36. 2016年6月06日 16:30:21 : 6I8eLwZu3M : w8257OocA2M[1]
いま日本共産党は路線を微妙に修正し、世論を味方につけようとしています。
その最たるものが、国会の開会式に出席したことです。日本共産党はこれまで、「天皇陛下が開会式で述べるお言葉に政治的な内容が含まれ、憲法が定める国事行為を逸脱する」という理由で出てこなかった。ところが2016年1月4日、69年ぶりに開会式に出席をした。
志位和夫委員長はその理由を、「お言葉の内容に政治的発言はなくなり、形式的、儀礼的なものになった」と説明していました。では、これまでの開会式の陛下のお言葉は政治的発言だったのでしょうか?
これまでの陛下のお言葉を聞けば、民から選ばれた衆参議員に、国家の繁栄と国民のために尽くすことを願っておりますーという内容のもので、政治的な要素は皆無です。仮に現在なくなったというのなら、これまでの天皇陛下がどんなご発言をなさっていたのか、どこがどう政治的ご発言だったのかを、きちんと説明してもらいたいものです。
しかも出るだけで終わればいいものの、「高い玉座が設けられ、(天皇陛下の)お言葉を賜るという形式は日本国憲法の主権在民の原則に反する」として改善を求めるという。
結局、出席したのも、参院選での野党共闘を睨んで、「日本共産党は変わったのだ」というポーズを示したいからでしかない。
2015.12.31 05:03
【主張】
共産党と開会式 打算的な擬態に過ぎない
http://www.sankei.com/column/news/151231/clm1512310003-n1.html
天皇陛下をお迎えして行う国会の開会式への出席を拒否してきた共産党が、新年の通常国会から出席に転じるという。
志位和夫委員長は、党綱領で掲げる日米安全保障条約の廃棄や自衛隊解消といった従来の政策を凍結する考えもこれまでに示している。
他の野党との「国民連合政府」への呼び水とするためだ。だが、これは党への拒否反応を薄める擬態としか思えない。
そもそも天皇や自衛隊、日米安保の否定は同党の基本姿勢だろう。にわかに信用できない。
志位氏は「特別に高い玉座(ぎょくざ)が設けられ『お言葉』を賜る形式は、憲法の主権在民の原則と精神に反する」と、開会式の変更を求めていく考えも示している。とても納得できるものではない。
共産党は平成16年改定の現綱領で「天皇制」と「自衛隊」の当面容認を盛り込んだ。同時に、将来的な「民主共和制の政治体制の実現」を明記している。皇室の廃絶を狙うものだ。本音がそうだから、天皇が敬愛の念をもって遇されることが嫌なのだろうか。
世界には英国など民主的な君主国が少なくない。伝統を踏まえた立憲君主である天皇と国民主権はなんら矛盾しない。
天皇が参加する開会式は日本の憲政上、大切な式典である。
天皇は「日本国の象徴であり国民統合の象徴」と重く位置付けられており、お言葉によって国会の働きに期待感を示すのは国会の役割が大きいことを意味する。その意義を理解していないのか。
志位氏は、出席方針と政局との関わりは否定し、「(お言葉が)この三十数年来は儀礼的で憲法から逸脱していない」と語った。
なぜ今、出席かの理由にはなっていない。また、政党がお言葉の内容をあげつらい、制約をかけようとすること自体、政治利用にあたりかねない。
共産党は、防衛力の整備や米軍基地に反対する非現実的な政策を掲げてきた。反省の色もない。
野党連携の決め手が他にないからといって、民主党などは本気で、実質的な政策の転換を示さない共産党と手を組むのか。
こうした方針を急に打ち出せるのも、党内の自由な言論が保障されていない民主集中制がとられているからだろう。
今度のことでもっとも困惑しているのは党員ではないか。
2016.1.16 07:00
【永田町の非常識(1)】
「天皇」と呼び捨てにしながら開会式に出席する共産党ってどういうこと? 「人間として当たり前」って…
http://www.sankei.com/politics/news/160116/plt1601160002-n1.html
