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[近代史5] 日本が米国債を買いまくった為に、1ドルが70円以下になると日本の対外純資産はマイナスになり、日本の資産はすべて外資に乗っ取… 中川隆
1. 2020年8月31日 07:33:14 : 1W8zcIRgE2 : aUhEYmQ0L2hWREU=[1]

2020年08月31日
安倍首相辞任で動き出す為替相場、来年1ドル50円もありうる

超円高は過去に起き、これからも起きる

https://www.stepstep.biz/tag/%E5%86%86%E9%AB%98%E3%81%A7%E3%81%8A%E5%BE%97

過去の超円高のメカニズム

為替相場は一見安定していて不動に見えるが、きっかけがあると何かにぶつかるまで動き続ける。

1995年と2011年はいずれも日本の巨大地震をきっかけに動き、1ドル70円台の超円高になった。

いずれも自民党ではない野党政権(おかしな言い方だが)、革新政党の首相という共通点があった。


どちらの円高も自民党が衆院選で勝利し政権復帰することで終息し、その後しばらくは円安に推移しました。

これは結果として発生した出来事で、ドルに対して円が高くなった原因は日本の経常黒字(国際収支黒字)と思われます。

日本は年10兆円から20兆円もの経常黒字があり、ドイツに次いで世界二位となっています。


経常黒字が溜まっていくとドルから円に、ドルからユーロにお金が交換されドル安になります。

EUのほとんどの国が経常赤字なので、ドイツの経常黒字は大幅に薄められ、超ユーロ高にはなりません。

日本は一国だけで円という通貨を使用しているので、年20兆円黒字なら年20兆円分円高になる筈です。


超円高はネズミの集団心理

その筈なのだがトヨタやソニーはアメリカの売り上げを日本に送金せず、アメリカ国内や海外で再投資します。

メキシコに工場を建てたりアメリカでPS5を開発したりするので、通常経常赤字の多くは海外にとどまったままです。

日本政府は円高になると困るので、金融緩和や海外融資などで円高を防止しています。


金融緩和はお金の量を増やす事で、ドルに対して円を多く印刷したら(実際は印刷しないが)理論上は円安になります。

日本政府は海外援助や海外融資に熱心だが、為替介入と似た効果があります。

日本がアフリカの国に1兆円を融資し、その1兆円を円からドルに交換したら、言葉を言い換えた為替介入のようなものです。


こうして毎年20兆円の経常黒字でも通常は円高にならないが、突発的な出来事で一斉にドルから円へのお金の動きが起きます。


1995年や2011年は地震で日本企業が打撃を受け、海外の金を本社に送金したところから超円高が始まりました。

一匹のネズミが走り出したら全員が走り出すようなもので、一斉に同じ方向へ動き出しました。


それに海外投機ファンドが便乗して円高を加速し、円高への恐怖心からより一層大量の円買いが発生した。

これが超円高のメカニズムで、10年間円安だからと言って来年「1ドル50円」にならない保証はないのです。

円安を主導してきた安倍首相の辞任で、ある方向に動き出すかも知れません

http://www.thutmosev.com/archives/83781946.html
http://www.asyura2.com/20/reki5/msg/149.html#c1

[近代史4] 1ドル 30円から40円が適正価格 中川隆
8. 中川隆[-11569] koaQ7Jey 2020年8月31日 07:36:29 : 1W8zcIRgE2 : aUhEYmQ0L2hWREU=[2]

2020年08月31日
安倍首相辞任で動き出す為替相場、来年1ドル50円もありうる

超円高は過去に起き、これからも起きる

https://www.stepstep.biz/tag/%E5%86%86%E9%AB%98%E3%81%A7%E3%81%8A%E5%BE%97

過去の超円高のメカニズム

為替相場は一見安定していて不動に見えるが、きっかけがあると何かにぶつかるまで動き続ける。

1995年と2011年はいずれも日本の巨大地震をきっかけに動き、1ドル70円台の超円高になった。

いずれも自民党ではない野党政権(おかしな言い方だが)、革新政党の首相という共通点があった。


どちらの円高も自民党が衆院選で勝利し政権復帰することで終息し、その後しばらくは円安に推移しました。

これは結果として発生した出来事で、ドルに対して円が高くなった原因は日本の経常黒字(国際収支黒字)と思われます。

日本は年10兆円から20兆円もの経常黒字があり、ドイツに次いで世界二位となっています。


経常黒字が溜まっていくとドルから円に、ドルからユーロにお金が交換されドル安になります。

EUのほとんどの国が経常赤字なので、ドイツの経常黒字は大幅に薄められ、超ユーロ高にはなりません。

日本は一国だけで円という通貨を使用しているので、年20兆円黒字なら年20兆円分円高になる筈です。


超円高はネズミの集団心理

その筈なのだがトヨタやソニーはアメリカの売り上げを日本に送金せず、アメリカ国内や海外で再投資します。

メキシコに工場を建てたりアメリカでPS5を開発したりするので、通常経常赤字の多くは海外にとどまったままです。

日本政府は円高になると困るので、金融緩和や海外融資などで円高を防止しています。


金融緩和はお金の量を増やす事で、ドルに対して円を多く印刷したら(実際は印刷しないが)理論上は円安になります。

日本政府は海外援助や海外融資に熱心だが、為替介入と似た効果があります。

日本がアフリカの国に1兆円を融資し、その1兆円を円からドルに交換したら、言葉を言い換えた為替介入のようなものです。


こうして毎年20兆円の経常黒字でも通常は円高にならないが、突発的な出来事で一斉にドルから円へのお金の動きが起きます。


1995年や2011年は地震で日本企業が打撃を受け、海外の金を本社に送金したところから超円高が始まりました。

一匹のネズミが走り出したら全員が走り出すようなもので、一斉に同じ方向へ動き出しました。


それに海外投機ファンドが便乗して円高を加速し、円高への恐怖心からより一層大量の円買いが発生した。

これが超円高のメカニズムで、10年間円安だからと言って来年「1ドル50円」にならない保証はないのです。

円安を主導してきた安倍首相の辞任で、ある方向に動き出すかも知れません

http://www.thutmosev.com/archives/83781946.html
http://www.asyura2.com/20/reki4/msg/597.html#c8

[お知らせ・管理21] 2020年08月 困った時、意見、提案、相談などなんでも。管理人が24時間以内に必ず見るスレ 管理人さん
133. 2020年8月31日 07:38:38 : 1W8zcIRgE2 : aUhEYmQ0L2hWREU=[3]
パレオリベラルさんは病気だから、相手にしない方がいいですよ
http://www.asyura2.com/13/kanri21/msg/609.html#c133
[近代史5] ヨーロッパ人の起源 中川隆
2. 2020年8月31日 07:58:39 : 1W8zcIRgE2 : aUhEYmQ0L2hWREU=[4]
雑記帳 2020年08月31日
古代DNAに基づくユーラシア西部の現生人類史
https://sicambre.at.webry.info/202008/article_42.html


 古代DNAに基づく近年のユーラシア西部の現生人類(Homo sapiens)史研究を整理した概説(Olalde, and Posth., 2020)が公表されました。ユーラシア西部における現生人類の遺伝的歴史は、過去10年にたいへん注目されてきた研究分野です。これまでの研究の大半は、新石器時代と青銅器時代に起きた大規模な文化的移行をより理解するため、超地域的視点に焦点を当ててきており、おもに8500〜3000年前頃の個体群が対象でした。

 最近では、そうした大規模な手法は学際的な小地域研究により補完されており、それは過去の社会の通時的な再構築を目指し、古代DNA研究の将来の主流の方向性となる可能性が高そうです。さらに、ユーラシア西部全域の刊行された人類ゲノムの時間的分布を考慮すると、一方の側は上部旧石器時代と中石器時代、もう一方の側は鉄器時代に広く対応しています。この期間の研究もひじょうに興味深いものの、固有の課題もあり、それは、狩猟採集民遺骸としばしば乏しい古代DNA保存という利用可能性の低さと、歴史時代の集団間の減少した遺伝的差異を含みます。本論文は、最近明らかになってきたような、ユーラシア西部の古代DNA研究における新たな動向を取り上げます。


●ユーラシア西部狩猟採集民

 45000年前頃以降の大半において、ヨーロッパと近東の現生人類は狩猟採集戦略に依存していました。上部旧石器時代および中石器時代と新石器時代の一部地域では、集団の生活様式は狩猟採集でした。8500年前頃以降になって初めて、農耕が近東からヨーロッパに拡大してきました。この狩猟採集に依拠していた期間が長いにも関わらず、ヨーロッパと近東の刊行された古代ゲノムのうち、狩猟採集民個体群に由来するのは10%未満です。

 ヨーロッパの狩猟採集民に関する最初の大規模なゲノム規模研究は2016年に公表され、45000〜7000年前頃の50人のゲノムが分析されて、その後のいくつかの研究の基礎となりました(関連記事)。遅くとも37000年前頃以降、ヨーロッパの全個体は後のヨーロッパ人集団とある程度の遺伝的類似性を有します。しかし、その研究ではヨーロッパの現生人類のゲノムにおけるネアンデルタール人(Homo neanderthalensis)系統は経時的に減少したと推定されましたが、最近の研究では、ヨーロッパの現生人類におけるネアンデルタール人系統の割合はほぼ一定だった、と推定されています(関連記事)。

 後のヨーロッパ人集団に寄与した最古のゲノムは、ロシア西部のコステンキ−ボルシェヴォ(Kostenki-Borshchevo)遺跡群の一つであるコステンキ14(Kostenki 14)遺跡で1954年に発見された37000年前頃の若い男性個体(関連記事)と、ベルギーのゴイエット(Goyet)遺跡で発見された35000年前頃の1個体(Goyet Q116-1)です。この2個体は相互に、ひじょうに異なる2系統の初期の分岐を表しており、より新しい別々の狩猟採集民集団と関連しています。

 ヨーロッパ全域で観察された最初の明確な遺伝的クラスタは、チェコのドルニー・ヴェストニツェ(Dolní Věstonice)遺跡の3万年前頃の個体群に因んでヴェストニツェと命名され、チェコからベルギーとイタリア南部までの34000〜26000年前頃のゲノムを含みます。これらの個体群はグラヴェティアン(Gravettian)技術複合と関連しており、コステンキ14個体およびその姉妹系統である34000年前頃のロシア西部のスンギール(Sunghir)遺跡集団と、高い遺伝的類似性を共有しています。さらに、クリミア半島からの提案されたグラヴェティアン個体もまた、ヴェストニツェ遺伝的クラスタのより新しい個体群との類似性を示し、グラヴェティアン関連遺伝的構成の西方から東方への拡大が支持されます。

 最終氷期極大期(Last Glacial Maximum、略してLGM)の後、Goyet Q116-1個体で特定された遺伝的系統は、考古学的にはマグダレニアン(Magdalenian)と関連した個体群に現れ、その年代はイベリア半島では19000年前頃、ヨーロッパ中央部では15000年前頃です。15000年前頃のヨーロッパでは温暖化が起き、イタリアのヴィラブルナ(Villabruna)遺跡で発見された14000年前頃の個体に因んで命名された新たな遺伝的系統であるヴィラブルナの存在と同時に発生し、このヴィラブルナ系統は現代および古代の近東集団と有意なつながりを示します(関連記事)。このかなり均質な遺伝的構成は、イタリア(関連記事)からブリテン島(関連記事)にまたがるヨーロッパ全域に広範に拡大しました。

 ヴィラブルナ系統の起源はまだ議論されていますが、近東の上部旧石器時代個体群の最近の分析では、ジョージア(グルジア)とアナトリア半島でそれぞれ26000年前頃と15000年前頃に混合したそのような系統存在が明らかになっています。しかし、近東からヨーロッパへの長期的拡大というよりもむしろ、ヨーロッパ南東部の気候的な待避所からの二重の集団拡散が、これら2地域の遺伝的な祖先構成の説明として提案されてきました。他の氷期の待避所としてイベリア半島が提案されており、そこではマグダレニアン関連系統が、広範囲のヴィラブルナ系統とともに、中石器時代まで高い割合で残存していました(関連記事)。

 ヨーロッパ北東部では遅くとも8000年前頃までには、東部狩猟採集民(EHG)と命名された他の異なる遺伝的系統を有する個体群が、西部狩猟採集民(WHG)ヴィラブルナ系統と関連する個体群とともに東西に沿って遺伝的勾配を示します。スカンジナビア半島の中石器時代の狩猟採集民は、さらに東方に位置する集団と比較してずっと高い割合のEHG関連系統を有するので、この勾配の顕著な例外を表します(関連記事)。そのため、氷期後のスカンジナビア半島の定住は、北方からEHG、南方からWHGの拡大を伴っていたという二重経路で、その後で混合が起きた、と提案されています(関連記事)。

 ヨーロッパのほとんどで、狩猟採集民系統はその後に、新石器時代の拡大の結果として、農耕関連遺伝的構成にほぼ置換されました。しかし、バルト海地域のようなヨーロッパ北部の周辺では、狩猟採集民の遺伝的構成が中期新石器時代の5500年前頃まで、ヨーロッパにおける農耕民到達後も3000年ほど維持されました。ロシア西部のサマラ(Samara)地域の個体群は、EHG関連系統の東限となり、ウラル山脈のすぐ東のシベリア狩猟採集民は、ユーラシア東部集団との遺伝的類似性を示します。


