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[番外地8] 昭和天皇の戦争犯罪問題が再燃すると困るから天皇一族は靖国神社に参拝できなくなった 中川隆
1. 2021年10月11日 20:00:21 : uY9TUS2SJk : bnVqQk1Zd3JkREU=[1]
昭和天皇の戦争犯罪問題が再燃すると困るから天皇一族は靖国神社に参拝できなくなった
太平洋戦争は昭和天皇が近衛文麿や東条英機の反対を押し切って開戦させたのがわかると困るのですね。
昭和天皇、A級戦犯靖国合祀に不快感・元宮内庁長官が発言メモ
 昭和天皇が1988年、靖国神社のA級戦犯合祀(ごうし)に強い不快感を示し、「だから私はあれ以来参拝していない。それが私の心だ」と、当時の宮内庁長官、富田朝彦氏(故人)に語っていたことが19日、日本経済新聞が入手した富田氏のメモで分かった。昭和天皇は1978年のA級戦犯合祀以降、参拝しなかったが、理由は明らかにしていなかった。昭和天皇の闘病生活などに関する記述もあり、史料としての歴史的価値も高い。

昭和天皇が戦後も続けていた靖国神社への参拝を、A級戦犯の合祀(78年)を理由にとりやめたのは事実であろう。ただしそれは「戦争への痛切な反省と世界平和への思い」からではない。自身の戦争責任追及を昭和天皇が恐れたからだ。

 A級戦犯を神と崇める神社に参拝などしたら、苦労して築き上げた「平和主義者・天皇」のイメージが一瞬にして瓦解する。

つまり昭和天皇は天皇家の延命という観点から、靖国神社の勝手な行動に激怒した−−こう考えたほうが自然である。

 昭和天皇が松岡洋右元外相らに開戦責任を押しつける発言をしていたことは他の史料でも明らかになっている。戦犯連中にしてみれば、「本来なら最高責任者の陛下こそ戦犯じゃないか」というツッコミをあの世から入れたい気分ではないか。


▲△▽▼


昭和天皇の身代わりになって処刑された東条英機

1947年の12月、戦時中の首相、東条は自らを弁護して証言台に立った。
彼は生贄の羊となることを望んではいたものの、降伏以降、彼への雑言悪態は
限度を越えていた。

中には、天皇自身が、東条の命令不服従の不実を非難しているとさえ報じられていた。あるいは、日本の新聞は、東条が自決しようとして、刀ではなく拳銃を使ったことを、臆病者と呼んでいた。東条の家族は、近所からライ病患者のごとく扱われ、お金にも不自由した。彼の弟は、二ヶ月前、列車中で一袋の米を盗んだとして逮捕されていた

1947年の大晦日、東条への直接尋問のなかで、〔木戸の〕弁護人
ログマンはこう質問した。

「天皇の平和に対してのご希望に反して、木戸侯爵が行動をとったか、
あるいは何かを進言したという事実を何か覚えていますか?」

 東条 そういう事例はもちろんありません。私が知る限りにおいてはありません。
のみならず、日本国の臣民が、陛下のご意思に反して、かれこれすることはあり得ぬことであります。 いわんや、日本の高官においておや。


ログマン 以上をもって、木戸卿に代わる私の尋問を終わります。

裁判長(ウェッブ) 今の質問がどのようなことを示唆しているかは、
よく理解できるはずである。

 まさしく、それは誰もが知っていたことだった。

そこでキーナンは、彼の証人の切り札たる田中隆吉を、富士山麓の山中湖畔の自宅で休暇中のところより呼び戻し、ただちに巣鴨刑務所の東条に会いに行かせた。

だが東条はそれに応じようとはしなかったので、田中は皇居に行き、木戸の前秘書で
天皇の顧問の後継者、松平康昌に情況を説明した。次いで松平は、同僚の
側近たちと相談し、収監中の元内大臣木戸に手紙を送る許可を裕仁よりえた。