永田町で取材をしていると、「常識とはなんぞや」と感じることが多い。今年も最初からその連続だった。
正月気分も抜けない1月4日、早々と通常国会が召集された。天皇陛下をお迎えして参院本会議場で行われる開会式に、共産党の志位和夫委員長ら幹部6人が出席した。共産党議員の開会式出席は昭和22年以来で、約69年ぶりとなった。本会議場の志位氏らは天皇陛下をお迎えする際に起立し、頭を下げ、他党の議員と同様の振る舞いだった。
国会議員が開会式に出席するのは「当たり前だ」と思っていた。だが、少なくとも共産党にとっては常識でなかった。いわく、天皇陛下のお言葉には政治的な発言が含まれ、「高い玉座からお言葉を賜る」(志位氏)という形式に反対だったからだという。
ところが今回、天皇陛下のお言葉が「ここ三十数年は儀礼的、形式的な発言が慣例として定着した」(志位氏)と判断し、方針を転換した。ならば昨年から出席してもよかったのに、なぜ今年からなのか。安全保障関連法の廃止を目指す野党連立政権「国民連合政府」構想を提唱する共産党にとって、他党の「共産党アレルギー」を払拭する狙いがあるのは明らかだ。
志位氏は開会式後の記者会見で「私たちは一貫している。現行憲法の国民主権、主権在民、そして天皇の制度については国政に関する権能を有さないという制限条項を厳格に守ろうと。この1点でこれまでも対応してきたし、これからも対応する。変わらない」と説明した。「なぜ今回からなのか」の説明になっていないが、開会式での所作に関する次の言葉にはもっと驚いた。
「衆院議長にしろ、天皇にしろ、礼をしたときに私たちも礼をした。人間として当たり前だ」
礼をするのが当たり前ならば、公の場で天皇陛下を「天皇」と呼ばないことも当たり前ではないか。呼び捨てにする感覚は、少なくとも私にはない。志位氏が「厳格な順守」を訴える憲法の第1条には、「天皇は、日本国の象徴であり日本国民統合の象徴であつて、この地位は、主権の存する日本国民の総意に基く」とある。天皇陛下を尊重しない姿勢は国民をないがしろにすることにつながり、憲法の精神にもとる。このことからしても志位氏の言うところの「当たり前」を共有できない。
さらに驚くべきことは2日後に起こった。北朝鮮の核実験への反応だ。安倍晋三首相のみならず、民主党の岡田克也代表も、維新の党の松野頼久代表も、一様に「重大な脅威」との表現を使って北朝鮮を厳しく非難した。
しかし、志位氏が6日に出した談話は、「暴挙」や「糾弾」などの表現はあったが、「脅威」という文言はなかった。紙で出した談話では言葉足らずだったのかもしれない。しかし、穀田恵二国対委員長も6日の記者会見で「脅威」との言葉を使わず、「けしからん話だ」と述べるにとどまった。
それもそのはず。志位氏は昨年11月のテレビ東京番組で、安保関連法を批判する文脈で「アフガニスタン、IS(イスラム教スンニ派過激組織『イスラム国』)、南スーダンのPKO(国連平和維持活動)の任務の拡大に実際は危ないところがある。北朝鮮の問題、中国の問題にリアルの危険があるのではない」と述べていた。
いくら安保関連法を「戦争法」と呼んで批判しているとはいえ、一般論として北朝鮮に脅威がないと本当に認識しているのだろうか。そんな認識の政党が「国民連合政府」を樹立しようとしているわけだ。
共産党幹部で最初に「脅威」に言及したのは小池晃政策委員長で、8日の記者会見で「この地域と世界の平和と安定に対する重大な脅威だ」と述べた。たったそれだけのことを表明するのに2日間も要したのが共産党だということがよく分かった。
(政治部 酒井充)
2016.2.2 11:00
【共産党研究(上)】
柔軟姿勢も変わらぬ本質 綱領では「天皇制は民主主義の徹底に逆行」 警察庁なお動向注視
http://www.sankei.com/politics/news/160121/plt1601210006-n4.html
年明け間もない4日、共産党恒例の行事「旗びらき」が東京・代々木の党本部で開かれた。志位和夫委員長は「安倍晋三政権になって自民党はウルトラ右翼、極右政党化した」「安倍政権は一見強いように見えて、実はもろく弱い」と声を張った。