●鉄器時代から歴史時代

 過去3000年の歴史は、現代人集団の最終的な形成の理解に重要です。人類の移動性が高まっているため、この期間の人口統計学的事象は小規模でも大規模でも豊富で、そのほとんどは歴史的な情報源で描かれています。しかし、歴史的記録の解釈は決定的ではないかもしれず、古代DNA研究には、記録にある事象の人口統計学的影響をよりよく理解するのに有益な手法となる可能性があります。じっさい、この分野の焦点はより最近の歴史に移り始めており、鉄器時代から現代までのヨーロッパと近東の遺伝的歴史を扱う研究が増加しています。

 ヨーロッパ南西部では、鉄器時代のイベリア半島人が、先行する青銅器時代にヨーロッパ全域に拡大した草原地帯関連系統を有するヨーロッパ中央部および北部集団から、引き続き遺伝子移入を受けていました。これは、大きな社会文化的変容の期間で、人口統計学的転換を伴っており、究極的にはヤムナヤ(Yamnaya)文化草原地帯牧畜民と関連する集団はまずヨーロッパ東部および中央部で、後にはヨーロッパ西部で、在来集団とのかなりの混合を通じて、大きな影響を残しました(関連記事)。侵入してくる草原地帯集団は、インド・ヨーロッパ語族のヨーロッパへの導入と関連しており、鉄器時代イベリア半島の非インド・ヨーロッパ語族地域もまた、この遺伝子流動の影響を受け、過去と現在の言語境界が明確な系統区分と必ずしも相関しないことを示します(関連記事)。

 ヨーロッパ北東部では、最近の研究により、ウラル語族現代人に特徴的なシベリア人関連系統の痕跡が、フェノスカンジアに遅くとも3500年前頃、バルト海地域東部には2500年前頃に到達していた、と明らかになりました(関連記事)。ポントス・カスピ海草原(中央ユーラシア西北部から東ヨーロッパ南部までの草原地帯)は、鉄器時代にはスキタイ人に支配されており、スキタイ人は広範な地域で文化要素を共有するさまざまな遊牧民部族族の連合です。これらの古代集団からのゲノムデータにより、スキタイ関連個体群は遺伝的に均質な集団ではない、と明らかになりました(関連記事)。スキタイ人は後期青銅器時代草原地帯牧畜民およびアジア東部集団と関連する系統のさまざまな割合でモデル化できます。

 レヴァントでは、遺伝子流動の兆候が鉄器時代とローマ期の個体群で検出されました。これらの個体群は、青銅器時代および現代の集団と全体的には遺伝的継続性を有するにも関わらず、おそらくは早期の歴史的事象と関連するヨーロッパ人関連構成をわずかに示します(関連記事1および関連記事2)。

 古代DNA研究で注目を集め始めている大きな事象は、紀元前三千年紀のギリシア人とフェニキア人の拡大です。これらの文化は長距離海上ネットワークの確立を通じて地中海沿岸に交易所を設けましたが、在来集団との統合の程度や、後の集団への遺伝的寄与といった重要な問題はさほど理解されていません。スペイン北東部のギリシア植民地の24個体のゲノム規模研究では、遺伝的に異なる2集団が報告されており、一方は在来のイベリア半島集団と、もう一方は同時代のギリシア集団との遺伝的類似性が指摘され、移民の継続的到来もしくは在来集団との限定的な交雑が示唆されます(関連記事)。

 スペインのイビサ島とイタリアのサルデーニャ島のフェニキア・カルタゴ文化個体群は、ミトコンドリアDNA(mtDNA)の分析(関連記事)とゲノム規模分析(関連記事)によって、遺伝的に先住集団とは異なるところがあり、在来集団からの多様な割合の遺伝的寄与とともに、地中海東部関連系統およびアフリカ北部関連系統を有する、と明らかになっています。同様のゲノム規模データの痕跡が、イベリア半島南部で少なくともローマ期には観察されていますが、より早期の同地域のフェニキア・カルタゴ文化関連個体群にさかのぼることができるかもしれず(関連記事)、これらの文化と関連した人類の移動が、長期間持続する遺伝的影響を地中海の一部集団に残した、と示唆されます(関連記事)。

 ローマは共和政確立後、ユーラシア西部で最大かつ最強の都市となりました。最近の研究では、帝政期のローマの成長は、地中海東部からの移民の影響を受けており、西方からの遺伝的影響の証拠はほとんどなかった、と明らかになっています(関連記事)。1500〜1000年前頃となる中世前期には、文献に西ローマ帝国の支配地だった地域における「蛮族」集団の拡大が見え、しばしば大移動期とされます。西ゴートやランゴバルド(関連記事)やバイエルン(関連記事)やアレマン(関連記事)関連の墓地の被葬者の遺伝的構成に関する研究で一貫して明らかなのは、大規模な集団間の不均質性で、ヨーロッパ南部起源よりもむしろ、高頻度でおもにヨーロッパ中央部および北部関連系統の個体群が示されています。同様に複雑な状況はヴァイキングの拡大と関連した集団のゲノム分析でも示されるようになっており、1200〜900年前頃となるヴァイキングの時代とその前には、スカンジナビア半島における人類集団の出入が文献に見えますが、それが確証されました(関連記事)。


●小地域の研究

 人類の古代DNA研究の新しい重要な動向は遺跡固有の分析で、古代社会の構造を解明するために学際的手法が用いられています。大規模な研究では複数のゲノムが同じ遺跡から得られ、密接に関連した個体群(たとえば、2〜3親等程度)がしばしば見つかっています。これまで、そうした親族関係にある個体群は一般的に、集団遺伝分析から除外されていました。この手法は統計的検定で関連性バイアスを回避するのに適していますが、これら近親者の関係を調べることで、対象集団に関して多くの追加の情報が得られます。こうした研究には学際的手法が必要で、ゲノム・同位体・放射性炭素年代・形態・物質(考古学)のデータが統合されることで、集団内の社会文化的動態の理解を最大化します。

 そうした古代DNA分析に基づいて社会的構造を検証した研究の最初の事例が、装飾品など豪華な副葬品で有名なロシア西部のスンギール(Sunghir)遺跡です(関連記事)。スンギール遺跡の34000年前頃の4個体は遺伝的に密接な関係にない、と明らかになりました。さらに、有効人口規模の減少にも関わらず、近親交配の水準が低いことから、多くの現代狩猟採集民集団と同様に同族婚が避けられていた、と示唆されます。

 後の時代の集団では、複数の新石器時代と青銅器時代の遺跡で、遺跡固有の古代DNA研究により徹底的な調査が行なわれました。その一例は、ポーランドの球状アンフォラ(Globular Amphora)文化関連墓地です(関連記事)。この墓地の全被葬者には暴力的な死の痕跡が見られ、墓地内の4核家族を伴う拡大家族を表しています。ミトコンドリアDNA(mtDNA)ハプログループ(mtHg)の高い多様性とは対照的に、Y染色体ハプログループ(YHg)の多様性が低い場合には、父方居住体系と解釈されています。

 アイルランドやイギリスやスウェーデン(関連記事)やチェコやスイス(関連記事)の新石器時代の巨石埋葬遺跡文でも、社会構造が調査されました。一般的な傾向として、女性よりも男性の方が被葬者は多く、とくにブリテン島とアイルランド島とスイスの巨石墓でその傾向が見られます。さらに、YHgは経時的に維持されており、これらの巨石墓地が父系社会と関連している、と改めて示唆されました。興味深いことに、同時代の異なる遺跡に埋葬された個体群間の密接な近縁関係の事例も明らかになっています。これは、アイルランドの2ヶ所の巨石墓、エストニアの石棺墓、イングランドの鐘状ビーカー(Bell Beaker)文化の3ヶ所の遺跡で確認されており、これら複雑な埋葬構造が、選択された集団のために建てられた、と示唆されます。

 考古遺伝学的研究はまた、同位体分析や放射性炭素年代測定と効率的に組わせることができ、その事例として、後期新石器時代から中期青銅器時代のドイツ南部のアウグスブルクに近い地域に焦点を当てたものがあります(関連記事1および関連記事2)。中期青銅器時代のドイツ南部では、100個体以上のゲノム比較から、関連していな個体群よりも中核的家族の方が副葬品は多く、副葬品と親族関係との間に正の相関があると明らかになり、社会的不平等の証拠が提示されました。さらに、複数世帯が同じ遺跡に同じ家系で最大5世代にわたって埋葬されており、一般的には女性外婚制と父方居住により特徴づけられます。

 中世前期に関しては、上述のランゴバルドとアレマンとバイエルンという3ヶ所の小地域研究で、親族関係と社会構造が取り上げられています。ランゴバルドに関する研究(関連記事)では63個体が調査され、ハンガリーも含むパンノニアとイタリア北部のピエモンテ州の2ヶ所のランゴバルド人遺跡間および内部の比較が行なわれました。両遺跡の個体群は生物学的親族の周囲に葬られ、遺伝的にはヨーロッパ南部系統とヨーロッパ中央部および北部系統の割合はさまざまで、ヨーロッパ中央部および北部系統は墓地の豊富な副葬品と正の相関を示します。

 ドイツ南部のバーデン=ヴュルテンベルク州のアレマン関連墓地は、性的な偏りのある埋葬遺跡を表しており、成人も幼児も男性のみで、戦士階級集団の可能性があります(関連記事)。さらに、このうち5個体は異なる3文化の副葬品と関連しているにも関わらず、父系では関連しています。ドイツ南部のバイエルンの6ヶ所の遺跡では紀元後500年頃の36人のゲノムが分析され、男性は現代の同地域集団と類似しているのに対して、女性は遺伝的異質性が高い、と明らかになりました(関連記事)。興味深いことに、細長い頭蓋骨を有するこれらの女性は、おそらく究極的にはヨーロッパ南東部起源です。

 まとめると、既知の学際的な小地域研究は、複数の証拠を通じて、ヨーロッパの過去の社会の埋葬が、しばしば父系的体系で組織されていると示唆するものの、他の地域と期間も対象とする将来の研究は、ユーラシア西部における変化する社会文化的動態のよりよい理解を、間違いなく提供するでしょう。


●まとめ

 本論文は、現在注目を集めている3分野を強調することで、ヨーロッパと近東の人類古代DNA分野の可能な研究方向性を検討しました。この発展を可能にするためには、ひじょうに分解されたDNAの分離と配列の新たな分子生物学的手法を開発する必要があります。それにより、追加の狩猟採集民遺骸やより困難な環境からのゲノムデータを回収できます。

 一方、ユーラシア西部集団間の遺伝的分化は広範な混合のために時代が降ると顕著に減少することが観察されており(関連記事)、伝統的なアレル(対立遺伝子)頻度に基づく手法ではしばしば検出困難な、微妙な遺伝的パターンをもたらしました。これは、歴史時代における増加する集団内の遺伝的異質性とともに、古代DNAに合わせた、より大規模な標本群の使用と、より高解像度の分析手法の開発を要求します。詳細で場合によっては自動化された血統復元を通じての地域の歴史調査の後には、学際的枠組み内の世界的傾向を識別できるよう、時空間を通じて社会的構造を比較するために、再度俯瞰する必要があるでしょう。


 本論文は、近年のユーラシア西部における古代DNA研究の進展を整理するとともに、新たな研究動向と今後の方針をも提示しており、たいへん有益だと思います。ユーラシア西部、とくにヨーロッパの古代DNA研究は他地域よりもずっと進展しているため、本論文で言及された論文のうち当ブログで取り上げたものも少なくありませんが、未読の論文も多く、既読の論文の内容を改めて整理できたとともに、新たな知見も多く得られました。古代DNA研究の進展は目覚ましいので、頻繁に本論文のような概説を読んでいく必要がある、と改めて思ったものです。

 本論文の提示した古代DNA研究の新たな動向は、小地域、場合によっては1遺跡での学際的な研究です。DNA分析と、同位体分析や放射性炭素年代測定や遺物分析(考古学)や遺骸分析(形態学)を組み合わせることにより、当時の社会構造が浮き彫りにされていきます。これは歴史時代にも有効な手法で、文献を補完できます。歴史学でも、今後は古代DNA研究がさらに重視されるようになっていくでしょう。日本人の私としては、日本列島でもそうした学際的研究が進展するよう、期待しています。また本論文は、そうした詳細な研究の蓄積の後には、改めて俯瞰していく必要があることも指摘しています。どの分野でも、専門化・蛸壺化が指摘されて久しく、専門的で詳細な研究の蓄積は基礎としてたいへん重要ではあるものの、広い視点でそれらを統合する必要があることも確かだと思います。


参考文献:
Olalde l, and Posth C.(2020): African population history: an ancient DNA perspective. Current Opinion in Genetics & Development, 62, 36-43.
https://doi.org/10.1016/j.gde.2020.05.021


https://sicambre.at.webry.info/202008/article_42.html
http://www.asyura2.com/20/reki5/msg/274.html#c2

[近代史4] オリーブ油とゴマ油以外の油は使ってはいけない 中川隆
2. 2020年8月31日 08:24:18 : 1W8zcIRgE2 : aUhEYmQ0L2hWREU=[5]
「マーガリン=健康的な植物油」はウソだった
https://www.jca.apc.org/~misatoya/misatoyasaite/bargarine/margarin.html

 写真はふたつのフライドポテトを並べて、その様子を見てみようとした実験を写したものだ。ファーストフード店の製品と自家製である。みなさんは多くのフライドポテトはマーガリンで揚げていることをご存知だろうか。この報告は、このポテトが腐るか、腐らないかに関するものである。