東条とは隣同士の房にいる木戸は、さっそく東条との話し合いに入った。
彼は東条と護衛の監視下で仕切り越しに長々と話をした。

木戸はまた、
刑務所中庭で運動の際、直接に東条に話しかけ、東条の家族の状況を改善させることを約束した。 小男で近眼の木戸ながら、彼は刑務所の雑務中でも裕仁の代理人であったため、東条は彼の話を無視することはできなかった。

二日にわたって話が交わされた後、ついに東条は折れた。

彼は法廷にもどると、キーナンによる反対尋問の中で、

自分が天皇を戦争を始めるよう説得し、それによって、裕仁を自身の気持ちに反して動くように強いさせたかも知れないことを認めるに至った。
http://www.asyura2.com/20/ban8/msg/138.html#c1

[番外地9] 財政出動政策は日本経済を破滅させる 中川隆
2. 中川隆[-16047] koaQ7Jey 2021年10月11日 20:33:36 : uY9TUS2SJk : bnVqQk1Zd3JkREU=[2]
財政出動政策は日本経済を破滅させる
2022年、オイルショック級の物価上昇が日本と世界を襲う=吉田繁治
20年間のディスインフレで、「茹でカエルの反対の冷えカエル」になった頭には、石油危機のときのようなインフレへのイマジネーションがない。事実、高市早苗候補は、2022年からの経済予想がないままに、150兆円規模の、量的緩和を政策として掲げているのです。
20年間の「ディスインフレ」が一変する
21世紀の20年は、世界的なディスインフレの時代でした。通貨が下落した国で輸入物価が上がり、インフレになるだけだったのです。

ディスインフレとは、価格が下がるデフレではなく、物価上昇が0%から1%付近と低い経済の状態を言います。米国の物価上昇もコロナ前は1%台と低かった。

この世界的な原因は、中国とアジアでの、出荷価格3分の1くらいの商品生産が増えたことです。この生産量は、世界の50%に増えているでしょう。中国とアジアは内需主導型ではなく、輸出主導型経済です。

たとえばマレーシアのGDPに占める輸出額は、69%と、異常なくらい高い。日米欧のメーカーが、工場を作って、現地人を雇用し、輸出しているからです。部品は他国から調達します。

中国と東南アジアの産業構造がこれです。約20年で、世界中に、網の目のサプライチェーン物流網が築かれたのです。

通信はインターネットとスマホ、物流はコンテナ。世界中で国内の価格が上がると、中国・アジア輸入が有利になるので、2000年代の20年間、企業が価格を上げることができないディスインフレの経済構造になっていたのです。


コロナ禍で世界のサプライチェーンはズタズタに壊れました。コンテナ便の運賃は異常な上昇をみせており、2022年にはすべての商品にインフレが及ぶと思われます。私たちは1970年代に起きたオイル・ショック級のインフレを覚悟しないといけないでしょう。


21世紀の世界の産業は、部品と製品のサプライチェーンで深く結ばれています。「近代国家の枠を超えるサプライチェーン」が、21世紀の産業の構造変化でした。

産業、つまり製造と小売・流通が、国際サプライチェーンに変わったのです。人的なサービス業のみが国内産業となりました。

国際サプライチェーンでの部品・商品調達と、生産の障害になったのが、今回のコロナ危機です。

日本の企業の多くは、東南アジアと中国で生産しています。SONYやパナソニックのAV機器も、多くが中国製造です。米欧の企業も同じです。中国の工業は世界の約40%の商品は生産しています。

コンテナ便の料金は6.6倍に高騰
サプライチェーンの物流は国際コンテナ便に依存します。

料金は、2020年の1月は2,420ドルでしたが、2021年の1月は5,250ドル(58万円:へと3倍に上がっています。21年7月は更に上がっていて1万3,630ドルです(150万円:20年1月の5.6倍の料金:上海〜NY:EAST BOUND:20ftの標準コンテナ)。上海からNYまで25万円というのが、通り相場の常識でしたが、今はその5.6倍です。

