2. 2022年5月02日 22:03:16 : 55MefWuSs2 : a3B2QWJjNi9NeG8=[1]
Ronan Manly 論文「ルーブルと金の固定価格の意味と世界的ン影響」
上記論文は、”ロシアが石油や天然ガスの輸出代金をルーブルで支払うよう要求すれば、ルーブルと金の固定価格による、金との間接的なペッグが即座に成立する”と指摘、これが他の商品にも拡大されれば、ここに金本位制が復活かもと述べる。金1gは5000㍔と固定だから、金1㌉すなわち金31.1035gは、15万5500ルーブルである。5月2日午前現在外為相場は80㍔=1ドルだから、15万5500㍔=1944jとなり、ほぼ現行の金相場であり、妥当となる。ロシアが貿易等の国際決裁を金で行うとき、関連する諸外国の決済も、連動して金が中心となり、次第に世界経済の基底は金本位制となる、と上記論文は指摘する。問題はそのとき、世界国内経済の拡大に対応するだけの金の量が存在するかという金本位制の致命的弱点よく指摘されるが、この致命的な問題に如何に対応するか、ついては論文は言及ない。
これへの1つ対応策について、仮にA国がロシアから155万5000㍔分の天然ガスを輸入し、311gの金支払いが必要となったと仮定する。このときA国は25%に相当する78gの金だけを支払い、残余の天然ガス相当の116万6300ルーブルは、取り敢えずA国側の帳簿上だけの貿易債務としておく。こうすることで、世界貿易総量に必要なだけの金量を、取り敢えずは縮小し確保するという、1つの仮説である。この意味する所は、ロシア側から見れば、帳簿上の貿易債権などは為替変動で極めて不安定であり、何時紙屑化するかも知れぬ。このようなものより、手中にした78gの金を、国際商品であるから速やかに価格上昇させ4倍まで上昇させた方が、スムースな155万5000㍔分の天然ガス代金回収に繋がるとなる。
こうした仮説の考え方は、金不足量に対応できると共に、金価格上昇のインパクも働くと断定できる。これは、25%部分的金本位制といいうるもので、かって高橋靖男氏『金急騰!』(廣済堂出版、2004年 P162)が提起した1つの仮説である。こうした考え方以外にも、金本位制の弱点をカバーする構想はいろいろあると思うが、何れにしても国際基軸通貨をドルだけが担う時代は終了であり、米がFF金利を3.75%にしようが4〜4.5にしようが、時代の趨勢に対してはお門違いであり、国際通貨は流動化に入ったのである。