 マーガリンが危険な食品であると聞いても、信じられないという人が多いのではないかと思う。日本ではこのことを問題にする人はまだ少数だからである。それでも2005年8月にニューヨーク市が市内にある3万4千軒の飲食店やスーパーにマーガリン類を調理用油として使用しないことを要請した時、またはアメリカ政府の食品医薬品安全局が2006年1月までにマーガリン類を含む食品に表示を義務づけた時には、日本でも報道されて話題となった。しかし日本では様々な事情で同じような規制が行われなかったために、社会問題化することはなかった。このことはたいへん重大な問題が野放しにされていることを示している。「外国ではその危険性が指摘されて規制が始まっている」事柄について、日本ではその対応が遅れているために深刻な事態を招いているという、アスベストや薬害エイズなどで起きてしまった悲劇を繰り返そうとしているのだ。毎朝パンにたっぷりぬって食べているという人は多いはずだ。なぜマーガリンが危険な食品なのか、日本ではなぜ諸外国のような規制が行われないのか、食品安全の課題であるこの問題について述べてみたい。

「マーガリンが固まっているのは、オイルのプラスチック化」

 バターなどの動物性の油脂より植物性のマーガリンのほうが健康のために良いと考えて食べている人は多いと思う。確かに動物性の油脂は「飽和脂肪酸」を多く含むのでコレステロール値を上げて心筋梗塞や動脈硬化のリスクを高める。融点(溶ける温度)が高いので常温では固体となって体内でも固まりやすく、過剰摂取は有害である。動物性油脂の食べすぎは危険であると多くの人が認識しているのは正しい。それに対して植物性の油脂は「不飽和脂肪酸」を多く含むのでコレステロール値を下げる働きがあり、融点が低いために常温では液体であり体内で凝固することもなく健康的だといわれている。このことが動物性油脂より植物性油脂が健康的だと信じられてきた理由である。  しかし植物油は酸化しやすくて品質の劣化が早く、日持ちしないという性質がある。またバターのように常温で固体を保つ油脂はパンや菓子類の製造に欠かせない物なので、バターに代わる固体の植物油脂として登場したのがマーガリンである。20世紀の初頭から行われ始めた「水素添加」という化学処理によって生まれた固体の植物油脂は科学的な組成が安定して、劣化しやすいという植物油の性質を一変させて酸化したり腐ったりすることのない便利な油として登場した。しかもバターよりも安く製造できるので、健康的な植物油だという神話とともにすぐに人気を得ることとなった。現在ではバターに代わる家庭用のマーガリンとして、またショートニングという名で製造用に使われる無味のマーガリンはパンや菓子類の練り込み材料として、フライドポテトやチキンの揚げ油として、アイスクリームやコーヒー用のミルク、カレーのルウなどの加工食品などに、広く使われている。  マーガリン・ショートニングが科学的に安定して腐らない植物油脂であることの理由は、水素添加という化学処理によって不飽和脂肪酸が「トランス型脂肪酸」に変化したことによる。不安定だった原子構造が、水素原子の移動(トランス)の結果きれいに整列して安定した構造となり、常温でも固体を保ち、酸化しにくくなることで保存性を持つこととなる。1998年にアメリカで「危険な油が病気を起こしている」という本を発表したジョン・フィネガンによるとこの水素添加した脂肪の分子を顕微鏡で見るとプラスチックにたいへん似ていて、科学者たちは「オイルのプラスチック化」と呼んでいたそうだ。このトランス脂肪酸は牛や羊の胃の中でも微生物によって生成されるために、バターやチーズ、食肉の中にも少量ではあるが天然の形で存在している。しかし水素添加によって生まれたトランス脂肪酸は自然界には存在しない物質である。アメリカやヨーロッパではこの天然のトランス脂肪酸と化学変化によって生まれたトランス脂肪酸を区別して規制している。

「トランス脂肪酸はとても危険な化学物質」

 2002年7月、アメリカの医学学会(Instiute of Medicine)がトランス脂肪酸についてのレポートを発表して、トランス脂肪酸は「悪玉コレステロール」を増加させるだけでなく肝臓に悪影響を及ぼして「善玉コレステロール」を減少させてしまうという2倍のマイナス効果で心臓病のリスクを高めると警鐘を鳴らした。それを受けてアメリカ政府の食品医薬品安全局もトランス脂肪酸の摂取量を減少させることが心臓病のリスクを低下させると発表して、2006年1月までにトランス脂肪酸の含有量表示を義務化することを決定した。2005年8月にはニューヨーク市がすべてのレストラン、スーパーにトランス脂肪酸を含む調理油を使用しないように呼びかけた。ヨーロッパの各国ではそれ以前からトランス脂肪酸の危険性が広く知られており、加工食品の含有率規制も行われている。欧米に比べて油脂の摂取が少ないといわれているアジアでも、韓国と台湾ではすでに含有率表示が義務化されている。WHO(国連世界保健機関)とFAO(国連食料農業機関)は合同で報告書を発表して、トランス脂肪酸の摂取量は最大でも1日あたりの総エネルギー摂取量の1%未満とするように勧告している。そして世界の国々でトランス脂肪酸フリーの「安全な新しいマーガリン」が発売されてトレンドを得ている。日本で市販されているマーガリンには平均値で約7%のトランス脂肪酸が含まれており、加工食品の製造過程で使用されるショートニングにはそれ以上のトランス脂肪酸が含まれていると思われる。  人体はトランス脂肪酸を他の油脂と同じように処理しようとするが、通常ではあり得ない分子構造のために処理しきれずに体内に蓄積してしまったり、悪影響を及ぼすことが様々な研究の結果でわかってきたことが、世界中でのマーガリン規制(トランス脂肪酸規制)につながっている。コレステロールのバランスを崩して動脈硬化などの心臓疾患のリスクを高めるほか、免疫力を低下させてアトピー性皮膚炎などのアレルギーの原因のひとつとなることも指摘されている。また体内を酸化させてガンを発生させる原因にもなるともいわれている。アメリカではガンによる死亡率とトランス脂肪酸を含む食品の消費率それぞれの増加がほぼ一致しているという報告もある。痴呆について長年にわたって研究したアメリカの科学者からは、トランス脂肪酸が認知機能を下げる恐れがあるという報告が出されている。血中の悪玉コレステロールが増えるために心臓だけでなく脳の動脈硬化も進むためではないかとみられている。

「フライドポテト1個で基準値を超えてしまう!」

 日本ではこのトランス脂肪酸がどのように扱われているのか。2007年に食品安全委員会は国内に流通するパン類、乳製品、マーガリンなど386種の食品に含まれるトランス脂肪酸を分析して国民の摂取量を推計して発表した。日本人の1日当たりの摂取量は平均してエネルギー摂取量の0.3~0.6%で、欧米での摂取量より少なく、またWHOが示した1%未満という基準値より少ない。この結果を食品安全委員会化学物質専門調査会の立松正衛・愛知県ガンセンター研究所副所長は「各国に比べて少なく、差し迫った危険性はない」と評価した。業界団体の「日本マーガリン工業会」は、トランス脂肪酸が血中の悪玉コレステロールを上昇させることを認めながら「エネルギー比2%以下ならほとんど影響しない」と主張、「WHOの基準は1%、日本人の場合はそれも下回る0.7%」として、「現在の日本人の食生活においては何ら問題はない」と結論づけている。また「リノール酸の摂取量がトランス脂肪酸より多いとその作用を低減させる」と主張して、日本人のリノール酸摂取量の多さにも言及している。  しかし食品安全委員会の調査には、外食産業で使われるショートニングなどは含まれていない。例えばあるファーストフード店のMサイズのフライドポテト(135g)には4gを越えるトランス脂肪酸が含まれており、WHOの基準値エネルギー比1%を摂取量に換算すると約2gとなることを考えると、このフライドポテトだけでこの1日当たりの基準値を超えることになる。コンビニで売っている菓子やケーキ、パンなど大量生産が前提の製品には1g以下であってもほとんどの製品にトランス脂肪酸が含まれていると考えられるので、若年層に限って見ると基準値以上のトランス脂肪酸を摂取させられている日本人は多いのではないかと考えられる。食品安全委員会が発表した「国民ひとり1日当たりの摂取量」とは、老若男女すべてを含む国民全体の平均値であって、淡白な和食を好む高齢の世代と洋風で油分が多い食事を好む若年世代を分けて分析する必要がある。ファーストフードとスナック菓子が大好きな子どもたちが特に食品に含まれる有害物質の影響を受けやすいことを考えると、このままでいいのかという疑問を持たざるをえない。  トランス脂肪酸の含有量規制も表示義務もない日本だが、最も多くのトランス脂肪酸を含む食品であるマーガリンについては安全な製品を作る努力も行われている。市販のマーガリンはトースト3枚にぬって食べるとWHOの基準をほぼ超えてしまうので、トランス脂肪酸を0.5%以下に抑えた新しい「バーガリン」という製品が誕生したのだ。水素添加などの化学処理をしないで、常温でも固体のパーム油をベースにする方法で作られている。しかしこのバーガリンは日本では辛い運命にある。「トランス脂肪酸0.5%」という表示をするとマーガリン業界の反発が強くて国内メーカーでは製造委託を引き受けてもらえなかった。そこでトランス脂肪酸規制の先進国であるオランダで2006年3月から製造を始めて6回の輸入ロッドをクリアーして製造されてきたのだが、2008年、石油価格や穀物価格の世界的な上昇の中でバーガリンの原材料も高騰して、オランダから運ぶことに耐えられなくなって挫折することになった。その後、韓国のメーカーに製造を依頼することになったが、ここでは家庭用のカップ入りの製品ができずに1ポンドの業務用サイズを紙で包んだ状態で輸入せざるを得なかった。販売単位の量が増えたので値上げではなかったが、1個の価格が200円も高くなった上に家庭では使いにくくなったのである。バーガリンはこの形態の変更でまた困難な状態に追い込まれている。  日本にはもうひとつトランス脂肪酸を抑えた「安全なマーガリン」が存在するが、こちらは国内生産をめざしたためにパッケージにトランス脂肪酸のことを表示できず、また一般の市場での販売もできていない。宅配専門の会社がグループ内で流通させるだけにとどまっている。これもマーガリン業界の圧力のためである。  ファーストフード店の中にもトランス脂肪酸の低減を実現して安全性をアピールする会社が現れている。ミスタードーナツはホームページで「日本での平均的なトランス脂肪酸は諸外国に比べて少なく特別な基準ももうけられていません。しかしミスタードーナツはいち早くこの課題に取り組み、2007年12月から全店でトランス脂肪酸を大幅に抑えたオイルを使用しています」と宣言して、ドーナツ1個あたりのトランス脂肪酸の量を、平均で1~1.5gだったのを、平均0.25gまで低減させたという。単純計算ではドーナツ2個でWHOの基準値を超えていたのを、8個まで基準値内になったのだ。この努力は賞賛に値するが、ミスタードーナツ以外に追随する会社は見当たらない。ケンタッキーフライドチキンやスターバックスコーヒーは、アメリカなどの規制がある国ではトランス脂肪酸の低減を実現しているが、日本の店舗では危険な油脂を使い続けている。また国内のインスタントラーメンの有名ブランド、日清のカップヌードルやサンヨー食品のサッポロ一番では、国内向けの製品は揚げ油にトランス脂肪酸が含まれているので製品にも含まれているようだが、規制がある海外向けに生産されたものはトランス脂肪酸ゼロの表示がある。つまり技術的には可能であるのに、規制がない国内向けの製品にはその技術を使っていないのである。  以前は日本のテレビでよく見かけたマーガリンのCMだが、2006年のアメリカでのトランス脂肪酸の表示義務の開始を境に見かけなくなった。マーガリンメーカーは家庭でトーストにつけて食べるための食品としては積極的に売り込むことを控えるようになったようだ。その代わりにマーガリンはショートニングや「植物性油脂」に姿を変えて大量生産されてコンビニなどで売られる菓子やパンに入り、またファーストフードやファミリーレストランの調理油になって使用も消費も広がった。トランス脂肪酸の摂取は目に見えにくい形に変化していったのだ。