旗びらきでの政権批判は毎度のことだが、志位氏の今年の発言は一風変わっていた。共産党は「戦争法」と呼ぶ安全保障関連法が成立した昨年9月19日、緊急の4中総(第4回中央委員会総会)を開き、「戦争法廃止」と集団的自衛権の行使を容認した閣議決定の撤回を実現するための「国民連合政府」構想を決定。民主党など他の野党と協力して暫定的な連立政権を樹立し、そのための全国的な選挙協力も行う構想だ。
「野党が結束すれば必ず倒せる。安倍政権を包囲して退陣に追い込み、政治の転換をはかる年にするために大いに奮闘しようではないか」
構想提唱後、初めての旗びらきでこう呼び掛けた志位氏の言葉にも自然と力が込められた。平成26年1月の第26回党大会で、政権陥落後で落ち目の民主党をよそに「『自共対決』時代の本格的な始まり」と決議したのを忘れたかのようだった。
目新しくない構想
どの政党もそうだが、共産党の行動も党綱領が基本となる。大正11年に結成された共産党は戦前の非合法時代も含め今年で94年を迎え、日本の政党で最も古い。綱領も時代にあわせ改定を重ねてきた。
提唱後、マスコミの注目を集めた国民連合政府構想だが、実は特別目新しいわけではない。夏の参院選の1人区を念頭に、他党との全国的な選挙協力を打ち出したのは初めてとはいえ、その概念は「民主連合政府」の名で昭和48年から提起されていた。
平成16年1月の第23回党大会で改定された最新の綱領でも「民主主義革命と民主連合政府」と題し、「さしあたって一致できる目標の範囲で統一戦線を形成し、統一戦線の政府をつくるために力をつくす」と書いてある。安保関連法廃止こそが今回の「さしあたって一致できる目標」であり、志位氏は綱領を忠実に守っているというわけだ。
「民主主義革命と民主連合政府」の表題の下に明記しているのが、日米安保条約の廃棄で、自衛隊についても「国民の合意での憲法第九条の完全実施(自衛隊の解消)に向かっての前進をはかる」としている。
志位氏は今回の構想で、日米安保条約廃棄や自衛隊解消という本音を「横に置く」とし、連立政権の条件としない考えを示している。これもまた目新しいわけではない。
共産党は過去にも暫定的な連立政権を訴えていた。10年の参院選比例代表で過去最多の約819万票を獲得すると、当時の不破哲三委員長は野党暫定政権への参加を強調しはじめ、「暫定政権としては安保条約にかかわる問題は『凍結』する」(10年8月25日のしんぶん赤旗)と述べていた。
ただ、今回も日米安保条約廃棄は単に凍結しただけで、廃棄そのものの旗を降ろしたわけではない。
志位氏は野党共闘を呼び掛けた4日の旗びらきのあいさつの後、参院本会議場に向かった。衆院議員の志位氏が参院に出向いたのは、天皇陛下をお迎えして開かれた通常国会の開会式に出席するためだった。昭和22年に一部の共産党議員が「様子見のため」(党幹部)に出席したことがあったが、皇室制度を批判する共産党が組織として出席したのは初めてだった。
これもまた、「共産党アレルギー」を払拭し、構想実現へ柔軟路線をアピールするためなのは間違いない。しかし、綱領には今も「形を変えて天皇制の存続を認めた天皇条項は、民主主義の徹底に逆行する弱点を残した」としている。皇室制度に本質的に反対の姿勢は何ら変わっていない。
共産党が現在の綱領を制定した直後の16年9月に警察庁が発行した「焦点269号 警備警察50年」では、「暴力革命の方針を堅持する日本共産党」と明記した。公安調査庁が毎年ホームページなどで公開している「内外情勢の回顧と展望」には、過激派や右翼団体と並んで共産党の動向がつづられている。
こうした実態に、民主党幹部は「共産党の綱領を読んだが、とても一緒に活動できる相手ではない」とため息をつく。綱領の抜本的な変更がない限り、共産党の描く野党共闘は実現しそうにもない。(酒井充)
http://www.asyura2.com/16/senkyo207/msg/299.html#c36