2020年1月:2420ドル → 7月:2,760ドル → 12月:4,100ドル →
2021年1月:5,250ドル → 7月:1万3,630ドル……
※参考:主要航路コンテナ運賃動向 – 日本海事センター

当初、コロナによる一時的な上昇かと思っていました。

しかし2021年7月には5.6倍に上がり、下がる気配がない。世界のコンテナ便の料金が同じ傾向です(※筆者注:原油のタンカー便は上がっていません。洋上備蓄が多くなっているためです)。

なぜ運賃上昇?
なぜ商品や部品を混載するコンテナ便の非常な高騰が続いているのか。

国内物流、出荷港、そして船舶に、コロナでの低操業と休業が増えたために、便が足りなくなったからです。

NYのコンテナ港(NJ州セコーカス)には、運ばれないコンテナが山積みです。2020年の11月から現在まで、9か月続いています。

船会社の利益は上がった。しかし、運航する便数は減った。

国際物流費の異常な高騰は、2022年の世界の物価上昇(製造物価の上昇)を先行して示しています。
2021年の12月からは、より大きなサプライチェーンの停止、つまり物流と生産の縮小になる可能性が高い。

これは大戦のとき以外には起こったことのない、「供給ショック」です。

平時に、需要に対して供給が下回る事態が長期化すれば、「石油危機並みの物価上昇」に帰結します。


2022年のインフレ予想
経済の未来は、複雑であり確率的なものです。2021年冬にコロナ第6波が起こると、2022年の「高いインフレ率(20%か?)」となる確率は高まるでしょう。

過去のように、戦争で工場が破壊された後のハイパーインフレまでは行かないでしょう。しかし石油危機(1973年と79年)並みのインフレは、相当な確率(70%)で想定できるでしょう。

コンテナ料金の長期高騰(事実)は、インフレに6か月先行する指標になるものです。世界のエコノミストは、国際コンテナ料金の長期高騰に気がついていません。

インフレの本質は、物価上昇の形をとった「過剰になった信用通貨の価値の下落(マネーサプライの残高 × 流通速度 = マネー量)」です。

相対的な、通貨ペアのレートでは信用通貨の価値下落はわからない(ドル/円)。両方が下がれば同じレートだからです。通貨価値の下落は高騰した物価との関係で分かります。

今回は、戦争ではない。コロナ危機による、アジアの工場と国際物流の休業です。すでに、戦争のときのような「供給ショック」になっています。

輸入物価の30%上昇は、商品原価の高騰であり、長期化すれば、時間をおいて約15%の店頭物価の上昇になって行きます。

わが国の次期首相は、2022年から「長期化するサプライチェーン供給ショックによるインフレ」と戦うことになります。インフレは、経済学的には、市場の期待金利を上げます。国債価格の買いの価格が下るということです。

市場の金利上昇(国債価格の下落)のなかで、日銀のマネー絞りを行わねばならず、2022年の株価は下がり、リーマン危機より大きな金融危機に直面する可能性が高いでしょう(推計70%)。損な役割です。

20年間のディスインフレで、「茹でカエルの反対の冷えカエル」になった頭には、石油危機のときのようなインフレへのイマジネーションがない。事実、高市早苗候補は、2022年からの経済予想がないままに、150兆円規模の、量的緩和を政策として掲げているのです。

MMT論者や財政破綻を否定する人は大西つねきの財政破綻論に耳を傾けた方がいいよ:

大西つねきがやろうとしていること
https://www.youtube.com/watch?v=pcifNIAlVG0
http://www.asyura2.com/21/ban9/msg/849.html#c2

[番外地9] 利子付き国債を発行すると、その利子を返す為に新規国債を次々に発行しないといけなくなる 中川隆
4. 中川隆[-16046] koaQ7Jey 2021年10月11日 20:35:16 : uY9TUS2SJk : bnVqQk1Zd3JkREU=[3]