「ショートニングで調理すると6ヶ月たっても腐らない!?」

 冒頭の写真の話に戻る。  プラスチック食品と呼ばれるマーガリン・ショートニングを含む食品は腐りにくく長持ちするといわれてきた。これはトランス脂肪酸の影響だと考えられるが、この腐りにくい性質がマーガリン・ショートニングを「便利な油」として使う理由である。原材料としての品質管理がたいへん楽な上にできた製品は腐りにくい、こんなにいいことはないということだろう。しかし前述したようにあるファーストフード店のフライドポテトは、Mサイズをひと袋食べただけでもWHOが勧告した1日あたりのトランス脂肪酸摂取量を超える。そこでファーストフード店のフライドポテトは本当に腐らないのかどうか調べて見ようとしたのがこの写真の実験である。このポテトを買った日本最大といわれる外食チェーンの揚げ油はショートニングである。このチェーンの本部があるアメリカでは、すでにすべての店舗でショートニングを使うのを中止してトランス脂肪酸の低減に取り組んでいるのだが、日本では規制がないためにショートニングを使い続けている。くどいようだが、Mサイズひと袋でWHOの基準値を超える可能性があるというのにである。じゃがいもの違いや揚げる環境や温度を同じにすることはできないので正確な比較とはいえないが、トランス脂肪酸0.5%以下のバーガリンでポテトを揚げて並べて置いてみた。この実験は2005年にアカデミー賞のドキュメンタリー部門にノミネートされた映画「スーパーサイズ・ミー」の特典映像として添付されている実験の二番煎じである。この時点のアメリカではこのチェーンのフライドポテトは腐らなかった。まだショートニングを使っていたのだろう。私の実験は2009年4月の日本の店で買ったものがどうなるのかを調べようとするもので、結果はご覧のとおりである。バーガリンで揚げたポテトはすぐにカビが生えて腐り始め、2週間目には腐敗臭に耐えられずに実験を終えた。ファーストフードチェーンのポテトは微動だにせず、この原稿を書いている約6ヶ月を経過した10月になってもカビも生えず,腐りもしていない。  このファーストフード大手の会社は現在の不況下でも低価格を売り物にして最高益を出している。つまりショートニングの使用をやめないかぎり、トランス脂肪酸の摂取量が増え続けていることになる。またこのチェーンの子ども向けセットメニューはテレビCMが流されているから、子どもを集客の対象にしているのはいうまでもない。このようなまさにプラスチック食品と呼ぶのにふさわしい食べ物を育ち盛りの子どもに与えてもいいのだろうか。子どもたちは学校給食で出される紙包みのマーガリンをパンにつけて食べている。その上でのフライドポテトである。  学校給食でのトランス脂肪酸の規制をするべきだろう。またすべての食品において、せめて諸外国なみに表示を義務づけるべきではないだろうか。トランス脂肪酸の低減を打ち出した商品が圧力を受けるような社会はおかしいのではないか。食品安全行政の姿勢が問われている問題である。

参考文献
ウェブサイト「トランスファット注意報」http://www.burgarin.com
「危険な油が病気を起こしてる」ジョン・フィネガン著
「食用油には危険がいっぱい」氏家京子著

「マーガリン=健康的な植物油」はウソだった(2)
                藤川泰志(原水爆禁止調布市民会議・自然食品店店主)

  11月24日、福島瑞穂消費者担当大臣は記者会見で「マーガリンなどに含まれるトランス脂肪酸について、商品への含有量表示を義務づけるよう検討を消費者庁に指示した」と発表した。これは食品安全行政の画期的な前進である。本誌11月号で詳しく報告したように、この危険な油脂であるトランス脂肪酸への規制が無いのは先進諸国では日本だけだという状態であるにもかかわらず、今までこの一歩を踏み出すことができなかったのだ。含有量表示の導入という控えめな意思表示ではあるが、国民の健康を害しているこの問題が明らかにされていくことになる。マーガリンやショートニングといったこのトランス脂肪酸を多く含む油脂と深く関わる業界や、この油脂の恩恵を受けているあらゆる食品メーカーから圧力を受けることが予想されるが、一日でも早く含有量表示義務の導入を実現させて、規制につなげていきたい。  この記者会見の中で福島大臣はもうひとつ重要なことを発言している。この問題について食品安全委員会が「一般的な日本人の食生活では摂取しても直ちに問題がない」としていることに対して、「食品理解を深めるためにも表示する方向で検討してほしい」と述べたのだ。これにはたいへん重要な意味が込められている。トランス脂肪酸が多く含まれている食品はマーガリンそのものは別格として、ファーストフード店のフライドポテトやチキンのように危険な油で揚げた食品や大量生産された菓子パンやスナック菓子など、いわゆるジャンクフードと呼ばれているものであることを考えると、それらをたくさん食べている若年層が自分の健康を守るために「食品を選ぶ」ことができるようにすることが重要なのだということを示唆している。これは最近よくいわれるようになった「食育」の基本的な課題だといえるだろう。なぜならトランス脂肪酸の有無、あるいは含まれている量を確認しながら自分が食べるものを決めるということは、外来の食べ物であるシャンクフードを食べ続けるのか、あるいは日本の伝統的な食事を見直すのかという問題に必然的に行き着くからだ。福島大臣が食品安全委員会の見解を見直すことの論拠とした「食品を理解して選ぶ」ということは食育の基本問題であると踏まえて、食育とトランス脂肪酸について考えてみたい。

   「食育」というと思い出すことがある。2005年の総選挙で愛知4区から立候補して、比例東海ブロックで当選した藤野真紀子前衆議院議員のことだ。「小泉チルドレン」のおひとりで、料理研究家を本業とする方である。この藤野前議員が当選のインタビューで議員としてやりたいことを問われて、「食育」と答えた時、たいへんな違和感を覚えた。郵政民営化を踏み絵にした市場原理主義を推し進めようとする小泉・竹中政治の中から立候補した議員と「食育」はまったく結びつかなかったからだ。食育とは1980年代にイタリアで始まったスローフード運動が使い始めたことばである。大量生産、大量消費という現代の食のあり方、ファーストフード店の越境による世界的な味の均一化、海を越えて流入してくる食料による自国の農業への圧迫などに対して、地域の伝統的な味や食習慣、地元の農業を守ることなどをめざして提唱された運動である。新しい食文化のあり方を提案して実践していく運動だからかならずしも反ファーストフードではないが、この運動の出発点となったのは1986年にローマの旧市街の中心で観光名所でもあるスペイン広場にマクドナルドが出店しようとしたことに対する反対運動だった。日本でも使われ始めていた「食育」も同じような意味で、品質や栄養より収益のための効率を優先させ、売れる物なら何でも売るファーストフードの市場原理優先の食のあり方に対する異議申し立てであったはずである。それに対して藤野前議員の食育とは、ホームページなどを拝見すると「語り継ぐお菓子たち」という活動によって子どもたちにお菓子作りの楽しさを伝え、親子でお菓子を作ることの重要性を訴えることらしい。
 しかし藤野前議員は選挙前の「公約」で重要なことをいっている。その公約とは「食育で愛知4区の治安を日本一よくする」というものだった。藤野前議員の在任中の5年間に名古屋の治安が他と比べて少しでも良くなったという話は聞かないが、それでも「食」と治安を結びつけた発想には脱帽するしかない。食生活・医事ジャーナリストの氏家京子さんが著書の中で紹介しているアメリカでの調査によると、粗暴犯罪者の血液検査をすると血中の脂肪構成が悪くなっていることがわかるという。DHA(ドコサヘキサエン酸)の値が暴力経験のない一般の人の値より著しく低くなっていて、これは日ごろの食生活における脂肪の摂り方に問題がある結果だという。人の脳の大部分は脂質でできていて、その中でも重要な役割をもつ脳神経細胞は大量のDHAで作られているので、これが不足すると脳神経細胞の働きに影響が出て、学習能力や記憶力を衰えさせることが考えられるという。杏林予防医学研究所所長で分子栄養学博士の山田豊文氏は著書の「細胞から元気になる食事」の中で、トランス脂肪酸が細胞膜の組織内に大量に存在すると細胞膜が正常に機能しなくなることを指摘していて、それ自体が自然界には存在しない有害なものであるばかりでなく、他の必須脂肪酸が取り込まれて栄養として利用されるのを妨げると説明している。このように栄養の摂り方、または脂肪の摂り方が心と体のコンディションの問題と深くかかわっていることわかる。
 12月1日の朝日新聞では、小、中学校で児童生徒の暴力行為が前年度比で13%増、3年間で7割も増えたことが報じられている。子どもたちは「感情がうまく制御できない」「コミュニケーションの能力が足りない」と観察されていて、いじめは先生たちの様々な努力によって毎年のように減っているのに暴力行為は増え続けているという。この原因のすべてを食生活に求めるのは乱暴だが、魚や豆、海草や野菜をたくさん食べていた伝統的な和食の食卓が崩壊して、肉食と危険な油があふれた食事に変わったことが少なからず影響していることは容易に想像できる。不況による生活費の減少と、食品の低価格競争が招く食材の粗悪化がこれに追い討ちをかけているのかもしれない。
 ファーストフードの弊害をリポートしたアメリカの映画「スーパーサイズ・ミー」(2005年アカデミー賞ドキュメンタリー部門ノミネート作品)では、ウィスコンシン州にある不登校などの問題がある生徒を集めた高校でおこなわれたジャンクフードや炭酸飲料を好んでいた生徒たちに低脂肪、低カロリーのランチを食べさせる試みが紹介されている。オーガニックフードの会社に委託した野菜や果物たっぷりで、全粒粉のパンや、揚げたものをやめてオーブンで焼くことを心がけたすべて手作りの料理を導入して、そして糖分過多の炭酸飲料をやめることで生徒の行動に落ち着きが出て、学習への集中力が高まったと校長が証言している。

 このように栄養に関する様々な問題が心と体のコンディションを左右することを広く知らせて、安全な食べ物を選択していくことを子どもたちに教えていくことが現状での食育の基本だと思う。トランス脂肪酸についての理解を深めて、それが含まれている食べ物を避けることはそのための解りやすいテーマである。山田豊文博士はトランス脂肪酸を避ける時の注意を次のように記述している。「マーガリン以外にもトランス脂肪酸はその名前を変えてさまざまな食品に含まれています。買い物をするときに、食品のパッケージに貼られているラベルを注意して見るようにして下さい。クッキーやケーキ、チョコレート、菓子パン、コーヒーフレッシュをはじめ、多くの加工食品にマーガリンやショートニング、加工油脂、あるいはファットスプレッドなどと書かれていることにお気づきになったでしょうか。これはすべてトランス脂肪酸が大量に含まれていることを意味します」。山田博士は本誌11月号で詳しく述べたトランス脂肪酸が持つ危険性で最も重要なことが、血液中の悪玉コレステロールを増やして善玉コレステロールを減らすことによって心臓病のリスクを高めることであることも指摘している。そしてこの危険なトランス脂肪酸の含有量のラベル表示が2006年からアメリカで行われているのと同じように、日本でも早く対策を打つべきだと主張している。「本来の食事とは健康を維持していくためのものですが、これでは健康を害するための食品が店頭に並び、私たち消費者はわざわざそれを選んで購入していることになります」これが山田博士の結論である。福島大臣がトランス脂肪酸に関して「食品への理解」を呼びかけたのはまさに重要なことであり、消費者庁への指示が一日でも早く実現することが望まれる。

 

 写真はアメリカで売られているカップヌードルである。このように成分表示に「トランスファット0g」と表示されているばかりでなく、表にも「トランス脂肪酸0g」の目立つ表示がある。これが望ましい商品の見本である。このように表示されていれば、自分の健康を考えながら食品を選ぶことができる。同じ商品なのにアメリカで売る製品はこのようにトランス脂肪酸に関しては安全な製品ができるのに、日本向けの製品は依然として揚げ油にトランス脂肪酸が含まれているためにリスクを伴う製品のままだというのはおかしな事だが、それでも「やればできる」ことを示しているといえるだろう。山田博士が指摘したように菓子類やパンなども同様に表示をするべきだろう。バターを使った菓子とマーガリンやショートニングを使った菓子のどちらを選ぶのかという問題は食育の大事なテーマだと思う。カフェでコーヒーや紅茶を飲む時に「コーヒーフレッシュ」といういつでも常温に置いてある、そしていくつ使っても無料の「ミルク」を使うのかどうかも食育の重要なテーマである。冷蔵する必要がなく使い放題のこの白い液体は、ほとんどが牛乳成分など入っていない植物油を加工したもので、トランス脂肪酸を多く含んでいる。
 成分表示が義務づけられている加工食品はトランス脂肪酸の含有量表示で見分けやすくなる。しかしわかりにくいのはファーストフード店などの外食産業で出される料理やスーパーなどで売られる惣菜に含まれるトランス脂肪酸である。特に揚げたものは安くて粗悪な油を使うと多量のトランス脂肪酸を含んでいることがある。揚げ油としてショートニングを使うことはハンバーガー店やファミリーレストランでは普通におこなわれていることだが、これが最も危険である。マーガリン・ショートニングのように化学処理によってトランス脂肪酸が発生した油脂の他にも、通常の食用油の場合でも製造法によっては危険なものがある。大豆や菜種などの食用油には「圧搾法」で搾られたものと「抽出法」で化学的に作られたものがあるが、昔ながらの低温で搾る(コールドプレス)油が安全で栄養の面でも優れているのに対して、様々な薬品を加えて油を溶かし出して高温で無味無臭に精製する抽出油は効率的でたいへん安く製造できるが多くのトランス脂肪酸を発生させてしまっている。オリーブ油の場合ではエキストラバージンと明記されているものだけが圧搾法で作られていることが保障されていて、安いものには搾りカスに高温と高圧をかけて溶かし出したものが多く、これは危険な油である。残念なことだが食用油に関しては価格が安全性に比例しているといっていい。ちなみに筆者はレストラン経営者だが、揚げ油に使っているのは「圧搾一番しぼり」の菜種油で価格は一斗缶(16.5kg)で9700円である。業務用の食用油を売る店をのぞくと同じ一斗缶の植物油が2500円前後で売られている。
  2005年にニューヨーク市が市内のすべての飲食店やスーパーに対して、トランス脂肪酸を含む調理油を使用しないように呼びかけたのはこのようなリスクをなくすためであるのはいうまでもない。日本でも食用油に対してトランス脂肪酸の含有量表示を徹底して、外食産業や飲食店、スーパーなどに対してトランス脂肪酸の低減を要請するべきだろう。

