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EU、ロシア7銀行をSWIFTから排除へ 最大手は対象外、異論も
2022/03/02
欧州連合(EU)は2日、ロシアへの金融制裁の一環として、大手7銀行を国際決済システムから締め出すことで合意した。2位のVTBバンクが対象となる一方、欧州のエネルギー取引で関係が深い最大手ズベルバンクと3位ガスプロムバンクは見送った。欧州経済に跳ね返る影響を極力抑える判断だ。
7行は、世界の金融機関の送金業務を担う「国際銀行間通信協会(SWIFT(スウィフト))」から排除される。SWIFTは200超の国・地域の1万1千以上の金融機関が利用。排除されれば海外との決済が困難になる。手続きを経て10日後に発動する。
EU高官によると、最大手などが入らなかったことに一部加盟国から異論が出た。だが、ロシアの天然ガスへの依存度が高いドイツなどが慎重姿勢だった経緯もあり、エネルギー供給への混乱を避けた格好だ。(ロンドン=和気真也)
■最大手対象外で「抜け道」も
欧州連合(EU)は2日、対ロシア制裁の一環として、米英などと合意していた「国際銀行間通信協会(SWIFT)」から排除する対象行を公表した。七つの大手行が排除される一方、焦点の一つだった最大手のズベルバンクが入らなかったことに、加盟国から反発もあった。
「すでに発動した制裁と合わせ、ロシアの金融システムの8割に打撃を与えられる」。EU高官は2日、効果を強調した。
米政府によると、ズベルバンクは資産規模でロシアの銀行業界の3分の1を占める。米政権は同行にドル決済を禁じる制裁を科している。欧州メディアによると、EU内でも協議の過程でSWIFT排除の対象を広げるべきだとの声がポーランドなどから上がった。最大手を外したことにEU高官は、一部の加盟国から失意の表明があったと認めた上で「この先、対象にならないということでない」とも述べ、今後の制裁カードに使う可能性も示唆した。
ロシアの企業がズベルバンクに口座を移せば取引を続けられ、「抜け道」となる懸念が残る。ただ、同高官は「信用リスクの面でその動きが広がることは考えられない」と否定的な見方を示した。
SMBC日興証券の秋本翔太・新興国担当エコノミストは「欧州は自国経済を守るためにロシアに打撃を与えつつも致命傷になるような制裁は迂回(うかい)している」と指摘。その理由として「エネルギー関連の貿易決済ができなくなって電気やガス代が高騰し、欧州の国民にインフレとして跳ね返ってくると、政権への不満にもつながりかねない。今回の配慮の背景には国内の政治基盤が揺らぐことへの懸念もあるのかもしれない」とみる。(和気真也=ロンドン、細見るい)
https://news.goo.ne.jp/article/asahi/business/ASQ3272SKQ32ULFA01Y.html
http://www.asyura2.com/20/reki5/msg/1516.html#c2