利子付き国債を発行すると、その利子を返す為に新規国債を次々に発行しないといけなくなるので、ネズミ講と同じです。 失業云々とは関係ありません。完全雇用になっても国債の利子を返す為に、新規に国債を発行しなければいけないというのが現在の状況です。 だから財務省は財政破綻、財政破綻と大騒ぎしているのです。  
貨幣のプール論は正しい。本来の貨幣のプール論というのは
税金で徴収した以上の金を政府が使うと、その分はインフレ税という形で通常の税額に加えて後から追加徴収する事になる
という意味です。何処の国でも国債発行でマネーストックを増やして意図的にインフレにしています。つまり、国民が気付かない様にこっそり金を取って政府資金を増やしているのです。
サルの朝三暮四の話と同じ騙しの手口ですね。 三橋信者みたいな 右翼・保守はアホだから簡単に騙せるんです。
日本政府が使える金は税金で徴収する金額だけ
日本政府が国債を発行すると日本国内で流通する貨幣が増えるので貨幣価値が下がります。
円の貨幣価値が下がると
・日銀の借用証である日銀紙幣の実質価値が下がる。
・政府の借用証である日本国債の実質価値が下がる。
・銀行預金額の実質価値が下がる。
・労働者の賃金の実質価値が下がる。

従って、日本政府が公共事業をやる為に国債を発行すると、労働者の持って居る金の一部を日本政府に取られた事になります。
つまり、日本政府が財政支出する元金は税金の他に、貨幣価値が減少した為に労働者から日本政府に移転した金額も含まれます。

政府が財政出動しなければ税金だけで政府支出を賄っていたのが、余計な公共事業をやった為に貨幣価値の減少した分(所謂インフレ税)も加算されます。
即ち、政府が使える金額は (税金 +インフレ税) で徴収した金額 になります。
つまり貨幣のプール論は正しいのです。

▲△▽▼

GDPとは国内総生産、つまり国内で産み出された付加価値の総額です。
それが3割減したのに株価が V字回復する不思議。

以下は金価格。
このように実は昨年の7月頃からずーっと上がりっぱなし。

https://golden-tamatama.com/wp-content/uploads/2020/09/WS20200707AZCLOPUY000786.jpg

で、以下が金価格に換算した日経平均です。
実は、昨年9月から下がりっぱなし。
https://golden-tamatama.com/wp-content/uploads/2020/09/WS20200707AZCLOPUY000788.jpg


NYダウゴールド換算のチャート
https://realtime-chart.info/%E8%AA%AC%E6%98%8E/%E3%83%81%E3%83%A3%E3%83%BC%E3%83%88/NY%E3%83%80%E3%82%A6%E3%82%B4%E3%83%BC%E3%83%AB%E3%83%89%E6%8F%9B%E7%AE%97.html

日経平均はゴールド何グラム?

https://realtime-chart.info/%E4%B8%96%E7%95%8C%E3%81%AE%E6%A0%AA%E4%BE%A1/%E6%97%A5%E7%B5%8C%E9%87%91%E6%8F%9B%E7%AE%97%E3%82%B0%E3%83%A9%E3%83%A0.html

と言う訳で、庶民が気づかないうちに通貨は紙屑化しつつある。
たった今、ステルス紙屑化が進行中なのでした。

で、富裕層はせっせと現金を物に変えつつある。

多分ですが、富裕層の換金ならぬ換物が済んでから、
バーチャルリアリティ市場を崩壊させるのでしょう。
https://golden-tamatama.com/blog-entry-dow-800-down.html

因みに、金、原油、穀物価格, 商品相場は何でも大体同じ値動きです、ゴールド価格のデータが一番入手し易いのでゴールドを使っただけです。:

世界最大のヘッジファンド: 量的緩和で人々はリッチになったような気がする
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/10616

世界最大のヘッジファンド: 紙幣の刷り過ぎでドルが暴落するとき
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/11685

世界最大のヘッジファンド: ドルは既に紙くずになっている
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/10645

インフレ相場で個人投資家でもコモディティに投資する方法
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/12900

量的緩和で上がらなかった物価が現金給付で高騰する理由
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/13296


