7. 2022年5月29日 17:11:26 : W8pFwSwPmk : bkc1dnBZWGpHekk=[1]
動物というのは人間も例外なく恒常性維持のため正常性バイアスが働くメカニズムになっている。
だから現状維持や体制賛同の右翼になるのは簡単だが左翼になるのは難しい。
(※ここで左右は原点である仏国民議会の左右定義、つまり現体制維持か進歩派かとしたい。)
代替案を示さなければならない左翼側は、
マルクス・ケインズ・新古典派・近代現代経済学を理解したうえで、
混迷する現代資本主義社会をどう変えればよいのか考察しなければならない。
これは なかなか難しい。
そして、およそ左翼というのは歴史的にも負けを繰り返している。
ワイマール憲法下のドイツにおけるナチスとの戦いでもそうであったし、
東西冷戦でもそうだった。スペイン内乱では左派は
フランコ将軍側に負け30年も右派独裁が続いた。
チリでもアジェンデ政権がピノチェトに倒され右派独裁が続いた。
今度の参院選でもおそらく負けて日本の右傾化・改憲・軍事肥大が進むだろう。
では、なぜ左翼は負けるのか
これは一重に、左派勢力が強固に一致団結してまとまることができないことにほかならない。
大きな塊にならないと、
国民側は正常性バイアスとナショナリズム・ポピュリズムによって右派を選択してしまうのだ。
いくら中身が良くても、知らない小メーカーの食品や製品よりも
大手メーカーの食品・製品を買ってしまう事象と同じである。
さらに現状の支配システムを維持する側は、
現状システムを最大限活用し挑戦者を各個撃破できるアドバンテージもある。
加えて左派陣営はそれぞれが頑固な変革案をもっているため、
これを統一するのがそもそも難しいし極左や陰謀論者からのかく乱もある。
左右や様々な主義思想というのは、世界支配層が
グローバル支配のために用意したものだと陰謀論で説くのは簡単だが、
その陰謀論者達ですら、DSの定義や誰が黒幕の元締めなのか見解が様々で直ぐ仲違いを起こす始末だ。
では挑戦することが無意味なのか、敗けては意味がないのか といえば
これは人類史視点でみれば必ずしもそうではない。
物理学と同じく人間社会においても全ての物事は関連性を持って存在するからだ。
進歩派の問いかけ投げかけ(アンチテーゼ)を完全に無視して時代が進むことはなく、
1つ1つの命題に多角度的な批評が加わることによる弁証法的な遷移は
どれだけ強権的に現体制維持をしても止めようがない。
自由・人権・民主主義もそうした重層的な経緯をへてここに到っているわけである。