国家」になっていて、1990年代や80年代には日本が目標としていたものを実現しています。
国際収支の海外収入といっても色々な種類があり、まず「貿易黒字」で注目される貿易収支が筆頭に上げられます。
以前は国際収支の殆どを貿易が占めていたが、現在はごく一部を占めるだけになっています。
次はサービス収支でずっと赤字だったのだが、知的財産権等使用料、特許権、ロイヤリティーの収入が増加し黒字転換しています。
旅行もサービス収支で、日本人が海外旅行すると赤字になり、外国人が日本に旅行すると黒字になり、訪日客増加も黒字化に寄与しました。
何で稼いでいるのか
財務省のデータによると2015年は貿易収支が赤字、サービス収支も赤字、第二次所得収支(ODAや海外援助など)で合計4兆円以上の赤字でした。
それら全てを補うほど巨大な黒字を出したのが「第一次所得収支」で、約21兆円もの黒字でした。
財務省は「直接投資収益」及び「証券投資収益」が大幅に伸びたと説明していて、日本企業の海外進出による収益が相当額に上がっているのが分かる。
日本企業による海外M&Aによる収益も大きく、貿易を遥かに上回る金額を稼いでいます。
稼いでいるから良い事づくめに思えるが、こうした海外投資は日本人の雇用を生まない場合が多い。
日本の工場で生産すると日本人を雇用するが、メキシコの工場で生産するのに日本人労働者は不要だからです。
さらに経常黒字によって長期的に円高が進行するので、海外で稼げば稼ぐほどより円高になります。
つまり海外の工場や海外企業が稼げば稼ぐほど、円高になって日本の輸出には不利になり、国内農業などにも不利になります。
貿易黒字や経常黒字をいまだに「日本の国力」とか「稼ぐ力」と言う迷信がまかり通っていますが、黒字が大きすぎると国力は低下します。
巨額な経常赤字も外貨不足で困るのだが、トントンか少し黒字という辺りが、円高が進行せずに良いのです。
企業が海外で買収したり建設した投資は、数十年もの長期にわたって利益をもたらし、構造的な経常黒字を形成しています。
儲かるのはいい事だが、そのせいで円高が進行して第一次産業、第二次産業が打撃を受けるという構造になっています。
http://www.thutmosev.com/archives/69114764.html
http://www.asyura2.com/20/reki4/msg/749.html#c1