▲△▽▼

本当の貨幣のプール論というのは
税金で徴収した以上の金を政府が使うと、その分はインフレ税として徴収する事になる
という意味なんですね。
正規の税金以上は払いたくなければ国債発行はNGという事。
国債発行すると貨幣価値が下がって銀行預金と実質賃金は目減りします。
更に、国債発行で増えた金は、たとえ公共事業に使ったとしても、最終的にはすべて資本家のものになります。
つまり、国債発行すると貧富の差が拡大、実質賃金が下がり、内需が減ってデフレが深刻化します。

「放漫財政」で日本は今危機的な状況にあります。 プラザ合意以降に日本が「放漫財政」に変わった経緯は大西つねきさんが何時も指摘しています:

民間銀行はもうこの世に必要ない(Live配信2021/1/12)
https://www.youtube.com/watch?v=a3y34SLGKlo

大西さんが何度も繰り返し説明している様に、プラザ合意後は民間人が民間銀行から借りる金の量が頭打ちになったので、日本政府が、国債金利でマネーストックが増える分の金、を出すしかなくなったのです。
政府の緊縮財政というのはマネーストックの増加分を政府がすべて負担出来なくなったという事です。

MMT論者や財政破綻を否定する人は大西つねきの財政破綻論に耳を傾けた方がいいよ:

大西つねきがやろうとしていること
https://www.youtube.com/watch?v=pcifNIAlVG0
http://www.asyura2.com/21/ban9/msg/864.html#c4

[番外地9] 量的緩和・財政出動や企業支援金がデフレを生む _ 貧困層には援助しなければいけないが、企業救済はしてはいけない 中川隆
3. 中川隆[-16051] koaQ7Jey 2021年10月11日 20:48:11 : uY9TUS2SJk : bnVqQk1Zd3JkREU=[4]
量的緩和・財政出動や企業支援金がデフレを生む _ 貧困層には援助しなければいけないが、企業救済はしてはいけない
一般的には量的緩和は紙幣を無制限に印刷するためインフレを生むのではないかと言われている。しかし実際には逆である。
量的緩和は短期的には良いことだと言えるかもしれない。だが長期的には債務には新陳代謝が必要だ。ゾンビ企業、非効率な企業を退場させる必要がある。だが、緩和のお陰でそれが起こらない。
これはデフレの一因だと言える。供給が過剰なのだから理屈が通るだろう。
市場経済では消費者の望む商品を作らない企業は淘汰される。しかしそれを政府が人為的に妨げると、消費者の望まないものを作り続けるゾンビ企業がどんどん増えることになる。
経済学では価格は需要と供給の兼ね合いで決まり、ゾンビ企業を生かすということは経済の供給(しかも不要な供給)を増やし続けるということである。供給の増加は当然ながら価格を押し下げる。つまりデフレになるのである。

デフレがインフレになる瞬間

しかし現在アメリカで懸念されているのはインフレであり、デフレではない。アメリカではコロナ禍で大量の現金給付を行なった結果、物価が上昇している。デフレが問題だったはずがいつの間にかインフレになっている。

それは何故か? 量的緩和を長年続けるとデフレと低成長が実現する。消費者の望まないものを作り続ける企業が増え続けるのだから当然である。インフレになる前に緩和は終了し、それで問題がないと人々は考える。

しかしそこにコロナショックのような衝撃が加わり深刻な景気後退に陥ると、インフレを引き起こす規模の刺激策なしには経済成長を支えられなくなる。インフレが起こると分かっていても緩和で経済を支えなければならなくなる状況に陥るのである。

これほどの現金をばら撒いた場合、消費がデフレ圧力に打ち勝ってしまう。

この状況に陥った経済は急激なデフレと急激なインフレを行き来する非常に不安定な状態となる。緩和を止めれば急激なデフレになり、緩和をすれば急激なインフレになるからである。