 最後に山田博士の本からもう一度引用させていただくことにする。博士はショートニングの語源を、揚げ物やクッキーなどのサクサク感を出すこと、つまり「もろくする」という意味のshortenであると紹介して、次のように書いている。「家で揚げ物をするより、出来合いのものを買ってきたりお店で食べたりするほうがカラッと仕上がっているという印象を受ける方も多いでしょう。これらを『専門店のなせる業』と思っていたら、実はショートニングを入れた油で揚げているだけ、というケースも決して珍しくありません。私に言わせれば、ショートニングでもろく崩れていくのは、ずばり私たちの体です。」
  社会をあげてトランス脂肪酸の低減をめざすことが急務である。福島大臣と消費者庁の今後の仕事に期待したい。

参考文献:

「細胞から元気になる食事」山田豊文著
ウェブサイト「トランスファット注意報」
「危険な油が病気を起こしてる」ジョン・フィネガン著
「食用油には危険がいっぱい」氏家京子著
毎日新聞11月24日夕刊
朝日新聞12月1日朝刊

「この文章はみさと屋の藤川が、月刊社民編集部の要請を受けて執筆したものです」

https://www.jca.apc.org/~misatoya/misatoyasaite/bargarine/margarin.html
http://www.asyura2.com/20/reki4/msg/320.html#c2

[リバイバル3] ロンドン・ウエスタンの世界 中川隆
28. 中川隆[-11568] koaQ7Jey 2020年8月31日 08:58:22 : 1W8zcIRgE2 : aUhEYmQ0L2hWREU=[6]
イベント前夜
2018.02.9
https://soundcreate.co.jp/%E3%82%A4%E3%83%99%E3%83%B3%E3%83%88%E5%89%8D%E5%A4%9C-2/

明日はLOUNGEで「名盤深聴」イベントです。
Legatoは15時で営業終了の予定です。

ただいま最終調整中…
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明日の主役ナットキング・コールを歌ってもらうのは、ALTEC。

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構成は、

ALTEC 825のグレータイプの初期型(キャビネット)に

Westrex 2080G(ウーファー)、
ALTEC 311(ホーン)、
Westrex 2090G(ドライバー)

で決定。

実は、キャビネットは、825の黒い縦スリットの初期箱もあり、ウーファーは2080Hもあり、ホーンはALTEC 805もあり、ドライバーはALTEC 288B(24Ω)もあり、組み合わせを様々試した上で、今一番良いと思える組み合わせで。

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加えて、SACDの3チャンネルマルチはこちらのシステムで!

LINN AKUDORIK EXAKT。

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そして、もしかすると特別出演で、新製品のこちらも鳴らすかも!?PIEGA Premium701。

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今は真空管アンプのOCTAVE V16の真空管をKT120からEL34に変えて、思案中です!
https://soundcreate.co.jp/%E3%82%A4%E3%83%99%E3%83%B3%E3%83%88%E5%89%8D%E5%A4%9C-2/

締め切りました 9/29(土) 高橋健太郎さんと聴く「名盤深聴」LOUNGEイベント 第4回
2018.09.14
https://soundcreate.co.jp/929-2/

お待たせいたしました!LOUNGEの名物イベント「名盤深聴」の第4回を開催します!!
音楽評論家・高橋健太郎氏とオーディオ評論家・山本浩司氏による「名盤深聴」(※)。


今回もご用意するのは、現代&ヴィンテージと2システム。

現代のスピーカーはLINN Akubarik P。

ヴィンテージスピーカーはこちら。

キャビネットはALTEC825(縦スリット)ですが、ドライバー、ウーファー、ホーンは通称ロンドンウェスタンであるWestrexのもの。

ドライバー:2090A、
ホーン:2094 Horn、
ウーファー:20/80LF(※)

ネットワークはALTEC N-500-Cを使います。

(※20/80LFは売約済みですが、2080Aもあり。こちらも素晴らしい。)

第1回のNat King Coleで使用したものより、いずれも旧い時代のものでご用意いたします!
https://soundcreate.co.jp/929-2/
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/1074.html#c28

[リバイバル3] パイオニア Exclusive M5 中川隆
26. 2020年8月31日 09:15:57 : 1W8zcIRgE2 : aUhEYmQ0L2hWREU=[7]
Mr.トレイルのオーディオ回り道
久し振りにエクスクルーシブC3+M4
2020年08月29日
https://blog.goo.ne.jp/nishikido2840/e/1af0ad1c3d643f141c278bc681b25898

1ヶ月近く眠らせていたエクスクルーシブC3+M4をセッティングして音出し確認をしています。ソースは今回購入したチューナーによるFM放送です。

SONYのプリ+パワーアンプの2セットがほぼ鳴らし込みが完了地点に来ました。これ以上ストックしていてもエクスクルーシブC3+M4の出番は有りません。せっかく2年半もかけて「完動品」に仕上げたのにもったいない気もしますが、お守りしてやれそうもないので処分する事にしました。その為の「確認」作業です。

このアンプは「メインシステム」で使うのが良いと思います。私の場合、既にメインシステムのアンプは固まっており、入り込む隙は有りません。使うケーブルにもよりますが、重量感あるスケールのでかい再生音を出して来ます。当時は「純A級パワーアンプ」として、ち密な音を出すアンプとして有名でした。当時のマニアでは「一度は手にしてみたい」と思っていたはずです。
https://blog.goo.ne.jp/nishikido2840/e/1af0ad1c3d643f141c278bc681b25898

エクスクルーシブ:C3+M4を聴き返している
2020年08月31日
https://blog.goo.ne.jp/nishikido2840/e/5788c7cd4e79029fbd008d203b2b8a65


サブシステムのレイアウト変更をしています。新しい機器が入って来たのとC3+M4のサウンドを聴き返すためです。先日、一般のケーブルで接続して久しぶりに聴いて見たのですが、なかなか良い再生音でした。本格的なケーブルと配置で聴いたらどうだろうと思ってやって見ました。

サブシステムのソース機器群。CDP×2台、MD機×2台、DAT×1台、FMチューナー1台(OUTPUT2系統使い)にしています。

M4の発熱量が異常なほど高いので扇風機は必需品です。それにしても2.5年かけて「活性化」していますので、JBL#4425が軽く片手でひねられている感じのサウンドです。もっと大きなスピーカーでも大丈夫です。本来は38cmウーハークラスのメインアンプだと思います。オーケストラの生録した演奏では、大ホールのステージを再現しています。聴衆の拍手のめちゃくちゃ多い事。30cmウーハーですが38cmクラスのスピーカーと聴き間違うほどのスケール感と、嫌な音の出ない聴き疲れしないサウンド。それでいて音のエッジが立って弦楽器のコスル音も難なくこなします。JAZZでは切れの良いド迫力のサウンドも出して来ます。一般の方ならメインシステムでそれもかなり良くなっているサウンドだと思います。ただ私にとってはあくまでもサブシステムです。メインシステムはこのシステムのはるか上をいくサウンドですから・・・。サブシステムでは到底追いつけないでしょう。しかし音楽を楽しむという観点では十分なサウンドに仕上がっています。

手放す前にじっくり「活性化」させたサウンドを楽しんで置きたいと思いまして、わざわざレイアウト変更して本格的に聴ける様にしました。(まだ手放すと決定した訳では有りません)
https://blog.goo.ne.jp/nishikido2840/e/5788c7cd4e79029fbd008d203b2b8a65
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/1064.html#c26

[近代史5] 日本列島は欧米の侵略の拠点で日本人は手先。イギリスもアメリカも日本がアジアの国々と友好的な関係を結ぶことを許さない 中川隆
4. 2020年8月31日 10:22:21 : 1W8zcIRgE2 : aUhEYmQ0L2hWREU=[8]

2020.08.31
第2次世界大戦で日本の敗北が決まったのは75年前の9月2日
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202008310000/

 第2次世界大戦における日本の敗北が正式に決まったのは今から75年前、1945年9月2日のことである。この日、日本政府全権の重光葵と大本営(日本軍)全権の梅津美治郎がアメリカの軍艦ミズーリ号上で降伏文書に調印したのだ。


 日本は1941年12月7日(現地時間)にハワイの真珠湾にあったアメリカ軍の基地を奇襲攻撃してアメリカとの戦争を始めたのだが、言うまでもなく、その前から東アジアで侵略戦争を続けていた。


 石油は日本とアメリカとの戦争においてキーワードのひとつだ。その当時、世界の石油生産量はアメリカが圧倒的で、全体の約50%を占めていたという。アメリカ政府の内部には日本への石油禁輸を主張する勢力があり、財務省は石油代金の支払い方法で日本に圧力を加えていた。


 日本が使っていた石油の生産地はカリフォルニアと現在のインドネシア。アメリカが石油の輸出を止めたなら、日本にインドネシアを攻めさせることになると考えたフランクリン・ルーズベルト大統領は禁輸に消極的だったのだが、実行されることになる。


 真珠湾を攻撃する前に日本でも石油の需給見通しを試算、アメリカと戦争を始めると3年目から石油が不足すると見通されていたが、戦争を継続できる程度の石油は供給されていた。


 やはりアメリカに石油を頼っていたドイツの場合、ロックフェラーのスタンダード石油がベネズエラの支社からスイス経由でドイツ占領下のフランスへ売り、そこからドイツへ運んでいたという。日本へも何らかのルートを利用して売られていたということだろう。


 1933年にアメリカ大統領となったフランクリン・ルーズベルトはファシズムや植民地に反対していたこともあり、日本に対しても批判的だったが、それはアメリカの支配層全般には当てはまらない。


 本ブログでは繰り返し書いてきたが、日本の支配層はウォール街の影響下にあった。1923年9月1日の関東大震災で大きな損害を受けた日本は復興資金を調達するために外債を発行したが、その発行を引き受けたのがJPモルガン。この巨大金融機関と最も緊密な関係にあったと言われている人物が井上準之助だ。それ以降、JPモルガンは日本の政治や経済に大きな影響を及ぼすことになる。


 アメリカの政治経済もウォール街によって動かされていたが、そうした強者総取りの政策に反発した人びとは1932年の大統領選挙でニューディール派のフランクリン・ルーズベルトを選ぶ。そうした事態に危機感を抱いたJPモルガンなどの金融資本は1933年から34年にかけてクーデターを準備したわけだ。計画の詳細はスメドリー・バトラー少将が議会で証言している。


 ウォール街のクーデター派はヨーロッパのファシスト、中でもフランスのクロワ・ド・フ(火の十字軍)の戦術を参考にしていた。彼らのシナリオによると、新聞を利用して大統領への信頼感を失わせるようなプロパガンダを展開、50万名規模の組織を編成して恫喝して大統領をすげ替えることにしていたという。


 バトラーの話を聞いたジャーナリストのポール・フレンチはクーデター派を取材、「コミュニズムから国家を守るため、ファシスト政府が必要だ」という発言を引き出している。金融資本と関係が深い国務省の内部、つまりアメリカの外交官にファシストが多かったのは必然ということだ。


 クーデターの司令官としてウォール街が選んだ軍人がバトラー。人望があるバトラーを抱き込まないとクーデターは成功しないという判断だったが、抱き込みに失敗した。計画を聞き出した上で彼はカウンタークーデターを宣言している。


 日本にはそうしたウォール街の傀儡が少なくない。総理大臣としてウォール街の意向に沿う政策を進めていた浜口雄幸は1930年に銃撃されて翌年に死亡、井上準之助は32年に殺された。井上と同じ年には三井財閥の大番頭と言われ、ウォール街とも緊密な関係にあった団琢磨も殺されている。


 団は1871年にアメリカへ渡り、マサチューセッツ工科大学を卒業しているが、同じ時に彼の親友、金子堅太郎も渡米した。金子はハーバード大学ロースクールで1878年まで学ぶ。金子はその後、セオドア・ルーズベルトと親しくなる。セオドアは1880年にハーバード大学を卒業しているが、そうしたこともあり、90年にセオドアの自宅でふたりは初めて会ったという。


 セオドアは1898年のアメリカ・スペイン戦争を主導した人物。1901年には大統領に就任した。イギリスと同じようにアメリカも日本列島を東アジア侵略の拠点、日本人を傭兵と考えていた。


 アングロ・サクソン系のイギリスとアメリカはスラブ系のロシアを敵視、そのロシアを押さえ込むために日本を利用しようとした。日露戦争の後、セオドアは日本が自分たちのために戦ったと書いている。こうした事情を理解していた金子はシカゴやニューヨークで、アンゴロ・サクソンの価値観を支持するために日本はロシアと戦ったと説明していた。(James Bradley, “The China Mirage,” Little, Brown and Company, 2015)


 フィリピン、台湾、琉球、日本が東アジア侵略の拠点だとするなら、朝鮮半島は橋頭堡。日本が朝鮮の植民地化をセオドア・ルーズベルトが容認したのもそのためだろう。


 そうした日本側の動きを察知した朝鮮の高宗は特使としてホーマー・ハルバートをワシントンへ派遣するが、セオドア大統領やエリフ・ルート国務長官はその特使と会おうとしない。朝鮮は米朝修好通商条約の第1条に基づいて独立維持のための援助を求めたが、これをアメリカ政府は拒否している。すでにセオドア・ルーズベルト政権は桂太郎や金子堅太郎らと韓国併合で話がついていたのである。


