33. 2016年3月10日 15:20:50 : f8zoVB2a7Q : thOmaXgXEMk[1]
関電ガンバレ! 関電負けるな!
2016.3.10 07:15
【高浜3、4号機差し止め】
地裁、乏しい科学的根拠 規制委新基準も批判
http://www.sankei.com/affairs/news/160310/afr1603100002-n1.html
大津地裁=9日午後3時51分、大津市(恵守乾撮影)
関西電力高浜原発3、4号機(福井県)の運転差し止めの仮処分を命じた大津地裁は、耐震性能や津波に対する安全性能、過酷事故対策など7つの大きな争点について言及した。しかし、多くは関電の説明が「不十分だ」と指摘するだけで、科学的根拠に乏しい内容となっている。高浜を「合格」とした原子力規制委員会に対しても「非常に不安を覚える」と批判するものの、決定文に科学的な反証は見当たらない。
今回の仮処分の主要な争点となったのは、原発事故の後、電力会社に最も厳しいハードルが課された「地震や津波への対策」だ。規制委が定めた原発の新規制基準では、原発ごとに想定される最大の揺れ(基準地震動)を策定し、それに基づいて機器や設備の耐震設計をするよう求めている。
大津地裁の決定は、関電の周辺活断層の調査について「徹底的に行われたわけではない」とし、耐震評価も「安全余裕をとったといえるものではない」と断じた。しかし、根拠は不明で、関電の説明の不十分さを指摘した上で「十分な資料が提供されていない」とするだけだ。
さらに「津波に対する安全性能」についての記述は9行にとどまり、「大規模な津波が発生したとは考えられないとまでいってよいか、疑問なしとしない」と曖昧な言葉が並ぶ。
これ以外にも、裁判所側の説明の放棄は随所に見られる。地裁は「(規制委に)代わって判断すべきであると考えるものでもない」としながらも、規制委の新基準の合理性について疑問を投げかけた。
例えば新基準は、電力会社に多様で大幅な過酷事故対策を求めている。具体的には、複数の空冷式非常用発電装置や、電源車の設置などだ。ところが、地裁は新基準が求めるこれらの備えについて「このような備えで十分であるとの社会一般の合意が形成されたといってよいか、躊躇(ちゅうちょ)せざるを得ない」と指摘した。
新基準は福島の事故を教訓に、国際的な基準を参考にして、広く国民の意見を反映した上で策定された。その根底には「安全に終わりはない」という安全神話との決別がある。
そのような策定過程を無視して、「躊躇」という感想めいた言葉で片付けることが合理的といえるだろうか。仮処分とはいえ、裁判所の判断には緻密な論理と精密な論拠が要求される。
(天野健作、緒方優子)
仮処分 直ちに効力発揮
仮処分決定は民事保全法に定められた手続きで、時間がかかる通常の訴訟で争う間に著しい損害や急迫の危険が生じるのを避ける必要から、当事者の申し立てに基づいて裁判所が審理、可否を判断する。審理は通常の訴訟より迅速に進み、効力も決定後直ちに生じる。このため関西電力高浜原発3、4号機は9日の大津地裁決定に伴って運転できなくなり、関電はトラブルなく営業運転を続けている3号機の停止に追い込まれた。
決定の効力を止めるには執行停止を地裁に申し立て、原発の停止によって「償うことのできない損害」が出ると明らかにする必要がある。
関電は昨年4月に3、4号機の再稼働をいったん差し止めた福井地裁決定に対しても、同じ福井地裁へ執行停止とともに不服申し立て手段の「異議」の手続きを取り、別の裁判長の判断を求めた。今回も同様の流れになる見通し。
異議審の決定に対してはさらに大阪高裁への「抗告」が可能だ。今回の決定内容は今後のいずれかの段階で覆らない限り、基本的に効力が維持される。
一方、関電は裁判所に申し立て、住民側に通常の訴訟を起こすよう求める選択肢もある。通常訴訟は仮処分より優位にあり、住民側の差し止め請求を退ける判決が確定すれば、今回の決定は効力を失う。
*今後見込まれる主な司法手続き
@大津地裁:運転停止の仮処分決定「3号機を運転停止(4号機はトラブルで停止中)」⇒関電が異議申し立て⇒異議が認められ決定取り消し⇒2基の運転が可能に⇒大阪高裁:住民側が高裁に抗告⇒却下⇒運転可
A大津地裁:運転停止の仮処分決定「3号機を運転停止(4号機はトラブルで停止中)」⇒関電が異議申し立て⇒異議認めず⇒2基とも運転できず⇒大阪高裁:関電が高裁に抗告⇒認められる⇒運転可
B大津地裁:運転停止の仮処分決定「3号機を運転停止(4号機はトラブルで停止中)」⇒関電が異議申し立て⇒異議が認められ決定取り消し⇒2基の運転が可能に⇒大阪高裁:住民側が高裁に抗告⇒認められる⇒運転不可
C大津地裁:運転停止の仮処分決定「3号機を運転停止(4号機はトラブルで停止中)」⇒関電が異議申し立て⇒異議認めず⇒2基とも運転できず⇒大阪高裁:関電が高裁に抗告⇒却下⇒運転不可
D大津地裁:運転停止の仮処分決定「3号機を運転停止(4号機はトラブルで停止中)」⇒関電が執行停止申し立て⇒認められる⇒2基の運転が可能に
E大津地裁:運転停止の仮処分決定「3号機を運転停止(4号機はトラブルで停止中)」⇒関電が執行停止申し立て⇒却下⇒2基とも運転できず
関電 値下げ・域外販売先送りも 遠のく自由化メリット
大津地裁が高浜原発3、4号機の運転を認めなかったことを受け、関西電力は当面、原発を動かせなくなる。原発稼働を前提に予定していた値下げや、首都圏などへの域外販売も先送りになる可能性が高い。4月には電力小売りが全面自由化されるが、競争に伴う料金引き下げやサービス多様化といった、自由化のメリットが十分に発揮されない恐れがある。
高浜原発の2基が稼働すれば、火力燃料費の削減などで収支を月100億円程度改善する効果がある。関電はメリットを還元するため「5月1日に値下げする」(八木誠社長)計画だった。だが、2基が動かせなくなり、値下げは見送らざるを得ない状況だ。
原発の稼働停止に伴う火力燃料費の増加で、関電は2度にわたり値上げした。このため自由化で新規参入する新電力と比べ「価格競争力で劣後している」(八木誠社長)。新電力は大手電力の料金をベンチマーク(基準)にしており、関電の値下げが進まなければ価格競争が活発にならない可能性がある。
また、自由化で可能になる、首都圏や中部地方といった域外販売に関し、関電は正式に参入を決めていない。東京電力など他の大手電力が相次ぎ名乗りを上げる中、もともと原発比率の高い関電は原発停止で需給に余裕がないからだ。
地域独占が崩れ値下げやサービス向上につながると期待される域外販売だが、関電の出遅れで十分な効果が得られない懸念がある。
http://www.asyura2.com/16/genpatu45/msg/228.html#c33