19. 2016年4月05日 14:16:24 : XyVdxIV0Y2 : nKt1PM6_p@E[1]
つまり、菅官房長官自らが自分の息のかかった人物を理事に送り込み、杉田官房副長官とともに“ダイレクトに”官邸の指示をNHKサイドに伝えていた。これはどこからどう見ても、直接的な政治の現場介入ではないか。
籾井会長は、関連団体職員が起こした2億円着服事件や、記者のタクシー券不正使用問題にくわえ、NHK新社屋建設にかかわる土地取引問題という大きな問題を引き起こし、これらの不祥事によって官邸から見放されたと言われている。だが、ここで見逃せないのは、土地取引問題で、籾井会長の子飼いだったはずの板野専務理事と井上理事が籾井会長を裏切り、反対派に回ったことだ。官邸も土地取引について問題視していたというから、このふたりは官邸の意向に沿い、籾井会長に見切りをつけたのだろう。
籾井氏が会長を辞任したとしても、NHKが政権に牛耳られた状態は変わらない。いや、むしろさらに安倍政権に利する放送が強化されていくのではないか──。同書を読んでいると、そうした不安が増し、背筋が凍る。
当然の話だが、NHKは公共放送であって国営放送ではない。現に、NHKのHPでは、〈公共放送とは営利を目的とせず、国家の統制からも自立して、公共の福祉のために行う放送〉だと記している。だからこそ、NHKの政権に忖度した偏向報道や、放送内容・人事への政治的介入は、断じて許されていてはいけない。
同書でこの内部告発を行った「NHKを憂う有志の会」は、〈内部で起きていることを明らかにしていく以外に、権力に対抗する術はない〉と述べている。いま、NHKがどんな恐ろしい状態に陥っているか、ぜひ同書を手にとって確かめてもらいたい。
(水井多賀子)
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