 こうしたアングロ・サクソンと日本との主従関係は明治維新から現在に至るまで続いている。例外はフランクリン・ルーズベルトが大統領を務めていた1933年3月から45年4月までの期間くらいだろう。ソ連との平和共存を訴え、侵略戦争に反対、イスラエルの核兵器開発に厳しい姿勢で臨み、労働者の権利を認めて大企業の行動を規制しようとしたジョン・F・ケネディは暗殺で最初の任期を全うできなかった。フランクリンとセオドアは親戚だが、立場は全く違う。

https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202008310000/
http://www.asyura2.com/20/reki5/msg/136.html#c4

[近代史5] 関東大震災とJPモルガン 中川隆
3. 中川隆[-11567] koaQ7Jey 2020年8月31日 10:23:22 : 1W8zcIRgE2 : aUhEYmQ0L2hWREU=[9]

2020.08.31
第2次世界大戦で日本の敗北が決まったのは75年前の9月2日
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202008310000/

 第2次世界大戦における日本の敗北が正式に決まったのは今から75年前、1945年9月2日のことである。この日、日本政府全権の重光葵と大本営(日本軍)全権の梅津美治郎がアメリカの軍艦ミズーリ号上で降伏文書に調印したのだ。


 日本は1941年12月7日(現地時間)にハワイの真珠湾にあったアメリカ軍の基地を奇襲攻撃してアメリカとの戦争を始めたのだが、言うまでもなく、その前から東アジアで侵略戦争を続けていた。


 石油は日本とアメリカとの戦争においてキーワードのひとつだ。その当時、世界の石油生産量はアメリカが圧倒的で、全体の約50%を占めていたという。アメリカ政府の内部には日本への石油禁輸を主張する勢力があり、財務省は石油代金の支払い方法で日本に圧力を加えていた。


 日本が使っていた石油の生産地はカリフォルニアと現在のインドネシア。アメリカが石油の輸出を止めたなら、日本にインドネシアを攻めさせることになると考えたフランクリン・ルーズベルト大統領は禁輸に消極的だったのだが、実行されることになる。


 真珠湾を攻撃する前に日本でも石油の需給見通しを試算、アメリカと戦争を始めると3年目から石油が不足すると見通されていたが、戦争を継続できる程度の石油は供給されていた。


 やはりアメリカに石油を頼っていたドイツの場合、ロックフェラーのスタンダード石油がベネズエラの支社からスイス経由でドイツ占領下のフランスへ売り、そこからドイツへ運んでいたという。日本へも何らかのルートを利用して売られていたということだろう。


 1933年にアメリカ大統領となったフランクリン・ルーズベルトはファシズムや植民地に反対していたこともあり、日本に対しても批判的だったが、それはアメリカの支配層全般には当てはまらない。


 本ブログでは繰り返し書いてきたが、日本の支配層はウォール街の影響下にあった。1923年9月1日の関東大震災で大きな損害を受けた日本は復興資金を調達するために外債を発行したが、その発行を引き受けたのがJPモルガン。この巨大金融機関と最も緊密な関係にあったと言われている人物が井上準之助だ。それ以降、JPモルガンは日本の政治や経済に大きな影響を及ぼすことになる。


 アメリカの政治経済もウォール街によって動かされていたが、そうした強者総取りの政策に反発した人びとは1932年の大統領選挙でニューディール派のフランクリン・ルーズベルトを選ぶ。そうした事態に危機感を抱いたJPモルガンなどの金融資本は1933年から34年にかけてクーデターを準備したわけだ。計画の詳細はスメドリー・バトラー少将が議会で証言している。


 ウォール街のクーデター派はヨーロッパのファシスト、中でもフランスのクロワ・ド・フ(火の十字軍)の戦術を参考にしていた。彼らのシナリオによると、新聞を利用して大統領への信頼感を失わせるようなプロパガンダを展開、50万名規模の組織を編成して恫喝して大統領をすげ替えることにしていたという。


 バトラーの話を聞いたジャーナリストのポール・フレンチはクーデター派を取材、「コミュニズムから国家を守るため、ファシスト政府が必要だ」という発言を引き出している。金融資本と関係が深い国務省の内部、つまりアメリカの外交官にファシストが多かったのは必然ということだ。


 クーデターの司令官としてウォール街が選んだ軍人がバトラー。人望があるバトラーを抱き込まないとクーデターは成功しないという判断だったが、抱き込みに失敗した。計画を聞き出した上で彼はカウンタークーデターを宣言している。


 日本にはそうしたウォール街の傀儡が少なくない。総理大臣としてウォール街の意向に沿う政策を進めていた浜口雄幸は1930年に銃撃されて翌年に死亡、井上準之助は32年に殺された。井上と同じ年には三井財閥の大番頭と言われ、ウォール街とも緊密な関係にあった団琢磨も殺されている。


 団は1871年にアメリカへ渡り、マサチューセッツ工科大学を卒業しているが、同じ時に彼の親友、金子堅太郎も渡米した。金子はハーバード大学ロースクールで1878年まで学ぶ。金子はその後、セオドア・ルーズベルトと親しくなる。セオドアは1880年にハーバード大学を卒業しているが、そうしたこともあり、90年にセオドアの自宅でふたりは初めて会ったという。


 セオドアは1898年のアメリカ・スペイン戦争を主導した人物。1901年には大統領に就任した。イギリスと同じようにアメリカも日本列島を東アジア侵略の拠点、日本人を傭兵と考えていた。


 アングロ・サクソン系のイギリスとアメリカはスラブ系のロシアを敵視、そのロシアを押さえ込むために日本を利用しようとした。日露戦争の後、セオドアは日本が自分たちのために戦ったと書いている。こうした事情を理解していた金子はシカゴやニューヨークで、アンゴロ・サクソンの価値観を支持するために日本はロシアと戦ったと説明していた。(James Bradley, “The China Mirage,” Little, Brown and Company, 2015)


 フィリピン、台湾、琉球、日本が東アジア侵略の拠点だとするなら、朝鮮半島は橋頭堡。日本が朝鮮の植民地化をセオドア・ルーズベルトが容認したのもそのためだろう。


 そうした日本側の動きを察知した朝鮮の高宗は特使としてホーマー・ハルバートをワシントンへ派遣するが、セオドア大統領やエリフ・ルート国務長官はその特使と会おうとしない。朝鮮は米朝修好通商条約の第1条に基づいて独立維持のための援助を求めたが、これをアメリカ政府は拒否している。すでにセオドア・ルーズベルト政権は桂太郎や金子堅太郎らと韓国併合で話がついていたのである。


 こうしたアングロ・サクソンと日本との主従関係は明治維新から現在に至るまで続いている。例外はフランクリン・ルーズベルトが大統領を務めていた1933年3月から45年4月までの期間くらいだろう。ソ連との平和共存を訴え、侵略戦争に反対、イスラエルの核兵器開発に厳しい姿勢で臨み、労働者の権利を認めて大企業の行動を規制しようとしたジョン・F・ケネディは暗殺で最初の任期を全うできなかった。フランクリンとセオドアは親戚だが、立場は全く違う。

https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202008310000/
http://www.asyura2.com/20/reki5/msg/278.html#c3

[近代史5] 飛蚊症レーザー手術の真実 中川隆
2. 2020年8月31日 10:53:28 : 1W8zcIRgE2 : aUhEYmQ0L2hWREU=[10]

2020年08月30日
飛蚊症レーザー手術の真実(4)
https://open.mixi.jp/user/5343821/diary/1976770587


飛蚊症レーザー手術、右目の3回目を受けてきた。

日本では情報が少ないので、使命感をもって書こうと思ったのだが、スマホで検索していると、海外の手術動画や、日本でも、YouTubeに9年前の、渡米して手術した人の詳しいレポートがあった。

このレポートは、それこそ使命感があって面白い。
また10年も経たず、比較的近所で手術が受けられているのは感謝せねばならないだろう。

おもしろかったポイントは、自分の関心でまとめると、

@他にも有名な術者がいたが、〇〇さんは300発撃ったら終わりと決めている。選んだ術者は、3年のキャリアだが、何回も心ゆくまでやってもらえたのがありがたかった。
A(後発?)白内障レーザー用の改良版
B手術初日は綺麗だが、数日で再結合が起こり、3歩進んで2歩下がる
Cレーザーが命中すると、蒸発?気化?するものと、砕け残るものとある
D砕け残ったのもが再結合した時に、薄かったものが集合して濃くなり、悪化したように感じることがある(ただし、こういうものはまた撃てばよい)
E網膜の近所は危険なので撃てない。白内障手術の眼内レンズがあると撃ちにくい。近視ほど撃ちにくい。
F瞳孔が開きにくい場合は撃ちにくい

この人自身の状況をもっと言ってくれたらよかった。
映画館に行ってさえ気になるような飛蚊症があったそうで、それはかなり取れたということのように感じた。

私自身の3回目の感想。
前回、中央やや上方の、うねうねした透明な塊を砕いてもらえたようで 、ただ、Cの理屈で、砕け残ったものが一本の透明な長い帯になって目の中央にくることがあり、これがさらに砕けてくれたらよい、それは可能ではないか?、というのが注目点だった。
結果として、それは基本的には残っていた。薄くなったり短くなった可能性もあるが。
今の職場で、パソコン画面をみているときは、細かい飛蚊症までみえるので、そのときはわかるが、いつもわかるレベルではないので、手術動画などみた感じ、手探りで撃つ感じなので、精度の限界なのだと思う。

3回を終えて、右目全体の総括。
気になるポイントは3つで、@中央から右寄りにあるリング状の黒いもの。A右端でうねうねまわっている黒いもの。B上述の、上方から目の中央に向かって降りてくるヴェール状の透明なもの。
たぶん、@は少なくとも白内障手術した15年前にはあって、AとBは網膜裂孔のレーザー手術を受けた4年半前からのものと思う。どれがいちばん気になるかと言われたら、@かなとも思うのだが、実はBかもしれない。
というのが、パソコン画面をみるときは、白内障眼内レンズで遠方に焦点があった右目でなく、近方用に左目を使うのだが、なら右目は関係ないかというと、そんな単純ではなくて、右目の情報は一応合成されており、そのさいに濁りが邪魔するのだ。
また、どよ〜んと降りてはまた上がるという感じで、気にしだすとイライラする。

結果として、@がほぼ変わらないか、へたしたら真ん中にやや近づいたかも。Aは期待薄な箇所だが、少しは減ったかも。Bはあきらかに減った。完全ではなく残っているのだが、以前の記憶と比較して、あきらかによい場面がある。
パソコン、テレビ、近方をみるときによい。

手術動画を見ると、浮遊物に命中して砕けて、気体が泡となって上がるさまがわかる。
これをみると、すごく期待してしまうが、上記のいろいろな理由により、けっこう地味な手術という面もありそう。
主観なので、私の変化でも、神経質でなければ「大差ない」と考える人もいそう。
悩んでいる人には、ぜひおすすめしたい。
運次第では効果が薄いので安いほうがよいとも思うが、真に悩んでいて徹底的にやりたい人は、数を撃ってくれそうな、高価でも凝り性っぽい術者を選ぶのはよいと思う。
私自身は、もう1回やりたいし僅かでも進歩すると思うが、常識的には頼むのは神経質すぎるレベルと思う(オーディオマニアだから)。

リング状には効果があるがヴェール状には効果が期待できないと書いているページがあったが、私の経験ではそうとはいえないというのが、いちばんの収穫だと思う。
ベストは尽くしたというか、マジックのようなレーザー手術をみつけてよかったといえる。
https://open.mixi.jp/user/5343821/diary/1976770587
http://www.asyura2.com/20/reki5/msg/164.html#c2

[近代史5] 認知症と糖尿病の原因はサラダ油とパーム油だった 中川隆
1. 中川隆[-11566] koaQ7Jey 2020年8月31日 10:56:16 : 1W8zcIRgE2 : aUhEYmQ0L2hWREU=[11]
「マーガリン=健康的な植物油」はウソだった
https://www.jca.apc.org/~misatoya/misatoyasaite/bargarine/margarin.html
 写真はふたつのフライドポテトを並べて、その様子を見てみようとした実験を写したものだ。ファーストフード店の製品と自家製である。みなさんは多くのフライドポテトはマーガリンで揚げていることをご存知だろうか。この報告は、このポテトが腐るか、腐らないかに関するものである。

 マーガリンが危険な食品であると聞いても、信じられないという人が多いのではないかと思う。日本ではこのことを問題にする人はまだ少数だからである。それでも2005年8月にニューヨーク市が市内にある3万4千軒の飲食店やスーパーにマーガリン類を調理用油として使用しないことを要請した時、またはアメリカ政府の食品医薬品安全局が2006年1月までにマーガリン類を含む食品に表示を義務づけた時には、日本でも報道されて話題となった。しかし日本では様々な事情で同じような規制が行われなかったために、社会問題化することはなかった。このことはたいへん重大な問題が野放しにされていることを示している。「外国ではその危険性が指摘されて規制が始まっている」事柄について、日本ではその対応が遅れているために深刻な事態を招いているという、アスベストや薬害エイズなどで起きてしまった悲劇を繰り返そうとしているのだ。毎朝パンにたっぷりぬって食べているという人は多いはずだ。なぜマーガリンが危険な食品なのか、日本ではなぜ諸外国のような規制が行われないのか、食品安全の課題であるこの問題について述べてみたい。