まさにこれが現在のアメリカ経済の状況である。アメリカでは3回行われた現金給付が今年3月を最後に途絶えると、アメリカ経済は途端にデフレに向かい始めている。

もうアメリカには選択肢が2つしかない。緩和を続けて物価高騰を受け入れるか、緩和を止めて不況を受け入れるかである。

この状況は短期的にはコロナだが、長期的には量的緩和が作り出したものである。量的緩和によるデフレと低成長がなければ、コロナ禍も経済的にはこれほど酷くはならなかっただろうからである。

量的緩和政策のそもそもの原因

そもそも何故量的緩和政策が行われたのだろうか? 量的緩和政策とは基本的に貸し手より借り手に有利な政策である。金利を押し下げることで莫大な借金を背負っている借り手は利払い義務が軽減される。

一方で貸し手はお金を貸しても金利が得られない状況に陥る。得られないどころか、銀行にお金を預けるとむしろ手数料を取られるというのが貸し手が置かれている状況である。

ここで考えてみてほしいのだが、経済における最大の借り手とは誰だろうか? 政府である。そして貸し手とは誰だろうか? 国民なのである。

つまり、量的緩和政策とは経済最大の借り手である政府が、貸し手である国民を犠牲にして自分を利する政策なのである。こうすることで政府は莫大な借金を背負っても、東京オリンピックやGO TOトラベルなどの政策で自分の支援者に金をばら撒くことが出来る。

そして奇妙なことにチャンネル桜の自称経済評論家や経済がわからない保守・右翼は無邪気にもそれを支持しているのである。人々が自分の置かれた状況についてどれだけ何も知らないかである。

量的緩和危機と中国恒大集団
非効率なビジネスを生かし続けた結果が、いま中国でGDP2%分の負債を抱えて破綻しかけている恒大集団である。

中国もまた消費者の望まないものを作り続ける企業を長い間野放しにしてきた。しかし報道によれば中国共産党は恒大集団を救済しない可能性が高いらしい。中国共産党傘下の環球時報は次のように主張している。

恒大集団は『大きすぎて潰せない』の原則に基づく政府による救済を期待すべきではない。

これは中国共産党がアメリカとは違う方向に舵を切ったことを意味する。不況か物価高騰か選べと言われたら、米国政府は迷わず物価高騰を選ぶだろう。

しかし少なくとも現状では中国共産党はゾンビ企業の末路を市場経済に委ねたように見える。一方で、どの企業が生き残るべきかを消費者ではなく政府が決定する量的緩和は共産主義の定義そのものである。

中国共産党は恒大集団の様なゾンビ企業の始末を市場に委ねようとしている。この意味では中国共産党は量的緩和を推進する日本の自民党よりよほど資本主義的である。

一方で、日本を含め多くの先進国の政治家は票田にばら撒くための政府予算にしがみつくためだけに緩和政策に執着して増税と量的緩和という社会主義政策を推し進めている。

▲△▽▼

量的緩和は政府債務を支えるために行われている。金利を低く抑えられなければ政府は膨大な借金の利払いで他の支出が出来なくなる。他の支出が出来なくなれば何故困るのか。政府予算に依存して利益を得ている人々が利益を得られなくなるからである。だからばら撒き政策は既得権益層をますます裕福にし、その恩恵は中間層には返ってくることはない。

大きな政府と小さな政府
増税と財政出動を組み合わせ、国民から大きく吸い取り大きく吐き出す政府のことを大きな政府と言うが、予算の大きな政府の政治家達が資金を吐き出す時には当然ながら彼らの利益となる場所に資金吐き出すことになる。

日本政府が消費増税を行いオリンピックやGO TOトラベルを強行する理由は何か。一般国民から吸い取って自分の票田である宿泊業界や大手メディア、広告代理店などに吐き出すためである。保守派とは伝統的にこうした政府の利権を認めず政府の予算を縮小しようとする立場のことを言うので、自民党は保守ではない。大半の日本人にはこれが分からないらしい。

MMT論者や財政破綻を否定する人は大西つねきの財政破綻論に耳を傾けた方がいいよ:

大西つねきがやろうとしていること
https://www.youtube.com/watch?v=pcifNIAlVG0
http://www.asyura2.com/21/ban9/msg/848.html#c3

   

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