2. 2016年3月01日 12:41:55 : oDXUv00z5s : tUMU@huj5_8[1]
記事を要約すると、エルドアンはサダム・フセインの二の舞を繰り返すということでいいのかな。
エルドアンはトルコ帝国の再来を望むスルタンになりたいという欧米のネガティブイメージになぞらえれば、かつてサダム・フセインはネブカドネザルに自身を重ねていたという英雄譚に独裁者像を固定化させ、しばしば欧米から批判攻撃の手口にしていたことも、なるほど米国のトルコ支配の口実にはなりえるだろう。
エルドアン自身、けして親米派ではなくむしろ非西欧に舵を切ってきたから、米国にとっては扱いにくい人物であり、ゆえにトルコ大衆からは絶大的な支持を得てきたこともあり、2015年のロシア戦闘機撃墜前まではロシアとの関係は欧米より近かったが、今の現状は親イスラム非西欧で行こうにも行けずのアブ蜂取らずの状況に陥っている。
イスラムか西欧化か、この二つはトルコの近代化の命脈である世俗主義に触れる重大な命題であり、エルドアンが国民的人気を博していても建国の父といわれるケマル・アタテュルクの敷いた世俗主義の路線を断つことは不可能である。
トルコ軍はその源泉でもあり、NATOの対露最前線という現実は変わっていない。
エルドアンは米国とロシアを両軸にかけ天秤外交で急場を凌いできたが、最大の躓きはシリアにおけるロシアの権益に手を入れてしまったことだ。
記事によると米国はロシアが提出したシリアに対するあらゆる侵害を禁じるという提案を認めず、トルコへのシリア側からの主権侵害への反撃を容認し、ロシアは米国のシリア国内の反体制勢力に穏健勢力が混じっているので過激武装勢力と言えども攻撃は控えるべきという提案に反対し、過激武装勢力に一切の区分なしを主張したという。
米国はトルコとシリアの国境線の明確な管理は今後もできないし、させないということである。
一方でロシアはそれならトルコ国境を抜けて入ってくるありとあらゆる反体制派は、残らずひとからげに殲滅すると言ったことになる。
米国にとってどちらが得になるか、ということなのだろう。
もちろん、得の計算にはエルドアンは入っていない。
この記事の言わんとするところはそこだが、にしてもそこまでエルドアンが持つのか?という疑問のほうが強い。