「マーガリンが固まっているのは、オイルのプラスチック化」

 バターなどの動物性の油脂より植物性のマーガリンのほうが健康のために良いと考えて食べている人は多いと思う。確かに動物性の油脂は「飽和脂肪酸」を多く含むのでコレステロール値を上げて心筋梗塞や動脈硬化のリスクを高める。融点(溶ける温度)が高いので常温では固体となって体内でも固まりやすく、過剰摂取は有害である。動物性油脂の食べすぎは危険であると多くの人が認識しているのは正しい。それに対して植物性の油脂は「不飽和脂肪酸」を多く含むのでコレステロール値を下げる働きがあり、融点が低いために常温では液体であり体内で凝固することもなく健康的だといわれている。このことが動物性油脂より植物性油脂が健康的だと信じられてきた理由である。  しかし植物油は酸化しやすくて品質の劣化が早く、日持ちしないという性質がある。またバターのように常温で固体を保つ油脂はパンや菓子類の製造に欠かせない物なので、バターに代わる固体の植物油脂として登場したのがマーガリンである。20世紀の初頭から行われ始めた「水素添加」という化学処理によって生まれた固体の植物油脂は科学的な組成が安定して、劣化しやすいという植物油の性質を一変させて酸化したり腐ったりすることのない便利な油として登場した。しかもバターよりも安く製造できるので、健康的な植物油だという神話とともにすぐに人気を得ることとなった。現在ではバターに代わる家庭用のマーガリンとして、またショートニングという名で製造用に使われる無味のマーガリンはパンや菓子類の練り込み材料として、フライドポテトやチキンの揚げ油として、アイスクリームやコーヒー用のミルク、カレーのルウなどの加工食品などに、広く使われている。  マーガリン・ショートニングが科学的に安定して腐らない植物油脂であることの理由は、水素添加という化学処理によって不飽和脂肪酸が「トランス型脂肪酸」に変化したことによる。不安定だった原子構造が、水素原子の移動(トランス)の結果きれいに整列して安定した構造となり、常温でも固体を保ち、酸化しにくくなることで保存性を持つこととなる。1998年にアメリカで「危険な油が病気を起こしている」という本を発表したジョン・フィネガンによるとこの水素添加した脂肪の分子を顕微鏡で見るとプラスチックにたいへん似ていて、科学者たちは「オイルのプラスチック化」と呼んでいたそうだ。このトランス脂肪酸は牛や羊の胃の中でも微生物によって生成されるために、バターやチーズ、食肉の中にも少量ではあるが天然の形で存在している。しかし水素添加によって生まれたトランス脂肪酸は自然界には存在しない物質である。アメリカやヨーロッパではこの天然のトランス脂肪酸と化学変化によって生まれたトランス脂肪酸を区別して規制している。

「トランス脂肪酸はとても危険な化学物質」

 2002年7月、アメリカの医学学会(Instiute of Medicine)がトランス脂肪酸についてのレポートを発表して、トランス脂肪酸は「悪玉コレステロール」を増加させるだけでなく肝臓に悪影響を及ぼして「善玉コレステロール」を減少させてしまうという2倍のマイナス効果で心臓病のリスクを高めると警鐘を鳴らした。それを受けてアメリカ政府の食品医薬品安全局もトランス脂肪酸の摂取量を減少させることが心臓病のリスクを低下させると発表して、2006年1月までにトランス脂肪酸の含有量表示を義務化することを決定した。2005年8月にはニューヨーク市がすべてのレストラン、スーパーにトランス脂肪酸を含む調理油を使用しないように呼びかけた。ヨーロッパの各国ではそれ以前からトランス脂肪酸の危険性が広く知られており、加工食品の含有率規制も行われている。欧米に比べて油脂の摂取が少ないといわれているアジアでも、韓国と台湾ではすでに含有率表示が義務化されている。WHO(国連世界保健機関)とFAO(国連食料農業機関)は合同で報告書を発表して、トランス脂肪酸の摂取量は最大でも1日あたりの総エネルギー摂取量の1%未満とするように勧告している。そして世界の国々でトランス脂肪酸フリーの「安全な新しいマーガリン」が発売されてトレンドを得ている。日本で市販されているマーガリンには平均値で約7%のトランス脂肪酸が含まれており、加工食品の製造過程で使用されるショートニングにはそれ以上のトランス脂肪酸が含まれていると思われる。  人体はトランス脂肪酸を他の油脂と同じように処理しようとするが、通常ではあり得ない分子構造のために処理しきれずに体内に蓄積してしまったり、悪影響を及ぼすことが様々な研究の結果でわかってきたことが、世界中でのマーガリン規制(トランス脂肪酸規制)につながっている。コレステロールのバランスを崩して動脈硬化などの心臓疾患のリスクを高めるほか、免疫力を低下させてアトピー性皮膚炎などのアレルギーの原因のひとつとなることも指摘されている。また体内を酸化させてガンを発生させる原因にもなるともいわれている。アメリカではガンによる死亡率とトランス脂肪酸を含む食品の消費率それぞれの増加がほぼ一致しているという報告もある。痴呆について長年にわたって研究したアメリカの科学者からは、トランス脂肪酸が認知機能を下げる恐れがあるという報告が出されている。血中の悪玉コレステロールが増えるために心臓だけでなく脳の動脈硬化も進むためではないかとみられている。

「フライドポテト1個で基準値を超えてしまう!」

 日本ではこのトランス脂肪酸がどのように扱われているのか。2007年に食品安全委員会は国内に流通するパン類、乳製品、マーガリンなど386種の食品に含まれるトランス脂肪酸を分析して国民の摂取量を推計して発表した。日本人の1日当たりの摂取量は平均してエネルギー摂取量の0.3~0.6%で、欧米での摂取量より少なく、またWHOが示した1%未満という基準値より少ない。この結果を食品安全委員会化学物質専門調査会の立松正衛・愛知県ガンセンター研究所副所長は「各国に比べて少なく、差し迫った危険性はない」と評価した。業界団体の「日本マーガリン工業会」は、トランス脂肪酸が血中の悪玉コレステロールを上昇させることを認めながら「エネルギー比2%以下ならほとんど影響しない」と主張、「WHOの基準は1%、日本人の場合はそれも下回る0.7%」として、「現在の日本人の食生活においては何ら問題はない」と結論づけている。また「リノール酸の摂取量がトランス脂肪酸より多いとその作用を低減させる」と主張して、日本人のリノール酸摂取量の多さにも言及している。  しかし食品安全委員会の調査には、外食産業で使われるショートニングなどは含まれていない。例えばあるファーストフード店のMサイズのフライドポテト(135g)には4gを越えるトランス脂肪酸が含まれており、WHOの基準値エネルギー比1%を摂取量に換算すると約2gとなることを考えると、このフライドポテトだけでこの1日当たりの基準値を超えることになる。コンビニで売っている菓子やケーキ、パンなど大量生産が前提の製品には1g以下であってもほとんどの製品にトランス脂肪酸が含まれていると考えられるので、若年層に限って見ると基準値以上のトランス脂肪酸を摂取させられている日本人は多いのではないかと考えられる。食品安全委員会が発表した「国民ひとり1日当たりの摂取量」とは、老若男女すべてを含む国民全体の平均値であって、淡白な和食を好む高齢の世代と洋風で油分が多い食事を好む若年世代を分けて分析する必要がある。ファーストフードとスナック菓子が大好きな子どもたちが特に食品に含まれる有害物質の影響を受けやすいことを考えると、このままでいいのかという疑問を持たざるをえない。  トランス脂肪酸の含有量規制も表示義務もない日本だが、最も多くのトランス脂肪酸を含む食品であるマーガリンについては安全な製品を作る努力も行われている。市販のマーガリンはトースト3枚にぬって食べるとWHOの基準をほぼ超えてしまうので、トランス脂肪酸を0.5%以下に抑えた新しい「バーガリン」という製品が誕生したのだ。水素添加などの化学処理をしないで、常温でも固体のパーム油をベースにする方法で作られている。しかしこのバーガリンは日本では辛い運命にある。「トランス脂肪酸0.5%」という表示をするとマーガリン業界の反発が強くて国内メーカーでは製造委託を引き受けてもらえなかった。そこでトランス脂肪酸規制の先進国であるオランダで2006年3月から製造を始めて6回の輸入ロッドをクリアーして製造されてきたのだが、2008年、石油価格や穀物価格の世界的な上昇の中でバーガリンの原材料も高騰して、オランダから運ぶことに耐えられなくなって挫折することになった。その後、韓国のメーカーに製造を依頼することになったが、ここでは家庭用のカップ入りの製品ができずに1ポンドの業務用サイズを紙で包んだ状態で輸入せざるを得なかった。販売単位の量が増えたので値上げではなかったが、1個の価格が200円も高くなった上に家庭では使いにくくなったのである。バーガリンはこの形態の変更でまた困難な状態に追い込まれている。  日本にはもうひとつトランス脂肪酸を抑えた「安全なマーガリン」が存在するが、こちらは国内生産をめざしたためにパッケージにトランス脂肪酸のことを表示できず、また一般の市場での販売もできていない。宅配専門の会社がグループ内で流通させるだけにとどまっている。これもマーガリン業界の圧力のためである。  ファーストフード店の中にもトランス脂肪酸の低減を実現して安全性をアピールする会社が現れている。ミスタードーナツはホームページで「日本での平均的なトランス脂肪酸は諸外国に比べて少なく特別な基準ももうけられていません。しかしミスタードーナツはいち早くこの課題に取り組み、2007年12月から全店でトランス脂肪酸を大幅に抑えたオイルを使用しています」と宣言して、ドーナツ1個あたりのトランス脂肪酸の量を、平均で1~1.5gだったのを、平均0.25gまで低減させたという。単純計算ではドーナツ2個でWHOの基準値を超えていたのを、8個まで基準値内になったのだ。この努力は賞賛に値するが、ミスタードーナツ以外に追随する会社は見当たらない。ケンタッキーフライドチキンやスターバックスコーヒーは、アメリカなどの規制がある国ではトランス脂肪酸の低減を実現しているが、日本の店舗では危険な油脂を使い続けている。また国内のインスタントラーメンの有名ブランド、日清のカップヌードルやサンヨー食品のサッポロ一番では、国内向けの製品は揚げ油にトランス脂肪酸が含まれているので製品にも含まれているようだが、規制がある海外向けに生産されたものはトランス脂肪酸ゼロの表示がある。つまり技術的には可能であるのに、規制がない国内向けの製品にはその技術を使っていないのである。  以前は日本のテレビでよく見かけたマーガリンのCMだが、2006年のアメリカでのトランス脂肪酸の表示義務の開始を境に見かけなくなった。マーガリンメーカーは家庭でトーストにつけて食べるための食品としては積極的に売り込むことを控えるようになったようだ。その代わりにマーガリンはショートニングや「植物性油脂」に姿を変えて大量生産されてコンビニなどで売られる菓子やパンに入り、またファーストフードやファミリーレストランの調理油になって使用も消費も広がった。トランス脂肪酸の摂取は目に見えにくい形に変化していったのだ。

「ショートニングで調理すると6ヶ月たっても腐らない!?」

 冒頭の写真の話に戻る。  プラスチック食品と呼ばれるマーガリン・ショートニングを含む食品は腐りにくく長持ちするといわれてきた。これはトランス脂肪酸の影響だと考えられるが、この腐りにくい性質がマーガリン・ショートニングを「便利な油」として使う理由である。原材料としての品質管理がたいへん楽な上にできた製品は腐りにくい、こんなにいいことはないということだろう。しかし前述したようにあるファーストフード店のフライドポテトは、Mサイズをひと袋食べただけでもWHOが勧告した1日あたりのトランス脂肪酸摂取量を超える。そこでファーストフード店のフライドポテトは本当に腐らないのかどうか調べて見ようとしたのがこの写真の実験である。このポテトを買った日本最大といわれる外食チェーンの揚げ油はショートニングである。このチェーンの本部があるアメリカでは、すでにすべての店舗でショートニングを使うのを中止してトランス脂肪酸の低減に取り組んでいるのだが、日本では規制がないためにショートニングを使い続けている。くどいようだが、Mサイズひと袋でWHOの基準値を超える可能性があるというのにである。じゃがいもの違いや揚げる環境や温度を同じにすることはできないので正確な比較とはいえないが、トランス脂肪酸0.5%以下のバーガリンでポテトを揚げて並べて置いてみた。この実験は2005年にアカデミー賞のドキュメンタリー部門にノミネートされた映画「スーパーサイズ・ミー」の特典映像として添付されている実験の二番煎じである。この時点のアメリカではこのチェーンのフライドポテトは腐らなかった。まだショートニングを使っていたのだろう。私の実験は2009年4月の日本の店で買ったものがどうなるのかを調べようとするもので、結果はご覧のとおりである。バーガリンで揚げたポテトはすぐにカビが生えて腐り始め、2週間目には腐敗臭に耐えられずに実験を終えた。ファーストフードチェーンのポテトは微動だにせず、この原稿を書いている約6ヶ月を経過した10月になってもカビも生えず,腐りもしていない。  このファーストフード大手の会社は現在の不況下でも低価格を売り物にして最高益を出している。つまりショートニングの使用をやめないかぎり、トランス脂肪酸の摂取量が増え続けていることになる。またこのチェーンの子ども向けセットメニューはテレビCMが流されているから、子どもを集客の対象にしているのはいうまでもない。このようなまさにプラスチック食品と呼ぶのにふさわしい食べ物を育ち盛りの子どもに与えてもいいのだろうか。子どもたちは学校給食で出される紙包みのマーガリンをパンにつけて食べている。その上でのフライドポテトである。  学校給食でのトランス脂肪酸の規制をするべきだろう。またすべての食品において、せめて諸外国なみに表示を義務づけるべきではないだろうか。トランス脂肪酸の低減を打ち出した商品が圧力を受けるような社会はおかしいのではないか。食品安全行政の姿勢が問われている問題である。

参考文献
ウェブサイト「トランスファット注意報」http://www.burgarin.com
「危険な油が病気を起こしてる」ジョン・フィネガン著
「食用油には危険がいっぱい」氏家京子著

「マーガリン=健康的な植物油」はウソだった(2)
                藤川泰志(原水爆禁止調布市民会議・自然食品店店主)

  11月24日、福島瑞穂消費者担当大臣は記者会見で「マーガリンなどに含まれるトランス脂肪酸について、商品への含有量表示を義務づけるよう検討を消費者庁に指示した」と発表した。これは食品安全行政の画期的な前進である。本誌11月号で詳しく報告したように、この危険な油脂であるトランス脂肪酸への規制が無いのは先進諸国では日本だけだという状態であるにもかかわらず、今までこの一歩を踏み出すことができなかったのだ。含有量表示の導入という控えめな意思表示ではあるが、国民の健康を害しているこの問題が明らかにされていくことになる。マーガリンやショートニングといったこのトランス脂肪酸を多く含む油脂と深く関わる業界や、この油脂の恩恵を受けているあらゆる食品メーカーから圧力を受けることが予想されるが、一日でも早く含有量表示義務の導入を実現させて、規制につなげていきたい。  この記者会見の中で福島大臣はもうひとつ重要なことを発言している。この問題について食品安全委員会が「一般的な日本人の食生活では摂取しても直ちに問題がない」としていることに対して、「食品理解を深めるためにも表示する方向で検討してほしい」と述べたのだ。これにはたいへん重要な意味が込められている。トランス脂肪酸が多く含まれている食品はマーガリンそのものは別格として、ファーストフード店のフライドポテトやチキンのように危険な油で揚げた食品や大量生産された菓子パンやスナック菓子など、いわゆるジャンクフードと呼ばれているものであることを考えると、それらをたくさん食べている若年層が自分の健康を守るために「食品を選ぶ」ことができるようにすることが重要なのだということを示唆している。これは最近よくいわれるようになった「食育」の基本的な課題だといえるだろう。なぜならトランス脂肪酸の有無、あるいは含まれている量を確認しながら自分が食べるものを決めるということは、外来の食べ物であるシャンクフードを食べ続けるのか、あるいは日本の伝統的な食事を見直すのかという問題に必然的に行き着くからだ。福島大臣が食品安全委員会の見解を見直すことの論拠とした「食品を理解して選ぶ」ということは食育の基本問題であると踏まえて、食育とトランス脂肪酸について考えてみたい。

   「食育」というと思い出すことがある。2005年の総選挙で愛知4区から立候補して、比例東海ブロックで当選した藤野真紀子前衆議院議員のことだ。「小泉チルドレン」のおひとりで、料理研究家を本業とする方である。この藤野前議員が当選のインタビューで議員としてやりたいことを問われて、「食育」と答えた時、たいへんな違和感を覚えた。郵政民営化を踏み絵にした市場原理主義を推し進めようとする小泉・竹中政治の中から立候補した議員と「食育」はまったく結びつかなかったからだ。食育とは1980年代にイタリアで始まったスローフード運動が使い始めたことばである。大量生産、大量消費という現代の食のあり方、ファーストフード店の越境による世界的な味の均一化、海を越えて流入してくる食料による自国の農業への圧迫などに対して、地域の伝統的な味や食習慣、地元の農業を守ることなどをめざして提唱された運動である。新しい食文化のあり方を提案して実践していく運動だからかならずしも反ファーストフードではないが、この運動の出発点となったのは1986年にローマの旧市街の中心で観光名所でもあるスペイン広場にマクドナルドが出店しようとしたことに対する反対運動だった。日本でも使われ始めていた「食育」も同じような意味で、品質や栄養より収益のための効率を優先させ、売れる物なら何でも売るファーストフードの市場原理優先の食のあり方に対する異議申し立てであったはずである。それに対して藤野前議員の食育とは、ホームページなどを拝見すると「語り継ぐお菓子たち」という活動によって子どもたちにお菓子作りの楽しさを伝え、親子でお菓子を作ることの重要性を訴えることらしい。
 しかし藤野前議員は選挙前の「公約」で重要なことをいっている。その公約とは「食育で愛知4区の治安を日本一よくする」というものだった。藤野前議員の在任中の5年間に名古屋の治安が他と比べて少しでも良くなったという話は聞かないが、それでも「食」と治安を結びつけた発想には脱帽するしかない。食生活・医事ジャーナリストの氏家京子さんが著書の中で紹介しているアメリカでの調査によると、粗暴犯罪者の血液検査をすると血中の脂肪構成が悪くなっていることがわかるという。DHA(ドコサヘキサエン酸)の値が暴力経験のない一般の人の値より著しく低くなっていて、これは日ごろの食生活における脂肪の摂り方に問題がある結果だという。人の脳の大部分は脂質でできていて、その中でも重要な役割をもつ脳神経細胞は大量のDHAで作られているので、これが不足すると脳神経細胞の働きに影響が出て、学習能力や記憶力を衰えさせることが考えられるという。杏林予防医学研究所所長で分子栄養学博士の山田豊文氏は著書の「細胞から元気になる食事」の中で、トランス脂肪酸が細胞膜の組織内に大量に存在すると細胞膜が正常に機能しなくなることを指摘していて、それ自体が自然界には存在しない有害なものであるばかりでなく、他の必須脂肪酸が取り込まれて栄養として利用されるのを妨げると説明している。このように栄養の摂り方、または脂肪の摂り方が心と体のコンディションの問題と深くかかわっていることわかる。
 12月1日の朝日新聞では、小、中学校で児童生徒の暴力行為が前年度比で13%増、3年間で7割も増えたことが報じられている。子どもたちは「感情がうまく制御できない」「コミュニケーションの能力が足りない」と観察されていて、いじめは先生たちの様々な努力によって毎年のように減っているのに暴力行為は増え続けているという。この原因のすべてを食生活に求めるのは乱暴だが、魚や豆、海草や野菜をたくさん食べていた伝統的な和食の食卓が崩壊して、肉食と危険な油があふれた食事に変わったことが少なからず影響していることは容易に想像できる。不況による生活費の減少と、食品の低価格競争が招く食材の粗悪化がこれに追い討ちをかけているのかもしれない。
 ファーストフードの弊害をリポートしたアメリカの映画「スーパーサイズ・ミー」(2005年アカデミー賞ドキュメンタリー部門ノミネート作品)では、ウィスコンシン州にある不登校などの問題がある生徒を集めた高校でおこなわれたジャンクフードや炭酸飲料を好んでいた生徒たちに低脂肪、低カロリーのランチを食べさせる試みが紹介されている。オーガニックフードの会社に委託した野菜や果物たっぷりで、全粒粉のパンや、揚げたものをやめてオーブンで焼くことを心がけたすべて手作りの料理を導入して、そして糖分過多の炭酸飲料をやめることで生徒の行動に落ち着きが出て、学習への集中力が高まったと校長が証言している。

 このように栄養に関する様々な問題が心と体のコンディションを左右することを広く知らせて、安全な食べ物を選択していくことを子どもたちに教えていくことが現状での食育の基本だと思う。トランス脂肪酸についての理解を深めて、それが含まれている食べ物を避けることはそのための解りやすいテーマである。山田豊文博士はトランス脂肪酸を避ける時の注意を次のように記述している。「マーガリン以外にもトランス脂肪酸はその名前を変えてさまざまな食品に含まれています。買い物をするときに、食品のパッケージに貼られているラベルを注意して見るようにして下さい。クッキーやケーキ、チョコレート、菓子パン、コーヒーフレッシュをはじめ、多くの加工食品にマーガリンやショートニング、加工油脂、あるいはファットスプレッドなどと書かれていることにお気づきになったでしょうか。これはすべてトランス脂肪酸が大量に含まれていることを意味します」。山田博士は本誌11月号で詳しく述べたトランス脂肪酸が持つ危険性で最も重要なことが、血液中の悪玉コレステロールを増やして善玉コレステロールを減らすことによって心臓病のリスクを高めることであることも指摘している。そしてこの危険なトランス脂肪酸の含有量のラベル表示が2006年からアメリカで行われているのと同じように、日本でも早く対策を打つべきだと主張している。「本来の食事とは健康を維持していくためのものですが、これでは健康を害するための食品が店頭に並び、私たち消費者はわざわざそれを選んで購入していることになります」これが山田博士の結論である。福島大臣がトランス脂肪酸に関して「食品への理解」を呼びかけたのはまさに重要なことであり、消費者庁への指示が一日でも早く実現することが望まれる。

 

 写真はアメリカで売られているカップヌードルである。このように成分表示に「トランスファット0g」と表示されているばかりでなく、表にも「トランス脂肪酸0g」の目立つ表示がある。これが望ましい商品の見本である。このように表示されていれば、自分の健康を考えながら食品を選ぶことができる。同じ商品なのにアメリカで売る製品はこのようにトランス脂肪酸に関しては安全な製品ができるのに、日本向けの製品は依然として揚げ油にトランス脂肪酸が含まれているためにリスクを伴う製品のままだというのはおかしな事だが、それでも「やればできる」ことを示しているといえるだろう。山田博士が指摘したように菓子類やパンなども同様に表示をするべきだろう。バターを使った菓子とマーガリンやショートニングを使った菓子のどちらを選ぶのかという問題は食育の大事なテーマだと思う。カフェでコーヒーや紅茶を飲む時に「コーヒーフレッシュ」といういつでも常温に置いてある、そしていくつ使っても無料の「ミルク」を使うのかどうかも食育の重要なテーマである。冷蔵する必要がなく使い放題のこの白い液体は、ほとんどが牛乳成分など入っていない植物油を加工したもので、トランス脂肪酸を多く含んでいる。
 成分表示が義務づけられている加工食品はトランス脂肪酸の含有量表示で見分けやすくなる。しかしわかりにくいのはファーストフード店などの外食産業で出される料理やスーパーなどで売られる惣菜に含まれるトランス脂肪酸である。特に揚げたものは安くて粗悪な油を使うと多量のトランス脂肪酸を含んでいることがある。揚げ油としてショートニングを使うことはハンバーガー店やファミリーレストランでは普通におこなわれていることだが、これが最も危険である。マーガリン・ショートニングのように化学処理によってトランス脂肪酸が発生した油脂の他にも、通常の食用油の場合でも製造法によっては危険なものがある。大豆や菜種などの食用油には「圧搾法」で搾られたものと「抽出法」で化学的に作られたものがあるが、昔ながらの低温で搾る(コールドプレス)油が安全で栄養の面でも優れているのに対して、様々な薬品を加えて油を溶かし出して高温で無味無臭に精製する抽出油は効率的でたいへん安く製造できるが多くのトランス脂肪酸を発生させてしまっている。オリーブ油の場合ではエキストラバージンと明記されているものだけが圧搾法で作られていることが保障されていて、安いものには搾りカスに高温と高圧をかけて溶かし出したものが多く、これは危険な油である。残念なことだが食用油に関しては価格が安全性に比例しているといっていい。ちなみに筆者はレストラン経営者だが、揚げ油に使っているのは「圧搾一番しぼり」の菜種油で価格は一斗缶(16.5kg)で9700円である。業務用の食用油を売る店をのぞくと同じ一斗缶の植物油が2500円前後で売られている。
  2005年にニューヨーク市が市内のすべての飲食店やスーパーに対して、トランス脂肪酸を含む調理油を使用しないように呼びかけたのはこのようなリスクをなくすためであるのはいうまでもない。日本でも食用油に対してトランス脂肪酸の含有量表示を徹底して、外食産業や飲食店、スーパーなどに対してトランス脂肪酸の低減を要請するべきだろう。

 最後に山田博士の本からもう一度引用させていただくことにする。博士はショートニングの語源を、揚げ物やクッキーなどのサクサク感を出すこと、つまり「もろくする」という意味のshortenであると紹介して、次のように書いている。「家で揚げ物をするより、出来合いのものを買ってきたりお店で食べたりするほうがカラッと仕上がっているという印象を受ける方も多いでしょう。これらを『専門店のなせる業』と思っていたら、実はショートニングを入れた油で揚げているだけ、というケースも決して珍しくありません。私に言わせれば、ショートニングでもろく崩れていくのは、ずばり私たちの体です。」
  社会をあげてトランス脂肪酸の低減をめざすことが急務である。福島大臣と消費者庁の今後の仕事に期待したい。

参考文献:

「細胞から元気になる食事」山田豊文著
ウェブサイト「トランスファット注意報」
「危険な油が病気を起こしてる」ジョン・フィネガン著
「食用油には危険がいっぱい」氏家京子著
毎日新聞11月24日夕刊
朝日新聞12月1日朝刊
「この文章はみさと屋の藤川が、月刊社民編集部の要請を受けて執筆したものです」

https://www.jca.apc.org/~misatoya/misatoyasaite/bargarine/margarin.html
http://www.asyura2.com/20/reki5/msg/170.html#c1

   

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